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T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.9
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from 水波流
月イチペースでお送りする、読者参加企画。
今回も総勢19名のご参加を頂いております。途中参加ももちろん大歓迎!
毎度の長文ですのでパソコンでご覧頂くのを推奨いたします。
もし携帯電話などで受信し、途中で切れたりしている場合は、下記バックナンバー保管庫からご確認をお願いいたします。
https://ftnews-archive.blogspot.com/
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事件の結末
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■事件A:5人出撃
レックス砦あてに、黒壇のメメコレオウスより言伝てがあった。
《諸君らに良い儲け話をくれてやろう。シャンキナルの森に生息するトゲボクという木の葉が研究で必要となった。木の葉1枚を金貨1枚で買い取ろうではないか。最低でも50枚ほど集めて来てほしい。それにトゲボクの根元には常に銀毛イタチも居るはず。我には無用だが、その毛皮は諸君らには良い追加報酬となるであろう》
トゲボクに関してはこのあたりに住むものは小さい頃から言い聞かされて育っている。すなわち、トゲボクには近づいてはならない!
無闇に近づくものは振動と熱を感知され、鋭い麻痺性の毒を持つ針状の葉を浴びることになるであろう。
脅威予測)低
報酬)中
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
「コイツがあればトゲボクの野郎が攻撃すればするほどこっちの儲けになるって寸法さ。名付けて戸板作戦!ってな」
赤毛の大男バラクが、木立の影で腰を下ろした一行の前で熱弁を振るっていた。
戸板作戦。それは『体を何かで完全に隠して相手の葉をそれで受け止める』というもの。バラクは、自分が隠れられる位の戸板を数枚とそれを一枚に重ねるための釘と木槌、それに被せられる布を数枚、また戸板を腕で持つための盾用の革紐を準備していた。基本的にはその厚重ねした戸板に泥を塗った布を複数貼り付け、斜めに傾けて更に厚みをまして受け止めるつもりであった。
「なーに、この依頼に期限はねぇ、のんびりじっくり行こうぜ」
バラクの言葉にドワーフ戦士クリフと戦士へーざぶろー、剣士スパイデイの三人が鷹揚に頷く。その横で軽薄そうな男ポル・ポタリアは余裕の笑みを浮かべながら上着の手入れをしていた。
「……ははは、だから諸君は甘いというのだ」
不意に一行に声が投げかけられた。
「誰だ」
「天知る地知る我知る人知る……狩人のイェスタフとは俺様のことだ!」
木立の影から大げさな身振り手振りで名乗りながら登場した痩せた男は、口上を終えると一行をじっと見つめた。
「なんだこいつは。知り合いか?」
へーざぶろーが4人を見やると、全員が薄笑いを浮かべながら首を横に振った。
「おいおい、それはいくらなんでもひどいじゃないか、諸君」
自称名狩人のイェスタフ曰く。トゲボクの葉は射出される前のものでなくては価値がない。なぜなら1度射出されると麻痺毒の成分が滲み出してしまうからだ。それではそこらの葉と全く変わらない。そんなものは黒壇のメメコレオウスは買い取らないだろう。
「だが戸板を使うというアイデアそのものは良いぞ。いい目の付け所じゃないか、ええ?」
尊大な口調で物申すイェスタフを前にバラクは先を促した。こいつはこうして調子に乗らせておくくらいが丁度いいのだ。イェスタフは続けた。
「つまりだ、赤毛の旦那の作戦通り、1方向から接近して、そこを禿げ山にしちまうのさ。で、残った3方向から注意を引いているうちに、禿げ山になった方向から飛びついて、若芽をすべてむしっちまおうってのはどうだ」
「それなら儂の竜の牙が役に立つじゃろ。スパルトイには麻痺毒は効かんしの」
クリフが竜の牙を放り投げ、竜牙兵スパルトイを呼び出した。と、ポルがニヤニヤ笑いを浮かべたまま上着を広げ、朗々と言葉を紡いだ。
「さぁさぁ、お立合い、ボクのジャケットを御覧じろ。取り出しましたこの伝統のジャケット、なんと飛来物除けが付与されてござる。パッと投げますれば、トゲボクが、ハラリハラリと落ちるってぇ寸法よ。……ってのも、どうだい?」
「最高じゃねえか。こりゃもう、うまくいく想像しかできねえな、諸君」
イェスタフが高笑いをする横で、物静かな様子でスパイデイが木立の先のトゲボクを見つめていた。
(留守を守る子供たちに少しは楽をさせてやりたい……ここで一攫千金といきたいのですが……。)
「よう。聞いてるぜ、赤髪の勇者バラクの勲」
戸板の影に潜みながら、イェスタフが傍らのバラクに語りかけた。
「かのカザンの金獅子と互角以上に戦い、膝を付かせたそうじゃねえか。すげえ奴だったんだな、お前さん」
「どこで聞いたか知らんが、ずいぶんと尾ひれがついてるようだな」
バラクは肩をすくめて不承知の体を表した。
「いいや、俺は所用があってタリーマークにいたが、詩人どもが街角で新たな英雄の誕生と歌い上げていたぜ。なんでもこれからカサールを抜けてカザン市に向かうと言っていたな。こいつはカール・ブロンゾ大公の耳にだって入るかもしれんぜ?」
(北の大都市タリーマークに、〈ゲームの街〉カサールか。奴ら、うまくやってくれているようだな。これならカザンの首都に広まるのも時間の問題か……。)
思案げな顔で首を捻るバラクの横で、イェスタフは高らかに笑い、背中をどんと叩いてきた。
「いやあ痛快痛快。今回もよろしく頼むぜ、勇者バラクさんよ」
予定通り戸板の影に隠れてジリジリと進むバラクとイェスタフ、スパイデイに対し、クリフ、ポル、へーざぶろーは3方向に分かれて距離を取って待機していた。
「さあて……銀毛イタチのやつめはおるかの……」
竜牙兵の陰に身を潜めたクリフが普段なく辺りに目を配った。
銀毛イタチは体長50センチから80センチほどの小型の哺乳類で、しなやかで細長い胴体に短い四肢と、鼻先が尖った顔には丸く小さな耳を持つ。根元は黒いが先にいくほどキラキラと輝く見事な銀色の体毛が特徴であり、その毛皮は滅多に市場に出回ることはなく、それで作られたコートやマントは高値で取引されている。もともと個体数がそれほど多くない上に、普段は薄暗い森林の奥や洞穴の中に住んでおり、泥だらけで汚らしく、他のイタチやクロテンといった同種の動物たちと見分けがつきにくいためだ。
銀毛イタチとトゲボクの関係は、クマノミとイソギンチャクの関係に非常によく似ている。すなわち、銀毛イタチはトゲボクを中心として生活することで外敵から身を守り、トゲボクはこのイタチを「飼う」ことで、イタチに釣られてやってくる獲物にありつく機会が得られる。また、その場で死傷した獲物の身体から湧き出る肉蛆をイタチに食べてもらえるので、それらの害虫が葉につくことを防げるというわけだ。
銀毛イタチがなぜトゲボクに近づいても平気なのか、本当の理由はまだ解明されていない。一部の学者には小柄で軽いため近づいても振動が少ないことと、体表がいつも泥に覆われているため体温が若干低いからではないかと考えられている。
視界をチラリとなにかがかすめ、クリフはにんまりとほくそ笑んだ。
「おるぞおるぞ、お宝じゃい」
ギリギリまでトゲボクに近づいた戸板チームは、3方向に目配せした。ここから先は一瞬の勝負だ。
「いくぜ! 3、2……1。ゴー!」
戸板が勢いよく前に進むと同時に、トゲボクがガサガサと音を立てて身じろぎし、熱と振動を感知し鋭い葉を大量に射出した。
「さぁ、どんどんと射ってきやがれや」
戸板の支えをイェスタフに交代したバラクは、次の一手のために素早く魔法語を詠唱した。
「ようし、第二段階だ!」
正面の戸板への葉の射出が弱まったタイミングで、3方向から各自は周囲に火のついた松明をバラ撒き、地面をドンドンと足踏みしはじめた。熱感知と振動感知の両面を撹乱しようという作戦である。
「竜牙兵、前に!」
「さてお立合い、目を見開いて御覧じろ。ソレッ!」
トゲボクは周囲の反応に戸惑い気味に、散漫な様子で多方向に葉を射出し始めた。当然、既に葉をほぼ射ち尽くしている正面にはほとんど射出されない。
「もらったぁ!」
《いだてん》で加速したバラクが素早く距離を詰め、トゲボクに飛び移った。そしてまるで鶏の羽根をむしるかのように、バッサバッサと手早く若芽をむしり取り、袋詰めしていく。
「ありゃまるで鶏肉屋の舞台裏だな……いいぞバラク!」
へーざぶろーが声援を送った。バラクは片目をつぶってそれに答えると、周囲に言葉を返した。
「もうすぐ終いだ! お土産を確保しろよ!」
「イヤッッホォォォオオォオウ〜〜〜〜〜!」
奇声を上げたポルが《いだてん》で加速し、頭を出した銀毛イタチをトゲボクの足元をすり抜けながらかっさらった。
「ナハハハ。どうですこのお手並み! もっと褒めていいんですよ。ナーッハッハッハ」
ポルは両脇に銀毛イタチを一匹づつ抱えながら、高笑いしていた。
「巣穴にはもう少しいそうじゃがなぁ」
クリフは名残惜しそうに背後のトゲボクを振り返った。
「いや、必要なときに必要なだけ。狩り尽くすのはよしましょうよ」
スパイデイは巣穴から覗く小さな頭に、ふと家族を連想しつつ、言葉を返した。
「ああ、さすがにもう疲れた。これで十分だろ!」
バラクが身体に突き刺さった小さな棘を払いながら声をかけた。その横でへーざぶろーも同意の体で頷いている。
「さぁ凱旋だ! 諸君、大儲けの記念に峡谷の山猫亭で一杯やるとするかね」
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート
クリフ
スパイデイ
へーざぶろー
ポル・ポタリア
→《なんと。よくやったな。これが約束の金貨だ》
トゲボクの木の葉は数えると414枚あった。つまり金貨414枚相当。イェスタフを入れて6名で均等に割れば金貨69枚相当。
そこへバラクが金貨の代わりの品をもらうことは可能かとメメコレオウスに尋ねた。メメコレオウスは少し思案して提示した。
《よかろう。各自取り分の代わりに、好きなものを選ぶが良い》
■メメコレオウスの報酬として、全員、下記から好きなものを1つ選択して下さい。
・金貨で受け取る:金貨69枚
・《教え》:《メメコレオウスの黒き礫》(敵5体に魔法ダメージを6点ずつ与える/1事件に1回使用可能)
・《教え》:《メメコレオウスの黒き毒針》(敵1体に毎ターン魔法ダメージ10点/1事件に1回使用可能)
・《炎の壁》の呪文石(幅6m・高さ4mの炎の壁を召喚。通り抜ける者は20魔法ダメージ)
・《魔神の盾》の呪文石(15ターンのあいだ防御点3倍/1回限り)
・《L3メメコレオウスの黒き毒針》の呪文石(魔法ダメージ30点+毎ターン魔法ダメージ10点)
・スパイダー・ベノム1瓶(3回分・1回3ターン有効)(麻痺毒。毒が入った相手は5ターンのあいだ攻撃力が1/2)
・魔封じの首飾り(魔法防御+5)
・身代わりの依代(1ターンに受けたダメージを全て身代わりとして受け止め、砕け散る)
→銀毛イタチはレックス砦のザルダック商店が1匹金貨60枚で買い取ってくれた。
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■事件B:10人出撃
司令室にて、ガガック兵長と西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンが君たちを出迎える。
「調査報告を総合すると、奴らの狙いはおそらくここだ」
「シャンキナルの森の、聖地の中の聖地。いにしえの偉大なるエルフ王ベリエンベールの墳墓」
司令室に集まった者たちの間にざわめきが漏れる。
「聖なる鳥セマルグルの眠りを妨げてはならぬ」
ギルサリオンは毅然とした表情で口にすると、ガガック兵長に向き直った。
「ガガック殿、共同戦線を願いたい。私は都に戻り手勢を率いて墳墓を包囲する。レックス砦の精鋭で突入部隊を編成して頂き、呼応して制圧したい」
「いいだろう」
ガガック兵長は鷹揚に頷くと、君たちに向き直った。
「志願するものは一歩、前に出よ!」
脅威予測)中
報酬)中
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
シャンキナルの森の奥深く。普段は狩人とて敬遠して足を踏み入れない、静謐な遺跡。西方エルフが崇める英雄、いにしえのエルフ王ベリエンベールの墳墓である。森の木立を影に、物音を殺して潜む一団の姿がそこにあった。鋭い目つきで遺跡を眺める隊長格のエルフの横に、斥候を終えた偵察兵のニンツと盗賊カーモネーギーが控えていた。
「遺跡の内部はいま話したとおり。概ねアンタが言っていたのと変わりはないようだ」
ニンツの報告に、隊長ギルサリオンは鷹揚に頷く。
「術士のダンナは?」
「アルヴェルディアは他の遺跡の浄化に向かわせた。……アンドレアだったか。奴の提案にも一理あると思ったのでな」
(今回重要なのは奴らを倒すことではなく、奴らの目的を完遂させないこと。そうだろう)
いつも穏やかそうな笑みを絶やさないアンドレアが、めずらしく正面からギルサリオンに提言した言葉が思い出された。
「定命の者にしては尊大な物言いではあるが、聞く価値はある」
「森の守り……ねえ」
「そう、森の守りを高めておくに越したことはないからな」
半信半疑の様子のニンツの言葉を、"片耳の"マロウズが引き継いだ。
「で、そのアンドレアは」
「一緒じゃなかったのか、ニンツ」
マロウズが怪訝そうな顔で問いかけた。傍らのカーモネーギーも不安そうな顔で首を振った。
「いやかなりデカい遺跡だったからな。手分けして捜索してたんだ。てっきり先に帰ってるのかと思ったんだが」
「そうか……」
「おおい、いつまで待機しとるんじゃ。日が暮れちまうぞい」
老兵メックリンガーがせわしない様子で声を上げた。その隣で道具の手入れを行っていた赤毛の盗賊エミリアも不機嫌そうな顔で同意の様子を表した。確かに、このままここに大人数で潜み続けているわけにもいかない。
めずらしく落ち着かなさげに大剣の素振りをしていたソーグも手を止め、カエル人サマ、寡黙な戦士ヘルト、東洋風の戦士デュラルも近づいてきた。全員が緊張感のある表情でギルサリオンとマロウズを見つめた。手勢のほとんどを術士とともに遺跡の浄化に向かわせたギルサリオンは、お前が決めろとばかりにマロウズを見やった。マロウズは全員を見回し、一拍おいて宣言した。
「突入する」
(……アンドレア、無事だといいが)
「途中の分岐をすべて調べられたわけじゃないけど、いくつかは目印を付けておいたよ」
魔力によるものか薄く発光する石壁を指し示しながら、カーモネーギーが後衛を振り返って小声で伝えた。既に何度か分岐路を通り抜けて来ている。
「玄室やそこに繋がる通路が無数に張り巡らされている。控えの間、近衛の間、王妃の間を抜けて、最も奥が王の間だ」
隊長ギルサリオンが冷ややかな口調を崩さず答えた。
「くれぐれも慎重にな。どんな罠が仕掛けられているかわからん……」
マロウズが目先の分岐路を見つめながら、珍しく不安げな声でつぶやいた。
「大丈夫。とりあえず、そこにはなにもない」
エミリアの手から粉々になった《そこにあり》の呪文石がこぼれ落ちた。
分岐路を何度も右へ左へ折れて進む。無言の圧力の中、足音だけが響き渡る。
「やれやれ……一体どんな仕掛けでいつから光ってやがるんだか」
ニンツは不気味に発光する壁に手を這わせながら誰に言うともなしに呟いた。
「千年の昔より今に至り、そしてこれからも、とこしえにな」
「……そうかよ。じゃあ俺やお前の爺さんの爺さんが生まれるよりも前からってこったな」
ギルサリオンがしばしの沈黙のあと、重い口を開いた。
「丁度良い機会だ。貴様ら帝国人にお伽噺をしてやろう」
そうして指し示された玄室の壁一面に、古代の壁画が描かれていた。
……
数千年の昔、この地に現れた邪悪なる不死者が暴虐の限りを尽くした。不死身のコシチェイと渾名された老人はその名の通り、切られても毒を飲んでも寿命でさえも死ななかった。シャンキナルの森を治めるエルフの長老たちでさえ、コシチェイの前には為す術もなかった。そうして長い時が流れた。
時のエルフ王、偉大なる英雄ベリエンベールがついに立ち上がった。ベリエンベール王は西方エルフの従者とともに、大冒険の末についにコシチェイの秘密を突き止めた。彼の者の不死の秘密、それは魂と身体を分ける秘術にあったのだ。隠されたコシチェイの魂は、針の先端にあり、その針は卵の中に、その卵はアヒルの中に、そのアヒルはウサギの中に、そのウサギは鉄の箱の中に、その鉄の箱は緑の樫の樹の根元に埋められ、それは大洋に浮かぶ孤島に隠されていた。ベリエンベール王は苦難の末、それを見つけ、盗み出した。
しかしいかな偉大なるベリエンベール王でも、神の如き力を持つ不死者の魂を完全に消し去ることは叶わなかった。そこでベリエンベール王はその魂をシャンキナルの森の守り神、聖なる鳥セマルグルに捧げ、セマルグルはその魂を7つに分けて森に封印し、自らも眠りについた。
……
「長い歴史の間に、コシチェイの封印は何度も解かれたが、その度に我ら西方エルフの手によって封印が成された」
隊長ギルサリオンの声が玄室に響き渡った。
「それがどうしたってんだ。そんなお伽噺はここいらのもんなら誰だって知ってらあ」
ニンツが食って掛かった。
「まだわからぬか。貴様ら人間がマリオナルシスと呼ぶあの屍人使い……あれこそがコシチェイよ」
「なんだと」
「100年前のオーバーキル城での戦にて、我ら西方エルフはカザンの女帝レロトラーと手を組み、彼奴を再度封印することに成功した。ふん、さすがの死の女神もあの不死人には手を焼いたと見える」
ギルサリオンの話は終わり、沈黙が辺りを支配した。
「やれやれ、そこまでご存知とはね。西方エルフを侮りすぎたか」
抑揚のない冷たい声とともに、闇から黒衣に身を包んだ男が一人姿を現した。
「エリファス……!」
「正直、邪魔なんですよね、皆さん方は」
屍人使いエリファスは右手に握った杖を軽く振りながら魔法語を詠唱した。
「常闇の国より死せる同胞、我が求めに応じ馳せ参じよ……《やつらの骨》!」
玄室の石棺の蓋が重い音とともに開き、中から古めかしい装束を身に纏った骸骨が起き上がった。
「おのれ……古代の祖霊を愚弄するか、貴様」
「ははは。偉大な英雄も罪人も、死ねばただの屍。二度目の生をマリオナルシス卿の民として働いてもらいますよ」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:マロウズMR45防5、ヘルトMR40防5、デュラルMR40防5、ニンツMR40防5、ソーグMR35防5、エミリアMR30防5、カーモネーギーMR30防10、メックリンガー老MR30防5、サマMR20防5、魔術師ヴェルナーMR25
西方エルフ森林警備隊:隊長ギルサリオンMR60防5、隊員MR30*6
敵:屍人使いエリファスMR100防5、古代エルフ骸骨兵MR60*6
「一人かよエリファス。子守りの姐さんはどうした」
「そちらこそ、えらく大軍でお出ましじゃあないですか」
黒衣の屍人使いと実体化した骸骨兵を挟んで、ジリジリと間合いを計りながら、ニンツは小声で傍らのギルサリオンに声をかけた。
「右の通路から先に行け。 俺たちは後から追っかける」
「なんだと」
「こんなところで全員が足止めされるわけには行かねえだろが。お前なら正しい道順もわかってんだろ、隊長」
「しかし貴様」
「行けよっ!」
ニンツはギルサリオンを押しのけ、前線に飛び出した。ギルサリオンはその背中を見つめ、手早く配下に指示を出した。西方エルフの一団が迅速に離脱する。
通路に姿を消した西方エルフの一団にちらりと目をやりながら、屍人使いエリファスは魔法語を詠唱した。
「原祖たる太陽の灼熱を用いて、我が敵を打ち倒す焔よ来たれ……《炎の嵐》!」
*エリファス《炎の嵐》詠唱。
*ニンツ《ないことに》詠唱。エリファスの《炎の嵐》を無効化。
「もうその手は飽きたぜ! エリファス!」
「お返しダ」
*サマ《炎の嵐》の呪文石を使用。敵全員に20魔法ダメージ!
*魔術師ヴェルナー《凶眼》詠唱。ヘルトの攻撃力*3。
1ラウンド:PC【381】 VS 敵【353】 /敵側に28ダメージ!(エリファス80、古代エルフ骸骨兵A36、B36、C36、D36、E36、F36)
「このあともう一戦……そっちが本命だ。どこまで手の内を温存できるか……」
「魔術師さんよ、援護頼んだぜ」
「ワシが第4次オーバーキル城攻防戦の勇者メックリンガーであーる!」
*エリファス《凶眼》詠唱。
*エミリア《ないことに》の呪文石を使用。エリファスの《凶眼》を無効化。
*魔術師ヴェルナー《L2これでもくらえ!》詠唱。古代エルフ骸骨兵Fに40魔法ダメージ! 骸骨兵F、粉砕。
2ラウンド:PC【313】 VS 敵【288】 /敵側に25ダメージ!(エリファス80、古代エルフ骸骨兵A31、B32、C32、D32、E32、F0)
*エリファス《L2これでもくらえ!》詠唱
*カーモネーギー《ないことに》の呪文石を使用。エリファスの《L2これでもくらえ!》を無効化
3ラウンド:PC【306】 VS 敵【283】 /敵側に23ダメージ!(エリファス80、古代エルフ骸骨兵A27、B28、C28、D28、E28、F0)
「ここだ。ここで決めるっ」
*ソーグ《いだてん》詠唱。
*ソーグ《凶眼》の呪文石を使用。攻撃力*3。
「ええい、そうやすやすと……!」
*エリファス《のろま》詠唱。
*ヘルト《ないことに》詠唱。エリファスの《のろま》を無効化。
4ラウンド:PC【474】 VS 敵【281】 /敵側に193ダメージ!(エリファス52、古代エルフ骸骨兵A0、B0、C0、D0、E0、F0)
ソーグは鬼神の如き素早さで骸骨兵を薙ぎ払い、その勢いのまま大剣を大上段に構えて振り下ろした。渾身の一撃をまともに食らって、エリファスは血しぶきを撒き散らしながら大きくよろめいた。
「ちっ、ここまでか。だが時間は十分稼いだ」
エリファスは苦虫を噛み潰したように吐き捨てると懐から一掴みの宝石を取り出し、床に叩きつけた。俄に立ち上った黒煙の中から黒い獣が這い出してきた。煙に紛れ、エリファスは素早く後退する。
増援:ブラックハウンドMR40*3
*エリファス撤退。
5ラウンド:PC【315】 VS 敵【111】 /敵側に204ダメージ!(敵全滅)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「休んでる暇はない。追うぞ」
「わかっとるわい! 年寄りをそう急かすでないわ」
息を整える暇もなく、一行はエリファスの後を追う。石畳に残された血の跡を辿り、いくつかの通路と玄室を通り抜けると、やがてこれまで通り抜けてきたよりも遥かに大きく遥かに装飾にあふれる玄室が広がっていた。目の前によろめきながら辿り着いたであろうエリファスの姿が見えた。
「遅かったねえ。この森で新たな血が大量に流されたおかげで、封印も随分簡単に解くことができたよ」
「エルファニ!」
「みっともないねえエリファス。そんなんだから何百年経ってもマリオナルシスさまに叱られるのさ、アンタは」
真紅のローブを身に纏った女、屍人使いエルファニと屍人兵の軍勢が玄室に散開していた。荒い息をついたエリファスが味方に合流し、壁にもたれかかった。対する西方エルフの一団は全身傷だらけになって膝をついていた。
「不覚……彼奴の魔力を少しは消耗させる事はできたが……このざまよ」
全身を焼け焦げと凍傷に覆い尽くされた隊長ギルサリオンが、血反吐を吐きながら一行を見やった。その配下のエルフたちの半数は既に息をしていなかった。マロウズはちらりとその有様を見やると目を伏せた。
「……もういい。あとは任せろ」
「はっ、カッコいいじゃないのさ。惚れるねえ。さぁ、おいでよお!」
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:マロウズMR45防5、ヘルトMR40防5、デュラルMR40防5、ニンツMR40防5、ソーグMR35防5、エミリアMR30防5、カーモネーギーMR30防10、メックリンガー老MR30防5、サマMR20防5、魔術師ヴェルナーMR25
西方エルフ森林警備隊:隊長ギルサリオンMR30/60防5、隊員MR15/30*3
敵:屍人使いエルファニMR120防5魔防10、屍人使いエリファスMR52/100防5、屍人兵MR80*8
「総力戦じゃな」
「爺さん、無理すんなよ」
「ふん、若造が。笑わせるわい」
*マロウズ、ヘルト、ギルサリオン《死の刃》詠唱。攻撃力*2。
*カーモネーギー《いだてん》詠唱。2回行動。
*ニンツ、異界獣の黒曜石使用。MR40ブラックハウンド召喚。
*エミリア、竜の牙使用。MR30スパルトイ召喚。
*魔術師ヴェルナー《凶眼》詠唱。ニンツの攻撃力*3。
「天を統べる御使いたる竜の息吹、煉獄より木霊する呪詛の声、現し世と隠り世の狭間より放たれよ……《地獄の爆発》!」
「原祖たる太陽の灼熱を用いて、我が敵を打ち倒す焔よ来たれ……《炎の嵐》!」
*屍人使いエルファニ《地獄の爆発》詠唱
*屍人使いエリファス《炎の嵐》詠唱。
*ソーグ《ないことに》詠唱。エルファニの《地獄の爆発》を無効化
*メックリンガー《ないことに》の呪文石を使用。エリファスの《炎の嵐》を無効化。
「せいぜい無駄な魔術を使っていろ」
「こんなもの昔の戦では当たり前じゃい」
1ラウンド:PC【567+147】 VS 敵【744】 /PC側に30ダメージ!(マロウズ45、ヘルト40、デュラル40、ニンツ40、ソーグ35、エミリア30、カーモネーギー30、メックリンガー老30、サマ20、魔術師ヴェルナー23、隊長ギルサリオン30、隊員A13、B13、C13)
「くっそ……これでも互角かよ」
「怯むな。まだ手はあるよ」
怖気づいた様子のカーモネーギーを横目に、エミリアが懐から何かを掴みだした。横に並ぶカエル人サマも小さく頷き懐に手を入れた。カーモネーギーがはっとしてそれに呼応する。
*サマ《炎の嵐》の呪文石を使用。敵全員に20魔法ダメージ!
*カーモネーギー《炎の壁》の呪文石を使用。出現した炎の壁により屍人兵を前衛と後衛で分断。
*エミリア、炎の石を使用。敵前衛に合計31魔法ダメージ!
「へえ、面白いことするじゃないのさ」
「エルファニ、油断するな」
「構うこたない、前進!」
*屍人使いエルファニ《地獄の爆発》詠唱
*屍人使いエリファス《L2これでもくらえ!》詠唱
*魔術師ヴェルナー《ないことに》詠唱。エルファニの《地獄の爆発》を無効化
*ニンツ《ないことに》の呪文石を使用。エリファスの《L2これでもくらえ!》を無効化
2ラウンド:PC【402+104】 VS 敵【408】 /敵側に98ダメージ!(エリファニ108、エリファス25、屍人兵A49、B49、C49、D49/【分断】E60、F60、G60、H60)
後衛の屍人兵が炎の壁をものともせずに行軍する。業火に身体を焼かれ、さながら地獄の亡者の様相である、
「残念ねえ。こんなチンケな炎じゃこいつらは止まらないよ」
*屍人使いエルファニ《地獄の爆発》詠唱
*エミリア《ないことに》の呪文石を使用。エルファニの《地獄の爆発》を無効化
「イーゼルヴァンの名において命ずる《眠れ》!」
「ふん、小賢しい」
*サマ《イーゼルヴァンの黒き夢》詠唱。
*エリファス《ないことに》詠唱。サマの《イーゼルヴァンの黒き夢》を無効化。
「そのような低級な魔術が通用するとでも……」
「馬鹿メ」
「なに?」
*ニンツ《これでもくらえ!》詠唱。エリファスに20魔法ダメージ!
「ぎゃああああ」
3ラウンド:PC【408+95】 VS 敵【592】 /PC側に89ダメージ!(マロウズ44、ヘルト39、デュラル39、ニンツ39、ソーグ34、エミリア29、カーモネーギー30、メックリンガー老29、サマ19、魔術師ヴェルナー18、ブラックハウンド35、スパルトイ25、隊長ギルサリオン30、隊員A8、B8、C8)
「エリファス、この間抜け! しょうがない、ここは引きな」
「ああ……すまない」
よろめきながら後方へ下がろうとするエリファスと入れ代わりに、後衛の屍人兵が1体、エルファニに近づいた。
「なんだい、アンタ」
「届け物だ。ゴント村の男から預かった『復讐』……受け取ってもらうぞ」
黒の剣が一閃され、石畳に屍人使いの左手が転がった。炎に焼け焦げたぼろ布をめくり変装を解いたアンドレアが鋭い目でエルファニを睨みつけた。
エルファニはたまらず悲鳴を上げ、失った左手を抑えながら悶え苦しんだ。それを好機と見たデュラルが懐に手を入れた。
「……変身!」
*デュラル、熊神石を使用。ワーベア化→MR+30
*デュラル《凶眼》詠唱。攻撃力*3。
4ラウンド:PC【532+96+90】 VS 敵【579】 /敵側に188ダメージ!(エリファニ93、エリファス5、屍人兵A28、B28、C28、D28、E19、F19、G19、H19)
瞬時に大熊と化したデュラルが激しく突進した。エルファニは魔法語を口の端に上らせたが、左手を失った状態では詠唱も叶わず、デュラルの体当たりと噛みつきを首元に受けて血を吐きながら絶叫した。
「離せえええ! 離すんだよお」
エルファニは肩口に噛み付いた大熊デュラルを振りほどこうと、鮮血にまみれながらもがき苦しんだ。
「エ、エルファニ」
背後に気を取られたエリファスの隙をヘルトは逃さなかった。素早く突き出した右手から、炎の嵐が巻き起こり、エリファスの全身に業火が襲いかかった。
「グワァー」
天井まで届こうかという炎がエリファスの身体を焼き尽くす。ヘルトは粉々になった呪文石の欠片を投げ捨てながら呟いた。
「……切り札を見せるなら、更に奥の手を持て、とな」
ごろりと消し炭になった身体が転がった。
「マ、マリオナルシスさまぁ〜〜〜〜」
エルファニは普段の余裕をかなぐり捨てて絶叫した。
「エルファニ……せいぜい地の底でゆっくり眠ってくれや」
ニンツが短剣を握り直し、首を跳ねるためにゆっくりと近づいた。と、その時。
中空に闇の渦が巻き、辺り一帯を底冷えする冷気が包んだ。
一行は金縛りにあったように動けなかった。そして渦からずるりと漆黒の腕が這い出し、屍人使いエルファニの身体を鷲掴みにした。ぐったりとしたエルファニは焦点の定まらぬ目で石畳に転がるエリファスの死体を見ながら小さく呟いた。
「可愛そうなエリファス。もう一度マリオナルシス卿に作り直してもらわないとねえ……」
刹那。漆黒の腕はそのままエルファニを闇の渦に引きずり込んだ。
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
"片耳の"マロウズ →戦闘後の探索で《そこにあり》を詠唱。屍人使いエリファスの遺品を発見。異界獣の黒曜石(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)を入手した。
ヘルト →《炎の嵐》の呪文石を使用。戦闘後の探索で《そこにあり》の呪文石を使用。屍人使いエリファスの遺品を発見。異界獣の黒曜石(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)を入手した。
デュラル・アフサラール →戦闘後の探索で《そこにあり》の呪文石を使用。屍人使いエリファスの遺品を発見。屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)を入手した。
偵察兵のニンツ →異界獣の黒曜石、《ないことに》の呪文石を使用。
ソーグ →《凶眼》の呪文石を使用。
エミリア →《そこにあり》の呪文石を2つ、《ないことに》の呪文石を2つ、炎の石を使用。戦闘後の探索で、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)を入手した。
カーモネーギー →《炎の壁》の呪文石を使用。戦闘後の探索で《そこにあり》を詠唱。屍人使いエリファスの遺品を発見。異界獣の黒曜石(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)を入手した。
メックリンガー老 →《ないことに》の呪文石を使用。
サマ →《炎の嵐》の呪文石を2つ使用。
アンドレア →戦闘後の探索で《そこにあり》の呪文石を使用。隠された財宝を発見。古代の宝冠(金貨40枚相当)
→沈黙があたりを支配していた。屍人使いエルファニの左手は所在なげに蠢いていたが、やがて力尽き動きを止めた。アンドレアがそれを踏みつけると粉々に崩れ去った。
「この遺跡を再度封印する。浄化のためにシャンキナルの都から術士たちを呼び寄せねばならん」
手負いの隊長ギルサリオンがそう宣言した。
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■事件C:4人出撃
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
3階の魔獣の住処たる密林にて、天空に向かってそびえる古代樹の調査が途中となっている。
次の階層への手かがりを得ることを最優先とせよ。
赴くものはどの程度で帰還するかの自分なりの指針を申告しておくこと。
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
「うわぁー。これが噂の古代樹ってやつネ!」
「こら、勝手に先に行くな」
「塔の中に空もあるなんて、すごいネ〜」
屋内にあるとは思えぬ密林と、その中央にそびえる古代の巨木。一行はもう何度目かの探索となる、巨木の幹の周囲を螺旋を描いて登る、いわば樹の道を言葉少なげに進んでいた。先頭を進む東洋風の少女シャオリンと若きドワーフ戦士ヤスヒロンを眺めながら、無敵の万太郎は横に並んで歩いている雇い人、魔術師カンダックに話しかけた。
「魔術師殿。確約もない報酬の申し出を飲んでもらってすまないな」
「構わんよ。もし何も手に入らねば、貴公のその古代の宝物を頂けるのだからね」
魔術師カンダックは悪戯めいた目つきで含み笑いを返した。視線の先には万太郎の右手にはめられた古めかしい指輪が光っていた。
「……ま、そうならないように、何か見つけますよ」
苦笑と不安がないまぜになったような表情で万太郎が小さく答えた。
「万太郎隊長! 魔術師殿!」
ヤスヒロンが鋭い口調で二人を呼んだ。一行の前には、古代樹の幹に精密に彫り込まれた彫刻壁画が広がっていた。魔術師カンダックは一瞥すると一歩前に進み出た。
「ああ……上位エルフ語だね。任せ給え」
「また魔術師戦争時代の代物か?」
後ろから万太郎に並んだカエル人の戦士ヴェルサリウス27世が、問いかけた。
「で、あろうね」
魔術師カンダックは彫刻壁画に忙しく目を走らせながら、背後の二人に答えた。しばしの沈黙の時間。こうなると残された面々は手持ち無沙汰となり、思い思いに腰を下ろすと荷物を広げて野営の準備を始めた。万太郎とヴェルサリウスは軽く相談し、それぞれのドールを偵察に向かわせた。
「どうやら弐の騎士とやらは、かの《狂える魔法使い》ルーポの直弟子にあたるようだね」
しばらく時が過ぎたあと、不意に魔術師が言葉を発した。一行はその周囲に集まって耳をそばだてた。魔術師カンダックが指し示した壁画の部分には、大量の人形に魔術で命を吹き込む弐の騎士と、それに導きを与えるかのような宮廷魔術師の姿が描かれていた。
……
太古。カザン帝国が建国される約4万6千年の昔のこと。
この地、太古の街道〈グレート・ロード〉の付近一帯に君臨し《虎の王》と称された覇王ガイウス。
元来、上位エルフ語で《矢》を表す言葉《Tigris》は、転じて矢のように速く俊敏に動く獣=虎の語源となった。
その国は人々から虎の王の治める帝国《ティグリア》と呼ばれていた。
覇王ガイウスは麾下にそれぞれ特異な力を持つ近衛騎士を5人従え、近隣諸国を併合し帝国の領土を拡大した。
その覇王の権勢を右腕として支えたのが《狂える魔法使い》とあだ名され諸国から忌み嫌われていた宮廷魔術師ルーポであった。
ルーポは禁忌とされた邪悪な古代魔術を駆使し、従わぬ近隣諸国に毒と呪いを蔓延させ、煉獄から召喚した悪鬼の軍勢で国土を蹂躙した。
そのような事は露と知らない帝国の民は、戦の度に凱旋する覇王ガイウスと5人の近衛騎士、そして宮廷魔術師ルーポを讃え《七英雄》と称した。
……
「……と、まぁこんなところか。無論、壁画には七英雄を讃える内容しか記されてはいまいがね」
「魔術師殿は、いったいどこでそのような知識を?」
「呪われた古代帝国の覇王の逸話は、私も調べていたことがあってね。コースト市のスラムグリオン魔法学校の大図書館の歴史書を紐解けば、幾多の研究者の記述が散見している」
魔術師カンダックは肩をすくめながら、フードの奥で薄く笑みを浮かべた。
「センセ! それで?」
「ああ、人形遣いとされる、弐の騎士ベルナルドゥスとやらの力はどうやら《狂える魔法使い》ルーポ直伝の技のようだ」
「その技を破る方法かなんかは書いてないんですかい」
「さて、そこまでは……ね」
誰ともなしに一行は上空を見上げた。沈黙の帳が降りていた一行の傍に、先行して偵察に向かっていたバードドールが緩やかに滑空して舞い降りた。
《あるじ、この先にまた古き祠があるようです》
下層で見たエルフの木像を祀った祠と同様、古代樹の幹をくり抜いた空間に、ドワーフの姿を象った木像が5体並んでいた。山の妖精族ドワーフは思い思いの道具を手に、静かに立ち尽くしている。一行は厳かな空気を感じ、口をつぐんでいた。と、そこに甲高い声が響き渡った。
「クカカカカ。ようやくこの階層までやってきたか。遅かったなぁ」
一陣の風とともに塵芥が吹き付けてきた。ヤスヒロンは身体にまとわりつく粉塵を吸い込み、たまらず咳き込んだ。嘲弄するかのような笑い声とともに風は吹き抜け、一行の背後の上空で、塵が尖った耳に長い尻尾を持つ妖魔の姿に像を結んだ。
「間抜けどもめに、弐の騎士さまの手を煩わすまでもないわな。おれが相手をしてやるよ」
塵悪魔がヒュウと口笛を吹き鳴らすと、祠に整然と並んでいたドワーフの木像が緩やかに動き出した……。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:無敵の万太郎MR25防5、バードドールMR30、ヴェルサリウス27世MR20防10魔防5、ハンタードールMR35、シャオリンMR45防5魔防5、ヤスヒロンMR30防5、魔術師カンダックMR25
敵:ドワーフ木像MR60防3*5
*先制射撃:ハンタードール【29】/ドワーフ木像Eに29ダメージ!(ドワーフ木像A60、B60、C60、D60、E34)
*魔術師カンダック《L2これでもくらえ!》詠唱。ドワーフ木像Eに40魔法ダメージ! ドワーフ木像E、粉砕。
1ラウンド:PC【204】 VS 敵【219】 /PC側に15ダメージ!(万太郎25、バードドール28、ヴェルサリウス27世20、ハンタードール33、シャオリン45、ヤスヒロン30、魔術師カンダック23)
2ラウンド:PC【209】 VS 敵【215】 /PC側に6ダメージ!(万太郎25、バードドール27、ヴェルサリウス27世20、ハンタードール32、シャオリン45、ヤスヒロン30、魔術師カンダック22)
*魔術師カンダック《凶眼》詠唱。万太郎の攻撃力*3。
*ヤスヒロン、古代帝国の杖を使用。《炎の嵐》発動! 敵全員に20魔法ダメージ!
3ラウンド:PC【235】 VS 敵【170】 /敵側に65ダメージ!(ドワーフ木像A26、B27、C27、D27、E0)
「クケケケ。ちっとは腕を上げたみたいじゃねえか。いいぜいいぜ。もっとこぉい!!」
塵悪魔の叫び声とともに、上空からもはや聞き慣れた大きな羽音が聞こえてきた。
増援:翼竜 MR60*2
4ラウンド:PC【191】 VS 敵【266】 /PC側に75ダメージ!(万太郎19、バードドール16、ヴェルサリウス27世19、ハンタードール22、シャオリン39、ヤスヒロン24、魔術師カンダック12)
「まずいヨ……このままじゃ……」
「……いいや、こんなところで終わらせない」
万太郎は小さく呟くと懐に手を入れた。それを目にしたシャオリンとヴェルサリウスが呼応する。
*万太郎《炎の嵐》の呪文石を使用。敵全員に20魔法ダメージ!
*シャオリン《死の刃》詠唱。攻撃力*2
*ヴェルサリウス27世《イーゼルヴァンの黒き夢》詠唱。翼竜B、昏睡。
5ラウンド:PC【211】 VS 敵【168】 /敵側に43ダメージ!(ドワーフ木像A1、B3、C3、D3、E0、翼竜A33、B33(昏睡))
*万太郎、古代帝国の指輪を使用。《凶眼》発動! 攻撃力*3
6ラウンド:PC【216】 VS 敵【146】 /敵側に70ダメージ!(ドワーフ木像A0、B0、C0、D0、E0、翼竜A22、B22(昏睡))
7ラウンド:PC【169】 VS 敵【41】 /敵全滅
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「ウヒャヒャ。こいつはなんとまぁ。ようし、こうなりゃ全軍集合だ。どんどんいくぜぇ」
一行は満身創痍の状態で塵悪魔の軽口を耳にしていた。その時、天にさっと暗雲が立ち込めた。
《誰の命のつもりだ》
重い冷ややかな声が辺りに響き渡った。ふざけ半分の態度を取っていた塵悪魔の様子が一瞬で凍りつく。
《下がれ。塵悪魔ふぜいが偉大なる陛下の軍勢をなんと心得るか》
「ヴェ、ヴェルナルドゥスさま!」
《招かれざる客人よ。更に上の階層で待っておるぞ》
厳かな声が響き渡るとともに、突風が吹き上げ、塵悪魔を遥か上空に吹き飛ばした。
甲高い悲鳴が消え失せたあと、あたりをまた沈黙が支配した。
「ちくしょう……また出直しだ」
膝をついたまま、万太郎がそうつぶやいた。
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
無敵の万太郎 →《炎の嵐》の呪文石を使用。
ヴェルサリウス27世 →戦闘後の探索で古代帝国の宝珠を使用。《そこにあり》発動。隠された財宝を発見。《L3これでもくらえ!》の呪文石*2を入手。
シャオリン →戦闘後の探索で《そこにあり》の呪文石を使用。隠された財宝を発見。炎のガントレットを入手。
ヤスヒロン →戦闘後の探索で《そこにあり》の呪文石を使用。隠された財宝を発見。《魔神の盾》の呪文石*2を入手。
→帰還前にドワーフ像の祠を探索。祠の奥、古代樹のウロから隠された財宝が見つかる。
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☆ランキング
1位:
エミリア/MR30防5
+金貨50枚、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)
→(所持品:金貨55枚。ベアクロー、高品質な防具【ブレストプレート】、《開け》の呪文石*3、《そこにあり》の呪文石*1、《ないことに》の呪文石*4、奇跡的な回復薬*2、竜の牙、熊神石の破片、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能))
デュラル・アフサラール/MR40防5
+金貨50枚、屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)
→(所持品:金貨100枚。高品質な武器【弓】、灰色熊の毛皮、奇跡的な回復薬*2、《ないことに》の呪文石、熊神石、身代わりの依代、屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)、呪文:《凶眼》)
3位:
ヴェルサリウス27世/MR20防10魔防5
+金貨20枚、《L3これでもくらえ!》の呪文石*2
→(所持品:金貨50枚。高品質な武器【超小型単弓】、高品質な防具【キルテッド・シルク】、古代帝国の首飾り、古代帝国の宝珠(《開け》《そこにあり》《ないことに》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《開け》の呪文石、《L3これでもくらえ!》の呪文石*2、奇跡的な回復薬、呪文:《イーゼルヴァンの黒き夢》、ハンタードール(MR35、先制攻撃可能))
ヤスヒロン/MR30防5
+金貨20枚、《魔神の盾》の呪文石*2
→(所持品:金貨50枚。高品質な武器【ヘヴィーメイス】、高品質な防具【首、腕など急所を部分的に鉄板で覆った鎖帷子】、古代帝国の杖(《L3これでもくらえ!》《炎の嵐》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石*2、奇跡的な回復薬、ボンバの実)
5位:
ヘルト/MR40防5
+金貨40枚、異界獣の黒曜石(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)
→(所持品:金貨55枚。高品質な武器【シュヴァイツァー・サーベル】&【カッツバルゲル】、高品質な防具【メイル・アーマー】、保存食*1、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《厄払い》の呪文石、異界獣の黒曜石、呪文:《死の刃》《ないことに》)
カーモネーギー/MR30防10
+金貨40枚、異界獣の黒曜石(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)
→(所持品:金貨90枚。高品質な武器【ショートボウ】、高品質な防具【革鎧】、高品質な防具【籠手に付けれる小型盾】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬、異界獣の黒曜石、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》)
7位:
アンドレア/MR55防5
+金貨50枚、古代の宝冠(金貨40枚相当)
→(所持品:金貨95枚。黒き剣、高品質な武器【鞭】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、モンゴーのしるし、熊神石、炎の石、呪文:《これでもくらえ!》《いだてん》)
8位:
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート/MR50防5
+金貨20枚、メメコレオウスの報酬
→(所持品:金貨45枚。黒き大斧、高品質な武器【バスタードソード】、高品質な防具【革鎧】、奇跡的な回復薬、身代わりの依り代、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》)
クリフ/MR45防5
+金貨20枚、メメコレオウスの報酬
→(所持品:金貨65枚。高品質な武器+2【斧】、高品質な防具 【???】、奇跡的な回復薬、竜の牙、炎の石、呪文:《イーゼルヴァンの黒き手》)
スパイデイ/MR30防5
+金貨20枚、メメコレオウスの報酬
→(所持品:金貨75枚。高品質な武器【細身の剣(レイピア)】、高品質な防具 【鋼の鎧、楯セット】そこにありの呪文石*1、奇跡的な回復薬、熊神石の破片、身代わりの依代)
へーざぶろー/MR20
+金貨20枚、メメコレオウスの報酬
→(所持品:金貨35枚、呪文:《死の刃》《そこにあり》《炎の嵐》)
ポル・ポタリア/MR30防5
+金貨20枚、メメコレオウスの報酬
→(所持品:金貨155枚。高品質な武器【鞭】、高品質な防具【飛来物除けの護符を織り込んだジャケット(緑色)と足になじむ靴】、呪文:《メメコレオウスの黒き礫》《いだてん》)
13位:
"片耳の"マロウズ/MR45防5
+金貨30枚、異界獣の黒曜石(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)
→(所持品:金貨40枚。黒き短剣、高品質な武器+2【チェーン・ソード】、高品質な防具【レザージャケット】、奇跡的な回復薬、異界獣の黒曜石、呪文:《死の刃》《そこにあり》)
シャオリン/MR45防5魔防5
+金貨10枚、炎のガントレット(《炎の嵐》《炎の壁》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)
→(所持品:金貨70枚。高品質な武器+2【ヒョウ】、高品質な武器【鉄扇】、高品質な防具 【火鼠の皮衣】、カザン帝国勲章、奇跡的な回復薬*2、炎のガントレット(《炎の嵐》《炎の壁》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、呪文:《死の刃》《ないことに》)
15位:
サマ/MR20防5
+金貨60枚
→(所持品:金貨135枚。高品質な防具【スケイル・アーマー】、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、呪文:《イーゼルヴァンの黒き夢》)
16位:
偵察兵のニンツ/MR40防5
+金貨50枚
→(所持品:金貨50枚。高品質な武器【良い短剣】&【鋭い短剣】、高品質な防具【硬い皮鎧】、奇跡的な回復薬×2、《ないことに》の呪文石、呪文:《これでもくらえ!》《ないことに》)
ソーグ/MR35防5
+金貨50枚
→(所持品:金貨60枚。高品質な武器+2【グレートソード】、高品質な防具【レザーアーマー】、奇跡的な回復薬、《ないことに》の呪文石、呪文:《ないことに》《いだてん》)
メックリンガー老/MR30防5
+金貨50枚
→(所持品:金貨55枚。高品質な武器【槍】、いにしえの胸当て、奇跡的な回復薬*2、ボンバの実*2)
無敵の万太郎/MR25防5
+金貨50枚(魔術師カンダックへの支払いに充てる *後払い60枚)
→(所持品:金貨20枚。高品質な武器+2【ソナン・イエの槍】、高品質な防具【アーミング・ダブレット】、古代帝国の指輪(《凶眼》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《凶眼》の呪文石、バードドール(MR30、飛行可能))
■砦にて待機(今回投稿無し)
イールギット/MR30 →(所持品:金貨40枚。いにしえの短剣)
アクロス/MR20 →(所持品:金貨50枚)
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☆ザルダック商店
金貨を入手している場合、買い物をしても構わない。自由筆記欄に記載すること。
商品は変わる場合があるので、次回以降に残しておくこともできる。
<商品リスト>
・高品質な武器+2 金貨60枚 MR+15/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい(高品質な武器から買い替える場合、古い武器は金貨10枚で引き取ってくれる)
・高品質な武器 金貨30枚 MR+10/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい
・高品質な防具 金貨30枚 防御点+5/好きな防具タイプを自由筆記に記載下さい
・奇跡的な回復薬 金貨10枚 ダメージ10点回復/1回限り
・《L2これでもくらえ!》の呪文石 金貨20枚 魔法ダメージ40点/1回限り
・《L3これでもくらえ!》の呪文石 金貨40枚 魔法ダメージ60点/1回限り
・《死の刃》の呪文石 金貨15枚 1ターンのみダメージ2倍/1回限り
・《開け》の呪文石 金貨10枚 鍵開け/1回限り
・《そこにあり》の呪文石 金貨10枚 隠されたものを感知する/1回限り
・《ないことに》の呪文石 金貨20枚 魔術を1度だけ無効化する/1回限り
・《いだてん》の呪文石 金貨40枚 3ターンの間2回行動が可能/1回限り
・《凶眼》の呪文石 金貨40枚 1ターンのみダメージ3倍/1回限り
・《炎の嵐》の呪文石 金貨40枚 敵全体に魔法ダメージ20点/1回限り
・《耐えよ》の呪文石 金貨40枚 5ターンのあいだ防御点2倍/1回限り
・《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石 金貨40枚 2ターンのあいだ1名に魔法防御15点/1回限り
・雇い人(戦士L2) 金貨60枚 MR60防5/1事件限り
・雇い人(戦士L3) 金貨100枚 MR80防5/1事件限り
・雇い人(盗賊L2) 金貨60枚 MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り
・雇い人(魔術師L2) 金貨60枚 MR25・《L2これでもくらえ!》《ないことに》《凶眼》/1事件限り
☆訓練場
金貨を使用して、ガガック兵長に特別訓練をつけてもらえる。自由筆記欄に記入すること。
支払い可能であれば複数回選択しても構わない。
なお魔術訓練で覚えるのはあくまで呪文そのものであり、高レベルで呪文をかける事は魔術師のみができる特技のため、PCにはできない。
・戦闘訓練:金貨100枚/基本MR+10
・魔術訓練1:金貨50枚/(これでもくらえ、死の刃、開け、そこにあり、ないことに)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)
・魔術訓練2:金貨80枚/(いだてん、凶眼、炎の嵐、耐えよ、わたしを守ってあなたを守って)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【ルール】
・PCはカザン帝国の辺境開拓軍の戦士です。
・T&Tシステム的にはPCは盗賊にあたり、戦士の特技も魔術師の特技も持ち合わせません。
・毎回、「事件」が更新されます。どの事件を解決に向かうか選択して下さい。
・同じ事件に向かったPCが多ければ、解決しやすいですが報酬も少なくなります。逆に1人だと報酬は総取りですが、失敗の可能性も高くなります。
・トロールワールドは無情です。運が悪ければあっけなく死ぬでしょう。死んだときは死んだときです。新たなPCで1から出直して下さい。
・事件の処理はシンプルにモンスターレートで行います。(PCも一律でMR表記処理)PCの初期戦闘力はMR20(3D6+10)です。
・事件を解決したら、報酬がもらえます。報酬はカザン帝国への貢献度として、順位付けされます。順位によっては特別報酬がもらえることもあるでしょう。
・報酬を使って装備を購入したりすることもできます。商品は毎回変わるので使うか、貯めるかは判断のしどころでしょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【未解決事件】
A:
〈大断崖〉山間のフョードル村から救援の要請があった。
どうやら山あいにはるか昔からある旧い神殿が地すべりにやられたらしい。
普段は訪れるものも少ない場所だが、収穫祭までには復旧しておきたいそうだ。
ただしばらく放置していた隙に何者かが住み着いている恐れがある。
状況の調査と、もし怪物や野党の類がいれば排除してもらえないだろうか。
脅威予測)中
報酬)中
B:
司令室にて、ガガック兵長と西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンが君たちを出迎える。
「諸君、先日の墳墓の決戦での助力に感謝する」
ギルサリオンが一礼する。ガガック兵長が言葉を続けた。
「しかしだ、屍人使いの一人を仕留めたとはいえ、奴らの目論見がどこまで達せられたのか不明だ」
「このところ森で目立った動きはない。残りの手勢も乏しくなったのか、さもなくば何か企んで息を潜めているのか……」
西方エルフ森林警備隊は、シャンキナルの都から呼び寄せた術士たちとともに、奴らに穢された遺跡の浄化と巡回を行うとのことだ。
手すきのものは協力して調査にあたるようにとガガック兵長から指示があった。
脅威予測)低
報酬)低
C:
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
3階の魔獣の住処たる密林にて、天空に向かってそびえる古代樹の調査が途中となっている。
帰還した探索隊の報告によれば、弐の騎士との対決は間近だと思われる。
一層の注意をして望むように。
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い
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