第8回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 海神ホリィドゥーンの加護、クラーケンの居所を見通す遠見師エラ・シエロの同行を得て、クラーケンぶっ殺し号は、航海を続けます。 そしていよいよクラーケンの出現場所へ。最終決戦の幕開けです! 【ヴァルグ レベル20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック03-6 決戦! クラーケン 【ハルト】 そのときは、突然やってきた。 遠見師のエラが、不意にビクッと体を震わせた。 すぐに見張り台から大声が響いた。 「左舷前方に巨大な影! 急速に接近してきます!」 船に緊張が走る。 「本船はこれより、クラーケンの討伐を開始する!!」 ハーツデイル船長が高らかに宣言する。 「よォしやっときたな! 気合を入れろ! テメエら!」 師匠がバカでかい声で鼓舞する。 その声に押されるように、コビットたちが慌ただしく動き出した。 次から次へ、左舷の船側から火薬入りの樽を投下していく。 オレはヒースをともない、前方の甲板に立つ。 投げ込まれた樽は波に揺られ、船から少しずつ離れてゆく。 「近いのは狙うなよ。船を傷つけてしまうからな」 船長の言葉にオレはうなずいて、その時を待つ。 まわりは騒がしいのに、不思議と、心臓の鼓動だけがやけに大きく聞こえる。 巨大な影が、樽の下にさしかかった。 今だっ。 「ヒース、火の玉!!」 「ギャウ!」 ヒースが火の玉を放つ。 それは波間に揺られる樽に命中した。 ドォン!! 爆発とともに水柱が上がる。 続けざまに狙い撃つ。 水上にいくつもの水柱が咲いた。 水柱が消えた海上には、千切れた触手が浮かんでいた。 よし、効いている! 「よくやったヒース!」 「ギャウ!」 【ポール】 樽に火薬を入れて、ヒースの火の玉で爆発させる。 単純な作戦だったけど、効果はあった。 そのとき、海そのものが盛り上がり、クラーケンの巨大な頭が顔を出した。 かなりの至近距離だ。まるで目の前に巨大な壁が現れたよう。 これなら狙わずとも当たる。 ニーナが砲撃する。弾はクラーケンの巨大な頭部に命中したが、簡単にはじかれてしまった。 ダメだ。これじゃあ分厚い城壁に素手でパンチするようなものだ。 ヴァルグは「狙わなくても当たる」くらいなことを言っていたけど、当てるだけじゃ意味ない。 どうしたらいい。 そうか! 私は砲台を斜め下に向ける。 分厚い頭にいくら撃っても無駄だ。 狙うのなら、たくさんの触手に繋がるつけねの部分。 「そこだあ!」 透明感のある海の浅いところに見える、クラーケンの器官が密集しているところに向けて、続けざまに砲撃を叩きこむ。 エメラルドの海が黒く染まっていく。どうやら、墨を吐く部位を傷つけたらしい。 しまった。これでは海の下が見えなくなってしまう。狙えない。 「大丈夫。だいたいわかったから」 ニーナも私にならって狙いを変更し、黒い水面に砲撃を叩きこむ。 たしかな手ごたえを感じているようだ。さすがはニーナ。もうコツをつかんでいる。 いける。いけるぞ! 【ハルト】 クラーケンぶっ殺し号の砲撃が始まった。 ポールさんもニーナさんもがんばっている。 クラーケンは巨大な二本の触腕を持ち上げ、怒り心頭のようだ。 クラーケンは二本の巨大な触腕と、八本の吸盤のついた触手を持つ。 狙いは触手の方だ。 「鉤つきロープをおろせ!!」 珍しく大声を張り上げる白奴の号令で、次々と鉤つきロープが海に投下されてゆく。 それらは海中にあるクラーケンの触手にひっかかり、あるいは巻きつかれてゆく。 「いよおおぉし。引けーーい!!」 コビットの乗組員たちが、並んでロープを持ち、全力のかけ声とともに必死に引っ張る。 「えいさっ! よいさっ! えいさっ! ほらさっ!」 船が大きく傾き始めるが、おかまいなしだ。 やがて海中から、クラーケンの触手が吊り上げられてきた。 ずるずると重い音を立てながら、ぬめぬめとした太い触手が甲板まで引きずり上げられる。 「銃士隊、前へ!」 激しく揺れる甲板で三人のノームの銃士が膝をつき、体を固定して銃を構える。 「撃てっ!」 銃声が連続して響き、触手を深く傷つける。触手は黒っぽい体液を飛び散らせながら激しくのたうった。 そのとき、二本の巨大な触腕が、船に向けて叩きつけられた。 しかしそれは船をかすめ、海面を叩く。船はさらに激しく揺れる。 そうか。海面が黒く変色しているせいで、クラーケンも視界がきかないんだ。 するとクラーケンは、船に吊り上げられた触手を起点に、船に巻きつきはじめた。 これまで隠れていた触手のつけねにあたる部分もすべてむき出しだ。 それを逃すポールさんたちじゃない。連続して砲撃を叩きこむ。 それでもクラーケンは船本体への巻きつきを強めていく。 船がギシギシと嫌な音を立てて軋む。船体はいつまでもつのか? 「いいかハルト。巻きついている触手をぜんぶぶった切るぜ」 師匠が動く。傾いた足場をものともせずに、人の胴体より太い触手に斬りつけ、あっさりと切り裂いた。 オレも一本の触手に向かう。鉤で吊り上げられ、銃士の攻撃で傷つきのたうつそれに当てるのは容易だ。 オレは獣の腕を振り上げ、槌を渾身の力で叩きつけた。 巨大な触手がぐにゃりとへこむ。オレは甲板をまな板がわりに、触手の同じ場所を繰り返し叩き続ける。 獣の腕は、全力を奮える機会にうち震え、オレは無我夢中になっていた。 やがて触手は、まるで鍛冶師が剣を鍛えるように、完全に平たくなった。 それでも先端の触手はまだ動き続けている。なんて執念深いんだ。 「もういいハルトちゃん! その触手は切り離されたも同然だ。心配はいらん!」 白奴の声が聞こえ、はっとした。オレは次の触手を求めて周囲を見渡した。 それはまさに総力戦だった。 いつまで続くのかわからない激闘。 巨大な触手に巻きつかれ、激しく揺れる船。 響く砲撃音。とどろく銃声。 白奴の指示。コビットたちのかけ声。師匠の怒号。 火薬の臭い。ヒースの鳴き声とあぶったイカの臭い。 オレも必死に戦った。 うなりを上げて飛んでくる触手をかわし、全力で槌を振りぬいた。 戦いの高揚感に、獣の血が全身を駆け巡り、まるで疲れを感じない。 終わりは唐突に来た。 船に巻きついていた巨大な触手が、不意に力なくほどけ始めた。 頭上にそびえていたクラーケンの壁が、少しずつ低くなってゆく。 海に、沈んでゆくんだ。 そのとき、船ががくん、と大きく傾いた。オレはとっさに欄干をつかみ、落下を防ぐ。 「いかん!」 ハーツデイル船長が叫ぶ。 「触手にからむロープを切り離せ! 船ごとクラーケンに引きずり込まれるぞ!」 その声を受け、師匠がすぐに動く。斜めになった甲板を、欄干伝いに移動する。 気合の声を上げながら、ピンと張られた三つ編みの太いロープを分断していく。 コビットの船員たちも、めいめいのナイフやノコギリで、ロープを切り離しにかかる。 が、がっしり太くしたロープががちがちに張られていては、簡単に切ることはできない。 「はいちょいとどいてな〜」 白奴がカタナを抜き、素早い一閃でロープを断ち切った。 チィン、という金属音を立てながら、洗練された所作で鞘に収める。 白奴は師匠とは反対側の端からロープを切り離しにかかった。 その間にも船はみるみる傾いてゆく。 「だりゃああ!」 やがて師匠が、クラーケンと船を繋ぐ最後の一本を切り離した。 「反動に備えろ!」 船長の叫びと船の動きは同時だった。 ざばああん! 限界まで傾いていた船は、反動で大きく跳ね上がり、激しく揺れ戻った。 オレは欄干を必死につかんだまま、滅茶苦茶に体を揺さぶられた。 なんの支えもなかった師匠が空中に投げ出されたが、目の前のロープをつかみ、ギリギリ甲板に落下して転がったのが見えた。 突然の沈黙が訪れた。 波音しかしない。 さっきまでの激戦が、嘘のように。 ポールさんとニーナさんが、甲板に上がってきた。 コビットの乗組員も集まってくる。不安げに海面を見つめる船員もいる。 「クラーケンは力なく沈んでゆきました。……脅威は完全に去りました」 遠見師エラ・シエロが、厳かに宣言した。 それでも、現実感がない。 師匠が船長の隣に立ち、小突いた。 「おい、なんか言ってやれよ。締まらねェだろ」 はっとした船長が、皆に向かい宣言する。 「本船は見事クラーケンを打ち倒した! 我々の勝利だ!」 「おおおおおーーーー!!」 それとともに、乗組員全員の勝どきが一斉に上がる。 本当に、オレたち全員で、あのとんでもない海の魔物を倒したんだ。 オレにもようやくじんわりと、その実感がわいてきた。 「あれ、食えるのかなあ」 甲板に残され、なおもうねる触手の端っこを見ながら、白奴がつぶやいていた。 ●アタック03-7 余韻【ポール】 激戦の爪痕を残す「クラーケンぶっ殺し号」。 点検をしてみたところ、損傷は軽微だった。 点呼をかけたが、誰一人欠けている者はいなかった。 クラーケン討伐自体が奇跡のようなものなのに、犠牲者が一人も出ていないなんて、もう奇跡のレベルを超えている。 この所業はきっと英雄譚として、後世まで語り伝えられるものになるに違いない。 その中にわずかでも名を連ねられるかもしれないと思うと、私の心はうち震えた。 これから船は、行きと同じくらいの時間をかけて、ビストフへと帰還する。 航海には危険がつきものだ。帰路にもなにが起きるかわからない。 しかし今は、この高揚感に身を委ねていたい。 そう思った。 エメラルド色を取り戻した海のかなたに小さく、白いイルカが跳ねるのが見えた。 [プレイログ] 【最終イベント】 【クラーケン レベル4 生命点8 攻撃2回 ダメージ2点 防御1点】 【クラーケンの脚 8体 レベル3】 ※本体にダメージが1点入ると脚1本破壊。脚が0になれば勝利。 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目4 脚8→7 ニーナの砲撃 サイコロの出目2 外れ ポールの砲撃 サイコロの出目6 本体の生命点8→7 脚7→6 ポールの追加砲撃 サイコロの出目3+技量点1 本体の生命点7→6 脚6→5 【1ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目5 脚5→4 ヴァルグの攻撃 サイコロの出目1 外れ ハルトの攻撃 サイコロの出目3 脚4→3 クラーケンの攻撃2回 ・船の回避 サイコロの出目4 回避 ・船の回避 サイコロの出目6 回避 クラーケンの脚の攻撃3回 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目5 回避 ・ハルトの回避 サイコロの出目4 回避 ・ヒースの回避 サイコロの出目5 回避 【2ラウンド】 ポールの砲撃 サイコロの出目6 本体の生命点6→5 脚3→2 ポールの追加砲撃 サイコロの出目2 外れ ニーナの砲撃 サイコロの出目5 本体の生命点5→4 脚2→1 ヴァルグの攻撃 サイコロの出目5 脚1→0 勝利 【宝物判定】 サイコロの出目1+修正2 2d6枚の金貨 サイコロの出目2と3 金貨5枚入手 【ヴァルグ レベル20→21 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】25→30 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 精巧なアクセサリー(金貨120枚) アクセサリー(金貨30枚) 宝石(金貨30枚) 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】2→3 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【備考】呪いのため攻撃ロールにマイナス1 【ハルト レベル10→11 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】45 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 狼の刻印の腕輪(金貨12枚) エメラルド(金貨30枚) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】1→2 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●エンディング01 領主との対話【ハルト】 貿易都市ビストフの宮殿の謁見の間。 オレは領主マキシミリアンと一対一で対面していた。 「ハルトといったか。褒美が私とこうして話すこととは、いささか変わった申し出をするものだな」 ハーツデイル船長、師匠、遠見師エラ、そしてオレの四人で、クラーケン退治の報告にきた時のこと。 報告が終わり、領主から歓喜の言葉と褒賞の話が出た。 そこで問われた時にオレは迷った末にこう答えたのだ。 「領主様と二人きりで話がしたい」と。 領主はその発言をたいそう面白がり、他の三名を退出させ、オレだけを残した。 そして今。 領主はオレが何を言うのかを、興味深く見守っている。 オレは言葉を絞り出し、どうしても聞きたかった質問をぶつけた。 「なんで師匠は、『味方殺し』だの『全滅野郎』だの呼ばれているんだ?」 それを聞いた領主は、目を細め、ゆっくりと頷いた。 「おまえはヴァルグの弟子なのか。てっきりあいつの武器持ちかと思っていたが。なるほど、そうか……」 領主はなにやら勝手に納得している。そんなことより、早く教えてくれよ。 「本人に直接聞いてはみなかったのか?」 「聞いたさ。……あ。聞きました。けど、『事実だ』としか答えてくれなくて」 「なるほど。あいつらしいな……」 領主は、少し思案していた。 「ハルトよ。私からそれを聞き出すということは、ヴァルグ本人が望んでいないことかもしれない。それでもおまえはその答えを求めるのか?」 オレは一瞬言葉に詰まった。 でも、オレは知らなきゃならない。 そんな気がした。だからはっきりこう答えた。 「はい。お願いします」 領主は、オレの決意の固さを感じ取ったのだろう。ゆっくりと話し出した。 「不名誉な異名のことなら噂で聞いている。あいつと組んだ者たちは、必ずと言っていいほど命を落とす。使命は果たすが、一人だけ生き残る。……それでついた二つ名だと。私としては剣闘士時代の二つ名『千の傷を持つ男』の方があいつらしいと思うのだがな」 「じゃあ、本当に味方を殺したなんてことは」 「あるわけがないだろう。あいつに限って」 オレは心底ほっとした。けれど領主の話には、まだ続きがあった。 「それから、あいつは誰とも組まなくなった。一人で、誰をも寄せつけない強さを持つ。それがあの男ヴァルグだ。だからお前が弟子と聞いて、私も驚いたのだぞ」 「そんな、大げさな」 「大げさなものか。一緒に組んだ者が死ぬ。一人だけ生き残る。初見の者も、大切な者も。そんな経験を繰り返したらどうだ。組んだら、そいつが死ぬかもしれない。それに耐えられるか? だからあいつは孤独を選んだ」 オレは胸が詰まって、何も言うことができなくなってしまった。 領主は続けた。 「今回のクラーケン退治は一人ではこなせない依頼だった。そして一人の犠牲者も出さなかったと聞く。この出来事が、あいつが変わるきっかけになってくれれば、と思うが」 領主はそこで一旦言葉を切り。 「いや、おまえがそばにいるということは、もう変わり始めているのかもしれないな」 そう言った。 オレは目を伏せた。師匠のこと、ほんとうになにもわかってなかったんだな、って。 黙ってしまったオレを気遣ってか、領主はさらに言葉を続けた。 「だからな。今のヴァルグにとって、おまえは必要な存在かもしれん。……いや、今の言葉は忘れてくれ」 謁見は終わった。オレは無言のまま、謁見の間をあとにした。 「知りたかったことは聞けたか?」 「……うん。まあ」 外で待っていた師匠の問いに、ぶっきらぼうに答えると、そのまま通過して厩舎へ向かう。 どうしても、師匠の顔を直視できなかった。 不用意に、師匠の過去を覗いてしまった。 少しの後ろめたさはある。けど、後悔はしていない。 師匠を信じたい気持ちを裏づけるには、必要なことだった。 明日になれば、オレはまた師匠とともに旅立つんだろう。 「ギャウ?」 オレはヒースを、無言で抱きしめた。 今は、今だけは、誰とも顔を合わせたくない気分だった。 ●エンディング02 別れの日【ポール】 ビストフの一号桟橋には「クラーケンぶっ殺し号」が停泊している。 契約は今日でおしまいだ。いよいよこの船ともお別れとなる。 私は桟橋から船を見上げて、感傷的な気持ちになっていた。 船長以下、かつての乗組員の多くが、ここに集まっていた。 「いよいよこの船ともお別れなのね」 ニーナが感慨深げにつぶやく。 そこにヴァルグと、ヒースを連れたハルトが現れた。 彼らは、旅装束に身を包んでいる。船にお別れをして、そのまま旅立つつもりらしい。 「なんでェ。船名、変更しないのかよ。『エメラルドのなんちゃら』によ」 ヴァルグが茶化してくる。 「しない」 船長は端的に答える。 「下品な船名なンだろ」 「栄誉ある名称だ。現実となったのだからな」 そう言って船長はひとしきり笑った。ヴァルグも笑っていた。 「なあヴァルグ。この航海で私は、ばく大な財宝を得た。けれどな、一番の財宝は、……この船だ」 船長は、誇らしげな表情で大きくうなずいた。私たち乗組員を見渡す。 その瞳は、厳粛だった船長がこれまで見せたことがないほどに柔らかだった。 「船だけじゃない。ここにいる船員たちひとりひとりが、な」 「そうかよ」 ヴァルグは短く、それだけを返した。 「行き先は決まっているのか?」 「ああ。次はロング・ナリクだ。国じきじきのご指名だ。きっとまたデカいヤマだろうぜ」 すると船長のそばにいた白奴が割って入った。 「ロング・ナリクか。もしかしたらおじさんの知り合いがいるかもしれん。ソールって貴族の若者なんだが」 「貴族の知り合いがいたのか」 「なに、海賊退治で同じ船の飯を食った仲だ。もし会ったらおじさんは元気だって伝えといてくれや」 めんどくせぇな、と答えるヴァルグの横で、ハルトがうなずいていた。 私も、ヴァルグにもハルトにもずいぶん世話になった。 何度も命を助けられた。お別れとお礼を言っとこうかな。 そう思っていたんだけれど。 「あ、ポールさん。海に落ちたとき、助けてくれてありがと」 先にハルトからお礼を言われてしまった。 「ハルトくん旅立っちゃうのね」 ニーナが残念そうにつぶやく。 「はい。ニーナさんにもお世話になりました。買い物のときとか」 「うんうん。お姉さん寂しくなるなー」 私も、ヴァルグとハルトにそれぞれお礼を言った。 ほんの少し、ハルトの表情が固いのが気になった。なにか、あったのかな? 「じゃあな。あばよ」 ヴァルグは、最後までヴァルグらしい態度で、もう歩き出しながら後ろ手に手をひらひらと振った。 ハルトとヒースも後に続く。 私とニーナは、その二人と一匹が去っていくのを見送った。 「行っちゃったね」 彼らの姿が小さくなってきた頃、ニーナがそう言ってきた。 「うん」 私はそう返しつつ、あることを切り出した。 「なあニーナ。もしよかったらだけど、……次の船も一緒に乗らないか?」 ニーナはほんの少しだけ思案し、返事をくれた。 「いいね。あなたとならいい仕事ができそう」 「ありがとう、じゃあ、よろしく」 私は小躍りしたくなる喜びを抑えながら、ニーナと握手した。 今はこれが精いっぱいの誘いだ。けど、いつかきっと。 ヴァルグたちの姿は、もう見えなくなっていた。 【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ 完 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年9月16日水曜日
2026年9月15日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.138 FT新聞 No.4983
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.138 かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 世の中、「ホラー」「推理」と、ジャンルわけしてあるものが多いよね。 しかし、それでは収まりきらない「作品」も、綺羅星のようにあるのも事実。 今回紹介するのは、まさにそれ! 『実験小説 ぬ』(著:浅暮三文/光文社文庫)よ。 で、ページめくってみると、 「彼のことを教えよう。運転免許を持っている人なら、おそらく自動車教習所で彼のことを知っているはずだから」 と、奇妙な紹介文で始まる『帽子の男』 で、実際に、本の上を使って、自動車標識のオンパレードが出てくる。 うまいのが、この標識を使って物語を語るんだけど、それが、まるで江戸の判じ絵みたいに、実に思いもよらない視点から、物語は進む。 同様に、奇妙な→を駆使したロードムービー? 『遠い』 主に線だけで証言される『線によるハムレット』など。 絵との融合な作品だけではなく、例えば、本来ならあとがきに当たるところまで小説だったりする。その名も『これはあとがきではない』 こんなふうに、文字だけの話でも仰天させるところがいっぱい! ゲームブックフリークな、本誌の愛読者なら『カヴス・カヴス』なんてどう? 夜、リラックスして部屋にいる「あなた」がふと手にとったものは、「まるで身に覚えのない」本。 どうも、一昔前のレトロテイストな冒険小説らしいけど……。 手にとったあなたを襲う恐怖とは!? これも、途中でページの上の段、下の段に分かれて、それぞれ違う物語、さらにはエンディングを楽しめる一本! さらには『お薬師様』なんていかが? 山の川瀬で釣りに洒落こもうとした男に待ち受ける運命とは? これまた、分岐があって、一回目、二回目とやり込むことが分岐条件。 だんだんと広がっていく物語は、さながらゲームブック! というわけで、この世のどんなジャンルにも分け難い短編集の登場! 自ら「実験小説」とジャンルわけしているだけあって、一度口にしたら、やめられなくなる奇想の展覧会になっているわ! あの手この手で真摯に読者と遊ぼうとするその姿は、まさに「大人向けの絵本!」 あなたの本棚にも、この奇妙な宝石を! 見逃せば後悔することウケアイ! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『実験小説 ぬ』 著:浅暮三文 出版社:光文社 2006/7/20 文庫 495円(税別) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月14日月曜日
FT新聞 No.4982
おはようございます、松井山手のパン屋さん(イートイン)から杉本です。 松井山手にあるクライミングジムに行く前に、朝ごはんがてら仕事をしております。 最近はずっと忙しいですが、そのぶん楽しくやれています☆ 今日の話題は「ガルアーダの塔」の書籍版のお話です! ◆【新職業】の実装。 私がいつもやりたいことのひとつに、「ゲーム性と物語性の融合」があります。 唐突ですが、デジタルゲームに対してアナログゲームは、いつも後手を取る傾向にあります。 遊びやすさはいつの世も重要な要素で、ビジュアル面と遊びやすさでアナログゲームはデジタルゲームに押されがちと、私は思っています。 だから、「体験」で勝負したいんです。 今回の【新職業】では、主人公が手に入れる装備品や、遭遇した〈できごと〉によって、なれる【職業】の選択肢が変化します。 そういうのが面白いと感じるのはもちろんです。それに加えて、主人公が「この道を選んだから、こうなれた」という出会いや選択があることが、私が作品を通じて届けたいことにマッチしているので、このシステムを導入しました。 それは、冒険が読者のものであり、私は「ローグライクハーフ」を、ドラマと冒険のランダマイザーとして提供したいと考えていることにつながっています。 あなただけの冒険を、体験してほしい。 がんばっています。 ◆【仲間】システムの掘り下げ。 私はゲームブック「かえる沼を抜けて」で、さまざまな仲間を「能力値や判定時へのボーナス」というカタチで表現しました。 それはひとつのあり方だったと思っています。 しかしながら、今回の「ガルアーダの塔」において、仲間は「幼少期からの時間をともに過ごしてきた、特別な存在」です。 文字どおり、名前のある存在なわけです。 そんな彼らを表現するには彼らの個性を示す描写と、強みを活かした活躍の場面を描ききる必要があります。 彼らの中には独自の目的を持つ者もいるし、主人公とは距離のある者もいます。 しかし、それでも彼らは、悪魔ガルアーダを討ち取るという共通の目的のために結束するのです。 私が真に描きたかった「ガルアーダの塔」の姿が、そこにあります☆ ◆豊富なイラスト。 今回、イラストレーターであるカワラベ氏による描き下ろしイラストをふんだんにご用意いたしました! ゲームブック版「ガルアーダの塔」からのイラストも、いくつか再録されております……楽しみにしていただけましたらさいわいです! それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月13日日曜日
Re:オレニアックス生物学 Vol.7 『もっさもさ』 FT新聞 No.4981
(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメント等は全て当時のものとなっております) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オレニアックス生物学 Vol.7 『もっさもさ』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 生物学の授業は非常に重要な科目だった。 アランツァの地での戦いは、戦争となるとまた話は別だが、人間以外の生き物と交戦することも少なくなかった。 聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラントは生物学の権威。 そんな彼の授業は生き物の外見、性質、そして対処方法を教えてくれる。 生徒たちを生き残る道へと導く、確かな灯火だ。 今日もカメルの授業が始まる……。 「もっさもさと言ったのじゃ」 爆笑をこらえる生徒たちとは対照的に、カメル博士の表情は至って真剣だ。 「もっさもさ。それが、この生き物の正式名称じゃ。世界に1匹しかおらず、広大な桜森のどこかにいることは分かっているが、その習性は分からんことの方が多い」 いたずらっぽい顔をしたガリィが、手をあげる。 「そいつを捕まえたら、高くで売れるんじゃないですか? だって、世界で1匹しかいないんですよね?」 「ふむ。ガリィくんは珍しい生き物を捕まえたら、売るのかね?」 急に真面目くさった顔になり、ガリィはしばし黙る。 「いや……売らないと思います。逆に、ずっと一緒にいてみたいかな。どんなヤツかによります。いくら世界に1匹だからって、いびきがとんでもなくうるさいヤツだったらイヤだもの!」 ガリィの言葉には生き物に対する暖かい気持ちが込められていて、クラスメートたちはなんだかホッとしたような気持ちになる。特にエルフのニナは、このクラスのガリィとアヴィオンから放たれるこのような感情に、いつも安心感を覚えていた。 「そうだな。珍しいからといって、ステキな生き物とは限らないからな。だが、喜んでいいぞガリィくん。もっさもさは昔から根強いファンの多い、魅力ある生き物だ」 カメルは口のはしでにんまりと笑う。てろんと垂れた下くちびるは、まるっきりラクダそのものだ。 「その大きさは全長1km、体重は不明。年齢は推定800歳。長い4本の脚を持ち、1日に20時間睡眠する。全身はほぼ鉱物でできていて、顔には口めいた亀裂が走っている。食事はしない。冬場を除いて全身に緑の草花が生えていて、鳥や昆虫などが住みついている」 カメルの言葉の後半は、ざわざわとざわめく生徒たちの喧噪によって半分も届かなかった。レムレスが代表して手を挙げる。 「待ってください、先生。今、全長1kmと言ったのですか?」 アランツァに巨大生物は多々あれど、1kmの生物など見たことも聞いたこともない。 「いかにも。もっさもさはおそらく、世界で1番大きな生き物じゃろう。千年樹を除けばな。移動はゆっくりだが、1歩で200m近くを歩く。人間など意に介さずに歩くから、もっさもさに踏み潰された者もいる」 レムレスを見つめたまま話したので、彼はそのまま次の質問をする。 「それって……いったいどうやって倒すんですか?」 グラントは首をかしげて答える。 「もっさもさを倒す方法も、必要もない。そのような質問こそ、人間のおごりだよ」 レムレスは黙る。レムレスにも支配者層の血が流れている。無意識にそれがあらわになったことを、恥じた。 カメルはもちろん、わざとレムレスのそういうところを指摘した。貴族なればこそ、危ういのだ。自身を正しく見る目を養わせることこそ、教師たるもののつとめである。 錬金術師のマグスが左手を挙げる。 「先生、それは本当に生物なのですか? ゴーレムのたぐいでは? 全身がほぼ鉱物の生物なんておかしいです。亀のような生き物だって、甲羅の部分以外は肉でできているんですから……。」 カメルがふふんと笑う。 「さすがに優秀だな、マグスくん。もっさもさはゴーレムか、植物の一種だと言われている。もっさもさの研究の第一人者であるイスト博士の論文によると、もっさもさは古代のゴーレムで、意思あるゴーレムがすべてそうであるように、何らかの生き物の魂を継承していると考えられている」 クラスの空気が固まる。意思あるゴーレムはすべて、もともと何かの生き物だった? ゴーレム剣士のヘイルのほうに、視線が降り注ぐ。 「ん? 俺はもともと人間だよ?」 クラスに衝撃が走る。あまりに子どもの頃から一緒だったので、ゴーレム剣士のヘイルは最初からゴーレムだと誰もが信じていた。いや、信じていたというには語弊がある。そのことについて、疑ったことがなかったのだ。 「うそ! えっ? お前、俺らと同い年じゃないの!?」 「俺はもっと歳上だよ。生まれはドラッツェンで、ウォードレイク戦役にも参戦した」 「お前! こないだのウォードレイクの授業のとき、そんなこと言わなかったじゃん!」 「静かに!」 カメル博士がピシャリと叱りつける。 「ヘイルくんの身の上話は、休み時間にするように」 それでもざわつく教室の机と机の間を、カメル博士は厳しい顔で歩きはじめる。カメルはかなりご立腹だ。 「もっさもさはゴーレムと目されているが、誰がいつその身体を作ったのかは明らかになっていない。イスト博士によれば、森の中で生活し、非常に長い時間眠るもっさもさは、人間以外のある動物の魂を継承しているのではないか、と推察されている。なんだか分かるかね?」 博士はニナを指名する。 「……猫、ですか」 いかめしくなっていた博士の顔が少しやわらぐ。 「そのとおりだ。もっさもさは気まぐれでマイペースな生き物だ。そして、不思議なことに、自分よりもはるかに小さい人間になつくことがある。それらすべてが、かの生き物がかつて猫であったことを示していると、イストは主張する」 カメルは咳払いをして、今日の授業のもっとも重要な箇所を話しはじめる。 「もっさもさの体内には、地下迷宮がある。そこで生活する人々も、実際にいるのだ。彼らはもっさもさ族と呼ばれ、時おりナゴールの都市の人々と交易をするらしい。迷宮の最深部には古代の宝が眠っているというウワサもある。君たちと決して無関係ではないのだぞ。迷宮探索の任を受けるかもしれないし、もっさもさ族と関わる機会があってもおかしくはないのだからな」 終業の鐘が鳴る。カメルはしかめ面だ。今日の授業は非常に興味深いものとなるはずだった。だが、残念ながら、1人の生徒の生い立ちを計算に入れていなかったがために、すっかり生徒が浮き足だってしまった。 だが……。違う考え方をするなら、今日は間違いなく成功ではある。彼らはもっさもさの名前を覚えたはずだ。友人の生い立ちとともに、忘れられない授業になったに違いない。思惑とは違っても、目的は果たしたのだ。 博士はピンと背すじを伸ばしたまま、教室の扉を開ける。ありがとうございました! と声が響く。 若い生徒たちに教えることのうち、どれが役立ち、どれが無駄になるかは分からない。 だが、いくつかはきっと、彼らの命を永らえさせてくれるだろう。 そう信じて博士は今日も教鞭をとる。 (From:杉本=ヨハネ) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月12日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第709号 FT新聞 No.4980
From:水波流 庭の樹木の手入れのために、ナタが欲しいなと探しているうちに、いつの間にか手斧に物欲がシフトしていた。 ハンドアックス、装備したい。 From:葉山海月 私としたことが、挨拶を忘れてしまった! つーか、ネタが思いつかない! そんなことに「ジジイになったなー」と思いつつ。 From:天狗ろむ ローグライクハーフオンリーイベントをやるぞー! と準備を進めています。全部一人でやっているのでてんてこ舞いですが、自分も楽しみつつ、参加者の皆様も楽しいイベントになるといいなぁ。 企画の一つとして、FT書房の先生陣への質問・応援メッセージを大募集中です! 宜しくお願いします〜! From:中山将平 僕ら、明日9月13日(日)に、以下の2つのイベントに出展します。 ・「文学フリマ大阪14」 開催地:インテックス大阪 配置:【ね-15】 ・「名古屋コミティア69」 開催地:刈谷市産業振興センターあいおいホール 配置:【F-32】 共にゲームブックや1人用TRPGローグライクハーフ、モンスター!モンスター!TRPG等を扱います。 また、このうち「文学フリマ大阪14」には僕の個人サークル『ギルド黄金の蛙』も出展します。 配置は【こ-30】です。 こちらではカエル人のコンテンツを扱います。 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (く)=くろやなぎ (明)=明日槇悠 (天)=天狗ろむ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■9/6(日)~9/11(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年9月6日(日)フォレストマスター一同 FT新聞 No.4974 『桜森と冬の終わり』ローグライクハーフd66シナリオ ・2025年1月にFT新聞紙上で展開された、読者参加企画「フォレストマスターへの道」。これは、FT新聞の読者が「フォレストマスター」となって、アランツァ世界の「桜森」を舞台とするd66シナリオを作り上げる、というものでした。 最初に杉本=ヨハネ氏から「背景」と「プロローグ」の文章が提示され、読者はそこからイメージした〈できごと〉を作成・投稿します。〈できごと〉は毎週月曜の記事で取りまとめられ、そこで公開された〈できごと〉へのアンサーとなるような〈できごと〉が、また新たに投稿される……こんなサイクルを経て、さまざまな執筆者の個性と〈できごと〉同士の「導線」に満ちたシナリオが出来上がりました。どうぞお楽しみください! (く) [編集部註:配信されたメール本文内の、シナリオデータのURLへのリンクが適切に設定されていない(文字列の途中で切れている)場合があり、申し訳ありませんでした。「.txt」までの文字列全体をコピー&ペーストしていただくか、以下のリンクをご利用くださるようお願いします。] https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Winter%E2%80%99sEnd_in_TheCherryBlossoms.txt 2026年9月7日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4975 イベント参加と近況報告☆ ・最近はよくイベントに出て、皆さんのお話を直接伺って、とてもテンションが上がっているという杉本氏。 きたる9月13日(日)、FT書房は大阪と名古屋でイベントに出展します☆ 名古屋コミティアでは、F-32にてFT書房のゲームブック作家、鬼才ロア・スペイダーが出陣いたします!!(非常にレアです☆) 文学フリマ大阪14では、ね-15にて新刊『廃都脱出』を含めたラインナップで杉本=ヨハネが参戦いたします! 執筆中の製品版「ガルアーダの塔」は「都市サプリメント」や【新職業】も掲載予定のよくばりセット! がんばりますよおおお!! ……遊びに来てください! (明) 2026年9月8日(火)かなでひびき FT新聞 No.4976 これはゲームブックなのですか!? vol.137 ・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。 今回紹介する作品は『落ちる飛行機の中で』(著:乙一/集英社文庫 短編集『ZOO2』に収録)! 吹けば飛ぶよな大学生風のハイジャックが「この飛行機を東大向けて突っ込ませます」と拳銃片手に宣言、邪魔者を次々に射殺! そこへ横の席に座っていた男が「安楽死用の薬、買いませんか? あなたの全財産で」 この極限状況、第一の分岐は飛行機が「落ちるか、落ちないか?」、そして第二の分岐は「やつからどれだけただ当然で薬を奪えるか?」 そして、意外な人物が絡んでくる「ささいなこと=分岐」で、物語は実に奇想天外な方向に! 直近はAIにて無料ローグライクゲームを制作したことで話題の著名なホラー作家が送る、様々な思惑の絡む「ゲーム」の行く末は!? あなたの予想は、きっと裏切られるっ! (明) 2026年9月9日(水)ぜろ FT新聞 No.4977 第7回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第509回。 今回の主人公は筋骨隆々な傭兵・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れ、「獣の腕」を宿す少年・ハルト。 二人は「クラーケンぶっ殺し号」に乗って、遠見師エラ・シエロが「見た」クラーケンのいる方角へ、船名の通りの冒険を続けています。 途中で発見した島では、縛られた者が何人かいる中、焚火を囲んで踊り狂っているゴブリンたちを発見。不穏な様子に、ハルトがどこか必死な雰囲気で救出を願い出ます。航海優先の旅路ですが、ここは見過ごせません! 他にもアクマウオなる人語を解すクリーチャーに遭遇したりもしつつ、とうとうクラーケンが出現するだろう場所まで辿り着きました……が、迎撃準備を進める砲撃手のニーナを含め、乗組員たちは不安げ。そんな彼らの不安を消し飛ばすヴァルグの一声が痛快です! (天) 2026年9月10日(木)東洋夏 FT新聞 No.4978 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.10 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第10回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、とうとう先頭車両に辿り着き、黒幕ダゲン・ラ・バーゲズと対峙しています。 ここまで同行していた従者のコビット・ヨンを倒され、怒りに燃えるシグナスは、【全力攻撃】で対抗! クロはとっておきの技でバーゲズ卿を追いつめます。しかし、不死者であるバーゲズ卿は「私は無限に再生する」と余裕綽々です。ゲームの処理的には戦闘終了としていますが……東洋氏流の派手なエンディングへと続きます! (天) 2026年9月11日(金)天狗ろむ FT新聞 No.4979 ローグライクハーフオンリーウェブイベント開催のお知らせ ・ローグライクハーフ大好き・天狗ろむが、とうとう「ローグライクハーフオンリーイベント」を主催するので告知記事を書かせていただきました! ウェブ上で行われるオンラインイベントですので、どこにお住まいでもご参加可能です。作品展示や試遊会、豪華プレゼント応募企画など、様々な企画も用意しました。詳細は記事とイベント用ホームページをご覧ください。是非ともお好きな形でご参加いただけましたら幸いです! 皆でローグライクハーフを楽しむ11月に致しましょう〜! (天) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (ジャラル アフサラールさん) 乙一さんは集英社のライトノベル雑誌である『ジャンプノベル』で17歳(執筆時は16歳)デビューした異才です。まあ最初読んだときにはライトノベルにしては?の内容でしたが。まあ『ジャンプノベル』には小川一水さん・村山由佳さんとそういう作家さんいましたがwww (お返事:かなでひびき) ありがとうございます。 『夏と花火と私の死体』ですか! かなでも読ませていただきましたが、まず、あのトリックには度肝を抜かれ、そしてホラーとしても、読ませる! ライトノベルとしてより「乙一」ワールドとしてのただならぬ存在感を放ってましたねー! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月11日金曜日
ローグライクハーフオンリーウェブイベント開催のお知らせ FT新聞 No.4979
FT新聞の読者のあなた、おはようございます! 編集部員の天狗ろむです。 今回は金曜日の読者寄稿枠を頂戴しまして、シナリオソムリエ記事ではなく、個人的なイベントの告知をさせていただきます。 勿論、ローグライクハーフに関係致しますよ! ご興味ある方もそうでない方も、是非一度ご覧ください。 ずばり! ローグライクハーフオンリーウェブイベント「ログラハドロップス」を主催致します! ■ローグライクハーフオンリーウェブイベント? ローグライクハーフファンの、ローグライクハーフファンによる、ローグライクハーフファンの為のイベントになるよう、色々と企画してみました。 扱うものはローグライクハーフに関係するもののみの為、「ローグライクハーフオンリー」と称しています。 ローグライクハーフが好きである方、ご興味ある方であれば、どなたでもご参加できるイベントです。参加費なども無料! オフラインでのイベントにも憧れがあるのですが、天狗ろむの現状の力だとまだ出来そうになかったので、オンラインの、ウェブ上で行うイベントになっています。 ですが、オンラインでやるからこそ、オフイベントにはなかなか参加できない方にもご参加いただけるかなと思っています! (余談ですがイベント名の「ログラハ」はローグライクハーフの略としています) ■開催日時は? 2026年11月1日(日)から11月30日(水)の1か月間 ウェブ上で開催するイベントの為、長い期間を予定しています。 開催場所はウェブ会場として専用ホームページを用意しています。場所はこちらになります(イベントのお知らせなども此方からご確認頂けます)。 https://amakuromu.wixsite.com/rlhparty 開催期間を長く取り、忙しい方でもどこかのタイミングで参加が出来るよう設定しました。 更に、イベント期間中、なるべく長く楽しみが続くような企画を用意しました! ■ウェブ会場部門 ☆メイン企画:サークル展示 ウェブ会場にて、サークル参加者さんの作品を展示します。 作品は、ローグライクハーフのシナリオやリプレイ、イラスト作品など。無料、有料、既存、新規問わずです。 SNSにローグライクハーフへの愛などを呟いてもらえれば、そちらへのリンクなどでもOK! 会場には売り子立ち絵を置くなど、イベントらしい雰囲気を出す予定です。 一般参加者の方には展示を巡って頂く事で、様々なローグライクハーフ関連作品に出会う場になればと考えています。 サークル宛にコメントをすれば、後述のスタンプも貰える仕様に出来るよう、準備を進めております。 サークル展示参加者の募集は、9月15日から10月15日の予定です。 募集フォームは、前述のウェブ会場に設置いたしますので、もう暫しお待ちください。 ■試遊部門 ☆メイン企画:ローグライクハーフの卓募集! ローグライクハーフは1人用TRPGなので、一人でも遊ぶ事が出来るのですが……GMありで遊ぶと、また違った楽しさがあります。 ですので、GMとPLを募集し、オンラインセッションの場を設けられればと思っています。 GMによってボイスセッション、テキストセッションがどちらでも可能なように、専用discordサーバーを準備中です。 我こそはGMをやってみたいという方、PLで遊んでみたいという方は、是非こちらにご参加いただき、ローグライクハーフを楽しんでみてください! GM募集は、9月15日から9月30日までを予定しています。こちらの応募フォームも、前述のウェブ会場に設置します。 GMの応募があった場合、PL募集は10月1日から開始予定です。 ☆プチ企画:皆でクソデカ騎士を倒そう! 生命点100点以上のクソデカ騎士を用意し、皆さんの主人公の力を集めて倒そう! という、協力型かつランキング形式も込みの企画です。 主人公を用意してもらい、1PCにつき、毎日何ラウンドか戦闘が可能という特殊なルールで行います(ルールは変更の可能性があります)。 ココフォリアというTRPGセッション用ツールを使う予定ですが、初めて使う方にもわかりやすい案内致しますので、どうぞご安心ください。 一番ダメージを与えたキャラクター、トドメを刺したキャラクター、クリティカル王、ファンブル王などのフレーバー称号の授与や、天狗ろむによるイラスト贈呈、倒せた場合にはプレゼント企画のプレゼント数を増やすなどの特典も考えております。 是非、皆さんの自慢のPC達で、クソデカ騎士を撃退してください! ■公式と交流部門 非公式のファン主催イベントなのですが、公式(FT書房代表者)であり、ローグライクハーフの生みの親のお一人である杉本=ヨハネ先生に、多大なご協力を頂く事に成功しました!! ☆FT書房の先生陣への質問・応援メッセージ大募集! 杉本先生を含め、FT書房でローグライクハーフ関連のシナリオ等を書いている皆様宛に、質問や応援メッセージがありましたら、是非とも専用フォームまでお寄せください! (全ての質問にお答えは出来ない可能性がありますが、どうぞご了承ください) 応募フォームはこちら! https://forms.gle/jTpXdAjFv8gL2NYSA 杉本先生以外の先生宛のものは、回答頂いたものをまとめたPDFを参加者特典として無料配布予定です。 杉本先生宛のものに関しては、以下の企画でお答えいたします。 ☆杉本先生と対談スペース企画(Twitter/現X上で予定)! 主催天狗ろむと杉本先生による、対談スペースを計画中です! 上記のフォームでお寄せ頂いた質問やメッセージを天狗ろむが読み上げ、杉本先生に直にお答え頂くというようなスタイルでお送りする予定です。 スペースは録音予定なので、聞き逃した方にも安心! 日程調整中のため現在の日時は未定ですが決まり次第、告知させて頂きます。 ■一般参加者向け スタンプ集め&プレゼント企画 サークル展示も試遊部門も参加できそうにないな……という方向けに、スタンプ集め機能を実装予定です。 集めたスタンプは、以下のプレゼント企画に応募する為に必要です。 是非いっぱい貯めて応募してみてください! ☆プレゼント企画 参加者特典&応募形式 ちょこっとスタンプを集めれば絶対に貰える参加者特典と、スタンプを幾つか集めて応募出来るタイプのプレゼント企画です。 応募の方は、物理書籍やグッズを主催から送付する形なので、郵送OKな方のみとさせて頂きます(日本在住の方のみです)。 送料などは主催負担。応募多数の場合は抽選。当選者の方と直接個人情報をやりとりしない方法での送付予定です。 ●参加者特典(ダウンロード) ・その1 サークル展示参加者有志による小冊子PDF ・その2 FT書房先生陣への質疑応答PDF ●応募企画 (プレゼントの内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。その際はお知らせいたします) ・ローグライクハーフ専用ダイスセット あなたは、ローグライクハーフ向けに作られたダイスがあるのをご存知でしょうか。 出目1はファンブル、出目6はクリティカル表記になっているものと、d66用ダイスやd33用ダイスもあります。デザインが格好良く、ローグライクハーフが遊びやすいダイスなのですが、BOOTHなどでは販売していないレアグッズとなっています。 ゲットしたら是非ともこのダイスをお供に、ローグライクハーフの冒険に出かけてみてください! 実物ダイスを振る楽しさをぜひ! ・杉本先生直筆サイン入り ローグライクハーフ書籍 「基本ルール+黄昏の騎士」書籍の他、杉本先生の作品からもう2冊程を予定しています。シナリオソムリエ見習い天狗ろむのおススメ作品のラインナップ予定。 サイン入りにしてもらっているので、既に書籍を所持済みの方は観賞用などにぜひ! ・アンソロジー企画「ビブリオメイズ」書籍 天狗ろむが主催している別企画「非公式d33シナリオアンソロジー企画ビブリオメイズ」で集まったシナリオを書籍化したものをプレゼント! B5サイズ、全172ページ、収録シナリオ7作品(その内5作品はキャンペーン形式)の大作です! こちらのアンソロジーの販売は、今回のウェブイベントでのみお披露目予定なので、絶対に欲しい方はご購入頂く方が宜しいかもしれません。 上記の企画以外にもプチ企画を予定しています。 やれそうならやっちゃおう! なゴブリンの突撃兵みたいなイベントになりそうです(?)。 サークル展示部門に参加して、シナリオやリプレイ制作に取り組んでみるもヨシ。 試遊部門に参加して、ローグライクハーフを実際に楽しんでみるもヨシ。 アランツァについて、シナリオについて知りたい事がある方は、先生方にメッセージをしたためるもヨシ。 コツコツとスタンプを貯めて、プレゼント企画に応募するだけでもヨシ。 あなたらしい楽しみ方で、「ログラハドロップス」にご参加いただければ幸いです。 1人用TRPGローグライクハーフを、色んな形で楽しむ11月にしましょう!! あなたのご参加を心よりお待ちしております! それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました! ローグライクハーフはいいぞ! 天狗ろむでした! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月10日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.10 FT新聞 No.4978
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.10 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。 冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロが主役です。 前回vol.9では、女騎士グロリアを退け、〈怨霊列車〉の主ダゲン・ラ・バーゲズとの最終決戦にもつれこみました。従者ヨンの死によって怒りに燃えるシグナスは、怨霊伯爵に正義の鉄槌を下すことができるのでしょうか? なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 さっそく決戦の只中に向かって出発と参りましょう! ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:1 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料1食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:5 ・器用点:2 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし ◇ [先頭車両]最終イベント (承前) 玉座の主が背筋を伸ばすと、その背部から生えた三本の白骨の腕がうねり、まるで多頭の竜のように主を取り巻いた。シグナスを襲った腕は、中央から頭を超えて生えたものであろう。鋭い爪と見えたものは、三日月型に固まった氷であった。 「さてシグナス、これは魔術王の腕だ。私を氷の術で殺そうとした。氷に封じて粉砕することによってな。しかし生憎、私はそのように下賤な手法では死なぬ」 上機嫌な玉座の主は、続いて剣を携えた二本の腕も紹介する。 「これは兄弟傭兵の腕。お前たちのように息の合った剣士どもであった。おお、そうだシグナス。お前の主人は見事な剣の使い手であるな。ハボリームめを生命の根源まで焼いて絶やしたのだと、それでいて手傷のひとつも負わなかったと聞いたぞ。悪魔の骸をコレクションに並べる貴重な機会であったが、お前の主人のお陰でし損ねたわ。しかし彼奴の腕を揃えて聖騎士狩りをするのはさぞかし楽しかろう。興行のためには名剣も集めねばなるまいな」 くっくっくっ、と玉座の主は喉を鳴らした。 シグナスの耳元でクロが囁く。 「俺が魔術王の相手をする」 「わかった」 「一撃で落とす。堪えてくれ」 「やる」 「諸君、作戦会議は終わったかね。では再開だ!」 (※2ラウンド、シグナス【全力攻撃】成功。クロは初めて【精密攻撃】を使ってみます。これは攻撃に初期属性(クロの場合は【炎】)が付与される上に、【攻撃ロール】に+1までもらえる優れもの。クロの攻撃は、おっとクリティカル! からのもう一度振って、こちらもクリティカル! 本人(本剣)にとっても必殺の隠し玉だったのでしょう) クロが高々と飛び上がり、魔術王の腕への挑戦を明確に示した。ジグザグに宙を舞う〈おどる剣〉めがけて、氷の爪が伸びる。 (ふん、のろまめ。読み通りだ。隠しておいた価値はあったな) クロは自身の内部に指令を送る。光の速さで総身に行き渡った指令は、ゴーレムの魔術回路を精密に変動させる。その指令はこうだ。〈発火せよ〉。 炎の尾を引き、燃える彗星となったクロが氷の爪に接近すると、体当たりする間もなく爪は溶け、あとには慄く白骨のみが残された。粉砕する。バーゲズの肩の骨までが砕ける。バーゲズの悲鳴。空中でターン。シグナスが攻め立てられつつも懸命にいなしている、兄弟傭兵の手の片割れに襲いかかる。 シグナスが目を見開いて、輝く黒い瞳でクロを見つめた。クロは面映ゆくも、誇らしく思う。そうだ、俺は騎士の先達として背中を見せ、この子を護らねばならん。 今度は傭兵たちの腕が守勢に回る番だった。言葉通り気炎万丈のクロと斬り結ぶ剣は、鋼が根を上げて欠け、やがて砕けたところを腕ごと仕留められる。シグナスは残りの腕と打ち合い、これは主人に褒められるところであろうが、真っ向勝負で剣の冴えで優った。手首から切断された傭兵の腕に亀裂が走り、それはバーゲズの肩に至り、ついに胸まで弾けた。白骨が美麗な装束から突き出す。 「バーゲズ卿、降参を!」 (※ここで処理的には生命点0になって戦闘終了。続くシナリオのエンディングでは、バーゲズは余裕綽々で腕を再生しようとしますが、何故か果たせず、やがてバラバラになってしまうという終わりが書かれます。しかしですね、不遜にも「何故か」の部分が消化不良だなと個人的に思ってしまいました。ということで、ここからは我流のエンディングです。派手に行きます) しかしシグナスの言葉に、玉座の主は嗤って応じる。 「素晴らしい。実に素晴らしい。では次だ」 バーゲズの背中に、天井からずり落ちた躯がのしかかった。マントのようにバーゲズを包んだ躯の半ばから、次は八本の手が伸びた。手、いや脚かもしれない。 「ううむ良い表情だシグナス。久方ぶりにぞくぞくさせてくれるではないか。その調子で絶望していけ。私は無限に再生するのだから」 さてこれはアラネアの勇士の、と続ける玉座の主の言葉をシグナスはろくに聞いていなかった。無限に再生する。その言葉に打ちのめされていたからだ。確かにシグナスとクロの攻撃はバーゲズの胴体にまで届いていたはず。しかしそれは致命傷にはならかった、とバーゲズは言うのだ。それが証拠に骸はバーゲズの下半身まで包み込み、今や玉座の主はアラネアそのもののように見える。 不死者を完全に沈黙させるには、再生できないほどの破壊を与えなくてはならない。最良の打ち手は善なるセルウェー神の御力を借りて浄化する手法であろうが、残念ながらシグナスは未熟故に、善神の御力を攻撃において振るう許可を得ていないのである。 先ほど、あの玉座の主は魔術王に氷漬けにされて砕かれても平気だと言った。そして炎を操るから、恐らくクロが焼き尽くそうとしても対抗手段を持ち合わせているはず。自分さえしっかりしていれば、とシグナスは歯噛みするのだ。 「諦めるな」 クロが決然と言い放つ。 「何か仕掛けがある。それさえ叩けば」 玉座の主は鼻で笑った。 「わきまえよ。演者が台本に干渉することを、私が許すと思うてか!」 ◆ 時は少しだけ遡る。 三号車。 「あらあらあら、今宵は迷える子羊の多いこと。ついに足を止めてくださったのですね、グロリア様。懺悔をなさいますか? あまりお時間も無いようですので」 シスターの前に立った女騎士グロリアは、燃えている。だがその瞳は明瞭で、怨霊列車の主人による呪縛から切り離されたことを、無言のうちに告げていた。これは彼女の魂なのである。 「シスター、感謝します。しかし懺悔の前に伝えねばならぬことがある。それは私の使命だ。これより先に、怨霊列車を攻略せんと願う者のために……いや、今まさに戦っている者のためにもだ。間に合うのなら、まだ負けと決まってはいないのだから」 「わたくしへの伝言でよろしいのです?」 「いや、出来れば、従騎士シグナスの主人に託したい」 「分かりました。特別にお代はいただきませんわ。払ってくださっても構いませんけど♪」 グロリアは苦笑いする。 「生憎と、シスター、この朽ちた身には恥と罪以外に価値あるものは残っておりません」 「冗談ですわ〜♪」 幾つかの香と、幾つかの薬草と、幾つかの呪文。それを繋ぎ合わせてシスターは女騎士の魂を、彼女の望む方向へ押し出した。それはいずれの神の御業でもなく、ただいずれの神にも仕えるこのシスターにしか使役できない技である。 ◆ 同刻。 廃城前には小さな焚き火が熾されている。聖騎士ノックス・オ・リエンスは独り、待ち侘びていた。最上のものは彼の従騎士が五体満足で仕事を成し終えて帰還することである。最悪の場合でも、乗り込む術は用意した。 甲高いグリフォンの鳴き声が雪原にこだまする。随分と気性の荒い個体らしい。だが勇気があるならそれで構わなかった。思い描いた作戦通りなら〈怨霊列車〉の真横を飛ぶことになる。胆力を持ち合わせないグリフォンでは用を為さない。その条件さえ合うならば、あとは腕で乗りこなしてみせる。 雪は降っていないが、その分ひどく冷え込む夜だった。作戦決行にはまだ時を待たなければならない。〈怨霊列車〉が近づいてくる時を狙う。追いかけるのはグリフォンの体力を無駄にするばかりだ。小枝をくべ、火を見つめて心を無にする。空洞になった心を、善神セルウェーへの祈りで満たす。 ぱちん、と火が爆ぜた。顔を上げると、そこに女性が立っている。騎士だ。サン・サレンの騎士だろうか。しかし燃えている。定命の者ではないようだが、悪意はなさそうだ。 「サー・ノックス?」 「ああ」 「名乗り遅れた無礼をお許し願う。我が名はグロリア。情報を託すべく、死せる身なれど魂にて参じた次第である。恥ずかしながら、私は〈怨霊列車〉に囚われて今の今まで正気を失っていた。最後に善き事を成したい」 「聞こう」 女騎士は微かに笑ったようである。少しだけ柔らかな口調になって、続けた。 「貴殿、どうも従騎士とは正反対の気性をお持ちのようだ。良い少年をお育てになった」 「……」 「いや、重ねてご無礼を致した。単刀直入に申し上げる。〈怨霊列車〉を止めるためには、外部からの介入が不可欠。かの列車の主、ダゲン・ラ・バーゲズ伯爵を名乗る怪異は不死者であり、常の手段では屠ること能わず。伯爵を仕留めるには、先頭車両の機関部を破壊するしかない。伯爵はそこに他者の魂を溜め込んで精製し、自身と列車、そして私のような躯とを動かす活力に仕立て上げているのだ。伯爵と貴殿の従騎士がたった今、交戦している」 ノックスはすっくと立ち上がる。 「破壊の手法は」 「分からない。私が得られた情報はそこまでなのだ」 汽笛の音が、夜空のどこかで鳴り響いた。サン・サレンの兵士が駆けてきて、燃える女騎士を見て目を剥く。 「報告」 「し、失礼致しましたサー・ノックス! 観測兵の情報によりますと、〈怨霊列車〉が回頭しこの廃城に向かっているとのことです。速度が一定なら、接敵まであと十分です! グリフォンを引いてまいりましょうか」 「いや、まだだ。離れていろ」 「はっ! 了解しました!」 ノックスは背負った道具袋から、弓を取り出した。 「まさか貴殿、射落すつもりか」 女騎士の言葉に応えず、ノックスは淡々と弦を張って整え、引いて弓の調子を試す。西方砂漠の砂クジラの骨を主材とするフレームは、本来ならばこのような雪原で引くには不向きだろう。しかし一撃だけ保てば良い。 汽笛が再び鳴り響いた。空に目を遣ると〈怨霊列車〉が早くも視認できる。 「何処だ」 「龍の後頭部から続く、やや細い円筒の部分だ」 ノックスは了解した。 この技は弟の見様見真似である。武芸師範はノックスには伝えず、弟を選んだ。妬ましくはなく、むしろ誇らしく思っている。しかし今は、その技が必要だ。 ノックスは低く、地面に沈み込もうとするように低く構える。引き絞られた弦が静かに猛っていた。 (さて、僕に出来るか。出来なければ兄として情けないな。善なる神よ御照覧あれ。リエンス流——剛弓術!) ◆ 今回のリプレイはここまでです。 特にランダム要素のあるローグライクハーフのリプレイを書くことの面白さと申しましょうか。同じシナリオであっても、プレイヤーの数だけ、あるいは主人公の数だけ違う物語や意味が生まれていくのです。 そんなわけで、シグナスとクロの冒険は、シナリオの本来のエンディングよりも派手派手にはっちゃけて結末を綴らせていただこうと思っております。 ちなみにノックスが引いている弓は、また別の冒険で彼が獲得したものであったりします。そうやって繋がって行くのも楽しいですね。 次回が最終回となりますが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。 それでは皆様、良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。 ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。グロリアとの最後の対決にて落命。 ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。 ・トーヴァ…ヨンとアルゴットと共に〈怨霊列車〉の調査に来ていた「人間」の兵士。 ・ノックス・オ・リエンス…ロング・ナリクの聖騎士。シグナスの師匠。〈猟犬〉の異名を持ち、主命を受けて暗殺などの仕事もこなしているともっぱらの噂。 ・グロリア…サン・サレンの女騎士。躯になってもバーゲズに操られ、最後には爆発させられた。魂となってノックスの元を訪れバーゲズの情報を提供する。 ・ダゲン・ラ・バーゲズ…〈怨霊列車〉の主。役者と称して躯(むくろ)を蒐集する、最悪の手合い。 ・ハボリーム…拙リプレイ時空ではサン・サレンに根城を構えたバルサムデビル。シグナスの師匠ノックスにより暗殺される(参考シナリオ:『賞金首を狙え—隠密任務編—』/作:天狗ろむ/作品URL: https://talto.cc/projects/mjMKe3Lgaz58zl4sg5LdE / リプレイ: https://x.com/summer_east/status/2003597509038678525?s=20) ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。