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2026年6月15日月曜日

アランツァへのいざない アランツァ百氏族3 FT新聞 No.4891

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 今日はアランツァ百氏族と称しまして、FT書房が展開する世界アランツァに登場する氏族を紹介する記事の最終回です。 それでは、いってみましょう! ◆ティブロン家 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:末裔 主な職業:なんでも  ティブロン家は末裔の一族。ガサガサした肌と強い歯を持つ一族で、性格は荒っぽく直情的。戦士の家系で、自分が最強と信じている。大抵の魚人は個の意識に乏しいため、これは末裔には珍しい特徴といえる。 ◆トーマ家 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム、半巨人、ゴーレム、末裔 主な職業:【怪物狩猟者】  トーマ家は冒険者の家系。冒険者の館と呼ばれる大きな邸宅に集団で住む一族で、血のつながりはほとんどない。言うなれば生活をともにする運命共同体であり、最近ではひとつの館に住めないほど一族の規模が大きくなったため、隣接する土地に新しい邸宅を建造中である。同じ家に住んではいるものの、家計は同一ではない。一族のあるじは大抵の場合、冒険の経験が豊かな年長者がなる。 ◆ティンバー家 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム、ゴーレム、¥末裔 主な職業:【戦士】  ティンバー家は代々兵士を務める家系。斥候と呼ばれる、戦場や冒険の場において、単身で敵の状況を確認する危険な仕事を請け負ってきた。物静かで用心深く、おとなしく、必要なことしかしゃべらない。端正な顔立ちをしているため、集団内では密かに好意の対象になることもある。 ◆グアンカシュ家 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:人間、ドワーフ 主な職業:【戦士】  グアンカシュ家はゴーブの支配階級だが、一族の規模は大きくその身分はまちまち。王侯貴族に所属していない者さえ存在する。戦士の家系で体格が大きく、オークの血が混じっていることもあって、あまり品がない。大きな声で笑い、なれなれしく、世界を自分の敵と味方に色分けする。痛みや恐怖に鈍感で、命に関わりがなければ気にしない「にぶさ」を強みとする。 ◆スネージの一族 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:エルフ 主な職業:【盗賊】【魔術師】  スネージはエルフの血筋。何らかの理由で肌や髪などに色がついてしまった、黒エルフと呼ばれるエルフの一族(主人公の肌が黒い必要はない)。性格は辛らつで、家の誇りを汚す不届きものや、自分を軽んじる相手に対する怒りが激しい。目つきが悪く、エルフには珍しい一重まぶたをしている。手先が器用で、基本的にはものづくりや射手の家だが、魔法をたしなむこともある。 ◆ロランダス家 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:人間、ドワーフ 主な職業:【戦士】  ロランダス家は陰鬱なゴーブの街にあって、混沌ごろしで名をあげた戦士の一族。北方人種で髪と瞳の色は黒。全体的に色白で筋肉質。魔法も使う。カタク教徒。性格は豪胆で、混沌に腕を噛みつかれたさい、仲間に自分の腕を叩き斬らせた先祖の逸話を持つ。一族の武勇には狂戦士の粉と呼ばれるドラッグが関係する。これは副作用のある麻薬の一種だが、後遺症に悩むほど長生きできた者は一族にいない。 ◆アルギルダス家 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:人間、エルフ 主な職業:【魔術師】【僧侶】【錬金術師】  アルギルダス家はロランダス家の盟友と言える家柄で、ロランダスが戦士の家柄であるのに対して【奇跡】【魔術】【錬金術】などを駆使する一族。ロランダス家の魔法の師匠を務めると同時に、混沌と呼ばれるクリーチャーがはびこる「混沌の迷宮」では、ともに戦う朋友でもある。同じ北方人種だが髪の色は亜麻色の栗毛で、瞳の色も茶色がかっている。顔にそばかすがあることが多い。カタク教徒。性格は用心深く度胸が据わっており、大人しく見えるが負けん気が強い。 ◆エドワード家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム 主な職業:【錬金術師】  エドワード家は【錬金術】の達人として知られる家系。人間との関わりを嫌い、堕落都市ネルドで怪物の製作に励む。金髪で青い眼、色白。色素が少ない。性格は神経質で几帳面。病弱な傾向がある。頭は良く、「盗賊都市ネグラレーナ」で大学教授を務める者もいる。 ◆ローザ家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、エルフ、コビット 主な職業:【暗殺者】  ローザ家は【暗殺者】の家系で、暗殺能力は高いが雇い主への忠誠心は低いことで知られている。養子が多く「擬似家族」と揶揄する者も。一族のなかでは倍額を支払うと寝返る「鮮血のコルデ・ローザ」が特に悪名高い。 ◆シェザード家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム 主な職業:【暗殺者】  シェザード家は対人暗殺に特化した訓練を積んだ暗殺者の家系。家業に従事することを拒否した場合には、冒険者になることが多い。ローザ家同様に「擬似家族」を形成する集団である。血縁でないため一族の特徴はまとまりを欠いている。ローザ家が腕の立つ暗殺者集団であるのに対して、シェザード家はいつわりの身分を用いてターゲットに近づき、油断したところを殺害する。 ◆アメリ家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、ドワーフ、コビット 主な職業:【戦士】  アメリ家はハイランダー・オーク(高地に生息する優秀なオーク)の血が混じった戦士の家系。路上でのケンカ(というよりは殺し合い)をはじめ、暴力を振るうことに無上の喜びを感じる血が流れている。一族の典型的な顔立ちは、鼻が少しめくれていて目つきが悪い。長生きのできない家系なため、一族はみな若い。多産。アルコール中毒者が多い。 ◆スパロウホーク家 拠点:自治都市トーン 主な種族:鳥人 主な職業:【戦士】  スパロウホーク家は自治都市トーンに迎え入れられた鳥人の一族。ハイタカ。俊敏で勇敢な、飛翔騎士の代表的存在。 ◆ガリオン家 拠点:自治都市トーン 主な種族:鳥人 主な職業:【盗賊】  ガリオン家は自治都市トーンに迎え入れられた鳥人の一族。スズメ。体格ではスパロウホーク家に劣るものの、素早さでは上まわる。性格は臆病ないっぽう、勇敢さを見せることも。 ◆コルージャ家 拠点:自治都市トーン 主な種族:鳥人 主な職業:【魔術師】  コルージャ家は自治都市トーンに迎え入れられた鳥人の一族。フクロウ。魔法使いになる傾向が強い。性格は温和で思慮深い。 ◆アロンドラ家 拠点:神聖都市ロング・ナリク 主な種族:鳥人 主な職業:【僧侶】  アロンドラ家は神聖都市ロング・ナリクに迎え入れられた鳥人の一族。ヒバリ。 ◆アノマリア家 拠点:北方都市サン・サレン 主な種族:グレムリン 主な職業:【魔術師】  アノマリア家はグレムリンの一族。少数種族で、文化的なグレムリンの集団はサン・サレン以外ではほとんど見かけられない。アノマリア家のグレムリンは魔法使い的な気質を備えており、信心深く探究心に富む。 ◆デフェクト家 拠点:北方都市サン・サレン 主な種族:グレムリン 主な職業:なんでも  デフェクト家はグレムリンの一族。少数種族で、文化的なグレムリンの集団はサン・サレン以外ではほとんど見かけられない。デフェクト家のグレムリンは芸術肌な気質を備えており、いたずらを好む。 ◆バステス王家(失われた一族) 拠点:商業都市ナゴール 主な種族:人間、コビット 主な職業:なんでも  商業都市ナゴールの前の時代に同地に存在した王国都市バステスの王家の血を引く一族。 ◆ハングー家(失われた一族) 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:人間、エルフ 主な職業:なんでも  冒険都市カラメールが建国されるより以前に、同地で繁栄したハングー帝国の一族の生き残り。現在よりも強力で粗雑な魔術を使う。 ◆レラヴィリア王家(失われた一族) 拠点:城塞都市ドラッツェン 主な種族:人間、ドワーフ 主な職業:なんでも  前時代に滅ぼされたレラヴィリア国の末裔。ドラッツェン周辺に住む獣型の少数種族(豚人、犬人など)と関係が深い。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年6月14日日曜日

Re:オレニアックス生物学 Vol.4 『ウォードレイク』 FT新聞 No.4890

(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメント等は全て当時のものとなっております) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オレニアックス生物学 Vol.4 『ウォードレイク』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 生物学の授業は非常に重要な科目だった。 アランツァの地での戦いは、戦争となるとまた話は別だが、人間以外の生き物と交戦することも少なくなかった。 聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラントは生物学の権威。 そんな彼の授業は生き物の外見、性質、そして対処方法を教えてくれる。 生徒たちを生き残る道へと導く、確かな灯火だ。 今日もカメルの授業が始まる……。 ラクダ人であるグラント博士は、年がら年中もっしゃもっしゃと口を動かし、授業する。 興奮するとつばが飛ぶので、博士の授業の際にはあまり前方に人がいなかった。 ヘイルとレムレスが平気な顔をして博士の授業を受けているのを、不思議な気持ちで君は観察していた。 今日の授業はウォードレイクについてだ。 「人間に扱うことのできる怪物はいない。そう考えるのが相場だった時代に、世界最大の都市ドラッツェンの王はその常識をくつがえした。☆年に勃発したトカゲ国との戦争で彼らが見せたその怪物は、その示した戦果以上に世界中に衝撃を与えた」 唇がラクダのように3枚(下唇、上右唇、上左唇)に割れたグラント博士は、いつも笑っているように見える。だが、このときの瞳は非常に真剣だった。 「人間に扱える生物といえば、せいぜい家畜のたぐいと決まっていた。ラクダ、馬、タケタケ、オストリッチ、大亀龍、トルケーブ、ポルルポルル……。怪物飼育の専門家でなければ、人間以上の大きさの餌を食べる怪物を飼い慣らすことは難しいとされていた。だが、ドラッツェンの軍事専門家たちはそれをやってのけた。その際に飼い慣らされたのはドレイクと呼ばれる、ドラゴンの親戚のような生き物だった」 「銀色に輝くウロコ。長いかぎ爪。大きく美しい翼。鋭い牙。ルビーのように赤い瞳。生き物の死骸にも似たにおいを撒き散らす。戦場では大トカゲに乗ったトカゲ人騎士を子ども扱いしたという」 「それだけの強大な軍事力でありながら、ウォードレイクは現在ドラッツェンにはいない。レムレス、どうしてか分かるか?」 眉間にしわを寄せながら、羽根ペンを器用に回しながらレムレスは考える。 「予算不足、ですか?」 満足そうに博士が笑う。 「そうだ。ドラッツェンは広大な領土を持っていたが、ウォードレイクによる世界覇権はならなかった。無敵の軍事力を誇ったウォードレイク1体を維持するために、1日約1頭の牛が必要だったのだ。皮肉でもなんでもなく、ドラッツェンからは牛が消えた。当時ウォードレイクはドラッツェンの象徴として庶民から愛されていたが、毎年少しずつその数は減らされた。軍事費が経済に与えた打撃は大きく、後にドラッツェンが植民地を失うキッカケのひとつとなった。だが、このクラスは生物学、歴史学ではない。話を戻そう。ドラッツェンは凶暴で、常に腹を空かせている。巨体にも関わらず飛ぶことができ、鋭い鈎爪で獲物を捕まえるが、炎は噴かない。彼らの弱点はどこだと思う? アヴィオン」 アヴィオンはマジメな顔をして答えた。 「目と鼻ですか」 博士は口をへの字にして応える。 「正解だ。ウロコが生えていない場所が弱点だ。戦いのさなかにこれを狙うのは簡単ではない。アヴィオンのような弓の名手でも、動いている15cmほどの的を射抜くのは至難の業だ。それでも、顔を射掛けるのは悪い案ではない。槍やパイクを持っているなら、もう少し楽に狙えるかもしれない。だが、ウォードレイクは軍事力に優れているから使われるようになった生き物だ。予算不足でいなくなったということは、つまり、未だに戦いでは攻略されていない生き物だということだ」 終業の鐘が鳴る。 「ウォードレイクと相対したときにどうしたらいいのかという問いは、戦車と出会ったらどうしたらいいのか、という問いに似ている。そのような事態に陥ってはならない。倒すには軍事的な連携が必要で、個人で相対するべき生物ではない。そのことをしっかりと肝に銘じること。以上!」 博士はピンと背すじを伸ばしたまま、教室の扉を開ける。ありがとうございました! と声が響く。 若い生徒たちに教えることのうち、どれが役立ち、どれが無駄になるかは分からない。 だが、いくつかはきっと、彼らの命を永らえさせてくれるだろう。 そう信じて博士は今日も教鞭をとる。 (From:清水龍之介) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ ウォードレイク 【盗賊剣士】に登場。48ページを参照。 技術点不明 体力点不明 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年6月13日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第696号 FT新聞 No.4889

From:水波流 先月に引続き、児童書と絵本を図書館で借りては読み続けていたら、5月も読書冊数が32冊に。 ここからはちょっと方針を変えて、本棚に積ん読のままのラノベを読んでいこうかなと。 まずは小説版パトレイバーを……。 From:葉山海月 リアルで拳銃持ち歩き、それを模型店内で抜くやつ初めて見ました! もちろん、トイガンです。 「大阪へ行くから、うちも何か身を守るものもたな」 知らなかった。いつから大阪はアメリカになったんでしょ? From:中山将平 光栄なことに僕、6月28日(日)に開催の『トロールコン1』にゲストとして参加させていただきます! 参加申込みは明日6月14日までとうかがっていますので、「気になっていた」という方にもう一度情報をチェックしていただけましたら。 https://gforms.app/r/jORZVgb さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■6/7(日)~6/12(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年6月7日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4883 『ガルアーダの塔』1-90階 ローグライクハーフd66シナリオ ・今年2月から配信が始まった、杉本=ヨハネ氏によるローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』d66シナリオ、いよいよ最終回!「7回目〜9回目の冒険」が追加され、1階から90階まで登れるようになりました。前回の配信を逃した方も安心!新たにダウンロードしてプレイしてみてくださいね。 舞台となる「水上都市聖フランチェスコ」都市サプリメント、「中級ルール」改訂版も再配信です。こちらで入念な準備をおススメいたします。 杉本氏曰く、14年前に「最後のエンディングのシーンからスタートした作品」だったとのこと。渾身の大作を、ガルアーダとの戦いを、どうぞ最後までお楽しみあれ! (天) 2026年6月8日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4884 アランツァへのいざない アランツァ百氏族2 ・FT書房が展開するファンタジー世界「アランツァ」について深掘りする本連載、今回のお話は前回に引き続き「氏族」について。 アランツァ百氏族と称して、冒険者を輩出してきた氏族を紹介して参りましたが……数えたところ89氏族しか存在しないことが判明しました。ムリに増量するのも違うので、このままお送りします★ ひとつの家系の中に人間、ノーム、ドワーフなど、複数の種族が主流となることもあるというのは、特に日本的な感覚からするとカルチャーギャップを覚えますね。 ゲームブック『大魔導城のワナ』などの著作で知られる冒険作家ロア・スペイダー氏も、からくり都市チャマイに拠点を置く百氏族スペイダー家の出であられます。 冒険者として功成り名遂げれば、新たに百氏族のひとつとして家の名が残されることもあるのかもしれません。さあ、冒険だ! (明) 2026年6月9日(火)丹野佑 FT新聞 No.4885 Re:ゲームブックとホラー(前)@20代からのゲームブック124 ・『巨大樹の迷宮』『きみへ贈る詩』などの著者である丹野佑氏による、10年ほど前にFT新聞で連載されていたコラムの再録シリーズ。今週からは「ゲームブックとホラー」をテーマとする回を、3週連続でお届けする予定です。「ゲームブックが構造的に持っている要素のいくらかは、そもそもホラー的である」という丹野氏の考察を、どうぞお楽しみください。 なお、記事の中で触れられている「夏のクトゥルフ・ゲームブック祭り」の諸作品は、FT新聞で配信された後、『ゲームブック クトゥルー短編集』としてまとめられています。BOOTH(紙書籍)またはAmazon(Kindle電子書籍、作品ごとに分冊)にて販売中ですので、興味のある方はこれを機会に遊んでみてください! (く) 2026年6月10日(水)ぜろ FT新聞 No.4886 第4回【可愛いあの子に最高のプレゼントを】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第495回。寝子氏によるローグライクハーフシナリオ『可愛いあの子に最高のプレゼントを』の最終回です。 ウサギ使いのウサナギのお友達、りにゃの誕生日パーティー中に、招待客の連れていたゴーレムが大暴走! りにゃにお願いされたウサナギは、ファミリーのウサギたちと共にこれに対処します。パーティーの他の招待客を守りながらの戦いです、何とか出来るでしょうか…!? そして、ウサナギたちはりにゃに最高のプレゼントを渡すことができるかな? ぜろ氏による粋な計らいのサプライズもありますので、どうぞ最後までお楽しみくださいね。 (天) 2026年6月11日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4887 『覚悟(デテルミナシオン)』 ・来たる6月18日、錚々たる作家陣によるハヤカワ文庫JAのアンソロジー『ショートショートなSF』に、岡和田氏の小説「十四(カトルセ)」が掲載されます。 同作は「ナイトランド・クォータリー」Vol.40の「メリュジーヌ」、同Vol.42の「屍衣(モルタハ)」などとも共通する舞台を扱ったもの。今回はそのうちの一作をお披露目します。 「美し風」と呼ばれるこの街で、十六(ディエシセイス)のときから墓守として働いてきた彼は、なぜ自分のこめかみに回転式拳銃の引き金を引くに至ったのか? 夜番の際に現れる純白の屍衣(モルタハ)を身にまとったうら若き女性は、幽霊なのか、あるいは風に乗ってどこへでも行ける自由な存在なのか? 自由なんか欲しくない彼は、ひょんなことから手に入った大金によって、どのような「覚悟」を見せるのでしょうか? 神話の神々や怪物などを象った豪奢な彫像に囲まれた墓所の迷宮に、一瞬と永劫の狭間、あなたの心をご案内する一作です。 (明) 2026年6月12日(金)ふろふき大根 FT新聞 No.4888 『ズィムララ美食紀行』 ・T&Tのファンであるふろふき大根氏。 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』の発売など、盛り上がりを受けまして、今回、記事を寄せてくださいました。 題して 『ズィムララ美食紀行』 ! モンスター!モンスター!RPGの舞台である惑星ズィムララは、まだ金属器が広く普及する以前の世界。王侯貴族こそ鉄製の武具を手にしているものの、庶民の暮らしには鍋や農具ですら金属製品はほとんど行き渡っていません。 では——鍋も窯もない世界で、庶民はどうやって食事を作っていたのか? 本作は、その素朴な疑問に対する答えを示す一つの答えです。 実験考古学や古代の調理技術を踏まえ、架空世界の“食”をリアルに再構築することを試みた本編! 生き物の根幹(食)という行為に、あなたの想像力をかきたてること間違いなし! 詳しくは、是非本記事を! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年6月12日金曜日

『ズィムララ美食紀行』 FT新聞 No.4888

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ズィムララ美食紀行』  (ふろふき大根) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 初めまして。ふろふき大根と申します。 T&Tのファンでして、BOOTHの「ふろふき大根屋」(https://furofukidaikon.booth.pm/)にて、Tunnels & Trolls(T&T)や『モンスター!モンスター!』のソロアドベンチャーを松田洋平名義で公開しております。 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』の発売もあり、モンスター!モンスター!RPG全体がとても活気づいてきました。T&Tファンとして、この盛り上がりを心からうれしく感じています。 さらに、今月末6月28日(日)には愛知県名古屋市で「トロールコン名古屋」が開催されることも決まりました。かつてアメリカ・アリゾナで行われた“トロールの大祭”が日本で開催されるという事実は、まさに歴史的な瞬間と言えるでしょう。これからもT&T、そしてモンスター!モンスター!から目が離せません。 今回FT新聞に掲載させていただくのは、題して 『ズィムララ美食紀行』 です。 モンスター!モンスター!RPGの舞台である惑星ズィムララは、まだ金属器が広く普及する以前の世界。王侯貴族こそ鉄製の武具を手にしているものの、庶民の暮らしには鍋や農具ですら金属製品はほとんど行き渡っていません。 では——鍋も窯もない世界で、庶民はどうやって食事を作っていたのか? 本作は、その素朴な疑問に対する答えを示す一冊です。 結論はとてもシンプルです。 金属の鍋がなくても、料理はできる。 火・石・土・皮袋といった自然素材を組み合わせ、人々は驚くほど豊かな食文化を築いていました。 本書の調理体系はズィムララ世界の設定に基づきつつ、地球の古代エジプトや古代メソポタミアの考古学研究を参考文献として取り入れています。 実験考古学や古代の調理技術を踏まえ、架空世界の“食”をリアルに再構築することを試みました。 特に、熱した石を皮袋に投入して煮炊きを行う「焼き石調理」は、現代のアウトドアでも試してみたくなるほど合理的で魅力的な技法です。鉄鍋が普及し始めた後の時代でも、軽量化を重視する旅人たちは、この安価で軽い道具を好んで持ち歩いたのではないか——そんな想像も膨らみます。 なお、本作の制作にはAIツールのNotebookLMも活用し、古代技術の整理と再構築に役立てました。 ズィムララの大地に息づく知恵と食文化を、ぜひお楽しみください。本作が、過酷なズィムララの世界を旅する様々なクリーチャーたちの心の支えになるとすれば、これほどうれしいことはありません。 なお、本稿はAI技術を用いて生成された情報を含んでおります。 情報の正確性・妥当性には注意を払っておりますが、完全性を保証するものではありません。 万が一、記述に誤りや修正すべき点がございましたら、筆者までご連絡くださいますようお願い申し上げます。 『ズィムララ美食紀行』 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/ZimralaCulinaryJourney.pdf 『金属器なき世界の高度の調理体系(皮袋の焼き石煮)』 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/StoneBoilingScience.pdf ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年6月11日木曜日

『覚悟(デテルミナシオン)』 FT新聞 No.4887

 2026年6月18日、ハヤカワ文庫JAのアンソロジー『ショートショートなSF』に、岡和田晃の小説「十四(カトルセ)」が掲載されます。小説が文庫本に入るのは初めてなのですが、同作は「ナイトランド・クォータリー」Vol.40の拙作「メリュジーヌ」、同Vol.42の「屍衣(モルタハ)」などとも共通する舞台を扱ったものです。  今回はそのうち、一作を「FT新聞」の皆さまにもお披露目をします。お愉しみください。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 覚悟(デテルミナシオン)  岡和田晃 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●  深呼吸し、自分のこめかみに回転式拳銃(レボールベル)の銃口を当てた。そのまま、ゆっくり引き金を引く。  ——地獄の業火のごとき、焼けつく痛み!   未曾有の苦悶に見舞われ、それは永劫であるかに思われた。暫時、まぶしい光がきらめき、世界が純白に覆われた。これで計画は完成する。意識の持続が断ち切れる寸前、まったき孤独のさなか、してやったりと、北叟(ほくそ)笑んだ。  一瞬と永劫の狭間で、来し方を想起する。すべては予測されていた。準備万端だった。あらかじめ、自分の埋葬される墓所と墓石は用意しておいた。一九一〇年と、没年すら入れておく念の入れようを、誰かに褒めてほしいくらいだ。  人は生まれる時代と場所を、自分で決めることはかなわない。だが、自分がいつ、どこで死ぬのかは、好きに決められる。自由を買うには、相応の金(ペソ)が必要だ。金さえあれば、うまい食い物も、快適な住居も、綺麗な女も、ぜんぶがぜんぶ思いのままだ。だが、いくら金を稼いでも、死んでしまえばそれっきり。地獄の沙汰も金次第とはよく言うものだ。  日曜日には墓場近くの教会(バシリカ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラル)に、いまは亡き両親に連れられて通ったものだが、幼い時分から、よく説教をされてきた。  曰く、「美(うま)し風」と呼ばれるこの街において、二番目に旧い由緒ある教会に、皆々様は集っておるのです……。  曰く、神の館は、皆様の喜捨によって支えられているのです……。  曰く、無私なる浄財こそが、聖なる家を清めるもので、それがあるからこそ、正しく御霊(みたま)の声を届けられるのです……云々。  それゆえ爪に火を灯す覚悟で、彼は節制を続けたのだった。説教のみならず、他人からの助言には、素直に従う彼だったのである。  最低限の教育を卒えると、集合住宅(コンベンティージョ)で、貧民や移民連中と肩を寄せ合い、暮らしてきた。懐中の一ペソ、マッチ一本さえも惜しみながら、あらゆる欲を振り捨て、与えられた職務に忠実に、ひたすら刻苦精励してきたのだ。  ただ、人と違うのは、十六(ディエシセイス)のときから、「美し風」と呼ばれるこの街で、墓守(グアルディアン・デル・セメンテリオ)として働いてきたことだ。  もともと、職場でもあるこの墓所は、街の名士が眠る場所で、神話の神々や清純なる乙女を象った彫像や、不埒な闖入者を威嚇する怪物像などが、あちこちに居並んでいる。大理石を切り出し、贅を凝らした豪奢な墓石。地下深く、静寂のうちに横たえられた棺。参拝者たちが持参した、色とりどりの花束や飲食物——整然と区画整備が進められながら、初めて訪れる者には迷宮のような印象を与えるこの場所で、アリアドネの巻糸のごとくに目印になるのが、それらの供え物である。  一方で、何らかの理由で管理する遺族と切れてしまったのか、訪れる者もなく、荒れ放題に任された墓もなかにはある。そんな、遺族のみならず世界そのものからも見棄てられたがごとき場所を気遣い、墓室に巡らされた蜘蛛の巣を掃除し、埃を払い、がたついた銘板を直す。昇降機の具合をしっかり確かめ、遺体の安眠が妨げられないように腐心するのだ。彼は、余計なおしゃべりに気を取られることなく、黙々と作業を続けられる、この仕事が気に入っていた。  昼間、墓所は誰にでも開かれており、訪れる者の階層を問わない。が、夜には侵入者を警戒し、相応の警備体制が敷かれてはいる。彼も、毎週の夜番の際に、巡回の頭数に入れられたのだが、見回りを行う際、墓所の出入り口付近で、不審な者を見かけることがままあった。  日銭を使い果たした飲んだくれの宿無し、では何らない。場違いなまでに輝く純白の屍衣(モルタハ)を身にまとった、うら若き女性がいたのだ——しかし、顔は翳に覆われ、見えそうで見えない。夜風に紛れて、軽やかな笑い声を耳にしたような気がした。他の墓守は気づかないのか、見ざる聞かざるの塩梅なのだが。  幽霊の噂があるのは知っていた。だが、幾度となく見かけるうちに、彼女の正体なぞ、どうでもいいじゃないかと思えてきた。限りある肉体に自分を閉じ込めているのが、彼自身としても。心底、馬鹿馬鹿しかったからである。  野暮ったい作業服に、じゃらじゃらと煩い鍵束。ケロシン灯(ファロル・デ・ケロセーノ)の乏しい明かりが、よどんだ灰色の空間を照らし出している。いまのところ、彼がいるのは、明るく照らされたわずかな空間の方なのだが、むしろ、昏く広がる無窮の暗黒空間の側にこそ居場所があるとの確信を、少しずつ育んできた彼なのである。  彼女はこの墓所にて安寧を享受しながら、風に乗り、どこにでも飛び立って行き、好きなときに舞い戻ってこられるではないか。翻って、彼はどうなのか。自由が欲しいわけではなかった。決まり切った毎日の作業を永遠に繰り返し、むしろ、そのことで、来るべき審判の日を繰り延べていきたいと願っていたのである。ちっぽけな自分を、受け止めてもらえる避難所がほしいという以上の望みはなかった。  ——だからこそ、彼はひとまず、自分の現在と未来に、自分で決着をつけることにしたのだった。  皮肉なことに、きっかけは、まさに金であった。兄が偶然、馬車での事故に遭う可能性の方が当選確率よりも高いと揶揄される富くじに当たった。墓守の仕事では、何十年かかっても貯められそうにない額ではある。この手の富くじで、本当に当選者が出ることに、彼は驚いたものだった。兄は兄で、お大尽気分になったのか、「家族間に妬みが生じてはならないからな」とうそぶき、当選金の一部を彼にも頒(わけ)てくれた。  墓守仲間なら、「これで遊んで暮らせる」と、潔く職を辞するだろうが、彼に限っては違った。この金を使い、一路、イタリアへ飛んで、墓所へ納品する像を、よく彫っていた職人に直談判し、自分の像を彫ってもらうべく頼んだのだ。  初めて訪れるイタリアの地は、「美し風」の街より、ずっと暖かで南方らしく思えた。文芸復興期の面影がそこかしこに残り、かの文豪ゲーテも讃えた名高い歌劇場や、古代に剣闘士奴隷や猛獣たちが血を流した円形闘技場の規模にも圧倒された。文才があれば、紀行文のひとつでもしたためたろう。ただ、光に満ちたその場所へ赴くと、自分の卑小さが際立つように思えてならず、局外者だとの感覚はいっそう強くなった。  例外は、文芸復興期の名匠の手になるダヴィド像を目にしたときだ。雷に撃たれたがごとき衝撃が走った。職人には、わざわざ名指しで、その像を意識するように頼んだ。美化がすぎては、死後の笑いものになってしまうから、墓守らしい俗っぽさを出してもらうように頼んだのだ。  仕上がりは満足の行くものだった。ゆえに彼は、手ずから享年を刻んだ。「美し風」の街では、古代エジプトの調査が流行っている。魂が永遠だと信じたファラオたちは、死後に失われないよう肉体を特殊な処置で木乃伊(ミイラ)化させたが、彼が思い描いていたのもそれだった。  職人への支払いを行い、完成した像を故郷の街へと輸送するので、財産の大半は使い果たしてしまったが、またもや貧乏へ舞い戻ってしまっても、内心は深く満たされていた。  彼はいよいよ、ゴリアテへ対峙したダヴィドのごとき緊張感に包まれていた。計画を決行に移し、すべてを完成させるのだ。永劫の墓守になることに決めたと遺書にしたため、像をどこに設置するのか、向きをどうするのかという点まで、細々と指示を出した。人々の邪魔にならず、なるべく広い場所を見渡せる位置を、彼はよくよく知悉していた。  ——あとは、決行するのみ!  悔いはなかった。この墓所が、いやこの街が続く限り、彼の名は忘れられず、畏怖の対象となるだろう。もしかしたら、愚行の極みと嗤われるかもしれないが、それでも、異分子としての彼は、日常を非日常へ変えた存在として、語る者の心中に記憶されるだろう。  カチ、リ。  回転式拳銃の音。しかし銃口は火を吹かなかった。彼としたことが、弾を入れ忘れていたのだ!  それでは、確かに感じた、はずの、あの灼かれるような苦痛は何だったのか?   もしかして彼は、死後に自分の愚行を激しく悔み、神の慈悲にすがりついて、いまいちど、人生をやり直そうとしたのではなかったか? 回転木馬(カルーセル)のごとくに遡る記憶の奔流が、今生とは異なる別の生の記憶の扉を開けてしまった。そうではないか?  人は、死から逆算する形でしか未来を策定できない。なのに、過ちを繰り返す。反復される死を介しても何ら学びを得なかった彼は、今度という今度は救済を拒まれ、繰り延べられた生への屈従を、厳罰として与えられてしまったのではないのか。  わなわなと手を震わせ、その場に跪く。これから、彼は生に向けて歩まねばならない。他者の罪過を背負い、死へと向かっていった、あのお方とは真逆に——。  永く続くだろう余生を受け止めきれず、彼は泣きに泣いた。 【note】本作は、アルゼンチン・ブエノスアイレス市内のレコレータ墓地に伝わるダヴィド・アジェーノの伝承から着想していますが、その評伝を目指したわけではありません。 初出:「Current」2号(Currentの会)、2026年4月10日 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年6月10日水曜日

第4回【可愛いあの子に最高のプレゼントを】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4886

第4回【可愛いあの子に最高のプレゼントを】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「可愛いあの子に最高のプレゼントを」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 「可愛いあの子に最高のプレゼントを」リプレイ最終回です。 お友だちのりにゃちゃんへ贈る誕生日のプレゼントを探すという、ほんのりほんわかしたローグライクハーフのシナリオです。 街エリアと森エリアを巡りプレゼントを集めた後、りにゃちゃんの誕生日パーティへ。 そこでこれまで出会った面々と楽しくパーティを開くはずが、思わぬアクシデントで無敵のゴーレム、からくりウサギが暴れはじめてしまいます。 りにゃちゃんとその姉リナちゃんに頼まれて、ゴーレム退治のラスボス戦に挑みます。 ウサナギたちは、無事にプレゼントを渡せるのでしょうか。 【ウサナギノミコト レベル12 技量点:1 生命点:8 筋力点:4 従者点:9】 【装備】 ピコピコハンマー(片手打撃)初撃+1 丸盾(生命点+2) ウサギ使いの服(生命点+2・防御+1) 【食料】0 【金貨】58 【持ち物】 強化ポーション(1ラウンド消費攻撃+1/金貨30枚) ブラウンダイヤの結婚指輪(金貨30枚) 魔王の宝玉(金貨25枚) 焼きたてのねこパン ぬいぐるみねこちゃん 【全力攻撃】【全力防御】【かばう】 【未使用経験点】2 【従者】 ドリルウサギ(弓兵扱い)四匹(ウサピュン、ウサマル、ウサチュウ、ウサマロ) ノウサギ(剣士扱い)五匹(ウサヒコ、ウサタロ、ウサミ、ウサニャン、ウサコ) ※ウサニャンが脱落 ●アタック01-8 ウサナギとからくりウサギマークII からくり職人、宇佐美博士の最高傑作「からくりウサギマークII」が、頭からジュースをかぶってショート。 会場内で暴走を始めてしまった。 僕はそれを止めるため、戦いに挑む。 ほかの客たちは僕たちとからくりウサギを遠巻きに取り囲んで見守っている。 僕とファミリーのウサギたち、そしてからくりウサギが、会場のど真ん中で対峙した。 【からくりウサギマークII レベル4 生命点8 攻撃回数3】 ※会場内の客をかばいながら戦うため、【防御ロール】マイナス1 ※【斬撃】に強いため、【斬撃】攻撃ロールはマイナス1 ※【打撃】に弱いため、【打撃】攻撃ロールはプラス1 ※炎に弱いため、炎をもちいた判定ロールはプラス1 腕を振り回していて暴走ムーブのからくりウサギだったけれど、僕にターゲットを絞ったみたいだ。 動き方を変え、今度は僕の方に腕……前足を突き出してきた。なんの動きかな? でも、相手の攻撃を待ってばかりはいられない。 ドリル部隊、いっちゃって! ウサピュン、ウサマル、ウサチュウ、ウサマロが一斉にツノを飛ばす。 ばしゅばしゅばしゅっと発射されたそれらは、続けざま、見事にからくりウサギにヒットした。 ドリルウサギのツノは斬撃だから当たりにくいのだけれど、うまく当てている。三連続ヒットだ。 「僕のだけ外れたマロ」 まあまあウサマロ。そういうときもあるよ。こないだは大活躍してたじゃん。 とはいえ、ウサマロをなぐさめている場合じゃない。 ドリルが三発当たったくらいで動きを止めるからくりウサギじゃない。 からくりウサギの突き出した前足が、ゴゴゴと謎の駆動音を響かせた。 「見よ。これぞ我が必殺の『ロケットうさぱんち』だ!」 宇佐美博士が自慢げに技名を叫ぶ。同時にからくりうさぎの前足が、僕たちに向けて発射された。 一発は僕に。この軌道だと、避けたら後ろで見守っているりにゃちゃんやお客様に当たっちゃう。 僕はあえてその攻撃を受けた。あいたたた。 もう一発はウサピュンに飛んだ。こっちはピュンピュンっと動いてあっさりかわしてしまった。さすがウサピュン。 「ウサギがぴゅん!」 前足を失ったからくりウサギは、こっちに向かって歩いてくる。 どうやら、飛ばした足を回収しないと次の動きができないらしい。 なら、攻撃するなら今だよ。 ウサタロたちが連続体当たりの波状攻撃をしかける。 ウサヒコはうっかり「ぱんち」を踏みつけて外してしまったけれど、ウサタロ、ウサコと続けざまに命中した。 特にウサタロの攻撃はクリティカルヒット。連続攻撃で大打撃だ。 そこにウサミが攻撃だ。 「宇佐美博士、名前がまぎらわしいのっよっ!☆ミ」 ウサミの理不尽な怒りのパワーがのっかり、からくりウサギに見事にダメージを与えた。 けれど、倒しきれなかった。 これはまた、僕がおいしいとこだけ持ってっちゃうパターン? 僕は、せっせとぱんちを回収しているからくりウサギを、ピコピコハンマーで叩いた。 からくりウサギは、こてんと倒れた。 これで、決着だった。 「なんと、我が無敵のゴーレムがこれほどあっさり倒されるとは……! まだまだ改良の余地があるな」 「強くする前に、暴走しないようにしてね」 僕はそう、注文をつけずにはいられなかった。 「あったー!☆ミ」 そのとき、からくりウサギをまさぐっていたウサミが喜びの声をあげた。 どうしたのウサミ。 「なにいってんの。敵をやっつけたなら、『ほーもつはんてー』はしなきゃでしょ☆ミ」 それはそうだけど、この場合、いいのかな。 「勝者の特権だ。かまわんぞ」 魔王ウサギの許可も出たことだし、いっか。ウサミ、なにを見つけたの? 「んっふー。これ!!☆ミ」 見ると、ウサミの耳が増えていた。 よく見ると、ウサミミ型のバンドだ。 あれ。これ、もしかして、宇佐美博士からりにゃちゃんへのプレゼントなのでは? 「でももうもらっちゃったもーん☆ミ」 ていうか博士、ねこ耳の女の子にウサミミバンドをプレゼントしてどうするんだろう。 [プレイログ] 【からくりウサギマークII レベル4 生命点8 攻撃回数3】 ※会場内の客をかばいながら戦うため、【防御ロール】マイナス1 ※【斬撃】に強いため、【斬撃】攻撃ロールはマイナス1 ※【打撃】に弱いため、【打撃】攻撃ロールはプラス1 ※炎に弱いため、炎をもちいた判定ロールはプラス1 0ラウンド ドリルウサギの攻撃(射撃+1とペナルティ-1でサイコロの出目勝負) ウサピュン サイコロの出目4 命中 からくりウサギの生命点8→7 ウサマル サイコロの出目4 命中 からくりウサギの生命点7→6 ウサチュウ サイコロの出目4 名中 からくりウサギの生命点6→5 ウサマロ サイコロの出目3 外れ からくりウサギのろけっとぱんち ウサナギの回避 サイコロの出目2+修正2-ペナルティ1=3 命中 ウサナギの生命点8→7 ウサピュンの回避 サイコロの出目5-ペナルティ1=4 回避 1ラウンド ウサヒコの攻撃 サイコロの出目2 外れ ウサタロの攻撃 サイコロの出目6 クリティカルで命中 からくりウサギの生命点5→4 ウサタロの追加攻撃 サイコロの出目4 命中 からくりウサギの生命点4→3 ウサコの攻撃 サイコロの出目4 命中 からくりウサギの生命点3→2 ウサミの攻撃 サイコロの出目4 命中 からくりウサギの生命点2→1 ウサナギの攻撃 サイコロの出目5 命中 からくりウサギの生命点1→0 勝利 宝物判定+1 サイコロの出目3+1=4 金貨20枚分のアクセサリー →ウサミミバンド入手 ●アタック01-9 可愛いあの子に最高のプレゼントを プレゼントタイムがやってきた。 みんな並んで、りにゃちゃんに順番にプレゼントを渡していく。 「わあ!」「ありがと」「ありがとなの」 りにゃちゃんは、ひとりひとりに丁寧にお礼を言っている。とてもほほえましい。 「あ、それはいらない(スン)」 「なんでじゃあ〜〜」 宇佐美博士は、さっき倒された「からくりウサギマークII」をプレゼントしようとして、断られていた。 「というかソレ、プレゼントだったのか……。なぜ我が城から持ち出すのかと思っていたが」 さすがの魔王ウサギもあきれている。 「そうか! ウサミミバンドがなかったせいじゃ!」 「ないないそれはない」 僕の番になった。 僕が取り出したのは、ねこのぬいぐるみ。 あちこち見て回ったけれど、結局これが、いちばんしっくりきたから。 奇抜じゃないし、シンプルだけど、それでいいよね。 ずしりと重みのあるねこのぬいぐるみを、りにゃちゃんは気に入ってくれたようだ。 「うさなぎ、ありがとなの!」 そのとき、僕の服のすそが、つんつんと引っ張られた。 見ると、うちのファミリーのウサギたちだ。 「アタチたちもプレゼントあげたい☆ミ」 あああ、そうだった。 みんなから渡すプレゼント、用意してこなかったよ。 もともと人数分は、僕が持ちきれる数を越えちゃうから無理だったけど。 どうする? 「みんなのぶんってことで、まとめてわたすの、どうヒコ?」 「あ、それいい! うさなぎ、もちもの見せて! とびきりいいもの選ぶ☆ミ」 うん。わかったよ。それでいいなら、好きなもの選んでね。 といっても途中で手に入れたのは、焼きたてじゃなくなっちゃったねこパンと、さっき手に入れたウサミミバンドくらいだけど。 「あ、これいい!☆ミ」 ウサミが取り出したのは、もともと持っていたブラウンダイヤの指輪だった。 「ああ、それは……!」 トゲイワウサギが反応した。 「魔王様のために特別にしつらえた、結婚指輪ではないですか」 「なんと、そうなのか!」 それを聞いて魔王ウサギが色めき立った。 「つまり、あれがりにゃちゃんの手に渡るということは、りにゃちゃんが我が嫁ということに!?」 いや、ならないと思うけど。 「たしかにりにゃちゃんはかわいいが、いやしかし我には心に決めた兎(ひと)ががが……」 魔王ウサギは無駄な長考に入ってしまった。が。 「そんなにたかいのはもらえないの!」 りにゃちゃんが受け取りを拒否したので、魔王ウサギの悩みは一瞬で解消した。 「じゃあ、こっち」 「うーん。それならもらってもいいの」 ウサミがすかさず取り出した、別の宝石。闇色に輝いている。 りにゃちゃんはそれを受け取った。 「なんとそれは……!」 今度も魔王ウサギが反応した。 「『魔王の宝玉』ではないか!」 たしかにその宝玉は、前に魔王ウサギとの戦いのときに、勝利の宝物判定で手に入れたものだ。 まさか今度は、「その宝玉を持った者が新たな魔王になる」とか言い出したりする? 魔王りにゃちゃんが爆誕してしまう? 「いや、まあ、我との友誼の証のようなものだ。りにゃが持っていても問題あるまい」 なるほど。水戸黄門の印籠みたいな使い方はできそうだね。 プレゼントタイムが終わると、次は主役、りにゃちゃんからお礼の言葉があるという。 「あの、あのね、きょうはありがとなの! それで、こんどはりにゃから、ら? …らぶらいぶがあるのっ!」 「ちょ! ひびきは似てるけど違うよりにゃ。ほら、『さ……』ではじまる、ね」 リナちゃんがりにゃちゃんの耳もとでささやいているの、まるぎこえだ。 「あ! おもいだした! さむらいみ!!」 ちょっとちょっと。超能力を持ったクモ男が登場しそうなんだけど。 「はい、みなさん。本日はりにゃの誕生日パーティにお越しいただきありがとうございます。ここで本日の主役りにゃから、サプライズがありまぁす!」 あ。リナちゃんが強引に軌道修正した。サプライズだったんだね。 リナちゃんが言うには、りにゃちゃんは全員分のプレゼント返しを用意してあるのだという。 これから、くじ引きで決めるとのことだ。 順番にくじを引いて、プレゼント返しの内容が決まっていく。 魔王ウサギは、りにゃちゃんが描いたという、りにゃちゃんとふぃあのイラストをもらい、喜びにうち震えていた。 やがて、僕たち以外にプレゼント返しは配り終えた。 「うさなぎには、これなの!」 え。僕、くじ引いてないよ? 「うさなぎのは、とくべつ! かいじょうのみんなをまもってくれたおれいなの!」 りにゃちゃんは、用意したプレゼント返しの中で、たぶんいちばん高価なものを差し出してきた。 「もらっておいて、いいと思うわ。会場を守ったあなたがもらうことを納得しない人は、ここにはいないと思うから」 リナちゃんもそう言うので、僕はそれを受け取った。 それは、ペンダントがついたネックレスだった。ペンダントの部分は猫の天使の飾りになっている。 ネックレスというよりも、ネッコレスだ。 僕のファミリーのウサギたちもそれぞれがウサギ印のワッペンをプレゼント返しにもらってほくほくだ。 しかも、ここには来れなかったウサニャンの分まで。 「ありがと、りにゃちゃん」 こうして、りにゃちゃんのお誕生日会をめぐる楽しい時間は過ぎてゆくのだった。 [プレイログ] りにゃのプレゼント返しはランクにより内容が決まる。 焼きたてのねこパン:ランク1 ぬいぐるみねこちゃん(ラッピング):ランク2 ウサミミバンド(金貨20枚):ランク3 ブラウンダイヤの結婚指輪(金貨30枚):高価すぎて受け取らない 魔王の宝玉(金貨25枚):ランク3 →魔王の宝玉を渡したため、ランク3のプレゼント返しとして、2d3×5枚(出目2と3で5×5=金貨25枚)の価値の宝石をもらった。 【ウサナギノミコト レベル12 技量点:1 生命点:8 筋力点:4 従者点:9】 【装備】 ピコピコハンマー(片手打撃)初撃+1 丸盾(生命点+2) ウサギ使いの服(生命点+2・防御+1) 【食料】0 【金貨】58 【持ち物】 強化ポーション(1ラウンド消費攻撃+1/金貨30枚) ブラウンダイヤの結婚指輪(金貨30枚) 焼きたてのねこパン ウサミミバンド(金貨20枚) ネッコレス(金貨25枚) 【全力攻撃】【全力防御】【かばう】 【未使用経験点】2 【従者】 ドリルウサギ(弓兵扱い)四匹(ウサピュン、ウサマル、ウサチュウ、ウサマロ) ノウサギ(剣士扱い)五匹(ウサヒコ、ウサタロ、ウサミ、ウサニャン、ウサコ) ※ウサニャンが脱落 ■登場人物 ウサナギノミコト 通称ウサナギ。ウサギ使いの少年。 りにゃ ねこ耳ねこしっぽの女の子。誕生日パーティするよ。 リナ りにゃの姉。仮面ウサギに大事なペンダントを盗まれたことがある。 魔王ウサギ マオウサギ。いろいろあったけど今はりにゃのトモダチ。 ウサピュン、ウサマル、ウサチュウ、ウサマロ ドリルウサギ。ウサナギのファミリー。 ウサヒコ、ウサタロ、ウサミ、ウサコ 普通のウサギ。ウサナギのファミリー。 ウサニャン ウサナギのファミリーのウサギ。途中脱落し、花ウサギと一緒に合唱している。 ふぃあ りにゃの友だちで、魔王ウサギの想い人。テレパシーで会話できる。 トノサマウサギ どこかの偉い殿様らしい。空気は読めない。 トゲイワウサギ 魔王ウサギの執事。以前のふぃあ誘拐の実行犯。 メラウサギ 魔王軍二兎のうちの一兎。火系の攻撃が得意。 ミズウサギ 魔王軍二兎のうちの一兎。水系の攻撃が得意。 宇佐美博士 魔王城でからくりウサギの研究開発にいそしむマッドな博士 からくりウサギマークII 宇佐美博士が開発したゴーレム。ジュースで暴走。 ダヴァラン 「天駆ける狗」亭のマスター。天狗ろむさん作品のキャラクター。友情出演。 ディジベラ 「天駆ける狗」亭の看板娘。天狗ろむさん作品のキャラクター。 洞烈 キョウの奥山に居を構える狼の姿をした若き山神。パーティ会場にはいなかったようだが? ●感想 のほほん楽しいウサギ世界の冒険の続編をお届けしました。 サツバツとしたローグライクハーフに射す一筋の光明。清涼剤です。 緊迫感はないかもしれませんが、ウサナギの冒険、とても気に入っております。 これの前のリプレイ「仮面のウサギを追え」「ウサギクエストR」を連載したのが、2025年の1月1日からなんですね。 あれ? もう1年以上経っている!!? 月日の流れ、早すぎませんか? ところで今回「おおっ!」と目を引いた展開がありました。 それは森のイベント22、ウサギモドキです。 2024年11月4日のX(旧Twitter)の会話にあったんですよ。 寝子:ウサギノニワにいるウサギ以外のクリーチャーってなんだ?? となって止まった(笑) ぱっと思いつかないだけで多分何かいると思う、たぶん…… ぜろ:ウサギモドキとかウサギッポイとかウサギジャナイとかが……(思考がウサギから離れない……) 寝子:それいいですね、面白い!( *´艸`) ぜろ:実は食虫植物系クリーチャーで、ぱっと見かわいいウサギの耳が木陰で揺れてるように見えてて、油断して近づいたところを…きゃー 寝子:わー!! いいですね、それー!! おもしろーい!! まさにこのアイディアが採用されてるじゃないですかやったあー。 それから、私が弓兵ウサギに勝手に設定した「ドリルウサギ」も「エリートドリルウサギ」として登場していましたね。 セリフのノリと勢いでああなってしまいましたが、ホントにあるんだろうか、私立聖ウサギノ学園。 だってだって、「エリート」ってだけで、メガネクイッって感じの学生服ウサギが浮かんでしまったんですもの。 最終イベントでは、魔王軍に総登場してもらったり、「天駆ける狗」亭の方々にも顔出しをしてもらったりと、好き勝手やらせていただきました。 寝子さんのシナリオは、軽い気持ちでゆるくプレイできることが最大の魅力だと思います。 寝子さん、今回も楽しいシナリオ、ありがとうございました! またいつかなにかのリプレイが書けるといいな。 ■作品情報 作品名:「可愛いあの子に最高のプレゼントを」 作者・イラスト:寝子 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 可愛いあの子に最高のプレゼントを(冊子版) https://lennon257.booth.pm/items/6915985 可愛いあの子に最高のプレゼントを(ダウンロード版) https://lennon257.booth.pm/items/6713417 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●エピローグ【リナ】 パーティが終わり、月に照らされる中で会場の最後の片づけ。 あらかた終わったところで、小さなプレゼント箱を見つけた。 これ、なんだろ。 りにゃへのプレゼントの中にはなかったよね? りにゃも見覚え、ないでしょ? 「ん〜。わかんないならあけてみるの!」 りにゃが無造作にプレゼント箱を開ける。 中には縄を編んだ飾りが入っていた。小さなドングリと、鈴がつけられていた。 飾りには、艶やかで赤みがかった黒い糸のようなものが編み込まれている。 よくわからないけれど、神々しさを感じる。 りにゃが手に取ると、鈴がちりんと、透明感のある小さな音を響かせた。 りにゃはドングリを見て、それが誰からのプレゼントか、わかったみたいだった。 「にーちゃだ。にーちゃ、きてくれたの!」 りにゃはあたりを見回す。わたしもつられてきょろきょろを見回したけど、誰の姿も見えなかった。 にーちゃって、聞いたことある。 りにゃが森で迷子になったときに助けてくれた人。 口は悪いけど、すごく強かったって。蜂の化け物相手に、りにゃと一緒に戦ったって言ってた。 どこにいるかわからないから、招待状も出してないけど。 姿が見えないのがわかると、りにゃは空に向かって、大きな声で呼びかけた。 「ありがと、にーちゃ!」 **** 月明かりの中、木の枝の上に座る人の形をした影がある。 その影は、遠く街のとある一点を見つめ、満足げにうなずいた。 「神狼の髪を編み込んだしめ飾りの鈴。くそ手間がかかったが、たしかに渡したからな、チビ」 人影はその姿を狼のように変えると、その場から立ち消えた。 それを見ている者は、誰もいなかった。    「可愛いあの子に最高のプレゼントを」ローグライクハーフリプレイ 完 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年6月9日火曜日

Re:ゲームブックとホラー(前)@20代からのゲームブック124 FT新聞 No.4885

FT新聞編集長の水波流です。 本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』 元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。 (2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412) (編註:文中のコメントは全て当時のものとなっております) ☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆  おはようございます。丹野です。  映画「シン・ゴジラ」を観てきました。あまり情報を入れずに見たい作品は、さっさと初日に観ることにしています。  やはり詳しい内容を知らないで観るほうがいいタイプのタイトルかと思うので、記事として取り上げることはしません。  が、観るかどうか迷っているのであれば、観たほうがいいと思います。  というわけで話題を変えて、本日の本題に入ります。 ■ゲームブックはホラーに向いている  8月は夏のクトゥルフ・ゲームブック祭りということで、日曜日には一か月連続でホラーゲームブックを配信いたします。  というわけで、今回からはゲームブックとホラーを題材にお話しさせていただこうと思います。  元来、ゲームブックとホラーは相性がいいものです。というのも、ゲームブックが構造的に持っている要素のいくらかは、そもそもホラー的であるといえるからです。  では、その要素をひとつずつ見て行ってみましょう。 ■死んだっていい  あえて今更強調する必要はないかもしれませんが、ゲームブックでは物語にいくつもの結末があります。  言い換えれば、主人公が悲惨な目に合う結末がいくらでも用意できるわけです。  ホラー作品では登場人物の何割か(というか、大半)が死んでしまったり、悲惨な目にあってしまうわけですが、ゲームブックならそれをすべて主人公に味わわせることもできます。  本当に次の瞬間死んでいるかもしれないという恐怖を味わうことができるのは、まさにゲームブックならではですね。 ■これから起きること  「クロユリ団地」などで知られる脚本家・映画監督の三宅隆太さんによれば、アクション映画は「起こっていることでドキドキさせるもの」であり、一方でホラーは「これから起こることでドキドキさせるもの」といえるそうです。  なるほど、同じ殺人鬼を題材にしていても、アクション映画ならいかに立ち向かうかに焦点が向けられるのに比べ、ホラー映画ではいつ現れるかわからないシチュエーションを扱うのが一般的です。  その意味では、ゲームブックは「これから起きること」について読者に想像力を喚起させます。  選択肢を選ぶとき、「こっちを選んだらどうなるか」「もしかしたらこの道には化け物がいるのでは?」というように、その先の展開をイメージしながら選ぶものですよね。その瞬間のドキドキこそが、ホラーの醍醐味というわけです。  と、いうわけで、ゲームブックとホラーは相性がいい!  ……というお話をもう少し続けます。次回はもう少し、踏み込んだ部分についてお話ししようと思います。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。