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『ぶらりベル・ロックベー〜マックルーより〜』その2
ロア・スペイダー
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私の名前は『ベル・ロックベー』。銀河を股にかけるしがない俳優だ。そんな私は、スケジュールの合間を縫って作り上げた休暇を堪能するために、惑星イロアスに来ている。今回来たのは、イロアスにある竜鍵諸島の港湾都市『マックルー』だ。
惑星イロアスは、その昔、地球という星から来た科学者イロアスが開拓……いや、実験した星だ。地球の生物とこの星の原生生物を交配させまくり、独自の生態系を形成。そして、進化・発展させてきた。
そんな、『マックルー』に旅行に来た私は、今日の目的に向かい歩いていた。向かう場所は『竜人商店街』だ。
惑星イロアスには様々な種族がいる。その中の一つ『海竜人』が作り上げた場所だ。『海竜人』は水中に適応した生物で外見は体の一部に魚類の特徴が出た、人間型種族のようにみえる。しかし、水中でも呼吸でき、さらに水中に生息するような竜に変身することができるのだ。
そんな彼らが『マックルー』の水中に作った町が『竜人商店街』だ。都市と聞いて普通は陸上にあると考えるが、ここ『マックルー』は違う。陸上の建物群とは別に、すぐそばの海の中にも町がある。ただ、水中で生きていくことができない生物では行くことが難しい。
しかし、そんな心配は無用だ。やがて、『竜人商店街』の入り口までやって来た。看板が付いた大きなアーチ。そこから先は、下り傾斜の道が海へと続いている。
そして、海面からは何人かの海竜人が、歩いて出てくる。それに紛れて小型の脱出カプセルに機械の足をつけた物も出てきた。また、その機械の足だけをつけた魚も出てくる。
あれは水棲生物用の義足だ。前者はカプセル内に水が入っておりエラ呼吸しかできない人向け。自走式車椅子に近い。後者はまさに義足だ。魚に陸上行動用の足をつけて、陸の上でも移動できるようにしている。ここら辺に住む水中の住人は、ああして陸上で活動するのだ。
そして、水中生物用の義足があるなら、当然陸上生物が水中で活動できるようにする装備もある。私はすぐそばの店に入る。そこには水中活動ができるようになる装備がレンタルされていた。
以前来た時は、宇宙服のような物を着て竜人商店街に入ったが、あれは間違いだった。値段が安いので気軽に海中の町を歩けるのは良かった。しかし……あの装備は食べ歩きができないのだ。だから、今回はリベンジとして完全乗り込み型の水中小型バイクをレンタルした。
これなら水中も移動でき、商店街で売っている食べ物も中で食べることもできる! 借りたのがあひるボートのようでちょっとデザインが気に入らないが、レンタルなのでこんなものだ。いざ乗り込み、水中の『竜人商店街』に繰り出した。
『竜人商店街』はまさに水中にある商店街だ。しかし、そこにいるのは海竜人をはじめとした水棲生物で、騒がしく生活している。海竜人、まごうことなき魚、甲殻類+人間のような者、オ・スッシー……。また、水中なので上下に動くことができるため、人の数のわりに混雑具合を感じない。店も水棲生物に合わせた服屋や道具屋、食料品や雑貨を売る店。
そして、メインはまさに産地直送の食材を調理して販売している店だ。レストランのようなものは少なく、居酒屋スタイルの店が多い。料理している光景を間近で見れて、出来立てを即座に店先に並べる。
私は、前回食べられなかった貝の串焼きを買った。お金を払い、外部と内部をつなぐ受取ボックスの蓋を開けると、たれと塩味の2本の串が目の前に現れる。湯気と匂いが私の手を動かし、むしゃぶりついた。うまい! 本来なら、溺れるか持ち帰りを食べるしかないが、このタイプをレンタルすれば出来立てを味わえる。そしてさらに、歩かなくても次の店に移動できる。つまり食べることだけに集中できるのだ。
「ちょっと奮発して完全自動操縦だから、お酒もいけるんだよな〜♪ よっし! 次の店に行くとしますか!」
こうして私は、前回のリベンジを果たし、『竜人商店街』を満喫した。やがて、日が落ち海中も暗闇に落ちる。貝に入った水中火石による灯が『竜人商店街』を照らし始める。街はまだまだこれからといったところだが、私は商店街を抜ける。
ついた場所は今夜の宿泊地三つ星ホテル『竜宮殿OTOHIME』だ。マックルーでも指折りの1流ホテル。値段はお高いが休暇でけちけちしては意味がない。とった部屋は1流ホテルの超高級スイートルームだ。
ワクワクして入ると、そこはまさに極上の部屋だった。大きな貝の上に作られた天蓋付きのベッド。窓から見えるのは幻想的な竜人商店街の夜景。そしてなんといってもこの部屋のメインは部屋の空調……水調だ。穏やかな流れを24時間循環させ、疲れとストレスが洗い流される。海竜人などここに泊まった人たちはそれを絶賛していた。そんな部屋で一晩過ごす。年甲斐もなくはしゃいでしまうのも仕方がないだろう。
レンタルした水中バイクで部屋の中をアクロバティックに動き回り、ベットにダイブする。ベッドの布団はその衝撃をしっかりと受け止める。
……だが、私の体に伝わってきたのはレンタルした水中バイクの椅子の感覚。椅子の背もたれを倒して寝転ぶが感触は変わらない。水中バイクは豪華なベッドの上で鎮座している。
「……。あれっ……?」
何かがおかしい。そうおかしい。自分は確かに高級ホテルのスイートルームにいる。なのにそんな気がしない。狭いレンタルの水中バイクの中にいるような感覚……。
この疑問はチェックアウトするまで続いた。そして、領収書を見てその違和感の正体が分かった。
『スイートルーム(水棲生物用)』
HPを確認すると確かに水棲生物用のほかに陸上生物用の部屋があり、間違えないように注意書きがあった。
「あー水中にあるホテルだから水棲生物用の部屋の方が作りやすいのか……どおりで安かったわけだ……」
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2023年12月5日火曜日
2023年12月4日月曜日
新刊のお知らせ☆ @冬のコミックマーケット! FT新聞 No.3967
おはようございます、自宅のリビングから杉本です☆
普段はスターバックスで記事を書くのですが、毎回「枚方市のスターバックス」から記事を書いていたところ、母校である同志社大学の文化祭で数年ぶりに会った後輩に「住んでるんですか」といじられました☆
FT新聞を毎号読んでくれている、いい後輩なんです。
いい後輩ですが、先輩に対していじるとはもってのほか。
はっきりと言ってやりましたよ。
「そうだよ」ってね。
なんてのは冗談ですが、この話はおもしろいなと思いました☆
私からすると、私は自宅にいたりスタバにいたりボルダリングジムにいたりする存在で、それが当たり前です。
しかし、後輩からすると、しばらくFT新聞でしか私の情報を得ていなかったため、「スタバでしか観測されない人物」となっていたわけです。
こういった情報の差は、創作において常に考慮すべき重要なポイントです。
さて、今日の記事は早くも、冬のコミックマーケットのお話です。
FT書房からは2冊の新刊が、出ます!
◆「竜鍵諸島 フェスティバルだよ大集合!」が出るよ!
2023年、初夏。
FT書房は4月のはじめに出した新しいゲーム、30分でできる1人用TRPG「ローグライクハーフ」のヒットを受けて、にわかに忙しさを迎えていました。
新しいゲームの持つ可能性……それを掘り起こすのが、製作チームである自分たちの使命です。
その可能性を模索していたところ、FT書房のメンバーである海底キメラが作った独自世界「竜鍵諸島」と「ローグライクハーフ」がコラボをすることが決まりました。
10月には短編(d33)シナリオである「素敵なおパンツ同盟」が、11月には「竜鍵諸島の露店祭」が配信されて、いずれも評判は上々。
冬のコミックマーケットで刊行することが、決まりました☆
◆気になる内容は……☆
この作品について色々と語りたいことはあるのですが、これまでの作品と比べてケタ違いにすごいところだけを、この記事ではお伝えいたします。
サイズはB5版で、52ページ前後。
なんと今回、フルカラーなんです……!
海底キメラのイラストと、ロア・スペイダーの自由な文章。
めくってもめくっても、充実したページが続く。まさに色とりどり。
ここではない世界へと引き込んでくれる、そんな本。
それはまるで、本そのものがひとつの世界であるかのよう。
どのページにも血が通っているみたいに、いきいきとした作品世界が広がっています。
子どもの頃に見た、ワクワクする本の空気が、そのまま詰まった一冊です。
気になるコンテンツは次のとおり。
・「素敵なおパンツ同盟」d33シナリオ
・「竜鍵諸島の露店祭」d33シナリオ
・「竜鍵諸島」設定資料集
・「港湾都市マックルー」都市サプリメント
・「ぶらりロックベー」港湾都市マックルーの紹介コラム
・あとがき(byロア・スペイダー、海底キメラ)
ゲームであり、世界設定資料集でもある。
そんな濃密な1冊を、お届けします☆
◆お早めに!
もしあなたが「ローグライクハーフ」、もしくはFT書房の作品を愛好されているのであれば、お耳に入れておきたいことがひとつあります。
この作品はB5版フルカラー、そして52ページ。
印刷代が、めちゃくちゃかかるんです。
そのため、もしかしたら、増刷が難しいかもしれません。
ですので、今回はなるべく「あるうちに」買っていただけましたら。
◆「あやかし」が出るよ!
「ローグライクハーフ」シナリオ「あやかし」も、今回のコミケで登場します!
和テイストで統一されたこの作品は、キョウの街を舞台とし、妖怪を中心に据えたd66シナリオです。
イラストレーターはカワラベ☆
妖怪学会で発表をしたこともある、FT書房きっての妖怪好きです。
古くは世界で2番目に古いTRPGであるトンネルズ&トロールズのオリジナルデザイナー、ケン・セント・アンドレの和テイストなソロアドベンチャー"Coming Down the Mountain"が邦訳されたさいに、イラストを担当。
同氏に「最高のイラストだ」と絶賛されたほどです。
今回はイラストに加えて「あやかし」に登場するいくつかの妖怪についても、アドバイスをもらいました。
ありがとうございます。
◆「秋雨の狐」も同時収録!
カップリング作品として、短編(d33)シナリオ「秋雨の狐」を収録しています。
「あやかし」が妖怪にフォーカスした作品であるなら、「秋雨の狐」は冒険の舞台であるキョウと、そこに暮らす人々、街としての風情に焦点が当たった作品です。
秋の長雨に降られながら歩く主人公と、相棒である秋霖の物語。
遊びやすい作品であると同時に、ストーリー面が魅力な逸品です。
こちらの作者は、ふだん監修をつとめていただいている紫隠ねこさん。
入れ替わって私杉本=ヨハネが監修をいたしました。
◆12月30日!
「竜鍵諸島 フェスティバルだよ大集合!」「あやかし」は、12月30日のコミックマーケットにてお目見えです!
BOOTHでの通販は、1月末を目指して動いていきます☆
それではまた!
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「そうだよ」ってね。
なんてのは冗談ですが、この話はおもしろいなと思いました☆
私からすると、私は自宅にいたりスタバにいたりボルダリングジムにいたりする存在で、それが当たり前です。
しかし、後輩からすると、しばらくFT新聞でしか私の情報を得ていなかったため、「スタバでしか観測されない人物」となっていたわけです。
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2023年、初夏。
FT書房は4月のはじめに出した新しいゲーム、30分でできる1人用TRPG「ローグライクハーフ」のヒットを受けて、にわかに忙しさを迎えていました。
新しいゲームの持つ可能性……それを掘り起こすのが、製作チームである自分たちの使命です。
その可能性を模索していたところ、FT書房のメンバーである海底キメラが作った独自世界「竜鍵諸島」と「ローグライクハーフ」がコラボをすることが決まりました。
10月には短編(d33)シナリオである「素敵なおパンツ同盟」が、11月には「竜鍵諸島の露店祭」が配信されて、いずれも評判は上々。
冬のコミックマーケットで刊行することが、決まりました☆
◆気になる内容は……☆
この作品について色々と語りたいことはあるのですが、これまでの作品と比べてケタ違いにすごいところだけを、この記事ではお伝えいたします。
サイズはB5版で、52ページ前後。
なんと今回、フルカラーなんです……!
海底キメラのイラストと、ロア・スペイダーの自由な文章。
めくってもめくっても、充実したページが続く。まさに色とりどり。
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それはまるで、本そのものがひとつの世界であるかのよう。
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子どもの頃に見た、ワクワクする本の空気が、そのまま詰まった一冊です。
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・「竜鍵諸島の露店祭」d33シナリオ
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◆お早めに!
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和テイストで統一されたこの作品は、キョウの街を舞台とし、妖怪を中心に据えたd66シナリオです。
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古くは世界で2番目に古いTRPGであるトンネルズ&トロールズのオリジナルデザイナー、ケン・セント・アンドレの和テイストなソロアドベンチャー"Coming Down the Mountain"が邦訳されたさいに、イラストを担当。
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カップリング作品として、短編(d33)シナリオ「秋雨の狐」を収録しています。
「あやかし」が妖怪にフォーカスした作品であるなら、「秋雨の狐」は冒険の舞台であるキョウと、そこに暮らす人々、街としての風情に焦点が当たった作品です。
秋の長雨に降られながら歩く主人公と、相棒である秋霖の物語。
遊びやすい作品であると同時に、ストーリー面が魅力な逸品です。
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2023年12月3日日曜日
「巨大樹の迷宮」 ローグライクハーフd66シナリオ FT新聞 No.3966
おはようございます。丹野佑です。
見覚えのない名前と思われた方は、はじめまして。
FT書房で時々ゲームブックや記事を書いています。
お久しぶりの方はお久しぶりです。FT新聞を長らくご愛顧いただき、ありがとうございます。
丹野は変わらず元気に過ごしています。毎日の歯磨きを欠かさず、歯医者さんに褒められています。
このたびは、ローグライクハーフの新作シナリオをお送りいたします。
スピーディなゲーム性に魅せられ、ぜひ1本書かせてくださいとお願いしました。
◆最高の冒険へ!
今回の冒険の舞台はアランツァ世界の南方、冒険都市カラメール。
主人公(あなた)はジャングルの中にそそり立つひときわ巨大な千年樹、『巨大樹の迷宮』へと挑むことになります。
迷宮に「潜る」のとは趣向を変えて、「登る」冒険にしてみました。ローグライクハーフ史上(たぶん)最高度である頂上を目指せ!
ストーリーのテーマは「生態」です。大自然が作り上げた迷宮ならではの生き物たちにご注目ください。
(南方地域は「怪物狩猟」と同じ舞台です。より深く冒険都市を味わいたい方は、そちらもぜひ遊んでみてください!)
◆新たな挑戦
今回のシナリオでは、ローグライクハーフの新しい遊び方を提供します。
上へ上へと登っていく冒険を表現するための「高度」、そして普段のd66よりもちょっと広大なマップ表によって、1回目の冒険はよりスピーディに、2回目以降の冒険はより刺激的に楽しめます。
いつも通りの一本道モードでも十分に楽しめますが、付属のマップを使った「ルート選択モード」では、さらに新しい体験ができるはずです。
これらの挑戦は丹野が提案し、「ローグライクハーフ」での表現を杉本=ヨハネと協働して行いました。杉本にはボルダリング経験を活かした助言や加筆でも助けられました(感謝!)。
それでは、12月の寒い時期ですが……熱帯の冒険をお楽しみください!
ローグライクハーフD66シナリオ『巨大樹の迷宮』
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Labyrinth_of_GiantTrees.txt
巨大樹の迷宮経路図1・2・3
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/Labyrinth_of_GiantTrees_MAP1.png
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/Labyrinth_of_GiantTrees_MAP2.png
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/Labyrinth_of_GiantTrees_MAP3.png
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主人公(あなた)はジャングルの中にそそり立つひときわ巨大な千年樹、『巨大樹の迷宮』へと挑むことになります。
迷宮に「潜る」のとは趣向を変えて、「登る」冒険にしてみました。ローグライクハーフ史上(たぶん)最高度である頂上を目指せ!
ストーリーのテーマは「生態」です。大自然が作り上げた迷宮ならではの生き物たちにご注目ください。
(南方地域は「怪物狩猟」と同じ舞台です。より深く冒険都市を味わいたい方は、そちらもぜひ遊んでみてください!)
◆新たな挑戦
今回のシナリオでは、ローグライクハーフの新しい遊び方を提供します。
上へ上へと登っていく冒険を表現するための「高度」、そして普段のd66よりもちょっと広大なマップ表によって、1回目の冒険はよりスピーディに、2回目以降の冒険はより刺激的に楽しめます。
いつも通りの一本道モードでも十分に楽しめますが、付属のマップを使った「ルート選択モード」では、さらに新しい体験ができるはずです。
これらの挑戦は丹野が提案し、「ローグライクハーフ」での表現を杉本=ヨハネと協働して行いました。杉本にはボルダリング経験を活かした助言や加筆でも助けられました(感謝!)。
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2023年12月2日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第564号 FT新聞 No.3965
From:水波流
Twitterでもヨハネ氏から発信がありましたが、FT新聞ではいつでも投稿記事を募集しております。
執筆に自信が無い、内容が漠然としているというような場合でも、私がご相談に乗りながら記事にまとめていくお手伝いをさせて頂くこともできます。
アナログゲームやコンピュータゲーム、ファンタジー、ホラーを始め、「自分の好きなコレをぜひ周りに伝えたい!」という皆様。
ぜひお便りフォームやDM等からご連絡下さい!
From:葉山海月
日持ちのするいたずらっ子。
というキャッチフレーズを考えました。
だれか使ってやってくださいませんか?
From:中山将平
僕ら、12月9日(土)と10日(日)、東京ビッグサイトで開催の「ゲームマーケット2023秋」にサークル参加します。
ブース配置は【ヌ31】。
新刊は『100パラグラフゲームブック集5』とローグライクハーフ『ドラゴンレディハーフ』!
このイベントでは初めて扱うという作品は、ゲームブック『狂える魔女のゴルジュ』、TRPG『ローグライクハーフ基本ルール+1stシナリオ黄昏の騎士』、ローグライクハーフ『混沌迷宮の試練』。
再版のゲームブック『混沌の迷宮』も持っていく予定です。
当日はどちらの日も僕が現地にいる予定です。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■11/26(日)~12/1(金)の記事一覧
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2023年11月26日(日) かなでひびき FT新聞 No.3959
読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第9回(解答編)
・かなでひびき氏による企画。かなで氏が集めた奇妙で結末がない物語の断片。この前半部に、読者の皆様がオチに当たるストーリーを考えるという企画です。
今回のお話は、「長年監獄に閉じ込められている囚人II。彼は、看守がわざと鍵を外したままにしておこうとも、脱出する気配は見せない。しかも、彼曰く、彼の罪は『私は、何もやっていません』とのこと。これはどういうこと!?」
今回は、ちょっと謎解き系の答えが多い!?
回答者さんの知恵の数々、お楽しみください!
2023年11月27日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.3960
都市サプリメント「冒険都市カラメール」☆
・おかげさまで順調に右肩上がりな「ローグライクハーフ」、次の舞台は大陸の南部にある「冒険都市カラメール」へ!
今回の記事は来週日曜日のd66シナリオに関する告知と、その冒険時の拠点になる街の「都市サプリメント」です。
その名も『大樹の迷宮』
ベテランの丹野佑先生の渾身の一作!
本日の記事はそんな「大樹の迷宮」の拠点となる「冒険都市カラメール」でしか購入できない装備品や従者などを載せた「都市サプリメント」です。
そして、新たに登場するファクターとは!?
どうぞご覧ください!
2023年11月28日(火) 中山将平 FT新聞 No.3961
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第13回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)
その創作から、学んだことを書きつづります。
今回の記事は、カエル人の創作から得た「季節」について。
しかし、その考察は、寿命に始まり、体感時間ということに哲学的に触れつつも、「創作」=「他者が読んでもらうもの」へのわかりやすさ。それを受けた「季節」の設定の妙に着地します!
その考察をご堪能ください!
2023年11月29日(水) ぜろ FT新聞 No.3962
第4回【マドレーンの海域】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第361回をお届けしました。
今回挑戦する作品は、ゲームブック短編集「Hunted Gardenheart『(ハンテッドガーデンハート)』の中の一編、『マドレーンの海域』(著 杉本=ヨハネ氏)
未開島にて岩石怪物ロゴドゴを捕獲。これが金貨500枚もの収入になりました。
宝石島を除くすべての島を巡ったことで、冒険の終了を宣言しても良いタイミングでしたが、ギノク島でのイベントの取りこぼしが気になったため、冒険を続けることに。
そうしたところ、なんと、これまで航海中のイベント表を見落としていたことが判明。
冒険は一気に危険度を増しました。
宝石島の発見。攻撃的な人魚の群れに、小島のトロール原人。
予定の航路を外れ、危機また危機の連続に、主人公パーシヴァルの命は風前の灯。
海賊の襲来に、奴隷として売られそうになったり、漂流したり!?
危機一髪に次ぐ危機一髪!
パーシヴァルの冒険は、続きます。
2023年11月30日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.3963
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.14
・岡和田晃氏による、新しく楽しい読み物満載な「SF Prologue Wave」とのコラボ企画記事です。
前回の『星明かりの森』に引き続き、今回粕谷知世さんの第2回!
その名も『パパの思い出』
『ジャガイモ問題』ってご存じですか?
それは、ファンタジー世界に関する謎ともいえるかもしれません。
その答えの一つの提示です。
もし、興味を持たれた方はぜひ!
2023年11月31日(金) けいねむ FT新聞 No.3964
ゲーム&シーシャカフェバー 安城ルストに行ってみた
・愛知県にある「ゲーム&シーシャカフェバー RUST(ルスト)」
アナログ・デジタル全てのゲームに対応しており、店内に無いゲームも持ち込めば全て試遊、プレイが可能という幅の広さを持つ、水煙草バー。
かの地をけいねむ氏が突撃レポート!
ルスト店主 勇者ヨシくんへのインタビューもありますよ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(ジャラルさん)
T&Tラヴクラフト・ヴァリアント盛り上がっていますね。本家クトゥルフと違って30分かけて作ったキャラが一瞬で死んだ不条理(笑)を味わうことなく、軽く遊べるのが利点と思います。
「大いなる意味」をどう使うかが問題だと思います…おや、誰か来たようだ…窓に、窓に!
(お返事:けいねむ)
仰る通り手軽に作ったキャラクターで「ラヴクラフト的でリアルな」ホラーを楽しめるのは利点ですね!
これだけ本格的な『T&Tラヴクラフト・ヴァリアント』が私が知る限りクトゥルフ系のRPG最古のものというのは驚くほかありません。
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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Twitterでもヨハネ氏から発信がありましたが、FT新聞ではいつでも投稿記事を募集しております。
執筆に自信が無い、内容が漠然としているというような場合でも、私がご相談に乗りながら記事にまとめていくお手伝いをさせて頂くこともできます。
アナログゲームやコンピュータゲーム、ファンタジー、ホラーを始め、「自分の好きなコレをぜひ周りに伝えたい!」という皆様。
ぜひお便りフォームやDM等からご連絡下さい!
From:葉山海月
日持ちのするいたずらっ子。
というキャッチフレーズを考えました。
だれか使ってやってくださいませんか?
From:中山将平
僕ら、12月9日(土)と10日(日)、東京ビッグサイトで開催の「ゲームマーケット2023秋」にサークル参加します。
ブース配置は【ヌ31】。
新刊は『100パラグラフゲームブック集5』とローグライクハーフ『ドラゴンレディハーフ』!
このイベントでは初めて扱うという作品は、ゲームブック『狂える魔女のゴルジュ』、TRPG『ローグライクハーフ基本ルール+1stシナリオ黄昏の騎士』、ローグライクハーフ『混沌迷宮の試練』。
再版のゲームブック『混沌の迷宮』も持っていく予定です。
当日はどちらの日も僕が現地にいる予定です。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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■11/26(日)~12/1(金)の記事一覧
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2023年11月26日(日) かなでひびき FT新聞 No.3959
読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第9回(解答編)
・かなでひびき氏による企画。かなで氏が集めた奇妙で結末がない物語の断片。この前半部に、読者の皆様がオチに当たるストーリーを考えるという企画です。
今回のお話は、「長年監獄に閉じ込められている囚人II。彼は、看守がわざと鍵を外したままにしておこうとも、脱出する気配は見せない。しかも、彼曰く、彼の罪は『私は、何もやっていません』とのこと。これはどういうこと!?」
今回は、ちょっと謎解き系の答えが多い!?
回答者さんの知恵の数々、お楽しみください!
2023年11月27日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.3960
都市サプリメント「冒険都市カラメール」☆
・おかげさまで順調に右肩上がりな「ローグライクハーフ」、次の舞台は大陸の南部にある「冒険都市カラメール」へ!
今回の記事は来週日曜日のd66シナリオに関する告知と、その冒険時の拠点になる街の「都市サプリメント」です。
その名も『大樹の迷宮』
ベテランの丹野佑先生の渾身の一作!
本日の記事はそんな「大樹の迷宮」の拠点となる「冒険都市カラメール」でしか購入できない装備品や従者などを載せた「都市サプリメント」です。
そして、新たに登場するファクターとは!?
どうぞご覧ください!
2023年11月28日(火) 中山将平 FT新聞 No.3961
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第13回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)
その創作から、学んだことを書きつづります。
今回の記事は、カエル人の創作から得た「季節」について。
しかし、その考察は、寿命に始まり、体感時間ということに哲学的に触れつつも、「創作」=「他者が読んでもらうもの」へのわかりやすさ。それを受けた「季節」の設定の妙に着地します!
その考察をご堪能ください!
2023年11月29日(水) ぜろ FT新聞 No.3962
第4回【マドレーンの海域】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第361回をお届けしました。
今回挑戦する作品は、ゲームブック短編集「Hunted Gardenheart『(ハンテッドガーデンハート)』の中の一編、『マドレーンの海域』(著 杉本=ヨハネ氏)
未開島にて岩石怪物ロゴドゴを捕獲。これが金貨500枚もの収入になりました。
宝石島を除くすべての島を巡ったことで、冒険の終了を宣言しても良いタイミングでしたが、ギノク島でのイベントの取りこぼしが気になったため、冒険を続けることに。
そうしたところ、なんと、これまで航海中のイベント表を見落としていたことが判明。
冒険は一気に危険度を増しました。
宝石島の発見。攻撃的な人魚の群れに、小島のトロール原人。
予定の航路を外れ、危機また危機の連続に、主人公パーシヴァルの命は風前の灯。
海賊の襲来に、奴隷として売られそうになったり、漂流したり!?
危機一髪に次ぐ危機一髪!
パーシヴァルの冒険は、続きます。
2023年11月30日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.3963
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.14
・岡和田晃氏による、新しく楽しい読み物満載な「SF Prologue Wave」とのコラボ企画記事です。
前回の『星明かりの森』に引き続き、今回粕谷知世さんの第2回!
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2023年11月31日(金) けいねむ FT新聞 No.3964
ゲーム&シーシャカフェバー 安城ルストに行ってみた
・愛知県にある「ゲーム&シーシャカフェバー RUST(ルスト)」
アナログ・デジタル全てのゲームに対応しており、店内に無いゲームも持ち込めば全て試遊、プレイが可能という幅の広さを持つ、水煙草バー。
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T&Tラヴクラフト・ヴァリアント盛り上がっていますね。本家クトゥルフと違って30分かけて作ったキャラが一瞬で死んだ不条理(笑)を味わうことなく、軽く遊べるのが利点と思います。
「大いなる意味」をどう使うかが問題だと思います…おや、誰か来たようだ…窓に、窓に!
(お返事:けいねむ)
仰る通り手軽に作ったキャラクターで「ラヴクラフト的でリアルな」ホラーを楽しめるのは利点ですね!
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2023年12月1日金曜日
ゲーム&シーシャカフェバー 安城ルストに行ってみた FT新聞 No.3964
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ゲーム&シーシャカフェバー 安城ルストに行ってみた
(けいねむ)
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こんにちは、トンネルズ&トロールズファンのけいねむです。
今回は私が毎月トンネルズ&トロールズ完全版のオープンセッションを開催させて頂いている「ゲーム&シーシャカフェバー RUST(ルスト)」についてご紹介させて頂きたいと思います。
■ルストの説明
JR安城駅からコミュニティバスのあんくるバスで二駅、名鉄南安城駅より徒歩10分ほどの住宅街と飲食店街の間にあるビルの一階にルストはあります。
店内には800種類を超えるボードゲームとTRPG、PCコーナーと巨大な水冷PCが目を引きます。
店に入ると「勇者ヨシくん」こと吉原清一店長が歓迎してくれます。
ルストの大きな特徴としてはアナログ・デジタル全てのゲームに対応しており、店内に無いゲームも持ち込めば全て試遊、プレイが可能という幅の広さでしょう。
実際に私は初めて訪れた時にT&T完全版のルールブックと『カザンの闘技場』を持ち込み、店主のヨシさんに説明を行い試遊して頂きました。『王子の対決』などの二人用ゲームブックなどでも喜んで対応してくれますし、デジタルゲームはファミコンから最新のPS5、Eスポーツに対応出来るPCゲーム環境までありとあらゆるものがあるので、お気に入りのソフトを持ち込んでプレイする事も可能です。
【ゲームと名前の付くものは全て体験可能】これがルストの一番の魅力ではないでしょうか。
ヨシさんは陸上自衛官からITコンサルタントとなった異色の経歴の持ち主で、ルスト以外にも「VAPEJP」という国内有数の電子タバコのポータルサイトの運営者です。
それもあり、店のウリの一つとしてシーシャ(水たばこ)が体験できます。
水たばこといえばS・ジャクソン『城塞都市カーレ』で気だるげな三人のブラック・エルフに勧められるシーンを思い起こす方も多いと思います。まさしくあの通りのものでルストでも吸い口を追加して複数人でのシェアも可能です。一般的なシーシャバーの半額程度の値段で提供しているので、気になる方は是非体験してみると良いでしょう。
店内はバーエリアとゲームエリアに分かれており、バーエリアではシーシャだけでなく加熱式タバコの喫煙も可能です。ゲームエリアは完全禁煙となっております。ゲームエリアのPCは使用されていない間はずっと様々なレトロゲームのデモプレイがループ再生されており、レトロゲームのBGMを聞きながらボードゲームやTRPGを楽しむ、というのもレトロゲーム好きであればたまらないでしょう。
利用時間内はアルコールを除き完全にフリードリンクです。アルコール飲み放題を付ける場合+1,000円ですが、時間制限はないので閉店までずっとお酒も飲み放題です。当然フードもあります。
気になるお値段ですが、1時間1,500円、2時間2,000円、4時間4,000円、時間無制限でもなんと5,000円しかかかりません。また女性は平日なんと半額で、土日祝日も−1,000円と割引になります。18歳までの学生は終日1,000円大学生は2,500円で飲み放題遊び放題です!
★店内参考写真
(バーエリアパノラマ写真)
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Barzone.jpeg
(ゲームエリアパノラマ写真)
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Gamezone.jpeg
今回は、私、けいねむが店主ヨシさんにインタビューを行ってみました。
■ルスト店主 勇者ヨシくんインタビュー
—— よろしくお願いします。
ヨシさん:こちらこそ!よろしくお願いいたします。
—— まず、ヨシさんのゲーム歴、好きなボードゲームとTRPGとCRPGを教えてください。
ヨシさん:年齢=ゲーム歴です(笑)言葉もしゃべらない内から。
ボードゲームはドミニオンとキャット&チョコレートですね。特にドミニオンは思い入れ強いです。ドミニオンやりたくてRUST開店したといっても過言じゃないかも。
TRPGは……、けいねむさんほどのT&T愛はないですが、ルールブックを子供のころから買いそろえていました。高校のころからGURPSに憧れていて全部買いました。今は全て実家にあり、お店には置いてありませんが。
CRPGは……、ローグ系ならなんでも? いやDiablo ですね、Diablo4は神です!
—— そういえば先日(2023年11月1日)になりますが、開店4周年おめでとうございます。ところでルストを始めようと思ったきっかけは?
ヨシさん:開店の数年前にシーシャバーに行ったとき、そこにたまたまボードゲームがたくさん置いてあって、これがすごい楽しくて。これ自分でやったろかな、と。
—— 一人で来られるお客様を歓迎ということですが、どのようなサービスがあるでしょう?
ヨシさん:土日祝は予めお店に連絡いただければJR安城駅、名鉄南安城駅までの送迎を行わせて頂いております。また相席待ちプランもご用意しておりますし、ご相談により相席マッチングもさせて頂いております。お店のLINEのオープンチャットもありますのでそちらで仲良くなって来ていただける方も少なくないです。
—— 実際、一人で来られる方の割合ってどんなものでしょう?
ヨシさん:半分くらいですね。ただ、必ずしもゲームをやりにくるお客様だけではないのでシーシャだけだったり、飲みにくるだけだったりというお客さんも多いです。
—— お客さんの男女比ってどのぐらいでしょう?
ヨシさん: 男性8:女性2ぐらいの割合ですが、最近は女性も増えていますよ。
——お店のイベントなどはどんなものがあるでしょうか?
ヨシさん:毎月第4土曜日にオールナイトボードゲーム会通称「とまぼど」を開いていますね。「とまぼど」の際は入店時に前金で3500円頂いてオールナイトで飲み放題、翌朝5時までの営業です!
それにもちろん、けいねむさんが主催されている「トンネルズ&トロールズ会」も代表的なイベントですよ。
—— ありがとうございます。光栄です。ところでお店には様々なゲームがありますが、ヨシさんがよくお勧めしているボードゲームや「とまぼど」で人気のあるボードゲームを教えて頂いても良いですか?
ヨシさん:初めて来られる初心者の方には好きなだけ嘘の付ける『チャオチャオ』や『ごきぶりポーカー』のほか、お題をもとに考える『ボブジテン』『ヒットマンガ』などもよくお勧めしています。「とまぼど」では有名なキング・オブ・ボードゲームである『カタン』のほか『ストライク (Strike)』にワイワイと楽しい『オジサンメッセージ』も人気ですね……、あとはちょっとヘビーユーザー向けにはなりますが『サイズ -大鎌戦役-(SCYTHE)』『テラフォーミング・マーズ』『It's a Wonderful World』『Roll for the Galaxy』そしてもちろん『ドミニオン』などもよく遊ばれています。
——最後にルストでしか出来ない『特別な体験』を教えて貰ってよいですか?
ヨシさん:ルストは『全てのゲームが遊べるゲームカフェ』です。レトロゲームも最新のゲームも、ボードゲームもゲームブックもTRPGも、もちろんシーシャも。お客様に思いもよらないゲーム体験をして頂けるかもわかりませんね(笑)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
ルスト ゲーム×シーシャカフェバー RUST
あんくるバス「東新町」前
JR安城駅から徒歩15分(事前に店舗に連絡あれば送迎アリ)
愛知県安城市東新町10-11
営業時間:平日20:00〜LAST
土日祝日13:00〜LAST
定休日 月曜日(月曜日祝日の場合翌火曜日店休)
電話 0566-68-1081
ホームページ(質問・予約・相談等サイト内チャットで受付中)
https://www.bar-rust.com/
X(旧Twitter)
@gamebarrust(https://twitter.com/gamebarrust)
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(けいねむ)
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今回は私が毎月トンネルズ&トロールズ完全版のオープンセッションを開催させて頂いている「ゲーム&シーシャカフェバー RUST(ルスト)」についてご紹介させて頂きたいと思います。
■ルストの説明
JR安城駅からコミュニティバスのあんくるバスで二駅、名鉄南安城駅より徒歩10分ほどの住宅街と飲食店街の間にあるビルの一階にルストはあります。
店内には800種類を超えるボードゲームとTRPG、PCコーナーと巨大な水冷PCが目を引きます。
店に入ると「勇者ヨシくん」こと吉原清一店長が歓迎してくれます。
ルストの大きな特徴としてはアナログ・デジタル全てのゲームに対応しており、店内に無いゲームも持ち込めば全て試遊、プレイが可能という幅の広さでしょう。
実際に私は初めて訪れた時にT&T完全版のルールブックと『カザンの闘技場』を持ち込み、店主のヨシさんに説明を行い試遊して頂きました。『王子の対決』などの二人用ゲームブックなどでも喜んで対応してくれますし、デジタルゲームはファミコンから最新のPS5、Eスポーツに対応出来るPCゲーム環境までありとあらゆるものがあるので、お気に入りのソフトを持ち込んでプレイする事も可能です。
【ゲームと名前の付くものは全て体験可能】これがルストの一番の魅力ではないでしょうか。
ヨシさんは陸上自衛官からITコンサルタントとなった異色の経歴の持ち主で、ルスト以外にも「VAPEJP」という国内有数の電子タバコのポータルサイトの運営者です。
それもあり、店のウリの一つとしてシーシャ(水たばこ)が体験できます。
水たばこといえばS・ジャクソン『城塞都市カーレ』で気だるげな三人のブラック・エルフに勧められるシーンを思い起こす方も多いと思います。まさしくあの通りのものでルストでも吸い口を追加して複数人でのシェアも可能です。一般的なシーシャバーの半額程度の値段で提供しているので、気になる方は是非体験してみると良いでしょう。
店内はバーエリアとゲームエリアに分かれており、バーエリアではシーシャだけでなく加熱式タバコの喫煙も可能です。ゲームエリアは完全禁煙となっております。ゲームエリアのPCは使用されていない間はずっと様々なレトロゲームのデモプレイがループ再生されており、レトロゲームのBGMを聞きながらボードゲームやTRPGを楽しむ、というのもレトロゲーム好きであればたまらないでしょう。
利用時間内はアルコールを除き完全にフリードリンクです。アルコール飲み放題を付ける場合+1,000円ですが、時間制限はないので閉店までずっとお酒も飲み放題です。当然フードもあります。
気になるお値段ですが、1時間1,500円、2時間2,000円、4時間4,000円、時間無制限でもなんと5,000円しかかかりません。また女性は平日なんと半額で、土日祝日も−1,000円と割引になります。18歳までの学生は終日1,000円大学生は2,500円で飲み放題遊び放題です!
★店内参考写真
(バーエリアパノラマ写真)
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Barzone.jpeg
(ゲームエリアパノラマ写真)
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Gamezone.jpeg
今回は、私、けいねむが店主ヨシさんにインタビューを行ってみました。
■ルスト店主 勇者ヨシくんインタビュー
—— よろしくお願いします。
ヨシさん:こちらこそ!よろしくお願いいたします。
—— まず、ヨシさんのゲーム歴、好きなボードゲームとTRPGとCRPGを教えてください。
ヨシさん:年齢=ゲーム歴です(笑)言葉もしゃべらない内から。
ボードゲームはドミニオンとキャット&チョコレートですね。特にドミニオンは思い入れ強いです。ドミニオンやりたくてRUST開店したといっても過言じゃないかも。
TRPGは……、けいねむさんほどのT&T愛はないですが、ルールブックを子供のころから買いそろえていました。高校のころからGURPSに憧れていて全部買いました。今は全て実家にあり、お店には置いてありませんが。
CRPGは……、ローグ系ならなんでも? いやDiablo ですね、Diablo4は神です!
—— そういえば先日(2023年11月1日)になりますが、開店4周年おめでとうございます。ところでルストを始めようと思ったきっかけは?
ヨシさん:開店の数年前にシーシャバーに行ったとき、そこにたまたまボードゲームがたくさん置いてあって、これがすごい楽しくて。これ自分でやったろかな、と。
—— 一人で来られるお客様を歓迎ということですが、どのようなサービスがあるでしょう?
ヨシさん:土日祝は予めお店に連絡いただければJR安城駅、名鉄南安城駅までの送迎を行わせて頂いております。また相席待ちプランもご用意しておりますし、ご相談により相席マッチングもさせて頂いております。お店のLINEのオープンチャットもありますのでそちらで仲良くなって来ていただける方も少なくないです。
—— 実際、一人で来られる方の割合ってどんなものでしょう?
ヨシさん:半分くらいですね。ただ、必ずしもゲームをやりにくるお客様だけではないのでシーシャだけだったり、飲みにくるだけだったりというお客さんも多いです。
—— お客さんの男女比ってどのぐらいでしょう?
ヨシさん: 男性8:女性2ぐらいの割合ですが、最近は女性も増えていますよ。
——お店のイベントなどはどんなものがあるでしょうか?
ヨシさん:毎月第4土曜日にオールナイトボードゲーム会通称「とまぼど」を開いていますね。「とまぼど」の際は入店時に前金で3500円頂いてオールナイトで飲み放題、翌朝5時までの営業です!
それにもちろん、けいねむさんが主催されている「トンネルズ&トロールズ会」も代表的なイベントですよ。
—— ありがとうございます。光栄です。ところでお店には様々なゲームがありますが、ヨシさんがよくお勧めしているボードゲームや「とまぼど」で人気のあるボードゲームを教えて頂いても良いですか?
ヨシさん:初めて来られる初心者の方には好きなだけ嘘の付ける『チャオチャオ』や『ごきぶりポーカー』のほか、お題をもとに考える『ボブジテン』『ヒットマンガ』などもよくお勧めしています。「とまぼど」では有名なキング・オブ・ボードゲームである『カタン』のほか『ストライク (Strike)』にワイワイと楽しい『オジサンメッセージ』も人気ですね……、あとはちょっとヘビーユーザー向けにはなりますが『サイズ -大鎌戦役-(SCYTHE)』『テラフォーミング・マーズ』『It's a Wonderful World』『Roll for the Galaxy』そしてもちろん『ドミニオン』などもよく遊ばれています。
——最後にルストでしか出来ない『特別な体験』を教えて貰ってよいですか?
ヨシさん:ルストは『全てのゲームが遊べるゲームカフェ』です。レトロゲームも最新のゲームも、ボードゲームもゲームブックもTRPGも、もちろんシーシャも。お客様に思いもよらないゲーム体験をして頂けるかもわかりませんね(笑)
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ルスト ゲーム×シーシャカフェバー RUST
あんくるバス「東新町」前
JR安城駅から徒歩15分(事前に店舗に連絡あれば送迎アリ)
愛知県安城市東新町10-11
営業時間:平日20:00〜LAST
土日祝日13:00〜LAST
定休日 月曜日(月曜日祝日の場合翌火曜日店休)
電話 0566-68-1081
ホームページ(質問・予約・相談等サイト内チャットで受付中)
https://www.bar-rust.com/
X(旧Twitter)
@gamebarrust(https://twitter.com/gamebarrust)
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●はじめに(岡和田晃)
「FT新聞」には読者参加枠があり、読者がいつでも書き手にクラスチェンジすることのできる仕組みが整えられています。
そうしたなか、文章・構成ともに一級品の書き手の作品に、普段から触れていくのは大事だと考えます。
ネットマガジン「SF Prologue Wave」は、基本的に書き手はプロで、かつ編集部内での査読システムがあり、一定の品質に達したうえでの公開という手順を経ております。
その意味で、コラボ企画でお届けしている作品は、愉しんで読めるだけではなく、読者の皆さまのご参考にもなると思います。
いまのところ、1作家につき2回のローテーション、月1回ペースでお届けしているのですが、粕谷知世さんの第2回は、こちら「パパの思い出」になります。
「ジャガイモ問題」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
中世ヨーロッパには存在しないはずのジャガイモが、なぜかファンタジー世界に登場する状況を皮肉った(?)ものです。
結論からすれば、ファンタジーは現実の似絵ではあっても現実そのものではないわけですから、必要な因果律に見合いさえすれば、別に実際の中世にないものがあってもおかしくない。
現に『トンネルズ&トロールズ』の『コッロールの恐怖』(グループSNE/書苑新社、2020年)では、トークティパスという異星的な蛸頭の種族のメムラスというNPCが、呪文を仕込んだジャガイモを所持しています。
一方、「わたしはジャガイモに関してはジャガイモ警察になりそうです(笑)」とおっしゃるのが粕谷さん。
実際、ジャガイモを語り手に据えた「パパの思い出」を一読すれば、あなたもジャガイモに一家言できること請け合いです……!
粕谷知世さんは、少女の成長を幻想を交えながら描いた『ひなのころ』(中央公論新社、2006年)や、ノストラダムスの大予言のような終末論に対する恐れによって投げかけられた陰を扱う『終わり続ける世界のなかで』(新潮社、2011年)等、
現実世界を舞台にした小説にも佳品がたくさんあります。
「SF Prologue Wave」にもコンスタントに新作が出ますし、日本ファンタジーノベル大賞同窓有志18名によるアンソロジー『万象3』(惑星と口笛ブックス近刊/電子書籍)にも書き下ろし「いき・かえり」が収められるとか。要チェックです!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
オリジナル小説「パパの思い出」
粕谷知世
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
わたくし、パパと申します。
いえ、アイ・アム・ユア・ファーザーなどと衝撃の告白をするつもりではございません。日本ではジャガイモ、馬鈴薯と呼ばれるわたくし、スペイン語ではパタタ、それが英語に転じて、現在はポテトと呼ばれることが多いのですが、真の名はパパと申すのです。こうして、真の名を打ち明けさせていただいた以上、わたくしとあなたは親友も同然、どうか、ひととき、わたくしの話を聞いてください。
わたくしの生まれは南米、アンデスの高地でございます。コロンブスの新大陸発見にともなって、ヨーロッパへと渡った、たくさんの植物、トマト、カボチャ、サツマイモにトウガラシ、トウモロコシ、それにタバコ、そうした仲間の一つです。
人間様には「生きる」ことに様々な意味や意義がございましょうが、わたくしども植物にとって命の意味はただ一つ、「生めよ、増えよ、地に満ちよ」でございます。にもかかわらず、自分の足では歩いていけないものですから、生育地以外の土地へ運んでいただけるのは、わたくしどもにとって無類の歓び。ええ、今でも覚えていますとも。無造作に麻袋に詰め込まれ、ナオ船の船倉へ積み上げられました時のこと。ゆうらゆうらと波に揺られ、時には嵐に揉まれ、別の貨物とぶつかっては傷つきながら、一ヶ月の航海の後、異邦の地に無事、上陸できました時の、なんと嬉しかったこと。
スペインを手始めに、ドイツ、オランダ、イギリス、そしてアイルランド。皆さん、痩せた土地、寒冷地でよく育つ、わたくしのことをそれはそれは気に入ってくださいまして、わたくしは移民に連れられて、ふたたび大西洋を渡り、アメリカでも増えることができました。日本には当時、ジャカルタを拠点としていたオランダ人によって運ばれまして、それで、日本語ではジャガタライモ、ジャガイモと呼ばれるようになりましたのです。天明の飢饉の折には、わたくしのおかげで飢えから救われたからと「お助け芋」などと名付けられまして、わたくし、鼻が高いのでございます。
そうです、わたくしは大勢の方々を飢えから救って参りました。その自負があればこそ、わたくしは、わたくしのせいで起きた大災厄のことを忘れることができません。運命の歯車が一つずれていたなら、あれは起きずにすんだはずなのです。
わたくしのやりきれない気持ちを理解していただくため、まずは、わたくしがアンデス山中だけで育てられていた時代に戻ることにいたしましょう。
わたくしが人間に栽培されるようになったのは大変な昔のことです。幾つもの部族、首長国、王国が興亡するなか、野生種であったわたくしは、毒抜きされ、大型化されつつ、人間に食べられてきました。その間に、品種改良され、耕作道具も進歩して、わたくしはアンデス史上、最も巨大な国家、人口一千万を超え、百以上の民族集団を抱える国家の胃袋を養うほどになりました。日本の方にとっての稲のように、わたくしはインカ帝国の主食であったのです。
わたくしの植え付けは、雨季の始まる直前におこなわれます。
朝早く、人々は階段畑へ出て作業を始めます。
ただでさえ薄い高地の空気には、この時期、湿気がほとんど含まれておりません。そのため、日が差し込んできますと、色という色が沸き返ります。空は抜けるように青く、草の葉は緑に輝いて、それはまるで、目に映るものすべてに金粉が蒔かれたかのようです。
足下には勾配に合わせて曲線を描く畑が何百枚、何千枚と連なって、はるか下の谷まで続いています。谷底の川が小さな蛇のように見えていました。
カシャ、カシャと豆類の鳴る音が聞こえているのは、マチャカ家のヤワルとその息子が畑へやってきたからです。ヤワルの持つ踏み鋤には、畑を耕す時に音が出て調子がとれるように、小さな豆が仕込んであります。ヤワルが鋤の先を地面へ差し込み、鋤の突起に足をかけて体重をのせると、カシャカシャという音とともに固い土がひっくりかえり、その穴へ、九歳になった息子のシンチが、前掛けに入っている、たくさんの種芋の一つを落とし込むのでした。
父も息子もお喋りなたちではありません。同じく種芋の植え付けをする他の家族は広い階段畑のあちらこちらに散らばっていて、それこそ豆粒のようです。見渡す限り青い空と階段畑だけが広がる世界に、カシャカシャ、ざっくり、ぽとん、カシャカシャ、ざっくり、ぽとんと、幾度となく同じリズムが繰り返されました。
日によっては、そのまま日没まで過ぎてしまうのですが、この日はどうした風の吹き回しか、シンチがヤワルに話しかけました。
「ねえ、父さん、パパのなかでは何がいちばん好き?」
「そうなあ、ねっちょりがうまいかな」
もともとは毒があって、小指の先ほどの大きさだったわたくしは、インカ帝国の時代には、大きいの小さいの長いの、白いの紫の黄色いの、窪みの大きなもの、表面つるつる、それともごつごつ、食感も粘っこいのから、さらさらしたもの、粉っぽいもの、それはもう千差万別で、これが同じ芋なのかと驚くほどのバリエーションを誇るようになっていたのです。
「僕もねっちょりが好き。食べごたえがあってさ、汁に入ってると嬉しくなるよ。母さんもねっちょりが好きだって言ってた。だからさ、今年はいろんな種類の芋を植えないで、ねっちょりだけを植えてみない?」
ヤワルは口元に、かすかな笑みを浮かべました。
「父さんもな、おまえくらいの時分、父さんの父さんに同じことを頼んだことがある」
「そしたら、父さんの父さんは何て?」
「父さんの父さんは、ふっと笑ってな。『わしも、おまえくらいの頃、父さんに同じことを頼んでみたことがあったな』と答えた。だから、父さんも、父さんの父さんに『父さんの父さんは何て言ったの』って訊いてみたんだ」
「そしたら?」
「父さんの父さんの父さんは、思い立ったら人に訊くより先に体が動く人で、父さんの父さんの父さんの父さんに質問もせず、鋤の先に自分が食べたい芋だけを埋め込んだそうだ。それがねっちょりだったかどうかは知らん。その年の雨季はことのほか雨の少ない年だった。父さんの父さんの父さんが食べたかった芋は、全部、立ち枯れてしまったそうだ。父さんの父さんの父さんの父さんは、親戚中に頭を下げて芋を分けてもらってから、父さんの父さんの父さんに言った。『これをよく覚えておくんだぞ』」
「どういうこと?」
「天空の神さんのご機嫌によっちゃあ、日照りの年も寒さの厳しい年もある。虫が大発生したり、病気が流行ったり、何が起こるか、そんなことは大地の神さんだけがご存じだ。けれど、いろんな種類のパパを植えておけば、雨に強いもの、虫を寄せつけないもの、幾つかは生き残ってくれる。そのために、父さんの父さんの父さんの父さんの、そのまた父さんのずっと前から、わしらは、いろんな種類のパパを育ててきたのさ」
首都クスコ近くには円形農園もありました。そこでは高度ごとに、どんな植物の栽培が適しているのか実験されていました。わたくしも、そこで、どの種類をどのように育てるのがふさわしいのか、いろいろテストされたものです。
一五三二年、インカ帝国はスペイン人征服者に滅ぼされました。そのために、わたくしが大西洋を渡った際、ヤワルたちの知恵は海を越えることがなかったのです。
ヨーロッパのなかでも、アイルランドはことのほか、わたくしを愛してくれた国でした。わたくしが来る前は主にオートミールを食べていたようですが、イギリス支配下で、麦にはかかる地代が、わたくしにはかからなかったので、貧しい人たちがよく育ててくれたのです。わたくしは粉にする必要がありませんし、煮てよし、焼いてよし、ゆでてもよし。いろいろな食べ方をすることができます。ビタミンを多く含み、タンパク質も豊富です。百年の間に彼らの食事はミルクとわたくしだけとなり、それでいて人口は三倍になりました。問題は、そんなにもわたくしを頼っていたのに、彼らが栽培していたのは収穫量の多い一品種だけだったことです。
一八四五年、イモグサレ病はまず、イギリスで発生しました。病気はアイルランドへ移り、収穫量は半減。冬には栄養状態の悪くなった人々がチフスなどで大勢、亡くなりました。ヤワルであれば、病気の発生した畑は次の年には休耕させたでしょう。しかし、アイルランドの貧しい農夫たちに土地を休ませる余裕はありませんでした。翌一八四六年もふたたび、わたくしが植え付けられました。
七月、わたくしはなだらかに起伏する畑で、薄紫の花をいっぱいに咲かせました。大勢の人たちが、わたくしに祈りのこもった視線を浴びせました。
そこへ雨が降りました。毎日、毎日。
わたくしは葉を丸めました。葉はしおれて垂れ下がり、葉の重みに耐えかねて茎が折れます。農夫たちは畑へやってきては手を合わせました。
八月、畑全体が立ち枯れたわたくしで埋まりました。茎を引いてみた人々は地中で真っ黒になって腐っているわたくしを見ることになりました。
それがアイルランド全土で起きたのです。
長雨さなかの久しぶりの晴れ間に、農夫のダンは農具小屋から麻袋を持ち出しました。去年まで農具小屋の周りで虫をついばんでいた鶏たちはもういません。冬の間に売り飛ばし、残しておいた二羽も盗まれてしまったからです。
ダンが麻袋からわたくしを掴んでテーブルに載せた時、ダンのおかみさんのメアリーは黙ってダンを見返しました。
「これを火にかけろ」
ダンが言いました。喉に詰まるような、嗚咽をこらえているような言い方でした。
「聞こえないのか」
「だって」
メアリーの声は耳を澄まさなければ聞き取れないほど小さなものでした。
「食べるものがあるの?」
もっと小さな声がしました。九歳のジャックでした。ジャックは三日前から具合が悪くて寝床に横になったままでいました。
「あるぞ、たくさんある。みんなで食べよう」
わたくしを入れたスープができたところで、ダンはジャックを支えて食卓につけました。
三人で日々の糧を与えてくれる神へ感謝の祈りを捧げて、スープに匙を入れました。
「なんで、こんな少ししかイモが入ってないんだ」
「そんなこと言っても」
「ゆでろ。今日は腹いっぱい食べるんだ」
「どうして」
「俺に逆らうのか」
ダンは大男ですが、気が優しくて、去年まではメアリーにこんな乱暴な物言いをする男ではありませんでした。
「どうして、今、食べるの? 今、食べるなら、ルチアにも食べさせてやりたかったのに」
ダンは片足で床を踏み鳴らしました。ジャックがびくりと肩を震わせました。
「少しでいいからって、わたし、あなたに頼みましたよね。わたしやジャックは我慢できる、でも、ルチアにだけは少し芋を食べさせましょうって、わたし、言いましたよね」
三歳のルチアは、この冬、熱病で亡くなりました。病気にかかる前から、雑草ばかり食べていたので、死んだ時には骨と皮だけになっていました。
「あなたは言った。少しでも種芋に手をつけてしまったら、我慢がきかなくなる。種芋だけは食べたら駄目だって。それなのに、今、食べるんですか」
「どうせ、この芋だって病気にやられてる。植えたって、また腐っちまうなら、今、食ったほうがいい」
ダンはメアリーの肩に手を回して、首筋にキスをしながら、ささやきました。
「俺たちにだって、最後の晩餐があってもいいだろう?」
メアリーは、ある限りのわたくしを茹でました。テーブルに据えられて、湯気をたてている山盛りのわたくしに、ジャックは目を輝かせました。
「これ、みんな、食べていいの?」
「ああ」
「ほんとに、ほんとう?」
「いいんだ、腹いっぱい、お食べ」
ジャックは笑顔で、熱々のわたくしを手にとりました。その指は老人のように細くて皺が寄っていました。わたくしの薄皮を少し剥き、一口、食べて、ジャックは「おいしいなあ」と小さく呟きました。「ルチアにも食べさせてやりたかったね、ね、お父さん」
「ほんとだな。だけど、今ごろルチアは天国で、もっといいものをたくさん食べてると思うぞ」
「そっか、それならいいけど」
本当に嬉しそうにわたくしを食べてくれたジャックは、数日後に亡くなりました。そうして、たくさんの子供たちが亡くなった後には、その保護者である大人たちも息絶えたのです。
こんなに哀しいことがあるでしょうか?
三百年も昔にヤワルたちアンデスの人々が先祖代々守り伝えていた知恵さえ、わたくしと一緒に海を渡っていれば、わたくしのせいで百万人もの人々が飢餓で亡くなるなどという惨事は起きなかったはずなのです。
つらい過去を思い出したためか、わたしの手のなかで、パパはしなびて見えた。薄茶色の皮には張りがなく、二つの窪みから突き出た芽もうなだれているようだ。
「元気出しなさいよ」
どうやって慰めたものだろう?
「わたしはあなたのこと、好きよ。カレーライスには欠かせないし、肉じゃがもおいしいし、それにほら、ポテトチップス。ダイエットしてたって、つい食べちゃう」
パパは黙ったままだった。
飢饉の記憶に悩むパパに、ダイエットの話なんかするべきじゃなかった。反省しながらも、わたしは真の名を明かしてくれたジャガイモを励ましたい一心で続けた。
「初めてフライドポテトを食べた時のことは今でも覚えてるよ。中学生になったばかりだったかな。マクドナルドなんて気の利いたもの、わたしの田舎のほうじゃ、まだ開店してなかったから、スーパーの一角で真似してつくられてたのを、なけなしのお小遣いで買ってみたの。真冬だったから、渡された油紙が温かくてね。覗いてみると、キツネ色のスティックが入ってた。口に入れたら、外側はかりっとしてるのに、中はほくほくで。あっという間になくなっちゃった。こんなおいしいもの、生まれて初めて食べたって思った。あなたのおかげで、幸せな気分になっている人、今この瞬間だって、世界中に何億人もいるはずだよ」
「慰めてくださって、どうも、ありがとうございます」
パパの声は少し明るくなっていた。
「わたくしの芽や青い皮には毒がありますので、どうか、それだけは気をつけて、これからもおいしく召し上がってくださいね」
それっきり、パパは語ることをやめた。
注意を守って、わたしはパパの皮を剥き、ニンジンやタマネギと一緒に炒めて圧力鍋に入れた。
「わあ、今晩はカレーライスなんだ。今日はパパも家で食べるんだっけ?」
帰宅した高校生の娘の顔は、ほころんでいた。
これからは、彼女がパパと口にするたび、ジャガイモから聞いた哀しい話も思い出すことだろう。
参考文献:「ジャガイモのきた道 文明・飢饉・戦争」山本紀夫(岩波新書)
「ジャガイモの歴史」アンドルー・F・スミス(著)竹田円(訳)(原書房)
「アイルランドモノ語り」栩木伸明(みすず書房)
初出:「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/8467
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.14
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●はじめに(岡和田晃)
「FT新聞」には読者参加枠があり、読者がいつでも書き手にクラスチェンジすることのできる仕組みが整えられています。
そうしたなか、文章・構成ともに一級品の書き手の作品に、普段から触れていくのは大事だと考えます。
ネットマガジン「SF Prologue Wave」は、基本的に書き手はプロで、かつ編集部内での査読システムがあり、一定の品質に達したうえでの公開という手順を経ております。
その意味で、コラボ企画でお届けしている作品は、愉しんで読めるだけではなく、読者の皆さまのご参考にもなると思います。
いまのところ、1作家につき2回のローテーション、月1回ペースでお届けしているのですが、粕谷知世さんの第2回は、こちら「パパの思い出」になります。
「ジャガイモ問題」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
中世ヨーロッパには存在しないはずのジャガイモが、なぜかファンタジー世界に登場する状況を皮肉った(?)ものです。
結論からすれば、ファンタジーは現実の似絵ではあっても現実そのものではないわけですから、必要な因果律に見合いさえすれば、別に実際の中世にないものがあってもおかしくない。
現に『トンネルズ&トロールズ』の『コッロールの恐怖』(グループSNE/書苑新社、2020年)では、トークティパスという異星的な蛸頭の種族のメムラスというNPCが、呪文を仕込んだジャガイモを所持しています。
一方、「わたしはジャガイモに関してはジャガイモ警察になりそうです(笑)」とおっしゃるのが粕谷さん。
実際、ジャガイモを語り手に据えた「パパの思い出」を一読すれば、あなたもジャガイモに一家言できること請け合いです……!
粕谷知世さんは、少女の成長を幻想を交えながら描いた『ひなのころ』(中央公論新社、2006年)や、ノストラダムスの大予言のような終末論に対する恐れによって投げかけられた陰を扱う『終わり続ける世界のなかで』(新潮社、2011年)等、
現実世界を舞台にした小説にも佳品がたくさんあります。
「SF Prologue Wave」にもコンスタントに新作が出ますし、日本ファンタジーノベル大賞同窓有志18名によるアンソロジー『万象3』(惑星と口笛ブックス近刊/電子書籍)にも書き下ろし「いき・かえり」が収められるとか。要チェックです!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
オリジナル小説「パパの思い出」
粕谷知世
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
わたくし、パパと申します。
いえ、アイ・アム・ユア・ファーザーなどと衝撃の告白をするつもりではございません。日本ではジャガイモ、馬鈴薯と呼ばれるわたくし、スペイン語ではパタタ、それが英語に転じて、現在はポテトと呼ばれることが多いのですが、真の名はパパと申すのです。こうして、真の名を打ち明けさせていただいた以上、わたくしとあなたは親友も同然、どうか、ひととき、わたくしの話を聞いてください。
わたくしの生まれは南米、アンデスの高地でございます。コロンブスの新大陸発見にともなって、ヨーロッパへと渡った、たくさんの植物、トマト、カボチャ、サツマイモにトウガラシ、トウモロコシ、それにタバコ、そうした仲間の一つです。
人間様には「生きる」ことに様々な意味や意義がございましょうが、わたくしども植物にとって命の意味はただ一つ、「生めよ、増えよ、地に満ちよ」でございます。にもかかわらず、自分の足では歩いていけないものですから、生育地以外の土地へ運んでいただけるのは、わたくしどもにとって無類の歓び。ええ、今でも覚えていますとも。無造作に麻袋に詰め込まれ、ナオ船の船倉へ積み上げられました時のこと。ゆうらゆうらと波に揺られ、時には嵐に揉まれ、別の貨物とぶつかっては傷つきながら、一ヶ月の航海の後、異邦の地に無事、上陸できました時の、なんと嬉しかったこと。
スペインを手始めに、ドイツ、オランダ、イギリス、そしてアイルランド。皆さん、痩せた土地、寒冷地でよく育つ、わたくしのことをそれはそれは気に入ってくださいまして、わたくしは移民に連れられて、ふたたび大西洋を渡り、アメリカでも増えることができました。日本には当時、ジャカルタを拠点としていたオランダ人によって運ばれまして、それで、日本語ではジャガタライモ、ジャガイモと呼ばれるようになりましたのです。天明の飢饉の折には、わたくしのおかげで飢えから救われたからと「お助け芋」などと名付けられまして、わたくし、鼻が高いのでございます。
そうです、わたくしは大勢の方々を飢えから救って参りました。その自負があればこそ、わたくしは、わたくしのせいで起きた大災厄のことを忘れることができません。運命の歯車が一つずれていたなら、あれは起きずにすんだはずなのです。
わたくしのやりきれない気持ちを理解していただくため、まずは、わたくしがアンデス山中だけで育てられていた時代に戻ることにいたしましょう。
わたくしが人間に栽培されるようになったのは大変な昔のことです。幾つもの部族、首長国、王国が興亡するなか、野生種であったわたくしは、毒抜きされ、大型化されつつ、人間に食べられてきました。その間に、品種改良され、耕作道具も進歩して、わたくしはアンデス史上、最も巨大な国家、人口一千万を超え、百以上の民族集団を抱える国家の胃袋を養うほどになりました。日本の方にとっての稲のように、わたくしはインカ帝国の主食であったのです。
わたくしの植え付けは、雨季の始まる直前におこなわれます。
朝早く、人々は階段畑へ出て作業を始めます。
ただでさえ薄い高地の空気には、この時期、湿気がほとんど含まれておりません。そのため、日が差し込んできますと、色という色が沸き返ります。空は抜けるように青く、草の葉は緑に輝いて、それはまるで、目に映るものすべてに金粉が蒔かれたかのようです。
足下には勾配に合わせて曲線を描く畑が何百枚、何千枚と連なって、はるか下の谷まで続いています。谷底の川が小さな蛇のように見えていました。
カシャ、カシャと豆類の鳴る音が聞こえているのは、マチャカ家のヤワルとその息子が畑へやってきたからです。ヤワルの持つ踏み鋤には、畑を耕す時に音が出て調子がとれるように、小さな豆が仕込んであります。ヤワルが鋤の先を地面へ差し込み、鋤の突起に足をかけて体重をのせると、カシャカシャという音とともに固い土がひっくりかえり、その穴へ、九歳になった息子のシンチが、前掛けに入っている、たくさんの種芋の一つを落とし込むのでした。
父も息子もお喋りなたちではありません。同じく種芋の植え付けをする他の家族は広い階段畑のあちらこちらに散らばっていて、それこそ豆粒のようです。見渡す限り青い空と階段畑だけが広がる世界に、カシャカシャ、ざっくり、ぽとん、カシャカシャ、ざっくり、ぽとんと、幾度となく同じリズムが繰り返されました。
日によっては、そのまま日没まで過ぎてしまうのですが、この日はどうした風の吹き回しか、シンチがヤワルに話しかけました。
「ねえ、父さん、パパのなかでは何がいちばん好き?」
「そうなあ、ねっちょりがうまいかな」
もともとは毒があって、小指の先ほどの大きさだったわたくしは、インカ帝国の時代には、大きいの小さいの長いの、白いの紫の黄色いの、窪みの大きなもの、表面つるつる、それともごつごつ、食感も粘っこいのから、さらさらしたもの、粉っぽいもの、それはもう千差万別で、これが同じ芋なのかと驚くほどのバリエーションを誇るようになっていたのです。
「僕もねっちょりが好き。食べごたえがあってさ、汁に入ってると嬉しくなるよ。母さんもねっちょりが好きだって言ってた。だからさ、今年はいろんな種類の芋を植えないで、ねっちょりだけを植えてみない?」
ヤワルは口元に、かすかな笑みを浮かべました。
「父さんもな、おまえくらいの時分、父さんの父さんに同じことを頼んだことがある」
「そしたら、父さんの父さんは何て?」
「父さんの父さんは、ふっと笑ってな。『わしも、おまえくらいの頃、父さんに同じことを頼んでみたことがあったな』と答えた。だから、父さんも、父さんの父さんに『父さんの父さんは何て言ったの』って訊いてみたんだ」
「そしたら?」
「父さんの父さんの父さんは、思い立ったら人に訊くより先に体が動く人で、父さんの父さんの父さんの父さんに質問もせず、鋤の先に自分が食べたい芋だけを埋め込んだそうだ。それがねっちょりだったかどうかは知らん。その年の雨季はことのほか雨の少ない年だった。父さんの父さんの父さんが食べたかった芋は、全部、立ち枯れてしまったそうだ。父さんの父さんの父さんの父さんは、親戚中に頭を下げて芋を分けてもらってから、父さんの父さんの父さんに言った。『これをよく覚えておくんだぞ』」
「どういうこと?」
「天空の神さんのご機嫌によっちゃあ、日照りの年も寒さの厳しい年もある。虫が大発生したり、病気が流行ったり、何が起こるか、そんなことは大地の神さんだけがご存じだ。けれど、いろんな種類のパパを植えておけば、雨に強いもの、虫を寄せつけないもの、幾つかは生き残ってくれる。そのために、父さんの父さんの父さんの父さんの、そのまた父さんのずっと前から、わしらは、いろんな種類のパパを育ててきたのさ」
首都クスコ近くには円形農園もありました。そこでは高度ごとに、どんな植物の栽培が適しているのか実験されていました。わたくしも、そこで、どの種類をどのように育てるのがふさわしいのか、いろいろテストされたものです。
一五三二年、インカ帝国はスペイン人征服者に滅ぼされました。そのために、わたくしが大西洋を渡った際、ヤワルたちの知恵は海を越えることがなかったのです。
ヨーロッパのなかでも、アイルランドはことのほか、わたくしを愛してくれた国でした。わたくしが来る前は主にオートミールを食べていたようですが、イギリス支配下で、麦にはかかる地代が、わたくしにはかからなかったので、貧しい人たちがよく育ててくれたのです。わたくしは粉にする必要がありませんし、煮てよし、焼いてよし、ゆでてもよし。いろいろな食べ方をすることができます。ビタミンを多く含み、タンパク質も豊富です。百年の間に彼らの食事はミルクとわたくしだけとなり、それでいて人口は三倍になりました。問題は、そんなにもわたくしを頼っていたのに、彼らが栽培していたのは収穫量の多い一品種だけだったことです。
一八四五年、イモグサレ病はまず、イギリスで発生しました。病気はアイルランドへ移り、収穫量は半減。冬には栄養状態の悪くなった人々がチフスなどで大勢、亡くなりました。ヤワルであれば、病気の発生した畑は次の年には休耕させたでしょう。しかし、アイルランドの貧しい農夫たちに土地を休ませる余裕はありませんでした。翌一八四六年もふたたび、わたくしが植え付けられました。
七月、わたくしはなだらかに起伏する畑で、薄紫の花をいっぱいに咲かせました。大勢の人たちが、わたくしに祈りのこもった視線を浴びせました。
そこへ雨が降りました。毎日、毎日。
わたくしは葉を丸めました。葉はしおれて垂れ下がり、葉の重みに耐えかねて茎が折れます。農夫たちは畑へやってきては手を合わせました。
八月、畑全体が立ち枯れたわたくしで埋まりました。茎を引いてみた人々は地中で真っ黒になって腐っているわたくしを見ることになりました。
それがアイルランド全土で起きたのです。
長雨さなかの久しぶりの晴れ間に、農夫のダンは農具小屋から麻袋を持ち出しました。去年まで農具小屋の周りで虫をついばんでいた鶏たちはもういません。冬の間に売り飛ばし、残しておいた二羽も盗まれてしまったからです。
ダンが麻袋からわたくしを掴んでテーブルに載せた時、ダンのおかみさんのメアリーは黙ってダンを見返しました。
「これを火にかけろ」
ダンが言いました。喉に詰まるような、嗚咽をこらえているような言い方でした。
「聞こえないのか」
「だって」
メアリーの声は耳を澄まさなければ聞き取れないほど小さなものでした。
「食べるものがあるの?」
もっと小さな声がしました。九歳のジャックでした。ジャックは三日前から具合が悪くて寝床に横になったままでいました。
「あるぞ、たくさんある。みんなで食べよう」
わたくしを入れたスープができたところで、ダンはジャックを支えて食卓につけました。
三人で日々の糧を与えてくれる神へ感謝の祈りを捧げて、スープに匙を入れました。
「なんで、こんな少ししかイモが入ってないんだ」
「そんなこと言っても」
「ゆでろ。今日は腹いっぱい食べるんだ」
「どうして」
「俺に逆らうのか」
ダンは大男ですが、気が優しくて、去年まではメアリーにこんな乱暴な物言いをする男ではありませんでした。
「どうして、今、食べるの? 今、食べるなら、ルチアにも食べさせてやりたかったのに」
ダンは片足で床を踏み鳴らしました。ジャックがびくりと肩を震わせました。
「少しでいいからって、わたし、あなたに頼みましたよね。わたしやジャックは我慢できる、でも、ルチアにだけは少し芋を食べさせましょうって、わたし、言いましたよね」
三歳のルチアは、この冬、熱病で亡くなりました。病気にかかる前から、雑草ばかり食べていたので、死んだ時には骨と皮だけになっていました。
「あなたは言った。少しでも種芋に手をつけてしまったら、我慢がきかなくなる。種芋だけは食べたら駄目だって。それなのに、今、食べるんですか」
「どうせ、この芋だって病気にやられてる。植えたって、また腐っちまうなら、今、食ったほうがいい」
ダンはメアリーの肩に手を回して、首筋にキスをしながら、ささやきました。
「俺たちにだって、最後の晩餐があってもいいだろう?」
メアリーは、ある限りのわたくしを茹でました。テーブルに据えられて、湯気をたてている山盛りのわたくしに、ジャックは目を輝かせました。
「これ、みんな、食べていいの?」
「ああ」
「ほんとに、ほんとう?」
「いいんだ、腹いっぱい、お食べ」
ジャックは笑顔で、熱々のわたくしを手にとりました。その指は老人のように細くて皺が寄っていました。わたくしの薄皮を少し剥き、一口、食べて、ジャックは「おいしいなあ」と小さく呟きました。「ルチアにも食べさせてやりたかったね、ね、お父さん」
「ほんとだな。だけど、今ごろルチアは天国で、もっといいものをたくさん食べてると思うぞ」
「そっか、それならいいけど」
本当に嬉しそうにわたくしを食べてくれたジャックは、数日後に亡くなりました。そうして、たくさんの子供たちが亡くなった後には、その保護者である大人たちも息絶えたのです。
こんなに哀しいことがあるでしょうか?
三百年も昔にヤワルたちアンデスの人々が先祖代々守り伝えていた知恵さえ、わたくしと一緒に海を渡っていれば、わたくしのせいで百万人もの人々が飢餓で亡くなるなどという惨事は起きなかったはずなのです。
つらい過去を思い出したためか、わたしの手のなかで、パパはしなびて見えた。薄茶色の皮には張りがなく、二つの窪みから突き出た芽もうなだれているようだ。
「元気出しなさいよ」
どうやって慰めたものだろう?
「わたしはあなたのこと、好きよ。カレーライスには欠かせないし、肉じゃがもおいしいし、それにほら、ポテトチップス。ダイエットしてたって、つい食べちゃう」
パパは黙ったままだった。
飢饉の記憶に悩むパパに、ダイエットの話なんかするべきじゃなかった。反省しながらも、わたしは真の名を明かしてくれたジャガイモを励ましたい一心で続けた。
「初めてフライドポテトを食べた時のことは今でも覚えてるよ。中学生になったばかりだったかな。マクドナルドなんて気の利いたもの、わたしの田舎のほうじゃ、まだ開店してなかったから、スーパーの一角で真似してつくられてたのを、なけなしのお小遣いで買ってみたの。真冬だったから、渡された油紙が温かくてね。覗いてみると、キツネ色のスティックが入ってた。口に入れたら、外側はかりっとしてるのに、中はほくほくで。あっという間になくなっちゃった。こんなおいしいもの、生まれて初めて食べたって思った。あなたのおかげで、幸せな気分になっている人、今この瞬間だって、世界中に何億人もいるはずだよ」
「慰めてくださって、どうも、ありがとうございます」
パパの声は少し明るくなっていた。
「わたくしの芽や青い皮には毒がありますので、どうか、それだけは気をつけて、これからもおいしく召し上がってくださいね」
それっきり、パパは語ることをやめた。
注意を守って、わたしはパパの皮を剥き、ニンジンやタマネギと一緒に炒めて圧力鍋に入れた。
「わあ、今晩はカレーライスなんだ。今日はパパも家で食べるんだっけ?」
帰宅した高校生の娘の顔は、ほころんでいた。
これからは、彼女がパパと口にするたび、ジャガイモから聞いた哀しい話も思い出すことだろう。
参考文献:「ジャガイモのきた道 文明・飢饉・戦争」山本紀夫(岩波新書)
「ジャガイモの歴史」アンドルー・F・スミス(著)竹田円(訳)(原書房)
「アイルランドモノ語り」栩木伸明(みすず書房)
初出:「SF Prologue Wave」
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2023年11月29日水曜日
第4回【マドレーンの海域】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.3962
第4回【マドレーンの海域】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【マドレーンの海域】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
マドレーン諸島を船で巡る冒険をしています。目的はズバリ、お金を稼ぐこと。
未開島にて岩石怪物ロゴドゴを捕獲。これが金貨500枚もの収入になりました。
宝石島を除くすべての島を巡ったことで、冒険の終了を宣言しても良いタイミングでしたが、ギノク島でのイベントの取りこぼしが気になったため、冒険を続けることに。
そうしたところ、なんと、これまで航海中のイベント表を見落としていたことが判明。
冒険は一気に危険度を増しました。
宝石島の発見。攻撃的な人魚の群れに、小島のトロール原人。
予定の航路を外れ、危機また危機の連続に、主人公パーシヴァルの命は風前の灯。
今回も危機的状況は続きます。
【パーシヴァル 技術点8 体力点2/22 運点8/11】
【持ち物】
剣・背負い袋
金貨104
食料33
●アタック01-8 ギノク島への遠き道のり
【125日目】
マドレーン島に到達し、予定通りワイン樽を購入した俺。
黒真珠も売り払い、所持金は金貨974枚にもなった。
しかしここで、計画の変更を余儀なくされていた。
体力点が、ない。
このままギノク島へ行っても、力尽きるのは目に見えている。
いったん港町ビストフまで戻ろう。
ビストフの宿なら、連泊して体力を回復させることができる。
だが問題は、ビストフに向かう10日間の間にも、イベント表を2回も振らなければならないということだ。
ここまで、困難なアクシデントに見舞われる可能性の方が大きい。
俺は港町ビストフまで、命を繋ぐことができるのだろうか。
【130日目】
さあ、イベント表だ。
おそるおそるサイコロを振る。出目は6。交易船との遭遇だ。
交易品の売買ができるぞ。
取り扱っている品物を、サイコロを振って決める。
すると、ポモドロの実だ。これは、体力を回復する効果がある。
今の俺にはとてもうれしいものだ。5個ほど購入しておいた。
後で思ったんだけど、目的地の港町ビストフで売り払えるのだから、金の許す限り購入しておけばよかった。
【135日目】
港町ビストフは目前だ。
ここでもう一度イベント表を振る。またしても交易船と遭遇。
しかも交易品の品目も、ポモドロの実だった。
もしかして、5日前に出会ったのと同じ船?
目的地は一緒だったってわけだ。
こうして、俺は港町ビストフへと戻ったのだった。
たっぷり3日間休んで体力を回復する。ここでの宿泊は運点も回復できるのがありがたい。
準備が整ったら今度こそ、ギノク島へ向けて出港しよう!
【143日目】
ギノク島へは、マドレーン島を経由して向かう。
ビストフを出航して5日後、まずは1回目の航海中のイベントチェックだ。
出目は8。小島を発見した。船員として雇われている俺は探索を命じられる。
小島……。そこはかとなく既視感が。
たしか小島にはよしお……否、トロール原人がいたような。
しかもトロール原人めっちゃ強くて俺ギリギリ勝ちだったような。
大丈夫。まだそうと決まったわけじゃない。
さらにサイコロを振って、どんな小島なのかが決まるんだからな!
小島よしおとは限らない。こじるりかもしれないわけだし。スナッチャーやポリスノーツを作ったゲームクリエイターかもしれないし。
……結果、そこはトロール原人の島だった。またかよ!
トロール原人は「そんなの関係ねえ!」と叫び向かってきた。戦闘は不可避。またかよ!
技術点が9、体力点も9なトロール原人。
対抗するは、技術点8、体力点20の俺。
苦戦必至!
俺はごくまれに攻撃が命中したチャンスにすかさず運だめしに成功し、トロール原人を倒すことは倒した。
だが、その間に8度もの攻撃を受け、体力点は一気に4点にまで減らされていたのだった。
回復のためにビストフに行った分がほとんど吹っ飛んだ!ww
【148日目】
少し残しておいたポモドロを食べまくって体力点はある程度回復した。
経由地のマドレーン島に行くまでに、もう1回航海中のイベントが起きる。
出目は4。これは遭遇したことがある。風衣の民の群れという危険な出来事だ。
風の精霊のような意思なき精霊の群れ。触れると暴風を巻き起こし、船は確実に難破する。
ここは運だめしで切り抜けられる。確実に成功させなければならない!
ところでさっき、トロール原人との戦いで運だめしを多用したため、俺の運点は9点にまで下がっているんだが。
ドキドキしながらサイコロ2個を振る。
出目は——8!
どうにか成功だ。
風衣の民の群れは船の脇をすり抜けるようにして行ってしまった。
風の精霊のたぐいなんだったら、もうちょっとお茶目でもいいのに。
風が吹くたびにふんどしをちら見せするとか、キザなセリフがあると「クサッ」って言いながら登場するとか、ふんばるときに「ギップリャ!」って声を張り上げるとか、してもいいのよ?
だがこれで、経由地であるマドレーン島へ到着した。
今回目指しているギノク島まで、あと10日の航路だ。
【153日目】
マドレーン島を出航して5日目。小島を発見した。
小島。小島。三度目の小島……。
うん。またなんだ。すまない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でもこの小島を見たとき、俺は、言葉では言い表せない「嫌な予感」みたいなものを感じたと思う。
だが、まだこの島にいるのがトロール原人と決まったわけではない。
さあ、サイコロを振ろうか。
出目は、2。
トロール原人だった。
ゲゲェ! またおまえか、よしお!
また格上相手とタイマンバトルかよ!!
さすがに3度も勝てる気がしない!
と、思っていた時代が俺にもありました。
今度はサイコロの目に恵まれすぎて、体力点13点も残して勝利しちゃった。
ただ、この小島、トロール原人を倒しても何も手に入らないんだよなぁ。
はい。おっぱっぴー。
【158日目】
そろそろ目的地のギノク島が見えてくる頃だ。
そして最後の航海イベントが起きる。
出目は9。
海賊の襲撃だ!!
船内各地で戦いが始まる。
俺にも海賊の一人が襲いかかってくる。
戦わなければ生き残れない。
技術点8、体力点6の海賊を、互角の戦いで下す。
さあ、海賊船の船長を叩くのは、船員兼冒険者の俺の役目だろう。
俺は船長と対峙する。
海賊船の船長 技術点10 体力点7
あ。無理。
絶対無理。
俺の技術点8に対し、1点上の技術点9までなら、サイコロ運が味方につけばなんとかなるかもしれない。
でも、彼我の戦力差2点はダメだ。体力点も、手下との戦いで削れている。勝ち目はない。
ここには、降伏するという選択が残されていた。
俺は、降伏した。
そして、海賊船の捕虜となった。
●アタック01-9 奴隷と傭兵
【178日目】
航海中のイベント表を振り始めたら、いつまで経ってもギノク島にたどり着けない件www
俺は港町ビストフにいた。
奴隷として、売られるためだ。
自由を得るチャンスがあるとしたら、奴隷商に代金を支払い、自分で自分を買い戻すことだけだ。
金ならたくさんある。自分を買い戻すには申し分ない金額を持っている。
ただ普通、捕虜になった段階で金品はすべて海賊に没収されていると思うけど……。
ルール上は没収されていないので、使えるっちゃあ使えるが。
よし。シチュエーションを考えよう。
と、俺は奴隷商のある通りで、見知った顔に出会った。
かつて俺を雇っていた船の船長だ。
そうだった。航海中、俺の金は船長に預けていたんだった。そういうことに今なった。
船長に頼むと、船長は、俺の金で俺を買い戻してくれた。
俺は自由の身になった。
けど船長。アンタだって海賊船に略奪されて、金品、物資根こそぎ奪われていただろうに。
それでも、俺が預けていた金は俺のものとして隠し通し、とっておいてくれていたなんて。
なんて人だ。
俺は感服し、この船長の船に再び乗りたいと思った。
だからもう、トロール原人の住む小島には探索に出さないでね。
【182日目】
4日ほど宿に泊まり、気力と体力の回復を図った。
ゆっくり休みながら、これからどうするかを考える。
航海中のイベントが起きるようになってから、俺の戦闘力では心もとない場面が増えてきた。
これは、そろそろ冒険者を雇うことも考えた方がいい頃合いではないだろうか。
酒場に行こう。るいーださーん。
「誰がほしいというの? 私? それとも愛?」
いえ。冒険者を。
ここでは人を雇うことができる。でも軒並み高い。
序盤では到底無理な金額だ。けど今なら雇える。
誰がほしいか。もちろん戦力の増強だ。
俺は弱い。トロール原人に3回勝てたのはどう考えても奇跡としか言いようがない。
マドレーン諸島に詳しいという女性の狩人ジャクリーヌが売り込みに来たけど、そういった便利キャラに割く余裕はない。
ここで雇えるのは、ジャクリーヌを入れた6人だ。
そのうち戦士は2人。
1人は人間の戦士カスティフ。金貨40枚で雇える。
もう1人はドワーフの戦士スカード。金貨170枚で雇える。
って、なんだこの金額の差は!
そんなにステイタスに違いがあるのか?!
と思ったが、違った。
戦士を雇うことで得られる特典は、俺の技術点が1点上がることだ。
そうやって俺のステイタスにプラスをつけることで、仲間の存在を表現する。
仲間キャラクター全員のステイタスを管理するのは大変だから、うまいやり方だと思う。
なるほど、それで2人の雇い賃に違いがあるのか。
技術点1点の加算は金貨40枚で済むが、さらに1点上げようと思ったら、かかる金額も跳ね上がる、と。
そういう仕組みのための雇い賃の差なのだ。
カスティフとスカードの能力的な違いではなく、ゲームシステム上の都合ってやつだ。
じゃ、2人とも雇おう。なあに、金ならある。
なお、誰かを雇った場合、その人の食料も俺が用意しなければならない。
まとめて買い足しておく。まとめて一気に200食分もあれば足りるだろう。
じゃあ、よろしくカスティフとスカード。略してカスとスカw
さらに、もう1人気になった。
カエル人の盗賊。その名もラナだ。
カエル人でラナっていったら、これもう「宇宙船サジタリウス」だよね。
きっとラザニアが大好物だよね。
だが、ここに登場したラナは女性だった。なんてこった。
でも雇う。金貨25枚だ。
そして盗賊の雇用特典は、運点2点上昇だ。
これにより、俺の修正後の能力値は以下のようになった。
【パーシヴァル 技術点8→10 体力点22 運点11→13】
これで、大抵のモンスターに遅れを取ることはなくなったと見ていいだろう。
運点が13点というのもありがたい。運だめしは本当に重宝しているからな。
これらの一連の準備で、所持金は金貨204枚に減っている。
また、食料は233食分を所持している。
これで準備は整った。
今度こそ改めて、ギノク島を目指して出航だ!
●アタック01-10 漂流伝説マドレーン
もう何度目かになる、目的を改めて確認しよう。
俺は、ギノク島にある見逃しているっぽいイベントを確認することを、冒険の目的としている。
それが達成されたなら、この冒険は一応の区切りだろうと考えている。
ギノク島はキャベツ型の大岩がある島で、キャベツ頭の不思議な住民たちが住んでいる。
基本的には友好的で、交易も可能だ。
そこで、交易関係なしに、贈りものをすることができる。
ワイン樽かシルクを贈った場合、大いに喜ばれ、なにやら特殊な展開が起こりそうだったのだ。
ワイン樽は途中で経由する予定のマドレーン島にて購入する予定だ。
ビストフの港を出航する。いつも目にする、この港町の明るい見開きイラストに心癒される。
ここからマドレーン島経由でギノク島へと向かう。
航海に出ると、5日ごとにサイコロを振り、出目に応じて航海中のランダムイベントが起きる仕組みになっている。
俺が振った出目は2だった。
極端な出目はまずいな。
だいたい、なにか大きめな事件が起きると相場は決まっている。
悪い予感は当たった。
俺たちは、漂流した。
【187日目】
こんなこともあろうかと、食料はたっぷり買い込んでおいた!
ごめん嘘、雇った冒険者さんたちの分。
でも200食分はあるからね。活用させてもらおう。
みんな漂流ばいふぁむ。
この状況から脱却できるか。それは運だめしにかかっている。
毎日1回、運だめしをする。
成功したら、2点加算。失敗したら、1点加算。
こうやって、10点たまったら、切り抜けられるという。
全部成功しても2点ずつだから、5日はかかる計算だ。
しかもこれ、運点の消耗が著しい。今後の冒険に響きそうだ。
そして俺の運点は13点。
高い運点に支えられ、俺たちは5日目にして漂流状態から脱することができた。
運点は8点にまで減ってしまったが。
そしてサイコロを振り、元の島に戻ったか、目的の島に到着できたかを決める。
サイコロを振った結果、目的の島に到着できたようだ。
港町を出航し5日目に漂流し、さらに5日後に目的の島へ到着。
ちなみに港町ビストフからマドレーン島までは10日の航路だ。
つまり、漂流しておきながら最短で到着してしまったことになる。
よほど早い潮の流れにでもつかまったのかもしれない。
【192日目】
マドレーン島ではギノク島への贈り物にするための酒樽を購入し、一泊した。
この宿泊で運点が原点まで回復するのを、俺は見逃さなかった。きゅぴーん。
運点は13点に回復した。漂流だろうが風衣の民の群れだろうが超常現象だろうが、どんとこーい。
【198日目】
マドレーン島からギノク島へと向かう航路の途中。
前はここで海賊船に遭遇したんだよな。
と思ってイベントサイコロ振ったら、今回も出た! 海賊の襲撃だ!
きっと奴ら、このあたりを縄張りにしてるんだな。
「またおまえか。前のように降伏した方が身のためだ」
俺を奴隷にした海賊船の船長が降伏勧告してくる。
そうはいくものか。
今回はこっちも戦士2人を雇って戦力増強したんだ。
ひとりひとりは小さな火だが、ふたり集まれば炎となる。
炎となった戦士たちは、無敵だ!
海戦になった。
俺は2人の戦士、カスティフとスカードと連携しつつ海賊たちを蹴散らし、船長との直接対決にもちこんだ。
船長とは互角の戦いだったが、タフネスさは俺の方がはるかに上だ。
今度は危なげなく勝利をつかむことができた。
「さ、3対1とは卑怯な!」
海賊に言われたかないね。
それに2人の戦士は、もう俺の技術点に吸収されてるんだから仕方ないだろ。
なんなら盗賊のラナも、俺の運点として、戦闘中に運だめしの機会を狙っていたぜ。
こうして俺たちは、海賊の襲撃を退けた!
戦利品として、ワインを一樽と、ナツメグを手に入れた。
金貨に換算すれば100枚分だ。
その5日後、ナツメグを扱う商船に出会い、金の許す限りの交易をした後、船はギノク島へと到着した。
長かった。本当に長い旅路だった。
ギノク島のイベントを見ようと決めたのが95日目。
今は203日目だ。ギノク島へ行くだけで100日超かかっている。
マドレーン海域、前半は楽勝と思っていたが、とんでもない!
想像以上に恐ろしい海域であった!
では次回、いよいよギノク島の特別イベントを体験……! できるのか?
【パーシヴァル 技術点8→10/8→10 体力点2→22→10/22 運点8→13/11→13】
【持ち物】
剣・背負い袋
金貨104→14
食料33→233→173
■登場人物
パーシヴァル 今回の挑戦者。かわいいものには目がない。
ライデン ベテランの物知り船員。その知識の源泉は民明書房かもしれない。
ジャクリーヌ ビストフ港で雇える女性狩人。マドレーン諸島に詳しい。
カスティフ 人間の戦士。金貨40枚で雇える。
スカード ドワーフの戦士。雇うには金貨170枚もかかる。
ラナ カエル人の盗賊。金貨25枚で雇える。
■地名
ビストフ 港町。冒険の出発点。
マドレーン島 マドレーン諸島の交易の中心となる島。ポルルポルルレースがある。
未開島 岩石怪物ロゴドゴが生息している。
屍島 かつての戦争により、アンデッドの巣窟になっている。
極彩島 色とりどりの果実が実る豊かな島。
モネク島 千年樹モネクが生える島。モネクの種の入手には特殊な方法が必要。
ギノク島 キャベツ頭の住民。キャベツ型の岩、キャベツ型の怪物が出る島。
宝石島 航路がないため通常の手段では行けない。海賊ギルガの財宝は、今もあるのか?
■作品情報
作品名:マドレーンの海域
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/3998135
ゲームブック短編集「ハンテッドガーデンハート」に収録されています
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マドレーン諸島を船で巡る冒険をしています。目的はズバリ、お金を稼ぐこと。
未開島にて岩石怪物ロゴドゴを捕獲。これが金貨500枚もの収入になりました。
宝石島を除くすべての島を巡ったことで、冒険の終了を宣言しても良いタイミングでしたが、ギノク島でのイベントの取りこぼしが気になったため、冒険を続けることに。
そうしたところ、なんと、これまで航海中のイベント表を見落としていたことが判明。
冒険は一気に危険度を増しました。
宝石島の発見。攻撃的な人魚の群れに、小島のトロール原人。
予定の航路を外れ、危機また危機の連続に、主人公パーシヴァルの命は風前の灯。
今回も危機的状況は続きます。
【パーシヴァル 技術点8 体力点2/22 運点8/11】
【持ち物】
剣・背負い袋
金貨104
食料33
●アタック01-8 ギノク島への遠き道のり
【125日目】
マドレーン島に到達し、予定通りワイン樽を購入した俺。
黒真珠も売り払い、所持金は金貨974枚にもなった。
しかしここで、計画の変更を余儀なくされていた。
体力点が、ない。
このままギノク島へ行っても、力尽きるのは目に見えている。
いったん港町ビストフまで戻ろう。
ビストフの宿なら、連泊して体力を回復させることができる。
だが問題は、ビストフに向かう10日間の間にも、イベント表を2回も振らなければならないということだ。
ここまで、困難なアクシデントに見舞われる可能性の方が大きい。
俺は港町ビストフまで、命を繋ぐことができるのだろうか。
【130日目】
さあ、イベント表だ。
おそるおそるサイコロを振る。出目は6。交易船との遭遇だ。
交易品の売買ができるぞ。
取り扱っている品物を、サイコロを振って決める。
すると、ポモドロの実だ。これは、体力を回復する効果がある。
今の俺にはとてもうれしいものだ。5個ほど購入しておいた。
後で思ったんだけど、目的地の港町ビストフで売り払えるのだから、金の許す限り購入しておけばよかった。
【135日目】
港町ビストフは目前だ。
ここでもう一度イベント表を振る。またしても交易船と遭遇。
しかも交易品の品目も、ポモドロの実だった。
もしかして、5日前に出会ったのと同じ船?
目的地は一緒だったってわけだ。
こうして、俺は港町ビストフへと戻ったのだった。
たっぷり3日間休んで体力を回復する。ここでの宿泊は運点も回復できるのがありがたい。
準備が整ったら今度こそ、ギノク島へ向けて出港しよう!
【143日目】
ギノク島へは、マドレーン島を経由して向かう。
ビストフを出航して5日後、まずは1回目の航海中のイベントチェックだ。
出目は8。小島を発見した。船員として雇われている俺は探索を命じられる。
小島……。そこはかとなく既視感が。
たしか小島にはよしお……否、トロール原人がいたような。
しかもトロール原人めっちゃ強くて俺ギリギリ勝ちだったような。
大丈夫。まだそうと決まったわけじゃない。
さらにサイコロを振って、どんな小島なのかが決まるんだからな!
小島よしおとは限らない。こじるりかもしれないわけだし。スナッチャーやポリスノーツを作ったゲームクリエイターかもしれないし。
……結果、そこはトロール原人の島だった。またかよ!
トロール原人は「そんなの関係ねえ!」と叫び向かってきた。戦闘は不可避。またかよ!
技術点が9、体力点も9なトロール原人。
対抗するは、技術点8、体力点20の俺。
苦戦必至!
俺はごくまれに攻撃が命中したチャンスにすかさず運だめしに成功し、トロール原人を倒すことは倒した。
だが、その間に8度もの攻撃を受け、体力点は一気に4点にまで減らされていたのだった。
回復のためにビストフに行った分がほとんど吹っ飛んだ!ww
【148日目】
少し残しておいたポモドロを食べまくって体力点はある程度回復した。
経由地のマドレーン島に行くまでに、もう1回航海中のイベントが起きる。
出目は4。これは遭遇したことがある。風衣の民の群れという危険な出来事だ。
風の精霊のような意思なき精霊の群れ。触れると暴風を巻き起こし、船は確実に難破する。
ここは運だめしで切り抜けられる。確実に成功させなければならない!
ところでさっき、トロール原人との戦いで運だめしを多用したため、俺の運点は9点にまで下がっているんだが。
ドキドキしながらサイコロ2個を振る。
出目は——8!
どうにか成功だ。
風衣の民の群れは船の脇をすり抜けるようにして行ってしまった。
風の精霊のたぐいなんだったら、もうちょっとお茶目でもいいのに。
風が吹くたびにふんどしをちら見せするとか、キザなセリフがあると「クサッ」って言いながら登場するとか、ふんばるときに「ギップリャ!」って声を張り上げるとか、してもいいのよ?
だがこれで、経由地であるマドレーン島へ到着した。
今回目指しているギノク島まで、あと10日の航路だ。
【153日目】
マドレーン島を出航して5日目。小島を発見した。
小島。小島。三度目の小島……。
うん。またなんだ。すまない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でもこの小島を見たとき、俺は、言葉では言い表せない「嫌な予感」みたいなものを感じたと思う。
だが、まだこの島にいるのがトロール原人と決まったわけではない。
さあ、サイコロを振ろうか。
出目は、2。
トロール原人だった。
ゲゲェ! またおまえか、よしお!
また格上相手とタイマンバトルかよ!!
さすがに3度も勝てる気がしない!
と、思っていた時代が俺にもありました。
今度はサイコロの目に恵まれすぎて、体力点13点も残して勝利しちゃった。
ただ、この小島、トロール原人を倒しても何も手に入らないんだよなぁ。
はい。おっぱっぴー。
【158日目】
そろそろ目的地のギノク島が見えてくる頃だ。
そして最後の航海イベントが起きる。
出目は9。
海賊の襲撃だ!!
船内各地で戦いが始まる。
俺にも海賊の一人が襲いかかってくる。
戦わなければ生き残れない。
技術点8、体力点6の海賊を、互角の戦いで下す。
さあ、海賊船の船長を叩くのは、船員兼冒険者の俺の役目だろう。
俺は船長と対峙する。
海賊船の船長 技術点10 体力点7
あ。無理。
絶対無理。
俺の技術点8に対し、1点上の技術点9までなら、サイコロ運が味方につけばなんとかなるかもしれない。
でも、彼我の戦力差2点はダメだ。体力点も、手下との戦いで削れている。勝ち目はない。
ここには、降伏するという選択が残されていた。
俺は、降伏した。
そして、海賊船の捕虜となった。
●アタック01-9 奴隷と傭兵
【178日目】
航海中のイベント表を振り始めたら、いつまで経ってもギノク島にたどり着けない件www
俺は港町ビストフにいた。
奴隷として、売られるためだ。
自由を得るチャンスがあるとしたら、奴隷商に代金を支払い、自分で自分を買い戻すことだけだ。
金ならたくさんある。自分を買い戻すには申し分ない金額を持っている。
ただ普通、捕虜になった段階で金品はすべて海賊に没収されていると思うけど……。
ルール上は没収されていないので、使えるっちゃあ使えるが。
よし。シチュエーションを考えよう。
と、俺は奴隷商のある通りで、見知った顔に出会った。
かつて俺を雇っていた船の船長だ。
そうだった。航海中、俺の金は船長に預けていたんだった。そういうことに今なった。
船長に頼むと、船長は、俺の金で俺を買い戻してくれた。
俺は自由の身になった。
けど船長。アンタだって海賊船に略奪されて、金品、物資根こそぎ奪われていただろうに。
それでも、俺が預けていた金は俺のものとして隠し通し、とっておいてくれていたなんて。
なんて人だ。
俺は感服し、この船長の船に再び乗りたいと思った。
だからもう、トロール原人の住む小島には探索に出さないでね。
【182日目】
4日ほど宿に泊まり、気力と体力の回復を図った。
ゆっくり休みながら、これからどうするかを考える。
航海中のイベントが起きるようになってから、俺の戦闘力では心もとない場面が増えてきた。
これは、そろそろ冒険者を雇うことも考えた方がいい頃合いではないだろうか。
酒場に行こう。るいーださーん。
「誰がほしいというの? 私? それとも愛?」
いえ。冒険者を。
ここでは人を雇うことができる。でも軒並み高い。
序盤では到底無理な金額だ。けど今なら雇える。
誰がほしいか。もちろん戦力の増強だ。
俺は弱い。トロール原人に3回勝てたのはどう考えても奇跡としか言いようがない。
マドレーン諸島に詳しいという女性の狩人ジャクリーヌが売り込みに来たけど、そういった便利キャラに割く余裕はない。
ここで雇えるのは、ジャクリーヌを入れた6人だ。
そのうち戦士は2人。
1人は人間の戦士カスティフ。金貨40枚で雇える。
もう1人はドワーフの戦士スカード。金貨170枚で雇える。
って、なんだこの金額の差は!
そんなにステイタスに違いがあるのか?!
と思ったが、違った。
戦士を雇うことで得られる特典は、俺の技術点が1点上がることだ。
そうやって俺のステイタスにプラスをつけることで、仲間の存在を表現する。
仲間キャラクター全員のステイタスを管理するのは大変だから、うまいやり方だと思う。
なるほど、それで2人の雇い賃に違いがあるのか。
技術点1点の加算は金貨40枚で済むが、さらに1点上げようと思ったら、かかる金額も跳ね上がる、と。
そういう仕組みのための雇い賃の差なのだ。
カスティフとスカードの能力的な違いではなく、ゲームシステム上の都合ってやつだ。
じゃ、2人とも雇おう。なあに、金ならある。
なお、誰かを雇った場合、その人の食料も俺が用意しなければならない。
まとめて買い足しておく。まとめて一気に200食分もあれば足りるだろう。
じゃあ、よろしくカスティフとスカード。略してカスとスカw
さらに、もう1人気になった。
カエル人の盗賊。その名もラナだ。
カエル人でラナっていったら、これもう「宇宙船サジタリウス」だよね。
きっとラザニアが大好物だよね。
だが、ここに登場したラナは女性だった。なんてこった。
でも雇う。金貨25枚だ。
そして盗賊の雇用特典は、運点2点上昇だ。
これにより、俺の修正後の能力値は以下のようになった。
【パーシヴァル 技術点8→10 体力点22 運点11→13】
これで、大抵のモンスターに遅れを取ることはなくなったと見ていいだろう。
運点が13点というのもありがたい。運だめしは本当に重宝しているからな。
これらの一連の準備で、所持金は金貨204枚に減っている。
また、食料は233食分を所持している。
これで準備は整った。
今度こそ改めて、ギノク島を目指して出航だ!
●アタック01-10 漂流伝説マドレーン
もう何度目かになる、目的を改めて確認しよう。
俺は、ギノク島にある見逃しているっぽいイベントを確認することを、冒険の目的としている。
それが達成されたなら、この冒険は一応の区切りだろうと考えている。
ギノク島はキャベツ型の大岩がある島で、キャベツ頭の不思議な住民たちが住んでいる。
基本的には友好的で、交易も可能だ。
そこで、交易関係なしに、贈りものをすることができる。
ワイン樽かシルクを贈った場合、大いに喜ばれ、なにやら特殊な展開が起こりそうだったのだ。
ワイン樽は途中で経由する予定のマドレーン島にて購入する予定だ。
ビストフの港を出航する。いつも目にする、この港町の明るい見開きイラストに心癒される。
ここからマドレーン島経由でギノク島へと向かう。
航海に出ると、5日ごとにサイコロを振り、出目に応じて航海中のランダムイベントが起きる仕組みになっている。
俺が振った出目は2だった。
極端な出目はまずいな。
だいたい、なにか大きめな事件が起きると相場は決まっている。
悪い予感は当たった。
俺たちは、漂流した。
【187日目】
こんなこともあろうかと、食料はたっぷり買い込んでおいた!
ごめん嘘、雇った冒険者さんたちの分。
でも200食分はあるからね。活用させてもらおう。
みんな漂流ばいふぁむ。
この状況から脱却できるか。それは運だめしにかかっている。
毎日1回、運だめしをする。
成功したら、2点加算。失敗したら、1点加算。
こうやって、10点たまったら、切り抜けられるという。
全部成功しても2点ずつだから、5日はかかる計算だ。
しかもこれ、運点の消耗が著しい。今後の冒険に響きそうだ。
そして俺の運点は13点。
高い運点に支えられ、俺たちは5日目にして漂流状態から脱することができた。
運点は8点にまで減ってしまったが。
そしてサイコロを振り、元の島に戻ったか、目的の島に到着できたかを決める。
サイコロを振った結果、目的の島に到着できたようだ。
港町を出航し5日目に漂流し、さらに5日後に目的の島へ到着。
ちなみに港町ビストフからマドレーン島までは10日の航路だ。
つまり、漂流しておきながら最短で到着してしまったことになる。
よほど早い潮の流れにでもつかまったのかもしれない。
【192日目】
マドレーン島ではギノク島への贈り物にするための酒樽を購入し、一泊した。
この宿泊で運点が原点まで回復するのを、俺は見逃さなかった。きゅぴーん。
運点は13点に回復した。漂流だろうが風衣の民の群れだろうが超常現象だろうが、どんとこーい。
【198日目】
マドレーン島からギノク島へと向かう航路の途中。
前はここで海賊船に遭遇したんだよな。
と思ってイベントサイコロ振ったら、今回も出た! 海賊の襲撃だ!
きっと奴ら、このあたりを縄張りにしてるんだな。
「またおまえか。前のように降伏した方が身のためだ」
俺を奴隷にした海賊船の船長が降伏勧告してくる。
そうはいくものか。
今回はこっちも戦士2人を雇って戦力増強したんだ。
ひとりひとりは小さな火だが、ふたり集まれば炎となる。
炎となった戦士たちは、無敵だ!
海戦になった。
俺は2人の戦士、カスティフとスカードと連携しつつ海賊たちを蹴散らし、船長との直接対決にもちこんだ。
船長とは互角の戦いだったが、タフネスさは俺の方がはるかに上だ。
今度は危なげなく勝利をつかむことができた。
「さ、3対1とは卑怯な!」
海賊に言われたかないね。
それに2人の戦士は、もう俺の技術点に吸収されてるんだから仕方ないだろ。
なんなら盗賊のラナも、俺の運点として、戦闘中に運だめしの機会を狙っていたぜ。
こうして俺たちは、海賊の襲撃を退けた!
戦利品として、ワインを一樽と、ナツメグを手に入れた。
金貨に換算すれば100枚分だ。
その5日後、ナツメグを扱う商船に出会い、金の許す限りの交易をした後、船はギノク島へと到着した。
長かった。本当に長い旅路だった。
ギノク島のイベントを見ようと決めたのが95日目。
今は203日目だ。ギノク島へ行くだけで100日超かかっている。
マドレーン海域、前半は楽勝と思っていたが、とんでもない!
想像以上に恐ろしい海域であった!
では次回、いよいよギノク島の特別イベントを体験……! できるのか?
【パーシヴァル 技術点8→10/8→10 体力点2→22→10/22 運点8→13/11→13】
【持ち物】
剣・背負い袋
金貨104→14
食料33→233→173
■登場人物
パーシヴァル 今回の挑戦者。かわいいものには目がない。
ライデン ベテランの物知り船員。その知識の源泉は民明書房かもしれない。
ジャクリーヌ ビストフ港で雇える女性狩人。マドレーン諸島に詳しい。
カスティフ 人間の戦士。金貨40枚で雇える。
スカード ドワーフの戦士。雇うには金貨170枚もかかる。
ラナ カエル人の盗賊。金貨25枚で雇える。
■地名
ビストフ 港町。冒険の出発点。
マドレーン島 マドレーン諸島の交易の中心となる島。ポルルポルルレースがある。
未開島 岩石怪物ロゴドゴが生息している。
屍島 かつての戦争により、アンデッドの巣窟になっている。
極彩島 色とりどりの果実が実る豊かな島。
モネク島 千年樹モネクが生える島。モネクの種の入手には特殊な方法が必要。
ギノク島 キャベツ頭の住民。キャベツ型の岩、キャベツ型の怪物が出る島。
宝石島 航路がないため通常の手段では行けない。海賊ギルガの財宝は、今もあるのか?
■作品情報
作品名:マドレーンの海域
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/3998135
ゲームブック短編集「ハンテッドガーデンハート」に収録されています
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