第2回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「あなたに弟子がやってきた」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフリプレイ「あなたに弟子がやってきた」をお送りしております。 本シナリオは師匠視点のシナリオですが、弟子視点で描いているため、タイトルは内容に合わせて変更しております。 「エメラルド海の探索」の続編にして過去編にあたります。 ハルトは、大ヤギの魔獣から呪いを移され、生死の境をさまよい、ヴァルグに命を救われました。 そこから生きる術を身につけ、今、ヴァルグに弟子入りを志願したところです。 ヴァルグは、ハルトを諦めさせるため、高難度の遺跡調査への同行を課したのですが、果たしてどうなりますか。 過去編ですからもちろん、このあと一緒に旅しているのは前作をお読みの方にはわかっていることですが、その経過も含めて楽しんでください。 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ●04 遺跡入口 「ここだ」 「ギャウ」 オレ、ヴァルグ、火吹き獣は遺跡の入口前に立つ。 ヴァルグの示す「遺跡」は森の奥深くにあった。 それは、石造りのドームのような建造物だった。 半分以上は地面に埋もれ、残りの部分は森に飲み込まれている。 ドームの表面には蔦が絡みつき、刻まれた紋様や文字を隠している。 入口は半分埋もれ、建物の入口というより穴のようになっており、奥は階段状になって地下へと降りていた。 オレ、これからこの穴に入って行くんだ。 こんなの、初めてだ。 タイガと洞窟探検ごっこをしたことはあるけど、ホンモノの洞窟なんて村の近くにはなかった。 ヴァルグの方を見ると、黙ってオレの方を見つめている。 そうか。もう始まってるんだ。 オレはまずなにをしたらいいのか考える。 そうか。明かりだ。 ヴァルグから預かっていたランタンに火を灯すところからだ。 火口箱を使って火を起こすのは問題なかった。 家でもやったことがある。 ランタンの芯にはしっかり灯油がしみ込んでいて、種火を近づけるとすぐに灯った。 「ほう。できるんだな」 ヴァルグが感心したように声を上げる。 「けどな」 ヴァルグは自分のランタンを取り出す。 「ほれ、火」 「ギャウ」 火吹き獣が小さな火を吹き、簡単にランタンに明かりが灯った。 「こうすりゃ楽だ」 「ギャウ」 「なんだよそれ、ずりぃな」 「うっせぇな。便利なモンがあったら使やいいんだ」 さらにヴァルグは、荷物入れから小さな棒のようなものを取り出した。 「こんなのもある。先端に乾燥して固めた火薬がついていて、こすると火がつく。ノームの発明品だ」 「へぇ〜」 オレがどうなるのか興味津々で見ていると、ヴァルグはそれを片づけた。 「見せてくれるんじゃないの?」 「高価な使い捨ての道具だ。お試しに使うなんてできねェよ」 オレは右手にランタンを持つと、遺跡の入口から内部に踏み込んだ。 ●05 初めての魔物 内部は比較的広い空間になっており、一本道で奥へと続いていた。 左右に部屋になっていたらしいアーチがあるが、崩れて埋もれてしまっている。 ランタンの明かりに照らされていない先の方で、ちらちらと光が見えた。 近づくと、光の球がひとつ、ふらふらとおぼつかない感じで漂っている。 なんだろ、これ。 「クリーチャーだ。気をつけろよ」 これが……魔物なの? 魔物っていったら、ゴブリンとか狼みたいなのを想像してた。 こんなのもいるんだ。 でも、これはオレの力を示すチャンスだ。 オレはハンマーを手に取り、呪われた方の腕で光の球めがけてなぐりつけた。 「あっバカッ」 ふらふらと当てづらい標的にも、一撃で当てられるところを見せてやる。 ばしゅん。 「よけろ!!」 ハンマーが当たった瞬間、光の球が爆ぜた。 オレはとっさに体を低くし、左腕で顔をかばった。 ギリギリでかわせた。ヴァルグの警告がなければ反応できなかった。 「目は! 目ェ閉じてたか?!」 「え? う、うん。腕で守ったから……」 ヴァルグにすごい勢いで詰められ、オレは戸惑う。 「アレに目ェ焼かれると取り返しがつかねェからな」 オレが無事とわかると、ヴァルグは心底ほっとした様子を見せた。 そして次の瞬間、思いっきり怒鳴りつけられた。 「こンのバカ野郎。やみくもに手ェ出すヤツがいるか!」 光球は接触すると爆ぜるから、可能な限り遠くから倒すのが基本だという。 オレに知識がないのはわかってるから先走るなと、かなりキツく言われた。 「探索に必要なンは無謀でも無鉄砲でもねェ」 ヴァルグは、およそヴァルグのイメージからかけ離れたことを言っていた。 「にしても光球か。だとしたらここにはノードがある可能性が高い。当たりかもしれねェな」 ノード? 聞きなれない言葉だった。 「ノードを知らんか。魔力のたまり場のことだ。遺跡調査の目的は、ノードの存在を確認すること。あの光球はノードがあるところに発生すると言われているからな」 ●06 初めての宝箱 遺跡内部の空間を進む。 左右にあるアーチの奥はほとんど崩れていたが、ひとつ、奥に光が届かないところがあった。 ランタンを照らしてみると、そこは崩れずに残っている部屋だった。 片隅に、蓋の閉じた大きな箱が置かれている。 中心には金具と、大きな鍵穴がついている。 なにか大事なものが保管されていたんだろうか。 部屋に入る。 箱に手を出そうとして、ヴァルグに止められた。 「まあ待て。ここは俺がやろう」 ヴァルグによれば、侵入者対策になんらかの罠がしかけられているのは珍しくないという。 オレはそういう知識はまったくないから、しかけを外すことなんてできない。 まずは見て覚えろ、と言われた。 ヴァルグは箱を注意深く観察する。剣で強めにつついたりしている。 「ちょっとそこ、どいてろ」 ヴァルグはオレを箱の正面から移動させる。 すると、鍵穴を金具ごと、がつんと豪快に叩き壊した。 その瞬間、鍵穴から太い針が飛び出し、さっきまでオレが立っていたところを通過していった。 「やっぱりな」 ヴァルグが予想通りといった様子で大きくうなずいた。 「うかつに鍵穴を覗こうものなら、今の針にやられるやつだ」 ワナを警戒して詳しく調べようとして、逆にやられてしまうこともあるという。 「あとな、箱をむやみにぶっ壊すと爆発するようなヤツもあるからな」 え。今ヴァルグぶっ壊してたよね。 どうやって見分けてるの? 「なんとかくわかンだろ?」 わかんないよ! 箱を開ける。中身は空だった。 あ、違う。底に金貨を発見した。それも、一枚だけ。 一枚だけ? 「チッ。ハズレか。ま、そういうこともあらァ」 ヴァルグはそんな感じで気にした様子もない。 「え? おかしくない? ワナしかけてるのに金貨一枚って」 「宝があると見せかけて、よくばりをワナにハメようとしてんだ。おかしくねェだろ」 「だったら中身カラッポでいいだろ? なんで金貨一枚なんて入れとくんだよ」 「あー……」 ヴァルグが返答に窮した。 でも、そうだろ? 金貨一枚って、普通に生活してればまあまあいろいろ買える金額だし。 「ワナを突破したヤツへのご褒美とかか? 治療費かもしれん」 ヴァルグがまぬけなことを言い出したので、オレは思わず笑ってしまった。 「何がおかしい! ンなことよりワナの見破り方や外し方を覚えとけよ!!」 ヴァルグの声が大きくなった。照れ隠しかな。 でも、ワナの発見は勘だし、ワナごと叩き壊してるんだから、まったく参考にならないよ。 爆発と針のワナの区別だってわかんないし。 オレが覚えたのは、「宝箱にはワナがある」ってだけだった。 ●07 初めての隠し通路 やがて通路は少し大きな部屋で行き止まった。 中央に巨大な石碑が建てられている。 石碑には、なにやら碑文が刻まれている。 これ、なんて書いてあるんだろう? 村育ちのオレは、文字に接する機会なんてほとんどなかった。 でも、この文字は、この文字だけは、はっきりと読むことができる。 「神に……祈りを捧げる……場所」 「ほう、読めるのか」 ヴァルグが感心した風に声を上げた。 「古い文法に今じゃ使われていない単語。俺にも手こずるものを」 村にこれに似たものがあった。 そこに書かれていたものと同じ。だから読めるんだ。 なんでだろ。村がこの遺跡と関係あるのかな? 「祈りを捧げる、か。やってみるか? 無駄かもしれんが」 ヴァルグがそんなことを言った。 呪いを解いてくださいって神さまにお祈りするってことか。 「祈り方なんてわかんないよ」 「ンなもんテキトーでいいだろ」 オレは、石碑に向かって祈りを捧げてみた。 しかし、なにも起きなかった。 ヴァルグは提案しておきながら、オレが祈りを捧げているのに興味を示さず、部屋の隅々まで調査をしている。 「なにやってるの?」 「目的のモノが見つかってねェ。まだこの先があるはずなんだ」 ヴァルグは、この先にも遺跡が続いていると見込んでいた。 オレも一緒に探す。けれど、なにも見つからなかった。 「奥に行く道は、これまでに崩れてた場所のどっかだったんじゃ?」 そんなことを言いながらヴァルグを見ると、彼は床の一点を注意深く見つめていた。 「そこか」 顎をくいっとやって示す。 注意深く見ると、そこの床だけ、やけにきれいだ。 ヴァルグが床を指でなぞりながら、隠された扉の形を暴いていく。 「お。あったぞ」 そして取っ手を見つけると、引き上げた。 暗く湿った入口と下り階段が見え、同時にひんやりとした空気が流れてきた。 じゃあ、まだ探索は続くんだ。 ここまではぜんぜんいいとこ見せられなかった。次こそは、ちゃんとできるってとこを見せてやる。 オレがそう決意する一方で、ヴァルグは眉間にシワを寄せていた。 「ここだけホコリがなかった……あんまりいい事態じゃないかもしれねェな」 そんなことをつぶやきながら、階段を下りていく。 「ギャウ」 火吹き獣が一声鳴くと、その後についていく。 「早く来て前を照らせ。見えないだろうが」 「あ、うん」 オレも慌てて後を追った。 次回、遺跡の最深部に目的のものはあるのか? [プレイログ] 【入口】 ランタンの火を起こす場面はオリジナル展開です。 【31 光球】 【光球 レベル3】死ぬまで戦う ・出現数1d6-1(最低1体)→1体出現 ・このクリーチャーは衝撃を受けるとスパークして魔力をまき散らしてきます。倒した時点で【幸運ロール:目標値3】をし、失敗したら生命点に1点のダメージを負います。 【1ラウンド】 ・ハルトの攻撃が命中。幸運ロールもサイコロの出目5で成功しました。ヴァルグの警告によってギリギリかわしたという演出にしました。 【21 トラップの仕掛けられた宝箱】 ・師匠キャラが【器用ロール:目標値4】でワナの解除を試みます。 ・ヴァルグはサイコロの出目5で成功。しかし宝物斑点の出目が奮わず、得られたものは金貨1枚だけでした。 【13 屹立する石碑】 ・部屋の真ん中に巨大な石碑が建てられています。碑文を読めるか、弟子が【判定ロール:目標値6】を行います。 ・ハルトはサイコロの出目5に技量点を加え成功。 ・成功したので、最終イベント内の判定ロールにて、「プラス1」の効果が得られます。 ・作劇の都合上、次の「中間イベント」と同じ場所の出来事にしました。 【中間イベント:隠し扉】 ・行き止まりの部屋で隠し扉を探します。弟子が【判定ロール:目標値5】で判定し、失敗したら師匠が見つけるという流れです。 ・ハルトのサイコロの出目は1でファンブル。完全に失敗です。そのため、ヴァルグが隠し扉を発見しました。 ■ステイタス 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ■登場人物 ヴァルグ 冒険者。依頼を受けて遺跡調査に来たところ、偶然瀕死のハルトを発見した。 ハルト 大ヤギの魔獣の黒角にやられ、崖下に転落したところをヴァルグに助けられた。左腕に厄介な呪いを受けている。 タイガ ハルトの弟。大ヤギの魔獣の出現の恐怖で動けなくなった。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 著者:東洋夏 イラスト:骨盤 編集:緋色朱音 発行者:東洋夏 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 冊子版 ローグライクハーフ個人製作シナリオ集『主人公は一日にして成らず』 https://booth.pm/ja/items/8063646 ※本作品が収録されています。 ネット閲覧可 ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 https://talto.cc/projects/FoEKXdyD2KdpaLHU1_siE 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年9月30日水曜日
2026年9月29日火曜日
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第52回 FT新聞 No.4997
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第52回 「ダンジョン」 (中山将平) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ おはようございます。 イラストレーターの中山将平です。 僕ら10月17日(土)と18日(日)の両日、「ゲームマーケット2026秋」にサークル参加します。 配置は【S006】です。 現地には僕も行く予定ですので、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて、今日は冒険の舞台として好まれるあの場所……ダンジョンについてお話したいと思います。 これを読んでくださっているあなたは、もしかしてダンジョンがお好きではないでしょうか。 僕は大好きです。 それはそうとして、まずはなぜこれをテーマにもってきたのかという点から始めましょう。 ◆ ダンジョンは、なぜ好まれるのか ダンジョンについて語りたい理由。 それは、一にも二にも「ダンジョンが舞台の冒険は好まれやすい」という個人的な実感があるためです。 もしファンタジー作品を創作したいと考えられている方がいる場合、その舞台として「ダンジョン」はかなり強力な選択肢となるはずです。 実際、「〜の迷宮」や「〜の地下ダンジョン」というタイトルの作品って、手に取りたくなる方も多いのではないでしょうか。 実は長年、そういう作品が持つ謎の「ワクワク感」について、正体は何だろうと考えていました。 作品を作るうち、自分の中で一種の答えが固まってきたので、今日はそれをお伝えしたいと思います。 「僕が考えたこと」がどなたかのお役に立つ機会があれば幸いです。 さて、お伝えしたいその「答え」を、2つのシンプルな言葉にまとめてみました。 いきなり結論を申し上げると、「分かりやすさ」と「閉塞感」の2つです。 ただ、まとめた言葉ではやはり意図が抜け落ちますね。 具体的にそれぞれを見ていきましょう。 ◆ 分かりやすさ 一つ目の理由である「分かりやすさ」について触れてみます。 お伝えしたい「分かりやすさ」とは、「舞台として何が用意されている場所か分かりやすい」という意味ではありません。 「作品の楽しさが一目で分かりやすい」というお話です。 例えば舞台が「森」である場合、確かにテーマとしては分かりやすいのですが、その作品の面白さを伝えるという点ではダンジョンほど強くないと感じます。 それは、「森」をどのような舞台として描いてある作品なのか、更に情報を追加する必要があると感じるためです。 じめじめしていて、昼なお暗い「魔女が住んでいそうな、西洋の怖い森」なのか、エルフが集落を築いていると噂される神秘的な森なのか。 危険な場所なのか、不思議な場所なのか。 そもそもそれはホラーなのか、ファンタジーなのか、現代ものなのか。 その点で、ダンジョンという舞台は「未知の空間で、いかなる脅威も現れうる」「ファンタジー作品の舞台である」と明確に伝わる度合いが高いのではないでしょうか。 主人公たちは半ば自動的に「ファンタジー世界における冒険者であり、探索者でもある」という前提に立ちますし、「未知の脅威にドキドキしながら対処していく」という物語の筋すらも見えてくるように感じます。 今年既に30日以上同人誌やアナログゲームの即売会の売り場に立ってきた経験から、この「分かりやすさ」がどの程度「作品の魅力」にとって影響の大きいものなのか、痛いほど感じています。 正直、分かりやすさというのは面白さや感動よりも重要なものなのではないでしょうか。 どれほど素晴らしい作品も、読んでもらえないとその「真の良さ」は伝わりようがありません。 「分かりやすさ」は、作品を読む動機となりうるものです。 ◆ 閉塞感 もう一つの理由である「閉塞感」について、続いてお話ししましょう。 これは、単純に「閉じた空間なので進む方向の選択肢がはっきりしている」というお話です。 選択肢がはっきりしているということは、物語の筋や主人公の心情・キャラクター性が浮き彫りになることでもあるのではないでしょうか。 ある意味これも、分かりやすさの一種と感じています。 ちなみに、この「閉塞感」は「予測不能な脅威に対して逃げ道が少ない」という意味でドキドキ感を引き立てるものでもあるように思います。 ◆ まとめ 長々と書いてみましたが、ダンジョンがとにかく好きなので書いてみた文章だといえるかもしれません。 (既にシナリオの作成は完了している)僕自身の創作作品、カエル人の冒険の第一話も、舞台はダンジョンとしました。 僕自身、おおいに魅力を表現したいと思います。 では、今日はそろそろこのあたりで。 よきファンタジー・ライフを。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月28日月曜日
☆アランツァへのいざない☆ 補足回 FT新聞 No.4996
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の最新作「ガルアーダの塔」の通販サイトが開かれました! 正式な刊行日は10月17日(土)です……ゲームマーケット2026秋「S-006」にてお披露目となります! 価格をいつもどおりに収められなくて申し訳ないです……内容でお応えできればと考えております。 今回はB5版134ページで、通常サプリメントの2.5倍にまで文量が達しました。 イラストは50点。すべてカワラベ先生によるものです☆ ↓『ガルアーダの塔』ローグライクハーフ版はこちら! https://ftbooks.booth.pm/items/8752965 ◆コメントを、ひとつ。 だいぶ前の記事の話ですが、「アランツァへのいざない」の記事で、アランツァ世界の男女には性差が小さい、という話を書きました。 この記事を読まれたとき、これがとても「現代風」で、配慮に富んだ姿勢であるという解釈をされたかもしれません。 実を言いますと、この事実を定めたのは最近ではなく、コンプライアンスや多様性の追求が原因/目的でもありません。 今から5年ほど前、私はFT書房から刊行するTRPGをこしらえるために、苦闘の日々を過ごしておりました。 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の前に、「60ミニッツオブサバイバル(SoS)」「パイレーツオブエメラルドシー」「アランツァTRPG」など、合計4作品を作り、ボツにしてきたわけですけども。 FT書房の共通世界である「アランツァ」を舞台にしたTRPG「アランツァTRPG」のキャラクター作成部分を、あるメンバーに確認してもらっている際に、言われたのです。 「アランツァの世界では男性に筋力があり、女性に魔法の才があるって、ハッキリと決まっているんですね。でも、私は男性の魔法使いを創りたいんだけどなぁ」 この言葉をキッカケに、私は色んなことを検討しはじめました。 ◆なぜ、そうしたか。 「アランツァTRPG」で私が「女性のキャラクター」に対して優遇したのは、1点の能力値でした。 確率でいうと、5%ぐらいのイメージです。 どうしてそうしたかというと、アランツァ世界には、「戦士は男性が多めで、魔法使い(僧侶や魔術師)は女性が多めである」という事実があるからです。 プレイヤーキャラクターを「アランツァ世界の一部」として捉えるとき、同じような傾斜が生まれるように、ルール部分に傾斜をつけたかったわけです☆ 「男性の冒険者は筋力(戦士に必要な能力)に恵まれていて、女性のキャラクターは魅力(僧侶に必要な能力)に恵まれている」という設定も、感覚的に自然であると感じました。 しかし……です。 ◆「設定」という名の「檻」。 その後、私はテストプレイならぬテストビルドとして、10人のテストプレイヤーに、キャラクターを作ってもらいました。 するとですね、魔法使い(魔術師や僧侶)はすべて女性となり、肉体系職業(戦士や盗賊)はすべて男性となる、という結果になったのです。 どうしてそうなったのか、私は思案しました。 これは極端な、偏りのある結果だったのでしょうか? キャラクターを作成する際、私は通常、「最も強いキャラクターのビルド方法」を下調べします。 これは、基本的にTRPGが、複数のプレイヤーで遊ぶことを前提としているからです。 最強のキャラクターで遊びたいからではなく、他のプレイヤーの足を引っ張ることになるのがこわいから、十分な強さのあるキャラクターを作りたいのです。 また、テストビルドに参加してくれたプレイヤーに尋ねたところ、こういう答えをもらいました。 「明確に得なほうがあればそちらを選ぶし、それに逆らって役に立たないキャラクターを作るのもこわい。セッションの間じゅうヒマになってしまうのはイヤだ」 このテストビルダーの意見は、私と言い方は異なるものの、根本にあるのは私と同じだと受け止めました。 この件を通じて、能力によって「世界観に沿った傾斜」を与えようという試みは、機能しない可能性が十分にあると感じました。 それがたった1%の差であっても、有利は有利なわけで……プレイヤーからしたらそちらを「選ばない理由がない」のです。 ◆なら、どうするの? 実を言いますと「アランツァTRPG」では、この他にも「有利と不利」がいくつかありました。 年齢が若ければ肉体的に有利ですし、歳を重ねていれば知識量として有利です。 ドワーフは戦いに有利で、エルフは魔法を使う存在として有利です。 その結果、戦士系のキャラクターは若いドワーフの男、魔法使い系のキャラクターは歳老いたエルフの女性ばかりという、極端な偏りが起こってしまいました。 これは違うな……そう感じました。 それで、「ローグライクハーフ」では「すべてを自由にしよう」と決めました。 「ルールを最軽量にする」という方針が決まっていたこともあって、どんな種族/性別/年齢であっても、能力値等に一切の影響はないと定めたのです。 定めてみて、「これはとてもいいな」と感じました。 私がTRPGのキャラクタービルドで大事にしてほしいのは「自分が望むキャラクターを作って、楽しく遊ぶ」ことだからです。 ◆TRPG「らしさ」をどう受け止める? TRPGのキャラクターが、たとえばある程度の年齢だとして、「若い頃のようには動けない」というルールは、あっていいものかもしれません。 しかし、そのような実装は寡聞にして聞いたことがありません。 あるかもしれませんが、多くのTRPGでは採用されていません。 それはおそらく、そうしたルールが生む能力値への変化が、プレイヤーにとってあまりにも大きな影響を与えるからだと、私は結論づけました。 ほんの小さな違いでも、それは大きな「束縛」となるのです。 これは、私の望むところではありません。 プレイヤーは自由にキャラクターをデザインしていいし、できるべきなのです。 世界を表現する大枠として何を省き、何を残すのか。 私は「ロールプレイングゲーム(役割を演じるゲーム)」であるTRPGには、【職業】だけがあればいいと考えて、「ローグライクハーフ」を作りました。 もちろん、これが唯一の答えだとは思いません。 ファンタジーの文脈からすれば「種族」を省くのはかなりの勇気が要りました。 ほとんどのオールドスクールファンタジーでは、種族を選べるようになっています。 後に【悪の種族】をプレイできる「ヒーローズオブダークネス」を作ってしまいもしました。 しかし、それを【悪の種族】限定にした(【善の種族】によるオプションルールは作らなかった)のは、種族がプレイ上の制約=能力値的な有利不利を生むことが、少なくとも「ローグライクハーフ」が目指す遊び方と異なっていると感じたからです。 「役割を遊ぶ」というシンプルさが、「ローグライクハーフ」の目指すところです。 ◆まとめ。 そのような理由から、私は「アランツァ」における冒険者は、役割以外の影響を受けることが基本的にないという設定を置くようになりました。 性差だけでなく、年齢における有利不利もないという設定があります。 現役でいられる以上は、どの冒険者も十分に強いと考えています。 種族に関しても、たとえば、「エルフの里で暮らすエルフ」と「冒険者としてのエルフ」の間に線を引いて考えています。 全体としてアランツァ世界の冒険者は都会的な感覚を持っていて、結果的にそれは、たとえばエルフが持つ神秘性のようなものとの距離が存在することを意味しています。 だから、プレイヤーが【善の種族】からエルフやドワーフやコビットやノーム(ときにはもっとかけ離れた種族でも)を選んだとしても、それは自由であり……ゲームに影響を与えません。 今回はそのあたりで。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月27日日曜日
Re:アランツァワールドガイドVol.12 蛮族都市フーウェイ FT新聞 No.4995
おはようございます、編集長の水波流です。 10月第1日曜は、私の新作d33シナリオ『蟲宿り』を配信いたします。 そこで本日はその舞台となる「アランツァワールドガイド『蛮族都市フーウェイ』を再配信。 今回のシナリオは、フーウェイの蛮族の中でも少数氏族にスポットを当てた物語となります。 氏族ごとに文化や考え方には違いがあり、相手の全てを認めるわけではない。しかしお互いを尊重し、共存しているという蛮族社会をもう少し掘り下げていければと思っています。 シナリオ配信まで、ワールドガイドでぜひフーウェイの雰囲気を感じて頂ければ幸いです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 日差しは決して弱くはないが、雪が深く、しばしば吹雪になる。 ラクダ人であるカメル教授が蛮族都市フーウェイにたどり着いたのは、冬のはじまりの頃だった。 カメル・グラント教授はいま、この大陸を旅してまわっている。 混沌都市ゴーブの城塞めいた堅牢な街壁を見た後であったため、木材でできたこの街の壁はいささか頼りないもののように見えた。 ◆街門にて。 狼にも似た〈魔犬獣〉の毛皮をまとった衛兵たちが、カメル・グラントの都市通行証をいぶかしげに眺めている。 外の世界から人が来るのは珍しいことではない。 北の端にあるとはいえ、フーウェイは街である。 しかし、文字が読めない兵士たちには、通行証が本物かどうか、このラクダの獣人を通していいかどうかを、確信をもって判断できないのだ。 結局、兵士たちのリーダーがカメルを通すことに決める。 紳士的なカメルの態度は彼らの価値観にそぐう「立派な大人」ではないが、危険を感じる存在という結論には至らなかったらしい。 ◆トレント材の街壁。 門をくぐりながら、珍しい街壁の素材をまじまじと眺める。 衛兵の1人が「トレント材だ」と、いささか誇らしげにつぶやく。 この街の主な外敵のひとつは、動きまわる大きな樹木、〈トレント〉と呼ばれるクリーチャーである。 このクリーチャーから採れたもの(特にトレント樫)を使っているのであれば、石にも似た堅さと燃えづらさを持った街壁といえよう。 しかし……と、カメルは街壁を見渡しながら思う。 街をぐるりと囲む、高い城壁。 そのすべてがトレント樫を素材としているのなら……この街はどれだけの歳月を〈トレント〉たちとの対決に費やし、彼らを狩ってきたのだろう? ◆毛皮でつながった家々。 街といっても大きくはない。 家々は何軒かごとにまとまっており、壁の一部を共有している。 氏族ごとにまとまって生活しているのだ。 壁がつながっているのは、こうすることで暖房の熱が壁づたいに伝わりあい、冬の寒さを軽減する工夫である。 屋根の部分には、木材の上に毛皮が使われている。 つながった家々と毛皮の屋根……火事に弱そうだなと、カメルは思った。 ◆想像と異なる人々。 そうはいっても、フーウェイは街である。小さな蛮族の集落とは違う。 「外の人間」との交流はあるし、店屋も開いている。 カメルはメイン通りを歩き、開いている何軒かの店のひとつに入ってみる。 店とはいっても丸太を切って造った小さな家で、床はなくむき出しの地面だが……店屋は店屋である。 汚れた毛皮をはおった店主が、切株を引っこ抜いただけの椅子に座っている。 暗い店内には食料と毛皮などの生活必需品が並んでいる。 別の店に入ってみる。 店がまえに大きな違いはないが、店内には木の枠でピンと張った状態の脱脂した皮や、緑のにおいが残った樹木の幹が転がっている。 〈魔犬獣〉の皮だと、ひと目で分かる。 魔獣皮革だ。 ◆魔獣皮革。 〈魔犬獣〉の外見は狼に似ている。大きさもそう変わらない。 発達した犬歯をもち、知能が高い。 {ルビ:よつあし}四足の生きものだが、文化を持つひとつの「種族」である。 掟に従って行動し、契約を守る。 堕落都市ネルドでは、いち市民として街を歩いていたのを覚えている。 それが、皮だけになって、地面がむき出しの店の片隅に転がっているのである。 形容しがたい感情が心を駆けめぐって、カメルはしばしその場にたたずむ。 〈魔犬獣〉や、魔獣と呼ばれる強力な獣たちの皮をはがしてなめすと、魔獣皮革と呼ばれる素材になる。 これが使われている製品は、いわゆる「上モノ」である。 高級品の部類として扱われる、頑丈で長持ちする優秀な製品である。 ◆街を歩く人々。 街を歩きながら、目に入る人々をそれとなく観察する。 武器を持った人々が、他の街よりもずっと多い。 皮を使った簡素な衣服をまとい、上半身は裸である。 その上半身には、いろいろな{ルビ:タトゥー}刺青が彫られている。 フーウェイの戦士は、あまり鎧を着ない。 その主な理由は、彼らが持つ「鉄」の力があまり強くないからだと言われている。 領土からはあまり鉄が採れないため、鉄は主に泥炭を燃やすことで獲得される。 ウイスキーの香りつけにも使われるこの泥炭だが、そこから作られる武器は端的に言ってもろく、いい武器とは言えない。 そこで、鎧の代わりに発達したのが刺青文化である。 力のある彫り師が入れた刺青には、彼らが信仰する「獅子顔のセリオン」こと獣神セリオンの力が宿ると考えられている。 しかし、その力を発現するには、自らの肌を露出し、外気にさらさなければならない。 だから、彼らは鎧を脱ぎ捨てて戦うのだ。 そのさまを見た「外の人間」は、彼らを蛮勇の持ち主であるとみなした。 彼らのほうも、それを強く否定をすることはなかった。 そんな風に、カメルは推察した。 ◆集団での営み。 街の中央に大きな広場があり、外から来た人々が泊まる宿の他に、石造りの大きな建物がそこに面している。 石の建造物には大きなアーチ型の扉がある……そこは開いていて、中を覗くことができる。 そこでは女性たちが、{ルビ:はたお}機織りをし、動物の皮を縫っている。 男性が集団で狩りを行うように、女性はひとつの大きな建物にまとまって、仕事をする。 それがフーウェイの流儀なのだと、聞いたことがある。 カメルは集団をつぶさに観察する。 女性のなかに男性が少し、混じっている。 これもフーウェイの特徴である。 フーウェイの民は成人するときに、「男」になるか「女」になるかを自分の意思で選ぶ。 「男」「女」という訳がそのまま当てはまるかは言語学的に難しいところだが、勇敢さに自信を持てない男性は、女性とともに手仕事をする人生を選ぶのだ。 「女」の仕事には、他の街であれば男仕事と呼ばれるようなものも含まれる。武器づくりのような鍛治や、荷物の上げ下ろし。 「男」の仕事と呼ばれるものは、命の危険があるものを指しているように見える。狩り。戦い。護衛。冒険者。 「女」であることを選んだ男性は伴侶を見つける上で不利になりそうなものだが、実際にはそこまでの差はない。 女性たちに混じって仕事をするぶん、仲良くなりやすいのだろうか。 ◆フーウェイの収穫人。 広場に目を戻すと、狩りから帰ってきたであろう集団が目に入る。 街の衛兵たちの格好と少し異なる、自然に似た服を着た集団だ。 森のなかに溶け込むための服装というのか……上半身は濃い緑色、下半身は茶色の服を着ている。 木の棒を組んで造ったそりに、大きな樹の幹を載せている。 そりで引かれている樹が、うめくような低い声をあげる。 〈トレント〉だ! 地鳴りのようなその声を聞いても、フーウェイの人々は振り返りもしない。 彼らは〈フーウェイの収穫人〉と呼ばれる集団だ。 太古の森から押し寄せてくる「動く植物」と戦い、トレントの身体を生活の糧とする。 〈魔犬獣〉や、ときどき出現する〈巨人〉のような【巨大生物】と戦うための戦士集団とは別に形成された、対植物の専門家である。 フードを目深にかぶり、彼らは他者と目を合わさない。 誰も口をきかず、2人で使う大型のノコギリで、〈トレント〉の身体を寸断していく。 カメルはその手ぎわをしばらく眺めた後に、広場から離れることにした。 ◆家畜厩舎。 朝のうちに門をくぐったカメルは、広場で少し時間を費やした後に、反対側の街壁まで歩く。 フーウェイはそれほど大きな街ではない。 街の東の端にたどり着いたのは昼すぎで、厩舎めいた建物がいくつか見える。 馬を飼っている厩舎の横に、奇妙なものが見えた。 鎖でつながれた「切株」が、牧草地に放置されているのだ。 足を止めてよく見ると、切株は少しずつ動いている。 なんだこれは? ピッチフォークで馬のエサを持ち上げている男を呼び止めて、カメルは尋ねる。 「〈切株トレント〉だよ。〈トレント〉を倒した後で完全に死んでいなかったら、俺らはその身体の根っこを残して、上の部分を切り落とす」 男が言うには、数分の1のサイズになった〈トレント〉は知能が下がり、従順になるのだという。 「すると、根だけになっても、すぐには死なないで何年か生きる。だんだん枯れて、しまいには死んじまうが、それまでは役に立つってわけよ」 男に礼を言って、カメルはもう少し奥まで歩く。 そこにも厩舎がある。 【騎乗生物】を飼っているのだろう……そう思ったカメルは、確認のつもりでその屋根の下を確認した。 ◆奴隷厩舎。 それが何なのかを理解するのに、少し時間がかかった。 屋根の下の暗い部分で、何かが動いている。 黒い肌の人間型生物。エルフのように耳が尖っていて、エルフよりもずっと目つきが悪い。 闇エルフだ! ここは奴隷厩舎なのだ。 ここフーウェイの北西部には「太古の森」と呼ばれる、古い時代から続く森がある。 そこには「動く植物」トレントの他に、邪神を信仰するエルフである闇エルフたちが生息している。 生きたまま捕まった闇エルフは【捕虜】として生かされ、奴隷として飼われるのだ。 カメルは来た道を急ぎ戻る。 先ほどの男が、しかめ面で立っている。 カメルからすると、彼が何も言わないので奥へと進んだのだが……男のほうは単に自分の馬のほうに気がいっていただけだったらしい。 あまりいい行動ではなかったようだ……カメルは軽率な行動を謝ると、足早に「牧場」をあとにする。 ◆仕事の後に。 引き返して宿に着くまでに、少しずつあたりが暗くなる。 夜空に星が見える頃、先ほどの石造りの建物の前にやってくる。 カメルの宿に面した広場である。 女性たちの集団が、建物の前の広場に出ている。 広場の中心で焚き火をたき、1人が月に似た楽器(ムーンハープというらしい)を弾いている。 静かな声で残りの女性たちが歌いながら、空へと昇っていく煙を眺めている。 広場に続く道から、男たちの太い歌声が呼応するように返ってくる。 日暮れとともに、狩りから戻ってきたのだろう。 枝にくくりつけられた数匹の〈魔犬獣〉を、皆でかついでいる。 今日の狩り──あるいは戦いと言ったほうがいいのだろうか──は、上々の首尾だったらしい。 宿に入り、2階の個室に上がっても、その心地よい音楽は鳴り続けていた。 カメルはその旋律と歌声を、焚き火の前で笑い合う人々を、部屋の窓からずっと眺めていた。 ◆その他の話。 毛皮などの動物素材と石材を中心とした独自の文化は、より南方の都市民に「野蛮」との印象を与え、未開の部族のように思われることもある。 しかしながら、実際の彼らは(我々の基準とは違うものの)おしゃれ好きで、戦闘や鍛冶のみならず、航海術や占星術に発達した洗練された部族である。 彼らは集団で行動するが、それはひとつには厳しい寒冷地方に住んでいるためである。 日中の燃料消費を抑えるための最適な方法は、個別に暮らさないことだ。 街にはいくつかの部族がまとまって暮らしている。 とはいえ、そのすべてが集団行動を行うわけではない点にも注意が必要だ。 店を営む者や、少人数で行う仕事をなりわいとする者たちもいるのである。 ◆北方の2つの街。 エドワルド・フォン・ハルト3世は「ドラゴンごろし」の異名を持つエドワルド・フォン・ハルト1世の孫である。 しかしながら、フーウェイの統治は世襲ではない。 1世が実力でこの街のリーダー(「長」と呼ばれる)の地位を勝ち取ったように、3世もまた戦いのなかで周囲に認められ、長となった。 フーウェイのなかでも彼らハルトの一族は代々、特に武勇に秀でていた。 エドワルド1世がこの街の長となるずっと前に、彼の先祖の一部はフーウェイの街を出て、危険なスォードヘイルの雪山を越え、新たな街をつくった。 街は北方都市サン・サレンと呼ばれた。 サン・サレンは「聖なるサレン」という意味であり、サレンという名称は彼らが信仰する獅子の顔を持つ神、獣神セリオンを由来とすると言われている。 ◆旅は続く。 翌朝早くにカメルは街を出る。 西の端にあるハルト川に面した港から、船旅をはじめるのだ。 盗賊都市ネグラレーナへと向けて。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月26日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第711号 FT新聞 No.4994
From:水波流 長らく途中脱落していたハリーポッターの小説をちゃんと読み通すべく、いま第5部まで読了。 「これどこで出てきた誰だっけ?」と思って登場人物名でうっかりググると、最終巻までにその人物に起こる出来事が目に入ってしまうので、なかなか難しい。 From:葉山海月 先週の答え 「けものへん」に「おう」で「狂」という漢字が出てくるペンネーム。 この辺の遊び心というか筋の通し方に敗北! From:中山将平 10月4日(日)、僕ら「ボドゲガレージダンジョン2026秋」というイベントにサークル参加します。 開催地は『東京たま未来メッセ3階(八王子駅前)』 配置は【E26】です。 お近くの方、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (く)=くろやなぎ (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■9/20(日)~9/25(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年9月20日(日)天狗ろむ FT新聞 No.4988 ローグライクハーフシナリオソムリエ その8『踊る二枚貝』 ・編集部員・天狗ろむがお送りする、個人制作シナリオ紹介の第8弾をお届けしました。 ローグライクハーフのd66シナリオなどは基本3回まで遊べるデザインが多く、この時点で既にキャンペーンのような遊び方が出来ますが、今回のシナリオは明確にキャンペーンシナリオとして作られた中の1つです! 是非この『踊る二枚貝』を含めて、全部楽しんでみてください。 今回の話では、トラップまみれの洋館で盗まれた至宝の探す事になりますが……果たして無事に取り戻せるでしょうか! プレイ報告やご感想、そしてシナリオ紹介記事の寄稿はいつでもお待ちしております〜! (天) 2026年9月21日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4989 アランツァへのいざない 移動集落もっさもさの話 ・FT書房代表の杉本=ヨハネ氏による月曜の記事、今週は謎のクリーチャー〈もっさもさ〉のご紹介でした。 クリーチャーとしてのステータスやおおまかな生態については、これまで「アランツァクリーチャー事典」や「オレニアックス生物学」でも明らかにされてきましたが、今回はさらにその来歴や住民(?)などについて深掘りします。 魔法都市/天空都市ジョルクという気になる固有名詞も登場し、ますますアランツァ世界への興味が深まりますね! (く) 2026年9月22日(火)かなでひびき FT新聞 No.4990 これはゲームブックなのですか!? vol.139 ・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。 今回紹介する作品は『ドラゴンの洞窟』(J・H・ブレナン著 大久保寛訳)! ゲームブックブームの原点というべき、昭和六十年発行の「ドラゴン・ファンタジー」(「グレイルクエスト」)シリーズ第二作。 お話は、大魔術師マーリンが読者のあなたに「電話」しているシーンから始まる。 が、法螺貝に向けて話しかけているので、周囲からは「ついにイッちゃったか!?」と思われているマーリン……弁明によると「この時代は電話機が発明されてなかったから」 冒頭から、このユーモアのセンス! まさに魔法にかかったように、この世界へ飛び込めてしまう。 システムはシンプル、なおかつ読者に親切で、始終マーリン先生がユーモアたっぷりに教えてくれます。 そのかわり、罠が満載! けれど、何回もトライする意欲を促そうとしている風で、意地悪なトラップやパラグラフジャンプはありません。 あなたに親しげに話しかけるような、「泥臭い」けれど「黄金」の「読書体験」を探しに出かけませんか? (明) 2026年9月23日(水)ぜろ FT新聞 No.4991 第1回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第512回をお届けします。 今回のリプレイ対象の作品は、東洋夏氏のローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 あれ?本リプレイと名前が違う?と思った方。 実は、前回に引き続き、『エメラルド海の探索』と地続きの世界として、その主人公ハルトを弟子とした視点で描きます。 ぜろ氏独特の『エメラルド海の探索』その続編にして過去編としても楽しめる一本。 大ヤギの呪いを受けてしまったハルト。偶然その場に出会ったヴァルグは、彼を助け、そこから新たな冒険が始まる! 前回のリプレイが気に入った方は必見! (葉) 2026年9月24日(木)東洋夏 FT新聞 No.4992 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.11 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第11回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、とうとう先頭車両に辿り着き、黒幕ダゲン・ラ・バーゲズを追い詰めたかに思えましたが、不死性を見せるバーゲズは余裕綽々。そこへ戦況を覆す、大いなる一撃が! シグナスの主人ノックスの大活躍、シグナスとクロの過去、そして「七人会」と名乗る者たち……続きが気になる所ですが、今回の冒険は最終回です! どうぞお見逃しなく! (天) 2026年9月25日(金)休刊日 FT新聞 No.4993 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (忍者福島さん) けものへん・おうさんは、ホラー作家志望という事なので、クトゥルフ神話ホラーでの狂気を書き表したかったからでしょうか? (お返事:葉山改月) お返事ありがとうございます。そうなんですよー。 クトゥルフに限定されないホラー書きを目指しているそうですが、「くるまへん」に「おう」で狂いになります! よくぞ見破っていただきました(笑) (ジャラル アフサラールさん) 当時はアーサー王伝説は日本ではゲームファンとファンタジーファン以外にはTVアニメ『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』*1ぐらいでしか知られいませんでしたが、現在ではゲーム『Fate/stay night』*2やそのスマートフォン専用ロールプレイングゲーム『Fate/Grand Order』で有名になりましたね。 *1『アーサー王物語』を基にしたテレビアニメ。アーサー役がロボットアニメの大御所声優の神谷明さんなので「エックスカリバァー!」というのがスーパーロボットの必殺技のような(笑)。 *2 伝奇活劇ビジュアルノベルで「実は女性だった」アーサー王が登場。聖剣エクスカリバーは巨大妖魔も一撃で葬るビーム兵器(笑)。マーリンも美男子で登場。 (お返事:かなでひびき) ありがとうございます。 なるほどねー。時代変われば知名度も変わる、ってやつですねー。 しかし、『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』が出てくるとは! 通ですね! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月25日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4993
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月24日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.11 FT新聞 No.4992
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.11 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。 冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロが主役です。 前回vol.10では〈怨霊列車〉の主ダゲン・ラ・バーゲズとの対決の模様をお届けいたしました。躯を操るバーゲズが繰り出した魔術王の腕と傭兵兄弟の腕を退けたシグナスとクロ。しかし再生力を持つバーゲズは余裕の気配を崩さず、次はアラネアの躯と融合してふたりを追い詰めようとします。 その〈怨霊列車〉の外ではバーゲズの不死性を消し去るため、シグナスの主人ノックスが必殺の一矢を放ちますが……。さて、最終決戦の結末をお楽しみください。 なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 さあ〈怨霊列車〉の冒険、ラストフライトに参りましょう! ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:0 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料1食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:5 ・器用点:1 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし ◇ [先頭車両]最終イベント (承前) バーゲズの八本の手が蠢動する。その爪先から落ちた水滴が傭兵兄弟の剣に落ちると、じゅっと泡立って刃が溶けた。クロに当たったら……。シグナスはぞっとした。 「さて、第二幕だ。題名は〈蹂躙〉とつける」 シグナスとクロは迎え撃つ構え。八本の手はカチカチと音を立てて、開きゆく花弁の如く襲撃の陣を整える。 その時、何か凄まじい質量を持ったものが、下方から列車に激突した。衝撃で、どすんと先頭車両が跳ね上がった。壁の向こうで連鎖的な爆発音が轟き、玉座の主は憤怒の形相で振り返って走り出す。 「ええい、機関手は何をやっている!」 主は自身の玉座をアラネアの手で引きちぎる。その奥には、煙突から出ていた煙と同じ蛍光緑の炎が渦巻いていた。 「機関——」 再爆発が起こる。緑の炎が玉座の主に引火した。アラネアの手が次々に燃え落ち、玉座の主は絶叫しながら狂ったように胴体の飛び火を叩き消そうとするが、まったく効果がない。 「このダゲン・ラ・バーゲズの命の火が! おお、我が命が漏れていく! この高貴なる劇場が燃えてしまう! 馬鹿な馬鹿な馬鹿な! 誰も知り得ぬはずだ、我が糧の在処など! まさか裏切ったか、羨望故に。そうだろう……写身の!」 玉座の主は壁から躯を引き出し、乗り替えようと試みるも、その前にすべて緑の炎に飲み込まれていく。バーゲズの体はどんどん縮み、シグナスより小さくなって、鼠ほどになって、それでも止まらず豆のようになって、最終的には何も無くなってしまった。 その間に〈怨霊列車〉自体がもう分解し始めている。躯の壁に炎が燃え移って結合が緩み、軋む。斜めに傾き始めた客車は、その重さのかかったところから外に向けてたわみ始めている。 「あ、ヨンさんが!」 コビットの遺体が、客車の隅に開いた穴に吸い寄せられるように、傾いた床の上を転がっていく。シグナスが駆け寄ろうとしたところを、クロが制止した。 「諦めろ」 「でも」 「手遅れだ。シグナス、落ちる前に脱出するぞ!」 「嫌だ!」 ヨンの小さな体は、重力に引かれてぼろぼろと地面に向かってこぼれていく躯の壁の、その隙間から滑り落ちようとしている。 「ヨンさん──」 「いい加減にしろ! 早く! お前は生きなきゃならないんだ!」 クロが体を張って、閉まりかけた扉のつっかえ棒になっていた。シグナスは呆然とした悲しみに心の半分を握られながらも、体だけ動かしてクロの下を潜り抜ける。連結部はまだ無事だ。後ろの客車の方が動揺は少なそうである。しかしそれも時間の問題だった。客車がまっすぐ並んでいない。軌道が歪みつつある。〈怨霊列車〉を飛ばす力が破壊されたなら、後は落ちるしかない。 徐々に高度は下がってきているようだが、まだ雪原は遠い。振り返ればスウォードヘイル山脈の山肌がすぐ近くに見えた。雪原に落ちるより、コントロールを失った〈怨霊列車〉が激突する未来の方が近いだろう。 そこでシグナスは躊躇した。 (もし僕が向こうに渡った重さで連結が解けて、すぐに落ちちゃったらどうしよう。シスターやトーヴァさんがまだいる……) がくん、と右足が落ちる。 「うわあああっ」 悩んでいる間に、今まで踏んでいたデッキ部分にも、分解が及んで来ていた。踏み抜いた右足を抜こうとすると、今度は左足が怪しい。 「俺を掴め、シグナス!」 クロの柄を握りしめた。しかし〈おどる剣〉の中でも小柄なクロの浮力だけで人間を引き上げるのは困難を極める。ばたつかせた右足が、ついにデッキの床になっていた躯を蹴り落としてしまった。シグナスの体が宙に放り出される。 「あ……」 クロは上昇しようとする。だが足りない。出力が絶対的に足りない。落ちる。 「駄目……」 下降に転じたシグナスのすぐそばで、力強い羽ばたきが聞こえた。一瞬のうちに首根っこを掴まれ、予想外の方向へ振り回されて、最後は鞍の上に尻が着地する。 「ふぇっ!?」 シグナスが現実に追いつく前に、体は急速に斜めに傾いた。ずり落ちそうになったところを、大きめの舌打ちと共に抱き寄せられる。シグナスは慌ててクロを鞘に戻すと、体を捩って振り向いた。 「サー」 「黙れ!」 転回するグリフォンの真横を〈怨霊列車〉が雷鳴の如き轟音を立てて通過する。主人ノックスはシグナスを救うため、機関部を失った〈怨霊列車〉が描き始めた破滅的な螺旋軌道の只中に突っ込んで来たのだ。 龍の頭蓋の真裏からバーゲズの客車を繋ぐ細長い部分に大穴が開き、そこから蛍光緑の炎が噴き出している。あれが、あの穴を開けたものが、バーゲズの不死性を撃ち破ったのだ。 しかし何が? シグナスは、そこではっと思い出して、風に負けないように声を張り上げる。 「サー・ノックス! まだ生存者がいます! 最後尾に兵士一名、それと後ろから三番目にシスターが! あそこ!」 横倒しになって飛んでいる最後尾の車両の窓から、トーヴァが懸命に這い出そうとしていた。アルゴットとヨンと共に調査に訪れたサン・サレンの兵士だ。 「手綱」 「は、はい!」 シグナスはグリフォンの手綱を預かり、最後尾車両をめがけて飛ぶように指示する。途端、がくんと体が跳ねた。グリフォンが嫌がっている。翼が乱暴に車体の破片を叩いて、ますます飛行姿勢が乱れた。主人ノックスから手綱を渡されて数秒で台無し。 「言うこと聞いて!」 シグナスが懸命に手綱を引くが、グリフォンは収まらない。猛々しい苛立ちのまま空中を跳ね回る。拒否、拒否、拒否。小山のような車輪がすぐ目の前を擦るように通過し、客車同士が激突し始めた衝撃で落ちて来た金属片がシグナスの鼻先をかすめた。時間がない。 「お前の体が曲がっているからだ」 主人の冷静な声に、シグナスは恥ずかしさのあまり消えてしまいたくなった。基本中の基本すら、パニックで忘れてしまっている。なんと青い従騎士だろう。少し剣の腕が上がって誇らしかったのが、まっさらに吹き飛んでしまう。 苛立って鳴くグリフォンの背中で、シグナスは深呼吸して背筋を伸ばした。主人ノックスと一体化するくらい、真っ直ぐに、ぴったりと角度を寄せて。するとグリフォンは嘘のように鎮まった。 「行きます!」 グリフォンは矢のように最後尾車両を目掛けて飛んで行く。ぐんぐんと客車がシグナスの視界のなかで大きくなり、トーヴァが呆気に取られた顔でこちらを見ているのが分かった。背後で主人ノックスがハーネスを外す音が聞こえ、意を察したシグナスは体を低くする。 数秒後、グリフォンが少し沈んで、鐙に立ち上がった主人ノックスがトーヴァを抱き留めたのが分かった。シグナスはほっとする間もなくグリフォンを穏やかな上昇に転じさせ、主人ノックスがトーヴァを背後に座らせるまでの安定飛行を守る。 「脱出する」 「まだシスターが」 手綱を渡しながら、シグナスは言った。それはほとんど無理な祈りだと分かりつつ、そして無責任な言葉だと知りつつ言った。グリフォンの背にこれ以上の人間を乗せて、毎秒崩壊しつつある〈怨霊列車〉の破片の間を飛ばせるのは、どだい無理な注文である。 (それを主人に求めることで僕は責任逃れを……) シグナスが罪悪感に突き刺されたその時、 「わたくしのことはお構いなく〜♪ 逞しい殿方に助けていただくプランも考えましたが、きちんとお布施を頂戴しましたので、今回は自力脱出プランにいたしました」 振り仰げば、そのシスターが見たこともない四つ足の怪物の背に優雅に腰掛けて宙に浮かんでいる。つぎはぎの怪物の毛皮は、椅子の上で寝ていた子供達の服の色を連想させた。 「さて、親切心から忠告しておきましょう。貴方たち、厄介なものに目をつけられておりましてよ。七人会と紳士淑女は名乗っておられるようでして、明かす前に六人に減ってしまった訳では御座いますけれど。きっと神への信仰が足りなかったのでしょうね。それではご機嫌よう、〈猟犬〉様に、取り替え子たち♪」 「待ってください、取り替え子ってなんですか!?」 動揺するシグナスに向かって優雅に手を振るシスターの姿がブレたと思った瞬間、グリフォンは最高速度で急降下に入って〈怨霊列車〉の渦を突き抜けて行く。サー・ノックスの手綱捌きは本人の気性と同じく容赦がない。シグナスとトーヴァの悲鳴を背後に吹き流しながら、グリフォンは縦横無尽に空を縫う。 急降下開始のコンマ何秒後のことであったろうか。 先頭車両がスウォードヘイルの山肌に激突し、蛍光緑の怪炎をこれが最期と高く撒き散らしながら爆発大破した。炎は次々と後続の車両に燃え移り、連結部が壊れた箇所からぼろぼろと墜落していく。車両が落下する衝撃で雪原には次々と巨大な雪の壁が立ち上がった。 三人を乗せたグリフォンは、雪壁による死の迷路を突破すべく、極低空を滑るように弧を描いて飛行する。一度でも判断を誤れば雪に飲まれて一巻の終わりだ。 最後の墜落の振動が鎮まった頃、固唾を飲んで事態を見守っていたサン・サレンの兵士たちの前に、雪煙を突き破ってグリフォンが現れた。大歓声が三人と一振りと一頭を迎える。 駆け寄ってきた兵士たちによって、グリフォンの背からまずトーヴァが下ろされた。次いで、シグナスを小脇に抱えたノックスがひらりと鞍を跨いで着地する。雪の地面を踏み締めるなりノックスはシグナスを離したので、情けなくもすっかり腰が抜けていたシグナスは、そのまますとんと雪原に座り込むこととなった。 トーヴァが命の恩人サー・ノックス・オ・リエンスの顔を見てあんぐりと口を開け、その一秒後に真っ赤な顔になる。流石にシグナスにも、トーヴァがどう思ったかは分かった。 主人ノックスは乙女心を無視して、へたりこんだシグナスを見下ろす。慌てて立ち上がろうとジタバタするシグナスの頭に、ぽんと置かれた主人の大きな手のひらの感触。 「うひゃっ!?」 「……良く戻った」 緊張の糸がぷつりと切れる。シグナスは誰はばかることなく、大きな声を上げて泣き出した。 ◇ 聖堂には、出棺と共に鳴らされた鐘の余韻がまだ残っているようだった。アルゴットとヨンの棺は空のまま、ただ「死」という記号になって、これから冷たい土の下で眠るのである。埋葬の儀式にシグナスは招待されなかった。余所者であり、ふたりはシグナスのために──本当は怨霊列車の主がすべて悪いのだと誰もが知ってはいたけれど──命を散らせたのだから、悪感情を抱く者がいないとも限らない。そして聖騎士だと分かれば、蘇らせてくれと泣きつかれるかもしれなかった。確かに聖騎士には、善なる高潔な魂を呼び戻す秘技がある。ただし今回のように魂が戻ってくる体が喪われてしまえば、シグナスの技量では如何ともしがたい。ということで主人ノックスに不許可だと言われたのだ。主人ノックスは葬儀の代金を全額出して、後はだんまりを決め込んでいる。トーヴァは残念そうだった。会いたかったのだろう。 シグナスは他に誰もいない信徒席に座って、ぼんやりとドーム型の天井を見上げている。長い冬の雪に耐える頑丈なドルツ石造りの聖堂には様々な神の絵や像が集って、敬虔な民にそれぞれの形で祝福を与えていた。ナリクでは唯一の神として崇められるセルウェー神は、ここでは大勢のうちのひとりでしかない。シグナスには、それが心細かった。世界はどうやら、自分が知っているよりもずっと広いらしい。 「ねえ、クロ」 「どうした」 「今回はさ、色んな人に会ったね」 「寂しいのか」 「……うん」 〈おどる剣〉は無言のまま空中で一回転する。何と言うべきか悩んでいるようだ。 トーヴァ、アルゴット、ヨン。帰ってこられたのはたった一人。 女騎士グロリアは、何とシグナスの主人に自身の剣と、シグナスへの伝言を託して去ったという。主人ノックスの曰く、「国は違えど騎士として恥ずかしい背中を見せてしまった。恨んでほしい。許さないでくれ」と。その言葉を今はどう捉えて良いのか分からない。けれど大人になれば、きっと理解できるのだろう。シグナスはそう思うことにした。 まだいる。空飛ぶ謎のシスターに、車掌さん。 それからダゲン・ラ・バーゲズ。 列車に囚われた躯(むくろ)たち。彼らの魂が相応しい場所に導かれたことを祈り……。 シグナスは何かの気配を感じて、周りを見渡した。 「どうした、シグナス?」 「ねえ、誰かに見られてない? あっ!」 祭壇に飾られた大鏡に目が吸い寄せられる。その中で、写るはずもないシグナスが、こちらを指さしてニヤニヤ笑っているではないか。鮮烈に記憶が蘇る。 「写身の……!」 クロが剣の身を唸らせ、鏡に向かって猛禽のように襲いかかったその時、偽シグナスは急に心の底から驚いたような顔をして逃げ腰になった。次の瞬間、鏡に写ったのはクロ──ではない! シグナスは信徒席から立ち上がった。 (あの人、スプリンガルを踊ってた人だ!) 〈怨霊列車〉で亡霊の輪の中で踊っていた青年騎士そっくりの人物が、クロに代わって写りこんでいる。鏡の中で青年騎士が剣を突き入れると、偽シグナスは憎々しげな顔をしてひょいと避け、そのまま鏡面からいなくなった。 (もしかしてクロなの……?) 鏡面に激突する寸前で急停止したクロが、とんぼ返りしてシグナスの手元まで戻ってくる。 「ええい、忌々しい。一刻も早くお前の主人に報告せねばならん。どうしたシグナス」 「ねえ、クロが人間だった時の顔、わかっちゃったかも!」 「何だと! お前、絵心はあるか? いやそれよりもだな、その……」 「?」 「さ、さ、さぞかし二枚目だったんだろうなあと思ってだな」 「それは高望みなんじゃない」 「何だとおーーー!」 ぶんぶんと怒れる蜂のように聖堂内を飛び回るクロを見て、シグナスは久々に腹の底から笑ったのであった。まあその陽気も、笑い声を聞きつけて飛んできた司祭にこってりとお説教されるまでの命ではあったけれど……。 [完] ◆ これにて『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイは完結です。 語りたいことは多々あれど何だか不粋な蛇足になってしまうような気もしますので、余韻だけを残して作者はお別れを申し上げることといたします。 長の列車旅にお付き合いいただき、誠にありがとうございました! 読者の皆様、FT書房の皆様に心より御礼申し上げます。 それでは、良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。 ・ノックス・オ・リエンス…ロング・ナリクの聖騎士。シグナスの師匠。〈猟犬〉の異名を持ち、主命を受けて暗殺などの仕事もこなしているともっぱらの噂。 ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。グロリアとの最後の対決にて落命。 ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。 ・トーヴァ…ヨンとアルゴットと共に〈怨霊列車〉の調査に来ていた「人間」の兵士。 ・グロリア…サン・サレンの誇り高い女騎士。躯になってもバーゲズに操られ、最後には爆発させられた。魂となってノックスの元を訪れバーゲズの情報を提供する。 ・ダゲン・ラ・バーゲズ…〈怨霊列車〉の主。役者と称して躯(むくろ)を蒐集する、最悪の手合い。 ・シスター…〈怨霊列車〉に乗っていた謎のシスター。最後まで謎であった。 ・〈写身の殺人者〉…前回の冒険でシグナスにより倒されたと思われていたが……!? ◇ (付記) なお、9回目の記事に名前が登場しました「ハボリーム」、そして10回目の記事でノックスが引いている砂クジラの弓は、天狗ろむ様による『賞金首を狙え—隠密任務編—』(https://talto.cc/projects/mjMKe3Lgaz58zl4sg5LdE)に登場するものです。ノックスで挑んだ際に獲得したアイテムや関係性を引き継ぎたいと思い、作品をまたいで登場いただきました。暗殺がテーマというかなり刺激的で独創的なシナリオですので、皆様も是非チャレンジを! ※『賞金首を狙え—隠密任務編—』リプレイ:https://x.com/summer_east/status/2003597509038678525?s=20) ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。