━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち 〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 連載第5回 岡和田晃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ▼はじめに 本作は、かつてD&D日本語版公式サイトに掲載されていた、エベロン世界が舞台の『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版』リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編です。 当時のサイトは閉鎖されていますが、前日譚の「トレイルブレイザーズを探せ!」と「竜の予言を解放せよ!」はウェブアーカイブで閲覧可能です。D&D第4版や舞台の世界観そのものの解説にもなっておりますので、未読の方は以下よりご覧ください。 https://web.archive.org/web/20110520091921/http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/article/web_replay_eb/index.html うまく繋がらない方は以下もあわせてご利用ください。 https://www.dropbox.com/scl/fi/hfckq3h4rglyer10ycaj4/1_.pdf?rlkey=xzasih78fdhbqoikbr98kovkl&dl=0 https://www.dropbox.com/scl/fi/nluo5nzotbnpeanc1zh0r/2_.pdf?rlkey=f49qwu5pxzhc4flzcw7kj1v5y&dl=0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ DM:ダンジョンマスター(岡和田晃) ネディア:ヒューマンのレンジャー(PL:中山葵) ヘルメス:ヒューマンのアーティフィサー(PL:カナイセイジ) クシュタリ:カラシュターのパラディン(PL:見田航介) ベック:ウォーフォージドのファイター(PL:高橋志行) ジュス:ティーフリングのウィザード(PL:ノダソル) ●ジュスの旧友 DM:君たちは一等車両の部屋で夜を明かしました。特に事件らしい事件も起きず、“ライトニング・レイル”はカルン川沿いをひた走り、そろそろ終点であるコースの街が近づいてきます。 ヘルメス:D&D第3.5版の時のエベロン・リプレイ(「Lead&Read」Vol.3所収(アークライト/新紀元社))では、部屋の窓からトログロダイドの暗殺者が侵入してきたが、さすがにそれはないみたいだな。 DM:同じ手は何度も使いませんよ(笑)それに、これから起きるイベントのスケールに比べたら……オリエント急行ならぬ“ライトニング・レイル”殺人事件など、チンケなもの。ふふふ。 ネディア:縁起でもないこと、言わないでください! DM:(素知らぬ顔で)さあて、そろそろコースの街が見えてきましたよ。ジッグラト(古代メソポタミア文明等に見られた階段式ピラミッド)が浮遊要塞のように浮かんで見えますね。さあ〈歴史〉で判定を。 ヘルメス&クシュタリ:(ころころ)25が出た!(ハモる) DM:おめでとうございます。あれはトゥエルヴ(12大ドラゴンマーク氏族)の基地ですね。階層ごとに各ドラゴンマーク氏族のエンクレーヴ(居住地)が割り当てられているのです。 ヘルメス:ジョラスコ氏族のエンクレーヴは入っているのか? DM:オリエン氏族やジョラスコ氏族のエンクレーヴもありますよ、もちろん。 ネディア:これは好都合ですね。さっそく向かいましょう。 クシュタリ:その前に、コースの街の説明を聞いてないな。 DM:コースはカルナスの古都で、全体的にくすんだ暗い街並みです。区画整理も頻繁に行なわれていたようですが、「最終戦争」での攻撃の跡も生々しい。例えが性格かどうかはわからないけれども、ユーゴ内戦直後のサラエヴォのようなイメージ。 王宮や官公庁のあるハイコート地区をはじめ、テンプル(神殿地区)、コマース(商業地区)、コミュニティ(住宅街)、そしてスラムであるロウ・ディストリクトと分かれています。遠くに、岩の柱を壁で繋いだ要塞めいた城が見えます。あれこそが、カルナス国王カイウスIII世の居城クラウンホームですが……。 ヘルメス:あそこが、諸悪の根源か。すぐにでも行ってやりたいが、まずはじっくりと根回しをしないとな。オリエン氏族のほか、コースに知り合いはいるか? DM:あらかじめ設定してあったNPCが、君たちとうち、誰かと知り合いであることにしましょう。(ころころ)おお、ジュスの知り合いと出たぞ。ではジュス、君はロウ・ディストリクトのブラック・マーケットにいるアウフルというティーグリングと繋がりがある。 ジュス:さすが、ジュス団のネットワーク! 一同:(爆笑) DM:君とアウフルはサイアリ時代の知り合いだ。いわばライバルの氏族。君の氏族はオルクスというデーモン・プリンスと契約を結んでいたが、アウフルの氏族はアスモデウスというデヴィルを崇めていた。 ヘルメス:デーモンとデヴィル! 近親憎悪の塊って感じだな。 ベック:デーモンとデヴィルはどう違うんですか? クシュタリ:同じ“悪”でも、デーモンは元素の混沌にある奈落(アビス)に住み、デヴィルはアストラル海にある九層地獄(ナイン・ヘルズ)に住まう。 ネディア:壮大な話ですね〜。 ベック:エベロン世界が自然世界だとすると、アストラル海は“上たるドラゴン”ことシベイに、元素の混沌は“下たるドラゴン”ことカイバーに相当するんでしたね。 DM:ええ。ただ『エベロン・キャンペーン・ガイド』では、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』や『ルールズ・コンペンディウム』に載っている宇宙観をベースに、エベロン式の調整が施されているんです。アスモデウスの住まう“九層地獄”はアストラル海の中ではなく、独自の公転軌道を有した次元界として設定がなされています。 ジュス:で、アウフルも“悲嘆の日(デイ・オヴ・モーニング)”で故郷を失ったクチだというわけだな。 DM:その通りです。サイアリ出身のティーフリングたちは、その気位の高さから相当な苦労をした者が多いようですが、アウフルは持ち前の人当たりの良さと商才から、質屋として成功している。 クシュタリ/見田:『ナニワ金融道』の主人公(灰原達之)みたいですねぇ。 ◆遭遇2:ブラックマーケットへ潜入せよ! ●悲劇のネディア DM:そろそろ終着駅が近づいてきました。車内でも、降りる支度をしているのか、客室からぼちぼちと人が出てきますね。それでは、全員〈知覚〉難易度22で判定をしてみて下さい。 一同:(ころころ)出目が悪いな〜。 ネディア:一応、22で成功しました。 ジュス:俺様も22。 DM:すると、ガリマール率いる警備の連中が、ただならぬ様子で君たちを追いかけてくる。。 ネディア:ただならぬ様子? DM:全力疾走している感じ。ジュスならよくわかるけど、犯罪者を捕まえようと躍起になっている感じ。ルパン3世を追っかける銭形警部。あるいはリアル『スコットランド・ヤード』。 一同:ええーっ。 ジュス:まずい、ずらかるぞ! ネディア:「どうして? 何も悪いことをしていないのに。それも氏族の人じゃない?」 ジュス:「貴様が本当に悪さをしたかどうかは、問題じゃない。ヤツらが本気なのが問題なんだ。ありゃ、こっちが犯人だって確信してる眼だ。捕まってから罪を擦り付けられても遅い」 ネディア:(慌てて)「そ、そうね! 皆、とりあえず窓から“ライトニング・レイル”を降りて、隠れるのよ!」 ヘルメス:わかった。濡れ衣を着せられても困るからな。 ベック:相手が冷静ならば話し合いの余地もあるのですが……。仕方ありません。 クシュタリ:邪悪な存在が化けている可能性もあるのではないか? ネディア:そうだとしても、もし、氏族の人が誤解しているだけだったら、私は反逆者になってしまいます! クシュタリ:ぐぬぬ……。 DM:膠着状態ですね。では、ここで技能チャレンジを行ないましょうか。 ヘルメス/カナイ:来たか〜! ネディア/葵:技能チャレンジって何ですか? DM:技能チャレンジとは、冒険者が真正面から取り組まねばならない、一連の試練を表現するためのものです。具体的には、一回こっきりの技能判定ではなく、複数の技能判定を組み合わせることで課題を解決します。 技能チャレンジは汎用性・応用性の高いルールでして、例えば戦闘遭遇に組み込んだりするなど、さまざまな実例が公式アドベンチャー・シナリオや『ダンジョン・マスターズ・ガイドII』で示されています。 今回の場合“ライトニング・レイル”およびコースの駅を無事脱出して、アウフルの経営する質屋へと辿り着くのが目的です。 ヘルメス/カナイ:技能チャレンジでいちばん大事なのは「3回失敗したら負け」ということです。野球や死亡セーヴィング・スローと同じく、スリーアウトチェンジ、となってしまいます。。 DM:はい。技能チャレンジは複数回の技能判定からなるのですが、最も簡単な複雑度1の技能チャレンジだと3回失敗する前に4回の成功を累積させる必要があります。複雑度2だと、3回失敗する前に6回。複雑度3だと、8回……。 ネディア:なんとなくわかってきました。成功回数や失敗回数はパーティ単位で数えるんですか? DM:それはケースバイケースとなります。今回の技能チャレンジでは、個別に成功数と失敗数をカウントしていきます。複雑度は2。また通常のD&Dルールだと1ラウンドは6秒という計算になりますが、この技能チャレンジでは1ラウンドは10分とカウントします。それだけ長いスパンをゲーム的に処理するということですね。 ヘルメス/カナイ:早く技能チャレンジを成功させれば、それだけ所要時間が短く済むことにもなるね。 ネディア/葵:どの技能で判定をすればいいんですか? DM:今回はラウンドごとに主要技能と副次技能がそれぞれ指定されます。主要技能とは、技能チャレンジに必然的な形で結びつく技能ですね。この主要技能による判定の成功失敗こそが、技能チャレンジの成功数ないし失敗数にカウントされるものです。副次技能は、あくまでも技能チャレンジへ間接的にしか関わらないもの。副次技能での判定に成功しても、技能チャレンジの成功数および失敗数へ直接の影響はありませんが、主要技能の判定にボーナスが入ります。ボーナスは次の自分の判定に適用させても、そのラウンドで仲間の判定に回してもらっても大丈夫です。 クシュタリ/見田:援護の扱いはどうなるのでしょう? DM:主要技能の値や主要技能を使った判定の出目に今ひとつ自信がない場合、援護に回ることができます。1ラウンドにつき1回、10+レベルの半分なので目標値12の判定に成功すれば、援護を行なった者の次のターン終了時までに行なう、同じ技能を用いた次の判定に+2のボーナスが入ります。 クシュタリ/見田:援護は何人まで、という縛りはありますか? DM:今回の判定では、援護や副次技能によるボーナスは、それぞれ1人の判定につき1回までしか適用されない、という設定がなされています。ただし、援護と副次技能はそれぞれ別枠なので累積するということにします。 クシュタリ/見田:1つの判定に対し、成功数と失敗数はどのようにカウントするのでしょう? DM:複雑度が3なので、3回失敗する前に8回の成功をカウントすれば、その技能チャレンジは成功です。 ヘルメス/カナイ:3回失敗は案外早いので、自信がないものは援護や副次技能の判定に回ったほうがいいかな。 DM:あるいはパスすることもできますよ。それでは、第1ラウンド。技能チャレンジ、やってみましょう! ▼第1フェーズ 主要技能:〈軽業〉難易度15 副次技能:〈魔法学〉難易度15 追手を振り切り、〈軽業〉で“ライトニング・レイル”から脱出をはかる。 〈魔法学〉を用いて魔力の流れを読み、的確な経路を割り出すことも可能。 DM:暫定的にラウンドで区切っていますが、技能チャレンジはパーティの誰から開始してもらってもかまいません。このラウンドはパスしてもOK。 ヘルメス:〈軽業〉が高い人いる? 俺は〈軽業〉+3しかないから副次技能に回ろう。〈魔法学〉は+11スタートだから、さすがに成功するだろう、と期待したい……。 ネディア:私は〈軽業〉+8ありますね。 ヘルメス:それでは〈魔法学〉でネディアを支援。(ころころ)ふう、1d20で4振ったが、ぎりぎり成功(笑) ベック:私も〈軽業〉+3スタートですね。1d20で12以上を出すのですから、成功率は40%。〈魔法学〉は+2なので、〈軽業〉でネディアを援護しましょう。(ころころ)援護の難易度は12だったので、成功ですね。 DM:これでネディアは+4のボーナスを得て〈軽業〉判定ができます。 クシュタリ:〈軽業〉も〈魔法学〉も苦手なのじゃ〜。(ころころ)〈魔法学〉も失敗。 ジュス:〈魔法学〉が主要技能だったらいいのにな。(ころころ)〈魔法学〉で25。これは成功。次の自分の判定に+2という形で持ち越すぞ。 ネディア:いよいよ〈軽業〉ですね。(念を込めて)成功して〜!(ころころ)ああああ、3〜。 DM:8+4+3=15だから、ぎりぎり成功ですよ。 ヘルメス:これで1成功だから、あと7成功か……。先が長いなあ。 ▼第2フェーズ 主要技能:〈隠密〉難易度15 副次技能:〈歴史〉19 追手に追いつかれないよう、〈隠密〉でコースのロウ・ディストリクトに潜伏する。 DM:一巡したようなので、2周目、スタートしましょう。誰から判定するのかは、パーティで相談し、自分で決めてもらっていいよ。 ジュス:俺様は〈隠密〉が+3しかないんだ。逃げるのは得意なんだが、隠れるのは苦手なんだぜ(ポリポリと頭を掻く) ネディア:じゃあ、もしかして、コースの歴史に詳しかったりするの? ジュス:俺様がヒューマンの歴史に興味があるわけなかろう!〈歴史〉+2だ、はっはっは! ヘルメス:〈隠密〉より低いんじゃ世話ないなあ。俺は〈歴史〉が+11ある。たぶん、あちこち調べ歩いていたんだろう。 ネディア:わたしは〈隠密〉+2、〈歴史〉+3しかありません……。 ベック:自分はもっと低いです。〈隠密〉と〈歴史〉、ともに+2しかありませんね。技能値にはレベルの半分が最低でも足されますから、おそらく自分が最低値でしょう。 クシュタリ:いや、私は【敏】がマイナス修正だから〈隠密〉が+1(笑)、〈歴史〉が+2じゃ。 ヘルメス:みんな、しっかりしてくれよ! 〈隠密〉が比較的高いのはジュスか……。俺の〈歴史〉は80%の確率で成功するから……(ころころ)よし、成功した! ジュスの〈隠密〉に+2。 ベック:それでは、自分が〈隠密〉を援護しましょう。「ここに隠れられそうなゴミ箱を見つけましたよ!」(ころころ)おお、11が出ました。 ジュス:合計+7スタートか……。(ころころ)17が出た! 「やった、追手を撒いたぞ!」 ヘルメス:ただ、あと6成功も稼がなくちゃいけないんだよな。残りはパスするか? クシュタリ:まだ1回も判定に失敗していないが、ここで攻めるのは愚策じゃろう。仮に私が〈歴史〉に成功しても、ネディアが〈隠密〉判定で達成値以上を出すのは、45%の確率しかない。 ネディア:そうですよ! わたしなんかに任せると、どんな目にあっても知りませんよ! 一同:自分で言うな〜!(爆笑) クシュタリ:それでは、パスで。 ▼第3フェーズ 主要技能:〈交渉〉10、または〈持久力〉10 副次技能:なし ロウ・ディストリクト内で、ジュスの旧友アウフルの店を探して回る。 住人から話を引き出す話術と、迷路のようなスラムをたらい回しにされるので、体力が肝要。幸い見たところ追っ手は振り切ったようなので、判定難度は少々易しめ。 DM:さあ、いよいよ、ロウ・ディストリクト、すなわち古都コースのスラム街での捜索が始まった。ここは全員が手分けする必要があるため、援護や副次技能の設定はなし。ただ、技能や出目に自信がない人はパスのみ可能。難易度は低いので、チャンスではあります。 クシュタリ:私は〈交渉〉が+10スタートなので、自動的に1成功は獲得できるな。 ジュス:俺様も〈交渉〉が+8あるから、90%の確率で成功だ。 ヘルメス:この2人は確定として、〈持久力〉がある人は? ネディア:わたし、〈持久力〉は+8あります。 ベック:ウォーフォージドのファイターとして製造された自分は、なんと、〈持久力〉+12スタートです! 一同:おおおお! ジュス:ベックは成功確定。ネディアも90%の確率で成功だな。 ヘルメス:じゃあ、俺はパスしとくか。ジュスとネディアも油断は禁物だぞ。気合いを入れてダイスを振れよ。 ネディア&ジュス:(ころころ)成功!(手を叩く) DM:よし、次のラウンドへ行きましょうか。あと2成功で、技能チャレンジ達成となります。頑張ってね。 ▼第4フェーズ 主要技能:〈運動〉?、〈宗教〉? 副次技能:〈事情通〉? 聞き込みと記憶を頼りに、ブラックマーケットにあるアウフルの屋敷を探し出す。フットワークが軽ければ、それだけ早く目的地まで辿り着くことが可能になる。 また、目的の店にはアスモデウス信仰特有の飾り付けが施されているので、宗教についての知識も重要となる。 クシュタリ:〈宗教〉! ようやくシルヴァー・フレイムの敬虔なるしもべである、私の時代が来たようじゃな(笑) DM:ただ、この第4ラウンドはこれまでと違って、判定難易度がオープンにされていません。結果を見てみるまで、自分では判定に成功したかどうか、わからないという。 ネディア:なるほど、そういう変化球も来るんですね。 DM:はい。簡単かもしれないし、難しいかもしれない。 ネディア:(考えて)〈運動〉ならばわたしがやります。皆に、ちょっとはいいところ見せないとね。 ヘルメス:決まったな。残る面々は〈事情通〉でサポートか。これは俺がやろう。【魅】の高いクシュタリの手が塞がってしまっているのが残念だが、仕方ない。(ころころ)……ごめんな、10しかいかなかった。これは失敗しているな。 ネディア:わたしから行きましょう(ころころ)22! DM:おお、素晴らしい、成功です。なんと難易度は19もあったのですよ。とてもガードが固かったのでしょうね。 クシュタリ:(ころころ)〈宗教〉の達成値は18。これは……!? DM:〈宗教〉は反対に簡単で、難易度は12でした。きっと、わかりやすく「これはアスモデウスだろう」と、専制と支配を表す指輪型のしるしが目立つところに付いていたのでしょう(笑) 技能チャレンジを運用するにあたっては、単にダイスを降るだけではなく、「この技能判定に成功した/失敗したから、こんな展開になったんだよ」ということが明確になるよう、DMは積極的に描写を差し挟んでいくと場が盛り上がる。 技能チャレンジは立派な遭遇であり、アドベンチャーを構成する大事な要素だ。少なくとも「作業」ではない。時にはプレイヤーから「〈軽業〉に成功したから、きっと壁をやすやすと飛び越えたんだろう」と演出がされることがあるが、よほどメチャクチャなものでなければ、技能チャレンジの味付けとして、積極的に採用するようにしていこう。 (つづく) “『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜の予言に選ばれし者たち 〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜” is unofficial Fan Content permitted under the Fan Content Policy.Not approved/endorsed by Wizards. 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2026年8月20日木曜日
2026年8月19日水曜日
第4回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4956
第4回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 討伐船を賜った貴族ハーツデイルを船長に、海域を封じる海賊の討伐へ。 そして海賊船との激戦のすえ、ヴァルグとハルトは女船長を見事倒したのでした。 【ヴァルグ レベル18 技量点2 生命点9→7 筋力点4→2 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル8 技量点1 生命点7→5 筋力点3 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック01-9 ビストフへの帰還【ポール】 たった二人と一匹で海賊船に乗り込んだヴァルグたちが、女船長を討ち取って帰還した。 彼らが強いのは知っていたが、それでも信じられない戦果だ。 これで、勝利は決した。 海賊たちは散り散りになり、私もギリギリで生き延びることができた。 海賊が撤退した甲板に、白奴が倒れている。 慌てて駆け寄ると白奴は、「こ……腰が……」と言ってうめいていた。 ちなみに、無傷だった。 「船長はアンデッドになってた。海賊船から幽霊船になる一歩手前だったぜ」 ヴァルグがからからと笑いながらハーツデイル船長に報告する。 冗談のつもりなのかもしれない。なにが面白いのかはぜんぜんわからなかった。 ハルトはマントがないため獣の腕をさらしていたが、それを気にする者はこの船には一人もいなかった。 そんなハルトが普通の方の右腕を差し出す。その手には、ボロボロのペンダントが握られていた。 「それはラセスタの。……そうか。もう死んでいたのか」 船長は、海賊船の女船長のことを個人名で呼んだ。その呼び方に私は、特別な思いを感じ取った。 「知り合いだったのか?」 ヴァルグが遠慮なく問う。 「あの海賊は因縁の相手だったからな」 ハーツデイル船長はそう答えた。そしてやがて、ぽつりとつけ加えた。 「死してなお海賊として彷徨うとは。家を捨てた者の末路か……」 それ以上は誰も、ヴァルグさえも、事情を追及しようとはしなかった。 「クラーケンぶっ殺し号」はいったん、ビストフへの帰路についた。 今回の航海の目的は達した。補給をしなければならないし、傷ついた船員たちの治療と休養の期間も必要だ。 帰路で船長は、今後のプランを語った。 「クラーケンがどこに出没するか。やみくもに探しても意味はない」 「そーゆーもんか。俺んトコにゃあ向こうから寄ってきたぜ」 「会おうとして会えるものではない」 餌で釣るか、居場所を突き止めるか。 とはいえ、この大海原の広大な範囲を縄張りとしているクラーケンを呼び寄せられるだけの餌というのは、現実的ではない。 「居場所を突き止めるには<遠見師>の力が必要になる。その名は『エラ・シエロ』。彼女の力があれば、クラーケンの出現場所を予想できるだろう」 「じゃあ、クラーケンの居場所を突き止める前に、エラの居場所を突き止めるのか」 「安心したまえ、彼女の居場所はもうわかっている」 「海賊退治の次は客の迎えか。メンドくせェな。いつンなったらクラーケン退治できンだよ」 「まあそう言うな。必要なことだ」 ビストフへと帰還すると、船員たちには五日間の休養が与えられた。 コビットたちは下船と同時にたちまち酒場に消えた。今夜は呑み明かすのだろう。 ヴァルグたちも下船する。 ハルトは、船上と地上の感覚の違いに戸惑っているようだ。 足元がおぼつかない。揺れないはずの地面が揺れているように感じて、戸惑っているに違いない。 そういう様子を見る限り、マントに身を隠すいでたちのほかは、本当に普通の少年にしか見えない。 ニーナももういない。下船しているようだ。 ニーナからの誘いは特になかった。 そうだよね、わかっていたよ。期待なんてしてなかったよ。 私もそそくさと、一旦船を降りる準備を進める。 すると板橋の下で、ニーナが待っていた。 「え?」 私は固まってしまった。 「ニーナなんで?」 「なに言ってるの。航海のあとにささやかな帰港のお祝いをするのは当たり前でしょう?」 「え?」 「飲めないとか行きたくないとかなら、別にいいけど」 「行く、行きます。行かせていただきますっ」 ……酒場は、コビットたちでごった返していた。 ヴァルグもいた。 ハルトもいた。 さすがにハーツデイル船長はいなかった。 ハルトが指示を出すと、火吹き獣のヒースがちろっと火を出す。そんなたくみな火芸に、周囲がどっと湧いていた。 ヴァルグはむき出しの傷だらけの肉体が、酔いが回って真っ赤になっているにもかかわらず、コビットたちと互角に呑んでいた。 剣豪だけでなく酒豪でもあるようだ。 ニーナは果実酒を飲みながら、ハルトにはアルコール抜きの果汁を出してあげていた。 「ハルトってすごいよね。その年でめちゃくちゃ強いし、危険に飛び込む勇気もあって」 アクアデーモンのときも、海賊との戦いも、大活躍だったから、興味を持つのも無理はない。 ハルト、そっけないクセに、少年らしいかわいさが同居してるもんな。 ニーナは、実に楽しげにハルトに話しかけている。 そうだよね、わかっていたよ。期待なんてしてなかったよ。 おしゃべりな白奴のくだけた軽口を聞き流しながら、私はエールをぐいっとあおったのだった。 ●アタック02-1 出航前の出来事【ポール】 五日後。 私がのんびり船に到着する頃には、コビット船員たちは慌ただしく荷物の搬入をしている。 おなじみの光景だ。 甲板では、ハーツデイル船長とヴァルグがなにやら言い争っていた。 そばにはハルトとニーナ。加えて白奴もいる。ハルトはマントを新調したようだ。 「まったく、君はバカなのか。この五日間で呪いを解かずに戻ってくるなどと」 「や。ちょうど腕のいい解呪師が不在でよォ」 「なにを言ってる。おじさん同士呑み明かしたじゃないか」 「な! 白奴テメエ、なにばらしてンだよっ」 「呪いなんて酒呑んでりゃ治るってな」 「言うなッ!」 船長もさすがに呆れていた。 「だいたい、昼間っから呑んでて、ハルト君はどうしてたんだ。まさか子どもをずっとつきあわせてたんじゃないだろうな」 「あ、ハルトならあたしが買い物とかに連れてってましたから」 ニーナがさりげなくフォローする。 でも、ハルトと一緒に買い物、と聞いて私の心は少し重くなった。 ニーナは明るくてさっぱりしてるし、ハルトの世話を焼きたくなる気持ちはわかる。だから……、いや、私はなにを考えてるんだ? 「出航を一日遅らせてもいいから、すぐにでも解呪に行きたまえ。君は腕を買われてここにいることを忘れるな」 「その俺が必要ねェって言ってんだ。先の航海で俺の腕っぷしは証明されてるだろうが」 「オレが言うのもなんだけど、一日延ばしても、師匠はたぶん行きませんよ」 「どうしてだ?」 「……めんどくさがって」 「メンドくせェからだよ!」 「ギャウ!」 ハルトとヴァルグ、さらになぜかヒースの声がハモった。 「クラーケンぶっ殺し号」は、結局日を置かずに出航した。 ●アタック02-1 ホリィドゥーンの加護【ハルト】 船長にああは言ったけど、オレとしては師匠の呪いは早く解いてもらいたい。 オレがもうちょっと世間を知ってたら、オレの方で手を回すとか、できたかもしれないけど。 村育ちで、その後はたぶん常識人じゃないヴァルグ師匠にずっとついてるオレには、世のなかのことはよくわからないんだ。 そんな風に考えていたんだけど、師匠の呪いが解ける日がすんなり来るなんて、思いもしなかった。 それは、本当に偶然だったんだけどさ。 遠見師エラ・シエロ捜索の旅に出てまだ日の浅いうちの出来事だった。 その日オレたちは、新たに発見した島を探索するために上陸していた。 メンバーは師匠とオレの他には、コビットを数名連れた白奴だ。 それほど大きな島じゃない。しかし奥地に祭壇めいたものを発見した。 長年放置されているらしく、だいぶ朽ちている。 そうして、筋肉質な男の像が、なかば地面に埋もれていた。 それを見た師匠は、なにを思ったか像を掘り返しはじめた。 「おなじ筋肉男として、通じるものでもあるのかな。しかし、あの像はもしや……」 白奴がそんなことを言い、オレたちはその様子を見守る。 掘り返されたのは、上半身が筋肉質な男で、下半身は魚の鱗に覆われた尻尾のある人魚だった。 武骨な手彫り感のある彫像だ。 「やはり。海神ホリィドゥーン様の神像であったか」 白奴はわかっていたようだ。 師匠は掘りだしたことで満足したみたい。 なのでオレが神像にこびりついた湿った土を払い、丁寧に拭いて、祭壇のもとあっただろう位置に安置した。 コビットたちが祈りを捧げている。 「ホリィドゥーン様は海を司る神。安全な航海を約束し、海難から守ってくれるという。遭難者が設置して、祈りを捧げていたのかも」 白奴が納得の説明をしてくれた。 「お?」 師匠が急に、素っ頓狂な声を上げた。 ジャンプしたり、屈伸したり、はてには剣を持って振り回し始めた。 「軽い。体が軽いぜ。ヒャッホウ!」 小さな子どもみたいに大はしゃぎだ。 もしかして、呪いが解けている? 海神が師匠の行いに気をよくしたのだろうか。 「喜べ。我が船にホリィドゥーン様の加護が付与されたに違いない。今回の航海は成功間違いなしだ」 白奴がコビットたち相手に気分を高揚させている。 オレも神像に祈りを捧げてみた。 けれど、オレの左腕の「呪い」はまったく解ける兆しはなかった。 ま、わかってたけどね。オレの受けてる呪いはそんな簡単なモンじゃないって。 [プレイログ] 【35 海神の彫像】 埋もれた神像を掘り返すなら筋力ロールで目標値5。 祈りを捧げるなら幸運ロールで目標値5。 ヴァルグは筋力ロールで神像を掘り返す。サイコロの出目5で成功。 「手がかり」「ホリィドゥーンの加護」を入手。 また、【36 貴人の霊廟】の呪いはここで解くことができる。 ヴァルグの呪いは解かれた。 ●アタック02-3 幻狼の島【ハルト】 その後、船は嵐に見舞われた。 大波が船を襲う。船は上へ下へと大揺れに揺れている。 空が見えたかと思えば、次には海面だけが見える。船が大きく傾き揺れているためだ。 オレたちは船内の小部屋に入ったけれど、コビットの船員たちは、そんな中でも必死の操船をしている。 「ホリィドゥーン様の加護を授かったのではなかったのか」 「いや、この嵐の先にこそ、ホリィドゥーン様の加護がもたらされるに違いない」 船員たちの意見は割れている。 オレは大丈夫だったけど、師匠とヒースがあまりの揺れにダウンした。 船酔いってやつだ。オレも経験したことがある。 師匠は、いつかどこだったかで手に入れていた「平穏のポーション」をがぶ飲みしていた。 それは船酔いにも効果があるみたいで、少しは落ち着いたようだ。 どうにもならないのはヒースで、はいつくばってぐったりしている。オレにもどうしようもなかった。 永遠とも思える船の揺れは夜通し続いた。 そして朝を迎える。 今度は、波ひとつない静かな海面がオレたちを迎えてくれた。 「船長、誰かが流れてきます」 人が? 夜通し操船をして疲れ果てているはずのコビットたちが、慌てて救助活動を行う。 そして救助されたのは、人ではなかった。人以外の種族だったって意味じゃない。 それは服だった。 服だけがぷかぷかと浮いていたんだ。 「こりゃあ『浮力の胴着』だな」 白奴が訳知り顔で解説してくれる。 「これがあれば浮き輪と同じように、海にぷかぷか浮いてられるってシロモノだ。浮力の魔力がかかってる貴重品。持っといて損はない」 その服は、空気だまりみたいなものになっていて、変な厚みがあるものだった。 服だけでも浮いている理由がわかった。 船内で話し合いが行われ、オレが着ることになった。 この前みたいに海に投げ出されると、泳げないオレが一番危ないからだそうだ。当然といえば当然か。 オレはマントの下に胴着を着込む。さすがに暑いな。 この船に乗ってる間は、マント脱いじゃってもいいかな。 もうみんな知ってるし、だからって誰もオレの腕のことを気味悪がったりもしない。 本当の驚きは、浮力の胴着騒動の直後に来た。 朝もやが晴れると目の前に、神秘的な島があらわれたのだ。 「嵐を抜けた先にある島……もしかして、あれが伝説の『宝石島』では?」 コビット船員のひとりがつぶやく。 白奴が説明してくれた。 「海賊ギルガが宝を残したとされる島だ。『宝がほしいか。ならくれてやる。探せ。財宝のすべてを宝石島に置いてきた』はけっこう有名なフレーズだ」 でも白奴には違和感があるという。 噂に聞く「宝石島」とは外観が異なっているというのだ。 その島は、大半が森に覆われていた。木々の間から古びた石柱が何本も突き出しているのが見えた。 その石柱は、朝陽を受けて銀色に輝いている。遠目にもわかる大きさで、狼の彫刻が掘られていた。 そう高くない丘に、ドーム状の建物が見える。なにかの遺跡だろうか。 「これは本当に、海神の導きかもしれない」 ハーツデイル船長が上陸を決断した。上陸部隊を編成する。 もちろん、師匠もオレも含まれている。師匠は陸地の探索に出られることを喜んでいる。 ヒースは船酔いで調子が悪そうだったけど、陸地にいた方が回復が早そうなので、連れて行くことにした。 今回は船を白奴に任せ、船長も直々に行くということだ。それだけこの島に興味があるということだろう。 森の中には、かつて明らかに道であったと思われるものが、まっすぐ続いていた。 草が茂っているが、道幅はかなり広かったみたい。 そのためオレたちは、難なく島の奥地へ入り込むことができた。 ところどころに、かつての建物の残骸のような石壁がある。 風がざわめくと、狼のようなひくいうなり声が聞こえる感じがした。 それは風のいたずらかもしれない。 オレたちは警戒しながら進む。 やがて船から見えていた、丘の建物に到達した。 ドームは古いもので、後ろ側が半分、崩れていた。 ドームの頂には、狼の姿を模した彫像が二体、対峙するように置かれている。 長方形の入口には扉らしきものはなく、ぽっかりと黒い口を開けていた。 「玄室……だな」 船長が言った。 「玄室って?」 「偉ェ奴の墓だな」 師匠がざっくりと説明する。 あれ、こんなこと、前にもあったな。 そうだ。あのときは「霊廟」だった。どう違うの? 「細けェことは気にすんな。それより、気づいてるだろ。ヤベェ気配によ」 師匠は説明を放棄し、話題を変えた。 オレにもわかった。吸い込まれるような黒穴から、禍々しい気配を感じる。 のっそりと出てきたものは、巨大な黒い狼の姿をしていた。しかし、ただの狼とは明らかに違う存在だとわかった。 「俺の聖剣がギンギンに反応してやがる。あいつは『悪魔』の類だ」 魔狼が、島中に響き渡るような遠吠えをする。 周囲の森から、三匹の黒狼が飛び出してきた。 オレたちは完全に囲まれてしまった。 次回、玄室の魔狼との死闘の末に待つのは未知の秘宝か。 [プレイログ] 【42 荒波】 キャラクター5人が船酔いチェック。生命ロールで目標値は3。失敗すると次の戦闘時に攻撃ロールにマイナス1のペナルティを受ける。 ヴァルグ サイコロの出目1 失敗。平穏のポーション使用(船酔い回復、対魔法ロール+2) ハルト サイコロの出目2+修正1 成功 ヒース サイコロの出目1 ファンブル失敗 ポール サイコロの出目6 成功 ニーナ サイコロの出目4 成功 【14 浮力の胴着】 器用ロール、目標値4で発見 ヴァルグ サイコロの出目6 成功 浮力の胴着入手(水中活動のペナルティを受けない。泳ぐ際の判定ロールにプラス2の修正あり。鎧扱いではないため持ち物として扱う。) 【66 玄室の魔狼】 【玄室の魔狼 レベル5 生命点4 攻撃回数2】 【黒狼 出現数3 レベル5】 戦闘は次回。 【ヴァルグ レベル18→19 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】20 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) ハチミツの塊2(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】0→1 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル8→9 技量点1 生命点7 筋力点3→4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】43→44 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) 平穏のポーション(船酔い回復、対魔法ロール+2) →ヴァルグが使用 ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】0 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月18日火曜日
冒険は君の手で作れ! 第1回 FT新聞 No.4955
■冒険は君の手で作れ! 第1回■ おはようございます。紫隠ねこです。 FT書房が送り出す、30分で遊べる1人用TRPG『ローグライクハーフ』。 イタリアのゲームデザイナー、アンドレア・スフィリゴイが2017年に発表した『Four Against Darkness(以下4AD)』に着想を得て制作された作品です。 冒険者としてアランツァの各地を渡り歩き、困難な依頼を成し遂げる。冒険の舞台となる場所には、その地域特有のテーマが込められており、さらにゲームブックを意識したフレーバーテキストが冒険の臨場感を高めてくれます。 では、ローグライクハーフと比較して、4ADはどのようなゲームなのか? 今回の記事では、そのことを分かりやすく説明しようと思います。 ◆キャラクターメイキングについて キャラクターメイキングは非常にシンプルで、サイコロは一切使わず、4人のキャラクターのクラスを選択するだけ。 選んだクラスで、そのキャラクターの【生命点】と、戦闘における【攻撃ロール】【防御ロール】のボーナス、初期装備が決定されます。 クラスによっては、回数制限のある特技を使えたりもするのですが、基本的に能力値は【生命点】【攻撃ボーナス】【防御ボーナス】の3つだけです。 基本的なクラスは【戦士】【盗賊】【僧侶】【魔術師】【蛮人】【エルフ】【ドワーフ】【ハーフリング】の8種類。 クラシックD&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)を参考にしていることもあり、人間以外の種族も1つのクラスとして扱われています。 冒険中のあらゆる行動判定は、ローグライクハーフのように【判定ロール】によって行われます。 6面サイコロを1個振り、出目が目標値以上なら判定は成功。戦闘での【攻撃ロール】も同様ですが、【防御ロール】だけは目標値を上回る必要があります。 どの判定も、出目が1ならファンブル(自動的失敗)。出目が6ならクリティカルとなり、さらにサイコロを1個振って、その出目を達成値に加算していくことになります。 ◆ゲームの進行 4ADは、ダンジョン探索をメインとした1人用RPGです。 探索するダンジョンは、縦28ブロック、横20ブロックの構造になっています。 部屋や通路などのマップタイルは、d66(6面サイコロを2個振り、ひとつは十の位、もうひとつは一の位として扱う)で決定され、それを方眼紙に記していきます。 初めて入ったタイルでは、6面サイコロを2個振った出目の合計を【マップタイルの様子表】と照らし合わせ、イベントが発生するのか、あるいはクリーチャーやトラップに遭遇するのかを決定します。 サプリメントを利用しない場合、ダンジョン探索は「ダンジョンの主であるファイナル・ボスを倒す」が目的になり、短い時間でダンジョン探索を楽しむことができます。 冒険者のパーティは、前衛2人、後衛2人の隊列を組んで探索します。マップタイルには「部屋」と「通路」があり、隊列は「通路」のイベントでのみ適用されます。 通路で戦闘が起きた場合、接近戦で戦えるのは前衛に立っているキャラクターだけです。敵も同様に最大2人までしか攻撃してきません。 また、パーティの前衛に「トラップ解除」できるキャラクターを配置している場合、トラップに遭遇したときは、必要な判定ロールを行う前に、1回だけ「トラップ解除」の判定を行うことができます。これに成功すれば、トラップを無力化することができます。 1度登場したタイルを再び訪れた場合は、さまようモンスターが出現しないか、6面サイコロを1回振ってチェックする必要があります。出目が1だったらモンスターが出現。どのモンスターが出現するのかはランダムですが、もしも戦闘が発生した場合は、不意を突かれるため敵が先に行動します。 そのため、ファイナル・ボスを見事倒したとしても、ダンジョンの入口に戻るまでは油断のならない難易度になっています。 ◆遭遇について 探索中に遭遇するモンスターは「マイナー・モンスター」と「メジャー・モンスター」の2種類。 マイナー・モンスターは、1回でも攻撃を当てれば倒すことができますが、徒党を組んだグループとして出現します。メジャー・モンスターは単体で出現しますが、打たれ強く、様々な特殊能力を持っている強い敵です。 前者には「ヴァーミン」と「ミニオン」。後者には「ボス」と「ウィアード・モンスター(奇怪な怪物)」と呼ばれるモンスターが存在しますが、異なるダイスロール表を使うぐらいで、出現数と打たれ強さの扱いに変化はありません。 ダンジョンの主である「ファイナル・ボス」は、ボスまたはウィアード・モンスターのいずれかになりますが、能力が少しだけ強化されているため、さらに手強い相手となります。 モンスターに遭遇したとき、それが「ファイナル・ボス」でなければ、こちらか攻撃を仕掛ける代わりに、相手の反応をうかがうこともできます(ローグライクハーフと同様に、6面サイコロを1個振って決定します)。もし、相手の反応が【敵対的】だった場合は、敵の先攻で戦闘が発生することになります。 ◆戦闘について 戦闘の手順は、ローグライクハーフと同様です。第0ラウンド(遠距離)で敵を攻撃するには、「飛び道具」または「攻撃魔法」を使う必要があります。 【攻撃ロール】でクリティカルが発生した場合は、ローグライクハーフと異なり、達成値を加算していきます。達成値が敵のレベルの整数倍になるたびに、別の敵に1点のダメージを与えることができます(対象がメジャー・モンスターなら、その攻撃によって1点の追加ダメージを与える)。 敵からの攻撃は、生きているキャラクターで均等に配分されます。余った攻撃は、特別な指示がない限り、任意のキャラクターに割り当てることができます(たとえば魔術師を毛嫌いしているモンスターと戦っているなら、余った攻撃は自動的に魔術師を対象に選びます)。 敵の生命点(あるいは出現数)が半分以下になれば、ローグライクハーフでは敵が【逃走】したことになりますが、4ADでは敵の【士気ロール】を1回だけ行うことになります。 この判定に失敗した敵は【逃走】しますが、成功した場合は【死ぬまで戦う】ことを選びます。遭遇した敵によっては、勇敢なものや臆病なものがいるという訳で、モンスターの個性付けになっています。 ◆手がかりについて 「手がかり」は、何もないマップタイルを調査することで入手できます(ただし、確実に入手できるとは限りません)。これは各キャラクターごとで管理されていて、次の冒険へと持ち越せます。 冒険中に「手がかり」を3個消費することで、現在の冒険が終わるまでの間、特殊なボーナスを得ることができます。 また、シナリオブックなどの生成済みのシナリオによっては、冒険を達成するためのフラグとして使われることがあります。 ◆レベルアップ メジャー・モンスターとの戦闘に勝利した場合、またはマイナー・モンスターとの戦闘に10回勝利するたびに、レベルの低いキャラクター1人を対象に選び、1回だけ【経験ロール】を行うことができます。 6面サイコロを1個振り、出目が対象キャラのレベルを上回っていれば、レベルアップに成功。【生命点】が最大値ごと+1され、クラスに適した【判定ロール】のボーナスが上昇します(たとえば【戦士】であれば、レベルと同じ値だけ【攻撃ロール】にボーナスが得られます)。 キャラクターのレベルアップは順当に行われるようになっており、1人だけ極端に強くすることはできません。 基本ルールでは、成長はレベル5が上限になっています。別冊の中級ルール『Four Against the Abyss』(レベル5-9まで対応)、上級ルール『Four Against the Forsaken Depths』(レベル10-19まで対応)を導入すれば、さらにキャラクターを成長させることができます。 パーティが中級ルール、上級ルールを導入するほどの強さになると、キャラクターの「冒険者ランク(Tier)」が上昇し、使用するサイコロも成長します。たとえば、レベル5以上のエキスパート・ランクであれば、【判定ロール】で8面サイコロを使えるようになり、クリティカルも1つだけ出やすくなります(8面サイコロだと、目が7以上でクリティカル)。 ◆従者について 従者(雇い人)は『Four Against the Abyss』から導入されたオプションルールですが、最大2人までしか連れていくことはできず、ローグライクハーフで言うところの「主人公」が4人もいるパーティでは、活躍の機会はそれほどありません。 特に「戦う従者」は扱いが不遇で、従者はレベルアップができないため、サイコロを成長させることもできず、高レベルのパーティにとっては足手まといになりがち……。 それでもランタンを代わりに持ってくれる〈ランタン持ち〉や、行動を消費せずに武器交換してくれる〈槍持ち〉などの「戦わない従者」は、汎用性も高く、何かと役立ってくれます。 後に「戦う従者」の代わりとして、強くはないが独自のスキルを持つ「5人目のパーティキャラクター」や、通常クラスへと格上げされた従者が登場します。 格上げされたのは【防衛者(Bulwark)】で、元々はダメージを受けたキャラクターをかばう【ボディガード】と呼ばれる従者でした。従者のときとは違い、重装備ができるようになり、レベルアップもするので、打たれ弱い魔術師系クラスを守るのに適したクラスだと言えるでしょう。 「5人目のパーティキャラクター」では、たとえば冒険者が習得可能な技能を1つだけ使える【専門家(Specialist)】がいます。【専門家】はレベル5までしか成長しませんが、アイテムを使用できるため、技能以外でもパーティをサポートすることが可能になっています。 ローグライクハーフが、4ADの「従者」を参考にしたのかと言うと、実はそうではありません。 制作段階で「主人公が従者を引き連れて冒険する」というコンセプトが形になってきた当時、私は『Four Against the Abyss』の「従者」のことは知っていたのですが、そのことは杉本=ヨハネさんには黙っていました。 4ADファンの間では、従者について「緊急時にキャラクターの盾になる増加装甲」という印象を持つ人が多く、役立つサブキャラクターというよりは、足手まといのイメージが強い存在でした。 ローグライクハーフの主人公は強い存在だけど、冒険を達成するには、他の者たちと力を合わせる必要がある。ここで私が『Four Against the Abyss』の話を始めたら、おそらく修正を入れて別のシステムになってしまう。従者たちを主軸としたゲームシステムが、どのような物語を生み出すのか、私はそれを見届けたかったのです。 そのためローグライクハーフの従者システムは、完全にオリジナルのアイディアとなっています。 ◆自分だけの冒険を作る楽しさ サイコロを振り、地図を書き記すだけでダンジョン探索ができる4ADですが、各種ダイスロール表にはフレーバーテキストの類はなく、データ部分のみが記されているだけです。 一通り眺めてみると、ゲームを進行するためのデータは充実しています。しかし、ローグライクハーフとは違って、物語に関わりそうな部分がまったく書かれていません。 ランダムに従うだけでもゲームは楽しめますが、コンピュータRPGのようにゲーム面と物語性を両立して楽しむなら、それらの要素を自分の手で作っていくことが、本作を長く楽しむのに必要なスキルとなっています。 何故、自分のキャラクターは冒険をしているのか。どんな世界を歩いているのか。冒険の中で冒険者たちはどのような〈できごと〉を体験していったのか。 それらを一度に創造するのは大変なので、思いついた順に形にしていくのが良いかも知れません。 ただのレベル1の【戦士】を動かすよりは、たとえば英雄に憧れて冒険者になったアーウィンとか、名前をつけてあげるだけでも雰囲気は変わってきます。 お気に入りのRPGのサウンドトラックを再生して、ダンジョンに潜った冒険者たちのやり取りをイメージしてみましょう。ちょっとずつ、あなただけの世界が出来上がってくるはずです。 ときには、冒険を盛り上げるために、ダイスロール表の結果を任意で選ぶのも良いかも知れません。4ADのプレイヤーは、冒険者たちの役割を担当しながらも、ゲームマスターでもあります。 通路だらけで安全なダンジョンだと思っているなら、緊張感を取り戻せるように、パーティの行く先にモンスターやトラップを配備しましょう。 手強いボスを倒したけど、誰も使えない魔法の宝物が手に入ってしまったなら、別のアイテムに差し替えるか、または次の冒険のためのシナリオフックにすることもできます。 自分が楽しむために、いろいろと試してみるうちに、何もないところから物語を作るスキルが身についていくはずです。 次回では、4ADのサプリメントについて紹介します。良い冒険を! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: 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2026年8月17日月曜日
ぬい活の話。 FT新聞 No.4953
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆ 恵那ケミカルさんから「モンスター!モンスター!TRPG」のサプリメントである「霧の国サーリアス」が無償公開開始です! https://enachemical2979.booth.pm/items/8628434 BOOTHのサイトから、作品紹介を抜粋いたします。 (作品紹介) 日本国内ではFT書房様で発行されている、ケン・セント・アンドレによる 「モンスター!モンスター!」(以下M!M!)のルールに設定したサプリメントです。 舞台は恵那ケミカルの独自世界、「ドリームランドへようこそ!!」から、霧に包まれた神秘の国サーリアスが舞台となっております。M!M!の共通世界である「ズィムララ」世界の遥か東北沖に、いつの間にか現れた、深い霧に包まれた新大陸があります。その名は「エ・ナー」。ここでは偶然辿り着いた船舶や航海者が保護され、少しづつその存在が付近の町や村に伝えられています。 しかしここには一つ、恐るべき脅威がありました。それは、サーリアスやエ・ナーのあちこちに突然現れては地獄の怪物たちを送り込む《奈落》と呼ばれる恐るべきポータルの存在でした。 サーリアスに住む存在は「ピクシィ」と呼ばれ、原則的には不老不死です。 しかしそんな存在たちをも巻き込み、《奈落》は拡大しています。 君は偶然か、あるいは運よくこの大陸の存在を知りやってきた冒険者です。 ここでは独自の生態系と、深い霧に包まれた神秘と不可思議の国、サーリアスを中心に冒険が紡がれていきます。 《奈落》を探し、封じよ。それが君がここで生きる道であり、世界を知る手段である。 (作品紹介ここまで) ◆「ぬい」の話。 ある日、妹からLINEが来ました。 普段から仲のいい、大事な妹です。 なんでも、私にお願いがあるとのこと。 私が住んでいる地域の100均に行って、あるものを買ってきてほしい、というお願いです。 送られてきた情報をみると、それは小さなぬいぐるみに着せる服用のハンガー、でした。 「それ、日本中で、晃兄さま(杉本のことです)の住んでいる地域にしか残っていないレアものなのよ」 それから数ヶ月後、東京のイベントに顔を出す途中で私は、静岡にある実家に顔を出しました。 「はい、これ」 「ありがとう!」 「でもこれ、人形の服用のハンガーだよね? 何に使うの?」 「実はさー、この数年間ね、『ぬい』にハマってるんだ」 そう言いながら妹が取り出したのは、機動戦士ガンダムの主人公、アムロ・レイのぬいぐるみです。 「これ、自作?」 「そうだよ! 目の周りとか、片方ごとにひと晩ずつかかっているんだよ」 「いわゆるぬいぐるみ活動、『ぬい活』ってコト!?」 「そうだよ! すごいでしょ!」 余談ですが、妹と私はしゃべり方が非常に似ているうえに、声質までそっくりです。 高校生の頃、家族でキャンプをした際には、暗闇で話す妹の声を聞いた母親が「妹のマネをしている」と言って笑ったほどです……実際に話していたのは妹本人でした☆ ◆妹までこき使おうとする兄。 そんな妹の活動話を聞いている間、私の頭にはあるひとつのことがずっと浮かんでいました。 (FT書房のキャラクターのぬいぐるみ、欲っしいー☆) あわよくば妹に作ってもらうべく慎重に探りを入れていくと、どうも、妹は「アムロ・レイ」が好きすぎて自作したのであって、ぬいぐるみを作ることそのものにハマっているわけではなさそうなのです。 「作るのは楽しいけど、自分が好きなキャラじゃないと意欲が湧かないんだよ」 なるほど、それはそうかもしれないな。 そんな風に思って、妹への打診は断念したというのが、5月下旬のできごとでした。 ◆場面は変わって。 ぬいぐるみの知識を多少、妹から仕入れた私は、「いつかアランツァ世界のキャラクターの『ぬい』を作りたい」と考えていました。 そんな折、2026年8月9日(日)に、FT書房は物販として「TGFF(テーブルゲームファンフェスタ)」に出展しました。 TRPGのイベントです。 そのイベントで、私はあるサークルさんとの出会いを果たします。 なんと、TRPGのキャラクターをぬいぐるみ化する活動をしている、というのです! もちろん有償ですが、作るのにかかる時間を考えたら非常に良心的だと、私は感じました。 そこで私は「ミナ・ガーデンハート」のぬいぐるみ化を打診してみました……☆ 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」界隈では、ファンである東洋夏さんが自分のキャラクターをぬいぐるみ化していて、ずっと「なんかええな」と思っておりました。 ぬいぐるみが届いたら、今度は着せる洋服類を手に入れるために、妹に話を聞こうと思っております! それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月16日日曜日
読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第13回解答編 FT新聞 No.4953
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第13回(解答編) かなでひびき ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● はろにちわー! 初めての方は、はじめまして! おなじみの方は、毎度! 火曜日の記事『これはゲームブックなのですか?』にて、掲載させていただいてる、ヴァーチャル図書委員長かなでひびきですぅ! かなでが集めてきた「謎だけ」で答えのないお話に、オチを付けていただくというこの企画! 今回のお話は、 「行きずりでついカッとなって殺人を犯してしまった犯人! 死体を埋めているところを女の子に目撃されそうになり、くまのフリをして彼女を追っ払った犯人。この後、彼に降りかかった運命は?」 って話だったよねー! そして、応募していただいた皆様、ありがとうございます! 早速、紹介していっちゃうね! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『くまだ! 熊が出たぞ!』(解答編) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (忍者福島さん) そうして寝る前に男が呟いたってえ一言が「ああ、くまったくまった」 お後がよろしいようで。 (次の演者、もとい筆者の出囃子が鳴る。ジャラル・アフサラールさんの出囃子かな?) 以上、フランチェスコ末廣亭での一席でした。 +++++++++++++ (かなでコメント) ありがとうございます。 ダジャレに全ブリしたスガスガしさ! たまりません! かなでも、こういう生き方をしたいです! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (ジャラル アフサラールさん) 男は逮捕されるかとビクビクしておりましたが、地方の事件のせいか報道もされないので安心しておりました。近所の果樹園で盗難があったので、その犯人の犯行と誤認されたのか、あるいは本物のクマの仕業と誤認されてるんだろう!と安心した男は調子に乗って近郊のカラオケ大会でロックを歌って準優勝したりしておりました。 しかし、男のアパートにある日訪問者が来ました「え〜あなた! 2、3お伺いしたい事があるんですけど〜」と少し影のある二枚目の年配男性は「申し遅れました。私、警視庁刑事部捜査一課の〜」黒のスーツにノーネクタイの年配男性の提示した警察手帳にパニックになった男は年配男性の名乗りも聞こえなかった。 警部補らしい年配男性はS市で行われた殺人について男に鋭い質問を幾つかした。男は「大丈夫だ。殺人の目撃者はいない。」と思いつつ、警部補の質問に答えた。 警部補は最後におでこに指先をあてて 「え〜あなたが犯人です。」 男は反論した。 「目撃者でもいるのか!」 警部補は 「いや〜目撃者はいないんですがね。これを聞いてください。」 警部補はスマホを取り出すと音声を再生した。 「ウゴォォォォ! うがァァァ」 男が女の子を脅かす時に叫んだ怪獣みたいな低い声が再生された。 「犯行現場の近くに果樹園があったでしょう? 果樹園に盗難防止用のカメラと集音マイクがセットされていましてね。殺人がクマの仕業なら大変ですから、警察や地元の猟友会や役場の人も交えて分単位で映像をチェックしまして、この音声を拾えたわけですよ。それに加えて…ピカさ〜ん!」 オデコの広い部下らしき刑事がタブレットを持ってきた。刑事がタブレットを操作するとカラオケ大会でロックを歌っている男の映像が映し出され、男がシャウトしている所で映像がストップされた。 「ここのあなたの叫び、現場にいた女性によると完全にあの夜の『クマ』の唸り声と同じだそうで、SNSにあげられたカラオケ大会の映像を見て警察に通報されたんです。鑑識さんによるとシャウトとクマモドキの唸り声の声紋は完全に一致するそうです。」 男は手錠をかけられながら 「ウゴォォォォ! うがァァァ」 というクマならぬアクマのような唸り声をあげたそうです。 <END> オカルトやSFは他の方が書くと思いましたのでミステリで行きました。名探偵にはプリキュ〇と最近共演した「見た目は子ども、頭脳は大人」の探偵モドキか最近の続編漫画でパパになった「名探偵の孫」探偵モドキにしようかと思いましたが、SMA〇もイチ〇ーも逮捕したあの警部補モドキにしましたwww +++++++++++++ (かなでコメント) ありがとうございます! というわけで、忍者福島さんのご氏名を受けて、真打!?ジャラルさん登場(ドンドンパフパフー) なるほどねー。 見事に倒叙ミステリに仕上がりましたねー。 原作に書かれていないことをうまく逆手にとって、証拠を作っていくのがなんとも! 加えて、それがさりげなく配置されているのもグッド! ラストの唸り声のオチには、かなでもうなり声をあげてしまいました。 ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (緒方直人さん) 次の日の日曜、男は都会におもむき趣味の100均ショップ巡りにいそしんでいた。今日こそ、今日こそはアレに巡り会えますように。。。。。うぉおッッ!あった!あったアッッ!! 男が何か月も探し求めていたロボットプラモホビー「MECHA ART(メカアーツ)」のBOX版がそこにはあった。300円という低価格ながら驚きのディティール、そして抜群の低重心フォルムがロボマニアの心を存分にくすぐり上げる珠玉の逸品だ。配色はシンプルにグレー単色のシール無し。だがそれが良いそこが良い。いくつも買って思うがままに雑に塗り上げたい。基本の迷彩柄はもちろん、今の気分はクリーム色ベースで差し色にライムグリーンだ。こないだ見た建物の塗り分けが凄くオシャレで良かったんだ。ぜひあれを真似したい。あぁようやくそれが現実に。。。。。 夢にまで見たその商品を、震える手で掴み取ろうとしたその刹那。 ドタドタドタッ!ギャーギャー!ワーワーワー!! 背後から猛烈な勢いで突進してきた無数の夏休みチビっ子ギャングどもが男を押しのけて「MECHA ART(メカアーツ)」に群がりはじめた。あっという間に棚がカラになる。 「あ、あの、、、お客様もお求めでしたか? 申し訳ございません。今のが最後の在庫でして、入荷はまたいつになるか、、、、」 その声! 男は瞬時にパカッと両耳をかっ開いて脳内でお得意の声紋分析を開始した。その時間、僅かゼロコンマ一秒。間違いない、この店員、昨晩、俺がクマの真似をして追い払ったあの女の子だ! 歩く声優名鑑カッコ女性声優限定カッコ閉じと謳われたこの俺、聞き間違えなど決してしないッ! 「あのぅ、お客様、、、、?」 「あ、あぁスミマセン。いえ良いんです。また来ます。。。。」 「もし宜しければあの悪ガキどもを引っ叩いて、ひとつくらいは取り返してさし上げますが」 「物騒な物言いをなさるんですね。でも本当に良いんですよ。私もオトナの端くれ、いたいけな子供たちの楽しみを奪うようなヤボな真似はしません。オモチャはお子様にこそ遊ばれてナンボですよ、ハハ、ハ」 「いえあの、アイツラまたどうせ砂場に埋めたりとかザリガニと戦わせたりとかロクな扱いしないですよ。100均の安オモチャだと思って」 「!?ぐ、グゥゥッ!! でも、それでも僕は、、、、自分の矜持を曲げたりはしません!サヨナラ!」 涙をこらえ男は店を後にした。夢にまで見た「MECHA ART(メカアーツ)」が悪ガキどもに砂場に埋められるのかと思うと悔しさで胸がいっぱいだったが、そういや俺ももっとヤバいものを埋めてきたんだっけなと思い返して、何だか腹が減った。そうだ、昼は深川飯にしよう。(完) +++++++++++++ (かなでコメント) ありがとうございます! すっとぼけた味が前半のブラックユーモア気味の文体と相乗効果をなして、いい味を出してますねー。 声優ネタと100円ショップネタというニッチ!?なネタも、面白く味あわせていただきました。 しかし、こと「声優」さんになると、神のような聴覚をお持ちの方もいますねー。 かく言うかなでは、小池朝雄さんと、石田太郎さん。コロンボの声優がわかりません(笑) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (ヴェルサリウス28世さん) >読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第13回(出題編) 回答1はめちゃくちゃ短く、回答2はめちゃくちゃ長いので、そのつもりでお読みください。 回答1 女の子は驚いて村に帰り、「熊が出た!」と村人に言う。村人が驚き慌てるのを見て、女の子は思わず笑ってしまう。 翌日。女の子はほんのいたずら心から「熊が出た!」と村人に言う。村人は驚き慌て、女の子は笑った。 3日目。女の子が本当に熊に会い、村人に必死に警告したが、もはや女の子の言葉を信じる村人はいなかった。 ============== アイソーポス(−619−−564頃)『イソップ寓話集』の「嘘をつく子供」(オオカミ少年)より。 回答2 あるとき、美形英雄エルフ・ザ・ピンチは用事があって夜中のうちに山を越えることになった。ドルチ一族が経営する剣竜亭の支店もなく、コンビニ一族が経営し、その名を冠した、冒険帰りの冒険者にも優しい原則24時間営業のチェーン店の雑貨屋も深夜営業をしていないような辺鄙なところで、あるのは村人向けの酒場くらい。 夜に山を越そうとするエルフ・ザ・ピンチに対し、酒場の主人が言うことには、これから先の道は、夜には熊が出る、ゆえに旅人も白昼でなければ通れない、とのことであった。 エルフ・ザ・ピンチは急いでいたので、主人が止めるのも聞かずに出発すると、果たして、月夜の山道に1匹の熊が襲ってきた。 熊の爪を受けて、仮面が割れて地に落ちる。 ーーーーその刹那。満月がたちまち雲に覆われていく。 彼の特技は『美貌』。日月すら彼の素顔を見ると、己のあばた面を恥じるのだ。 「そのお姿は、もしや、エルフ・ザ・ピンチ様ではありませんか? 申し訳ございません。以前にお見掛けした時とはお姿も仮面の顔も異なっていらしたので、めぐり会ってもそれと分からないままでしたが、仮面が外れると雲が夜半の月を隠したので、すぐそれと分かりました。どうかお許しください」 足下から聞こえてきた人の声にエルフが目をやると、熊の姿はどこにもなく、裸の男が頭を地面に向けて土下座をしていた。 「その上で、もしよろしければ、私のばかばかしくつまらない話を聞いていただけませんでしょうか。 私は、かつて冒険者をしておりました。かたわらひそかに詩作を趣味としておりましたが、進んで師に就いたり、求めて詩友と交わって切磋琢磨に努めたりすることをしませんでした。かといってまた、俗物の間に伍(ご)することも潔しとせず、内心では無教養な冒険者仲間を軽蔑しておりました。 この臆病な自尊心と尊大な羞恥心とのせいで、冒険者仲間ともうまくいかず、冒険者をやめ、山村で暮らしていましたが、つまらないことで人を殺し、死体を埋めているところを人に見られ、とっさに熊の鳴きまねをして追い払い、家に帰って眠りに落ちました。 その夜、月の光にふと目を覚ますと、私の体は1匹の熊へと変じておりました。家を出て山道を歩くうち、兎が目の前を横切るのを見ると目の前が真っ赤になり、気が付くとあたりには兎の血が散らばっておりました。 私は狂乱しました。まるで陸奥(みちのく)の「しのぶもじずり」(模様のある石に忍ぶ草の汁を塗り、その上に布を石で擦り付け、石の模様を転写したという衣)という擦り衣の乱れ模様のように。いったい誰のせいでこうなったのかと」 (ミチノク? シノブモジズリ? 何それ。こんな言い方をしてたのなら、冒険者仲間から疎んじられていたのもうなずける) エルフはこう思ったが、黙って男の話を聞き続けた。 「こうなってはもはや村人とともには過ごせません。私は昼は人、夜は熊の姿となり、都の東南に小さな庵を作って隠れ住んでいると、世の人々は世を憂いて住む隠者だと思い、この山も「世を憂し」の山などと呼んでいますが、そうではないのです。 私がそんな隠者であれば、浮世の民を(東方の大僧正が着る)墨染めの袈裟で覆って救済しようという身分不相応な大望を抱けたのでしょうが。 たまたま不運にもワーベアの身となったと知り、世の中にこの悲しみから逃れる方法もないのかと思い悩んで山道に入ると、山の奥で紅葉を踏み分けて鳴く鹿の声が聞こえ、悲しみがつのりました。 御垣守(みかきもり)の衛士(えじ。宮中を警護する衛門府に勤める兵士)が焚く火が、夜は燃えて昼は消えているように、私の心は、夜ワーベアとなっている間には人を食べたくなる燃えるような本能に埋め尽くされ、昼は人間の姿となって物事を思い悩みます。 伊吹山のさしも草(灸に使用されるよもぎの異名。もぐさ。滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山で取れた。)の「さしも」ではないですが、さしものあなたでも知らないでしょう。私の心の中に燃える、人を食べたいという熱い思いを。 これを止めている人間としての理性を夜も忘れないでいたいものですが、将来どうなるかは分かりません。今日を限りに命が尽きてしまえばいいのに。 この命が絶えるなら絶えてほしいと思いました。このまま生き永らえると、人を食べるのを耐え忍ぶことができなくなるだろうから。 心ならずも浮き世に生き永らえると、人間だった頃に見た夜半の月が恋しくなりました。今や月の出る夜には人間の心でいることはできませんから。 生き永らえると、つまらないと思っていた人間だった頃の世の中も今は恋しいです。 思い悩んでも、自ら命を絶つこともできず、命はあるのに、悲しさに堪えられないのは涙だけでした」 男は涙を流しながら話し続けた。 「夜には私を熊に変える月が、昼には私に「嘆け」と命じているのでしょうか。そのように託(かこつ)けたくなるほど涙が流れました。 私の涙を拭う袖は、引き潮のときでも海中で見えない沖の石のように、人は知らないでしょうが乾く間もありません。 見せたいものです。雄島(宮城県の松島にある島)の蜑(あま。漁師。海女と違い男女どちらも指す。)の袖でさえ、いくら濡れても私の袖のように色は変わらないでしょう。 まるで、秋の田の近くに建てた仮庵(農作業のために臨時に建てる仮の小屋)の屋根の苫(とま。菅(すげ)や茅(かや)などを菰(こも)のように編み、屋根の覆いに使用したもの)の編み目が粗いので、夜露が落ちてきてびしょ濡れになった袖のように。噂に聞く高師(たかし。大阪府の高石付近にあった海岸)の浜の、むなしく寄せ返す波に濡れた袖のように。 人を恨む気力も失い、私の袖は涙に濡れて干す暇もありません。人恋しさに負けて人里に出て行ったりしたら、人食い熊の悪名があがるだけでしょう。 春の夜に、少女が落とした貝殻のイヤリングを届けに行ったら、お礼に一緒に踊ることになり、踊り疲れた少女の頭に、この手の肉球を枕に差し出す。そんなことを夢想したりしましたが、実際そんなことをしたら人食い熊の悪名が立つだけでしょう」 男は少し笑うと涙を止めた。 「曇りや新月で月の出ない夜には熊にならずにいられるのですが、独りで寝ていると孤独に耐えられなくなりそうでした。まるで山鳥の枝垂れた尾のように長い夜も、キリギリスが鳴く霜の下りた夜も、私は独りで夜を明かしました。 孤独を嘆きつつ独りで寝る夜が明けるまでの時間がどんなに長く感じるかよく知っています。 夜通し物を考えていると夜がなかなか明けず、寝室の隙間さえつれなく感じられました。 もう夢で昔の知り合いを見ることもなくなりました。住の江(大阪府の住吉付近の海岸)の岸に寄る波の「よる」ではないですが、夜に私の夢の中に出てくるのさえ人目を避けているのでしょうか。 瓶原(みかのはら。京都府の加茂の木津川の北の地域)から湧き出て流れる泉川(いずみがわ。京都の木津川の異名)の「いつみ」ではないですが、人を最後に見たのはいつのことだったでしょうか。それほど人と会っていないのにどうしてこんなに人恋しいのでしょうか。 有馬山の猪名の笹原(兵庫県にある有馬山の近くの猪名川に沿った、笹の生えた平原)に風が吹けば笹がそよそよと鳴るように、そう、どうして人の交わりを忘れることができましょうか。 誰も来ないとは知っていながら、人が訪ねて来るのを、松帆の浦(淡路島の海岸。海藻を焼いて塩を作る製塩法を行っていた。)で夕凪に焼いて作る藻塩のように身を焦がして待ったこともありました。 浅茅生の小野の篠原(まばらに茅(ちがや)の生えている小さな野で篠竹(しのたけ)が生えている平原)の「しの」ではないですが、いくら耐え忍んでも、余りに人が恋しい。 人が愛おしい。また人が恨めしい。つまらない世の中のことをいろいろと思い返して物思いにふけってしまいます。 いっそ人と人が会うということがなければ、人をも自分をも恨まないで済んだものを。 もう私のことを哀れと言ってくれる人もいるとは思えません。これは自身の行いによるものとしてあきらめるべきでしょう。 一緒に哀れと思ってくれるのは山桜だけです。もうこの辺りの桜以外に私を知っている人もいないのですから。 こうなった今、誰を知人にできましょうか。高砂の松(兵庫県の高砂の浜辺に生えた松)も昔からの友ではないのに。 人の心ももう分からなくなりましたが、春に咲く梅の花の香りだけは、ふるさとで嗅いだ昔の香りと同じです。 桜の花の色はむなしく色あせていき、それを眺めている私も年老いていきます。 花を誘って散らす嵐の吹く庭に、雪のように花びらが降ってくるように、老いて古くなっていくのは私自身です。 名古曽の滝(なこそのたき。京都の大覚寺にあった滝。)は、水源が涸れ滝の音もしなくなって久しいですが、その名前だけは今に伝わっています。 いま思い残すのは、私が作った歌のことです。私が作りためた歌が百首ばかりあります。これをなんとかして世に残していただけないでしょうか。私の名前は出さなくても構いません。ただ、このような身になっても作り続けた私の歌をどうしても世に伝えなくては、死んでも死にきれないのです」 涙を流して懇願する男の話を聞き、エルフも同情して泣きながら答えた。 「分かった。君が今後人を襲わないと誓うなら、僕もこの歌をなんとかして世に出すことを、エルフの崇める自然神ヴェルディアに懸けて誓おう」 「誓いますとも! ヴェルディアに懸けて誓います! どんなことがあっても、この誓いを守ります! お互いに涙で袖を絞りつつ誓いました。この上は、末の松山(宮城県多賀城市にあった小丘陵。貞観津波で波が越さなかったことから、詠み人知らずだが「君をおきて あだし心を わが持たば 末の松山 波も越えなむ」と詠まれた。)を波が越すようなあり得ないことが起きないことを祈ります。あなたが約束してくださったことを、させも草の上の露のようにありがたく大切にして、哀れにも何もなく今年の秋が過ぎ去ってしまわないことを祈ります。 ああ、あなたに会った後の、私の歌が世に出るのを待ち望んでいる今の心に比べれば、思い悩んでいた昔の思いなど何も思っていなかったも同じです。 私のことは忘れられても何とも思いません。先ほどの誓いを破ってあなたが神罰で命を失うことだけが心配です。 あなたが私の歌を世に出してくれるのを見届けるため、少し前まで惜しくなかった命さえ、少しでも永らえようと思ってしまいます」 男はエルフに百首の歌を書き付けた紙束を渡し、エルフの素顔から目をそらしたままかたわらの叢(くさむら)に分け入ると、再びその姿を見なかった。 エルフはこの歌をおもちゃ業者に持ち込み、真の作者を秘して、歌の作者として創作された100人の姫や坊主といったキャラクターの姿絵を絵師に描いてもらい、カードゲームとして発売したところ、飛ぶように売れた。 =========================== そのお姿は、もしや、エルフ・ザ・ピンチ様ではありませんか?:本作の元ネタは、全体として中島敦(1909−1942)『山月記』(著作権消滅済み)より。その元ネタは唐の李景亮の伝奇小説『人虎伝』(清の陳蓮塘の選の『唐人説薈(とうじんせつわい)』等に収載)であり、さらにその元ネタは唐の張読(883−889)の選の伝奇小説『宣室志』の一遍「李徴」とされている。 お姿も仮面の顔も異なっていらしたので:言い回しは吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(連載2016−2020)の、平伏した零余子(むかご)の台詞「お姿も気配も異なっていらしたので」から。エルフ・ザ・ピンチは素顔を隠すために常に仮面を着けているが、日によって仮面を変え、仮面に合わせて衣装も振る舞いも変えており、女性に扮することもあった。 めぐり会っても:以下、男の言葉は、後に百人一首となる設定である。盛り込めるだけ盛り込んだが、43首を盛り込むにとどまった。 第11話、第12話の作中解釈とは矛盾するのだが、まあ作中でも歌の解釈には諸説あるということで。 小倉百人一首は、藤原定家(1162−1241)が宇都宮頼綱(うつのみやよりつな。1178−1259)の別荘小倉山荘の襖に描く和歌100首を選んだものとされている。歌がるたとしてゲームに使用されるようになったのは江戸時代からと考えられている。歌人の絵が描かれるようになったのも歌がるたになってからである。 本作で、「なんでエルフ・ザ・ピンチの世界に百人一首があったのか」は明らかになったが、今度は「じゃあエルフ・ザ・ピンチの世界に陸奥の国や伊吹山があるの?」という新たな疑問が生まれてしまった。 もっとも、こうした歌に詠まれる地名は「歌枕」と呼ばれ、シチュエーションに合わせて歌に詠みこむもので、多くは現地を一度も見たこともない京都の貴族が詠みこんだものである。なので、歌枕を集めた歌道の本さえあれば、日本の地名を知らないファンタジー世界の住人であっても歌に詠みこむことは可能である。 ばかばかしくつまらない話:言い回しは吾峠呼世晴『鬼滅の刃』の狛治の独白「なんとまあ惨めで 滑稽で つまらない話だ」から。Aパート冒頭の「バカバカしい話を一席」を受けたもの。元ネタの『山月記』が高尚すぎて、バカバカしい落ちにならなかった。 不運にもワーベアの身となった:『山月記』及びその元ネタの『人虎伝』にある詩に「偶(たまたま)狂疾(きょうしつ)に因って殊類と成る」とあることから、人がたまたまワーベア化することもあるという設定である。ワーベアといえば熊神を崇めるベア・カルト(熊神教団)であり、熊神ゆかりのマジックアイテムには人をワーベア化するものがよくあったが、本件も熊神の恩寵だったのであろうか。男には教団員として生きる道もあったのかもしれないが、エルフ・ザ・ピンチが紹介してやれるほど友好的な関係にはなかった。 私の名前は出さなくても構いません:万葉集の時代から、官位を持たない身分の低い者や政争に敗れた罪人であっても、優れた歌は「詠み人知らず」として勅撰和歌集に採録されることがあった。平忠度(たいらのただのり。1144−1184)が平家一門と都落ちした際、歌の師であった藤原俊成(ふじわらのとしなり。1114−1204)の屋敷を訪れて自分の歌百余首を収めた巻物を託し、後に俊成は勅撰和歌集である『千載和歌集』に平忠度の歌を「詠み人知らず」として収録したというエピソードがあり、羽生飛鳥『歌人探偵定家 弐』(2026)でも触れられている。 誓いますとも!:言い回しは手塚治虫『ブラック・ジャック』の「おばあちゃん」に出てくる男の台詞「い、いいですとも! 一生かかっても どんなことをしても払います! きっと払いますとも!」から。それを聞きたかった。「かたみに(お互いに)袖を絞りつつ」から互いに誓い合った設定とした。 +++++++++++++ (かなでコメント) 今回も気合の入った作品をありがとうございます。 しかも二本立てとは! 最初の一本。いかにもショートショートにふさわしい脱力(いい意味で) 二作も、いつもと変わらない、造詣たっぷりなストーリー、ありがとうございます。 まさかホラーミステリーみたいな発端がこのような叙事詩へ!? なんか、もう、エルフ・ザ・ピンチ専属作家みたくなってきましたねー。 で、「いい話か!?」と思わせつつ、ラストのオチ。 かなで、本気でこの手の、「先立つものはお金」系のネタ、大好きです。 どんなことがあっても、やっぱり人間(エルフ・ザ・ピンチ君はエルフかな?)お金ですよお金! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (クレイジーケンナオコさん) 「ふぅー」 やっとここまで書き上げた小学生のタナカ君。 面白い小説を読み、「これならボクも書けるかも」AIの力を借りてここまで書き上げたのですが。 うーん。先が思いつきません。 AIが挙げてくれたオチも、たくさんありすぎて迷います。 そうこうしているうちに、その時に「おやつよー」の声。 こうして未完の短編は忘却の彼方に! +++++++++++++ (かなでコメント) ありがとうございます! なんというメタ物語っ! 物語自体をこんな異次元空間と化して、そのまんまオチにしているっ! 子どもの無邪気さという残酷さに!? 一面を当てたオチもいいですね! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (アガサ・ターナーさん) KABOOOON! そのとき、世界を焼き尽くす白い閃光が! そうです。どこぞの国が核戦争を始めたのです! 隠して死体も、犯人も、いえ事件そのものもなかったことに! 平和って大事だね! +++++++++++++ (かなでコメント) なんて力ずくなオチなんでしょうか! 子どもじみたイノセンスじみた狂喜、もとい狂気! ここまで来ると、かえって爽快な気が!? ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (葉山海月さん) しかし、悪いことはできないもんだねー。 次の日、早速「熊狩り」のための自警団が組まれ、山の捜索が行われたんでさ。 で、調査隊が見たものは、掘り返されて食い荒らされた死体のかけら。 そう、結果として、死体が腹を好かせた熊を呼び寄せちゃったんだね。 で、人の味を覚えた熊。早速山から降りて人を食い始めましたとさ。 しかし、真っ先に熊の胃の中に収まったのが、犯人ってぇのが洒落てるねー。 +++++++++++++ (かなでコメント) ジャラルさんに引き続いて、これまた頭脳系のオチ! 前半の物語に出てきたギミックを、うまく活用しているその巧さ! 夏らしく、ホラーっポイ落ちも秀逸ですね! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (かなでひびきさん) 次の日男は、テレビのニュースを見て真っ青になった。 というのが、その番組でテロップ付きで「山中の遺体遺棄! 殺人の線が濃厚」とでかでかと出てきたからだ。 第一発見者の駐在さんは語る。 「いやー、この子が『熊が出た』って言ってきたんで、話一部始終聞いてみたら、『熊が低い声でウゴォォォォ!』って鳴いた。ってとこに引っかかったんだなー。 熊の声ってのは、結構甲高いし、結構猪、あるいは豚の鳴き声に聞こえなくもないんだよ。 ですからね、コイツも熊のことをよく知らない奴が偽装したんじゃないかなと……」 +++++++++++++ (かなでコメント) 最後は、不肖かなでひびきの作品で〆させていただきました。 熊の鳴き声って聞いたことないな。そこから生まれたアイデアなんですが、動画見てみたら、予想外な鳴き声もいっぱい出してて、びっくりです! 勉強になりました! ・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 改めて、皆さん! たくさんのご応募ありがとうございます! みんなで考えたショートリドルストーリーの、お味はいかがだったかな? 今回は七編だったけど、ピリリとおいしい短編が詰まっていると思うの。 まず、今回のは「ミステリ」タイプと、ギャグタイプに分けられるわね。 ミステリタイプで筆頭なのが、ジャラル アフサラールさん。 手の込んだ伏線。それを生かした倒叙推理ものとして「日本一有名な!?」警部補が出てくる名作は、ミステリ好きの心をキャッチすると思うんですぅ。 葉山海月さんは、いかにもブラックユーモアで、不肖かなでのは、「前編」で提示された「証拠」にこだわったわ。 で、ギャグタイプ! やっぱり忍者福島さん。ここまで勢いで、よくぞ乗り切ってくれました! 同じく。アガサ・ターナーさん。 うぉぉぉぉ! 本気で力技というか…… 緒方直人さんも、結構手の込んだネタで、全力で盛り上げていただいてありがとうございますぅ! 作者冥利につきますねー。 で、どのジャンルにもちょっと分けがたい作品。 クレイジーケンナオコさん。まさかそんなメタ視点で! っていうオチは、頭脳系でもありギャグ系でもあり…… まさに思考のびっくり箱! 古典への造詣がいっぱいつまった、もはやオリジナル!? ともいえる、ヴェルサリウス28世さんの『エルフ・ザ・ピンチ』譚。 古典だけじゃなく、今はやりのあの作品までネタに盛り込んでるのはスゴイ! 今回も勉強になりましたっ! というわけで、きっとあなたの心に刺さる作品がある!? 今回の特集、いかがだったでしょうか? 締め切りは終わったけど、ここに応募された答えにこだわらず、みんなでご自由に謎の続きを考えて欲しいの。 魅力的な謎は、それだけで一つの物語。 それでは、次回の「問題編」 あなただけのオリジナルストーリー、ご応募お待ちしております! どうぞよろしくお願いいたしますぅ! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 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2026年8月15日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第705号 FT新聞 No.4952
From:水波流 先日は大阪・TGFFにてFT書房ブースの売り子として参加してきました。 合間に聞きに行ったトークショーは、内山靖二郎先生、河嶋陶一朗先生のホラーTRPGについて。 システムから語るホラー、シナリオから語るホラーとそれぞれの切口から貴重なお話を聞かせて頂きました。 TRPGは対面しているからこそ、恐怖を主観的に感じれるように、敢えて文字情報で渡すのが良いとの話を聞き、会話と文字の媒体の違いを改めて意識しました。 From:葉山海月 実写をAI作品と勘違いされる。 これが技術の進歩だ! From:中山将平 僕ら8月15日(土)に東京ビッグサイトで開催の「コミックマーケット108(1日目)」にサークル参加します。 配置は【東2ホール ソ49ab】です。 新刊であるモンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー「廃都脱出」を刊行します! この作品の詳細情報は僕たちのホームページで公開していまして、次のURLにてご覧いただけます! https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/haito ぜひチェックしていただけましたら。 さらに、8月16日(日)「コミックマーケット108(2日目)」に、僕の個人サークル「ギルド黄金の蛙」が初サークル参加します。 配置は【西1ホール ま36a】です。 当日刊行のカエル人の新刊、「創作・RPG・ファンタジー汎用異種族設定集 カエル人の全て(衣食住編)」と既刊(魔法と儀式編)等を持って行きます。 どちらも僕が現地にいますので、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (く)=くろやなぎ (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (天)=天狗ろむ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■8/9(日)~8/14(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年8月9日(日)清水龍之介 FT新聞 No.4946 Re:オレニアックス生物学 Vol.6 『ウルフドッグ』 ・過去の人気記事の再配信として、聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラント教授による、アランツァ世界のクリーチャーたちに関する「生物学」の講義をお届けしました。今回の講義のテーマは「ウルフドッグ」です。 アランツァのウルフドッグは、錬金術の生み出した生物兵器。犬よりも狼よりもずっと大きく、全身が筋肉の塊のような猛獣です。そんなウルフドッグに出会ったときの対処法について、生徒たちのひとり、狩人アヴィオンが語ります。お調子者ガリィの「撃退」エピソードにもご注目! (く) 2026年8月10日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4947 カタログ、作っています☆ ・「油断するとすぐに新作を出す」ことで知られる集団、FT書房は2019年に成果物を紹介したPDFを無償公開しています。いわば作品カタログです☆ 「以前のイベントで何を買ったのか、忘れてしまった」ときでも持っている作品を把握しやすくなるとのことで、カタログは好評でした。でも、これ、7年も前のものなんです★ 新たに「ローグライクハーフ」や「モンスター!モンスター!TRPG」の紹介カタログを、作品サイズに合わせたB5版でお届けするべく動いております! 素晴らしいことに、ファンメイドの「ローグライクハーフ」のシナリオとリプレイを合わせると、今や200作品にも到達する勢いなのだそう。 国産TRPGの快挙、200作品すべての紹介はかなわないとしても、せめてFT書房の公式作品が網羅的に把握できるカタログにするべく、地道な取り組みが進んでおります。 蕨之介氏による「モンスター!モンスター!TRPG」シナリオ「希望の小惑星」、「月の秘密」の新作案内もございます。こちらも無償公開ですので、ぜひご覧ください! (明) 2026年8月11日(火)葉山海月 FT新聞 No.4948 『Monkey business 2』-斥候の犬- ・先週の日曜日に、齊藤飛鳥先生による「ローグライクハーフ」としての作品、『霊廟館の悪夢』がリリースされたのが記憶に新しい方も多いと思います。 その、本格ミステリっぷりに、感銘を受けた不肖葉山海月が、その後日談を書いてみました。 『霊廟館の悪夢』事件から時は離れ、立派な冒険者となった主人公である君。 ふらりと立ち寄った酒場に、あの少女、クワニャウマが! 酒も進む中、彼女が語りだしたのは、ある斥候と、その忠犬にまつわる奇妙な疑惑だった……。 今回は探偵役に、われらがクワニャウマ姐さんを迎え、謎解きが進みます。 つたない作品ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 (快く二次創作の許可を出していただいた齊藤先生に、心より感謝いたします) (葉) 2026年8月12日(水)ぜろ FT新聞 No.4949 第3回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第505回。 今回の主人公は筋骨隆々な傭兵・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れ、「獣の腕」を宿す少年・ハルト。 二人は「クラーケンぶっ殺し号」に乗って、まずは海域を荒らす海賊退治に出ています。 今回は戦闘回! アクアデーモン戦では新米砲撃手のポールが海に引きずり込まれかけ、彼を助ける為に飛び込んだハルトは何と泳げない!? 更に畳みかけるように、海賊船も襲来! 元剣闘士だというヴァルグの大暴れ具合にも目が離せません! (天) 2026年8月13日(木)東洋夏 FT新聞 No.4950 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.8 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第8回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、途中で同行者となったドワーフ・アルゴットを喪いながらも、もう一人の同行者のコビット・ヨンと共に先頭車両を目指します。 アンデッドになっていた乗客を退け、とうとう先頭車両へ到達! そこで待っていたのは、二人の人物。悪趣味な黒幕にまたもや目をつけられてしまったシグナスは、果たして無事に生還できるでしょうか? (天) 2026年8月14日(金)市川大賀 FT新聞 No.4951 『折口裕一郎教授の怪異譚 佐賀 福岡 水底の声』作品紹介 ・今回は、SF Prologue Waveコラボレーション企画でも『僕と光の国のおじさん』という作品をご寄稿頂いたことのある、市川大賀先生から新作のご紹介を頂きました。 そのタイトルは、新作長編小説『折口裕一郎教授の怪異譚 佐賀 福岡 水底の声』 本シリーズは、とある民俗学ゼミの教授、折口裕一郎と、おっちょこちょいだがサポート力の強い助手とゼミの女生徒との三人組が、行く先々で怪奇な事件に遭遇するというのですが……。 折口先生、超能力も退魔術の心得もございません。そんな彼の武器は、「推理力」です! この一風変わった探偵冒険譚を、市川先生自ら語ります! 奇譚と推理が絡み合う頭脳の迷宮なこの一本! 読まなければ後悔することウケアイ(かなで風) (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (核通さん) いつもFT新聞を愛読しております、核通という者です。 このたびの「ローグライクハーフ」シナリオ、「霊廟館の悪夢」には特に感銘を受けましたので、初めて投稿しました。 高度なミステリー要素と、アランツァというファンタジー世界の舞台が見事に融合していると感じました。 今後とも、御社の製品(『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』を購入したところです)ともども、愛読させていただきます。 (お返事:齊藤飛鳥) 初めまして。このたびは拙作『霊廟館の悪夢』に感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m♪ 初めて書いたローグライクハーフのシナリオを、豪華執筆陣による『ヒューマンズ! ヒューマンズ!』と並べて愛読していただけるとは、たいへん嬉しいです^^ ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月14日金曜日
『折口裕一郎教授の怪異譚 佐賀 福岡 水底の声』作品紹介 FT新聞 No.4950
おはようございます。 FT新聞編集長の水波流です。 今回は、SF Prologue Waveコラボレーション企画でもご寄稿頂いたことのある、市川大賀さんから新作のご紹介を頂きました。 前作『折口裕一郎教授の怪異譚 葛城山 紀伊』は実は、私は2年ほど前に拝読しておりました。 奈良葛城山の土蜘蛛伝説や、"村の亡霊"の謎を追ううちに和歌山の徐福伝説を紐解く……という私の大好きな諸星大二郎の稗田礼二郎シリーズを彷彿とさせる古代史・民俗学もので、続編をぜひ読みたいなと思っておりました。 新作のモチーフは「河童」しかも「純粋な退魔綺譚に仕上げています」とお伺いし、さっそく注文しこちらも読み終えたところです。 今回は星野之宣の宗像教授シリーズのように緻密な考察を積み上げつつ、荻野真の孔雀王を彷彿とさせるダイナミックな展開が待ち受けています。 伝奇ロマン、古代史ミステリーがお好きな方にはオススメの作品です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『折口裕一郎教授の怪異譚 佐賀 福岡 水底の声』 (市川大賀) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆さん。 以前『僕と光の国のおじさん』を連載させていただいた市川大賀です。 実はこの度新作長編小説『折口裕一郎教授の怪異譚 佐賀 福岡 水底の声』を上梓出版いたしました。今回はその簡単な紹介を水波編集長からのオファーを受けてしたためた次第でございます。 この小説は僕の作品群の中では『折口裕一郎教授の怪異譚』シリーズ第二弾にあたります。 『折口裕一郎教授の怪異譚』シリーズとは、とある民俗学ゼミの教授、折口裕一郎が、おっちょこちょいだがサポート力の強い助手とゼミの女生徒との三人で、行く先々で怪奇な事件に遭遇し事件の傍観者になるという、よくあるハコ(タイトルも)のシリーズなのですが、折口君が他の諸先生方の作品の主人公たちとは違うのは、折口君は超能力も退魔術も使えず「徹頭徹尾謎を解いて傍観者に徹する」というのが特徴です。 第一作『折口裕一郎教授の怪異譚 葛城山 紀伊』をお読みくださった方々からはご好評をいただいたので、この度の続刊発行と相成りました。 先ほどのプロットをお読みになった方でピンときた方もいるかとは思いますが、このシリーズのキャラクター構造は往年のテレビ特撮ドラマ『ウルトラQ』(1966年)リスペクトで成り立っています。 今回の新作は、構想自体は10年以上前からありました。日本のエネルギー産業と戦後復興を支え続けてきた炭鉱とその成り立ち。傍目からは光り輝いた「戦後日本の繁栄」。その前期戦前戦時中から日本を支え続けてきた「燃料・石炭」は、どのような犠牲の果てで掘り起こされたものであったのか。そして「それ」を得るための犠牲はどう生まれどうその声は消し去られたのか。そしてその「声」を現代を生きる日本人に突き付けることはできないか。ずっと僕はそれを考えていました。 それには、ペンの力、すなわち「Speculative Fictionの力(SF=寓話)」しかないのではないかと思うようになりました。「僕たちが生きる現実」を表、「『日本書紀』『古事記』に書かれた記述」を「為政者が自己正当化のためのプロパガンダに書き換え続けた裏」ととらえ、その狭間で闇に葬られた「声なき声」を「第三界」として、毎回シリーズは続いていきます。 そして本作は、前作を読まれた読者皆様からの反応への反省を含めた構成をとっているつもりであります。曰く「クライマックスの盛り上がりが物足りない」「『古事記』『日本書紀』の読み取りばかりにウェイトを置きすぎる」などなど。あからさまな中傷やアンチ罵倒をノイズとすれば、他はどれもどれも頷けるご意見だったので、「ヒット作家」を目指している僕としては(笑)今回は前回よりも素直にエンタメに仕上げたつもりであります。 結果「市川大賀らしさが薄れた」「よくある既存の退魔物ジャンルになり下がった」等の「新たな苦言」を頂く覚悟は承知していますが、現実の日本国家が招いた惨劇と問題を、より多くの人達に共有してもらうためにはあえてステレオタイプの箱を用いることも一つの手段だと判断、今回の上梓に至ったというわけです。 本作はもちろん前作に続く『折口裕一郎教授の怪異譚』シリーズ第二弾であります。前刊で「葛城山」で「土蜘蛛」と、「紀伊新宮」で「地之龍」と遭遇して事件を解決に導いた折口君以下三人が、今度は「北九州」を舞台にして長らく民話伝承では「愛くるしい妖怪」とされてきた「河童」の抱く怨念と慚愧と相まみえるというのが今回のメインストーリーになります。 僕は初単著『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』からも訴え続けているように、この国の発展・繁栄は、決してよくあるノスタルジィ漫画のような「日本のお父さんたちが頑張ってきたから」などというお花畑夢想で語り尽くせるものではないと思っています。 無謀で愚かな大東亜戦争含め、近代国家・日本を支えてきたのは、他ならない「大東亜共栄圏思想」に巻き込まれて植民地と奴隷化を余儀なくされた亜細亜諸国の犠牲の上に成り立った「繁栄」なのです。 「そこで圧殺されてきた声」が、この物語の主役なのです。 そこには深い悲しみと怨嗟の響きだけが残されています。今回の物語の主題は「恐怖の事件の謎を追え。怪奇な事件を暴け」でありました。 だからでしょう。前作からのレギュラーの三人は、先ほども書いたように『ウルトラQ』の主役トリオがモチーフですが、今回ゲストで登場する「民俗学者の的矢忠」も「警察庁刑事局広域捜査特別班警部に所属する牧史郎」も「久留米市の産業振興課課長、野村洋」も、その名前(特に牧は人物造形も)は同じ円谷プロが1968年に制作した特撮ドラマ『怪奇大作戦』から拝借しています。 FT新聞をお読みの皆さん、どうかこの謎解きと知的ゲームと「この国の真実」と、楽しみながら向き合ってみいませんか? 二冊ともAmazonで書籍、kindle版ともに絶賛発売中です。よろしくお願いいたします。 『折口裕一郎教授の怪異譚 葛城山 紀伊』 https://www.amazon.co.jp/dp/B0BFJRB9Z4 『折口裕一郎教授の怪異譚 佐賀 福岡 水底の声』 https://www.amazon.co.jp/dp/4824611857 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。