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2026年10月14日水曜日

第4回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.5012

第4回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「あなたに弟子がやってきた」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフリプレイ「あなたに弟子がやってきた」をお送りします。 本シナリオは師匠視点のシナリオですが、弟子視点で描いているため、タイトルは内容に合わせて変更しています。 「エメラルド海の探索」の続編にして過去編。 ハルトは、大ヤギの魔獣から呪いを移され、生死の境をさまよい、ヴァルグに命を救われました。 そこから生きる術を身につけ、ヴァルグに弟子入りを志願。 ヴァルグは、ハルトを諦めさせるため、高難度の遺跡調査への同行を課しました。 遺跡では多くの失敗と学びがあり、目的地にて、先に入り込んでいた闇エルフとの対決が待ち受けていました。 闇エルフのたくらみは阻止しましたが、ヴァルグの制止も聞かずに闇エルフと直接刃を交えたハルトに、ヴァルグはなにを言うのでしょうか。 ■ステイタス 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:1/5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ●12 遺跡調査を終えて ノードの魔力と生贄を用いて、闇神の力を得ようとしていた闇エルフは、オレと火吹き獣によって倒された。 闇エルフが召喚した不完全な影の魔物たちも、ヴァルグがすべて掃討した。 しかし、その代償も大きかった。 オレはあちこちを斬られ、ボロボロだ。 そしてヴァルグは、そんなオレに厳しい視線を向けていた。 「俺は逃げろって言ったぜ。なんで逃げなかった」 ヴァルグは、でかい声でそう詰めてきた。 オレはオレで「倒せたんだからいいじゃん」なんて言い訳するつもりはさらさらなかった。 ヴァルグの言いつけを守らず、無謀な攻撃に出たのは事実だ。 この呪われた腕が引き出す闘争本能に呑まれていたばかりじゃない。 「しかもテメエの命を投げ出してソイツを守ろうとするなんざ、どうかしてる」 ヴァルグは、火吹き獣を囮にして逃げろと指示を出した。 けれどもオレが取ったのは正反対の行動。火吹き獣をかばって傷を負ってしまった。 「あの一撃でテメエが死んでたかもしれねェってこと、わかってんのか?!」 それはもう、完全に怒号だった。 ヴァルグが言ってることは、全部そのとおりだった。 けれども、これだけは言っておきたかった。 「ごめん。でもオレ、ほっとけなかったんだよ! オレのためにコイツが犠牲になるのなんて!」 「だからってなァ!」 言いかけたヴァルグだが、それ以上の言葉が出てこなかったようで口を閉じてしまった。 「だァもうクソが!!」 そして、よくわからない言葉でどこかに向かって当たり散らしていた。 オレはそんなヴァルグの態度を見ながら、すうっと意識が遠くなっていくのを感じた。 負傷のせいなのか、緊張が解けたのか。 オレの意識はそのまま闇の底へと……。 **** 次に気がついたとき、オレはいつもの洞窟にいた。 「よお」 ヴァルグが声をかけてきた。 「オレは……?」 「まる一日寝てた」 「運んでくれた?」 「放置できねェだろうが。けっこうな怪我だったしよ」 応急手当は済んでいた。 オレはヴァルグにお礼を言った。そして、あれからどうなったのかを尋ねた。 「ノードを発見したから依頼は達成だ。隠し扉を偽装して、簡単にはわからねェようにしといた。あとは報告に行ったらおしまいだな」 一応、依頼は成功ってことでいいみたいだ。 じゃあ……。 「じゃあ、オレは合格?」 そう尋ねると、ヴァルグは変な顔をした。 「合格だァ?」 やっぱり、ダメだったのかな? ややあって、ヴァルグの表情が変化した。何やらピンときた、という顔だ。 「なるほどな。そういうことか。……最初から試験なんざしてねェ」 「え、でも……」 「俺ァな、ガキの冒険ごっこじゃねェ、ホンモノがどんだけリスキーかを知ってもらうために連れてっただけだ。あきらめさせるためにな」 「……」 「テメエひとりで遺跡に行ってたら、何回死んでた? やめときな」 そこには、ヴァルグの強い意思が感じられた。 オレはなにも言い返せなかった。 「それにな。……テメエの命を一番にできねェ奴から、死んでいくんだ。向いてねェよ」 ヴァルグからは、表面的な言葉だけではない、凄みのようなものが感じられた。 ふと、そばにいた火吹き獣が、オレの頬をなめてきた。 「ああ、そうだ。ソイツはずっとテメエについてたぜ。わかんだな。助けてもらったって」 そうなんだ。 「そいつはもう、テメエのモンだ」 唐突にヴァルグは言った。 「俺はソイツのこたァ、便利な道具としか思ってなかったからな。だが、テメエに心底なついてるじゃねェか」 オレはそっと、火吹き獣の頬をなで返した。 火吹き獣は心地よさそうに目を細める。 「この子、名前は?」 「名前? ンなもんねェよ」 「じゃあ、普段はなんて呼んでんだ?」 「ソイツとか、コイツとか……」 「ほかには?」 「あー……火ィ出せとか、火ィつけろとか」 オレは少し考えて、決めた。 「じゃあ、お前の名前は今から、『ヒース』だ」 ヴァルグが「火ィ」と言っていたから、発音を寄せてみた。 ヒースはその名が気に入ったのか、「ギャウ」と鳴いた。 「……もしかしたら、そうやって生き物に好かれちまうのが、テメエの『素質』かもしれねェな」 ヴァルグはそんな感想をもらしていた。 ●13 獣の弟子 ヴァルグは、俺が回復するまで待ってくれていた。 もともと八つの遺跡の調査だから、想定期間は長めに取ってあるみたい。 それに、隠し扉を偽装したことで、すぐに誰かの手に落ちる危険性も少ないと言っていた。 オレが回復したら、お別れだという。 ある日、外出から戻ってきたヴァルグが、オレに言った。 「村に、行ってきた」 それだけで、オレは察した。 「あの遺跡と同じ石碑があった。それで読めたんだな」 この言葉で、ヴァルグがほぼ正確にオレと村の関係を把握していることがはっきりした。 「あの村はおそらく、あの遺跡を作ったヤツの系譜だ」 オレも、あの遺跡を作った人物の子孫かもしれないってことか。 それよりも、もうバレているんだったら、どうしても気になっていることがあった。 「村は、村はどうなってた? あの大ヤギの魔獣はどうなったんだ?」 「そうだな……。村に大ヤギの魔獣は出たらしい。たまたま来ていた冒険者が、どうにか追い払ったって聞いたぜ」 「ほかには?」 「あとは……そうだな。森ではぐれてたガキが一人、発見され保護されたって話だな」 タイガだ。間違いない。 タイガは、無事だったんだ。よかった。本当によかった。 目頭が熱くなり、頬に涙が伝った。 「最初に『帰るトコがねェ』って嘘ついたことは責めねェよ。理由はだいたいわかるからな」 ヴァルグは珍しく、諭すような口調でそう話した。 「だがな。帰るとこ、あンじゃねェか。帰んな。村へよ」 「……帰れない。帰れるわけ、ないじゃないか。こんな、こんな腕……!」 「そうか……」 オレはヴァルグをきっと見据えた。 そして、はっきりとした口調で、しっかりと、伝えた。 「ヴァルグさん、お願いします。オレを連れてってください!」 ぐいっと深く頭を下げる。 「バカいってんじゃねェ。どんだけ危険かあれほど経験したじゃねェか」 「だったら、もっとオレを鍛えてくれ。オレはこの腕の呪いを解きたい。それにはきっと、力が必要なんだ。お願いします!」 沈黙。 ヴァルグが、オレのことをじっと見つめているのが、気配でわかった。 けど、オレは揺るがぬ決意をみなぎらせ、頭を下げ続けた。 「はぁ〜」 ヴァルグは、大げさにため息をついた。そして言った。 「勝手にしろ」 それは、肯定と捉えて、いいのかな。 「ありがとうございます。師匠!」 ものすごく自然に、『師匠』という言葉が出たことに、自分でも驚いた。 「バカ野郎。俺を師匠なんて呼ぶな!」 ヴァルグは、なぜかうろたえていた。 「だがな、忘れるな。テメエの身はテメエで守れ。俺は誰かを守りながら戦うなんて器用な真似はできねェんだよ!」 「はい、師匠」 「っだーッ! だからその『師匠』ってのヤメロっての!!」 こうして俺は、師匠とともに旅をすることになったんだ。 ●14 そして今 オレは師匠、そしてヒースとともに、馬車に揺られていた。 エメラルド海のクラーケン退治の後、ハーツデイル船長、白奴さん、ポールさんニーナさんたちと別れ、ロング・ナリクに向かう道中だ。 ビストフの領主マキシミリアンが話してくれた師匠の事情が気になり、師匠と出会った頃のことを思い出していた。 その師匠は隣でだらしないいびきをかいて眠りこけている。体全体がオレの肩に寄りかかっていた。 「目の前で人に死なれるのにガマンならなかっただけだ」 「目は! 目ェ閉じてたか?! アレに目ェ焼かれると取り返しがつかねェからな」 「あの一撃でテメエが死んでたかもしれねェってこと、わかってんのか?!」 「テメエの命を一番にできねェ奴から、死んでいくんだ」 「俺は誰かを守りながら戦うなんて器用な真似はできねェんだよ!」 「テメエはバカか! 泳げもしねェクセに海に飛び込むなんざ」 「俺ァな、テメエの命を大事にしろって言ってんの! 怒っちゃいねェよ!!」 ずっしりとした師匠の重みを感じながら、ひとつひとつの言葉を、頭の中で反すうする。 言われたときには、表面上の言葉だけで受け止めていた。 けど、今ならわかる。 師匠がその言葉の裏に、どんな意味を込めていたのか。どんな過去を重ねていたのか。 師匠がどれだけオレのことを心配し、オレを遠ざけようとしてきたのか。 「一緒に組んだ者が死ぬ。一人だけ生き残る。そんな経験を繰り返したらどうだ。組んだら、そいつが死ぬかもしれない。それに耐えられるか? だからあいつは孤独を選んだ」 領主マキシミリアンの言葉が胸に刺さる。 そんな師匠に、オレは強引に頼み込み、無理矢理弟子になったようなものだ。 師匠には師匠の葛藤がある。オレのこと、重荷になっているかもしれない。 オレが師匠のためにできること。それは、師匠の前で絶対に命を落とさないこと。それだけだ。 師匠の不名誉な二つ名のジンクスを、蹴飛ばし続けてやる。 そう決意したオレの前に、ヒースがちょこんと座っている。 「ヒース……」 「ギャウ?」 オレはヒースの頬をなでた。ヒースが心地よさそうに目を細める。 そういえば師匠、オレががんばって火を起こしてたら、ヒースに命じて簡単に火をつけてたっけな。 やり方がせこいんだよ。 さらに、便利な道具を取り出して、オレに自慢してたっけ。 「こんなのもある。先端に乾燥して固めた火薬がついていて、こすると火がつく。ノームの発明品だ」 あのあと結局、いざ使おうとしたとき、湿っていて使いものにならなかったんだよな。 そんときの師匠の表情ったらなかったぜ。師匠ってホント、子どもっぽいよな。 そんなことを思いながら師匠の寝顔を見つめていたら、くすりと笑みがこぼれた。 次のロング・ナリクではどんな冒険が待っているんだろう。 次も、その次も、師匠と一緒に切りぬけていこう。 オレは、獣のような豪快な師匠と、獣のような腕を持つ、「獣の弟子」だから。 【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ 完 ■ステイタス 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:1/5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ■登場人物 ヴァルグ 冒険者。依頼を受けて遺跡調査に来たところ、偶然瀕死のハルトを発見した。 ハルト 大ヤギの魔獣の黒角にやられ、崖下に転落したところをヴァルグに助けられた。左腕に厄介な呪いを受けている。 タイガ ハルトの弟。大ヤギの魔獣の出現の恐怖で動けなくなった。 闇エルフ 調査対象の遺跡に先んじて侵入していた。ノードと生贄で闇神の眷属たる魔物を召喚しようとしていた。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 著者:東洋夏 イラスト:骨盤 編集:緋色朱音 発行者:東洋夏 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 冊子版 ローグライクハーフ個人製作シナリオ集『主人公は一日にして成らず』 https://booth.pm/ja/items/8063646 ※本作品が収録されています。 ネット閲覧可 ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 https://talto.cc/projects/FoEKXdyD2KdpaLHU1_siE 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月13日火曜日

ゲームブックにおける死と物語 第9回:『単眼の巨獣』における成長と「生物であること」 FT新聞 No.5011

おはようございます。FT新聞編集部員のくろやなぎです。 本日は『ゲームブックにおける死と物語』の第9回として、『単眼の巨獣』(著:ロア・スペイダー、2025年、FT書房)に関する考察記事のつづきをお届けします(前回掲載は2026/07/28、No.4934)。 『単眼の巨獣』の主人公である「君」は、「混沌」と呼ばれるモンスターです。 混沌は「あらゆるものを取り込み、成長を続ける」という特徴をもっており、成長過程で「取り込んだ」相手に応じて、その姿や能力を大きく変えていきます。 ゲームのシステムの中で、君の成長は【能力】および【スキル】の取得や、それらと連動した「戦闘力」および「体力」の増加という形で表現されますが、成長のプロセスは君(読者)の選択に応じて変化し、プレイごとにさまざまな姿や能力のモンスターが構築されていくことになるでしょう。 前回の記事では、作品の最序盤の構成を一種のチュートリアルに見立てて、読者の選択が君の成長(あるいは死)にどのように関わっているのか、その一端を具体的に追ってみました。 そこで君が辿るルートは細かく分岐しますが、すべてのルートは(GAME OVERにならない限り)ひとまず一体の中ボス的な敵のところで合流します。 今回は、この敵と「君」との関係性が、『単眼の巨獣』の物語においてどのような意味をもっているのかを中心に、考察を進めていきたいと思います。 記事の中には、作品全体の構成や、作品内での重要な出来事に関する具体的記述が含まれます。未プレイの方はご注意ください。 作品はBOOTHにて販売されていますので(本稿作成時点では在庫あり)、実際に読みたい・遊びたい、と思われた方はぜひお早めにどうぞ。 [FT書房公式HP内 『単眼の巨獣』紹介ページ] https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/tangan また、作品をお持ちでない方は、以下の本文を読まれる前に、いちど上記URLの『単眼の巨獣』の紹介ページを開いていただき、ページの先頭に置かれた表紙のイラストと、ページをスクロールした先(解説文の末尾)に並べられた2枚のイラストを、あらかじめ(あるいは、記事と並行して)ご覧いただければと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ゲームブックにおける死と物語 第9回:『単眼の巨獣』における成長と「生物であること」  (くろやなぎ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ■君と一つ目狼の「混沌」らしさ 前述の『単眼の巨獣』の紹介ページの先頭には、作品の表紙と、作品の特徴を整理したレーダーチャートが示されています。 表紙に描かれているのは、一体の巨大なモンスター。全体としては四足獣に翼を生やしたような構造ですが、左右の前肢は互いに全く異なる形状で、背中や脇腹からは機械的な砲口を含むさまざまな突起物が生え、長く鞭のように伸びる尻尾の根元は、鱗とも樹皮ともつかない組織に覆われています。それぞれの部位のそばに添えられているのは、その由来となっている生物や機械のイラストでしょう。 イラストレーター中山将平氏の解説によれば、この表紙のモンスターは、実際に中山氏が作品をプレイした際の、主人公である「君」の「途中の姿」を想定したものだということです。さまざまな生物や機械の寄せ集めのような、全体として「何」と呼んでよいのか困ってしまう奇妙な姿には、たしかに「混沌」という種族名や「単眼の巨獣」という作品タイトルが似合います。 作品のプロローグでは、混沌について「城壁よりも大きな巨体に、生き物ではありえないほどの数多くで乱雑にとりつけられたような特殊能力」「神が作り上げた生物という規則正しく効率的な創造物とは真逆の存在」と書かれていますが[p.10]、そこで改めて表紙のイラストを見返してみると、その「乱雑」さや不規則性の実態がよくわかるように思います。 紹介ページを読み進めていくと、中山氏の解説の最後にも2枚のイラストが並べられています。 左側のイラストは、作品の中ではプロローグの冒頭[p.8]に置かれているもので、表紙とは別のモンスターが描かれています。これは、君の「分裂元」で、いわば生みの親にあたる「森の一つ目狼」の姿であり、その前肢と顔の近くには、生まれたばかりの君である「丸っこい、液体じみた」一つ目のモンスター(しずくの怪物)がいるのも見て取れます。 このイラストの一つ目狼は、一応「狼」という呼び名が適用できる程度には、既存の生物に近く、統一感のある全体像を保っています。もちろん、背後の森の木々に並び立つような巨大さや、鱗に覆われた太い尻尾、そして顔の中心にある縦長の単眼といった異様な特徴はあるものの、表紙に描かれた君(の可能性のひとつ)の姿と比較してみると、「普通の生物」に近いというか、混沌としての「乱雑」さや不規則性が抑え気味な印象も受けます。 プロローグの文章では、その生息環境が周囲から隔絶された原生林であったため、一つ目狼が「普通の混沌より個体として少し小さく、弱かった」とされています[p.11]。一方、一つ目狼のイラストからは、そのサイズや強さをはっきりと見積もることはできませんが、少なくとも外見上の「生物としての異様さ」の程度においては、一つ目狼は表紙の君よりも、「混沌」らしさの程度が控えめだと言ってもよいかもしれません。 プロローグの時点で、生まれたばかりの君は、一つ目狼のイラストに小さく描かれたように、混沌としての「乱雑な」特徴は何ももたない液体じみた存在でした。しかし、表紙のイラストで描かれた「途中の姿」の段階では、すでに一つ目狼よりもずっと混沌らしく、さまざまな生物や機械のパーツが入り乱れる奇妙な有機体へと成長を遂げています。 そして、その成長過程の一場面を描いたものが、前述の紹介ページで一つ目狼のイラストと並べて提示された、もう1枚のイラストです[作品中ではp.47に掲載]。 このイラストに大きく描かれているのは、液体じみた「しずくの怪物」の面影を残した一つ目のモンスターであり、そのモンスターは、破壊された機械らしきものに覆いかぶさっています。これは、絶海の孤島を探索中の君が、最初の中ボス的な敵である「チャージ・コンパニョン」と呼ばれるゴーレムを倒し、それを「取り込んで」いるときの様子だと考えられます。 このイラストでの君の姿は、一つ目狼のイラストに添えられた、生まれたばかりの君の姿に近いものです。表紙に描かれた君の姿とはかけ離れており、混沌としてはやや小さく弱いはずの一つ目狼と比べても、この時点の君の方がまだはるかに小さく弱い存在であることは間違いありません。 しかしそれでも、このイラストに描かれた「チャージ・コンパニョンを取り込む君」の姿は、混沌としての君の成長における重要な契機であり、ある意味では、君が「分裂元」である一つ目狼を超えていくことの象徴にもなっています。 君を生み出した一つ目狼と、生まれたばかりの君。 破壊されたチャージ・コンパニョンを取り込んでいる君。 そして、いかにも混沌らしい奇妙な存在へと成長を遂げた君。 これら3枚のイラストが描き出す、一つ目狼と君、そしてチャージ・コンパニョンとの関係性とその意味について、以下でもう少し詳しく見ていきましょう。 ■ゴーレムを「取り込む」ことの意味 先に述べたように、一つ目狼の生息環境は周囲から隔絶された原生林でしたが、その外部と全く関わりがなかったわけではありません。 実際、「森の一つ目狼」という呼称が生まれる程度には、一つ目狼は人間たちの社会からその存在を知られていました。また、一つ目狼の側でも、人間のことは「強さでいえば大したことはなく、数で来られると厄介」な生物として認識しており、動きが統率された「兵士」と普通の人間とを見分けることもしています。もっとも、「今まで見た人間は、姿を見ただけで逃げ出していった」ともあるため、軍や討伐隊といったレベルの集団との本格的な戦闘の経験はなかったようです[p.13]。 そんな人間たちが、初めて「戦う意思を持って」一つ目狼のもとにやってきたのが、プロローグの場面です。 一つ目狼は、自分に敵うはずのない「たかだか数十人」の人間が向かってきたことを不審に思いますが、すぐにその理由が判明します。人間たちは、戦闘用のゴーレムを連れてきていたのでした。 以下は、プロローグからの引用です。  「戦闘ゴーレム『チャージ・コンパニョン』配置につきました!」  兵士の掛け声とともに、囲んでいた「チャージ・コンパニョン」の体についていた大きな一つのレンズ奥が広がる。チャージ・コンパニョンと呼ばれるゴーレムに対して、森の一つ目狼は嫌悪感を覚えた。見た目は明らかに生物ではないのに、生物の気配がする。存在してはいけないものが目の前にいることに気持ち悪さを感じた。だが、いずれにせよ、やることは一つ。相手を倒すことだ。[pp.13-14] 上記の場面において、一つ目狼は、初めて見る「チャージ・コンパニョン」に対して「嫌悪感」を抱き、「存在してはいけないもの」として、その存在に「気持ち悪さ」を感じます。その理由は、目の前のゴーレムの見た目が「明らかに生物ではない」のに、そこから「生物の気配がする」からです。 これに続く場面で、主力たる「バーバリー・アサルト」と呼ばれる人型のゴーレムが姿を現すと、一つ目狼は「生物」云々よりもその強さや「威圧感」の方に反応し、敵に対応するための行動に移ります。裏を返せば、最初に出現したチャージ・コンパニョンが補助戦力レベルの敵だったからこそ、一つ目狼は相手の「ゴーレムとしての特性」の方に目を向ける余裕があり、それゆえに自身の「嫌悪感」や「気持ち悪さ」をはっきりと認識することができたのかもしれません。 その後、一つ目狼はゴーレムたちと戦い、チャージ・コンパニョンのうちの一体を破壊して海に落としますが、数の力には勝てずに抑え込まれ、最後はバーバリー・アサルトによって殺されます。そして、一つ目狼によって破壊されたチャージ・コンパニョンは、おそらく君と同じように海を漂い(浮力がどのように生じたのかという疑問はありますが)、島の砂浜に打ち上げられ、やがて君に発見されることになります。 作品の《ブロックA》(前回の記事を参照)の最後で、この壊れたチャージ・コンパニョンは、「場違いな存在」「自然あふれるこの島に不釣り合いな明らかな人工物」として記述されます[p.36]。これは作者から読者に向けて書かれた地の文での表現ですが、同時にまた、「君」からチャージ・コンパニョンへと向けられた視線のあり方を反映したものだとも言えるでしょう。 本来、この絶海の孤島において、チャージ・コンパニョンと君は、どちらも外部からの漂着者という点では同じ立ち位置のはずです。しかし君は、自分自身を島の「自然」の側に置く一方で、チャージ・コンパニョンだけを「場違いな」「不釣り合いな」存在として他者化しようとします。 なぜ君は、たまたま流れ着いたこの島の「自然」の中に、当然のように自らを同化させているのでしょうか。 そしてまた、この問いは、「生物」というカテゴリーに対する一つ目狼の不思議なこだわりとも繋がっています。 先に述べたように、混沌というモンスターは、人間側の視点からは「生き物ではありえない」ような乱雑さをもち、普通の生物とは「真逆の存在」として語られる存在です。「生物」というカテゴリーの境界を撹乱するような、「生物」と「生物ではないもの」とのあいだの越境的な存在という点では、混沌とゴーレムは一種の似た者同士と言ってもよいのですが、それでも一つ目狼は、チャージ・コンパニョンに対して「嫌悪感」を覚え、「存在してはいけないもの」として強い拒絶反応を示します。 一つ目狼や君にとっての、「生物」と「自然」。その意味するところは、プロローグの最後、君が島の砂浜に流れ着いた以下の場面で示唆されています。  ここは絶海の孤島。人の手が入ることはなく、隔絶された空間だ。様々な生物が生存競争をしている大自然が生み出した蟲毒のような場所だ。  君は砂浜に降り立つ。森のほうから感じる気配から、自分がこの島では底辺に近い強さしかないことを本能で感じた。普通の生物ならここで逃げ出そうと考えるだろう。だが、君は『混沌』。混沌にとってここはホームグラウンドだ。『混沌』はすべて、他者と戦い取り込み、高みへと成長している。  そして、この島の生物の中で一番才能があるのは君だ。現時点での強さは最低だが、敗者を食らってその力を己のものにする力は誰よりも優れていると断言できる。最弱ではあるが、最強に最も近い存在なのだ。[p.18] このように、島の「大自然」は生物たちの「生存競争」の場であり、強者が弱者を、勝者が敗者を食らう、弱肉強食の世界として描かれています。 ここで私が「弱肉強食」と呼ぶ原理が、単なる比喩ではなく文字通りのものであることは、作品の最序盤を何度かプレイした方であれば、よくわかることと思います。 君は、戦闘で倒した相手を「取り込み」ますが、この取り込むという行為は、生物としての「食べる」という行為とほとんど重なり合うものとして描写されています[p.19]。そして、さらに重要なことに、《ブロックA》で遭遇する島の生物たちは、君が戦闘で敗れた場合もまた、必ず君を食べているのです。 以下、《ブロックA》で君の戦闘力が相手より低かったとき、あるいは戦闘処理をするまでもないほど実力差のある相手に向かっていったときの記述を抜粋してみましょう。  ・ラン・バードは君の体をすれ違いざまにかじり逃げていく。体力の現在値を5減らすこと。[p.25]  ・体力の現在値を10減らす。その後、死体漁り達は君の体の一部を食べて満足したのか逃げていく。[p.30]  ・君はマグマレックスの胃の中に落とされ、その生涯を終える。GAME OVER[p.31]  ・体力の現在値を-(2×1D6)する。これにより、体力の現在値が0以下になった場合、君の体は電撃に耐え切れず活動を停止して食べられてしまいGAME OVERとなる。[pp.34-35]  ・逃げることもできず、あっさりと食べられてしまった……。GAME OVER[p.37] このように、作品の最序盤における君の敗北(戦闘力不足)や死は、「かじられる」「食べられる」という結果を伴います。 強制的なGAME OVERのパラグラフでの記述だけでなく、「体力の現在値を減らす」というゲーム的な処理においても、わざわざ君(の一部)が「食べられる」ことが明示されており、生物同士での「食べる/食べられる」という関係性がことさら強調されていると言ってよいでしょう。 勝者が弱者を文字通り食べ、その血肉とする。 すべての相手を「取り込む」ことを「本能」とする混沌は、そのような弱肉強食の原理を体現するような存在です。 君がたまたま流れ着いた絶海の孤島は、君の見知らぬ島ではありますが、さまざまな生物たちが弱肉強食の原理に従い生きているという点において、混沌である君にとっては馴染み深い「ホームグラウンド」となります。そして、一つ目狼にとっての「森」もまた、そのような場所だったのかもしれません。 一方、チャージ・コンパニョンは生物ではないため、相手を「食べる」ことはなく、通常の相手から「食べられる」こともない、食物連鎖の外側にいるような存在です。この点において、一つ目狼や君の前に現れたチャージ・コンパニョンは、たしかに森や島に生きる「生物」たちの世界にとっては「場違い」な存在として位置づけられるかもしれません。 しかしまた、混沌というモンスターの特殊性は、普通の「生物」とは異なり、そのような異分子であるゴーレムたちをも「取り込む」(食べる)ことができる、という点にあります。 壊れたチャージ・コンパニョンは、自力での移動はできないものの、光線による攻撃能力を残しており、接近する相手を返り討ちにしようとします。それに打ち勝つ(戦闘力で上回る)と、君はチャージ・コンパニョンを取り込み、新たな【能力】や【スキル】を取得することができますが、ここで特に重要なのは、【必殺スキル】(常に1種類しか所持できない、特別なスキル)である「拡散光線」を取得するときの以下の描写です。  チャージ・コンパニョンの最深部の部品を取り込んだことで君の中で何かが覚醒する。森の一つ目狼が最後に見せてくれたあの攻撃。瞳から光線を放つ攻撃だ。本能で同じことができるというのはわかっていたが、実際にどうすれば出せるのかがわからなかった。しかし、同じようにエネルギーを光線上にして出す機構を、一部破損していたとはいえ取り込んだことで、その原理を理解する。  スキル「拡散光線」をつかえるようになった。「拡散光線」を必殺技スキルに記入すること。[p.45] 君の分裂元である一つ目狼の必殺技だった、瞳からの光線による攻撃。それは偶然にも、仇敵であるチャージ・コンパニョンの攻撃によく似ており、君はチャージ・コンパニョンの機構を取り込むことで、「その原理を理解」し、自分自身でも使えるようになります。 チャージ・コンパニョンの機体に備わった「大きな一つのレンズ」を前にして、一つ目狼は「嫌悪感」を抱き、そして殺されましたが、この場面では、その機械的なレンズこそが君の成長の鍵となるのです。 君が島で遭遇したチャージ・コンパニョンは、すでに一つ目狼によって破壊され、わずかな残存機能しかもたない状態でした。 そのため、チャージ・コンパニョンを倒したからといって、その時点の君が一つ目狼よりも強くなったわけではありません。 それでも、森や島の「生物」たちにとっての異分子であるゴーレムを取り込み、自らの一部にしたという点において、たしかに君は「混沌」として、一つ目狼が越えられなかった壁をひとつ乗り越えたと言えるでしょう。 君がチャージ・コンパニョンを取り込むイラストは、やがて表紙のような混沌へと成長していく過程での、重要な転機となる場面を切り取ったものとして見ることができます。 ■混沌とゴーレムの「喰らい合い」 この「チャージ・コンパニョンを取り込む君」に関する描写を、さらに別の角度からも見てみましょう。 以下は、君がチャージ・コンパニョンを倒した直後の場面です。  そして、火花と煙を上げているチャージ・コンパニョンを見下ろした。めくれた装甲板から内部を見ると、わけのわからない金属部品がひしめき合っているが、それだけではない。なにかエネルギーを蓄えていたり、動物の筋肉らしき生体部品もあった。チャージ・コンパニョンの中に入り込み、取り込めるものをできるだけ取り込もうとする。生体部品はすぐにでも取り込めるが、金属部品やエネルギーが高いものは時間がかかるだろう。しかし、焦る必要はない。幸いにも、このチャージ・コンパニョンの亡骸はシェルターの役割を果たしてくれる。能力を取り込む時間をしっかりと稼いでくれるはずだ。チャージ・コンパニョンの中で、数年かけてその力を取り込むことに集中した。[p.40] 「生体部品」と「金属部品」のハイブリッドとしての、チャージ・コンパニョンの機体。この「生体部品」の存在が、一つ目狼が感じた「生物の気配」の正体だったのでしょうか。この破壊された機体に対して「亡骸」という表現が適用されていることも、チャージ・コンパニョンがある程度「生物らしきもの」であったことを示唆しています。 ここで特に注目したいのは、生体部品は「すぐにでも」取り込めるのに対し、金属部品を取り込むには時間がかかるとされていて、実際に君がそこで「数年」もの月日を過ごすことになる、ということです。 この「取り込み」に要する時間スケールの大きな違いは、生体部品と金属部品、あるいは「もともと生物であったもの」と「生物でないもの」とのあいだの隔たりを表現しているとともに、物語の展開にも決定的な影響を与える要素となります。 数年かけてチャージ・コンパニョンの取り込みを終えた君は、島の中心へと向かい、(途中で敗北しなければ)島の頂点に君臨する「マグマレックス」と戦います。その戦いに勝利すると、マグマレックスを取り込んでさらに強くなった君は、こんどは自らの意思で海を渡り、生まれ故郷の森へと帰還します。 しかしそのとき、かつて森であった一帯は大きく姿を変え、人間たちの王国の軍事基地となっていました。 君がチャージ・コンパニョンを取り込むための数年間は、人間たちが君(と一つ目狼)の故郷の森を切り開き、王国の一部として「取り込む」ための時間にもなっていたのです。 ゲームが順調に進めば、君(そして読者)は2つの印象的な光景を目にすることになるでしょう。 ひとつは、人間たちの研究材料として氷漬けにされている、頭部のない一つ目狼の「遺体」。[p.105イラスト] そしてもうひとつは、プロローグの一つ目狼のイラストに描かれた「角」と同じものを頭部に生やした、人型ゴーレム「バーバリー・アサルト」の姿です。[p.101イラスト] 混沌でも生物でもなかったはずのゴーレムが、まるで一つ目狼の頭部を食べて「取り込んだ」かのような姿で君の前に現れるという、取り込む側と取り込まれる側とが逆転したような奇妙な光景。 もちろん、ゴーレムが「自然に」そのようなことを成し得たわけではないでしょう。君がゴーレムを取り込んでいる数年間のあいだに、人間たちは一つ目狼の遺体を解剖し、解析し、そのパーツをゴーレムに移植することに成功したのだと考えられます。 表紙に描かれた、生物由来のさまざまな部位と機械的な砲口から成る君の姿は、ある意味では、生物由来の部位だけが見えている一つ目狼の遺体よりも、機械的な鎧に生物の角を生やした、バーバリー・アサルトの方に似ています。 「生物」と「生物ではないもの」との混成体として、その比率は真逆だとしても、君とバーバリー・アサルト、混沌とゴーレムは、「生物であること」をめぐる境界線を侵犯しあい、互いを喰らい合うような鏡写しの関係性にあるとも言えるでしょう。 ゴーレムに対する一つ目狼の「嫌悪感」は、そのような可能性への無意識の警戒や恐れ、あるいは一種の同族嫌悪のようなものだったのかもしれません。 チャージ・コンパニョンを取り込む君の姿の裏側には、一つ目狼の角を「取り込む」バーバリー・アサルトの姿があり、さらにその背後には、その同化を操作する王国の人間たちの存在があります。 混沌とゴーレムとの喰らい合いに、絡み合う人間たちの意思や感情。 こうした構図は、君が作品の序盤の舞台である絶海の孤島を離れて、人間たちの王国へと乗り込んでから、物語の前景として立ち現れることになります。 ■おわりに 混沌という種族や君という個体が「生物」であるということは、裏を返せば、何らかの形で「死ぬ」存在であるということです。 作品の最序盤においては、君の死は相手に「食べられる」ことと強く結びついていましたが、チャージ・コンパニョンとの遭遇以降は一転して、君が相手に食べられるという描写は物語から姿を消します。 では、君がより強く、より巨大に、より「混沌」らしい奇妙な存在へと成長していく中で、生物としての君の死は、ゲームのどのような進行の中で訪れ、物語の中でどのように描写されることになるのでしょうか。 次回の記事(配信日未定)では、作品の中盤以降における君の死やGAME OVERのあり方をテーマとして、『単眼の巨獣』の考察のつづきを展開する予定です。 【書誌情報】 ロア・スペイダー『単眼の巨獣』(絵:中山将平、監修:杉本=ヨハネ、FT書房、2025年) https://booth.pm/ja/items/6823989 FT書房公式HP内 『単眼の巨獣』紹介ページ(ストーリー紹介:杉本=ヨハネ、解説・イラスト:中山将平、2025年) https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/tangan ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: 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2026年10月12日月曜日

ずっと書いてます。 FT新聞 No.5010

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 大型の新刊である「アランツァワールドガイド」を冬のコミケで刊行するために、日夜執筆と編集にいそしんでいます。 とにかく1日中、やっています☆ 頭の中がだんだん、ワールドガイドのことだけになっていってしまっています。 だから、今回の記事も、アランツァの話に終始するわけです。 ◆そうだ、「縛りプレイ」を用意しよう! 「アランツァワールドガイド」には「神」の章がありまして、この世界を観察する15柱の神の性質などについて記述しています。 神そのものの話と併せて、その神を信仰する際に、どのような事柄が「制限」されるかを、記述しました。 実はこれ、大昔に考えた末に、削除した項目だったんです。 前々回の記事でも書きましたが、「ローグライクハーフ」というTRPGを作るとき、私は「できるだけ軽くしよう」という方向性でルールを構築しました。 今からみると「もっと削れたな」と思う場所がまだまだありますし、もしも「ローグライクハーフ」の改訂版(あるいは完全版、第2版など)を出す機会が来たならば、ブラッシュアップしたい部分はたくさんあります。 しかし、なんであれ、「ローグライクハーフ」では「あなたは【僧侶】だから、この神を信仰しているんだよ」「この神を信仰しているのだから、こういうことはできないんだよ」みたいな制限は、できるだけ存在しないほうがいいと考えてきました。 そういったものがない方が、自由にゲームを遊べると考えたからです☆ しかし、です。 世の中には私が考えた自由に対して、「いや、私はその世界の『縛り』も受け入れて、楽しくプレイできるけどね」という人が、わりあい存在するようなのです★ 宗教的な「制限」があるとするなら、それを受け入れたうえで遊びたいというわけです。 そういう人の需要に応えるべく、「縛りプレイをしてもいいよ」というカタチ、つまりは選択制として、神ごとの「制限」を載せることに決めました。 「制限」はゲーム的な影響を与えず、これを破ったとしてもキャラクターが魔法の力を失うことはありません。 だから、何も知らなくても問題ありません。 ただ、主人公の「縛りプレイ」に使うことができるように、準備したものです。 あるいは、シナリオを作る際の参考にして、ノンプレイヤーキャラクターの行動を制限するという使い方もできます。 たとえば、唯一神セルウェーを信仰する信徒は「自らの手を血で汚してはいけない」という戒律を守らなくてはいけない(ということにしてもいい)という制限です。 この制限により、主人公は【斬撃】の接近戦武器を使えません。 代わりに【打撃】の武器を使うとか、弓矢のような飛び道具を使用するとか、そういうカタチで工夫をしながら、冒険を行うわけです。 書いていて楽しかったので、記事としてご紹介しました。 ◆都市アイコン! 実は過去に数作品ほどTRPGのルールを考案して、ボツにした経験があります。 「ローグライクハーフ」の前に書いていた作品は「アランツァTRPG」という名前のもので、アランツァ世界を舞台にした、かなり複雑なルールの作品でした。 作品自体は世に出ることがないと思うのですが、この作品を作りはじめた頃から、ひとつやりたいことがありました。 アランツァ世界に登場する17の都市それぞれに、紋章を作るというものです。 このアイディアを編集の緋色さんと相談したところ、リアリティがあっても紋章では、読者が気軽に使えるものにならないだろうと言われました。 そのとおりだと思います。 そこで私たちは考えました──紋章ではなく、アイコンを作ろうと! 話し合いの末に、都市の特徴を端的に伝えるそのアイコンを「都市紋章」と呼ぶことに決まりました。 たとえば、自治都市トーンの都市紋章は、左右に翼の絵があり、中央に黒猫が座っているというものです。 左右の翼は、神聖都市ロング・ナリクを逃れてトーンを建国した人々が、自由の街をつくるという決意と願いをもっていたことを示しています。 黒猫は幸運の象徴であると同時に、この街で最も信仰されているのが自然神ヴェルディアであること。 そして、街に多くの獣人が住んでいることなどから、中央に描かれることが決まりました。 17個の都市紋章を作成するのは骨が折れますが、一生懸命やっていきます☆ ◆まとめ。 とりあえず、「アランツァワールドガイド」から、いま紹介できる内容を一部、書かせていただきました! 引き続き、バリバリ書いてやっていきます☆ それではまた!! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月11日日曜日

Re:オレニアックス生物学 Vol.8 『サウロプシーダ』 FT新聞 No.5009

(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメント等は全て当時のものとなっております) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オレニアックス生物学 Vol.8 『サウロプシーダ』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 生物学の授業は非常に重要な科目だった。 アランツァの地での戦いは、戦争となるとまた話は別だが、人間以外の生き物と交戦することも少なくなかった。 聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラントは生物学の権威。 そんな彼の授業は生き物の外見、性質、そして対処方法を教えてくれる。 生徒たちを生き残る道へと導く、確かな灯火だ。 今日もカメルの授業が始まる……。 「さて、諸君らはこれがなんだかわかるかな?」 そういってカメルは教壇の上に陶器の像を取り出した。その像はライオンに黒ヤギの頭、尾は蛇がついている。色も塗られてかなり精巧にできていた。 「はい! これはキマイラです」 レムレスが真っ先に手を上げて答える。他の生徒達も知っているようでうなづいた。これは当然だろう。 キマイラといえばドラゴンと並ぶくらい有名だ。詳しい生態はわからなくても姿と名前なら知っていてもおかしくはない。 「ライオンの凶暴さに加え、黒ヤギによる黒魔術、尻尾の蛇による毒を駆使する強力な生物です」 「うむ。さすがだ。キマイラの特徴を実に的確に答えている。確かにこの像はキマイラの姿を表している」 カメルに褒められて、レムレスは誇らしそうだ。 「では、この像はどうだろう?」 そういってカメルは別の陶器の像を取り出した。先ほどのキマイラの像には似ているが微妙に違う。 尻尾は蛇だが、他のパーツが違う。ライオンの部分には四本足の生物だ。口は平べったく細長い。 黒ヤギがあった部分にいたっては大きなギョロ目の見たこともないトカゲだ。そして真っ赤な舌をたらしている。 「だれか? 答えられるものは?」 カメルの問いに誰も答えられない。目の前にある像はキマイラを間違えて作った。 もしくは子供が遊んで作ったかのような構成の生物で見たことも聞いたこともない。 「ふふふ……。誰もいないか……。まあ、知っている者がいればどうして知っているか詳しく調べないといけない所だがな。今回の講義の題材はこれだ。この生物の名前は『サウロプシーダ』。兵器生物だ」 「兵器生物……?」 聞き慣れない言葉に生徒達がざわめく。 「そうだ。兵器生物だ。この生物は兵器として運用されるために作られた混合生物なのだ」 カメルは教鞭を取り出し、キマイラの陶器をさす。 「元来キマイラは魔術師が自身の護衛や守護者として生み出されたのだ。それぞれの生物の特性と合わせた兵器としてな。その有効性は有名さが物語っている。有名になるほど多く作られたのは優れていたからだね」 今度はサウロプシーダといわれた陶器に教鞭を向ける。 「このサウロプシーダはそのキマイラをさらに発展させるためにある魔術師が開発したのだ。キマイラの亜種というか別バージョンだな。尻尾は蛇だが他のパーツは違う。さて諸君。他のパーツとなった生物が何かわかるかね?」 「ええ……と。ライオンの部分にいるのは『ワニ』だと思います。水辺に住むトカゲの仲間で噛む力が凄く強く、水中でも活動できる生物だと……自分も本で知っただけですが……」 レムレスが自身なさそうに答える。 「さすがだな。レムレス。正解だ。これは『ワニ』だ。噛む力はかなり強い。大きさもさまざまだ。革も固い。性格も肉食で凶暴。ただし一部の貴婦人はこのワニの皮をなめした物を原料にしたバックを好む場合もある。高級品だ。これもちょっと覚えておくといい。将来、女性という生物と対峙したときに役に立つかもしれない。……話がそれたな」 セキをして間を整えるとカメルは再び話し始める。 「それでは授業を続けよう。残りのパーツは?」 今度は誰も答えない。しかし、ある者がゆっくり手を上げる。アヴィオンだ。 「それはたぶん『カメレオン』だと思います」 「お! 知っていたんだね。アヴィオン。かなり珍しいから誰も知らないと思ったのだが。それでは『カメレオン』の特徴は?」 「はい。その大きな目からわかるように高性能の目を持っています。そして伸縮する長い舌で餌となる虫を捕らえます。しかし、一番の特徴は擬態能力です。皮膚の色を変えて周囲の風景と同化することができます。子供の頃、森で見て父に教えてもらいました。最も大きさは手のひらに乗るくらいでしたが……」 カメルはうなづき拍手をする。 「正解だ。君の父上はいい教師にもなれそうだ。アヴィオンが答えたとおり。カメレオンはそのような能力を持っている。そして、カメレオンをパーツにもつサウロプシーダも同じ能力を持っているというわけだ」 カメルはキマイラの像をしまってサウロプシーダの像を前に出す。 「このサウロプシーダはキマイラを超える兵器として生み出された。キマイラは優れた兵器だがいくつか欠点がある。まず、目立つ上に有名すぎて警戒されやすい。その点サウロプシーダはカメレオンの能力を持っているからな。相手は何もない場所で襲われたと混乱も起こせる」 カメレオンにさしていた教鞭を、今度はワニに向ける。 「次に、開発された土地柄だな。その土地は川に面して水辺が多い。そこでワニの出番だ。ライオンが草原の王者ならワニは水辺の王者だ。ライオンでは機動力が鈍る水辺でも活動できるというのは大きな利点だからな」 そういってカメルは教鞭をしまう。 「さて、このサウロプシーダ。なぜ今日の講義の題材をこれにしたかを少し説明しよう。実はこの生物を開発した魔術師が亡くなってな。その研究資料が外部に流出したようなのだ」 その言葉に生徒達が動揺しだす。 「知り合いの調達業者や冒険者、ここでは詳しくいえないが裏のルートでは商品として最近でてきているそうだ。この陶器の像はサンプル見本だったらしい。つまりだ。本来、一地方の軍しか運用し無かったサウロプシーダが君たちにいつ襲い掛かるかもしれないのだ。そのために講義の題材としたのだ」 カメルはサウロプシーダの像を持ち上げ生徒達を見回す。 「本来このサウロプシーダは3メートルほどある。そんな大きさの生物で姿を見えなくできるモノがこの世にいる。それだけ知っているだけでも生き残る可能性は大きいだろう。なおサウロプシーダはある程度の大きさがある閉鎖空間での運用を目的としている。城の中とか地下通路や水路だな。洞窟も問題ない。しかもこいつは天井や壁に貼りついての移動もできる。そういう場所に行ったとき、注意が必要な物かもしれんな」 「あ……あの……注意するのはわかりましたが、対策は? 弱点は?」 マグスが恐る恐る手を上げる。サウロプシーダが恐ろしいのは十分理解できた。なら、その対策や弱点はぜひ知っておきたいだろう。 「ははは! マグス君。最初に言っただろう? サウロプシーダは兵器生物だと。弱点がある兵器は不良品じゃないか。ワニの凶暴性と攻撃力。カメレオンの擬態と舌によるリーチの長さ。蛇の毒とこいつはなかなか優秀な兵器だ。対策としては不意打ちを喰らうなと勝てるだけの実力をもてということかな?」 カメルの言葉に生徒達は思わず体を崩す。 「まあ、しいて言えば太陽に弱いということかな。体の構成上、太陽の光が有害な体となってしまったそうだ。しかし、運用場所からその弱点をつくのは難しい。まあ……太陽の光を持ち運んだり、武器に込めれたら有効になるだろうな。そんな物があればの話だが。おっと時間だ。今日の講義はここまで!」 博士はピンと背すじを伸ばしたまま、教室の扉を開ける。ありがとうございました!と声が響く。 若い生徒たちに教えることのうち、どれが役立ち、どれが無駄になるかは分からない。 だが、いくつかはきっと、彼らの命を永らえさせてくれるだろう。そう信じて博士は今日も教鞭をとる。 (From:ロア・スペイダー) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月10日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第713号 FT新聞 No.5008

From:水波流 5000回記念で好きなコンピューターゲームで『バズー!魔法世界』を上げたら、なんと近々復刻するとか! でもNintendo Switch持ってないんですよね……。 サガフロンティア2もリメイクしましたし、私の好きなゲームの時代が再びやって来る!? ティラムバラムや妖撃隊、ブルトン・レイもリメイクしてくれて良いのよ! From:葉山海月 ふと思いついたアイデア。家に帰って書き留めたらクソだったことに驚く From:中山将平 僕ら、10月17日(土)と18日(日)の両日、「ゲームマーケット2026秋」にサークル参加します! 開催地は『幕張メッセ』、配置は【S006】です。 僕も現地に行く予定ですので、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。(カエル人の本もこっそり持って行きます) さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (く)=くろやなぎ (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (天)=天狗ろむ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■10/4(日)~10/9(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年10月4日(日)水波流 FT新聞 No.5002 ローグライクハーフd33シナリオ『蟲宿り』 ・10月の新作として、水波流氏によるd33シナリオをお届けしました。 FT新聞の編集長でもある水波氏は、ローグライクハーフでは「蛮族都市フーウェイ」を舞台とする一連のシナリオの作者としてお馴染みです。今年の6月に書籍化された『常闇の伴侶』(BOOTHにて紙書籍・電子書籍ともに販売中)をはじめ、フーウェイ周辺に住まうさまざまな種族・氏族の信仰や生き方を描き出す水波氏のシナリオは、プレイヤーの選択によって分岐する結末が特徴のひとつとなっています。 今回のシナリオでは、主人公たちは「蟲宿り」と呼ばれるトゥヴァ氏族からの依頼で、〈混沌の種子〉を求めて〈始原の泉〉へと赴きます。あなたのキャラクターは、その往還の過程で何を経験し、さいごにどのような選択をすることになるのでしょうか? シナリオの適正レベルは11以上、つまり「1回以上の冒険を終え、経験点を得た主人公」が推奨されます。入門編となる関連シナリオ『九つの樹の道』(2026/05/03配信)のクリアデータをお持ちの方は、ぜひ同じキャラクターで挑戦してみてください! (く) 2026年10月5日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.5003 近況報告☆ ・ローグライクハーフ版「ガルアーダの塔」ですが、無事に入稿を完了することができました! ゲームマーケット2026秋を皮切りに、ホビーショップや通販、イベントでの取り扱いをはじめてまいります☆ また、FT新聞などでたくさんの記事を配信してきた「アランツァワールドガイド」を、冬のコミックマーケットで刊行すべく奮闘中です。 好評展開中の「モンスター!モンスター!TRPG」ですが、今後イベントのような場所で広めていくために、基本ルールの翻訳が進められています。 ムック本のほうも進行中ですが、それらとは別に、評価の高いある海外作品の刊行を計画中です。続報をお待ちください! (明) 2026年10月6日(火)葉山海月 FT新聞 No.5004 「おめでとうFT新聞五千回の話」 ・突然ながら、何の前振りもなく、この葉山メのFT新聞5000回目の記念として、それにちなんだショートショートをリリースさせていただきます! ひょんなことで、AIにこれまで5000回分のFT新聞を読み込ませた君。 目が覚めてみると、驚愕の事態に! 手前味噌で申し訳ございません。しかし、私なりに、この新聞に携わってきた感慨をぶつけてみたつもりです! おめでとうございます! 5000回たっせー! (葉) 2026年10月7日(水)ぜろ FT新聞 No.5005 第3回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第514回をお届けします。 今回のリプレイ対象の作品は、東洋夏氏のローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』をもとにした、ぜろさんオリジナル視点からのリプレイです。 大ヤギにかけられた、左腕の呪いを解くために、偶然知り合った冒険者のハルトと旅を続けるヴァルグ。 罠にはまって、ヴァルグが負傷したり、触手獣をハルトが頭脳プレイで戦闘を回避しながら進むと、その奥に待ち受けていたものとは!? 堂々のボスの出現に、彼らはどう臨むか!? 応援よろしくお願いします! (葉) 2026年10月8日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.5006 齊藤飛鳥・小説リプレイvol.46『九つの樹の道』その1 ・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥氏によるTRPGリプレイをお届けしました。 冒険家乙女クワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカ、お供の猟犬たちは、【打撃】の攻撃特性を持つ〈軍馬〉をゲットすべく、フーウェイ郊外の《太古の森》へと出発! その道すがら、トレウェリ氏族の若者・アルコゥと出会います。成人の儀式の最中だという彼は、祖先にまつわる《9つの樹》……《リスティプ》を巡っており、集落と無関係の者に介添人になってもらうのが習わしだとして、クワニャウマに見届けて欲しいと願い出ます。 クワニャウマらしい快諾にクスっとしつつ……一筋縄ではいかない、新たな冒険の幕開けです! (天) 2026年10月9日(金) FT新聞 No.5007 配信5000回記念・FT新聞読者の方へ3つの質問(回答編)    ・FT新聞配信5000回記念として、先週させて頂いた「FT新聞読者の方への3つの質問」 沢山のお便りを頂きまして、ありがとうございます! 早速本記事にて皆さんからのお答えを紹介していきたいと思います。 回答者の中には、編集部はもちろん、あんな方やこんな方が!? この声から、FT新聞の「今現在」が見える一本です! (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (ヴェルサリウス28世さん) >配信5000回記念・FT新聞読者の方へ3つの質問(回答編) FT新聞 No.5007 私(ヴェルサリウス28世)までは敬称が付いてますが(水波流編集長は除く。)、その後の4名が敬称略になってますね。 実はこの4人は編集長の身内だったみたいな叙述トリックがあります? しかし、Q1におけるT&Tの圧勝ぶりよ。回答者16名6名が、全てトップにT&Tを挙げている。とはいえ数えてみると次点はソードワールドシリーズを挙げた人が5名いて、そんなに差はない。最初の4名が「T&T」「T&T」「T&T」「T&T」と続けたインパクトが強いだけかも。 Q2の最多得票はドルアーガ三部作で4名(他にブラックオニキス1)。次点は送り雛、ソーサリー、展覧会の絵、FFが3名ずつ。FFとソーサリーをタイタンシリーズとしてまとめると最多得票となる。 Q3の最多得票はウィザードリィシリーズで5名。次点はドラクエシリーズで3名。 (お返事:水波流) 分析ありがとうございます! ご指摘の4名は、編集部メンバーですので私も含めて敬称略になっております〜。 T&Tとソードワールドが多く選ばれたのは、当時の文庫TRPGの普及率が伺えるのかもしれませんね! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月9日金曜日

配信5000回記念・FT新聞読者の方へ3つの質問(回答編) FT新聞 No.5007

おはようございます! FT新聞編集長の水波流です。 FT新聞配信5000回記念として、先週させて頂いた「FT新聞読者の方への3つの質問」 沢山のお便りを頂きまして、ありがとうございます! 今日は皆さんからのお答えを紹介していきたいと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ お題「あなたがこれまで遊んだことのあるゲーム各種で特に好きなものを3つあげるとしたら?」 Q1:TRPGで特に好きなものを3つ Q2:ゲームブックで特に好きなもの3つ Q3:コンピュータゲームで特に好きなもの3つ Q4:これからFT新聞で読んでみたい記事やジャンル、また一言コメント等ありましたらぜひ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ (水波流) Q1:T&T、クリスタニア、ストームブリンガー Q2:魔法の王国三部作、魔法使いディノン、送り雛は瑠璃色の Q3:バズー!魔法世界、サガフロンティア2、バルダーズゲート1&2 Q4:TRPGにはトレイルオブクトゥルー、深淵、ジークジオン、PCゲームにはティラムバラム、妖撃隊、東京トワイライトバスターズも入れたかったなぁ……。配信時とGBを一つ入れ替えました。ごめんよ、ソーサリー! (ふろふき大根さん) Q1:T&T. モンスター!モンスター! Q2:ドルアーガの塔3部作、ソーサリー4部作、展覧会の絵 Q3:ウィザードリィ初期三作、ギレンの野望(ジオンの系譜)、コロニーの落ちた地で Q4:天ぷらそばさんの中世ヨーロッパの魔術についての考察記事など。もう一度読みたいし、新しいものがあればぜひ読みたい。 吉里川べおさんのT&Tについての考察記事もとても面白かった。新しいものがあればまた読みたいです。 昔行われていた、T&Tのプレイバイメールカザン辺境砦の物語が、今も時々あの時の興奮を思い出します。あれは書くのに物凄く大変な労力を要する記事だったと思うのですが、またできないですかね。モンスター!モンスター!でズィムララを舞台にして。 (けいねむさん) Q1:T&T、モンスター!モンスター!TRPG、ヒューマンズ!ヒューマンズ! Q2:カザンの闘技場、デストラップ、老いぼれクーティ亭の冒険 Q3:トンネルズ&トロールズ〜カザンの戦士たち〜、マウント&ブレード ウォーバンド、Kenshi Q4:トロール神のしもべです。CRPGは純粋にプレイ時間で選びました。PC版T&Tは25年、M&Bは800時間、Kenshiは1100時間です。3つでなければケンのデザインしたWastelandも入れたかった… (シュウ友生さん) Q1:T&T、ケダモノオペラ、メタリックガーディアン Q2:ドルアーガの塔三部作、グレイルクエスト、フォボス内乱 Q3:龍虎の拳、ワールドヒーローズ、スーパーロボット大戦α Q4:T&T第6版(所謂ハウスルール)の提案。 (URIさん) 5000配信おめでとうございます! Q1:GURPSルナル、銀剣のステラナイツ、ゆうやけこやけ Q2:にゃんたんゲームブック(児童書)、ふしぎ探検キミ&ユメ、ドラゴンカリバー Q3:ロマンシング・サガ、ドラゴンクエストIII、ファイナルファンタジーIV Q4:楽しく読ませて頂いています。 好きなTRPG、色々ありすぎて、3つにしぼるのが難しかったです。 ソードワールド、六門世界RPG、D&Dも入れたかったです。 (ちゃなさん) Q1:D&D、ソード・ワールド、ウィッチクエストRPG Q2:ソーサリー!、竜の血を継ぐ者、護国記 Q3:バルダーズゲート2、エルダースクロール4オブリビオン、マスターオブマジック Q4:ご無沙汰しております。ぜろさんのリプレイをはじめいつも楽しく拝読しています。温故知新の記事からローグライクハーフの最新動向まで、変わらず読み応え抜群ですねー。それにしても5000回はすごい! 今後ますますのご発展を祈念しています。 (ghostwriterさん) Q1:クラシックD&D、D&D5版、CoC6版 Q2:ドルアーガの塔三部作、送り雛は瑠璃色の、パックスタルカスの囚人 Q3:プール・オブ・レイディアンス、ドラクエ2、ペルソナ4 Q4:「かっこいい彼女」みたいなサイバーパンク世界の日常を描いた掌編を読みたいです。 (ジャラル アフサラールさん) Q1:T&T、真ウィザードリィRPG、ロードス島戦記RPG Q2:死のワナの地下迷宮、ドラゴンの洞窟(グレイルクエスト)、ブラッド・ソード Q3:ウィザードリィ、Fate/stay night、ドラゴンクェスト Q4:ソロアドベンチャー、シナリオ、『みんなのリドルストーリー』や『カザン帝国辺境開拓記』 のような読者参加企画、『悪魔よそれをとれ』のようなコラム。 (あーるじぇいさん) Q1:AFF(旧版),GURPSスチームパンク,MonstersMonsters! Q2:奈落の帝王、火吹き山ふたたび、ブラックオニキス  単品で完成度高いやつを挙げました Q3:FF3、ラプラスの魔、クロノトリガー  RPGでと自分で縛りました。イースとかも入れたかった Q4:5000回おめでとうございます。  好調な現在路線を維持しつつ、「ガルアーダの塔」のような実験的な試みの冊子が年に一冊か二冊出ても良いかもと思います。RLHに限らずですが。 (岡和田晃さん) Q1: ・『モンスター・ホラーショウ』 かのJ・H・ブレナン作のRPGですが、私は本文にある「プレイヤーを楽しませてやること」というウェアウィザード(GM)の鉄則を、実際にゲームマスター・スクリーンどころか、家のトイレにも貼っていました。 ・『UNA PROFESION COMPLICADA』(未訳)*正しくは「PROFESION」の2番目の「O」にアクセント記号がつきます。 アルゼンチンのショップで見かけたナラティヴ系RPG。Jason Pric作。宇宙船の内外で起きる揉め事を解決するプロを演じる模様。ぜひ遊んでみたい。 ・『ハート物語RPG』 FT新聞連載「子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』」に出てくる9歳の娘と、T&Tの「天空の国のアリス」や「アンクル・アグリーの地下迷宮」を遊んでいたのですが、彼女が書いているオリジナル小説と世界観を共有するRPG、きちんと遊べたのでビックリ! Q2: ・『魔城の迷宮』 ・奥谷晴彦ほか。手書き鉛筆画の立体迷宮を文庫本に閉じ込めた驚天動地の大傑作。 ・『グーニーズ』 ハリー・リンド作。原作映画のエッセンスを的確に掴み、スピンオフに終わらない作り込みを見せた傑作。 ・『ビックリマン迷路ゲーム』 驚太郎・次郎作。小学校時代にいちばん楽しかった思い出は「ビックリマン」と答える私が、アルゼンチンで娘と遊んでいるゲームブックがこれ。 Q3: ・『ウィザードリィVI 禁断の魔筆』 2027年に復活するとアナウンスされましたが、オールタイムベストがこれ。伏見健二さんがTRPG化した『アドバンスト・ウィザードリィRPG』も好きです。 ・『マイト・アンド・マジック Book1』 これまでプレイしたコンピュータRPGで、もっとも高難易度と思ったもののひとつですが、オールドスクール・ファンタジーらしい雰囲気がたまりません。 ・『チャレンジャー』 アルゼンチンの古本市で偶然、日本でも入手困難なケイブンシャ版の攻略本を見つけました。当時、同国にはファミコンは正規流通しておらず、駐在日本人経由で持ち込まれたものと思われます。ひとつのドラマですね。 Q4:FT新聞 No.5000おめでとうございます! 貴重な連載枠を与えていただき、感謝とともに試行錯誤を凝らし、他ではできない企画をいち早くお届けするよう心がけています。  アンケートのQ1では仕事で関わっていないタイトル、Q2ではフーゴ・ハル特集、Q3は驚きと思い入れを語る、という感じにしてみました。研究者でもある身としては、『アップル荘の下で』をきちんと遊んでみたいんですが……。 (忍者福島さん) Q1:D&D、ソードワールド、ロードス島戦記 Q2:ドルアーガの塔、ドルアーガの塔外伝、カイの冒険 Q3:ドルアーガの塔、カイの冒険、ウィザードリィ Q4:ボードゲームの記事もあったら嬉しいです (ヴェルサリウス28世さん) >祝!配信5000回 Q1: 1 T&Tシリーズ(強いて1つ挙げるなら社会思想社版) 2 ソードワールドシリーズ(1つ挙げるなら無印) 3 蓬莱学園TRPGシリーズ(1つ挙げるなら初版) Q2: 1 ファイティングファンタジーシリーズ(1つ挙げるなら「火吹き山の魔法使い」) 2 ギリシャ神話アドベンチャーシリーズ(1つ挙げるなら第1巻「アルテウスの復讐」) 3 ブラッド・ソードシリーズ(1つ挙げるなら第4巻「死の国から還れ!」) Q3: 1 ドラゴンクエストシリーズ(1つ挙げるならFC版3) 2 ウィザードリィシリーズ(1つ挙げるならFC版1) 3 女神転生シリーズ(1つ挙げるならSFC版真1) Q4: 1 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』 2 アランツァ設定紹介系記事 3 ゲームブック配信系記事 (くろやなぎ) Q1:ガープス、ソード・ワールド2.0、ローグライクハーフ Q2:王の冠、魔人竜生誕、ミラー・ドール Q3:雪道、冠を持つ神の手、グノーシア Q4:金曜の投稿記事がもう少し増えるとうれしいですね。 (天狗ろむ) Q1:ローグライクハーフ、ソード・ワールド2.5 Q2:かえる沼を抜けて、狂える魔女のゴルジュ、ガルアーダの塔(1巻) Q3:大神、アトリエシリーズ、ポケモンシリーズ Q4:5000回おめでとうございます! 目指せ1万回!(?) これからも編集部員として頑張ります! ゲームブックはFT書房作品から知った若輩者なので、色々遊んでいきたいところです。 読んでみたい記事は「アランツァごはん」みたいな、お腹が空きそうなお料理かアランツァグルメ記事とか……? (葉山海月) Q1:スイマセン。あたしやる相手もいなかったんで、まだ勉強中なんですよ。だけど、度肝を抜いたのは『捏造ミステリーTRPG赤と黒 永劫の書』『アジアンパンクRPG サタスペ』『我ら、その速さに命運を賭す』でしょうか。 Q2:うーん。これも優劣無くみんな大好きです。順位つけづらい。最近読んだ中では、『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』『魔人竜生誕』『展覧会の絵』片っ端から読んだら忘れる方なんで。 Q3:『タイムクライシス』シリーズ。『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』シリーズ。『R・TYPE』シリーズ。見事にRPG系がありませんが、リアルで経験値を積む、ということでは、立派なロールプレイングゲームだと思います。 Q4:『シカゴの四つ玉』という手品をご存じでしょうか? あのように単純だけど誰も思いつかなかった! って発想の作品が見たいです。 (明日槇悠) Q1:フィアスコ、CoC、モンセギュール1244 Q2:展覧会の絵、送り雛は瑠璃色の、にゃんたんのゲームブック ドッキリ!かいじゅうじま Q3:ゼルダの伝説 時のオカリナ、MOTHER2、ファミコン探偵倶楽部Part2.うしろに立つ少女 Q4:批評・考察記事に関心あります。読者の皆さんの投稿もお待ちしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 皆様、いろいろなゲームを上げて頂きありがとうございました! 私のよく知るものもあり、知らなかったものもあり……。 またこうした切り口でFT新聞の記事を考えていきたいと思いますし、 ぜひ金曜記事に、ご自身の好きなゲームに関するお話などご寄稿頂ければ大変嬉しく思います。 まだまだ話足りない!という方や、特定のゲームについてもっと掘り下げて話したい!という方、大歓迎です。 なお乗り遅れた!という方も、今から送っていただいても結構ですよ。 (ご紹介は土曜日1ウィーク記事のお便りコーナーなど) それでは今後とも、FT新聞をどうぞよろしくお願いします! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月8日木曜日

齊藤飛鳥・小説リプレイvol.46『九つの樹の道』その1 FT新聞 No.5006

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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.46
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お久しぶりです。『常闇の伴侶』をプレイして以来、ついには先日自分でシナリオ『霊廟館の悪夢』を書いてしまったほどローグライクハーフに絶賛ハマり中の齊藤(羽生)飛鳥です。
今回は、『九つの樹の道』リプレイをお送りします^^
冒険の舞台は、『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』『汝、獣となれ人となれ』でおなじみの《太古の森》です。
そこで、成人の儀式をする若者アルコゥに頼まれ、儀式の介添人を引き受けるのですが、当然のことながら一筋縄ではいかない冒険が幕を開けます。
『常闇の伴侶』ではマイノリティと宗教問題、『名付けられるべきではないもの』では尊厳死とアイデンティティ、『汝、獣となれ人となれ』では個人の意思と感情は信仰心より強いのか否かと、簡単に答えの出ない重量級の骨太テーマを内包しつつ、魅力的なキャラクターや〈できごと〉が登場する物語性でどっぷりと堪能させていただいたのですが、今作『九つの樹の道』も骨太テーマを取り扱っております。
にも拘らず、今回もプレイヤーキャラは、かの冒険家乙女で強欲の魔術師クワニャウマです。
成人の儀式という人生の節目となる大事な儀式の介添人に彼女を選んでしまったアルコゥくんは、はたして大人になれるのでしょうか? 
そんなわけで、アルコゥくんの幸運を祈りながら、今回は導入篇となりますf^^

最後になりますが、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が10月5日からNetflixで配信されました! 読書の秋到来でもありますし、これを機会にまた拙作『『吾妻鏡』にみる ここがヘンだよ! 鎌倉武士』や『御成敗式目の殺人』を手に取って下さいませm(_ _)m


※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。

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ローグライクハーフ
『九つの樹の道』リプレイ
その1

齊藤(羽生)飛鳥
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0:プロローグ
わたしの名は、クワニャウマ。
れっきとした魔術師だが、なぜか周囲からは盗賊や詐欺師と誤解されやすい。 
趣味は節約、特技は損得勘定。目下の冒険目標は、恩人のファラサールの勇敢なる人生を讃えた詩を作ってもらうこと。
装備は、革鎧と古代の神槍。イエベ肌に金褐色の瞳。最近、自慢の漆黒の黒髪を二つ結びの三つ編みからフィッシュボーンに変えたのは、旅の相棒であるイェシカが編んでくれたからだ。
イェシカはエルフの少女で、魔犬獣の毛皮の犬耳付きローブを装備したランタン持ち。彼女の持つランタンの中には、淡いピンクの花をつけるリンネソウの妖精が在住している。「油代節約のためにさらってきた」と言う者もいるけれど、人聞きが悪い。あちらから、雨宿りに来たから、丁重に滞在していただいているだけだ。
イェシカは、強欲で損得勘定の塊であるわたしに心を開いてくれている、寛大な生ける天使、ようするに最高の宝だ。そんな彼女との暮らしは、充実していく一方だ。
今では、彼女が選んでくれたりこうな三匹の猟犬、チャウチャウの雷電、飛燕、月光と、元ガチョウ農家の家を拠点として、次なる冒険に備えている。
「やっぱり、こちらの損失を減らして確実に荒稼ぎするには、斬撃だけじゃなくて、打撃ができる仲間が必要だよね」
我が家の窓辺でうららかな春の陽射しを背に受けながら、わたしはイェシカに相談した。
イェシカは、すぐにいつも持ち歩いている石板に素早くチョークで文字を書く。
耳が聞こえない彼女は、古代語はしゃべれるけれど、古代語がろくにわからないわたしを気遣って、こちらの言語で筆談で会話をしてくれる。いい子だ。ちなみに、わたしは古代語をやっとこさ読めるレベルだ。目指せ、古代語マスター。
〈打撃ができる仲間なら、軍馬がいいかも〉
イェシカは石板にそう書いてから、部屋の片隅に置いてあるタンスの引き出しから、一枚の広告を持ってきた。
そこには、こう書かれていた。
《フーウェイ郊外《太古の森》前で、軍馬市を一ヶ月開催! ※今ならこのチラシ持参で試乗会無料》
開催日は、なんと明日から。
「イェシカ、やっぱりすごい!! わたしが見落としていたお得情報を、よくぞ見落とさずに確保しておいてくれたわ!!」
イェシカがはにかんでいたけれど、かまわずにわたしはさっそく軍馬市へ出かける支度を始めた。

「イェシカ! 雷電! 飛燕! 月光! 忘れ物はない? ないなら、出発!!」
善は急げ、銭も急げとばかりに、わたし達はフーウェイを出て《太古の森》へ続く街道を歩き出す。
《太古の森》は、アランツァ世界の原初の姿をいまも残すという底知れぬ深き森で、妖魔や巨人族、怪物などが棲まう。ありとあらゆる生命のごった煮みたいな場所だけど、わたしには同じくらい悲劇と喜劇のごった煮じみた思い出のある地だ。柄にもなく感傷的になっているうちに、日が暮れてきた。
そろそろ野営に適した場所を探そうと辺りを見回すと、森の傍で明かりを目にした。誰かが火を熾しているのだ。少し歩を進めると、ちょうど街道の分かれ道になっているところにブナの大樹が聳えているのが見えた。
大樹の根元で焚き火をしていた若者がわたしを見つけ、立ち上がって会釈すると手招きをしてくる。
「こんばんは。わたしは、冒険家乙女のクワニャウマ。こちらは相棒で、ランタン持ちのイェシカ。あなたも明日の軍馬市に行くの?」
人がすでにいるということは、野営に適している証拠だ。あわよくば、仲良くなって野営地を確保しようと企み、愛想よく声をかけると、若者は少し困った笑顔を見せた。
「《リスティプ》を巡ってるんだ」
獣の毛皮を身にまとった蛮族の若者はそう口にした。精悍な顔立ちで、短めの顎髭がよく似合う。
「《りすてぃぷ》?」 
すると若者は頭を掻きながら、すまんすまんとはにかむように笑みを浮かべた。
「それじゃ、わからんよな」
彼は皮袋に入った強い酒をわたしに勧めてきた。
「ごめん。酒が入ると、せっかくの説明が頭に入らなくなるかもだから、後でお願い」
「わかった」
わたしが酒を保留にしたことに気を悪くした様子も見せず、彼は腰を据えると、自分の部族に伝わる儀式の説明を始めた。
「俺の名は、トレウェリ氏族のアルコゥ。今、俺の部族に伝わる儀式を進めている最中なんだ」
トレウェリ氏族……。確かフーウェイを代表する5つの氏族の1つで、ヴィドやゲルダの属するカリウキとは異なる氏族、だったはず。
とてつもなくうろ覚えの記憶で、トレウェリ氏族に申し訳なく思いつつ、わたしはアルコゥの話に耳を傾ける。
「これが儀式の最中の証だ」
アルコゥは、焚き火の傍から粗削りな杖を取り上げてわたし達に示した。
「ハシバミの樹の杖ね。ハシバミは、フーウェイでは神聖な力を持つ魔除けの樹とされているのよね? その枝を持つ者は隠された謎を解き明かすって聞いたことがある」
参考文献が、ミン・メーショ・ボー作『謎解きはハシバミの樹の下で』であることは伏せて、わたしはアルコゥに相槌を打つ。
「その通り。ハシバミが生長し実がなるまでに9年かかることになぞらえ、トレウェリ氏族の成人の儀式では、このハシバミの杖を携え、祖先にまつわる《9つの樹》を巡るんだ」
「ん……? 成人の儀式ってことは、あなた、今いくつ?」
「16だけど?」
「その顔で、わたしより3つも年下だったの!?」
イェシカが石板にこっそりと〈アルコゥさんじゅうろくさい〉と書かれていたけれど、賢明にもすぐに消していた。
「余計なお世話だ!! 話は戻るが《リスティプ》は古き祖先の眠る樹なんだ」
アルコゥは傍らのブナの樹を見上げながら、そう口にした。
「フーウェイでは死者を森に埋葬する。この森では人も獣も植物も、怪物さえもが同じように生まれ、同じように死ぬ、そしてすべては森に還るというのが、死生観。……爺さんの爺さんのそのまた爺さん、いや婆さんもいるかな?」
アルコゥは、口の端に笑みを浮かべながらそう言った。笑うと、成人の儀式中の若者だと納得のいく年齢に見えた。かろうじてだけど。
「祖先が土地土地に残した記憶を辿りながら、新たにその仲間に加わる自身のことを彼らに伝えてゆく。それが俺たち、トレウェリ氏族の成人の儀式だ。クワニャウマさんの故郷では、どんな成人の儀式だった?」
「13歳になったら、村はずれの川の激流の中央に立つ岩へ飛びついて、また岸辺に飛んで戻って来られた時だけ成人認定される。落ちたら、それっきり。飢饉や不猟の年には、儀式の対象年齢が10歳から13歳にまで範囲が広げられるだけっていう、情緒もへったくれもない地味な儀式よ」
「成人の儀式じゃなくて、ていのいい間引きじゃねえか!?」
アルコゥが、大げさな身振り手振りで驚く。異なる風習に出くわしたら、誰だってこうなるか。
「俺達もよそ者から蛮族って呼ばれるけど、それ以上に野蛮……すまん。あんたの故郷の風習について暴言を吐くつもりはなかったんだ。ただ、俺の成人の儀式には、集落と無関係の者に介添人になってもらうのが習わしでよ。ここで誰か通りがかるのを待っていたのさ」
「なるほど。フーウェイ出身ではないわたしは、まさにうってつけね」
介添人を引き受けたら、謝礼をはずんでもらえるかもしれない。そうすれば、軍馬を買う予算を今より色をつけられる。
でも、今はまだ黙っておこう。後で絶対に断れないタイミングで、謝礼を切り出した方が、お得だ。
「ここが1つ目の《リスティプ》だ」
〈 ᚱ 〉
焚き火に照らされ、傍らのブナの幹に刻まれた符号のようなものが目に留まる。同じものが、アルコゥの手元のハシバミの杖にも刻まれている。
「レイズ……【旅路・内省】を表す印だ」
そう独りごちて、アルコゥは傍らの樹にそっと手を添え、遙か頭上を見上げた。
「残りは8つ」
アルコゥは顔をこちらに向け、精悍な目でわたしをじっと見つめる。
「頼む……見届けてくれないか」
「いくら……じゃない、いいよ」
わたしは、下心を押し隠し、快諾した。

一夜明けて、手早く野営の片付けをすると、アルコゥはハシバミの杖を片手に歩き出した。
やがて街道を離れ、木立の中へと先導する。杖で下生えを掻き分けながら、アルコゥは気さくな様子でわたし達を振り返る。
「《太古の森》に入っても心配はいらん。その辺の獣や怪物どもなんざ、俺の槍で蹴散らしてやる」
そう言って、彼はうっすらと無精髭の生えた顎を撫で回しながら、背負っている無骨な槍をぽんと叩いた。
わたしの武器も古代の神槍だから、今回の冒険は槍使いばかりだ。
「だが《混沌》には気をつけろよ。集落で年嵩のものたちが話していたんだが、川を越えて『こちら側』に来てる奴らがいるって話だ」
わたしは記憶を辿る。
「《混沌》……世界が生まれたときに、同時に生まれ落ちたとされる原初の存在だよね? 駆け出しの頃、ちょうどハルト川の西向こうの《カオス平原》のはずれにバイト先があったから、聞いたことがある。確か、その地に眠る〈混沌神カルネー〉の身体から不定形の《混沌》が無限に湧き出して生き物を襲うんでしょう? だから、くれぐれも注意しろとバイト先のオーナーが、口を酸っぱくしてよくよく言い聞かせてくれたものだわ」
「いいオーナーだな。その通りだ」
「でしょう? バイト代はさほど高くなかったけれど、駆け出しの冒険家にとって実践的な知識や技術をただで教えてもらえて、お得なバイト先だったわ」
それにしても、似我蜂が大量発生したことと言い、謎めいた神が祀られていたことと言い、《太古の森》は本当にごった煮だな。《混沌》がいると聞いても、「でしょうね」の一言で片がついてしまう。
とりあえず、軍馬の予算アップを目指して謝礼をもらうためにも、アルコゥの成人の儀式は絶対に成功させよう。
こうして《太古の森》は、《混沌》ばかりか底知れぬ強欲の業を抱えた魔術師も受け入れていったのだった。


(続く)

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齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わって、ついにはシナリオ作りに挑戦。『霊廟館の悪夢』を先日FT新聞様に掲載していただいた。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。2026年春に、7巻が刊行。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)、同年5月29日『歌人探偵定家 弐』が、同年6月22日には、『御成敗式目の殺人』(中央公論新社)が刊行。

初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。

■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『九つの樹の道』
著 水波流
2026年5月3日FT新聞配信


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