From:水波流
『機動警察パトレイバー』がYouTubeのバンダイチャンネルで1日1本ずつ限定配信中です。
旧OVA版は当時小学生だったのでちゃんと観たことが無く、これは見逃せないと思ったのですが、毎日更新されてしまうので追いかけるのが大変です。
しかし現実が作品世界の年代を越えてもなお、バビロンプロジェクトや作業用レイバーの設定は素晴らしい世界観だと思います。
今なお続編が制作されていますが、個人的には特車二課第二小隊の面々が大好きなので、オール新キャラの新作はどうしても敬遠してしまいますね……。
そういえば、ゲーム版もいろいろと出ていましたが、PC98版なんかは、シムシティ・パトレイバーみたいな感じで、都市開発してバビロンプロジェクトを進めていく内容でした。PS版では、イングラム3号機が配備されてプレイヤーはそのパイロットになるという展開。
そうそうこういうのが面白いんだよと。当時、ちゃんとプレイしなかったのが悔やまれますなぁ……。
From:葉山海月
うちの神様が絶賛失踪中。どこかいい警察を教えてください。
From:中山将平
僕ら今日「RETRO GAME SUMMIT Lv.5」にサークル参加しています。
開催地は「東京都立多摩産業交流センター 東京たま未来メッセ1階展示室」、配置は【F-11】です。
僕が知る限り、このイベントにはサークル側として初参加かと。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(天)=天狗ろむ
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(水)=水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■3/15(日)~3/20(金)の記事一覧
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2026年3月15日(日)天狗ろむ FT新聞 No.4799
ローグライクハーフシナリオソムリエ その2『ようこそ阿彌須へ』
・編集部員・天狗ろむがお送りする、個人制作シナリオ紹介の第2弾をお届けしました。
公式シナリオの舞台は、「共通世界」〈アランツァ〉が主ですが、実はオリジナルの世界観でもシナリオを作る事が出来ます。
今回は成田砂男さん作のオリジナル和風世界「阿彌須(あびす)」が舞台の『ようこそ阿彌須へ』です! 4部作予定の第1作目ですので、導入編として、まずはこちらから遊ぶのをおススメします。
異郷都市キョウとはまた趣きの異なる、お江戸情緒と妖怪が溢れた世界に、どうぞ足を踏み入れてみてください!
プレイ報告やご感想、そしてシナリオ紹介記事の寄稿はいつでもお待ちしております〜!
(天)
2026年3月16日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4800
★休刊日のお知らせ★
・蕨之介さんが「モンスター!モンスター!TRPG」のシナリオを公開されました!
『エリカ・アメリカ、黄天に立つ』という作品名で、BOOTHにて無料公開です☆
詳しくは本記事を!
え? ヨハネ氏のトークは? って?
実は、ヨハネ氏、季節の変わり目で体調を崩した上に、なにやかや雑事が加わって、今回はお休みさせていただきます。
トークを楽しみにしていた方、申し訳ございません!
(葉)
2026年3月17日(火)明日槇悠 FT新聞 No.4801
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(8)
・TPRG初心者4名が友人宅で気軽に遊んだ、GM不要のナラティブ・スタイルRPG『モンセギュール1244』のリプレイ、第8回をお届けしました。
陥落が誰の目にも明らかとなったモンセギュール砦ですが、十字軍から和平条件を引き出してなおも無益な内紛は止みません。
Act4ではフィリッパのプレイヤーが捕虜を選ぶルールになっているのですが、なぜか不法にこの権利を奪おうと下剋上が試みられます。
ルール破りの無理矢理な願望成就には、どんな報いが返ってくるのか。次回、いよいよ最終回です。
(明)
2026年3月18日(水)ぜろ FT新聞 No.4802
第10回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第483回。今回は『巨大樹の迷宮』リプレイの最終回ということで、リプレイ本編のエピローグに加え、作品全体の感想や振り返り、そして今後のリプレイの展望についても書かれています。
ぜろ氏によるローグライクハーフリプレイは、これまでに『黄昏の騎士』『混沌迷宮の試練』『あやかし』『秋雨の狐』『仮面のウサギを追え!』『ウサギクエストR』『戦場の風』『素敵なおパンツ同盟』『竜鍵諸島の露店祭』が掲載されており、今回完結した『巨大樹の迷宮』で、ちょうど10作品(68回)に達しました。
ゲームブックもローグライクハーフも、長編も短編も織り交ぜながらのリプレイ連載、つぎなる作品は何でしょうか?
来週の水曜日も楽しみにお待ちください!
(く)
2026年3月19日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4803
『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! Vol.29
・ 『ウォーハンマーRPG』、このところはPDFでの新作リリースが続いておりましたが、そうしたPDFサプリメント7冊を一冊に集成した書籍版『ライクランド万巻録 ウォーハンマーRPGサプリメント』(ホビージャパン)が、2026年3月末に刊行されます。
印刷される書籍としては、まる2年ぶりの新作ということで、胸躍らせている方も、多くいらっしゃるものと思います。
いろいろな万感な思いがありますが、今回は収録作のうち、『シグマーの聖堂』を紹介させていただきます。「5つの珍奇な聖地」という二つ名の通り、新旧・大小さまざまな信仰の拠点が紹介されており、シナリオソースや隠された秘密も目白押しです。
Don't miss it!
(葉)
2026年3月20日(金)吉里川べお FT新聞 No.4804
『T&T研究室』宣伝(前編)
・おひさしぶりの、吉里川べお氏の登場です!
というのも、自らの新しいコラム集、『T&T研究室』をリリースされるので、そのダイレクト・マーケティングに参上!
「後にクラシックD&Dと呼ばれるもの」が熱かった時代、その熱気とともに、時代背景までひしひしと感じられるコラムに仕上がっています。
この度は、それが出来上がるあらましをメインに書いておりますが、この奇跡ともいえる軌跡だけでも、当時の「熱さ」がわかるというもの!
ぜひともよろしくお願いいたします!
(葉)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(二拍子さん)
いつも内容充実のメルマガありがとうございます!
昔に比べてめっきりアンテナが低くなった私にとって非常にありがたいです。
今日は私の好きなウォーハンマー記事、早速DLストアをチェックしてみます。
(お返事:水波流)
応援ありがとうございます!
ウォーハンマー記事第二弾も、いかがでしたでしょうか。
ところでウォーハンマー好きの読者の方は、まだまだおられると(勝手に)思っているのですが、ぜひプレイレポートや独自の考察など、寄稿して頂ければ嬉しく思います。
金曜日の記事枠で、お待ちしております〜。
(ぜろさん)
クワニャウマを取り巻くサブキャラたち、すっかり賑やかになりましたね。今回は主人公二人で、しかも一風変わったシナリオとのことなので、楽しみにしています。
元シナリオを知らない身としては、これまでのサブキャラたちが主人公枠なのか従者枠なのかそれ以外の脇役なのかの区別はわからないまま読んでました。十分すぎるほどの存在感を放つ面々でしたので、今回登場の新キャラもきっと異彩を放ってくれることでしょう。すでにその片鱗は見えてますし。期待!
あと安土くんの7巻、とても楽しみです。1から5巻まで一気読みして、6巻から待ちの姿勢のため、1冊くらいでは満足できない身体に。もっと続刊を、もっと続刊を〜〜と読む前から気の早い声を上げてしまいます。それから、先日書店で、歌人探偵定家の文庫版が平積みになっていたので入手いたしましたよー。
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m♪
元シナリオにいるキャラクターは、イェシカ、ゲルダ、ヴィド、ファラサ—ル、クリスティ、メメコレオウス(以上、フーウェイを舞台にしたシナリオ)。
ミッチ、『騒ぎすぎる白鯨亭』の主人夫婦(以上、トーンを舞台にしたシナリオ)です。
いずれも、魅力的なキャラクター達ですので、リプレイを書く際にとても想像力がはかどります^^b
それから、安土真の新刊を楽しみにして下さったり、文庫版『歌人探偵定家』をお買い上げ下さったばかりか、書店で平積みになっているとのステキ情報をお知らせ下さり、まことに感謝です!! 地元の書店では平積みではなかったので、たいへん貴重な情報でした(笑)
(忍者福島さん)
主人公のタイガを従者にして、フォルネとニャルラをキャラとして動かしつつストーリーが進行するのは面白い切り口でした。
こんな方法もあるんですね。
今後のタイガの物語も期待してます。
(お返事:ぜろ)
感想ありがとうございます。
思いついたアイデアを形にしたら、こんな風になりました。タイガも含めて絶妙なバランスで描けたかな? ニャルラが本当によく動いてくれる子で、展開に詰まると何気ないひと言で場を和ませ、何気ない行動で事態を動かし、そのくせバトルでは力強く活躍してくれました。
次はまた違うリプレイですが、この先また出番があると思いますので、よろしくお願いします。
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2026年3月21日土曜日
2026年3月20日金曜日
『T&T研究室』宣伝(前編) FT新聞No.4804
ここ「FT新聞」では2023年9月以来のお久しぶりです、吉里川べおです。このたびは、自著『T&T研究室』のダイレクト・マーケティングに参りました。訳あって自レーベルから出していますが、本書は〈FT書房〉やこの「FT新聞」とも大変縁の深いコラム集です。
電子書籍はこちらからご購入いただけます:https://booth.pm/ja/items/8065061
印刷書籍もまもなく発売です:https://sfjustitia.blog.fc2.com/blog-entry-58.html(これは出版社〈SFユースティティア〉からの告知文です。)
今回は前編。同書の「はじめに」の後半、「このコラム群がどうして書かれたか」について述べられた部分を抜粋してお届けしたいと思います。
〜〜〜〜〜〜
── 本作は〈FT書房〉の『トンネル・ザ・トロールマガジン(以下TtTマガジン)』および〈グループSNE〉の『ウォーロック・マガジン』に連載されていた長いコラムを中心に、いくつかのミニコラムを集めたものです。話題はほぼすべて、1975年ケン・St.アンドレによってデザインされた世界2番目のRPG、トンネルズ&トロールズ(以下T&T)についてです。
このRPGが日本に紹介されたのは1987年。当時僕は既に世界初のRPG、「ダンジョンズ&ドラゴンズ(後にクラシックD&Dと呼ばれるもの)」を遊んでいましたが、それとは違う開放感に魅せられ、他のシステムの様々な要素を混ぜながら、世紀末まで楽しい経験を山のようにしました。その後、就職し結婚し……実際プレイする機会はなくなりましたが、このゲームへの関心だけはいつも持ち続けていました。
このコラムを書きはじめたきっかけは、2015年9月、健康診断の結果を見て"老い"を実感したことでした。「ずっと好きだったT&Tについて、ここで何か書かないと一生後悔するぞ」という心の声が、鈍重な僕を突き動かしたのです。幸い、そのころ「FT新聞」── 〈FT書房〉発刊のメールマガジンです ── の編集長は、かつてのゲーム仲間・松岡でした。
さっそく電話して「T&Tについて何か書きたい」と言うと、松岡は「いい人がいる」と、〈FT書房〉のリーダー、杉本=ヨハネさんを紹介してくれました。たまたまですが、杉本さんはそのときT&Tの雑誌を企画しており、「有志を集めたが、『T&T研究室』と仮に名付けた、読み物系の記事の書き手が見つからない」とのこと。これも何かの縁だろうと思い、僕はこの記事の担当を引き受けることにしました。
偶然は続きます。そのとき僕らが念頭に置いていたT&Tは、1987年に社会思想社から出た『5版(正確にはそのイギリス版であるCorgi Books版)』でした。しかしちょうどその頃、海外では決定版といってもいい『Deluxe T&T』がクラウド・ファウンディングの成功によって発売され、〈グループSNE〉が邦訳しようという動きになっているところだったのです(2016年9月に『T&T完全版』の名で発売)。話を聞きつけた杉本さんの呼びかけで、新しい雑誌はこの版に対応するものを出そうということになり、皆でがんばった結果、2016年8月に『TtTマガジン』を創刊。これが業界のレジェンド、安田均先生の目にとまり、2号から5号までは〈グループSNE〉の全面協力のもと、誌面が作られることになりました。
その後『TtTマガジン』は、他のゲームも巻きこんだかたちで『ウォーロック・マガジン』と改称され、〈グループSNE〉が版元となります。拙『T&T研究室』もマニアックなコラムながら末席をいただき、創刊号から6号まで、思う存分書かせていただきました。今思い返しても、ひたすら忙しくて楽しい日々でした。
あれからずいぶん経ち、T&Tを巡る状況も今やずいぶん変わってしまいました(「あとがき」で言及します)。2025年12月現在、これまでのT&Tに近いルールシステムは『モンスター! モンスター! TRPG』として命脈を保ち、若いデザイナーによる新時代のそれは、まるで別物へと姿を変えようとしています。しかし、それでもなお ── あるいはだからこそ ── 1980年代に小さく流行し、2010年代半ばによみがえった古いT&Tの記憶を、小さくとも確かな灯として残したいという僕の思いは増すばかりです。
本書は、そんな大過去と小過去、ふたつの時代の空気と熱を少しでも伝えたいという、ささやかな願いから生まれました。過ぎ去った日々への手紙として、そして同じ季節を駆け抜けたファンへの贈り物として、どうかごゆっくり、お楽しみください。
2025年12月 吉里川 べお
〜〜〜〜〜〜
後編は印刷書籍発売のタイミングに合わせて出すつもりで、肝心の中身について解説する予定です。どうかよろしくお願いいたします。
なお、この『T&T研究室』の姉妹編にあたる対話型コラム集『悪魔よそれをとれ』は、現在〈FT書房〉より電子書籍が発売されています。併せて読んでいただけるとさらに面白いかと存じます。ご購入はこちら。
booth:https://booth.pm/ja/items/3755062
Drivethru.RPG:https://www.drivethrurpg.com/ja/product/550044
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今回は前編。同書の「はじめに」の後半、「このコラム群がどうして書かれたか」について述べられた部分を抜粋してお届けしたいと思います。
〜〜〜〜〜〜
── 本作は〈FT書房〉の『トンネル・ザ・トロールマガジン(以下TtTマガジン)』および〈グループSNE〉の『ウォーロック・マガジン』に連載されていた長いコラムを中心に、いくつかのミニコラムを集めたものです。話題はほぼすべて、1975年ケン・St.アンドレによってデザインされた世界2番目のRPG、トンネルズ&トロールズ(以下T&T)についてです。
このRPGが日本に紹介されたのは1987年。当時僕は既に世界初のRPG、「ダンジョンズ&ドラゴンズ(後にクラシックD&Dと呼ばれるもの)」を遊んでいましたが、それとは違う開放感に魅せられ、他のシステムの様々な要素を混ぜながら、世紀末まで楽しい経験を山のようにしました。その後、就職し結婚し……実際プレイする機会はなくなりましたが、このゲームへの関心だけはいつも持ち続けていました。
このコラムを書きはじめたきっかけは、2015年9月、健康診断の結果を見て"老い"を実感したことでした。「ずっと好きだったT&Tについて、ここで何か書かないと一生後悔するぞ」という心の声が、鈍重な僕を突き動かしたのです。幸い、そのころ「FT新聞」── 〈FT書房〉発刊のメールマガジンです ── の編集長は、かつてのゲーム仲間・松岡でした。
さっそく電話して「T&Tについて何か書きたい」と言うと、松岡は「いい人がいる」と、〈FT書房〉のリーダー、杉本=ヨハネさんを紹介してくれました。たまたまですが、杉本さんはそのときT&Tの雑誌を企画しており、「有志を集めたが、『T&T研究室』と仮に名付けた、読み物系の記事の書き手が見つからない」とのこと。これも何かの縁だろうと思い、僕はこの記事の担当を引き受けることにしました。
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その後『TtTマガジン』は、他のゲームも巻きこんだかたちで『ウォーロック・マガジン』と改称され、〈グループSNE〉が版元となります。拙『T&T研究室』もマニアックなコラムながら末席をいただき、創刊号から6号まで、思う存分書かせていただきました。今思い返しても、ひたすら忙しくて楽しい日々でした。
あれからずいぶん経ち、T&Tを巡る状況も今やずいぶん変わってしまいました(「あとがき」で言及します)。2025年12月現在、これまでのT&Tに近いルールシステムは『モンスター! モンスター! TRPG』として命脈を保ち、若いデザイナーによる新時代のそれは、まるで別物へと姿を変えようとしています。しかし、それでもなお ── あるいはだからこそ ── 1980年代に小さく流行し、2010年代半ばによみがえった古いT&Tの記憶を、小さくとも確かな灯として残したいという僕の思いは増すばかりです。
本書は、そんな大過去と小過去、ふたつの時代の空気と熱を少しでも伝えたいという、ささやかな願いから生まれました。過ぎ去った日々への手紙として、そして同じ季節を駆け抜けたファンへの贈り物として、どうかごゆっくり、お楽しみください。
2025年12月 吉里川 べお
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後編は印刷書籍発売のタイミングに合わせて出すつもりで、肝心の中身について解説する予定です。どうかよろしくお願いいたします。
なお、この『T&T研究室』の姉妹編にあたる対話型コラム集『悪魔よそれをとれ』は、現在〈FT書房〉より電子書籍が発売されています。併せて読んでいただけるとさらに面白いかと存じます。ご購入はこちら。
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Drivethru.RPG:https://www.drivethrurpg.com/ja/product/550044
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2026年3月19日木曜日
『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! Vol.29 FT新聞No.4803
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『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! Vol.29
岡和田晃
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ナルンへの道中は、拍子抜けするほど静かだった。
街道から数本外れたうら寂しい道を行っても、追い剥ぎやチンピラに出くわすこともない。ましてやグリーンスキンに煩わされることもない。敬虔な農夫の一家が、道祖神よろしく道の片隅に置かれていたシグマーの祠へ祈りを捧げている。
わたしも、魔女術を学ぶ者とはいえ、人並みに建国神への敬意はある。祠を覗いていくのも、悪くはないかもしれない。
——魔女レジーナが書き遺した手記「ありえざる遭遇」の章より
『ウォーハンマーRPG』、このところはPDFでの新作リリースが続いておりましたが、そうしたPDFサプリメント7冊を一冊に集成した書籍版『ライクランド万巻録 ウォーハンマーRPGサプリメント』(ホビージャパン)が、2026年3月末に刊行されます。
印刷される書籍としては、まる2年ぶりの新作ということで、胸躍らせている方も、多くいらっしゃるものと思います。表紙と裏表紙の惹句をご紹介しますと……。
手に汗握る冒険、興趣尽きせぬ旅先、腹に一物ありげな依頼主、物騒至極な呪文がぎゅっと詰まった魅惑の選集
げにライクランドは波乱の坩堝。
残酷で嶮難な冒険や、底知れぬ甘言、内密な策謀、暴発しやすい魔法に、そこかしこで出くわしうる。
謎めいた神像から、ただならぬ聖堂に至るまで、さらには風変わりな建造物から、なおいっそう奇態な人士の数々に及ぶまで、『ライクランド万巻録』は、この領邦内外の七珍万宝を詰め合わせた選集である。
——というわけです。原題の『Reikland_Miscellania』をどう訳すかにあたっては、チーム内では、やれ「玉手箱」だ、やれ「万巻集成」だと、いう案もあったのですが、めくるめく万華鏡のごとき一冊を紹介するに、最終的には「万巻録」がふさわしい、ということで合意に至りました。
収録作は、『オールド・ワールドのパトロンたち』のI・IIをまとめた『ライクランドのパトロンたち』、『ライクランドの建築』、『ライクランド綺譚 単発シナリオ集』、『ライクランドの記念碑』、『シグマーの聖堂』、『比類なく有益なスラサーラの呪文集』、『血と茨』になります。単発のPDFとしての初出時から、さらに再監修を加えておりますので、いっそう読みやすくなっているかと存じます。何より、印刷版だとアクセスの良さが圧倒的ですね。
今回は収録作のうち、『シグマーの聖堂』を紹介させていただきます。翻訳は伏見義行さん、監修は私、見田航介さん、阿利浜秀明さん、田井陽平さん、待兼音二郎さんが担当しました。「5つの珍奇な聖地」という二つ名の通り、新旧・大小さまざまな信仰の拠点が紹介されており、シナリオソースや隠された秘密も目白押しです。
まずは、デルベルツ北部のシュタインプラッツの小神殿です。ここには、かつての総大司教ヘルムガルトの片手を封じた聖遺物が収められているのですが、切り離されてから優に100年が経過しているにもかかわらず、腐敗はしていません。他方で、総大司教ヘルムガルトやその信奉者たちは、正式に認可されているものも含め、魔法を毛嫌いしていることでも知られています。ここではどんな騒動が起きるのでしょうか?
次なる聖地は「ウアタッハの社」。べーゲン谷低地に建てられた、古代ウンベローゲン族の将ウアタッハ崇拝を通じてシグマーを祀る社です。それこそ、エンパイア建国以前からの由緒があるのですが、ウアタッハその人は、ほとんど知られておらず、わずかにフレスコ画があるのみです。ある場所の地下図書館では、その事績を詠った詩の写本が埋もれているようですが、どうにも曰く付きであるようです……。
3つめの聖地は"ハンマー台"。ライクヴァルドの森の奥深く、ふたつの砂利道が交差する場所にそびえる木製の柱があって、その天辺には敬虔なるメクティルデという年齢不詳の赤髪をした塔登者(とうとうしゃ)が腰掛けています。彼女は地上から離れて断食し、シグマーに祈りを捧げる生活を行っているのです。メクティルデは食べ物の施しは断り、真鍮線や銀貨が供えられると、不可解な終末論的寓話を説いて聞かせるのですが、はてさて、それは真実なのでしょうか?
4つめ、ローヴェンゲンの廃墟の祠は、ヴェストラウフホルツの森の奥深くにある廃墟。ここに住まう村人たちはヴァンパイア・カウントとの戦いに出かけたまま、戻ってきませんでした。村の中心にあったシグマーの祠は、さすらいの司祭アトヴァルト神父が時折確認するのみとなっているのですが、ここには大いなる秘密があり……。
5つめのズムプフトアの祠は、フィールバッハの北門、通称"沼地の門"ことズムプフトアのそばには小さな祠があり、旅人は道中の加護をシグマーに祈ります。わざわざここを訪れる地元民もほとんどいないような場所ではあるのですが、旧きことわざに、蟻の穴から堤も崩れると申しまして……。
いずれの設定もシナリオフックも、シグマーにまつわるもので、あちこちに配置が可能ですが、別にシグマーの敬虔な信者や司祭がパーティにいなくとも、充分に活用できる冒険案ばかりです。地味に見えるかもしれませんが、実のところ内容は派手派手しさ満点。まさに、"羊の皮をかぶった狼"——おおっと、これ以上は何も言えない!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
『ウォーハンマーRPG シグマーの聖堂』
残酷で嶮難な5つのシグマーの聖地
発売日:2025年12月
価格:700円(+税) *PDF版ダウンロード販売のみ
・コノス
https://conos.jp/product/wh_temple-of-sigmar_pdf/
・DLsite
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01528751.html
『ウォーハンマーRPG ライクランド万巻録』
手に汗握る冒険、興趣尽きせぬ旅先、腹に一物ありげな依頼主、物騒至極な呪文がぎゅっと詰まった魅惑の選集
発売日:2026年3月
商品内容 : A4変形 ハードカバー144頁 フルカラー
価格:5000円(+税)
商品コード(JAN):4981932028422
ホビージャパンのプレスリリース
https://www.dreamnews.jp/press/0000343778
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『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! Vol.29
岡和田晃
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
ナルンへの道中は、拍子抜けするほど静かだった。
街道から数本外れたうら寂しい道を行っても、追い剥ぎやチンピラに出くわすこともない。ましてやグリーンスキンに煩わされることもない。敬虔な農夫の一家が、道祖神よろしく道の片隅に置かれていたシグマーの祠へ祈りを捧げている。
わたしも、魔女術を学ぶ者とはいえ、人並みに建国神への敬意はある。祠を覗いていくのも、悪くはないかもしれない。
——魔女レジーナが書き遺した手記「ありえざる遭遇」の章より
『ウォーハンマーRPG』、このところはPDFでの新作リリースが続いておりましたが、そうしたPDFサプリメント7冊を一冊に集成した書籍版『ライクランド万巻録 ウォーハンマーRPGサプリメント』(ホビージャパン)が、2026年3月末に刊行されます。
印刷される書籍としては、まる2年ぶりの新作ということで、胸躍らせている方も、多くいらっしゃるものと思います。表紙と裏表紙の惹句をご紹介しますと……。
手に汗握る冒険、興趣尽きせぬ旅先、腹に一物ありげな依頼主、物騒至極な呪文がぎゅっと詰まった魅惑の選集
げにライクランドは波乱の坩堝。
残酷で嶮難な冒険や、底知れぬ甘言、内密な策謀、暴発しやすい魔法に、そこかしこで出くわしうる。
謎めいた神像から、ただならぬ聖堂に至るまで、さらには風変わりな建造物から、なおいっそう奇態な人士の数々に及ぶまで、『ライクランド万巻録』は、この領邦内外の七珍万宝を詰め合わせた選集である。
——というわけです。原題の『Reikland_Miscellania』をどう訳すかにあたっては、チーム内では、やれ「玉手箱」だ、やれ「万巻集成」だと、いう案もあったのですが、めくるめく万華鏡のごとき一冊を紹介するに、最終的には「万巻録」がふさわしい、ということで合意に至りました。
収録作は、『オールド・ワールドのパトロンたち』のI・IIをまとめた『ライクランドのパトロンたち』、『ライクランドの建築』、『ライクランド綺譚 単発シナリオ集』、『ライクランドの記念碑』、『シグマーの聖堂』、『比類なく有益なスラサーラの呪文集』、『血と茨』になります。単発のPDFとしての初出時から、さらに再監修を加えておりますので、いっそう読みやすくなっているかと存じます。何より、印刷版だとアクセスの良さが圧倒的ですね。
今回は収録作のうち、『シグマーの聖堂』を紹介させていただきます。翻訳は伏見義行さん、監修は私、見田航介さん、阿利浜秀明さん、田井陽平さん、待兼音二郎さんが担当しました。「5つの珍奇な聖地」という二つ名の通り、新旧・大小さまざまな信仰の拠点が紹介されており、シナリオソースや隠された秘密も目白押しです。
まずは、デルベルツ北部のシュタインプラッツの小神殿です。ここには、かつての総大司教ヘルムガルトの片手を封じた聖遺物が収められているのですが、切り離されてから優に100年が経過しているにもかかわらず、腐敗はしていません。他方で、総大司教ヘルムガルトやその信奉者たちは、正式に認可されているものも含め、魔法を毛嫌いしていることでも知られています。ここではどんな騒動が起きるのでしょうか?
次なる聖地は「ウアタッハの社」。べーゲン谷低地に建てられた、古代ウンベローゲン族の将ウアタッハ崇拝を通じてシグマーを祀る社です。それこそ、エンパイア建国以前からの由緒があるのですが、ウアタッハその人は、ほとんど知られておらず、わずかにフレスコ画があるのみです。ある場所の地下図書館では、その事績を詠った詩の写本が埋もれているようですが、どうにも曰く付きであるようです……。
3つめの聖地は"ハンマー台"。ライクヴァルドの森の奥深く、ふたつの砂利道が交差する場所にそびえる木製の柱があって、その天辺には敬虔なるメクティルデという年齢不詳の赤髪をした塔登者(とうとうしゃ)が腰掛けています。彼女は地上から離れて断食し、シグマーに祈りを捧げる生活を行っているのです。メクティルデは食べ物の施しは断り、真鍮線や銀貨が供えられると、不可解な終末論的寓話を説いて聞かせるのですが、はてさて、それは真実なのでしょうか?
4つめ、ローヴェンゲンの廃墟の祠は、ヴェストラウフホルツの森の奥深くにある廃墟。ここに住まう村人たちはヴァンパイア・カウントとの戦いに出かけたまま、戻ってきませんでした。村の中心にあったシグマーの祠は、さすらいの司祭アトヴァルト神父が時折確認するのみとなっているのですが、ここには大いなる秘密があり……。
5つめのズムプフトアの祠は、フィールバッハの北門、通称"沼地の門"ことズムプフトアのそばには小さな祠があり、旅人は道中の加護をシグマーに祈ります。わざわざここを訪れる地元民もほとんどいないような場所ではあるのですが、旧きことわざに、蟻の穴から堤も崩れると申しまして……。
いずれの設定もシナリオフックも、シグマーにまつわるもので、あちこちに配置が可能ですが、別にシグマーの敬虔な信者や司祭がパーティにいなくとも、充分に活用できる冒険案ばかりです。地味に見えるかもしれませんが、実のところ内容は派手派手しさ満点。まさに、"羊の皮をかぶった狼"——おおっと、これ以上は何も言えない!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
『ウォーハンマーRPG シグマーの聖堂』
残酷で嶮難な5つのシグマーの聖地
発売日:2025年12月
価格:700円(+税) *PDF版ダウンロード販売のみ
・コノス
https://conos.jp/product/wh_temple-of-sigmar_pdf/
・DLsite
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01528751.html
『ウォーハンマーRPG ライクランド万巻録』
手に汗握る冒険、興趣尽きせぬ旅先、腹に一物ありげな依頼主、物騒至極な呪文がぎゅっと詰まった魅惑の選集
発売日:2026年3月
商品内容 : A4変形 ハードカバー144頁 フルカラー
価格:5000円(+税)
商品コード(JAN):4981932028422
ホビージャパンのプレスリリース
https://www.dreamnews.jp/press/0000343778
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2026年3月18日水曜日
第10回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4802
第10回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦。妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガが巨大樹に挑む冒険です。
オウカンワシにさらわれた商家の令嬢の救出の後は、巨大樹の異変を探るために冒険を続行。
巨大樹の頂上に寄生する巨大な「ヤドリバナ」を発見。これを排除したのでした。
そしてタイガたちは、オウカンワシに乗って地上へと。
最終回。このエピソードの結末を描きます。
【フォルネ(妖狐) レベル12 技量点:2 生命点:4/5 魔術点:1/3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2草避けのお守り
【ニャルラ(魔猫) レベル12 技量点:1 生命点:8/10 器用点:0/8 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料2
金貨44
1希少な薬草(金貨24枚)
2希少な薬草(金貨30枚)
●アタック03-10 タイガと探し人
風を切るように飛ぶオウカンワシの背に乗っているのは、ものすごい体験だった。
風圧が、ワシにつかまる僕の全身を、強く柔らかく押してくる。
白い草原のような雲を突き抜けると、白い霧が幾本もの筋となって僕の横をすり抜けてゆく。
雲を抜け、小さく見えた地上の風景が、みるみるとその大きさを増してゆく。
ニャルラが目をキラキラに輝かせている。フォルネもいつもよりも表情豊かに感動の反応が見て取れる。
オウカンワシは大きな翼を広げ滑空しながら、巨大樹の幹をぐるりと周回する。
幹の道は広かったけれど、空からだと小さく狭く見える。僕たち、あそこを通ってきたんだ。
そそりたつ壁を今まさに登はんしている冒険者の姿があった。
遠くで、飛鮫が優雅に空中を泳いでいた。そこを一瞬で通り過ぎると、なんどか泊まった観測所をぐるりとかすめる。
木のうろの中から樽を運び出している猿の姿がわずかに見えた。
「なあタイガ、このままふもとに降りたら、まずいんじゃないか?」
レンジュさんがそう言ってきた。
たしかに、人のいるところに降りたら大騒動になりそうだ。
でも、どうやってそれをオウカンワシに伝えれば?
そうこうしているうちに、地上はみるみる大きくなってゆく。
今向かっているのは、まさに巨大樹のふもとのコミュニティだ。
あ、これはもう、止めようがないかも。
オウカンワシの背に乗った僕たちが巨大樹のふもとに降り立ったものだから、辺りは大騒ぎに陥った。
それはそうだ。オウカンワシに連れ去られた令嬢を救出するミッションが終わった直後なのだ。
オウカンワシの逆襲かと思われても無理はない。
僕たちは大声で、攻撃しないように叫び続けなければならなかった。
僕たちを地上に降ろすと、オウカンワシはすぐに飛び去っていった。
僕たちは、地上にいた人たちに取り囲まれている。その中にロイおじさんの姿も見えた。
「ド派手な凱旋になっちまったね」
レンジュさんがそうこぼす。騒がれたり、話題の中心になったりするのは本意ではないみたい。
「それで……どういうことなのか、説明はしてくれるんだろうな」
あきれ顔のロイおじさんがそう言ってきた。
「何かやらかすとは思っていたが……これはさすがにとびきりのびっくりだ」
そんなわけで僕たちは、事情の説明に時間を費やすことになった。
あまりにもスケールの大きい話に、レンジュさんが一緒にいなかったら、きっと信じてもらえなかったに違いない。
せっかく早く地上に降りられたのに大勢の人につかまって身動きが取れないニャルラは、おなかをすかせてふてくされていた。
結局、解放されたのは、それから何時間も経った後だった。
レンジュさんとは、そこでお別れだ。
「ちょっと手助けするだけのはずが、とんだ冒険に巻き込まれたな。けど、怪物狩猟者としては貴重な体験は歓迎だ。今後に生かせるからね」
彼女はひと休みしたら、またメガレオン狩りに戻るのだという。僕はレンジュさんの冒険の成功を願った。
僕のほうは、今日のところはここで野営して、カラメールを目指すことにする。
コーネリアス商会に顔を出すって約束しているし、ニャルラも楽しみにしているからね。
野営の準備をしていると、ロイおじさんが声をかけてきた。
「そのなんだ。お疲れさん」
冒険よりも、さっきの説明会のほうが疲れたよ。
「まあそう言うな。事態が事態なんだから。別に巨大樹の保全に興味があるわけじゃないが、恩恵を受けてるのはたしかだからな」
あんなに派手な戻りにならなかったら、てっぺんでの出来事は全部内緒にしておいてもよかったかな。
話したところで誰かが確認しに行くわけでもないだろうし、ヤドリバナの痕跡は、オウカンワシが全部片づけてしまっただろうし。
「お前も物好きだよな。一銭にもならないってのに」
当たり前だけど、巨大樹の危機を救ったとはいえ、どこからも何の報酬も出ない。
誰もそんな依頼をしていないのだから、当然だ。あえて言うなら、オウカンワシからの依頼だ。
「それでロイさん、僕たち、明日の朝にここを発ちます。それで……」
実はロイさんには、前にお願いしていたことがあった。
それは、僕の旅の目的に関わること。
「おお、そうだった。そのへんの冒険者にちょっと聞きまわってはみたけどよ、ハルトって人物に心あたりのあるヤツはいなかったぜ」
「そうですか、ありがとうございます」
ここは予定外に立ち寄った場所だし、人も多くない。だから落胆はしなかった。
次に行くカラメールに期待しよう。
僕たちは一泊すると、次の日の早朝、巨大樹のふもとを発った。
天気は快晴だけれども、巨大樹の上の方は、やはりかすんで見えない。
あんな上の上の方まで登ったと思うと、今でも信じられない。
さあ、出発しよう。目指すはカラメールだ。コニーさんにまた会えるかな。
「カラメール、はやくいきたかったの〜。たのしみっ」
ニャルラがはしゃいでいる。が、不意に耳をぴこぴこさせて立ち止まった。
「どうしたの?」
尋ねる。ニャルラは答えた。
「ん〜。なんか見られてたような気がして。知ってる気配? ドトールさんかなって思ったんだけど。気のせいかも」
ドトールさんは僕たちに巨大樹が枯死しかけていると告げた、闇エルフの妖術師だ。
何を企んでいるのか、わからないところがあった。
周囲を見回す。人影が、森の中に消えたような気がした。
「フォルネ、わかる?」
「今は、特になにも感じられません」
「アタイも〜」
もう去ってしまったのかな。後をつけられているのでなければ、気にしすぎることもないかも。
「じゃ、いこか」
「うんっ」「はい」
フォルネが僕の肩に飛び乗る。ニャルラが急かすように、ちょこちょこと先行する。
僕は、視界いっぱいに広がる巨大樹の幹に背を向けると、歩き出した。
ローグライクハーフリプレイ「巨大樹の迷宮」完
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。愛称はコニー。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
ドトール 闇エルフの妖術師。闇エルフの繁栄のため、巨大樹を調査している。
レンジュ 高々度で狩りを続ける怪物狩猟者の女性。一時同行することに。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
ハルト タイガが旅の途中で探している人物。詳細はまだ語られていない。
●感想
はい。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」、プレイさせていただきました。
コンセプトをポケモン(あるいはデジモン風?)として描いてみましたが、いかがだったでしょうか。
ちょいちょい不穏さは見え隠れするものの、アランツァ本来のシビアさ、殺伐さとはまったく異なる雰囲気の作風となりました。
私は明るく楽しく能天気な展開が好きなので、これはこれでいいかな、と。
○キャラクターについて
プレイ中、フォルネとニャルラだけでなく、登場するほかの生き物は、全部頭の中でポケモン風のアニメ調で再現されていました。
オウカンワシとか、いかにもそんな感じですよね。鈍器猿も言わずもがな。
飛鮫なんかも、私の中ではポケモンカード風に。
当然といえば当然なのですが、どんなクリーチャーもコミカルさを足せばそういう風になるわけです。
主人公のタイガは、年齢の割にはやけに冷静だし変に大人びてますけど、そのへんはこの手のジャンルの少年主人公補正ということでご勘弁を。
周囲がそれを普通に受け入れてしまっているのも、そういう補正がかかっているということで。
この年齢で冒険していても、ちょっとなんか言われる程度で受け入れられる、ちょっとだけポケモン世界寄りのアランツァ世界なのです。
最近は、「ほのぼのローグライクハーフ」とでも言ったらいいのかな、やさしいシナリオも増えてきているようなので、ぜひそういった作品に登場させたいですね。
さて、その主人公。
今作は、「戦わない従者」を主人公に据えるというなかなかに斬新な試みをしてみました。いかがだったでしょうか。
ローグライクハーフwikiの「ヒーローズオブダークネス」を眺めながら妄想していたら、不意に思いついちゃったんですよね。
そして思いついたらやらずにはいられないのが、ゲーマー人種のサガというやつですね。
それだけでなく、ひとりでプレイするローグライクハーフなら、どれだけでも自由にやっていいんだ、ということを示すという目的もありました。
ローグライクハーフの懐の広さを感じていただけましたら。
今回、ヒーローズオブダークネスでキャラクターを作成して思ったこと。
みんな強いですね。
特に魔猫。最初から持っている能力がたくさんあって、「え、これホントに全部使えるの? 選択するんじゃなくて?」と何度も読み直してしまいました。
本当は巨大猫なのですが、そこはイメージ優先で魔猫の子猫にしてしまいました。
妖狐の方は、従者枠に経験点を入れる分、オールマイティな対応力を増すために技量点に2点をつぎ込みました。
その分、生命点も魔術点も心細い感じになりましたが、やはり技量点2点というのは心強かったです。
○「巨大樹の迷宮」について
この「巨大樹の迷宮」は、導入を読んだところから、私のやりたいコンセプトにぴったりだと思って選びました。
とにかく「冒険!」という感じが前面に押し出されているシナリオという印象で、実際にプレイしてもそのとおりだったのが良かったです。
作中にも「鈍器猿」のような遊び心が満載だったのも、私のやりたいことと重なっていて、いい感じでした。
高度が上がるたびに敵が強くなっていく仕様というのも、イベントの出現地点によって危険の度合いが違う形になっていて、とても良かったです。
私の場合、ラッキーなことに高々度では強いクリーチャーの出現がほとんどなかったので、おかげで救われました。
「巨大樹の迷宮」にはモードが2つあります。
いつもの冒険の手順を踏んだランダム性のあるダンジョンをサイコロを振りながら踏破していく一本道モードと、最初にマップを作製してから遊ぶ「ルート選択モード」です。
普通のダンジョンと違い一本の木を上へ上へと進行する作品のため、ルート選択は二択三択程度の分岐を進むタイプ。
今回私は、通常のランダムダンジョンで遊びました。
ルート選択モードにはルート選択モードの良さがあると思います。プレイヤー目線では、ある程度先に起きるイベントを予測してから準備をして臨むことができますね。
一度選択したら、いったん下の分岐に戻って進みなおしはできないというルールになっています。双方向移動ができるわけではありません。
なので、ルートは一本道ではないけれど、選択の結果通過するのは一本道、ということができます。
今回は、先が読めないプレイヤー目線で一本道モードを選びました。
けど、最初に助言役になりそうなロイおじさんを登場させたのだから、ある程度踏破されている情報として、ルート選択モードで遊ぶというやり方もありだったな、と今にして思います。
○ローグライクハーフ 私の遊び方
シナリオを選ぶ際には、当たり前ですが先の展開は読むことなく始めます。
なので実際にプレイしてみたら、思いもよらない展開が待ち受けていたり、自分が作成したキャラクターとはイメージの異なる状態に置かれてしまったりすることもあるかもしれません。
最近のアランツァ世界の作品には、時間軸の要素もあります。
いざプレイしてみたら、登場するサブキャラクターの年齢や置かれている立場的に、時代を遡って、あるいはだいぶ年数が経っている、みたいなことも起こり得ます。
実際に私は「あやかし」をプレイし、その前日譚として「秋雨の狐」をプレイしたら、実は「秋雨の狐」が「あやかし」以降の物語だったことがプレイ中に判明しました。
でも、それはそれでいいじゃないですか、というのが私の考えです。
私のプレイが、公式のアランツァの歴史設定と異なっていようと、それは私が紡いだ歴史になります。
と言いますか、先を知らないでプレイしてみたら、後で判明することも多々あるでしょうし。
広いラドリド大陸のどこに登場するかというのの整合性だって、無視してかまわないと思っています。
そのキャラクターにプレイさせたいシナリオがあるのなら、世界各地どこにでも赴きますし、なんなら別の世界に出張したりもします。
もちろん、そういった周辺事情も込みで、作品世界の他のキャラクターとの関係性をしっかりと築いて、世界に溶け込むプレイというのも、とても良いものです。
東洋夏さんの作り出した「リエンス家」などは、ロング・ナリクとドラッツェンの歴史にがっちり組み込まれていますからね。
いろんなプレイスタイルがあっていいし、そのどれもが楽しい。
○ローグライクハーフリプレイのこれから
さて、この冒険を通して、タイガ、フォルネ、ニャルラのキャラクターがすっかり気に入ってしまった私です。
タイガにはなにやら人探しの目的があるようですし、これから先もいろんなシナリオで冒険させてみたいですね。
いくつか冒険させたいシナリオにも心あたりがあります。「巨大樹の迷宮」に収録されている「蜂竜の森」などもそのひとつです。
おいしいもの好きなニャルラが飛びつきそうですよね。あれ。猫ってハチミツ与えても大丈夫でしたっけ?
そこはまた調べておくとして、この後カラメールに行けば、地続きですぐに始められそうです。
タイガの主目的については当たり前ですが、シナリオに用意されているものではないので、いつかどこかのシナリオで繋げられる日が来るかも、くらいの感じでいます。
それから、「混沌迷宮の試練」「あやかし」「秋雨の狐」リプレイに登場したサクラの旅の続きも描きたいと思っています。
まずはラドリド大陸を舞台とした作品を、サクラと秋霖のコンビで挑んでもらいたいですね。
そこでまた、心を揺さぶられるような出来事が起きるかもしれません。
選択するシナリオによって、どんな展開になるかはわかりません。
そうして、いつかはキョウに帰還するサクラを描きたいと思っています。
キョウを舞台にするシナリオがあれば、それを帰還エピソードにできますね。オリジナルの導入はだいたい考えついています。
あとは、「黄昏の騎士」に登場したシズにも再登場願いたいと思っています。
ただこのキャラクターに関しては活躍させたい事情が少し違います。
タイガたちとサクラは、キャラクターを掘り下げるタイプのリプレイでした。
シズはローグライクハーフをプレイするにあたってひとまず作ったキャラクターです。
それゆえに、私のゲームブックリプレイの方の癖で、基本的に名前だけを決めて、背景はほぼ決めておらず、キャラクターとプレイヤーの境い目もあいまいです。
なので、キャラクターの掘り下げはせずに、あえてそのままのシンプルなプレイの例示としてやってみたいな、と思っています。
濃いキャラクターとか背景設定とかなくても、こんな風にプレイしても楽しいよ、ってやつですね。
なんだったら、これまで他のキャラクターでプレイしたシナリオをシズバージョンでやらせてもいいかもしれません。
他世界のキャラクターとして登場させた「ポストん」や「ウサナギノミコト」も愉快なキャラクターたちなので、どこかで使う機会があったら、また登場させてみたいですね。
なんて言ってたら、また新しいキャラクターを作っていたりして。
FT新聞で連載するリプレイなので、常に新しい要素を入れていこうと考えると、これも十分に考えられることです。
既存のキャラクターだけでなく、新しい職業、新しい技能を紹介するために新しいキャラクターを作成するってことですね。
ただ、プレイ→リプレイというのはやはり、非常に時間がかかるものでして。
私がこの「巨大樹の迷宮」をプレイしたのは令和7年8月3日。そして今これを書いている時点が同年の11月2日です。
なんと13週かかっています。
あれ。全10回に13週かけていたら、週刊連載になりませんね。いけないいけない。
プレイをすると必ずリプレイを書くという形を取っているため、ことほど左様に、私のプレイ速度はいちじるしく遅いのです。
だからきっと、これをお読みの皆さまの方が、どんどんローグライクハーフスキルを上げていっていることでしょう。
なので、次にどの作品が登場するか、ここに書いたこともすべて実現できるのか、できたとしても何年かかるのか、それはわかりません。
ただ、私自身が彼らを次のステージに導いてあげたくて仕方がないのはたしかです。
それではまた、次の冒険でお会いしましょう。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦。妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガが巨大樹に挑む冒険です。
オウカンワシにさらわれた商家の令嬢の救出の後は、巨大樹の異変を探るために冒険を続行。
巨大樹の頂上に寄生する巨大な「ヤドリバナ」を発見。これを排除したのでした。
そしてタイガたちは、オウカンワシに乗って地上へと。
最終回。このエピソードの結末を描きます。
【フォルネ(妖狐) レベル12 技量点:2 生命点:4/5 魔術点:1/3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2草避けのお守り
【ニャルラ(魔猫) レベル12 技量点:1 生命点:8/10 器用点:0/8 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
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【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料2
金貨44
1希少な薬草(金貨24枚)
2希少な薬草(金貨30枚)
●アタック03-10 タイガと探し人
風を切るように飛ぶオウカンワシの背に乗っているのは、ものすごい体験だった。
風圧が、ワシにつかまる僕の全身を、強く柔らかく押してくる。
白い草原のような雲を突き抜けると、白い霧が幾本もの筋となって僕の横をすり抜けてゆく。
雲を抜け、小さく見えた地上の風景が、みるみるとその大きさを増してゆく。
ニャルラが目をキラキラに輝かせている。フォルネもいつもよりも表情豊かに感動の反応が見て取れる。
オウカンワシは大きな翼を広げ滑空しながら、巨大樹の幹をぐるりと周回する。
幹の道は広かったけれど、空からだと小さく狭く見える。僕たち、あそこを通ってきたんだ。
そそりたつ壁を今まさに登はんしている冒険者の姿があった。
遠くで、飛鮫が優雅に空中を泳いでいた。そこを一瞬で通り過ぎると、なんどか泊まった観測所をぐるりとかすめる。
木のうろの中から樽を運び出している猿の姿がわずかに見えた。
「なあタイガ、このままふもとに降りたら、まずいんじゃないか?」
レンジュさんがそう言ってきた。
たしかに、人のいるところに降りたら大騒動になりそうだ。
でも、どうやってそれをオウカンワシに伝えれば?
そうこうしているうちに、地上はみるみる大きくなってゆく。
今向かっているのは、まさに巨大樹のふもとのコミュニティだ。
あ、これはもう、止めようがないかも。
オウカンワシの背に乗った僕たちが巨大樹のふもとに降り立ったものだから、辺りは大騒ぎに陥った。
それはそうだ。オウカンワシに連れ去られた令嬢を救出するミッションが終わった直後なのだ。
オウカンワシの逆襲かと思われても無理はない。
僕たちは大声で、攻撃しないように叫び続けなければならなかった。
僕たちを地上に降ろすと、オウカンワシはすぐに飛び去っていった。
僕たちは、地上にいた人たちに取り囲まれている。その中にロイおじさんの姿も見えた。
「ド派手な凱旋になっちまったね」
レンジュさんがそうこぼす。騒がれたり、話題の中心になったりするのは本意ではないみたい。
「それで……どういうことなのか、説明はしてくれるんだろうな」
あきれ顔のロイおじさんがそう言ってきた。
「何かやらかすとは思っていたが……これはさすがにとびきりのびっくりだ」
そんなわけで僕たちは、事情の説明に時間を費やすことになった。
あまりにもスケールの大きい話に、レンジュさんが一緒にいなかったら、きっと信じてもらえなかったに違いない。
せっかく早く地上に降りられたのに大勢の人につかまって身動きが取れないニャルラは、おなかをすかせてふてくされていた。
結局、解放されたのは、それから何時間も経った後だった。
レンジュさんとは、そこでお別れだ。
「ちょっと手助けするだけのはずが、とんだ冒険に巻き込まれたな。けど、怪物狩猟者としては貴重な体験は歓迎だ。今後に生かせるからね」
彼女はひと休みしたら、またメガレオン狩りに戻るのだという。僕はレンジュさんの冒険の成功を願った。
僕のほうは、今日のところはここで野営して、カラメールを目指すことにする。
コーネリアス商会に顔を出すって約束しているし、ニャルラも楽しみにしているからね。
野営の準備をしていると、ロイおじさんが声をかけてきた。
「そのなんだ。お疲れさん」
冒険よりも、さっきの説明会のほうが疲れたよ。
「まあそう言うな。事態が事態なんだから。別に巨大樹の保全に興味があるわけじゃないが、恩恵を受けてるのはたしかだからな」
あんなに派手な戻りにならなかったら、てっぺんでの出来事は全部内緒にしておいてもよかったかな。
話したところで誰かが確認しに行くわけでもないだろうし、ヤドリバナの痕跡は、オウカンワシが全部片づけてしまっただろうし。
「お前も物好きだよな。一銭にもならないってのに」
当たり前だけど、巨大樹の危機を救ったとはいえ、どこからも何の報酬も出ない。
誰もそんな依頼をしていないのだから、当然だ。あえて言うなら、オウカンワシからの依頼だ。
「それでロイさん、僕たち、明日の朝にここを発ちます。それで……」
実はロイさんには、前にお願いしていたことがあった。
それは、僕の旅の目的に関わること。
「おお、そうだった。そのへんの冒険者にちょっと聞きまわってはみたけどよ、ハルトって人物に心あたりのあるヤツはいなかったぜ」
「そうですか、ありがとうございます」
ここは予定外に立ち寄った場所だし、人も多くない。だから落胆はしなかった。
次に行くカラメールに期待しよう。
僕たちは一泊すると、次の日の早朝、巨大樹のふもとを発った。
天気は快晴だけれども、巨大樹の上の方は、やはりかすんで見えない。
あんな上の上の方まで登ったと思うと、今でも信じられない。
さあ、出発しよう。目指すはカラメールだ。コニーさんにまた会えるかな。
「カラメール、はやくいきたかったの〜。たのしみっ」
ニャルラがはしゃいでいる。が、不意に耳をぴこぴこさせて立ち止まった。
「どうしたの?」
尋ねる。ニャルラは答えた。
「ん〜。なんか見られてたような気がして。知ってる気配? ドトールさんかなって思ったんだけど。気のせいかも」
ドトールさんは僕たちに巨大樹が枯死しかけていると告げた、闇エルフの妖術師だ。
何を企んでいるのか、わからないところがあった。
周囲を見回す。人影が、森の中に消えたような気がした。
「フォルネ、わかる?」
「今は、特になにも感じられません」
「アタイも〜」
もう去ってしまったのかな。後をつけられているのでなければ、気にしすぎることもないかも。
「じゃ、いこか」
「うんっ」「はい」
フォルネが僕の肩に飛び乗る。ニャルラが急かすように、ちょこちょこと先行する。
僕は、視界いっぱいに広がる巨大樹の幹に背を向けると、歩き出した。
ローグライクハーフリプレイ「巨大樹の迷宮」完
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。愛称はコニー。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
ドトール 闇エルフの妖術師。闇エルフの繁栄のため、巨大樹を調査している。
レンジュ 高々度で狩りを続ける怪物狩猟者の女性。一時同行することに。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
ハルト タイガが旅の途中で探している人物。詳細はまだ語られていない。
●感想
はい。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」、プレイさせていただきました。
コンセプトをポケモン(あるいはデジモン風?)として描いてみましたが、いかがだったでしょうか。
ちょいちょい不穏さは見え隠れするものの、アランツァ本来のシビアさ、殺伐さとはまったく異なる雰囲気の作風となりました。
私は明るく楽しく能天気な展開が好きなので、これはこれでいいかな、と。
○キャラクターについて
プレイ中、フォルネとニャルラだけでなく、登場するほかの生き物は、全部頭の中でポケモン風のアニメ調で再現されていました。
オウカンワシとか、いかにもそんな感じですよね。鈍器猿も言わずもがな。
飛鮫なんかも、私の中ではポケモンカード風に。
当然といえば当然なのですが、どんなクリーチャーもコミカルさを足せばそういう風になるわけです。
主人公のタイガは、年齢の割にはやけに冷静だし変に大人びてますけど、そのへんはこの手のジャンルの少年主人公補正ということでご勘弁を。
周囲がそれを普通に受け入れてしまっているのも、そういう補正がかかっているということで。
この年齢で冒険していても、ちょっとなんか言われる程度で受け入れられる、ちょっとだけポケモン世界寄りのアランツァ世界なのです。
最近は、「ほのぼのローグライクハーフ」とでも言ったらいいのかな、やさしいシナリオも増えてきているようなので、ぜひそういった作品に登場させたいですね。
さて、その主人公。
今作は、「戦わない従者」を主人公に据えるというなかなかに斬新な試みをしてみました。いかがだったでしょうか。
ローグライクハーフwikiの「ヒーローズオブダークネス」を眺めながら妄想していたら、不意に思いついちゃったんですよね。
そして思いついたらやらずにはいられないのが、ゲーマー人種のサガというやつですね。
それだけでなく、ひとりでプレイするローグライクハーフなら、どれだけでも自由にやっていいんだ、ということを示すという目的もありました。
ローグライクハーフの懐の広さを感じていただけましたら。
今回、ヒーローズオブダークネスでキャラクターを作成して思ったこと。
みんな強いですね。
特に魔猫。最初から持っている能力がたくさんあって、「え、これホントに全部使えるの? 選択するんじゃなくて?」と何度も読み直してしまいました。
本当は巨大猫なのですが、そこはイメージ優先で魔猫の子猫にしてしまいました。
妖狐の方は、従者枠に経験点を入れる分、オールマイティな対応力を増すために技量点に2点をつぎ込みました。
その分、生命点も魔術点も心細い感じになりましたが、やはり技量点2点というのは心強かったです。
○「巨大樹の迷宮」について
この「巨大樹の迷宮」は、導入を読んだところから、私のやりたいコンセプトにぴったりだと思って選びました。
とにかく「冒険!」という感じが前面に押し出されているシナリオという印象で、実際にプレイしてもそのとおりだったのが良かったです。
作中にも「鈍器猿」のような遊び心が満載だったのも、私のやりたいことと重なっていて、いい感じでした。
高度が上がるたびに敵が強くなっていく仕様というのも、イベントの出現地点によって危険の度合いが違う形になっていて、とても良かったです。
私の場合、ラッキーなことに高々度では強いクリーチャーの出現がほとんどなかったので、おかげで救われました。
「巨大樹の迷宮」にはモードが2つあります。
いつもの冒険の手順を踏んだランダム性のあるダンジョンをサイコロを振りながら踏破していく一本道モードと、最初にマップを作製してから遊ぶ「ルート選択モード」です。
普通のダンジョンと違い一本の木を上へ上へと進行する作品のため、ルート選択は二択三択程度の分岐を進むタイプ。
今回私は、通常のランダムダンジョンで遊びました。
ルート選択モードにはルート選択モードの良さがあると思います。プレイヤー目線では、ある程度先に起きるイベントを予測してから準備をして臨むことができますね。
一度選択したら、いったん下の分岐に戻って進みなおしはできないというルールになっています。双方向移動ができるわけではありません。
なので、ルートは一本道ではないけれど、選択の結果通過するのは一本道、ということができます。
今回は、先が読めないプレイヤー目線で一本道モードを選びました。
けど、最初に助言役になりそうなロイおじさんを登場させたのだから、ある程度踏破されている情報として、ルート選択モードで遊ぶというやり方もありだったな、と今にして思います。
○ローグライクハーフ 私の遊び方
シナリオを選ぶ際には、当たり前ですが先の展開は読むことなく始めます。
なので実際にプレイしてみたら、思いもよらない展開が待ち受けていたり、自分が作成したキャラクターとはイメージの異なる状態に置かれてしまったりすることもあるかもしれません。
最近のアランツァ世界の作品には、時間軸の要素もあります。
いざプレイしてみたら、登場するサブキャラクターの年齢や置かれている立場的に、時代を遡って、あるいはだいぶ年数が経っている、みたいなことも起こり得ます。
実際に私は「あやかし」をプレイし、その前日譚として「秋雨の狐」をプレイしたら、実は「秋雨の狐」が「あやかし」以降の物語だったことがプレイ中に判明しました。
でも、それはそれでいいじゃないですか、というのが私の考えです。
私のプレイが、公式のアランツァの歴史設定と異なっていようと、それは私が紡いだ歴史になります。
と言いますか、先を知らないでプレイしてみたら、後で判明することも多々あるでしょうし。
広いラドリド大陸のどこに登場するかというのの整合性だって、無視してかまわないと思っています。
そのキャラクターにプレイさせたいシナリオがあるのなら、世界各地どこにでも赴きますし、なんなら別の世界に出張したりもします。
もちろん、そういった周辺事情も込みで、作品世界の他のキャラクターとの関係性をしっかりと築いて、世界に溶け込むプレイというのも、とても良いものです。
東洋夏さんの作り出した「リエンス家」などは、ロング・ナリクとドラッツェンの歴史にがっちり組み込まれていますからね。
いろんなプレイスタイルがあっていいし、そのどれもが楽しい。
○ローグライクハーフリプレイのこれから
さて、この冒険を通して、タイガ、フォルネ、ニャルラのキャラクターがすっかり気に入ってしまった私です。
タイガにはなにやら人探しの目的があるようですし、これから先もいろんなシナリオで冒険させてみたいですね。
いくつか冒険させたいシナリオにも心あたりがあります。「巨大樹の迷宮」に収録されている「蜂竜の森」などもそのひとつです。
おいしいもの好きなニャルラが飛びつきそうですよね。あれ。猫ってハチミツ与えても大丈夫でしたっけ?
そこはまた調べておくとして、この後カラメールに行けば、地続きですぐに始められそうです。
タイガの主目的については当たり前ですが、シナリオに用意されているものではないので、いつかどこかのシナリオで繋げられる日が来るかも、くらいの感じでいます。
それから、「混沌迷宮の試練」「あやかし」「秋雨の狐」リプレイに登場したサクラの旅の続きも描きたいと思っています。
まずはラドリド大陸を舞台とした作品を、サクラと秋霖のコンビで挑んでもらいたいですね。
そこでまた、心を揺さぶられるような出来事が起きるかもしれません。
選択するシナリオによって、どんな展開になるかはわかりません。
そうして、いつかはキョウに帰還するサクラを描きたいと思っています。
キョウを舞台にするシナリオがあれば、それを帰還エピソードにできますね。オリジナルの導入はだいたい考えついています。
あとは、「黄昏の騎士」に登場したシズにも再登場願いたいと思っています。
ただこのキャラクターに関しては活躍させたい事情が少し違います。
タイガたちとサクラは、キャラクターを掘り下げるタイプのリプレイでした。
シズはローグライクハーフをプレイするにあたってひとまず作ったキャラクターです。
それゆえに、私のゲームブックリプレイの方の癖で、基本的に名前だけを決めて、背景はほぼ決めておらず、キャラクターとプレイヤーの境い目もあいまいです。
なので、キャラクターの掘り下げはせずに、あえてそのままのシンプルなプレイの例示としてやってみたいな、と思っています。
濃いキャラクターとか背景設定とかなくても、こんな風にプレイしても楽しいよ、ってやつですね。
なんだったら、これまで他のキャラクターでプレイしたシナリオをシズバージョンでやらせてもいいかもしれません。
他世界のキャラクターとして登場させた「ポストん」や「ウサナギノミコト」も愉快なキャラクターたちなので、どこかで使う機会があったら、また登場させてみたいですね。
なんて言ってたら、また新しいキャラクターを作っていたりして。
FT新聞で連載するリプレイなので、常に新しい要素を入れていこうと考えると、これも十分に考えられることです。
既存のキャラクターだけでなく、新しい職業、新しい技能を紹介するために新しいキャラクターを作成するってことですね。
ただ、プレイ→リプレイというのはやはり、非常に時間がかかるものでして。
私がこの「巨大樹の迷宮」をプレイしたのは令和7年8月3日。そして今これを書いている時点が同年の11月2日です。
なんと13週かかっています。
あれ。全10回に13週かけていたら、週刊連載になりませんね。いけないいけない。
プレイをすると必ずリプレイを書くという形を取っているため、ことほど左様に、私のプレイ速度はいちじるしく遅いのです。
だからきっと、これをお読みの皆さまの方が、どんどんローグライクハーフスキルを上げていっていることでしょう。
なので、次にどの作品が登場するか、ここに書いたこともすべて実現できるのか、できたとしても何年かかるのか、それはわかりません。
ただ、私自身が彼らを次のステージに導いてあげたくて仕方がないのはたしかです。
それではまた、次の冒険でお会いしましょう。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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2026年3月17日火曜日
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(8) FT新聞 No.4801
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(8)
(明日槇 悠)
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世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第8回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
ベジエ陥落を皮切りに、迫害されてきた異端カタリ派の人々は安住の地を求め、フランス南部、ピレネー山脈の山頂部に《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。戦局が悪化の一途をたどるにつれ、カタリ派の人々は信仰による心の平衡を失っていく。
精神的指導者ベルトランは、自身こそが完徳者の鑑と位置づけ、気に入らない信徒の暗殺を次々と企てた。
領主レーモンも、民衆の溜飲を下げるべく、防衛指揮官ピエール・ロジェを処刑するための弾劾裁判を準備していた。一切は無益な内紛であった。
仲間内から命を狙われながらも、ピエール・ロジェは陥落が誰の目にも明らかとなったモンセギュール砦を代表し、十字軍の元へ和平交渉に赴いた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act4.陥落 1244年3月2日
ピエール・ロジェは比較的寛大な和平の条件を引き出して戻ってきた。14日間の休戦期間内に、異端の教えを捨てる者は皆受け入れられる。一方、夥しい数の信者たちが、自らの信仰に従って死ぬことを選ぶ。
A「ちなみにこれは画期的なGMがいらないやつだけど、普通のTRPGはダイス振って戦闘とかする。ダイスロールで、出目によって勝つか負けるか」
D「ふーん」
C「だからある種の人にとっては、いらないところを全部省いたって感じになるかも」
A「うん。やりやすくした感じの」
C「アドリブだけでええやんって人向けかもしれない」
D「ほぼアドリブだし……(笑)」
A「蓋を開けたらね」
C「まぁルール通りに全部進むとはあんまり思ってなかったし」
A「ん。あれだし。ほんとにこういう状況に立ったらどうか、分からないから。こうだったかもしれない、もしかしたら。近親相姦してるだけだから。……初TRPGなんじゃない? 俺もなんだけど。明日槇さんやったことある?」
C「初めて、初めて」
A「あ、全員初めて。じゃあいい感じに、類を見ない、グダり方を見せている(笑)。まぁ、最終フェーズまで行きそう、これ」
C「では、陥落。《カタリ派の信者たちは敗北を悟り、待ち受ける運命に備える》」
B「おしまいや(笑)」
C「(ルールブックを読んで)フィリッパのプレイヤーは、支援キャラクターから1人、捕虜を選択すること」
A「ロジェが交渉に行って休戦みたいな感じらしい。だからロジェは、処刑を免れたがこの後、処刑されるかも」
D「じゃあ、ロジェをやりましょう」
A「ロジェが持ってきた休戦条件は、カタリ派の教えを捨てたら捕虜にしてあげるよ、受け入れられるよ、って。みんなー! カタリ派捨てたらぁー、助かるらしいよー! って。で、ベルトランとセシルは、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》たちは、いや、俺がお前を完徳者にしてやるから一緒に死のう? って領民みんなに言ってる」
D「あー、それはよくないな。今の筋を言ったほうがいいのか、質問の答えを出したほうがいいのか、どっちか分かる?」
A「織り交ぜなきゃいけないんじゃない? あと忘れてるけど、お前のメインキャラクター、アルセンドだからな(笑)。ロジェは無理矢理これ、やらなくてもいいから。絶対やらなきゃいけないのはメインキャラクターの質問」
D「もう全部やりましたよ、これ」
A「ああ。じゃあ、お好きに。俺が持って帰ってきた条件、みんな呑むかなー? どうかなー? みたいな状況のロジェ。ロジェは人を助けたいのか? とか」
D「それはまた独り言になっちゃいません?」
A「ナレーション権はお前にあるから、ロジェに誰かが絡んでくるとかでもいいし、ロジェが誰かに絡むとかでもいいし」
C「妻にはなんか言うでしょうね」
A「てかもう、むしろお前のメインキャラ、アルセンドなんだから、アルセンドがロジェに話しかけるとかでもいいし」
D「でもそしたら一人二役になるじゃない」
A「それは誰かがロジェやるしかない」
D「あー、そっか。じゃあ誰かがロジェやってください」
Aピエール・ロジェ「ロジェだよ(一同笑)。ぼく、ロジェらよぉ。頑張ってるけど天然で、お茶目なところがあって、みんなから殺されようとしている、ロジェだよ!」
C「嫌われ者……」
Dアルセンド「あなた、大丈夫なの?」
Aピエール・ロジェ「大丈夫だよ、セッちゃん! ぼく、元気だよ」
Dアルセンド「でも今、あなたが殺されかかってるし」
Aピエール・ロジェ「みんなが助かったらいいよっ! もう、前から死にそうだったし!」
Dアルセンド「そう……私も、あなたの計画には賛同するわ」
Aピエール・ロジェ「う〜ぃっ!(一同笑)」
Dアルセンド「だからなんとか、頑張ってちょうだい」
Aピエール・ロジェ「がんばるっ! でもアレなんだよなぁ、捕虜が誰かとか、ぜんぶ奥さんが決めんだよね。妊娠したしね、奥さん」
Dアルセンド「ああ、分かった! じゃあ、私がフィリッパを殺すのはどうかしら?」
Aピエール・ロジェ「っどういうことぉ!?(笑)」
Dアルセンド「つまり、私があなたと結婚するというのはどうかしら」
Aピエール・ロジェ「……いーッ……結婚するのは歓迎だけど、殺すのは引くなぁ〜……」
Dアルセンド「でも殺さないと彼女は妻の座を下りないわよ」
Aピエール・ロジェ「でもぼくの子供いるしなぁ……」
Dアルセンド「お腹の中に? ああ……。でも子供は、また作ればいいじゃない」
Aピエール・ロジェ「……いや、その発想、ベルトランみたいで嫌だって(一同笑)。完全に発想がベルトランなんだよなぁ〜」
Dアルセンド「今あなたが死ぬか、どうする? 選びなさい。殺されたくなかったら、条件を呑みなさい」
Aピエール・ロジェ「……(ぐすっ)、呑む(一同笑)」
Dアルセンド「分かった」
Aピエール・ロジェ「呑むっ! じゃあ、いいよ! ……お願いしていい? 殺すの」
Dアルセンド「御意(一同笑)」
D「じゃあ、殺しますね」
A「え? ほんとに?」
D「もちろん」
A「それはあれだよ。プレイヤーの総意で」
D「じゃあ、殺しに行きますね」
A「誰、フィリッパ。誰でもいいけど。殺しに来たらしい! アルセンドがフィリッパを」
Bフィリッパ「ひー。(一同笑)えー、刃物持ってる、こわー。どしたん話聞こか?」
A「やっぱ……肝がデカいな。父親の子供を孕むだけあって」
Dアルセンド「死ねっ!!」
Bフィリッパ「……ギャー!」
A「え? こ、殺されることにする? どっちでもいい?」
B「とりあえず刺されてはいそう」
D「あー。刺されて重症」
A「え? お腹の子供は?」
D「死亡でしょ……」
Bフィリッパ「お腹の子供が……! ロジェの子供が……! ああーッ!」
A「正確には、レーモンの子供だけど。じゃあ、その時、ベルトランが通りかかって言っていい?」
D「どうぞ」
Aベルトラン「な?(一同笑) こうなんだろ、な?」
C「じゃあ、【頬を伝う塩辛い涙】(シーンカードを出してナレーション権奪取)で……エスクラルモンドがフィリッパのところに行きます」
A「お。死にかけの」
Bフィリッパ「……」
Cエスクラルモンド「私は完徳者《ペルフェッチャ》ですから、姉として生まれたあなたですが、もう私にとっては何の関わりもない、ただの女です。しかし私は知っています。あなたのお腹の中にいた子供は、領主レーモンの子でしょう(一同笑)。
あなたはその罪を認めるのです。そうすればあなたは神の軍勢の一人となって、生き続けることができます」
Aベルトラン「えっ、エッ! この、ベルトランに、もう一回、言って? レ? レーモンの子なの、これ?(一同笑)」
Cエスクラルモンド「私は完徳者《ペルフェッチャ》として、それを私の目で見ることができます。フィリッパ、あなたのお腹の中に宿っていた命は、レーモンの子種によって生まれた、その悪魔なのです」
Bフィリッパ「違います。……あなたは何か思い違いをしています。……私はロジェとの仲を深めるために、父であるレーモンに男心について相談をしていました。しかし、子供はれっきとしたロジェの子です。勘違いなのです」
Aベルトラン「スーッ(息を吸い小声)……ベルトラン的にはわっかんねえな、これ……!」
C「その言葉を無言で聞いたエスクラルモンドですが、彼女の腕の中でフィリッパの体は冷えていきました……」
Aベルトラン「たまたまいる完徳者《ペルフェッチ》が、完徳者《ペルフェッチャ》のエスクラルモンドに質問をするが、これ、マ?(笑) どっち? これどっち? レーモン? ロジェ?」
C「うーん……まあレーモン……」
B「レーモンの子なのでしょう」
A「じゃあレーモンね(笑)。おーっし」
Cエスクラルモンド「として見た」
Aベルトラン「なるほど。見届けた。私はちょっと……色々しなくちゃいけないから帰る(笑)。おっけおっけ、フゥー!」
B「まあ、視点の揺らぎがあるかもしれない。解釈の揺らぎが」
Aベルトラン「え、でもこれ、ヤッたんだよね? どっちにしろヤッたんだよね? じゃあレーモン、アウトじゃん。ウゥーエー! ウェーイ!」
B「で、フィリッパ死亡」
C「で、フィリッパの権限が、アルセンドに移る。アルセンドが捕虜を選択することになる」
D「あー、誰を捕虜にするかってことね? 誰にするかな。誰でもいいんですか、これ」
A「うん! 誰でもいいんじゃない。メインキャラクターは本人の許可がいるけど、それ以外は誰でもいいんじゃない?」
D「うーん……」
A「いっとく? ベルトラン」
D「えっ? ベルトラン捕虜にすんの?(笑)」
A「まぁ乗らなそうだけどな」
D「まあね」
A「ふつーに考えると、この(ロジェ・ベルナール・ファイユ・アミエル)あたりじゃない?」
D「いやまあ、そうなんすけど……なんかな……」
A「あ、捻りたい?」
D「そーっすね……じゃあ……セシルで(笑)」
A「行くと思った(笑)。これ結構、シーンキャラクターなのがムズいよな。だって、セシルにするってことは、教義棄てなきゃいけないわけでしょ。セシルがどうするか」
D「うん……」
A「なんでセシルなの? だってアルセンドでしょ?」
D「うーん……そんな理由はないんだけど……だってそんなに関係ないじゃないですか、セシルと……」
A「そうそうそうそう、だから。(一同笑)キャラとストーリー作ってかないと!」
C「わざわざ甥と姪を捨てて(笑)」
A「今までほら、俺たちが無理矢理な陰謀論や近親相姦してきたのが台無しになっちゃうから!」
D「ちょっとごめんなさい、休憩してきますわ。頭が混乱してきた」
A「ああ。最悪、ベルトランが嫌がりそうだからとかでもいいんじゃない? いや、どうだろうな? 嫌がらんかな、いなくなるし。……野島伸司みたいになってるし(一同笑)」
B「すごいことになってる」
A「うん、すごいことになってる。……でもこの人数だと時間ギリいけるか。マーダーゲームとかもやってみたいね」
C「ああ〜」
B「そうだね。なんだったらこのゲームとかも役者に人数分いてもらったら……それはそれで冗長になるのか。おもろくなりそうな。この人はこのキャラ、みたいな」
A「あと背景、ちょっと調べたりしてね。俺たちはカタリ派の冒涜をひたすらおこなっているから(笑)。……ちょっとマーダーゲームもやってみたいな」
B「また今度、ぜひ」
A「まとまった?」
D「そっすね……」
A「ま、とりあえず、終わらせますか」
D「セシルはあまりにも無茶だったんで、馬小屋のファイユで」
B「自分の姪。信仰には染まってないなら、まあ、安心できる預け先にはなる」
Dアルセンド「馬みたいなツラだし……」
Aファイユ「ありがとう……(涙)ありがとう! 叔母がっ!」
Dアルセンド「ああ」
Aファイユ「カーァッ! (早口)アリガトウ! (小声)ありがとう……!」
B「何気にこのセシルとファイユのつながりが実はあって、一体なんなんだ」
D「実はあるんだ(笑)」
C「【ファイユを見ると、あなたは誰のことを思い出すのか?】がセシルの質問1」
D「あれじゃない? 性的虐待とかじゃない?」
A「これをストーリーに絡ませるかどうかはどっちでもいいらしいから」
B「サブエピソードなのかなあ、と」
Aファイユ「(小声)……アリガトッ! アリガト!」
D「ファイユがこういう言語障害になっちゃったのは、セシルのせいなんじゃない」
Aファイユ「(泣き声)……すげえ見放してくるやん、叔母……!」
D「気持ち悪(笑)」
B「恐ろしい」
Aファイユ「(泣き声)えぐいやろぉお前……私の中で来てへん、カタリ! カタリ、嫌い! カタリきら〜〜い……だからいつも石、握りしめて私は死ぬ。
あああ……ちなみに、(ファイユの質問1)私の母の姿を最後に見たの、十年前。十年前……ベジエで見た。……ベジエで、私のお母さん、なんか、怪我してんのを……怪我してんのを、捕まえて、兵士に、ベルトランが差し出してた(笑)。
ちなみに(ファイユの質問2)私のポケットの中の石……のマーク……教皇軍のマークで……私、教皇軍に内通してました(一同笑)。あのぉ、叔母さん……ロジェってやつ、たぶん……叔母さんのこと、十年ぐらいで見捨てるよぉ……。じゃあ私行くねぇっ……」
A「ファイユは伏線を回収して旅立っていきました」
B「なかなか(笑)」
D「無理矢理だな」
A「ジャンプの打ち切り漫画みたいな回収の仕方をしてファイユは帰っていきました」
D「次回作にご期待ください」
◯Act4.陥落(後編) 及び
エピローグ に続く……
●登場人物/3つの質問
フィリッパ……コルバと領主レーモンの娘。エスクラルモンドの姉。父のいとこのピエール・ロジェと結婚している。
1. あなたのお腹のなかにいる子どもの父親は誰か?
2. どうしてあなたは、母のコルバと口を利かないのか?
3. あなたがいちばん恐れていることは何か?
ファイユ……孤児の少女。アミエルの姉。おばのアルセンドと一緒に、モンセギュールに住んでいる。
1. あなたが母の姿を最後に見たのはいつか?
2. 誰にも見られていないとき、あなたがポケットのなかで握りしめている石——これはどこで手に入れたものか?
3. なぜあなたは、馬小屋の暗いところが安全に思えるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(8)
(明日槇 悠)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第8回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
ベジエ陥落を皮切りに、迫害されてきた異端カタリ派の人々は安住の地を求め、フランス南部、ピレネー山脈の山頂部に《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。戦局が悪化の一途をたどるにつれ、カタリ派の人々は信仰による心の平衡を失っていく。
精神的指導者ベルトランは、自身こそが完徳者の鑑と位置づけ、気に入らない信徒の暗殺を次々と企てた。
領主レーモンも、民衆の溜飲を下げるべく、防衛指揮官ピエール・ロジェを処刑するための弾劾裁判を準備していた。一切は無益な内紛であった。
仲間内から命を狙われながらも、ピエール・ロジェは陥落が誰の目にも明らかとなったモンセギュール砦を代表し、十字軍の元へ和平交渉に赴いた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act4.陥落 1244年3月2日
ピエール・ロジェは比較的寛大な和平の条件を引き出して戻ってきた。14日間の休戦期間内に、異端の教えを捨てる者は皆受け入れられる。一方、夥しい数の信者たちが、自らの信仰に従って死ぬことを選ぶ。
A「ちなみにこれは画期的なGMがいらないやつだけど、普通のTRPGはダイス振って戦闘とかする。ダイスロールで、出目によって勝つか負けるか」
D「ふーん」
C「だからある種の人にとっては、いらないところを全部省いたって感じになるかも」
A「うん。やりやすくした感じの」
C「アドリブだけでええやんって人向けかもしれない」
D「ほぼアドリブだし……(笑)」
A「蓋を開けたらね」
C「まぁルール通りに全部進むとはあんまり思ってなかったし」
A「ん。あれだし。ほんとにこういう状況に立ったらどうか、分からないから。こうだったかもしれない、もしかしたら。近親相姦してるだけだから。……初TRPGなんじゃない? 俺もなんだけど。明日槇さんやったことある?」
C「初めて、初めて」
A「あ、全員初めて。じゃあいい感じに、類を見ない、グダり方を見せている(笑)。まぁ、最終フェーズまで行きそう、これ」
C「では、陥落。《カタリ派の信者たちは敗北を悟り、待ち受ける運命に備える》」
B「おしまいや(笑)」
C「(ルールブックを読んで)フィリッパのプレイヤーは、支援キャラクターから1人、捕虜を選択すること」
A「ロジェが交渉に行って休戦みたいな感じらしい。だからロジェは、処刑を免れたがこの後、処刑されるかも」
D「じゃあ、ロジェをやりましょう」
A「ロジェが持ってきた休戦条件は、カタリ派の教えを捨てたら捕虜にしてあげるよ、受け入れられるよ、って。みんなー! カタリ派捨てたらぁー、助かるらしいよー! って。で、ベルトランとセシルは、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》たちは、いや、俺がお前を完徳者にしてやるから一緒に死のう? って領民みんなに言ってる」
D「あー、それはよくないな。今の筋を言ったほうがいいのか、質問の答えを出したほうがいいのか、どっちか分かる?」
A「織り交ぜなきゃいけないんじゃない? あと忘れてるけど、お前のメインキャラクター、アルセンドだからな(笑)。ロジェは無理矢理これ、やらなくてもいいから。絶対やらなきゃいけないのはメインキャラクターの質問」
D「もう全部やりましたよ、これ」
A「ああ。じゃあ、お好きに。俺が持って帰ってきた条件、みんな呑むかなー? どうかなー? みたいな状況のロジェ。ロジェは人を助けたいのか? とか」
D「それはまた独り言になっちゃいません?」
A「ナレーション権はお前にあるから、ロジェに誰かが絡んでくるとかでもいいし、ロジェが誰かに絡むとかでもいいし」
C「妻にはなんか言うでしょうね」
A「てかもう、むしろお前のメインキャラ、アルセンドなんだから、アルセンドがロジェに話しかけるとかでもいいし」
D「でもそしたら一人二役になるじゃない」
A「それは誰かがロジェやるしかない」
D「あー、そっか。じゃあ誰かがロジェやってください」
Aピエール・ロジェ「ロジェだよ(一同笑)。ぼく、ロジェらよぉ。頑張ってるけど天然で、お茶目なところがあって、みんなから殺されようとしている、ロジェだよ!」
C「嫌われ者……」
Dアルセンド「あなた、大丈夫なの?」
Aピエール・ロジェ「大丈夫だよ、セッちゃん! ぼく、元気だよ」
Dアルセンド「でも今、あなたが殺されかかってるし」
Aピエール・ロジェ「みんなが助かったらいいよっ! もう、前から死にそうだったし!」
Dアルセンド「そう……私も、あなたの計画には賛同するわ」
Aピエール・ロジェ「う〜ぃっ!(一同笑)」
Dアルセンド「だからなんとか、頑張ってちょうだい」
Aピエール・ロジェ「がんばるっ! でもアレなんだよなぁ、捕虜が誰かとか、ぜんぶ奥さんが決めんだよね。妊娠したしね、奥さん」
Dアルセンド「ああ、分かった! じゃあ、私がフィリッパを殺すのはどうかしら?」
Aピエール・ロジェ「っどういうことぉ!?(笑)」
Dアルセンド「つまり、私があなたと結婚するというのはどうかしら」
Aピエール・ロジェ「……いーッ……結婚するのは歓迎だけど、殺すのは引くなぁ〜……」
Dアルセンド「でも殺さないと彼女は妻の座を下りないわよ」
Aピエール・ロジェ「でもぼくの子供いるしなぁ……」
Dアルセンド「お腹の中に? ああ……。でも子供は、また作ればいいじゃない」
Aピエール・ロジェ「……いや、その発想、ベルトランみたいで嫌だって(一同笑)。完全に発想がベルトランなんだよなぁ〜」
Dアルセンド「今あなたが死ぬか、どうする? 選びなさい。殺されたくなかったら、条件を呑みなさい」
Aピエール・ロジェ「……(ぐすっ)、呑む(一同笑)」
Dアルセンド「分かった」
Aピエール・ロジェ「呑むっ! じゃあ、いいよ! ……お願いしていい? 殺すの」
Dアルセンド「御意(一同笑)」
D「じゃあ、殺しますね」
A「え? ほんとに?」
D「もちろん」
A「それはあれだよ。プレイヤーの総意で」
D「じゃあ、殺しに行きますね」
A「誰、フィリッパ。誰でもいいけど。殺しに来たらしい! アルセンドがフィリッパを」
Bフィリッパ「ひー。(一同笑)えー、刃物持ってる、こわー。どしたん話聞こか?」
A「やっぱ……肝がデカいな。父親の子供を孕むだけあって」
Dアルセンド「死ねっ!!」
Bフィリッパ「……ギャー!」
A「え? こ、殺されることにする? どっちでもいい?」
B「とりあえず刺されてはいそう」
D「あー。刺されて重症」
A「え? お腹の子供は?」
D「死亡でしょ……」
Bフィリッパ「お腹の子供が……! ロジェの子供が……! ああーッ!」
A「正確には、レーモンの子供だけど。じゃあ、その時、ベルトランが通りかかって言っていい?」
D「どうぞ」
Aベルトラン「な?(一同笑) こうなんだろ、な?」
C「じゃあ、【頬を伝う塩辛い涙】(シーンカードを出してナレーション権奪取)で……エスクラルモンドがフィリッパのところに行きます」
A「お。死にかけの」
Bフィリッパ「……」
Cエスクラルモンド「私は完徳者《ペルフェッチャ》ですから、姉として生まれたあなたですが、もう私にとっては何の関わりもない、ただの女です。しかし私は知っています。あなたのお腹の中にいた子供は、領主レーモンの子でしょう(一同笑)。
あなたはその罪を認めるのです。そうすればあなたは神の軍勢の一人となって、生き続けることができます」
Aベルトラン「えっ、エッ! この、ベルトランに、もう一回、言って? レ? レーモンの子なの、これ?(一同笑)」
Cエスクラルモンド「私は完徳者《ペルフェッチャ》として、それを私の目で見ることができます。フィリッパ、あなたのお腹の中に宿っていた命は、レーモンの子種によって生まれた、その悪魔なのです」
Bフィリッパ「違います。……あなたは何か思い違いをしています。……私はロジェとの仲を深めるために、父であるレーモンに男心について相談をしていました。しかし、子供はれっきとしたロジェの子です。勘違いなのです」
Aベルトラン「スーッ(息を吸い小声)……ベルトラン的にはわっかんねえな、これ……!」
C「その言葉を無言で聞いたエスクラルモンドですが、彼女の腕の中でフィリッパの体は冷えていきました……」
Aベルトラン「たまたまいる完徳者《ペルフェッチ》が、完徳者《ペルフェッチャ》のエスクラルモンドに質問をするが、これ、マ?(笑) どっち? これどっち? レーモン? ロジェ?」
C「うーん……まあレーモン……」
B「レーモンの子なのでしょう」
A「じゃあレーモンね(笑)。おーっし」
Cエスクラルモンド「として見た」
Aベルトラン「なるほど。見届けた。私はちょっと……色々しなくちゃいけないから帰る(笑)。おっけおっけ、フゥー!」
B「まあ、視点の揺らぎがあるかもしれない。解釈の揺らぎが」
Aベルトラン「え、でもこれ、ヤッたんだよね? どっちにしろヤッたんだよね? じゃあレーモン、アウトじゃん。ウゥーエー! ウェーイ!」
B「で、フィリッパ死亡」
C「で、フィリッパの権限が、アルセンドに移る。アルセンドが捕虜を選択することになる」
D「あー、誰を捕虜にするかってことね? 誰にするかな。誰でもいいんですか、これ」
A「うん! 誰でもいいんじゃない。メインキャラクターは本人の許可がいるけど、それ以外は誰でもいいんじゃない?」
D「うーん……」
A「いっとく? ベルトラン」
D「えっ? ベルトラン捕虜にすんの?(笑)」
A「まぁ乗らなそうだけどな」
D「まあね」
A「ふつーに考えると、この(ロジェ・ベルナール・ファイユ・アミエル)あたりじゃない?」
D「いやまあ、そうなんすけど……なんかな……」
A「あ、捻りたい?」
D「そーっすね……じゃあ……セシルで(笑)」
A「行くと思った(笑)。これ結構、シーンキャラクターなのがムズいよな。だって、セシルにするってことは、教義棄てなきゃいけないわけでしょ。セシルがどうするか」
D「うん……」
A「なんでセシルなの? だってアルセンドでしょ?」
D「うーん……そんな理由はないんだけど……だってそんなに関係ないじゃないですか、セシルと……」
A「そうそうそうそう、だから。(一同笑)キャラとストーリー作ってかないと!」
C「わざわざ甥と姪を捨てて(笑)」
A「今までほら、俺たちが無理矢理な陰謀論や近親相姦してきたのが台無しになっちゃうから!」
D「ちょっとごめんなさい、休憩してきますわ。頭が混乱してきた」
A「ああ。最悪、ベルトランが嫌がりそうだからとかでもいいんじゃない? いや、どうだろうな? 嫌がらんかな、いなくなるし。……野島伸司みたいになってるし(一同笑)」
B「すごいことになってる」
A「うん、すごいことになってる。……でもこの人数だと時間ギリいけるか。マーダーゲームとかもやってみたいね」
C「ああ〜」
B「そうだね。なんだったらこのゲームとかも役者に人数分いてもらったら……それはそれで冗長になるのか。おもろくなりそうな。この人はこのキャラ、みたいな」
A「あと背景、ちょっと調べたりしてね。俺たちはカタリ派の冒涜をひたすらおこなっているから(笑)。……ちょっとマーダーゲームもやってみたいな」
B「また今度、ぜひ」
A「まとまった?」
D「そっすね……」
A「ま、とりあえず、終わらせますか」
D「セシルはあまりにも無茶だったんで、馬小屋のファイユで」
B「自分の姪。信仰には染まってないなら、まあ、安心できる預け先にはなる」
Dアルセンド「馬みたいなツラだし……」
Aファイユ「ありがとう……(涙)ありがとう! 叔母がっ!」
Dアルセンド「ああ」
Aファイユ「カーァッ! (早口)アリガトウ! (小声)ありがとう……!」
B「何気にこのセシルとファイユのつながりが実はあって、一体なんなんだ」
D「実はあるんだ(笑)」
C「【ファイユを見ると、あなたは誰のことを思い出すのか?】がセシルの質問1」
D「あれじゃない? 性的虐待とかじゃない?」
A「これをストーリーに絡ませるかどうかはどっちでもいいらしいから」
B「サブエピソードなのかなあ、と」
Aファイユ「(小声)……アリガトッ! アリガト!」
D「ファイユがこういう言語障害になっちゃったのは、セシルのせいなんじゃない」
Aファイユ「(泣き声)……すげえ見放してくるやん、叔母……!」
D「気持ち悪(笑)」
B「恐ろしい」
Aファイユ「(泣き声)えぐいやろぉお前……私の中で来てへん、カタリ! カタリ、嫌い! カタリきら〜〜い……だからいつも石、握りしめて私は死ぬ。
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●登場人物/3つの質問
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2026年3月16日月曜日
★休刊日のお知らせ★ FT新聞 No.4800
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
蕨之介さんが「モンスター!モンスター!TRPG」のシナリオを公開されました!
「エリカ・アメリカ、黄天に立つ」という作品名で、BOOTHにて無料公開です☆
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さて、今日の記事ですが、季節の変わり目でぜん息が出てしまい、そこに確定申告が重なっておりまして、身動きが取れない状況にあります。
休刊です……楽しみにしていただいていたところ、申し訳ないです。
早めに回復していきます!
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2026年3月15日日曜日
ローグライクハーフシナリオソムリエ その2『ようこそ阿濔須へ』 FT新聞 No.4799
◇◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ローグライクハーフのシナリオソムリエ(自称)の本日のおススメ その2『ようこそ阿彌須へ』
天狗ろむ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇◆
おはようございます!
「1人用TRPGローグライクハーフ」の楽しさに魅せられ、ローグライクハーフのシナリオソムリエ(※)を目指す編集部員、天狗(あまく)ろむです。
(※ワイン専門の給仕人ソムリエのように、皆様のローグライクハーフのシナリオ選びの際の手助けが出来る人になりたいな、くらいの意味です)
さてこちらは、特に「個人制作シナリオの周知」を目的としたローグライクハーフのシナリオの紹介記事です。
公式シナリオの舞台は、シナリオ制作時に「共通世界」として使う事も出来る〈アランツァ〉が主ですが、実はオリジナルの世界観でもシナリオを作る事が出来ちゃうんです。それこそ、ファンタジーの世界から、和風、SF、スチームパンク、現代などなど……自分が好きな舞台、自分が考えた世界観で、冒険が出来たらとても楽しいと思いませんか? ローグライクハーフはオリジナル世界でのシナリオもとても作りやすいのです! ……おっと、私の悪い癖、話が逸れました。
シナリオ紹介記事の第2弾は、ローグライクハーフ関連ツールも制作なさっている、成田砂男さんより頂きました。ありがとうございます!
まずはご本人から紹介して頂きましょう!
◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・自己紹介
FT新聞をご覧になっているみなさまおはようございます。
成田砂男と申します。普段はnoteにてローグライクハーフのプレイログを書いてみたりキャラクターシートを作ってみたりしています。今回は機会をいただきまして、拙作の紹介をしに参りました。
紹介シナリオタイトル:『ようこそ阿濔須へ』
・ジャンル:和風ファンタジー
・難易度:普通
・形式:シナリオ(d66)
・世界:オリジナル(阿濔須)
・ゲームマスター:不要
・プレイヤー数:1-2人
・プレイ時間:10-15分
・適正レベル:10-13
・対象年齢:10-99歳
・配布ページ
https://note.com/sandman_sunao/n/nc695f9d5d160?sub_rt=share_sb
・このシナリオを作ったきっかけ、コンセプト
江戸時代の庶民文化がとても好きで、妖怪も好き。なので全部盛りが作りた〜い、が始まりです。
アランツァの「キョウ」は平安期がモチーフのようなので、もっとキャラクター化された江戸期の妖怪ならばどうなるだろう、という挑戦でもあります。
シナリオとしてのテーマは「素材集め」。某ハンターものの電源ゲームに影響されて、冒険者の仕事の中に素材をとってくるというものがあってもよいのではないかという試みです。
・こんな人におススメ!
デバフが多めなシナリオになっています。特殊な状況をダイス運で切り抜けることに喜びを感じる方に向いているかもしれません。もちろん妖怪伝承が好きな方や、江戸風世界観がお好きな方にも楽しんでいただけたら。
・シナリオを作っていて楽しかった点、難しかった点
素材を持ち帰るという特性上、持てる荷物の量に作者が苦しめられました。プレイヤーにも悩んでいただければと思います。
・作者から一言
実はこちら、4シナリオでの連作を計画しています。現在2作目まで公開済みです。そのため1作ではどこにも関連性のない〈できごと〉に出会うこともあります。いまだ未完成といってもいい作品ですがこの一作でも一風変わった冒険ができる……はずです。ぜひ息抜きに楽しんでいただければと思います。そしてあわよくば、残り2作を書く活力になりますので遊んだよの一言を賜れればありがた山の寒烏!
◇◆◇◆◇
ご紹介ありがとうございました!
『ようこそ阿彌須(あびす)へ』は、成田砂男さんオリジナルの江戸時代モチーフ世界観のシナリオです。〈アランツァ〉の冒険者でも、時空の扉で行き来が出来るようですのでご安心ください。ちなみに、冒険者は防人(さきもり)と呼ばれています。かっこいい!
まず驚くのが、貨幣の違い! 〈アランツァ〉の金貨1枚は1貫文、金貨4枚は小判1枚と両替が出来ます。貨幣が違うことで、世界観がより味わい深くなることに気づかせて頂きました。作りたての主人公であれば、金貨10枚の代わりに、小判2枚と2貫文でお買い物が出来ますよ。
そして、従者たちの名前も異なります。たとえば「ランタン持ち」は「提灯持ち」ですし、「弓兵」は「鉄砲足軽」。そしてオリジナル従者として、飛び道具のスリングの熟練者「印字打ち」なんてものも! 少し雇用費はお高めですが頼もしい従者です。是非、先程の小判と貫文で雇ってみてくださいね。
今回のシナリオの舞台は、樹々が今が盛りと咲き誇っている春の阿彌須。ここは異界に繋がる井戸・ヨモツヒラサカを有した異界都市です。ヨモツヒラサカから溢れる妖怪を退治し、それらから取れる肉や牙、皮を使った特産品で栄えています。
そんな阿彌須を初めて訪れた主人公は、ヨモツヒラサカ攻略の為に必須と言える野営道具……灯り、夜具、焜炉を作ってもらうため、妖怪由来の素材を集めるべく、魑魅魍魎の跋扈するヨモツヒラサカに向かうのです。道具や素材を持ち帰るのが目的ですので、そこだけご注意下さい! 「荷物持ち」がいると助かるかも?
出目(d66)表に出てくる〈できごと〉は、どれも妖怪がいっぱい! お江戸情緒にも溢れた口ぶりの登場人物たちといい、〈アランツァ〉の異郷都市キョウが舞台の『あやかし』などともまた違った和風の世界が広がっています。
シナリオを通じて世界観への理解が深まっていく構図になっており、妖怪好きな方も、和風世界に馴染みが無い方も楽しめる『ようこそ阿彌須へ』。是非プレイしてみてください。私は3回目の冒険を終えたとき、野営道具職人・権助さんの粋な計らいに感動してしまいました。痺れる〜!
プレイしてみた感想は、FT新聞の感想フォームからでも、作者さん自身に直接でも、どうぞお気軽にお寄せください!
それでは、今回はここまで。次回のシナリオ紹介記事にてお会いしましょう。
貴方に良き冒険のあらんことを!
天狗ろむでした!
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ローグライクハーフのシナリオソムリエ(自称)の本日のおススメ その2『ようこそ阿彌須へ』
天狗ろむ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇◆
おはようございます!
「1人用TRPGローグライクハーフ」の楽しさに魅せられ、ローグライクハーフのシナリオソムリエ(※)を目指す編集部員、天狗(あまく)ろむです。
(※ワイン専門の給仕人ソムリエのように、皆様のローグライクハーフのシナリオ選びの際の手助けが出来る人になりたいな、くらいの意味です)
さてこちらは、特に「個人制作シナリオの周知」を目的としたローグライクハーフのシナリオの紹介記事です。
公式シナリオの舞台は、シナリオ制作時に「共通世界」として使う事も出来る〈アランツァ〉が主ですが、実はオリジナルの世界観でもシナリオを作る事が出来ちゃうんです。それこそ、ファンタジーの世界から、和風、SF、スチームパンク、現代などなど……自分が好きな舞台、自分が考えた世界観で、冒険が出来たらとても楽しいと思いませんか? ローグライクハーフはオリジナル世界でのシナリオもとても作りやすいのです! ……おっと、私の悪い癖、話が逸れました。
シナリオ紹介記事の第2弾は、ローグライクハーフ関連ツールも制作なさっている、成田砂男さんより頂きました。ありがとうございます!
まずはご本人から紹介して頂きましょう!
◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・自己紹介
FT新聞をご覧になっているみなさまおはようございます。
成田砂男と申します。普段はnoteにてローグライクハーフのプレイログを書いてみたりキャラクターシートを作ってみたりしています。今回は機会をいただきまして、拙作の紹介をしに参りました。
紹介シナリオタイトル:『ようこそ阿濔須へ』
・ジャンル:和風ファンタジー
・難易度:普通
・形式:シナリオ(d66)
・世界:オリジナル(阿濔須)
・ゲームマスター:不要
・プレイヤー数:1-2人
・プレイ時間:10-15分
・適正レベル:10-13
・対象年齢:10-99歳
・配布ページ
https://note.com/sandman_sunao/n/nc695f9d5d160?sub_rt=share_sb
・このシナリオを作ったきっかけ、コンセプト
江戸時代の庶民文化がとても好きで、妖怪も好き。なので全部盛りが作りた〜い、が始まりです。
アランツァの「キョウ」は平安期がモチーフのようなので、もっとキャラクター化された江戸期の妖怪ならばどうなるだろう、という挑戦でもあります。
シナリオとしてのテーマは「素材集め」。某ハンターものの電源ゲームに影響されて、冒険者の仕事の中に素材をとってくるというものがあってもよいのではないかという試みです。
・こんな人におススメ!
デバフが多めなシナリオになっています。特殊な状況をダイス運で切り抜けることに喜びを感じる方に向いているかもしれません。もちろん妖怪伝承が好きな方や、江戸風世界観がお好きな方にも楽しんでいただけたら。
・シナリオを作っていて楽しかった点、難しかった点
素材を持ち帰るという特性上、持てる荷物の量に作者が苦しめられました。プレイヤーにも悩んでいただければと思います。
・作者から一言
実はこちら、4シナリオでの連作を計画しています。現在2作目まで公開済みです。そのため1作ではどこにも関連性のない〈できごと〉に出会うこともあります。いまだ未完成といってもいい作品ですがこの一作でも一風変わった冒険ができる……はずです。ぜひ息抜きに楽しんでいただければと思います。そしてあわよくば、残り2作を書く活力になりますので遊んだよの一言を賜れればありがた山の寒烏!
◇◆◇◆◇
ご紹介ありがとうございました!
『ようこそ阿彌須(あびす)へ』は、成田砂男さんオリジナルの江戸時代モチーフ世界観のシナリオです。〈アランツァ〉の冒険者でも、時空の扉で行き来が出来るようですのでご安心ください。ちなみに、冒険者は防人(さきもり)と呼ばれています。かっこいい!
まず驚くのが、貨幣の違い! 〈アランツァ〉の金貨1枚は1貫文、金貨4枚は小判1枚と両替が出来ます。貨幣が違うことで、世界観がより味わい深くなることに気づかせて頂きました。作りたての主人公であれば、金貨10枚の代わりに、小判2枚と2貫文でお買い物が出来ますよ。
そして、従者たちの名前も異なります。たとえば「ランタン持ち」は「提灯持ち」ですし、「弓兵」は「鉄砲足軽」。そしてオリジナル従者として、飛び道具のスリングの熟練者「印字打ち」なんてものも! 少し雇用費はお高めですが頼もしい従者です。是非、先程の小判と貫文で雇ってみてくださいね。
今回のシナリオの舞台は、樹々が今が盛りと咲き誇っている春の阿彌須。ここは異界に繋がる井戸・ヨモツヒラサカを有した異界都市です。ヨモツヒラサカから溢れる妖怪を退治し、それらから取れる肉や牙、皮を使った特産品で栄えています。
そんな阿彌須を初めて訪れた主人公は、ヨモツヒラサカ攻略の為に必須と言える野営道具……灯り、夜具、焜炉を作ってもらうため、妖怪由来の素材を集めるべく、魑魅魍魎の跋扈するヨモツヒラサカに向かうのです。道具や素材を持ち帰るのが目的ですので、そこだけご注意下さい! 「荷物持ち」がいると助かるかも?
出目(d66)表に出てくる〈できごと〉は、どれも妖怪がいっぱい! お江戸情緒にも溢れた口ぶりの登場人物たちといい、〈アランツァ〉の異郷都市キョウが舞台の『あやかし』などともまた違った和風の世界が広がっています。
シナリオを通じて世界観への理解が深まっていく構図になっており、妖怪好きな方も、和風世界に馴染みが無い方も楽しめる『ようこそ阿彌須へ』。是非プレイしてみてください。私は3回目の冒険を終えたとき、野営道具職人・権助さんの粋な計らいに感動してしまいました。痺れる〜!
プレイしてみた感想は、FT新聞の感想フォームからでも、作者さん自身に直接でも、どうぞお気軽にお寄せください!
それでは、今回はここまで。次回のシナリオ紹介記事にてお会いしましょう。
貴方に良き冒険のあらんことを!
天狗ろむでした!
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