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2024年4月26日金曜日

休刊日のお知らせ FT新聞 No.4111

おはようございます。
本日は、タイトルのとおり休刊日です。

毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!

FT新聞編集部一同


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2024年4月25日木曜日

GBクトゥルー短編集小説リプレイvol.1『ヨグ・ソトースの飛沫』 FT新聞 No.4110

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児童文学・ミステリ作家、齊藤(羽生)飛鳥さんによる
『ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇』・小説リプレイ
Vol.1
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御無沙汰しておりました。齊藤(羽生)飛鳥です。
『ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇』は、いくつものクトゥルー神話ゲームブックを楽しめるお得パックな作品集です。
各話のあらすじが、四コマ漫画で紹介されているのが、遊び心満載ですし、すぐに世界観に没入できる仕掛けになっているのも嬉しいところです。こういう演出、粋なので大好きです。
第一弾にあたる『ヨグ=ソトースの飛沫』は、ゲームブック作家になってクトゥルーな冒険を繰り広げるというもの。
クトゥルー神話では、何をしていても死亡フラグに繋がる印象がありましたが、日常で仕事に励んでいても死亡フラグになることには驚かされました^^
なお、私には「ゲームブックの主人公は自分と同性に設定する」という自分ルールがあるので、リプレイの主人公は女性ですが、本編自体はどちらの性別でプレイしても大丈夫なようにシナリオが書かれています。毎度のことながら、その辺りの自由度のバランスのとり方が、ゲームブック作家の方々はすごいです!
ちなみに、ホラーが苦手なので恐怖を和らげようと、脳内で挿絵を思い浮かべながら読んだのですが、主人公の職業が作家だったので「作家……漫画家……岸辺露伴……。よし、脳内イラストは荒木飛呂彦先生タッチで行こう!」となったので、恐怖は和らがず結局ホラーになったのでした^^;
それから、最後に近況報告です。
このたび、3月末に『蝶として死す』(東京創元社刊・「羽生飛鳥」名義)が文庫となりました。解説を書いて下さったのは、文芸評論家の細谷正充先生です!! 人生初の文庫の、これまた人生初の解説に細谷先生が書いて下さるとは、ありがたさのあまり正直震えております!!
そして、4月上旬には『シニカル探偵安土真3 写生大会はトラブルいっぱい!』(国土社刊・「齊藤飛鳥」名義)が刊行されました。こちらは、人生初のシリーズ物の3巻目です!!
御興味がおありの方は、お時間ある時に御笑覧下さいませ^^

※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。


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『ヨグ=ソトースの飛沫』リプレイ

齊藤(羽生)飛鳥
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0
私の名は、甘木廿香(あまぎはつか)。
一介の零細女流作家だ。
今回は、縁あってクトゥルー神話のゲームブックを書くことになった。
クトゥルー神話について、まだあまりよく知らない。そこで勉強しつつ執筆を続けていたら、最近黒い点々が見えるようになってきた。
眼精疲労とは、ついてない。
そして、ついてない時にはついてないことが重なるものだ。
帰宅途中に雨に降られ、たまたま雨宿りで入ったコインランドリーで、強烈な個性を放つ老婆に出会ってしまった。
「あんた……呪われているね」
普段の私なら、「新手の濃茶の尼?」と茶化すところだ。
しかし、血まみれの植木ばさみを持った老婆からこんなことを言われては、つべこべ言わず逃げたくなる。
私は、雨宿りで入ったのも忘れ、全速力でコインランドリーから飛び出していった。


1
無事に帰宅できた私は、次の日、とんでもない事実に気づいた。
黒い点々が前よりも数が増えて見えるようになったし、クトゥルー神話ゲームブックのネタをメモした手帳をコインランドリーに忘れてきてしまったのだ!!
あの手帳には、お気に入りの『ゲゲゲの鬼太郎』のマスキングテープを貼ってデコってあるので、中身を見られるのも、表紙を見られるのも、つらい!!
でも、黒い点々が見え続けるのもつらいから、●眼科にも行きたい。
ここは、眼科、コインランドリーの順番で出かけよう。
日のある時間帯なら、通行人がたくさんいるから、あの老婆に出会っても、助けを呼べるから、たいして怖くないだろう。
私は、眼科に向かった。


2
眼科の医師は、中学時代の同級生という気安さ●から、フランクに飛蚊症や網膜剥離の可能性を提示してくれた後、検査もしてくれた。
結果は、これと言って異常なし。
もしかしたら、ストレス性の幻覚症状かもしれないと言い、気分転換にと、奥さんが使わなかった美術館の予約チケットをくれた。
7色の水玉模様●が、やたらかわいい。
さて、黒い点々がストレス性のものだとわかって安心したところで、コインランドリーへ行って手帳を探すとしよう。


3
コインランドリーに到着。
手帳は、コインランドリーのベンチに置いたはずだけど、どこにも見当たらない。
誰かが拾って●、雑誌置き場に入れてくれたのかも。
さっそく雑誌置き場を探してみると、同人誌を見つけた。
タイトルは●、『ヨグ=ソトースの飛沫』
今ちょうど私が書いているゲームブックと同じテーマで、なおかつ同じ制作元だ。
こんな偶然の一致なんて、あるのだろうか?
私は気になって、見つけた同人誌『ヨグ=ソトースの飛沫』について、制作グループに電話で問い合わせた。
答えは、この同人誌はこの世にたった一冊しかなく、作者は20年前から行方不明。
文意不明の言葉が羅列された同人誌ってだけでも恐怖を感じるのに、作者が行方不明と聞いては●、完全に危険なパターンだ。
私は電話を切ると、今聞いたことはしいて忘れて、手帳探しを続けた。
そう言えば、落とし物入れがあったな。
覗いてみると、予想に違わず手帳がそこにあった!!
よかった!!
これで、一安心。
さあ、家に帰っ……うぅ……急にめまいがしてきた。
ふらつきもしてきた。
まっすぐ歩けない……。


4
●気がつくと、私は駅前の広場にいた。
周辺地図の看板の前に立つと、●どうしたわけか黒い点々が神社や美術館の上を指し示すように止まっている。
まるで、黒い点々が指し示す場所へ行けと、●指示されているみたいだ。
ちょっと言ってみるか。
私は、●まず神社へ行くことにした。


5
付喪神社。
それが、●私の来た神社の名前だった。
「つくも神社」と読むらしいが●、この字面だと、『付喪神絵巻』を思い出す。日本の絵巻物の中では、●『鳥獣戯画』と並んで好きだ。
この神社は観光スポットらしいけど、●地元にあると観光気分になれないとの理由で、来るのは初めてだ。
でも、ご神体が古い鍋とは面白いから、今度からちょくちょく散歩に来ようかな。
さてと、●予約チケットをもらっていることだし、次は美術館へ行くとしますかね。


6
草枕彌生美術館。
それが、●私の訪れた美術館の名前だ。
ここも地元にあるけど、●入場料が零細作家には高くて、いつも遠くから建物を眺めるだけという●『ティファニーで朝食を』状態だった。
でも、●今日は違う。
予約チケットがあるから、入れる!!
嬉々として美術館に入り、これまた嬉々として作品鑑賞。
特に気に入ったのは、突き当たりの壁全面に描きこんだ黒い水玉の乱れ舞う作品だ。
芸術家の無意識と同調するような心地よさを味わっていると、草枕彌生の秘書に話しかけられ、草枕彌生と話ができるようになった!!
伝説的アーティストとどんな話をしようか、●夢見る私を現実どころか超現実に叩き落とすように、草枕彌生は衝撃の事実を激白した。
何と、彼女も私と同じように、黒い点々が見えているのだ!!
この黒い点々に関する相談相手の住所を教えてくれた上に、●今夜1:37に会おうと言ってくれたのはありがたいが、相談相手のいるビルって、あのコインランドリーの裏手だ!!
すごく不安だ……。


7
私は、●美術館を後にすると、相談相手のビルへは行かず、気分転換を兼ねて高校に行った。
ここも黒い点々が指し示した場所の一つだし、我が母校だからだ。
●懐かしい。
名物の天体観測所が、●今なお健在で、嬉しくなる。
なぜだか、●むしょうに天体観測所の天体望遠鏡で見ている宇宙へ行きたい気分になってきた。
●遊園地の観覧車で地上を離れることすら嫌で、ひたすらゴーカートに乗っている普段の私からは●、想像もつかない感慨だ。変なの。
でも、●気分転換になったから、次は図書館に行くとしよう。


8
●図書館。
仕事の資料探しでよく来るから、●まるで実家に帰ってきたような安心感だ。
ちょうどいい。●岡肌コレクションのコーナーにある幻想文学専門の棚を覗いていこう。
前に読みかけだった●『マンク』の続き、気になっていたんだよね。
……●と、本を手に取ったのが仇。
気がつくと、●閉館時間の音楽が聞こえてきた。
ここの図書館で流れる閉館時間の音楽は、よくある『別れのワルツ』ではなく、なぜか『虹の彼方に』が流れるのが気になる。
だが、それはさておき、これでは●家に帰るしかない。
岡肌コレクションには、●時間を飛ばす能力があるのではなかろうかと思いつつ、私は帰宅した。


9
我が家に帰ると、●ルームウェアに着替える。
今日一日●長かった。
夕飯を作ったり、風呂に入ったり、本を読んだりするうちに、●気がつけば11時をまわっていた。
黒い点々が見えているせいか、●やけに眠たい。
でも、記憶がはっきりしているうちに、●昨日からの奇妙な出来事を整理しておこう。
まずは、●コインランドリーで拾った同人誌だ。
文意不明の内容だったから、読めるかな……?
ん?●読める……じっくり見たら、読めてきたぞ!!
内容の大半がタイトルどおり、ヨグ=ソトースについての考察だった。
つまり、●正気の沙汰とは思えない、狂気すら感じる内容だった。
恐怖を覚えるは、●黒い点々が増えてくるは、さんざんなので、私は同人誌を読むのはここまでにした。


10
口直しと言うのもいささかおかしいが、●自分の手帳を読んで恐怖を紛らわそう。
自慢ではないが、●私のクトゥルー神話のゲームブックネタは、●ちっとも怖くない。
何しろ、●ペットショップで猫や兎ではなく犬を選びペットにさえすれば、●どんな恐怖の状況に陥ろうが、神話生物に遭遇しようが、●犬が神話生物を倒してくれて生還できるハッピーエンドを迎えるプロットだからだ。
●あれ?
見覚えのないメッセージが、最後のページに書かれている?
「深夜24:30。99の裏手で待つ」
99と言えば、●つくもと読むから付喪神社のこと?
その裏手と言えば、●公園が確かあったな。
気になるから、●行ってみるか。


11
深夜の公園は、●はっきり行って薄気味悪かった。
今にも殺人鬼や変質者が現れるのではないか、●ポケットの中に隠し持つ防犯用の催涙スプレーを握りしめながら、私は約束の時間を迎えた。
現れたのは、●大学生くらいの白人の青年だ。
私、●英語は大学卒業してから、まったく使ってないからしゃべれないんだけど!?
ジェスチャーかパントマイムで乗り切ろうか、●半ば本気で検討していると、青年は巧みな日本語で話してくれた。●助かった。
しかも、●話の内容は目の黒い点々を見えなくする方法だった。●これも助かる。
ただ、●胡散臭い儀式のグッズを渡された時は、どんな顔をすればいいのか、●わからなくなった。
そんな私を放置し、謎の青年は公園を立ち去る。
彼は、●いったい何者なのか?
気になった私は、彼を尾行することに決めた。
しかし、異界に通じていそうなトンネルにさしかかったところで、青年を見失ってしまった。
これでは、帰宅するしかない。
私は帰宅してから、ふと思い出した。
1:37に、草枕彌生と会う約束だったではないか!!
私は、大急ぎで美術館に行った。


12
●ぎりぎり約束の時間に間に合った……●と喜んだのも束の間。
美術館は●跡形もなく●消滅していた。
美術館の周りには●、警官や野次馬達がいる。
しかも、●私にしか見えない巨大な黒い穴がある。
突然だけど、●今ならこの黒い穴●が異界への入り口だとわかる。
草枕彌生も、●穴へ美術館ごと引きずりこまれてしまったのだ。
そして、●私も……。
制止する警官の声も聞かず●、私は穴の中へと●入っていった。


13
暗黒の中●、私は空間に浮かんできたメッセージを読み解いた。
●ミード酒?
あの青年がくれたお酒だ。
これと●、笛と呪文が救いとなると教えてくれた。
胡散臭いけど●、試してみる価値はある。
私は●、ミード酒を飲んだ。
甘露とは、●まさにこの酒のためにある言葉だ!!
酔っ払いの勇気で●、私はラベルに書かれている呪文を唱える。
すると、●宇宙空間のただ中にある巨大な石の神殿の前に私は来ていた。●わっほう。
立ちすくむ私を迎えに来るように、●神殿の中からあの青年が現れた。
そして、●どう考えても巨大すぎる神殿の中へ私を案内してくれた。
人類のために建てられた建築物ではないのは●、そのスケールの大きさでわかる。
町サイズの書架が並ぶ図書館なんて、●生まれて初めて見た。
天井なんて、もはや空にしか見えない位置にある。
だから、青年が人間サイズの通路にへ案内してくれた時には、元の体のサイズに戻れた『ミクロキッズ』のような気分だった。
通路の先には回廊があり、重厚な革張りの古書が並んでいる。
どれも、とてもきれいな本ばかりだ。
博物館級といってもいい。
本を見てまわるうちに、一冊の大型の黒い本を見つけた。
これ、確か4日前に見た覚えが……。
もっとよく思い出そうと本を手に取った。
たちまち棚から他の本が私めがけて落ちてきた!!
これは痛い!!
いったい何が起きたの!?
そんな私の疑問を無視して、後頭部に本が直撃。
私は意識を失った……。


14
頭痛と喉の渇きで●、目が覚める。
青年が、●甲高い声の年配の男と何やら話しているのが●逆さに見える。
それもそのはず、●私は逆さ吊りにされて●いたからだ。
二人は●何か話している。
話の内容を●総合すると●……ああ●、目の前の黒い点々が増えすぎてうっとうしい。
もう●、この●黒い点々●に悩まされないなら●、どうだって●いいや。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
———それが、私の最期の思考だった———
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
2023年5月に『揺籃の都 平家物語推理抄』(東京創元社)が2023年第23回本格ミステリ大賞候補作にノミネートされた。
2023年9月には、齊藤飛鳥名義で、児童書では初のシリーズ物となる『シニカル探偵安土真(1)結成!放課後カイケツ団』(国土社)を刊行。
日常の謎解きをする少年少女探偵団物で、続刊予定。現在3巻まで出たので、このまま続刊を切に願う今日この頃。
2024年3月に『蝶として死す』文庫版(東京創元社)が刊行された。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表している。

初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。

■書誌情報
「ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」所収
『ヨグ=ソトースの飛沫』
 著:HUGO HALL 絵:HUGO HALL
 発行:FT書房(2020年11月14日) 1,650円
 https://booth.pm/ja/items/2484141


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2024年4月24日水曜日

第12回【混沌迷宮の試練】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4109

第12回【混沌迷宮の試練】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「混沌迷宮の試練」の内容の詳細に踏み込んでおりますのでご了承ください。

ぜろです。
レドナントの村人のため混沌の迷宮に赴く主人公サクラ。
黒エルフとオークとの協定を結び、混成精鋭部隊でカオスマスター打倒を目指します。
賢人マトーシュとの出会い、聖剣悪死剣壱の入手。
黒エルフの勇士ジョゼの死を乗り越え、ついにカオスマスターのもとへ。
今回はついに、カオスマスターとの最終決戦です!

混沌の迷宮 第3層
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/Trials_of_TheChaosLabyrinth_Layer3.png


【サクラ 技量点:2 生命点:6 幸運点:4/6 従者点:7】
持ち物
悪死剣壱(悪魔とアンデッドに特効+1)
手甲(木盾相当)
胴袴(鎖鎧相当)
食料2
金貨6
1エールの大瓶
2ハチコロリ2回分
3警告の紫水晶3回分
4聖水
5混沌の核
6カタナ(片手武器相当)

【従者】
「弓使い」猟師サジタ
「弓の名手」黒エルフ長エルサス
「オークの勇者」グラザン
「オークの勇者」グリリン
「ランタン持ち」猟師の子コナン
「荷物持ち」黒エルフの少女ニモ
 ニモの荷物1 囮の風船
 ニモの荷物2 魔法のつるはし2回分


●アタック03-9 サクラとラスボス戦

私たちは今、カオスマスターの居室……というか大浴場で、対峙している。

これまで罠の回避や攻撃の回避に一役も二役も買っていた黒エルフの勇士、ジョゼはもういない。
守りのかなめを失い、この戦闘ではどれほどの被害が出るのか、想像もしたくない。
しかもカオスマスターは、人間を一瞬で「しずくの怪物」に変えてしまう力を持つという。
これは最初から、犠牲をいとわず、数で押して倒すという無謀な作戦なのだ。
ここにいるメンバーには、覚悟がある。

【カオスマスター レベル4 生命点12 攻撃回数:特殊 死ぬまで戦う】

実はこのカオスマスターのステイタス表記、私は間違えてしまっている。
それは生命点。
カオスマスターの生命点は、たしかに12と表記されている。
しかし、初期作成のキャラクターの場合、生命点を2点減らせることになっているのだ。
だから、生命点は10点が正しかった。

他の生命点持ちのキャラクター、たとえば生命ゴーレムなどは、きちんとこの処理をして生命点を修正していたのだが、このときは忘れてしまったようだ。
そしてこの生命点2点分のために私たちは……大変な結果を招くことになる。

戦闘開始の前に、カオスマスターの特殊攻撃の確認だ。
カオスマスターの攻撃は、全体攻撃。そして【混沌化】の魔法だ。
目標値3の【魔法ロール】を行い、失敗するとしずくの怪物になってしまう。
全体攻撃なのが激しくやばい。

「混沌の核」を持っている私だけが、【混沌化】の【魔法ロール】に失敗しても、生命点へのダメージとして扱うことができる。
生命点を削り切られるまで、もちこたえることができるということだ。

これは、たとえ勝利できたとしても、私と非戦闘員以外の全員が、しずくの怪物と化してしまう未来が容易に想像できてしまう。

そんなこと、させない。

戦闘開始!

開幕最初は私の【奇跡】。全員を守る決意を秘めた【防衛】だ。
これで回避ロールにプラスがつく。カオスマスターの攻撃手段に対してはまったく意味はないのだが、皆を守るという私の絶対の意思を示す。

次は弓使いたちの出番。
猟師のサジタの攻撃はしかし、サイコロの出目3で外れ。
黒エルフ長エルサスの攻撃は、サイコロの出目5で命中だ。
カオスマスターの巨大なハエの複眼を射貫いた。初ダメージだ!

「うふふん。ハエの頭はただの飾りよぉん。黒エルフの人にはそれがわからんのね」

カオスマスターは余裕ぶっている。
その余裕も今だけだ。

続く私の攻撃は、カタツムリの触角を切り落とす。
グラザンとグリリンの打撃が、鼻の頭をつぶす。

「あいたたた。……愛ね! 鼻がひん曲がりそうよ!」

鼻は最初からひん曲がっている。
これでカオスマスターの生命点は12点から一気に8点まで減らした。
この調子で順調に攻撃を当て続ければ、3ラウンド目には倒せるかもしれない。
それも犠牲者が出ず、攻撃がうまく命中すればの話だ。

カオスマスターの全体攻撃【混沌化】は、確実に何度か受けてしまう。

「そうよ。愛よお。みんな私におなりなさぁいっ!」

カオスマスターは腕やら触手やらを伸ばして、私たちをひとなでしてくる。
【混沌化】が来る! 抵抗を!!

【魔法ロール】で目標値3。
サイコロの出目3で回避できる。
回避できる可能性は高いが、全員となると難しい。

私はサイコロの出目6で、危なげなく抵抗した。

しかし、オークの勇者グラザンのサイコロの出目は、2だった。
いや、大丈夫だ。オークの勇者たちは、技量点を1点持っている。加算できるから、目標値の3には届いている。
全身が波打ち、あわやという場面だったがもちこたえ、オークの姿を維持することができた。

グリリンはサイコロの出目3で抵抗。
エルサス、サジタも高い出目で問題なく抵抗できた。

誰一人として混沌化の影響を受けていない。

「あれ? おかしいわぁ?」

カオスマスターは、自分の体に同じ魔法を試している。
すると、ひん曲がった鼻から鼻が咲いた。

効果が正しく発揮されているのを肌で感じ、カオスマスターは安心したようだ。
けれど、その隙を見逃す私たちではない。

そこに2ラウンドの私たちの攻撃を!
カオスマスターのレベルは4。つまり攻撃の目標値は、4だ。

私の攻撃! サイコロの出目3だが、攻撃補正があるから命中だ。
鼻の上に咲いた鼻を切り裂いた。

「あああ! せっかく咲いたお鼻ちゃんが。もう」

グラザンは、サイコロの出目1でファンブル。触角を狙ったのだがうまくかわされてしまった。
グリリンの打撃は、肉体のぶよぶよした部分にめり込む。手ごたえは薄かったが、ダメージは与えているようだ。

武器を持ち換えたエルサスとサジタも接近戦で参戦する。
この怪物は部位がぐちゃぐちゃなので、人間型のクリーチャーとの戦いとは、なにからなにまで異なる。
接近戦に慣れていない2人だったが、逆にそれが幸いしてか、いい感じに攻撃を命中させた。
サジタ、3回目のダンジョンアタックではこれが初のダメージだ。活躍できてよかった。

エルサスの攻撃は巨大な舌を切り裂き、サジタの攻撃は人間の目の部分に突き刺さった。

「わあん痛いわぁん。舌はビンカンなのよ」

敏感な弱点を、そんなふうに巨大にして晒してどうするんだ。

「グフ。グフフ。濃厚なキッスが楽しめるのよお」

舐められた瞬間に溶かされそう。
2ラウンド目の私たちの攻撃が終わった時点で、カオスマスターの残り生命点は4点だ。
期待どおりの戦果を上げているといえる。
しかし、どうしてももう1回はカオスマスターの【混沌化】を受けなければならない。

そしてそこで、カオスマスターが動く。


●アタック03-10 サクラと【混沌化】

カオスマスターとの壮絶な戦いは続いている。
こちらへのダメージは今のところない。ないが、受けたが最後、人でなくなってしまうのだから、緊張感がものすごい。

「じゃあ、こんなのはどうかしら。目ばっかり潰された恨みよ。目出たい。愛でたーい!」

カオスマスターの【混沌化】が発動。
体の各所から目が出る。妖怪百目か。

そして目からビイィィム!

「おほほほほ。ワタクシの【混沌化】。無限のバリエーションを味わいなさーーい!」

しかも私は魔法ロールで、サイコロの出目1を振ってしまった!
ファンブルだ!
一瞬にして体が内部から変質していく感覚を味わう。
裏と表がひっくり返りそう。
しかしその力をなにかが引き戻してくる。
私の所持する「混沌の核」の力だ。
私は生命点に1点のダメージを負ったが、原形を保持したままだった。

「むふん。これはもしやアナタ、持っているわね。ワタクシと同じタイプの力を」

カオスマスター、鋭い。ただの変態ではない。
この一瞬で「同じタイプのスタンド!」と見破るとは。

ちなみに、グラザンとエルサスはクリティカルで混沌化を回避。
グリリンもサイコロの出目3で成功。サジタもサイコロの出目5で抵抗できた。
今回も、犠牲者はなしだった。

そうして運命の第3ラウンドだ。
全員が期待どおりに動けば、ここでカオスマスターを倒しきることができる。
そうなればなんと、犠牲者は、ぜろだ。
この恐るべき相手に、これほど素晴らしい勝利があろうか。いや、ない。

そして私の攻撃がサイコロの出目6のクリティカルで貫く。
綺麗に足を切り落とした。

「あぁあ! その足の美しさ、気に入ってたのに」

うん。足ったって、別に立ったり歩いたりで使わないものね。
そういう感覚だよね。

カオスマスターの残り生命点は、3点。

グラザンの攻撃!
サイコロの出目は2。技量点を加えても3で、わずかに攻撃は届かなかった。

グリリンはサイコロの出目6のクリティカルだ。
カオスマスターのわがままボディに、力の限りぶち当てる。

「はぅん。愛が……重い……」

残り生命点は2点。さすがのカオスマスターも弱りはじめている。
そこに私たちは、まだエルサスとサジタの攻撃を2回、残している。この意味がわかるか、カオスマスターよ。

エルサスの攻撃!
サイコロの出目は1! ファンブル!!

サジタの攻撃!
サイコロの出目は3! わずかに届かず!!

カオスマスター、生命点2点残しで持ちこたえてしまった!
そう。生命点10点設定なら、ここで決着はついていたのだ。
さらなる【混沌化】を受けることもなく。

悲劇はここから始まった。

「アナタたち、そろそろ混沌に呑まれてよ。呑んで呑まれて呑まれて呑んで」

カオスマスターの【混沌化】。
私、グラザン、グリリン、サジタ。
順当に抵抗していく。
しかしついに、抗えない者が出た。

エルサスの【魔法ロール】は、サイコロの出目1で止まった。
ファンブルだ。
エルサスは原形を保つことができず、一瞬でぶよぶよの肉塊「しずくの怪物」となった。

しずくの怪物は、生命点3点を持つので、強いクリーチャーに属する。

そして「死ぬまで戦う」。

しかし、レベルを持たない。つまり、実質的な攻撃手段はないということで、ただそこにぷるぷるしているだけなのだろう。


※※※註※※※

配信版と冊子版では記述が異なります。
FT新聞での配信版では「出現数:- レベル:3」という弱いクリーチャー表記なのに対し、冊子版では「レベル:- 生命点:3」という強いクリーチャーとしての記述になっていました。
誤植かもしれません。配信版から冊子版にする過程で何かが起きたのでしょうか。
私は配信版を参照にしなかったので、独自の解釈でそのまま読み進めています。

※※※※※※


次のラウンド、私の攻撃とグラザンの攻撃がヒットし、カオスマスターは倒れた。

「グフフ。負けたのねワタクシ。これが、絶望の味。二度と味わえないなんて、ざぁん念……。でも、アナタたちもじきに味わうことになるわ。この味を……」

カオスマスターは、まるでどろどろに溶けるように、沈み込むように、その場にだるんと体を弛緩させ、そして動かなくなった。

こうして、カオスマスターは倒した。目的は、達成した。
けれど、黒エルフのリーダー、エルサスは、しずくの怪物になったままだ。
カオスマスターが倒されたことで魔法が解けて、元の姿に戻るなんておとぎ話の中だけの話だ。
そんな都合の良い展開なんて、起こらない。

「父さま、父さま……!」

エルサスの娘ニモの叫びだけが、あたりに響いていた。


●アタック03-11 ニモと混沌の核

カオスマスターは倒した。しかし苦い勝利となった。
黒エルフたちは、リーダーを失った。

いや。そうと決めつけるには、まだ早い。
きっと今ならまだ間に合う。間に合うはずだ。
そう。方法は……ある。

私はニモを呼び、「混沌の核」を渡した。

「ニモ、これを使いなさい」

かつて混沌の迷宮にて白の魔法使いと対決した、かの冒険者。
彼は白の魔法使いに一瞬にしてぶよぶよの肉塊にされてしまう。
しかし、混沌の核の力で人の形を取り戻すのだ。それを用いた少女の生命エネルギーを代償として。

「父の姿を思い出して念じなさい。元に戻ると信じて」

かつて少女が命を代償としたのは、力を失った混沌の核を用いたからだ。
賢者マトーシュが託したこの「混沌の核」は、生命エネルギーに満ちているはず。
だからニモはきっと大丈夫。

なぜそう思えるのか。
それは、賢者マトーシュとの出会いだ。
あのとき賢者マトーシュは、なぜ生命ゴーレムの部屋にいたのか。
それは、混沌の核に生命エネルギーを充填するためだったのではないか。

はたして、ニモの祈りは通じた。
そこには、元の姿よりほんのちょっぴり格好良くなった、黒エルフの長、エルサスの姿があった。
どうやら元の姿を取り戻すときに、ニモの思い出補正が入ったようだ。

「父さま……!」

「ニモ……。言葉にできなかったが、すべて見ていたよ。私を取り戻してくれて、ありがとう」

そして父子はかたく抱きしめあった。

これが、カオスマスター討伐の顛末である。
そして私たちは、エルフの拠点へと帰還す……待って!

宝物判定! 宝物判定やってないよ!!

余韻が台無し? かまうものか。
なんたって3回目のダンジョンアタックでは、金貨の1枚も入手していないのだ。
あとは聖剣悪死剣壱と混沌の核、魔法のつるはし。
混沌の核は今、生命エネルギーを使い切ってただの石と化した。
聖剣は換金できないし、魔法のつるはしも使いかけ。
さすがにここは無視できない!

カオスマスターは、宝物判定に+2のボーナスがつく。
これは期待できる。

サイコロを振った。出目は1だったorz

ボーナスがついて、宝物判定ランクは3だ。
サイコロ2個分の金貨または、隠された何かを手に入れられるという。

なら、隠されたなにかに期待しよう。
サイコロを振る。その結果は……。

「エール酒の大瓶」だった……。

やーだーーー。
こんなのはやーーだーーー。
だって、カオスマスターの持ち物として出て来たんだよコレ。
エール酒の大瓶いうても、どんな液体が入っているかなんて想像もしたくない。
きっとカオスマスターの原液とか入ってるんだよ。

これはだめだ。持ち帰れない。
いくらルールとして中身が保証されてても、シチュエーション的に受け入れられない。

じゃあ……帰るか。

私たちは、帰途についた。

次回、エピローグと感想回です。


【サクラ 技量点:2 生命点:6→5 幸運点:4→3/6 従者点:7】
持ち物
悪死剣壱(悪魔とアンデッドに特効+1)
手甲(木盾相当)
胴袴(鎖鎧相当)
食料2
金貨6
1エールの大瓶
2ハチコロリ2回分
3警告の紫水晶3回分
4聖水
5混沌の核 →消費
6カタナ(片手武器相当)

【従者】
「弓使い」猟師サジタ
「弓の名手」黒エルフ長エルサス
「オークの勇者」グラザン
「オークの勇者」グリリン
「ランタン持ち」猟師の子コナン
「荷物持ち」黒エルフの少女ニモ
 ニモの荷物1 囮の風船
 ニモの荷物2 魔法のつるはし2回分

■登場人物
サクラ 【奇跡】を使える流れの剣士。混沌の迷宮を攻略し、カオスマスターを倒した。
サジタ レドナント村の猟師。「弓使い」としてサクラに同行する。
ユミ レドナント村の猟師でサジタの妻。迷宮の罠にかかり死亡。
コナン レドナント村の猟師の息子。「ランタン持ち」としてサクラに同行する。
ニモ 黒エルフ「スネージ」に属する少女。黒エルフのリーダー、エルサスの娘。
エルサス 黒エルフ「スネージ」のリーダー。しずくの怪物と化すも生還。
エル/ルフィ/フォウ 黒エルフ「スネージ」の兵士クラスの手練れ3人。全員死亡。
ジョゼ 黒エルフの勇士。ハープ演奏のわざを見せることなくスケルトン戦で死亡。
カオスマスター 混沌の迷宮に棲む恐怖の変態生物。
グラードン オークの族長。豪放磊落。
グラザン/グリリン オークの勇者。棍棒使い。


■作品情報
作品名:「ローグライクハーフ」d66シナリオ第2弾『混沌迷宮の試練』
著者:杉本=ヨハネ
監修:紫隠ねこ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
『混沌迷宮の試練』 ローグライクハーフd66シナリオ 第2弾
https://booth.pm/ja/items/4897324


本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
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2024年4月23日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第22回 FT新聞 No.4108

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第22回
「経済」
(中山将平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 おはようございます。イラストレーターの中山将平です。
 
 最近ローグライクハーフを遊んでいて、ふと思っていました。
 「カエル人のTRPGを近しいルールのバージョンにコンバートできないか」
 僕にとってローグライクハーフのルールの最大の魅力は「手軽さ」です。
 大きなデータの読み込みが必要なく、一人でも初めての人とでも素早く手軽に遊べるルール。
 それはTRPGになじみがない方でも楽しみやすいという意味でとても良いものだと思っています。
 実際、僕自身プライベートでローグライクハーフを遊ぶ機会は(人に言うものでもないですが)わりと多かったりします。 

 やってみると、思いのほかこれはうまくいきそうだという感触を得ました。
 もともとシナリオを4つ用意しているので、「カエル人のTRPGでどんなことが起こるか」はルールに関係なく決まっています。
 そこからルールによって「どんな状況が表現できるか」を肉付けしていくことが起こりました。

 今回の経験を通して「肉付け」がどのくらいの意味を持つか理解できた気がします。
 「一輪車を運転する」時のバランスのとり方みたいなもので、端的な言葉で表現するのは難しい「感覚」が手に入ったのは嬉しいものです。
 この感覚がどこで役立つのかは全く分かりませんが、ゲーム作りの趣味がさらに楽しいものになるという点ではいいものだと感じています。
 (ちなみにこのゲームは、GMを合わせて4人プレイができます。)
 
 さて、今日の記事ではファンタジー世界における「経済」を話題にしようと思います。
 多分いつもより短い記事になりますが、カエル人の創作で得たものだったので書いてみようという気になりました。
 この記事がファンタジーを楽しまれている方にとって役立つものになることを願っています。
 それでは、早速詳しく見ていきましょう。

◆ 「経済から考える」という視点
 実は僕がカエル人の創作をする際、世界の全体像を考えるいくつかの視点の中で特に注目したものは「経済」でした。
 そもそも現実世界における「人間の経済活動」に興味があったせいかもしれません。
 例えば「ある監獄でタバコが通貨の代わりになった」というエピソードとか大好物です。
 自分は根本的に「物事の本質的な部分を理解したい」という欲が強く、それが分かったと心底思えるまで観測に努める傾向があると感じています。
 「経済」はまさにその対象でした。
 この観測は今も続けていますが、見切り発車で「理解した分を使って自分なりの仮想現実を作ってみる」のも楽しいものだと思っています。
 
 ファンタジー世界がどのような形をしているかは、「経済活動」という視点から読み解くことが出来るのではないか。
 それが僕の感じたことでした。
 その第一歩として、カエル人の社会から「貨幣」を取り除きました。

◆ なぜ貨幣は消えたのか
 貨幣を取り除いた理由は2つあります。

 一つは、貨幣を担保するに足る「権威」を定めることが出来ないと感じたから。
 貨幣は一種の「信用券」であるため、その価値を認めるに値する「信用元」(権威)が定められない世界ではそのパワーを失うと感じました。
 頼れる権威なしに「普遍的な価値があるものが貨幣の代わりの役割を果たす」というパターンもあると想定できますが、それは「物々交換」の延長線上のものであると考えています。
 (カエル人の経済では宝石などがその対象として考えられました。カエル人にとって宝石は星の神フログトゥルフへの供物として普遍的な価値を持つ品なのです。)

 もう一つは、経済の規模的に必要であると思いづらいから。
 貨幣の優位性はその流通の簡易さにあると感じています。
 カエル人の必要とする経済規模を考えたとき、その流通の簡易さが「意味を持つ」規模ではないと予想できました。
 
 結局、こうした理由でカエル人は物々交換による社会を形成していることと決めました。

◆ 経済が世界を起こす
 こう考えてきて、カエル人の集落ではそもそも金属が少ないだろうなぁと感じるようになりました。
 カエル人のような両生種族が扱える金属が限られるだろうなぁと感じるためです。
 金や銀のように錆びづらい金属もありますが、そうでないものも多い。
 それならばいっそのこと、ほとんど使わないという設定も良いかと思いました。
 貨幣を使わないので、通貨を使わない。
 通貨は金属であることが想定できますが、それがカエル人には性質上合わない……という構造です。
 
 経済から生活様式の設定ができ、文化が築かれることもある……ということなのかもしれません。

◆ まとめ
 今回はファンタジー世界における「経済」について少し触れてみました。
 カエル人は物々交換によって暮らすものの「物を所有するという概念」を持つ種族だと設定しました。
 生物の経済観念という点を根底から創作することって、楽しいと感じています。

 では、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。


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2024年4月22日月曜日

今後の配信予定☆@ローグライクハーフ FT新聞 No.4107

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
ひたすら執筆する日曜日を過ごしております。
ネコが横にいてくつろぎ、外からは風の音ひとつしません。
満たされた気持ちのなかで、創作を続けています。
これで咳喘息さえよくなればと思います……ずっと咳が続いていて、春が終わるまでは耐えるしかなさそうです。
苦しいですが、すべて揃わないのが人生ですね。

さて、本日の記事では、今後の第1日曜日の配信予定を更新いたします☆
今年もはや4ヶ月が終わろうとしているので、修正報告を入れつつまいります。


◆これまでを振り返って。
去年の4月に初配信した「30分で遊べる1人用TRPG ローグライクハーフ」は、おかげさまで好調に部数を伸ばし、広まっています☆
FT新聞上でも9本のd66シナリオと7本のd33シナリオを配信して、おかげさまでどれも好評です。

  これまでに配信したd66シナリオ
○黄昏の騎士
○混沌迷宮の試練
・エメラルド海の探索
○あやかし
○ドラゴンレディハーフ
・呪われた血族の牙城
・巨大樹の迷宮
・女王の肉
・〈四猫亭〉の幽霊

  これまでに配信したd33シナリオ
・雪剣の頂 勇者の轍
○秋雨の狐
○素敵なおパンツ同盟
○竜鍵諸島の露店祭
・怨霊列車は夜笛を鳴らす
・写身の殺人者
・蜂竜の森

○がついているものは、書籍としても刊行済みです。
さらに、今週末には『女王の肉』と『巨大樹の迷宮』が、刊行されます。
いちばん早く手に入るのは4月27日(土)28日(日)のゲームマーケット、ブースは【F32】です☆


◆ここからの配信予定☆
ここからの第1日曜日は、これまでと変わらず奇数月にd66シナリオ、偶数月にd33シナリオと交互に配信していきます。

5月(d66シナリオ by杉本=ヨハネ)
・メルム・ヴァロワの秘宝

6月(d33シナリオ byロア・スペイダー)
・我ら海底探検隊〜海のモノを添えて〜

7月(d66シナリオ by水波流)
・常闇の伴侶

8月(d33シナリオ@杉本=ヨハネ)
・宇宙漂流@SFローグライクハーフ

9月(d66シナリオ by杉本=ヨハネ)
・辺境世界@SFローグライクハーフ

10月(d33シナリオ byロア・スペイダー)
・氷の駆け落ち

11月(d66シナリオ by杉本=ヨハネ)
・死霊沼の聖母

12月(d33シナリオ byロア・スペイダー)
・未定


◆6月のd33シナリオは「海底探検」!!
6月に配信予定のロア・スペイダーによるd33シナリオ「我ら海底探検隊〜海のモノを添えて〜」は、海の底を歩く探索ものの冒険です!
この作品は、去年配信した3個目のd66シナリオ「エメラルド海の探索」の書籍化にあたって、カップリングのd33シナリオとして、先日ロアが書き上げたばかりのものです☆
海底探索ものといえば個人制作で寝子さんが書かれた「海底遺跡プルマーレ」が好評ですが、それとはまた違った雰囲気の作品に仕上がっています。
港湾都市ビストフの冒険が、ふたたび!


◆7月は水波流による「常闇の伴侶」!!
7月にはFT新聞の編集長である水波流によるd66シナリオ「常闇の伴侶」が登場します☆
蛮族都市フーウェイを舞台とした冒険です……詳細は追ってお知らせしてまいります。


◆8月9月は連作!
さて、4月から6月末までの間、ロア・スペイダーは家業である金魚の生育に従事しなければなりません。
多忙をきわめているため、ロア・スペイダーが担当する8月のd33シナリオはお休みです。
そこでそこで……8月のd33シナリオの枠は、9月と併せて「SFローグライクハーフ」がいただくことにいたしました!
8月は「宇宙漂流」というd33シナリオ、つまり短編です。
9月は「辺境世界」というd66シナリオ、こちらが本番という構図になっています。
「SFローグライクハーフ」は基本ルールとシステム面では同じですが、職業や特殊技能、装備品などが一新されます。
そのため、短編から入ってもらおうというわけです。

そして、このふたつの作品。
実は連作になっております☆
別々に遊ぶこともできますが、d33シナリオを遊んだ後でd66シナリオを遊ぶと、より楽しくなるようにセットアップを進めています。


◆まとめ。
「ローグライクハーフ」の刊行作品も無事に7作品を迎えることができました☆
ファンであるあなたの応援のおかげです……ありがとうございます。
5月から、さらなる飛躍を目指して作品づくりに打ち込んでまいります。
今日はその、5月からの予定のご紹介でした。
個々の作品について、また配信が近づくたびに、ひとつずつご紹介していく予定です。


今日はこのあたりで。
それではまた!


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2024年4月21日日曜日

アランツァワールドガイド Vol.11 神聖都市ロング・ナリク(後編) FT新聞 No.4106

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◆大聖堂。
宿を出て大通りを歩く。
大聖堂、教会、修道院……さまざまな宗教的な施設が立ち並んでいる。
今日が祝いの日だからなのか、どの建物も信者とおぼしき人々でいっぱいだ。
大聖堂の前の大通りで、人だかりができている。
見やると大きな屠殺剣(スローターソード)を担いだ屈強の戦士が、立っている。
その横には彼と同じぐらいの高さがある、檻がひとつ。
そこに入れられているのは野生の、縛られた〈丸々獣〉。
ブヒブヒブゴゴと鳴く声にかわいらしさはまったくなく、子どもが泣き出す声すら聞こえてくる。
司祭が合図を送ると、戦士は速やかに剣を抜いて、流れるような動作で〈丸々獣〉の脇の下を突く。
〈丸々獣〉が血を流して息絶えると、司祭は天を仰ぎ、太陽を祝福する。
祭りのボルテージはクライマックスを迎える。
その後、捧げられた〈丸々獣〉の肉が人々に配られて、祭りは終わりを迎える。
カメルとアレスはこの祭りの日に街に来られた幸運を喜んだ。


◆歴史的補足。
ロング・ナリクの大通りには、宗教建築を中心とした多くの歴史的建造物が立ち並ぶ。1000年近い歴史を誇る「古都」である。建物のほとんどが、セルウェー教が拡大した1000年前に造られた。その時期、神の庇護を求めて、他都市から人口が大量に流入。かつてはアランツァでもっとも繁栄した都市だった。
その一方で、ロング・ナリクは地理的な問題や民族感情から、隣都市である城塞都市ドラッツェンと衝突を繰り返してきた。高地で【巨大生物】と戦うドラッツェン兵は強く、ロング・ナリクは劣勢だった。
そんななか、街を特徴づける3つの力が生まれ、育っていった。


◆弓矢をもて、戦え。
高地から攻め込むドラッツェン兵と戦うため、この街でもっともメジャーな武器は弓矢である。
「遠くの敵」として遠隔から戦う相手に対抗するために、発達した。
また、これはかづら森に生息する動物系クリーチャーとの対決にも用いられた。

かづら森の植物系クリーチャーと戦うために斧文化も発達したが、こちらは片手武器である。


◆宗教的遺物とルーン。
かづら森のトレントかづらが大繁殖したことによって、森のエルフたちは生活基盤を失い、この都市に取り込まれた。
彼らエルフの民はルーンの使い手で、冒険開始前に冒険者や兵士に(有料で)力を授けてくれる。
また、彼らはロング・ナリクの宗教的パワーの大きさを活用して、かづら森やドラッツェンに対抗する手段を市に提供した。
セルウェー教の聖遺物は魔法の装備品の一種で、冒険者や兵士に力を与えてくれる。

彼らの神は知識神ソロンドオルである。


◆トレント材の活用。
トレント材はそのトレントの「もとの種」によって性質や用途が異なっており、トレント樫が特に価値が高い。
かづら森ではトレント材(トレントから採れる木材)の他に、トレント蔦(づた)と呼ばれる紐状の素材も手に入る。
これを活用したロープなど、利用価値があるものが多い。


◆その他の情報。
この街には吸血鬼などを中心とした【アンデッド】に対抗する勢力を育てるための「銀十字養成学校」がある。
街には向上心のある若者が多くいるが、そういったエリート階級がしばしば選択肢として選ぶ学校である。
彼らの多くは貴族だが、金を持つ(あるいは武勲を立てた)平民が入ってくることもある。
出自がどうあれ、エリート意識が強くプライドも高いが、階級よりも実力主義であり、弱者を守ることを旨とする責任感のある者ばかりである。
おしむらくは、そういった人物が時の流れとともに堕落することもしばしばあるのが、人生の難しいところでもある──。


◆まとめ。
神聖都市ロング・ナリクはアランツァの中心地であり、数多くの見どころと特徴がある。
セルウェー教であること、かづら森、ドラッツェンの隣都市であること、シャンクルー鉱山。
それぞれがこの街に影響を与えており、深い関係がある。


◆GMへ(作者補足)。
セルウェー教は唯一神セルウェーを信仰する宗教です。
キリスト教をモデルにしているとよく言われますが、別の一神教との垣根を低くする意識をもってデザインしています。
生贄の儀式はユダヤ教から来ている、といったように。
また、キリスト教といっても、近現代の洗練された思想体系としてのイメージはあまり強くありません。
聖書の時代の雰囲気を意識しています。



それではまた!


↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png


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2024年4月20日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第584号 FT新聞 No.4105

From:水波流
電車内で読書や寝たりしたいのでノイズキャンセリングイヤホンをほぼデジタル耳栓として使っています(音楽はあまり聞かない)
2020年当時最高レベルのRZ-S50W(Panasonic)を愛用しているのですが、BOSE Ultra EarbudsとAirPods Pro (第2世代)がかなり性能上がってるそうで買い換えたいなぁと思いつつ、でも3万円オーバーてのは耳栓には厳しい……。

From:葉山海月
へーい、カノジョ! お茶しない?
ただし、貴様の金でだけどなぁ!
って口説き文句を放つ諸星あたる。
そんなものに、あたくしはなりたい。

From:中山将平
僕ら明日4月21日(日)大阪府「西九条駅」近くの此花会館で開催される「ゲームアンティーク2024」にサークル参加します。
レトロゲーム・マイナーゲーム中心オンリーイベントです。
ブース配置は【03】。お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。
また、一週間後の4月27(土)と28(日)には東京ビッグサイトで開催の「ゲームマーケット2024春」にサークル参加します。
ブース配置は【F32】。ローグライクハーフの新刊2冊(「女王の肉」と「巨大樹の迷宮」)を発売予定です。
こちらもぜひご注目いただけましたら。


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4/14(日)~4/19(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


2024年4月14日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4099

アランツァクリーチャー事典 Vol.4 
・ローグライクハーフ関連記事アランツァクリーチャー事典の第4回をお届けしました。
今回も、アランツァ世界の【少数種族】について。その後半です。
彼らは総数においては少ないですが、ひとつの地域に根を下ろし、支配している場合が多いです。たとえば、かえる人はかえる沼を中心に生息しており、かえる沼においては支配的な種族、のように。
そのような特色を持つ彼らの生態をじっくり解説していきます。


2024年4月15日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4100

SF×ローグライクハーフ 
・ヨハネ氏の中で「ローグライクハーフ」でやりたい挑戦が燃えているっ!
それについて述べていきます。
ヨハネ氏はTRPGを制作するとき、いくつかのフェーズに分けて考えます。
わかりやすく建物の階数で表現しますと、次の通り。
「ローグライクハーフ」でいうと、能力値や【判定ロール】の方法のようなシステムが「1階」です。
「2階」にあたるのは、キャラクターの職業と成長のルールだろうと思います。
「3階」部分はというと、作品に登場させる従者や装備品でしょうか。
「4階」部分が世界観、つまり背景設定や〈できごと〉全般だろうな、と考えています。
その中で、「2階」つまり職業部分をカスタム化した作品を構想しておりますが、これがかなり大仕事になると思われます。
なぜなら、真っ先に思いつくのが「ジャンル変え」で、職業から変更していくしかないと思うわけです。
しかし、FT書房は、これに挑戦します!
ジャンルは、SF。
未知の分野への開拓に、ぜひご期待ください!


2024年4月16日(火) かなでひびき FT新聞 No.4101
 
これはゲームブックなのですか!? 
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する本は、懐かしのケイブンシャ大百科から『名探偵推理クイズ大百科』
推理小説のだいご味は、トリックと、膨大な描写の中から「手がかり」を見つけ出すこと!?
ネットもなかった時代、「いかにして推理小説の楽しみ」を詰めこんだか?
その試行錯誤をご堪能あれ!


2024年4月17日(水) ぜろ FT新聞 No.4102

第11回【混沌迷宮の試練】ローグライクハーフリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第381回をお届けしました。
今回はノリに乗っている「ローグライクハーフ」2ndシナリオ『混沌迷宮の試練』リプレイ。
「ミラー・ドール」三部作の2巻、「混沌の迷宮」の後日談的な作品です。
レドナントの村人のため混沌の迷宮に赴く主人公サクラ。
混沌の迷宮を支配する混沌の勢力・カオスマスター。それに対抗するには、積年の確執のある黒エルフとオークの協力が不可欠です。
3回目のダンジョンアタックでは、ついに黒エルフ、オークと協力し、精鋭部隊で打倒カオスマスターを目指します。
賢人マトーシュに会い、混沌の核を手に入れた一行は、その先の聖域へ。
聖域の聖剣を手にしようとしたところ、棺から10体のスケルトンが出現しました。
そして激闘の中、黒エルフの勇士ジョゼが、その命を落としたのでした。
きっちりとその報いを、霊廟のスケルトン10体に受けさせ、いざ、ラスボスへの一本道な隠し通路へ!
はたしてサクラに幸運の女神は微笑むか?


2024年4月18日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4103

『モンセギュール1244』リプレイ〜中世主義研究会編(8)
・本リプレイは、中世の異端カタリ派を演じるRPG『モンセギュール1244』(フレデリック・J・イェンセン著、岡和田晃訳、ニューゲームズオーダー)のプレイ光景をまとめ直したものです。連載第7回はこちらに採録されています(https://prologuewave.club/archives/10356)。未読の方は、そちらを先にお読みください。
モンセギュール城塞の本丸が危機的状況を迎える中、「フィリッパの子どもの父親は誰?」ということで、さらに輪をかけて危機が!
そして、ついに打ち明けられる父親の名の前に、驚きを隠せない一同!
そんな中、ベルナールは冷静に状況を判断。「仮にここモンセギュール城塞が陥落したら、誰が持って逃げるのかを決めておかなきゃならん」
喧々囂々の話し合いの中、立ち上がったのは!?
アクト3の終盤にふさわしい驚きの展開が目白押しです!


2024年4月19日(金) 休刊日 FT新聞 No.4104

休刊日のお知らせ 
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!


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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ghostwriterさん)
子供向けの本とはいえ、かなりの推理小説を網羅しているようですね!
京極夏彦先生の小説に登場する陰陽師、京極堂こと中禅寺秋彦が登場しているのか気になるところです。
そういえば、京極夏彦先生の作家生活30年を記念した「京極堂ドール」が発売されるそうですね。
リアルフィギュアの中禅寺秋彦はあるみたいですが、推理小説作家がドールになるのは京極夏彦先生だけだと思いますよ。

(お返事:かなでひびき)
お便りありがとうございます!
ちょっと残念なことに、この本、最近の名探偵は網羅してないみたいですねー。
私も京極堂先生の「こどもむけ」紹介拝見してみたかった。
あんな特殊な方法で解決するかの名探偵を、どこまでかみ砕いて紹介できるのかな? って感じで。
しかし、京極堂先生のドールが、とうとう発売されるとは!
先にリアルフィギュアの中禅寺秋彦さんが出たのもおどろきですが!
長きにわたって、ファン待望のグッズがでましたよねー。


(ジャラル アフサラールさん)
名探偵紹介ですがご存じと思いますが『名探偵コナン』の紙コミックのバーの裏表紙側のソデ(折り返し部分)に毎巻描かれている「青山剛昌の名探偵図鑑」青山先生がイラストとコメントで世界の名探偵を紹介しているコーナーが面白いです。今回紹介された本にも掲載されている面々(ジェームズ・ボンドもいる(笑))だけでなく、『相棒』杉下右京や古畑任三郎、レントン教授や『ハコヅメ』藤聖子『薬屋のひとりごと』猫猫という幅広い範囲から選出されているのでミステリマニアの小生でも名前しか知らない名探偵がでております。ちなみに『アンナチュラル』の三澄ミコトが紹介されて演じている石原さとみさんは大喜びしたそうです(笑)。

(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
しかし、コナンの『名探偵図鑑』は知っておりましたが、博学なジャラルさんでもご存じない名探偵が紹介されているとは!
世に名探偵の種は尽きまじ! ですねー。
そのうち人類皆名探偵となったミステリとか、発売されないでしょうか?
そうしたら「謎」自体が無くなるという謎を解くということで。
かなでも『岸辺露伴』が紹介されてて、その後の、『岸辺露伴は倒れない』で、岸部先生が「怪異探偵」の扱いを受けて困惑するシーンにムネアツでした!


(ムクロ萬斎さん)
『カエル人が教えてくれたファンタジー創作』はいつも唸らされる内容で楽しみにしている記事です。
今回は家畜としてのオオガエルのくだりでうならされました。
設定の裏側に込められた意味や皮肉が絶妙で、これぞ文字通りの"創作"なのだと思いました。
あ、それとカエルって共食いしちゃうんですね。
知らなかったのでちょっとショックでした(笑)

(お返事:中山将平)
僕の記事をお楽しみいただき、ありがとうございます。
カエル人の創作には「物事を相対化する視点を楽しく共有したい」という目的があります。
意味や皮肉を感じていただけましたら、とても嬉しいです。


(ジャラル アフサラールさん)
カエル人の家畜があるとしたら大型の昆虫かな?と思っていましたが…家畜にするのは草食性の生物だと思うので。まあ地球のカエルは肉食性ですが多くのオタマジャクシは草食性ですので、その性質を残したまま草食性カエルもいる可能性がありますが。

(お返事:中山将平)
ご感想をいただき、ありがとうございます。
オオガエルの食料が実はカエル人にとっても有用であるというお話、また掘り下げて書くのも楽しそうですね。


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