第6回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 海域を封鎖する海賊を退治した後は、クラーケンの居所を探る遠見師エラ・シエロの捜索。 海神ホリィドゥーンの加護を得て、ついに遠見師の島へ到達し、上陸を果たしましたが、巨大な要塞ヤドカリが出現したのでした。 【ヴァルグ レベル19 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル9 技量点1 生命点6/7 筋力点3/4 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック02-7 要塞ヤドカリを止めろ【ハルト】 木々をへし倒すすさまじい音が響きわたる中、その巨体が姿をあらわす。 背中に森を背負ったかのような巨大なヤドカリだ。右のハサミは左の倍以上の大きさがある。大岩でも簡単に砕けそうだ。 「なんて巨大なヤドカリだ。まるで要塞だな」 船長に「要塞」と名づけられたヤドカリの太い脚が地面をえぐり、木々を押し倒し、こちらに向かってくるのだった。 その太い前脚が、森の端に建てられている粗末な小屋にかけられた。 「マジかよ。やべェぜおい」 師匠とオレは猛然と走り出す。 しかしとても間に合わない。 小屋は無惨にも踏みつぶされた。 その寸前に、中からひとりの女性が飛び出してきた。 必死で駆けてくる彼女がきっと、遠見師エラ・シエロなのだろう。 長い銀灰色の髪を緩く後ろで束ねた細身で長身の女性だ。左目には紫色の、宝石のような義眼がはまっている。 ゆったりとした長いローブは走るのには向かず、すぐに転倒してしまう。 オレと師匠はその脇を走り抜ける。 少し遅れて追ってきたハーツデイル船長が、女性を助け起こす声が聞こえた。 師匠は持っている武器を放り出すと、要塞ヤドカリの次の一歩が踏み出される前に、地面にめりこんだ移動用の前脚に飛びついた。 「ぬおおおお!!」 傷だらけの筋肉が膨れ上がり、悲鳴を上げているようだ。 師匠はこの山のようなヤドカリを、人の力で食い止めるつもりなのだ。 オレはでっかい槌で、その前脚を力まかせにぶん殴る。 ガンッ! 金属を殴ったような手ごたえ。けれど固い甲殻には、ヒビのひとつも入らなかった。 「砲撃! 砲撃だ!」 船長が赤い旗を取り出すと、頭上高くぶんぶんと激しく振り回す。 船の方でも異変を察知していたに違いない。砲撃はすぐにきた。 それは狙いあやまたず、ヤドカリの殻の部分に命中し、大きなひび割れを作った。 足もとにオレたちがいるけれど、ポールさんとニーナさんの腕なら信頼できる。 要塞ヤドカリは、ものすごい力で前進を続ける。師匠が踏ん張る足が溝を掘りながら、徐々に後退してゆく。 砲撃を受けながらも、要塞ヤドカリはまったくひるんでいない。 「ハルト、上だ!!」 師匠の叫び。見ると巨大な方のハサミが、今まさに船長と女性に向けて振り下ろされようとしていた。 オレは武器を放り出し、上から来るハサミを両手でがっしりと支えた。 「ぐああ……!」 ものすごい圧力がかかる。足が地面にめり込む。全身がばらばらになりそうだ。 「今のうちに、早く!」 身体を低くして身を護っていた船長たちが安全圏への移動を始めた。 獣の腕がかき立てる闘争本能のおかげもあって、オレは歯をくいしばり、頭上からの圧に耐え続けた。 「もういい! お前たちも離脱しろ!」 船長の合図で、オレはようやく手を離す。解放されたハサミが大地を深くえぐる。 師匠とともに後退するそのとき、本船からの次の砲撃が、ヤドカリの飛び出した目の部分に命中した。 要塞ヤドカリはぎゅっと体を縮め、殻の中にその身を閉じ込めた。 オレたちはその隙に、要塞ヤドカリから十分な距離を取ることができた。 やがて再び殻の外に姿を現したヤドカリは、もうこちらを追う気配はなく、ゆっくりと森の奥へと引き返していったのだった。 [プレイログ] 【要塞ヤドカリ レベル4 生命点7 攻撃回数3 ダメージ2 防御点1】 【0ラウンド】 ポールの砲撃 サイコロの出目4 要塞ヤドカリの生命点7→6 ニーナの砲撃 サイコロの出目6 要塞ヤドカリの生命点6→5 ニーナの追加砲撃 サイコロの出目4 要塞ヤドカリの生命点5→4 【1ラウンド】 ポールの砲撃 サイコロの出目5 要塞ヤドカリの生命点4→3 要塞ヤドカリは逃走した。 宝物判定 サイコロの出目1+修正1 金貨1d6枚 サイコロの出目5 金貨5枚を入手 ●アタック02-8 遠見師の乗船【ポール】 ハーツデイル船長たちは、遠見師エラ・シエロを連れて船へと帰還した。 そのまま船長室で話をするようだ。ヴァルグもハルトも一緒に入ってゆく。 私とニーナは船長室へと呼ばれた。 周辺の警戒は白奴に任せ、船尾の船長室へと入る。 扉を開けると、まず目に入るのは船尾側一面に並んだ大きな窓だった。 エメラルド色の海が、後方いっぱいに広がっている。 部屋は広く、中央に大きな執務机が置かれ、海図が広げられたままになっていた。 簡素な中にも貴族らしい意匠がほどこされた高級感がある。 「見事な砲撃だった。おかげで助かったぞ。感謝する」 船長から直接的なお礼の言葉を賜る。 「どうでえ。俺の連れて来た砲撃手、なかなかのモンだろ」 なぜだかヴァルグが自慢げだ。俺が見つけてきた人材だ、って強調したいんだと思う。 「そうだな。うちのニーナにもひけは取らない。本当にこの船が砲撃手デビューなのか?」 「は、はい……!」 ニーナもお褒めの言葉を頂戴し、ひとしきり会話をした後、本題に入った。 遠見師エラ・シエロは改めて見ると、「遠見師」という名称のイメージどおり、神秘的な雰囲気を身にまとっていた。 「皆さんのおかげで命を救っていただきました」 彼女は感謝の言葉を述べると、一同に向けて深々と頭を下げた。 そして続けて自嘲気味につぶやいた。 「遠見師ともあろう者が、いちばん身近な危険に気づけないとはね」 「灯台の光が届かぬのは、皮肉にもその足元だという」 「はは……違いないね」 船長の指摘に、彼女は力なく笑った。 それほど間を置かず、ハーツデイル船長は、単刀直入に切り出した。 「我々はクラーケン退治を目的にこの海域を航海している。遠見師エラ・シエロよ。協力してはいただけないか」 エラ・シエロの左目……紫色の宝石のような義眼が、静かな淡い光をたたえた。 彼女は少しの間、窓の外のエメラルド色の海を見つめている。窓の向こうの海のかなたに見えたのは、白いイルカか白波か。 やがて彼女は、静かに口を開いた。 「あなた方が今日、ここに来ることはわかっていました。その目的も、すべて」 「では……!」 船長が期待するように身を乗り出す。 「いいでしょう。元々私のもとに来る者には道を示していたのです。その住み家も失われてしまいましたし、命も救われた。あなた方の旅に同行しましょう」 こうして私たちは、貴重な遠見師を得たのだ。 「エラさんはどうして、あんななにもない場所に住んでいたんですか?」 ハルトが、少年らしい素朴な疑問を口にした。 エラ・シエロは少年を静かなまなざしでじっと見つめる。紫色の義眼の光がわずかに強くなった。 「そうか、君がハルトだね。君が来ることも私には視えていたよ。その左腕のことも……」 「獣の腕」のことを直接的に指摘され、ハルトは言葉に詰まる。 そんなハルトに、エラ・シエロは優しく語りかけた。 「まず質問に答えておこうか。私の遠見は『視えすぎる』んだ。それは時に軋轢を生む。まだ君にはわからないかもしれないけれど。だから私は人様とは距離を置いた生活を選んだのだよ」 彼女は少し間を置いてから、静かに続けた。 「ハルト。この旅を続けていけば、君の望みがかなう機会はきっと訪れるだろう。ただそのとき君は、大きな選択を迫られることになる」 「大きな……選択?」 「私に言えるのはここまでだ。私は遠見師であって、未来を見通す者ではないからね」 私はその言葉を聞いて、小さく息を呑んだ。遠見師の言葉とは裏腹に、その言葉は十分に未来を予知しているように思われた。 ハルトの願いを私は知っている。あの獣の腕の呪いを解くこと。 彼女は、それが実現するかもしれないとほのめかしたのだ。しかしそこには、重大な選択がともなうと。 それはハルトにとっての希望になるのだろうか。もしかしたら重荷になるかもしれない。 ハルトはまだ言葉を発することができず、ただエラ・シエロの紫色の義眼をじっと見つめていた。 ヴァルグはそんなハルトの様子を、ただ黙って見据えていた。あえて表情を消しているのか、その様子からは何の感情も読み取ることはできなかった。 ●アタック03-1 船長の訓示【ポール】 「我々は『遠見師』エラ・シエロを得た! ここまで船の損傷はなく、備蓄も潤沢にある」 乗組員が甲板に集合し整列する中、ハーツデイル船長が高らかに宣言した。 「本船はこのまま引き続き、クラーケンの討伐に向かう!」 乗組員にどよめきが広がった。 「へ。ようやくきやがったか。待ちくたびれたぜ」 ヴァルグは満面に喜色をたたえている。 「これまでは探索重視の旅路だったが、ここからは航海に全振りする。一直線にクラーケンを目指すぞ。いいな、エラ」 エラは遠見の水晶をかざす。それは手から離れて空中に漂っている。義眼が強い紫の光をたたえる。 「あちらの方角です」 エラは一方を指し示した。 「見たな操舵手。東南東へ舵を取れ!」 船長の号令一下、乗組員たちは一斉に動き出した。 [プレイログ] ヴァルグ レベル19→20 ハルト レベル9→10 成長の詳細は後述 ●アタック03-2 海の月夜に疾走る馬【ポール】 海はそのときどきで様々な表情を見せる。 この先も、きっと様々な出来事が私たちを待ち受けているのだろう。 そんな海のど真ん中で、操業中のフジツボハンターに遭遇したときは本当に驚いた。 「お化けフジツボ」と呼ばれる巨大な個体を専門に剥がし、捕獲する危険な仕事だという。 巨大フジツボは可食部こそ少ないものの、珍味として高値で取引されているらしい。 また、その強力な吸着力の元となる部位からは、水中でも使える強力な接着剤が採れるという。 フジツボハンターは、両方を目当てに命がけで海を渡っているそうだ。 情報交換をしてみたが、互いに特に有益な話は得られなかった。 フジツボハンターと別れてしばし。 やがて、私たちは座礁した客船『トリスタリア号』を発見した。 念のため内部を探索したが、乗客も乗員も誰もいなかった。皆、無事に脱出できたのだろう。 「残念だな……。この船底なら、かなりのフジツボが張り付いていそうなものなのに」 順番が違えば、さっきのハンターに教えてやれたものを。 今さら連絡する手段はない。 そうした順調な船旅ばかりではない。 夜。 けたたましい警鐘の音が響き渡る。 「後方から接近してくる何者かがいます! あれは……馬!? 馬が海上を疾走しています!」 私が起き出すと、見張り台の乗組員が慌てふためいて大声を上げている。 「海を走る馬だァ?! ンなバカげたもんがこの世にいるのか」 ぼさぼさの頭をボリボリかきながら、ヴァルグが甲板に現れた。 「たぶんそれは『ケルピー』だな」 まだ起きていたらしい白奴がヴァルグに淡々と説明する。 「船乗りたちを海へと引きずり込む、凶悪にして凶暴な海の魔物だ」 「つまり、俺の出番ってェわけだな」 遅れてハルトも巨大な槌を携え、甲板に出てきた。 着替える暇も惜しんでか、獣の腕はむき出しのままだ。 ヒースもしっかりとついてきている。 その頃にはケルピーは、水しぶきを上げながら本船と並走していた。 月明かりに照らされたその姿は、馬のようだがはるかに大きい。 また、光の反射だけでなく、それ自体もほのかな燐光を放っていた。 深紅に染まった瞳は不気味に輝いている。 「来るぞ!」 ケルピーは急に方向を変えると大きく跳躍し、船の側面に前脚をかけ、上半身を甲板へと乗り上げてきた。 燐光を放つ身体から滴る海水が、月光にきらめきながら飛び散る。前脚が豪快に振り下ろされ、甲板にいた乗組員を薙ぎ払う動きを見せた。 「うおおおっ!」 走り込んできたヴァルグが、力まかせに前脚をぶった斬る。 切断された前脚が、ごろんと甲板に転がる。 「グギャアアア!」 悲鳴とも怒号ともつかない鳴き声を上げながら、それでもケルピーは止まらず、もう一方の脚でヴァルグを薙ぎ払った。 ヴァルグはごろごろと転がり、反対側の欄干にぶつかってようやく止まった。 「ぐゥッ……ってェなこの野郎!!」 「師匠!」 ハルトは援護に回るが、彼の大振りな攻撃は、簡単に避けられてしまう。 その隙にヒースの放った火の玉が、ケルピーの顔面に命中した。 ケルピーは激しく暴れながらつんのめり、そのまま海へと落ちていった。 ざばん、と水音がし……静かになった。 撃退……したのか? 「ヒース、よくやった!」「ギャウ!」 ハルトがヒースを抱きしめ、ねぎらう。 「チッ。痛み分けは性に合わねェんだよ」 ヴァルグは立ち上がりながら、切断した前脚をにらみつけ、不満げに舌打ちしたのだった。 次回、クラーケンぶっ殺し号に予期せぬ新たな乗員が? [プレイログ] 【24 フジツボハンター】 反応表 サイコロの出目5 友好的 【33 見かけない船】 座礁した客船「トリスタリア号」を発見。座標の目印になる。 【61 ケルピー】 【レベル5 生命点2 攻撃回数2】 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目1 外れ 【1ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目3+修正1 外れ ヴァルグの攻撃 サイコロの出目4+修正2 命中 ケルピーの生命点2→1 ハルトの攻撃 サイコロの出目2+修正1 外れ ケルピーの攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目6 回避 【十字剣】発動。次ラウンドのケルピーのレベル5→4 ・ハルトの回避 サイコロの出目6 回避 【2ラウンド】 ・ヒースの攻撃 サイコロの出目3+修正1 命中 ケルピーの生命点1→0 勝利 宝物判定なし。 【ヴァルグ レベル19→20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】20→25 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 精巧なアクセサリー(金貨120枚) 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】2 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル9→10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】45 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 狼の刻印の腕輪(金貨12枚) エメラルド(金貨30枚) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】1 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年9月2日水曜日
2026年9月1日火曜日
冒険は君の手で作れ! 第2回 FT新聞 No.4969
■冒険は君の手で作れ! 第2回■ おはようございます。紫隠ねこです。 FT書房が送り出す、30分で遊べる1人用TRPG『ローグライクハーフ』。 イタリアのゲームデザイナー、アンドレア・スフィリゴイが2017年に発表した『Four Against Darkness(以下4AD)』に着想を得て制作された作品です。 サイコロを振って、ダンジョンを舞台にした冒険を体験できる1人用RPG。 そこにプレイヤーの想像力を加えることで、自分だけの物語を作り上げていくことができます。 今回の記事では、4ADのサプリメントとシナリオブックの一部をご紹介しようと思います。 ◆豊富なサプリメント 『Four Against Darkness』シリーズでは、冒険とルールを拡張するサプリメントとシナリオブックが数多く発表されています。 とは言え、すべてのサプリメントに記載されたルールを導入するとプレイヤーが管理しきれなくなってしまいまいます。 そのことは作者であるスフィリゴイも把握しているようで、公式のフォーラムでも「オプションルールの取捨選択をする事も大切」と述べており、どのテーマで遊ぶのかは読者の自由となっています。 追加クラスや、汎用的なオプションルールは扱いやすく、自分にとって必要な部分だけを翻訳すれば、すぐにゲームに利用することができます。 シナリオブックの物語性については、幾つかのタイプがあります。 【A】固有のダンジョンテーマのみで、特に「物語」を含んでいない作品(この場合、冒険する土地で個性を出しています) 【B】固有のダンジョンテーマを持っており、冒険開始時にサイコロを振り「使命(ミッション)」を決める作品。 【C】冒険の使命が、最初に設定されている作品。 Cタイプは、複数の章によって構成されたシナリオ、または4ADの同人誌『The Lantern』でよく見かけます。『The Lantern』は、ファンが寄稿したシナリオが収録されている事もあって、ダンジョンが固定マップだったり、そのシナリオ特有の物語性を含んでいたりします。 ◆ゲームシステムの拡張 以下のサプリメントは、高レベルのキャラクターをサポートします。 ・『Four Against the Abyss』(奈落に挑みし四戦士) レベル5-9のキャラクターをサポートする中級ルール。 冒険者ランク「エキスパート」に対応する技能と魔法のリスト、冒険者を支援する「雇い人(従者)」と「専門家(町の施設)」のデータ、冒険の最終的な目標を設定する「キャンペーン・プロット」、アンデッドや獣人がさまようダンジョン「Abyss(奈落)」の各種ダイスロール表が収録されています(ただし、Abyss専用のマップタイルはありません)。 ・『Four Against the Fosaken Depths』(見捨てられた深淵の四戦士) レベル10-19のキャラクターをサポートする上級ルール。 冒険者ランク「ヒロイック」「レジェンダリー」に対応する技能と魔法のリスト、地下水脈が流れる洞窟を探索する「Forsaken Depths(見捨てられた深淵)」の各種ダイスロール表とマップタイルが収録されています。 上級ルールで習得できる技能は、各クラス準拠ではなく、任意で選ぶことができます(ただし、一部の技能は習得に制限がついてます) ◆追加クラス 以下のサプリメントは、追加クラスに特化した作品です。 ・『Concise Collection of Classes』(クラスの簡潔なコレクション) 9つの新クラス、新しい装備品と技能に加えて、6つのドワーフ氏族を紹介しているサプリメントです。 前半部分の新クラスは、敵にダメージを与えることを専門とする前衛職が多く、特殊ルールも少ないため、割と扱いやすい内容になっています。 後半部分のドワーフ氏族の紹介は、ノリンダールを舞台としたTRPG『Advanced Song of Blades and Heroes』の設定資料なのですが、『Four Against Darkness』用のデータも掲載されており、パーティ内のドワーフに個性をつけるオプションとしても利用する事ができます。 またパーティの実力が高ければ、各氏族の長と一緒に冒険する事も可能となっています。 ・『Wayfarers and Adventurers』(放浪者と冒険者) 5つの追加クラス、6つの追加魔法、旅立つ冒険者に個性を持たせる「キャラクター特性」と「冒険の目標(実績)」、2種類の新たな騎乗生物、低レベルの冒険者用の「追加ミニオン表」などを実装するサプリメントです。 キャラクターに個性を持たせる事に重点が置かれているため、エキスパート技能が習得できる『Four Against the Abyss』と組み合わせると、パーティ内に同じクラスが複数いたとしても、それぞれ違った冒険者に育成する事が可能になります。 追加クラスには、自然の力を魔法として駆使する「ドルイド僧」、気を使いこなす格闘家「マーシャル・ミスティック(練気術士)」、独自の発明品で戦う「ノーム」などがいます。特殊ルールの量も多いため、扱いこなすには癖が強いのですが、彼らをパーティに加える事によって、通常とは異なる戦術でモンスターに立ち向かう事ができるでしょう。 ・『Delvers and Wanderers』(探求者と放浪者) 11種類の追加クラス、それらのクラスに対応したシークレット(『手がかり』と引き換えに獲得するボーナス)、町の下水道をダンジョンとして探索する「Down in the Sewers of Jamash」の各種ダイスロール表とマップタイルが収録されています。 追加クラスには、飛び道具の専門家である「レンジャー」、長柄武器を自在に操る「槍使い」、短剣二刀流で戦う「軽剣闘士」などの前衛向けのクラスの他、森エルフとノームの混血である「グネルフ」や、各地を渡り歩く「放浪者」などの野外の冒険を得意とするクラスも収録されています。 ◆ツイステッド・シリーズ 以下のサプリメントは、冒険のランダム性を増やすオプションルール集です。汎用性が高く、どの冒険にも使うことができます。 ・『Twisted Minions』(歪められしミニオン) ダンジョンで遭遇する「ミニオン」のモンスターに、変わった個性を持たせます。 ミニオンの個性は100面サイコロで決定されるため、彼らと遭遇するたびに、通常の遭遇とは異なる体験をする事ができます。 攻城兵器のバリスタを設置して冒険者を待ち構えるミニオンや、数多の戦いを経験してきた古参のミニオンが出現したりと、冒険をさらに手強く魅力的なものにしてくれるでしょう。 ・『Twisted Final Fights』(歪められし決戦) 各冒険の最後に戦う「ファイナル・ボス」が、独自の個性を持ったモンスターにセッティングされます。その種類は、なんと48体! 倒した時に入手できる戦利品も、専用の宝物表で決めることになるため、何とも倒しがいのあるライバルとなっています。 ファイナル・ボスを扱ったキャンペーン用のプロットも追加されており、互いに対立しているボスキャラの一方に冒険者たちが雇われるというユニークな冒険を行う事もできます。 ・『Twisted Hoards』(歪められし宝物庫) 冒険の中で手に入れられる宝物にスポットを当てたサプリメントです。 通常の宝物表と差し替えて使用することになり、100面サイコロによって、それまで目にしなかった不思議な装備品を獲得することができます。 また巻末のおまけとして、パーティの誰かにダンジョンのマッピングを担当させる「マッパー」に関するオプションルールが掲載されています。 ・『Twisted Dungeons』(歪められしダンジョン) 冒険開始前に8面サイコロを2個振り、それぞれを十の位と一の位とした「d88」システムによって、そのときに探索するダンジョンの特殊ルールを作成するサプリメントです。 ダンジョンに個性を持たせ、それを冒険者たちの物語を作るためのフックとして利用することもできます。 ◆シナリオブック 以下のサプリメントは、独自のテーマに沿った冒険を楽しむことができる作品です。 ・『Dark Waters』(暗き水域) 【レベル1-2を推奨】 2章構成のシナリオで、大商人オーフェルドからの依頼で、海賊に強奪された「サメの神のテザニーの黄金像」を取り戻すことが目的です。 前半は地図に沿って探索を進める固定ダンジョン、後半は通常のランダム生成によるダンジョンを探索していきます。 後半部分は海底神殿が舞台になっており、各種ダイスロール表では、水域に関わるモンスターやイベントが登場するようになります(ただし、専用のマップタイルはありません)。 ・『Court of the Pixie King』(妖精王の宮廷) 【レベル1以上を推奨】 森に覆われた妖精郷。妖精王からの依頼を受けた冒険者たちは、ある使命を果たすために冒険に旅立ちます。 冒険の目的は6種類あり、個別に遊ぶこともできますが、すべての使命を成し遂げるキャンペーンに限り、妖精郷にとって最大の危機を食い止めるクライマックスを体験することができます。 各種ダイスロール表は、森や妖精に関わるモンスターやイベントが登場し、専用のマップタイルも付属します。 巻末には、追加クラスとして「フェアリー」と「ボグフライ」の小妖精の種族データに加えて、ノームが扱える追加の「からくり」や、新たなドルイド魔法も収録されています(※追加クラス「ノーム」と「ドルイド」のデータは、『Wayfarers and Adventurers』に収録) ・『The Bone Cult of Tha'ar Tala』(タアル・タラの白骨教団) 【すべてのレベルに対応】 パラクシの町では、悪魔タアル・タラを信仰する白骨教団たちによって、子供たちが誘拐されるという事件が起きています。 ハリグ上院議員からの依頼を受けた冒険者たちは、彼の娘フルダを含む子供たちを救出するために、教団の拠点となっている廃教会を探索することになります。 3章構成のシナリオで、第1章では廃教会を、第2章では地下聖堂を探索した後、第3章で教団との総力戦(この章はボス戦のみ)となります。2つのダンジョンは、どちらも固定ダンジョンとなっています。 ・『Echoes of the Dead』(死の残響) 【レベル1を推奨】 都市郊外の地下聖堂に、不死の存在とされるアンデッドたちが集いつつある。その調査のために地下聖堂へと向かったファロウ神父ですが、いまだに戻ってくる様子がありません。 教会からの依頼で、冒険者たちはファロウ神父の行方を探し、さらにアンデッドの脅威を打ち払うことになります。 3章構成のシナリオで、それぞれの章ではランダムによって生成されたダンジョンを探索します。章ごとで、特殊イベントと入手できる魔法の宝物が異なっているため、リプレイ性が高くなっています。 ・『Saumora Island of Secrets』(秘境のサウモラ島) 【すべてのレベルに対応】 切り立った山岳地帯と、鬱蒼としたジャングルが特徴的なサウモラ島。この土地では、独自の生態系が育まれているとも言われています。 このシナリオは野外の冒険であるため、付属の地図を使って1マスずつ探索を進めていくことになります。移動するたびにキャラクターの「食料」が減っていくため、探索は計画的に行わなければなりません。 冒険の目的は6種類あり、プレイヤーはそれをランダム、または任意で選ぶことができます。倒したモンスターを解体し、それを素材とした装備品を作成できる要素もあるため、ハンティング的な楽しみも味わえます。 ・『Lost Temples of Qaarra』(クアラの失われた神殿) 【レベル6以上を推奨】 中級ルールに対応した最初のシナリオブックです。 混沌の勢力との戦いによって滅亡した古代都市クアラ。その象徴とされていたのが、ノリンダール世界の神々を祀った神殿であり、激戦の中で持ち出すことのできなかった宝物も数多く眠っています。 これらの神殿は複数階の構造になっており、神殿と関連する使命が6種類も用意されているので、通常よりも歯ごたえのある冒険を体験できます。 巻末には追加クラスとして、特殊な武器やゴーレムを作成できる「工匠」と、水晶を使った独自の魔法を使う「水晶術師」のデータが収録されています。 ◆最後に サプリメントが無くても遊ぶことができる4ADですが、魅力的なオプションと想像力を組み合わせることによって、その世界は大きく広がっていくことになります。 あなたはキャラクターたちに、どのような冒険を体験させたいですか? 次回では、4ADのゲームプレイについて語ろうと思います。それではまた! 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2026年8月31日月曜日
【予告】9月配信のローグライクハーフ作品のお知らせ☆ FT新聞 No.4968
おはようございます、 自宅の書斎から、杉本です☆ ◆「ハンティング・ペストガール」の延期。 「ガルアーダの塔」のローグライクハーフ版を刊行するために奮闘しております。 9月なかばを入稿日と設定しているため、今はそのための準備でおおわらわです。 紫隠ねこさんと「どうしようか、まずいね」と相談を交わしておりました。 9月配信予定のローグライクハーフ最新d66シナリオである「ハンティング・ペストガール」と制作時期が重なっているからです。 ◆アンケートへのご協力、ありがとうございます! 先日行いましたアンケートへのご協力、ありがとうございました! アンケートの上位3作品を発表します☆ ばばん! ・第1位:堕落都市の迷宮 ・第2位:ガルアーダの塔 ・第2位:昆虫都市 結果をみて、とても驚きました☆ 私のなかの1位は「死霊沼の聖母」だったからです……アンケートは大事ですね! さて、アンケートを集計中に、「ローグライクハーフ」の総監修である紫隠ねこさんが、ポロリとあることをつぶやかれました。 「『桜森と冬の終わり』は未配信なので、このアンケートは判断が難しいですね……。」 と。 ◆そうだ! 配信をしよう!! 私はそのひと言を聞いて、「あっ」と思いました★ 「桜森と冬の終わり」を配信するタイミングを窺っているうちに、今に至っていることを思い出したからです。 それで、9月の第1日曜日の日曜配信枠を使って、配信を行うことを決定いたしました。 長々とお待たせしてすみません……制作に携わった1人1人に、お詫びと感謝を申し上げます。 ◆「ハンティング・ペストガール」は? 10月以降のシナリオ配信予定は、また改めてお知らせしてまいります。 10月29日にはFT書房が20周年を迎えることですし、盛り上がっていきたいですね☆ お読みいただき、ありがとうございます。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月30日日曜日
ローグライクハーフ・都市サプリメント【商業都市ナゴール】&新職業【剣闘士】 FT新聞 No.4967
おはようございます。 FT新聞編集長の水波です。 9月第1日曜日は、2025年に行ったFT新聞の読者参加企画「フォレストマスターへの道」で、投稿されたできごとを元に制作された、みんなで作るd66シナリオ『桜森と冬の終わり』を配信いたします。 本日はそれに伴いまして、その舞台となる「都市サプリメント:商業都市ナゴール」と新職業【剣闘士】を再配信いたします! ◆商業都市ナゴール ナゴールは今も昔も活発な商業都市であり、明るく働く人間とコビットの姿を見ることができる。 外国人や異種族が多く、人々は平和的で明るい。 海外貿易も盛んに行われているため、ジンドやキナ出身の商人のための異大陸館も存在する。 王がいない都市として有名。表向きは民衆を第一に考える代表者4人が物事を決定する権利を持つとあるが、実際のところその4人は金で決まる。 ↓ 都市サプリメント:商業都市ナゴール https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_Nagor.txt ◆【剣闘士】 都市の闘技場で、見世物としての戦いを披露する者を【剣闘士】と呼びます。 【剣闘士】は【筋力点】の副能力値を持ちます。 ↓新職業【剣闘士】 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_NewClass_Gladiator.txt ↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月29日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第707号 FT新聞 No.4966
From:水波流 以前、夏らしく、水に潜る話を書こうとお話しておりましたが、 ローグライクハーフのd33シナリオとして書き進めています。 順調に進んでいるため、このままいけば10月にはFT新聞で配信できるかな? (その頃には、涼しくなってしまいますが……笑) From:葉山海月 財布を忘れる。 慌てて取りに帰って戻ってきたら「財布の中身がからっぽだった」ということを忘れている。 From:中山将平 僕ら、9月6日(日)「こみっくトレジャー48」(開催地はインテックス大阪)にサークル参加します。 配置は【D08b】です。 僕自身も、ギルド黄金の蛙でサークル参加します。 こちらの配置は【C14a】です。 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■8/23(日)~8/28(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年8月23日(日)天狗ろむ FT新聞 No.4960 ローグライクハーフシナリオソムリエ その7『テラーエイト 〜Terror Eight〜』 ・編集部員・天狗ろむがお送りする、個人制作シナリオ紹介の第7弾をお届けしました。 今回のシナリオは何とにこたんさんとAIとの合作! ローグライクハーフのシナリオを書いてみたいけど、一人ではちょっと出来ないかも……という方には、こんな方法での作り方もアリではないでしょうか。 シナリオ内容はホラーですので、まだ暑いこの時期にヒンヤリできるかも? 思わぬどんでん返しがありますので、どうぞ最後まで気を引き締めて挑んでみてください! プレイ報告やご感想、そしてシナリオ紹介記事の寄稿はいつでもお待ちしております〜! (編集註:メールでの配信時、タイトルが文字化けしておりました。大変失礼致しました!) (天) 2026年8月24日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4961 ☆新作告知☆ ・きたる2026年10月16-17日に、東京で開催されますゲームマーケット。FT書房からは「ローグライクハーフ版 ガルアーダの塔」を刊行いたします! ある作品が発想の元となり、ゲームブックから始まった「ガルアーダの塔」の連載初出は、貫禄のNo.57。本誌も長い塔をのぼってきたものです。 この塔をNo.4966階までのぼる間に起こった、山あり谷ありの出来事については、当記事をご覧ください。 作品には、「都市サプリメント:聖フランチェスコ市」「新職業:道化師」も収録!! まだまだ塔の冒険は止まりません。 これまでに配信した「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の製品化についてのアンケートにもぜひお答えください! (明) 2026年8月25日(火)中山将平 FT新聞 No.4962 中山将平の個人サークル「ギルド黄金の蛙」出張所 第2回 ・先日の夏コミにて、イラストレーター中山将平氏による創作コンテンツ、「カエルの勇者ケロナイツ」シリーズの新作が刊行されました。 そのタイトルは、『創作・RPG・ファンタジー汎用異種族設定集 カエル人の全て(衣食住編)』。1月に刊行された「魔法と儀式編」とあわせて24人の「ケロナイツ」たち全員が出揃い、カエル人たちの社会や生活の様子についても、衣食住はもとより「掟と裁判」「異種族との関係」など、さまざまな角度から知ることができる充実の一冊になっています。気になる次作以降の情報も含め、ぜひ記事にてご確認ください! (く) 2026年8月26日(水)ぜろ FT新聞 No.4963 第5回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第507回。 今回の主人公は筋骨隆々な傭兵・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れ、「獣の腕」を宿す少年・ハルト。 二人は「クラーケンぶっ殺し号」に乗って、クラーケン探しに欠かせない「遠見師」を迎えに行く航海中です。 海神の導きによって辿り着いた島では宝を守る魔狼が待ち構えていたり、幽霊船との砲撃戦をしたり、今回も海洋冒険らしさが盛り沢山! 遠見師のいる島に辿り着くと、現れたのは森を背負っているかのような巨大生物……果たして、ヴァルグ一行は勝てるでしょうか! (天) 2026年8月27日(木)東洋夏 FT新聞 No.4964 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.9 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第9回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、途中で従者のドワーフ・アルゴットを喪いながら、従者のコビット・ヨンと共にとうとう先頭車両に辿り着き、黒幕ダゲン・ラ・バーゲズと対峙します。 彼に操られているらしき女騎士グロリアとの戦いでは、ヨンがおもろじゃない事態に……! 怒りに燃えるシグナスを嘲笑うバーゲズ。この戦いは、絶対に負けられません! (天) 2026年8月28日(金)休刊日 FT新聞 No.4965 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月28日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4965
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月27日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.9 FT新聞 No.4964
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.9 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。 冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロ。そして従者に「面白いこと」を愛するコビット族のヨンという布陣で進んでいきます。 前回vol.8では、ついに〈怨霊列車〉の主ダゲン・ラ・バーゲズと対峙。躯(むくろ)を「役者」と称して蒐集する最悪のコレクターであるバーゲズは、シグナスたちに女騎士グロリアをけしかけます。従者アルゴットを手にかけた因縁の相手であるグロリアは、どうやらバーゲズに操られているようなのですが……。 さて、女騎士グロリアとの対決は如何なる次第となりますでしょうか? なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 いざ出発と参りましょう! ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:4 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料1食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:6 ・器用点:3 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし ◇ [先頭車両]最終イベント (承前) 「行きます!」 シグナスは覚悟を決めて前に飛び出した。グロリアの動きは速いが、稚拙に感じられる。もしかしたら彼女の意識と、何か男の魔力のようなものが、せめぎ合っているのかもしれない。ならば攻め立てるのは今だ。全身全霊で斬り込む。 (※〈騎士グロリア〉はレベル4、生命点4、攻撃数2。反応表は「死ぬまで戦う」。手がかりを消費すれば彼女が意識を取り戻して戦闘終了するのですが、残念ながら未獲得。戦うしかありません。バーゲズとの戦闘もありそうですから、ここはクロの【凶器乱舞】を控え、1ラウンドから戦闘開始します。1ラウンド、シグナス【全力攻撃】を選んで成功。クロ、ヨンの攻撃は失敗。防御はシグナスとクロで対応して、成功) 「やあっ!」 グロリアと真っ向から撃ち合っては勝算が薄いと見、シグナスは相手の剣をかわして懐に潜り込み、脇の下に切先を突き立てた。 「おお、いいぞ!」 玉座の男が興奮のままに肘掛けを叩いて喚く。シグナスはそちらを努めて見ないようにする。 痛みを感じているのか、いないのか。グロリアの動きはぎこちないままで、剣の軌道も読みやすかった。日頃の鍛錬が身になってきたのかもしれない。数ヶ月前、悪夢連続殺人事件の渦中にあったころの自分なら、何も分からずに斬られていただろう。主人ノックスが個人的につけてくれた鬼のような剣術特訓にも、ちゃんと意味があったのだ。 (※畳みかけましょう! 2ラウンドはシグナスとクロの攻撃が成功。防御は均等に振り分ける原則からシグナスとヨンです。シグナス成功、そしてヨン……大失敗。ああ……) シグナスはグロリアの手首を狙って突き入れる。綺麗に入った刺突の衝撃でグロリアの手から剣がすっぽ抜けた。床を転がっていく剣を、目端のきくヨンが素早く捕まえてグロリアから遠ざける。 グロリアの注意が剣に向いた機を捉えて、ここぞとばかりにクロが急襲。グロリアの背後から体当たりする。その一撃は脆くなっていた甲冑ごと刺し貫いた。 しかしグロリアはなおも平然と動く。背中にクロを突き刺したまま、剣を抱えたヨンに向かって進む。 「捕まらないよ、おもろじゃないんでね!」 ヨンは軽やかに飛び退いた。そのはずだった。掴み掛かったグロリアのリーチの外へ、確実に距離を置いたはずだった。グロリアが人体の構造の限界を超えなければ。 ばきり、という破裂音が響くと同時に、シグナスは信じがたい光景を目の当たりにする。グロリアの腕が凄まじい速さで〈伸びた〉のだ。 「ヨンさん逃げて!」 シグナスは警告を叫ぶしかできない。クロはグロリアの背中で身を捩るが、何かに押さえつけられて抜けない。ヨンはグロリアの左手に捕まって躯の壁に押し付けられ、右手で剣を取り返され、そして首に真一文字の鮮やかな赤い線が開かれた。 「ヨンさん!」 一拍遅れて傷から血が吹き出す。あれほど雄弁だったコビットの口からは、何の言葉も転がり出しては来ない。ねえ、ヨンさん、その冗談こそおもろじゃないよ……。 シグナスは嵐の只中に立っているようだった。轟々と耳鳴りがし、視界はびしょ濡れで何も見えず、手足は我が物ではない力に引っ張られてふらついている。何かを叫んでいるような気もしたが、分からない。 その世界を破ったのは拍手の音。玉座から身を乗り出したバーゲズが、感無量の顔で喝采を送っていた。 「どうかね、シグナス。炎を操る剣、起き上がる骸骨の家臣、記憶喪失風味、それから今のが最新のギミック、伸びる腕だ! おおそして忘れてはならぬスパイス、失われる友人! 波乱にはバリエーションのあった方が面白いだろう。観客は飽き性だからな、仕掛けも常に驚きを持たせねばならぬ。お前の躯には何を仕掛けようかシグナス。何をしたらお前の主人は喜ぶかね? ん?」 「だ……」 「もう少し大きな声で発言したまえ」 「黙れっ!」 「おっほほぅ、これは良い。怒ったか。正義の為に怒っている。合格と言いたいところだが」 玉座の男が指を動かすと、グロリアがシグナスに向かってきた。その腕はまたも伸び始め、先ほどとは違う角度に曲がりながら、剣の切先がシグナスの心臓を狙っている。 「さあどうする、切り抜けてみせよ!」 (※3ラウンド。シグナス、【全力攻撃】を選んで成功! グロリアの生命点が0になりました) この時、シグナスの精神は怒りと混乱が極まって真っ白な状態だった。何もない。だからこそ、迷わず動けたのだろう。ここはナリクのリエンス屋敷の裏庭で、主人ノックスが傍にいる気がした。 『相手よりも得物が短ければ、懐に飛び込むことだ。迷うな。速さで勝れば良い』 シグナスは腕を無視する。死中にあって働いた勘だった。玉座の男がグロリアを操っているなら、騎士としてのグロリアの運動能力は削がれているはずだと。びゅんと音を立てて耳の横を剣が通り過ぎる。シグナスはグロリアの胸に深々と剣を突き立てた。 「そこまで!」 玉座の主の一声で、グロリアの体から力が抜ける。女騎士は糸を切られた操り人形のようにばたりと床に倒れ、ぴくりとも動かなくなった。その背中からようやく解放されたクロが這々の体で抜け出して、シグナスに寄り添う。 「素晴らしい友情だ。私はゴーレムをコレクションに加えるのは初めてだが、上手く処理してみせよう。揃いで運用する」 「バーゲズ卿、僕はあなたを許しません」 高笑いが玉座の間を満たした。壁に押し込まれた躯たちが、どちらに同意を示しているものか、かたかたと細かく震える。 「おおシグナスよ。前座として楽しませてもらった故、今の無礼は許す。だが我が手中に収むるのは既定の事実であることを忘れるな」 「決まってない」 「オリジナリティを出そうとする。良い。これは独創的に違いない。健気な従騎士とゴーレム。その魂を握られて我が身を差し出す聖騎士は、猟犬の異名を持つ冷酷非情と思われた悪魔殺し。万雷の拍手で迎えられることであろう! 決めたぞシグナス。お前たち主従を揃えたら、列車はナリクへ飛ぶ。聖騎士団だ。合戦をさせよう。王女をさらい、飛竜の炎で焼き尽くされる様を演じる我が聖騎士団!」 シグナスは玉座の主に剣を突き付けた。 「卿、あなたと何も話す必要がないことは分かりました。絶対に、許さない!」 「そう急くな。お前のポテンシャルを全て引き出してやらねばならん。どれ」 玉座の主が指を鳴らすと、突然グロリアの躯が爆発する。 (※最終イベント第2ラウンドのゴングが鳴ります。シグナスくん、負けるんじゃないぞ! 〈怨霊公爵ダゲン・ラ・バーゲズ〉はレベル5、生命点4、攻撃数3。0ラウンドに非情にもグロリアの躯を爆発させることで攻撃を加えてきます。この攻撃は奇襲かと思いますので、先に処理しましょう。対象は1d3名。ここは1名と出ましたので、シグナスで対応します。【生命ロール】(目標値5)に対し、出目2でセーフ) 「うっ……!?」 シグナスは直撃をかろうじて避けたが、突然の炎に目が眩んだ。 「はははははは、仕掛は多い方が良い!」 (※引き続き0ラウンド、クロ【凶器乱舞】成功。1ラウンドの攻撃はシグナスが【全力攻撃】を成功させます。防御はシグナス2回、クロ1回で割り振ります。この防御でシグナスくんが大失敗(ファンブル)しますが、車掌さんのパッチン♪パワーによって成功に転換します。そしてクロもひっそり防御失敗) 剣を手にした玉座の主が、炎の幕の向こうから飛び出してくる。あわやというところで、クロが鋭く宙を舞って、剣を振り上げた玉座の主の腕をすっぱりと斬り落とした。ごとりと床に落ちたその腕は、白骨である。 「そうだ、お前のポテンシャルも引き出してやらねばならんのであったな!」 「真っ平御免だ」 「拒否権が無いという事実が飲み込めんとみえる。これだから平民は」 シグナスが飛びかかる。その一撃は、見事に玉座の主のもう一方の腕を斬り落とした。白骨が、がらがらと音を立てて床に散らばる。ダゲン・ラ・バーゲズもとっくに生者では無くなっているのだ。 「これ以上、戦う必要はありません。あなたは武器が持てないんですから。降参を!」 「うむ良い良い。その展開も鑑賞者を楽しませる。斬り込んでみよ」 「なにを……っ!?」 「挑発に乗るなシグナス!」 「勇気はどうした、聖騎士シグナス」 玉座の主の無防備な胴体を目掛けて突進しようとしたシグナスは、耳元で「緊急信号!」と叫ぶ声に不意を撃たれて、たたらを踏む。その靴先を掠めて白骨の爪が振り下ろされ、激しく床を削った。白骨で抉られた床は瞬間的に氷結する。足を止めなければ、今ごろ引き裂かれた体ごと氷漬けになっていたはずだ。 その一方、シグナスのすぐ横を飛んでいたクロは別の白骨の手に追いかけられている。それぞれに剣を持った二本の手。正確無比な剣撃は達人のそれで、しかもグロリアのそれのように伸縮自在な骨の腕ときた。自分よりも格上の〈おどる剣〉に追い立てられるのと等しい話で、瞬く間にクロは防戦一方に追い込まれ、数合の斬り合いの後ついに撃墜された。床に叩きつけられたクロは、屈辱に悶える。鎌首をもたげた二本の腕が、剣の切先を絡ませて嘲笑っていた。 「おお、どうやって避けた?」 玉座の主はシグナスに興味津々である。しげしげとその顔を覗き込み、 「あやつか! 車掌の分際で余計なことをしよってからに。まあ良い、続きだ。この幕は長いほど楽しめるであろう」 ◇ 今回のリプレイはここまでです。 ヨンさんとのお別れの時が来てしまいました。 厳しさもまたローグライクハーフの醍醐味とはいえ、短いながら印象的な人物であったがために別れの寂しさもひとしお。 元凶たるバーゲズに完膚なきまでに勝利して、はなむけとしたいところです。 ねえヨンさん、シグと剣どんのこと、もう少しだけ見守っていてくださいね。 それでは、また最終車両にてお目にかかりましょう。 良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。 ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。グロリアとの最後の対決にて落命。 ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。 ・グロリア…サン・サレンの女騎士。バーゲズの命令でシグナスに襲い掛かるが……。 ・ダゲン・ラ・バーゲズ…〈怨霊列車〉の主。役者と称して躯(むくろ)を蒐集する、最悪の手合い。 ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。