第4回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦。妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガの冒険です。
目の前でコーネリアス商会の令嬢コンスタンサがオウカンワシにさらわれるのを目撃したタイガたち。
助けるために巨大樹の中腹にてオウカンワシと対決しますが、そこに令嬢はいませんでした。
さらなる高度を目指し、タイガたちの冒険は続きます。
【フォルネ(妖狐) レベル11 技量点:2 生命点:4 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル11 技量点:1 生命点:10 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨25
1ロープ
2ロープ
●アタック02-2 タイガと空飛ぶ鮫
【62 飛鮫(とびざめ)】
観測所でこの先のルートをある程度把握した僕たちは、巨大樹登りを再開した。
このあたりは、基本的には幹をぐるりと周回しながら登る階段状の道になっている。
苔むして滑りやすいところもあり、足元に細心の注意を払う必要があった。
風景は天候にも恵まれ、相変わらず息を呑むほどの絶景というほかない。
足の下には密林の広がりが見え、遠景はかすんでいる。
僕たちはまた、だいぶ高度を稼ぐことができた。
「タイガさま、あれを」
フォルネが頭で促すように上空を示す。
そこには、不思議な光景があった。
「さかな〜?」
たしかにそれは、魚のように見えた。
上空を魚影のようなシルエットがいくつも、優雅に旋回している。
まるで水の底から水面を見上げているようだ。
綺麗な光景だ、と思った。
そのうちひとつの魚影がくるりと回転したかと思うと、群れから離れて移動を始める。
こちらに近づいている?
距離感がつかめていなかったが、かなり大きいようだ。
「あれは、鮫。海に棲む肉食の凶暴な生物」
「ここ、海じゃないよ〜? アタイ、海知らない」
「私も空を泳ぐ鮫なんて見たことない。飛鮫とでも呼べばいいのかな」
フォルネは船でこの大陸に渡ってきたという。だから海を知っている。鮫についての知識も、その時に得たのだろうと思う。
僕やニャルラは、まだ海を見たことがない。
その間にも、飛鮫は徐々にそのサイズ感を増してゆく。
ここまでくれば、ターゲットとしてロックオンされていることは僕にもわかった。
「危ない!」
飛鮫は、身体が全部口になってしまったような、信じられないくらい巨大な牙だらけの口を開けると、突っ込んでくる。
僕たちは左右に跳んでかわす。
飛鮫は、僕たちのいた地面にあたる、巨大樹の幹を削り取る勢いで通り過ぎていった。
危なかった。あの場で伏せるだけだったら、今ごろ飛鮫の口の中だ。
飛鮫はだいぶ行った先で縦に旋回すると、またこちらに向かって、斜め上方から突撃してきた。
フォルネとニャルラが左右から臨戦態勢を取る。
僕は真ん中に陣取った。
「た、タイガさま?!」
僕は、突撃してくる飛鮫の牙だらけの大口めがけて、両手に持てるだけの食料を思い切り投げ込んだ。
そしてゴロゴロと転がって身をかわす。
飛鮫は僕のいた場所をすごい勢いで通過すると……今度は旋回することなく、そのまま空を泳ぎ去っていった。
口の中に味が広がったことで、少しは満足したに違いない。
「タイガさま、危ない真似は……!」
「はは。ごめんごめん」
「うぅ〜。アタイの丸々獣のおにく〜〜」
ふう。なんとか戦わずに追い払うことができたみたい。
また目をつけられないうちに、早くこの場を離れよう。
[プレイログ]
【飛鮫 レベル5 生命点3 攻撃回数1】
反応 →ワイロ(食料2食分)
食料2食分を消費して通過
●アタック02-3 ニャルラと鈍器猿リターンズ
【中間イベントA 帰ってきた鈍器猿】
坂道の上から、樽がゴロゴロと転がってきた。
その樽は、途中で出っ張った岩に乗り上げ方向を変えると道を外れ、はるか下へと落ちていった。
下に誰もいないといいけど。
坂の上には見覚えのあるムキムキしたシルエットが、僕たちを待ちかまえていた。
ゴリラのように巨大な、筋肉質な猿。少し跳ねた頭頂の毛髪が特徴的だ。
「あ。どんき〜こんぐ〜」
「鈍器猿ですね」
ニャルラとフォルネが同時に発した声が混ざった。
「でもでも、なんでこんなとこに?」
「ずっと猿たちを見かけていません。ここは縄張りではないはず」
鈍器猿は、右手に亀の甲羅を盾代わりに持ち、左手で次の樽を抱え上げていた。
鈍器猿と、亀の甲羅。よくわからないけれど、あまり指摘してはいけない組み合わせのような気がした。
もしかしたら僕たちとの戦いでボスの座を追われて、追い出されてしまったのかも。
「なるほど。はぐれ猿になって今、私たちへの復讐をくわだてていると。それでノコノコと私たちの前に現れたんですね」
「なにそれ。さかうらみ〜。簡単にやられちゃったアイツが弱いだけなのに〜」
【鈍器猿 レベル4 生命点5 攻撃回数1】※亀の甲羅の盾により攻撃に-1のペナルティ。
「今度もまた、ぱぱっとやっつけちゃうよっ」
ニャルラは僕たちに先行して、坂の上の猿に突進してゆく。
鈍器猿の怒りの矛先は、鼻っ柱にかみついたニャルラに向いているようだ。
怒りの雄叫びを上げると、左手の樽を勢いよくぶん投げた。
樽は幾度もバウンドしながら激しく転がり、ニャルラに迫る。
このままではニャルラにぶつかる、というタイミングで、ニャルラは素早い反射で跳び避けた。
しかし、まさにそのタイミングで岩の出っ張りに引っかかって跳ねた樽は、ニャルラが避けた方角へと軌道を変えた。
樽の予想外の軌道変更に、まともにぶつかってしまい、吹っ飛ぶニャルラ。そのまま幹の道の端、つまり外側へ、その姿が消えた。
「ニャルラっ!」
フォルネの体毛が総毛立ち、白銀の輝きを放つ。
フォルネの身体は光の筋のようになって、まだ次の準備が整わない鈍器猿へと突貫した。
スピードが乗った体当たりは、がっしりと構えた亀の甲羅すら跳ねのけて、鈍器猿の胴体にずどんと突き刺さる。
鈍器猿の身体が大きくよろめいた。
「アタイはここだよっ」
声が降ってきた。
ニャルラは細い枝に、尻尾を巻きつけてぶら下がっていた。
良かった。落ちてはいなかったんだ。
「やったな〜」
ニャルラは尻尾でぶら下がったまま、ぐるんぐるんと回転すると、勢いよく鈍器猿へと飛び出した。
鈍器猿は、亀の甲羅で防ぐ暇もない。ニャルラの鋭い攻撃が、猿の頬に三本の爪痕を残す。
たまらず、ばちんと叩き落そうとする鈍器猿。ニャルラが素早く地面に降り立ったため、自分で自分の顔面を殴りつける形になった。
ニャルラは続けざまに、亀の甲羅の盾を蹴っての二段ジャンプ。亀の甲羅は「ポコッ」という変な音を立てて転がる。
ニャルラはその勢いのまま鈍器猿の顔面に取りつくと、鼻の頭に思い切りかみついた。
「ギャブン!」
闘技場での戦いの古傷をえぐられ、たまらず声を上げる鈍器猿。
ニャルラは華麗に着地する。
鈍器猿は、ニャルラを激しい憎悪のこもった瞳でにらみつけると、亀の甲羅を放置したまま逃げ去っていった。
「……あれは、また来ますね」
「ふん。来たら、またアタイがギタギタにして、どっちが上かわからせてやる〜」
「ニャルラ、あなた今、かなり危なかったのわかってる!?」
「びっくりした〜」
「僕もびっくりした。無事でよかったよ」
「ニャルラつよ〜い。ほめてほめて〜」
僕は鈍器猿が落としていった亀の甲羅を拾い上げた。
さっきニャルラが蹴った時、甲羅とは思えない変な音がしてたんだよ。
コンコンと叩くと、空洞になっていそうなところがあった。
よく見ると、亀裂のようなものが走っている。外向きに力をこめると、ぱかっと開いた。
中には、1体の小さな彫像が入っていた。
「なにこれ、おじさん? へんなの〜」
その彫像は、立ち姿のずんぐりとした体型の男性に見えた。
つばつきの帽子をかぶり、大きな鼻と大きな目、口ひげが特徴的。
オーバーオールに長袖のシャツといったいでたちだ。
片手に持った大きなキノコを高々と掲げるポーズを決めている。
この巨大樹のどこにあったのかはわからないが、文化的価値か芸術的価値があるかもしれない。
「あの猿がどこから持ちだしたか知りませんが、武器としてしか考えてなかったんでしょうね」
「これは戦利品としてもらっておこうか」
僕はその彫像をしまうと、一休みの後、登山のような木登りを再開した。
[プレイログ]
【鈍器猿 レベル4 生命点5 攻撃回数1】※亀の甲羅の盾により攻撃に-1のペナルティ。
・0ラウンド
鈍器猿の樽投げ、ニャルラへ。
ニャルラ サイコロの出目1 回避失敗
→スキル【素早い反射】使用し防御ロールを振り直し。サイコロの出目2 失敗。
ニャルラの生命点10→9 器用点7→6
・1ラウンド
フォルネの攻撃 サイコロの出目3+技量点2-ペナルティ1=4 命中 鈍器猿の生命点5→4
ニャルラの攻撃 サイコロの出目5+技量点1-ペナルティ1=5 命中 鈍器猿の生命点4→3
鈍器猿の攻撃 ニャルラへ。ニャルラはサイコロの出目4+技量点1で回避。
・2ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目4+技量点1-ペナルティ1=4 命中。鈍器猿の生命点3→2
生命点が半分以下になったので、鈍器猿は逃亡。
宝物判定 サイコロの出目6+高度3=9 古代の彫像(金貨25枚相当)
●アタック02-4 フォルネとロープほどき
【36 ロープアクション】
そこからしばらくは、幹をぐるりと回る坂道を、幹を周回するように歩いた。
まるで崖沿いの道を歩いているようだった。
やがてその道が、不意に途切れた。行き止まりだ。
けれど、その向こうには道が再び続いているのも見えている。
ちょうど上の方の枝から、ツタが何本もロープのように垂れている。
「あ、これ、いけるかもっ」
ニャルラが飛び出した。
ツタに尻尾を器用に絡め、次から次へとツタを渡っていく。
あっという間に向こう側に降り立った。
「ねっ。ほらっ。かんたんだよっ」
どう見ても簡単じゃないよ。だいたい僕、尻尾ないし。
フォルネは下をよく観察して言う。
「少し下に茂みが密集しています。間違って落ちても、問題ないでしょう」
僕ものぞいてみた。たしかに茂みがクッションのようになっているけど、その周囲に広がる直下の光景に目がくらんで、とても大丈夫とは思えなかった。
そうしてフォルネも、ツタのロープを巧みに繰りながら、向こう側に降り立った。
こういう動きは二匹とも得意中の得意だ。
さあ、僕はどうしようかな。
「タイガさま、ロープを投げてください」
そうだった。こんな時のために、今回はロープを買ってきてたんだった。
僕はロープの端を向こう側に投げる。フォルネはそれを口にくわえ、木の枝の回りにぐるぐると巻きつけた。
こっちもしっかりした枝にロープを結わえつけると、ぴんと張った。これでよし。
僕はロープを足がかりにして、上から垂れているツタを手がかりにして、ゆっくりと渡っていった。
途中で強風にあおられた時にはどきどきしたけれど、なんとか渡りきることができた。
幹伝いの道は先へと続いている。これで進めるようになった。
ロープはここに置いていくしかないかな。向こう側は縛ってあるから、回収できそうにない。
「私が行って、ほどいてきます」
フォルネが言うやいなや、ツタを器用にわたりながら、元の場所へ。
向こうでしばらくロープをほどこうと苦戦したようだが、やがて言った。
「タイガさま申し訳ありません。結び目がかたくて、取れませんでした」
「いいよ。落ちないようにと思って、強めに結んだんだ。そのまま戻っておいで」
フォルネが諦めて戻ろうとしたところに、ニャルラが言った。
「ね〜ね〜フォルネ。なんで人にならないの〜?」
「……あ」
フォルネはすっかり忘れていたみたいで、照れくさそうに後ろ足で頭をかいた。
「タイガさま……」
「わかってるよ。向こう向いてるから」
「ありがとうございます」
しばらくして、「終わりました」と声がした。
見るとフォルネは、もう狐の姿に戻っている。
僕はロープを手繰り寄せると、背負い袋にしまった。
その間にもフォルネは器用にロープ伝いに戻ってくる。
「フォルネ〜、なんで人の姿見られたくないの? かっこいいのに〜」
「……あの姿は、少し恥ずかしいから」
「え〜? でもアタイが見るのは平気でしょ? なんでたいがだけ?」
「う、うるさいですよっ」
本当、どうしてだろう。あんなに美しいのに。
「なっ! タイガさま、こっそり見てたんですかっ??」
え。見てないよ。見てないったら。
僕はあたふたと、フォルネをなだめた。
[プレイログ]
ツタ渡りは判定ロール(目標値4)
ニャルラ サイコロの出目4 出目のみで成功
フォルネ サイコロの出目3+技量点2 成功
成功すると、気持よく渡れることで副能力値が1点回復。
ニャルラ 器用点6→7
フォルネ 変化なし
●アタック02-5 タイガと闇エルフの妖術師
【65 黒エルフの妖術師】
ニャルラがたったと先行して行ってしまった。
「ほんとにしょうがないですね」
フォルネが僕の肩の定位置で、やれやれといったため息をつく。
仕方ないよ。あの自由さと気まぐれさこそが、ニャルラなんだから。
「それはわかっているのですが。むー」
やがてニャルラの姿が見えてきたが、もうひとつの人影と一緒だった。
それは浅黒い肌に、それに近い濃いコーヒーのような色合いのローブをまとった人物だった。
「おやおや、かわいらしいお客さんだ。つややかな毛並みは星空を映したようだ」
「そうよ。アタイかわいいの。それがわかるなんて、アンタみどころあるね」
「しゃべる猫とは。ますますかわいらしい」
「えっへん」
なぜだか仲良くなっている。
ニャルラが僕たちに気づいた。
「アタイがキレイでかわいいのは、たいががいつもブラッシングしてくれるからなの〜」
「ほう、そうかいそうかい」
僕たちはその人物に近づくと、あいさつをした。
男性だ。人と思っていたけれど、特徴的に尖った耳は人間のものではない。
闇エルフなのだ、とわかった。僕は少し警戒してしまう。闇エルフには、あまり良い噂を聞かないから。
「すみません。うちのニャルラが迷惑をかけてしまって」
「いやいやいいのだ。久しぶりに猫と戯れて、癒されたよ」
闇エルフは目を細める。本当に猫をかまって満足しているようにも見えたし、なにやら腹で企んでいるような笑みにも見えた。
その男は、先端に宝石のようなものがはまった杖を持っていた。
コーヒー色のローブに杖といったそのいでたちは、明らかに魔術師か妖術師を思わせた。
「あなたは、どうしてこの巨大樹へ?」
「我が名はドトール。この巨大樹の調査のために赴いている」
「調査?」
「さよう。この樹木にはおそらく、太古の魔術が関わっている。それを解き明かすためだ」
「解き明かして、どうするの?」
「我らの里に、巨大樹に匹敵するご神木を招きたいのだ。種族の栄えのために」
警戒は怠らないけれど、そう悪い人物には思えなかった。ただただ、研究熱心なのだ。
「そうだ。ここで知り合ったのも何かの縁だ。タイガ君といったか。ぜひ我が研究に出資してくれたまえ」
ドトールさんは、急にそんな風に切り出した。
「出会ったばかりの子どもにお金をせびるとか、常識ないですねこの人」
フォルネが肩口から、僕の耳元にささやく。
ニャルラはドトールさんの足下で気持ちよく丸まっている。
「どうかな? この樹木の研究が進めば、我ら闇エルフだけでなく、ここを攻略する冒険者にも恩恵があるかもしれんぞ」
僕は気づいた。ドトールさんの杖の動きが、ニャルラを捉えていることに。
どん、と一突きすれば、ニャルラにダメージを与え、動きを封じることができる位置取りだ。
表には出さないが、かなりの実力を隠し持っている。
ニャルラは、それに気づくことなく、ドトールさんの足下でくつろいでいる。
「……いいよ。金貨10枚もあれば足りる?」
僕は、そう提案した。喉がカラカラになっていて、声がわずかに上ずっているのが自分でもわかった。
「それだけあれば十分だ。ものわかりのいい子は嫌いじゃないよ」
ドトールさんは、そんな風に言いながら金貨を受け取る。
「さあ、いくよ。おいで」
僕がニャルラに声をかけると、ニャルラは機嫌よく戻って来た。
「じゃあ、僕たちは先を急ぐので、これで」
「闇エルフの里に来ることがあれば、歓迎しよう」
とにかく一刻も早くこの場を離れたかった。
闇エルフの妖術師とは、最後まで笑顔で別れた。
「そうだ。お前たちはさらに上へと行くのだろう?」
後ろから声が届いた。
「ならば気をつけよ。我が研究によれば、この巨木にたゆたう魔力の流れが歪になっている。端的に言えば、枯死しかけている」
僕はそれには答えず、そのまま立ち去った。
「ね〜ね〜、あのひと、アタイのことかわいいって。やっぱりびぼうは隠せないものよね」
「闇エルフにしては悪い人物じゃないかも。でもやっぱり常識ないですよ」
二匹とも、今置かれていた危険には気づいていないみたいだった。
僕は自分が感じた危機感を話すのはやめ、二匹に話を合わせて先へと進み始めた。
でもドトールさん、最後に気になることを言っていたな。この巨大樹が、枯死しかけてるって。
こんなに雄大で、幹も枝も力強くみなぎっている巨樹を、どうして枯死しかけてるなんて言うんだろう?
[プレイログ]
【闇エルフの妖術師 レベル4 生命点4 攻撃回数2】 所有技能【気絶】【氷槍】
反応表 サイコロの出目2 ワイロ(金貨10枚)
→金貨10枚を支払い戦闘を回避。
次回、おや、オウカンワシのようすが……?
【フォルネ(妖狐) レベル11 技量点:2 生命点:4 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル11 技量点:1 生命点:10→9/10 器用点:7→6→7/7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4 →2
金貨25 →15
1ロープ
2ロープ
3古代の彫像(金貨25枚相当)
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
ドトール 闇エルフの妖術師。闇エルフの繁栄のため、巨大樹を調査している。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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2026年2月4日水曜日
2026年2月3日火曜日
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(6) FT新聞 No.4759
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(6)
(明日槇 悠)
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世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第6回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
不安にかられた娼婦アルセンドは甥のアミエルに秘密の過去を明かす。完徳者ベルトランが当時15歳の彼女に悪さをしたというのだ。
そのベルトランは砦内で権謀術数に奔走していた。不信を募らせる少年アミエルは隠し持つ小刀を夜な夜な磨き、切れ味を鋭くさせていったが……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
A「そしてベルトランは、レーモンの館に向かった」
Aベルトラン「コルバ君!」
Dコルバ「はッ」
Aベルトラン「知ってるかい? 君の娘のエスクラ……エス君に……ロジェが手を出そうとしている。しかもそれを指示したのは、セシルらしい。君、セシルが憎くはないか? 君の娘をいいように使っているのは、すべてセシルだぞ。君はセシルが憎くはないか?」
Dコルバ「はあ……。私は、エスクラルモンドなどどうでもよいのです。セシル様のことしか見ておりません。そもそも、エスクラルモンドは、私が望んで産んだ子供ではありません。産まされた子供なのです」
Aベルトラン「………………えっ(一同笑) ………………えっ(一同笑) ………………えっ! どういうこと?」
A「ベルトランはコルバのセシル絡みのやつとか全部知らなかったから、急に一気に来て、え! ってなってる」
D「純粋に(笑)」
A「セシル好きとか、娘嫌いとか全部知らずに密偵として使ってたら、急にそんなん言われて、ベルトランからしたら………………えっ! ぜんぶ何? っていう(笑)」
D「いやちょっと、余裕がなくて喋っちゃった(笑)。自棄になってるんすよ」
Aベルトラン「ああ。町も崩壊しそうだし。……えっ、じゃあ、エス……は誰の子なん。の、望まれて産んだ子じゃなきゃ、何だそれは」
Dコルバ「いやだから、普通にレーモンと作った子供なんですが、しかし……私はそもそも子供、欲しくなかったので」
Aベルトラン「でもフィリッパは!?(笑)」
Dコルバ「フィリッパもいらないです」
Aベルトラン「両方いらないの?(笑) ……教義的には素晴らしい……! でも……セシルのことは好きなの?」
Dコルバ「はい」
Aベルトラン「じゃあNG……!(一同笑)」
D「そもそもだから、こいつはレズなので。結婚もしたくなかったんですよ、ほんとは」
Aベルトラン「レズなのはいいんだけど、セシルなのはNGなんだよなァ。じゃあコルバ君には今後そういう対応をする」
Dコルバ「はッ」
Aベルトラン「もう君のことは、同じカタリ派だとは思わない。君のことは、背教者だと思う。これからは……」
Dコルバ「はッ」
Aベルトラン「いいよ。じゃ、帰る」
Dコルバ「えっ」
Aベルトラン「私、帰る。疲れたから帰るわ。何だこれ、アバズレが! あー。……レーモン君! レーモン君! レーモン君!」
Bレーモン「あっ。私も会いたかったところです。ベルトランさん」
Aベルトラン「……先に君が話していいよ(笑)。先に話を聞こう! 君に言いたいことがありすぎて、ちょっと整理ができない(笑)。先に話を聞こう!」
Bレーモン「今回の作戦の失敗の責任を取って、ロジェを処刑しようと思うのですが、どうお考えでしょうか」
Aベルトラン「うん。処刑はしたほうがいいね! それは賛成だよ。まあ、君が処刑しなくても明日には死んでるかもしれないけどね」
Bレーモン「彼は内通者として、十字軍と通じていた。そして今回の失態……そして、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》は殺生をすることができませんが、私たちはすることが可能です」
Aベルトラン「うん」
Bレーモン「代わりに、私に救慰礼《コンソラメンテ》を授けてはくださいませんでしょうか」
Aベルトラン「ん?」
Bレーモン「背教者をすべて私の責任のもとで処刑することを命ずることができます」
Aベルトラン「うん、そうしよう! うん……君を完徳者《ペルフェッチ》にしよう」
Bレーモン「ありがとうございます」
Aベルトラン「ロジェを処刑した暁には、うん! 分かった。その調子で頑張りたまえ」
Bレーモン「元はといえば、ロジェが作戦を失敗せずにすべてを遂行していればこんなことにはならなかった。しかしもう我慢の限界です。彼のせいで、ここに住むすべての人たちは不幸に苛まれ、食糧も今ではもう饐えた臭いのするものしか残っていません。この責任を私は領主として問わなくてはならず、そうするためには彼を処刑するしかないのです」
Aベルトラン「そうしよう! すべて君の言う通りだ。それで行こう。君に賛同する」
Bレーモン「ありがとうございます」
Aベルトラン「すまない、ちょっと僕、この後アミエル君に会わなきゃいけなくて……」
Bレーモン「アミエルにですか?」
Aベルトラン「アミエル君に教義を教えているんで、いま私は。この後、少しアミエル君に会いに行く」
Bレーモン「そうなのですね。では、私はここで失礼します」
Aベルトラン「アミエル君、アミエルくーん!」
Bアミエル「どうしたの、おっちゃん。……ベルトランさん、どうしたんですか」
Aベルトラン「アミエル君……噂に聞いたところによると、君……(声色を変え)めっちゃ武器作ってるらしいやん」
C「バレてんのか(笑)」
Bアミエル「そうなんですよ。最近、色々と仕掛けを考えるのにも興味がありまして、最近は野生の鳥がエサをめがけて飛んできたのを捕まえて、そういったものを殺すような罠を作っています」
Aベルトラン「君ィー……知ってるかい?」
Bアミエル「何がでしょうか」
Aベルトラン「アルセンドが、……君を養ってくれてるアルセンドが、なぜロジェと結婚できないのか」
Bアミエル「教えてください!」
Aベルトラン「レーモンがベルナールに命じているからだよ」
Bアミエル「そうなんですか?」
Aベルトラン「つまり、レーモンさえいなくなったら、アルセンドはロジェと結婚できるんだ。君ィー、戦場で兵士が死んでも、誰のせいか分からないよ? っていうのは、私が前線を回って気付いたことなんだけど、明日ぁー……レーモン、私と一緒に前線の兵士を鼓舞するために戦場に一緒に行こうと思ってるんだけど、私はお昼ごろに腹痛に見舞われて、レーモンから離れる。君、よかったら一緒にどうだ?」
Bアミエル「分かりました」
Aベルトラン「ありがとう。アミエル君、これを覚えておくといい。
"妻帯者は完徳者《ペルフェッチ》にいらない"」
A「はいっ、そして一夜明けました。……てかもう、ベルトラン人間関係かきまわしすぎて、ベルトランがいま何してるか俺ですらあんま把握してない(笑)」
B「シーンカード【何か古めかしく邪悪な感触】。レーモンは城塞の地下にある、かつて大昔に使われた処刑器具を眺めていました。これを使えば大衆の溜飲は下がるであろう。そう思ってロジェの殺害計画を立てていました。この城内では完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》を除いた賛同者が二名以上いればその者を処刑することができるというルールになっています。実際はもう少し多いけれども、そこは簡略化しています。そしてロジェに恨みを持つ人は、普通にいるでしょう。このルールの穴は、彼の血縁者であってもそれを指示できるということです。フィリッパはロジェを愛しているが、しかし恨んでいる。そして、コルバ、エスクラルモンド、彼女等もロジェの存在を邪魔だと思っている(一同笑)」
C「なんなら、ベルナールも(笑)」
B「ベルナールも、彼の失敗のツケを払わされている。この状況で彼を弾劾裁判にかければ、彼を確実に処刑することができる。そう考えています」
A「急に僕たちの全◯連的な血が騒いでいる(一同笑)」
B「翌日には十字軍との戦いに向けて士気を高める会がベルトランによって予定されています。そこで彼は弾劾裁判を実施しようと考えています。そして新たなる指揮官をベルナールに移譲するという手引きをするために、彼はベルナールを呼び出しました」
Cベルナール「何でしょうか、レーモン様」
Bレーモン「百年ぶりの弾劾裁判を始めようと思う」
Cベルナール「なんと。百年ぶりの」
Bレーモン「古来からの書によると、このモンセギュールでは弾劾裁判を行う法律が定められている」
Cベルナール「そうだったのですね……」
Bレーモン「それによると領民の複数名がその処刑に賛同した際に、処刑を行うことができる。そしてこの刑具を使って処刑することができる」
Cベルナール「なるほど……吊るすのは指揮官の顔をしたあの男ですね」
Bレーモン「彼の監督がこの状態を招いたのは君も知っていることだ。ぜひその際には協力してほしい。その際には、君を次の指揮官に任命しようとおもう」
Cベルナール「私も異端審問で死刑を宣告されている身ですが、あのロジェさえいなくなれば……。分かりました。主に賛同いたします」
Aベルトラン「レーモン君! レーモン君! ベルトランだけど、どうしたんだい君、こんなところで! 聞いたよ、君の家族から君がここにいるって! レーモン君、突然だが、いま戦況が膠着していて非常に状況が悪い。兵士を鼓舞するために私と一緒に前線を回ってくれんかね」
Bレーモン「畏まりました」
Aベルトラン「おお! それではお昼から行こうか」
Bレーモン「お昼からですね。ずいぶんと急だなあ。いえ、でもベルトラン様のことだ。なにかお考えがあってのことでしょう」
Aベルトラン「今が正念場だからね。じゃ! 私は帰って、ご飯を食う(笑)。朝ごはんを食べる」
B「レーモンはベルトランの言いつけに従い、弾劾裁判も少し早めることにしました。ベルトランのことを彼は信頼しています。そして彼の言動にはなにかの思惑があると信じています。すべては背教者であるロジェを処刑するため(一同笑)。兵糧が尽き、窮地に陥ったレーモンにはもはや冷静な感覚は残されていませんでした」
◯Act3.運命の決戦(後篇) に続く……
●登場人物/3つの質問
アミエル……孤児の少年。ファイユの弟。おばのアルセンドと一緒に、モンセギュールに住んでいる。
1. 父親について、どんなところがいちばん恋しいか?
2. あなたが木で作ったのは、いかなる種類の武器か?
3. あなたは大人になったら、何になりたいか?
ピエール・ロジェ・ド・ミルポワ……レーモンのいとこの中年男性。モンセギュールの防衛指揮官。フィリッパと結婚している。十字軍により、すべての財産を失った。
1. 人々はどうしてあなたに従うのか?
2. 戦争で最初の犠牲者となったあなたの父が、今際の際に言い残したことは何だったか?
3. 何があなたを戦争へと駆り立てるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(6)
(明日槇 悠)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第6回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
不安にかられた娼婦アルセンドは甥のアミエルに秘密の過去を明かす。完徳者ベルトランが当時15歳の彼女に悪さをしたというのだ。
そのベルトランは砦内で権謀術数に奔走していた。不信を募らせる少年アミエルは隠し持つ小刀を夜な夜な磨き、切れ味を鋭くさせていったが……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
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●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
A「そしてベルトランは、レーモンの館に向かった」
Aベルトラン「コルバ君!」
Dコルバ「はッ」
Aベルトラン「知ってるかい? 君の娘のエスクラ……エス君に……ロジェが手を出そうとしている。しかもそれを指示したのは、セシルらしい。君、セシルが憎くはないか? 君の娘をいいように使っているのは、すべてセシルだぞ。君はセシルが憎くはないか?」
Dコルバ「はあ……。私は、エスクラルモンドなどどうでもよいのです。セシル様のことしか見ておりません。そもそも、エスクラルモンドは、私が望んで産んだ子供ではありません。産まされた子供なのです」
Aベルトラン「………………えっ(一同笑) ………………えっ(一同笑) ………………えっ! どういうこと?」
A「ベルトランはコルバのセシル絡みのやつとか全部知らなかったから、急に一気に来て、え! ってなってる」
D「純粋に(笑)」
A「セシル好きとか、娘嫌いとか全部知らずに密偵として使ってたら、急にそんなん言われて、ベルトランからしたら………………えっ! ぜんぶ何? っていう(笑)」
D「いやちょっと、余裕がなくて喋っちゃった(笑)。自棄になってるんすよ」
Aベルトラン「ああ。町も崩壊しそうだし。……えっ、じゃあ、エス……は誰の子なん。の、望まれて産んだ子じゃなきゃ、何だそれは」
Dコルバ「いやだから、普通にレーモンと作った子供なんですが、しかし……私はそもそも子供、欲しくなかったので」
Aベルトラン「でもフィリッパは!?(笑)」
Dコルバ「フィリッパもいらないです」
Aベルトラン「両方いらないの?(笑) ……教義的には素晴らしい……! でも……セシルのことは好きなの?」
Dコルバ「はい」
Aベルトラン「じゃあNG……!(一同笑)」
D「そもそもだから、こいつはレズなので。結婚もしたくなかったんですよ、ほんとは」
Aベルトラン「レズなのはいいんだけど、セシルなのはNGなんだよなァ。じゃあコルバ君には今後そういう対応をする」
Dコルバ「はッ」
Aベルトラン「もう君のことは、同じカタリ派だとは思わない。君のことは、背教者だと思う。これからは……」
Dコルバ「はッ」
Aベルトラン「いいよ。じゃ、帰る」
Dコルバ「えっ」
Aベルトラン「私、帰る。疲れたから帰るわ。何だこれ、アバズレが! あー。……レーモン君! レーモン君! レーモン君!」
Bレーモン「あっ。私も会いたかったところです。ベルトランさん」
Aベルトラン「……先に君が話していいよ(笑)。先に話を聞こう! 君に言いたいことがありすぎて、ちょっと整理ができない(笑)。先に話を聞こう!」
Bレーモン「今回の作戦の失敗の責任を取って、ロジェを処刑しようと思うのですが、どうお考えでしょうか」
Aベルトラン「うん。処刑はしたほうがいいね! それは賛成だよ。まあ、君が処刑しなくても明日には死んでるかもしれないけどね」
Bレーモン「彼は内通者として、十字軍と通じていた。そして今回の失態……そして、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》は殺生をすることができませんが、私たちはすることが可能です」
Aベルトラン「うん」
Bレーモン「代わりに、私に救慰礼《コンソラメンテ》を授けてはくださいませんでしょうか」
Aベルトラン「ん?」
Bレーモン「背教者をすべて私の責任のもとで処刑することを命ずることができます」
Aベルトラン「うん、そうしよう! うん……君を完徳者《ペルフェッチ》にしよう」
Bレーモン「ありがとうございます」
Aベルトラン「ロジェを処刑した暁には、うん! 分かった。その調子で頑張りたまえ」
Bレーモン「元はといえば、ロジェが作戦を失敗せずにすべてを遂行していればこんなことにはならなかった。しかしもう我慢の限界です。彼のせいで、ここに住むすべての人たちは不幸に苛まれ、食糧も今ではもう饐えた臭いのするものしか残っていません。この責任を私は領主として問わなくてはならず、そうするためには彼を処刑するしかないのです」
Aベルトラン「そうしよう! すべて君の言う通りだ。それで行こう。君に賛同する」
Bレーモン「ありがとうございます」
Aベルトラン「すまない、ちょっと僕、この後アミエル君に会わなきゃいけなくて……」
Bレーモン「アミエルにですか?」
Aベルトラン「アミエル君に教義を教えているんで、いま私は。この後、少しアミエル君に会いに行く」
Bレーモン「そうなのですね。では、私はここで失礼します」
Aベルトラン「アミエル君、アミエルくーん!」
Bアミエル「どうしたの、おっちゃん。……ベルトランさん、どうしたんですか」
Aベルトラン「アミエル君……噂に聞いたところによると、君……(声色を変え)めっちゃ武器作ってるらしいやん」
C「バレてんのか(笑)」
Bアミエル「そうなんですよ。最近、色々と仕掛けを考えるのにも興味がありまして、最近は野生の鳥がエサをめがけて飛んできたのを捕まえて、そういったものを殺すような罠を作っています」
Aベルトラン「君ィー……知ってるかい?」
Bアミエル「何がでしょうか」
Aベルトラン「アルセンドが、……君を養ってくれてるアルセンドが、なぜロジェと結婚できないのか」
Bアミエル「教えてください!」
Aベルトラン「レーモンがベルナールに命じているからだよ」
Bアミエル「そうなんですか?」
Aベルトラン「つまり、レーモンさえいなくなったら、アルセンドはロジェと結婚できるんだ。君ィー、戦場で兵士が死んでも、誰のせいか分からないよ? っていうのは、私が前線を回って気付いたことなんだけど、明日ぁー……レーモン、私と一緒に前線の兵士を鼓舞するために戦場に一緒に行こうと思ってるんだけど、私はお昼ごろに腹痛に見舞われて、レーモンから離れる。君、よかったら一緒にどうだ?」
Bアミエル「分かりました」
Aベルトラン「ありがとう。アミエル君、これを覚えておくといい。
"妻帯者は完徳者《ペルフェッチ》にいらない"」
A「はいっ、そして一夜明けました。……てかもう、ベルトラン人間関係かきまわしすぎて、ベルトランがいま何してるか俺ですらあんま把握してない(笑)」
B「シーンカード【何か古めかしく邪悪な感触】。レーモンは城塞の地下にある、かつて大昔に使われた処刑器具を眺めていました。これを使えば大衆の溜飲は下がるであろう。そう思ってロジェの殺害計画を立てていました。この城内では完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》を除いた賛同者が二名以上いればその者を処刑することができるというルールになっています。実際はもう少し多いけれども、そこは簡略化しています。そしてロジェに恨みを持つ人は、普通にいるでしょう。このルールの穴は、彼の血縁者であってもそれを指示できるということです。フィリッパはロジェを愛しているが、しかし恨んでいる。そして、コルバ、エスクラルモンド、彼女等もロジェの存在を邪魔だと思っている(一同笑)」
C「なんなら、ベルナールも(笑)」
B「ベルナールも、彼の失敗のツケを払わされている。この状況で彼を弾劾裁判にかければ、彼を確実に処刑することができる。そう考えています」
A「急に僕たちの全◯連的な血が騒いでいる(一同笑)」
B「翌日には十字軍との戦いに向けて士気を高める会がベルトランによって予定されています。そこで彼は弾劾裁判を実施しようと考えています。そして新たなる指揮官をベルナールに移譲するという手引きをするために、彼はベルナールを呼び出しました」
Cベルナール「何でしょうか、レーモン様」
Bレーモン「百年ぶりの弾劾裁判を始めようと思う」
Cベルナール「なんと。百年ぶりの」
Bレーモン「古来からの書によると、このモンセギュールでは弾劾裁判を行う法律が定められている」
Cベルナール「そうだったのですね……」
Bレーモン「それによると領民の複数名がその処刑に賛同した際に、処刑を行うことができる。そしてこの刑具を使って処刑することができる」
Cベルナール「なるほど……吊るすのは指揮官の顔をしたあの男ですね」
Bレーモン「彼の監督がこの状態を招いたのは君も知っていることだ。ぜひその際には協力してほしい。その際には、君を次の指揮官に任命しようとおもう」
Cベルナール「私も異端審問で死刑を宣告されている身ですが、あのロジェさえいなくなれば……。分かりました。主に賛同いたします」
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Aベルトラン「今が正念場だからね。じゃ! 私は帰って、ご飯を食う(笑)。朝ごはんを食べる」
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●登場人物/3つの質問
アミエル……孤児の少年。ファイユの弟。おばのアルセンドと一緒に、モンセギュールに住んでいる。
1. 父親について、どんなところがいちばん恋しいか?
2. あなたが木で作ったのは、いかなる種類の武器か?
3. あなたは大人になったら、何になりたいか?
ピエール・ロジェ・ド・ミルポワ……レーモンのいとこの中年男性。モンセギュールの防衛指揮官。フィリッパと結婚している。十字軍により、すべての財産を失った。
1. 人々はどうしてあなたに従うのか?
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2026年2月2日月曜日
☆休載代わりの雑談☆ FT新聞 No.4758
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
またも「モンスター!モンスター!TRPG」の国産作品が爆誕しました!
松田洋平(ふろふき大根)さんによるソロアドベンチャーです!!
『沼をめぐる冒険』
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◆今日は休みます。
最近は週に1回のペースでイベントでの売り子をやっています。
色んな人に会うことができて、仕事上のつながりも多く生まれ、とても有意義な時間を過ごしています。
ただ、今だけに関して言うと、この数週間は忙しくて、疲れ果ててしまいました。
『ガルアーダの塔』の1-30階を作って、どうにか昨日、日曜ゲームブックとして配信することができましたが……これの準備も、かなり大変でした★
何もかもギリギリなので、今日の記事はお休みさせてください。
また、書いていきます。
◆何をしようとしているの?
現在の忙しさは、イベントへの参加と執筆、書籍化のための編集以外に、進めているプロジェクトの存在が関連しています。
そのプロジェクトはFT書房にとっては新しい挑戦で、私たちの作品をより多くの人たちに手に取っていただく可能性をアップさせるために、欠かせないものです。
また、しかるべき時が来たら、お聞きいただけましたらさいわいです☆
それではまた!
追伸:
ご存知かもしれませんが、中山将平が立ち上げた「ギルド黄金の蛙」に「かえる人」の汎用設定資料集が追加されました。
フルカラー、24ページで、紙の本も電子書籍でも購入が可能です。
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読みましたが、FT新聞で配信されてきた中山の記事にあった濃ゆい設定が、そのまま1冊の本になったような楽しさと密度があります。
5年かけてコツコツと作り続けてきたそうで、暦や宗教、魔法など、凝り具合がマニアックでいい塩梅に仕上がった作品でした。
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2026年2月1日日曜日
『ガルアーダの塔』1-30階 ローグライクハーフd66シナリオ FT新聞 No.4757
おはようございます、FT新聞編集長の水波流です。
第1日曜日は、ローグライクハーフのシナリオ配信日!
本日お送りするのは、杉本=ヨハネによるローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』!
広大な90階建ての塔のうち、今回は1-30階の冒険です。
舞台となる、新作都市サプリメント「水上都市聖フランチェスコ」、また中級ルールの改訂版も同時配信いたします!
ぜひじっくりとお楽しみください。
ローグライクハーフd66シナリオ『ガルアーダの塔』1-30階
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_TowerofGaruada1-30.txt
↓ 都市サプリメント:水上都市聖フランチェスコ
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_St-Francis.txt
↓ ローグライクハーフ:基本ルール2(中級レベル) ver.1.3
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
↓
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編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ
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2026年1月31日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第677号 FT新聞 No.4756
From:水波流
1月28日発売のTH(トーキングヘッズ叢書) No.105「ハルシネーション・パラダイス〜偽りの王国へようこそ」(アトリエサード)
今回も特集記事へ寄稿しております。
『幻覚に溺れる者たち』と題して、夢野久作『ドグラ・マグラ』、唐辺葉介『PSYCHE』、鴻上尚史『トランス』と三つの作品について論じております。
ぜひ書店や通販でお手にとってお読み下さい!
詳細>https://athird.cart.fc2.com/ca1/454/p-r8-s/
主な取扱書店>https://atelierthird.blogspot.com/2026/01/th-seriesno105.html
From:葉山海月
たかがネットにつながりづらい、ということが、こんなに不安に直結するとは!
現代人の宿痾でございましょうか?
From:くろやなぎ
今週の記事紹介文の作成中、「幕間」と書こうとして「まくま」と入力すると、変換候補には「幕間」が見当たりません。調べてみて、「幕間」の本来の読みが「まくあい」だということを初めて知った次第です(「まくあい」という音自体は頭の中にあったのですが、漢字の「幕間」とは結びついていませんでした…)。
ちなみに「まくま」は、辞書によって誤読/俗用/許容と見解が分かれるようですが、うちのパソコンの辞書では誤読扱いでスルーされたようです。スマホでは「まくま」と入力すると「幕間[補正]まくあい」と出てきて、さすがに行き届いてるなあ、と感心しました。
From:中山将平
僕らFT書房は、今日1月31日(土)と明日2月1日(日)の両日、「BGBE2026」(Board Game Business Expo Japan 2026)にサークル参加します。
ブース配置は【G-14】です。
19年以上作り続ける「ゲームブック」や、「1人用TRPGローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」関連書籍などを扱います。
現地には、売り子として僕中山が行く予定です。ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
最新作「ズィムララのモンスターラリー モンスター編」ご紹介→ https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/zimralamonster
最新作「ローグライクハーフ クトゥウルウの聖なる邪神殿」ご紹介→ https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/jyashinden
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(く)=くろやなぎ
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
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■1/25(日)~1/30(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026年1月25日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4750
ローグライクハーフ新職業【道化師】
・いよいよ配信開始が間近に迫った、ローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』。そのシナリオに合わせた新職業【道化師】のデータをお届けしました。
戦闘・交渉・探索とさまざまな場面で役立ちそうな特殊技能の数々は、いちど使ってみたくなること間違いなしです。実際にその技を使う光景が目に見えるような、フレーバーテキストにもご注目ください!
(く)
2026年1月26日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4751
☆イベントに出てます☆
実は、忙しい理由は、「イベントに参加していた」ということがありまして。
「すでに去年の2倍ほどイベントに出たことになります」と本人から言わしめるほどです!
次にヨハネ氏が参加されるイベントについて。
去年の勢いに追いつけ追い越せで疾走するヨハネ氏に応援ヨロシク!
(葉)
2026年1月27日(火)かなでひびき FT新聞 No.4752
『これはゲームブックなのですか!?』vol.128
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する作品は『2つの意味の物語 勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った』及び『2つの意味の物語 アイドルの妹は高校生』(ささきかつお 新星出版社)!
この二冊のサブタイトル、あなたはどういう意味に捉えたでしょうか?
よく知られた例では「ここではきものをぬいでください」のような、二つの意味に解釈できる文がオチに混ざっているお話がズラリ満載!
かなで氏曰く、まさに、物語の「ルビンの壺」。そのラストは、「見逃せば人生後悔することウケアイ!」(二つの意味にしてみました)
(明)
2026年1月28日(水)ぜろ FT新聞 No.4753
第3回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第476回。「荷物持ち」の少年が〈妖狐〉や〈魔猫〉と一緒に旅をする、ポケモン風ローグライクハーフリプレイの第3回です。
今回は、1回目の【最終イベント】でのオウカンワシとの対決から。ファンブルもクリティカルも飛び交う2匹と1羽の戦闘の様子が、ダイスの目には表れない少年タイガのサポートも含め、たっぷりと描写されます。
戦いの後は、〈妖狐〉フォルネ視点での幕間を経て、2回目の冒険へ。【観測所】で先の様子を確認しつつ、タイガたちは巨大樹のさらに上を目指します!
(く)
2026年1月29日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4754
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.41『汝、獣となれ人となれ』 その5
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
冒険家乙女のクワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカは、昼の間ミソサザイになる呪いをかけられたコビットの冒険者クリスティと共に、彼女の呪いを解くカギを探しに〈太古の森〉に眠る遺跡を探索し、ついに目的地へ到達します。
クワニャウマ一行を待ち受けていたのは、「力」を手に入れたクリスティの探し人。そして、衝撃の結末……。
クワニャウマたちによる『汝、獣となれ人となれ』最終回、どうぞお見逃しなきよう!
(天)
2026年1月30日(金)森梟夫&水波流 FT新聞 No.4755
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
・水波編集長と非実在作家・森梟夫先生が最近取組んでいる活動、それは怪異的な古史古伝を電子の海から引き揚げることです。
未だ嘗て知る人なき信濃国の国学者、橘樹景巌(たちばな・けいがん)が記した危険な書、『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』全七巻。
書を読む行為を儀式に見立てたこれは、決して学問書ではなく、実践書であり、召喚書に近い。この書の存在を知ったこと自体が「始まり」に等しいと森先生は説きます。
記録によれば、井原志帆という研究者が本書の調査のため、長野県伊那郡の「鈴音坂(すずねざか)」を尋ねたまま消息を絶っているとのこと。
残されたレコーダーとノートを手がかりに、彼女の足跡を辿る佐伯修二。記録者本人が失踪したのに、一体なぜ失踪のことが記録されているのでしょうか?
「記すことは、封ずるにあらず。/これ、ひらくなり。」(終章注記より)
忘れ去られた存在を喚ぶことは、喚ばれる存在になることでもあるのでしょうか。「喚ぶ」ことは「読む」ことに通じるようです。
(明)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(忍者福島さん)
ジャバウォックとの会話、全然理解できねー!と思ったけど、クワニャウマも言いたいことだけ言って(お前は何を言ってるんだ)という感じだったので、二人とも違ったベクトルでコイツはヤベー奴だと思いましたね(笑)
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m♪
「二人とも違ったベクトルでコイツはヤベー奴」というコメントに、思わず吹いてしまいました(≧m≦)
話しかけたら、相手に発狂されるか、クワニャウマみたいなリアクションしかされないのでは、ジャバウォックは、もしかしたらとても孤独なクリーチャーなのかもしれません(笑)
(ぜろさん)
「汝、獣となれ人となれ」リプレイ完結おつかれさまおめでとうございます。
まさかのラスト。ミソサザイさんがあのようなことになってしまうなんて、思いもよりませんでした。相変わらずキャラクター設定と物語のシリアスさとのギャップが著しいですね。
とはいえプレイしてみないと先の展開も内容もわからないもの。そこに予想不可能なドラマも生まれます。原作シナリオを読んでいないので、どこまでが元シナリオで、どこからが創作なのかと思いながら楽しませていただきました。
(お返事:齊藤飛鳥)
御感想下さり、ありがとうございます!おかげさまで、リプレイを完結できましたm(_ _)m
まさかのラストとは、まさに言い得て妙です。この展開を迎えた瞬間、「やってしまった!」と頭を抱えましたorz
今回も、このラストの直前にクワニャウマにおバカな発言をさせてしまっていたので、シナリオと不調和を起こさない程度にその後のリアクションにシリアスを加味してバランスを取りましたf^^;
ちなみに原作シナリオはいくつもの結末や分岐点があるので、拙リプレイとはまったく違った展開と結末も用意されております!
とても冒険し甲斐があって面白いので、お勧めです^^b
(忍者福島さん)
2ラウンドで鈍器猿は逃走したって事になってますが、鈍器猿は逃げた先でもジャッキを飛ばしてこないか心配ですね(笑)
(お返事:ぜろ)
ありがとうございます。
鉄骨のビスを全部外して高所から落とすしかないかもしれませんね。
(ジャラル アフサラールさん)
この「言葉の解釈」で一番印象的なのはミステリーですね。皆さんもご存じだろう『名探偵コナン』でも犯人ないし重要人物が「言葉の解釈」を間違えたための悲劇というのがありましたし、金田一耕助の出てくる傑作でも登場人物が言ってしまった言葉の解釈が事件解決のカギになるというのがありました。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
金田一先生のお話といえば、老女がうつむいて嘆くそぶりが実は……!?っていうのが印象的でしたよね!
これも言葉の解釈の違いではないですが、それに似たようなものだと思います。
(ジャラル アフサラールさん)
読むとSAN値の削れそうな(笑)本の紹介ありがとうございました。諏訪大社とミシャグジ神ですが、少年ジャンプ連載漫画でアニメ第二期が2026年7月が始まる『逃げ上手の若君』、北条時行の生涯を描く歴史漫画でミシャグジ神とある登場人物が深い関係(未読・未見の方の為に詳細は自粛)にあるのである意味タイムリーですね。
(お返事:森梟夫)
お便り感謝する、ジャラル・アフサラール殿。 私の筆致で君のSAN値を削ってしまったなら本望だが、どうか現実の平穏まで手放さないよう自愛していただきたい(笑)。
なるほど、『逃げ上手の若君』か。北条時行が駆け抜けた南北朝の動乱と、その背後で蠢く諏訪の神性……。アニメ第二期の放送が本年(2026年)七月とは、まさに「星辰が正しい位置に並ぶ」かのような、奇妙な符号を感じるよ。
君の鋭い指摘を受けて、私なりに返書を認めてみた。
■ 諏訪の神性と『真州古伝攷』の交差点
ジャラル殿の仰る通り、諏訪大社とミシャグジ神の関係は、歴史的にも民俗学的にも、そして物語的にも底知れぬ深淵を抱えている。
「生ける神」としての重圧: 『逃げ上手の若君』に登場する某人物が背負う神性は、まさに『真州古伝攷』が記す「神は名を持たず、人が呼ぶたびに名が生まれる」という、存在そのものが不安定な恐怖と隣り合わせだ 。
封印としての神事: 『真州古伝攷』の調査報告によれば、ミシャグジとは本来、外から来た異神を封じるための「再封(さいふう)」の儀式であるとされる 。漫画で描かれる華やかな伝承の裏側には、こうした「見せてはならぬ御印」としての側面が、毒のように塗り込められているのかもしれぬ 。
2026年7月の共鳴: アニメ第二期が始まるこの夏、多くの視聴者が「諏訪の神秘」に触れることになる。それは、図らずも橘樹景巌が危惧した「一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、甦(よみがえ)らすなり」という状況を加速させるのではないか……と、作家としては期待と危惧を禁じ得ないのだ 。
■ 読者へのメッセージ
『逃げ上手の若君』を読み解く際、もし耳元で「鈴の音」が聞こえたり、ページをめくる手が氷のように冷たくなったりしたなら、それは『真州古伝攷』の断簡が君の心の中に侵入口を見つけた証拠かもしれない。
「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」—— 。 作中の物語が、単なる創作ではなく、何らかの封印を解くための「鍵」ではないことを祈るばかりだ。
ジャラル殿、またいつでもこの森梟夫へお便りをくれたまえ。君の知見が、私の物語にさらなる狂気と美を添えてくれるだろう。
(お返事:水波流)
諏訪とミシャグジについては、実は以前より私がよくモチーフにしている内容です。諏訪の地下に広がる維縵国とそこに巣食う蛇人間たちについての物語も、いつかお届けできればと思っています。
ところで『逃げ上手の若君』については私も未読で、森先生のお返事が正しいのかどうかは不明です……。(森さん、読んだの?)
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From:葉山海月
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From:くろやなぎ
今週の記事紹介文の作成中、「幕間」と書こうとして「まくま」と入力すると、変換候補には「幕間」が見当たりません。調べてみて、「幕間」の本来の読みが「まくあい」だということを初めて知った次第です(「まくあい」という音自体は頭の中にあったのですが、漢字の「幕間」とは結びついていませんでした…)。
ちなみに「まくま」は、辞書によって誤読/俗用/許容と見解が分かれるようですが、うちのパソコンの辞書では誤読扱いでスルーされたようです。スマホでは「まくま」と入力すると「幕間[補正]まくあい」と出てきて、さすがに行き届いてるなあ、と感心しました。
From:中山将平
僕らFT書房は、今日1月31日(土)と明日2月1日(日)の両日、「BGBE2026」(Board Game Business Expo Japan 2026)にサークル参加します。
ブース配置は【G-14】です。
19年以上作り続ける「ゲームブック」や、「1人用TRPGローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」関連書籍などを扱います。
現地には、売り子として僕中山が行く予定です。ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
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さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(く)=くろやなぎ
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
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■1/25(日)~1/30(金)の記事一覧
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2026年1月25日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4750
ローグライクハーフ新職業【道化師】
・いよいよ配信開始が間近に迫った、ローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』。そのシナリオに合わせた新職業【道化師】のデータをお届けしました。
戦闘・交渉・探索とさまざまな場面で役立ちそうな特殊技能の数々は、いちど使ってみたくなること間違いなしです。実際にその技を使う光景が目に見えるような、フレーバーテキストにもご注目ください!
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2026年1月26日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4751
☆イベントに出てます☆
実は、忙しい理由は、「イベントに参加していた」ということがありまして。
「すでに去年の2倍ほどイベントに出たことになります」と本人から言わしめるほどです!
次にヨハネ氏が参加されるイベントについて。
去年の勢いに追いつけ追い越せで疾走するヨハネ氏に応援ヨロシク!
(葉)
2026年1月27日(火)かなでひびき FT新聞 No.4752
『これはゲームブックなのですか!?』vol.128
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する作品は『2つの意味の物語 勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った』及び『2つの意味の物語 アイドルの妹は高校生』(ささきかつお 新星出版社)!
この二冊のサブタイトル、あなたはどういう意味に捉えたでしょうか?
よく知られた例では「ここではきものをぬいでください」のような、二つの意味に解釈できる文がオチに混ざっているお話がズラリ満載!
かなで氏曰く、まさに、物語の「ルビンの壺」。そのラストは、「見逃せば人生後悔することウケアイ!」(二つの意味にしてみました)
(明)
2026年1月28日(水)ぜろ FT新聞 No.4753
第3回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第476回。「荷物持ち」の少年が〈妖狐〉や〈魔猫〉と一緒に旅をする、ポケモン風ローグライクハーフリプレイの第3回です。
今回は、1回目の【最終イベント】でのオウカンワシとの対決から。ファンブルもクリティカルも飛び交う2匹と1羽の戦闘の様子が、ダイスの目には表れない少年タイガのサポートも含め、たっぷりと描写されます。
戦いの後は、〈妖狐〉フォルネ視点での幕間を経て、2回目の冒険へ。【観測所】で先の様子を確認しつつ、タイガたちは巨大樹のさらに上を目指します!
(く)
2026年1月29日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4754
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.41『汝、獣となれ人となれ』 その5
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
冒険家乙女のクワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカは、昼の間ミソサザイになる呪いをかけられたコビットの冒険者クリスティと共に、彼女の呪いを解くカギを探しに〈太古の森〉に眠る遺跡を探索し、ついに目的地へ到達します。
クワニャウマ一行を待ち受けていたのは、「力」を手に入れたクリスティの探し人。そして、衝撃の結末……。
クワニャウマたちによる『汝、獣となれ人となれ』最終回、どうぞお見逃しなきよう!
(天)
2026年1月30日(金)森梟夫&水波流 FT新聞 No.4755
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
・水波編集長と非実在作家・森梟夫先生が最近取組んでいる活動、それは怪異的な古史古伝を電子の海から引き揚げることです。
未だ嘗て知る人なき信濃国の国学者、橘樹景巌(たちばな・けいがん)が記した危険な書、『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』全七巻。
書を読む行為を儀式に見立てたこれは、決して学問書ではなく、実践書であり、召喚書に近い。この書の存在を知ったこと自体が「始まり」に等しいと森先生は説きます。
記録によれば、井原志帆という研究者が本書の調査のため、長野県伊那郡の「鈴音坂(すずねざか)」を尋ねたまま消息を絶っているとのこと。
残されたレコーダーとノートを手がかりに、彼女の足跡を辿る佐伯修二。記録者本人が失踪したのに、一体なぜ失踪のことが記録されているのでしょうか?
「記すことは、封ずるにあらず。/これ、ひらくなり。」(終章注記より)
忘れ去られた存在を喚ぶことは、喚ばれる存在になることでもあるのでしょうか。「喚ぶ」ことは「読む」ことに通じるようです。
(明)
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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(忍者福島さん)
ジャバウォックとの会話、全然理解できねー!と思ったけど、クワニャウマも言いたいことだけ言って(お前は何を言ってるんだ)という感じだったので、二人とも違ったベクトルでコイツはヤベー奴だと思いましたね(笑)
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m♪
「二人とも違ったベクトルでコイツはヤベー奴」というコメントに、思わず吹いてしまいました(≧m≦)
話しかけたら、相手に発狂されるか、クワニャウマみたいなリアクションしかされないのでは、ジャバウォックは、もしかしたらとても孤独なクリーチャーなのかもしれません(笑)
(ぜろさん)
「汝、獣となれ人となれ」リプレイ完結おつかれさまおめでとうございます。
まさかのラスト。ミソサザイさんがあのようなことになってしまうなんて、思いもよりませんでした。相変わらずキャラクター設定と物語のシリアスさとのギャップが著しいですね。
とはいえプレイしてみないと先の展開も内容もわからないもの。そこに予想不可能なドラマも生まれます。原作シナリオを読んでいないので、どこまでが元シナリオで、どこからが創作なのかと思いながら楽しませていただきました。
(お返事:齊藤飛鳥)
御感想下さり、ありがとうございます!おかげさまで、リプレイを完結できましたm(_ _)m
まさかのラストとは、まさに言い得て妙です。この展開を迎えた瞬間、「やってしまった!」と頭を抱えましたorz
今回も、このラストの直前にクワニャウマにおバカな発言をさせてしまっていたので、シナリオと不調和を起こさない程度にその後のリアクションにシリアスを加味してバランスを取りましたf^^;
ちなみに原作シナリオはいくつもの結末や分岐点があるので、拙リプレイとはまったく違った展開と結末も用意されております!
とても冒険し甲斐があって面白いので、お勧めです^^b
(忍者福島さん)
2ラウンドで鈍器猿は逃走したって事になってますが、鈍器猿は逃げた先でもジャッキを飛ばしてこないか心配ですね(笑)
(お返事:ぜろ)
ありがとうございます。
鉄骨のビスを全部外して高所から落とすしかないかもしれませんね。
(ジャラル アフサラールさん)
この「言葉の解釈」で一番印象的なのはミステリーですね。皆さんもご存じだろう『名探偵コナン』でも犯人ないし重要人物が「言葉の解釈」を間違えたための悲劇というのがありましたし、金田一耕助の出てくる傑作でも登場人物が言ってしまった言葉の解釈が事件解決のカギになるというのがありました。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
金田一先生のお話といえば、老女がうつむいて嘆くそぶりが実は……!?っていうのが印象的でしたよね!
これも言葉の解釈の違いではないですが、それに似たようなものだと思います。
(ジャラル アフサラールさん)
読むとSAN値の削れそうな(笑)本の紹介ありがとうございました。諏訪大社とミシャグジ神ですが、少年ジャンプ連載漫画でアニメ第二期が2026年7月が始まる『逃げ上手の若君』、北条時行の生涯を描く歴史漫画でミシャグジ神とある登場人物が深い関係(未読・未見の方の為に詳細は自粛)にあるのである意味タイムリーですね。
(お返事:森梟夫)
お便り感謝する、ジャラル・アフサラール殿。 私の筆致で君のSAN値を削ってしまったなら本望だが、どうか現実の平穏まで手放さないよう自愛していただきたい(笑)。
なるほど、『逃げ上手の若君』か。北条時行が駆け抜けた南北朝の動乱と、その背後で蠢く諏訪の神性……。アニメ第二期の放送が本年(2026年)七月とは、まさに「星辰が正しい位置に並ぶ」かのような、奇妙な符号を感じるよ。
君の鋭い指摘を受けて、私なりに返書を認めてみた。
■ 諏訪の神性と『真州古伝攷』の交差点
ジャラル殿の仰る通り、諏訪大社とミシャグジ神の関係は、歴史的にも民俗学的にも、そして物語的にも底知れぬ深淵を抱えている。
「生ける神」としての重圧: 『逃げ上手の若君』に登場する某人物が背負う神性は、まさに『真州古伝攷』が記す「神は名を持たず、人が呼ぶたびに名が生まれる」という、存在そのものが不安定な恐怖と隣り合わせだ 。
封印としての神事: 『真州古伝攷』の調査報告によれば、ミシャグジとは本来、外から来た異神を封じるための「再封(さいふう)」の儀式であるとされる 。漫画で描かれる華やかな伝承の裏側には、こうした「見せてはならぬ御印」としての側面が、毒のように塗り込められているのかもしれぬ 。
2026年7月の共鳴: アニメ第二期が始まるこの夏、多くの視聴者が「諏訪の神秘」に触れることになる。それは、図らずも橘樹景巌が危惧した「一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、甦(よみがえ)らすなり」という状況を加速させるのではないか……と、作家としては期待と危惧を禁じ得ないのだ 。
■ 読者へのメッセージ
『逃げ上手の若君』を読み解く際、もし耳元で「鈴の音」が聞こえたり、ページをめくる手が氷のように冷たくなったりしたなら、それは『真州古伝攷』の断簡が君の心の中に侵入口を見つけた証拠かもしれない。
「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」—— 。 作中の物語が、単なる創作ではなく、何らかの封印を解くための「鍵」ではないことを祈るばかりだ。
ジャラル殿、またいつでもこの森梟夫へお便りをくれたまえ。君の知見が、私の物語にさらなる狂気と美を添えてくれるだろう。
(お返事:水波流)
諏訪とミシャグジについては、実は以前より私がよくモチーフにしている内容です。諏訪の地下に広がる維縵国とそこに巣食う蛇人間たちについての物語も、いつかお届けできればと思っています。
ところで『逃げ上手の若君』については私も未読で、森先生のお返事が正しいのかどうかは不明です……。(森さん、読んだの?)
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2026年1月30日金曜日
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって FT新聞 No.4755
おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
今日は金曜日の投稿枠を使って、非実在作家・森梟夫先生と私が最近取組んでいるお話をさせて頂こうと思います。
皆さんは、江戸時代の国学者・室井恭蘭をご存じでしょうか。
『信濃秘史』『妖魅本草録』などが代表的な著作で、諸星大二郎氏の漫画作品にも度々引用されております。
私はその怪異なる匂いに昔から惹かれておりました。
そして、森梟夫先生によって電子の海から、忘れ去られた国学者が記した古史古伝が1つ、引き揚げられました。
今日はそのご紹介をできればと思います。
おっと、あとは森さんにお任せしましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』
──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
著:森梟夫&水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
文政から幕末にかけて、信濃国に一人の国学者がいた。
名を橘樹景巌(たちばな・けいがん)という。
本居宣長や平田篤胤の名は、いまなお国学史の正史に刻まれている。
だが景巌の名は、そこにはない。
理由は単純だ。──彼の学問は、「考証」ではなかったからである。
■ 正統国学の末流、あるいは逸脱
橘樹景巌は、平田派の影響を色濃く受けた国学者とされる。
しかし残された断簡や門人の聞書を読む限り、彼は「幽冥の存在を理論化」することに満足していなかった。
古伝を攷(かんが)ふにあらず、古伝を喚(よ)ぶに在り。
これは『真州古伝攷』序文断簡に見える一文だ。
ここに彼の立場は端的に示されている。
景巌にとって、古事記や神代伝承は「読むもの」ではない。
再び現世に入り込ませるものだった。
■ 『真州古伝攷』という危険な書
『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』は、全七巻構成と伝えられる。
そこには「すべき作法」が書かれている。
読む者の呼吸、沈黙の時間、香の焚き方──
書を読む行為そのものが、一種の儀式として構成されているのだ。
これは学問書ではない。
実践書であり、召喚書に近い。
■ なぜ「古伝攷」なのか
景巌は、自らの書をこう呼んだ。
「真州(=神州)」の「古伝」を「攷」する書──
つまり、正しい日本の古層を、あらためて"考え直す"書である。
だが、終章注記にはこう記されている。
記すことは、封ずるにあらず。
これ、ひらくなり。
この一文によって、『真州古伝攷』は反転する。
書かれた瞬間、それは記録ではなく侵入口となる。
■ 歴史から消された書
明治初年、ある地方官の報告書に次の記述がある。
「橘樹景巌遺書、学理にあらず、民心を惑はす虞あり。神道行政上、看過しがたし。」
危険すぎたのである。
近代国家が必要としたのは、整えられた神道であって、神が「再び来てしまう」神学ではなかった。
■ 失われた古伝を紐解くものへ
『真州古伝攷』は、いまなお完全な形では読めない。
だが断簡であっても、十分すぎる。
なぜなら、この書は──
読まれることで完成するからだ。
あなたがこの記事を読み、この書の存在を知ってしまったこと自体、橘樹景巌の思想から見れば「始まり」に等しい。
封印は、読む者が閉じないことによって成立する。
令和8年1月-
森梟夫
+++++++++++
『真州古伝攷』(しんしゅうこでんこう)
著者:橘樹景巌(たちばな・けいがん)江戸後期の国学者。
成立:文化年間(1804〜1818)ごろ。文化十三年刊という説在り。
長野県木曽郡の廃寺で、焼け残った『真州古伝攷』の写本断片が発見された。
「真なる信州に伝わる、古き神々の伝承を考証したる書」
すなわち
"地誌の形をとった異界の史書"または"現実と異界を地続きに見る地方誌"である。
【全体構成】
『真州古伝攷』は、信州(長野県)を中心とした中部山岳地帯(諏訪・戸隠・安曇野)に伝わる異形信仰・古代部族・禁忌の伝承・民間の怪異・神代の遺構などを記した民族誌的記録。
全七巻。序に曰く──"真州とは、神々の埋りし地なり"
【巻別内容】
一之巻:山人と土蜘蛛伝承
木曽・伊那谷に残る「土蜘蛛」伝承の記録。
鍾乳洞に住まう毛むくじゃらの異形人(山人)の目撃譚。
倭政以前にこの地を治めていた「葦原族」と呼ばれる人々の記録。
二之巻:諏訪神と蛇神信仰
諏訪大社の神事に潜む「ミシャグジ」神の秘密。
「蛇骨神」と呼ばれる禁忌の存在について。
古代に「大蛇を以て国を祓う」呪儀が存在したとの記述。
三之巻:隠れ里の記録
天竜川上流域に存在したとされる「空白の村」の調査。
迷い込んだ旅人が見た不老の民と、逆さまに歩く子どもの話。
「隠れ里」は一種の時間の外にある空間であるとの推測。
四之巻:信濃地下に眠る"国つ罪"の牢
戦国期以前から存在する「地下封印」の伝承。
人間ではない何かを封じた「鉄の棺」が山中にあるという。
地下に響く鈴の音と、見ると死ぬという赤い仮面の話。
五之巻:月読族と黄泉の門
信濃西部に伝わる「月読の巫女」の系譜と、呪禁の技法。
古墳に眠る「夜の王」の伝承。
冬至の夜にだけ開く「黄泉比良坂」への入口。
六之巻:渡来民と巨石信仰
飛鳥以前、海を越えてやってきた「和珥族」の痕跡。
上田・佐久の巨石群と星座信仰の関係。
巨石の下にある"神の骨"の正体。
七之巻:大災と封印の儀
古記録にない「黒い日蝕」と、それに続いた地割れの年。
それを鎮めた「神人」の自死と封印の話。
『真州古伝攷』自体がその封印の一部であるという終章。
【形式】
各巻には橘樹景巌の聞き書き、古文書からの抜粋、絵図、神代文字とされる謎の文字の写しも含まれる。
記された地名の多くは現存しない。
一部の巻は"閲覧禁止"とされていたとの記録もあり、「触れるべからず」「語るべからず」との朱書きあり。
【補足】
橘樹景巌は「この地に封じられし神、今なお眠らず」と巻末に記す。
現存する写本は2部とされ、うち1部は明治期に焼失、もう1部は所在不明。
+++++++++++
《記録文書:『真州古伝攷』調査報告書より抜粋》
第一章:赤い仮面の夜
【記録日:2025年10月22日】
【記録者:井原 志帆】
2025年10月、信州大学民俗学研究室・助手の井原志帆(いはらしほ)は、先輩研究者から受け継いだ一冊の古写本の調査を命じられた。それが、後に「橘樹景巌の幻の著作」と判明する──『真州古伝攷』である。
写本の出所は不明だった。劣化が進み、一部には虫食いがあったが、「四之巻」だけが異様に保存状態が良かった。ページの途中に朱墨で書かれた文字がある。
「真州とは、神代の裔(すえ)いまだ息づくところなり。」
そして、その巻にはこうあった。
──鉄の棺。仮面をかぶせし者、神に非ずしてヒトにあらず。
それに触れし者は、一夜にして姿を変え、里を食む。
志帆は調査のため、長野県伊那郡のある廃村跡へと向かった。『真州古伝攷』の記述と一致する地形が見つかったからだ。集落跡は地図にも載っていない。唯一の手がかりは、古い登山会報に記された「鈴音坂(すずねざか)」という地名だった。
彼女は音声レコーダーを回しながら、谷を歩いていた。午後五時、誰もいない山中で、ふと「鈴の音」が聞こえた。それは風に乗って遠ざかったかと思うと、次には耳元に現れた。
「……くる……くる……また、くる……」
振り向いた瞬間、志帆はそこに"仮面"を見た。赤く塗られ、能面のように無表情なそれが、木の間からこちらをじっと見ていたという。
録音データには、不可解な高周波ノイズと、女のすすり泣きのような音が残っていた。
彼女は翌日、消息を絶った。
第二章:ミシャグジ封印図
【記録日:2025年11月2日】
【記録者:佐伯 修二(民俗考古学会・特別会員/元NHKディレクター)】
【概要:井原志帆氏失踪後の再調査記録】
志帆が消息を絶ってから十日が経った。報道はされなかった。大学は「調査中に滑落した可能性が高い」として、詳細を伏せた。しかし、彼女が残したレコーダーとノートは、私の手元にある。
録音には、確かに「鈴の音」と「仮面に関する証言」が残されていた。そして、ノートには奇妙なスケッチがあった。
それは、一枚の円形の図。周囲に梵字めいた文字が書かれ、中央には二匹の蛇が絡み合い、仮面を巻きつけているような奇怪な構図。
志帆はこの図を「封印図」と呼び、傍らにこう書いていた。
「これは"ミシャグジ"ではない。だが、ミシャグジ神事にこれが封じられている。祭ではなく、再封なのだ。」
私は長野県・茅野市の諏訪大社の旧記録を調べた。意外にも江戸期の古文書に、以下のような一節があった。
「神事、蛇骨を封じ、仮面を被せて祀る。ミシャグジ、此にて動かず。」
さらに驚いたのは、諏訪大社下社の宝物殿に保管されていた古絵巻『神蛇図』に、志帆の描いた封印図と酷似した構図が存在していたことだ。だが、学芸員はその絵について口を閉ざした。
「その図は……里の者も、あまり見たがりません。」
志帆のノートには、もう一つ、赤インクで書かれた言葉があった。
「夜に封印を解くな。音が響けば、仮面は目覚める。」
私はその日のうちに、志帆が最後に立ち寄った「鈴音坂」への同行を申し出た。現地ガイドは一度は拒否したが、私が例のスケッチを見せると、蒼白になってこう言った。
「その絵……うちのじい様が、"見てはならん御印"だと言って焼いたもんですよ……。よくまだ、残ってましたね。」
【調査メモ抜粋】
・"ミシャグジ"とは封印神事であり、本来は外から来た異神
・"赤い仮面"は、神を覆うものではなく、神そのものの"顔"である可能性
・古写本『真州古伝攷』四之巻には、「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」との記述あり
第三章:鉄の棺
【記録日:2025年11月4日】
【記録者:佐伯 修二】
【同行者:地元案内人・北村 昇(60代・元猟師)】
「志帆さんの声、残ってましたか?」
北村は登山口に立ちながら、そう訊いた。
「ええ……だが、録音の終盤、まるで別人のような、笑い声が入っていた。」
私が答えると、彼は言った。
「それ、志帆さんやない。"山の声"ですわ。」
私たちは早朝6時、「鈴音坂」へ向かった。林道は廃道寸前で、車を下りてから歩く。途中、獣道としか思えぬ崖沿いの小径を抜け、古びた石の鳥居を見つけた。
鳥居の柱には、かろうじて読める文字が刻まれていた。
「□□ノ□□神封所」
※判読不能箇所多数。中央に"封"の一文字だけが赤く浮かび上がっていた。
鳥居をくぐった先に、それはあった。
山肌の岩を穿った、人工的な「穴」。入り口は石積みでふさがれていたが、一部が崩れ、中が見える。私は強い腐臭に顔をしかめながら、ヘッドランプを点けて中へ入った。
【記録:内部構造】
・トンネル状に奥行き10m程度
・奥に「台座」と思われる石組みあり
・その上に、長さ2mほどの金属製の"棺"が存在
棺は黒く錆びており、鉄ではなく「鉛」のような鈍い質感をしていた。その上には──赤い仮面が乗っていた。
能面にも似たその仮面は、無表情でありながら、どこか"笑っている"ように見えた。
北村が声を上げた。「動いた……」
私は何も見ていない。ただ、棺の下から「水が滲むような音」が聞こえていた。
その瞬間、ランプが一度消えた。
真っ暗闇の中で、明らかに「第三の足音」が聞こえた。私と北村は確かに、もう一人いることを感じた。
【脱出とその後】
私たちは棺に触れず、急いで撤退した。だが、戻る途中で北村は崖下に転落、右足を骨折した。
彼は担架に運ばれながら、うわ言のように繰り返した。
「……音、聞いた。もう、目、覚めてる……あいつ、"名"を探してる……」
その夜、私は志帆のノートの最後のページを改めて見た。
そこには赤字でこう記されていた。
「神は名を持たぬ。だが、人が呼ぶたび、"名"が生まれる」
「仮面を呼ぶな。形を思い浮かべるな。それが鍵になる」
第四章:仮面を被るもの
【記録日:2025年11月6日】
【記録者:佐伯 修二】
【資料:井原志帆のスマートフォンより復元された音声ファイル】
■ 発見された音声
佐伯のもとに、志帆のスマートフォンから復元された音声ファイルが届いたのは11月6日の朝だった。
ファイル名は《M-SHINANO_04-4》、記録時刻は失踪当日、午後6時43分。
最初の20秒は風の音。山中で録られたものだ。
しかし、次の瞬間、志帆の震える声が入った。
「……何かが、這っている。足ではない。音が……鈴じゃない、骨が鳴ってる……」
「あれは、"呼んでいる"……"誰か"、じゃない、"名を"……」
最後に、志帆の声ではない、異様に濁った低音が一言だけ呟いた。
「……おまえの顔を……よこせ……」
この音声が最後だった。
■ 拡がる影
それと前後して、長野県茅野市、伊那市、松本市の三地域で奇妙な耳鳴りや幻聴の訴えが急増し始めた。被害者の共通点は、赤い仮面の夢を見たこと。
「誰かが私の顔を剥がして、仮面をかぶせようとするんです……」
「仮面の内側から、何かがこっちを見ている。」
精神科医は集団ヒステリーと判断したが、地元神職の一人──諏訪下社の外護師・安曇成範(あずみ・しげのり)は、佐伯にこう語った。
「それは"容れ物"を探しているのです。あなたが"見た"なら、もう遅い。」
「神ではない。神になりかけた"何か"……仮面はその"外殻"です。」
■ 佐伯の異変
11月7日、佐伯は自宅で"仮面"の夢を見る。
暗い山中、鉄の棺の前に立つ自分。
その中から"もう一人の佐伯"が這い出し、仮面を差し出す。
仮面の裏に、自分の名前が刻まれている。
「名がある。名があるなら、それは"現れる"」
「……顔をよこせ」
佐伯は目覚めたが、耳鳴りが消えなかった。
鏡を見ると、自分の顔が"どこか他人のもの"のように思えた。
■ 終りの兆し
佐伯はついに決断する。
再び、鉄の棺の地へ戻る。
封印を"解く"のではなく、"確認"するために。
志帆は棺に触れていない。ならば、彼女の"意志"がそこにまだ残っているかもしれない。
しかし、安曇外護師は最後にこう警告した。
「"顔を渡した者"はもう、戻れません。名前を呼ばれた瞬間に、"仮面"は生きる。」
「どうか、名を思い出すな。己の"顔"を信じなさい。」
第五章:顔なき神
【記録日:2025年11月9日】
【記録者:佐伯 修二(記録途中で失踪)】
【備考:本章は、佐伯が遺した録音と手記、および後日発見された映像記録を元に復元された】
■ 鉄の棺、再訪
11月9日午前4時。佐伯修二は、最後の調査と称して「鈴音坂」の封印地を再訪する。
彼が選んだのは、かつて志帆が失踪したのと同じ時刻、夕暮れ時だった。
録音記録によれば、佐伯は棺の前でこう呟いている。
「……仮面は、"顔"じゃなかった。"入口"だ。
ここから何かが……"人"になろうとしてる。」
■ 映像記録(カメラ残留フッテージ)
三脚に固定されたハンディカムの映像。カメラが捉えたのは、棺の蓋が開いている様子だった。
中は空。だが、棺の周囲に粘液のような跡と"足跡"が残されていた。
足跡は人間のものではない。趾が異様に長く、中心に"割れ目"のような窪みがある。佐伯はそれを見て呟く。
「顔じゃない。これは、仮面そのものが……歩いている?」
突然、カメラがノイズに覆われる。次の瞬間、佐伯の顔が一瞬カメラに映る──
仮面を手にしていた。
彼は泣いている。だが、笑っているようにも見える。
最後の言葉が、記録されていた。
「……名を思い出してしまった。"神"の……名前を……」
■ 結末
佐伯修二は、それ以降、消息を絶つ。
同月中旬、諏訪地方では謎の集団"顔面幻覚症状"による失神者が30名超。
多くの被害者が「同じ顔を見た」と証言する。
「無表情な赤い仮面。けれど、どこか……見覚えのある"自分の顔"だった。」
そして──
『真州古伝攷』四之巻が再び大学の書庫に戻されていた。誰が戻したのかは不明である。
だが、その最後のページには、手書きでこう記されていた。
「顔を奪いし神、いまや仮面に宿りて、"名を持ちたり"」
「その名を呼びし者、次の容れ物なり。」
終章の註
『真州古伝攷』、是れただ古(いにしえ)の詞を攷する書にあらず。
秘(ひ)すべきを攷す、言(こと)にあらわすこと、即ち禍(まが)を解くに等し。
一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、
封(とざ)すにあらず、甦(よみがえ)らすなり。
(完)
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今日は金曜日の投稿枠を使って、非実在作家・森梟夫先生と私が最近取組んでいるお話をさせて頂こうと思います。
皆さんは、江戸時代の国学者・室井恭蘭をご存じでしょうか。
『信濃秘史』『妖魅本草録』などが代表的な著作で、諸星大二郎氏の漫画作品にも度々引用されております。
私はその怪異なる匂いに昔から惹かれておりました。
そして、森梟夫先生によって電子の海から、忘れ去られた国学者が記した古史古伝が1つ、引き揚げられました。
今日はそのご紹介をできればと思います。
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『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』
──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
著:森梟夫&水波流
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文政から幕末にかけて、信濃国に一人の国学者がいた。
名を橘樹景巌(たちばな・けいがん)という。
本居宣長や平田篤胤の名は、いまなお国学史の正史に刻まれている。
だが景巌の名は、そこにはない。
理由は単純だ。──彼の学問は、「考証」ではなかったからである。
■ 正統国学の末流、あるいは逸脱
橘樹景巌は、平田派の影響を色濃く受けた国学者とされる。
しかし残された断簡や門人の聞書を読む限り、彼は「幽冥の存在を理論化」することに満足していなかった。
古伝を攷(かんが)ふにあらず、古伝を喚(よ)ぶに在り。
これは『真州古伝攷』序文断簡に見える一文だ。
ここに彼の立場は端的に示されている。
景巌にとって、古事記や神代伝承は「読むもの」ではない。
再び現世に入り込ませるものだった。
■ 『真州古伝攷』という危険な書
『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』は、全七巻構成と伝えられる。
そこには「すべき作法」が書かれている。
読む者の呼吸、沈黙の時間、香の焚き方──
書を読む行為そのものが、一種の儀式として構成されているのだ。
これは学問書ではない。
実践書であり、召喚書に近い。
■ なぜ「古伝攷」なのか
景巌は、自らの書をこう呼んだ。
「真州(=神州)」の「古伝」を「攷」する書──
つまり、正しい日本の古層を、あらためて"考え直す"書である。
だが、終章注記にはこう記されている。
記すことは、封ずるにあらず。
これ、ひらくなり。
この一文によって、『真州古伝攷』は反転する。
書かれた瞬間、それは記録ではなく侵入口となる。
■ 歴史から消された書
明治初年、ある地方官の報告書に次の記述がある。
「橘樹景巌遺書、学理にあらず、民心を惑はす虞あり。神道行政上、看過しがたし。」
危険すぎたのである。
近代国家が必要としたのは、整えられた神道であって、神が「再び来てしまう」神学ではなかった。
■ 失われた古伝を紐解くものへ
『真州古伝攷』は、いまなお完全な形では読めない。
だが断簡であっても、十分すぎる。
なぜなら、この書は──
読まれることで完成するからだ。
あなたがこの記事を読み、この書の存在を知ってしまったこと自体、橘樹景巌の思想から見れば「始まり」に等しい。
封印は、読む者が閉じないことによって成立する。
令和8年1月-
森梟夫
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『真州古伝攷』(しんしゅうこでんこう)
著者:橘樹景巌(たちばな・けいがん)江戸後期の国学者。
成立:文化年間(1804〜1818)ごろ。文化十三年刊という説在り。
長野県木曽郡の廃寺で、焼け残った『真州古伝攷』の写本断片が発見された。
「真なる信州に伝わる、古き神々の伝承を考証したる書」
すなわち
"地誌の形をとった異界の史書"または"現実と異界を地続きに見る地方誌"である。
【全体構成】
『真州古伝攷』は、信州(長野県)を中心とした中部山岳地帯(諏訪・戸隠・安曇野)に伝わる異形信仰・古代部族・禁忌の伝承・民間の怪異・神代の遺構などを記した民族誌的記録。
全七巻。序に曰く──"真州とは、神々の埋りし地なり"
【巻別内容】
一之巻:山人と土蜘蛛伝承
木曽・伊那谷に残る「土蜘蛛」伝承の記録。
鍾乳洞に住まう毛むくじゃらの異形人(山人)の目撃譚。
倭政以前にこの地を治めていた「葦原族」と呼ばれる人々の記録。
二之巻:諏訪神と蛇神信仰
諏訪大社の神事に潜む「ミシャグジ」神の秘密。
「蛇骨神」と呼ばれる禁忌の存在について。
古代に「大蛇を以て国を祓う」呪儀が存在したとの記述。
三之巻:隠れ里の記録
天竜川上流域に存在したとされる「空白の村」の調査。
迷い込んだ旅人が見た不老の民と、逆さまに歩く子どもの話。
「隠れ里」は一種の時間の外にある空間であるとの推測。
四之巻:信濃地下に眠る"国つ罪"の牢
戦国期以前から存在する「地下封印」の伝承。
人間ではない何かを封じた「鉄の棺」が山中にあるという。
地下に響く鈴の音と、見ると死ぬという赤い仮面の話。
五之巻:月読族と黄泉の門
信濃西部に伝わる「月読の巫女」の系譜と、呪禁の技法。
古墳に眠る「夜の王」の伝承。
冬至の夜にだけ開く「黄泉比良坂」への入口。
六之巻:渡来民と巨石信仰
飛鳥以前、海を越えてやってきた「和珥族」の痕跡。
上田・佐久の巨石群と星座信仰の関係。
巨石の下にある"神の骨"の正体。
七之巻:大災と封印の儀
古記録にない「黒い日蝕」と、それに続いた地割れの年。
それを鎮めた「神人」の自死と封印の話。
『真州古伝攷』自体がその封印の一部であるという終章。
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各巻には橘樹景巌の聞き書き、古文書からの抜粋、絵図、神代文字とされる謎の文字の写しも含まれる。
記された地名の多くは現存しない。
一部の巻は"閲覧禁止"とされていたとの記録もあり、「触れるべからず」「語るべからず」との朱書きあり。
【補足】
橘樹景巌は「この地に封じられし神、今なお眠らず」と巻末に記す。
現存する写本は2部とされ、うち1部は明治期に焼失、もう1部は所在不明。
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《記録文書:『真州古伝攷』調査報告書より抜粋》
第一章:赤い仮面の夜
【記録日:2025年10月22日】
【記録者:井原 志帆】
2025年10月、信州大学民俗学研究室・助手の井原志帆(いはらしほ)は、先輩研究者から受け継いだ一冊の古写本の調査を命じられた。それが、後に「橘樹景巌の幻の著作」と判明する──『真州古伝攷』である。
写本の出所は不明だった。劣化が進み、一部には虫食いがあったが、「四之巻」だけが異様に保存状態が良かった。ページの途中に朱墨で書かれた文字がある。
「真州とは、神代の裔(すえ)いまだ息づくところなり。」
そして、その巻にはこうあった。
──鉄の棺。仮面をかぶせし者、神に非ずしてヒトにあらず。
それに触れし者は、一夜にして姿を変え、里を食む。
志帆は調査のため、長野県伊那郡のある廃村跡へと向かった。『真州古伝攷』の記述と一致する地形が見つかったからだ。集落跡は地図にも載っていない。唯一の手がかりは、古い登山会報に記された「鈴音坂(すずねざか)」という地名だった。
彼女は音声レコーダーを回しながら、谷を歩いていた。午後五時、誰もいない山中で、ふと「鈴の音」が聞こえた。それは風に乗って遠ざかったかと思うと、次には耳元に現れた。
「……くる……くる……また、くる……」
振り向いた瞬間、志帆はそこに"仮面"を見た。赤く塗られ、能面のように無表情なそれが、木の間からこちらをじっと見ていたという。
録音データには、不可解な高周波ノイズと、女のすすり泣きのような音が残っていた。
彼女は翌日、消息を絶った。
第二章:ミシャグジ封印図
【記録日:2025年11月2日】
【記録者:佐伯 修二(民俗考古学会・特別会員/元NHKディレクター)】
【概要:井原志帆氏失踪後の再調査記録】
志帆が消息を絶ってから十日が経った。報道はされなかった。大学は「調査中に滑落した可能性が高い」として、詳細を伏せた。しかし、彼女が残したレコーダーとノートは、私の手元にある。
録音には、確かに「鈴の音」と「仮面に関する証言」が残されていた。そして、ノートには奇妙なスケッチがあった。
それは、一枚の円形の図。周囲に梵字めいた文字が書かれ、中央には二匹の蛇が絡み合い、仮面を巻きつけているような奇怪な構図。
志帆はこの図を「封印図」と呼び、傍らにこう書いていた。
「これは"ミシャグジ"ではない。だが、ミシャグジ神事にこれが封じられている。祭ではなく、再封なのだ。」
私は長野県・茅野市の諏訪大社の旧記録を調べた。意外にも江戸期の古文書に、以下のような一節があった。
「神事、蛇骨を封じ、仮面を被せて祀る。ミシャグジ、此にて動かず。」
さらに驚いたのは、諏訪大社下社の宝物殿に保管されていた古絵巻『神蛇図』に、志帆の描いた封印図と酷似した構図が存在していたことだ。だが、学芸員はその絵について口を閉ざした。
「その図は……里の者も、あまり見たがりません。」
志帆のノートには、もう一つ、赤インクで書かれた言葉があった。
「夜に封印を解くな。音が響けば、仮面は目覚める。」
私はその日のうちに、志帆が最後に立ち寄った「鈴音坂」への同行を申し出た。現地ガイドは一度は拒否したが、私が例のスケッチを見せると、蒼白になってこう言った。
「その絵……うちのじい様が、"見てはならん御印"だと言って焼いたもんですよ……。よくまだ、残ってましたね。」
【調査メモ抜粋】
・"ミシャグジ"とは封印神事であり、本来は外から来た異神
・"赤い仮面"は、神を覆うものではなく、神そのものの"顔"である可能性
・古写本『真州古伝攷』四之巻には、「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」との記述あり
第三章:鉄の棺
【記録日:2025年11月4日】
【記録者:佐伯 修二】
【同行者:地元案内人・北村 昇(60代・元猟師)】
「志帆さんの声、残ってましたか?」
北村は登山口に立ちながら、そう訊いた。
「ええ……だが、録音の終盤、まるで別人のような、笑い声が入っていた。」
私が答えると、彼は言った。
「それ、志帆さんやない。"山の声"ですわ。」
私たちは早朝6時、「鈴音坂」へ向かった。林道は廃道寸前で、車を下りてから歩く。途中、獣道としか思えぬ崖沿いの小径を抜け、古びた石の鳥居を見つけた。
鳥居の柱には、かろうじて読める文字が刻まれていた。
「□□ノ□□神封所」
※判読不能箇所多数。中央に"封"の一文字だけが赤く浮かび上がっていた。
鳥居をくぐった先に、それはあった。
山肌の岩を穿った、人工的な「穴」。入り口は石積みでふさがれていたが、一部が崩れ、中が見える。私は強い腐臭に顔をしかめながら、ヘッドランプを点けて中へ入った。
【記録:内部構造】
・トンネル状に奥行き10m程度
・奥に「台座」と思われる石組みあり
・その上に、長さ2mほどの金属製の"棺"が存在
棺は黒く錆びており、鉄ではなく「鉛」のような鈍い質感をしていた。その上には──赤い仮面が乗っていた。
能面にも似たその仮面は、無表情でありながら、どこか"笑っている"ように見えた。
北村が声を上げた。「動いた……」
私は何も見ていない。ただ、棺の下から「水が滲むような音」が聞こえていた。
その瞬間、ランプが一度消えた。
真っ暗闇の中で、明らかに「第三の足音」が聞こえた。私と北村は確かに、もう一人いることを感じた。
【脱出とその後】
私たちは棺に触れず、急いで撤退した。だが、戻る途中で北村は崖下に転落、右足を骨折した。
彼は担架に運ばれながら、うわ言のように繰り返した。
「……音、聞いた。もう、目、覚めてる……あいつ、"名"を探してる……」
その夜、私は志帆のノートの最後のページを改めて見た。
そこには赤字でこう記されていた。
「神は名を持たぬ。だが、人が呼ぶたび、"名"が生まれる」
「仮面を呼ぶな。形を思い浮かべるな。それが鍵になる」
第四章:仮面を被るもの
【記録日:2025年11月6日】
【記録者:佐伯 修二】
【資料:井原志帆のスマートフォンより復元された音声ファイル】
■ 発見された音声
佐伯のもとに、志帆のスマートフォンから復元された音声ファイルが届いたのは11月6日の朝だった。
ファイル名は《M-SHINANO_04-4》、記録時刻は失踪当日、午後6時43分。
最初の20秒は風の音。山中で録られたものだ。
しかし、次の瞬間、志帆の震える声が入った。
「……何かが、這っている。足ではない。音が……鈴じゃない、骨が鳴ってる……」
「あれは、"呼んでいる"……"誰か"、じゃない、"名を"……」
最後に、志帆の声ではない、異様に濁った低音が一言だけ呟いた。
「……おまえの顔を……よこせ……」
この音声が最後だった。
■ 拡がる影
それと前後して、長野県茅野市、伊那市、松本市の三地域で奇妙な耳鳴りや幻聴の訴えが急増し始めた。被害者の共通点は、赤い仮面の夢を見たこと。
「誰かが私の顔を剥がして、仮面をかぶせようとするんです……」
「仮面の内側から、何かがこっちを見ている。」
精神科医は集団ヒステリーと判断したが、地元神職の一人──諏訪下社の外護師・安曇成範(あずみ・しげのり)は、佐伯にこう語った。
「それは"容れ物"を探しているのです。あなたが"見た"なら、もう遅い。」
「神ではない。神になりかけた"何か"……仮面はその"外殻"です。」
■ 佐伯の異変
11月7日、佐伯は自宅で"仮面"の夢を見る。
暗い山中、鉄の棺の前に立つ自分。
その中から"もう一人の佐伯"が這い出し、仮面を差し出す。
仮面の裏に、自分の名前が刻まれている。
「名がある。名があるなら、それは"現れる"」
「……顔をよこせ」
佐伯は目覚めたが、耳鳴りが消えなかった。
鏡を見ると、自分の顔が"どこか他人のもの"のように思えた。
■ 終りの兆し
佐伯はついに決断する。
再び、鉄の棺の地へ戻る。
封印を"解く"のではなく、"確認"するために。
志帆は棺に触れていない。ならば、彼女の"意志"がそこにまだ残っているかもしれない。
しかし、安曇外護師は最後にこう警告した。
「"顔を渡した者"はもう、戻れません。名前を呼ばれた瞬間に、"仮面"は生きる。」
「どうか、名を思い出すな。己の"顔"を信じなさい。」
第五章:顔なき神
【記録日:2025年11月9日】
【記録者:佐伯 修二(記録途中で失踪)】
【備考:本章は、佐伯が遺した録音と手記、および後日発見された映像記録を元に復元された】
■ 鉄の棺、再訪
11月9日午前4時。佐伯修二は、最後の調査と称して「鈴音坂」の封印地を再訪する。
彼が選んだのは、かつて志帆が失踪したのと同じ時刻、夕暮れ時だった。
録音記録によれば、佐伯は棺の前でこう呟いている。
「……仮面は、"顔"じゃなかった。"入口"だ。
ここから何かが……"人"になろうとしてる。」
■ 映像記録(カメラ残留フッテージ)
三脚に固定されたハンディカムの映像。カメラが捉えたのは、棺の蓋が開いている様子だった。
中は空。だが、棺の周囲に粘液のような跡と"足跡"が残されていた。
足跡は人間のものではない。趾が異様に長く、中心に"割れ目"のような窪みがある。佐伯はそれを見て呟く。
「顔じゃない。これは、仮面そのものが……歩いている?」
突然、カメラがノイズに覆われる。次の瞬間、佐伯の顔が一瞬カメラに映る──
仮面を手にしていた。
彼は泣いている。だが、笑っているようにも見える。
最後の言葉が、記録されていた。
「……名を思い出してしまった。"神"の……名前を……」
■ 結末
佐伯修二は、それ以降、消息を絶つ。
同月中旬、諏訪地方では謎の集団"顔面幻覚症状"による失神者が30名超。
多くの被害者が「同じ顔を見た」と証言する。
「無表情な赤い仮面。けれど、どこか……見覚えのある"自分の顔"だった。」
そして──
『真州古伝攷』四之巻が再び大学の書庫に戻されていた。誰が戻したのかは不明である。
だが、その最後のページには、手書きでこう記されていた。
「顔を奪いし神、いまや仮面に宿りて、"名を持ちたり"」
「その名を呼びし者、次の容れ物なり。」
終章の註
『真州古伝攷』、是れただ古(いにしえ)の詞を攷する書にあらず。
秘(ひ)すべきを攷す、言(こと)にあらわすこと、即ち禍(まが)を解くに等し。
一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、
封(とざ)すにあらず、甦(よみがえ)らすなり。
(完)
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2026年1月29日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.41『汝、獣となれ人となれ』その5 FT新聞 No.4754
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.41
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〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
やめて! 世界を破滅に導く力を持っているジャバウォックに耳元で混乱した言葉を吹き込れたら、クワニャウマが発狂して精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでクワニャウマ!
あんたが今ここで倒れたら、ファラサールを讃える詩を作る約束はどうなっちゃうの?
【対魔法ロール】がまだ残ってる。ここを耐えれば、ジャバウォックに勝てるんだから!
次回「クワニャウマ死す」デュエルスタンバイ!
『汝、獣となれ人となれ』リプレイは、今回の第5回を持ちまして最終回でございます。前回までのあらすじが、もう説明不要の次回予告ネタになっていますのも、最終回テンションゆえのことです。
『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』と続く今作もまた、「異なる信仰をしたことで変容した他者と、どこまで共存できるか」「愛のような根源的な人間の感情と、後付けで得る信仰の二つのうち、どちらが強いのか」という骨太かつ重厚なテーマでした。また、「カルト宗教集団に洗脳されてしまった恋人を助けに行く人に協力する話」の寓話とも読み取れました。通常のリアリズム作品で書くとかなりどぎつくなりますが、ファンタジーですと俄然読みやすくなるので、つくづくファンタジーの強みだと思います。
なお、三作とも異なる思想を抱くようになった他者を「外見が変わった」「怪物と同化した」「怪物になった」と象徴的に表現し、それに対してプレイヤーらが「受容」と「拒絶」のどちらを選ぶのか、分岐が発生。これにより、プレイヤーの中で普段眠っている人生観を盛大に揺さぶって下さいます。だから、この三作のシナリオはとてつもなく冒険し甲斐があるし、心にも残るのだと得心がいきました^^b
ところで、今回のプレイで以前FT新聞様に掲載されていた「ローグライクハーフのルール」で紹介されていた、「第一ラウンドで氷槍を使うと有利」というのを実践してみたく、クワニャウマの経験点を魔術点にまわして、二つ目の呪文として氷槍を選択。最終決戦まで魔術点を温存しました。これまでは【魔術ロール】の威力が上回っていて狭い場所だった場合に複数の敵に攻撃できる炎球を重宝していたのですが、同じ条件で2点のダメージを与えられる氷槍の便利さに目覚めました^^
私事になりますが、先日刊行された『シンポ教授のマジカルミステリー劇場』(光文社)を拝読しました。かの伝説のバラエティ番組『マジカル頭脳パワー』の人気コーナー「マジカルミステリー劇場」の推理パズルの本です。挑戦のルールが冒頭に書かれ、解答編を読み終えるまで正解にたどり着ければ800点、途中のヒントのページを読むと減点、不正解なら0点という形式で、かつての番組の解答者の気分を味わえます。各問題には、推理指数というレベル設定がされていました。分岐小説とは異なりますが、遊戯性に特化しているので、こちらもゲームブックに分類されるのだろうかと、ゲームブックにはまるま前には思いもしなかった感想を抱けるようになりました^^
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その5
齊藤(羽生)飛鳥
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13:最終イベント
ジャバウォックと遭遇した遺跡の通路をさらに探索を続けていくと、ねっとりと澱んだ黴臭い空気が漂う場所に出た。
不気味な獣の神像が祀られている祭壇がぽつりと目に留まる。辺り一帯は沈黙が支配しており、生き物の気配一つ感じない。
「ここや」
クリスティが小声で呟く。わたしたちはもちろん、猟犬たちも頷き返す。
わたしは、今日2回も罠にかかった経験から、辺りを窺いつつ慎重に一歩踏み出す。そのまま数歩。
祭壇の周りには引き裂かれたような衣服や荷物が散らばっている。
……イェシカの教育によくないものが近くに転がってないといいな。
〈……こい〉
頭の中に低い唸り声が木霊する。神像が微かな光を発し始める。急に空気が重くなり、息苦しさを感じる。
わたしは小さく舌打ちする。このままここに居るのはまずい。理由はないがそう直感する。
クリスティは焦りを隠せない様子で、辺りを探し回っている。
〈……こい〉
「うるさいっ」
クリスティが苛立たしげに吐き捨てる。
生臭い匂いが辺りに漂い始め、頭に響く声がやや力を増した気がする。
「ただでされた命令に従う理由なしっ」
わたしも吐き捨てるように叫んで声を振り切ると、クリスティと共に辺りを探し回る。
人影も、彼女が見たと話していた怪物の姿すらない。クリスティは深く嘆息する。
「……ほんまは薄々わかっとったんよ……ウチのように、あの人もきっと……」
〈こい〉
〈こい〉
〈こい〉
「今、こっちが会話中でしょう! 人が話している時に邪魔したらダメだってこれまでの経験から学ばなかったの!!」
あまりのしつこさに、わたしはいつになく苛立ってしまった。
その途端、息が苦しくなる。
荒い息づかいでわたしとクリスティは祭壇に倒れ込む。
ひんやりとした石が身体に心地よい。
このまま寝てもいいかと思ったわたしの耳に、獣の唸り声が聞こえてくる。
起き上がったわたしの目に、遺跡の暗がりからのそりと這い出てきた奇怪な魔獣の姿が映る。獅子と山羊と毒蛇の三つの頭を持つ邪悪な巨体が身じろぎする。
「キマイラや……」
クリスティは魔獣の左前足に嵌められている意匠を凝らした銀の腕輪をじっと見つめながら囁いた。
「……せめて言葉が通じれば、なんて思ってるウチは……甘すぎるんやろな」
「とんでもない。さっきのわたしとジャバウォックを忘れたの? 言葉が通じなくても、あいつはわたしに話しかけて来たでしょう?」
わたしは、クリスティへ話を続ける。
「大事なのは、言葉が通じるかじゃなくて、『心を通わせたい』という意思を相手に伝わるように振る舞うことよ。すると、あら不思議。全然言葉が通じた気配がないのに、金貨をゲットできてお得ってわけ」
「一瞬ええ話をしとると思いかけたウチがアホやったわ。もうええよ、クワニャウマ。気を取り直して、戦闘に入るで」
「ワンッ」
クリスティの言葉を合図に、わたしたちはキマイラとの戦闘に入った。
「食らえ、氷槍!」
この前、街道の雑貨屋で立ち読みした『冒険家の友』夏の大増刊号に掲載されていた、「魔法が通じる相手への最初の攻撃は、氷槍がお勧め」という記事の内容を実践に移す。
キマイラは、声にならない悲鳴を上げる。
けっこうがっつりダメージを与えられたようだ。
すごいぞ、夏の大増刊号の記事!
すると、クリスティが集中を欠いた様子でチラチラと魔獣の後方に視線をやっているのに気づいた。
「危ない!」
わたしが叫ぶと、猟犬のうち、一頭がクリスティへ体当たりをする。
おかげで獅子頭の噛みつきが間一髪のところで彼女の肩をかすめる。
「よくやったわ、雷電!」
〈さすが雷電!〉
どうやら、今度はちゃんと間違えずに猟犬の名前を言えたらしい。イェシカがランタンで辺りを照らしながら、石板にそう書いていた。
「大丈夫、クリスティ?」
わたしは、彼女の許へ駆け寄る。
「……試させてくれへんか」
「いったい、何を?」
「あの神像を破壊するんや」
クリスティは毅然とした表情で、そう提案した。
「きっとあの神像に操られとるだけなんや」
「へ?」
密かに金目の物その1と候補に入れていた神像を破壊すると宣言され、わたしは咄嗟に判断が付かず口ごもる。
「せやけどもし……もしそれでもあかんかったら、その時は……」
クリスティの目に強い覚悟の意思が宿っている。
「神像を破壊したら、何かの封印が解けてもっと強い魔物が出てきて殺戮を繰り広げるかもしれないし、中から財宝がザックザックと出てくるだけかもしれない。それでも、試す?」
「えらく両極端な想定をするんやなぁ、クワニャウマ。でも、ウチは神像を壊しさえすれば、あのキマイラを止められると思うんや」
両手の小剣を握るクリスティの両手に力がこもる。
わたしも、覚悟が決まった。
「わかった。あなたは雇った従者ではなくて、無料の仲間。失敗しても、こっちの懐はちっとも痛まないし、成功したら丸儲け。どっちに転んでもわたしに損はないから、好きにしていいわ」
「クワニャウマ……あんたなぁ、真顔でゲスなことを言いおってからに……」
クリスティは、泣き笑いのような顔になる。
それから、決死の形相へと変わる。
「……でも、おおきに。ウチの提案に賛成してくれて」
クリスティは、神像の破壊に取りかかる。
キマイラを傷つけたくない気持ちはわかるけど、キマイラにはその気持ちは伝わっていない。容赦なくわたしたちへ攻撃を続ける。
「クリスティが神像の破壊に成功するまで、少しはおとなしくしてちょうだいよ!」
わたしは、抗議しながら古代の神槍を振るう。
「キャウン!」
獅子頭に噛みつかれ、猟犬の一頭がよろめく。
……もう戦えそうにはない。
「さっそく使うか。身代わりの依代!」
どの猟犬かわからないので、わたしは道具の名前の方を叫ぶ。
「ガルル!」
わたしが回復で手が離せない間、猟犬の一頭が獅子頭に噛みつく。
「バウッ!」
もう一頭は、山羊頭に噛みつく。
「みんないいぞ、その調子!よーし、わたしもはりきって、古代の神槍を投げる!」
槍は見事に空を切った。
「ワンッ」
槍を投げたままの姿勢で停止するわたしのわきを、回復したての猟犬が蛇頭に噛みつく。
「ちょい、待ちぃ! ウチが神像を破壊している最中に、何をしとるんや! 血みどろやん!」
クリスティが小剣を投げ捨て、悲痛な叫びを上げる。
「お願いや、殺さんといて」
クリスティは、魔獣を庇うように立ち塞がる。
「ごめん。手加減できるような相手じゃないから、つい死力を尽くしちゃって……」
その瞬間、魔獣の山羊角が背後から彼女の身体を刺し貫く。
ごぼりと血の塊を吐き出し、クリスティは力を失う。
身代わりの依代を使っても間に合わない、決定的にしてすみやかな死が彼女に訪れたことは、光を失った瞳が教えてくれた。
「わたしの前で『不慮の死』という大損を見せつけやがって!」
わたしは古代の神槍を拾い上げると、怒りにまかせて魔獣に飛びかかり、自分でも信じられない腕力を発揮してその首を跳ね飛ばした。
イェシカがすすり泣く声で、わたしは我に返った。
気がつくと、わたしの前には一つに繋がった男女の遺体が転がっていた。
魔獣を胸に抱いて事切れているクリスティの顔は不思議と安らかだ。
懐は痛まなくても、心が痛む光景だった。
でも、そんな顔で死なれたら、心の重荷が少し軽くなっちゃうじゃないのさ。
わたしは無言で辺りに散らばっていたものをかき集める。
それは、若い女性向けの金貨10枚相当のアクセサリーと、45枚の金貨だ。
アクセサリーの方は、キマイラだった彼が、クリスティへプレゼントしようとしていたものだったのだろうか?
今となっては、もうわからない。
この二人の命の値段にしては安すぎるけど、イェシカの悲しみを癒す資金にはちょうどいい。丁寧に財布にしまう。
……だから、山分けの方が好きなんだ。こんな総取り、味気ないから、ちっとも得した気分になれない。
わたしは、イェシカの頬をなめて慰める猟犬たちの中に混ざって、イェシカを抱き寄せた。
それから、ふとクリスティが必死になって破壊しようとしていた神像が目に留まる。
彼女の愛用の小剣で斬りつけた跡がいくつも残っていた——小さな体で、何度も神像に挑み続ける彼女の姿が容易に想像できた。
もしも、わたしがクリスティと一緒に神像を壊しにかかっていれば、キマイラの彼はともかく、クリスティの命は助かったのでは?
わたしがもっと早くキマイラを倒していれば、クリスティに恨まれるかもしれないけど、彼女は生きていたのでは?
いくら後悔しても、クリスティは蘇って来ない。
それより、彼女が彼と安らかに眠れるようにしよう。
わたしは、イェシカたちを安全な場所に避難させてから、残りの魔力を使って炎球で遺跡の出入り口を破壊して埋め尽くす。
遺跡の廃墟は、彼女たちの墓所になった。
クリスティ、これがわたしからの最初で最後のプレゼント。安らかに眠ってね。
「帰ろう、みんな。もうここには何の用もないから」
わたしたちは、ヴィドランダ遺跡群に背を向けると、重い足と心を引きずって夜明けの〈太古の森〉を歩き出した。
14:エンディング
「……一度闇を受け入れ、魂を委ねたものに真の救済は訪れぬということか」
わたしの話を聞き終わると、闇の賢人は不思議と穏やかな様子でそう答えた。
魔獣の姿のままで死んだ、クリスティの大事な人。
似我蜂の姿のままで死んだ、わたしの命の恩人。
彼らが私の中で重なり合ってしまったせいか、別にファラサールの話ではないのに、彼のことが脳裏をよぎる。
命の恩人を殺す決断をしたわたしだけど、頭の片隅では彼を救済する術があったのではないかと考えない日はない。
でも、メメコレオウス様の話で、死をもってしても真の救済はなく、そして一瞬でもためらえば、ギルサリオンもクリスティと同じ結末を迎えていたかもしれないことを悟った。
死者1名ですんだから、あの悪夢のような日の決断は、間違っていなかったと思えるようにはなれた。
けれども、クリスティの死を思うと、また気持ちが塞いでくる。
あんなにおもろくて有能な冒険家を喪うなんて、世界にとって大損失だ……。
そんなわたしを見かねたように、メメコレオウス様が鼻を鳴らした。
「ふん……旧き神どもの遺跡など、ヴィンドランダにはまだいくらでも眠っておる。いずれまた諸君らに調査を命ずることになるやもしれん……その時に備えておくがよい。これは、今回の報酬だ。受け取れ」
メメコレオウス様は、そう言って金貨10枚相当のアクセサリーと金貨12枚相当のアクセサリーをくれた。
「死者2名という損失を出したのに報酬を払ってくれるし、またわたしを雇ってくれる気があるの!? 神なの!?」
意外にもメメコレオウス様が寛大な対応だったことに、わたしは驚いてしまった。
「儂が神、か。フッ、おぬしの神に対する姿勢は、実に面白い」
「そう? 会ったこともない神さまにだって感謝できるんだから、現在進行形で会っている相手を神さまに見立てて感謝しても損はないでしょう?」
「本当に面白いな。おぬしを雇った儂の目に狂いはなかった」
そう言い残すと、彼は遠くを見るような表情で微かな笑みを浮かべ、洞穴に向き直る。
そして、静かに洞穴の奥へと帰っていった。
わたしとイェシカは、メメコレオウス様と別れた後、フーウェイへと向かった。
「疲れたよね、イェシカ? 宿を借りたら、当分ゆっくりすごそう」
わたしが言うと、イェシカは心配そうに石板にこう書いて見せた。
〈当分ゆっくりすごす? ぎんゆう詩人を雇うお金をためなくていいの?〉
「大丈夫。ゆっくりすごせば、わたしもイェシカも元気になるでしょう? そうすれば、いくらでも荒稼ぎの冒険に出かけられるわ。だから、今は休もう。そうだ、ただ休むだけじゃなくて、猟犬たちとも遊ぼう」
わたしの言葉に、イェシカは笑顔になる。猟犬たちも、うれしそうに尻尾を振る。
命が紙のように薄っぺらく軽いこの世界だけど、生きていてよかったと思えることは多々ある。
今がまさにそう。
「さあ、宿屋を探そうか。安くてご飯がおいしくて、ヴィドとゲルダが遊びに来やすい所がいいよね」
〈クワニャウマ、よくばりさん〉
イェシカの石板の文字が、楽しげな筆跡に変わる。
今日も一日、生きていく意欲がわいてきた。
(完)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。2026年春には、7巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
やめて! 世界を破滅に導く力を持っているジャバウォックに耳元で混乱した言葉を吹き込れたら、クワニャウマが発狂して精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでクワニャウマ!
あんたが今ここで倒れたら、ファラサールを讃える詩を作る約束はどうなっちゃうの?
【対魔法ロール】がまだ残ってる。ここを耐えれば、ジャバウォックに勝てるんだから!
次回「クワニャウマ死す」デュエルスタンバイ!
『汝、獣となれ人となれ』リプレイは、今回の第5回を持ちまして最終回でございます。前回までのあらすじが、もう説明不要の次回予告ネタになっていますのも、最終回テンションゆえのことです。
『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』と続く今作もまた、「異なる信仰をしたことで変容した他者と、どこまで共存できるか」「愛のような根源的な人間の感情と、後付けで得る信仰の二つのうち、どちらが強いのか」という骨太かつ重厚なテーマでした。また、「カルト宗教集団に洗脳されてしまった恋人を助けに行く人に協力する話」の寓話とも読み取れました。通常のリアリズム作品で書くとかなりどぎつくなりますが、ファンタジーですと俄然読みやすくなるので、つくづくファンタジーの強みだと思います。
なお、三作とも異なる思想を抱くようになった他者を「外見が変わった」「怪物と同化した」「怪物になった」と象徴的に表現し、それに対してプレイヤーらが「受容」と「拒絶」のどちらを選ぶのか、分岐が発生。これにより、プレイヤーの中で普段眠っている人生観を盛大に揺さぶって下さいます。だから、この三作のシナリオはとてつもなく冒険し甲斐があるし、心にも残るのだと得心がいきました^^b
ところで、今回のプレイで以前FT新聞様に掲載されていた「ローグライクハーフのルール」で紹介されていた、「第一ラウンドで氷槍を使うと有利」というのを実践してみたく、クワニャウマの経験点を魔術点にまわして、二つ目の呪文として氷槍を選択。最終決戦まで魔術点を温存しました。これまでは【魔術ロール】の威力が上回っていて狭い場所だった場合に複数の敵に攻撃できる炎球を重宝していたのですが、同じ条件で2点のダメージを与えられる氷槍の便利さに目覚めました^^
私事になりますが、先日刊行された『シンポ教授のマジカルミステリー劇場』(光文社)を拝読しました。かの伝説のバラエティ番組『マジカル頭脳パワー』の人気コーナー「マジカルミステリー劇場」の推理パズルの本です。挑戦のルールが冒頭に書かれ、解答編を読み終えるまで正解にたどり着ければ800点、途中のヒントのページを読むと減点、不正解なら0点という形式で、かつての番組の解答者の気分を味わえます。各問題には、推理指数というレベル設定がされていました。分岐小説とは異なりますが、遊戯性に特化しているので、こちらもゲームブックに分類されるのだろうかと、ゲームブックにはまるま前には思いもしなかった感想を抱けるようになりました^^
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その5
齊藤(羽生)飛鳥
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13:最終イベント
ジャバウォックと遭遇した遺跡の通路をさらに探索を続けていくと、ねっとりと澱んだ黴臭い空気が漂う場所に出た。
不気味な獣の神像が祀られている祭壇がぽつりと目に留まる。辺り一帯は沈黙が支配しており、生き物の気配一つ感じない。
「ここや」
クリスティが小声で呟く。わたしたちはもちろん、猟犬たちも頷き返す。
わたしは、今日2回も罠にかかった経験から、辺りを窺いつつ慎重に一歩踏み出す。そのまま数歩。
祭壇の周りには引き裂かれたような衣服や荷物が散らばっている。
……イェシカの教育によくないものが近くに転がってないといいな。
〈……こい〉
頭の中に低い唸り声が木霊する。神像が微かな光を発し始める。急に空気が重くなり、息苦しさを感じる。
わたしは小さく舌打ちする。このままここに居るのはまずい。理由はないがそう直感する。
クリスティは焦りを隠せない様子で、辺りを探し回っている。
〈……こい〉
「うるさいっ」
クリスティが苛立たしげに吐き捨てる。
生臭い匂いが辺りに漂い始め、頭に響く声がやや力を増した気がする。
「ただでされた命令に従う理由なしっ」
わたしも吐き捨てるように叫んで声を振り切ると、クリスティと共に辺りを探し回る。
人影も、彼女が見たと話していた怪物の姿すらない。クリスティは深く嘆息する。
「……ほんまは薄々わかっとったんよ……ウチのように、あの人もきっと……」
〈こい〉
〈こい〉
〈こい〉
「今、こっちが会話中でしょう! 人が話している時に邪魔したらダメだってこれまでの経験から学ばなかったの!!」
あまりのしつこさに、わたしはいつになく苛立ってしまった。
その途端、息が苦しくなる。
荒い息づかいでわたしとクリスティは祭壇に倒れ込む。
ひんやりとした石が身体に心地よい。
このまま寝てもいいかと思ったわたしの耳に、獣の唸り声が聞こえてくる。
起き上がったわたしの目に、遺跡の暗がりからのそりと這い出てきた奇怪な魔獣の姿が映る。獅子と山羊と毒蛇の三つの頭を持つ邪悪な巨体が身じろぎする。
「キマイラや……」
クリスティは魔獣の左前足に嵌められている意匠を凝らした銀の腕輪をじっと見つめながら囁いた。
「……せめて言葉が通じれば、なんて思ってるウチは……甘すぎるんやろな」
「とんでもない。さっきのわたしとジャバウォックを忘れたの? 言葉が通じなくても、あいつはわたしに話しかけて来たでしょう?」
わたしは、クリスティへ話を続ける。
「大事なのは、言葉が通じるかじゃなくて、『心を通わせたい』という意思を相手に伝わるように振る舞うことよ。すると、あら不思議。全然言葉が通じた気配がないのに、金貨をゲットできてお得ってわけ」
「一瞬ええ話をしとると思いかけたウチがアホやったわ。もうええよ、クワニャウマ。気を取り直して、戦闘に入るで」
「ワンッ」
クリスティの言葉を合図に、わたしたちはキマイラとの戦闘に入った。
「食らえ、氷槍!」
この前、街道の雑貨屋で立ち読みした『冒険家の友』夏の大増刊号に掲載されていた、「魔法が通じる相手への最初の攻撃は、氷槍がお勧め」という記事の内容を実践に移す。
キマイラは、声にならない悲鳴を上げる。
けっこうがっつりダメージを与えられたようだ。
すごいぞ、夏の大増刊号の記事!
すると、クリスティが集中を欠いた様子でチラチラと魔獣の後方に視線をやっているのに気づいた。
「危ない!」
わたしが叫ぶと、猟犬のうち、一頭がクリスティへ体当たりをする。
おかげで獅子頭の噛みつきが間一髪のところで彼女の肩をかすめる。
「よくやったわ、雷電!」
〈さすが雷電!〉
どうやら、今度はちゃんと間違えずに猟犬の名前を言えたらしい。イェシカがランタンで辺りを照らしながら、石板にそう書いていた。
「大丈夫、クリスティ?」
わたしは、彼女の許へ駆け寄る。
「……試させてくれへんか」
「いったい、何を?」
「あの神像を破壊するんや」
クリスティは毅然とした表情で、そう提案した。
「きっとあの神像に操られとるだけなんや」
「へ?」
密かに金目の物その1と候補に入れていた神像を破壊すると宣言され、わたしは咄嗟に判断が付かず口ごもる。
「せやけどもし……もしそれでもあかんかったら、その時は……」
クリスティの目に強い覚悟の意思が宿っている。
「神像を破壊したら、何かの封印が解けてもっと強い魔物が出てきて殺戮を繰り広げるかもしれないし、中から財宝がザックザックと出てくるだけかもしれない。それでも、試す?」
「えらく両極端な想定をするんやなぁ、クワニャウマ。でも、ウチは神像を壊しさえすれば、あのキマイラを止められると思うんや」
両手の小剣を握るクリスティの両手に力がこもる。
わたしも、覚悟が決まった。
「わかった。あなたは雇った従者ではなくて、無料の仲間。失敗しても、こっちの懐はちっとも痛まないし、成功したら丸儲け。どっちに転んでもわたしに損はないから、好きにしていいわ」
「クワニャウマ……あんたなぁ、真顔でゲスなことを言いおってからに……」
クリスティは、泣き笑いのような顔になる。
それから、決死の形相へと変わる。
「……でも、おおきに。ウチの提案に賛成してくれて」
クリスティは、神像の破壊に取りかかる。
キマイラを傷つけたくない気持ちはわかるけど、キマイラにはその気持ちは伝わっていない。容赦なくわたしたちへ攻撃を続ける。
「クリスティが神像の破壊に成功するまで、少しはおとなしくしてちょうだいよ!」
わたしは、抗議しながら古代の神槍を振るう。
「キャウン!」
獅子頭に噛みつかれ、猟犬の一頭がよろめく。
……もう戦えそうにはない。
「さっそく使うか。身代わりの依代!」
どの猟犬かわからないので、わたしは道具の名前の方を叫ぶ。
「ガルル!」
わたしが回復で手が離せない間、猟犬の一頭が獅子頭に噛みつく。
「バウッ!」
もう一頭は、山羊頭に噛みつく。
「みんないいぞ、その調子!よーし、わたしもはりきって、古代の神槍を投げる!」
槍は見事に空を切った。
「ワンッ」
槍を投げたままの姿勢で停止するわたしのわきを、回復したての猟犬が蛇頭に噛みつく。
「ちょい、待ちぃ! ウチが神像を破壊している最中に、何をしとるんや! 血みどろやん!」
クリスティが小剣を投げ捨て、悲痛な叫びを上げる。
「お願いや、殺さんといて」
クリスティは、魔獣を庇うように立ち塞がる。
「ごめん。手加減できるような相手じゃないから、つい死力を尽くしちゃって……」
その瞬間、魔獣の山羊角が背後から彼女の身体を刺し貫く。
ごぼりと血の塊を吐き出し、クリスティは力を失う。
身代わりの依代を使っても間に合わない、決定的にしてすみやかな死が彼女に訪れたことは、光を失った瞳が教えてくれた。
「わたしの前で『不慮の死』という大損を見せつけやがって!」
わたしは古代の神槍を拾い上げると、怒りにまかせて魔獣に飛びかかり、自分でも信じられない腕力を発揮してその首を跳ね飛ばした。
イェシカがすすり泣く声で、わたしは我に返った。
気がつくと、わたしの前には一つに繋がった男女の遺体が転がっていた。
魔獣を胸に抱いて事切れているクリスティの顔は不思議と安らかだ。
懐は痛まなくても、心が痛む光景だった。
でも、そんな顔で死なれたら、心の重荷が少し軽くなっちゃうじゃないのさ。
わたしは無言で辺りに散らばっていたものをかき集める。
それは、若い女性向けの金貨10枚相当のアクセサリーと、45枚の金貨だ。
アクセサリーの方は、キマイラだった彼が、クリスティへプレゼントしようとしていたものだったのだろうか?
今となっては、もうわからない。
この二人の命の値段にしては安すぎるけど、イェシカの悲しみを癒す資金にはちょうどいい。丁寧に財布にしまう。
……だから、山分けの方が好きなんだ。こんな総取り、味気ないから、ちっとも得した気分になれない。
わたしは、イェシカの頬をなめて慰める猟犬たちの中に混ざって、イェシカを抱き寄せた。
それから、ふとクリスティが必死になって破壊しようとしていた神像が目に留まる。
彼女の愛用の小剣で斬りつけた跡がいくつも残っていた——小さな体で、何度も神像に挑み続ける彼女の姿が容易に想像できた。
もしも、わたしがクリスティと一緒に神像を壊しにかかっていれば、キマイラの彼はともかく、クリスティの命は助かったのでは?
わたしがもっと早くキマイラを倒していれば、クリスティに恨まれるかもしれないけど、彼女は生きていたのでは?
いくら後悔しても、クリスティは蘇って来ない。
それより、彼女が彼と安らかに眠れるようにしよう。
わたしは、イェシカたちを安全な場所に避難させてから、残りの魔力を使って炎球で遺跡の出入り口を破壊して埋め尽くす。
遺跡の廃墟は、彼女たちの墓所になった。
クリスティ、これがわたしからの最初で最後のプレゼント。安らかに眠ってね。
「帰ろう、みんな。もうここには何の用もないから」
わたしたちは、ヴィドランダ遺跡群に背を向けると、重い足と心を引きずって夜明けの〈太古の森〉を歩き出した。
14:エンディング
「……一度闇を受け入れ、魂を委ねたものに真の救済は訪れぬということか」
わたしの話を聞き終わると、闇の賢人は不思議と穏やかな様子でそう答えた。
魔獣の姿のままで死んだ、クリスティの大事な人。
似我蜂の姿のままで死んだ、わたしの命の恩人。
彼らが私の中で重なり合ってしまったせいか、別にファラサールの話ではないのに、彼のことが脳裏をよぎる。
命の恩人を殺す決断をしたわたしだけど、頭の片隅では彼を救済する術があったのではないかと考えない日はない。
でも、メメコレオウス様の話で、死をもってしても真の救済はなく、そして一瞬でもためらえば、ギルサリオンもクリスティと同じ結末を迎えていたかもしれないことを悟った。
死者1名ですんだから、あの悪夢のような日の決断は、間違っていなかったと思えるようにはなれた。
けれども、クリスティの死を思うと、また気持ちが塞いでくる。
あんなにおもろくて有能な冒険家を喪うなんて、世界にとって大損失だ……。
そんなわたしを見かねたように、メメコレオウス様が鼻を鳴らした。
「ふん……旧き神どもの遺跡など、ヴィンドランダにはまだいくらでも眠っておる。いずれまた諸君らに調査を命ずることになるやもしれん……その時に備えておくがよい。これは、今回の報酬だ。受け取れ」
メメコレオウス様は、そう言って金貨10枚相当のアクセサリーと金貨12枚相当のアクセサリーをくれた。
「死者2名という損失を出したのに報酬を払ってくれるし、またわたしを雇ってくれる気があるの!? 神なの!?」
意外にもメメコレオウス様が寛大な対応だったことに、わたしは驚いてしまった。
「儂が神、か。フッ、おぬしの神に対する姿勢は、実に面白い」
「そう? 会ったこともない神さまにだって感謝できるんだから、現在進行形で会っている相手を神さまに見立てて感謝しても損はないでしょう?」
「本当に面白いな。おぬしを雇った儂の目に狂いはなかった」
そう言い残すと、彼は遠くを見るような表情で微かな笑みを浮かべ、洞穴に向き直る。
そして、静かに洞穴の奥へと帰っていった。
わたしとイェシカは、メメコレオウス様と別れた後、フーウェイへと向かった。
「疲れたよね、イェシカ? 宿を借りたら、当分ゆっくりすごそう」
わたしが言うと、イェシカは心配そうに石板にこう書いて見せた。
〈当分ゆっくりすごす? ぎんゆう詩人を雇うお金をためなくていいの?〉
「大丈夫。ゆっくりすごせば、わたしもイェシカも元気になるでしょう? そうすれば、いくらでも荒稼ぎの冒険に出かけられるわ。だから、今は休もう。そうだ、ただ休むだけじゃなくて、猟犬たちとも遊ぼう」
わたしの言葉に、イェシカは笑顔になる。猟犬たちも、うれしそうに尻尾を振る。
命が紙のように薄っぺらく軽いこの世界だけど、生きていてよかったと思えることは多々ある。
今がまさにそう。
「さあ、宿屋を探そうか。安くてご飯がおいしくて、ヴィドとゲルダが遊びに来やすい所がいいよね」
〈クワニャウマ、よくばりさん〉
イェシカの石板の文字が、楽しげな筆跡に変わる。
今日も一日、生きていく意欲がわいてきた。
(完)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。2026年春には、7巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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