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2020年1月26日日曜日

T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.10 No.2559

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T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.10

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from 水波流
月イチペースでお送りする、読者参加企画。
今回も総勢19名のご参加を頂いております。途中参加ももちろん大歓迎!

毎度の長文ですのでパソコンでご覧頂くのを推奨いたします。
もし携帯電話などで受信し、途中で切れたりしている場合は、下記バックナンバー保管庫からご確認をお願いいたします。
https://ftnews-archive.blogspot.com/

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事件の結末

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■事件A:8人出撃
〈大断崖〉山間のフョードル村から救援の要請があった。
どうやら山あいにはるか昔からある旧い神殿が地すべりにやられたらしい。
普段は訪れるものも少ない場所だが、収穫祭までには復旧しておきたいそうだ。
ただしばらく放置していた隙に何者かが住み着いている恐れがある。
状況の調査と、もし怪物や野党の類がいれば排除してもらえないだろうか。
脅威予測)中
報酬)中

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

 レックス砦の一行は地滑りを起こした一帯に近づくとまず周囲の地形を確認し、新たに地滑りが起きそうでないかを慎重に確認しながら、まだ先である神殿の方角へ徐々に近づきつつあった。探索はどちらかというと得手ではない戦士へーざぶろーとデュラルは、少し離れた後方から油断ない表情で周囲を伺っている。
「私ね、お弁当作ってきたんですよ。あいや、子供たちのお昼の分のついでなんですけどね。もちろんあなたの分もありますよ。私こう見えて料理得意なんですよねぇ」
 黒髪長髪の剣士スパイデイが隣で無表情を貫いているカエル人サマににこやかに話しかけていた。
「……ピクニックじゃねえんだよ」
 舌打ちをしながら不機嫌そうな顔を向ける赤毛の少女エミリアの肩を、同じく赤毛の大男バラクがポンポンと叩き、なだめる。
 と、先行していたメックリンガー老が振り返って声を上げた。
「……ぬ?この地すべりはとても自然のものとは思えん! その辺にでかいモグラでもおらんかの?」
「爺さん、いいから黙って後ろで見てな」
 エミリアの顔がますます不機嫌そうになる。
「おい、エミリア。お前の腕前をちょっくら見せてくれよ。地滑りの後は何が起こってるか判らねぇし、用心に越したことはねぇわな」
 バラクの言葉にエミリアはフンと鼻を鳴らすと、素早い身のこなしで土砂がこんもりと盛り上がっている箇所へ向かった。
「どけ、爺さん」
「ええい、なんじゃいなんじゃい」
 と、別の箇所を調査していたドワーフ戦士クリフの元に、先行していた雇い人のホビットの女盗賊クリスティが足を運んで耳打ちした。どうやらこの先で何かを見つけたらしい。
「さてさて、鬼が出るか蛇が出るか、楽しくなってきたじゃねえか」
 バラクが腕を振りながら、いかにも面白そうにニヤリと笑みを浮かべた。


「……なるほど。そりゃあ災難だったの」
 クリフは目の前で話し終えた左足に怪我を負った若者をいたわるように言葉をかけた。
 山間の寒村であるフョードル村は、十余りの家族が暮らす狩猟を生業とした集落で、それぞれの家は家長を筆頭に構成人数は多く、みな狼をトーテムとして祀っていることから、周辺からは〈狼の部族〉の名で呼ばれていた。その若者は狼の毛皮を肩からかけ、いかにも狼の部族というにふさわしい格好をしていた。
「それで、あんたがかかった罠というのは……」
 若者と似たような格好で、灰色熊の毛皮を身に纏い背中に弓を背負った東洋風の男デュラルが重ねて質問した。
「ああ。あれは俺たちの村のものじゃねえよ。〈狼の部族〉の狩人が使う罠はよく知ってる」
 キースと名乗った村の若者は、うっすらと血の滲んだ布を巻いた左足に目をやりながら、憎々しげに口にした。
「別の……〈狐の部族〉あたりの仕業か……それとも余所者か……」
「ほう?」
「狐の奴らとは、神殿の件で昔からいがみ合っているからな」
 レックス砦に救援要請のあった山間の旧い神殿は、元はおよそ4、500年にこのあたりで信仰されていたとされる太古の神獣エレーラを祀る神殿であった。エレーラは伝承によると、生まれ持ったエルフの姿を捨て去り、獣の姿のままで生きることで、神の如き力を自在に操る存在として獣人たちに崇められた。当時はその下に、ルールフ大陸全土から数々の獣人が馳せ参じ、神殿は獣人たちの聖地として大いに栄えた。神獣エレーラの教えは、この世のすべてのものに宿る偉大なる精霊を敬うことで、大いなる力が分け与えられるというものであった。今はその信仰もすっかり廃れ、精霊への敬意だけが言い伝えられており、神殿も〈大断崖〉周辺の各部族が祀るトーテムに収穫を捧げる、精霊の祭壇として細々とした役割を担っていた。各部族はそれぞれが祭壇の権利を主張しており、小競り合いが起こることもままあった。
「聞いたことがある……我が雪の嶺の部族にも伝わっている神の獣の社ってえのはここだったか」
 赤毛の大男バラクは、思案顔で呟いた。そして一行を振り返ると、そろそろ神殿の調査に向かおうと声をかけた。すると若者は俺も同行する、とやや足を引きずりながら立ち上がった。
「その怪我じゃ、やめといた方がよかねぇか」
「いいや、俺も蒼き狼の末裔。"狼の毛皮を着た者"ヴコドラクの名にかけて、俺たちの山を荒らすものを見逃すわけには行かない」
 そういうとキースは傍らの手斧と木製の奇妙に捻れた杖を手に取り、狼の皮のベルトを両腕両足に締め直した。
「わかった。俺は"冬の嶺の赤き炎"バラク=ヘルムハート。力添えしよう」


 切り立った岩山の間を縫って、険しい山道が続く。急勾配の山を登るにつれ、気温が下がってくるのを感じた。薄着のエミリアやスパイデイは思わず上着の前をかき合わせた。足並みがやや遅まった一行に、デュラルが鋭い口調で声をかけた。
「おい、急ぐぞ」
「どうしたと言うんじゃ」
「風に血の匂いが混じってきやがった」
 その言葉に一行はギョッとして遠くに見え隠れする神殿の方角を見やった。カエル人サマがゆっくりと前方を指差す。
「あそこダ」
 見ると獣の群れが何者かに襲いかかっていた。また遠くから土煙を上げて大猪の一群が近づいていた。キースがいち早く駆け出し、それを目にしたバラクが慌てて後を追った。
 狐と狼の群れに囲まれ、一人の女戦士が獲物を大きく振り回して、足掻いていた。何度も何度も噛みつかれ、既に両手両足は鮮血にまみれている。
 近づいたキースは、鋭く口笛を吹き鳴らすと、狼に向けてうなり声を模した声で呼びかけた。しかし狼は彼の呼びかけを無視するかのように、狂気じみた様子で飛びかかってきた。
「危ない! どけ!」
 呆然と立ち尽くすキースにバラクが体当りし、飛びかかってきた狼を手で払い除けた。
「馬鹿な。狼が、狼が俺を襲うなど」
 遠くから熊の遠吠えが聞こえた。獣の群れはびくりと反応すると、一層凶暴さを増した様子でうなり声を上げた。
「……格の差で強制しやがったのか。獣の王きどりか、クソッ」
 遠吠えが更に轟いた。呼応して大猪が突進してくる。
「くるぞい!」
「怯むな。迎え撃つ」
 へーざぶろーが落ち着いた様子で一歩前に出ると、全員が武器を構えた。


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【戦闘】
PC:バラクMR50防5、クリフMR45防5魔防5、デュラルMR40防5、エミリアMR30防5、スパイデイMR30防5、メックリンガー老MR30防5、サマMR20防5、へーざぶろーMR20、女盗賊クリスティMR40、呪術師キースMR18/25、女戦士オードリーMR30/60防5
敵:アカギツネMR10*10、タテガミオオカミMR15*8、オオイノシシMR40*5

 *バラク、スパイデイ《いだてん》詠唱。2回行動。
 *女盗賊クリスティ《死の刃》詠唱。クリフの攻撃力*2。

1ラウンド:PC【445】 VS 敵【440】 /敵側に5ダメージ!(アカギツネA9、B9、C9、D10、E10、F10、G10、H10、I10、J10、タテガミオオカミA14、B14、C15、D15、E15、F15、G15、H15、オオイノシシA40、B40、C40、D40、E40)

2ラウンド:PC【422】 VS 敵【451】 /PC側に29ダメージ!(バラク50、クリフ45、デュラル40、エミリア30、スパイデイ30、メックリンガー老30、サマ20、へーざぶろー18、女盗賊クリスティ38、呪術師キース16、女戦士オードリー30)

3ラウンド:PC【427】 VS 敵【422】 /敵側に5ダメージ!(アカギツネA9、B9、C9、D9、E9、F9、G10、H10、I10、J10、タテガミオオカミA14、B14、C14、D14、E15、F15、G15、H15、オオイノシシA40、B40、C40、D40、E40)

「だめだ! 勢いが止まらねえ」
「……出し惜しみしてる場合じゃねえか」
「拙者は前衛を狙う。お主は後衛を」
「承知。……原祖たる太陽の灼熱を用いて、我が敵を打ち倒す焔よ来たれ……《炎の嵐》!」

 *デュラル《炎の嵐》詠唱。敵前衛に20魔法ダメージ! アカギツネ全滅。
 *へーざぶろー《炎の嵐》詠唱。敵後衛に20魔法ダメージ! タテガミオオカミ全滅。

4ラウンド:PC【361】 VS 敵【194】 /敵側に167ダメージ!(オオイノシシA6、B6、C7、D7、E7)

 遠吠えは遠ざかりながら続いていた。キースは全身から血を流している女戦士に近づくと、急に表情を変えた。
「てめぇ、どっかで見た顔だと思ったら〈狐の部族〉だな」
「ハッ、狼野郎のまじない師に助けられるたぁ、アタシも焼きが回ったもんだよ」
「話は後だ! まだ来やがるぞ」

増援:ヘラジカMR60*5、オオヤギMR30*6

5ラウンド:PC【363】 VS 敵【536】 /PC側に173ダメージ!(バラク43、クリフ38、デュラル33、エミリア23、スパイデイ23、メックリンガー老23、サマ13、へーざぶろー7、女盗賊クリスティ27、呪術師キース5、女戦士オードリー23)

「へっ、旦那に習った術の使いどきだぜ」
「メメコレオウスの名において命ずる《爆ぜよ》!」
 *バラク、へーざぶろー《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。オオイノシシ5体に6*2魔法ダメージ! オオイノシシ全滅。
「魔力の残ってるやつはデカいのを狙え! 突進の頭数を減らしさえすれば」
 *エミリア、屍人使いエルファニの指輪を使用。《L3これでもくらえ!》発動! ヘラジカAに60魔法ダメージ!
 *呪術師キース《L2これでもくらえ!》詠唱。ヘラジカBに40魔法ダメージ!
 *サマ《イーゼルヴァンの黒き夢》詠唱。ヘラジカC、昏睡。
 *デュラル《凶眼》詠唱。攻撃力*3。

6ラウンド:PC【366】 VS 敵【300】 /敵側に66ダメージ!(ヘラジカA0、B13、C53(昏睡)、D53、E53、オオヤギA23、B23、C24、D24、E24、F24)

 *クリフ《イーゼルヴァンの黒き手》詠唱。ヘラジカBに10魔法ダメージ!クリフ10回復。
 *呪術師キース《凶眼》詠唱。バラクの攻撃力*3。

7ラウンド:PC【408】 VS 敵【279】 /敵側に129ダメージ!(ヘラジカA0、B0、C40(昏睡)、D40、E40、オオヤギA10、B10、C11、D11、E11、F12)

8ラウンド:PC【295】 VS 敵【222】 /敵側に73ダメージ!(ヘラジカA0、B0、C32(昏睡)、D32、E32、オオヤギA2、B2、C3、D3、E3、F3)

9ラウンド:PC【304】 VS 敵【180】 /敵側に124ダメージ!(ヘラジカA0、B0、C18(昏睡)、D18、E18、オオヤギA0、B0、C0、D0、E0、F0)

10ラウンド:PC【313】 VS 敵【60】 /敵側に253ダメージ!(敵全滅)

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「よう、赤髪の勇者」
 失血で青白い顔ではあるが、女戦士オードリーが苦笑を浮かべていた。
「よせや。なにがあったよ、ええ?」
 バラクは知った顔に気を緩めて言葉を返した。この女戦士は何度か砦で傭兵として姿を見た事がある。
「アタシとしたことが、不意をつかれたよ」
 女戦士オードリーは片膝をついて、怪我の具合を確かめながら話しはじめた。周囲に一行が集まってくる。
「このあたりじゃ見かけない若い男女がいてね。こっちもちょうど神殿の地滑りを調べに来てたところだったんで、声をかけたら急に走って逃げやがった」
 女戦士オードリーは傷口から泥を吸い出し、ぺっと吐き捨てると強く布で縛った。
「で、こりゃ怪しいってんで追っかけたら、山上のほうからもう一人別の男が来やがってさ。しかも急に熊の姿になって襲ってきやがった」
「熊ァ?」
「ああ。お前らも聞いたろ。あの遠吠えの主さ。ありゃ〈熊の部族〉かもしれねえぞ」
 険しい表情で話に聞き入っていたキースが険悪な調子で口を挟んだ。
「けっ〈熊の部族〉なんぞ、ここいらではついぞ見かけなかったぜ。狐女め、いい加減なことを言いやがったら……」
 食ってかかる様子のキースを前に、エミリアがぽつりと呟いた。
「……熊神の教団」
「まさか」
 一行は不穏な気持ちで、山間にそびえる神殿を振り仰いだ。


 神殿の暗がりで、若い男女が抱き合って震えていた。バルコニーから様子を伺いながら、ローブを着た壮年の男性が小さく呟く。
「奴ら、ついにやってきたようだ」
「スールさま……」
 男性はゆっくりと二人に近づくと、その方に優しく手を置いた。
「カシム、アンジェリカ。心配はいらない。君たちはいざとなれば投降しなさい。いかに非道なカザン帝国とはいえ、幹部でもない者に過酷な罰はくだるまい」
「しかし、スールさまは」
「私はそういう訳にはいかない」
 若い男の不安げな声に、聖堂騎士スールは首を横に振った。
「これまで多くの同胞が大義のために倒れていった。今更それを全て忘れることは出来ない」
「殊勝な心掛けではないか、ブラザー・スール」
「導師クリストフ……」
 神殿の奥から、聖印を身に着けた年嵩の男が冷たい足音とともに姿を現した。
「よいのか? 拙僧ならばこやつら見習いに祝福を与えることもできるのだぞ」
「いけません。熊の祝福は、あくまで本人の修練と強い意志があって与えられるべきもの」
「フン、綺麗事を。"熊の中の熊"が聞けばどう言うかな」
 クリストフは蔑むような目でスールを眺めた。対するスールは穏やかな目をカシムとアンジェリカに向けていた。
「何度言われようと考えは変わりません……私は私のやるべき事をやるだけですよ」
「玉砕覚悟というわけか」
「いいえ、"熊の中の熊"には既にブラザー・アントンから報告が入っているはず。地下墳墓からの援軍と合流すれば一矢報いることもできましょう」
「ふむ……アントンな。ま、奴が無事だと良いがの」
「なにを言われる。彼ほどの実力者がそうやすやすと敵の手にかかるわけがありませぬ」
 スールは珍しく口調を強めた。クリストフは肩を竦めると、また奥の闇へと踵を返した。
 それを見送りながら、スールは天を仰ぎ、小さな声で祈りを捧げた。
「子熊らに父なる熊神の加護を……」


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート
クリフ
デュラル・アフサラール
エミリア
スパイデイ
メックリンガー老
サマ
へーざぶろー

→一行はいったん報告のため、レックス砦に帰還する。仕留めた獣は、砦の行商人がまとめて金貨300枚で買い取ってくれた。


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■事件B:3人出撃
司令室にて、ガガック兵長と西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンが君たちを出迎える。
「諸君、先日の墳墓の決戦での助力に感謝する」
ギルサリオンが一礼する。ガガック兵長が言葉を続けた。
「しかしだ、屍人使いの一人を仕留めたとはいえ、奴らの目論見がどこまで達せられたのか不明だ」
「このところ森で目立った動きはない。残りの手勢も乏しくなったのか、さもなくば何か企んで息を潜めているのか……」
西方エルフ森林警備隊は、シャンキナルの都から呼び寄せた術士たちとともに、奴らに穢された遺跡の浄化と巡回を行うとのことだ。
手すきのものは協力して調査にあたるようにとガガック兵長から指示があった。
脅威予測)低
報酬)低

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

 その日、レックス砦の広場には人だかりができていた。晴れた空のもと、一人の若いドワーフが観衆を前に声を張り上げている。
「さぁさぁ、そこな探検家諸君! 血湧き肉躍る探検に参加しないか? 危険はある! だが虎穴に入らずんば虎子を得ずというだろ?」
 ドワーフは懐から金貨の入った小袋を取り出し、頭上に掲げた。
「今出せる報酬はこの通りだが、無論塔で見つけた宝物は皆で等分するぞ! 件の古代の塔は摩訶不思議な力が満ちている! 危険も多い! 命の補償もない!」
 ヤスヒロンはそこで言葉を区切ると、思わせぶりに観衆の顔を見回した。
「だが我々は今まで斯様な古代の品も入手できているのだ!」
 左手に持った古めかしい意匠の杖を上空に向けて一振りすると、そこから地獄の豪炎が打ち出された。思わず観衆から驚きの声が上がる。
「なんとこの魔法の品々は塔の浅い層で見つけたものだが……どれ、俺のように魔法の才のないものでも使える特別な品! つまりあの塔の上をさらに攻略すれば……」
 観衆の顔に期待の表情が浮かぶ。ヤスヒロンは更にたっぷりと時間を取ってから、大声を張り上げた。
「稀なる勇者よ集え! 危険に見合うだけの莫大な魔法の財宝が眠る塔へ!」

「傭兵剣士、募集……か」
 "片耳の"マロウズと西方エルフ隊長ギルサリオンは、少し離れた広場の片隅から若きドワーフの口上を聞くともなしに耳にしていた。
「マロウズよ。そろそろ私は出るぞ。お前も一緒にゆくのだろう」
「ああ、そうだな……」
「術士隊も到着したようだ」
 マロウズはギルサリオンの言葉に、広場のゲートの方向に視線をやった。
 深緑のローブを身に纏い、深く被ったフードに顔を隠した一団の姿がそこにあった。マロウズは珍しく狼狽した様子でギルサリオンに問いかけた。
「まさか、カルドゥニアを都から呼び寄せたのか」
「ああ、不死人の封印は何を置いても優先される。……どうした。そんな事は言うまでもあるまい」
 マロウズはその問いには答えず、西方エルフ最高峰の術士隊をじっと見つめた。この世の全ての事象に囚われず、精霊の依代たりえる優れた女術士集団、カルドゥニア。魔術だけでなく、占い、呪い、薬草学、治癒術、さまざまな分野で卓越した才能を示す、シャンキナルの都が誇る精鋭である。
「……気が変わった。俺は今回、あちらに行かせてもらう」
「ふん、好きにするがいいさ。しかし、全てから逃げては先へ進めぬぞ」
 マロウズは苦虫を噛み潰したような顔を一瞬見せると身を翻し、術士隊に背を向けてドワーフと観衆たちの方向へ足早に立ち去った。
「西方エルフ森林警備隊、出立する!」


 同日。午後も遅くなった頃、シャンキナルの森の奥深く。鬱蒼と茂る木立を抜けた先に、ひっそりと佇む苔むした遺跡。慌ただしく動き回る一団の姿がそこにあった。
「ったく、なんなんだあいつらは……」
 偵察兵のニンツは、静寂を保ったまま粛々と浄化の儀式の準備を進める深緑のローブの集団にちらりと目をやり、小声で呟いた。どうやら術士隊はみな女性のようだったが、時折フードの奥から見える彼女たちの表情は一様に冷たく、虚ろな目つきをしていた。
「……辛気臭い連中だぜ」
 気味悪げに吐き捨てるニンツに、弟分の盗賊カーモネーギーが近づいてきた。 
「兄貴、いまのうちに周囲を調べてくるよ。儀式が始まったらどうせ俺たちには手が出せないし」
「お前も言うようになったじゃねえか。よっしゃ、任せた。行って来い」
 ニンツは含み笑いを浮かべると、カーモネーギーの胸をドンと叩いた。カーモネーギーは照れたように笑うと、足早に歩み去った。

 数刻後、術士隊は醜悪な儀式と豚鬼の血で穢された遺跡を、妖精棲まう泉より持参した水によって穢れを取除き、周囲に結界を張ると浄化の儀式を開始した。術士隊カルドゥニアは規律正しく、まるで写し身のごとき一糸乱れぬ正確さで、浄化の言霊を詠唱していた。
 こうなると魔術師ではないレックス砦の一行には手を出すこともできず、手持ち無沙汰に遺跡の周囲に散開していた。
「静かだな……いや、静かすぎる」
 寡黙な戦士ヘルトが頭上を見上げながらそう口にした。
(何も、なければよいが……)

「兄貴! 大変だ!」
 森の静寂を破って叫び声が木霊した。木立の先の踏み分け道に目をやると、大急ぎで走ってくるカーモネーギーの姿が見えた。その背後から、武装した大型の怪物たちが巨体を揺らしながら奇妙にゆっくりした足取りで姿を現した。
「やつら……なんてものまで屍人にしてやがる」
 ヘルトが吐き捨てるように呟き、そのまま急いで武器を構えた。
「カルドゥニアは儀式を続けよ! 我らだけで片をつけるぞ」
 隊長ギルサリオンが配下の西方エルフとレックス砦の一行に併せて指示を出す。
「命令すんじゃねえよ」
 ニンツが顔をしかめながら腰に佩いていた二本の短剣を左右の手で引き抜いた。


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【戦闘】
PC:ヘルトMR40防5、ニンツMR40防5、カーモネーギーMR35防10
西方エルフ森林警備隊:隊長ギルサリオンMR60防5、隊員MR30防2*6
敵:オーガ屍人兵リーダーMR140、オーガ屍人兵MR100*3

1ラウンド:PC【346】 VS 敵【382】 /PC側に36ダメージ!(ヘルト40、ニンツ40、カーモネーギー35、隊長ギルサリオン60、隊員A29、B29、C29、D29、E29、F29)

2ラウンド:PC【351】 VS 敵【381】 /PC側に30ダメージ!(ヘルト40、ニンツ40、カーモネーギー35、隊長ギルサリオン60、隊員A28、B28、C28、D28、E28、F28)

3ラウンド:PC【347】 VS 敵【374】 /PC側に27ダメージ!(ヘルト40、ニンツ40、カーモネーギー35、隊長ギルサリオン60、隊員A27、B27、C27、D27、E27、F27)

「怯むな! 押されてはならぬ!」
 相手の猛攻に何度も吹き飛ばされる西方エルフたちに、隊長ギルサリオンから叱咤の声が飛んだ。
 ニンツはその様子を横目に、仲間に話しかけた。
「ヘルト。少しの間、時間を稼いでくれねぇか」
「承知。だが、長くは持たんぞ」
 ヘルトが両手の剣を構え直し、魔法語を小さく詠唱した。
「なぁに……2分もあれば、充分さ。カーモネーギー、援護しろ」
「了解!」

 *カーモネーギー《いだてん》詠唱。2回行動。
 *ヘルト《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

狙撃:カーモネーギー【63】/オーガ屍人兵リーダーに63ダメージ!

 尋常ではない素早さでカーモネーギーの弓が連続で速射される。さすがのオーガリーダーも矢の雨を受けて怯んでいた。
「遅せえよ、間抜け!」
 背後から忍び寄ったニンツが、両手の短剣で鎧の隙間から脇腹をめった刺しにした。

奇襲:ニンツ【41】/オーガ屍人兵リーダーに41ダメージ!

「そらよっ、オマケに《これでもくらえ!》」

 *ニンツ《これでもくらえ!》詠唱。オーガ屍人兵リーダーに20魔法ダメージ!
 *ギルサリオン《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

4ラウンド:PC【355】 VS 敵【311】 /敵側に44ダメージ!(オーガ屍人兵リーダー5、オーガ屍人兵A89、B89、C89)

「頭ぁ叩いちまえば、こっちのもんよ」
「……いや、まだだっ」
 ヘルトが鋭い口調で注意の声を上げる。誰もが戦いに集中している中、敵兵の背後から更に増援がやってきていた。

増援:オーガ屍人兵MR100*2

5ラウンド:PC【357】 VS 敵【454】 /PC側に97ダメージ!(ヘルト34、ニンツ34、カーモネーギー35、隊長ギルサリオン54、隊員A19、B19、C19、D19、E19、F19)

「くっそ……こりゃあいくらなんでも」
 ニンツは防戦を続けながら、ギルサリオンに近寄ると、肩を寄せて小声で話しかけた。
「おい、隊長、なんか手はねえのか」
「……森のあるじのお力を借りねばなるまいか」
「あぁ?」
「帝国人、今度はお前が時間を稼ぐ番だ」
 隊長ギルサリオンはニンツの背を押して敵に向かわせると、自らはその場を離れ、素早く手近なシラカバの古木に駆け寄った。するすると幹をよじ登り、上空から森中に響き渡る声で朗々と呼びかける。
「森の王よ! すべての獣の王よ! 姿をお見せ下さい!」

6ラウンド:PC【298】 VS 敵【485】 /PC側に187ダメージ!(ヘルト14、ニンツ15、カーモネーギー21、隊長ギルサリオン54(離脱)、隊員A1、B1、C1、D1、E1、F1)

 ギルサリオンが呼びかけの言霊を3度大声で繰り返すと、一陣の風が木立を吹き抜け、周囲の木々がザワザワと揺れた。
 と、不意に、奥の樹木が大きく傾いだ。かと思えば、それは真っ白な頭髪と長い髭で足元まで身体を隠した、樹木と見紛わんばかりの巨体の老人の姿を取ってゆっくりと歩き始めた。

*森のあるじレサヴィーク、特殊能力/蔦の呪縛

 老人の背から四方八方に伸びる蔦に絡め取られ、屍人兵は次々に宙に吊り上げられた。そしてそのまま無造作にシラカバの古木のウロに放り込まれてゆき、やがて最後の屍人兵が呻き声とともに姿を消すと後には何も聞こえなくなった。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「森のあるじ、レサヴィーク。お会いできて光栄です」
 ギルサリオンはシラカバの古木から飛び降りると、片膝をついて頭を垂れた。
 森のあるじレサヴィークはその場にいる全員の頭に直接響き渡る不思議な口調で静かに語った。

《森が騒がしい》
……
《竜の声が遠くに聞こえる》
……
《竜塚で何かがおころうとしておる》

 それきり、辺りは静まり返った。気づくと、森のあるじレサヴィークは既に巨大なモミの木と化していた。隊長ギルサリオンは深々と一礼すると、一行に向き直った。
「竜塚……?」
 カーモネーギーが怪訝そうな顔で誰に聞くともなしに問いかけた。
「……カザンカ川とヴォルガ川が合流する古き伝承の残る地だ」
 ニンツが神妙な顔つきで答えた。その後を、ギルサリオンが引継ぐ。
「古代エルフ王ベリエンベールの偉業のひとつ、カザンの悪夢こと、ユランの黒竜退治」
 ニンツが無言で頷く。ギルサリオンは珍しく不安げな顔つきで遥か彼方を眺めやった。
「……屍人使いどもめ、まさかユランの黒竜を黄泉帰らせるつもりではあるまいな」


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
ヘルト
偵察兵のニンツ
カーモネーギー

→遺跡の浄化を終えた術士隊カルドゥニアとともに、一行はレックス砦に帰還する。新たに浄化された遺跡は西方エルフ森林警備隊が交代で警戒にあたっている。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
■事件C:8人出撃
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
3階の魔獣の住処たる密林にて、天空に向かってそびえる古代樹の調査が途中となっている。
帰還した探索隊の報告によれば、弐の騎士との対決は間近だと思われる。
一層の注意をして望むように。
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

 正午を過ぎても、傭兵剣士の募集は続いていた。ドワーフ戦士ヤスヒロンの口上は間をおいて広場で何度か繰り返され、砦を拠点とする傭兵たちの中にも興味を示すものが出てきた。
「カンダック師、やはり着いてきては頂けませんか」
 無敵の万太郎は元雇い人の魔術師カンダックに残念そうに話しかけていた。
「うむ。例の壁画の事で少し気になることがあってな。コースト市のスラムグリオン魔法学校で調べものをしたいので時間が欲しいのだよ」
「そうですか……」
「なに、弐の騎士とやらと戦いになるのであれば、私より彼のほうが今回は役に立つさ」
 と、カンダックは背後に控える長身の痩せた男を振り返った。
「碌でもない元弟子ではあるが、私より腕っぷしだけは立つ」
「それはひどいな、師匠」
「お前のことだ。どうせあの傭兵剣士に応募するつもりだったのだろ?」
「へいへい、わかりましたよ」
 痩せた男は万太郎に改めて大げさな身振り手振りとともに名を名乗った。
「天知る地知る我知る人知る……元魔術師見習いのイェスタフとは俺様のことさ」


「万太郎隊長! これだけ揃いましたよ」
 ヤスヒロンが嬉しそうな顔で立ち並ぶ面々を紹介した。
「ソーグ、アンドレア、ポル、シャオリン。マロウズまで来てくれるのか。こりゃ頼りになる」
「いつぞやのソウルサッカーとやりあった時の借りを、まだ返せてなかったんでな」
 盗賊ソーグはにやりと笑って万太郎の肩を叩いた。
「本物に見紛う精巧な人形を制作するという弐の騎士とやらに興味がわきましてね」
 アンドレアがいつものように穏やかな笑みを絶やさずに答えた。
「ボクの経験から言って、そういう繊細な細工を得意とするのは女性だね。間違いないよ! 女性を相手にさせたらボクの右に出るやつはいないからね。まぁ、任せといてよ。フゥーハハハ!」
 軽薄そうな男ポル・ポタリアが早口で持論をまくし立てた。
「見てみて〜。アニキたちのドールがかっこいいのでアタシも欲しいー!と思って、こんなの作ってみたヨ。動いてくれないかなぁ〜?」
 東洋風の少女シャオリンが自作した小さな木彫りのドールを嬉しそうに掲げていた。
「傭兵剣士か……懐かしい響きだ」
 万太郎はふと、以前一緒に冒険をした岩悪魔の友人を思い浮かべていた。
(シックスパックやクォーツは元気でやっているかな)
 やつらの手を借りたいところだが、今はこれだけの仲間がいる。
(魔法のビヤ樽を見つけたら呼べよ!)
「……ビヤ樽のあてもないしな」
「万太郎! お守りだ! 持ってきな」
 投げられた回復薬を慌てて受け止めると、赤毛の大男バラクが親指を立ててニヤリと笑っていた。森林警備隊が広場の門を出ようとしているところだった。
「お互い無事に帰ってきて、派手な宴会をしようぜ!」
 万太郎は一礼して一行を見送った。森林警備隊にレックス砦の連中、そしてシャンキナルの都から呼び寄せられたという術士隊。
 ヤスヒロンは異様な雰囲気を醸し出している術士隊の中にふと、気になる人影が目に入った。ローブから覗く口元に微かに見覚えを感じる。しかし声をかけようかと逡巡しているうちに、一団は足早にゲートから出立していった。
「さぁ、俺たちもそろそろ行こう」
 万太郎の言葉に、傍らのカエル人の戦士ヴェルサリウス27世が重々しく頷いた。


 古代の塔の第三階層、天空に向かって高くそびえ立つ古代樹の周囲を、一行は螺旋を描いて上層へ登っていた。ここまで不思議と行く手を阻む怪物や人形の類には遭遇しなかった。
 一行の前に、偵察に向かっていたバードドールが緩やかに滑空して舞い降りた。
《あるじ、この先は広場になっており……そこに木像が集まっております》
 いつになく大人数を束ねる万太郎は、緊張の面持ちで一同を見返した。マロウズが苦笑しながら言葉を返した。
「俺たちの顔を見てても仕方がない、圧倒的にお前やヴェルサリウスの方が経験があるんだ」
「ああ、君に任せるよ」
 アンドレアが穏やかに口添えした。ソーグやヤスヒロンも無言でその意を表した。
「そうそう、早く片付けて帰ろうよ〜。僕ぁ昨日の娘とアフターの約束があるんだよねぇ」
 ポルが口笛を吹きながら軽口を叩いた。
 万太郎は上層を見やると、毅然とした表情で小さく頷いた。
「行こう」


 風通しの良い広場には、武装した兵士の木像が左右に立ち並び、その奥にはこの階層には不釣り合いな豪奢な天鵞絨の敷物が敷かれていた。その先には繊細な彫刻がなされた玉座が置かれ、更に背後に大階段が上層へ続いていた。しかし一行の視線はその玉座に座る甲冑姿の人物に釘付けとなった。
「よく来られた。招かれざる客人よ」
 丁重な耳ざわりのよい声が投げかけられた。
「先日は塵悪魔が失礼をしたな」
 一行は恐る恐るといった体で玉座に近づいた。左右に居並ぶ近衛兵の木像は微動だにしない。
「ほう。此度はまた随分と大人数を集めてきたではないか」
 玉座の主、弐の騎士ヴェルナルドゥスは暗い兜の奥に赤紫の眼光を光らせつつ、温和な調子で語りかけてきた。
「残念だよ。諸君らをこれから征伐せねばならぬのだからな。何人たりとも偉大なる陛下の王国に足を踏み入れることは許されぬ」
 甲冑が軋みを上げながら立ちあがり、左手を掲げた。近衛兵の木像が一斉に硬質な軍靴の響きをさせながら姿勢を正した。その数、二十。
「ちっ……想定はしてたが、多いな」
「挟み撃ちは面白くないな。俺たちも二手に分かれるか? しかしあの騎士をどうするか……」
 マロウズとソーグが小声で目配せをした。
「弐の騎士殿」
 不意にアンドレアが一歩前に出た。
「一度、貴殿と話してみたかった」
「ほう……?」
 弐の騎士ヴェルナルドゥスは掲げていた左手を下ろした。木像が動きを止める。
「私も昔『本物にしか見えない』様々な品を作っておりました。なので、精巧な人形を制作するという貴殿にとても興味が湧いたのです。貴殿の『作品』はこのように本物と見紛うばかり」
 アンドレアは話しながら、左右に並ぶ兵士の木像を指し示した。それぞれ繊細な鎧兜の紋様が刻まれ、木製とは思えぬ個性豊かな顔つきを湛えていた。
「なぜ貴殿は斯様な作品を創作されるのか。戦力として人形を使役するならこんな精巧な細工をする必要はないはず。私は知りたいのです……貴殿が〈人形遣い〉と呼ばれる所以を」
 沈黙があたりを支配した。弐の騎士ヴェルナルドゥスは表情の読めぬ兜の奥で無言を保っていた。アンドレアは言葉を重ねた。
「私はこの塔でもう一つ素晴らしい作品を見ました……私の仲間が連れている〈ミラードール〉」
 アンドレアは万太郎とヴェルサリウスの横に控える2体のドールにちらりと視線をやった。
「確かに貴殿の作品は凄い。私ごときでは辿り着けない最上級の技術だ。しかしそれだけに、伝説の白の魔法使いニン=ドゥルジエル=ニンのミラードールのように、魂を持って自在に動くという程ではないのが残念だ」
「……」
 弐の騎士ヴェルナルドゥスは不意に、宙に五線星型を描くとパチンと指を鳴らした。するとシャオリンが抱えていた木彫りのドールがぱちりと目を開け動き出した。
「ママー、ママー」
「うヒャアああ」
 シャオリンは慌ててドールを取り落とす。
「我が技を持ってすれば、このような出来損ないであろうともこのとおりだ」
「だが、魂は宿せない」
 アンドレアはやや寂しげに首を振った。
「なんだと」
「あなたのような腕前を持ってしても、本当の魂というものは与えられないのだな」
「だまれ。下賤の民ふぜいに創作の何がわかるか」
 弐の騎士ヴェルナルドゥスはすっくと立ち上がった。
「我が人形が白の魔法使いに劣っているかどうか、その身を持って確かめるがよいわ」


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:無敵の万太郎MR25防5、バードドールMR30、ヴェルサリウス27世MR20防10魔防5、ハンタードールMR35、アンドレアMR55防5、マロウズMR45防5、シャオリンMR45防5魔防5、ソーグMR35防5、ポル・ポタリアMR30防5、ヤスヒロンMR30防5、イェスタフMR40防5
敵:弐の騎士ヴェルナルドゥスMR180防5魔防5、ティグリア近衛兵木像MR35防2*20

「挟撃されるな! 左右に目を配れ」
 ヴェルサリウス27世が素早く指示を出し、自身は超小型単弓に矢をつがえ引き絞った。傍らのハンタードールも既に同じ動作で構えている。
「首級を狙え」
《御意》

先制射撃:ハンタードール【36】/敵側に36ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス149)

「アタシは右、アンタは左を頼むヨ」
 シャオリンはそう言うと、両手に装着している真紅の手甲を大きく振りかぶった。ヤスヒロンも左手に持った古めかしい意匠の杖を一振りする。
 *シャオリン、炎のガントレットを使用。《炎の嵐》発動! 敵右翼に20魔法ダメージ!
 *ヤスヒロン、古代帝国の杖を使用。《炎の嵐》発動! 敵左翼に20魔法ダメージ!
 *アンドレア、ソーグ、ポル《いだてん》詠唱。2回行動。
 *マロウズ、異界獣の黒曜石使用。MR40ブラックハウンド召喚。

1ラウンド:PC【496】 VS 敵【581】 /PC側に85ダメージ!(万太郎23、バードドール23、ヴェルサリウス20、ハンタードール28、アンドレア53、マロウズ43、シャオリン43、ソーグ33、ポル28、ヤスヒロン28、イェスタフ38、ブラックハウンド33)

「一気に畳み掛けるぞ」
「ああ、それしかなさそうだな」
 万太郎とマロウズが顔を見合わせた。後方でシャオリンたちが矢継ぎ早に魔法語を詠唱する。その横をソーグが大剣を振りかざし、加速して敵兵の集団に飛び込んでいった。
 *万太郎、古代帝国の指輪を使用。《凶眼》発動! 攻撃力*3
 *ソーグ《凶眼》詠唱。攻撃力*3
 *マロウズ、シャオリン《死の刃》詠唱。攻撃力*2
 *ヴェルサリウス27世《L3これでもくらえ!》の呪文石を使用。弐の騎士ヴェルナルドゥスに60魔法ダメージ! 

2ラウンド:PC【718】 VS 敵【556】 /敵側に162ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス94、ティグリア近衛兵木像右翼A9、B9、C9、D9、E9、F9、G9、H9、I9、J9、左翼/K9、L9、M9、N9、O9、P9、Q9、R9、S9、T9)

「《これでもくらえ!》」
 ヴェルサリウス27世は迫りくる木像を尻目に、執拗に弐の騎士に魔法を浴びせ続ける。その様子を見て取って、アンドレアも同じく指先を弐の騎士へ向けた。
「《これでもくらえ!》」
 *ヴェルサリウス27世《L3これでもくらえ!》の呪文石を使用。弐の騎士ヴェルナルドゥスに60魔法ダメージ!
 *アンドレア《これでもくらえ!》詠唱。弐の騎士ヴェルナルドゥスに20魔法ダメージ! 
 *ポル・ポタリア《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。ティグリア近衛兵木像ABCDEに6魔法ダメージ!
 *万太郎《凶眼》の呪文石を使用。攻撃力*3

3ラウンド:PC【520】 VS 敵【439】 /敵側に81ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス24、ティグリア近衛兵木像右翼A1、B1、C1、D1、E1、F7、G7、H7、I7、J7、左翼/K7、L7、M7、N7、O7、P7、Q7、R7、S7、T7)

 *アンドレア、炎の石を使用。敵右翼に合計30魔法ダメージ! ティグリア近衛兵木像ABCDEFGH、粉砕。
「やったぜベイビー。これで形勢逆転ってね」
「いよいよこっちの番ネ!」
 ポルとシャオリンが笑みを浮かべた。右翼が崩れれば、奥に控える弐の騎士に迫ることができる。

4ラウンド:PC【367】 VS 敵【305】 /敵側に62ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス24、ティグリア近衛兵木像右翼A0、B0、C0、D0、E0、F0、G0、H0、I0、J4、左翼/K4、L4、M4、N4、O4、P4、Q4、R4、S4、T4)

「弐の騎士ヴェルナルドゥスの名において命ずる。来たれ羽ばたくもの!」

増援:翼竜MR60*3

 兜の奥から不気味な声が辺りに響くや、上空から聞き覚えのある大きな羽音が聞こえてきた。ヴェルサリウスはカエル人特有の前肢の4本指で一番右の翼竜を指さすと、素早く魔法語を詠唱した。
「イーゼルヴァンの名において命ずる《眠れ》!」
 *ヴェルサリウス27世《イーゼルヴァンの黒き夢》詠唱。翼竜C、昏睡。

5ラウンド:PC【372】 VS 敵【377】 /PC側に5ダメージ!(万太郎23、バードドール23、ヴェルサリウス20、ハンタードール28、アンドレア55、マロウズ45、シャオリン43、ソーグ33、ポル28、ヤスヒロン28、イェスタフ38、ブラックハウンド33)

「くそ、あと一歩ってとこなのに」
「やれやれ、もう疲れちゃったんだけどなぁ、ボクも」
 ヤスヒロンとポルが肩で息をしながら、目の前の木像と切り結び続けていた。
 アンドレアはそちらを見やりつつ、懐から素早く呪文石を取り出した。視線の先、弐の騎士ヴェルナルドゥスの全身が紫色の光に包まれる。
「やはり……人形か」
 *アンドレア《そこにあり》の呪文石を使用。

6ラウンド:PC【371】 VS 敵【357】 /敵側に14ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス24、ティグリア近衛兵木像右翼A0、B0、C0、D0、E0、F0、G0、H0、I0、J4、左翼/K4、L4、M4、N4、O4、P4、Q4、R4、S4、T4、翼竜A59、B59、C59(昏睡))

「だめだ。それがわかったところで、刻印を無効化する方法でも見つけない限り、あいつは倒せない」
 アンドレアは首を振って失望の表情を浮かべた。

7ラウンド:PC【374】 VS 敵【352】 /敵側に22ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス24、ティグリア近衛兵木像右翼A0、B0、C0、D0、E0、F0、G0、H0、I0、J4、左翼/K4、L4、M4、N4、O4、P4、Q4、R4、S4、T4、翼竜A57、B57、C57(昏睡))

「おい、無敵の旦那」
 激しい戦闘が続く中、イェスタフが万太郎と肩を並べながら、何かを素早く手渡してきた。
「師匠から預かったもんだ」
 万太郎がちらりと目をやると、薬瓶のラベルには〈植物枯らし〉と書かれていた。
「さっきアイツが言ってたろ。あの親玉も人形。だったら……」
「おいおい、近衛兵どもがまだこれだけいる中、どうやって近づく気だ」
「俺様の奥の手さ……《姿隠し》」
 イェスタフが魔法語を口にすると、二人の姿が不意にかき消えた。
「俺から離れるなよ」
 見えないイェスタフの言葉に戸惑いながら、万太郎は乱戦の中をすり抜け、弐の騎士ヴェルナルドゥスの背後へ向かった。

8ラウンド:PC【386】 VS 敵【358】 /敵側に28ダメージ!(弐の騎士ヴェルナルドゥス24、ティグリア近衛兵木像右翼A0、B0、C0、D0、E0、F0、G0、H0、I0、J4、左翼/K4、L4、M4、N4、O4、P4、Q4、R4、S4、T4、翼竜A55、B55、C55(昏睡))

 弐の騎士の背後に回った万太郎は、薬瓶の栓を抜き、おもむろに頭上から中身の液体をぶちまけた。
「くっ……貴様、なにを」
「卑怯だと言われても構わない。俺は……生きて帰らないといけないんだ」
 弐の騎士を模した人形はシュウシュウと音を立てて煙を上げ始める。身体は真っ黒に変色しボロボロと崩れていく。
 たまらず人形は奇怪な叫び声を上げた。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 戦況は一気に傾いた。戦線を維持しつつ的確な指示を出していた弐の騎士ヴェルナルドゥスを失うと、残った木像と翼竜は容易に打ち倒された。
 見るも無残な状態となった弐の騎士の周りに、戦闘を終えた一行が近づいてゆく。すると崩れた兜の奥からくぐもった声が発せられた。
「……ミラードールよ。貴様に問おう」
 全員の視線が2体のドールに集まる。
「この世に生を受けたことをどう思っている」
 ハンタードールは主人であるヴェルサリウス27世をじっと見つめると、口を開いた。
《ワタシは幸せです》
「それが、自らの意思ではなくともか」
《ワタシは幸せです》
「ふん……よく手懐けているようだな」
 弐の騎士の甲冑が大きく傾ぎ、崩れ落ちた。と、その中から淡い光球が飛び出した。
《若き戦士よ。次に会うときを楽しみに待つこととしよう》
 光球はアンドレアの周りを一周りすると、やがてはるか頭上へと登っていった。そして残された甲冑は薄い煙とともに完全に崩れ去った。アンドレアは光球の行方を見送りながら小さく呟いた。
「その身を木偶人形にやつしてまで、お前は何を創ろうというのだ……弐の騎士よ……」

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
無敵の万太郎 →バラクより奇跡的な回復薬を入手。
ヴェルサリウス27世 →《L3これでもくらえ!》の呪文石*2を使用。
アンドレア →《そこにあり》の呪文石、炎の石を使用。
" 片耳の" マロウズ →異界獣の黒曜石を使用。
シャオリン
ソーグ
ポル・ポタリア
ヤスヒロン

→弐の騎士の玉座と近衛兵木像の残骸より古めかしい装飾品を発見・入手した。(金貨550枚相当)
→ヴェルサリウス、マロウズ、ポルが《そこにあり》の呪文を詠唱。古代樹のウロから隠された財宝が見つかる。
→第4階層に向かうには準備不足のため、報告を兼ねて撤退する。

■入手した財宝
全員、下記ABCから好きなものを1つ選択して下さい。
A:古代帝国の宝石箱(金貨70枚相当)
B:呪文石から2つを選択
・《L3これでもくらえ!》の呪文石 魔法ダメージ60点/1回限り
・《いだてん》の呪文石 3ターンの間2回行動が可能/1回限り
・《凶眼》の呪文石 1ターンのみダメージ3倍/1回限り
・《炎の嵐》の呪文石 敵全体に魔法ダメージ20点/1回限り
・《大まぬけ》の呪文石 3ターンの間、敵1体を混乱させ行動不可/1回限り
・《粉みじん》の呪文石 魔法のかかっていない武器防具を粉々にし、MR半減(武器防具を持たない相手には無効)/1回限り
・《小鬼の口笛》の呪文石 MR50の翼あるインプを召喚/1回限り
C:1つしか無いため、先着順
・エルブンダガーMR+10(使用すると銀狼化MR+20/1事件に1回使用可能)
・ファイアブランドMR+15(《炎の嵐》を発動/1事件に1回使用可能)


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☆ランキング

1位:
ヴェルサリウス27世/MR20防10魔防5
 +金貨80枚、選択した財宝
→(所持品:金貨130枚。高品質な武器【超小型単弓】、高品質な防具【キルテッド・シルク】、古代帝国の首飾り、古代帝国の宝珠(《開け》《そこにあり》《ないことに》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《イーゼルヴァンの黒き夢》、ハンタードール(MR35、先制攻撃可能))

ヤスヒロン/MR30防5
 +金貨80枚、選択した財宝
→(所持品:金貨90枚。高品質な武器【ヘヴィーメイス】、高品質な防具【首、腕など急所を部分的に鉄板で覆った鎖帷子】、古代帝国の杖(《L3これでもくらえ!》《炎の嵐》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石*2、奇跡的な回復薬、ボンバの実)

3位:
アンドレア/MR55防5
 +金貨65枚、選択した財宝
→(所持品:金貨130枚。黒き剣、高品質な武器【鞭】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、モンゴーのしるし、熊神石、呪文:《これでもくらえ!》《いだてん》)

"片耳の"マロウズ/MR45防5
 +金貨65枚、選択した財宝
→(所持品:金貨95枚。黒き短剣、高品質な武器+2【チェーン・ソード】、高品質な防具【レザージャケット】、《ないことに》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《死の刃》《そこにあり》)

5位:
無敵の万太郎/MR25防5
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨70枚。高品質な武器+2【ソナン・イエの槍】、高品質な防具【アーミング・ダブレット】、古代帝国の指輪(《凶眼》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《凶眼》の呪文石、奇跡的な回復薬、バードドール(MR30、飛行可能))

シャオリン/MR45防5魔防5
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨120枚。高品質な武器+2【ヒョウ】、高品質な武器【鉄扇】、高品質な防具 【火鼠の皮衣】、カザン帝国勲章、奇跡的な回復薬*2、炎のガントレット(《炎の嵐》《炎の壁》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、木製自作ドール、呪文:《死の刃》《ないことに》)

ソーグ/MR35防5
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨50枚。高品質な武器+2【グレートソード】、高品質な防具【レザーアーマー】、奇跡的な回復薬、《ないことに》の呪文石、呪文:《ないことに》《いだてん》《凶眼》)

ポル・ポタリア/MR30防5
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨75枚。高品質な武器【鞭】、高品質な防具【飛来物除けの護符を織り込んだジャケット(緑色)と足になじむ靴】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、スパイダー・ベノム1瓶、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《メメコレオウスの黒き礫》)

9位:
ヘルト/MR40防5
 +金貨40枚
→(所持品:金貨95枚。高品質な武器【シュヴァイツァー・サーベル】&【カッツバルゲル】、高品質な防具【メイル・アーマー】、保存食*1、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《厄払い》の呪文石、異界獣の黒曜石、呪文:《死の刃》《ないことに》)

偵察兵のニンツ/MR40防5
 +金貨40枚
→(所持品:金貨40枚。高品質な武器【良い短剣】&【鋭い短剣】、高品質な防具【硬い皮鎧】、奇跡的な回復薬×2、《ないことに》の呪文石、呪文:《これでもくらえ!》《そこにあり》《ないことに》)

カーモネーギー/MR35防10
 +金貨40枚
→(所持品:金貨80枚。高品質な武器+2【魔弓・イチイバル】、高品質な防具【革鎧】、高品質な防具【籠手に付けれる小型盾】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬、異界獣の黒曜石、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》)

12位:
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート/MR50防5
 +金貨35枚
→(所持品:金貨60枚。黒き大斧、高品質な武器【バスタードソード】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、身代わりの依り代、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《メメコレオウスの黒き礫》)
ー奇跡的な回復薬1

エミリア/MR30防5
 +金貨35枚
→(所持品:金貨60枚。ベアクロー、高品質な防具【ブレストプレート】、《開け》の呪文石*3、《そこにあり》の呪文石*4、《ないことに》の呪文石*4、奇跡的な回復薬*2、竜の牙、熊神石の破片、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能))

クリフ/MR45防5魔防5
 +金貨35枚
→(所持品:金貨40枚。高品質な武器+2【斧】、高品質な防具 【???】、魔封じの首飾り(魔防+5)、奇跡的な回復薬、竜の牙、炎の石、呪文:《イーゼルヴァンの黒き手》)
雇い人(盗賊エバンスL2) 金貨60枚 MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り

デュラル・アフサラール/MR40防5
 +金貨35枚
→(所持品:金貨35枚。高品質な武器【弓】、灰色熊の毛皮、奇跡的な回復薬*2、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《ないことに》の呪文石、熊神石、身代わりの依代、屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)、呪文:《凶眼》《炎の嵐》)

16位:
サマ/MR20防5
 +金貨30枚
→(所持品:金貨75枚。高品質な防具【スケイル・アーマー】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、呪文:《耐えよ》《イーゼルヴァンの黒き夢》)

スパイデイ/MR30防5
 +金貨30枚(いだてん習得費用不足分-5)
→(所持品:金貨25枚。高品質な武器【細身の剣(レイピア)】、高品質な防具 【鋼の鎧、楯セット】、そこにありの呪文石*1、奇跡的な回復薬、熊神石の破片、身代わりの依代、スパイダーベノム1瓶、呪文:《いだてん》)

へーざぶろー/MR20
 +金貨30枚
→(所持品:金貨65枚、呪文:《死の刃》《そこにあり》《炎の嵐》《メメコレオウスの黒き礫》)

メックリンガー老/MR30防5
 +金貨30枚
→(所持品:金貨75枚。高品質な武器【槍】、いにしえの胸当て、そこにありの呪文石、奇跡的な回復薬*2、ボンバの実*2)

■砦にて待機(今回投稿無し)
イールギット/MR30 →(所持品:金貨40枚。いにしえの短剣)
アクロス/MR20 →(所持品:金貨50枚)

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☆ザルダック商店
金貨を入手している場合、買い物をしても構わない。自由筆記欄に記載すること。
商品は変わる場合があるので、次回以降に残しておくこともできる。

<商品リスト>
・高品質な武器+2 金貨60枚 MR+15/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい(高品質な武器から買い替える場合、古い武器は金貨10枚で引き取ってくれる)
・高品質な武器 金貨30枚 MR+10/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい
・高品質な防具 金貨30枚 防御点+5/好きな防具タイプを自由筆記に記載下さい
・奇跡的な回復薬 金貨10枚 ダメージ10点回復/1回限り
・神の如き回復薬 金貨25枚 ダメージ30点回復/1回限り
・《L2これでもくらえ!》の呪文石 金貨20枚 魔法ダメージ40点/1回限り
・《L3これでもくらえ!》の呪文石 金貨40枚 魔法ダメージ60点/1回限り
・《死の刃》の呪文石 金貨15枚 1ターンのみダメージ2倍/1回限り
・《開け》の呪文石 金貨10枚 鍵開け/1回限り
・《そこにあり》の呪文石 金貨10枚 隠されたものを感知する/1回限り
・《ないことに》の呪文石 金貨20枚 魔術を1度だけ無効化する/1回限り
・《いだてん》の呪文石 金貨40枚 3ターンの間2回行動が可能/1回限り
・《凶眼》の呪文石 金貨40枚 1ターンのみダメージ3倍/1回限り
・《炎の嵐》の呪文石 金貨40枚 敵全体に魔法ダメージ20点/1回限り
・《耐えよ》の呪文石 金貨40枚 5ターンのあいだ防御点2倍/1回限り
・《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石 金貨40枚 2ターンのあいだ1名に魔法防御15点/1回限り
・雇い人(戦士L2) 金貨60枚 MR60防5/1事件限り
・雇い人(戦士L3) 金貨100枚 MR85防10/1事件限り
・雇い人(盗賊L2) 金貨60枚 MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り
・雇い人(盗賊L3) 金貨100枚 MR55防2・《死の刃》《開け》《そこにあり》《いだてん》《耐えよ》/1事件限り
・雇い人(魔術師L2) 金貨60枚 MR25・《L2これでもくらえ!》《ないことに》《凶眼》/1事件限り
・雇い人(魔術師L3) 金貨100枚 MR35・《L3これでもくらえ!》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》/1事件限り

☆訓練場
金貨を使用して、ガガック兵長に特別訓練をつけてもらえる。自由筆記欄に記入すること。
支払い可能であれば複数回選択しても構わない。
なお魔術訓練で覚えるのはあくまで呪文そのものであり、高レベルで呪文をかける事は魔術師のみができる特技のため、PCにはできない。

・戦闘訓練:金貨100枚/基本MR+10
・魔術訓練1:金貨50枚/(これでもくらえ、死の刃、開け、そこにあり、ないことに)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)
・魔術訓練2:金貨80枚/(いだてん、凶眼、炎の嵐、耐えよ、わたしを守ってあなたを守って)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)

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【ルール】
・PCはカザン帝国の辺境開拓軍の戦士です。
・T&Tシステム的にはPCは盗賊にあたり、戦士の特技も魔術師の特技も持ち合わせません。
・毎回、「事件」が更新されます。どの事件を解決に向かうか選択して下さい。
・同じ事件に向かったPCが多ければ、解決しやすいですが報酬も少なくなります。逆に1人だと報酬は総取りですが、失敗の可能性も高くなります。
・トロールワールドは無情です。運が悪ければあっけなく死ぬでしょう。死んだときは死んだときです。新たなPCで1から出直して下さい。
・事件の処理はシンプルにモンスターレートで行います。(PCも一律でMR表記処理)PCの初期戦闘力はMR20(3D6+10)です。
・事件を解決したら、報酬がもらえます。報酬はカザン帝国への貢献度として、順位付けされます。順位によっては特別報酬がもらえることもあるでしょう。
・報酬を使って装備を購入したりすることもできます。商品は毎回変わるので使うか、貯めるかは判断のしどころでしょう。

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【未解決事件】
A:
〈大断崖〉山間のフョードル村からの救援要請に継続して対処にあたる。
地元の部族から精霊の祭壇として祀られている旧い神殿は、どうやら悪意を持つ何者かによって占拠されているようだ。
未確認情報ではあるが〈熊神教団〉の関与の可能性もある。ベアカルトはカザン帝国に公然と反旗を翻す不逞の輩。見つけ次第、躊躇せず放逐せよ。
探索には〈狼の部族〉から呪術師キース、〈狐の部族〉から女戦士オードリーが同行する。
脅威予測)中
報酬)中


B:
司令室にて、ガガック兵長と西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンが君たちを出迎えた。
「おお、貴様ら。無事で何よりだ。報告は聞いているぞ」
「我ら西方エルフはカルドゥニアとともに〈竜塚〉へ向かう。森のあるじのお言葉が気にかかるゆえな」
ギルサリオンを横目に、ガガック兵長が言葉を続けた。
「浄化した遺跡の警護はレックス砦で引受ける事となった」
「諸君らの助力も願いたいところだが……」
(下記より選択して下さい)
・西方エルフとともに〈竜塚〉へ向かう
・浄化した遺跡の警護にあたる
脅威予測)中
報酬)中


C:
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
貴様らあてに魔術師カンダックから伝言が届いているぞ。
「諸君、これを読んでいるという事は生きて帰ってきたのだろう。こちらも古代帝国ティグリアについて少し調べることができた。文献によると《七英雄》参の騎士の名はクリストフォルス。〈幻影遣い〉と呼ばれていたそうだ。次の階層には此奴が待ち構えているに違いない。私はいましばらく調査を続けたいので、スラムグリオン魔法学校を離れることはできない。無理はせず、慎重に進みたまえ。また何かわかったことがあれば連絡する」
第四階層へは、初の挑戦となる。事前情報がないため、一層の注意をして望むように。
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い


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【作戦会議室・峡谷の山猫亭】

https://www1.x-feeder.info/FTGAME/

出撃前に相談をしたり、雑談や交流ができるチャットルームです。
PC・スマホ・携帯から閲覧/書き込みできますので、ぜひご活用下さい!

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【参加方法】

https://jp.surveymonkey.com/r/QYYZPZ8
*ご注意。今回からフォームURLが変更になっています。

参加フォームに下記を記入し、送信して下さい。
・キャラクター名
・今回選択する事件
・(任意・自由筆記)事件への対応や購入した商品、キャラ設定(年齢・性別・性格・生い立ち・風貌・特徴・口癖など)
・プレイヤー名・メールアドレス
 *投稿内容の詳細確認などが必要な際にこちらからご連絡をする場合があります。

【参加締切】
配信日の2週間後を締切とします。
締切を過ぎますと次回は「待機」となります。

■今回の締切:2/9(日)24時まで

 *ep.11配信予定:3月中旬


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