●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『アナログゲーム産業年鑑2025』のご紹介 岡和田晃 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 「FT新聞」No.4831(2026年4月16日)では、『アナログゲーム産業年鑑2024』につき、その成り立ちを含めて詳しく説明いたしました。 今回ご紹介する『アナログゲーム産業年鑑2025』は、2026年3月に出たばかりの続編であり、前年版と同じく、一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会が矢野経済研究所の協力を得て刊行するもの。2024年1月から12月までのアナログゲーム業界の動向が詳述されています。 ページ数は2倍以上になっており、各ジャンル別(テーブルゲーム、伝統ゲーム、シミュレーションゲーム、TCG、TRPG、体験型ゲーム、その他のゲーム)の分析や、アナログゲームの教育利用に関する研究動向、ボードゲームサークル小史なども付記され、内容が飛躍的に充実を見せたと言っても過言ではありません。そのぶん、価格は個人での購入は困難なレベルになってしまっているので、お近くの図書館や大学・研究機関などへ働きかけていただければと思います。 2024年の動向を扱うので、この巻を単独で参照しても、特に問題はありません。 特筆すべきは、シミュレーションゲームの項目では、ウォーゲームなどのボード・シミュレーションゲーム(担当:瀬戸利春)、『ウォーハンマー』などのミニチュア・シミュレーションゲーム(担当:小泉慎吾)が対象となり、TCGの項目では国内動向のほか、海外動向(担当:yoko5000)についても詳述されていること。ここでしか読めない分析も含まれています。 TRPGの項目は、私(岡和田)が担当し、40ページほどの内容になっています。TRPGに関しては、他のアナログゲームと比べて言語依存性がきわめて高く、それゆえ、むしろ他の文芸メディアや出版ジャーナリズムと密接な関わりをもってきました。 かてて加えて、同じTRPGというジャンル名を冠したものでも、多様化が進んでいるため、このため、市場の数字だけを追うのでは、どうにも内実を捉えづらいところがあります。それこそ、TRPGについて知らない人からすると、業界シェアNo.1を保持している「『クトゥルフ神話TRPG』とそれ以外」に区分されてしまいがちです。年鑑である以上は、そうした弊は避けたい。 そのような問題意識から、『アナログゲーム産業年鑑2025』のTRPGの項目においては、まずTRPGとは何かの説明、簡単な成立史と現況を整理したうえで、数字の羅列に終わらない批評性を持たせるべく腐心しました。それこそ、『文藝年鑑』のような先行の事例を見ても、批評性がないサーヴェイは読むに堪えないからです。 それでは具体的に、当該項目の目次をご紹介しましょう。なお、TRPGのみならず、ゲームブックやソロジャーナリング、LARPや学術動向などについても、簡単ではありますが、言及している点も重要でしょうか。 本章では全体を6節で構成し、その後に、2つのリストを載せて補完を試みています。また、とりわけTRPGは多数のクリエイターが関わることが多い分野ですので、煩瑣になりがちな作家一覧は、本書の方針にあわせて注釈に落とし込む形で、読みやすくなるよう配慮しました。 【概要】 第5章 TRPG 本章の対象となるゲームの領域 ・TRPG ・ゲームブック / ソロアドベンチャー / ソロジャーナリング ・LARP ・上記に関する学術研究 【目次】 序文 第1節 海外と連動した作品について 1-1:『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とシェアードワールド小説 1-2:『トンネルズ&トロールズ』と『モンスター!モンスター!TRPG』 1-3:『ファイティング・ファンタジー』関連作とゲームブック 1-4:『クトゥルフ神話TRPG』が拓いた新規層 第2節 出版メディア 2-1:「Role&Roll」とアークライト/新紀元社刊行作品の動向 2-2:「GMウォーロック」とグループSNE作品の動向 2-3:「ゲーマーズ・フィールド」とF.E.A.R.作品の動向 第3節 電子メディア 3-1:自前のECサイトや、各種電子書籍販売サイトの活用 3-2:分厚いハードカバー書籍群とPDF でのサポートを連動させたホビージャパン 3-3:海外RPG を小回りが効く形で刊行しているベンダーたち 第4節 プレイスペースや新機軸の試み等 4-1:ボードゲームカフェ 4-2:オンラインセッション 4-3:LARP、学術誌 4-4:TRPG落語、一般誌での展開 第5節 TRPGの市場規模 第6節 ゲーム賞およびプロ・デビュー 2024年のRPG刊行リスト(作:石在神明、岡和田晃) FT新聞 2024年のアナログゲーム関係記事一覧(作:水波流、岡和田晃) 編集は鬼頭基さんが担当してくださいました。 できるだけ公正で広い視座での概括を試みましたが、もちろん、これで網羅されたと言うつもりはありません。 私は編集委員会のメンバーではなく、一人の寄稿者にすぎないものの、この仕事を公共性の高いものだと考えています。今後は、「産業」としてだけではなく、「文化」としてこの分野を扱えるようにするのが目標です。ぜひ、ご一読のうえ、ご意見をお聞かせ願えれば幸いです。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『アナログゲーム産業年鑑2025』 <冊子版・電子版共通> 発行日:2026年3月10日 版型:A4 ページ数:258 ISSN: 2759-8209 本文モノクロ印刷 ※電子版は冊子版の誤植修正、カラー図版の掲載を行っています。 編著:一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会 発行人:草場 純 発売元:一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会 連絡先:info@analoggamemuseum.org ※公式ページ:https://analoggamemuseum.org/publication/annualreport 価格:本体80,000円+税 冊子版:https://booth.pm/ko/items/8070461 電子版:https://analoggamemuseum.booth.pm/items/8070469 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年4月30日木曜日
2026年4月29日水曜日
第2回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4844
第2回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ※ここから先はゲームブック【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。 ぜろです。 「クトゥルフ深話」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。 スタートでいきなり暗闇の中にいる状況。自分のことも、どこにいるのかも、どんな事態が起きているのかも思い出せません。 少しずつ記憶の断片をよみがえらせ、世界で同時に起きている、黒い影に飲み込まれる現象に自分も巻き込まれたことを理解します。 謎のアイテム「真の闇をあざ笑うための偏方二十四面体の欠片」を握りしめて闇に呑まれたことも……。 そのアイテムの存在を確認した瞬間「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」という声が聞こえたのでした。 ●アタック01-3 這いよらないでニャルニャル 「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」 暗闇の中に響く声。 このパラグラフをそのまま読み進めると、最後はどこにも繋がっていないのが、すでに見えている。 なんらかのパラグラフジャンプを用いなければ、ゲームオーバーだろう。 闇の奥の奥。何かとんでもないモノがこちらを見つめている。 知ってはいけないモノが、そこにあることを理解した。 この漆黒に身を任せてみたいという欲求。 手元の結晶体を握りしめ、本能的に身を護ろうとする自分。 選択は【漆黒】のパラグラフジャンプを用いて、身を委ねるか。 手元の結晶体の力を信じてその【素性】を探るかだ。 私は【素性】からのパラグラフジャンプを選んだ。 「忌々しきは、その石。道化師かつ放浪者なる闇の裏切者よ!」 私を狂い殺そうとする波動が、私の手元の石の力で霧散するのを感じた。 「暗闇のファラオのピラミディオン……忌々しきトラペゾヘドロンめ」 闇はそんな言葉を残し、消え去った。 私は、現実世界に戻ることができた。 そうか、この石が、トラペゾヘドロン。 永遠のクトゥルフ初心者の私でも、その名前は聞いたことがある。 ゲームブック「暗黒教団の陰謀」の副題が「輝くトラペゾヘドロン」だった。 でも、私の知識はそこまでだ。 「暗黒教団の陰謀」は所有しているけれど、プレイは序盤を少し読んだだけで断念している。 当時はクトゥルフ初心者どころか、クトゥルフというジャンルの入口にすら立っていなかったので、まったく何も理解できなかったんだよ。 結局、単語を知っているだけでは、何の役にも立ちはしない。 目の前の箱で検索してみるか。 周辺情報はあまり理解できなかった。 ただわかったのは「闇をさまようもの」、ナイアーラトテップを召喚する道具とのこと。 ナイアーラトテップっていうと、別の呼び方ではニャルラトホテプとか呼ばれる存在だよね。 いわゆるニャル子さんだよね。這い寄る混沌とか呼ばれるやつでいいんだよね? とりあえず、「闇をさまようもの」という単語が、今の闇に呑まれている状況に合致するように思われた。 なので、多分これはニャル子様関連の出来事なのだろう、という推測を、勝手にしておくことにした。 ●アタック01-4 グレーハッカーキサラギ やっと、やっとだよ。 私はようやく、自分を取り戻したんだ。 まずは私の職業、というか生業を紹介しよう。 組織や個人の依頼を受けて、政府や企業のサーバーに侵入し、不正を暴いたり、混乱をまき散らしたりする。 グレーハッカーと呼ばれる存在だ。 白でも黒でもない。報酬によって動く。 ここでようやく、私は私を完全に取り戻した。 特に名前の指定はないようだ。 であれば、ついにここで、命名しよう。 そう……だな。 ここは本名よりも、コードネームみたいなものをつけよう。 キサラギ。 私はグレーハッカーで、通称キサラギだ。 今、闇はいったん去った。 しかし、今、世界中で何かが進行しているのは間違いない。 私は、私の能力で、何かを為せるかもしれない。 別にそんな大それたことを考えているわけじゃない。 灰色の依頼主がいなくなると、食っていくのに困るんだよ。 だから、私の人生のためにも、人類に滅んでもらっては困るんだ。 私はなぜか、無駄に使命感を燃やしている。 そんなキャラじゃなかったはずなんだけど。闇に囚われていた反動かな? 闇に飲み込まれていた他の人たちはきっと皆、帰ってこられなかったんだろうな。 ここで私は、自分の取り得る選択肢を吟味する。 そこにはたくさんの選択肢が並んでいた。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 これは、最終的には全部調べるやつなんだろうな。 むしろ、最初の三択のように、この場面に何度も帰ってきては、行ける先を探す展開になりそうな予感がするぞ。 それにしても、パソコンと携帯端末、タブレットPCが全部別の選択肢になっているのはどういうことなんだ。 すべて用途としては同じ、インターネットを通じた情報収集だと思うのだが。 逆にそれぞれが個別でどう違ってくるのか、気になってしまうな。 さて、この中からどれを選択するか、だけれども。 大多数の人は、最初に確認するのはこれだろうと思う。 「手元の石」 これだ。今巻き込まれた事態からも、この石のことを、しっかりと知っておきたいと考えるのは当然のことだろう。 他のことは、その先でいい。 手元の石は、いびつな多面体だ。 平行な辺のない四角形によって構成された多面体のことを「トラペゾヘドロン」と呼ぶらしい。 全ての時間と空間へと通じる窓、という謎の単語が脳裏に浮かんだ。 とりあえず、私が「トラペゾヘドロン」を所有しているのは間違いない。 それを、確認した。 これで、半日が経過したという。 そして、もう半日なんらかの行動を起こせる、という。 この作品は、行動に応じて時間の経過がともなうということを今、知った。 元のパラグラフに戻り、別の選択肢を探ろう。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・車のキー ・本棚 車のキーってのは、お出かけでもするのかな? ネット関係か、本棚か。 まずは手近なところで、本棚からあさってみようかな。 本棚を確認する。 世界中の怪異に関する本はそう多くはない。 としたうえで、いくつかの本のタイトルが並んだ。 「ネクロノミコン」 「ナコト写本」 「ケレーノ断章」 「ルルイエ異本」 「エイボンの書」 「黄衣の王」 クトゥルフものを少しでもかじったことがあるのなら、聞いたことくらいはあるタイトルがある。 これらの本が、怪異の真実をひも解く鍵になるかもしれないという。 そして、これらの本のどれかを持っているか、と質問がきた。 今のところ、どれも持っていない。 しかし、これらのクトゥルフ関連の書物を入手できる可能性があることはわかった。 ●アタック01-5 日本やばい これで私の、1日目の行動は終了となる。 今いるパラグラフは、行動の終了時に立ち寄ることになっているパラグラフだ。 その日の経過ごとに、世界で何が起きているのか、その情勢を読んで確認できるようになっている。 今は初日なので、初日の情報を確認しよう。 気になる情報が特に集中しているのは、どうやら日本、アメリカ、モンゴル、イースター島の4か所のようだ。 今後は、この4か所の災害レベルを確認しながら事態に当たることになるだろう、とのこと。 日本はともかく、残りの3か所は、いったいどうやって対処したらいいのだろう。 そんなことを考えながら眠りにつき……そして次の日になった。 次の日は次の日で、並んでいる選択肢の中から行動を選ぶのは変わらない。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 では、本格的に行動を起こそう。 まずは手あたり次第だ。電子機器関係は違いがわからないから、順番にチェックするしかない。 まずはパソコンだ。 PCカメラを利用して、アメリカに住む友人投資家と、テレビ電話をしてみた。 なるほど。パソコンはアメリカの友人と繋がれるのか。 友人投資家の名は、マーカス・アルクヘイム。 こちらが何かを言う前に、アメリカの異変について語り始めてくれた。 ただ、今はアメリカの災害レベルは0だ。 悪い噂が絶えない、という程度の軽い情報だった。 災害レベルに進展があれば、情報も変わるのだろう。 もしかして、災害レベルが上がらなければ起こらないイベントもあるのか。 だとしたら、悩ましいな。 世界を救いたいのだが、災害レベルがある程度上がらないと対処できないとかだったら。 さて、この行動で半日が経過した。 もう半日分、行動が可能だ。 何もわからないので、とにかくひとまず順番に見ていくことに決めている。 次は、携帯端末だ。 携帯端末では、どこの誰と連絡が取れるのだろう。 俺は携帯端末から、海外旅行中の知人バックパッカーに連絡を取ってみた。 海外旅行か。どこに行っているのだろう。 私が気にしている4か所のポイントのうちのどこかであると良いのだが。 そのバックパッカーの名はアルマス・ハン。 あ、モンゴル系の名前っぽいな。 彼はモンゴル高原を旅するバックパッカーだ。 しかも、世界中の怪奇現象にも詳しい。 頼りになる人材だ。 それにしても、私自身なかなかの顔の広さだな。 モンゴルの災害レベルは現在0だ。 そのため、アルマス・ハンの旅行は平和そのもののように思われる。 ただ、私にとっては気になる内容もあった。 「遊牧民たちの伝承歌だ」 と前置いて、アルマスは歌を紹介してくれた。 『新月の夜に賢人は刀を切り取り、満月の夜にガラスは彼方を映す』 こういった、繋がりも何もわからない歌の一節が、今の現象に繋がりを持ってきたりするのだろうか。 「新月の夜」と「満月の夜」が対応していることはわかる。 「刀」と「彼方」が韻を踏んでいることもわかる。 あとは、わからない。 そもそも、唐突に出てきただけの一節に、どんな意味があるというのか。 いったい、何の伝承なのか。 こうして、私の2日目の行動も終わった。 行動というか、単に他の人に連絡して、各地の様子を知っただけだ。 では、2日目が終わった時点での、世界の状況を見てみよう。 今回動きがあったのは、日本だ。 日本では、国内の大都市から人が退去する動きが加速した。 そのために、犯罪や暴動が発生している。これで、日本の災害レベルが0から1に上がった。 さらに追記がある。 日本国内に不安が高まっていることで、私自身も不安を覚える、今この時点で、現実世界のリアルな自分自身の周囲に生身の人間がいなければ、日本の犯罪レベルがさらに1上がってしまうという。 なんと、この作品、現実世界とリンクしているのか!? でも、普通読書するときって、ひとりだよね。 特にゲームブックはひとりでじっくり取り組む作品だから、なかなか周囲に人がいる時には手を出しがたいよ。 そんなわけで、日本の災害レベルが一気に2まで上がってしまった。 これが3になったら日本滅ぶ。日本やばい。 今のところは、各地の状況を確認するだけで、能動的な行動を起こせていない。 この先、どうしたら世界規模の漠然としたこの流れを、食い止める方向に進められるのだろうか。 次回、世界各地でも災害レベルが上がり始める。いったいどうしたら。 【災害レベル】 日本:2 アメリカ:0 モンゴル:0 イースター島:0 ■登場人物 キサラギ ハッキングで飯を食うグレイハッカー。日本人。世界規模の謎の現象に挑もうとしている。 マーカス・アルクヘイム アメリカ在住の投資家。キサラギの友人。アメリカの情報に通じる。 アルマス・ハン モンゴルのバックパッカー。怪奇現象にも詳しい。キサラギの友人。 ■作品情報 作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「クトゥルフ深話」 著者:山田 賢治 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/2484141 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月28日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.132 FT新聞 No.4843
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.132 かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ #1 あなたの前に、クロスワードパズルがある。 3×3の、ミニマムなクロスワード。 解きますか? Yes→4 No→7 #2 ますます「異物」は入ってくる。 あなたは戸惑いながら、解きすすめる。 しかし、次のページで手が止まる! キーワードに、次のような問題が出る! 「台のついた器具」 「その上にあったもの」 あなたはあわてて、ここまでのページを見返す。 しかし、一行もそんなことを示す「本文」は無い! そんな「小説内当事者」しか知らないことなんかわかるもんか! 続けますか? Yes→5 No→7 #3 やがて、キーワードを探す言葉に、違和感のある言葉が混じり始める。 まるで、いつも通る廊下に、血のシミがついているような、「日常」とほんの少し齟齬をきたす言葉。 解くのをやめますか? Yes→7 No→2 #4 今回紹介する作品は、梨先生の短編集『ここにひとつの□がある』(角川ホラー文庫)からの一篇『穴埋め作業』よ。 冒頭から出題されるクロスワードパズル。 3マスしかない、簡単なモノ。 これなら簡単かな? ちょっと難しいキーワードはあるけどね。 挫折しますか?→7 続けますか?→6 #5 さらにページをめくる。 さらにあなたは驚愕する! 問題はあるけど、肝心のマスが無い! これにはさすがのあなたも、手を止めて考えざるをえない。 頭をひねくりながら、次のページをめくる。 すると、「やまと」と「まひる」を名乗る少年少女が出てくる。 いや「少年」「少女」なのかはよくわからない。 ただ、まるで児童番組のようなナレート、そして、ほぼひらがなな表記が、いかにも無邪気な子どもさん向けの読み物を彷彿させる。その文が、「彼らは児童」という印象を与えます。 そして、一緒に解説を加えながら、解いていくんですけど、これまた現実とは離れた、不吉な不協和音を奏でながら謎解きは進んでいく。 そして、それがだんだんとほどけていき、最後に姿を表したものとは!? 「行間から怪異が飛び出してくる」って、どこぞのホラー小説のキャッチに書かれていたけど、これはそんなものじゃない! 伏線にかっちりと答えていく筋書き。 本当に「組み立てられていく」恐怖! 特に、「クロスワード」を使ってしかできないこの仕掛けは、今まで見たことがない! としか形容できない! 民俗学まで絡め、深い印象を与える本作。 回答編、つまり本文を読まずに解けたアナタ! 惜しみなく神と呼ばせていただきます!(あなたが作者というのは無しよ!) みなさんもぜひ、この「組み上げられていく恐怖」という新感覚を試してほしい! 読まざらば人生後悔することウケアイ。 (了) #6 ページをめくる。 次もまた、クロスワード。 はて、これは短編「小説」なはずだけど? 地に当たる文が一切ない。 続けますか? Yes→3 No→7 #7 それが幸せなのかもしれない。 世の中には、知らない方がいいということもある。 あなたの知っている範疇より、もっと広く。 (EOF) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『穴埋め作業』(短編小説集『ここにひとつの□がある』内に収録) 著 梨 出版社 角川書店(2024/11/25) 文庫 700円(税別) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月27日月曜日
☆「ローグラークハーフ」新作のお知らせ☆ FT新聞 No.4842
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆ 告知のお時間がやってまいりました!! ◆ゲームマーケット、きたる!! きたる5月23-24日両日、FT書房はゲームマーケット春2026に出展いたします! 場所は幕張メッセ、ブース番号は「に−42」。 遊びに来てください! 中山将平と杉本=ヨハネが両日お出迎えいたします!! おおっと、言いたいことは分かりますよ? 「遊びに行くかどうかは、何が刊行されるかによる」 ですよね? そのご紹介のために、今日このFT新聞があなたの手元に存在すると言っても、過言ではありません! ◆水波流先生、ついに「ローグライクハーフ」公式シナリオを刊行だ! 春の新刊第1弾はFT新聞の編集長であり、『TH(トーキングヘッズ叢書)』などで活躍する作家でもある、水波流先生によるd66シナリオ+都市サプリメント+新職業【獣使い】だ! D66シナリオは水波先生のデビュー作であり、アランツァで初めて描かれた北方蛮族の街フーウェイの特色が色濃く出た名作……『常闇の伴侶』! 蛮族の街に近い太古の森で行われる奇祭。 不安を抱える人々が真相を求めて呼び寄せたるは冒険者。 古(いにしえ)の森に住まうは樹人に巨人、そして闇エルフたち。 蛮族の男女とともに旅ははじまり、物語は進む。 時に訪れる厳しい選択に、足を止めることもありながら……。 ◆イラストは松本貴子先生! 『常闇の伴侶』のイラストをお願いしましたのは松本貴子先生、画家を生業とする方です。 日展などの個展で数多くの賞を受賞されてきた経歴をお持ちの先生ですが、私が惹かれたのは大のレトロゲーム好きであるという点です! 松本先生のTwitter(現X)には「チャレンジャー」「ワルキューレの冒険」など、懐かしいゲームどころの名前が当たり前のように登場します。 もちろんゲームブックもご存じで、レトロゲームという言葉が電源系ゲームだけにとどまらない。 先生をTwitter上でお見かけしたのは、私としては嬉しい出会いでした☆ ◆都市はもちろん「蛮族都市フーウェイ」。 都市サプリメントに掲載される、この冒険の拠点となる街はフーウェイ。 蛮族都市の異名をとる、豪雪地帯にある蛮族たちの集まる街です。 「着ない防具」である刺青(タトゥー)をはじめ、「トレント樫の盾」や〈切り株トレント〉といった樹人がらみの購入品など、おそらくは他のTRPGでもそれほど多く見かけることのない、魅力ある装備品や従者がずらり。 街の雰囲気を表すだけでなく、ゲームにも影響を与えるサプリメントです☆ ◆【新職業】は【獣使い】! 新しい職業として登場するのは【獣使い】。 【騎乗生物】を友とするキャラクターで、血(生命点)を燃やして【筋力ロール】や【器用ロール】に挑戦したり、素手で2回攻撃する特殊技能を持っていたりします。 数ある【職業】ですが、2回攻撃の【特殊技能】が得られるものはほとんどなく、希少性の高さがうかがえます。 素手攻撃なため-2の修正がつきますが、【攻撃ロール】をそれぞれ【筋力点】で行うことができますから、副能力値である【筋力点】が十分に高い間はいいことずくめ、といった風情の特殊技能です。 ◆「アランツァワールドガイド」もある! カメル先生の大陸1周の旅である「アランツァワールドガイド」も、しっかりと掲載されております☆ このラクダ人が、フーウェイという蛮族たちの持つ特殊な文化に触れ合うさまを描いております。 ◆表紙絵がカッコいい!! 今回の表紙は絵が素晴らしいことはもちろん、タイトルロゴを担当する編集部員である緋色朱音のセンスが、常にも増して冴え渡っていると感じます。 ぜひ、一度見てやってください☆ https://ftbooks.booth.pm/items/8232653 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月26日日曜日
Re:「ローグライクハーフ」都市サプリメント:蛮族都市フーウェイ&新職業【獣使い】 FT新聞 No.4841
おはようございます。 FT新聞編集長の水波流です。 5月第1日曜は、私が執筆したローグライクハーフd33シナリオを配信いたします。 『九つの樹の道』という題名の物語。 独自の文化と価値観が根差した、ラドリド大陸でも類を見ない地方・フーウェイを旅する主人公。 ひょんなことから〈混沌〉を狩る者であるトレウェリ氏族の若者の成人の儀式に立ち会うことになる。 神聖なハシバミの杖を携え、祖先にまつわる《九つの樹》を巡る儀式に同行するが、やがてその旅路は……。 蛮族都市フーウェイを舞台としておりますが、これまでのd66『常闇の伴侶』、d33『名付けられるべきではないもの』、d33『汝、獣となれ人となれ』とは繋がりのない、入門シナリオです。 このシナリオは、作成したばかりの初級レベルの主人公での冒険に適しています。 ローグライクハーフをよく遊ばれる方も、ぜひ新規キャラを作成して冒険に出て貰えればと思います。 そこで本日は都市サプリメントと新職業【獣使い】を再配信! シナリオを遊ぶ前後に、フーウェイ独自の装備品や従者を購入するなどぜひご活用下さい。 ↓都市サプリメント:蛮族都市フーウェイ https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_Fuway.txt ↓新職業【獣使い】 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_NewClass_BeastTamer.txt それでは来週の日曜を、どうぞお楽しみに! ↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月25日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第689号 FT新聞 No.4840
From:水波流 なんやかんやでずっとシナリオの推敲と校正を続けています。1つ終わったと思いきやもう1つ……。 詳しいことは、たぶん近々、お話しできると思います。 それはそれとして、午前中は山を散歩しつつ、途中でとまっている更に別の作品の構想を再開。 ケルトとヴァイキング、スウェーデンのことをまた追加で調べないといけないなぁ。 From:葉山海月 なんか、周りの店が軒並み閉店時間が短くなってます。 コンビニエントから非・コンビニエントへ! そうか、昭和に逆行してるんだな! From:くろやなぎ 毎週水曜日のぜろ氏による連載記事、今週からは短編ゲームブック『クトゥルフ深話』(著:山田賢治)のリプレイとなります。 この作品が収録された『クトゥルー短編集2 暗黒詩篇』は、BOOTHでは残念ながら品切れですが、kindleでは各収録作が単品で販売されています(280円、kindle unlimited対象商品)。 リプレイを読んで、ぜひ自分でもプレイしてみたい!と思われた方は、kindleで作品名や「ゲームブック クトゥルー」等で検索してみてください(ちなみに、なぜかカテゴリーは「文学・評論」の「日本文学研究」になっています)。 From:中山将平 僕ら、5月4日(月・祝)「文学フリマ東京42」にサークル参加します。 開催地は東京ビッグサイト。ブース配置は【I-88】です。 扱うのは、ファンタジーゲームブックや、1人用TRPG「ローグライクハーフ」、「モンスター!モンスター!TRPG」等などの作品。 また、僕個人は「ギルド黄金の蛙」にて5月5日と6日に「クリエーターズマーケット54」にサークル参加します。 こちらの開催地はポートメッセなごや。ブース配置は【B-61】です。 カエルの勇者ケロナイツシリーズを扱います。 お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (く)=くろやなぎ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■4/19(日)~4/24(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年4月19日(日)清水龍之介 FT新聞 No.4834 Re:オレニアックス生物学 Vol.2 『竜巻女』 ・過去の人気記事を再配信するReシリーズとして、聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラント教授による、アランツァ世界のクリーチャーたちに関する「生物学」の講義が再び始まりました! 第2回目は『竜巻女』。錬金術で作られた魔法生物である『生きる竜巻』です。女性の形をした暴風で、意思もあるようですが……さて、あなたならどう対処するでしょうか? ローグライクハーフのd66シナリオで出すなら、出目40番台かも……? 是非ともお楽しみください! (天) 2026年4月20日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4835 アランツァへのいざない 第2回「コロニー」 ・先週に続いての「アランツァ世界へのいざない」、正式名称に変更いたしまして、今回は集落(コロニー)のお話です! それは、冒険者生活の一形態。街でも村でもない、土地の怪物を駆除した「開拓者」によって作り出された区域。 貴族もいれば平民もいる冒険者ですが、重い税金に縛られずにその日を暮らす自由なスタイルは冒険の象徴ともいえる「いい手段」でしょう。 こうしたアランツァ固有の概念を、根源的なところから解説しておりますので、この世界について深く知りたい方はぜひご一読ください! (明) 2026年4月21日(火) 中山将平 FT新聞 No.4836 クトゥルフとゲームブック第97回 ・FT書房のイラストレーター、中山氏。 ホラーファン、クトゥルフファンである氏の、あふれんばかりの愛でクトゥルフを語ります。 今回の話題は「フォークホラー」という概念について。 「ボディホラー」「ゴシックホラー」など、他のホラーの概念と対比しつつ、どうして「フォークホラー」に着目したのか? それを語ります。 クトゥルフのこと以外にも、ホラーのジャンルについて勉強になる一本です! ぜひともご一読よろしくお願いいたします! (葉) 2026年4月22日(水)ぜろ FT新聞 No.4837 第1回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第488回。今回からは、山田賢治氏の短編ゲームブック『クトゥルフ深話』に挑戦します。 クトゥルフ神話といえば、邪神たちの圧倒的な強大さと、それに対する人間の無力さがクローズアップされがちなイメージもありますが、この作品のあらすじ(四コマ漫画)では「邪神たちの厄災を防ぐのだ!」と、邪神たちに力強く対抗できそうなフレーズが掲げられているようです。 意外に王道RPGのような展開が見られるのか?!……と期待しつつプレイを開始すると、いきなり暗闇の中で、何もわからず「私はだれ、ここはどこ」状態の主人公。全く先が読めないこの物語、いったいどこに向かっていくのでしょうか? (く) 2026年4月23日(木) 東洋夏 FT新聞 No.4838 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.1 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」が始まりました。 前回の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 さて、サン・サレンの領主はまたもや困り果てておりました。『悪夢殺人』の次は、『怨霊列車』。何やら不穏な響きのそれに対処するべく、シグナスの主人・サー・ノックスと共に向かいますが……!? 東洋夏氏からの新たな冒険への招待状を、どうぞお受け取りください! (天) 2026年4月24日(金)休刊日 FT新聞 No.4839 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (ぜろさん) アランツァへのいざない第2回拝読いたしました。 初出情報の山ですが、読んでいてなるほどなあと納得することしきり。 国境の概念が希薄というのは、これまで明言されずとも、十分理解できるものでした。作品の中で言外で語られているのを感じ取ってました。近隣の町村はきっと、実効支配しているところもあれば、長が自主的に金品を納め見返りに守ってもらうところもあれば、手が及ばないところもあればで、都市の性格や土地柄も加え定まった法則なく混沌としているのでしょう。そこが作劇上の自由さに繋がります。 そしてコロニーの存在! これはきちんと機能している社会の仕組みとしてとてもおもしろい。私は「巨大樹の迷宮」リプレイで、巨大樹のふもとの集落を登場させました。あれは巨大なダンジョン前の野営地が発展して集落になったという概念で、成り立ちこそ違いますが、機能としてはきっと同じような感じなんだろうなと妄想がはかどります。 杉本ヨハネさんが丁寧に共通世界を描いているからこそ、こうした情報がなくとも大きく逸脱することなく書けているのかもしれません。 (お返事:杉本=ヨハネ) ありがとうございます! まさにまさに、「実効支配しているところもあれば、長が自主的に金品を納め見返りに守ってもらう」し「手が及ばないところも」あるような世界です☆ ぜろさんのリプレイ、アランツァの骨格をしっかりと捉えていらして、すごいなっていつも思います(小並感)。 ふもとの集落もそうですし、他のさまざまな細部についてもそうで。 コロニーは「集落」「居留地」など、別の名称がつけられることもあるんですが、ゲーム的な統一名称をつけた方がいいなと思い、あえてカタカナ名称を選びました。 「ダンジョン前の野営地」も、十分にコロニーの要件を満たしえると思います☆ 楽しくなってまいりました! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月24日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4839
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月23日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.1 FT新聞 No.4838
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.1 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。 光栄にも木曜日の枠を再び頂戴し、ローグライクハーフのリプレイ小説を連載させていただくこととなりました。 いちファンの拙い作ではございますが、最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。 前回の連載ではサン・サレンを舞台にした『写身の殺人者』を取り上げ、ロング・ナリクの従騎士(見習いの騎士)シグナスと相棒の〈おどる剣〉クロによる初めての冒険をお届けしました。 今回もシグナス&クロを主役に、同じくサン・サレンを舞台にした『怨霊列車は夜笛を鳴らす』を遊んでみます。 ここから読んでいただいても、全く問題はございません。 ただ、「どんな奴が主役なのかもう少し詳しく知っておきたいぜ、舌に合うか分からんからね!」という不安なお気持ちはもっともですので、簡単に登場人物の紹介を記しておきましょう。主要メンバーはたったの三人、正確には二人と一振りを覚えていただけましたら、ばっちりです。 ○シグナス……ロング・ナリクの聖騎士見習い。十二歳の人間。孤児であったが、素質を見出されノックスの弟子になる。素直で優しい性格で、交渉事は苦手。前回の連載では、サン・サレンを悩ます悪夢連続殺人を解決するべく奮闘した。 ○クロ……ゴーレムの一種、自律型兵器〈おどる剣〉。赤子のシグナスと共に孤児院に預けられた。元は人間で、いずこかの女王に仕える騎士であったという不完全な記憶を持つ。 ○ノックス……ロング・ナリクの聖騎士。シグナスの師。二十代後半の人間。無口で無表情であり、囁かれる暗い噂の数々も相まって味方からも恐れられている。 さて、いかがでしょうか。お口に合いそうでしょうか。 「少年と導きの剣」というファンタジーの王道をイメージしつつ、ローグライクハーフならではのランダム性によって各々の立ち位置や味付けはどんどん変化していきます。 各イベントをどうやって味付けするのか。その自由度もご堪能いただければ幸いです。 ふたりのステータスは後にご覧いただくとして、まず今回はプロローグをお届けします。 なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 さあ、冒険の始まりです! ◇ [プロローグ/従騎士、ふたたび冒険へ] 光のどけき春の日、神聖都市ロング・ナリクにて──。 「やめ!」 従騎士たちの溜め息が王宮の練兵場を満たす。 「おお、実にたるんでいる! その調子で聖騎士になれると思っているのか? 素振り百回追加!」 今度は一斉に抗議の悲鳴が上がった。 「千回にするぞ、ひよっこども!」 本日は、コーデリア王女殿下の信頼も厚い近衛騎士隊長トリスタン直々の指導である。月に一度のサー・トリスタンの特別授業は厳しいことで有名だ。楽しみにしているかと問われれば、従騎士シグナスは首を小さく横に振るだろう(大きく振る勇気は無い)。 そよ風に乗って、仲間たちが百を数え上げる声が切れ切れに入ってくる。 (ほんとなら、その場にいるはずだったのだけど) と従騎士シグナスは思い、緊張でこわばった足をもぞもぞと動かした。 (でも、どちらが大変かって話なら、僕の方じゃないかな。だって) 机を挟んで目の前にはシグナスをこの場に呼び出した張本人、シグナスの主人である聖騎士ノックスが、いつもどおり何を考えているかさっぱり分からない顔で座っている。形の良い長い足をきっちりと床に着けた姿勢は、いつ如何なる瞬間にも動き出せるようにするためだ。シグナスは、主人が足を組んだ姿を見たことがない。隣国ドラッツェンが放った暗殺者から常に追われている、という噂を連想して、本当だったらどうしようと不安になる。それもこれも、ドラッツェンの恐ろしい女王ジャルベッタをたった独りで襲撃して、隣国の逆鱗に触れたからなのだ、という与太話も。 「読め」 前振りなく主人が突き出した書状を、シグナスは恐る恐る両手で受け取った。指ざわりの良い上質な紙である。それだけで怖い。悪いことをした覚えはないけれど……。 「ええと」 読もうとして、さて困った。ひと単語目が分からない。基本的な読み書きは孤児院で教わってきた。主人ノックスに仕えながら更に学んでもいる。しかし大人たちが会議でこねくりまわすような難しい単語を出されると、たちまち分からなくなってしまう。 「ええと、しょ、う、へい……じょう?」 ちらりと目線だけ動かして窺うと、主人の三白眼に鋭く見返された。 「招聘状」 主人の声が鞭のようにシグナスを打つ。その声には何の感情も宿っていない。 これは試験なのかもしれない、とシグナスは恐れを抱いた。 読めなかったら失望されるのではないか。ともすると役たたずとして孤児院に送り返されるのではないか。それは嫌だった。十二歳のシグナスにとっては、主人ノックスに仕えることが全てなのである。 幸いにも次の単語は分かった。 「私、サン・サレン領主のラドス・フォン・ハルトは、ナリクの従騎士シグナスを──。僕ですか?」 「最後まで」 「すみません。えと、しゅ、種々の、問題を解決すべくサン・サレンにしょう、へい、したく考える次第である。当領内に発生した、おん、りょう、れ……?」 穴が開くほど書状を見詰めたが、その先は未知の単語の羅列であった。シグナスは落ち込んだが、騎士らしく潔く降参することに決め、その旨を主人に告げる。 「サー・ノックス、この先は読めません。申し訳ございません」 黒手袋に包まれた長い指がついと伸びてきて、シグナスの手から書状を取り上げた。主人の顔に浮かんでいるのは失望でも怒りでもない。何もない。無関心。それがシグナスをますます緊張させた。 そのため、 「〈怨霊列車〉」 という単語が主人の口から転がりでた時、 「ふえ」 などと気の抜けた相槌を打ってしまったのである。シグナスは慌てて両手で口を塞いだが、書状を読み返し始めた主人がその子供っぽい動作を見ていないようだったのは、まあ不幸中の幸いであろうか。 「怨霊」はともかく「列車」の意味が取れない。シグナスがやきもきしていると、主人は不意に顔を上げて言った。 「出かける。目的地はサン・サレン。防寒具を持ち、半刻の後に正門から馬で出る。用意しろ」 「うわっ、は、はいっ! では失礼します!」 主人ノックスはいつも唐突である。シグナスは立ち上がって敬礼し、あたふたと部屋の扉を開けつつも、早くも旅立ちの準備のために何をすべきかで頭をいっぱいにしていた。書状が読めなかった失点は、準備を万端に整える手際で挽回しなくてはならないのだから。 ◇ 「おお、若きナリクの勇者よ。此度も私を助けてはくれまいか」 謁見の場に現れた領主ラドス・フォン・ハルトの顔を見て、失礼ながら、数ヶ月前よりますますお痩せになられたなとシグナスは思う。 「我がサン・サレンの手勢で解決出来ぬとは腹立たしくも情けないのだが、しかし、外からの目で見た方が、はっきりと分かる物事もある。そうであろう? しかもその助力がかのナリクの聖騎士であれば、化け物の正体も軽々と見破れるものと期待しておる」 そう、化け物が出たのだ。夜空から舞い降りて人をさらう。〈怨霊列車〉と名付けられたその化け物は、四角い箱が連なったような姿をしているらしい。その姿は、乗り物といえばグリフォンや馬車くらいしか知らないシグナスが想像できる範疇を超えていた。納得するには、実物を見るしかないのだろう。 住民をさらわれるサン・サレンも、手をこまねいたわけではない。だが調査のため〈怨霊列車〉に送り込んだ兵士は、誰も帰ってきていないという。このままでは〈怨霊列車〉は住民を誘拐し続け、領主の威信は地に落ちる。そこで領主ハルトは打開策を外部に求めた。 「見よ、これが〈怨霊列車〉からの招待状じゃ」 領主の言葉を受けて、侍従が紙片をシグナスの元に持ってくる。血まみれの指先を押し付けた痕跡のような、赤褐色の斑点が付いていた。触りたくなかったが、場の空気を読む限り、手に取らなくてはいけないらしい。 シグナスが嫌々つまんでみると、その表面に血文字のようなものが浮かび上がる。 〈ご予約ありがとうございます。発車時間のお間違いにはご注意ください。予約代表者:シグナス様〉 目を白黒させて文字を見つめていると、上から素早く黒手袋が招待状を引ったくった。 「サー・ノックス! それ危険かも……」 「ハルト卿、無意味な演出はお控え頂きたい」 そのあまりにも平板な言いように、シグナスは珍しく主人の怒りを察知する。主人ノックスが感情を出すところを、シグナスは片手で足るほどしか見たことがない。 「何の仕込みもしておらん、サー・ノックス。今の無礼は親心から出たものだとして、一旦は流しておこう」 サン・サレンの領主は疲れきった様子で目頭を揉んだ。黒々とした隠しようのない隈が、心痛の程を表している。 「〈怨霊列車〉からの招待状は一通のみ。一名しか受け付けぬという意味だろう。初めての事態……」 「あのっ、分かりました、行きます!」 食い気味にシグナスは応えていた。冒険心が燃えていたのは確かだし、従の字が付くとはいえ騎士としての役割を果たしたい気持ちもある。 しかし正直に言えば、横に立っている主人が怒りを募らせてご領主様の首をすぱんと斬り飛ばすのではないか、あるいは意気地無しの従騎士を解雇通告するのではないかと、気が気では無かったのだ。進むも退くも怖い。ならば前に行った方がましかなと思っただけである。 「僕、あの違った、わたくしめが行きます、ハルト卿」 横に立った主人ノックスから冷ややかな視線が注がれているのに気づき、シグナスは縮こまった。 ◇ 星が満天に輝いている。 北の空を駆ける王狼座が爛々と一等星の目を光らせシグナスを睥睨する。 化け物を待ち受ける夜としては、あまりにも美しい。 空気は冷たく、息をする度に肺に突き刺さるようで、ナリクであればまだ冬に分類される気温だろう。 招待状に記された郊外の廃教会までは、トナカイに揺られて行った。主人ノックスは常のごとく押し黙り、何を考えているのかは分からない。 ポウーッ、と甲高い音が夜空に響き渡った。シグナスが慌てて仰ぎ見ると、本当に件の〈怨霊列車〉が空を駆けて近づいて来ようとしている。 先頭は龍の骸骨だ。その頭頂には煙突が屹立し、そこから鮮やかに蛍光する緑色の、この世ならざる炎を噴き出している。骸骨の後ろには延々と車輪付きの箱が連なり、巨大な蛇のようにうねっていた。近づいてくるその箱──車両と呼ばれている箱の躯体は骨で出来ている。 シグナスは孤児院で聞いたおとぎ話をいくつも思い出していた。城を絞め潰した蛇の神や、巨人の戦士と格闘する大蛇の話。蛇退治の話が役に立てばよいけれど……。 けたたましい音を立てて〈怨霊列車〉は降下体勢に入り、間もなく廃城の前に長々とその身を横たえて着陸した。 〈廃城前、廃城前駅に到着いたしました。ご乗車のお客様がいらっしゃいます。発車まで今しばらくお待ちください〉 最後尾の箱の扉が、ひとりでに横滑りして開かれる。ここから乗り込めというのだ。間近に見る〈怨霊列車〉の迫力にシグナスは圧倒される。この驚異の乗り物に比べたら、馬車など赤子の玩具だ。 シグナスはトナカイの背から降りる。地面に足をつけると緊張に襲われ、にわかに息苦しくなった。異教の化け物に怖気付いては聖騎士失格である。しかし、本音を言えば恐ろしい。 足の震えを誤魔化して歩き出そうとしたシグナスを置いて、怖いもの知らずの主人ノックスはさっさと列車に向かって進んで行く。切符は主人が持っていた。 「サー・ノックス、待ってください!」 必死に足を動かすシグナスを待たず、主人はもう列車の開口部に辿り着いている。乗り込もうとした開口部に足をかけた途端、 〈ご乗車になれません。切符をお持ちでない方は、ご乗車になれません。下がってお客様をお通しください……〉 主人は列車と睨み合った。シグナスが追いつく。 「やってみます」 主人は切符をシグナスに手渡した。 意を決して主人を追い越し列車に乗り込むと、今度は何も言われない。内装は骨ではなく、木張りのようだ。化け物の内臓を見ているはずなのだが、暖かみのある高級な木材からは何らかの安心感を覚えてしまう。乗り口は狭く仕切られており、客車側に別の扉が付いている。 「サー・ノックス、一緒に」 主人を振り返ろうとしたシグナスの目と鼻の先で、あっという間に扉が閉じられた。ガタンと車体が揺れ、列車が傾く。 「サー・ノックス!」 扉を叩いてみたが無駄だった。 「止まって! まだ乗客がいる!」 感情の無い声で列車が応える。 〈何かありましたら、お手数ですが先頭の客車までお越しください〉 シグナスは斜めになった床に踏ん張ってしばし呼吸を整え、意を決して腰の剣帯に指を走らせた。鞘から剣を抜く。二本。その内の片方はシグナスの指に世話されるまでもなく独りでに宙に滑り出た。 「やっと俺の出番というわけだ、シグナス。窮地に陥ってから呼ぶなよ」 「サー・ノックスを怖がってるのはそっちじゃん」 宙を舞う剣の柄に、一つ目が開いた。〈おどる剣〉のクロ。従騎士シグナスの頼れる相棒である。クロは一つ目をすがめ、 「俺は正当な保護者の前で沈黙を守っているだけだ。それより何よりお前、また厄介事に首を突っ込んだな」 「僕が望んだわけじゃ──」 その時、客車側の扉から、何かを叩きつけるような暴力的な音が連続して響く。シグナスと〈おどる剣〉のクロは顔を見合わせた。 ◇ 今回のリプレイは、ここまでです。 たっぷりアレンジを利かせて書かせていただきました。 走り出した怨霊列車。果たしてシグナス&クロは無事に脱出できるのでしょうか!? 次回からはいよいよ〈できごと〉を振っていきます。 自分も乗り込みたいぞと思われた方は、是非FT書房様のBOOTHをチェックしてみてくださいませ。 それではまた次週お目にかかりましょう。 良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。今回は良いところを見せたい。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。 ・ノックス…シグナスの主人。超が付くほど厳格な聖騎士。 ・ラドス・フォン・ハルト……サン・サレンの領主。領地で事件が起こりまくるのは、何らかの引き寄せ体質なのだろうか。 ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月22日水曜日
第1回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4837
第1回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ※ここから先はゲームブック【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。 ●作品紹介 **** 狂気とは何か、目に、耳に肌に心に。 日常ならざるそれは観察され思索され絵に文字に綴られてきた。 感覚の外に人の外にあり、人の手で語られるもの。 深淵のふちを散策する、クトゥルーゲームブック短編集 第2弾 ——「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」裏表紙より **** 永遠のクトゥルフ初心者ぜろです。 今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、山田賢治著「クトゥルフ深話」に挑戦します。 「クトゥルー短編集」はそのタイトルのとおり、クトゥルフ神話を題材にしたゲームブックの短編をまとめたもの。「暗黒詩篇」はその2巻になります。 この短編集には本作「クトゥルフ深話」を含め、6本の短編が収録されています。 ・ヨグ=ソトースの飛沫 ・白い小屋、赤い絶望 ・忌まわしきグラファリアンの蛹 ・クトゥルフ深話 ・いあいあキャバクラ ・最期の日に彼女は 「クトゥルー」「クトゥルフ」の表記のゆれは、気にしないでください。どっちも意味は同じです。そういうものです。 私はなんとなく「クトゥルフ」表記がしっくりくるので、そちらを使うことが多いですが、作中の呼び方に合わせて臨機応変に表記は変わります。 さて、FT書房の短編集では、本の冒頭に作品紹介の四コマ漫画がついておりまして、そこで各作品の簡単なあらすじが紹介されているのが常です。 この作品にも、中山将平氏による四コマ漫画がついています。 まずはこの四コマ漫画の文章を拾って、作品の雰囲気をつかみましょう。 **** 暗闇から始まる物語 徐々に明らかになる 今、世界で起きている異変 黒い影、地殻変動、暴動……災害が降りかかろうとしている 手にする数々の魔導書。 謎のアイテムたち その力で、邪神たちの厄災を防ぐのだ! **** うん? これは……。 世界各地で邪神による異変が起きており、謎のアイテムを集めて、邪神の災いを防ぐ、というストーリーみたいですね。 クトゥルフ神話っぽくないというか、むしろ王道のRPGのようというか。 邪神は何でしょう。クトゥルフ神話おなじみの邪神か、あるいはオリジナル邪神か。 クトゥルフ神話では、邪神の力はあまりにも強大すぎて、人間は目にしただけで廃人になるレベル。 それが、そんな邪神に力強く対抗できそうな展開というのは、期待に胸が高まりますね。 パラグラフ数は60。 邪神そのものと戦う物語が、短編で良いのでしょうか。 ページを開くと、(縛り)と書かれた項目があります。 ルールを言語化したもののようです。 サイコロは使わないし、記憶できればメモも必要ないとのことです。 世界が非常事態に陥っているとのことです。 世界各都市の存亡に関わる事象が発生すると、各都市の災害レベルが上がっていくとのことです。 なるほど世界規模の話なのですね。 スタート時の、世界各地の災害レベルは0からスタート。そして災害レベルが3になると、その都市は滅びます。 って、滅ぶのか。 世界規模の危機に、いったいどうやって対抗したらいいんだろう。 主人公は世界各地を飛び回るスーパーエージェントなのでしょうか。 説明はこのくらいで、私と、人類の生死にかかわる物語が、はじまるようです。 ならば、事前の情報把握はこの程度にして、早速プレイを開始しましょう。 と、その前に、一応主人公の名前を決めておきましょう……と思いましたが、まだ主人公の設定も何も開示されていませんので、それはもう少し読み進めてからにします。 もしかしたら、主人公の名前が設定されているタイプの作品かもしれませんし。 必要になったら名づけることにします。 私はゲームブックに挑戦するときには、名前だけつけています。 特に詳細な背景や設定を考えるわけでもありませんし、リプレイ上は主人公の一人称なので、名前が登場することも滅多にありません。 単に、気分の問題です。 そしてリプレイの文中は、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。 あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。 ●アタック01-1 私はだれ ここはどこ いきなり、暗闇の中にいる。 ここはどこなのか。 私は誰なのか。 何が起きているのか。 まるで、何も、わからない。 そんな状況からのはじまりだ。 まずは考えるところから。 ・場所について ・自分について ・事態について これは、どういう状況なんだろう。 すでに何かが私の身に起きている? それとも、私は特殊な存在かなにか? そう、やはりいちばん気になるのは、自分のこと。 私は……いったい、何者? どういった素性? わからない。 って、わからないのか。 「自分について」を選んだのに、自分について何もわからなかった。 記憶喪失なのか。そもそも記憶がない「存在」なのか。 世界規模の災厄に対抗する存在が私であるとすると、たとえば私は人間ですらないのかもしれない。 世界にネットワークを張り巡らせているスーパーコンピュータが自我を持った瞬間だったりして。 考えても進展がないので、他のことを考えよう。 ・場所について ・事態について どちらも気になるが、この調子だと、全部確認できるかもしれないな。 まずは「事態について」を考えてみよう。 どうして今、私は暗闇の中にいるのか。 暗がりを凝視していると、この漆黒を、私は見たことがあると思った。 そして、今後【漆黒】という言葉を見かけたら、パラグラフジャンプを試みられるようになった。 なるほど、この作品はパラグラフジャンプを伴う作品なのだな。 最初の項目に戻る。 暗闇の中にいて、何を考えるかのポイントだ。 ・場所について 残るは、これだけだ。 でも待って。 本文中に【漆黒】の文言を見つけた。 ここから、パラグラフジャンプが可能だ。 やってみた。 繋がっていた。それも、パラグラフのところに丁寧に、【漆黒】のパラグラフジャンプで飛んでいることが説明されている。 これは丁寧でわかりやすいな。 しかし、そこでは特に何も思い出すことはなかった。 ただ暗闇を凝視し続けているだけだ。 元に戻る。 ・場所について 改めて、残るは、これだけだ。 場所について考えようとしたが、自分についても何もわからず、事態について何もわかっていないのに、今いるこの暗闇がどこかなんて、わかりようがない。 結局、何もわからないだけだった。 うーん。これで選択肢はすべて試みてしまったぞ。 あとは、何がある? もう一度、自分について考えてみよう。 もしかしたら、【漆黒】の単語が見つかるかもしれないし。 自分について考えてみた。 何もわからなかった。 【漆黒】という単語も出てこなかった。 え。 これ、どうすればいいの? ひととおり、全部見に行った。 【漆黒】でできるパラグラフジャンプを見つけた。 試みたけれども、どこにも繋がっていない。 なんだか……いきなり詰んだ? ●アタック01-2 【漆黒】【素性】【物体】 最初の選択肢から詰むとはなにごとだ。 いや、まだできることはあるはずだ。 私は、今一度、事態について考えてみた。 そして、思い当たった。 【漆黒】という単語があったらパラグラフジャンプができるぜって書いてあるこの文章そのものにも【漆黒】があるじゃないか。 もしかして、ここでパラグラフジャンプが可能なんじゃないか? やってみた。 繋がった。成功だ! もう一度深く考える。 私は、この漆黒を見たことがある。 あれはたしか……。 思いをはせながら次のパラグラフに飛ぶ。 そこは、パラグラフ1だった。 なんとなく、ようやくスタート地点に立ったような気分だ。 私が回想したのは、なんでもない休日の昼下がり。 そこでニュースを目にした場面だ。 よかった。私、普通の人間だったみたい。 何もわからないと、妄想力ばかりたくましくなってしまう。 で、思い出した【漆黒】というのは、その見たニュースに関連していた。 『正体不明の黒い人型の影が大都市の中心に多数出現。飲み込まれた人が失踪するという神隠しのような現象が各地で複数確認。日本政府は不要不急の外出を控えるよう緊急の声明を発表しました』 見たことがある漆黒から連想して、このニュースか。 黒い人型の影の黒が漆黒なのかな。 もしかして、私、この黒い人型の影に飲み込まれて神隠しになった人のひとりなのかな。 日本政府……。ここが日本だってことはわかった。 私も日本人ってことでいいんだろうか。そろそろ名前をつけるか? いや、自分の素性がわかった時でいいだろう。 そう、素性だ。 素性のわからない、正体不明の物体、からの【素性】という単語が出たら、パラグラフジャンプができるようになった。 ならば、今ここで、パラグラフジャンプを敢行するよ。 さっきの【漆黒】と同じパターンだ。 さあ、いってみよう。 繋がった! そういえば、これで自分の正体もわかってきた。 普通の日本人。 でも、なぜ暗闇にとらわれる羽目になったのか。 ここまで考えて、最初の三択の場面に戻されてしまった。 く。まだだめなのか。 世界の危機の前に、自分の危機をいつまでたってもどうにもできない。 もしかして、この状態のまま、そろそろこのリプレイ、次回に続いちゃう? そんなのは嫌だぁ。 せめて自分は、自分は取り戻したい! 自分について考える。自分の素性は、素性は……。 あ、【素性】発見でパラグラフジャンプ! そういえば、私はテレビのニュースが流れてた時、何かをしていたぞ。 私はテレビよりも、ネット上のイベントに気を取られていたんだった。 世界各地の動画サイトで、カルト的な儀式がライブ中継されていたんだ。 「その日は近い」というメッセージとともに、生贄でも捧げるかのような儀式。 布をかぶせられた人型の何か、本当に人間と思われるものに沈み込むナイフ。 そんなタイミングで、この、黒い人型の影の異変は起きたのだ。 そして、その黒い人影は、私の前にも表れた。 黒い影は、無造作に私を飲み込もうとしてきた。 私がさっき想像していたとおり、ここは黒い影の中ということなのか? 足がすくんで動けない状態だったけれど、私はその時、ある物を握りしめていた。 その物体とは何だったか。 ここで【物体】でのパラグラフジャンプが可能になった。 そしてスタート時点の三択に戻される。 私は、思考を駆使して【物体】の単語を探しまくった。 そして見つけた。 そこに思考をめぐらせる。 私はネット上で、そうとう得体の知れない物体を見つけたのだ。 「真の闇をあざ笑うための偏方二十四面体の欠片」 実は私、パワーストーンを収集するのが趣味だった。 ええい、そんな周辺情報ばっかり仕入れてないで、早く自分自身のことを思い出せー。 ともあれ、そんな謎の「偏方二十四面体の欠片」は、私の所有欲をかきたてるものだった。 ここでさらに【物体】でのパラグラフジャンプをする。 そして思い出した。 私は、その「真の闇をあざ笑うための偏方二十四面体の欠片」を、身を護るためのタリスマンであることを祈りつつ、握りしめていたのだ。 つまり、私はその結晶体を購入して、所有もしていたということだな。 「真の闇をあざ笑うための」というフレーズが、まさに今のシチュエーションに合致しているではないか。 もし私が、その結晶体を持ったまま闇に飲み込まれたのだとしたら……? あった! 闇の中で、闇色の石は認識できない。 しかしそれは、たしかにそこに存在していた。 これが、脱出のためのキーになるのか? その時、声が聞こえた。 「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」 そんな場面で、次回の展開が読めないまま、次回に続く。 ええ!? 結局自分自身を取り戻せないまま続いてしまった……! ■登場人物 私 まだ自分自身が何者かさえつかめていない。日本人。人型の影の闇の中に囚われている。 ■作品情報 作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「クトゥルフ深話」 著者:山田 賢治 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/2484141 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月21日火曜日
クトゥルフとゲームブック第97回 FT新聞 No.4836
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ クトゥルフとゲームブック 第97回 (中山将平) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ おはようございます。 自分の記事を書くたびに自作品である「カエル人のコンテンツ」を紹介しようと目論むイラストレーターの中山将平です。 僕の個人サークル「ギルド黄金の蛙」の作品の詳細を、下のBOOTH通販のURLにまとめてありますので、ぜひご覧いただけましたら。 https://booth.pm/ja/items/7885738 さて、実は昨年の5月27日から、約11か月ぶりに「クトゥルフとゲームブック」記事を書いてみることにしました。 とんでもなく久しぶりなので、「なぜ今更!?」という疑問を持たれている方も、「そもそもそんなシリーズ記事があったことすら知らないんだが」という方もいらっしゃると思います。 この記事は、僕がクトゥルフやゲームブック……それから、それらに関係があるかもしれない様々なホラーについて目にしたことや、感じていることを書き綴ったものです。 既に96回記事を書いていまして、この96という数字が「クトゥルー(クトゥルフの別の表記)」の響きと似ているという事情から、しばらく休眠状態に入っていました。 しかし、最近個人的に「The Crooked Moon」という5E(ダンジョンズ&ドラゴンズの第5版と互換性のあるルールて作られた)システムのフォークホラーTRPGにときめきを覚えていまして、刺激を受けたことを記事にしたくなってしまったのです。 クトゥルフ神話ともゲームブックとも関係がなさそうに思われるかもしれませんが、同じホラージャンルの話題で、個人的には共鳴する刺激を感じました。 とはいえ、この記事に「The Crooked Moon」の紹介を書く気はありません。ご存知ない方のうち、気になられた方は検索されると思いますので。 僕自身は、素晴らしい作品だと胸を射抜かれたので、アメリカ版のアマゾンで購入し、グーグルレンズを使って少しずつ読み解いているところです。 話題にしたいのは、「フォークホラー」という概念についてです。 というのも、僕はこの作品と触れたことで、自分があまり「ホラーのジャンル」について大きく意識してこなかったことに気づくことができたのです。 クトゥルフ神話といえば「コズミックホラー」というジャンルに分類されることがありますが、よくよく考えると作品ごとにその根底にある怖さは少しずつ異なるように感じています。 「ホラーのジャンル」について考えることは、「怖さ」の解像度を上げ、創作にも役立つことなのではないでしょうか。 そういうわけで今回は、この「フォークホラー」のみならず「ボディホラー」、「ゴシックホラー」、という3つのホラージャンルについて、その分類と表現の面白さについて考えたいと思います。 「コズミックホラー」については何度も触れていますので、今回は控えることにしました。 なお、今回の分類がどのようなものかという説明は、あくまで僕の主観によるものなので、一般的なものと差異があるかもしれないことを先にお伝えさせていただきます。 ゲームブックとの関係性まで踏み込もうかとも考えましたが、さすがにボリュームの関係でこれはあきらめることにしました。 それでは、早速「フォークホラー」から見ていきましょう。 ◆ フォークホラーとは フォークホラー、それは、「周囲から隔絶された辺境の集落などで起こる、独自の風習や宗教観がもたらす恐怖」といった概念です。 「民話的な怖さ」という言葉の方が、通じやすいかもしれません。 有名な映画では「ミッドサマー」等がこれに当たると聞いたことがあります。 この恐怖感は、祟りや呪い、人身御供等々の概念に親しみのある日本人にとっては、馴染みのあるものだと感じています。 ジャパニーズホラーの作品(映画や小説)でも、個人的にはよく見かけるジャンルだと思いますので。 このジャンルで僕の心を特に動かす要素は、「独自の風習や宗教観は最終的に超常的なものへとつながる可能性がある」という点です。 超常的なものといえば、もちろんファンタジーが扱いを得意とするものですので、フォークホラー自体がファンタジーと親和性の高いものであることも感じています。 純粋なホラーとしても、ファンタジーの要素を持ったものとしても輝くジャンルなのかもしれません。 ◆ ボディホラーとは ボディホラー、それは、「身体や精神の異常な変異・コントロールの喪失等を伴う、アイデンティティの崩壊がもたらす恐怖」といった概念です。 有名な映画では「ザ・フライ」等がこれに当たると聞いたことがあります。 個人的に感じているのですが、これって物語を作成する際、本筋とは別に組み込みやすい要素なのではないでしょうか。 ゲームブックやTRPGで選択肢を誤った際にもたらされる「ペナルティ的な要素」で変異があるのは分かりやすく刺激的に感じます。 あるいは、物語の中で主人公が選択の対価として支払う要素がこれというのも、想像に難くありません。 気になっているのは、この「変異」がどの程度の嫌悪感を伴うかという点です。 変異先がどのようなものであるかによって、嫌悪感や恐怖心は大きく変わるのではないでしょうか。 ◆ ゴシックホラーとは ゴシックホラー、それは、「古城や古びた館等の気味が悪い場所を舞台とした、暗いロマンスを含む恐怖」といった概念です。 有名な映画では「オペラ座の怪人」等がこれに当たると聞いたことがあります。 ロマンスを含まないゴシックホラーも成立するものと思われますが、一方でこのジャンルにその要素が含まれることは「とても相性が良く、高頻度で見かける」ものであると感じています。 個人的には、「ロマンスあってこそのゴシックホラー」かなと。 フォークホラーもそうなのですが、ゴシックホラーもまた舞台となる場所が登場人物以上に重要な要素となっていることに注目しています。 この「文法(やり方)」は、ファンタジーや現代もの等々、別のジャンルの作品でも使えることが予想され、作品に陰鬱な表情を追加できるものと思われるからです。 応用で明るい舞台を用意したり、シリアスな雰囲気を背景に追加したりすることもきっと可能なのでしょう。 ロマンスという点については、それ以上に「価値観や本質の相違がもたらす葛藤」が面白いものだと感じています。 思うに、キャラクターが抱える矛盾や価値観の衝突は、物語を深い表現へと昇華させるとても良い要素ではないでしょうか。 その中のひとつとしてロマンス(愛情)があることは、触れたいテーマ性を明示する面でも活用できるように思われます。 ◆ まとめ 今日は、ふと書きたくなってホラージャンルの分類について触れる記事を書いてみました。 実は「クトゥルフ神話作品」という括りの中だけでも、今回触れた3つのジャンルに当てはまりそうな(または、その要素を持った)作品はたくさんあるようにお思います。 ジャンルを見極めつつ、それをどのようなレベルで「表現」とつなげていくのか、自身にも問いながら作品作りに励みたいところです。 それでは、今日はそろそろこのあたりで。 良きクトゥルフ・ライフを。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月20日月曜日
アランツァへのいざない 第2回「コロニー」 FT新聞 No.4835
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。 先週の話なのですが、ボルダリング前に、左足の甲と右手の中指が痛くなり、あんまり上の級に挑戦できませんでした。 あとから調べたところ、この世には「天気痛」なるものが存在していると知りました。 気圧やら温度やら、そういうのの関係から、「天気痛予報」まで存在するようです。 その日は、それが非常に高い日だったのです。 それを見た瞬間、結構な大きさの声で「あっ」と私は叫びました。 左足の甲はバイクでコケて、右手の中指は釣り場で転んで、どちらも骨折したことがあったからです。 「天気痛予報」で痛みの多い予報が出ていた日、私は古傷が痛くて運動に支障をきたしたのです。 まあ、たくさん登りましたけどね。 さて、今回は前回に続いての「アランツァ世界へのいざない」です。 正式名称は「アランツァへのいざない」の方が収まりがいいかなと思い、変更いたしまして、第2回のはじまりです! ◆集落(コロニー)の話。 アランツァの世界では怪物たちが荒野に住み、道行く旅人の数を減らします。人間やコビットはこのような状況に対応するため、家々の周囲に柵や壁を建てて戦い、自分たちと住みかを守りました(ノームはそれにくっついて生き延びました)。そうやって集落が形成され、村となり、町となって、長い年月を経て都市が作られました。 アランツァには国という概念が希薄で、国境線での争いもあることはあるものの、そう頻繁には起こりません。都市と都市の間にある危険なクリーチャーの存在が、人間どうしの衝突を逆に減らしているのです。こういった雰囲気は古代から中世前期のヨーロッパによく似ています。狼のような野生動物が森や荒野をしていた時代、人間は世界の支配者ではありませんでした。 ◆コロニーとは? さて、アランツァ世界には危険な土地が多く存在します。怪物たちが出没する土地を「見つけた」とき、そういった怪物を駆除した者は「開拓者」として認められます。その土地はどこかの都市に属するものではありますが、そこを自分たちの力で開拓して、暮らしていくことができるのです。 この開拓した土地は集落、特に「コロニー」と呼ばれます。村よりも小規模で、非自然発生的で、冒険者のような開拓者が、意思を持って作り出した集落です。 コロニーで暮らすことは、自由な冒険者でいるにはいい手段です。街や村で暮らせば、重い税金を支払う必要があります(※)。また、徴兵のようなカタチで、意に沿わない戦いに駆り出される可能性もあります。コロニーで暮らすことで、こういった縛りの外にある存在になることができるわけです。 ※……「ローグライクハーフ」のようなゲームでは税金や生活費の概念がありませんが、おそらく主人公たちは多少は何か仕事をしているんじゃないかと考えています。そして、その分は、税金や生活費に充てられているのかもしれません。違うかもしれません。とにかくなんであれ相殺されて、ゲームには影響を与えません。 ◆都市とコロニー。 アランツァ世界の諸都市の周辺には、こういったコロニーが点在しています。コロニーは都市の統治者にとって、痛し痒しといった存在です。都市部にとって、コロニーは「支配できない土地」ですから、税収をもたらしません。しかし、わざわざ実効支配するのも面倒なのです。 まず、コロニーには独立自治の気風が強いため、従わせるなら武力ということになります。しかし、都市部にはその余裕がありません。ひとつひとつのコロニーを潰すことはできるかもしれませんが、兵力には限りがあるのです。都市は都市で、街の内側を統治しながら、街壁の外の脅威にも常に目を向けて、戦っています。 次に、税収の見込み。戦いに長けた冒険者たちが住まう、貧しい土地。しばしば旅に出て、よその街や地下迷宮で稼いでくるお金。非常に把握が難しい収入です。土地そのものには価値が薄く、いい収入源になる見込みがたちません。 ◆都市部のメリット。 いっぽうで、コロニーが存在することに、都市部にとってメリットがあります。アランツァのメイン大陸であるラドリドには16の都市が存在しますが、これらの周辺には町や村があります。都市の街壁の外にあるこれらが、都市に食料や富をもたらしているという構造です。しかし、畑を耕したり狩りをしたりする彼らの安全を、十分に守ることができる力は、アランツァ世界の都市にはありません。怪物は多く、〈人〉は弱いのです(生命点1)。 そういった町村にとって(ひいては都市にとって)、良質なコロニーの存在は有益なものです。誰だって、隣人が怪物であるよりは、言葉が通じる相手であるほうがマシというものです。つまるところ、都市とコロニーは敵どうしではないのです。 ◆メンツってものがある。 だからといって都市部も、コロニーを手放しで認めているわけではありません。コロニーが自分たちと無関係に大きくなれば、それもまたひとつの脅威です。時間が流れ、落としどころが決まり、習慣化されました。 コロニーのリーダーは、もっとも近い都市の統治者に対して敬愛の念を抱き、協力的な態度をとることを約束します。そして、近隣の村落や田畑などが怪物たちに襲われて、小規模な戦闘が発生した際には、速やかにそれを守ること。 これは、ならわしであるため強制的ですが、一方的な関係ではありません。戦いのほとんどは、冒険者にとっては取るに足らないものです。しかし、それが小規模とは言えないものになると、都市からは返礼が支払われます。また、都市からコロニーへ、地下迷宮を探索する依頼が訪れることもあります。 ◆具体的な外見。 コロニーの外見はさまざまです。もっとも一般的なものは、周辺の森の木々を伐採して造られたいくつかの小屋がある山間部の土地です。吸血鬼の屋敷を乗っ取ったり、モンスターが占拠していた古い屋敷を乗っ取り返したりして、そのまま集団生活をはじめる冒険者もいます。小規模な洞窟や地下迷宮を制圧して、コロニー化するパターンも、ドワーフのような種族には多く見られます。 ◆まとめ。 最初に書こうかと思ったことを最後に書きますが、あくまでコロニーは冒険者生活の一形態です。宿から宿を渡り歩く旅人的な冒険者も、自分の家を持つ者も多くいます。貴族もいれば、平民もいます。しかし、コロニーという概念はアランツァ固有のものですから、こうして紹介するに至った次第です。 考えてみると、もっと早くご紹介するべきものでしたね。 それではまた!! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。