━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.136 かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ さーて、取り出しましたるものは。一冊の写真集。 タイトルは『うたかた』 なんでも「熱海の今」を、この本を編んだ編集長自体が作り上げた、風景写真集らしいんだけど……。 今回取り上げるものは、ゲーム『人が消える街』(SCRAP出版)よ。 本、そして、パソコンによる謎解きゲーム。 少なくとも本年度「ここまで秀逸なアイディアはなかったで賞」あげちゃいたいくらい傑作! 一ページ目をくる。 なんかかわいらしいモデルさんが、JR熱海の駅に来たところから始まる。 で、街並みを見たり、名産品を食べたり、なんか普通のガイドブック? みたいな感じがする。んだけどね。 あれ? なんかさりげなくモデルさん、男の人とあってたりするぞ。 で、いつの間にかモデルさんは消えている!? 出ているのは、街とそのモブだけ? あれ? これって観光促進ガイドなの!? と思っていたら、突然堤防に向け、足跡が続いて、なんか魚釣りのケースが、写真のはじでぷかぷか浮いてるシーンで終わる。 ねぇ、これって……。 そして、ほんとゴミみたいにちっぽけに映っている、水面に浮かぶあれは!? で、この『うたかた』って作品には、クイズキャンペーンがついているのよね。 ほんと、某大手リサイクルショップをほうふつさせる、黄色と青いロゴがやさしい印象を与えるアレ。 いい意味で、折りこみチラシのように安っぽい! モキュメンタリーと言いながら、かなり雰囲気を出しているじゃない!? しかも、特賞は「この本の編集長」とビデオ会話できることじゃない? ハワイじゃなくても、ここは「熱海旅行」へご案内!? とかしてほしいナ。 だけど、本だけ眺めていても、らちが明かない。 一日中意味のない写真集と向き合うわけにもいかない! ってんで、チラシに明記されているサイトへ! すると、ブラウザが立ち上がり、クイズキャンペーンのページへ! 早速、問題が! 「この写真集がとられた日はいつ?」 あなたは、回答を求めるために、なじみの掲示板に顔を出す……。 だけど、どこにもこの写真集を取られた日が明記されているとこなんてないじゃない? と、なると……。 「現場百辺!」 写真集の中に、さりげなくホラ! という具合に、写真集の中から、ヒントを得て、回答を出して、次へ進む。 それを繰り返して、真実にたどり着くんだけど、ほんと、これが「ウォーリーを探せ!」なみに、この80ページにも満たない写真集という迷宮を行ったり来たりする。 コツはね、ゲームに入る前に、写真集を熟読すること! ただぼっと「見て」たらとてもじゃないが追っつかないよ。「観察」するのよ! すると「あれ? この人、こことここのページに出ているんだけど」「気付かなかったけど、このオブジェは何?」という「違和感」が立ち上がってくるはず。 かなでは「本ゲームは写真から手がかりを得て推理する」ゲームだと身構えていたので、先にこういう「下調べ」をしたんだけど、おかげでスムーズな謎解きの一役を買っているわ! で、この「捜査過程」が、雰囲気抜群! オンライン上のみで話が進む「安楽椅子探偵」方式を逆手に取り、スレッド、資料となるサイトの作りこみがバッチリ! 特に、事件にかかわるサイトは、いちいちフェイクのサイトにブックマークされるんだけど、思わず「本当の」かなでパソコンのブックマークを開いてしまうほど、リアルよ! で、謎も一筋縄では解けなくなる。 殺害現場を見て、部屋を割り出す。 ある大切な証拠品がどこにあるか推理する。 など「観察力がすごい」だけではダメ、な本格的推理ゲームになっている! イイね! で、一見、「無意味な風景を映した無駄なページ」が、あとで重要な手がかりとなってくるとこなんか、常にゲームに緊張感を醸し出しているわ! で、どうしても分からない! ってあなたもご安心! ヒントが段階的に表示されていき、最後には答えが出る親切仕様! 面白いのは、自分で何か「単語」を入れないと答えが出ないところ。 これって、コマンド方式が無かった、初期のパソコンアドベンチャーゲームに似ていない? 正しいコマンド=単語を頭に汗かきながらひねり出す。 「答え」がわかっているのに、今一歩踏み出せない。 特に後半では、「何やっていいかわからない」ことが出るんだけど……。 これ、「今の時代だからこそのオンラインでの進め方」をしなくちゃいけないのよね! コマンド入力という枠を離れた発想。 これこそ、「今というネット世界」を反映していると、かなで雷に打たれたような気が! そして「意外な答え」というのが、終盤の謎。 これまた、ゲーム「ブック」=「本」でなければ答えが出ない独特の回答法! つまり、オンラインと本。それぞれのいいとこ取りをした謎解きが、ギュっと詰まっている! プラスね、この本のいいところ。 それは「出題者の意図した回答」以外でも、答えが出せるというとこ。 さっき言った終盤近くのヤマの謎。 これも、謎自体は解けなかったけど、「なんでこの人がこんな場所で不自然に強調されているんだろう?」と考えたら、正解だった。 あるいは、ある重要なアイテムを探す際、正攻法でやると、この本全体を「ウォーリーを探せ!」みたいな、あるいはやみくもにハイレベルなだけの、ただ「探す」だけの作業になって、イライラしちゃうものになってしまいかねない謎解きがあるの。 だけどね、「そのものが、それなりに目立つある一つのもの」とセットで出てくると気づけば、より簡単になる! という具合に、本当に「あなたの探偵力を大いにくすぐって、試す」仕様になっている! 「はたしてあなたは、謎を解けるだろうか?」という煽り文句がウリのゲームってよく見かけようになったね! だけど、これは、「オンライン」と「ゲームブック」を掛け合わせた、まったく未知の挑戦状! 今すぐ買いに走って! 見逃せば、本気で一生後悔することウケアイ! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『人が消える街』 出版社:SCRAP出版 2023/9/5 書籍+コンピューターゲーム 2860円(税込) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。