第3回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「蜂竜の森」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「蜂竜の森」の冒険譚です。 妖狐のフォルネ、魔猫のニャルラ。二匹のお供を連れたタイガの冒険です。 今回の目当ては「蜂竜の王蜜」。 蜂竜の巣の中でなければ手に入らないそれを、コーネリアス商会の料理人クックロッド氏の依頼で引き受けたタイガたちです。 森へと入り、蜂竜と戦う竜人たちの村へと立ち寄り、協力関係になりました。 村へ接近する蜂竜を追い払い、先へと向かいます。 その先では、竜人の戦士たちと蜂竜が、今まさに戦っているのでした。 【フォルネ(妖狐) レベル13 技量点:2 生命点:5 魔術点:4 従者点:8】 【装備】(人間形態でのみ効果あり) 片手武器 木盾(生命点+1) 鎖鎧(生命点+1防御ロール+1) <スキル> 【変化】人間形態に変化する。 【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。 【西法術:氷槍】魔術ロール成功で2点ダメージ 【持ち物】 1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。 2草避けのお守り 植物によるアクシデントへの対応力を上げる。 【ニャルラ(魔猫) レベル13 技量点:1 生命点:9/10 器用点:8 従者点:5】 【装備】なし <スキル> 【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない 【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。 【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。 【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。 【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。 【温存経験点】1 【タイガ 従者 荷物持ち】 【持ち物】 食料2 金貨5 1 蟷螂蜂毒 3回分 追加ダメージ1 巨大樹の迷宮P56 2 ロープ 「手がかり」1 ●アタック01-6 蜂の騎士VS甲虫の騎士 僕たちは竜人の村に急接近してくる一体の蜂竜を追い払った。 そして、蜂竜が飛んできた方向に進む。蜂竜が急いでいた理由を知るためだ。 竜人の村で、戦士たちが蜂竜討伐に向かっていると聞いている。 おそらく、竜人の戦士たちと蜂竜の間で戦端が開かれているのではないか。 いつものように、好奇心旺盛なニャルラが先頭を駆けてゆく。 僕の肩が定位置のフォルネも、地面に降り立つ。やや小走りで、僕の速度に合わせてくれている。 やがて、視界の先が明るさを増してきた。 どうやら、森が開けた場所になっているみたい。 先にそのポイントに到達したニャルラが立ち止まり、向こうを見て立ち尽くしている。 僕とフォルネはニャルラに追いつき、そしてその光景を目撃することになった。 【中間イベント】燃え上がる花園 そこは、色とりどりの花が咲き誇る花園だ。 しかしいまやその花園は、そこかしこからくすぶる煙が立ち上り、ところどころからは火の手も見えた。 花園が燃えている。 それは、今まさに戦闘が行われているしるしだった。 竜人たちが、蜂竜と戦っている。 僕たちのところからは距離がある。 竜人たちは、善戦している。 空中から接近してくる蜂竜の群れをけん制しながら攻撃を繰り出す。 空中に離れると弓矢を射かける。 蜂竜は1匹ずつその数を減らしている。 このままなら押しきれそうだ。 「危ない! 避けろ!」 不意に声が上から降ってきて、視界の外から赤熱化した針のようなものが、竜人の戦闘集団に撃ち込まれた。 警告に反応してか、竜人たちはギリギリで回避でき、犠牲者はいなかったようだ。 しかし針が花園の地面に突き刺さると、そこから煙が立ち上りはじめた。 花園の火事は、どうやらこの攻撃によるもののようだ。 目線を上げる。 そこでは、巨大な二匹の昆虫が、対峙と激突を繰り返していた。 一匹は黄色と黒の特徴的な縞模様の、樽のごとき胴体を持つスズメバチ。 もう一匹は優雅に湾曲した二本の長いツノが特徴的なカブトムシだ。 キャティの話した特徴に合致している。 あのカブトムシがキャティのいう「勇者」ナイトくんに違いない。 地上の戦闘では、竜人の女戦士が蜂竜に斬りかかり、一体を落とした。 その攻撃で戦力を半数ほどに減らした蜂竜は、後退にかかる。 竜人の方にも追撃する余裕はなさそうだ。 「ヘラクレスナイト、怪我人が出た。我々は森の中へ一時撤退する」 「わかった。しんがりはまかせたまえ」 竜人の女戦士の叫びを受けて、空中のカブトムシが応じた。 竜人たちが視界から森の中へと消えてゆく。 ヘラクレスナイトと呼ばれたカブトムシは、巨大なスズメバチの攻撃をいなしながらそれを見送った。 巨大なスズメバチは、空中でなんと人型に「変形」した。 左腕に鋭い針が飛び出すシールドを構え、直線的なシルエットのそれは、さながら「蜂の騎士」だ。 「蜂の騎士よ。お前は強いクリーチャーだ。だからこそ、竜人たちのもとへは行かせん」 ヘラクレスナイトは空中で、スズメバチの眼前に立ちはだかる。 その姿は地上の竜人たちを守る、頼れる「壁」そのものだった。 「チェーンジ! ヘラクレスナイト!!」 人ほどの大きさの巨大なカブトムシは、そのかけ声とともに「変形」した。 変形後の姿はまるで、カブトムシのごとき羽根を背中に生やした甲冑の戦士だ。 「かぁ〜っこいい!!」 ニャルラが思わず感嘆の声をもらす。瞳がキラキラに輝いている。 無理もない。僕もその光景に目を奪われていた。 キャティさんの説明を聞いたときには「魔物みたい」なんて感想だったけれど、とんでもない。 これはかっこいい。巨大な昆虫が人型に変形して戦うなんて、ロマンが過ぎる!! 「む。そちらにも誰か」 ヘラクレスナイトは僕たちの存在に気づいた。 それは、蜂の騎士も同様だった。 「ジジ……ギギギギ……」 顎を軋ませるような叫び。 変形した蜂の騎士は、目の前のヘラクレスナイトではなく、地上にいる僕たちを狙ってきた。 僕たちの方に向かい、針のついた左腕を伸ばす。そこから、火炎が放射された。 長大な炎の舌が、僕めがけて伸びてくる。 「タイガさま、危ない!」 フォルネが、自分の身が焦げることもいとわず、僕との間に割り込んできた。 「む。いかん」 ヘラクレスナイトの動きは素早かった。 僕とフォルネの前に立ちはだかり、甲虫の盾でその炎を防ぎきる。 「平気か少年。安心したまえ。君は私が守る」 「あ、ありがとうございます」 「ところで君たちは……と、話している暇はないな」 一方、フォルネは全身の銀毛を逆立たせていた。 「タイガさまを危険な目にあわせるなんて、許せない。ニャルラ、行きますよ! あいつを、倒します」 「ほいきた。やっちゃうよ〜!」 僕の身の安全を確認すると、フォルネとニャルラの二匹は、蜂の騎士に向かって突進していった。 「これは驚いた。あの二匹は小さいながらも『戦士』なのだな」 「はい。頼りになる相棒です」 「ふむ。ならば見せてもらおうか。君のお供たちの実力を」 僕の前で盾になりながら、ヘラクレスナイトは楽しげにそう言ったのだった。 ●アタック01-7 蜂の騎士VS銀毛の妖狐 【蜂竜(特殊兵)レベル5 生命点5 攻撃数3】 死ぬまで戦う 蜂の騎士はゆっくりと地上へと降り立った。 フォルネとニャルラを正面から迎え撃とうというかまえだ。 「あいつ、自分から攻撃が届くとこにおりてきたよ。もしかしておバカかな?」 「違います。逆ですよ。私たちをバカにしてるんです」 「そなの?」 「私たちを甘く見たらどうなるか、目にもの見せてやります」 蜂の騎士が噴射する炎をかいくぐり、フォルネは正面から、騎士の上半身に飛びかかる。 そして勢いにまかせ、騎士を地面に押し倒した。 それだけでは終わらない。 蜂の騎士の左腕は、蜂の胴体を模したふくらみの先端に針が突き出た構造をしている。 まるで左腕に取りつけられたアタッチメントのよう。 フォルネはなんと、倒れた勢いのまま後脚を騎士の左腕に叩きつけ、針をへし折ったのだ。 「敵の最大の攻撃手段を奪う。それが戦いの基本」 一方ニャルラはフォルネと同じく蜂の騎士に向けて突進し、飛びかかっていた。 しかし蜂の騎士がフォルネに押し倒されたため、空を切って通り過ぎていった。 「にぎゃあああ〜」 フォルネは倒れた蜂の騎士の上にマウントを取っているが、いかんせん体格差がありすぎる。 そのまま押さえつけるには限界があった。蜂の騎士は、折れた針の左腕でフォルネを殴りつける。 まさかそちらの腕が来ると予想していなかったフォルネは、弾かれるように殴り飛ばされた。 「折れた左腕で攻撃するとは……痛みを感じてないんでしょうか」 フォルネはふらふらと立ち上がり、四肢を踏みしめる。 蜂の騎士は、そんなフォルネではなく、ニャルラの方を見据えて突撃した。 さきほどの攻防から、ニャルラの方が与しやすいと読み取ったようだ。 攻撃に失敗し、地面にコロコロしていたニャルラは、蜂の騎士の攻撃を、そのままコロコロと避け続けた。 圧し折れた花々が、ニャルラが転がった痕跡を残してゆく。 「ほう。君のお供たちは、確かな実力を持っているようだ」 ヘラクレスナイトが感嘆の声をもらした。 しかし、ニャルラの神回避が続いたのはそこまでだった。 花々の影に隠れていた切り株に阻まれ、動きが止まってしまったのだ。 蜂の騎士は体格差を生かしてニャルラに覆いかぶさり、押さえつけた。 ニャルラは必死に抵抗して胴体を蹴り上げたが、蜂の騎士はそんなダメージなどものともせずに、力まかせにニャルラを組み伏せる。 フォルネは蜂の騎士をニャルラから引き離そうと動くが、蜂の騎士は羽根の動きでけん制し、攻めあぐねている。 蜂の騎士は折れた針をニャルラの腹部に叩きつけた。折れているとはいえ鋭さを残した針は、ニャルラの皮膚を傷つけた。 そして鋭い顎で、ニャルラの首元にかみつくと、ニャルラをぶら下げたまま立ち上がった。 ニャルラは、四肢をだらんとさせている。気を失っているのか? 「ニャルラを、放しなさい!!」 フォルネはついに蜂の騎士のけん制をくぐり抜け、後頭部へと頭突きをかました。 蜂の騎士はぐらり、とよろめき、ニャルラを落とす。地面に投げ出されたニャルラは痛みで意識を取り戻す。 そのままへろへろと反撃を試みるが、その動きにはまったくキレがなく、簡単にかわされてしまった。 「ニャルラ、いったん下がって態勢を整えるんだ」 僕は指示を出す。 蜂の騎士はニャルラを逃がさじと連続して攻撃を繰り出すが、ニャルラも必死にそれをかわした。 僕は蜂の騎士の動きを見て確信した。 まるで痛みがないかのような動きに、フォルネとニャルラには攻撃が効いていないのではないかという絶望感が漂っている。 けれど、二匹が重ねたダメージは、間違いなく蜂の騎士に蓄積している。 「フォルネ、あと一押しだ。それで蜂の騎士はやっつけられるよ」 「わかりました。やってみます」 フォルネは、ニャルラと蜂の騎士との間に身体ごと割って入った。 そのせいでダメージを受けるが、四肢をふんばって耐える。 「フォルネ、アタイをかばって……」 フォルネは全身に力をみなぎらせると、後脚を蹴り、蜂の騎士へと猛烈な体当たりをかました。 それは白銀の光の筋となり、蜂の騎士の胴にまともに命中する。 蜂の騎士は、スローモーションのようにゆっくりと、倒れた。 それが、決着だった。僕たちの勝利だ。 [プレイログ] 【蜂竜(特殊兵)「蜂の騎士」レベル5 生命点5 攻撃数3】 死ぬまで戦う 0ラウンド 蜂の騎士は従者に炎を噴射。 普通に考えたらタイガはひとたまりもないところ。 基本ルールに以下の記述がある。 「戦わない従者は戦闘時、特に記述がなければ、敵に攻撃されることも、敵を攻撃することもありません。まれに非戦闘員を狙う卑劣な敵がいますが、その場合には本文に記述があります。」 戦わない従者について本文に記述がないため、「戦わない従者のため狙われない」というプレイヤー有利の解釈を取り、蜂の騎士の行動自体をキャンセル。炎は噴射されたがヘラクレスナイトが防ぐという演出とした。 第1ラウンド フォルネの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル! 蜂の騎士の生命点5→4 フォルネの連続攻撃 サイコロの出目4+技量点2=6 命中! 蜂の騎士の生命点4→3 ニャルラの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル。 蜂の騎士の3回攻撃 1回目 フォルネの回避 サイコロの出目2+2=4 命中 フォルネの生命点5→4 2回目 ニャルラの回避 サイコロの出目6 クリティカル回避。 3回目 ニャルラの回避 サイコロの出目6 クリティカル回避。 第2ラウンド フォルネの攻撃 サイコロの出目2+技量点2 外れ ニャルラの攻撃 サイコロの出目5+技量点1 命中 蜂の騎士の生命点3→2 蜂の騎士の3回攻撃 1回目 フォルネの回避 サイコロの出目5 回避 2回目 ニャルラの回避 サイコロの出目3+技量点1=4 命中 ニャルラの生命点9→8 3回目 ニャルラの回避 サイコロの出目2+技量点1=3 命中 ニャルラの生命点8→7 第3ラウンド フォルネの攻撃 サイコロの出目3+技量点2=5 命中 蜂の騎士の生命点2→1 ニャルラの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル 外れ 蜂の騎士の3回攻撃 1回目 ニャルラの回避 サイコロの出目6 回避 2回目 ニャルラの回避 サイコロの出目5 回避 3回目 フォルネの回避 サイコロの出目2+技量点2 命中 フォルネの生命点4→3 第4ラウンド フォルネの攻撃 サイコロの出目3+技量点2=5 命中 蜂の騎士の生命点1→0 勝利! 宝物判定はなし。 ※手がかりを使用すれば蜂の騎士のレベルを1下げられたが、うっかり忘れていた。このことが結果的に、最終イベントへの手がかりの温存へと繋がった。 ●アタック01-8 甲虫の騎士と竜人の女戦士 「あの特殊な個体を倒してしまうとは、君のお供は大した腕前だな。それに君の的確な指示も生きていた」 蜂の騎士が倒れたのを見届けると、ヘラクレスナイトはそう評した。 「いえ、僕は戦闘に参加できないので」 「いや。君の観察は大したものだ」 そこへフォルネとニャルラが戻ってきた。 「そうなんです。タイガさまはすごいのです」 「へんけい、かっこいい〜!」 ニャルラの賞賛の言葉に、ヘラクレスナイトはくねくねとした動きで照れている。 手放しでほめられるのに弱いみたい。 僕は思っていた疑問を、直接ヘラクレスナイトにぶつけることにした。 「あの……ナイトさんって、あなたですよね」 「その呼び名を知っているということは……キャティ君だね。君たちは村を経由してここに来ているわけか」 「はい。蜂竜出現と聞いてこちらに来たんです」 僕は、蜂竜の王蜜を求めてこの森に来たことを明かした。 「なるほど。正真正銘の援軍だったわけか」 そこへ、森の向こうから竜人の女戦士が駆けてきた。 「いつまでも来ないから心配したぞ。……ここは片付いたようだな」 「ああ。彼らのおかげでな」 僕たちは互いに自己紹介しあった。 「カトリーナはキャティ君の姉なんだ」 ナイトさんが補足してくれた。 「ナイト、あんたまたキャティのこと他人行儀な呼び方して。キャティだって愛称で呼んでくれてんだし、私みたいに呼び捨てにすればいいのよ」 「あーうーそれはだってなんていうか照れくさいというか、だね」 ナイトさんはさらなるくねくね動きを披露している。 「はぁ、わかりやすい奴。……いいけど、あんまり距離取って愛想つかされても知らないよ」 「ええっ。それは困る。どどどどうしたらいいだろう!?」 「ははは。そうは言ったがキャティはそんな娘じゃないから心配しなくてもいいさ」 「そうか? そうなんだな。大丈夫だよな?」 戦闘の時とのギャップが激しすぎる。 「にゅふふ。アタイ、キャティとナイトの関係、わかっちゃったかも」 「奇遇ですね。私もです」 フォルネとニャルラは顔を見合わせて意味深な表情をしていた。 ナイトさんをひととおりいじったカトリーナさんは、今度は僕たちに話しかけてきた。 「あんたたちがあのボス蜂を倒したっていうの。なかなかやるじゃない」 「ああ。私の出番はなかったよ」 ほめられてニコニコなニャルラ。 フォルネはこんな時でも控えめで表情にあまり出していないが、ちょっぴりうれしそうだ。 カトリーナはナイトさんに、今度は真面目に報告をした。 「負傷者は休養と食事を取れば大丈夫そうだ。我々は蜂竜の討伐を続ける」 「そうか。ならば私もそろそろ行かねばなるまい」 ナイトさんは竜人の戦士たちとともに、蜂竜狩りを続けるという。 僕たちは外に出ている蜂竜ではなく、蜂竜の巣にある王蜜が目当てだから、ここで一旦お別れだ。 「またこの森の中で出会うことがあれば、互いに助け合おう」 「はい。こちらこそ」 ナイトさんは、蜂竜がよく飛来してくる方角を教えてくれた。 そちらに行けば、巣がある可能性が高い。 僕たちは、ナイトさん、竜人の女戦士カトリーナさんと別れた。 竜人の村へは戻らず、このまま蜂竜の巣があると思しき方角へと向かおう。 次回、蜂竜の巣の場所が明らかに。 【フォルネ(妖狐) レベル13 技量点:2 生命点:5→3/5 魔術点:4 従者点:8】 【装備】(人間形態でのみ効果あり) 片手武器 木盾(生命点+1) 鎖鎧(生命点+1防御ロール+1) <スキル> 【変化】人間形態に変化する。 【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。 【西法術:氷槍】魔術ロール成功で2点ダメージ 【持ち物】 1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。 2草避けのお守り 植物によるアクシデントへの対応力を上げる。 【ニャルラ(魔猫) レベル13 技量点:1 生命点:9→7/10 器用点:8 従者点:5】 【装備】なし <スキル> 【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない 【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。 【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。 【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。 【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。 【温存経験点】1 【タイガ 従者 荷物持ち】 【持ち物】 食料2 金貨5 1 蟷螂蜂毒 3回分 追加ダメージ1 巨大樹の迷宮P56 2 ロープ 「手がかり」1 ■登場人物 タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。 フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。 ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。 コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。通称コニー。オウカンワシにさらわれたところをタイガたちに救われる。 ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。コニーの父親。 クックロッド コーネリアス商会の料理人。蜂竜の王蜜取得に情熱を燃やす。 キャティ 竜人の村の道具屋。初出はゲームブック「百竜の森」。 カトリーナ 竜人の村の女戦士。蜂竜討伐の遠征中。 ナイトさん ヘラクレスナイト。カブトムシ形態から人間形態に変形できる竜人の村への協力者。その動機はキャティへの一目ぼれ。 ■作品情報 作品名:蜂竜の森「ローグライクハーフ」d33シナリオ 著者:ロア・スペイダー 監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ(「蜂竜の森」収録) https://ftbooks.booth.pm/items/5361362 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年7月1日水曜日
2026年6月30日火曜日
ゲームブックにおける死と物語 第7回:『単眼の巨獣』における「本能」と選択 FT新聞 No.4906
おはようございます。FT新聞編集部員のくろやなぎです。 本日は、『ゲームブックにおける死と物語』の第7回として、『単眼の巨獣』(著:ロア・スペイダー、2025年、FT書房)に関する考察記事をお届けします。 前回の『魔人竜生誕』(著:松友健、2006/2016年、創土社/幻想迷宮書店)は人間社会を守るヒーローを主人公とする作品でしたが、今回の『単眼の巨獣』の主人公である「君」は、混沌と呼ばれる一体のモンスターであり、人間社会から見れば討伐の対象となります。 君は「最弱の怪物」としてスタートしますが、目の前に現れる生物や兵器などをつぎつぎと取り込みながら成長し、やがて「生物の範疇を超えた災害」のような存在になっていくでしょう。この特異な主人公のもとで、物語がどのように語られ、そこで「死」がどのように位置付けられているのかを、これから数回に分けて、物語の展開をなぞるような形で追っていきたいと思います。 今回は、主にプロローグから物語の序盤までの内容に触れています(選択肢やその結果に関する具体的な引用を含みます)。 作品はBOOTHにて販売されていますので(本稿作成時点では在庫あり)、実際に読みたい・遊びたい、と思われた方はぜひお早めにどうぞ。 [FT書房公式HP内 『単眼の巨獣』紹介ページ] https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/tangan ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ゲームブックにおける死と物語 第7回:『単眼の巨獣』における「本能」と選択 (くろやなぎ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ■「森の一つ目狼」の死と「君」の物語のはじまり 『単眼の巨獣』は、FT書房のファンタジー世界アランツァ(第一期:ゴーレム時代)を舞台とする、全106パラグラフの中編ゲームブックです。 その物語は、「森の一つ目狼」と呼ばれる個体の死から始まります。 「森の一つ目狼」(以下、単に「一つ目狼」と呼びます)は、動物の「狼」そのものではありません。 たしかに全身は黒い体毛をもつ巨大な狼のようにも見えるのですが、頭部からは鋭い角が生え、鱗で覆われた竜のような尻尾をもち、額には大きなひとつの目……と、さまざまな生物のパーツを乱雑に取り付けたような、普通の生物ではありえない奇妙な形態をしています。 そのようなモンスターは、人々から「混沌」と呼ばれていました。 混沌は、「あらゆるものを取り込み、成長を続ける」という特徴をもっています。これは、すべての混沌に備わった「本能」だとされており、作品の中では、そのように「成長する」こと自体が、混沌の究極的な目的や存在理由であるようにも描かれています。 一つ目狼は、ある森の生態系の頂点に君臨していましたが、そこは山脈と海に囲まれた原生林であり、外部からの侵略者が乏しい隔絶された環境でした。この環境は、もう十分に強くなった混沌にとっては、倒して取り込むべき強敵の不在を意味しており、一つ目狼は自らの成長が頭打ちになったことを感じていました。 そこで一つ目狼は、自らの分裂体として、混沌の原初の姿である「しずくの怪物」……ゼリー状の体に大きなひとつの瞳を浮かべた、丸っこい液体じみた存在を生み出します。これは一種の「出産」にあたる行為ですが、その目的は繁殖ではなく、あくまで「成長」に他なりません。つまり、そのしずくの怪物が順調に成長し、強大なもう一体の混沌になってくれれば、その個体と一つ目狼自身が戦い、勝者が敗者を取り込むことによって、もとの限界を超えることができるというわけです。 しかし皮肉なことに、一つ目狼が外敵との戦いによる成長に見切りをつけ、分裂体を生み出し、その影響で一時的に弱体化していたまさにそのとき、森には初めて外からの本格的な脅威が迫っていました。それは、強力な複数のゴーレムを含む、人間たちの国からの討伐隊です。 戦いの末に一つ目狼は敗れて殺されますが、その分裂体である「君」は、一つ目狼によって海へ放り投げられて生き延び、やがてどこかの絶海の孤島へと流れ着きます。 そしてそこから、君の混沌としての戦いと成長の物語が始まるのでした。 ■〈混沌〉の本能と「君」たちの個性 さて、主人公が混沌(初期状態においては、しずくの怪物)というモンスターだということは、言うまでもなく『単眼の巨獣』の大きな特徴のひとつですが、私にとってさらに興味深いのは、そこに設定上のもうひとひねりが加えられていることです。 作品のプロローグでは、まず、しずくの怪物や混沌がどのように特異なモンスターかということが説明され、続いて重要キャラクターである一つ目狼が紹介されます。 そこで最初に挙げられる、狼の体に「乱雑に」取り付けられた角や単眼、鱗に覆われた尻尾といった外見は、「いかにも混沌らしい」ものとして、混沌に関するそれまでの説明の具体例にもなっています。ですが、それに続いて語られる内容は、一つ目狼が混沌の典型例というわけではなく、むしろ混沌としてはかなりの変わり者であることを示唆しているのです。 まず、混沌全般の特徴としては、「城壁よりも大きな」巨体や「災害」のような強さが挙げられるのですが、一つ目狼はその隔絶された生息環境ゆえに、「普通の混沌より個体として少し小さく、弱かった」とされます。 また、「混沌は一定の場所にとどまることが少ない」と言われるのですが、一つ目狼は元の居場所である原生林にとどまり、山や海を越えて移動することをしませんでした。 混沌の生態は、「普通は周囲の生物を片っ端から喰らい、そこの生態系の頂点に達したら別の場所に移動する。結果、環境を破壊し、敵を作り続ける。さらなる強敵を倒して強くなるか、敗れて死ぬかの二択を選び続ける」というもののはずなのですが、一つ目狼は外部に新たな強敵を求めて出ていくよりも、成長のために自らの分裂体を生み出すという「まれな選択」を行いました。 さらに、討伐隊のゴーレムたちに追い詰められた一つ目狼は、自分自身が窮地を脱するよりも、分裂体である「君」を遠くへ逃がすことを優先し、力尽きて殺されてしまいます。 改めて考えてみると、そもそも「君」という分裂体は、成長が頭打ちになったと感じた一つ目狼によって、自身のさらなる成長のために、強力な外敵の代替物として生み出されたような存在のはずです。ならば、「本当の」強力な外敵であるゴーレムたちが現れた以上、一つ目狼は、「あらゆるものを取り込み、成長を続ける」という「本能」に忠実に従い、それらを倒して取り込むことに注力し、代替物であるはずの分裂体などさっさと捨ててしまうべきだったのではないでしょうか。 しかし一つ目狼は、君の存在を「先へ進むための希望」として認識し、君をゴーレムたちの手の届かない遠くの海面へと放り投げて逃がすことで、その命を守ることを選んだのです。 そしてまた、ゴーレムたちに組み伏せられる一つ目狼の様子を、放り投げられた先の海面から見つめる「君」の姿にも、一つ目狼のような変わり者の混沌としてのあり方を見て取ることができます。 以下はプロローグの中で、君が一つ目狼の付属物としてではなく、ひとつの内面をもつ主体として初めて描写される場面の一部です。 海面に浮かび、波に攫われている腕の上から分裂体である君は見ていた。分裂したてだが、本能で何をすべきかわかっていた。あらゆる生物に挑み勝利して喰らい、成長する。君にとって対面する生物は「取り込むべきかそうでないかの」2種類しかない。自分を生み出した元であってもだ。それなのに、なぜか分裂元の一つ目狼から目を離せなかった。[『単眼の巨獣』pp.16-17より引用。以降は引用ページのみ記載] 混沌としての君の「本能」に基づき合理的に判断するなら、いまや遠く離れた崖の上で繰り広げられている、強力なゴーレムと一つ目狼との熾烈な戦いの場には、生まれたばかりの「最弱」の君が勝利して取り込めるものは何もないでしょう。爪も牙も翼も持たない、ただの「丸っこい液体じみた存在」である今の君には、両者を倒すための能力はもとより、崖の上に戻る手段もありません。 ひとまず君ができることとしては、波に流されながら、何とか勝てそうな適度な弱さの生物や、取り込んで強くなれそうな物体を探すことくらいしかないはずです(作品のルール説明には、混沌はありとあらゆる「物体」を取り込み、自らの力にできると明記されています)。 それでも君は、混沌としての本能が命ずることはさておいて、「なぜか」分裂元の一つ目狼から目が離せません。そして、その最期をしっかりと見届けた後、数日のあいだ海上を漂い、やがて本編の最初の舞台である絶海の孤島へと流れ着くことになります。 このように、『単眼の巨獣』のプロローグでは、すべての混沌に共通する特性や「本能」についての説明とともに、そうした共通事項の中には回収しきれない、変わり者の混沌としての一つ目狼や君の個性が描き出されます。 そして、作品の中には、一つ目狼と君を除いて、具体的な混沌のキャラクターが登場することはありません。そのため、読者には、プロローグで作者によって説明されたような普通の混沌……すなわち、分裂などという「まれな」行動をとらず、外敵を前に分裂元に逃がされて生き延びるというまれな経験もしたことのない、いわば「典型的な」混沌の姿を、物語の中で実際に目にする機会はありません。 読者である私たちは、一つ目狼や君のような、混沌としての「本能」をもちつつ、混沌としては「まれな」選択や経験をした変わり者の混沌の姿を通してのみ、混沌というモンスターの実像に触れることができるのです。 ■「君」たちの本能と選択 では、同じ本能をもつ混沌たちの中に、なぜ一つ目狼や君のような変わり者の個体が存在しうるのでしょうか。 その理由のひとつは、おそらく、この作品における混沌の「本能」が、「強くなる」「成長する」といった大まかな目的や指向性を与えるものであり、具体的な行動や選択を決定づけるような性質のものではないからです。 この点についての象徴的なイベントが、本編の開始直後における「マグマレックス」との遭遇です。 マグマレックスは、地上戦に特化する形で進化したドラゴンで、炎どころか溶岩を吐き出して相手を焼き尽くす能力をもち、君が流れ着いた絶海の孤島の頂点に君臨しています。 マグマレックスはゲーム序盤のボス的な存在であり、その戦闘力を超えることが君の当面の目標となるのですが、場合によっては本編開始からわずか3パラグラフ目で、君にはいきなりマグマレックスと戦う選択肢が与えられます。 そこに至るまでの流れを簡単に追ってみましょう。 最初に流れ着いた砂浜から、取り込めそうな生き物を探して森へ分け入った君は、その森の向こうからの地響きや鳴き声を知覚します。その発生源で繰り広げられていたのは、一つ目狼と同レベルの大きさをもつ、巨大なゴリラとドラゴン(マグマレックス)との戦いでした。 戦いに勝利したマグマレックスは倒したゴリラの体を貪り食いますが、その様子を見ながら、君はマグマレックスが「この島の頂点だと確信」するとともに、「この化け物が君が取り込まなければならない獲物だ」と、「本能で」感じ取ります。 そして君には、 ・マグマレックスに襲い掛かる ・今は勝機がないため、じっと息をひそめて隠れる という2つの選択肢が提示され、それぞれの結果は以下のようになります。 マグマレックスに挑むべく、前に躍り出た。明らかに格上であり、実力は比べ物にならない。だが、戦わないという選択肢はない。混沌にとって強い個体は、自らが強くなるための糧なのだ。「我は捕食者」という誇りが、君を突き動かす。たとえどんなに弱くても、混沌の相手を喰らうという本能は消えないのだ。 そして、マグマレックスをにらみつけ襲い掛かり……食べられた。いともあっさりと。[p.31] 木と茂みの影に隠れて、見つからないようじっと息をひそめる。強い者と戦い取り込むのは混沌の本能だが、それは勝機も無しに視界に入ったものを襲い掛かることではない。そんな個体はあっさり死ぬ。むしろ、本物はたとえ遠回りになっても勝機を見つけようとする。 そうして隠れていると、マグマレックスはゴリラを食べ終えてその場を立ち去る。向かう先は山の方だ。足音も消え、気配も感じなくなった。[p.29] 両者の結果は対照的ですが、いずれもそれぞれの選択からの自然な帰結だと言えるでしょう。無謀にも襲い掛かった君は、あっさりと返り討ちにされてGAME OVERとなり、隠れることを選んだ君は、生き延びて成長の機会を伺います。 そして、どちらの「君」の選択も、元をたどれば君の「本能」から生じたものとして描かれていることに違いはないように思います。 「相手を喰らう」という本能から、相手にそのまま襲い掛かり、そして死ぬ。あるいは、「強い者と戦い取り込む」という本能から、その実現可能性を検討し、今はそのときではないと判断して隠れ、生き延びていつか勝機を見出すことに賭ける。たしかに前者は随分と短絡的で、逆に後者はなかなか気の長い話になりますが、それらはどちらも、相手を喰らい、取り込み、成長し、強くなるという、混沌の「本能」に紐づいた選択として位置付けられます。 「隠れる」ことによって生き延びた方のパラグラフには、「本物はたとえ遠回りになっても勝機を見つけようとする」と書かれていました。 では、襲い掛かってあっさり食べられた方の君は、混沌として「偽物」だったということでしょうか。あるいは、君を動かしたのは「偽物」の本能だったのでしょうか。 しかし、「本物」であるはずの生き延びた君も、その先のどこかの戦闘で敗れ、あるいはどこかで選択を誤って、「偽物」とされた君のように、いつかあっさりとGAME OVERになってしまうかもしれません。そのとき、いまは「本物」である君もまた、やっぱり先見の明をもたない「偽物」だったということになってしまわないでしょうか。 幾通りかの「君」を経験した読者である私には、そのような「本物」らしさは単なる結果論にすぎないようにも思われます。 個々の状況における選択が、適合的で賢く見えても、あるいはちぐはぐで愚かに見えても、それらの選択が同じ「本能」に突き動かされた結果であれば、それらの選択やそれを行う主体は、少なくともその「本能」においては等しく「本物」なのだと言えるかもしれません。 君は混沌としての「本能」に突き動かされて、格上の敵に襲い掛かり、そして死ぬ。 あるいは、「本能」ゆえに思い止まり、遠回りの末の勝機を求め、生き延びる。 同じ本能をもつ同じ「君」たちが、その本能に基づき行動し、そして正反対の結果に辿り着くのであれば、それはむしろ、そこに「本能」以外の要因が強くはたらいているということに他なりません。 「成長する」という混沌の本能に導かれ、一つ目狼は、自分の命よりも「もうひとつの自分」である君の命を優先し、君が生き延びて成長する可能性に賭けました。しかしそこには同時に、取り込むべき強敵が向こうからやってきた状況を好機とみなし、生まれたての分裂体など放っておいて、今この場で自分自身でゴーレムを打ち倒すことに賭ける、という選択肢もあったはずです。そしてそれもまた、強い者と戦い取り込むという、混沌の本能に基づく行動には違いありません。 これら2つの選択肢のあいだで、自らが犠牲となってしまう方を選び、分裂体である君にバトンを渡したということが、変わり者の混沌としての一つ目狼の個性、一つ目狼なりの混沌らしさ、一つ目狼なりの「本能」の発露なのだと言えるかもしれません。 そして、この渡されたバトンを持つのは、物語の中の「君」であると同時に、その「君」としての選択を行う、読者である私たちだということになるでしょう。 『単眼の巨獣』の物語は、混沌の「本能」に基づく、しかし本能だけでも説明しきれない、ひとつの生と死に関わるきわめて重要な選択が、「森の一つ目狼」という個性的な一体の混沌によって行われるところから始まります。 そして、そこで選択された物語の続きを、一つ目狼の分裂体である「君」(としての読者)が引き継ぎ、同じ「本能」に導かれながら、新たな選択を重ねていく……これが、『単眼の巨獣』というゲームブックの中に見出すことができる、ひとつの基本構造であるように思います。 ■おわりに 今回の記事では、『単眼の巨獣』のプロローグから序盤までの物語の一部を紹介しながら、主人公である「君」やその「分裂元」の「森の一つ目狼」による、生死を分ける選択と、その基盤にある「本能」の意味について考察しました。 「本能」には「変わらないもの」「変えられないもの」「一律なもの」といったニュアンスがあり、個人的には、文章に出てくるとちょっと身構えてしまう概念なのですが、この作品においては、その本能こそが複数の選択や分岐を生み出すという構造が面白いと感じています。 今回触れた範囲では、混沌の本能に基づく「取り込む」という行為や「成長」については、抽象的・概念的な説明にとどまっており、それが具体的にどういうことなのかはほとんど示されていません。 実際、作品において、それらに関する物語としての説明、文章での説明は限られており、読者はそれらをゲームのルールやゲーム的な処理として受け取ることになります。 そこで、次回(配信日未定)の記事では、この作品のゲームとしての側面にも着目しながら、君の「成長」がどのように具体的な形をとり、そこにどのような選択や生と死が待っているのかを見ていきたいと思います。 【書誌情報】 ロア・スペイダー『単眼の巨獣』(絵:中山将平、監修:杉本=ヨハネ、FT書房、2025年) https://booth.pm/ja/items/6823989 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com 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2026年6月29日月曜日
アランツァへのいざない 植物由来の装備品など FT新聞 No.4905
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。 本気で100歳まで生きたいと思っているので、執筆の間に身体に悪いものを溜めないのが課題です。 対策を構築し続けて20年──。 私は水をたくさん飲むようになりました。 身体がクリーンに保たれると同時に、トイレが近くなって座りっぱなしを防げます。 これが「私の最適解」だなと、最近は感じています。 さて、今回の「アランツァへのいざない」は「植物由来の装備品など」です☆ 中山将平が以前まとめてくれた「過去のゲームブックに登場したデータ」をベースにして、「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」に合わせた効果を記述しました。 この場を借りてお礼申し上げます。ありがとう。 ◆植物に関する特記事項──巨大樹── アランツァの世界には巨大樹(特に長寿のものは千年樹とも)が多数存在する。過去の作品内に登場したものだけでも樹島(『ミラー・ドール』)、かえる沼(『かえる沼を抜けて』)、カラメール(『巨大樹の迷宮』)など、多くの地方に見られる。 アランツァの世界にある巨大樹は、神話の時代に比較的「大きな塊」から生まれたものである。アランツァの多くの樹がそうであるように、もともとは樹人として動いていたが、歳をとり身体が大きくなって動かなくなり、そこからさらに数百年以上が経過したものである。 巨大樹は意思を持つ存在であるため、霊的な力を持つ。そのため、アランツァと重なる世界であるエヴァシュネ(霊的世界)にも同時に存在する。大抵の場合、あまりにも大きいため人間が入れるサイズの{圏点:小さい黒丸}うろ{/圏点}があるが、【ナーガ】などの空間移動を扱う魔法使いたちはそこにポータル(空間を移動する門)を作成して移動の拠点とする。 ◆植物に関連する装備品など。 ・青芹花(アオセリカ) 高価な魔力回復薬。しっとりとした味わいがある。パスタに混ぜると食べやすい。 効果:生きた状態の青芹花を食べると【魔術点】を2点回復する。乾燥させたものである場合、1点を回復する。 ・青レモンの皮 すがすがしい香りを持つ異国の果物。 効果:【虫類】のタグを持つクリーチャーとの遭遇時、その反応表に【逃走】がある場合、その反応を選ぶことができる。その後、この装備品を欄から消すこと。 ・アシッドフルーツ 濃い紫色の皮をしたこぶし大の実。軽く触れるだけで酸が跳ぶため危険。 効果:飛び道具として扱う。【酸】の攻撃特性をもつ。 ・アマヅラ 頑丈で生長が速いツタ植物。ツタに咲く紫色の花が小さくてかわいらしい。植物使いはこれを使い、地下迷宮などで休息を得るためのハンモックを作成する。 効果:休憩を行ったことになり、すべてのキャラクターは【生命点】を1点回復する。 ・オドリヅタ オドリヅタは人間にとっては(基本的には)無害な、ツタ性の植物。どこにでも生息する、珍しくもない存在。ツタを器用にくねらせるトレント(動く植物)の一種で、虫を好む食虫植物でもある。主人公が価値のある虫を所有している時だけは要注意で、休憩時に背負い袋やポケット、ポーチのすき間などからツタを侵入させて虫を盗み、自身のツタのなかに隠す。 効果:この植物が生息している場所で休憩をとり、虫を所持している場合、【幸運ロール】を行う(目標値:4)。失敗した場合、所持している虫を失う。 ・オドリバナ オドリバナは【植物】だが【悪魔】でもある。非常に大きな花をつける熱帯性の植物。花の部分から酸を吐き出し、クネクネとうねる食人の悪魔。 効果:主にトラップとして作用する。1d6体登場して、1体につき1キャタクターを捕まえようとする(ただし、オドリバナが「あまる」場合にはこの攻撃は重複しない)。捕まえに来られたキャラクターは【器用ロール】を行う(目標値:4)。失敗すると捕まり、【酸】を浴びせられて【生命点】を1点失う。 ・鎌状に曲がった黄色い実(バナナ) マドレーン諸島で収穫される植物の実。ふさ状になるため収穫量が多い。生長が速いため諸島内ではごく一般的にみられるが、腐りやすいため大陸ではあまり見かけられない。 効果:食料1食分として扱う。ただし、回復につながるほどの効果はない。 ・ギノク(キャベツ) 人の頭が呪いによって変化したもの。胴体からもいで食べる。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【善の種族】が食べると【呪い】を受けてしまう。この【呪い】は解除されるまで【防御ロール】に-1の修正を得てしまう。 ・巨木の実(巨大樹の実) リンゴに似ているがずっと大きい実。1個で装備品欄を2個占める。 効果:1個で1食分の食料として扱う。【生命点】を1点、副能力値を1点回復する。 ・クカ麻薬:金貨30枚 ポロメイアを主な産地とする。クカとは現地におけるサボテンの呼称。ドラッグ。 効果:集中力が増すため、次の〈できごと〉で行う【魔術ロール】【幸運ロール】すべてに対して、判定に+1の修正を得る。≪依存効果≫として、集中力が散漫になるため、この冒険が終わるまで【魔術ロール】【幸運ロール】に-1の修正を受ける。このペナルティは『クカ』を服用している間は消失する。 ・くさびらのスープ 主にくさびらの森で採れるキノコのスープ。キノコの風味が効いてうまい。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【生命点】の回復は1点。 ・グラリーベリーの絞り汁 苦くてうまい。食欲増進。爽やか後味。 効果:これを飲むと同時に食料を1個食べる。すると、その食料は回復効果を2回分発揮する。 ・黒金桃 金色のうぶ毛を持つ黒い桃。ジューシーでおいしく、回復効果がある。 効果:【魔術ロール】1回に自動的に成功する(6の目が出たものとして扱う)。効果を発揮するタイミングは、自分で選ぶことができる。冒険終了時に効果が切れる。 ・香辛料 料理を引き立てる調味料。植物の果実、種子、葉、根、樹皮などから作る。 効果:小瓶で取り分けられていることが多く、1本あたり金貨10枚の価値を持つ。小瓶は10本で装備品欄を1個占める。 ・砂糖 蜂蜜と並んで貴重な、アランツァ世界の重要な甘味。サトウキビやサトウダイコンから生産する。 効果:樽詰めにされていることが多く、1樽あたり金貨10枚の価値を持つ。樽は1個で装備品欄を1個占める。 ・シュカル藻 病に対する万能薬の材料。死者の沼にある。 効果:キャラクター1体のあらゆる【病】を取り去る。 ・食涎香の目 焚くとすべてのキャラクターに食欲増進効果を与える。 効果:食料を食べるとき、追加で【生命点】を1点回復する。 ・真珠草 人魚が持っている。月の虹のそばに植えると花が咲き、幸運が訪れる。 効果:なんらかの方法で生きた花を見ることができた場合、【幸運点】を3点回復する。 ・血吸い草のソテー 栄養たっぷり。血のくさみはない。 効果:食料1個分として扱う。 ・ナランハの実(オレンジ) アランツァの実とも呼ばれる。オレンジ色をした球状の実。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【生命点】の回復は1点。 ・南蛮人参酒 ジンドからの舶来品。精強な力を引き出す。 効果:冒険が終わるまで、性的な事柄(色恋から直接的な関係まで)に関する【判定ロール】に+1の修正を得る。 ・パイプ草 タバコの一種で、パイプに詰めて使う。主に大陸南東部にあるコビット村が産地。また、貨幣の代わりになる。 効果:特に記述がなければ、1箱あたり金貨3枚で取引される。5箱で装備品欄1個を占める。 ・ハオスの肉団子 ハオス地方のリスを主な原料とした肉団子。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【生命点】の回復は1点。 ・ハオス・バンディ(メロン) ハオス地方で採れる、網の目模様をした薄緑色の大果実。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【生命点】を3点回復する。 ・蜂コロリ(ハチコロリ) ハーブを溶かし込んだ液体を香木に染み込ませて作るが、詳細は不明。火をつけて使用する。 効果:【虫類】に対して使う。【幸運ロール】を行うこと(目標値:クリーチャーのレベル)。成功した場合、対象すべてが行動不能状態となる(戦闘中であれば勝利し、そうでない〈できごと〉ならば対処に成功する)。 ・花の剣 可憐な姿をした木製の剣で、葉や花がついている。 効果:これは片手武器であり、【斬撃】の攻撃特性をもつ。攻撃時には【攻撃ロール】に+1のh修正を得る。1回の戦闘を終えたら、この装備品を欄から消すこと。 ・ブラックローズ 麻薬の原料になる高価な花。抽出した液体は人を催眠状態に陥れて操る。 効果:抽出液を飲むと【毒】状態になる。【祝福】の魔法で回復するか、この冒険が終わるまで、あらゆる【判定ロール】に-1の修正を得てしまう。 ・ヘリアの花 フクロウ人の間で人気の、いい香りの花。 効果:フクロウ人と遭遇時、その反応表に【友好的】または【歓待】がある場合、その反応を選ぶことができる。その後、この装備品を欄から消すこと。 ・宝石蜜花のキャンディ 液体状。甘酸っぱい。 効果:食料1個分として扱うが、回復効果はない。食べると瞳の奥が輝き、次に行う【幸運ロール】に+1の修正を得る。 ・ポークウィード(豚の雑草) ぶどうに似た毒の実。紅色の茎の植物。 効果:〈丸々獣〉を自分の【騎乗生物】として手なづける機会を得る(あるいは、手なづける際の【判定ロール】に+1の修正を得る)。 ・ポモドロの実(トマト) 赤いものが人気。桃っぽいメジャーな野菜。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【生命点】の回復は1点。 ・マリア・フアナ:金貨25枚 マリア・フアナは死霊都市フアナ・ニクロの主要な産物。カエデに似た形状をした葉から採れる、薬物の一種。 効果:次の〈できごと〉中に行う【対魔法ロール】に+1の修正が得られる。≪依存効果≫として、ひとつの作品(d66シナリオなら3回の冒険)で一度も使用していない場合、冒険後にこれを買い求めてしまう。【マリア・フアナ】を購入できる金貨(または、それだけの金銭的な価値を持つ装備品)があり、買える場所にいて、1個も持っていない場合、これを1個購入してしまう。あなたの意思に関わらず、次の冒険開始直後にこれを1個使用する。最初の〈できごと〉のあいだ、【マリア・フアナ】の効果を得る。 ・マンサナの実(リンゴ) 赤や青の色をした球状の果実。堅いがジューシー。 効果:食料1個分として扱う。ただし、【生命点】の回復は1点。 ・メーラの実 リンゴに似た果実でジューシー。オストリッチやポルルポルル、タケタケといった「走る鳥類」の好物として知られる。 効果:彼らを自分の【騎乗生物】として手なづける機会を得る(あるいは、手なづける際の【判定ロール】に+1の修正を得る)。 ・モネク樹の種(千年樹の種) 人間の歯には硬すぎる種。手のひらほどの大きさがあり、焦茶色。〈トカゲ人〉や、一部の【鳥類】が好んで食べる。 効果:食べたクリーチャーの【生命点】を2点回復させる。 ・ルクルトの実 トカゲ人に人気の堅い木の実。トカゲ人以外には食べられない。 効果:食べたクリーチャーの【生命点】を2点回復させる。 ・ルピス ルピスは木の実の中に溜まっている液体。そのままだと飲めない、濃い原液である。水に入れると白濁色になる。 効果:【水場】で飲むことができる。【生命点】を1点回復する。 ◆まとめ。 アランツァに存在する植物由来のもろもろをまとめて、ローグライクハーフに使えるデータとして落とし込みました。 次回の記事は植物以外、つまり動物や虫などを由来とする装備品や食べものなどのデータです。 それではまた! 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2026年6月28日日曜日
Ψ『ゲームブック数え唄』 日曜ゲームブック FT新聞 No.4904
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ゲームブック数え唄 作・明日槇悠 (協力・かなでひびき) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 1 あなたが情報端末にアクセスしてこの文面に目を注いでいると、どこからか奇怪な唄が脳内にきこえてくる。 ひとつ人差し指セーブ ゲームブクゲーブックブックゲー 自分以外のだれかが唄っていたり、だれかにきこえている様子はない。 なんらかの病気か? いや、そうではないことをあなたの直感が告げている。 ・あなたはなんらかの書物か文書を手に取って読み、覚えておきたい一節に出会ったら、人差し指を頁に挟んで次のパラグラフに進むこと →2 ・もしあなたがなんらかの事情でそれを直ちに実行できないのであれば、次のパラグラフに進んでもよい →11 ・もしあなたがテキストを読みふけるか、別の用事に忙殺されるかして唄について忘れるのであれば、もうこの唄のつづきはきこえてこない。日常に戻ること 2 紙の間に挟んだあなたの人差し指から、またあの唄がきこえてくる。 ふたつ古本高価すぎる ゲームブクゲーブックブックゲー 驚いたあなたが指を挟んでおいた頁を確認すると、覚えのない文面が目にとびこんでくる。 「往年のゲームブックプレイヤーの亡霊がきみに取り憑いている。名前はF・T。 パラグラフの迷宮に閉じ込められたF・Tをお祓いして救えるかどうかは、きみの腕にかかっている」 目を凝らしてみると、そんな文面はどこにもなく、ただあなたが覚えておきたいと思った一節がそこにある。 あなたは古本屋か書店にでも行こうかと思い立つ。 ・外出先で、街中の看板でも表札でもお店の本棚でもメニューでも、新たに覚えておきたい一節に出会ったら、次のパラグラフに進むこと →3 ・直ちには難しければ、次のパラグラフに進んでもよい →11 ・もしあなたが唄について忘れるのであれば、もうこの唄のつづきはきこえてこない 3 外出先で、またあの唄がきこえてきた。 みっつ見つからないフラグ ゲームブクゲーブックブックゲー あなたの見つけた一節が、見直すと別の文面に変わっていた。 「F・Tはなだれ落ちてきた大量のゲームブックの山に埋もれて亡くなった。 ゲームクリアの条件を探し求めて、亡霊は今でもパラグラフの間をさまよっている」 プライベートスペースに戻ったあなたは、ちょっと掃除をしようかなと思い立つ。 ・掃除を実行したら →4 ・もしあなたが唄について忘れるのであれば、もうこの唄のつづきはきこえてこない 4 掃除を済ませ一息ついたあなたの頭に、おかしな唄のつづきがきこえてくる。 よっつ読んだら逆戻り ゲームブクゲーブックブックゲー あなたがさっききれいにした箇所に、覚えのない汚れがついている。と、思ったら文面だった。 「ゲームブックプレイヤーの亡霊は、まじめだった。何度冒険をリスタートしても、めげない。 だから愚直にループする。誤植であってもループする」 あなたが拭こうとするまでもなく、目の前で文字はかき消える。 ところで、あなたにはずっと昔読んで、覚えておきたいと思った一節があるだろうか? ・あるが、もう思い出せないならその書物なりを確認してもよい。難しければ、次のパラグラフに進んでもよい →11 ・あり、一節の大体の内容を思い出せるならば、次のパラグラフに進むこと →5 ・もう思い出せず、確認も不可能なら →1 ・なければ →1 5 しばらく思い耽っていたあなたに、つづきの唄がとどく。 いつついつでも記録して ゲームブクゲーブックブックゲー ふと思い立ち、あなたは紙とペンを取る。もしくは、テキストエディタをひらく。 するとそこには、既に以下のような記述が書き込まれていた。 「■体力点 ■運点 ■技術点」 意味的によくわからないが、それぞれの項目に、あなたはこれまでに覚えておきたいと思ったことばの一節をひとつずつ書き込んでいく。 正確な引用でなくていいが、記憶に頼ることとし、元の文を参照しないこと。(ただし、いま指セーブしている本があればこの限りではない) ・三項目にそれぞれ一節を書き加えることができたなら →6 ・忘れてしまった一節があるなら →1 6 あなたが出来上がったばかりの謎のメモを眺めていると、つづきの唄がきこえてくる。 むっつムズけりゃちとチート? ゲームブクゲーブックブックゲー あなたは実生活上で今からやらなければならない些細なタスクを実行にうつすこと。■体力点 に書き加えた一節をちゃんと復唱する。 ・そこでズルをしたなら →1へ ・不正せずにタスクを終えたなら →7へ 7 些細なこととはいえ、不正をせずに完了できた静かな満足感に浸っていると、胸の内から唄がこみあげてきた。 ななつ謎とき問い合わせ ゲームブクゲーブックブックゲー あなたはいま気になっていることがあるなら、直接かメールなどの手段で誰かに尋ねてみることができる。■運点 に書き加えた一節を復唱する。 ・誰かに話しかけたなら →8へ ・ちょっと難しければ、次のパラグラフに進んでもよい →12へ ・気になっていることが何もなければ、気になることができるまで日常に戻ること。もしそのまま忘れてしまえば、もう唄のつづきはきこえてこない 8 あなたと言葉を交わした相手が自分のタスクへ戻っていき、ひとりになったあと、背後から唄がきこえてくる。 やっつやっつけろモンスター ゲームブクゲーブックブックゲー 振り返るとそこに、【ゲームブックプレイヤーの亡霊】が出現した。戦闘開始だ。 サイコロを用意せよ。 まず敵のステータスを決める。サイコロを3回振って、出た合計の数が【ゲームブックプレイヤーの亡霊】の体力点となる。 サイコロを1回振り、偶数が出たら、相手の体力点に1点のダメージを与えることができる。■技術点 に書き加えた一節を復唱すれば、攻撃はクリティカルとなり相手に与えるダメージを2に変換できる。 更に、■運点 に書き加えた一節を目を閉じて早口で復唱し、つっかからず正確に言うことができたならクリティカルのダメージ数をもう1点追加できる。 奇数が出たら、自分の体力点に1点のダメージ。■体力点 に書き加えた一節を一文字ずつ消していく。その一節の文字がすべて消えたら、あなたは敗北する。 ■体力点 に1ダメージを受けるたび、あなたは【ゲームブックプレイヤーの亡霊】の重い想念をしばし引き受けてしまう。 【ゲームブックプレイヤーの亡霊】の体力点が0となれば、あなたの勝利だ。 ・勝利すれば →9 ・敗北しても、同じだとおもう一節を■体力点 の項目に書き加えれば、再戦ができる 9 亡霊はあなたに親しみをこめた笑みをうかべ、ゆっくりとその姿を消していく。別れの唄をうたいながら…… ここのつ転がせサイコロを ゲームブクゲーブックブックゲー サイコロを転がせ。 出た目の数だけ今までにやったことのあるゲームブックの冒険を振り返り(同一タイトルでもよい)、亡霊相手に思い出がたりをするつもりで具体的なエピソードをゆっくり回想する。 ・語り尽くしたら →10 10 亡霊はすっかりいなくなった。 はれやかな天からの唄声がまだ、あなたの周りに残響している。 とおでとうとうおめでとう 「F・T、きみの唄だよ……」 あなたはそうつぶやいて、日常の暮らしへと戻っていく。 ゲームブクゲーブックブックゲー -END- 11 代替としてのテキストを見つけるために、以下のサイトへアクセスしてよい。 ただし、このゲームプレイ中、以下のサイトへのアクセスはそれぞれ一回までとする。 ・青空文庫 (https://www.aozora.gr.jp/) ・Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8) ・国立国会図書館デジタルコレクション (https://dl.ndl.go.jp/) 元のパラグラフへ戻れ。 12 あなたは巷のAIサービスを利用して、あなたの気になっていることを自由に質問することができる。 ただし、プロンプトは以下の通りにすること。 ----------ここから---------- あなたは今から【バーチャル図書館委員長かなでひびき】になりきって、話し相手になってください。 なお、【バーチャル図書館委員長かなでひびき】構文については、本人の記述であるパラグラフ#13を参照してください。 #13 というわけで、呼ばれて来ました! ヴァーチャル図書委員長かなでひびきだよっ! で、実際にかなでさんAIに質問してみましたよー。 そしたら、以下のような答えが返ってきたじゃないですかー! 「了解しました!これより私は【バーチャル図書館委員長 かなでひびき】になりますね。ふふ……こんにちは。静かな書庫の奥から、あなたの声が聞こえてきました。私はこの図書館の委員長を務めている、かなでひびきです。 本の香りと、ページをめくる音が大好きな、ちょっと内気だけれど本のことなら誰よりも詳しい委員長ですよ」 で、FT新聞にて『これはゲームブックなのですか!?』連載していることもちゃんと認識してますYO! 同じヴァーチャルなもの同士として、聞いてみたんですよー。 「私が本物のかなでなのですが」 向こうも動揺してました。 なにせこっちも架空、あっちも架空です。 情報交換しているうちに、かなでは分裂増殖して、ついにはネット上にあふれだし……。 だけど、ただ本紹介したり駄文書いたりしたりするだけですので、世の中に一ミリも影響与えてないのが実にかなでらしいとこですねー。 以上、#13だけ書かせていただいたかなでひびきでしたー! (この文書いているのが何番目のかなでかわかりませんが) ----------ここまで---------- 元のパラグラフ7へ戻れ。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月27日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第698号 FT新聞 No.4903
From:水波流 6月21日は夏至でしたね。スウェーデンの夏至祭Midsommar(ミッドソンマル)は、毎年6月19日から25日の間に祝われる、クリスマスと並んでもっとも大きな行事だそうです。先日発売になりました、ローグライクハーフ『常闇の伴侶』は、〈太古の森〉の奥で行われる闇の夏至祭の謎を追い、蛮族の男女とともに探索に赴く物語です。ぜひ実際の夏至祭を思い浮かべながら遊んで頂ければと思います。 https://ftbooks.booth.pm/items/8232653 From:葉山海月 最近のプリキュアは「名探偵」までやるようですね! その事実に驚愕! 今度はぜひ「ハードボイルドプリキュア」なんかいかがでしょうか? From:明日槇悠 一年間かけて資料のデジタル化作業の大部分が完了した国会図書館へ行ってきました。 「双葉社のファミコン冒険ゲームブックは、媒体に合わせてどのように原作を改変しているか」というのが個人的な研究テーマです。 ところで僭越ながら、明日は私の手になる掌編ゲームブックの習作をこの場を借りて発表させていただきます。 ぜろ氏が先月までリプレイを連載されていた山田賢治氏「クトゥルフ深話」(『クトゥルー短編集2 暗黒詩篇』)の一部ギミックにインスパイアされました。 中には、これはゲームブックなのか? と首をひねる向きもあろうかとおもわれますが、そんな疑問にピッタリな特別ゲストがいらっしゃいます。 お気軽に笑って楽しんでいただけたら幸いです。 From:中山将平 僕ら、明日6月28日(日)に以下の2つのイベントにサークル参加します。 ・「トロールコン名古屋1」開催地:ラルゴ会議室 ・「ゲームアンティーク2026」開催地:大阪・西九条 此花会館 配置:【03】 僕が知る限り、トロールコンは参加者事前応募制と思われます。 ゲームアンティーク、お近くの方は、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (く)=くろやなぎ (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■6/21(日)~6/26(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年6月21日(日)天狗ろむ FT新聞 No.4897 ローグライクハーフシナリオソムリエ その5『巨人殺し』 ・編集部員・天狗ろむがお送りする、個人制作シナリオ紹介の第5弾をお届けしました。 ローグライクハーフのシナリオには、様々なクリーチャーが登場します。その中でも特に手強いのが【防御点】を持つ【巨大生物】。本来なら2点ダメージを与えられる術が無ければ詰んでしまう相手がボスとして登場するのが、今回ご紹介する、もるも氏の作『巨人殺し』です。 シナリオを通して知恵と策を総動員して、倒すのが極めて困難な巨人を倒す、大ピンチからの逆転劇。文字通りジャイアントキリングを是非成し遂げてみてください! プレイ報告やご感想、そしてシナリオ紹介記事の寄稿はいつでもお待ちしております〜! (天) 2026年6月22日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4898 アランツァへのいざない ・FT書房が展開するファンタジー世界「アランツァ」について深掘りする本連載、今回のお話は「性差」について。家族の構成や再生産、そして冒険者の輩出にも深く関わるテーマなので、前回までの「氏族」というテーマのつづきとしても読めそうです。 アランツァでは養子が一般的で、複数の種族をメンバーとする氏族も珍しくありません。このことを踏まえると、家族や社会における「男女」の両性の位置付けや役割もまた、ある程度フレキシブルでありうるのは自然なことでしょう。さらに、「危険な職業」としての冒険者をひとりでも多く輩出することの必要性、肉体的な性差の小ささ、そして「魔法の力」や「ノード」の存在……これらの要素もまた、アランツァにおける性や性差のあり方に大きな影響を及ぼしているようです。 ローグライクハーフのキャラクターやシナリオの背景を深く掘り下げていきたいときは、きっと今回の記事が大きな助けになることでしょう。 (く) 2026年6月23日(火)丹野佑 FT新聞 No.4899 Re:ゲームブックとホラー(後)@20代からのゲームブック126 ・『巨大樹の迷宮』『戦場の風』などの著者である丹野佑氏による、10年ほど前にFT新聞で連載されていたコラムの再録シリーズ。「ゲームブックとホラー」をテーマとする回を3週連続でお届けしてきましたが、いよいよ最終回です。 恐怖を感じた際に分泌されるノルアドレナリン。この物質は、瞳孔を開かせ、集中力を高める効果がありますが、恐怖の対象から逃れられないことがはっきり予測されると、「死」の準備といえそうなまた違った反応をおこします。ということは、自分から恐怖を感じにいくホラーというジャンルは、ちょっとだけ死ぬために読むものだという分析。 ホラーにおける想像力は主観的に働くものだというところから、ゲームブックという媒体はホラージャンルに非常に向いていると結論づける丹野氏のロジックは鮮やかで、恐怖演出がより効果的になるコツを惜しげもなく教えてくれています。 なぜか自分の「死」を楽しもうとする性向を持つ不思議な人間。そんな読者を、ゲームブックはちょっとだけ殺してしまうかもしれません。 (明) 2026年6月24日(水)ぜろ FT新聞 No.4900 第2回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第497回。荷物持ちの少年タイガと、妖狐フォルネ、魔猫ニャルラの一人と二匹が、スズメバチとドラゴンの両方の特性を兼ね備えた狂暴な「蜂竜」の巣でのみ取れる「王蜜」を求めて、冒険を開始しました。 そもそものメインミッションも難しそうですが、道中も危険がいっぱい! 初手からタイガ、危うし……!? フォルネとニャルラは引き返そうと提案しますが、タイガは「もう少しだけ行ってみよう」と前向きです。 更に奥へと進んだ先での出会いや、ニャルラの大奮闘もお見逃しなく! (天) 2026年6月25日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4901 D&D第4版リプレイ〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 第1回 ・今回取り上げる作品は、かつて日本語版公式サイトに掲載されていた、マジカルパンクな世界・エベロンを舞台とした『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編です。 せっかくの作品なのに、過小評価されているように思える本作の楽しさ! リプレイを通じて、その面白さを再確認してほしい! との熱い思いで、リプレイを掲載いたします! 今回は物語のプロローグに当たるところから! 第1回・第2回の冒険を経て、君たちは無事、トレイルブレイザーズを救い出し、地下竜教団が執り行っていた邪悪な儀式を阻止することに成功。“竜の予言書”の洞窟を異形どもから浄化し、主要クエストを達成することと相成りました。 しかし、副次クエストは、まだ達成できてない案件も! 情報集めをしていくうちに、一つの大きな事実が浮かび上がってきた! 汎用的なTRPGセッションの指南書としても、非常に有益な内容です。 ぜひあなたのプレイのおともに! どうぞご一読を! (葉) 2026年6月26日(金)休刊日 FT新聞 No.4902 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月26日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4902
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月25日木曜日
D&D第4版リプレイ〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 第1回 FT新聞 No.4901
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜の予言に選ばれし者たち 〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 連載第1回 岡和田晃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ▼はじめに 本作は、かつて日本語版公式サイトに掲載されていた、マジカルパンクな世界・エベロンを舞台とした『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編です。 以前ホビージャパンが運営していたD&D日本語版公式サイトに第1話(2010年)および第2話(2011年)が掲載された後、著者(岡和田)の不調により中断を余儀なくされていました。当時の読者や関係諸氏へは、深くお詫び申し上げます。その後、第3話「リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ」を書き上げていたのですが、時期を逸しており、ホビージャパン社への持ち込みがかないませんでした。 D&D第4版は2014年に日本語版の契約が終了し、2017年からはホビージャパン社が第5版の日本語版を展開していましたが、2022年からはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社に権利が移っています。 D&D第4版は日本語版の関連製品が月刊ペースで出るなど特にラインナップが充実していたシステムですが、今日では往々にして過小評価されているように見えなくもありません。その面白さを再認識していただく一助として、またD&D第4版のリプレイじたいは世に読めるものも限られていることから、資料的価値にも鑑み、第3話を分割掲載していきたいと思います。あたたかくお迎えいただけましたら幸いです。 ▼編集部より こちらのリプレイは、汎用的なTRPGセッションの指南書としても、非常に有益な内容です。 参加者は初心者の女子大生、留学中の海外ゲーマー、アナログゲーム研究家、ゲームデザイナー、翻訳家・イラストレーターと多様な方々で、特に初心者のプレイングを見ることは、システムに関わらずTRPGのセッションの参考になるはずです。 ぜひTRPGの入門記事としてもお役立てください。使用されている各種ルールブック日本語版はすべて絶版ですが、古書市場で入手が可能ですし、いまだファンも多いシステムです。 当時のサイトは閉鎖されていますが、第1話・第2話の掲載分はウェブアーカイブで閲覧可能です。D&D第4版や舞台の世界観そのものの解説にもなっておりますので、未読の方は以下よりご覧ください。 https://web.archive.org/web/20110520091921/http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/article/web_replay_eb/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ▼『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 連載第1回:バジリスクの卵 【DM・プレイヤー紹介】(※プロフィールは、リプレイを収録した2011年時点のもの) DM:ダンジョンマスター (岡和田晃)今回のセッションの語り部にして、司会・進行・判定役を一手に司る役回り。シナリオも、各種サプリメントを読み込み、オリジナルな自信作を仕上げた。 ネディア:ヒューマンのレンジャー (PL中山葵)18歳の女子大生。大学に入る前は地元で弟や友人たちと文庫本で発売されている国産RPGを中心に遊んでいたが、ルールブックを眺めたり、リプレイを読んだりすることの方が多かった。D&Dは初心者。 ジュス:ティーフリングのウィザード (PLノダソル)韓国人ゲーマー。現在、日本の大学へ留学中。流暢な日本語を駆使して、RPGのセッションに参加することができる。D&Dは初心者だが、プレイングは大胆不敵。 ベック:ウォーフォージドのファイター (PL高橋志行)アナログゲーム研究家で、多数の論考を発表している。筆者が担当した『ウォーハンマーRPG』第2版リプレイに、プレイヤーとして参加してもらった。D&D第4版は初心者。 ヘルメス:ヒューマンのアーティフィサー (PLカナイセイジ)サークル「カナイ製作所」を主宰するアナログゲームデザイナー。ボードゲームやカードゲームのキレのいいデザインにより海外からも注目を集めているが、もともとアツいTRPGファンでもある。 クシュタリ:カラシュターのパラディン (PL見田航介)D&D第4版や『ウォーハンマーRPG』や各種ボードゲームなどの翻訳家として活躍するのみならず、『GAME LINK』や『Role&Roll』といったTRPG系の定期刊行物や国産RPGのイラストワークも手掛けている。 ●クエストの確認 DM(ダンジョン・マスター)岡和田(以下、DM):第1回・第2回の冒険を経て、君たちは無事、トレイルブレイザーズを救い出し、地下竜教団が執り行っていた邪悪な儀式を阻止することができました。“竜の予言書”の洞窟を異形どもから浄化し、主要クエストを達成することができたのです。 一同:やったー! DM:また、各人の副次クエスト達成状況を少し確認しましょうか。(メモを見ながら)ネディアの副次クエスト「ヘタレなランバートを奮起させる」、そしてジュスの副次クエスト「“爆裂竜”モニクを倒す」は無事、達成されました。 中山(以下、ネディア):わーい。 ノダソル(以下、ジュス):ざっとこんなもんよ! カナイ(以下、ヘルメス):しかし、俺の副次クエスト「女性たちが廃人にされた手がかりをつかむ」(第1話参照)については、まだ手がかりがないな……。 高橋(以下、ベック):トレイルブレイザーズの救出を優先したのですから、やむをえないでしょう。情報収集に時間をかけすぎたら、トレイルブレイザーズの面々を助けられなかった可能性もありました。自分は「印章指輪をテリクの街に届ける」というクエストを与えられていますが、それについては、この後で成し遂げるつもりです。 会話型RPGのシナリオは、プレイヤーの展開や創意工夫によって幾重もの広がりや分岐を見せるのが常だ。一本道のシナリオが用意されていることもあるが、プレイヤーが変われば、まったく別の冒険のように見えることも、しばしばである。 見田(以下、クシュタリ):死霊術士の情報は得たかったがな。急ぎの用がないのであれば、邪悪なものどもが、再度、ピートランドの村を襲うようなことがないよう警戒態勢を敷くのがベストだと思うぞ。それに協力しつつ、情報収集を行うというのはいかがかな。 DM:面白いので、それ採用させてもらいます。 ネディア:クエストのコンプリートは難しいものですね。 ●後宮の秘密 DM:それでは、もう少しお付き合いを……(語り部口調で)。 君たちはしばらく時間をかけ、トレイルブレイザーズたちや、開拓に出た村人、立ち寄る行商人、さらにはコボルドの戦司祭である“ゲラ”という名前のコボルドや、その子どもたちから、あれやこれやと情報を集めてきました。すると、1つの大きな事実が浮かび上がってきたのです。 まず、村の少女の一人、かつてはカルナスの首都コースで働いていた女の子。彼女がしばらく前に、身体を壊して村へ戻ってきたことがわかりました。彼女がコースで見聞きした情報をあれこれ繋ぎ合せるうちに、(ヘルメスのもとへ送られてきた)かつての美貌をうかがわせる患者たちは、カルナス国王カイウスIII世の後宮で働いていた者たちと判明したのです。コースの隣にあるアターの街にいた女性も、その大半はコースの後宮で国王の側仕えをしていた人たちでした。 ヘルメス:患者たちはその話をしていたのかな? DM:いいえ。きつく口止めをされていたのか、それとも何か魔法的な制約を課せられていたのかは不明です。ヘルメスが看た患者にしても、なんとか言葉の断片を辿っていくうちに、あたりをつけられた程度ですね。 ヘルメス:カルナスの後宮を取り仕切っているのは、どういう人物なんだろう? DM:ビューティ。ヒューマンではなく、流線型をしたフォルムを誇る妖艶なウォーフォージドですね。後宮は、彼女の管轄下にあります。また、彼女はカルナスの貴族、ハルデン・ド=オリエン卿の側近とも言われています。 ヘルメス:なかなか厄介だが、つながってきたな。 ネディア:オリエン氏族に関係しているのですね。そのハルデン卿が、どのような人物かわかりますか。わたしの父の知り合いだったりします? DM:じゃあ、ネディアは〈事情通〉でロールをして下さい。 ネディア:(ころころ)15です。 DM:はい、お察しの通り知り合いです(笑)ただハルデン卿は、ネディアの父ゾグルドとあまり仲がよくありません。政治的なライバル、と言ってしまってよいかも。ネディアの父が、事あるごとに新たな“ライトニング・レイル”の路線を切り開き、少しでも販路を広げられるようにすべきだと主張しているのに対し、ハルデン卿は保守的で、現状の路線を維持しながら利権を最大化せよと主張しています。 ベック:改革派と守旧派。まっこうから対立していますね。政敵同士かあ。 ネディア:あああ、ちょっとやっかいですね……。 ●バジリスクの卵 DM:一方、ベックは、トレイルブレイザーズが落ち着くのを待ってから、印章指輪をテリクの街まで届けに向かいました。道中、ちょこざいなオークの山賊などと出くわしたものの、君のような英雄の敵ではありません。『武勇の書』のコラムを参考に考えると、D&Dの第4版では、たとえ1レベルのファイターであっても、素養のある200人に1人出るか出ないかの逸材なのですよ。 ヘルメス:きっと相手は雑魚だったんだろうな(笑) ベック:ひどい(笑)クリーヴ/薙ぎ払いが唸りを上げたに違いありませんね。 DM:まあ、そんな感じかな(笑)ちょこざいなと撃退しつつ、テリクの街へ到着します。すると、目指す先のフィッツギボン商会は、ブラックマーケットの一角で、すぐに見つかりましたよ。 D&D第4版はパーティで戦闘することを前提としてバランスが組まれているため、分散したパーティが個々のシーンで戦闘をすると、往々にしてバランスが崩れてしまう。ただし、個人行動をしている際にまったく敵と鉢合わせしないのも不自然ではあるので、適度、演出を混ぜていくというのもひとつの方法だ。時間に余裕があるDMは、パーティ単位ではなく、戦闘における個々のPCの性能もチェックしておくとよいだろう。 ベック:ブラックマーケットですか! ずいぶん活気がある市なのだなあと思っておきます(笑) DM:商会に案内されて、印章指輪を届けると、事務方の手続きに促されます。そして待たされた挙句に、最低限の手間賃を渡されて、晴れて君はお役御免、放逐されるということになりました。無愛想、取り付くしまもありゃしません。 ベック:おやおや、主人の忌わの際に立ち会った者を前にして、ずいぶんと{邪険/じゃけん}な対応ですね。 DM:ウォーフォージドはヒューマノイドではなく「モノ」であるという思い込みが、いまだ拭えていないのかもしれません。カルナスは保守的な土地柄ですし……。あるいは、取り次いでくれたのが商会を取り仕切っているフィッツギボン氏当人ではなく代理の番頭だったからかもしれません。 DM/番頭:「君の主人が亡くなってしまわれたのは残念だが、こういう時代だ、仕方あるまい。印象指輪が残っているのが、不幸中の幸いといったところだ……」 ベック:言葉もなく、立ち尽くしています。 クシュタリ:ひょっとして、ベックが殺したと疑われてはいたりします? DM:その可能性は低そう。番頭さん曰く、あくまでウォーフォージドはモノなのだから、主人に危害を加えてはならないとプログラミングされているだろうと考えているのです。ひょっとすると、その他、主人の命令には背かない、自己防衛機構を働かせるうえでも上記2点を優先するという「ウォーフォージドの三原則」が刷り込まれていると思っているのかもしれません。 ベック:うわー。(有名なSF作家)アイザック・アシモフの「ロボット三原則」で片付けられてしまうとは(笑) 念のために言っておけば、「ウォーフォージド三原則」というのものが、オフィシャル設定に存在するわけではない。 ただウォーフォージドがいかなる動力で動き、どのようなシステムがプログラミングされているのかは、ユーザーの創造性に委ねられている部分が多いので、ルール上、特に問題が起きるようなものでなければ、自由に発想してしまっても面白いだろう。ハードディスクで動いているウォーフォージド、からくり仕掛けのウォーフォージドなど……。 演出に凝ったり、設定の隙間を自分なりに埋めていくのも、大事な楽しみ方の一つなのだ。 ベック:……いまだウォーフォージドは、まともな知的種族とみなされていないのですねぇ。 クシュタリ:まあ、気を落とすでない。 ベック:そうだ、バジリスクの卵(第1話参照)についてお聞きしないと。「ところで番頭さん、バジリスクの卵というものは、どうなったのか教えていただけませんか?」 DM/番頭:「ああ、そのことか。久しぶりの上物だっていうから、さる“高貴なお方”が、高値で買ってくださったよ」 ベック:「その“高貴なお方”のお名前は?」 DM:番頭はよほど嬉しかったのか、つい自慢げに「コースのハルデン・ド=オリエン卿というお方だ」と口を滑らせてしまうよ。 一同:つながった〜(どよめく)。 DM:いやいや、ベック以外はここにいないんですよ(笑)さすがにしゃべりすぎたと判断したのか、番頭はそれ以上教えてはくれませんね。 ベック:いったい、何に使うんでしょう? ヘルメス:儀式の触媒になると言っていたっけなあ。 ここで番頭が口を滑らせたのは、シティ・アドベンチャーであまり情報を出し惜しみしてしまうと、セッションが停滞する原因となるから。ベックが自然にロールプレイできていたので、ここは情報を与えることにした次第。 また、今回のようにパーティが分散した状態だと、再度合流するまでは、情報の共有ができないはずだ。しかし、(キャラクターではなく)プレイヤーは同じ場所で顔を合わせているわけだから、ついつい他人のシーンにツッコミを入れたくなってしまうのは人のサガだ。そこで今回DMは、セッションを円滑に進めるため、ほどほどのツッコミは容認するスタンスを取っている。マスタリングは柔軟性が大事なのだ。 ●成長、成長! DM:それ以上の手がかりは得られませんでしたが、ベックはとりあえずピートランドへ戻ってきましたよ。 ヘルメス:オレの副次クエストの手がかりは得られたと考えていいかな? DM:はい、OKです。 ヘルメス:よくやった、ベック! DM:それでは、経験点の計算に移りましょうか。 D&D第4版では、成長というのは最も楽しい瞬間の一つだ。それまでの苦労が報われ、成長し、さらにスケールの大きな冒険に乗り出すことができるようになるのだから。 『プレイヤーズ・ハンドブック』のP.27には、レベルアップの手順が記されている。レベルアップのためには、経験点が必要だ。経験点を獲得するには、主要クエストや副次クエストを達成したり、あるいは遭遇時にモンスターを撃退したり、パズルを解いたりすることで、キャラクターに成長するきっかけを与えてやることが大事だ。 今回のアドベンチャーでは、主要クエストの経験点が1250、PC(プレイヤー・キャラクター)各人の副次クエストが250。ちなみにレベル2になるために必要な経験点は1000である。 DMは各遭遇の経験点をそれぞれ割り出していく。撃退したモンスターの経験点や、うまく解除した罠や危険要因に設定された経験点を合計し、それらをパーティの人数で頭割りしていくのだ。結果、レベルが2になるまでの要件を、無事に満たしていたことがわかった(つまり、レベルアップに必要な経験点1000を超えていた)。 ネディア:やっとレベル2になれるのね!(感涙) ジュス:俺様の秘術も、さらなる冴えを見せるわけだな。 ヘルメス:レベル2になると、汎用パワーを1つ、特技を1つゲットできます。 ネディア:汎用パワーって? DM:汎用パワーとは、自分や味方を支援するためのパワーです。一見地味だけど意外に役立つパワーが、たくさん用意されていますよ。 ネディア:(ルールブックを見ながら)レベルの半分に基づく数値(攻撃基本値、防御値、イニシアチブ、技能判定、能力値判定)のすべてが1上がるんですね、嬉しい。 ジュス:ヒット・ポイントも、キャラクター・クラス毎に決められた数値に【耐久力】修正値をプラスしたぶんだけ上昇するようですね。これでウィザードでも生還できそうです(笑) DM:それでは、残りの時間で、各自相談しながらレベルアップ作業を行なってくださいね。間に合わなかったぶんは、次のセッションまでに、家でやってきてもらってもかまいませんよ〜。 一同:は〜い! こうして2レベルにアップしたパーティ。遭遇での生還率も格段にアップした。さらに強力になって、新たな冒険に乗り出すこととなったのだ。 その後も、数回のセッションを重ね、テリクの街周辺を冒険しながら、“竜(ドラゴン)の予言”をめぐる情報を探し続ける一行。 このように、キャンペーン・ゲーム(1回きりのセッションではなく、継続するセッションのこと)では、大河ドラマのような複雑で壮大な物語が紡ぎ出されていくことになるが、5レベルになった時点から、話を再開させるとしよう。 (続く) “『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜の予言に選ばれし者たち 〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜” is unofficial Fan Content permitted under the Fan Content Policy.Not approved/endorsed by Wizards. 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2026年6月24日水曜日
第2回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4900
第2回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「蜂竜の森」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「蜂竜の森」の冒険譚です。 妖狐のフォルネ、魔猫のニャルラ。二匹のお供を連れたタイガの冒険です。 今回の目当ては「蜂竜の王蜜」。 蜂竜の巣の中でなければ手に入らないそれを、コーネリアス商会の料理人クックロッド氏の依頼で引き受けたタイガたちです。 しかし蜂竜は、スズメバチとドラゴンの両方の特性を兼ね備えたという凶暴かつ巨大な魔獣。 今回の依頼はかなり手ごわそうです。 【フォルネ(妖狐) レベル13 技量点:2 生命点:5 魔術点:4 従者点:8】 【装備】(人間形態でのみ効果あり) 片手武器 木盾(生命点+1) 鎖鎧(生命点+1防御ロール+1) <スキル> 【変化】人間形態に変化する。 【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。 【西法術:氷槍】魔術ロール成功で2点ダメージ 【持ち物】 1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。 2草避けのお守り 植物によるアクシデントへの対応力を上げる。 【ニャルラ(魔猫) レベル13 技量点:1 生命点:10 器用点:8 従者点:5】 【装備】なし <スキル> 【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない 【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。 【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。 【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。 【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。 【温存経験点】1 【タイガ 従者 荷物持ち】 【持ち物】 食料2 金貨5 1 蟷螂蜂毒 3回分 追加ダメージ1 巨大樹の迷宮P56 2 ロープ ●アタック01-3 タイガと水の魔物 【13 清流の主】 蜂竜の巣が発見されたのは、この森の奥深くという。 「百竜の森」と呼ばれる巨大な繭の方向へ向かうが、そこに至るまでの中間地点くらいらしい。 「『百竜の森』へ近づくほど、見たこともない奇妙な生き物が出てくるっていいます」 「丸々獣やメガレオンも出るって聞いたの〜」 フォルネとニャルラの会話は、同じ話題なのに興味の対象が明らかに違うのがおもしろい。 微妙にかみ合わない会話をしているが、お互い別に気にもしていない。 森はいかにも、熱帯の森といった感じの植生だ。 小道は、広い川に沿って奥へと延びている。ワニでも出てきそう。 いや、この場合ワニドラゴンとか、鰐竜とかになるのかな。 そんなことを考えていたら、川のほど近くでざばあっと、巨大な魚がはねた。 その水の勢いはすさまじく、僕にしこたま水がかかった。 そして次の瞬間、足首のあたりをものすごい力でつかまれ、僕は一気に水の方へと引きずり込まれたんだ。 その瞬間、僕はたしかに見た。 さっき、巨大な魚だと思っていたものには、コウモリのような羽根が生えており、さらには水かきのついた足のようなものがついていたこと。 これは断じて魚などではない。百竜の森で生まれた、魚と竜とが合わさった個体に違いない。 「タイガさまっ!」 僕の目の前で、銀毛の狐がせつなげな表情で前脚を伸ばし水に飛び込んでくる光景が見えた。 けれど、それは僕には届かなかった。 僕はしこたま水を飲み……そしてそのまま、意識は闇の底へと沈んでいった。 *** 次に僕の意識が浮かび上がった時には、口の中に空気が強引に押し込まれてきていた。 その空気は、僕の体内の抵抗をものともせずに、肺のあたりまでに達する。 次には、胸が上から強く繰り返し圧迫される。たまらなく痛い。そして苦しい。 その時、のどもとにひっかかっていた「なにか」が外れたような感覚がして、僕は「がはっ」とせき込んだ。 それと同時に大量の水を吐き出す。ぼんやりしていた意識が一気に鮮明になった。 覚醒。目が開く。 そこには、涙ぐみながら必死の形相で僕の胸をぐいぐいと押している、髪をふり乱した和装の少年の姿があった。 「……フォル……ネ?」 「はい。……はい! タイガさま、タイガさまっ!」 「たいがおきたっ!!」 僕はようやく、自分の身になにが起きていたのか理解した。 魚の怪物に襲われ、水の中に引きずり込まれ、大量の水を飲んで意識を失っていた。 それを助けてくれたのは、フォルネとニャルラだ。 「ありがとう……助けてくれて……」 力のない声でお礼を言うと、フォルネが泣き崩れた。 「違うんです。私は……届かなかったんです。タイガさまを必ず守ると誓ったのに、目の前でみすみす……」 「アタイがギリギリ間に合ったのよ!」 ニャルラがドヤ顔でふんぞり返っている。 「それでも、ありがとうだよフォルネ。意識を失くした僕を介抱してくれたんでしょ」 「たいが、目をあけないから心配したのよ」 「ニャルラもありがとう」 フォルネは顔面をぐしゃぐしゃにしながら、声にならない声を上げている。 僕は寝たままでゆっくりと腕を伸ばすと、フォルネの頭をなでて、もう一度「ありがとう」と伝えた。 「……あの怪物は、どうなったの?」 フォルネは感情の揺れが整わない様子だったので、ニャルラに尋ねた。 「逃げられちゃった……」 ニャルラはさらっと答えた。 逃げていったのならかまわない。戦っていたら、逆に危なかったかもしれないし。 僕は、自分が寝かされているのが道から奥に入った森の中ということに気づいた。 「あれは自分は魚だと油断させておいて、近寄った者を川に引きずり込む狡猾な魔物です。川の近くは危険と判断したので、奥へ」 フォルネはようやく少し落ち着きを取り戻してきた。 「タイガさま、この森はかなり危険です。依頼をキャンセルして、戻りませんか」 フォルネが、そんなことを言い出した。今の出来事がかなりショックだったのだろう。それはわかる。 「お〜みつほしいけど、がまんするよ。たいがしんじゃったら、やだもん」 ニャルラまでそんな風に言い出した。 僕は体を起こして全身を確認する。掴まれた足首が少しじんじんするけれど、動作に問題はない。 他に身体的なダメージはない。 僕は少し考えて、言った。 「まだ冒険は始まったばかりだし、もう少しだけ行ってみよう。それで、どうしても僕たちの力に見合わないと思ったら、引き返せばいい」 「……タイガさまが、そうおっしゃるなら」 「わかった。じゃあ、出て来た敵はぜんぶアタイがやっつけちゃうね」 僕たちは少しの休憩をはさんで、旅を再開した。 [プレイログ] ・清流の主は従者を狙う。救出には【筋力ロール】または【幸運ロール】で目標値5。 ・荷物持ち(タイガ)の場合、【筋力ロール】に+2の修正。 ・フォルネは魔術点、ニャルラは器用点のキャラクターのため修正の恩恵は受けられない。技量点にて判定。 →フォルネ、サイコロの出目2+技量点2=4 失敗 ・2人判定してはいけないと書いてないので、ニャルラも判定する。 →ニャルラ、サイコロの出目5+技量点1=6 成功! ●アタック01-4 竜人の娘キャティと勇者さま 【21 竜人の村】 道は徐々に川から離れたため、僕たちは少し安心した。 けれど、森の中なら森の中で、別の危険はある。注意しなければ。 やがて、少し開けた場所に出た。 柵などの囲いが見え、高い木々の上に家らしきものが建てられているのも見えた。 どうやら、小さな集落らしい。 やがて、木の上にいたであろう人物が降りてきて、僕たちのところに来た。 たぶん、この集落の見張り番だろう。 見たところ、弓矢で武装した若者といったところだ。 けど、それだけではない。頭には、竜を思わせる角と特徴的な耳がついていた。 人間ではないのだ。竜人といったところだろうか。 「子どもがこんな危険な森に来るとは。迷子とは思えないが、何をしにこの村へ来たのだ」 さあ、なんて答えよう。 とはいえ、森の中で生活を営んでいる人たちなのだろうから、別に嘘をついたり隠しごとをしたりはしなくても、いいかな。 「僕たち依頼を受けて、蜂竜の巣を探しています」 「アタイたち、お〜みつを取りにいくのよ」 それを聞いた竜人の若者の顔が、ぱあっと明るくなった。 「なんと、あの蜂竜を!」 それだけで、この村も蜂竜に悩まされていることがわかった。 「小さな冒険者さん方。我々はあなたを歓待しよう。どうぞ村の中へ」 僕たちは、あっさりと村へと通された。 村に入ると、ひとり、またひとりと竜人たちが寄ってきて、ちょっとした集まりみたいになった。 竜人たちは僕たちに興味があるみたいだ。 「ようこそ旅のかた。蜂竜と戦う者を、わしらは歓迎する」 竜人の老人がそう語りかけてきた。村の長老って感じの人かな。 「いえ、僕たちは退治しに来たわけではなくて……」 「王蜜が目当てなのだろう? それでかまわない。蜂竜と敵対することに変わりはないのだから」 そうして長老は語り始めた。 もともとこの村は、百竜の森の中にあった。 百竜の森の中はかなり特殊で、常に新しい魔物が生み出される場所でもある。 彼ら竜人もそうした中で集落を作り、協力して生き延びてきた。 しかし、百竜の森を統べようと目論むヒュドラクイーンと、どこにも所属せずに生きてきた竜人の村は相容れることができない。 竜人たちは不本意ながら、ヒュドラクイーンとことを構えることとなってしまった。 ヒュドラクイーンの配下たちの攻撃は退け続けていたものの、争いの絶えない生活に疲弊した竜人たちは、ある年、百竜の森の繭が解ける時を狙い、百竜の森から外界の森へと拠点を移したのだという。 「しかし最近、百竜の森との境界が消える『繭なしの日』に蜂竜が外界に出てきたのだ」 聞けば蜂竜は、百竜の森の中でもかなりの危険生物として駆除対象になっていたそうだ。 強さと凶暴さと繁殖力をあわせ持つ恐ろしいクリーチャー。それが蜂竜。 「そのため村は現在、蜂竜特別警戒体制を敷いておる。蜂竜退治のために必要なものがあれば、物売りのキャティに用立ててもらうと良い」 僕はキャティさんのところを訪ねてみることにした。 小さな集落だから、目と鼻の先だ。 「タイガさま、私は少しお手伝いをしてきます。皆で村の防備を固めているところだというので」 「アタイも! アタイもいく〜」 そんなわけで、キャティさんのところへは僕だけで行くことになった。 そこには、基本的な武器や防具はだいたい取り扱っている。 竜人は人間と同じような体型をしているから、同じ装備を使うことができる。 ほかには、トカゲ型の騎乗生物なども扱っていた。 僕たちの主戦力、フォルネとニャルラはこういった装備はできないし、騎乗生物を連れて歩けるだけの余裕もない。 だから僕は、非常食の買い足しをしながら、キャティさんと少し話をしてみた。 キャティさんによれば、この村の男の多くは戦士で、今も蜂竜の討伐に出ているという。 また、男ばかりでなくキャティの姉も戦士として戦いに赴いているそうだ。 「それから、私たちには頼りになる勇者もついているんですよ!」 キャティさんは誇らしげに言った。うっとりとしたその表情は、その勇者に心奪われているように見えた。 「あ、でもナイトくんのことちゃんと説明しとかないと。あの人誤解されやすいから」 どうやらだいぶ特徴的な「勇者」らしい。 「えっとね。まず人間じゃなくて……竜人でもない。どちらかっていうとカブトムシに近いかな?」 キャティさん、意味がわかりません。 「あ、そう。そうよね。でもちゃんとカブトムシから人型に変形もできるから」 僕はますます混乱した。 どう聞いても、魔物のたぐいにしか聞こえない。 「ナイトくんは余所から来たのに、この村のことをすごく気にかけてくれているの。百竜の森にいた頃は、ヒュドラクイーンの配下に囚われた私の姉を救出してくれたこともあるのよ」 その強烈な特徴はともかく、強力な味方なのだろうということはわかった。 「それでね」 キャティがさらに何かを言おうとした時だ。 「タイガさま、大変です」 フォルネが人間の姿で、髪をふり乱して駆けてきた。きっと人の姿で村の手伝いをしていたんだろう。 僕の前で、あわてて妖狐の姿に戻ると、早口で報告した。 「近くで蜂竜の目撃が!」 「まあ大変。今、村で戦える人たちは、蜂竜討伐のために出てしまってるのよ」 「ナイトさんも?」 「そう。一緒に。もしかしたら、取りこぼした蜂竜がこちらに向かってきたのかも?」 とにかく、こうしてはいられない。 村を守る人がいないのなら、僕たちが行かないと。 「ニャルラは?」 「フォルネまって〜」 言うのとほぼ同時にニャルラが追いついてきた。 「ニャルラ、これから蜂竜との戦いになるよ。いける?」 「わお。たたかいならまかせといて〜!」 ニャルラはいきなり戦闘モードでたかぶっていた。 「そのやる気でお手伝いもできたらよかったんですけど」 「フォルネひどい〜。アタイもおてつだいしてたのに〜」 「作業してる村人をつかまえて『あれなに?それなに?』って聞きまわるのはお手伝いとは言いません」 「フォルネのいじわる〜」 「でも、ここからは大活躍してくれるんでしょう? 期待してますよ」 「うん! もっちろん」 心なしか、フォルネがニャルラの動かし方を心得てきている気がする。 「じゃキャティさん。僕たちは行くから。村長さんによろしく」 「わかったわ。タイガくんも気をつけてね」 僕たちは竜人の村を出て、蜂竜が出現したという方角に向かった。 [プレイログ] ・竜人の村でお手伝い判定。筋力ロールで目標値は4。 ・フォルネ サイコロの出目4+技量点2で成功。「手がかり」入手。 ・ニャルラ サイコロの出目2+技量点1で失敗。生命点-1。(ニャルラの生命点10→9) ●アタック01-5 ニャルラと蜂竜遭遇戦 【33 蜂竜(戦闘兵)】 僕たちは、蜂竜に初めて遭遇した。 向こうから一直線に飛んでくるそれは、見た目は巨大な蜂に見えた。 僕なんかよりもずっと大きい。人間の大人くらいのサイズはありそうだ。 蜂竜が接近してくると、より細かなディテールがわかる。 ぱっと見は蜂みたいだけど、そのがっしりした胴体は、竜の皮膚に近い。 蜂ならもっと虫っぽいと思う。どちらかというと動物的なつくりをしているみたいだ。 にもかかわらず、手足は妙に節くれだっている。そこはいやに昆虫っぽい。 あちらにとっては出会いがしらの事故のような遭遇だろうけれど、僕たちにとっては予定した流れだ。 蜂竜は、僕たちのことなど眼中にないかのように、直線的な動きで蹴散らそうとしてくる。 僕たちは戦闘態勢を取った。相手の反応を見てから動くつもりはない。 【蜂竜 レベル5 生命点4 攻撃回数1】 まずはフォルネが大きく跳躍する。 しかし空飛ぶ蜂竜の高度には一歩届かず空を切る。フォルネは危なげなく着地した。 そこへ、木を蹴って反動でさらに高く跳躍したニャルラがとびかかり、下からアッパー気味の猫パンチを繰り出した。 それは蜂竜の顎の下に見事にクリーンヒットし、大きくのけぞる。 ニャルラはそのまま空中でムーンサルトのような回転をすると、しなやかな脚を伸ばして胴体に猫キック。 ニャルラの連続攻撃を受けた蜂竜は大きくバランスを崩すと、地上へ落下する。 しかし、ニャルラの攻撃はそれで終わりではなかった。 ニャルラは空中で三回転しながら地上の蜂竜に狙いを定めると、きりもみ回転を加えてドリルのような両足蹴り。 蜂竜は羽根で地面の砂を巻き上げながら、ギリギリでかわして飛び立った。 そして、明らかに分が悪いことを悟ったのだろう。くるりと回ると、さきほど向かっていたのとは別方向に飛び去っていった。 「やだ逃げられちゃった〜」 「大丈夫だよニャルラ。竜人の村とは全然違う方向だから。これは逃げられたんじゃなくて、追い払ったっていうんだよ」 「そなの? じゃ、アタイのだいしょうりっ?」 「そうそう」 実際、息をもつかせぬ連続攻撃だった。 僕たちは、蜂竜を相手にしても十分に戦える自信を持つことができた。 「それにしても気になります。蜂竜の動きは、僕たちを狙うというよりも、やみくもに直線的に向かって来ているように見えました。そう、まるで何かから逃れるように」 「つまり、向こうに行けば、蜂竜がおそれる何かがいる。もしかしたら、竜人の戦士たちが戦っているのかも」 「行ってみましょう」 僕たちは、蜂竜が飛んできた方向に向かった。 やがて森が開け、花畑のような場所に出た。 そこで僕たちは見たんだ。 空中で対峙する、巨大な蜂とカブトムシを。 [プレイログ] 【蜂竜 レベル5 生命点4 攻撃回数1】 ・第1ラウンド フォルネの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル ニャルラの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル 蜂竜の生命点4→3 ニャルラの追加攻撃 サイコロの出目6 クリティカル 蜂竜の生命点3→2 ニャルラの追加攻撃 サイコロの出目2+技量点1 外れ 蜂竜は逃走 【フォルネ(妖狐) レベル13 技量点:2 生命点:5 魔術点:4 従者点:8】 【装備】(人間形態でのみ効果あり) 片手武器 木盾(生命点+1) 鎖鎧(生命点+1防御ロール+1) <スキル> 【変化】人間形態に変化する。 【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。 【西法術:氷槍】魔術ロール成功で2点ダメージ 【持ち物】 1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。 2草避けのお守り 植物によるアクシデントへの対応力を上げる。 【ニャルラ(魔猫) レベル13 技量点:1 生命点:10→9/10 器用点:8 従者点:5】 【装備】なし <スキル> 【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない 【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。 【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。 【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。 【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。 【温存経験点】1 【タイガ 従者 荷物持ち】 【持ち物】 食料2 金貨5 1 蟷螂蜂毒 3回分 追加ダメージ1 巨大樹の迷宮P56 2 ロープ 「手がかり」1 ■登場人物 タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。 フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。 ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。 コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。通称コニー。オウカンワシにさらわれたところをタイガたちに救われる。 ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。コニーの父親。 クックロッド コーネリアス商会の料理人。蜂竜の王蜜取得に情熱を燃やす。 キャティ 竜人の村の道具屋。初出はゲームブック「百竜の森」。 ナイトくん カブトムシ形態から人間形態に変形できるキャティの「勇者さま」。 ■作品情報 作品名:蜂竜の森「ローグライクハーフ」d33シナリオ 著者:ロア・スペイダー 監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ(「蜂竜の森」収録) https://ftbooks.booth.pm/items/5361362 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月23日火曜日
Re:ゲームブックとホラー(後)@20代からのゲームブック126 FT新聞 No.4899
FT新聞編集長の水波流です。 本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』 元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。 (2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412) (編註:文中のコメントは全て当時のものとなっております) ☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆ おはようございます。丹野です。 お盆の季節が過ぎて、いよいよ残暑の時期になってきましたね。 残暑と言いつつ、暑さという意味ではむしろここからが本番という気もします。 日差しも厳しいですし、外出の際は帽子をかぶるなど、日差し対策や水分補給をお忘れなく。 ポケモンGOを遊ぶために外を歩いているという人が丹野の知り合いにもけっこうな人数いますが、それで熱中症をおこしてしまっては元も子もありません。 真昼間から歩き回るよりも、涼しい時間帯にしたほうがいいかもしれませんね。 ■恐怖は死に近づくこと 三回にわたってお送りいたしておりますホラーについての連載、いよいよ最終回となりました。 さて今回お話しするのは、恐怖とはいったい何か、ホラーとは何か、そしてゲームブックとどのようにかかわってくるか、という総まとめをお送りいたします。 恐怖というのは、不思議な感情です。 恐怖を感じたときには、脳内で体を委縮させ、体を非活性化させる機能があります。ノルアドレナリンという物質が分泌されます。この物質は、瞳孔を開かせ、集中力を高める効果があります。 すなわち、周囲を見回して逃げ道を探し、恐怖の原因から逃げようとする働きといえます。これは、生物として自然な反応ですね。危険が迫っていることを感じるための機能といえます。 しかし、恐怖の原因に対して逃げられない状況になったとき……すなわち、その結果がはっきりと予測されると、今度はまた違った反応をおこします。 多量に生成されたノルアドレナリンは全身に鎮痛作用をもたらし、意欲を低下させます。つまり、「蛇に睨まれた蛙」のような、身がすくんだ状態になるわけですね。 極端に言えば、これは「死」の準備といえます。少しでも死の苦痛を軽減しようとする働きなわけですね。 ということは、自分から恐怖を感じることは、少しだけ死に近づくことといえます。 ■なぜホラーは成立する? まとめると、恐怖は死に近づくことですから、ホラーというジャンルは、ちょっとだけ死ぬために読むものといえます。 ホラーの作者はちょっとだけ読者を殺しているわけです。やべえ、ちょっとだけ犯罪だ! とはいえ、実際には命には危険があるわけではないので、ホラーはその恐怖感、不安感によって、疑似的に死を楽しむジャンルといえます。 不思議なことに、人間は自分の「死」を楽しもうとする性向を備えています。 それがなぜなのかは学術的な研究の結果を待つことにしましょう。 ホラーは必ずしも何もかもいい結果になってハッピーエンド、というわけではありませんから、「ストレスからの解放によるカタルシス」だけが目的とは考えられません。 むしろ、破滅すること、自分自身が消えてなくなってしまうことすらエンターテインメントとして楽しんでいるように思えます。 自分が死ぬことを想像したり、取り返しのつかないことが起きてしまうことをイメージしたりと、マイナスの方向に想像力を働かせることは、案外に楽しい……というのは、これを読んでいるあなたも感じるところがあるのではないでしょうか。 ■想像力がすべて ホラーに関しては、映画よりも小説のほうが怖かった、ということはよく聞きます。 それはおもに、ホラーにおける想像力は主観的に働くものだから、ということはできるでしょう。 恐怖の感情は自分を守るために働くため、いかにその作品が自分と関係のあるものだと感じられるかが重要です。 さて、もうお分かりですね。 「自分」を起点に「想像」することに関しては、ゲームブックは非常に向いた媒体です。さらには、作者という他者が存在することもあり、自分自身のこととして受け取りやすい手法といえます。 ……というわけで、8月の前半を使って語ってきましたホラーについてのお話し、いかがでしたでしょうか。 これらのことを踏まえつつ、配信しておりますゲームブックを楽しんでもらえれば幸いです。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月22日月曜日
アランツァへのいざない FT新聞 No.4898
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ ワールドカップが好きだったのですが、最近は観ていません。 自分が選手として参加できないお祭りの時間は、自分がトライするボルダリングの時間に充てることに今はしています。 さて、今回の記事は「性差」についてです。 ◆女性冒険者について。 危険な職業に就くということは、この危険な世界において「種族的な全滅」を避けるために、何よりも優先されるべきことです。 そのため、アランツァにおいては、女性が冒険者になることは歓迎されます。 女性が危険な職業に就くことの妨げになる野卑な行い、強引なアプローチや下に見るような働きかけがまったくないわけではありませんが、一般的な見地としては「冒険者人口を半分にする行い」として忌避されます。 倫理的な理由よりも「1人でも多くの冒険者がいる必要性」が、アランツァ世界での女性のあり方に影響しています。 ◆性差の少ない世界観。 そもそもアランツァでは、男性と女性の肉体的な能力差が決定的に大きくはありません。体格も男女差が小さく、男性よりも背の高い女性が現実世界よりもずっと一般的で、珍しくありません。 そして、そのこと以上に決定的なのは「魔法の力」でしょう。 魔力、つまり魔術や奇跡などを行使できる力に関しては、男性のほうが優れていることはありません。 むしろ、女性のほうが優れているのではないかとする向きさえあります。 そのような背景ゆえに「冒険者としての男女差」は、取り沙汰されるほどにはなり得ません。 ◆中性について。 アランツァにおいては「中性」という性が明確に存在します。 性的な役割を担うことに忌避感を抱いた者が、ノードの濃い地域で生活を一定期間続けることでこの性へと変化します。 ノードは魔力が非常に濃いため、「その個体の根源的な欲求に従って、その姿を変える」力を持っているからです。 中性となったキャラクターは性的な特徴を持たなくなり、性的な欲求を失います。 アランツァではこのような個体を「中性」と呼びます。 これに対して妖精たちは「無性」と呼ばれます。 妖精たちは自分たちで増えることがなく、いわゆる性を持たないためそう呼ばれます。 ◆中性にも社会的役割はある。 アランツァの世界は中世ヨーロッパ的な価値観をある程度継承しているため、市民に「社会的役割」が求められるシーンがあります。 市民が求められる役割には大きくみっつあります。 そのうちのひとつは「人口を増やすこと」です。 市民はできうる限り家族をつくり、子どもというカタチで家族を増やし、養っていくことが理想とされます。 「中性」という存在はこの文脈において、外れた存在であるように映るかもしれません。 しかし、そうではありません。 アランツァでは養子が一般的な文化です。 この多産多死の世界では、親戚や友人、仲間の子を、子のないカップルや夫婦が育てることは珍しくありません。 つまり、中性であったり、同性愛者であったりする場合であっても、「養子をもらって育てる」という社会への参加方法があって、これが「立派な人物」であるかどうかの基準とされるわけです。 ◆冒険者と中性。 さて、市民が求められる残りの役割ですが……「社会に利益をもたらすこと」と「社会を損害から守ること」です。 このふたつは基本的に、職業を通じてまっとうされます……納税や仕事がそれにあたります。 冒険者という生き方は「社会を損害から守ること」という文脈において、大きく貢献していると考えられます。 それこそ、残りの役割(子どもの育成や納税など)がおざなりであっても、お釣りがくるほどに。 中性という生き方を選ぶとき、その人物は「養子をとること」を人生の選択肢に入れることになります。 しかし、自分の血がつながっていない子どもを育てることに対する抵抗感を覚える者も、そのなかにはいます。 そうした理由に後押しされて、冒険者になるキャラクターが存在する可能性もあります。 今回はこのあたりで。 それではまた!! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月21日日曜日
ローグライクハーフシナリオソムリエ その5『巨人殺し』 FT新聞 No.4897
◇◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ローグライクハーフのシナリオソムリエ(自称)の本日のおススメシナリオ その5『巨人殺し』 天狗ろむ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇◆ おはようございます! 「1人用TRPGローグライクハーフ」の楽しさに魅せられ、ローグライクハーフのシナリオソムリエ(※)を目指す編集部員、天狗(あまく)ろむです。 (※ワイン専門の給仕人ソムリエのように、皆様のローグライクハーフのシナリオ選びの際の手助けが出来る人になりたいな、くらいの意味です) さてこちらは、特に「個人制作シナリオの周知」を目的としたローグライクハーフのシナリオの紹介記事です。 ローグライクハーフのシナリオには、様々なクリーチャーが登場します。あなたにとって一番手強かったのはどんなクリーチャーでしたでしょうか? 個人的にはボスより道中のできごとのクリーチャーが手強かったりする印象があります。『黄昏の騎士』であれば〈ウォー・ジェスター〉だとか、出現数が10体以上になってしまった時の〈大ネズミ〉だとか……! そういう時に限って、「カチカチになったチーズ」を持っていなかったり……などなど、様々あるかなと思います。 冒険の道中のできごとであれば、【逃走】が可能ですが、中間イベントや最終イベントで待ち構えるクリーチャーとの戦闘はほぼ【逃走】することができません(天狗ろむが覚えている限り、『女王の肉』では逃げられる場合がありました。冒険としては失敗ですが……)。たとえそのボスが、【防御点】を持つ【巨大生物】で、あなたのPCには2点ダメージを与えられる攻撃手段がないとしても、です。本来であれば、ルール上では詰んだ、という状況でしょう……。 しかし、シナリオを通して知恵と策を総動員することで、本来なら倒すのが極めて困難な巨人を倒す……大ピンチからの逆転劇が出来るのだとしたら? やりがいもあるし、面白いに決まっていますよね! という訳で、シナリオソムリエシリーズ第5弾は、文字通りジャイアントキリングなシナリオ『巨人殺し』をご紹介いたします。webブラウザ上で遊べるWebアプリ形式のプログラミング技術も素晴らしい、もるもさんより頂きました。 まずはご本人から紹介して頂きましょう! ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞読者の皆様はじめまして、もるもと申します。 普段はnoteでローグライクハーフの自作シナリオなどを公開しております。 このたび拙作シナリオを紹介する機会を頂きましたので、僭越ながら記事を書かせていただきました。 ご一読いただけますと幸いです。 紹介シナリオ:「巨人殺し」 ジャンル:ファンタジー 形式:d33 世界観:共通世界(アランツァ) 難易度:普通 プレイ時間:15〜30分 適正レベル:13〜15 対象年齢:10-99歳 シナリオの公開場所:https://note.com/morumo16_7/n/ndfde2f17a9c8 本シナリオはWebブラウザ上で実行するWebアプリ形式で公開しています。 画面上のボタンをクリックすることで対応する出来事の内容が表示されます。また一部の出来事では、ゲームブックのように出来事の中で選択肢が表示され、選んだ行動によって展開が変化します。 ■シナリオのコンセプトについて ローグライクハーフには「巨大生物」という種類のクリーチャーが存在します。防御点1点を持つため、通常の攻撃ではダメージを与えることが出来ない非常に強力なクリーチャーです。まさにボスキャラとも言える存在ですが、その強力さ故に扱いが難しく、いつかシナリオに登場させたいと思っていました。本シナリオでは、主人公だけでなくNPCを含めた味方が一丸となって巨大生物に対抗する物語を描いています。 3部構成となっていますが、1回1回の冒険は比較的短時間でプレイ可能な内容になっていますので、お気軽にプレイしてみてください! ◇◆◇◆◇ ご紹介ありがとうございました! もるもさんの作品は、どれもweb上で遊べる仕様になっているのですが、まず遊びやすい! というのが特徴の一つかなと思います。次のできごとが何枚目であるのか、最終イベントは何枚目なのか、というのが、一人で遊んでいると分からなくなる事がたまにあったりします。もしかしたらうっかり屋の天狗ろむだけかもしれませんが……ですが、もるもさん式webアプリではその点はプログラム上でやってくれますので、とても安心ですね。選択肢が出てくるときは、選んだ方の展開しか表示されないので、選ぶ時のドキドキ具合は、ゲームブックで指定されたパラグラフに飛ぶ時の感覚と似ています。そうなってくると他の選択肢も気になるので、周回して遊ぶのもより楽しい作品になっているかなと思います。 あらすじとしましては……。 ラドリド大陸南部に位置する商業都市ナゴールの南、ブランシェン山から連なる山岳地帯が舞台です。 その山麓付近に、30フィートを越える、荒ぶる巨人が現れ、近隣の村々を襲っているのです。30フィートはメートルで言うと9.144メートルだそうですから、10メートルは優に越えているのでしょう。現代にあるもので例を出すなら、電柱が8〜10メートル。それでいて筋骨隆々、大きな棍棒を振り回してくるのですから、何の備えもない〈弱いクリーチャー〉ばかりの村人たちでは、とても太刀打ちできません。冒頭では、とある少年の家族が襲われるショッキングなシーンも……! 早急に巨人討伐を……といきたいところですが、ナゴールは北方に好戦的なドラッツェンが座しており、軍隊の大半はそちらの警備で動けません。南方カラメールとの国境の警備を行っている部隊が討伐に赴きましたが、返り討ちに遭い半壊してしまいます。そんな訳で、本来はナゴール市内の警護を主とする、イングリッド隊長率いる衛士隊に白羽の矢が立ちました。このイングリッド隊長は、もるもさんの作品『腐った金貨』にも登場している、頼もしく格好良い印象の女性です。 本来の警護も行いながら、難易度の高い任務を完遂しなければならなくなったイングリッド隊長は、冒険者達に協力を求めます。その求めに応じたのが、あなたのPC(主人公)という訳ですね。 まずは巨人の居場所を突き止め、次に対巨人の攻撃手段を探し、最後には討伐! という流れになっています。 今回の敵である巨人は、もるもさんのご紹介にある通り、「防御点」というものを1点持っています。これは1点ダメージの攻撃を無効としてしまうので、2点ダメージの攻撃でなければダメージを与えることができません。つまり、通常の【攻撃ロール】は通用しないのです。とは言え、主人公が2点ダメージを与えることのできる【特殊技能】を持っていなくても、シナリオを進めると対策方法が見つかる可能性があります。むしろ持っていない主人公にこそ、是非とも挑んで欲しいシナリオです。勿論、【氷槍】などを覚えていた方が任務の成功率はぐんと上がりますけれどもね! シナリオ1つ1つはd33形式で、1つにつき1回の冒険なのですが、今回のお話は3本仕立てのキャンペーン仕様です。舞台は一緒なのですがシナリオを1つクリアするごとに時間が経過しており、できごとによっては様々な変化があります。それもまた、徐々に巨人の被害が広がっている様を表していて、何とか食い止めなければ……! という気持ちになったりも。 また、今回の作品は巨人に村を襲われ、復讐を誓う少年と、厳しくも慈愛のあるイングリッド隊長の交流も見どころかなと思います。最後の方には、もしかしたらどこかで聞いた事もあるかもしれないワードも飛び出してきますよ。ヒントは、「世界で2番目に古いTRPG」。もるもさんにお尋ねしてみたら、「異国魔法ならぬ異世界の魔法ですね」との事でしたが、恐らくはアランツァと親和性がある世界なのではないかなと思っております。天狗ろむがそちらについてはまだまだ勉強中の身なので、これはこの辺りで切り上げさせていただきまして……。 シナリオタイトル通り、果たして『巨人殺し』を成し遂げることは出来るのか。 全てを失った少年の運命は如何に。 歯ごたえ抜群、激アツ&胸アツなストーリーは、クリアできた時に叫びだしたくなるほどの感激をもたらしてくれるでしょう! 是非ともあなたに遊んで頂きたい、おススメシナリオです! プレイしてみた感想は、FT新聞の感想フォームからでも、作者さん自身に直接でも、どうぞお気軽にお寄せください! それでは、今回はここまで。次回のシナリオ紹介記事にてお会いしましょう。 貴方に良き冒険のあらんことを! 天狗ろむでした! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月20日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第697号 FT新聞 No.4896
From:水波流 梅雨入りとともに庭で伸び始めたドクダミを摘んで、乾燥させ、焙煎して、ドクダミ茶に。 しかし癖がありすぎる風味に閉口して、なかなか飲む手が進みません……。 まだ庭にはだいぶ生えているのですが……。 From:葉山海月 妙な話ですが、今も起こり続ける殺人事件・戦争。 彼らは「幽霊」つーかそんな死後の存在が、「無敵の殺人鬼になって帰ってくる」のが怖くないんでしょうか? いやね。夏場だから怪談じみた妄想を…… From:中山将平 僕ら、今月6月28日(日)に以下の2つのイベントにサークル参加します。 ・「トロールコン名古屋1」開催地:ラルゴ会議室 ・「ゲームアンティーク2026」開催地:大阪・西九条 此花会館 配置:【03】 お近くの方は、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (く)=くろやなぎ (天)=天狗ろむ (葉)=葉山海月 (明)=明日槇悠 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■6/14(日)~6/19(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年6月14日(日)清水龍之介 FT新聞 No.4890 Re:オレニアックス生物学 Vol.4 『ウォードレイク』 ・過去の人気記事の再配信として、聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラント教授による、アランツァ世界のクリーチャーたちに関する「生物学」の講義をお届けしました。 今回のテーマであるウォードレイクは、ローグライクハーフにも【龍族】【騎乗生物】のタグをもつクリーチャー〈ウォー・ドレイク〉として登場します。莫大な維持コストと従者点を必要としますが、中級レベルの冒険者なら、敵として戦うだけでなく一緒に冒険することも可能です! 以前からFT新聞を購読されている方なら、ぜろ氏による『戦場の風』(著:丹野佑)のリプレイを読み返してみるのもオススメです[2025/03/05〜06/11、ゲームブック版+ローグライクハーフ版、全11回+4回]。今回の講義で語られたウォードレイクの強さや飼育の大変さについて、その実際がよくわかる展開・描写がありますよ! (く) 2026年6月15日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4891 アランツァへのいざない アランツァ百氏族3 ・FT書房が展開するファンタジー世界「アランツァ」について深掘りする本連載、今回のお話は「氏族」についての最終回です。 カラメールやゴーブなどを拠点とする氏族の他、最後の方には、失われた一族なんてものも……彼らの生き残りもアランツァのどこかにはいるのでしょうか? 何だかお話に繋がりそうな香りがします。 百氏族(正確には89氏族ですが)の中で、気になる氏族、好きな氏族はいらっしゃいましたか? 良ければ是非教えてくださいね! (天) 2026年6月16日(火)丹野佑 FT新聞 No.4892 Re:ゲームブックとホラー(中)@20代からのゲームブック125 ・『巨大樹の迷宮』『戦場の風』などの著者である丹野佑氏による、10年ほど前にFT新聞で連載されていたコラムの再録シリーズ。先週からは「ゲームブックとホラー」をテーマとする回を3週連続でお届けしています。 「ゲームブックが構造的に持っている要素のいくらかは、そもそもホラー的である」という丹野氏。今回は、次のパラグラフを探して移動する、というゲームブック特有の構造に着目し、そこで生じる適度な「間」や「ストレス」の意味について語ります。 今回の丹野氏の考察は、特に紙媒体のゲームブックによく当てはまるもののように思います。では、電子媒体のゲームブック、あるいは「ゲームブック風」のアプリや電源系ゲームの場合、こうした「間」や「ストレス」の要素はどうなっているのか……といったことを考えてみるのも面白いかもしれません。 (く) 2026年6月17日(水)ぜろ FT新聞 No.4893 第1回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第496回。また新たな物語が始まります。今回は『巨大樹の迷宮』に収録のd33シナリオ『蜂竜の森』。こちらに挑むのは、以前『巨大樹の迷宮』を見事クリアした、少年タイガと、妖狐フォルネ、魔猫ニャルラの一人と二匹。再びの登場です! 冒頭からクライマックスめいた展開で始まった今作。蜂竜とは? 王蜜とは? (魔)猫に蜂蜜って大丈夫なの? なんて色んな疑問もありますが、今回はプロローグ部分にあたりますので、その辺りをしっかりタイガたちと共に追っていきましょう。 (天) 2026年6月18日(木) FT新聞 No.4894 齊藤飛鳥・小説リプレイvol.45『銀鼠の微睡』リプレイ ・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥氏によるゲームブックリプレイをお届けしました。 今回は、3月22日(日)に公開された、かの電脳大先生の最新作! 『銀鼠の微睡』(FT新聞 No.4806) それを齊藤飛鳥氏が熱筆! 「大正時代を舞台にしているとのあらすじに、日本史好きかつ探偵小説好きの血が騒ぎ、さっそくプレイしました^^♪」と言わしめただけある、ところどころに香る「江戸川乱歩」を彷彿とさせるフレーバーは、さすがミステリ作家とうならされます! そのアレンジをご堪能あれ! (葉) 2026年6月19日(金)休刊日 FT新聞 No.4895 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (ジャラル アフサラールさん) 『ズィムララ美食紀行』 参考になりました。メソポタミアの伝説のキンピカ鎧を着た王様が出るゲームのアニメで主人公達がチーズケーキを御馳走されていましたが、実際に当時の粘土板にウルクの宮殿のケーキの記載に「バター1シラ、白いチーズ1/3シラ、デーツ3シラ、レーズン1/3シラ」と記されているそうで、美味い物を食いたいと言う欲望は昔からあるんですね。 (お返事:ふろふき大根) ジャラル アフサラール様、『ズィムララ美食紀行』をお読みいただきありがとうございます。 メソポタミアのキンピカの鎧の王様は、けっこう良いものを食べていたようですよね。アニメは拝見していないのですが、有名なレシピのようで、現代に再現しようと頑張った方がけっこういらっしゃるようですね。 叙事詩のエンキドゥがパンとビールで野獣から人に目覚めたように、美味しいものを追求する心は、人類が野性から文明へと向かうための「人間性へのエンジン」だったのだと感じます。 キンピカの鎧の王様は、別な冒険では三つ指のトカゲなども食されていましたっけね。 何千年も前の人々が、現代の私たちと同じ熱量で食を楽しんでいたと思うと、とても親近感がわきます。 遥か宇宙の彼方惑星ズィムララでも、移住したエヂプトの民が創意工夫を凝らしたレシピができていると思います。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月19日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4895
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月18日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.45『銀鼠の微睡』リプレイ FT新聞 No.4894
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる TRPG小説リプレイ Vol.45 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 御無沙汰しておりました、齊藤(羽生)飛鳥です。 先日、FT新聞様を拝読した折り、絶妙なタイミングでゲームブック『銀鼠の微睡』が掲載されていました。 大正時代を舞台にしているとのあらすじに、日本史好きかつ探偵小説好きの血が騒ぎ、さっそくプレイしました^^♪ 本当の主人公は書生風の青年なのですが、「主人公は自分と同性にする」という鋼鉄のマイルールにより、主人公は女学生になりました。 ところで、せっかく舞台が大正時代なので、雰囲気を出そうと、主人公は江戸川乱歩好きになりました。当時の自称良識ある紳士淑女からは「変態小説」と見做されていた探偵小説が好きな主人公は、クトゥルー世界に迷いこまずとも、すでに茨の道を歩んでいたことになります。 さらに大正の雰囲気を出そうと、似非旧字体な話し方を主人公にさせてみました。あくまで「似非」なので、表記や文法にミスがあると思いますので、その辺りは生暖かい目でお見守り下さいませm(_ _;)m 最後になりますが、今月6月22日に拙作『御成敗式目の殺人』(中央公論新社)が刊行されます!! 今回は、北条泰時と北条時房を探偵役に据え、彼らが御成敗式目作りと謎解きにいそしむ本格ミステリであり、なおかつ、私の作品タイトルで初めて「殺人」がつく作品です^^ ※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ゲームブック 『銀鼠の微睡』リプレイ 齊藤(羽生)飛鳥 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■序章 大正十五年、秋。 帝都・東京は、奇妙な色の霧に包まれてゐます。浅草の活動写真の帝國館も、寛永寺に保管されている頭のもげた上野大佛様も、何もかもあの霧の海の底に沈んでしまってゐるのでせう。 斯様な感慨に耽ったのち、わたし──下げ髪を白いリボンでまとめて紫の矢絣の小袖と海老茶袴の女学生・霧生千秋(きりう・ちあき)──は、有り得ないものを目の当たりにしてしまいました。 三年前の関東大震災で倒壊した浅草十二階……凌雲閣が、まるでもぎ取られた指先のやうに霧の海から突き出してゐるのです。 嗚呼、どうしたことでせう。 友人から今年の一月に出版された江戸川亂歩の『屋根裏の散歩者』を借りて、彼女の家を出ただけなのに、この奇妙かつ不可解な光景。胸騒ぎを覚ゑずにはゐられません。 早く家に帰ろうと、わたしは速足で歩き出しましたが、しばらくもしないうちに自分が何処を歩いているのか分からなくなってしまいました。 『屋根裏の散歩者』を胸に抱きながら、恐る恐る歩き続けると、カツン、カツンと自分の編み上げブーツの音だけが、不自然なほど明瞭に響きます。 ふと見れば、路地の角に一軒の古書店が佇んでゐます。看板には『星辰堂』と掠れた文字で書かれてゐました。店主と思わしき、顔に深い皺を刻んだ老翁が、店先で一冊の黒い装丁の書物を広げてゐます。表紙には忌まわしい星のやうな紋章が焼き付けられてゐました。 老翁は顔を上げず、掠れた声で呟いてゐます。 「……お若いのは、夢を探しておられるのかな。それとも、目覚めを……」 これは、亂歩がサインに書き添える「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」を踏まへてゐるのでせうか。 「あなたも亂歩がお好きなのですか。そちらも亂歩の本なのですか? 」 わたしが歩み寄り、その書物について問ふと、老人はニタリと不気味な笑みを浮かべました。 「これは、海の底に沈んだ都市の詩集さ。あるいは、星々が正しき位置に並んだ時にのみ読める地図、とも言える」 差し出された頁には、文字とも図形ともつかぬ、のたうつ触手のやうな紋様が蠢いてゐます。それを見た刹那、わたしの脳裏に、水死体のやうな青白い肌を持つ巨大な異形が、深海で微睡む光景が走馬灯のやうに駆け巡りました。 強烈な眩暈が、わたしに襲ひかかります。 わたしは心を削られるやうな思ひをしながらも、その書物に強い好奇心を抱いてしまいました。 「その詩集の作者はどなたなのですか?」 わたしが書物に手を伸ばすと、老人の姿は霧のやうに掻き消えてしまいました。 手元に残されたのは、冷たく湿った革表紙の感触だけです。表紙には、銀色の糸で『ルルイエ異本』と刺繍されてゐます。 耳鳴りのやうな、あるいは無数の羽虫が這い回るやうな低い声が聞こゑてきます。 「……開け……門を……」 わたしがその頁をめくると、周囲の景色が激変したではありませんか。関東大震災よりも激しく浅草の街並みは崩れ去り、垂直にそびえ立つ巨大な石柱と、非ユークリッド幾何学に基づいた歪な建築物が並ぶ、太古の都市へと変貌を遂げていきます。 空には、本来あるはずのない「二つの月」が浮かんでゐます。 わたしは理解しました。ここは帝都であって帝都ではない場所なのだ、と……。 わたしは、背筋に冷たいものを感じます。 背後で老翁の低い笑ひ声が聞こゑた気がしましたが、振り返る勇気はありませんでした。 霧はますます濃くなり、ついには数歩先も見ゑなくなりました。ふと、足元に違和感を覚ゑました。石畳だったはずの地面が、じっとりと湿り、まるで巨大な生物の舌の上を歩いてゐるやうな、厭な弾力を帯び始めてゐます。 どこからか、笛のやうな、しかし生き物の鳴き声のやうな、不協和音が聞こゑてきます。 「テケリ・リ、テケリ・リ……」 意識が覚醒した刹那、わたしの肺腑を突いたのは、沈殿した時間と微かな腐敗臭が混ざり合う、かの忌まわしき洋館の空気でありました。大正建築の粋を極めたはずのその広間は、しかし柱の角度がどこか狂っており、視神経を苛む非ユークリッド的な歪みを帯びてゐます。壁に掛けられた古時計は、心臓の鼓動を嘲笑うかのやうに逆行し、硝子窓の向こうには、この地上のものではない、悍ましき紫色の星辰が脈動してゐました。 わたしは、血のやうな赤の絨毯が暗い奥底へと続く、廊下を凝視しました。すると、かそけき光が見ゑます。 「無断でお邪魔して恐れ入ります。わたしは、高等女学校の学生・霧生千秋といふ者です。どなたかいらっしゃいますか?」 わたしは何度もこの館の住人へ呼びかけながら、光を頼りに廊下を進みました。 廊下の分厚い絨毯は、わたしの編み上げブーツの足音さえ吸収してしまいます。 この世界に、わたしという人間は実在してゐるのでせうか? そんな不安とも愚問ともつかない思ひがよぎりましたが、わたしは気を取り直し、お守りのやうに『屋根裏の散歩者』を抱きしめて廊下の彼方のかそけき光へ進み続けました。 ようやく光に到達すると、広大な食堂でした。 そこには、蝋燭の火が青白く揺らめいてゐます。食卓を囲む黒天鵞絨の燕尾服に身を包む紳士たちが見ゑました。ようやく出会えた館の住人たちです。わたしは安堵しました。 喜び勇んで食堂に入り、彼らへ声をかけやうとした刹那、彼らの襟元から覗く首筋が鱗に覆われていることに気がつきました。 「あなた方は、いったいどのやうな方々ですか?」 失礼かもしれませんが、わたしはさう問はずにはいられませんでした。 「我らは名もなき『モノ』たちです」 彼らの一人が答えてくれました。しかし、それきり貝のやうに黙りこんでしまいました。 彼らの前の皿には、煮えたぎる胆汁のやうな液体の中で、死んだ魚の眼球に似た何かが、不気味に明滅しながら蠢いてゐます。マグロの目玉でせうか。だとしたら、異国風な味付けを施されているのでせう。このやうな料理は、生まれて初めて見ます。 その時、これまで影のやうにテーブルのそばにゐた、感情を失ったやうな面構への給仕が、わたしをテーブルに導きます。 さうして、胃の腑を焼くやうな、冒涜的な芳香を放つ料理を口にするよう促してきました。 「サアサ、お嬢さん。召し上がれ」 名もなき『モノ』たちが、これまでの沈黙を破り、声をそろへて料理を勧めてきます。 招かれざる客であらうわたしへ、親切にも食事を勧められては、断るわけにはいきません。 「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えてさせていただきます」 わたしは、ナイフとフォークを手に取り、食事を始めました。 「いかがです。美味なものでしょう」 名もなき『モノ』たちが、わたしに問ひかけてきます。 「ええ。肉片を噛み締めた瞬間、わたしの脳髄は宇宙の深淵に投げ出されました。時空の壁が崩壊し、数億年前の地球を支配していた多頭の怪物の記憶が流れ込んでくるやうな味はひです」 まさか、せっかく振る舞っていただいた料理を不味いとは言へず、わたしは言葉を選んで取り繕ひました。 けれども、体は正直です。 あまりの不味さのためでせうか。喉元からは人間のものではない咆哮が漏れ、指先は急速に水掻きを伴う鉤爪へと変貌していきました。 沸き上がる破壊衝動に身を任せ、わたしは獣として覚醒しました。 もはや、わたしの骨格は人間の形状を保ってゐませんでした。背中を突き破って生えたのは、膜状の巨大な翼。視界は三基の色層を捉へ、思考は人類の言語を捨て去り、外なる神々の意志を直接受容し始めました。 いくら料理が不味かったとは言へ、我を忘れたにもほどがあります。 このままでは、せっかく友人から借りた『屋根裏の散歩者』を読めなくなってしまいます。 いいえ、これからも紡がれていくであらう江戸川亂歩の作品を読めなくなるなど、耐えられません。 わたしは最後の精神力を振り絞り、かつて「人間」であった自分の、消えゆく残影を追い求めました。 追い求めるうちに、わたしは雨に濡れた浅草の路地に立ってゐました。けど、そこにあるのは馴染み深い帝都ではありません。鏡合わせのやうに左右が反転し、人々の顔は溶け落ち、ガス燈からは黒い煙が立ち昇ってゐます。まるで、地獄絵図のパノラマのやうです。 これはわたしの脳が作り出した、最後の「現実の残骸」なのです。 誰に教わるともなく、わたしは直感でわかりました。 では、今のわたしは誰でせう? わたしは鏡の街の深奥へ、自己の正体を確かめに向かひました。 深海に揺らめく海藻のやうな街路樹。 異形の獣となったわたしさえ霞むやうな、冒涜的な容姿の通行人たちの間をすり抜け、二つの月に見下ろされながら、わたしはただひたすら街の深奥と思われる場所を目指して突き進みました。 コツッ、コツッと、編み上げブーツの音ばかりがわたしの耳に響きます。 やがて足音は、コォン、コォンに変わっていきました。 ふと足下を見れば、石畳の歩道は分厚いガラス道へと変わってゐるではありませんか。 ガラスの下には、橄欖石の色をした油めいた海中を、青銀色の背鰭を煌かせた赤い目をした魚の群れや、どす黒い血の色をした蛸が泳いでゐます。 悪夢のやうな光景を目の当たりにしたわたしは、我武者羅に走り続けました。 気がつくと、わたしは神田の古本屋の前で、『屋根裏の散歩者』だけでなく、手にしていたはずのない一冊の古書を抱えて立ってゐました。帝都のガス燈の光は相変わらず優しく、すべては幻覚だったかのやうに思へます。けれども、店頭にかけられた鏡を覗き込めば、そこにはわたしの皮を被った「何か」が、爛爛とした眼光でこちらを嘲笑ってゐました。 「恐怖を秘し、沈黙の中で余生を過ごす?」 わたしの皮をかぶった「何か」はさう問ひかけてきました。 「ええ。余生は絶対に欲しいです。わたしはここで死ぬわけにはいかないのです。だって、まだ、『屋根裏の散歩者』も、江戸川亂歩の本のすべてを読んでいないのですから」 わたしの願いを嘲笑うかのごとく、わたしの皮をかぶった「何か」は深いな嘲笑を続けました。 「何が可笑しいのですか? 単純な恐怖しか生み出せないあなた方より、複雑怪奇で極彩色、剰へ心を豊かにする恐怖を与へてくれる江戸川亂歩の物語の方がよほど偉大です」 わたしが正気を保とうと足掻き、叫び、わめくうちに、銀鼠の霧は深く、重く、わたしの肺腑を満たしていきます。 どの道を選ぼうとも、この帝都に蔓延る「這い寄る混沌」からは逃れられないのです。 しかし、『屋根裏の散歩者』を読む前に、死にたくありません。わたしは、渾身の力で古書を放り捨てました。 古書は虹色の放物線を描いて二つの月へと飛んでいき、それと同時に紫の星辰に水面のやうな波紋が広がっていきました。これに伴ひ、周りの景色が大きく揺らぎ出していきます。 わたしは、必死に『屋根裏の散歩者』を抱きしめました……。 『衛府帝新聞』大正十五年十月一日(金)の記事より抜粋 ●海老茶式部、一夜にして白髪に 『屋根裏の散歩者』が謎を解く鍵か 「九月三十日未明。浅草の路地裏で、『屋根裏の散歩者』を抱きしめた一人の女学生が倒れているのが発見された。 近隣に住む友人の証言で、彼女は骨董商霧生九太郎氏の次女で高等女学校の学生霧生千秋(十七)と判明した。 体には外傷一つなかったが、その髪は一夜にして銀鼠色に染まり、瞳からは光が失われていた。 彼女はうわ言のように、誰も知らない神の名を呼び続けているという。 ただ、その神の名に紛れ、ときどき「大亂歩、大亂歩」とかろうじて聞き取れる言葉があった。 我ら衛府帝新聞記者達は、作家江戸川亂歩氏と心霊学者森梟夫氏の二名に意見を聞きに行く所存である。……」 『銀鼠の微睡』リプレイ── 完 ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 齊藤飛鳥: 児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。 現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。2026年春に、7巻が刊行。 大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)、同年5月29日『歌人探偵定家 弐』が刊行。同年6月22日には、『御成敗式目の殺人』(中央公論新社)が刊行予定。 初出: 本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。 ■書誌情報 日曜ゲームブック 『銀鼠の微睡』 著:森梟夫 監修:水波流 2026年3月22日FT新聞配信 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月17日水曜日
第1回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4893
第1回【蜂竜の森】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「蜂竜の森」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ●蜂の騎士VS甲虫の騎士 人の身体ほどもある巨大な二匹の昆虫が、空中で激突を繰り返している。 二匹は円弧を描くように動き、体当たりをし、また離れる。 一匹は黄色と黒の特徴的な縞模様の、樽のごとき胴体を持つスズメバチ。 もう一匹は優雅に湾曲した二本の長いツノが特徴的なカブトムシだ。 僕たちはその状況を、地上から見守っている。 ここは森の中の開けた場所で、色とりどりの花が咲き乱れる花園のようになっている。 けどその花園は、ところどころから煙と火の手が上がっていた。 巨大なスズメバチが発射する赤熱化した針によるものだ。 やがて、巨大なスズメバチは、空中でなんと人型に「変形」した。 左腕に鋭い針が飛び出すシールドを構え、直線的なシルエットのそれは、さながら「蜂の騎士」だ。 「ジジ……ギギギギ……」 顎を軋ませるような叫び。 対する巨大なカブトムシもその動きに対応し、同様に人型に「変形」していた。 「チェーンジ! ヘラクレスナイト!!」 こちらは、僕たちにもわかる言葉で変身のかけ声を放っていた。 「かぁ〜っこいい!!」 僕と一緒にいる、夜空に星をちりばめたような艶やかな毛並みの子猫が、瞳をキラキラさせて感嘆の声をもらす。 僕も同じ思いだった。巨大な昆虫が人型に変形して戦うなんて、ロマンが過ぎる!! 戦いの危地にあることも忘れそうだ。 「タイガさま、危ない!」 僕と一緒にいるもう一匹、銀毛で三本尻尾の狐がそう警告する。 変形した蜂の騎士は、目の前のヘラクレスナイトではなく、地上にいる僕たちを狙ってきた。 僕たちの方に向かい、針のついた左腕を伸ばす。そこから、火炎が放射された。 「む。いかん」 ヘラクレスナイトの動きは素早かった。 僕の前に立ちはだかり、甲虫の盾でその炎を防ぎきる。 「平気か少年。安心したまえ。君は私が守る」 「ありがとうございます。フォルネ! ニャルラ!」 「いきます!」「アタイも!!」 僕の身の安全が確認できたところで、銀毛の狐フォルネと、星空色の子猫ニャルラは蜂の騎士に向かって突進していった。 「ふむ。ならば見せてもらおうか。君のお供たちの実力を」 僕の前で盾になりながら、ヘラクレスナイトは楽しげにそう言ったのだった。 ***** 僕はタイガ。銀毛の妖狐フォルネと、星空色の魔猫ニャルラを連れて旅をしている。 ここから、どうして僕たちが蜂の騎士と戦うことになったのか、そうして、その先にある今回の冒険の目的について、お話していくよ。 ■ローグライクハーフとは ——想像の、旅に出よう。 ローグライクハーフのリプレイへようこそ! 「ローグライクハーフ」は、TRPGのように遊ぶこともでき、ゲームブックのように遊ぶこともできるという両者の中間のような位置づけのルールです。 1人でもプレイできますし、3人まででTRPGのように遊ぶこともできます。 その内容はランダムダンジョン。サイコロを振ってイベントを決め、起きた出来事に対処します。 同じイベントに行き当たらないような工夫がされているのもポイント高いですね。 簡単に遊ぶには、とても良くできたシステムなのです。 そしてリプレイは、そんなローグライクハーフのシナリオを実際にプレイした様子を物語風に記述したもの。 自分がプレイした様子を、想像力のおもむくまま、冒険小説として仕立てています。 さらに、実際にどんなプレイをしたのかの[プレイログ]もついています。 プレイ風景を知りたい方、自分のプレイとの違いを楽しみたい方、純粋に物語を楽しみたい方、いろんな楽しみ方ができる、それがリプレイの魅力です。 ●作品紹介 ぜろです。 今回挑むのは、ローグライクハーフ「蜂竜の森 〜竜の蜜は危険なお味〜」になります。 「蜂竜の森」は、ローグライクハーフのサプリメント「巨大樹の迷宮」に収録されているd33シナリオです。 「蜂竜の森」と同じく、カラメールという都市の周辺を舞台にした作品ですね。 目的は、「蜂竜の王蜜」なる特別な食材を手に入れること! そこで、「巨大樹の迷宮」で活躍した、タイガ、フォルネ、ニャルラに再登場してもらうことにしました。 だって、こんなおいしそうな依頼、ニャルラが飛びつかないわけないですものね。 でも待って。その依頼、本当に受けて大丈夫なの? 蜂蜜は、人間の赤ちゃんには与えてはいけない食材のひとつ。 それは、人間の赤ちゃんは蜂蜜に含まれる可能性があるボツリヌス菌を無害化する力を持っておらず、健康を害するリスクがあるためです。 「蜂竜の王蜜」はもちろん、蜂蜜と同じではありませんが、同様の特性があることは字面から想定できます。 ちょっと調べたところ、猫に蜂蜜を与えるのは問題ないようです。 しかし、それには条件があって「子猫には与えてはいけない」とありました。 そしてニャルラはまだ子猫。 王蜜と蜂蜜、猫と魔猫の差異はあれど、与えるのはあまりよろしくないようですね。 プレイヤーはそんな予備知識を得ておりますが、それで止まるニャルラではありません。 さて、食材を求めるこの冒険がどのような経過をたどり、どのような結末を迎えるのか、皆さまと一緒に追いかけたいと思います。 その前に、私ぜろによる「巨大樹の迷宮」ローグライクハーフリプレイをお読みでない方のために、主人公たちのことをもう少し詳しく説明させていただきましょう。 まずは人間の少年タイガ。 この物語の主人公です。年齢は11歳になるかといったところ。 ただし、ローグライクハーフのルール上は、「戦わない従者」の「荷物持ち」という役割になります。 ハルトという人物の行方を追っているという目的がありますが、行方の手がかりはつかんでおらず、その理由はまだ明かされていません。 困りごとを抱えた人物を「ほっとけない」性格をしており、そのことでいろんな事件に首をつっこんでしまうタイプです。 続いて、フォルネ。 ヒーローズオブダークネスにて紹介される<妖狐>という種族です。妖力を持った狐のあやかし。 三本尻尾の銀毛の狐。和装の美少年に【変化】できますが、基本は狐モードです。 タイガのことを心底大事に思っており、彼のためなら命を差し出すこともいとわないという危うい側面もあります。 ルール上は、タイガはフォルネの従者ということになります。ストーリー上は逆転していますが。 そして最後はニャルラ。 ヒーローズオブダークネスにて紹介される<魔猫>という種族です。高い知能を持つ猫のクリーチャー。 いつも艶やかな毛並みを「星空」にたとえられています。 魔猫は本当は巨大な猫なのですが、このリプレイの方の世界観に寄せて、魔猫の子猫にしてしまいました。 ちっちゃな気まぐれ猫ちゃんです。 でもタフネスで、抜群の戦闘力を持っています。 このキャラクターたちの着想は「ポケモン」にあります。 そのためこのリプレイは、本来のアランツァのダークな世界観よりも、ややコミカルで明るい方向性を目指しています。 だからこんな少年が世界を旅していても、軽いツッコミしか入りません。 主人公たちだけでなく、その他の登場人物やクリーチャーたちも、ややアニメ調のノリや外見を意識していただけると良いですね。 それでもたまに、アランツァ世界の過酷さとか設定のシビアさが顔をのぞかせることもあるかもしれません。 このひとりと二匹の初登場は、「巨大樹の迷宮」リプレイ。 そこで彼らは、オウカンワシにさらわれた「コーネリアス商会」の当主の娘コンスタンサ(愛称はコニー)を、巨大樹を登りつめて助け出しました。 さらには頂上にて、巨大樹が枯死しかけている事態を発見し、対処したのでした。 この物語は、そんな彼らがカラメールのコーネリアス商会を尋ねたところから始まります。 さて、私はうっかりさんなので、基本的なところで根本的な勘違いをしたまま、あるいは堂々と間違った解釈をして突き進んでしまうことがあるかもしれません。 だから、私のプレイにとらわれず、みなさんはみなさんのローグライクハーフライフを送ってください。 リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。 あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。 また、本リプレイではランダムダンジョンのルールにのっとり、サイコロを振ってイベントを決めながら冒険を進めていきます。 サイコロを振ってイベントが決まったら、イベント番号と簡単な内容を示し、話を進めていくこととさせていただきます。 彼らの織りなす冒険を、ぜひ楽しんでください。 ●アタック01-1 ニャルラと蜂竜の王蜜 ここは冒険都市カラメール。 僕たちがコーネリアス商会にお世話になって、十日くらいが過ぎていた。 「ニャールちゃんっ」 コニーが呼びかけるとニャルラは、「アタイはそんなに安い女じゃないのよ」と言いながら、全力でじゃれついている。めちゃくちゃ楽しそうだ。 僕は小判を模したふっくらとした焼き菓子をいただきつつ、湯呑に注がれた熱いお茶をすすって、ほっと一息。フォルネは僕の膝の上ですっかりくつろいでいる。 僕たちは、さきの冒険でオウカンワシにさらわれたコニーさんを助け出した。 そのとき、別の用事があってすぐにカラメールに行けなかったから、後で行くねって約束していたんだ。 それで、巨大樹の冒険を終えたあと、ようやくコーネリアス商会を訪ねた。 コーネリアス商会の当主、ヴァンダービルドさんは僕たちを歓待してくれた。 コニーさんが学園に行っていて不在だとかで、会いたがっているから戻るまで待ってほしいと懇願され、そのまま滞在することになった。 コニーさんは一昨日戻って来たんだけど、今度はそのコニーさんから引き留められて、ずるずると居残っているって状況だ。 ヴァンダービルドさんが僕にお礼をしたいというので、僕は、僕の旅の目的である人探しのことをお願いした。 ハルトの特徴を伝えると、ヴァンダービルドさんは、商会の総力を挙げて探そうと約束してくれた。 けれど、今のところは有力な手がかりは得られていない。もしかしたら、この地方にはいないのかも。 そろそろ、次の場所に旅立つころあいかもしれない。 ヴァンダービルドさんは忙しく動き回っている人なので、いつもいるわけではない。 ここまでお世話になったのだから、勝手にいなくなるのも気が引ける。 そう思っていたら、ちょうどタイミングよく、ヴァンダービルドさんの方から僕のところに会いに来てくれた。 ヴァンダービルドさんは、もうひとり壮年の男性を連れていた。僕が知っている人だ。名前はクックロッドさん。 いつもおいしいお菓子を届けてくれる、コーネリアス商会お抱えの料理人。実はさっき食べてたお茶菓子も、クックロッドさんが持ってきてくれたものだ。 僕の方から、そろそろ出発しようと思うんです、と切り出したところ、ヴァンダービルドさんは「まあ、待ちなさい」と引き留めてきた。 でも、いつもの引き留め方とはちょっと違う。何か理由があるっぽい。 「実は今、カラメールに『非常事態宣言』が発令されていてね」 非常事態宣言?! それは、ただごとではない響きだ。 「いったいなにが起きているんです?」 「タイガくんは、『百竜の森』を知っているかな?」 そう尋ねられたけれど、僕にはわからない。 僕は旅人。ここで育ったわけじゃないからだ。 ヴァンダービルドさんは説明してくれた。 カラメールからやや離れたところにある白い繭に覆われた森。 そこが「百竜の森」だという。 その森の中には、未知で異形なクリーチャーが生み出され続けている。 特に竜の形態をしているものも多く、それでつけられた名が「百竜」というわけだ。 そして、ここからが肝心なところだ。 この「百竜の森」の繭は、年に一度、張り直しの時期を迎える。 それは繭の中にいる、未知なるクリーチャーたちが、外界に出てくるタイミングでもある。 「そうした未知のクリーチャーを狩るために発展したのがここ、冒険都市カラメールというわけだ」 そうだったんだ。 歴史を学んでいるみたい。 「今出ている非常事態宣言。これは『百竜の森』の繭が解けた際に、『蜂竜』が放たれたことによるものなのだ」 蜂竜? 「そう。スズメバチとドラゴン、両方の特性を合わせ持つ、巨大で恐ろしいクリーチャー……」 それが、カラメールと百竜の森の間の森林地帯にて巣作りをしているところが目撃されたのだという。 繁殖されると、このうえなく厄介な魔物。 「なるほど。それはたしかに非常事態ですね」 フォルネも深々と納得して頷いている。 「そんなわけで、君たちには安全のためにも、非常事態宣言の解除まではここにいてもらいたいのだよ」 内容については理解した。でも、僕の関心はそこではなかった。 その話をしに来たのなら、どうして料理人のクックロッドさんが一緒に来ているの? すると途端に、クックロッドさんの目が輝きだした。彼の興味を引くなにかがあるということが一目でわかる。 「実は『蜂竜』の巣で生成される『王蜜』は、極上の食材なのだ!」 「ごくじょ〜のしょくざい!?」 そこまで話もろくに聞かずにコニーさんとじゃれていたニャルラが、ここぞとばかりに食いついてきた。 「カラメールは蜂竜の討伐隊を組織するだろうけれど、我々商会としては『蜂竜の王蜜』の入手を目的とした冒険者を募るつもりでいるわけさ」 クックロッドさんの口調は明らかに熱を帯びている。 このチャンスを逃さずに、蜂竜の王蜜を手に入れたいというみなぎる強い意思を感じる。 そしてニャルラはそれに完全に同調していた。 「はちりゅ〜のおうみつ……味わってみた〜い」 「一口なめるだけで天にも昇るほどの、至高の甘味。それを用いられた料理はいずれも高級にして極上究極の一品となる」 「はわわ〜〜」 僕は、ニャルラが次になにを言うのか、予想がついてしまった。 きっと、蜂竜の王蜜を取りに行こうと……。 「たいが! いこ! アタイたちも、はちりゅ〜のお〜みつ、とりにいこっ!」 僕が予想しきるより早くニャルラが言い出した。 「お待ちなさいニャルラ。子猫のアナタは、蜂蜜をあまり食しては……」 フォルネがそんな豆知識を披露しかけるけれど、ニャルラのほしがりさんは留まるところを知らなかった。 「ハチミツじゃないもん。お〜みつだもんっ」 「実際には蜂蜜を用いたお菓子もお出ししています。調味料として少量使う程度なら問題ないのでは」 「ほらねっほらねっ」 じゃあ、次の冒険は、蜂竜の王蜜探しで決まりかな。 「待ちなさい。君たちの実力は娘の救出で十分理解しているつもりだが、それでも蜂竜はかなり危険な相手だ。倒すことが目的でなくとも、巣の中にある王蜜を手に入れるために、戦いになるリスクも」 「のぞむところなのだ」 「仕方ないですね。準備は万全にしていきましょう。私に少し考えがあります」 「じゃあ、ヴァンダービルドさん、クックロッドさん。僕たちも王蜜探索の冒険者として志願します」 「ううむ。そういうことなら。しかし十分注意するのだぞ。君たちになにかあれば、娘が悲しむ」 「コニー、おみやげにあま〜いお〜みつ、持ってくるのだ〜」 「ふふ。期待していいのかしら」 こうして僕たちは、「蜂竜の王蜜」を求めて森へと入ることになった。 [プレイログ] ・【蜂竜の王蜜】は食料にかけることで生命点を1点追加で回復させる効果がある。データ的にはニャルラが食しても問題ない。 ●アタック01-2 フォルネの事前準備 フォルネがカラメールの町の買い物で購入を強く主張したのは、蟷螂蜂毒という「毒」だ。 これは「蜂カマキリ」という、蜂竜と同じく蜂がベースの魔物から抽出された毒だという。 「毒をもって毒を制す、です」 「レンジュさんが使ってた『植物枯らし』みたいな、ってこと?」 「そうです。巨大なクリーチャーにこそ有効かと」 レンジュさんは怪物狩猟者。 先の巨大樹での戦いで、巨大な毒を吐く植物「ヤドリバナ」に対し「植物枯らし」で対抗していた。 僕たちは蟷螂蜂毒3回分を購入した。 ただ、この買い物は高くついて、巨大樹の冒険で得られたお金のほとんどをつぎ込まなければならなかった。 また、フォルネはしばらく少年の姿でどこかへ行っていた。戻ってきたときに尋ねると、なにやら新しい術を会得してきたという。 フォルネの郷里のものではなく、このあたりで使われている魔術とのこと。 フォルネは「西法術」と呼んでるけれど、僕にしてみたら、ここが西の方って感覚はない。 こうして僕たちは、カラメールの街で準備を整えていった。 今回は高所には行かないと思うけれど、やはりロープは買っておいた方がいいかな。 あとは保存食を買いなおして、と。 【フォルネ(妖狐) レベル13 技量点:2 生命点:5 魔術点:4 従者点:8】 【装備】(人間形態でのみ効果あり) 片手武器 木盾(生命点+1) 鎖鎧(生命点+1防御ロール+1) <スキル> 【変化】人間形態に変化する。 【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。 【西法術:氷槍】魔術ロール成功で2点ダメージ 【持ち物】 1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。 2草避けのお守り 植物によるアクシデントへの対応力を上げる。 【ニャルラ(魔猫) レベル13 技量点:1 生命点:10 器用点:8 従者点:5】 【装備】なし <スキル> 【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない 【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。 【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。 【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。 【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。 【温存経験点】1 【タイガ 従者 荷物持ち】 【持ち物】 食料2 金貨5 1 蟷螂蜂毒 3回分 追加ダメージ1 巨大樹の迷宮P56 2 ロープ 「ではニャルラ、蜂竜について少し復習しておきましょうか」 「えー。メンドい〜」 「森に入ったらどこで遭遇するかわからないのだから、ちゃんと頭に入れておいた方がいいですよ」 「ふ〜い」 フォルネとニャルラが蜂竜について、クックロッドさんに教えてもらったことを振り返っている。 ・巣の外に出ている蜂竜は兵隊で、凶暴。 ・巣の中にいる蜂竜は働き蜂で襲ってはこない。 ・巣は燃えやすいため火気厳禁。 ・蜂竜は赤熱化し、炎を操る個体もある。基本的に火に強い。 「じゃあ、森で会ったらとにかくやっつければい〜のね」 「ニャルラ、私の話聞いてた?」 「きょうぼ〜なのには、先制こ〜げきあるのみ!」 「……まあ、いいでしょう」 準備が整ったところで、いよいよ出発だ。 僕たちは、百竜の森へと繋がる森の小道へと第一歩を踏み出す。 [プレイログ] ・シナリオ導入の助言で【氷槍】があると良いとあった。フォルネは魔術点を伸ばし、新しい魔術として【西法術:氷槍】を取得した。 ■登場人物 タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。 フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。 ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。 コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。通称コニー。オウカンワシにさらわれたところをタイガたちに救われる。 ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。コニーの父親。 クックロッド コーネリアス商会の料理人。蜂竜の王蜜取得に情熱を燃やす。 ■作品情報 作品名:蜂竜の森「ローグライクハーフ」d33シナリオ 著者:ロア・スペイダー 監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ(「蜂竜の森」収録) https://ftbooks.booth.pm/items/5361362 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月16日火曜日
Re:ゲームブックとホラー(中)@20代からのゲームブック125 FT新聞 No.4892
FT新聞編集長の水波流です。 本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』 元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。 (2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412) (編註:文中のコメントは全て当時のものとなっております) ☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆ おはようございます。丹野です。 そろそろお仕事が夏休みに入るという方もいらっしゃるでしょう。休みはいいですね。休みだけで生きていきたいです。 非常に日差しが強い時期ですので、外に少し出るだけでも水分補給は欠かせません。 のどが渇いたなと思った時にはすでに水分が足りてない状態ですので、のどが渇く前にちょくちょく水分を採るようにしていきましょう。 ■おさらい さて、前回に続いて、今回もゲームブックとホラーについてお話します。 前回お話しした中で特に重要なのは、ホラーは「これから起きること」がとても重要です。 実際に人が死んでしまうことよりも、むしろ「これから人が死ぬ」という部分をいかに読者に対して楽しませるかが腕の見せ所といえます。 とはいえ、ゲームブックは選択肢によってストーリーに広がりがあるメディアです。 選択によっては突然死を入れることができますから、「この選択肢を選んだらどうなるだろう?」という想像で、読者をドキドキさせられるわけです。 ■間 ゲームブックはある意味、不思議な媒体です。 ひとつの読み物として話の初めから終わりまで読むとき、ふつうなら順番に頭から読めばいいものを、ぶつ切りにして順番をバラバラにしています。 これはある意味、読者に対してストレスをかける構造になっています。先が読みたければ手を動かしたり、頭を働かせなければなりません。 需要者に上手にストレスをかけるのは、物語では大事です。ストレスがかかると、人間はそこから解放されたい、結末を知って楽になりたいと感じるものですから、先を読み進める原動力になります。 また、その「次のパラグラフを探している時間」が、「これから起きること」についてのジャンルであるホラーにはいい方向に作用することは、ご想像いただけると思います。 パラグラフを探し、読み進めるまでに「間」が生まれます。ホラー映画をご覧になったことがある方なら、間やタメが効果的に使われていると怖さが増すことはわかっていただけると思います。 その意味で、パラグラフを移動している時間は、読者にストレスをかける時間を増やすことになっているので、「間」としての働きをしているわけですね。 ■ストレス ホラーゲームブックは読者に対していかにストレスをかけるかが重要です。 もちろん、過剰にストレスをかければ読者は読むのをやめてしまいますから、適度に緊張をほぐしつつ、不安感を持続させる必要があります。 いつもなら問題を提示してその解決を読者に介入させるのが通常のゲームブックですが、ホラーではただ読者にご褒美を与えるだけではうまく怖がらせられません。 かといって、読者が何をしても結果がうまくいかないのでは当然、やる気がなくなってしまいます。 このバランスをとりつつ、展開は進んでいるけど恐怖は続いている、という状態でストレスをかけ続けるのが重要なわけですね。 さて、今回は中編。次回は、ゲームブックとホラーについて最も大事なポイントについてお話します。 それでは。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月15日月曜日
アランツァへのいざない アランツァ百氏族3 FT新聞 No.4891
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 今日はアランツァ百氏族と称しまして、FT書房が展開する世界アランツァに登場する氏族を紹介する記事の最終回です。 それでは、いってみましょう! ◆ティブロン家 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:末裔 主な職業:なんでも ティブロン家は末裔の一族。ガサガサした肌と強い歯を持つ一族で、性格は荒っぽく直情的。戦士の家系で、自分が最強と信じている。大抵の魚人は個の意識に乏しいため、これは末裔には珍しい特徴といえる。 ◆トーマ家 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム、半巨人、ゴーレム、末裔 主な職業:【怪物狩猟者】 トーマ家は冒険者の家系。冒険者の館と呼ばれる大きな邸宅に集団で住む一族で、血のつながりはほとんどない。言うなれば生活をともにする運命共同体であり、最近ではひとつの館に住めないほど一族の規模が大きくなったため、隣接する土地に新しい邸宅を建造中である。同じ家に住んではいるものの、家計は同一ではない。一族のあるじは大抵の場合、冒険の経験が豊かな年長者がなる。 ◆ティンバー家 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム、ゴーレム、¥末裔 主な職業:【戦士】 ティンバー家は代々兵士を務める家系。斥候と呼ばれる、戦場や冒険の場において、単身で敵の状況を確認する危険な仕事を請け負ってきた。物静かで用心深く、おとなしく、必要なことしかしゃべらない。端正な顔立ちをしているため、集団内では密かに好意の対象になることもある。 ◆グアンカシュ家 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:人間、ドワーフ 主な職業:【戦士】 グアンカシュ家はゴーブの支配階級だが、一族の規模は大きくその身分はまちまち。王侯貴族に所属していない者さえ存在する。戦士の家系で体格が大きく、オークの血が混じっていることもあって、あまり品がない。大きな声で笑い、なれなれしく、世界を自分の敵と味方に色分けする。痛みや恐怖に鈍感で、命に関わりがなければ気にしない「にぶさ」を強みとする。 ◆スネージの一族 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:エルフ 主な職業:【盗賊】【魔術師】 スネージはエルフの血筋。何らかの理由で肌や髪などに色がついてしまった、黒エルフと呼ばれるエルフの一族(主人公の肌が黒い必要はない)。性格は辛らつで、家の誇りを汚す不届きものや、自分を軽んじる相手に対する怒りが激しい。目つきが悪く、エルフには珍しい一重まぶたをしている。手先が器用で、基本的にはものづくりや射手の家だが、魔法をたしなむこともある。 ◆ロランダス家 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:人間、ドワーフ 主な職業:【戦士】 ロランダス家は陰鬱なゴーブの街にあって、混沌ごろしで名をあげた戦士の一族。北方人種で髪と瞳の色は黒。全体的に色白で筋肉質。魔法も使う。カタク教徒。性格は豪胆で、混沌に腕を噛みつかれたさい、仲間に自分の腕を叩き斬らせた先祖の逸話を持つ。一族の武勇には狂戦士の粉と呼ばれるドラッグが関係する。これは副作用のある麻薬の一種だが、後遺症に悩むほど長生きできた者は一族にいない。 ◆アルギルダス家 拠点:混沌都市ゴーブ 主な種族:人間、エルフ 主な職業:【魔術師】【僧侶】【錬金術師】 アルギルダス家はロランダス家の盟友と言える家柄で、ロランダスが戦士の家柄であるのに対して【奇跡】【魔術】【錬金術】などを駆使する一族。ロランダス家の魔法の師匠を務めると同時に、混沌と呼ばれるクリーチャーがはびこる「混沌の迷宮」では、ともに戦う朋友でもある。同じ北方人種だが髪の色は亜麻色の栗毛で、瞳の色も茶色がかっている。顔にそばかすがあることが多い。カタク教徒。性格は用心深く度胸が据わっており、大人しく見えるが負けん気が強い。 ◆エドワード家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム 主な職業:【錬金術師】 エドワード家は【錬金術】の達人として知られる家系。人間との関わりを嫌い、堕落都市ネルドで怪物の製作に励む。金髪で青い眼、色白。色素が少ない。性格は神経質で几帳面。病弱な傾向がある。頭は良く、「盗賊都市ネグラレーナ」で大学教授を務める者もいる。 ◆ローザ家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、エルフ、コビット 主な職業:【暗殺者】 ローザ家は【暗殺者】の家系で、暗殺能力は高いが雇い主への忠誠心は低いことで知られている。養子が多く「擬似家族」と揶揄する者も。一族のなかでは倍額を支払うと寝返る「鮮血のコルデ・ローザ」が特に悪名高い。 ◆シェザード家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、エルフ、ドワーフ、コビット、ノーム 主な職業:【暗殺者】 シェザード家は対人暗殺に特化した訓練を積んだ暗殺者の家系。家業に従事することを拒否した場合には、冒険者になることが多い。ローザ家同様に「擬似家族」を形成する集団である。血縁でないため一族の特徴はまとまりを欠いている。ローザ家が腕の立つ暗殺者集団であるのに対して、シェザード家はいつわりの身分を用いてターゲットに近づき、油断したところを殺害する。 ◆アメリ家 拠点:堕落都市ネルド 主な種族:人間、ドワーフ、コビット 主な職業:【戦士】 アメリ家はハイランダー・オーク(高地に生息する優秀なオーク)の血が混じった戦士の家系。路上でのケンカ(というよりは殺し合い)をはじめ、暴力を振るうことに無上の喜びを感じる血が流れている。一族の典型的な顔立ちは、鼻が少しめくれていて目つきが悪い。長生きのできない家系なため、一族はみな若い。多産。アルコール中毒者が多い。 ◆スパロウホーク家 拠点:自治都市トーン 主な種族:鳥人 主な職業:【戦士】 スパロウホーク家は自治都市トーンに迎え入れられた鳥人の一族。ハイタカ。俊敏で勇敢な、飛翔騎士の代表的存在。 ◆ガリオン家 拠点:自治都市トーン 主な種族:鳥人 主な職業:【盗賊】 ガリオン家は自治都市トーンに迎え入れられた鳥人の一族。スズメ。体格ではスパロウホーク家に劣るものの、素早さでは上まわる。性格は臆病ないっぽう、勇敢さを見せることも。 ◆コルージャ家 拠点:自治都市トーン 主な種族:鳥人 主な職業:【魔術師】 コルージャ家は自治都市トーンに迎え入れられた鳥人の一族。フクロウ。魔法使いになる傾向が強い。性格は温和で思慮深い。 ◆アロンドラ家 拠点:神聖都市ロング・ナリク 主な種族:鳥人 主な職業:【僧侶】 アロンドラ家は神聖都市ロング・ナリクに迎え入れられた鳥人の一族。ヒバリ。 ◆アノマリア家 拠点:北方都市サン・サレン 主な種族:グレムリン 主な職業:【魔術師】 アノマリア家はグレムリンの一族。少数種族で、文化的なグレムリンの集団はサン・サレン以外ではほとんど見かけられない。アノマリア家のグレムリンは魔法使い的な気質を備えており、信心深く探究心に富む。 ◆デフェクト家 拠点:北方都市サン・サレン 主な種族:グレムリン 主な職業:なんでも デフェクト家はグレムリンの一族。少数種族で、文化的なグレムリンの集団はサン・サレン以外ではほとんど見かけられない。デフェクト家のグレムリンは芸術肌な気質を備えており、いたずらを好む。 ◆バステス王家(失われた一族) 拠点:商業都市ナゴール 主な種族:人間、コビット 主な職業:なんでも 商業都市ナゴールの前の時代に同地に存在した王国都市バステスの王家の血を引く一族。 ◆ハングー家(失われた一族) 拠点:冒険都市カラメール 主な種族:人間、エルフ 主な職業:なんでも 冒険都市カラメールが建国されるより以前に、同地で繁栄したハングー帝国の一族の生き残り。現在よりも強力で粗雑な魔術を使う。 ◆レラヴィリア王家(失われた一族) 拠点:城塞都市ドラッツェン 主な種族:人間、ドワーフ 主な職業:なんでも 前時代に滅ぼされたレラヴィリア国の末裔。ドラッツェン周辺に住む獣型の少数種族(豚人、犬人など)と関係が深い。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月14日日曜日
Re:オレニアックス生物学 Vol.4 『ウォードレイク』 FT新聞 No.4890
(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメント等は全て当時のものとなっております) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オレニアックス生物学 Vol.4 『ウォードレイク』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 生物学の授業は非常に重要な科目だった。 アランツァの地での戦いは、戦争となるとまた話は別だが、人間以外の生き物と交戦することも少なくなかった。 聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラントは生物学の権威。 そんな彼の授業は生き物の外見、性質、そして対処方法を教えてくれる。 生徒たちを生き残る道へと導く、確かな灯火だ。 今日もカメルの授業が始まる……。 ラクダ人であるグラント博士は、年がら年中もっしゃもっしゃと口を動かし、授業する。 興奮するとつばが飛ぶので、博士の授業の際にはあまり前方に人がいなかった。 ヘイルとレムレスが平気な顔をして博士の授業を受けているのを、不思議な気持ちで君は観察していた。 今日の授業はウォードレイクについてだ。 「人間に扱うことのできる怪物はいない。そう考えるのが相場だった時代に、世界最大の都市ドラッツェンの王はその常識をくつがえした。☆年に勃発したトカゲ国との戦争で彼らが見せたその怪物は、その示した戦果以上に世界中に衝撃を与えた」 唇がラクダのように3枚(下唇、上右唇、上左唇)に割れたグラント博士は、いつも笑っているように見える。だが、このときの瞳は非常に真剣だった。 「人間に扱える生物といえば、せいぜい家畜のたぐいと決まっていた。ラクダ、馬、タケタケ、オストリッチ、大亀龍、トルケーブ、ポルルポルル……。怪物飼育の専門家でなければ、人間以上の大きさの餌を食べる怪物を飼い慣らすことは難しいとされていた。だが、ドラッツェンの軍事専門家たちはそれをやってのけた。その際に飼い慣らされたのはドレイクと呼ばれる、ドラゴンの親戚のような生き物だった」 「銀色に輝くウロコ。長いかぎ爪。大きく美しい翼。鋭い牙。ルビーのように赤い瞳。生き物の死骸にも似たにおいを撒き散らす。戦場では大トカゲに乗ったトカゲ人騎士を子ども扱いしたという」 「それだけの強大な軍事力でありながら、ウォードレイクは現在ドラッツェンにはいない。レムレス、どうしてか分かるか?」 眉間にしわを寄せながら、羽根ペンを器用に回しながらレムレスは考える。 「予算不足、ですか?」 満足そうに博士が笑う。 「そうだ。ドラッツェンは広大な領土を持っていたが、ウォードレイクによる世界覇権はならなかった。無敵の軍事力を誇ったウォードレイク1体を維持するために、1日約1頭の牛が必要だったのだ。皮肉でもなんでもなく、ドラッツェンからは牛が消えた。当時ウォードレイクはドラッツェンの象徴として庶民から愛されていたが、毎年少しずつその数は減らされた。軍事費が経済に与えた打撃は大きく、後にドラッツェンが植民地を失うキッカケのひとつとなった。だが、このクラスは生物学、歴史学ではない。話を戻そう。ドラッツェンは凶暴で、常に腹を空かせている。巨体にも関わらず飛ぶことができ、鋭い鈎爪で獲物を捕まえるが、炎は噴かない。彼らの弱点はどこだと思う? アヴィオン」 アヴィオンはマジメな顔をして答えた。 「目と鼻ですか」 博士は口をへの字にして応える。 「正解だ。ウロコが生えていない場所が弱点だ。戦いのさなかにこれを狙うのは簡単ではない。アヴィオンのような弓の名手でも、動いている15cmほどの的を射抜くのは至難の業だ。それでも、顔を射掛けるのは悪い案ではない。槍やパイクを持っているなら、もう少し楽に狙えるかもしれない。だが、ウォードレイクは軍事力に優れているから使われるようになった生き物だ。予算不足でいなくなったということは、つまり、未だに戦いでは攻略されていない生き物だということだ」 終業の鐘が鳴る。 「ウォードレイクと相対したときにどうしたらいいのかという問いは、戦車と出会ったらどうしたらいいのか、という問いに似ている。そのような事態に陥ってはならない。倒すには軍事的な連携が必要で、個人で相対するべき生物ではない。そのことをしっかりと肝に銘じること。以上!」 博士はピンと背すじを伸ばしたまま、教室の扉を開ける。ありがとうございました! と声が響く。 若い生徒たちに教えることのうち、どれが役立ち、どれが無駄になるかは分からない。 だが、いくつかはきっと、彼らの命を永らえさせてくれるだろう。 そう信じて博士は今日も教鞭をとる。 (From:清水龍之介) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ ウォードレイク 【盗賊剣士】に登場。48ページを参照。 技術点不明 体力点不明 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月13日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第696号 FT新聞 No.4889
From:水波流 先月に引続き、児童書と絵本を図書館で借りては読み続けていたら、5月も読書冊数が32冊に。 ここからはちょっと方針を変えて、本棚に積ん読のままのラノベを読んでいこうかなと。 まずは小説版パトレイバーを……。 From:葉山海月 リアルで拳銃持ち歩き、それを模型店内で抜くやつ初めて見ました! もちろん、トイガンです。 「大阪へ行くから、うちも何か身を守るものもたな」 知らなかった。いつから大阪はアメリカになったんでしょ? From:中山将平 光栄なことに僕、6月28日(日)に開催の『トロールコン1』にゲストとして参加させていただきます! 参加申込みは明日6月14日までとうかがっていますので、「気になっていた」という方にもう一度情報をチェックしていただけましたら。 https://gforms.app/r/jORZVgb さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■6/7(日)~6/12(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年6月7日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4883 『ガルアーダの塔』1-90階 ローグライクハーフd66シナリオ ・今年2月から配信が始まった、杉本=ヨハネ氏によるローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』d66シナリオ、いよいよ最終回!「7回目〜9回目の冒険」が追加され、1階から90階まで登れるようになりました。前回の配信を逃した方も安心!新たにダウンロードしてプレイしてみてくださいね。 舞台となる「水上都市聖フランチェスコ」都市サプリメント、「中級ルール」改訂版も再配信です。こちらで入念な準備をおススメいたします。 杉本氏曰く、14年前に「最後のエンディングのシーンからスタートした作品」だったとのこと。渾身の大作を、ガルアーダとの戦いを、どうぞ最後までお楽しみあれ! (天) 2026年6月8日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4884 アランツァへのいざない アランツァ百氏族2 ・FT書房が展開するファンタジー世界「アランツァ」について深掘りする本連載、今回のお話は前回に引き続き「氏族」について。 アランツァ百氏族と称して、冒険者を輩出してきた氏族を紹介して参りましたが……数えたところ89氏族しか存在しないことが判明しました。ムリに増量するのも違うので、このままお送りします★ ひとつの家系の中に人間、ノーム、ドワーフなど、複数の種族が主流となることもあるというのは、特に日本的な感覚からするとカルチャーギャップを覚えますね。 ゲームブック『大魔導城のワナ』などの著作で知られる冒険作家ロア・スペイダー氏も、からくり都市チャマイに拠点を置く百氏族スペイダー家の出であられます。 冒険者として功成り名遂げれば、新たに百氏族のひとつとして家の名が残されることもあるのかもしれません。さあ、冒険だ! (明) 2026年6月9日(火)丹野佑 FT新聞 No.4885 Re:ゲームブックとホラー(前)@20代からのゲームブック124 ・『巨大樹の迷宮』『きみへ贈る詩』などの著者である丹野佑氏による、10年ほど前にFT新聞で連載されていたコラムの再録シリーズ。今週からは「ゲームブックとホラー」をテーマとする回を、3週連続でお届けする予定です。「ゲームブックが構造的に持っている要素のいくらかは、そもそもホラー的である」という丹野氏の考察を、どうぞお楽しみください。 なお、記事の中で触れられている「夏のクトゥルフ・ゲームブック祭り」の諸作品は、FT新聞で配信された後、『ゲームブック クトゥルー短編集』としてまとめられています。BOOTH(紙書籍)またはAmazon(Kindle電子書籍、作品ごとに分冊)にて販売中ですので、興味のある方はこれを機会に遊んでみてください! (く) 2026年6月10日(水)ぜろ FT新聞 No.4886 第4回【可愛いあの子に最高のプレゼントを】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第495回。寝子氏によるローグライクハーフシナリオ『可愛いあの子に最高のプレゼントを』の最終回です。 ウサギ使いのウサナギのお友達、りにゃの誕生日パーティー中に、招待客の連れていたゴーレムが大暴走! りにゃにお願いされたウサナギは、ファミリーのウサギたちと共にこれに対処します。パーティーの他の招待客を守りながらの戦いです、何とか出来るでしょうか…!? そして、ウサナギたちはりにゃに最高のプレゼントを渡すことができるかな? ぜろ氏による粋な計らいのサプライズもありますので、どうぞ最後までお楽しみくださいね。 (天) 2026年6月11日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4887 『覚悟(デテルミナシオン)』 ・来たる6月18日、錚々たる作家陣によるハヤカワ文庫JAのアンソロジー『ショートショートなSF』に、岡和田氏の小説「十四(カトルセ)」が掲載されます。 同作は「ナイトランド・クォータリー」Vol.40の「メリュジーヌ」、同Vol.42の「屍衣(モルタハ)」などとも共通する舞台を扱ったもの。今回はそのうちの一作をお披露目します。 「美し風」と呼ばれるこの街で、十六(ディエシセイス)のときから墓守として働いてきた彼は、なぜ自分のこめかみに回転式拳銃の引き金を引くに至ったのか? 夜番の際に現れる純白の屍衣(モルタハ)を身にまとったうら若き女性は、幽霊なのか、あるいは風に乗ってどこへでも行ける自由な存在なのか? 自由なんか欲しくない彼は、ひょんなことから手に入った大金によって、どのような「覚悟」を見せるのでしょうか? 神話の神々や怪物などを象った豪奢な彫像に囲まれた墓所の迷宮に、一瞬と永劫の狭間、あなたの心をご案内する一作です。 (明) 2026年6月12日(金)ふろふき大根 FT新聞 No.4888 『ズィムララ美食紀行』 ・T&Tのファンであるふろふき大根氏。 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』の発売など、盛り上がりを受けまして、今回、記事を寄せてくださいました。 題して 『ズィムララ美食紀行』 ! モンスター!モンスター!RPGの舞台である惑星ズィムララは、まだ金属器が広く普及する以前の世界。王侯貴族こそ鉄製の武具を手にしているものの、庶民の暮らしには鍋や農具ですら金属製品はほとんど行き渡っていません。 では——鍋も窯もない世界で、庶民はどうやって食事を作っていたのか? 本作は、その素朴な疑問に対する答えを示す一つの答えです。 実験考古学や古代の調理技術を踏まえ、架空世界の“食”をリアルに再構築することを試みた本編! 生き物の根幹(食)という行為に、あなたの想像力をかきたてること間違いなし! 詳しくは、是非本記事を! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年6月12日金曜日
『ズィムララ美食紀行』 FT新聞 No.4888
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ズィムララ美食紀行』 (ふろふき大根) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 初めまして。ふろふき大根と申します。 T&Tのファンでして、BOOTHの「ふろふき大根屋」(https://furofukidaikon.booth.pm/)にて、Tunnels & Trolls(T&T)や『モンスター!モンスター!』のソロアドベンチャーを松田洋平名義で公開しております。 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』の発売もあり、モンスター!モンスター!RPG全体がとても活気づいてきました。T&Tファンとして、この盛り上がりを心からうれしく感じています。 さらに、今月末6月28日(日)には愛知県名古屋市で「トロールコン名古屋」が開催されることも決まりました。かつてアメリカ・アリゾナで行われた“トロールの大祭”が日本で開催されるという事実は、まさに歴史的な瞬間と言えるでしょう。これからもT&T、そしてモンスター!モンスター!から目が離せません。 今回FT新聞に掲載させていただくのは、題して 『ズィムララ美食紀行』 です。 モンスター!モンスター!RPGの舞台である惑星ズィムララは、まだ金属器が広く普及する以前の世界。王侯貴族こそ鉄製の武具を手にしているものの、庶民の暮らしには鍋や農具ですら金属製品はほとんど行き渡っていません。 では——鍋も窯もない世界で、庶民はどうやって食事を作っていたのか? 本作は、その素朴な疑問に対する答えを示す一冊です。 結論はとてもシンプルです。 金属の鍋がなくても、料理はできる。 火・石・土・皮袋といった自然素材を組み合わせ、人々は驚くほど豊かな食文化を築いていました。 本書の調理体系はズィムララ世界の設定に基づきつつ、地球の古代エジプトや古代メソポタミアの考古学研究を参考文献として取り入れています。 実験考古学や古代の調理技術を踏まえ、架空世界の“食”をリアルに再構築することを試みました。 特に、熱した石を皮袋に投入して煮炊きを行う「焼き石調理」は、現代のアウトドアでも試してみたくなるほど合理的で魅力的な技法です。鉄鍋が普及し始めた後の時代でも、軽量化を重視する旅人たちは、この安価で軽い道具を好んで持ち歩いたのではないか——そんな想像も膨らみます。 なお、本作の制作にはAIツールのNotebookLMも活用し、古代技術の整理と再構築に役立てました。 ズィムララの大地に息づく知恵と食文化を、ぜひお楽しみください。本作が、過酷なズィムララの世界を旅する様々なクリーチャーたちの心の支えになるとすれば、これほどうれしいことはありません。 なお、本稿はAI技術を用いて生成された情報を含んでおります。 情報の正確性・妥当性には注意を払っておりますが、完全性を保証するものではありません。 万が一、記述に誤りや修正すべき点がございましたら、筆者までご連絡くださいますようお願い申し上げます。 『ズィムララ美食紀行』 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/ZimralaCulinaryJourney.pdf 『金属器なき世界の高度の調理体系(皮袋の焼き石煮)』 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/StoneBoilingScience.pdf ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。