◇◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ローグライクハーフのシナリオソムリエ(自称)の本日のおススメシナリオ その4『我ら、その速さに命運を賭す』 天狗ろむ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇◆ おはようございます! 「1人用TRPGローグライクハーフ」の楽しさに魅せられ、ローグライクハーフのシナリオソムリエ(※)を目指す編集部員、天狗(あまく)ろむです。 (※ワイン専門の給仕人ソムリエのように、皆様のローグライクハーフのシナリオ選びの際の手助けが出来る人になりたいな、くらいの意味です) さてこちらは、特に「個人制作シナリオの周知」を目的としたローグライクハーフのシナリオの紹介記事です。 ローグライクハーフのシナリオには「特殊ルール」が設けられることがあります。たとえば公式シナリオであれば、ぜろさんによるリプレイが連載されていた『巨大樹の迷宮』。こちらは巨大樹を登っていくにつれ、【高度】が上がるルールになっています。【高度】が上がると敵のレベルやトラップの難易度も上がる代わりに、宝物などもより高価なものになる可能性が上がる……という、ハイリスクハイリターンな「特殊ルール」となっています。上に向かう程に冒険の厳しさを増す巨大樹を登っていく感覚が「特殊ルール」に含まれているので、その点でもとても楽しくスリリングなシナリオです。 そんな、シナリオの楽しさの肝にもなる「特殊ルール」を、自作シナリオに取り入れてみるのはいかがでしょう? ローグライクハーフは基本ルール自体が軽めなので、「特殊ルール」を設けてもそれほどにはプレイヤーの負担になりません。勿論、限度はありますし、ルールの簡略化などは必要かと思われますが、自作シナリオのオリジナリティは各段に上がると思いますので、ぜひ試してみてください! 今回のシナリオ紹介記事の第4弾は、そんな「特殊ルール」が上手く組み込まれた、午年の今年にピッタリのシナリオです。FT新聞にて「写身の殺人者」「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ連載もされている、東洋夏さんより頂きました。ありがとうございます! まずはご本人から紹介して頂きましょう! ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。主にXにて、ローグライクハーフのリプレイを書いて楽しんでいるものです。現在リプレイ掲載中ですので、記憶にある方もいらっしゃるかもしれません(ありがとうございます)。 さて、最近はリプレイのみならずシナリオ執筆にも力を入れています。 今回紹介する作品タイトルは『我ら、その速さに命運を賭す』。 ジャンルはずばり「レース」! 主人公は、ナリクの草原から王都まで駆け抜ける命懸けのレースに挑み、一位を狙います。 障害物あり、クリーチャーあり、ハプニングありのサバイバルレース。 果たしてあなたの主人公は、〈速さ〉の頂点に立つことができるでしょうか? ・形式:d33 ・世界観:アランツァ ・難易度:普通 ・プレイ時間:10ー15分 ・適正レベル:10〜 ・対象年齢:10歳以上 ・シナリオの公開場所:TALTO talto.cc/projects/3MuY9FBe8_BJpJ6xuakLO 作者が競馬好きなので、仲間と協力するのではなく、個としての真剣勝負を表現できるシナリオを作ってみたいと考え、制作に取り組みました。 チームの中での順位を表す【順位点】、ライバルとの一騎打ち【競り合い】、走者として目覚める素質【レーススキル】というオリジナル要素を組み込み、スリリングなレース表現を追求しました。 d33ながら、このシナリオでしか味わえない冒険を体験していただけるはず。 もちろん競馬をご存知なくても、問題なく楽しめます。駆けて競うことの楽しさや熱さ、ひりつく感じが少しでも伝われば、作者冥利に尽きるというものです! また、このレースシナリオの各種ギミックは、参考文献にこのシナリオ名とTALTOのURLを明記していただけましたら、どなた様でも利用可能です。 アランツァ世界各地でレースが開催されたら楽しいだろうなと思いますので、お気に召したら、是非シナリオ制作にも挑戦してみてくださいね。 利用の際は基本的に報告不要ですが、教えてくださると大変嬉しいです。私も走りに行きたいものですから! ◇◆◇◆◇ ご紹介ありがとうございました! 『我ら、その速さに命運を賭す』のあらすじとしては、ラドリド大陸の〈神聖都市ロング・ナリク〉西端に位置する、貴族リエンス家の領地の地下で墳墓が発見されたことから始まります。そこに眠っていたのは、〈ロング・ナリク〉の主要な信仰であるセルウェー教勢力に追い立てられた騎馬民族の王クル・レン・ミロティン。【アンデッド】として蘇った王とその配下の戦士たちは、リエンス家に宣戦布告をします……この地の正当な支配者は自分たちである、と。 譲る気など毛頭ないリエンス家の当主ブラークが戦闘を避けるべく交渉をした結果、〈ロング・ナリク〉の王都までの「速さ比べ」で勝負をすることになったのでした……つまり「レース」ですね! 主人公は、リエンス家側の助っ人として「レース」に参加することになります。ですので、馬などの【騎乗生物】を所持しているか、自分自身が【騎乗生物】タグを持つ主人公でなければ、参加資格がありませんのでご注意ください。 通常の主人公であれば、拡張ルールの職業【獣使い】の特殊技能の1つ【竹馬の友】を選べば、【騎乗生物】である「軍馬」「乗用馬」「オストリッチ」のいずれかを無料で入手できます。また、「種族」で遊べるサプリメント『ヒーローズオブダークネス』の「ケンタウロス」は【騎乗生物】のタグを持つ主人公です。 天狗ろむ調べになりますが、最も安く買える(今回の参加条件に一致する)【騎乗生物】は『ヒーローズオブダークネス』の【悪の種族】である「オーク」や「ゴブリン」、「吸血鬼」などが購入可能な「魔犬獣」で金貨20枚。次に安かったのは、『混沌迷宮の試練』の舞台〈混沌都市ゴーブ〉や『雪剣の頂 勇者の轍』などの舞台〈北方都市サン・サレン〉、『エメラルド海の探索』の舞台〈貿易都市ビストフ〉の都市サプリメントにある、「ポルルポルル」(これは「オストリッチ」の別名で、いわゆるダチョウ)で金貨35枚でした。金貨200枚もする象のような「エレファス」などと比べるとお手頃価格とはいえ、どちらも初期装備(大抵は金貨10枚)では買えないため、さくっと遊びたい方は上述の「獣使い(【竹馬の友】が必須)」か「ケンタウロス」の主人公で挑むのが良さそうですね。 冒険を経た上で【騎乗生物】をゲットしたい! という方は、他の冒険で金貨を稼いでいただいて、各種都市サプリメントの飛行能力のない【騎乗生物】を購入してから挑んでもらうか……『混沌迷宮の試練』での冒険中、あるいは電子書籍で販売中の『戦場の風』冒険開始時に、それぞれ【騎乗生物】を金貨不要で入手可能ですので、そちらから始めてみるのも良いかもしれません。 (あと冒険中に【騎乗生物】を入手できる可能性があるのは『常闇の伴侶』、他の都市サプリメントですと『蛇禍の悪魔』『失楽園奇譚』の舞台〈ポロメイア小国家連合〉で「ポルルポルル」の別名の「オストリッチ」、『炎の王墓』の舞台〈山岳都市カザド・ディルノー〉で「ポルルポルル」と同額の「ドゥルドゥル」がいますが、現時点では書籍化されていません。FT新聞での配信時のデータを持っているのであれば見てみてくださいね)。 【騎乗生物】を用意出来たら、あとは【レーススキル】をダイスで決めます。「闘魂着火」や「豪脚一閃」など格好いい名前のものが用意してあり、それぞれレースに有利になるスキルとなっていますので、よく読んでおくことをおススメします。スキルによっては使いどころが大事になってくるので、これもまた面白いポイントの一つ。ここぞ! という時に使って優勝を目指しましょう。 そして、このシナリオの肝が【競り合い】のルール。それぞれの思惑を持ったライバルたちとの「戦闘」はこのルールで勝敗を決めます。要するに【判定ロール】の達成値を比べて、高い方が勝ち……なのですが、ローグライクハーフの戦闘とはまた異なり、1回だけのダイスロールで決まることも多く、ダイスを振るときに特に緊張感があります。この【競り合い】に勝つと、【順位点】が下がり(【順位点】=順位なので、低い方が良いのです。勿論最小値は1(位)!)、かなりレースに有利になりますが、負けた時は引き離されて【順位点】が上がり、優勝が遠のいてしまいます。 ライバルの中には、FT新聞読者の貴方なら見覚えのあるであろうキャラクターたちも登場しますよ。会えたときは是非、正々堂々と【競り合い】勝負してみてくださいね。 これら【順位点】【レーススキル】【競り合い】の「特殊ルール」は、本来のシナリオ制作の規約ですと使えないのですが、今回は東洋さんのご厚意で利用可能とのことですので、「特殊ルール」を自分で思いつくのは難しいけれど、「特殊ルール」を使ったシナリオは作ってみたい……という方は、これらを使わせていただいてシナリオを考えてみるのも楽しいかと! もし制作なさいましたら、「シナリオ紹介記事」にて是非紹介させてください! ご連絡をお待ちしております! そしてこちらは余談ですが……ローグライクハーフは基本的にはPC2人までの遊びとなっています。なのですが、私はPC3人で遊ばせていただきました。【騎乗生物】の「軍馬」に乗った聖騎士、「相棒」ルールで【騎乗生物】を相棒にしている獣使い、そして自身が【騎乗生物】であるケンタウロス、とそれぞれ変化をつけてのプレイ。何せローグライクハーフは1人用TRPGですので、この辺りは自由なのです!(データ管理がちょこっと大変になりますがね!) 今回のシナリオでの遊び方も記しておきますので、ご参考までに。 まず、【順位点】の低い順に、キャラクターごとに〈できごと〉をめくり、処理を行います。1枚目の〈できごと〉として3人全員がそれぞれ別の〈できごと〉を体験したら、また【順位点】の低い順に〈できごと〉をめくっていきます。このサイクルで、一本道モードを進めていきます。この時、たとえば1人目が出目12をめくっていて、2人目が同じく出目12を出したら、出目を1つ足した出目13をめくります(出目13もめくられていたら出目21とします)。固定イベントは3人それぞれで処理をします。 〈できごと〉の結果、【順位点】が同値になった場合は、そのキャラクター同士ですぐに【競り合い】を行い、負けた方の【順位点】に+1します。たとえば【順位点】2同士で【競り合い】をした場合、負けた方が順位点3になる形です。この結果で更に他のキャラクターと【順位点】が同値になった場合、再び【競り合い】を行い、【順位点】が同値のキャラクターがいなくなったら次に進みます。 自分の作った主人公キャラクター同士が(戦闘によらない)バトルを繰り広げてくれるので、安心かつ新鮮な気持ちでとても楽しく遊ばせて頂きました。主人公キャラクターが多い方は、こんな遊び方もおススメかもしれません。 中央競馬のクラシック三冠とされる、皐月賞では「最も速い馬が勝つ」、日本ダービーでは「最も運のいい馬が勝つ」、菊花賞では「最も強い馬が勝つ」……という昔の格言があるそうですが、こちらのレースではどれもが重要かもしれません。最終イベントまでに【順位点】を1にしなければならないので速さは言うまでもなく、【競り合い】などはダイスで決めるので【運】も大事。通常の戦闘も無い訳ではないので、そもそも弱いと負けてしまいますからね。 そんな激闘になるであろうレースの最後に待ち受ける騎馬民族の王に、「速さ」のみで勝つことが出来れば、格好いい【称号】もゲット出来ますよ。私は何度か(しかもPC3人投入して)遊ばせてもらっているのですが、未だにゲットならずで悔しい限りです……! (こちらのシナリオをお気に召した方には、更に難易度の高くなった、『我ら、その速さに命運を賭すDX』もおススメしておきます。より手強くなったライバルたちに、貴方は勝てるでしょうか!) プレイしてみた感想は、FT新聞の感想フォームからでも、作者さん自身に直接でも、どうぞお気軽にお寄せください! それでは、今回はここまで。次回のシナリオ紹介記事にてお会いしましょう。 貴方に良き冒険のあらんことを! 天狗ろむでした! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年5月17日日曜日
2026年5月16日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第692号 FT新聞 No.4861
From:水波流 TRPG『ストームブリンガー』の事を考えていたら、久々にプレイをしたくなりました。なんだかんだで中高生の時に一番遊んだシステムなんですよね。 そういえばGoodman Gamesがエルリックの権利を取得して、5eと Dungeon Crawl Classics で展開するという記事を読みました。 日本語化もされるといいなぁと思いつつ。 From:葉山海月 今やその効果について賛否両論な「サブリミナル効果」ですが、ある方の意見によると「そもそもサブリミナル効果」がどのようなモノかわからないと効果がない。んだそうです。 この辺「呪い」とよく似てるなと思うんですが…… From:中山将平 5/17(日)に僕ら、インテックス大阪で開催の「関西コミティア76」にサークル参加します。配置は【C-11】。 僕自身はその隣の【C-12】にて、「ギルド黄金の蛙」というサークルで現地にいます。 また、5/23,24(土日両日)には僕ら、幕張メッセで開催の「ゲームマーケット2026春」にサークル参加予定です。 こちらの配置は【に42】です。 当日発売の新刊は2冊。「ロ—グライクハーフ 常闇の伴侶」と「ヒューマンズ!ヒューマンズ!」。 僕自身も現地に行きます!(カエル人の本も扱う予定です) ぜひ遊びにお越しいただけましたら! さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (水)=水波流 (葉)=葉山海月 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■5/10(日)~5/15(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年5月10日(日)ロア=スペイダー FT新聞 No.4855 Re:オレニアックス生物学 Vol.3 『マンドラゴン』 ・過去の人気記事を再配信するReシリーズとして、聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラント教授による、アランツァ世界のクリーチャーたちに関する「生物学」の講義をお届けしました。 第3回目は『マンドラゴン』。名前からするとドラゴンのような、マンドラゴラのようなクリーチャーですが、見た目は背中に木を生やした大きなトカゲに抱きつく裸の女性……さて、カメル教授は「どっちがマンドラゴンか?」と問いかけてきます。百竜の森のドラゴンは、ユニークな生態が多くてワクワクしますね。問いかけの答えは、是非記事にて! (天) 2026年5月11日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4856 「アランツァへのいざない」第3回 アランツァ世界の紙事情 ・FT書房が展開するファンタジー世界「アランツァ」について深掘りする本連載、今回のお話は「紙と識字率」についてです。 アランツァ世界の紙は大きく分けて2種類。ひとつは「獣皮紙」で、もうひとつは「植物紙」です。 「獣皮紙」は造語。なぜヨーロッパ世界における「羊皮紙」ではないのか? そこには知的探究心に裏打ちされた納得の説明が! 「植物紙」における「植物」も「紙」も、現代で私たちが手に触れられる形そのままではありません。 高価なものには、主に魔法のスクロール(巻物)の素材として使われる「トレント皮紙(樹人皮紙)」という代物さえあります! アランツァには文字を読める人も読めない人もいますが、冒険者の識字率は驚異の100%! 大いに読みましょう! (明) 2026年5月12日(火)丹野佑 FT新聞 No.4857 Re:インセンティブ(後)@20代からのゲームブック123 ・『戦場の風』『きみへ贈る詩』などの著者である丹野佑氏による、10年ほど前にFT新聞で連載されていたコラムの再録シリーズです。 先週配信された前編に引き続き、今回のテーマは「インセンティブ」。読者に先を読み進めてもらうための動機付けとして、作品の中で「約束」を行うことが効果的だと丹野氏は考えます。 これらの「約束」の中には、文学作品やゲーム全般に共通する要素もありますが、ゲームブックならではの、先の展開などが「ちらっと見えて」しまうことも「約束」として機能する、という着眼点が興味深いですね。そのような「約束」の発生にあたっては、作品の媒体やレイアウト、イラストなどによる影響も大きく、ゲームブックが文章やルール以外にもたくさんの要素から成り立っていることにも改めて気付かされました。 (く) 2026年5月13日(水)ぜろ FT新聞 No.4858 第4回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第491回。今回は、山田賢治氏の短編ゲームブック『クトゥルフ深話』の最終回と感想です。この作品には、クトゥルフものでありながら超重要アイテムがサクサク入手できるスピード感や、読者自身の現実世界での行動とのリンクなど、意欲的ゆえに賛否両論分かれそうでもある試みが盛り込まれていましたが、皆さんの感想はいかがでしょうか。 ちなみに、ぜろ氏の感想内の「ジョンズシステム」とは、杉本=ヨハネ氏の考案による、ゲームブック『盗賊剣士』で採用されているシステムです(「ジョン」は「ヨハネ」の英語読み)。杉本氏曰く、ジョンズシステムは「安定した世界(昼間・探索・双方向)と不安定な冒険の世界(夜・冒険・一方向)が交互に起こる場合」に十全に機能するシステムとのことなので、このような観点から『クトゥルフ深話』とジョンズシステムとの相性を考えてみるのも面白いかもしれません。[参考:FT新聞 2013/07/23(No.182)、2013/07/27(No.186)] (く) 2026年5月14日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4859 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』は問いかける——人間とは何か、と。 ・岡和田晃氏による、ゲームマーケット2026春で先行発売となる『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』日本語版の紹介記事です。 トンネルズ&トロールズのデザイナーである、ケン・セント・アンドレによって、本作に込められた思いを読み解きます。例えば、人種差別(racism)に直結しないよう「種族(race)」という言葉を使わず「species(種)」としていたり、職業には「階級」や「階層」を想起させる「クラス」ではなく「プロフェッション」という言葉を採用しています。 一方で、どの職業につくかは一概に等しいチャンスが在るわけではなく、2d6でもっとも出やすい7にあるのは農民。ケンがイメージする世界観では、社会は本質的には平等であるべきだが、実際にはそうなってはいない、という矛盾をも表現しえているわけです。 ケン・セント・アンドレがデザインした「ストームブリンガー」でも、ランダムダイスで職業表を振るのですが、農民や乞食など、ヒーローらしからぬ職業になりがちな事に対し、ケンは「俺や君が暮らすこの世界も、平等でも公平でもない。だからいいんじゃないか!俺たちはどの世界でも、渡されたもので頑張るしかないんだ。それが冒険なんだよ」とコメントしていたのを思い出しました。 (水) 2026年5月15日(金) ぜろ FT新聞 No.4860 第2回 水曜ゲームブックリプレイの思い出 ・FT新聞にて驚異の連載回数を誇る、ぜろ氏のゲームブック(+ローグライクハーフ)リプレイ。 今回も、そのリプレイの中に詰まった思い出を、熱く語ります。 作品名は、『断頭台の迷宮』 リプレイの裏話はもちろん、作者である清水龍之介氏のことまで。 さらには、その当時のゲームブックの背景の香りさえただよってきます。 当時の「熱さ」を知る方には、まさに宝石箱! な一本です! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月15日金曜日
第2回 水曜ゲームブックリプレイの思い出 FT新聞 No.4860
第2回 水曜ゲームブックリプレイの思い出 FT新聞、水曜ゲームブックリプレイ担当のぜろです。 金曜日枠が空いているので、ふらふらっとたまに来ては記事を置いていこうかと思っております。 ここでは、自分自身がFT新聞で連載したリプレイを振り返りながら、思い出語りができればと思っております。 第1回は、2026年1月2日に掲載させていただき、「宝石島の脱出」と、その当時のFT新聞について語らせていただきました。 今回は第2回。「断頭台の迷宮」についてお話します。 ●その2 断頭台の迷宮 さて「宝石島の脱出」の次の連載は「断頭台の迷宮」にしないかと、杉本=ヨハネさんから提案されました。 ちょうどこの頃に、「断頭台の迷宮」のスマホプレイ版が出るという話があって、それに合わせてのリプレイ掲載ということでした。 「断頭台の迷宮」も、FT新聞が始まる前、2012年にプレイして、すでにmixiにて掲載していたものを流用するという形でした。 連載用に少し修正を入れる程度でしたので、この頃はかなり楽をさせてもらっていましたね。 作者は清水龍之介さん。 旧来のゲームブックの様式にとらわれない斬新なアイディアを多く持ち、その成功失敗を問わずに次から次へと投入する、才気あふれる方です。 後に超大作「魔の王の少年」「魔の国の王女」を執筆し、FT新聞連載開始時から「剣闘士ユーグ」を書いています。 「魔の王の少年」シリーズは3部で完結という話で、3巻が出そう、という話も聞いたことはあったのですが、その後音沙汰がないので気になっております。 商業的な事情であるとか、タイミング的なことであるとか、理由はいろいろあるかと思いますが、シリーズものとして始めたものは完結まで追いかけたいというのは、読者の切なる願いではあります。 だからね、「ガルアーダの塔」もね、ローグライクハーフ版もいいけどゲームブック版の続きも、と思うところがないでもないです。 が、やっぱりタイミングとやりたいことを優先するのが一番いいってのもわかってますので、願望だけ垂れ流しておきます。 この「断頭台の迷宮」は、FT書房の初期作品の中では、屈指の出来だと私は個人的に思っています。 ただし、高難度の作品ですので、あまりの難しさが肌に合わない方もあるかもしれません。 この作品の優れたところは、序盤はすごく簡単にコロコロとゲームオーバーを連発してしまいがちにもかかわらず、徐々に全体の把握ができると、きちんと攻略ができるような作りになっていることですね。 そんなふうに、試行錯誤をしながらきちんと考えて進めば、攻略できる、ただ難しいだけではないところがとても魅力的に映りました。 また、この作品は導入も引き込まれるものがありました。 主人公は記憶を失って、ダンジョンの奥、しかも奈落のような裂け目のふちで目が覚めるのです。 ちなみに最初のちょっとしたネタバレになりますが、目覚める前に寝返りでもうとうものなら、最速のゲームオーバーが待っています。 スーパーマリオブラザーズで最初のクリボーに当たって死ぬのといい勝負です。 そこからダンジョンを探索し、自分が覚えていない知人との出会いがあり、別れがあります。 難敵「ギロチンハンズ」との因縁めいた遭遇があります。 そうして、緊張感が増す中でダンジョンからの脱出を目指すのです。 ダンジョンは双方向のつくりになっています。 場面によっては、どちらから来たかによって展開が変化する要素も加えられています。 ラストには、宿敵ギロチンハンズも含めた、ちょっと意外な結末が待っています。 自身が記憶を失った事情とか、記憶を取り戻したらすごい設定が明らかになるとか、スタート時点ではそういう妄想もしていました。 でもどちらかというと、あくまで高難度ダンジョンの突破に重点が置かれたつくりになっています。 当時の私には、ゲームブックといえば400パラグラフ、という根拠不明の刷り込みがありました。 なので、100パラグラフでもこれだけ濃密な内容を詰め込める、ということに感動すら覚えました。 同じ作者が次に「見捨てられた財宝」という作品も書いておりまして、そちらはこの作品と対極でした。 冒険の達成値ごとにエンディングが分岐する形になっており、1回の冒険は短めに終わるようになっています。 この作品の次にプレイしたので、逆にもの足りなさを感じてしまったのを覚えています。 しかし、今にして思えば、それは作品コンセプトそのものの違いなわけで。 「見捨てられた財宝」の方も、クリアランクを導入するという面白い試みがされていて、ものすごい意欲作でした。 こうして「断頭台の迷宮」は、いつまでたっても私の中のゲームブックランキングで、常に上位をキープする作品になりました。 「断頭台の迷宮」リプレイは、FT新聞2013年版から2014年版で読むことができます。 FT新聞2013年版 https://www.amazon.co.jp/dp/B0B354RFVS FT新聞2014年版 https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6BKZDNS 連載期間 2013年8月から2014年1月(全20回) 自分のリプレイの思い出語りをするだけのつもりだったのですが、周辺の記事が気になり、いろいろ目を通してしまいました。 こうしてみると、創刊当時の熱意すごい。 2013年の創刊当時は、清水龍之介さんの「剣闘士ユーグ」ですね。創刊と同時に配信するコンテンツでした。 これもメモ程度のリプレイは書きましたが、もっとちゃんと書きたい気持ちがあります。 丹野佑さんの「戦場の風」も2013年の終わりには登場しています。ちょうど「断頭台の迷宮」リプレイを連載していた頃ですね。 ほかにも、配信のみのゲームブック作品が多数登場しています。 最初の頃のFT新聞は、毎週日曜日にはミニゲームブックをお届けするという、今思えばそうとう無茶な挑戦をしていました。 そんな短距離走のような全力疾走な配信だったのに、こんなに長く続くなんて、つくづくどうかしていますね。 そして、FT新聞は、挑戦的な作品や短編を公開する場として機能していたんだなと思います。 挑戦作を、成功失敗を問わず世に出すことができる稀有な場所なのだと思います。 「断頭台の迷宮」リプレイは、私のmixiでも読むことができます。 ゲームブックリプレイ【断頭台の迷宮】目次 https://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=7076225&id=1941236433 ■作品情報 作品名:断頭台の迷宮 著者:清水龍之介 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら 100パラグラフゲームブック集2 https://booth.pm/ja/items/2483162 ●おわりに さて、いかがでしたでしょうか。第1回の時には次は「断頭台の迷宮」と「大魔導城のワナ」についてお話すると言っていましたがすまん。ありゃウソでした。 「大魔導城のワナ」リプレイについては次回まわしにさせていただこうと思います。 不定期なので次はいつになるかはわかりませんが、たまに金曜記事を埋めに来ますので、よろしくお願いします。 みなさま方も、軽い気持ちで金曜日に記事を置いてくださいますと、私がうれしい気持ちになります。みんなで埋めよう金曜日。 では次は水曜リプレイでお会いしましょう。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月14日木曜日
『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』は問いかける——人間とは何か、と。 FT新聞 No.4859
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』は問いかける——人間とは何か、と。 岡和田晃 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 2026年5月23日、ゲームマーケット2026春での先行発売といたしまして、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』日本語版がFT書房のブースでお目見えします。この作品に関しては、すでに杉本=ヨハネさんが「☆モンスター!モンスター!TRPG 新刊のお知らせ☆」(「FT新聞」No.4549)で紹介をしておられますが、屋上屋を架すことになるのも恐れず、私なりに、その読みどころを掘り下げてみたいと思います。 そもそも『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』とは何か? これは世界で2番目に古いTRPGと互換性のあるTRPGルールブックです。さらには、『モンスター!モンスター!TRPG』のサプリメントでもあります。 商業的なRPGの歴史は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に始まる、というのが通説ですが、D&Dはあくまでも「中世ウォーゲーム」と銘打っていました。自覚的にRPGを名乗ったのは『モンスター!モンスター!』初版(1976)が最初だと言いますから、それくらい記念すべき作品であるわけです。 ところが『モンスター!モンスター!』は、その名の通り、モンスターをプレイして人間たちへ復讐を仕掛ける、というのが基本コンセプト。そうした「逆転の発想」からスタートし、現行、ズィムララ世界で展開されている『モンスター!モンスター!TRPG』——『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー』二分冊をご参照あれ——においては、人間中心主義が完全に転回された世界が再構築されています。 いわば、その文脈で人間をはじめとするおなじみのヒューマノイドたちは、どういう位置づけなのかを解説するというのが、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』なのです。歴史的には、著者のケン・セント・アンドレは『トンネルズ&トロールズ』のデザイナーとして知られますが、T&Tの権利は現状、ケンのもとにはなく、Rebellion Unplugged社が『Tunnels & Trolls : A New Age』を開発中(現在、β版まで出来ています)。その状況で、T&T的な冒険を行うための裏ワザを——という安直なコンセプトなのではないかと、私としても当初は疑う部分がないではありませんでした。 けれども蓋を開けたら、そうではなく、新しい世界観のなかに、どう人間たちを再定位させるのか、というSF的というほかない問題意識による作品だということが、よくわかった次第なのです。 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』は、「ケン、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』を大いに語る」と題したおもしろコラムより幕を開けます。このコラムにおいては、〈小さき者ら〉が、モンスターだらけの世界で、どう生き延びるべきかが滔々と語られているのです。〈小さき者ら〉と言われれば、それこそホビットやハーフリングのような存在を意識してしまいますが、ここでは、モンスターから見た人間、エルフ、ドワーフらが、まとめて〈小さき者ら〉になっているのですね。 魑魅魍魎が蠢く、弱肉強食のズィムララ世界においては、〈小さき者ら〉は、頭を使い、戦略を練らねば、生存すらおぼつきません。様々な戦略が紹介されるなか、とりわけ大事になってくるのが、奇策(スタント)を駆使すること。 本コラムでは、『モンスター!モンスター!TRPG』第2.7版基本ルールブック(未訳)に出てくる奇策のルールを改めて紹介し、導入可能にすることで、スタンドアローンなヴァリアントとしての価値をもたらすことに成功しています。 そして本作においては、『モンスター!モンスター!TRPG』の根幹に関わる、大きな明確化がなされています。それは、原則的に「種族(race)」という言葉を使わない、ということです。raceという言葉は、それこそ人種差別(racism)に直結するから……というのが、その理由です。 自然科学的に言えば、それこそ人種という概念は架構されたフィクションにすぎません。肌の色や骨格といった、見た目にわかりやすい違いについては、人間の遺伝子の0.1%にも満たない差異にすぎないというのに、そこをクローズアップすることで「マイノリティを殺すこと」を正当化するというのが、昨今、社会問題になっているレイシズムの話ですが、ゲームタームのうえとはいえ、それを反復するのはやめてみよう、というスタンスなのですね。 かわりにケンが用いるのが、species(種)という概念です。例えば、ヴィーガニズム(菜食主義)のようなアニマル・ライツ(動物の権利)を守るための運動は、種差別に抗う営み、などという日本語で紹介されたりするわけです。 余談ですが、私の暮らすアルゼンチンでは新鮮な野菜や果物があちこちで売られているため、ヴィーガンとして生活するのは、そう難しいことでもありません。 他方で日本においては、ヴィーガンとしての生活を徹底させようとするのは、なかなか骨です。私も試みようとしたことはありますが、すぐに挫折してしまいました。 日本ではコンビニやスーパーで売っているお弁当やお惣菜の多くに、肉や卵が入っています。そうした肉や卵が、充分に動物福祉(アニマル・ウェルフェア)の保全された状態で生産されているのか、という点については、議論の分かれるところにもなっています。 ゆえに、ケンの「種」に関する問題意識は、大げさではなく、日本社会の現状へ一石を投じるものにもなりえているのですが……。ただ、日本語のゲーム上で「種族」を「種」に置き換えたからといって、その差分はわかりづらいですね。 そこで『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』では、「種族」の代わりに「モンスター・タイプ」という訳語を用い、クリーチャーごとの差異を表現することにしました。人間も、エルフも、ドワーフもモンスターの一種であり、個々の違いはタイプの違いにすぎない、と。こう表現すると、著者の意図するところを、日本の読者へより正確に伝えることができるのではないかと考えた次第です。何より、どことなくユーモラスな響きがあり、「お説教臭さ」も感じません。 多くのファンタジーRPGでは、人間という存在がどんなものかということは、当たり前のことすぎて(あるいは大きな問題にすぎるのか)、紹介が簡単に飛ばされるのが常です……それでも、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第3.5版のサプリメント『宿命の種族』(ホビージャパン、日本語版2006年)という専門のサプリメントはありましたが。 ズィムララ世界の人間は、私たちのお馴染みの人間であることもできれば、もっと別なタイプにすることもできます。この点については、すでに『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』でサポートされているとおりです。 では『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』においては、人間というのはどういう具合に説明されるのかというと——職業(プロフェッション)、技能(スキル)、特殊能力(アビリティ)の3つを介して決まります。 ケンのデザインした他のシステムだと、『トンネルズ&トロールズ』第5版において、他のRPGにおける「キャラクター・クラス」に相当するものには「キャラクター・タイプ」という訳語が充てられていました。 私は、どうしてそうなのか、常々不思議に思っていたのですが、これもまた意図的だと、このたびわかりました。『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』では、「クラス」という言葉が使われず、「プロフェッション」が職業だと明記されていたからです。 察するに、どうしても「階級」や「階層」を想起させるからでしょう。ケンのおためごかしではない平等主義が、まさしく徹底されています。 そして面白いのは、この職業(プロフェッション)が、それで生計を立てておらずともかまわない、とさらりと書かれていること。多くのファンタジーRPGは——ファンタジー社会なのに——資本主義の論理とは無縁でいられないばかりか、かえってそうした要素が強調されていたりするのですが、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』では、半ばそれが相対化されているわけです。 ただし、社会に存在する格差の問題に、本作は目をつぶっているわけではありません。どの職業につくかは一概に等しいチャンスではなく、わざわざ釣鐘状の確率曲線を描く2d6で決まります。2d6の期待値は7ですが、7にあるのは農民。いちばん出づらい2と12は、それぞれ錬金術師と探検家、ということになっています。それくらい、これらの職業は稀少なものとして位置づけられているわけですね。 むろん、GMが認めれば、任意に職業を選んでもかまわないとあるわけですが、つまり、ケンがイメージする世界観では、社会は本質的には平等であるべきだが、実際にはそうなってはいない、という矛盾をも表現しえているわけです。 技能(スキル)は、なんと、この職業に必ずしも紐付けなくてもよい、というものになっています。クラス・システムを取るRPGでは、多くの場合、職業ごとに推奨・制限されている技能を取るものですが、本作においてはゲーム的な軽さが優先されているのでしょう。2d6を振って技能を取得すると、その技能のレベル(1レベルから開始)だけ、セービング・ロールに数値的なボーナスが入るというのですから、実に単純明快です。 一方、特殊能力(アビリティ)は、各キャラクターを他から際立たせる、それこそスペシャルな能力であり、2d6で決定されますが、関連能力値の10の位に応じて、自動的にレベルアップしていきます。その記法は、意図してファジーなものになっていて、セービング・ロールの柔軟性、奇策(タレント)の応用性に、うまく見合うものが目指されているようです。 実際、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』でサポートされている——人間に限らず——各種族の職業、技能、特殊能力を概観していくと、ケン自身が携わった『ストームブリンガー』はもとより、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、『ウォーハンマーRPG』、『シャドウラン』などを彷彿させるものが、ちらほらあります。それらへのアンサーも兼ねていると思えば、シンプルなようで、あなどれない。 初心者でもスタンドアローンでプレイできながら、深読みしていけば、いっそう楽しくなってくる。それが『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』なのではないかと思います。 ■書誌情報 TRPGルールブック&『モンスター!モンスター!TRPG』用サプリメント 『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』日本語版 著 ケン・セント・アンドレ 訳 岡和田晃 絵 スティーブ・クロンプトン 印刷版 2,200円 ゲームマーケット2026春で先行発売予定 通販は以下(6月発送予定) https://ftbooks.booth.pm/items/8232648 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! 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2026年5月13日水曜日
第4回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4858
第4回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ※ここから先はゲームブック【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。 ぜろです。 「クトゥルフ深話」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。 主人公グレイハッカー、キサラギは、世界各地で起きる天変地異に対応するため、各地の友人知人と連絡を取り合い、対処しています。 徐々に世界各地の異変は進行しつつあり、同時に何に使えるかはわからないけれど、邪神に対抗できそうな書物や道具も集まりつつあります。 とはいえ、すでにアメリカ以外の災害レベルは2になっています。あと1レベル上がればその都市は滅んでしまいます。 いったいどうしたらよいのでしょうか。 【災害レベル】 日本:2 アメリカ:1 モンゴル:2 イースター島:2 【持ち物】 ・書物「黄衣の王」 ・旧き印 ・覗きガラス ●アタック01-9 レムリア大陸と世界の滅亡 6日目。 世界の異常の進行に合わせて、アイテムを入手していっている。 となれば、次に何かを手に入れられるとしたら、アメリカだろう。 私はアメリカのマーカスに連絡を取ってみた。 アメリカは災害レベルが1だったが、この連絡で2に上がる。 そして2に上がったことで収穫があった。 アーカムシティから帰還したマーカスは書物「ネクロノミコン」を入手してきていたのだ。 この本のおかげで、私は様々なことを知ることができた。 これまで漠然と動いてきたことの裏付けのようなものだ。 東京、アメリカ、モンゴル、イースター島の4か所を頂点としたひし形を描くことで、太古に存在したレムリア大陸を蘇らせることができるという。 今この4地点で起きている異変は、レムリア大陸の復活に向けて収束していくということか。 アメリカ、とか国土が広大すぎるんだが、まあ、そこは今突っ込むべきところではないだろう。 データを送ってもらった。 書物「ネクロノミコン」を手に入れた。 午後だ。 まだ何も得ていないのは、イースター島だ。 私はイースター島のアブドルに連絡を取った。 アブドルは、海上の調査船にいた。 なんでも、海底ですごい発見があったのだと。 発見したものは2つ。 生物の化石らしきものと、船とともに沈んだと思われる書物類だという。 どちらも一緒にサルベージはできないので、どちらを優先した方が良いだろうかと、助言を求められた。 書物類などは、通常なら海中でダメになっていそうなものだ。 しかし、魔導書の類ならば、それでもそのまま残っている可能性がある。 あと、生物の化石はきっと危険なので引き上げない方がいいやつだ。 私はそう伝える。 アブドルは、私の助言に従い、書物の方をサルベージした。 そこで発見されたのは、なんと書物「ルルイエ異本」だった! クトゥルフ関連の本の本命みたいなやつではないか。 これもデータで送ってもらい、私は書物「ルルイエ異本」を入手した。 これってもしかして、かなり順調に対策アイテムが集まっているのではないだろうか。 こうして、6日目は終わった。 さて、6日目の世界情勢の変化を確認しよう。 ここでは、世界の災害レベルが、現実世界とリンクして上がるかどうかの判定をすることとなる。 まず日本。現実世界の時刻が丑三つ時(午前2時頃)であれば、災害レベルが1上がるという。 これは上がらずに済んだ。 次はモンゴル。空を見上げても太陽が見えない時間帯や天候なら、災害レベルが1上がるという。 モンゴルの災害レベルは上がってしまった。これで3になった。モンゴル……滅んだか。 続いてアメリカ。私が昨晩夢を見たなら、災害レベルが1上がるという。 夢は見ていないか覚えていない。セーフだ。 最後にイースター島だ。ここは、現実世界で雨が降っていれば、災害レベルが上がるという。 雨は降っていない。災害レベルは上がらなかった。 これにより、モンゴルだけは滅びを迎えてしまったことになる。 混乱がどういう形で滅びに繋がったのか。そしてそれが世界に何をもたらすのか、それを確認するため、次のパラグラフへ進む。 そこには、モンゴルの混乱を皮切りに、世界滅亡へと向かっていく人類の姿があった。 世界の混乱の中、恐るべき兵器が使用され……そして、モンゴルだけでなく、世界が滅びを迎えてしまったのだった。 なんと、ここでゲームオーバーだ。 いろいろアイテムを入手し、これからというところで! ●感想 いつもであれば、クリアするまでアタックを重ねるところです。 しかし今回は、ここで区切りにさせていただこうと思います。 感想では、ここまでの感想と、この先をチラ見してしまった部分を含めての感想を書かせていただきます。 この作品は、クトゥルフ神話に詳しい人の方がより楽しめる作品なのではないか、と思います。 クトゥルフ神話で超メジャーな存在たちが、ひしめきあっている作品です。 その存在の影が少し出てきただけで、よく訓練されたクトゥルフ信者たちはきっと、「おお」「あれが来たか」とうなることでしょう。 作品の構成としては、大きく三部構成になっています。 闇に呑まれた主人公が脱出し、自分を取り戻すまでが第一部。 主人公が世界各地の友人知人と連絡を取り合い、世界の異変を確認しながら対抗するアイテムを集めていく第二部。 そしてその時が来て、主人公が仲間と協力し、世界各地の邪神に対抗する第三部。 「その時」は、7日目に設定されていました。 つまり、あと1日を無事に乗り切れば、邪神たちとの対決の場面へと進めたことになります。 登場する存在は、ダゴン、アザトース、クトゥルフ、ヨグ=ソトース。 あと、トラペゾヘドロンに関連して、ナイアーラトテップも。 クトゥルフ世界の重鎮がそろいもそろっております。 それらの存在に対し、これまで手に入れて来たアイテムを、誰に対して何を使うのかを適切に選択し、対応し、切り抜けていく。 これがこの作品の醍醐味の部分になります。 いやこれどう考えても短編でやる内容じゃないでしょ。 こんなクトゥルフオールスターに人類が対抗する物語とか。 オールライダーものの映画とか、スーパー戦隊199ヒーロー大決戦とか、そういうノリですよこれもう。 最初の、闇から生還するまでの部分は、いかにもゲームブック的なギミックが仕掛けられておりました。 キーワードでパラグラフジャンプ。ジャンプするべきキーワードを、ワード入手のパラグラフにも仕掛けてあるというのが、いいひっかけになっていました。 第二部の、世界情勢とアイテム集めの段は、ジョンズシステム。 同じパラグラフから行動を選び、1行動につき時間が経過していくシステム。 そのため、行動できる総数は決まってきます。 また、行き先によっては災害レベルによる段階イベントにもなっており、物語の進展によって展開が変化するようにできています。 この部分のシステムまわりは、感動を覚えるレベルでよくできています。 私はゲームブックは作るのではなく読む方ですが、作るのならば、このシステムを生かした何かを作りたい、と強く思いました。 たとえば、ローグライクハーフにこの段階イベントを組み込んだりしたら、すごいものができそうな……。 ただ、短編の中で巨大な存在と対決していくというストーリーのためか、第二部以降全般にわたって、ダイジェスト感を強く感じてしまったのは残念なところではありました。 様々な超重要アイテムが短時間に次から次へと発見、発掘されていきます。 スピーディでさくさくと進んでいきますが、逆にクトゥルフでそれでいいのかと。 こう、その、なんですね。「クトゥルフってのはもっと殺伐としているべきなんだよ」みたいな講釈を垂れたくなってしまう感じといいますか。 さくさく感とクトゥルフの相性って言いますか。 せっかくスピーディに伝説級のアイテムを登場するカタルシスを与えてくれているのに、失礼極まりないですね私。 あと、これもダイジェスト感の弊害かもしれませんが、アイテムの入手方法が一部、なんというか……雑? これは、私が最初に入手したのが書物「黄衣の王」だったせいかもしれません。 何も情報のない中、なんとなく福井に行ったら、なんとなく九頭竜川流域を進み、なんとなく劇場跡に行ったら、なんとなく見つけました。 見つけた私がポカーンとしてしまいました。 他のアイテムは、ふさわしい雰囲気や場所で手に入るものもありますが……。でも展開の唐突さは否めません。 プレイヤー目線からなら、「ネクロノミコン」が手に入った。やった! って感じはわかるんですけど、作中の登場人物たちの立場で考えると、それらが世界の異変とどう繋がってくるのかの情報に乏しい。 論理的に根拠立てなくても、主人公が直感力に優れていて、そこから何かを感じ取るとか、もう少し描写が欲しかったと思います。 現実世界とリンクさせるのは、これまた独特なギミックを入れてきたなと思いました。 これは、読んだ最初はちょっと否定的だったんですよ。この物語を現実世界の自分の行動とリンクさせる意味ってそもそも何?なんて思ってました。 でも違うんですよ。 この作品の主人公はグレイハッカー。 今私がこのリプレイを書いているパソコンを用いて世界中と繋がり、情報を得て、対処していきます。 たまには車に乗って自ら移動し現場に行きます。 これってつまり、今の私そのものじゃないですか。 机に向かってネットをしている私。そんな私の存在そのものを、この作品の中に取り込んでしまうということ。 こうして、作者が現実世界の行動をリンクさせた意図が理解できました。 でも、そういう理解の仕方をしたら、次にひとつだけ不満が出てきて。 現実世界とのリンクは基本的に、私の普段の生活習慣がマイナスに作用して、災害レベルを上げるペナルティとして発現します。 でも、作中でグレイハッカーは、各地と連絡を取り合い、異変に対処しているんです。 現実世界とリンクするのだったら、私もそのグレイハッカーに協力する行動を取りたい。 私が現実世界で起こした何らかの行動が、作中での災害レベルを1下げるとか、本当は進行すべきところを止めるとか、そういう要素は入れてほしかったところです。 やはり、これだけのスーパー邪神大戦は、短編に収まるような器じゃありません。 もちろんそうは言っても超大作にする必要はないですし、パラグラフ数をいたずらに増やせばいいというものでもありません。 でも、読んでいて、もったいないと思う部分が多かったのも事実です。題材がよすぎるだけに、期待値も高まってしまったのかも。 そんなわけで、良いところや工夫が凝らされているところ、面白いギミックがてんこ盛りの作品でありながら、まだまだ上を目指せる作品でもありました。 あ、ちなみに再アタックをしないのは、ですね。 本作を有利に展開するためには、現実世界での私が、 「誰かがいるところでこの作品を読み」 「丑三つ時ではなく」 「太陽が見える時間で」 「昨晩夢を見ておらず」 「雨が降っておらず」 「体調不良ではなく」 「8時間以上睡眠を取っている」 ことが必要だとわかったからです。 全部完全にこなさなきゃいけないわけではないみたいですが。 それにそんなの、別にズルしちゃえばいいんですけどね。 でもでも、1プレイだけとはいえ、楽しんだことは間違いありません。 著者の山田賢治さんは、いつもこれでもかというほどにアイディアを惜しみなく投入してくるので、また、他の作品も期待してプレイしたいと思います。 それでは、以上で「クトゥルフ深話」のリプレイを終わります。 また別作品のリプレイでお会いしましょう。 ■作品情報 作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「クトゥルフ深話」 著者:山田 賢治 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら ・書籍版(現在、通販品切。委託店舗在庫のみ) https://booth.pm/ja/items/2484141 ・電子書籍版 https://www.amazon.co.jp/dp/B09Z22RJQY ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月12日火曜日
Re:インセンティブ(後)@20代からのゲームブック123 FT新聞 No.4857
FT新聞編集長の水波流です。 本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』 元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。 (2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412) (編註:文中のコメントは全て当時のものとなっております) ☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆ おはようございます。丹野です。 これを読んでいるあなたは夏バテしていないでしょうか。丹野はできるだけ寝る時間をとって、一応いまのところは元気にやっています。 8月に配信予定のクトゥルフゲームブックを準備しています。調べれば調べるほど、クトゥルフ神話作品群の「なんでもあり」ぶりに驚かされています。 各執筆人がそれぞれどんな球を投げてくるか、こうご期待です。 ■インセンティブの話 前回は、ゲームブックにおいてはキャラクターの動機とは別に、読者に対するインセンティブが必要だという話をしました。 この作者の作品なら面白くなるはずだ、という信頼があれば問題ないですが、読者にインセンティブを与える工夫が必要です。 基本的には、主人公に強い動機を与えることが読者のインセンティブにもつながります。そうはいっても、たとえば主人公のキャラクターが気に入らないとか、あまり最初から話を進められないとか、そういった事情もあると思います。というわけで、読者へインセンティブを与える方法を具体的に考えていきましょう。 ■約束をする ストーリーの上で読者を引き付けるためには、大きなフックになる要素が必要です。 ゲームなので目標を示すのが一般的ですが、ほかにも早めに大きな謎を突きつける、行先にこんな場所があるという噂を聞かせる、など、この先の展開を示す要素を入れ込みます。 こうすることで、この先の展開について一種の約束をすることができます。約束をすることで、読者に「じゃあ、それが実際に描かれるまではやってみようかな」と、小さな目標に向けてのインセンティブが生まれます。 あるいは、いっそ何が起きるのか教えてしまう手もあります。予言というやつですね。「おぬしはこれこれこういう運命なのだ」と先に言ってしまうことで、この先の展開をはっきり約束することになります。 ゲームブックは主人公のキャラクターでひきつけるのが難しいので、「約束」を積極的に行うことで、読者にインセンティブを与えることが重要です。 ■ゲームの約束 ゲームブックはゲームですから、約束するのはシナリオだけとは限りません。 この作品ではこういう風に遊びますよ、というルール説明をしておくことが一種の約束となります。 今月まで連載していた『VRMMOからの脱出』では、マクロを使った半自動ゲームブックを楽しんでもらえるよう、ストーリーが大きく動くよりも前にルール説明を置きました。 このように、特徴的なルールを使っているなら、こちらのほうがより効果的かもしれません。 ■ゲームブックならではの また、ゲームブックなら必然的に発生する「約束」もあります。 あなたも経験があることだと思いますが、パラグラフを移動するときにちらっと見える文章やイラストが、一種のネタバレ、言い換えれば「約束」として機能しています。 知らない名前の登場人物がちらっと見えたり、奇妙なイラストが目に留まったりして、「これ、どういう状況だろう?」と感じたりすること、あるのではないでしょうか。 ほかの媒体ではなかなか発生しない状況ですから、あえて目につきやすい場所に、読者の注目しやすいパラグラフを置いておく……なんてテクニックも、あるかもしれませんね。 それでは、また来週。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月11日月曜日
「アランツァへのいざない」第3回 アランツァ世界の紙事情 FT新聞 No.4856
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 実は半年ほど前に左手首を傷めてしまったので、今はクライミングは「ゆっくりと、長く」やることを心がけています。 強度を上げるのではなく、それほど高くない強度で確実な動きを続けること。 全力を出せない残念さはありますが、それはそれで楽しくもあります。 治ったときにはひとつ上の段階へと進んでいることを目指して、やっていきます。 さて、本日のお話は「紙と識字率」についてです。 ◆アランツァ世界には紙はあるのか? アランツァ世界には大きく分けて2種類の紙が存在します。 ひとつは「獣皮紙」で、もうひとつは「植物紙」です。 ◆獣皮紙の話。 「獣皮紙って何だろう? 羊皮紙なら聞いたことがあるんだけど……。」 そう思われたあなた、ご安心ください。 獣皮紙とは造語です。 といっても、私が初めて造った言葉というわけではありません。 そのあたりから、説明してまいります☆ ◆羊皮紙とは? 羊皮紙(parchment、パーチメント)とはそもそも、獣の皮を加工して製作された紙です。 細かい説明は省きますが、山羊や仔牛の皮を使うこともあります。山羊の場合にはペルガモン、仔牛の場合にはヴェラムと、異なる名称で特に区別することもあります。 そうなんです。 羊皮紙は、実は羊の皮だけとは限らないのです。 獣の皮を「極限まで薄く伸ばしたもの」が羊皮紙であるとするのが、一般的な定義のようです。 ◆アランツァ世界への「輸入」を考える。 ヨーロッパ世界では羊が多く飼われていたので、この「紙」に羊皮紙という名称がついたのは納得しやすいものです。 しかし、アランツァ世界においては、羊は(十分に存在する家畜であるものの)素材としてメインとするほどに多くはありません。 アランツァは気候が多様です、雪の地域もあれば砂漠もある。 さまざまな動物が紙の素材になる可能性がある。 だから、羊皮紙というよりも「獣皮紙」と呼ぶほうが、より適しているわけです☆ 仔オストリッチや仔丸々獣、あるいは田畑を荒らす鹿や、まだ登場していない害獣が素材になっていることもあり、豊富なバリエーションがあります。 ◆「植物紙」。 アランツァ世界には植物製の紙もあります。 しかし、これはいわゆる、現代の技術を使用したようなものではありません。 かといって、パピルスのような古い技術を使ったものでもありません。 寒い地方の白樺の樹皮をはがして、そのまま紙として利用するというものです☆ この紙は基本的に、片面だけが使えます。 もう片方の面は、ザラザラした木の表皮そのもので、ものを書くには適しません。 この「白樺紙」(私がつけた名称です)は、サン・サレンやフーウェイといった大陸北部(ともに豪雪地帯)において有名です。 太古の森のどこかにはトレント(樹人)たちが管理する白樺の森があり、そこから採取されて、大陸全土へと広がっていきます。 これはかなり大規模なものですが、正確な森の範囲は一部の、最も歳とったトレントたちしか把握していません。 ◆この「紙」が何を意味するのか。 トレントは(貨幣経済を理解してはいますが)、森の外からお金を獲得するためにこの「樹皮園」を営んでいるわけではありません。 これは、直接取引の手段として使われます。 つまりは物々交換です。 トレントたちはこの紙を他の種族に売っていくことで、生活必需品を入手します。 彼らにとってはこの白い紙が、ちょうど「お金」の役割を果たしているといえます。 確実に他のものと交換できるものは、お金と同じように扱われることがあります。 かつての日本において「米」がお金の役割を果たしていたのと同じですね。 まとめると、トレントの世界では「白紙」がお金として機能している、というわけです。 ◆白樺たちのその後。 彼らは白樺の樹皮を「苦しみを与えない範囲」で収穫していきますが、一度か二度ほど皮を得ると、その後は状態のいい皮が得られません。 トレントたちはそうした(経済的な視点から見れば「用済み」の)白樺のお世話を、ずっと続けます。 彼らにとって植物は友であって、人間と家畜のような関係性とは少し異なります。 人間であれば、樹皮を得た後の白樺の樹を、建築物等に活用することでしょう。 しかし、トレントたちはそうしないのです。 ◆より高価な紙。 トレントたちが住まう太古の森には、もうひとつ、もっと高価な皮があります。 それは、彼ら自身の皮を使った「トレント皮紙(樹人皮紙)」です。 こちらは非常に頑丈で、とても重要な(あるいは、神聖な)事柄を記すために使われます。 もっとも一般的な使い方は、魔法のスクロール(巻物)の素材です。 アランツァの世界では「生命を持つもの」は魔力を持っているため、魔法を使うトレントから得た生皮(あるいは、亡くなったばかりのトレントの皮)には魔力が宿っています。 この魔力は時間の経過とともに、(抜けた歯から水分がゆっくりと抜けていくように)少しずつ「死んで」いきます。 ◆識字率は? アランツァの主たる大陸であるラドリドは、紙は比較的手に入りやすい土地といえます。 いっぽう、それを読む側はどうでしょうか? 「アランツァへのいざない」第1回でご説明したとおり、冒険者は「最低限の読み書きと、商人と取引できる程度の計算」能力を身につけています。 言い換えると、冒険者の識字率は100%です。 もし、冒険者の識字率が100%でなかったとすると……冒険の途中で文字情報を得るたびに、それをちゃんと読めるかどうかの(【魔術ロール】のような)判定が必要になってしまいます。 それは、ゲームの本筋を面白くしてはくれない気がしました。 ですので、冒険者の識字率は100%です。 ◆まとめ。 アランツァの世界には「獣皮紙」と「白樺紙」が普及しており、特に魔法の巻物には「トレント紙」がよく使われます。 アランツァ世界の人々は文字を読めたり読めなかったりしますが、冒険者に関しては100%の識字率を誇ります(断言)。 「アランツァへのいざない」第3回でした。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月10日日曜日
Re:オレニアックス生物学 Vol.3 『マンドラゴン』 FT新聞 No.4855
(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメント等は全て当時のものとなっております) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オレニアックス生物学 Vol.3 『マンドラゴン』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 生物学の授業は非常に重要な科目だった。 アランツァの地での戦いは、戦争となるとまた話は別だが、人間以外の生き物と交戦することも少なくなかった。 聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラントは生物学の権威。 そんな彼の授業は生き物の外見、性質、そして対処方法を教えてくれる。 生徒たちを生き残る道へと導く、確かな灯火だ。 今日もカメルの授業が始まる……。 授業が始まる前に黒板大きな羊皮紙を貼り付ける。その羊皮紙にはあるモンスターが描かれていた。 そこには背中に木を生やした大きなトカゲに抱きつく裸の女性が描かれていた。 裸の女性はスタイル抜群で、頭についてる禍々しい花飾りが妖艶という言葉をイメージさせる。 それを見た瞬間、講義室に主に男性の歓喜とざわめきの声が響く。 「あー。静粛に。別に研究資料として隠していたご禁制の絵を披露しているわけではない。これは今日の講義の題材なのだ。この絵は『マンドラゴン』という生物を描いた物。さて! 生徒諸君! これのどっちがマンドラゴンかわかるかな?」 その言葉に生徒たちは互いを見たりざわめく。どっちというのはどういうことだろう? 『マンドラゴン』という名前からしてドラゴン、もしくはドラゴンに似た生物なはずだ。 となれば裸の女性ではなく大きなトカゲの方が正解なはずだ。実際ほとんどの生徒がトカゲの方が正解に手を上げた。 だが、2人の生徒は違った。 「ほう。アヴィオンとニナは違うようだ。君たちが女性の方だというその根拠は?」 カメルの問いかけにニナは立ち上がって答える。 「私は、マンドラゴラという植物の亜種だと予想しました。人の姿をして引っこ抜く際の声で害をなすという……。想像ですが、マンドラゴンというのはドラゴンに寄生し背中から生えてくるマンドラゴラなのではないでしょうか?」 二ナの答えにカメルはうなずく。そしてアヴィオンの方に視線を向けた。 「え……えっと。僕は匂いなどでオスの生物を操る森の妖精的な感じの生き物ではないかと……。『森で裸の女性を見たら逃げろ。正体がなんであれ酷い目にあう』という言い伝えも聞いてますし……」 自信の無そうな答えを聞いて、無言でうなずき再び、全体を見回す。 「それでは、皆に正解を教えよう。正解は……どちらも間違いだ。『マンドラゴン』というのはこの絵の通り。このドラゴンと女性が合わさった生物がそうなのだ」 その回答に何人かの生徒は崩れ、または抗議の視線を浴びせる。 「ははは。これは教訓だよ。問いかけはいつも親切とは限らない。最初から相手をだまそうとしているときだってある。さて……講義を続けようか。このマンドラゴン。とても珍しい共生生物なのだ」 そういって黒板に貼り付けてある絵を教鞭で叩く。 「共生? 混合生物ではないんですか? キマイラみたいな……」 レムレスの問いにカメルは嬉しそうに返答した。 「ああ。ちがう。キマイラは違う生物が魔術的にかけ合わさって生まれるが、マンドラゴンは特殊なマンドラゴラとツリードラゴンという種が百竜の森という特殊な環境で手を取り合って生まれた生物なのだ」 そういって、講義室にある地図を教鞭で指す。その先には白い大きな繭が描かれていた。 「百竜の森とはな、カオスドラゴンという生物が生み出した繭の中にある。この繭は年に一度。しかも一日しか開かない。そのとき以外は外界とは接触が無い隔離された場所なのだ。その特殊な環境が生み出した生物の一つがマンドラゴンだ」 今度は教鞭をトカゲの方に指す。 「マンドラゴンのドラゴン部分は普段は地面に埋まっている。つまり!見た目は大きな木に裸の女性が抱きついている!さあ、レムレス。君ならその光景を見たらどうする?」 「え?! あ! たぶん駆け寄るかと。近くで確認するために……は!」 レムレスはとっさに答えた後、自らの間違いに気付いた。 女生徒の視線が厳しい。決してそういうつもりで言ったわけではない! 「ははは。その答えは男性としては正しいな。だが、それはマンドラゴンの思う壺だ。女性に気を取られて近づいたところに地面の中からドラゴンが襲い掛かる。待ち伏せタイプの狩猟を行う生物なのだ」 続いて、女性の部分に教鞭を指す。 「さらに恐ろしいことに、ドラゴンの攻撃で獲物がしとめ切れなかった場合、この女性の部分が大きな金切り声を上げて、獲物の鼓膜にダメージを与え弱らせる。獲物はそれで気絶し、その後ゆっくりドラゴンに食べられるというわけだ。良くできているだろう?」 そこまで言ってカメルは生徒達を見渡す。 「このマンドラゴン、女性部分の大きさは我々と同じくらいなのだが、百竜の森にいる亜種の『マンドラゴラ』と『ツリードラゴン』はもっと小さい。マンドラゴラにいたっては、このような成人した女性ではなく子どもにそっくりで、声も人を気絶させるほどには大きくない。まあこれは百竜の森だけにいる個体だけなのだが……一部の好事家は『マンドラタン』という名前で呼び、とても高価で取引してるほどかわいらしいと。話がそれたな」 セキを一つして話し続ける。 「しかし、ツリードラゴン……背中に木をはやしたトカゲなのだがその木にとりついた時、話が変わってくる。ツリードラゴンはマンドラゴラのおかげで普段より簡単に沢山の獲物を捕らえられるため、図体が大きくなりやすい。一方、マンドラゴラは普通に木に生えるより栄養を多くもらえる上、ドラゴンに水や光がある所に連れて行ってもらえるため、大きく発育する。声の大きさや体のいろんなところがな」 教鞭の先は確かに、大きく発育した箇所を指している。 「つまり、これは、どちらかが一方的に利用する寄生ではなく、互いに利益を与え、協力し繁栄する共生なのだ。今日の授業のテーマは『協力とは人間だけの武器ではない』ということだ。弱肉強食で自分達の種だけ生き残ればいいという単純な生物だけではない。環境が変われば生物も変わる。そのことを良く覚えておくように」 そういって、カメルは教鞭をしまう。 「さて、最後にマンドラゴンの対処法だな。これは簡単。マンドラゴンの攻撃範囲外からの攻撃が一番だ。つまり遠距離攻撃だな。アヴィオンやニナの出番というわけだ。また、音に対する対策をしておくのも有効だ。不意打ちさえされなければ、ただの大きなトカゲなのだから」 終業の鐘が鳴る。 博士はピンと背すじを伸ばしたまま、教室の扉を開ける。ありがとうございました!と声が響く。 若い生徒たちに教えることのうち、どれが役立ち、どれが無駄になるかは分からない。 だが、いくつかはきっと、彼らの命を永らえさせてくれるだろう。そう信じて博士は今日も教鞭をとる。 (From:ロア=スペイダー) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『マンドラゴン』 ロア=スペイダー著【百竜の森】に登場。 *【100パラグラフゲームブック集1】に収録。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月9日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第691号 FT新聞 No.4854
From:水波流 散歩がてら、徒歩30分ほどの最寄りの図書館へ行っては、アストリッド・リンドグレーンの未読本を借りて読み続けたら、1ヶ月の読書冊数が30冊と結構な数に。 邦訳されている絵本だけでもかなりあるんですよねえ。 ちなみに『長くつ下のピッピ』よりも『名探偵カッレくん』『やかまし村の子どもたち』のほうが好きです。 From:葉山海月 「間違ったダイエット」「間違った筋トレ」に注意! ってな煽り文句を見かけるのが多いんですが、 「ダイエット」も「筋トレ」も、一種の拷問だと思うんです…… From:天狗ろむ 毎月初めの1ウィークに、挨拶を載せさせて頂くようにしていたのですが、先週ウッカリしておりました! 花見の時期も過ぎ、若葉の眩しい季節になってきましたね。田畑に囲まれている所で暮らしているので、カエルの合唱が聞こえてくると、5月だなぁと感じます。 そんな5月におススメな公式シナリオは、迷いましたが『巨大樹の迷宮』でしょうか。みどりの日(4日)は過ぎてしまったんですが、全体的に緑っぽいし…という、少し理由は安易ですが、面白さはバッチリですので是非! From:明日槇悠 X(旧Twitter)上にて【女子向けのゲームブックについて】の話題が持ち上がっているようです。ゲームブックに親しんでこられた方でも、「こんなの初めて見た」という反応が多く、一方で主婦の方などの「わあ、これ持っていた!」という声もあったり。ブームの盲点を見るようでたいへん興味深く、当事者のお話をお聞きしてみたいものです。 From:中山将平 僕ら、明日5月10日(日)「北海道コミティア23」にサークル参加します。 開催地は『札幌コンベンションセンター大ホール』、配置は【G27】です。 扱うのは、ゲームブックや1人用TRPG等々! ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (く)=くろやなぎ (天)=天狗ろむ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■5/3(日)~5/8(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年5月3日(日)水波流 FT新聞 No.4848 ローグライクハーフd33シナリオ『九つの樹の道』 ・フーウェイキャンペーンの次のシナリオを構想中に水波氏が、杉本=ヨハネ氏より提案を受け、全く新規で考えた入門編のシナリオです。 この物語のモチーフは、森の中のいろいろな樹木や草花。そこを順番に巡り、成人の儀式とする蛮族の若者をあなたは見届けることになります。 底知れぬ《太古の森》に、ハシバミの杖を携えた若者が乗り込んでいくにつれ、明るかった世界はだんだん厳しい実相をさらけ出していきます。 春らしく新しいことを始める物語に、どうぞ作成したばかりの初級レベルの主人公で冒険に出てみましょう! ぜひプレイされたご感想をお聞かせください。 (明) 2026年5月4日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4849 ☆モンスター!モンスター!TRPG 新刊のお知らせ☆ ・今回ご紹介するのはM!M!のサプリメント『ヒューマンズ!ヒューマンズ!」です!! これまでさまざまなモンスターを展開してきたM!M!ですが、このサプリメントでは「人間、エルフ、ドワーフ/ドウォン」というモンスター・タイプを中心に扱っています。 キャラクターには職業(お金を稼いでいなくても、毎日そのことに関わっていればそうとして扱われます)があり、それぞれの種族の文化の香りがしっかりと伝わってきます。 また、「アヴァター」と称しまして、「神々の干渉、魔法や呪い、異種交雑、あるいは突然変異などによって変化した、様々な人間のようなキャラクター」を扱うことができます。 吸血鬼、スーパーヒーロー、四次元立方体テッセラクトの化身の例とともに、能力値への係数や扱い方に関するアドバイスが載せられています。 また、「ズィムララのモンスターラリー」で登場した種族に登場した「人間と共存可能な種族」についてもしっかりと掘り下げられ、サプリメントどうしの互換性を高めています。 加えて、なんとまた! 他のTRPGを遊んだことがあるのであれば、1冊だけで遊ぶことができます。 そして、ちょっと話変わりますが、冒頭で紹介される蕨之介さんから「ローグライクハーフ」の新シナリオも見逃せません! 詳しくは本記事を! (葉) *編集部註* 本記事の配信時の通し番号が誤っておりました。「No.4549」→「No.4849」が正しい番号となります。 訂正してお詫び申し上げます。 2026年5月5日(火)丹野佑 FT新聞 No.4850 Re:インセンティブ(前)@20代からのゲームブック122 ・『戦場の風』『きみへ贈る詩』などの著者である丹野佑氏による、10年ほど前にFT新聞で連載されていたコラムの再録シリーズです。今回は「インセンティブ」をテーマとして、ゲームブックの読者が作品を読み進める際の「動機」についての考察が展開されています。 物語の中での主人公の動機と、それを読み進める読者の動機は、重なることもありますが、重ならないこともあります。では、主人公と読者の動機がうまく重ならない場合は、具体的にどんな方法で読者へのインセンティブを与えられるのでしょうか。 丹野氏による答えは来週の火曜日に掲載しますので、それまで皆さんもご一緒に考えてみてください! (く) 2026年5月6日(水)ぜろ FT新聞 No.4851 第3回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第490回。現在は、山田賢治氏の短編ゲームブック『クトゥルフ深話』に挑戦しています。 主人公が友人たちと連絡を取り調査を進めるうちに、世界各地の「災害レベル」は最初の「0」から「1」や「2」へと上昇。これが「3」になるとその都市は滅びてしまうと予告されているので、もうあまり猶予はなさそうです。 重要そうなアイテムをいくつか入手でき、邪神に対抗できそうな雰囲気も出てきましたが、事態の全貌は未だ見えないまま。決定的な破滅を迎える前に、グレイハッカー・キサラギは世界を救うことができるのでしょうか? (く) 2026年5月7日(木)東洋夏 FT新聞 No.4852 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.2 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第2回目をお届けしました。 前回の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人。客車から人の話し声が聞こえてきましたが、どうやら様子がおかしいようで……? シグナスの騎士としての振る舞いが、今後どんな影響を与えていくのでしょうか……! (天) 2026年5月8日(金) かなでひびき FT新聞 No.4853 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第12回(出題編) ・かなでひびき氏による企画。かなで氏が集めた奇妙で結末がない物語の断片。この前半部に、読者の皆様がオチに当たるストーリーを考えるという企画です。 今回のお話は、「立ち止まって、じっと空を凝視する男。そのうちに一人、二人と町の人が集まり始めて、ついには街のみんなが空を見上げはじめた!? 男はどうして、空を見上げっぱなしなままなのか? あるいは空に本当に何かが浮かんでいたのか?」 今回の出題編はここまで! 皆様の名解答! お待ちしております! (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (匿名希望さん) 2026 年 5 月 6 日 水曜日 付 クトゥルフ深話リプレイ 第 3 回 >海底の誓 なんという意味深な誤字! 用語として、実際にありそうですね。 (お返事:ぜろ) これだけのスーパー邪神大戦への感想に匿名で臨むのは賢明かと思います。名だたる邪神たちがどこから覗いているか、わかったものではないですからね。 海底の「誓」はホントにわからなくて、この連載に際して編集から指摘があって初めてわかった次第です。海底の栓の誤字だったら別の方向に妄想が広がって面白かったかもしれません。 感想ありがとうございました。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月8日金曜日
読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第12回出題編 FT新聞 No.4853
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第12回(出題編) かなでひびき ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● はろにちわー! 初めての方は、はじめまして! おなじみの方は、毎度! 火曜日の記事『これはゲームブックなのですか?』にて、掲載させていただいてる、ヴァーチャル図書委員長かなでひびきですぅ! 「としょいんちょー」なんてものを長年やってますと、中には奇妙な話をいただくことがあります。 何が奇妙か? っていうと、謎かけの部分だけあって、答えがプッツン尻切れトンボなお話。 推理小説の結末がどうしても知りたくなるように、かなでもいろいろ頭をひねっておりますが、どうも、イマイチ腑に落ちるオチがない。 というわけで、FT書房の読者様、皆様のお知恵を貸していただけませんか? これから紹介いたしますショートストーリー。 謎だけのお話に、オチを付けていただけませんか? 「物語で遊ぶ」のがゲームブックでしたら、これも「ゲームブック」!? 世界で一つだけ、あなただけの結末がつけられる! もしも、この謎かけにピピぴと琴線が響きましたら、解答編のご応募、よろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『何かが空を飛んでいる』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ うだるように暑い日、その男は街中の交差点で一人、顔を空に向けて立っていた。 そして、しばらく動かない。 それを見て不思議そうに空を見上げる人。 そこには、蜃気楼のようにうだる空気の中、雲ひとつない空が広がっている。 二人を見つけた人も、空を見上げた。 やがて、人が一人、二人と増えていき、人々は空を差して何か言っている。 信号が変わり、その一団に進路を妨害されているドライバーも、やがて空を見始めた。 交通の邪魔になると、注意しに来たポリスメンもしかし、空を吸い込まれるように見た。 事の起こりとなった男も、顔から首筋に汗が無数に這い始める。 さぞ気持ち悪いと思うが、男は微動だにせず空を見続ける。 そのうちに、街の皆が空を見始めた。 ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 出題編のお話はここまで。 皆さんに解答編で書いて頂きたいのは「男はどうして、空を見上げっぱなしなままなのか? あるいは空に本当に何かが浮かんでいたのか?」ということ。 なるべくフレッシュなものを考えて欲しい! まことに勝手ながら、期限は1週後の5/17日曜24時までとさせていただきます。 発表はその2週後の5/31日曜記事にて! もちろんワタクシ、かなでひびきも1本書かせていただきます。 また、答えに限らず、皆様が思いついた謎。そちらも大募集しております! 日常を題材にしたミステリー。SF。そしてクトゥルフ神話ネタから剣と魔法のファンタジーまで! あなたの思いついた「出題編」をご投稿下さい! 喜んでここで出題させていただきます。 そして、読者のみなさんも、それにアンサーよろしくお願いいたしますうっ! かなでの方も、マジでマジでお返事ならぬマジ解答いたします! (つまんなかったらごめんなさい) あなただけの謎かけに、あなただけの答え! FT書房オンリーワンのショートショートを作り上げるのは、アナタですぅ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 「今回の解答編」及び「オリジナル出題編」 ご投稿はコチラより↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report *リドルストーリー投稿と文頭に追記下さい。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月7日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.2 FT新聞 No.4852
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.2 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。 光栄にも木曜日の枠を再び頂戴し、ローグライクハーフのリプレイ小説を連載させていただくこととなりました。 いちファンの拙い作ではございますが、最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。 今回の連載ではサン・サレンを舞台にした『怨霊列車は夜笛を鳴らす』を取り上げます。主役はナリクの従騎士(見習いの騎士)シグナスと相棒の〈おどる剣〉クロ。 同じくサン・サレンを舞台にした『写身の殺人者』のリプレイと同じコンビですが、本作から読んでいただいても、全く問題はございません。 vol.1では人をさらう怪物〈怨霊列車〉の調査依頼を請けたふたりが、列車に乗り込むところまでをお届けしました。 師匠と離れ離れになってしまったシグナス。今まで調査から帰還した者はいないという危険な列車の正体に辿り着き、事件を解決に導くことはできるのでしょうか!? なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 さあ、冒険の始まりです! ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:8 ・筋力点:4 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨21枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、2食分の食料、ランタン 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:7 ・器用点:6 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし ◇ [1号車]23:気が狂った兵士たち 客車側の扉を、その内側から何かが叩いている。 「だっ、誰かいるってことだよね? ここ開けたら」 「だったら帰るか」 「クロの意地悪!」 「ぐだぐだ言うな。腹を括れ。騎士になるんだろ?」 列車の傾きが収まると共に、扉を叩く音も間遠になった。完全に静かになるのを待ってから、シグナスは意を決して慎重に扉を横へ滑らせた。 (※さて、中にいるのは正気を失ったサン・サレンの兵士たち。幸いにも主人公すら認識できていない状態で、襲われはしないようです。何人いるのか1d3で判定して……「三人」と出ました) 何の引っかかりもなくするすると開いた扉の内側を、ランタンの光で照らす。人がいた。話し声も聞こえる。シグナスの目に写るのは三人。彼らの揃いの鎧には見覚えがある。領主の私兵が着るものだ。 先に入った兵士たちも無事なのだったら、解決の糸口はきっとすぐに見つかるだろう。シグナスはほっとして、呼びかける。 「あの、サン・サレンの方ですよね!」 しかしシグナスの呼び掛けには誰も反応しない。それもそのはず、良く良く耳をそばだてれば、彼らは会話などしていなかった。三人ともあらぬ方を向いて独り言を呟いている。 「補給物資はまだ届かんのか! これでは如何に頑健なドワーフでも戦えぬ! そうだ、補給物資の話をしている! お前だ! お前に言っているんだ、どんな面の皮をしているのか!」 「そこに鶏がいるよお、本当だよお。ほら鶏鶏鶏鶏鶏、おもろだねえ、ヘイ、ご自身で羽をむしって丸焼きになるご予定は?」 「お母さんのスープなんて何年ぶりだろう。家に帰れて良かったよ。そろそろ兵士は辞めようかと思ってて」 シグナスは狼狽えた。 対して〈おどる剣〉のクロは冷静である。空中で四十五度傾き、言った。 「共通項が分かるか」 「へ?」 「全員、食い物の話をしている。腹が減ってるんだ」 「……長く閉じ込められてるのかな。可哀想だ」 (※兵士たちに〈食料〉を与えるなら、彼らを正気に戻すことができるようです。食料一個あたり、二人の兵士を救うことができます。救われた兵士たちは「戦う従者」となって冒険に加わってくれるようです。今までの事情を知っているかもしれませんし、是非ここは仲間になってもらいたいところ。 シグナスの従者点は9、クロの従者点は7ですから、主人公ふたりプレイですが従者を二人連れて行けます。さて。冷静に考えれば食料を一個使って二人を正気に戻すのが効率的でしょう。しかし聖騎士たるもの、残りの一人を救わないという選択肢があるのでしょうか? ない。そう思いますので、食料を二つ……つまりシグナスがもつすべての食料を消費し、三人全員を救うこととします) シグナスは携帯食料を道具袋から取り出す。 「おいおい、まさか、おい」 今回は歩きながらでも食べられるように、木の実を練りこんだクッキーをナリクから持ってきた。それを三人の口に押し込んでいくと独り言は止み、夢中で咀嚼する音だけになる。 「なあお前、自分の食料を全部くれてやったのか?」 「だって苦しんでるんだよ。助けなきゃ。騎士でしょ、僕たちは」 「ああもう……」 そのように密やかに従騎士と〈おどる剣〉が囁きを交わしていると、客車の片隅から、 「ねえ、あなたたち」 弱々しい呼びかけがあった。 勢い込んで振り向くと、先程まで母親のシチューを幻視していた赤髪の女性兵士が、壁によりかかって立っている。疲れた様子だが目はしっかりとシグナスを見ていて、狂気の影は見当たらない。 「僕はシグナス、ナリクの従騎士です。こっちは〈おどる剣〉のクロ。この怨霊列車の調査を任されてます」 「もしかして、悪夢殺人事件を解決した、あのシグナス?」 「そうですけど……」 女性兵士は、痛ましいものを見る顔をした。 「聞いた、ヨン、アルゴット?」 また別の隅から、ヨンとアルゴットと呼ばれた兵士たちがそれぞれに返事をする。 ヨンはもじゃもじゃ髪のコビットで、身長はシグナスの半分くらい。アルゴットは口髭を三つ編みにした体格の良いドワーフで、縦にも横にもシグナスの倍近くありそうだ。 「恩は返さなきゃいけないと思う。どう、二人とも」 女性兵士の言葉に、コビットのヨンは目をまん丸に見開いて、 「そんな楽しそうな話、逃す手は無いだろ」 と言い、ドワーフのアルゴットは、 「求められんでも着いて行く。恥を雪がねばならん」 と頷く。 三人組のリーダーである女性兵士はトーヴァと名乗った。彼女はシグナスと同じく人間だ。サレンの領主の命で〈怨霊列車〉が好む種族や年齢や性別の傾向を調べるべく送り込まれたが、見事に全員さらわれたと言う。列車に好き嫌いはないのだ。 「従騎士どの、それから剣どの。そんなわけで、我らには付き従う用意があります」 「ぜひ、お願いします」 シグナスが頭を下げると、兵士三人も頭を下げた。 「しかし、誰か一人は残らねばならん」 空中を漂う〈おどる剣〉のクロが、三人の頭上から言う。 「最悪の場合、生き証人がいなくては後続も同じことを繰り返すだけだ。人選は好きにするが良い」 三人組は、態度の大きい〈おどる剣〉をじっと不信の目で見た。 「早くしろ」 「あの、ごめんなさい、クロは騎士なんです──」 「黙ってろシグナス。そっちは早く決めろ」 (※兵士Aとか言ってしまうのも味気ないですので、名前をつけてみました。生命点1の従者に名前を付けることがどれだけプレイヤーの精神にプレッシャーをかけるか承知の上で、やってみます。誰と冒険をするかは、1d6でダイスに問うことにします。1か2が出ればコビットの男性ヨン。3か4が出ればドワーフの男性アルゴット。5か6が出れば人間の女性トーヴァ。結果は二回振って2と3になりましたので、ヨンとアルゴットですね) 三人組は密やかに話し合い、最後はヨンが持っていたサイコロを転がして運命を決めさせたようだった。トーヴァが肩を落とし、ヨンとアルゴットが胸を張る。 「全員で戻ってきてよ」 トーヴァが言って、三人は拳をコツンと突き合わせた。 その様子を羨望の眼差しで眺めていたシグナスに、 「あまり思い入れるなよ。友達など少ない方が良い。そこは師匠を見習え」 と逆さになった〈おどる剣〉のクロは忠告する。 「それって寂しくない?」 「見送る方が寂しいんだ。お前にはまだ分かるまいし、分からん方が良いがな」 「……ねえクロ、記憶が戻ったの?」 「いや……いいや。そのような記録が蓄積されているだけだ」 「ごめん」 「謝るな」 〈おどる剣〉のクロは、元々は人間だったという。さる国の女王に仕える騎士であった。それだけ覚えているのだが、どこの国の何という女王に仕えたのか、それから自分の本名も思い出せないのである。 コビットのヨンが近づいてきて言った。シグナスの身長の半分くらいのところに、頭の天辺がある。 「ねえ。君のことはサー・シグナスって呼べばいいのかい?」 「いえ、僕はまだ従騎士ですから。シグナスと呼んでください」 「謙虚ボーイだ」 「け、けんきょぼーい!?」 こちらはシグナスより背の高い、大柄なドワーフのアルゴットが重々しい声で言った。 「謙虚は美徳だ。しかし、我らの長はお主である。故に堂々と振舞って良い。先に言っておくが、そのヨンは頭のネジが壊れておるから、真面目に相手をしてはならん」 ヨンは目をぐるりと回して、否定とも肯定ともつかぬリアクションでシグナスをけむに巻いたのであった。 ◇ 今回のリプレイは、ここまでです。 コビットのヨンとドワーフのアルゴット。新たな仲間を加えて賑やかなチームになりましたね。彼らは技量点0、生命点1の「戦う従者」として扱われます。敵の攻撃が一撃当たれば死、という過酷な条件ではありますが、どうか最後まで一緒にいて欲しいと願っています。 そして聖騎士らしい振る舞いをした結果、シグナス&クロの持ち合わせる回復アイテムはゼロになってしまいました。シグナスは回復技【癒しの光】を有するとはいえ、使えるのは一回きり。プレイヤーにタイミングを見極める眼力が要求されますね。緊張……。 それではまた、次の車両でお目にかかりましょう。 良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。今回は良いところを見せたい。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。 ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。 ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。 ・トーヴァ…人間の女性兵士で、ヨンとアルゴットと共に〈怨霊列車〉の調査をしていた。 ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月6日水曜日
第3回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4851
第3回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ※ここから先はゲームブック【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。 ぜろです。 「クトゥルフ深話」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。 スタートでいきなり暗闇の中にいる状況からは脱しました。 そして自分がグレイハッカー、コードネームはキサラギであることを思い出します。 日本、アメリカ、モンゴル、イースター島で異変が起きています。 各地の異変に対処するため、遠方の友人と連絡を取りつつ、各地の状況を把握していきます。 災害レベルが3になると都市が滅ぶという中、まだ何もしていないのに、日本の災害レベルが2に。 いったいどうなってしまうのでしょうか。 ●アタック01-6 いきなり黄衣の王 3日目を迎えた。いったい何日目まで大丈夫なのだろうか。予想もつかない。 さて、今日の調査だ。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 パソコンはアメリカの友人だった。 携帯端末はモンゴルの友人だった。 となるとあとは、タブレットPCだ。きっと都合よくイースター島に行っている誰かがいるに違いない。 私はタブレットPCを利用して、調査研究をしているITビジネスのパートナーとチャットをしてみた。 彼の名は、アブドル・アフ・アキビ。通称AAA。彼は今、やっぱり都合よくイースター島にいた。 アブドルは、イースター島の景色に感動している。 今のところ、不穏な様子は見られない。 ただ、海底の誓に変化が起こっている等の異変が起きている、との情報はあった。 海底の誓? 誓ってなんだ? 調べてみたけれど、よくわからなかった。私の知らない意味があるのか。 これは後日、電子書籍版の内容を知る機会があり、真相が明らかになった。 海底の「層」の誤字ということだった。なるほど。 とにかく、海底の異変か。 海底といったらクトゥルフで連想するのは、海底都市ルルイエとか、魚みたいなインスマス顔をした人々とかだけど。 まあ、まだ何もわかんないな。 こうして、半日は過ぎた。 残り半日だ。 さて、次は車のキーを選ぼう。 ここのところ、ずっと世界中の知人と連絡を取るばかりだった。 やはり、自分の足で稼ぐことも大事だ。 車のキーは、想像どおり、自分の車で外出するということだった。 行き先は二択だ。 ・首都圏 ・福井県 なぜいきなり福井県? これまでまったくなんのヒントもないと思うけれど。 それ以前に、半日刻みのスケジューリングなんだけど、半日で福井県まで行って戻って来られるのか? まあ、物理的に不可能ではないかもしれないけれど、ほとんど全部移動時間だよね? そう言いながら、福井県を選んだ。 そして私は、九頭竜川流域を散策した。 いやほんど、なんでいきなりそこ? そこには、かつて劇場だった廃墟があった。 何かに導かれるように、私はその劇場の廃墟に忍び込む。 楽屋に、本が転がっていた。 手に取る。 タイトルは、こう読めた。 「黄衣の王」。 これは、本棚を調べた際に、持っているかと問われたことのある書物だ。 つまり、邪神についての情報がある可能性が、ある。 黄衣の王は、風の化身で、水の天敵であるということのようだ。 そして、とある呪文を唱えると、黄衣の王を召喚できるという。 情報もなしに福井県へ赴き、異変に関連した書物を見つけてしまった。 これは、どういうことだろう。今の私は、何かに導かれでもしているというのだろうか。 不吉な予感は、なおも消えなかった。 これにて、3日目の行動は終了だ。 次は恒例の、世界情勢のチェックだ。 3日目、いったい何が起きているのか。 今回、事態に進展があったのはアメリカだ。 アメリカでは、なぜか、東海岸沿いの病院で、奇形化の報告が多く上がっているという。 一部の都市の住人は遺伝的に偏った発達をするのだとか、様々な説が上がっている。 これで連想するのは、「インスマスの影」という作品だ。 そこでは堂々と、「ダゴン秘密教団」という団体が、秘密でもなんでもなく活動していた。 ともかく、異変が起こり始めている。アメリカの災害レベルが0から1に上がった。 今現実の日本時間で昼間だと、さらに災害レベルが1上がると言われたが、今は夜だったので変化はない。 何気に怖いな。現実とのリンク。 ●アタック01-7 アーカムと『旧き印』 4日目の朝だ。 私には、やりたいことが2つある。 今日はそこを中心に進めよう。 ひとつは、車で出かけて首都圏に赴くこと。 もうひとつは、アメリカへ連絡し、災害レベルが1に上がった状況を確認することだ。 首都圏へ行ってみた。 日本の災害レベルがすでに2になっていると、首都圏には人の姿はもう、見えなくなっている。 ほとんどの人が避難してしまったようだ。 あの黒い影の影響なのだろう。 今回は、なんの収穫も得られなかった。 これで半日を消費した。 次はアメリカの様子を確認しよう。 パソコンで、アメリカの投資家マーカスと連絡を取る。 マーカスによれば、近くの街で首つり自殺が多発しているらしい。 カルトの儀式の話題なんかもあったために、不吉なことの前触れだとも噂されているという。 マーカスは、私がビジネスの話で連絡しているのではないことは、お見通しのようだった。 「何か調査してほしいんだろ。報酬ははずめよ」 ・米国内の異常についての情報収集をしてもらう ・首吊り自殺の街へ出向いてもらう 情報は足で稼げ、だ。 マーカスの足を利用させてもらおう。 首吊り自殺の街へ、行ってみてはくれないか。 「いや、俺は探偵でも調査員でもない、ただの個人投資家だってこと、忘れてないか?」 マーカスのツッコミが入った。 でも、実は彼も行く気はあったようだ。 彼によれば、実は調査員が現地で消息を絶っているという。 首吊り自殺の街の名は、アーカム。 あれ、この名前って、クトゥルフでは名物ともいえる街の名では。 「報酬ははずめよ。例の口座にな」 そして、マーカスからもたらされた情報は、以下のとおりだ。 アーカムでは、『旧き印』と言われる、不思議な文様の石を庭先に掲げていた家だけが、集団自殺や奇形化から逃れられたという。 その『旧き印』の画像を送ってもらった。 私は、『旧き印』を手に入れた。 これで私が手に入れたものは『書物「黄衣の王」』と、『旧き印』となる。 作品の冒頭で、記憶できるのならメモは取らずとも良いみたいなことを言われていたけれど、これはメモなしでは難しいな。 4つの地域の災害レベルのほか、入手できるアイテムまで管理するとなると、私の頭ではパンクしてしまう。 ともあれ、これで4日目の行動は終了した。 4日目の世界情勢の変化を確認しよう。 今度の異変は、モンゴルが関係していた。 昆虫の大発生が、ユーラシア大陸各地で起こっているという。 これによって、モンゴルの災害レベルが0から1に引き上げられた。 さらに、例によって現実とのリンクがある。 今回は、私自身が怪我をしていたり体調不良だったりする場合に、さらに災害レベルを引き上げよ、という指示だ。 まあ、一応怪我はなく、体調不良もないので、無視しておこうか。 ●アタック01-8 アルマスと『覗きガラス』 5日目。 世界的な異変は続いているが、それらが何とどう繋がっているのかが、未だに見えてこない。 見えないながらも異変に対応しようと、様々なアイテムが集まりつつある。 今日の方針を立てよう。 たぶん、1日の終わりにはイースター島の災害レベルが上がるのだろうと思われる。 なので逆に、イースター島はそっとしておこう。 災害レベルが上がった後の方が、できることが増えそうな気がする。 では、今日はどうするか。 モンゴルだよ。モンゴルは災害レベルが1になった。 何か変化があるに違いないと思うのだ。 しかしモンゴルのアルマス・ハンはまだまだのんきなもので、相変わらず遊牧民たちのことわざの話をしていた。 今回は「剣をかざすより距離を取れ」ということわざを紹介してくれた。 武器を持って戦うよりも、逃げて敵と距離を取った方が確実に生き残れる、というものだ。 土地に執着しない遊牧民らしい考え方とも言える。 一応、昆虫の大発生の話題も出た。 作物被害は出ているが、遊牧民は被害のない草原へ移動すれば良いという発想だとのこと。 いやいや、畑は人と違って移動できないんだから、そう簡単にはいかんでしょ。 話はその程度で終わってしまった。 が、私はあきらめず、午後にもう一度モンゴルのアルマスに連絡を取った。 なぜか。 災害レベル1の時に2度目の連絡を入れると、災害レベルが2に上がる、との注釈を目にしていたからだ。 これでモンゴルは、災害レベル2の出来事に移行する。 アルマスによれば、今、さすらいの占い師に星占いをしてもらっているとのこと。 「巨星が墜ちるだろうから準備をしろ」と言われたそうだ。 さらに「新月と満月、好きな方を選べ」と言われているらしく、どちらを選ぶかを私に委ねてきた。 これは……満月の方だな。 この話を伝承と繋げるのは、インスピレーション以外のなにものでもない。 しかし、連想するならば、満月の方になる。 根拠はこうだ。 最初に聞いた伝承歌。『新月の夜に賢人は刀を切り取り、満月の夜にガラスは彼方を映す』 次に聞いた遊牧民の考え方。『剣をかざすより距離を取れ』 両方を合わせれば、刀に関係した新月より、距離を取って彼方を映す満月が正しいことになる。 満月を選ぶと、アルマスは占い師から、円形のガラス板を授けてもらったという。 各所に不思議な呪文が刻まれている。 『覗きガラス』を入手した。 邪神に対抗できるアイテムを、またひとつ手に入れたということでいいのか? こうして5日目は、モンゴルにかかりきりになっていた。 さあ、この日の世界情勢を確認しよう。 おそらく今度はイースター島に動きがあるのではないか。 正解だった。 イースター島では激しい地殻変動が起こり、多数のモアイ像が崩落するなどの被害が出ている。 これでイースター島の災害レベルが0から1に上がった。 ここから私は情報収集に時間を使うことになる。 そのため、現実世界の私の昨日の睡眠時間が8時間以上なければ、睡眠不足から適切な対応が取れないこととなり、さらに災害レベルが上がり、2になってしまうのだそうな。 睡眠時間8時間以上ってのは、忙しすぎる現代人にはなかなか難しい時間だな。 特に私のようなブラック社畜にとっては不可能と言ってもいい。 ポケモンスリープで睡眠時間を計測しているけれど、6時間を超えていたら万歳だ。 というわけで、イースター島の災害レベルは、私の睡眠時間が少ないせいで2に上がってしまったのだった。 次回、現実世界の私の生活が作品に影響しまくり、残念なことに。 【災害レベル】 日本:2 アメリカ:1 モンゴル:2 イースター島:2 【持ち物】 ・書物「黄衣の王」 ・旧き印 ・覗きガラス ■登場人物 キサラギ ハッキングで飯を食うグレイハッカー。日本人。世界規模の謎の現象に挑もうとしている。 マーカス・アルクヘイム アメリカ在住の投資家。キサラギの友人。アメリカの情報に通じる。 アルマス・ハン モンゴルのバックパッカー。怪奇現象にも詳しい。キサラギの友人。 アブドル・アフ・アキビ ITビジネスのパートナー。イースター島にいる。 ■作品情報 作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「クトゥルフ深話」 著者:山田 賢治 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら ・書籍版(現在、通販品切。委託店舗在庫のみ) https://booth.pm/ja/items/2484141 ・電子書籍版 https://www.amazon.co.jp/dp/B09Z22RJQY ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月5日火曜日
Re:インセンティブ(前)@20代からのゲームブック122 FT新聞 No.4850
FT新聞編集長の水波流です。 本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』 元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。 (2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412) (編註:文中のコメントは全て当時のものとなっております) ☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆ おはようございます。丹野です。 夜が寝苦しい季節になってきました。この時期は、どうやって夜中快適に過ごすかが最大のテーマですね。 カーテンを閉め切っていても、朝になると部屋の気温が上がって汗をかいています。 部屋の中にいるのに熱中症、みたいな状況は避けたいので寝る前に水分を取るようにしていますが、これはこれで別の心配が湧いてきますね。 ■外部から与えられるものを言います インセンティブという言葉があります。丹野は経済用語として知った言葉ですが、最近ではビジネスの現場でもよく使われるようです。 日本語での言い換えが難しいのですが、「動機づけ」と訳されることが多いようです。ある人に対して何かをしてほしいとき、やりたくなる(あるいは、やりたくなくなる)ように仕向けることを「インセンティブを与える」と言います。 というとなんだか悪いことのようですが、単純に「この仕事には報酬を与える」というのがインセンティブです。「今日がんばったら焼肉だ!」みたいなパターンもありますね。 経済学では、企業に補助金を与えることでエコロジー分野を研究するインセンティブを与えたり、タバコに税金をかけることで価格を上昇させるインセンティブを与える、というように使われたりします。 さて、経済学の話をしたいわけではなく、このインセンティブの考え方はゲームとしてのゲームブックを語る上でも重要な概念なので、一度取り上げてみようと思います。 ■ふたつの動機 ゲームブックを読み進めるうえでは「動機」が必要になりますが、この際、二種類の動機を意識する必要があります。 ひとつは言うまでもなく、主人公への動機。このままでは死んでしまうから脱出しようとか、冒険に出ることでお宝が得られるとか、そういうものです。 そしてもう一つは読者への動機です。単純に言えば、「このゲームブックを読み進めたい」と思えるかどうか、ということですね。 もちろん、二つの動機は重なる部分もあります。主人公がどうなるのかが気になれば読み続ける動機になりますよね。 しかし、主人公に強い動機が与えられれば必ず読者も読み進めたくなるかといえば、そうとは限りません。主人公の動機が読者から共感しにくいものだった場合、むしろ読むことがストレスになる場合もあります。 では、主人公に共感できなかったり、強い動機が与えられないような作品は書くべきではない、ということでしょうか。 結論だけ言えば、そうとは限りません。(ただし、読者が共感しやすい強力な動機を与えたほうがいい場合が多いのは確かです) こういうとき、インセンティブの考え方が役に立ちます。 読者が読み進める動機には、さまざまなものがあります。実は、作中で与えられるものに限りません。 たとえば、「その作品のジャンルが好き」とか、「この作者の書いたものなら信用できる」などの要素も、作品を読み進める動機になります。序盤に大きな盛り上がりがなくても、「この作者ならこれから面白くなるはずだ」と思えれば読み進められるもの。当たり前ですが、意外と忘れがちなポイントです。 では、どのように読者に対して「読む」インセンティブを与えるのか、具体的なテクニックの話を……といきたいところですが、少々長くなってしまいました。 続きは次回にいたします。それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月4日月曜日
☆モンスター!モンスター!TRPG 新刊のお知らせ☆ FT新聞 No.4549
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 暖かくなってきました、過ごしやすさを感じています。 クライミングは今も続けているのですが、最近は首や腰への負担を感じています。 特に痛むのは左手首で、TFCC損傷という故障状態にあります。 整骨院に通い、リハビリと施術を受けながらやっています。 さて、本記事に入る前に蕨之介さんから「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」のシナリオ公開情報が届きましたので、ご紹介をば。 「囚われた僕たち」 https://talto.cc/projects/SglZ_ivXF1JUH8lOLifeO 「見えない鎖」 https://talto.cc/projects/Sqh0hzAkR1WRk3KtAEopG 「ローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG(M!M!)」に関する新作等の情報(URL等)を送っていただけましたら、このように冒頭で紹介させていただきますので、sugimotojohn☆hotmail.com までお寄せください(☆を@に変えて送ってください)。 より詳細な記事として紹介を希望される場合には、FT新聞の編集部員である天狗ろむ(@amaku_romu)までお願いします。 ◆『ヒューマンズ!ヒューマンズ』がお目見えだ!! 今回登場するのはM!M!のサプリメント『ヒューマンズ!ヒューマンズ!」です!! これまでさまざまなモンスターを展開してきたM!M!ですが、このサプリメントでは「人間、エルフ、ドワーフ/ドウォン」というモンスター・タイプ(他のTRPGではもっとも一般的であった種族たち)を中心に扱っています。 キャラクターには職業(お金を稼いでいなくても、毎日そのことに関わっていればそうとして扱われます)があり、それぞれの種族の文化の香りがしっかりと伝わってきます。 また、「アヴァター」と称しまして、「神々の干渉、魔法や呪い、異種交雑、あるいは突然変異などによって変化した、様々な人間のようなキャラクター」を扱うことができます。 吸血鬼、スーパーヒーロー、四次元立方体テッセラクトの化身の例とともに、能力値への係数や扱い方に関するアドバイスが載せられています。 また、「ズィムララのモンスターラリー」で登場した種族に登場した「人間と共存可能な種族」についてもしっかりと掘り下げられ、サプリメントどうしの互換性を高めています。 ◆単体で遊べる性能↑↑ 今回の作品はスタンドアローンで遊べる作品になっています。 他のTRPGを遊んだことがあるのであれば、1冊だけで遊ぶことができます。 ◆付録1! 英語版を読んだ際に私が不満だったのが、武器や防具が少し具体的ではなかったことです。 うっすらと気づかれているかもしれませんが、私は物語マニアであると同時に、データマニアでもあります。 世界で2番目に作られたTRPGの第5版が大好きなのも、世界で最初に作られたTRPGと比べて、圧倒的に武器のデータが大きかった、という点がひとつ挙げられます。 私は岡和田さんと相談して、本国のケンやクロンプトンと連絡を取り合い、彼らが過去に作った一般的な装備、武器、防具、毒、銃器の表を掲載することに関する許諾を得て、新しく翻訳したものを付録としてつけることにしました(※)。 これで、M!M!で私がやりたかったことが、できるようになりそうです☆ ※……信じられないほど邪悪な形状をした投げナイフは、現地の言葉「フンガムンガ」を採用しました。 ◆付録2!! 今回の作品の付録は「ターキー・モンスターの侵略」です☆ 宴のメイン・ディッシュとしてターキー(七面鳥)を得ることが冒険の目的ですが、プレイヤー・モンスターが狩りを行うたびに、鳥たちの頂点たる「ターキー・モンスター」が出現する危険にさらされます。 タイゲリアン諸島という新しい土地で行われる、すぐにはじめられる冒険です! ◆大好きな1冊☆ ケン・セント・アンドレがM!M!を展開していくなか、私はひとつ、どうもハマらないところがありました。 それは、私がそれまでにやってきた「ファンタジー世界を旅する冒険気分」というものが、足りないように感じたからです。 私が遊びたい「モンスター」は、闇エルフのような「人間に近い、倫理観が異なる存在」です。 武器や防具を選び、生き残る確率を上げていくのも大好きです。 そういった部分、私にとっての栄養分が、M!!M!には足りないかもと思っていました。 しかし、「ヒューマンズ!ヒューマンズ!」が出たことで、それはすっかり解決しました! 新しい冒険を作っていく意欲が、今はむくむくと育ちつつあります☆ ◆まとめ。 通販ページはすでにできております、↓から予約が可能です☆ 最速で入荷までやっていきますが、作品があなたの手もとに届くのは6月末ごろになる見込みです(ただし、PDF版は5月25日ごろに販売を開始する予定です)。 書籍版をもっとも早く手に入れる方法は「ゲームマーケット春2026」です。 イエローサブマリンなどの店舗は、その次に早いでしょう。 ↓「ヒューマンズ!ヒューマンズ!」モンスター!モンスター!TRPGサプリメント https://ftbooks.booth.pm/items/8232648 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月3日日曜日
ローグライクハーフd33シナリオ『九つの樹の道』 FT新聞 No.4848
おはようございます。 FT新聞編集長の水波流です。 本日はローグライクハーフの新作d33シナリオ『九つの樹の道』を配信いたします。 フーウェイキャンペーンのd66シナリオの構想を進める中、杉本=ヨハネ氏より「入門編のシナリオがあっても良いのでは?」というアドバイスを頂き、これまでの物語から連なるものを書いていた手を止めて、全く新規で考えた物語です。 過去作に登場した闇エルフや忌まわしい怪物、失われた信仰についてのイメージをちょっと横に置いたとき、森の中のいろいろな樹木や草花のことが頭に浮かびました。 そこを順番に巡る話にしよう、と思いました。 春らしく新しいことを始める物語というのも心躍ります。 けっこう明るい話のつもりだったのですが、途中からどうも深刻なムードが漂うのは、拭いきれない作風ゆえでしょうか……苦笑 またぜひ感想もお聞かせ頂ければ嬉しいです。 このシナリオは、作成したばかりの初級レベルの主人公での冒険に適しています。 ローグライクハーフをよく遊ばれる方も、ぜひ新規キャラを作成して冒険に出て貰えればと思います。 それでは、良き冒険を! +++++++++++++++++++++++ 独自の文化と価値観が根差した、ラドリド大陸でも類を見ない地方・フーウェイを旅する主人公。 ひょんなことから〈混沌〉を狩る者であるトレウェリ氏族の若者の成人の儀式に立ち会うことになる。 神聖なハシバミの杖を携え、祖先にまつわる《九つの樹》を巡る儀式に同行するが、やがてその旅路は……。 ローグライクハーフ d33シナリオ『九つの樹の道』 -Vandring av Nio- https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Vandring_av_Nio.txt ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月2日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第690号 FT新聞 No.4847
From:水波流 4/30頃発売の、TH(トーキングヘッズ叢書) No.106 『アニミズム的ヴィジョン〜世界との関係を編み直す』に寄稿。 【「あわい」に棲まう作法】というタイトルで、『家守綺譚』『営繕かるかや怪異譚』『蟲師』『風の谷のナウシカ』に通底する精神性について論じております。 THは、書評、映画評、舞台評、展覧会紹介などが掲載される季刊誌です。 書籍詳細や取扱店などはこちらの出版社サイトより! https://athird.cart.fc2.com/ca1/460/p-r1-s/ From:葉山海月 何様だ? 人様だ! From:中山将平 僕ら、明後日5月4日(月・祝)「文学フリマ東京42」にサークル参加します。 開催地は東京ビッグサイト。ブース配置は【I-88】です。 扱うのは、ファンタジーゲームブックや、1人用TRPG「ローグライクハーフ」、「モンスター!モンスター!TRPG」等などの作品。 また、僕個人は「ギルド黄金の蛙」にて5月5日と6日に「クリエーターズマーケット54」にサークル参加します。 こちらの開催地はポートメッセなごや。ブース配置は【B-61】です。 カエルの勇者ケロナイツシリーズを扱います。 お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (葉)=葉山海月 (く)=くろやなぎ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■4/26(日)~5/1(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年4月26日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4841 Re:「ローグライクハーフ」都市サプリメント:蛮族都市フーウェイ&新職業【獣使い】 ・5月のローグライクハーフ新シナリオは、FT新聞編集長でもある水波流氏による『九つの樹の道』。今週は舞台となる蛮族都市フーウェイの都市サプリメントと、【獣使い】のデータをお届けしました。 水波氏のこれまでの作品『常闇の伴侶』などとは繋がりのない、入門用シナリオとのこと。ゲームマーケット春2026にて書籍版『常闇の伴侶』も登場しますので、ゴールデンウィークがお休みの方は、こちらの都市サプリメントと合わせてフーウェイ独自の文化を先んじて満喫しちゃいましょう。 クワニャウマたちのリプレイでおなじみ齊藤飛鳥氏が絶賛していた〈猟犬〉もこちらで購入できますよ! (天) 2026年4月27日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4842 ☆「ローグラークハーフ」新作のお知らせ☆ ・きたる5月23-24日両日、FT書房はゲームマーケット春2026に出展いたします! 春の新刊第1弾は、水波流先生によるD66シナリオ+都市サプリメント「蛮族都市フーウェイ」+新職業【獣使い】だ! 初のD66シナリオ、北方蛮族の街フーウェイの特色が色濃く出た名作『常闇の伴侶』のイラスト担当は画家の松本貴子先生、錚々たる受賞歴にして大のレトロゲーム好き! 緋色朱音氏のセンスが、常にも増して冴え渡っている表紙のタイトルロゴにも大注目。 カメル先生の大陸1周の旅である「アランツァワールドガイド」も、しっかりと掲載されております☆ 場所は幕張メッセ、ブース番号は「に−42」。遊びに来てください! 中山将平氏と杉本=ヨハネ氏が両日お出迎えいたします!! (明) 2026年4月28日(火)かなでひびき FT新聞 No.4843 『これはゲームブックなのですか!?』vol.132 ・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。 今回紹介する作品は、短編集『ここにひとつの□がある』(著・梨 角川ホラー文庫)からの一篇『穴埋め作業』 冒頭から出題されるクロスワードパズル。 3マスしかない、簡単なシロモノかと思いきや、そこには、あなたの日常を侵食する何かが!? すくなくとも、かなでもわたしも、こんな仕掛けを見たことがありません! 言葉通り「文中から飛び出てくる」恐怖! 皆さんにも、この「新次元」の恐怖を体感していただきたいっ! ともかく本屋に走れっ! さもないと葉山まで「ホラーという愉悦」におぼれます! (葉) 2026年4月29日(水)ぜろ FT新聞 No.4844 第2回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第489回。前回からは、山田賢治氏の短編ゲームブック『クトゥルフ深話』に挑戦しています。 謎の暗闇の中でパラグラフジャンプを駆使しつつ、なんとか現実世界に戻り、自分が何者かを思い出した主人公。このリプレイでの名前も決まり、本格的な調査が始まります。 どうやらこの作品では、主人公が行動すると時間が経過し、世界各地の「災害レベル」が変化していく模様。いまのところは、そんな状況をただ見ているだけの主人公ですが、入手した情報や「トラペゾヘドロン」の力で、世界を救うことができるのでしょうか……? (く) 2026年4月30日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4845 『アナログゲーム産業年鑑2025』のご紹介 ・「FT新聞」No.4831(2026年4月16日)で紹介した、『アナログゲーム産業年鑑2024』。 その続編が、2026年3月に、出ました! その名も、『アナログゲーム産業年鑑2025』。 ページ数は2倍以上になっており、各ジャンル別(テーブルゲーム、伝統ゲーム、シミュレーションゲーム、TCG、TRPG、体験型ゲーム、その他のゲーム)の分析や、アナログゲームの教育利用に関する研究動向、ボードゲームサークル小史なども付記され、内容が飛躍的に充実を見せたと言っても過言ではありません。 この機会に、お近くの図書館等への購入依頼を呼びかけられてはいかがでしょうか? 詳細は本記事をよろしくお願いいたします! (葉) 2026年5月1日(金)休刊日 FT新聞 No.4846 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (ジャラル アフサラールさん) この本の「初回出荷分限定特典」に「折箱」の紙とその折り方が付いていたそうで、折り紙を折って、箱の中に隠されているメッセージを見ると…ホラーな遊びに満ちた書籍ですね。 (お返事:かなでひびき) ありがとうございます! へー! そんな遊びが! さすがです! がぜん興味が湧いてまいりましたねー。 「本」という物理的枠にとらわれない、「飛び出す」恐怖にやられたんですが、やはり梨先生! 遊び心満開ですねー! (ポール・ブリッツさん) 30年ほど昔、別冊宝島「世紀末キッズのためのSFワンダーランド」で、「モダンホラー」の定義として「ホラーっぽいけれどまったく怖くなく、代わりにひたすら面白いエンターテインメント」という議論があり、その代表としてディーン・R・クーンツが取り上げられていましたが、ホラーTRPGは、そうしたモダンホラーの道を進むべきでしょうか、それともプレイした時の恐怖感を突き詰める方向に進むべきでしょうか。または両者は完全に別物であり、ホラーTRPGは分化の道をたどるのが正しい在り方でしょうか。考えたけれど答えが出ないのです。 (お返事:中山将平) ご感想をいただき、ありがとうございます。 僕は「表現物に進むべき方向や正しさがある」とは思えていませんが、どのようなテイストで作品をまとめるかという意味で興味深いお話ですね。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年5月1日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4846
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月30日木曜日
『アナログゲーム産業年鑑2025』のご紹介 FT新聞 No.4845
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『アナログゲーム産業年鑑2025』のご紹介 岡和田晃 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 「FT新聞」No.4831(2026年4月16日)では、『アナログゲーム産業年鑑2024』につき、その成り立ちを含めて詳しく説明いたしました。 今回ご紹介する『アナログゲーム産業年鑑2025』は、2026年3月に出たばかりの続編であり、前年版と同じく、一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会が矢野経済研究所の協力を得て刊行するもの。2024年1月から12月までのアナログゲーム業界の動向が詳述されています。 ページ数は2倍以上になっており、各ジャンル別(テーブルゲーム、伝統ゲーム、シミュレーションゲーム、TCG、TRPG、体験型ゲーム、その他のゲーム)の分析や、アナログゲームの教育利用に関する研究動向、ボードゲームサークル小史なども付記され、内容が飛躍的に充実を見せたと言っても過言ではありません。そのぶん、価格は個人での購入は困難なレベルになってしまっているので、お近くの図書館や大学・研究機関などへ働きかけていただければと思います。 2024年の動向を扱うので、この巻を単独で参照しても、特に問題はありません。 特筆すべきは、シミュレーションゲームの項目では、ウォーゲームなどのボード・シミュレーションゲーム(担当:瀬戸利春)、『ウォーハンマー』などのミニチュア・シミュレーションゲーム(担当:小泉慎吾)が対象となり、TCGの項目では国内動向のほか、海外動向(担当:yoko5000)についても詳述されていること。ここでしか読めない分析も含まれています。 TRPGの項目は、私(岡和田)が担当し、40ページほどの内容になっています。TRPGに関しては、他のアナログゲームと比べて言語依存性がきわめて高く、それゆえ、むしろ他の文芸メディアや出版ジャーナリズムと密接な関わりをもってきました。 かてて加えて、同じTRPGというジャンル名を冠したものでも、多様化が進んでいるため、このため、市場の数字だけを追うのでは、どうにも内実を捉えづらいところがあります。それこそ、TRPGについて知らない人からすると、業界シェアNo.1を保持している「『クトゥルフ神話TRPG』とそれ以外」に区分されてしまいがちです。年鑑である以上は、そうした弊は避けたい。 そのような問題意識から、『アナログゲーム産業年鑑2025』のTRPGの項目においては、まずTRPGとは何かの説明、簡単な成立史と現況を整理したうえで、数字の羅列に終わらない批評性を持たせるべく腐心しました。それこそ、『文藝年鑑』のような先行の事例を見ても、批評性がないサーヴェイは読むに堪えないからです。 それでは具体的に、当該項目の目次をご紹介しましょう。なお、TRPGのみならず、ゲームブックやソロジャーナリング、LARPや学術動向などについても、簡単ではありますが、言及している点も重要でしょうか。 本章では全体を6節で構成し、その後に、2つのリストを載せて補完を試みています。また、とりわけTRPGは多数のクリエイターが関わることが多い分野ですので、煩瑣になりがちな作家一覧は、本書の方針にあわせて注釈に落とし込む形で、読みやすくなるよう配慮しました。 【概要】 第5章 TRPG 本章の対象となるゲームの領域 ・TRPG ・ゲームブック / ソロアドベンチャー / ソロジャーナリング ・LARP ・上記に関する学術研究 【目次】 序文 第1節 海外と連動した作品について 1-1:『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とシェアードワールド小説 1-2:『トンネルズ&トロールズ』と『モンスター!モンスター!TRPG』 1-3:『ファイティング・ファンタジー』関連作とゲームブック 1-4:『クトゥルフ神話TRPG』が拓いた新規層 第2節 出版メディア 2-1:「Role&Roll」とアークライト/新紀元社刊行作品の動向 2-2:「GMウォーロック」とグループSNE作品の動向 2-3:「ゲーマーズ・フィールド」とF.E.A.R.作品の動向 第3節 電子メディア 3-1:自前のECサイトや、各種電子書籍販売サイトの活用 3-2:分厚いハードカバー書籍群とPDF でのサポートを連動させたホビージャパン 3-3:海外RPG を小回りが効く形で刊行しているベンダーたち 第4節 プレイスペースや新機軸の試み等 4-1:ボードゲームカフェ 4-2:オンラインセッション 4-3:LARP、学術誌 4-4:TRPG落語、一般誌での展開 第5節 TRPGの市場規模 第6節 ゲーム賞およびプロ・デビュー 2024年のRPG刊行リスト(作:石在神明、岡和田晃) FT新聞 2024年のアナログゲーム関係記事一覧(作:水波流、岡和田晃) 編集は鬼頭基さんが担当してくださいました。 できるだけ公正で広い視座での概括を試みましたが、もちろん、これで網羅されたと言うつもりはありません。 私は編集委員会のメンバーではなく、一人の寄稿者にすぎないものの、この仕事を公共性の高いものだと考えています。今後は、「産業」としてだけではなく、「文化」としてこの分野を扱えるようにするのが目標です。ぜひ、ご一読のうえ、ご意見をお聞かせ願えれば幸いです。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『アナログゲーム産業年鑑2025』 <冊子版・電子版共通> 発行日:2026年3月10日 版型:A4 ページ数:258 ISSN: 2759-8209 本文モノクロ印刷 ※電子版は冊子版の誤植修正、カラー図版の掲載を行っています。 編著:一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会 発行人:草場 純 発売元:一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会 連絡先:info@analoggamemuseum.org ※公式ページ:https://analoggamemuseum.org/publication/annualreport 価格:本体80,000円+税 冊子版:https://booth.pm/ko/items/8070461 電子版:https://analoggamemuseum.booth.pm/items/8070469 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月29日水曜日
第2回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4844
第2回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ※ここから先はゲームブック【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。 ぜろです。 「クトゥルフ深話」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。 スタートでいきなり暗闇の中にいる状況。自分のことも、どこにいるのかも、どんな事態が起きているのかも思い出せません。 少しずつ記憶の断片をよみがえらせ、世界で同時に起きている、黒い影に飲み込まれる現象に自分も巻き込まれたことを理解します。 謎のアイテム「真の闇をあざ笑うための偏方二十四面体の欠片」を握りしめて闇に呑まれたことも……。 そのアイテムの存在を確認した瞬間「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」という声が聞こえたのでした。 ●アタック01-3 這いよらないでニャルニャル 「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」 暗闇の中に響く声。 このパラグラフをそのまま読み進めると、最後はどこにも繋がっていないのが、すでに見えている。 なんらかのパラグラフジャンプを用いなければ、ゲームオーバーだろう。 闇の奥の奥。何かとんでもないモノがこちらを見つめている。 知ってはいけないモノが、そこにあることを理解した。 この漆黒に身を任せてみたいという欲求。 手元の結晶体を握りしめ、本能的に身を護ろうとする自分。 選択は【漆黒】のパラグラフジャンプを用いて、身を委ねるか。 手元の結晶体の力を信じてその【素性】を探るかだ。 私は【素性】からのパラグラフジャンプを選んだ。 「忌々しきは、その石。道化師かつ放浪者なる闇の裏切者よ!」 私を狂い殺そうとする波動が、私の手元の石の力で霧散するのを感じた。 「暗闇のファラオのピラミディオン……忌々しきトラペゾヘドロンめ」 闇はそんな言葉を残し、消え去った。 私は、現実世界に戻ることができた。 そうか、この石が、トラペゾヘドロン。 永遠のクトゥルフ初心者の私でも、その名前は聞いたことがある。 ゲームブック「暗黒教団の陰謀」の副題が「輝くトラペゾヘドロン」だった。 でも、私の知識はそこまでだ。 「暗黒教団の陰謀」は所有しているけれど、プレイは序盤を少し読んだだけで断念している。 当時はクトゥルフ初心者どころか、クトゥルフというジャンルの入口にすら立っていなかったので、まったく何も理解できなかったんだよ。 結局、単語を知っているだけでは、何の役にも立ちはしない。 目の前の箱で検索してみるか。 周辺情報はあまり理解できなかった。 ただわかったのは「闇をさまようもの」、ナイアーラトテップを召喚する道具とのこと。 ナイアーラトテップっていうと、別の呼び方ではニャルラトホテプとか呼ばれる存在だよね。 いわゆるニャル子さんだよね。這い寄る混沌とか呼ばれるやつでいいんだよね? とりあえず、「闇をさまようもの」という単語が、今の闇に呑まれている状況に合致するように思われた。 なので、多分これはニャル子様関連の出来事なのだろう、という推測を、勝手にしておくことにした。 ●アタック01-4 グレーハッカーキサラギ やっと、やっとだよ。 私はようやく、自分を取り戻したんだ。 まずは私の職業、というか生業を紹介しよう。 組織や個人の依頼を受けて、政府や企業のサーバーに侵入し、不正を暴いたり、混乱をまき散らしたりする。 グレーハッカーと呼ばれる存在だ。 白でも黒でもない。報酬によって動く。 ここでようやく、私は私を完全に取り戻した。 特に名前の指定はないようだ。 であれば、ついにここで、命名しよう。 そう……だな。 ここは本名よりも、コードネームみたいなものをつけよう。 キサラギ。 私はグレーハッカーで、通称キサラギだ。 今、闇はいったん去った。 しかし、今、世界中で何かが進行しているのは間違いない。 私は、私の能力で、何かを為せるかもしれない。 別にそんな大それたことを考えているわけじゃない。 灰色の依頼主がいなくなると、食っていくのに困るんだよ。 だから、私の人生のためにも、人類に滅んでもらっては困るんだ。 私はなぜか、無駄に使命感を燃やしている。 そんなキャラじゃなかったはずなんだけど。闇に囚われていた反動かな? 闇に飲み込まれていた他の人たちはきっと皆、帰ってこられなかったんだろうな。 ここで私は、自分の取り得る選択肢を吟味する。 そこにはたくさんの選択肢が並んでいた。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 これは、最終的には全部調べるやつなんだろうな。 むしろ、最初の三択のように、この場面に何度も帰ってきては、行ける先を探す展開になりそうな予感がするぞ。 それにしても、パソコンと携帯端末、タブレットPCが全部別の選択肢になっているのはどういうことなんだ。 すべて用途としては同じ、インターネットを通じた情報収集だと思うのだが。 逆にそれぞれが個別でどう違ってくるのか、気になってしまうな。 さて、この中からどれを選択するか、だけれども。 大多数の人は、最初に確認するのはこれだろうと思う。 「手元の石」 これだ。今巻き込まれた事態からも、この石のことを、しっかりと知っておきたいと考えるのは当然のことだろう。 他のことは、その先でいい。 手元の石は、いびつな多面体だ。 平行な辺のない四角形によって構成された多面体のことを「トラペゾヘドロン」と呼ぶらしい。 全ての時間と空間へと通じる窓、という謎の単語が脳裏に浮かんだ。 とりあえず、私が「トラペゾヘドロン」を所有しているのは間違いない。 それを、確認した。 これで、半日が経過したという。 そして、もう半日なんらかの行動を起こせる、という。 この作品は、行動に応じて時間の経過がともなうということを今、知った。 元のパラグラフに戻り、別の選択肢を探ろう。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・車のキー ・本棚 車のキーってのは、お出かけでもするのかな? ネット関係か、本棚か。 まずは手近なところで、本棚からあさってみようかな。 本棚を確認する。 世界中の怪異に関する本はそう多くはない。 としたうえで、いくつかの本のタイトルが並んだ。 「ネクロノミコン」 「ナコト写本」 「ケレーノ断章」 「ルルイエ異本」 「エイボンの書」 「黄衣の王」 クトゥルフものを少しでもかじったことがあるのなら、聞いたことくらいはあるタイトルがある。 これらの本が、怪異の真実をひも解く鍵になるかもしれないという。 そして、これらの本のどれかを持っているか、と質問がきた。 今のところ、どれも持っていない。 しかし、これらのクトゥルフ関連の書物を入手できる可能性があることはわかった。 ●アタック01-5 日本やばい これで私の、1日目の行動は終了となる。 今いるパラグラフは、行動の終了時に立ち寄ることになっているパラグラフだ。 その日の経過ごとに、世界で何が起きているのか、その情勢を読んで確認できるようになっている。 今は初日なので、初日の情報を確認しよう。 気になる情報が特に集中しているのは、どうやら日本、アメリカ、モンゴル、イースター島の4か所のようだ。 今後は、この4か所の災害レベルを確認しながら事態に当たることになるだろう、とのこと。 日本はともかく、残りの3か所は、いったいどうやって対処したらいいのだろう。 そんなことを考えながら眠りにつき……そして次の日になった。 次の日は次の日で、並んでいる選択肢の中から行動を選ぶのは変わらない。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 では、本格的に行動を起こそう。 まずは手あたり次第だ。電子機器関係は違いがわからないから、順番にチェックするしかない。 まずはパソコンだ。 PCカメラを利用して、アメリカに住む友人投資家と、テレビ電話をしてみた。 なるほど。パソコンはアメリカの友人と繋がれるのか。 友人投資家の名は、マーカス・アルクヘイム。 こちらが何かを言う前に、アメリカの異変について語り始めてくれた。 ただ、今はアメリカの災害レベルは0だ。 悪い噂が絶えない、という程度の軽い情報だった。 災害レベルに進展があれば、情報も変わるのだろう。 もしかして、災害レベルが上がらなければ起こらないイベントもあるのか。 だとしたら、悩ましいな。 世界を救いたいのだが、災害レベルがある程度上がらないと対処できないとかだったら。 さて、この行動で半日が経過した。 もう半日分、行動が可能だ。 何もわからないので、とにかくひとまず順番に見ていくことに決めている。 次は、携帯端末だ。 携帯端末では、どこの誰と連絡が取れるのだろう。 俺は携帯端末から、海外旅行中の知人バックパッカーに連絡を取ってみた。 海外旅行か。どこに行っているのだろう。 私が気にしている4か所のポイントのうちのどこかであると良いのだが。 そのバックパッカーの名はアルマス・ハン。 あ、モンゴル系の名前っぽいな。 彼はモンゴル高原を旅するバックパッカーだ。 しかも、世界中の怪奇現象にも詳しい。 頼りになる人材だ。 それにしても、私自身なかなかの顔の広さだな。 モンゴルの災害レベルは現在0だ。 そのため、アルマス・ハンの旅行は平和そのもののように思われる。 ただ、私にとっては気になる内容もあった。 「遊牧民たちの伝承歌だ」 と前置いて、アルマスは歌を紹介してくれた。 『新月の夜に賢人は刀を切り取り、満月の夜にガラスは彼方を映す』 こういった、繋がりも何もわからない歌の一節が、今の現象に繋がりを持ってきたりするのだろうか。 「新月の夜」と「満月の夜」が対応していることはわかる。 「刀」と「彼方」が韻を踏んでいることもわかる。 あとは、わからない。 そもそも、唐突に出てきただけの一節に、どんな意味があるというのか。 いったい、何の伝承なのか。 こうして、私の2日目の行動も終わった。 行動というか、単に他の人に連絡して、各地の様子を知っただけだ。 では、2日目が終わった時点での、世界の状況を見てみよう。 今回動きがあったのは、日本だ。 日本では、国内の大都市から人が退去する動きが加速した。 そのために、犯罪や暴動が発生している。これで、日本の災害レベルが0から1に上がった。 さらに追記がある。 日本国内に不安が高まっていることで、私自身も不安を覚える、今この時点で、現実世界のリアルな自分自身の周囲に生身の人間がいなければ、日本の犯罪レベルがさらに1上がってしまうという。 なんと、この作品、現実世界とリンクしているのか!? でも、普通読書するときって、ひとりだよね。 特にゲームブックはひとりでじっくり取り組む作品だから、なかなか周囲に人がいる時には手を出しがたいよ。 そんなわけで、日本の災害レベルが一気に2まで上がってしまった。 これが3になったら日本滅ぶ。日本やばい。 今のところは、各地の状況を確認するだけで、能動的な行動を起こせていない。 この先、どうしたら世界規模の漠然としたこの流れを、食い止める方向に進められるのだろうか。 次回、世界各地でも災害レベルが上がり始める。いったいどうしたら。 【災害レベル】 日本:2 アメリカ:0 モンゴル:0 イースター島:0 ■登場人物 キサラギ ハッキングで飯を食うグレイハッカー。日本人。世界規模の謎の現象に挑もうとしている。 マーカス・アルクヘイム アメリカ在住の投資家。キサラギの友人。アメリカの情報に通じる。 アルマス・ハン モンゴルのバックパッカー。怪奇現象にも詳しい。キサラギの友人。 ■作品情報 作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「クトゥルフ深話」 著者:山田 賢治 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/2484141 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月28日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.132 FT新聞 No.4843
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.132 かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ #1 あなたの前に、クロスワードパズルがある。 3×3の、ミニマムなクロスワード。 解きますか? Yes→4 No→7 #2 ますます「異物」は入ってくる。 あなたは戸惑いながら、解きすすめる。 しかし、次のページで手が止まる! キーワードに、次のような問題が出る! 「台のついた器具」 「その上にあったもの」 あなたはあわてて、ここまでのページを見返す。 しかし、一行もそんなことを示す「本文」は無い! そんな「小説内当事者」しか知らないことなんかわかるもんか! 続けますか? Yes→5 No→7 #3 やがて、キーワードを探す言葉に、違和感のある言葉が混じり始める。 まるで、いつも通る廊下に、血のシミがついているような、「日常」とほんの少し齟齬をきたす言葉。 解くのをやめますか? Yes→7 No→2 #4 今回紹介する作品は、梨先生の短編集『ここにひとつの□がある』(角川ホラー文庫)からの一篇『穴埋め作業』よ。 冒頭から出題されるクロスワードパズル。 3マスしかない、簡単なモノ。 これなら簡単かな? ちょっと難しいキーワードはあるけどね。 挫折しますか?→7 続けますか?→6 #5 さらにページをめくる。 さらにあなたは驚愕する! 問題はあるけど、肝心のマスが無い! これにはさすがのあなたも、手を止めて考えざるをえない。 頭をひねくりながら、次のページをめくる。 すると、「やまと」と「まひる」を名乗る少年少女が出てくる。 いや「少年」「少女」なのかはよくわからない。 ただ、まるで児童番組のようなナレート、そして、ほぼひらがなな表記が、いかにも無邪気な子どもさん向けの読み物を彷彿させる。その文が、「彼らは児童」という印象を与えます。 そして、一緒に解説を加えながら、解いていくんですけど、これまた現実とは離れた、不吉な不協和音を奏でながら謎解きは進んでいく。 そして、それがだんだんとほどけていき、最後に姿を表したものとは!? 「行間から怪異が飛び出してくる」って、どこぞのホラー小説のキャッチに書かれていたけど、これはそんなものじゃない! 伏線にかっちりと答えていく筋書き。 本当に「組み立てられていく」恐怖! 特に、「クロスワード」を使ってしかできないこの仕掛けは、今まで見たことがない! としか形容できない! 民俗学まで絡め、深い印象を与える本作。 回答編、つまり本文を読まずに解けたアナタ! 惜しみなく神と呼ばせていただきます!(あなたが作者というのは無しよ!) みなさんもぜひ、この「組み上げられていく恐怖」という新感覚を試してほしい! 読まざらば人生後悔することウケアイ。 (了) #6 ページをめくる。 次もまた、クロスワード。 はて、これは短編「小説」なはずだけど? 地に当たる文が一切ない。 続けますか? Yes→3 No→7 #7 それが幸せなのかもしれない。 世の中には、知らない方がいいということもある。 あなたの知っている範疇より、もっと広く。 (EOF) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『穴埋め作業』(短編小説集『ここにひとつの□がある』内に収録) 著 梨 出版社 角川書店(2024/11/25) 文庫 700円(税別) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年4月27日月曜日
☆「ローグラークハーフ」新作のお知らせ☆ FT新聞 No.4842
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆ 告知のお時間がやってまいりました!! ◆ゲームマーケット、きたる!! きたる5月23-24日両日、FT書房はゲームマーケット春2026に出展いたします! 場所は幕張メッセ、ブース番号は「に−42」。 遊びに来てください! 中山将平と杉本=ヨハネが両日お出迎えいたします!! おおっと、言いたいことは分かりますよ? 「遊びに行くかどうかは、何が刊行されるかによる」 ですよね? そのご紹介のために、今日このFT新聞があなたの手元に存在すると言っても、過言ではありません! ◆水波流先生、ついに「ローグライクハーフ」公式シナリオを刊行だ! 春の新刊第1弾はFT新聞の編集長であり、『TH(トーキングヘッズ叢書)』などで活躍する作家でもある、水波流先生によるd66シナリオ+都市サプリメント+新職業【獣使い】だ! D66シナリオは水波先生のデビュー作であり、アランツァで初めて描かれた北方蛮族の街フーウェイの特色が色濃く出た名作……『常闇の伴侶』! 蛮族の街に近い太古の森で行われる奇祭。 不安を抱える人々が真相を求めて呼び寄せたるは冒険者。 古(いにしえ)の森に住まうは樹人に巨人、そして闇エルフたち。 蛮族の男女とともに旅ははじまり、物語は進む。 時に訪れる厳しい選択に、足を止めることもありながら……。 ◆イラストは松本貴子先生! 『常闇の伴侶』のイラストをお願いしましたのは松本貴子先生、画家を生業とする方です。 日展などの個展で数多くの賞を受賞されてきた経歴をお持ちの先生ですが、私が惹かれたのは大のレトロゲーム好きであるという点です! 松本先生のTwitter(現X)には「チャレンジャー」「ワルキューレの冒険」など、懐かしいゲームどころの名前が当たり前のように登場します。 もちろんゲームブックもご存じで、レトロゲームという言葉が電源系ゲームだけにとどまらない。 先生をTwitter上でお見かけしたのは、私としては嬉しい出会いでした☆ ◆都市はもちろん「蛮族都市フーウェイ」。 都市サプリメントに掲載される、この冒険の拠点となる街はフーウェイ。 蛮族都市の異名をとる、豪雪地帯にある蛮族たちの集まる街です。 「着ない防具」である刺青(タトゥー)をはじめ、「トレント樫の盾」や〈切り株トレント〉といった樹人がらみの購入品など、おそらくは他のTRPGでもそれほど多く見かけることのない、魅力ある装備品や従者がずらり。 街の雰囲気を表すだけでなく、ゲームにも影響を与えるサプリメントです☆ ◆【新職業】は【獣使い】! 新しい職業として登場するのは【獣使い】。 【騎乗生物】を友とするキャラクターで、血(生命点)を燃やして【筋力ロール】や【器用ロール】に挑戦したり、素手で2回攻撃する特殊技能を持っていたりします。 数ある【職業】ですが、2回攻撃の【特殊技能】が得られるものはほとんどなく、希少性の高さがうかがえます。 素手攻撃なため-2の修正がつきますが、【攻撃ロール】をそれぞれ【筋力点】で行うことができますから、副能力値である【筋力点】が十分に高い間はいいことずくめ、といった風情の特殊技能です。 ◆「アランツァワールドガイド」もある! カメル先生の大陸1周の旅である「アランツァワールドガイド」も、しっかりと掲載されております☆ このラクダ人が、フーウェイという蛮族たちの持つ特殊な文化に触れ合うさまを描いております。 ◆表紙絵がカッコいい!! 今回の表紙は絵が素晴らしいことはもちろん、タイトルロゴを担当する編集部員である緋色朱音のセンスが、常にも増して冴え渡っていると感じます。 ぜひ、一度見てやってください☆ https://ftbooks.booth.pm/items/8232653 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。