第2回【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ ※ここから先はゲームブック【クトゥルフ深話(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。 ぜろです。 「クトゥルフ深話」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。 スタートでいきなり暗闇の中にいる状況。自分のことも、どこにいるのかも、どんな事態が起きているのかも思い出せません。 少しずつ記憶の断片をよみがえらせ、世界で同時に起きている、黒い影に飲み込まれる現象に自分も巻き込まれたことを理解します。 謎のアイテム「真の闇をあざ笑うための偏方二十四面体の欠片」を握りしめて闇に呑まれたことも……。 そのアイテムの存在を確認した瞬間「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」という声が聞こえたのでした。 ●アタック01-3 這いよらないでニャルニャル 「それを渡せ……お前には……ふさわしくない……」 暗闇の中に響く声。 このパラグラフをそのまま読み進めると、最後はどこにも繋がっていないのが、すでに見えている。 なんらかのパラグラフジャンプを用いなければ、ゲームオーバーだろう。 闇の奥の奥。何かとんでもないモノがこちらを見つめている。 知ってはいけないモノが、そこにあることを理解した。 この漆黒に身を任せてみたいという欲求。 手元の結晶体を握りしめ、本能的に身を護ろうとする自分。 選択は【漆黒】のパラグラフジャンプを用いて、身を委ねるか。 手元の結晶体の力を信じてその【素性】を探るかだ。 私は【素性】からのパラグラフジャンプを選んだ。 「忌々しきは、その石。道化師かつ放浪者なる闇の裏切者よ!」 私を狂い殺そうとする波動が、私の手元の石の力で霧散するのを感じた。 「暗闇のファラオのピラミディオン……忌々しきトラペゾヘドロンめ」 闇はそんな言葉を残し、消え去った。 私は、現実世界に戻ることができた。 そうか、この石が、トラペゾヘドロン。 永遠のクトゥルフ初心者の私でも、その名前は聞いたことがある。 ゲームブック「暗黒教団の陰謀」の副題が「輝くトラペゾヘドロン」だった。 でも、私の知識はそこまでだ。 「暗黒教団の陰謀」は所有しているけれど、プレイは序盤を少し読んだだけで断念している。 当時はクトゥルフ初心者どころか、クトゥルフというジャンルの入口にすら立っていなかったので、まったく何も理解できなかったんだよ。 結局、単語を知っているだけでは、何の役にも立ちはしない。 目の前の箱で検索してみるか。 周辺情報はあまり理解できなかった。 ただわかったのは「闇をさまようもの」、ナイアーラトテップを召喚する道具とのこと。 ナイアーラトテップっていうと、別の呼び方ではニャルラトホテプとか呼ばれる存在だよね。 いわゆるニャル子さんだよね。這い寄る混沌とか呼ばれるやつでいいんだよね? とりあえず、「闇をさまようもの」という単語が、今の闇に呑まれている状況に合致するように思われた。 なので、多分これはニャル子様関連の出来事なのだろう、という推測を、勝手にしておくことにした。 ●アタック01-4 グレーハッカーキサラギ やっと、やっとだよ。 私はようやく、自分を取り戻したんだ。 まずは私の職業、というか生業を紹介しよう。 組織や個人の依頼を受けて、政府や企業のサーバーに侵入し、不正を暴いたり、混乱をまき散らしたりする。 グレーハッカーと呼ばれる存在だ。 白でも黒でもない。報酬によって動く。 ここでようやく、私は私を完全に取り戻した。 特に名前の指定はないようだ。 であれば、ついにここで、命名しよう。 そう……だな。 ここは本名よりも、コードネームみたいなものをつけよう。 キサラギ。 私はグレーハッカーで、通称キサラギだ。 今、闇はいったん去った。 しかし、今、世界中で何かが進行しているのは間違いない。 私は、私の能力で、何かを為せるかもしれない。 別にそんな大それたことを考えているわけじゃない。 灰色の依頼主がいなくなると、食っていくのに困るんだよ。 だから、私の人生のためにも、人類に滅んでもらっては困るんだ。 私はなぜか、無駄に使命感を燃やしている。 そんなキャラじゃなかったはずなんだけど。闇に囚われていた反動かな? 闇に飲み込まれていた他の人たちはきっと皆、帰ってこられなかったんだろうな。 ここで私は、自分の取り得る選択肢を吟味する。 そこにはたくさんの選択肢が並んでいた。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 これは、最終的には全部調べるやつなんだろうな。 むしろ、最初の三択のように、この場面に何度も帰ってきては、行ける先を探す展開になりそうな予感がするぞ。 それにしても、パソコンと携帯端末、タブレットPCが全部別の選択肢になっているのはどういうことなんだ。 すべて用途としては同じ、インターネットを通じた情報収集だと思うのだが。 逆にそれぞれが個別でどう違ってくるのか、気になってしまうな。 さて、この中からどれを選択するか、だけれども。 大多数の人は、最初に確認するのはこれだろうと思う。 「手元の石」 これだ。今巻き込まれた事態からも、この石のことを、しっかりと知っておきたいと考えるのは当然のことだろう。 他のことは、その先でいい。 手元の石は、いびつな多面体だ。 平行な辺のない四角形によって構成された多面体のことを「トラペゾヘドロン」と呼ぶらしい。 全ての時間と空間へと通じる窓、という謎の単語が脳裏に浮かんだ。 とりあえず、私が「トラペゾヘドロン」を所有しているのは間違いない。 それを、確認した。 これで、半日が経過したという。 そして、もう半日なんらかの行動を起こせる、という。 この作品は、行動に応じて時間の経過がともなうということを今、知った。 元のパラグラフに戻り、別の選択肢を探ろう。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・車のキー ・本棚 車のキーってのは、お出かけでもするのかな? ネット関係か、本棚か。 まずは手近なところで、本棚からあさってみようかな。 本棚を確認する。 世界中の怪異に関する本はそう多くはない。 としたうえで、いくつかの本のタイトルが並んだ。 「ネクロノミコン」 「ナコト写本」 「ケレーノ断章」 「ルルイエ異本」 「エイボンの書」 「黄衣の王」 クトゥルフものを少しでもかじったことがあるのなら、聞いたことくらいはあるタイトルがある。 これらの本が、怪異の真実をひも解く鍵になるかもしれないという。 そして、これらの本のどれかを持っているか、と質問がきた。 今のところ、どれも持っていない。 しかし、これらのクトゥルフ関連の書物を入手できる可能性があることはわかった。 ●アタック01-5 日本やばい これで私の、1日目の行動は終了となる。 今いるパラグラフは、行動の終了時に立ち寄ることになっているパラグラフだ。 その日の経過ごとに、世界で何が起きているのか、その情勢を読んで確認できるようになっている。 今は初日なので、初日の情報を確認しよう。 気になる情報が特に集中しているのは、どうやら日本、アメリカ、モンゴル、イースター島の4か所のようだ。 今後は、この4か所の災害レベルを確認しながら事態に当たることになるだろう、とのこと。 日本はともかく、残りの3か所は、いったいどうやって対処したらいいのだろう。 そんなことを考えながら眠りにつき……そして次の日になった。 次の日は次の日で、並んでいる選択肢の中から行動を選ぶのは変わらない。 ・パソコン ・携帯端末 ・タブレットPC ・手元の石 ・車のキー ・本棚 では、本格的に行動を起こそう。 まずは手あたり次第だ。電子機器関係は違いがわからないから、順番にチェックするしかない。 まずはパソコンだ。 PCカメラを利用して、アメリカに住む友人投資家と、テレビ電話をしてみた。 なるほど。パソコンはアメリカの友人と繋がれるのか。 友人投資家の名は、マーカス・アルクヘイム。 こちらが何かを言う前に、アメリカの異変について語り始めてくれた。 ただ、今はアメリカの災害レベルは0だ。 悪い噂が絶えない、という程度の軽い情報だった。 災害レベルに進展があれば、情報も変わるのだろう。 もしかして、災害レベルが上がらなければ起こらないイベントもあるのか。 だとしたら、悩ましいな。 世界を救いたいのだが、災害レベルがある程度上がらないと対処できないとかだったら。 さて、この行動で半日が経過した。 もう半日分、行動が可能だ。 何もわからないので、とにかくひとまず順番に見ていくことに決めている。 次は、携帯端末だ。 携帯端末では、どこの誰と連絡が取れるのだろう。 俺は携帯端末から、海外旅行中の知人バックパッカーに連絡を取ってみた。 海外旅行か。どこに行っているのだろう。 私が気にしている4か所のポイントのうちのどこかであると良いのだが。 そのバックパッカーの名はアルマス・ハン。 あ、モンゴル系の名前っぽいな。 彼はモンゴル高原を旅するバックパッカーだ。 しかも、世界中の怪奇現象にも詳しい。 頼りになる人材だ。 それにしても、私自身なかなかの顔の広さだな。 モンゴルの災害レベルは現在0だ。 そのため、アルマス・ハンの旅行は平和そのもののように思われる。 ただ、私にとっては気になる内容もあった。 「遊牧民たちの伝承歌だ」 と前置いて、アルマスは歌を紹介してくれた。 『新月の夜に賢人は刀を切り取り、満月の夜にガラスは彼方を映す』 こういった、繋がりも何もわからない歌の一節が、今の現象に繋がりを持ってきたりするのだろうか。 「新月の夜」と「満月の夜」が対応していることはわかる。 「刀」と「彼方」が韻を踏んでいることもわかる。 あとは、わからない。 そもそも、唐突に出てきただけの一節に、どんな意味があるというのか。 いったい、何の伝承なのか。 こうして、私の2日目の行動も終わった。 行動というか、単に他の人に連絡して、各地の様子を知っただけだ。 では、2日目が終わった時点での、世界の状況を見てみよう。 今回動きがあったのは、日本だ。 日本では、国内の大都市から人が退去する動きが加速した。 そのために、犯罪や暴動が発生している。これで、日本の災害レベルが0から1に上がった。 さらに追記がある。 日本国内に不安が高まっていることで、私自身も不安を覚える、今この時点で、現実世界のリアルな自分自身の周囲に生身の人間がいなければ、日本の犯罪レベルがさらに1上がってしまうという。 なんと、この作品、現実世界とリンクしているのか!? でも、普通読書するときって、ひとりだよね。 特にゲームブックはひとりでじっくり取り組む作品だから、なかなか周囲に人がいる時には手を出しがたいよ。 そんなわけで、日本の災害レベルが一気に2まで上がってしまった。 これが3になったら日本滅ぶ。日本やばい。 今のところは、各地の状況を確認するだけで、能動的な行動を起こせていない。 この先、どうしたら世界規模の漠然としたこの流れを、食い止める方向に進められるのだろうか。 次回、世界各地でも災害レベルが上がり始める。いったいどうしたら。 【災害レベル】 日本:2 アメリカ:0 モンゴル:0 イースター島:0 ■登場人物 キサラギ ハッキングで飯を食うグレイハッカー。日本人。世界規模の謎の現象に挑もうとしている。 マーカス・アルクヘイム アメリカ在住の投資家。キサラギの友人。アメリカの情報に通じる。 アルマス・ハン モンゴルのバックパッカー。怪奇現象にも詳しい。キサラギの友人。 ■作品情報 作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「クトゥルフ深話」 著者:山田 賢治 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/2484141 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。