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2026年4月21日火曜日

クトゥルフとゲームブック第97回 FT新聞 No.4836

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ クトゥルフとゲームブック 第97回 (中山将平) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■  おはようございます。  自分の記事を書くたびに自作品である「カエル人のコンテンツ」を紹介しようと目論むイラストレーターの中山将平です。  僕の個人サークル「ギルド黄金の蛙」の作品の詳細を、下のBOOTH通販のURLにまとめてありますので、ぜひご覧いただけましたら。  https://booth.pm/ja/items/7885738    さて、実は昨年の5月27日から、約11か月ぶりに「クトゥルフとゲームブック」記事を書いてみることにしました。  とんでもなく久しぶりなので、「なぜ今更!?」という疑問を持たれている方も、「そもそもそんなシリーズ記事があったことすら知らないんだが」という方もいらっしゃると思います。  この記事は、僕がクトゥルフやゲームブック……それから、それらに関係があるかもしれない様々なホラーについて目にしたことや、感じていることを書き綴ったものです。  既に96回記事を書いていまして、この96という数字が「クトゥルー(クトゥルフの別の表記)」の響きと似ているという事情から、しばらく休眠状態に入っていました。    しかし、最近個人的に「The Crooked Moon」という5E(ダンジョンズ&ドラゴンズの第5版と互換性のあるルールて作られた)システムのフォークホラーTRPGにときめきを覚えていまして、刺激を受けたことを記事にしたくなってしまったのです。  クトゥルフ神話ともゲームブックとも関係がなさそうに思われるかもしれませんが、同じホラージャンルの話題で、個人的には共鳴する刺激を感じました。  とはいえ、この記事に「The Crooked Moon」の紹介を書く気はありません。ご存知ない方のうち、気になられた方は検索されると思いますので。  僕自身は、素晴らしい作品だと胸を射抜かれたので、アメリカ版のアマゾンで購入し、グーグルレンズを使って少しずつ読み解いているところです。  話題にしたいのは、「フォークホラー」という概念についてです。  というのも、僕はこの作品と触れたことで、自分があまり「ホラーのジャンル」について大きく意識してこなかったことに気づくことができたのです。  クトゥルフ神話といえば「コズミックホラー」というジャンルに分類されることがありますが、よくよく考えると作品ごとにその根底にある怖さは少しずつ異なるように感じています。  「ホラーのジャンル」について考えることは、「怖さ」の解像度を上げ、創作にも役立つことなのではないでしょうか。    そういうわけで今回は、この「フォークホラー」のみならず「ボディホラー」、「ゴシックホラー」、という3つのホラージャンルについて、その分類と表現の面白さについて考えたいと思います。  「コズミックホラー」については何度も触れていますので、今回は控えることにしました。  なお、今回の分類がどのようなものかという説明は、あくまで僕の主観によるものなので、一般的なものと差異があるかもしれないことを先にお伝えさせていただきます。  ゲームブックとの関係性まで踏み込もうかとも考えましたが、さすがにボリュームの関係でこれはあきらめることにしました。  それでは、早速「フォークホラー」から見ていきましょう。 ◆ フォークホラーとは  フォークホラー、それは、「周囲から隔絶された辺境の集落などで起こる、独自の風習や宗教観がもたらす恐怖」といった概念です。  「民話的な怖さ」という言葉の方が、通じやすいかもしれません。  有名な映画では「ミッドサマー」等がこれに当たると聞いたことがあります。    この恐怖感は、祟りや呪い、人身御供等々の概念に親しみのある日本人にとっては、馴染みのあるものだと感じています。  ジャパニーズホラーの作品(映画や小説)でも、個人的にはよく見かけるジャンルだと思いますので。    このジャンルで僕の心を特に動かす要素は、「独自の風習や宗教観は最終的に超常的なものへとつながる可能性がある」という点です。  超常的なものといえば、もちろんファンタジーが扱いを得意とするものですので、フォークホラー自体がファンタジーと親和性の高いものであることも感じています。  純粋なホラーとしても、ファンタジーの要素を持ったものとしても輝くジャンルなのかもしれません。 ◆ ボディホラーとは  ボディホラー、それは、「身体や精神の異常な変異・コントロールの喪失等を伴う、アイデンティティの崩壊がもたらす恐怖」といった概念です。  有名な映画では「ザ・フライ」等がこれに当たると聞いたことがあります。  個人的に感じているのですが、これって物語を作成する際、本筋とは別に組み込みやすい要素なのではないでしょうか。  ゲームブックやTRPGで選択肢を誤った際にもたらされる「ペナルティ的な要素」で変異があるのは分かりやすく刺激的に感じます。  あるいは、物語の中で主人公が選択の対価として支払う要素がこれというのも、想像に難くありません。  気になっているのは、この「変異」がどの程度の嫌悪感を伴うかという点です。  変異先がどのようなものであるかによって、嫌悪感や恐怖心は大きく変わるのではないでしょうか。 ◆ ゴシックホラーとは  ゴシックホラー、それは、「古城や古びた館等の気味が悪い場所を舞台とした、暗いロマンスを含む恐怖」といった概念です。  有名な映画では「オペラ座の怪人」等がこれに当たると聞いたことがあります。  ロマンスを含まないゴシックホラーも成立するものと思われますが、一方でこのジャンルにその要素が含まれることは「とても相性が良く、高頻度で見かける」ものであると感じています。  個人的には、「ロマンスあってこそのゴシックホラー」かなと。  フォークホラーもそうなのですが、ゴシックホラーもまた舞台となる場所が登場人物以上に重要な要素となっていることに注目しています。  この「文法(やり方)」は、ファンタジーや現代もの等々、別のジャンルの作品でも使えることが予想され、作品に陰鬱な表情を追加できるものと思われるからです。  応用で明るい舞台を用意したり、シリアスな雰囲気を背景に追加したりすることもきっと可能なのでしょう。  ロマンスという点については、それ以上に「価値観や本質の相違がもたらす葛藤」が面白いものだと感じています。  思うに、キャラクターが抱える矛盾や価値観の衝突は、物語を深い表現へと昇華させるとても良い要素ではないでしょうか。  その中のひとつとしてロマンス(愛情)があることは、触れたいテーマ性を明示する面でも活用できるように思われます。   ◆ まとめ  今日は、ふと書きたくなってホラージャンルの分類について触れる記事を書いてみました。  実は「クトゥルフ神話作品」という括りの中だけでも、今回触れた3つのジャンルに当てはまりそうな(または、その要素を持った)作品はたくさんあるようにお思います。  ジャンルを見極めつつ、それをどのようなレベルで「表現」とつなげていくのか、自身にも問いながら作品作りに励みたいところです。    それでは、今日はそろそろこのあたりで。  良きクトゥルフ・ライフを。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。