●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『アナログゲーム産業年鑑2024』のご紹介 岡和田晃 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 一般社団法人アナログゲームミュージアムをご存知でしょうか。2020年11月に、現代表理事の草場純氏から「準備委員会」の呼びかけがなされ、2023年5月のゲームマーケット2023春にて、「アナログゲームミュージアム設立記念イベント」が執り行われ、正式に始動した団体です。同イベントは4Gamer.netで詳細にレポートしているのでご参照ください(https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20230524001/)。 アナログゲームミュージアムは、活動目的に「文化資源としてのアナログゲーム」に関わる、「普及・啓発・コミュニティ育成」、「調査・研究・教育を通じた専門家の育成」、「資料の収集保存およびミュージアムの運営」、「これらの活動を通じた、ひらかれた遊び場の創出」を掲げていますが、同ミュージアムは神奈川県大磯市を拠点に、アナログゲームの現物の収集・保存を行っているのみならず、目録の検索システム「AGMサーチ」(https://id.analoggamemuseum.org/s/agm/page/welcome)、会報の発行などを行っています。 4Gamerでの上記レポートでは、安田均氏のコメントで、「ドイツには,ゲームの刊行データなどをまとめた年鑑本が刊行されている時期がありました。作るのは本当に大変みたいですが,AGMにはぜひ,ああいったものを作っていただければと思います」という提言がなされています。 昨今はボードゲームやTRPGをテーマに卒業論文や修士論文が書かれることも珍しくありませんし、ゲームをテーマにした学会や査読論文も複数あります。私自身、学会からの依頼で、査読者としてゲーム関係の論考にコメントを行ったこともあります。 研究において大事なのは一次資料の調査ですが、いかなる分野であれ、一定の信が置ける媒体をあたり、基礎的な動向を確認することも大事になってきます。 アナログゲームについては、ゲームの現物が散逸しやすく、いつ誰が出したものかということもわかりづらいという問題がある一方、中立的な立場からの情勢分析や批評が難しい、という現状もありました。このため、まずは基礎研究の充実が求められてくるわけです。 実際、デジタルゲームでは『ファミ通ゲーム白書2025(https://www.famitsu.com/article/202508/49165)や、『ファミ通モバイルゲーム白書2026』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000230.000017610.html)のような年鑑本が、すでに発行されています。 アナログゲームミュージアムでは、2024年12月『アナログゲーム産業年鑑2024』が、株式会社矢野経済研究所の協力のもとで刊行しています(電子版・印刷版)。 2025年7月13日、林尚志氏のドイツゲーム大賞受賞が、日本人初の快挙としてNHKで報じられました。このとき、アナログゲーム産業年鑑からの引用がなされました。それくらいには、信頼のおける典拠とみなされているわけです。 『アナログゲーム産業年鑑2024』は、あくまでもユーロゲームを中心としたボードゲームに関する記述がメインで、TRPGやゲームブックに関する個別の分析はありません。こちらは、編集委員会内に、ボードゲーム関係者がメインになっている部分が大きいようですが、ただし、8章の「関連書籍動向」で、「書籍・雑誌形式のアナログゲームならびに関連書籍」として、2023年に刊行されたTRPGやゲームブックのリストが掲載されています。 こちらのリストは、草場純氏からの依頼で、石在神明氏がお作りになったリストに、私が補填を行ったものです。私は編集委員会のメンバーではありませんが、キックオフイベントを取材し、また草場氏と一緒にAnalog Game Studiesやボードゲーム読書会@高田馬場といった研究会に参加してきたことから、依頼を受けた流れになります。 具体的には、ISBNが付され、Amazon.co.jp等で流通し「Role&Roll」等の専門書籍で紹介されているものを石在氏がリストアップし、私の方でそのリストを点検し、電子書籍専売のものや、海外RPGの翻訳作品、ボックスタイプのもの等を補填したという形になります。すべてを網羅しているわけではありませんが、それでも基礎資料にはなるでしょう。 これに加えて、本「FT新聞」のアナログゲーム関連記事の一覧(再掲、宣伝を除く)も載っています。日刊ペースで出ているアナログゲーム関係のメールマガジンは他になく、それを概観すれば、一定の動向はわかるだろうという考えにより、こちらは水波流氏に基礎的な一覧をご用意いただき、私が点検・補填したものになります。 ただ、この資料には一点、残念な点があります。それは高価なことです。 個人での購入というよりは、図書館や研究機関・企業等での購入が前提になっていること。定価は20000円+税というので、相当なものです。 アナログゲームミュージアムでも、図書館や研究機関・企業等への紹介を積極的に行っているということで、この機会に、お近くの図書館等への購入依頼を呼びかけられてはいかがでしょうか。 2026年3月には、続編たる『アナログゲーム産業年鑑2025』も刊行されましたが、そちらは別の機会に紹介したく思います。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 『アナログゲーム産業年鑑2024』 <冊子版> 発行日:2024年12月12日 版型:A4 ページ数:122p ISSN: 2759-8209 本文モノクロ印刷 <電子版> 発行日:2025年1月15日 版型:A4 ページ数:125p 編著:一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会 発行人:草場 純 発売元:一般社団法人アナログゲームミュージアム運営委員会 連絡先:info@analoggamemuseum.org ※サンプルページ:https://analoggamemuseum.org/publication/annualreport 価格:本体20,000円+税 冊子版:https://booth.pm/ja/items/6352515 電子版:https://analoggamemuseum.booth.pm/items/6493071 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。