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2020年11月22日日曜日

T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.14 No.2860

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T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.14

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from 水波流
月イチペースでお送りする、読者参加企画。
今回は総勢21名のご参加を頂いております。

いよいよ次回ep.15は最終回となります。
ただ、そのあとに後日談のようなエピローグ回を作ろうと思っています。
最終回を経て、それぞれのキャラクターがその後どうしたいかをお送り頂いて、簡単にまとめます。

第二部についてもご質問頂いておりますが、今はまだ具体的には考えておりません。
新しい人も参加しやすいように、キャラを仕切り直して、古代帝国の塔の探索を複数パーティで行うようなゲームシステムにできないかなぁと構想だけはしております。

それでは引続き、どうぞよろしくお願いいたします。

さて本文ですが、毎度の長文ですのでパソコンでご覧頂くのを推奨いたします。
もし携帯電話などで受信し、途中で切れたりしている場合は、下記バックナンバー保管庫からご確認をお願いいたします。
https://ftnews-archive.blogspot.com/

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事件の結末

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■事件A:1名出撃
自由行動。
これまで手がけてきた事件や出会った人物などで、もし君が気になっている事があるならば、行動を起こしても良い。
何をしたいのか、具体的に申告するように。
脅威予測)?
報酬)?

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 冬が来ようとしていた。
 レックス砦の戦士たちは例年になく早く、そして異常なまでに厳しい冷え込みに悩まされる日々が続いていた。カザン帝国の領土としては最南端にあたるこの地にあってもかくの如き厳しさである。〈大断崖〉を越えたタリーマークやフロストゲートなどの北部地域では、そして首都カザン市ではいったいどうなっているのか……。
 〈死の女神〉レロトラー陛下の身に何かが起こったのかもしれない。そのような噂を口にする者もいた。砦のそこかしこでは、ひそひそと噂話が囁かれていた。
 事態を重くみたガガック兵長は当面の間、レックス砦を閉鎖し、一軍を率いてカザン市へ帰投する方針を検討していた。少なくともあとひと月程の間には決断せねばなるまい。
 来月にはサトゥルナリア……カザン謝肉祭と呼ばれる時期が近づいていた。


 砦の訓練場では戦士たちが汗を流していた。武装の手入れをする者や木人形相手に打ち掛かる者、二人一組で模擬戦に勤しむ者、それぞれの様子を見守りながら、ガガック兵長は気難しい表情で腕を組み、場内に佇んでいた。
「兵長。稽古をつけて頂きたい」
 背後からかけられた聞き覚えのある声に、ガガックはゆっくりと振り向いた。
「ほう。お前もか」
 大剣を背にした盗賊、ソーグの姿がそこにあった。
「どうした、思いつめた顔をして」
 浮かない表情のソーグにガガックが問いかけた。
「……魔法ってのは便利なもんだ。もちろん俺も使わせてもらってる。……けどな。人の頭ン中まで入ってこようという厚かましいのは、我慢がならんのさ」
「なにかあったようだな」
「ああ、力がほしい。今よりもっとだ」
 唇を噛んで拳に力を入れるソーグに、ガガックは珍しく温和な顔で語りかけた。
「稽古はつけてやるさ。だがな、そんな拘りは生きるためにはいらんのだぞ」
「どういう事だ」
「お前はここでは切れ者を気取っているのかもしれんが、俺に言わせればボンバの実の背比べにすぎんよ。力だけに拘っていると足元が見えずに命を落とすぞ」
「言っていることはわかる……つもりだ」
「お前ら人間はな、貧弱なんだ。俺のようなウルクや、ましてやオーガーとは違う。それどころか力だけではドワーフやホブにだって敵わんだろう。研ぎ澄ませ。熱くなるな。感情を静めろ。氷のように冷静になれ」
「そのつもりだったんだがな」
 ガガック兵長はフンと笑った。
「お前なんぞのは見かけだけだ。情で動いてばかり、だからそんなデカいだけの剣を使ったりしている。盗賊のくせにな」
「………その通りだ」
 ソーグは大剣を背から下ろし、鞘の留め金を外した。
「これは友人が残していった物なんだ。初めは取り回しに不自由したよ。だが、もう慣れてしまった」
 ソーグは剣を構え、遥か先に古代帝国の塔がそびえる方角を見つめた。
「さぁて、せめて死なんために稽古はつけてやる。さっさと支度をしろ。でなけりゃ、あいつらに先を越されちまうぞ」
「あいつら……?」
 ガガックが指し示す先には、泥と汗にまみれたヤスヒロンとへーざぶろーの姿があった。何のつもりか、ヤスヒロンは目隠しをして、へーざぶろーの攻撃をかわし続けている。
 ガガック兵長は訓練場に向けてがなり声をあげた。
「ヤスヒロン! さっきも言ったろ。空気の流れを詠み、敵を感じろ! 相手の攻撃を皮一枚で避け、交差するように踏み込んで力の限り叩き潰せ!!」
 相手を務めるへーざぶろーは叩き潰されては叶わんとばかりに、両手の棍棒でヤスヒロンの強打を器用に払い除け続けた。
 やがて息の上がったヤスヒロンが膝をつく。
「こんなので本当に幻術対策になるのかねぇ。見なけりゃいいってもんでもねぇだろ」
 近寄ったへーざぶろーが呆れたように言葉をかけた。
「わからん。だが、少なくとも俺は……妹の姿を見てしまったら、それが幻だろうとも心奪われるだろう。だから……」
「へっ、まぁ心意気だけは買うよ」
 へーざぶろーはそう口にしながら、懐から薬瓶を取り出してヤスヒロンに握らせた。
「こないだは助かったぜ。妹さん、見つかるといいな」
 その傍らでは木人形を前にしたエミリアが、うろ覚えの魔法語をつっかえながら何度も詠唱していた。時折、突き出した両手から炎らしきものが吹き出すが、なかなか安定しないようだ。
「……げ、原祖たる太陽のしゃ、灼熱? ……を用いて、我が敵を打ち倒す……打ち倒す……なんだっけ。あ、ほむら。焔よ来たれ」
 ガガック兵長は訓練所の戦士たちを暖かい目で眺めると、遠く北の空を見上げながら、小さく呟いた。
「寒い時代が来るのかもしれん……」


 帝国首都カザン市。
 汚らしい灰色の氷の層が街路を覆い、道行く人々は都市部とは思えぬほど上着を厚く着込み、まるで冬籠り支度をした熊のような格好で足早に通りを行き交っていた。カザン謝肉祭を翌月に控え、普段であれば色とりどりの飾り付けが街を彩っている時期である。
 厳しい冬を送り、豊かな実りをもたらす季節を迎えるための7日間の祭り。祭りの期間は門は開放され、怪物や妖精の扮装をした人々が街路を練り歩く。一年で一番昼の短い日を境に、太陽の復活を願い、自然に潜んでいる神秘的なものたちとともに街を祝福するという、古来よりカザン市に伝わる伝統的な祭りであった。
 しかし今のカザン市には、祭りの高揚感は微塵も感じられなかった。ルールフ大陸で最大とされる大市場でさえ、その活気を失っていた。
 その大市場の場末にある1軒の酒場。閑散とした店内の奥に、目付きの鋭い男たちが入口を固める宴会用の広間が口を開いていた。中にはぎっしりと人が詰めかけ、普段であれば踊り子が芸を見せる舞台上に縁台が置かれ、一人の女性が声を高らかに演説を行っている。
「何度でも言いましょう。私たちは死の女神の下僕じゃない! 自由を持った種族です! なのになぜ私たちはこうも迫害を受けねばならないのでしょうか! 奴らに私たちの生きる権利を奪う資格がどこにあると言うのでしょうか!」
 重ねられた強い言葉に、聴衆からも、そうだ、そうだと声が上がった。
 彼女の胸元には〈偉大なる熊神の教団〉ことベアカルトの上級教団員の身分を表す聖印が飾られている。聖印は不思議な冷たい光を放ち、彼女の纏う白い法衣を照らしている。
「ただひたすら奪い続けるだけの奴らに、大いなる熊神の鉄槌を下す日が来たのです!」
 大きな怒号が広間を支配した。皆、握りしめた手を振り上げて、大声で歓声をあげている。中には涙を流している者さえいた。
「私たちは力を行使する!」
 演説を終え、段を降りる女性の背に歓声が投げかけられ続けた。広間は熱気溢れる空気に包まれていた。「熊に幸あれ」「子熊らに父なる熊神の加護を」と祝福の言葉が交わされる。
 壁際から静かにそれを見つめていたフードを深く被った男が、不意に女性に駆け寄ろうと足を進めた。
 しかしそれを傍らのもう一人の男が肩を掴んで静止した。男はそのまま力づくで彼をその場から離れさせ、足早に酒場を出ると街路の雑踏に紛れて気配を消す。
「何をやっていやがる」
 盗賊イェスタフはフードの奥から厳しい口調で叱責する。
「気持ちはわかるが、慎重になれ」
「……エレイン、いったいなぜ……」
 剣士スパイデイは俯いて足元だけを見つめながら、行方知れずだった妻の名前を小さく口にした。

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
スパイデイ
→盗賊イェスタフの協力のもと、ようやく見つけた妻の消息はこのようなものでした。
あなたの目から見て、彼女は正気とは思えません。きっと洗脳されたか、なにかに操られているのでしょう。
イェスタフの調査でカザン市内の熊神教団本部の場所も判明しています。
本部へ潜入を試みる事もできますが、情報が少なく大きな危険が伴います。
なおイェスタフは別命を受け熊神教団の調査を行っており、希望すれば引続き任務に影響のない範囲で協力はしてくれます。

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■事件B:10名出撃
西方エルフの多大な犠牲を払い、聖遺物《鏡》《玉》《杖》が揃った。
折しも〈竜塚〉の術士アルヴェルディアより、竜の鳴動が激しくなっているとの報告が入っている。
これ以上は如何に西方エルフ最高峰の術士隊カルドゥニアといえども、押さえ切れそうにない。
急ぎ向かわねばなるまい。
なおギルサリオン隊長は意識不明の重体との事。指揮は君たちに任される。
脅威予測)大
報酬)中

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

(……嫌な空気だ)
 戦士ヘルトはいつものように寡黙な様子を保ちつつ、禍々しい雰囲気を纏う丘を見上げていた。
「状況を教えてくれ」
 エルフの青年マロウズは術士アルヴェルディアに問いかけた。
 疲れ切った顔の老エルフは、ユランタウ修道院の周囲を見回しながら、砦の一団がここを離れてからの事を掻い摘んで説明した。
 術士隊はあれからずっと竜塚を包囲しつつ浄化の儀式を続けているが、竜の胎動は日に日に激しさを増している。昼夜を問わず、交代で儀式にあたっているが、さすがのカルドゥニアの中にも疲労で倒れるものが出始めている。もはやこれ以上は抑えきれそうにないところまできていた。
「聖遺物は揃いましたか」
「ああ」
 盗賊ニンツが背負い袋から《鏡》《玉》《杖》の三種を取り出した。アルヴェルディアはほうと感嘆の吐息をつくと、伸ばしかけた手を途中で止めてうやうやしく頭を垂れた。
「見事です。……では、再封印の儀式に移りましょう。支度は整っております」

 竜塚を四方から囲むように術士隊カルドゥニアは陣を張り、それぞれ祭壇を設け、交代で祈りを捧げていた。
 アルヴェルディアはその祭壇を指しながら、儀式の説明を続けた。聖遺物を抱えたニンツの後ろから、カーモネーギーとヘルトが深刻な表情で歩を続けていた。
「エルダーリーフ氏族のマロウズどのであれば、祓の言霊はご存知のはず」
「……ああ」
 そう答えたものの、マロウズも不安を隠せない様子である。
「《杖》を持ち、主座について頂きたい。詠唱はカルドゥニアに同調させます」
 ニンツが頷き、《杖》をマロウズに手渡した。
「あと2つの聖遺物の力も借りねばなりませぬ」
「アンタもどっちか受け持ってくれるんだろ」
 ニンツが《鏡》と《玉》を持ち直しながらアルヴェルディアに尋ねた。
「いいえ、聖遺物を手にする資格があるのは試練に打ち勝ったものだけ。私ではお役には立ちませぬよ」
 ニンツはふうとため息をついた。
「隊長がいりゃあな」

 結局、《鏡》はニンツ、《玉》はカーモネーギーが引き受ける事となった。ヘルトは「俺はこの剣でお前らを守るのが役目だ」と言って引かなかった。
 準備はできた。しかし万端とは言い難い。全員が経験した事も無い大掛かりな儀式である。
「いくらヘルトでも、1人じゃあ……」
 カーモネーギーが不安そうな言葉を口にした。
「誰が1人じゃと?」
 不意に背後から快活そうな声がかけられた。
 全員が振り返ると、そこにはメックリンガー老を筆頭にレックス砦の面々が立ち並んでいた。
「昔から竜と戦うには槍と相場が決まっておってな……ここはワシの出番じゃろ」
 老兵は自慢の槍を振り回し大見得を切った。その背中には、先日ダルゴンの大図書館で譲り受けてきた特別製の魔法の杖が背負われている。
 ポル・ポタリアがニコニコしながらその杖に話しかけていた。
「ねえ、ダーヴィドくんはドラゴンを見たことがあるのかなぁ? 『ドラゴン退治の英雄』って二つ名は魅力的だよねぇ。そして英雄には美姫が付き物! こりゃ、エルフちゃんたちがほっとかないね。こんな事も有ろうかと、ボクぁ竜退治の武器も用意してきたんだよ」
 そう言いながら、なまくらな二振りの剣を出鱈目に振り回した。
「こっちが「ドラゴンツレイヤー」で、こっちは「ドラゴンスゲイヤー」さ! どうだい、こりゃもう、楽勝、楽勝!」
 その様子を冷たい視線で眺めつつ、赤毛の少女エミリアが不機嫌そうに髪をいじりながら、周囲を警戒していた。傍らではデュラルが弓の調子を確かめており、ドワーフの戦士クリフも無言で荷物を下ろし、戦いの準備を始めている。
 そして一行の最後尾に、老魔術師のような風貌をした見慣れぬ初老の男が付き従っていた。見事な禿頭に黒くて長い顎髭を蓄えたバルベルという名の戦士は、ガガック兵長が決戦前に本国に呼びかけ集まった者の1人であった。
「はるか彼方の地、剣竜亭から参りました。皆様、以後、お見知りおきを」
 
 心強い援軍を得て、大いに士気の上がった一行は、各祭壇に別れて配置についた。
 正面の祭壇には《杖》を持つマロウズ、護衛にエミリア。
 右翼の祭壇には《鏡》を持つニンツ、護衛にクリフ。
 左翼の祭壇には《玉》を持つカーモネーギー、護衛にメックリンガー。
 背後の祭壇には術士アルヴェルディアと、遊軍としてヘルトを先頭にデュラル、ポル、バルベルが控えていた。
 術士隊カルドゥニアは4つの祭壇それぞれに別れ、詠唱を続けている。

「よし、はじめよう」
 マロウズは呟くと、太古の竜に捧げる言霊を詠唱しはじめた。背後でカルドゥニアが声を合わせて追いかける。
 その場の全ての者のクレムが、マロウズの言霊に集中していた。

………………
次元の狭間に坐し坐して
天と地に御働きを現し給う
竜王よ
………………

 マロウズは詠唱の途中で、杖を何度か左右に振る。杖には古代エルフ語の文字が刻まれていた。
 その文字《ナハシュ》とは古代エルフ語で「蛇」「魔術を使う」「輝くもの」という3つの意味を持つ言葉。
 古のエルフ王ベリエンベールは、黒竜との長い戦いの終わりにこの杖を手にし、力を失い逃げ惑う黒竜を封じ込めたとされる。

………………
大宇宙根元の
御祖の御使いにして
一切を産み一切を育て
萬物を御支配あらせ給う
竜王よ
………………

 長い時が過ぎた。太陽が中天を通り、西の空に沈もうとしていた。日暮れが近づき、祭壇に篝火が灯される。
 詠唱を続けるマロウズの額に、玉のような汗が浮かんでいた。
 不意に丘の上から風が吹き下ろしてきた。まるで魔獣の咆哮のように響きをあげて、風が祭壇の供物を吹き荒らす。
 マロウズは右手の杖を強く振り払い、詠唱の声により一層の力を込めた。

………………
一二三四五六七八九十の
十種の御寶を
己が姿と変じ給いて
自在自由に天界地界人界を治め給う
竜王よ
………………

「困りますなぁ。こんな事をされては」
 いつの間にか祭壇の前に片眼鏡をかけ、顎に薄い山羊鬚を蓄えた男が佇んでいた。
「ようやく悪夢が再来しようと言うのに、小賢しい真似を……しかもご丁寧に聖遺物まで揃えるとは頭が下がる」
 屍人使いエレファバは口元に皮肉な笑みを絶やさぬまま、両手を広げて歩を進めた。
「ま、しかし、それもここまでにして頂く。所詮、限り有る生命しか持たぬ諸君らには、我らの邪魔だてなぞ出来ぬのだよ」
 エレファバの言葉に併せ、彼の背後からぬらりと黒い影どもが姿を現した。屍人兵である。
「術士を殺せ」
 エレファバが片手を振って指示を出すと、屍人兵たちが緩やかに前進する。
「くっ……」
 マロウズの詠唱が一時中断する。そこへ鋭い口調でエミリアが口を挟んだ。
「駄目だ。お前は儀式を続けろ」
 そして懐から呼子を取り出し、強く三度吹き鳴らした。すぐさま三方から同様の返答がなされた。
「ここはアタシらに任せな」

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【戦闘A】
マロウズMR45防5魔防10(儀式中)
エミリアMR30防5 VS 屍人兵MR30*3

「……出し惜しみしてる場合じゃない、か」
 *エミリア、異界獣の黒曜石*2使用。MR40ブラックハウンド*2召喚。

1ラウンド:PC【109】 VS 敵【95】 /敵側に14ダメージ!(屍人兵A25、B25、C26)
2ラウンド:PC【105】 VS 敵【81】 /敵側に24ダメージ!(屍人兵A17、B17、C18)
3ラウンド:PC【105】 VS 敵【83】 /敵側に22ダメージ!(屍人兵A10、B10、C10)
4ラウンド:PC【104】 VS 敵【49】 /敵側に55ダメージ!(屍人兵全滅)

 →エミリア、戦闘Bへ加勢に


【戦闘B】
ニンツMR40防5(儀式中)
クリフMR55防5魔防5++ VS 屍人兵MR30*3

「ええい、数が多い!」
 *クリフ、竜の牙使用。MR30スパルトイ召喚。

1ラウンド:PC【84】 VS 敵【87】 /PC側に3ダメージ!(クリフ55、スパルトイA30)
2ラウンド:PC【84】 VS 敵【93】 /PC側に9ダメージ!(クリフ51、スパルトイA30)
3ラウンド:PC【77】 VS 敵【76】 /敵側に1ダメージ!(屍人兵D29、E30、F30)
4ラウンド:PC【85】 VS 敵【91】 /PC側に6ダメージ!(クリフ50、スパルトイA30)
5ラウンド:PC【78】 VS 敵【79】 /PC側に1ダメージ!(クリフ50、スパルトイA30)

 →エミリア合流。(エミリア30、ブラックハウンドA40、B40)
「待たせたな、ドワーフ」

6ラウンド:PC【177】 VS 敵【80】 /敵側に97ダメージ!(屍人兵全滅)

 →クリフ、エミリア、戦闘Dへ加勢に


【戦闘C】
PC:ヘルトMR55防5、デュラル・アフサラールMR40防5+、ポル・ポタリアMR30防5魔防10、バルベルMR20
敵:骸骨兵MR30*3

「さっさと片付けて加勢に向かわねば」

1ラウンド:PC【134】 VS 敵【89】 /敵側に45ダメージ!(屍人兵J15、K15、L15)
2ラウンド:PC【138】 VS 敵【62】 /敵側に76ダメージ!(屍人兵全滅)

 →ヘルトたち、戦闘Dへ加勢に


【戦闘D】
カーモネーギーMR35防10(儀式中)
メックリンガー老MR30防5 VS 屍人兵MR30*3

「こりゃダーヴィド! お前も仕事をせんか!」
 *メックリンガー、特別製の魔法の杖《愚かなダーヴィド》を使用。《魔神の剣》発動! 5ターンの間、ダメージ3倍

1ラウンド:PC【79】 VS 敵【85】 /PC側に6ダメージ!(メックリンガー29)
2ラウンド:PC【77】 VS 敵【89】 /PC側に12ダメージ!(メックリンガー22)
3ラウンド:PC【66】 VS 敵【86】 /PC側に20ダメージ!(メックリンガー7)

 →ヘルトたち合流。(ヘルト55、デュラル40、ポル30、バルベル20)
「も、もっと早く来んか!(……冷や汗かいたわい)」

4ラウンド:PC【185】 VS 敵【91】 /敵側に94ダメージ!(屍人兵全滅)

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「形勢逆転だぜ」
「ちっ、俗人どもめが……」
 屍人使いエレファバは焦げ茶のローブを翻し、丘の上に向かって叫んだ。
「エルファニ! 捧げよ!」
 《翼》の魔術によって丘の上空に浮かぶ真紅のローブの姿が視界に入った。屍人使いエルファニである。
「はい、兄者」
 魔女は恍惚とした表情を浮かべ、微笑みながら己の胸を短剣で串刺しにし、滴る血を大地に捧げた。
「ははは。悪夢の再来だ」
 エレファバは心底楽しそうに笑みを浮かべた。
 儀式の詠唱を掻き消すように竜の鳴き声が辺りに轟いた。丘からねっとりとした湿度をまとった、生臭い風が吹き下ろしはじめる。
「う……何だこの臭いは」
「腐ってやがるのか」
 エレファバは顔をしかめると小さく舌打ちした。
「……儀式のせいか。虫けらの分際で足掻きおって」
 そのまま左手でワンドを振るうと《翼》の魔力で上空へ飛び立つ。
「さぁ目覚めるがよい、ユランタウの黒竜よ。憎き西方エルフどもを根絶やしにする時間だ」
 おぉぉぉぉん。低い唸り声が辺りの木々をビリビリと揺さぶった。
 丘の上で巨大な影が身悶えし、大地から身体を起こそうとしていた。吐き気をもよおす臭気が辺り一帯に立ち込めている。
 術士隊も完全に気圧された様子で、マロウズたちの詠唱の声は止まっていた。
「何をやっとるんじゃあ! しっかりせい。竜の相手は任せておかんかい」
 メックリンガーがあげた叱咤の声に、我に返ったマロウズは言霊を唱えなおし始める。
 ヘルトとデュラルがうなずくと、臨戦態勢のまま全員は丘の上に向かった。

「ヒュ〜。素晴らしい眺めだね……緊張でワキに汗をかいちゃうよ、もう」
 足を震えさせながら、ポルが黒竜の巨体を見上げた。邪悪な竜がゆっくりとその首をもたげるところだった。
 黒竜の咆哮に呼応するように、ヘドロと化した足元の大地の中から、泥混じりの骸骨どもが何体も起き上がりはじめた。
「古戦場だけあって、素材には事欠かぬからね」
 上空のエレファバが含み笑いをしながら呟いた。骸骨は古代ベリベンエール王と共に戦った西方エルフ親衛隊のものらしかった。
「……何があっても食い止めねばな」
「ああ、マロウズたちに近づけさせるわけにはいかん」
「聞こえるか、マロウズ、ニンツ、カーモネーギー! ここは俺たちに任せろ。詠唱を続けるんだ。いいな!」

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【戦闘】
PC:ヘルトMR55防5、クリフMR50/55防5魔防5、デュラル・アフサラールMR40防5、エミリアMR30防5、メックリンガー老MR7/30防5、ポル・ポタリアMR30防5魔防10、バルベルMR20、ブラックハウンドA40、B40、スパルトイ30
(マロウズ、ニンツ、カーモネーギー儀式中)
敵:ユランタウの黒竜MR1000(胎動)、西方エルフ骸骨兵MR45*10

「黒竜はまだ本調子じゃなさそうだな……そこがつけ入る隙か」
 デュラルが間合いを計りながらつぶやいた。
 巨大な竜は微睡むように緩やかに胎動を繰り返していたが、骸骨兵は不気味に一行ににじり寄ってきていた。
「まずはあの目障りなのを片付けるぞ」

 *メックリンガー老、ボンバの実+奇跡的な回復薬を使用。20回復。
 *エミリア、竜の牙使用。MR30スパルトイ召喚。

1ラウンド:PC【369】 VS 敵【382】 /PC側に13ダメージ!(ヘルト55、クリフ50、デュラル40、エミリア30、メックリンガー27、ポル30、バルベル20、ブラックハウンドA40、B40、スパルトイA30、B30)

「ぐうぅ……」
 詠唱を続けるカーモネーギーは身体中の精気が搾り取られていくような感覚を味わい続けていた。今にも倒れ込みたくなるような疲労。
(兄貴は……大丈夫なのか?)

「あのデカブツに時間を与えるわけにはいかん」
「承知!」
 ヘルトとデュラルは視線を交わし、印を結び魔法語を詠唱した。
「原祖たる太陽の灼熱を用いて、我が敵を打ち倒す焔よ来たれ……」
「「《炎の嵐》!」」

 *ヘルト、デュラル《炎の嵐》詠唱。骸骨兵全体に20魔法ダメージ!*2

2ラウンド:PC【365】 VS 敵【205】 /敵側に160ダメージ!(骸骨兵全滅)

 竜が蠢いた。

「散開しろ! 正面が食い止めているうちに死角から仕掛けるんだ!」
「わかった」
「任せんかい」
 気圧されまいと覇気を孕んだヘルトの指示に、エミリアとメックリンガーが素早く左右に別れた。クリフ、ポルがその後に続く。
「こんなモンじゃ、足止めにはならないかなっ……と」
 ポルは即席のボーラを振り回し、黒竜の足元に次々と投げつけた。
「まぁ後悔したくないから、できることは何でもやっとかないとね」
 正面は召喚獣たちとヘルト、デュラル、バルベルの3人が陣取る。
「バルベル、これを使え。少しは役に立つだろう」
 両手に七星剣とマクアウィトルを構えたヘルトが、愛用していたシュヴァイツァー・サーベルを腰から外して差し出した。
「これは業物……感謝いたす」

 *ユランタウの黒竜MR300/1000(鼓動)

3ラウンド:PC【371】 VS 敵【487】 /PC側に116ダメージ!(ヘルト49、クリフ44、デュラル34、エミリア24、メックリンガー21、ポル24、バルベル20、ブラックハウンドA30、B30、スパルトイA20、B20)

 ニンツは全身を襲う疲労に気を失いそうになりながらも耐え続けていた。歪む視界に黒竜に果敢に立ち向かう仲間の姿が映る。
(頼む……みんな)
 一行は軽く身じろぎしただけの巨大な手足に何度も弾き飛ばされ、肩で息をつきながら体勢を立て直していた。
「後のことを考えてる場合じゃないな……」

 *デュラル、ポル《いだてん》詠唱。2回行動。
 *エミリア、屍人使いエルファニの指輪を使用。《L3これでもくらえ!》発動!
 *ユランタウの黒竜、特殊能力/クレム吸収。《L3これでもくらえ!》無効化

「なんだと!?」
 愕然とするエミリアに上空から嘲弄の声が投げかけられた。
「ははは。クレムを与えてくれるとはな」
 黒竜の身体に吸い込まれたクレムが吸収され、より一層身体の再生が促進される。

 *ユランタウの黒竜MR400/1000(鳴動)

4ラウンド:PC【407】 VS 敵【555】 /PC側に148ダメージ!(ヘルト40、クリフ35、デュラル25、エミリア15、メックリンガー13、ポル15、バルベル7、ブラックハウンドA17、B17、スパルトイA7、B7)

「か、勝てるわけがない……」
「いくらなんでも無茶だったんだ」

(くそ……俺もみんなのところへ行けさえすれば……)
(頑張ってくれ、頑張ってくれ……)
 ニンツとカーモネーギーは駆け出したくなる気持ちを抑えつつ、戦場を見守りながら詠唱を続けていた。
 しかし、黒竜の力が強まるにつれ、びりびりとした場の圧力は高まり続け、口を開くのすら憚られるような威圧感が辺りを支配していた。
 マロウズは額の汗も拭わず、懸命に言霊を唱え続けていた。仲間のために少しでも儀式を進めなければ。焦る気持ちと裏腹に詠唱が何度かつっかえる。
 その背にそっと手が添えられる。振り向く余裕もないマロウズはその温かい感触に、ふと幼少の頃に過ごした森の集落を感じていた。

「ダーヴィド! ダーヴィド! なんとかせんか!」
 メックリンガーが騒ぎながら魔法の杖を無茶苦茶に振り回した。

 *メックリンガー、特別製の魔法の杖《愚かなダーヴィド》を使用。《見えざる壁》発動!

 *ユランタウの黒竜MR500/1000(震動)

5ラウンド:PC【335】 VS 敵【596】 /PC側に261ダメージ!(見えざる壁によりダメージ無効化)

「ほう……時間稼ぎのつもりか。だが黒竜はもうすぐ飛び立つぞ」

 黒竜がその翼を大きく広げた。
 周囲に物凄い風圧が荒れ狂い、前線に立つものは飛ばされぬようにお互いに支え合うのがやっとの様子だった。

(くそ……俺ごときの魔力じゃあ……)
(あ、兄貴……)
 憔悴しきったニンツとカーモネーギーは、クレムを使い果たしがくりと膝をついた。
 力を失った手から鏡と玉が大地に転がる。

「諦めるな!」
 デュラルが辺りに響き渡る鋭い声をあげた。
「いまこそ秘められし我が魔眼の力を開放する時が来たようだな」
 デュラルはわざとらしく大見得を切って構えると、クリフにだけわかるように小さく目配せをした。はっとしたクリフは慌てて後を追うように詠唱を始める。
「古の大魔術師ダルゴンの名において命ずる《我に平伏せ》!」

 *デュラル《ダルゴンの暗き眼差し》詠唱。ユランタウの黒竜MR1000→500
 *クリフ《ダルゴンの暗き眼差し》詠唱。ユランタウの黒竜MR500→250

 黒竜は悲鳴を上げ、まるで不可視の鎖で縛られているように、地響を立てて地に墜ちた。
 どろどろに溶けたその身体からはうっすらと煙が立ち上り、辺りに一層嫌な匂いが立ち込めた。
「ば、馬鹿な……こやつら、古代の禁呪を操るというのか」

 *ユランタウの黒竜MR250/1000(激動)

6ラウンド:PC【331】 VS 敵【454】 /PC側に123ダメージ!(見えざる壁によりダメージ無効化)

 黒竜は粘りつくような体液を大地に滴らせながら身悶えを続けていたが、やがて再び飛び立たんとゆっくりと羽ばたきを始めた。
「これでも駄目だってのか……」
 片膝をついたままのニンツはその様子を目にし、悔しげに呟いた。
「大丈夫だ。彼奴の魂は地霊に繋がれている。飛び立てやせんよ」
 ニンツの足元に転がっている《鏡》を何者かが拾い上げた。
 その者は頭や顔をはじめ全身に白い包帯を何重にも厚く巻き、羽のもげた蜻蛉のように痛ましい姿を晒していた。
「隊長!」
「待たせたな」
 包帯だらけの隊長ギルサリオンは薄く笑うと《鏡》を高々と掲げた。
「マロウズ、杖をかざせ! 悪夢を封じ込めるぞ」
 隊長の後ろにはカーモネーギーが《玉》を手に、おずおずと付き従っていた。
 立ち上がったニンツはニヤリと笑うと、カーモネーギーの手から《玉》をもぎ取り、隊長の手に押し付けた。
「やっぱ辛気臭い儀式なんぞは俺の性には合わねえ。アンタに任せる」
 そしてニンツは笑顔でカーモネーギーに手を差し伸べた。
「いくぞ、カーモネーギー。俺たちらしく戦おうぜ」
 そうして戦場に駆け出していく二人の姿を、隊長は頼もしく眺めていた。

……………
諸々の禍事・罪・穢
愚かなる心の数々を
戒め給いて
祓え清め守り幸へ
………………

 ギルサリオンの叱咤の声を耳にしたマロウズは、残された力を振り絞りながら意識を集中した。
 そして背に添えられた柔らかな手の温もりを感じながら、朗々とした声で詠唱を続けた。

 *ニンツ、神像を模した人形を使用。MR40守護獣召喚。
 *カーモネーギー《いだてん》詠唱。2回行動。
 *ヘルト《死の刃》詠唱。攻撃力*2。
 *クリフ、デュラル、エミリア、ポル、奇跡的な回復薬を使用。10回復。

7ラウンド:PC【490】 VS 敵【469】 /敵側に21ダメージ!(ユランタウの黒竜MR229/1000)

 ニンツは懐から取り出した人形を囮に、自身は側面に回り込んだ。そして素早い身のこなしで黒竜の背に飛び移ると叩きつけるように呪文石を握りこんだ手を振り上げた。
「直接ねじ込んでやらあ!」

 *ニンツ、《L2これでもくらえ!》の呪文石を使用。黒竜に40魔法ダメージ!(ユランタウの黒竜MR189/1000)

「カーモネーギー! お前も一発食らわせてやれっ!」
 いだてんで加速したカーモネーギーが逆側に回り込み、メダリオンを天に掲げ、流星を招来する。

 *カーモネーギー、星のメダリオンを使用。黒竜に30魔法ダメージ!(ユランタウの黒竜MR159/1000)

 黒竜はたまらず咆哮をあげた。

 *デュラル、ポル《凶眼》詠唱。攻撃力*3

8ラウンド:PC【566】 VS 敵【432】 /敵側に134ダメージ!(ユランタウの黒竜MR25/1000)
9ラウンド:PC【423】 VS 敵【361】 /敵側に62ダメージ!(ユランタウの黒竜撃破)

戦闘終了:ヘルトMR40/55防5、クリフMR45/55防5魔防5、デュラルMR35/40防5、エミリアMR25/30防5、メックリンガー老MR13/30防5、ポルMR25/30防5魔防10、バルベルMR7/20、ニンツMR40防5、カーモネーギーMR35防10、ブラックハウンドA17/40(消滅)、B17/40(消滅)、スパルトイA7/30(送還)、B7/30(送還)、守護獣40(送還)

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 黒竜は地響きを立てて、大地に崩れ落ちる。
 ギルサリオンが右手の《鏡》を掲げ、上位エルフ語を高らかに唱えた。

エーイェ・アシェル・エーイェ
《私は有って有る者》

 そして間髪入れず、左手の《玉》を天に捧げる。

イ・オツ・ミスマル
《神の印が私を守護する》

 黒竜の全身を天上から真一文字に光の柱が貫く。
 マロウズの手にした《杖》から葉が芽吹き、輝きを増していた。
 一振りごとに豊穣な生命の力が辺りに振りまかれる。

ナハシュ・ナハシュ・ナハシュ
《魔術にて・輝く・蛇》

ドゥラコーン
《竜よ》

バリァハ
《去れ》

 眩い閃光。
 その場の誰もが目を開けていられぬ程の強大な光が放たれた。
 刹那。
 そして静寂。
 
 次に彼らが目を開けたとき、
 黒竜の姿はどこにも存在しなかった。


「ええい、不甲斐ない蜥蜴めが。マリオナルシス卿の尖兵となる栄誉に浴したものを」
 一行の姿を遠目に苦々しげに吐き捨てると、屍人使いエレファバはワンドを一振りし、姿を消した。
 誰も一言も言葉を発せず、ただ優しい風が吹き降ろす丘を眺めるともなく佇んでいた。
 やがて遠くから1羽の鷹が舞い降りた。
「マロウズ。ガガック兵長から伝令だ。斥候が屍者の帝国の本拠地を割り出せたと報告があったらしい」
 ヘルトが座り込んでいたマロウズに近づいて話しかけた。
「……いよいよ最終戦か」
 マロウズは腰をあげようとして、ふとまだ背に添えられたままであったエルフの女性の手を見つめた。イアヴァスリルは以前と変わらぬ虚ろな目で遠くを見据えていた。マロウズはため息をつきながらそっと両の手で握り返すと、身体を起こして立ち上がった。
「私も同行する」
 苦しそうな息遣いでギルサリオンが言葉を重ねた。
「そもそもこの戦は我ら西方エルフのもの」
「いいや。屍人使いどもとの因縁は、お前ら西方エルフだけじゃなく、俺たちのもんでもあるんだ」
 近づいてきたニンツがギルサリオンの肩に労わるように手を置いた。
「行こう」


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
"片耳の"マロウズ
偵察兵のニンツ →《L2これでもくらえ!》の呪文石を使用した。
カーモネーギー
エミリア →異界獣の黒曜石*2、奇跡的な回復薬を使用した。
クリフ →奇跡的な回復薬を使用した。
デュラル・アフサラール →奇跡的な回復薬を使用した。
バルベル
ヘルト
ポル・ポタリア →奇跡的な回復薬を使用した。
メックリンガー老 →奇跡的な回復薬、ボンバの実を使用した。


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■事件C:10名出撃
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
第四階層の石造りの迷宮の探索も半ばが過ぎた。幻術に注意をして探索に望むように。
もし具体的に調査したい部屋などがあれば申告せよ。
(下記より方針を選択して下さい)
・新しいエリアへ進むことを重視
・未探索の扉や通路を埋めていくことを重視
・各部屋の中を丁寧に調査することを重視
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP3.png

攻略済み
【#6】町の幻影
【#1】レッドドラゴンの幻影
【#9】酒場の幻影
【#13】バラクたちの幻影
【#11】何もない小部屋
【#10】トゲの大穴の幻影
【#8】賭博場の幻影

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【進路】
第四階層到着→北2→西4→南2→東2→南2
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「隊を分ける!?」
「そうだ。こんな人数で探索できる場所じゃない」
 分岐路の前で、万太郎の言葉にヤスヒロンが驚いた声を上げる。確かに12人とドール2体は人数が多すぎる。この通路では横に並べるのは3人がいいところだ。
「俺とヴェルサリウス、へーざぶろーはカンダック師とともに、この分岐を奥へ向かう」
 ヤスヒロンは万太郎が指し示した分岐の奥でレッドドラゴンの幻影と戦ったことを思い返し、背筋が震えた。もっと手強い相手が待ち構えているかもしれない。
「ほなウチはこっちやな。カエルの旦那さんについてくで」
 雇い人のホビット女盗賊クリスティが飄々とした調子でヴェルサリウスの後ろに従った。2体のドールも静かに控えている。
「盗賊の技はどちらにも必要だ。ソーグは別働隊に入って欲しい」
「任せな」
 ソーグが分岐路の逆側に歩を進めた。
「ヤスヒロン、お前はアンドレアとシャオリンとともに、新人たちを率いて、前回の地点から探索を再開してくれ」
「お、俺がですか」
「そうだ。俺やヴェルサリウスを除けばお前が一番この階層に詳しい」
「頼むぜ、副長」
 ソーグがヤスヒロンの胸をどんと叩いた。
「手に負えないものや調査の必要のあるものを見つけた場合は合流する事とする。無理はするな。いいな?」

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【万太郎隊・隊列】
前衛:万太郎、へーざぶろー、女盗賊クリスティ
中衛:魔術師カンダック
後衛:ヴェルサリウス、ハンタードール、バードドール

【進路】
西4→扉(#1)

Room #1:
・東西3ブロック*南北4ブロック
・扉(北・南・東・西)
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「西へ向かう」
 以前レッドドラゴンの幻影と死闘を繰り広げた部屋をぐるりと眺めたあと、万太郎が宣言した。
「大丈夫や。ここにはなんもないで」
 西の扉を手早く調査したクリスティが扉を開けたあと、振り向いてそう伝えた。
「右は少し先で曲がってる。左は……扉が見えとるわ」
 万太郎は少し悩むと左の扉へ向かうことに決めた。

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・扉(西)
 調査(女盗賊クリスティ)→罠も鍵もかかっていない

【進路】
扉(西)→南4→扉(#7)

・扉
 調査(女盗賊クリスティ)→罠発見!(毒矢)→罠解除(女盗賊クリスティ)→解除成功!
 鍵開け(女盗賊クリスティ)→鍵開け成功!
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 扉を開いた瞬間、塔の中だというのに急に強い風が吹きつけてきた。一行は上着の前をかき合わせつつ、不安な顔で室内に踏み込んだ。
 足元でざりっと土を踏む感触。
 違和感を覚え顔を上げると、考えもつかぬほど広大な荒野が眼前に広がっていた。三方どちらも先が見通せない。塔の中のたかが一部屋にしては異様な広さである。
 万太郎は背筋にぞくりとするものを感じた。何かわからぬがここは危険だ。
「……ここは後に回そう」
「ふむ。蛮勇を振るうことは賢者の証ではないからな」
 ヴェルサリウスが傍らで皮肉そうな調子で呟いた。しかしその額に汗が滲んでいるのを万太郎は見逃さなかった。
「これまで経験したことのないほどのクレムを感じるよ。これだから探索は面白い……」
 魔術師カンダックも不敵な笑みを浮かべながらつぶやいた。
 一行は慎重に引き返し、廊下へ戻った。誰となく安堵のため息が漏れる。
 通路を逆側へ歩を進めつつ、万太郎は背後をちらりと振り返った。
(……また戻ってくることになるだろうな)

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【ヤスヒロン隊・隊列】
前衛:ヤスヒロン、ソーグ、アンドレア
中衛:ケン、シャオリン
後衛:ガーランド、ジェニファー

【進路】
東2→南18→西4→北2→西7→扉(#10)

Room #10:
・東西4ブロック*南北4ブロック
・扉(北・南*2・東*2)
・トゲだらけの大穴

【進路】
扉(北)→西1→北2→東2→北2→西2→扉(#8)

Room #8:
・東西2ブロック*南北4ブロック
・扉(北・南・東・西)
・獣の剥製、角笛、風景画、古ぼけた棚
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「どうするんです、副長」
「……」
「副長」
「えっ。ああ……俺か」
 新人の1人、痩せ型で長身の男ガーランドが怪訝そうな顔つきでこちらを見ている。慣れない副長という呼び名にまったく反応できなかった。そう言えば万太郎さんも隊長と呼ぶなとよく言っていたな……。ヤスヒロンはそんな事を考えながら、三方の扉を矯めつ眇めつ眺めていた。
「どれがいいかナァ〜?」
「センパイ、どうするアルか」
 もうひとりの新人、赤毛の気の強そうな女ジェニファーがどこかシャオリンと似た口調で問いかけた。
「ヤスヒロン、お前が決めろ」
 ソーグがどこか一歩引いたような口調で声をかけた。前回に訪れたときに見た、彼の友人の幻影の事がヤスヒロンの頭によぎったが、彼は普段のように平静を保った様子に見えた。
「……正面にしましょう」
「よし」

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・扉(西)
 調査(ソーグ)→罠はかかっていない
 鍵開け(ソーグ)→鍵開け成功!

【進路】
西4→扉
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 通路は少し先で行き止まりになっており、左手に扉が見えた。
 ソーグは一行を片手で制し、素早く扉に近づいた。
 【#3】という金属のプレートが埋め込まれている。

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・扉(西)
 調査(ソーグ)→罠も鍵もかかっていない。しかし奇妙な機械仕掛けが取り付けられている。
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「なにかある。だが何なのかがわからん。物理的な危険はなさそうなんだがな」
 ソーグは口惜しそうに言い放った。
「悩んでいても仕方ないでしょう」
 アンドレアはそう言うと無造作に扉を押し開けた。何も起こる様子はない。
 やや広めの室内には、左右の壁に肖像画がいくつも並んでおり、正面に扉が見えた。
 全員が室内に踏み込むと背後で扉がバタンと大きな音を立てて閉まり、壁と同化して消え失せた。こちら側には取っ手や隙間がまるでなく、再び開けることはできそうにない。
「くっ、そういう仕掛けか」
 一行は諦めて、室内に目を向けた。幸い、もうひとつの扉は眼前に見えている。

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Room #3:
・東西5ブロック*南北3ブロック
・扉(南)
・肖像画、本棚、ワードローブ
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「なんだこれは……」
 アンドレアが不審そうな顔で肖像画に近づいた。
「えええっ、これアタシたちじゃないのサ」
 シャオリンが驚いた声を上げる。
 左右に並ぶ七つの肖像画には、一向それぞれの姿が克明に描かれていた。
「気味がわりぃな……」
「ええ」
 ガーランドとジェニファーが顔を見合わせる。
 その時、不意に壁にかけられた肖像の視線がぐるりとこちらに向けられた。
 一行がはっと息を呑む。肖像が絵の枠から足を踏み出し、ゆっくりと室内に這い出てくる。
「ええい異形め。成敗してくれる!」
 ケンが新調したトンファーを両手に構えた。

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【戦闘】
PC:アンドレアMR80防5、ヤスヒロンMR55防10、ソーグMR55防5、シャオリンMR45防5魔防5、ナカダンジョウ・ケンMR30、ガーランドMR20、ジェニファーMR20
敵:肖像画の自分たち(アンドレアMR80防5、ヤスヒロンMR55防10、ソーグMR55防5、シャオリンMR45防5魔防5、ナカダンジョウ・ケンMR30、ガーランドMR20、ジェニファーMR20)

1ラウンド:PC【291】 VS 敵【276】 /敵側に15ダメージ!(偽アンドレア80、偽ヤスヒロン55、偽ソーグ55、偽シャオリン45、偽ケン30、偽ガーランド20、偽ジェニファー20)
2ラウンド:PC【285】 VS 敵【287】 /PC側に2ダメージ!(アンドレア80、ヤスヒロン55、ソーグ55、シャオリン45、ケン30、ガーランド20、ジェニファー20)
3ラウンド:PC【281】 VS 敵【270】 /敵側に11ダメージ!(偽アンドレア80、偽ヤスヒロン55、偽ソーグ55、偽シャオリン45、偽ケン30、偽ガーランド20、偽ジェニファー20)

 実力が伯仲した相手だけに戦線は膠着していた。
「ええ、くそ、正々堂々と戦え!」
 ケンが組み合いながら、自分そっくりの顔に向かって唾を飛ばしながら叫んでいた。相手は顔色を変えず、淡々と攻撃を仕掛けてきている。
「気持ち悪いヨ〜」
 シャオリンが目の前の自分と切り結びながら弱音を吐いた。
「喋らないだけまだマシってやつか……」
 ソーグが目の前の大剣をかわしながら呟いた。
(喋らない……いや、喋れない……のか?……だとしたら)
 アンドレアが相手を押し返し、距離を取ると檄を飛ばした。
「全員、呪文を使え!」

 *アンドレア、ファイアブランドを使用。《炎の嵐》発動! 敵全員に20魔法ダメージ!(偽ガーランド、偽ジェニファー消滅)
 *ソーグ《いだてん》詠唱。2回行動。
 *シャオリン《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

 思ったとおり、敵は対応して呪文を唱えようと試みたが、その口は虚しく開け閉めを繰り返すだけで、声が紡がれることは決してなかった。

4ラウンド:PC【381】 VS 敵【194】 /敵側に187ダメージ!(偽アンドレア27、偽ヤスヒロン7、偽ソーグ3、偽シャオリン0、偽ケン0)
5ラウンド:PC【327】 VS 敵【88】 /敵側に239ダメージ!(敵全滅)

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「幻影遣いの能力は大したものですが、あいにく幻にはまるで興味がわきませんね」
 アンドレアが中身が抜けて真っ白になった肖像画を見やりながら不愉快そうに口にした。
「……先へ進もう。少しでも」
 ソーグが南の扉を開けて待っている。ヤスヒロンはためらいつつ歩を進めた。

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【進路】
扉(南)→T字路→西2→南6→東6→北2→扉
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 一行は無言で長い通路を進む。突き当りの角をぐるりと曲って回り込む。また長い通路。おそらく広めの部屋の周囲を歩いているのだろうと憶測がついた。やがて再び角を曲がると左手に扉が見えた。通路は少し先で行き止まっている。
 ソーグはヤスヒロンをちらりと見ると、小さく頷いて扉に向かった。

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・扉(西)
 調査(ソーグ)→失敗
 鍵開け(ソーグ)→鍵開け成功!
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 何もないと見誤り、解錠したあと引き戸を開けると、奥から棘付きの鉄球がぶんと唸りをあげて襲ってきた。咄嗟にかわしきれずソーグは肩口を強打される。
 慌てて駆け寄ろうとしたヤスヒロンの耳に、恐怖に怯え助けを求める女の悲鳴が聞こえた。
 一瞬の迷いのあと、シャオリンとアンドレアが走り出した。
「ついてこい、新人ども」
 ケンが先輩風を吹かせて後列の二人に声をかけた。
「俺に構うな、お前も行け」
 ソーグは苦痛に顔をしかめながら、ヤスヒロンの肩をぐいと押した。

 これまでよりもやや広い部屋の中は、大量の檻が立ち並んでいた。ほとんどの檻は中が空で、汚らしい藁や濁った水桶などが転がっていた。
 部屋の中央の大きめの檻にはみすぼらしい布切れを巻きつけた女達が閉じ込められており、その周囲を奇怪な猛獣が取り囲んでいた。
「魔獣か……」
 アンドレアは足を緩めると、剣を抜いて身構えた。
「な、なにあれ」
 水牛のような2体の四足獣を指差し、シャオリンが不気味そうに呟いた。重そうな頭を地面に垂らし、異様な風体を晒している。金属の檻にその巨体をガンガンぶつけ、辺りに甲高い音を響かせていた。
「書物で読んだことがある。上位エルフ語で【うつむくもの】【伺いみるもの】を意味する言葉をもつ魔獣……カトプレパス。その視線を受けたものは惨たらしい死をとげる、と伝承でうたわれているが……」
 アンドレアの言葉に、シャオリンがごくりと喉を鳴らした。
「あっちは俺でもわかる。コカトリスだろ」
 ヤスヒロンがむっつりと不機嫌そうな声で、視界の先の3体の雄鶏めいた怪物を指差した。鶏の頭部に蛇の尾を持つ奇怪な魔獣で、視線と吐息に猛毒を持つと言われている。
 ケンたちがぶるりと身体を震わす。
 檻に閉じ込められた女達は頭を抱えて悲鳴を上げている。非力な腕で鉄格子を揺さぶるものもいたが、魔獣たちの気勢を削ぐどころか、目前の獲物を手にする歓喜を増すばかりである。
 アンドレアは新人たちにちらりと目をやりながら小さく、やるしかないかと呟いた。
「いいか、相手の前面に立つな。素早く移動しながら死角から狙うんだ!」

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【戦闘】
PC:アンドレアMR80防5、ヤスヒロンMR55防10、ソーグMR45/55防5、シャオリンMR45防5魔防5、ナカダンジョウ・ケンMR30、ガーランドMR20、ジェニファーMR20
敵:カトプレパスMR80*2、コカトリスMR60*3

 *アンドレア《ダルゴンの暗き残像》詠唱。2体の分身が現れた。
 *棒手裏剣:ソーグ【41】/コカトリスAに41ダメージ!(コカトリスA19)

1ラウンド:PC【278】 VS 敵【300】 /PC側に22ダメージ!(アンドレア80、ヤスヒロン55、ソーグ45、シャオリン45、ケン27、ガーランド17、ジェニファー17)

 *カトプレパスA、特殊能力/魔眼(シャオリン/防御無視10ダメージ。シャオリン35)
 *カトプレパスB、特殊能力/魔眼(ソーグ/防御無視10ダメージ。ソーグ35)
 *コカトリスA、特殊能力/毒の吐息(アンドレア/残像消滅)
 *コカトリスB、特殊能力/毒の吐息(ヤスヒロン/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)
 *コカトリスC、特殊能力/毒の吐息(ケン/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)

「くっ……」
 ヤスヒロンは兜の隙間から思い切り吸い込んだ毒にやられ、目眩と吐き気で頭を兜の外から殴られ続けているように思えた。
「新人たちを前に出すな。まともに喰らえばひとたまりもないぞ」
 ソーグは一足遅れて戦線に到達し、大剣を構えて巨体の怪物の前に陣取った。
「この壁の後ろにいるのヨ!」

 *シャオリン、炎のガントレットを使用。《炎の壁》発動! 出現した炎の壁によりコカトリスとケンたちの間に距離ができた。
 *ヤスヒロン、古代帝国の杖を使用。《炎の嵐》発動! コカトリスたちに20魔法ダメージ!(コカトリスA死亡)
 *アンドレア《いだてん》詠唱。2回行動。
 *ソーグ《凶眼》詠唱。攻撃力*3

2ラウンド:PC【390】 VS 敵【238】 /敵側に152ダメージ!(カトプレパスA42、B42、コカトリスA0、B22、C22)

 2体になったコカトリスが女性たちの檻に向かって、甲高い奇声をあげて突進する。
「まずい!」
 ヤスヒロンとシャオリンが後を追う。
 すると不意に檻の扉がキイと音を立て、内側からゆっくりと開いた。怪訝そうに見守る中で、女達がするすると這い出てくる。
 女性の顔と胸に、蛇の下半身。半人半蛇の異形の姿が、鋭い爪を振り上げて二人に襲いかかってきた。

 *増援:ラミアMR80*3

3ラウンド:PC【325】 VS 敵【414】 /PC側に89ダメージ!(アンドレア80、ヤスヒロン46、ソーグ27、シャオリン27、ケン9、ガーランド5、ジェニファー5)

 *コカトリスB、特殊能力/毒の吐息(アンドレア/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)
 *コカトリスC、特殊能力/毒の吐息(シャオリン/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)

「ケン、大丈夫か。無理はするな」
「副長、すいません……」
「原祖たる太陽の灼熱を用いて、アタシたちの敵を打ち倒す焔よ来てヨ……《炎の嵐》!」

 *ヤスヒロン、回復の指輪を使用。ケン10回復。
 *シャオリン《炎の嵐》詠唱。ラミア、コカトリスに20魔法ダメージ!
 *アンドレア《これでもくらえ!》詠唱。コカトリスBに20魔法ダメージ!(コカトリスB死亡)
 *ソーグ、奇跡的な回復薬を使用。10回復。

4ラウンド:PC【295】 VS 敵【319】 /PC側に24ダメージ!(アンドレア77、ヤスヒロン46、ソーグ37、シャオリン24、ケン16、ガーランド5、ジェニファー5)

 *カトプレパスA、特殊能力/魔眼(アンドレア/防御無視10ダメージ。アンドレア67)
 *カトプレパスB、特殊能力/魔眼(ソーグ/防御無視10ダメージ。ソーグ27)

 全員が満身創痍となって戦い続けていた。身体を毒に侵され、足元がふらつく。相手も無傷ではないが状況はやや不利なままであった。
 そこへヤスヒロンが甲高い音で口笛を吹き鳴らした。すぐさま傍らに小さなコウモリの羽が生えた1匹の小鬼が躍り出る。ヤスヒロンは無言でラミアたちを指差すと、小さく「蹴散らせ」と指示を出した。

 *ヤスヒロン《小鬼の口笛》詠唱。MR50の翼あるインプを召喚。
 *シャオリン《大まぬけ》の呪文石を使用。ラミアAを3ターンの間、混乱させ行動不可

5ラウンド:PC【271】 VS 敵【245】 /敵側に26ダメージ!(カトプレパスA37、B37、コカトリスA0、B0、C0、ラミアA56(混乱)、B56、C56)
6ラウンド:PC【264】 VS 敵【218】 /敵側に46ダメージ!(カトプレパスA28、B28、コカトリスA0、B0、C0、ラミアA46(混乱)、B47、C47)
7ラウンド:PC【271】 VS 敵【214】 /敵側に57ダメージ!(カトプレパスA16、B16、コカトリスA0、B0、C0、ラミアA35(混乱)、B36、C36)

 *カトプレパスA、特殊能力/魔眼(アンドレア/防御無視10ダメージ。アンドレア51)
 *カトプレパスB、特殊能力/魔眼(ヤスヒロン/防御無視10ダメージ。ヤスヒロン27)
 *ヤスヒロン、奇跡的な回復薬を使用。10回復。
 *シャオリン、奇跡的な回復薬を使用。10回復。

「おいジェニファー、生きてるか」
 小振りのナイフを構えたガーランドが背中越しに赤毛の女戦士に声をかけた。
「うるさいぞ。お前こそ無駄口を叩いてる余裕があるようには見えんがな」
「ま、それだけ喋れりゃ上等だ」
 二人は目配せをするとまた眼前の敵に飛びかかった。

8ラウンド:PC【265】 VS 敵【234】 /敵側に31ダメージ!(カトプレパスA10、B10、コカトリスA0、B0、C0、ラミアA29、B29、C30)
9ラウンド:PC【258】 VS 敵【215】 /敵側に43ダメージ!(カトプレパスA2、B2、コカトリスA0、B0、C0、ラミアA20、B20、C21)
10ラウンド:PC【255】 VS 敵【193】 /敵側に62ダメージ!(カトプレパスA0、B0、コカトリスA0、B0、C0、ラミアA7、B8、C8)
11ラウンド:PC【239】 VS 敵【106】 /敵側に133ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:アンドレアMR59/80防5、ヤスヒロンMR37/55防10、ソーグMR27/55防5、シャオリンMR22/45防5魔防5、ナカダンジョウ・ケンMR13/30、ガーランドMR5/20、ジェニファーMR5/20、インプMR50(送還)
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 激しい戦いのあと、ぜいぜいと肩で息をする声だけが響いていた。
 ふと目をやると、先程まで戦っていたはずの魔獣たちの死骸が消え失せていた。それどころか一行の身体に飛び散った返り血すらもいつの間にか見えなくなっている。負傷と疲労だけが全身に重くのしかかっていた。
「魔獣と呼び、幻獣と呼ぶ……か。参の騎士め……」
 アンドレアは小さく呟いた。
 一行は休息を取った後に部屋を調べ、幾ばくかの財宝と北の壁に仕掛けを発見した。
 棚をスライドさせると通路へ繋がる出口が開く。通路の真正面には数刻前に後にした【#3】のプレートが埋め込まれていた。
「やれやれ、一周回って、ここか……」
 ヤスヒロンは傷だらけの重い身体をひきずって未探索の通路を東へ歩き出した。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【万太郎隊・隊列】
前衛:万太郎、へーざぶろー、女盗賊クリスティ
中衛:魔術師カンダック
後衛:ヴェルサリウス、ハンタードール、バードドール

【進路】
扉(#7)→北6→西1→扉
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「扉だ」
「まいどおおきに」
 ヴェルサリウスの鷹揚な指示に、クリスティがニヤニヤ笑いを浮かべながら従った。
 手早く周辺を探ったあと、ドアノブを調べようと手を伸ばす。
「わっ、な、なんや」
 叫び声に一行が慌てて駆け寄ると、ドアノブが人の手の形に変化し、クリスティの右手を掴んで強く握りしめていた。
 クリスティは身悶えして振りほどこうと試みた。しかし異様なほど強い力に抵抗され、手はまったく離れようとしない。
「クハハハハハハ」
 見ると、扉の中央に下卑た表情の悪魔の顔が浮かび、厭らしい声で笑いを上げた。
 クリスティは顔を真赤にしてますます力を入れて身体をよじる。万太郎とへーざぶろーが両横から手を貸そうと近づく。
 すると不意に、扉が内側に開き、一行はたまらず中に転げ込んだ。
 残りの面々も慌てて後を追って部屋に踏み込むと、扉は音を立てて勢いよく閉じた。
 薄暗く狭い部屋だった。一行はカビ臭い空気を感じながら、慎重に辺りに視線を這わせた。と、そこに甲高い声が響き渡った。
「クカカカカ。どうだ、参の騎士さま自慢の迷宮は。楽しんでるか?」
 一陣の風とともに塵芥が吹き付け、一行の身体を舐めるようにまとわりついた。やがて塵は眼前で、尖った耳に長い尻尾を持つ妖魔の姿に像を結んだ。
「間抜けどもが、また雁首揃えてやってきやがって」
 塵悪魔がヒュウと口笛を吹き鳴らすと、壁の奥で重い音を立てて歯車が軋みだした。
「ぺしゃんこだ! ギャハハ」
 上を見ると天井がゆっくりと降りてきていた。

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Room #12:
・東西3ブロック*南北2ブロック
・扉(西・南)
・吊り天井作動

・扉(西)
 調査(クリスティ)→罠発見!(強酸)→罠解除(クリスティ)→解除成功!
 鍵開け(クリスティ)→鍵開け成功!
 飛び出す→クリスティ、ヴェルサリウス、ハンタードール

・扉(南)
 調査(万太郎)→失敗
 罠発動!(毒ガス)→万太郎、へーざぶろー(5毒ダメージ)
 鍵開け(へーざぶろー)→鍵開け失敗
 蹴破る(へーざぶろー)→成功
 飛び出す→へーざぶろー、万太郎、カンダック、バードドール
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 すんでのところで、部屋から飛び出した万太郎とへーざぶろーの後ろで、地響きを立てて天井が床に激突した。後に滑り込んだ魔術師カンダックも冷や汗を拭いながら立ち上がった。
「アイツらは大丈夫かね」
 向こうの扉から脱出したヴェルサリウスたちを気づかって、へーざぶろーが小さく呟いた。
「急ごう。早く合流しないと」
 万太郎が目の前で折れ曲がっている通路を指差した。
 西に曲がった通路はすぐ先でまた北に曲がっていた。
《あるじ、なにか来るようです》
 万太郎の背後に近づいたバードドールが耳打ちする。確かに角の向こうから、物音が聞こえる。
 万太郎はへーざぶろーと小さく頷き合うと、武器を構えて一気に飛び出した。
「まったまった、ウチやウチ!」
 両手を掲げて叫び声を上げたのは、女盗賊クリスティであった。
「おどかすな。怪物かと思ったぜ」
 へーざぶろーがトゲ棍棒をおろして悪態をつく。
「なんだ、すぐに繋がっていたのかね」
 ヴェルサリウスとカンダックが視線をかわす。そのまま真横にちらりと目を移した。
「はいはい、扉やろ。わかってるがな。仕事が多いで、もう」

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・扉(西)
 調査(クリスティ)→罠発見!(メイジブラスター)→罠解除(クリスティ)→解除失敗!
 ヴェルサリウス27世、古代帝国の宝珠を使用。《ないことに》発動。→罠無効化。
 鍵開け(クリスティ)→鍵開け成功!
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「何だここは……」
「確か、こんな部屋が他にもあったな」
 中くらいの広さの部屋には以前【#13】の部屋で見かけたような、猛獣用の檻がいくつも設置されていた。殆どの檻は開け放たれていたが、いくつか布がかけられたものも奥に見えた。
「ドクトル・クリストフォルスさまの研究室へようこそ。クカカカカ」
 小馬鹿にしたような調子で塵悪魔の声が響き渡った。
 一行は油断なく武器を構えて周囲の様子を探る。塵悪魔の姿はどうやら奥の檻の近くに漂っているようだった。
「さぁさぁ世紀の見世物のはじまりだ。いでよ、魔神テュポーンと半人半蛇エキドナの娘。闇に生まれし異形の獣。クリストフォルスさまの長年の研究成果、とくと味わいな!」
 大げさな身振りで布を取り払われた大型の檻から、何者かがのそりと這い出てきた。
 獅子と山羊と毒蛇の頭を持つ巨大な魔獣。
「あれは……かつて古代帝国ティグリアで神聖視された季節を象徴する聖獣か……?」
 魔術師カンダックが冷ややかな口調で口にした。
「古い書物によれば獅子が春、山羊が夏、蛇が冬を表し、古来より季節の到来を祝い人々が祈りを捧げたらしいが……。あのような忌まわしい姿に術を施すとはね。参の騎士とやら、神をも恐れぬ所業だな……」
「能書きはいい、弱点はないのか、弱点は」
「さて、ね」
 へーざぶろーの反論を涼しい調子でいなすと、カンダックは魔法語の詠唱をはじめた。
「やるぞ、気を抜くな」

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【戦闘】
PC:へーざぶろーMR55/60防5、無敵の万太郎MR30/35防5、ヴェルサリウス27世MR30防10魔防5、女盗賊クリスティMR40、魔術師カンダックMR35、バードドールMR30、ハンタードールMR35
敵:キマイラ(獅子頭)MR120(山羊頭)MR120(蛇頭)MR120

「古き盟約に従い、我汝の名を呼ぶ者なり。異界の門ここに開かれし。汝、疾く来たれ!《ギーヴル》!」
 *万太郎、黒豹の彫像を使用。《ギーヴル》MR40ブラックハウンド召喚。
 *魔術師カンダック《耐えよ》詠唱。万太郎の防御*2。
 *先制射撃:ハンタードール【36】/獅子頭に36ダメージ!(獅子頭84)

1ラウンド:PC【277】 VS 敵【305】 /PC側に28ダメージ!(へーざぶろー55、万太郎30、ヴェルサリウス30、クリスティ37、カンダック32、バードドール27、ハンタードール32、ギーヴル37)

 *キマイラ 特殊能力/再生 各5回復
 *蛇頭 特殊能力/毒のブレス。PC側全員に防御無視10ダメージ(へーざぶろー45、万太郎20、ヴェルサリウス20、クリスティ27、カンダック22、バードドール17、ハンタードール22、ギーヴル27)

「ぐわっ」
 まともに毒液を浴びたへーざぶろーがたまらず膝をつく。
「下がりたまえ。炎で応戦する」
 魔術師カンダックが魔法語を唱えながら杖を振りかざした。

 *魔術師カンダック《炎の嵐》詠唱。敵全てに20魔法ダメージ!
 *万太郎、古代帝国の指輪を使用。《凶眼》発動! 攻撃力*3
 *へーざぶろー、女盗賊クリスティ《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

2ラウンド:PC【354】 VS 敵【273】 /敵側に81ダメージ!(獅子頭42、山羊頭73、蛇頭73)

 *キマイラ 特殊能力/再生 各5回復
 *山羊頭 特殊能力/角の突進。PC側前衛(へーざぶろー、万太郎、ギーヴル)に10物理ダメージ。(へーざぶろー40、万太郎20、ギーヴル17)

3ラウンド:PC【232】 VS 敵【232】 /両者拮抗

 *キマイラ 特殊能力/再生 各5回復
 *獅子頭 特殊能力/噛みつき。へーざぶろーに15物理ダメージ。(へーざぶろー30)

「長期戦になったらこっちが不利か……」
 万太郎は恐るべき速さで傷を癒やす魔獣の姿を見つけながら、額の汗を拭った。
「カンダック師、後のことは考えなくて構いません。出来うる限りの魔術の援護を!」
 振り返る余裕はなかったが、背後からの詠唱の声がそれに答えた。

 *魔術師カンダック《いだてん》詠唱。万太郎、2回行動。

4ラウンド:PC【260】 VS 敵【233】 /敵側に27ダメージ!(獅子頭43、山羊頭74、蛇頭74)

 *キマイラ 特殊能力/再生 各5回復
 *蛇頭 特殊能力/毒のブレス。PC側全員に防御無視10ダメージ
 *ヴェルサリウス、?たて使用。毒のブレスを反射。
 (へーざぶろー20、万太郎10、ヴェルサリウス20(ダメージ無効)、クリスティ17、カンダック12、バードドール7、ハンタードール12、ギーヴル7)

「ほう……こんなものまで跳ね返せるとはな」
 ヴェルサリウスはたまらず突き出した紋章の盾が思わぬ効果を上げたことに一人悦に入った笑みを浮かべた。
 その一瞬の隙をついて、へーざぶろーが一歩下がって魔法語を詠唱する。

 *へーざぶろー《炎の嵐》詠唱。敵全てに20魔法ダメージ!
 *魔術師カンダック《凶眼》詠唱。万太郎、攻撃力*3

5ラウンド:PC【265】 VS 敵【219】 /敵側に46ダメージ!(獅子頭12、山羊頭44、蛇頭44)

 *キマイラ 特殊能力/再生 各5回復
 *山羊頭 特殊能力/角の突進。PC側前衛(へーざぶろー、万太郎、ギーヴル)に10物理ダメージ。(へーざぶろー15、万太郎10、ギーヴル0→消滅)

 山羊頭の突進を受け黒豹は角で串刺しにされた。魔獣は歓喜の叫びをあげる。黒豹は苦しげに吠えるとそのまま溶け去るように虚空に姿を消した。万太郎の手の中で彫像が粉々に砕け散る。
 「だが、無駄ではない」
 動きの止まった山羊頭に、魔術師カンダックは最大級の魔力の塊をぶつけた。

 *魔術師カンダック《L3これでもくらえ!》詠唱。山羊頭に60魔法ダメージ!(山羊頭0)
 *へーざぶろー《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。獅子頭、蛇頭に6魔法ダメージ!(獅子頭11、蛇頭43)

6ラウンド:PC【173】 VS 敵【117】 /敵側に56ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:へーざぶろーMR15/60防5、無敵の万太郎MR10/35防5、ヴェルサリウス27世MR20/30防10魔防5、女盗賊クリスティMR17/40、魔術師カンダックMR12/35、バードドールMR7/30、ハンタードールMR12/35
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 激戦が終わり、部屋はしんと静まり返っていた。いつの間にか塵悪魔も姿を消していた。
 強靭な肉体を持つ魔獣キマイラも、床に倒れ伏し血溜まりに沈んでいた。この階層にしては珍しくその死骸は消える事はなかった。
 一行は身体を休める暇もなく、武器を支えに立ち上がった。
 部屋の隅に宝箱が見えたからである。

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Room #4:
・東西5ブロック*南北3ブロック
・扉(北・南・東)
・猛獣用の檻、大型の檻、机、椅子、棚

・宝箱
 調査(クリスティ)→罠発見!(警報)→罠解除(クリスティ)→解除成功!
 鍵開け(クリスティ)→鍵開け成功!
 金貨88枚、銀貨1200枚、銅貨800枚(合計金貨216枚相当)を発見。

・扉(北)
 調査(クリスティ)→罠発見!(ガス爆弾)→罠解除(クリスティ)→解除成功!
 鍵開け(クリスティ)→鍵はかかっていないが歪んで開かない。
 蹴破る(へーざぶろー)→開かない
 蹴破る(へーざぶろー&万太郎)→成功
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 部屋を出てすぐ通路は分岐していた。
「また左右か……」
「構造的に見て、右はおそらく【#12】の入口に繋がっているだろう」
 万太郎の問いに、ヴェルサリウスが冷静な調子で答えた。へーざぶろーがいち早く左手に足を向ける。

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【進路】
扉(北)→西5→仕掛け!(可動壁)
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 通路の角を曲がった途端、猛烈な勢いで可動壁が天井から滑り降り、背後の通路を塞いだ。
「やれやれ、後戻りもさせてくれないってわけか」
 へーざぶろーは疲れの見え始めた表情で呟いた。目の前には、長い真っ直ぐな通路が続いている。
 ヤスヒロンたちはうまくやっているだろうか。こちらより楽な探索になってくれていれば良いが。
 へーざぶろーはそんな物思いにふけりながら歩き続けていた。と、不意に目眩いがし、直線を見つめていたはずの視界が歪んだ。
「あ、アカン! 足元っ」
 クリスティの鋭い声が耳に届いたときには、ちょうど右足が細いワイヤーを引っ掛けた瞬間だった。嫌な感触が足に伝わり、左右の壁から勢いよくガスが噴出する。
「わ、悪ぃ」
 へーざぶろーはバツの悪い顔で天を仰いだ。
 閃光。長い通路が業火に包まれる。

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【進路】
 南5→罠発動!(ガス→着火)→全員(5炎ダメージ)
 南3→東1→扉

・扉
 調査(女盗賊クリスティ)→罠発見!(電撃)→罠解除(女盗賊クリスティ)→解除失敗!
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「ちっ、またこのタイプか。堪忍やで」
 クリスティが悔しそうな顔で引き下がる。万太郎は傍らの魔術師に問いかけた。
「カンダック師、お願いできますか」
「ま、たまには役に立たんとね」
 カンダックは魔法の杖を高く掲げ、矢継ぎ早に二つの魔法を唱えた。

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・扉
 《ないことに》(魔術師カンダック)→罠無効化!
 《開け》(魔術師カンダック)→鍵開け成功!

Room #5:
・東西2ブロック*南北3ブロック
・扉(北・南・東・西)
・金銀財宝(金貨1000枚相当)
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 【#5】と記された部屋に踏み込んだ一行は、狭い部屋にうず高く積まれている金銀財宝を発見し目の色を変えた。
「はっはー、こりゃたまらんな!」
「やったでぇ、お宝や!」
 へーざぶろーとクリスティが嬉しそうに背負い袋を下ろして、貨幣や宝石を詰め込む。
 万太郎は自分も加わろうとしゃがみこんだが、ふとヴェルサリウスとカンダックが顔をしかめているのに気がついて手を止めた。
「奇妙だと思わんか、ヴェルサリウス君」
「ですな」
 その言葉にぴんときた万太郎が懐から掴みだした呪文石を握りしめると、まばゆい光がその手から放たれた。狭い部屋を光がさっと舐め回す。
「な、なんじゃこりゃあ」
 へーざぶろーが手の中の腐った鼠の死骸を慌てて投げ捨てた。背負い袋に詰め込んだはずの財宝は汚物の塊と化していた。
 ヴェルサリウスは小さくため息をついた。やれやれ。参の騎士、一筋縄ではいかん相手だ。
 その時、低く重い音ともに部屋と床が地響を立てて揺れた。危険を覚えるほど酷い揺れではなく、しばらくすると収まった。しかしその時には一行は平衡感覚が狂ったようで、正面がどちらかよくわからなくなっていた。
 この部屋はもともと四方に扉があったのだが、果たして入ってきた扉が本当に背中側で正しいのか確証が持てなくなっていた。
 一行は不安げな表情で顔を見合わせるが、誰にも正解はわからず、やむなく正面の扉を開けることで合意した。

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【進路】
 扉(#3)→東4→北2→西3→扉(#4)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「待て。【#4】ということは……これは先程の部屋だ」
 ヴェルサリウスが扉を調べようとしたクリスティを制して口にした。魔獣キマイラと死闘を繰り広げた部屋の南の扉だという事か。
「あの部屋に行っても他に道はない。戻るぞ」
 一行の誰もが疲労困憊しており、身体を引きずるように踵を返し、また通路を進む。
 このまま探索を続けることは困難に思えた。

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【進路】
 扉(#4)→東3→南2→西4→扉(#5)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 また【#5】の部屋に戻った。一歩足を踏み込むと、先程と同じように部屋と床が緩やかに揺れる。今度は一行も気がついた。床が回転しているのだ。これではその都度、どこに向けられているかわかったものではない。
「考えるだけ無駄だ。出たとこ勝負で行こうぜ」
 へーざぶろーがやけくその様子でぶっきらぼうに呟いた。
 やがて揺れが収まり、再度正面の扉を開けるが、果たしてそこには見覚えのない直線の通路が続いていた。

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【進路】
 扉(#3)→東3→南2→T字路
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 左右のT字路に突き当たった。左の先には【#8】と刻まれた金属プレートが埋め込まれている。
 と、目の前でその扉が開き、中から集団が現れた。
「ま、万太郎隊長!」
 こちらと同様、満身創痍となったその集団は、ヤスヒロン隊であった。

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
→予期せぬ合流を果たした一行は、お互いの負傷度合いを判断し、帰還を決める。
情報を交換した結果、第四階層の地図上で殆どの箇所を埋められている事がわかる。
残る未探索箇所は【#7】……あの広大な荒野の風景が広がる部屋のみであった。

☆戦果
万太郎 →黒豹の彫像を失った。《そこにあり》の呪文石を使用した。
ヴェルサリウス
へーざぶろー →奇跡的な回復薬を購入し、ヤスヒロンに渡した。
ヤスヒロン →へーざぶろーから奇跡的な回復薬を貰った。奇跡的な回復薬を使用した。
ソーグ →奇跡的な回復薬を使用した。
アンドレア
シャオリン →《大まぬけ》の呪文石、奇跡的な回復薬を使用した。
ケン
ガーランド
ジェニファー

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP4.png

攻略済み
【#6】町の幻影
【#1】レッドドラゴンの幻影
【#9】酒場の幻影
【#13】バラクたちの幻影
【#11】何もない小部屋
【#10】トゲの大穴の幻影
【#8】賭博場の幻影
【#3】肖像画の間
【#2】魔獣たちの幻影
【#12】吊り天井の小部屋
【#4】クリストフォルスの研究室
【#5】回転床の小部屋

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☆ランキング
1位:
エミリア/MR30防5
 +金貨80枚
→(所持品:金貨105枚。ベアクロー、高品質な防具【ブレストプレート】、《開け》の呪文石*2、《そこにあり》の呪文石*4、《ないことに》の呪文石*7、奇跡的な回復薬、竜の牙、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)、呪文:《炎の嵐》)

メックリンガー老/MR30防5
 +金貨80枚
→(所持品:金貨90枚。高品質な武器【槍】、いにしえの胸当て、《L2これでもくらえ!》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、特別製の魔法の杖《愚かなダーヴィド》(一通りの魔法を習得しているが、気が向いたときにしか発動しない)、呪文:《ないことに》)

無敵の万太郎/MR35防5
 +金貨80枚
→(所持品:金貨100枚。高品質な武器+2【ソナン・イエの槍】、高品質な防具【アーミング・ダブレット】、古代帝国の指輪(《凶眼》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、《そこにあり》の呪文石*3、《大まぬけ》の呪文石、《小鬼の口笛》の呪文石、奇跡的な回復薬、バードドール(MR30、飛行可能))
雇い人(魔術師カンダックL3) 金貨100枚 MR35・《L3これでもくらえ!》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》/1事件限り

ヴェルサリウス27世/MR30防10魔防5+
 +金貨80枚
→(所持品:金貨105枚。高品質な武器【超小型単弓】、高品質な防具【キルテッド・シルク】、?たて=紋章の盾(魔法を跳ね返す/1事件に1回使用可能)、古代帝国の首飾り、古代帝国の宝珠(《開け》《そこにあり》《ないことに》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、《小鬼の口笛》の呪文石、幸福の黄色い耳栓、呪文:《イーゼルヴァンの黒き夢》、ハンタードール(MR35、先制攻撃可能))
・雇い人(女盗賊クリスティL2)MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り

へーざぶろー/MR60防5+
 +金貨80枚
→(所持品:金貨90枚、高品質な武器+2【トゲこん棒】&【トゲこん棒】、高品質な防具【レザーアーマー】、呪文:《死の刃》《そこにあり》《炎の嵐》《メメコレオウスの黒き礫》)

6位:
クリフ/MR55防5魔防5++
 +金貨70枚
→(所持品:金貨105枚。高品質な武器+2【斧】、高品質な防具 【???】、魔封じの首飾り(魔防+5)、《開け》の呪文石、竜の牙、呪文:《イーゼルヴァンの黒き手》《ダルゴンの暗き眼差し》)

デュラル・アフサラール/MR40防5+
 +金貨70枚
→(所持品:金貨70枚。高品質な武器【弓】、灰色熊の毛皮、奇跡的な回復薬、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)、呪文:《ないことに》《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》《ダルゴンの暗き眼差し》)

8位:
"片耳の"マロウズ/MR45防5魔防10
 +金貨60枚
→(所持品:金貨145枚。黒き短剣、エルブンダガーMR+10(使用すると銀狼化MR+20/1事件に1回使用可能)、クリス・アカラベス(MR+10/魔法防御+10)、高品質な武器+2【チェーン・ソード】、高品質な防具【レザージャケット】、《ないことに》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《死の刃》《そこにあり》《いだてん》)

偵察兵のニンツ/MR40防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨85枚。高品質な武器【良い短剣】&【鋭い短剣】、高品質な防具【硬い皮鎧】、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、神像を模した人形(MR40守護獣召喚/1事件に1回使用可能)、呪文:《これでもくらえ!》《そこにあり》《ないことに》《炎の嵐》)

カーモネーギー/MR35防10
 +金貨60枚
→(所持品:金貨135枚。高品質な武器+2【魔弓・イチイバル】、高品質な防具【革鎧】、高品質な防具【籠手に付けれる小型盾】、《開け》の呪文石、《死の刃》の呪文石、神の如き回復薬、星のメダリオン(流星招来・敵単体に魔法ダメージ30/1事件に1回使用可能)、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《わたしを守って、あなたを守って》)

ヘルト/MR55防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨100枚。高品質な武器+2【マクアウィトル】&七星剣(MR+20)、(予備)高品質な武器【シュヴァイツァー・サーベル】、高品質な武器【カッツバルゲル】、高品質な防具【メイル・アーマー】、保存食*1、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《厄払い》の呪文石、呪文:《死の刃》《そこにあり》《ないことに》《炎の嵐》)

ポル・ポタリア/MR30防5魔防10
 +金貨60枚
→(所持品:金貨70枚。高品質な武器【鞭】、高品質な防具【飛来物除けの護符を織り込んだジャケット(緑色)と足になじむ靴】、魔除けのメダリオン(魔法防御+10)、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、奇跡的な回復薬*2、神の如き回復薬、スパイダー・ベノム1瓶、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《メメコレオウスの黒き礫》)
・即席のボーラ複数:金貨5
・なまくらな武器「ドラゴンツレイヤー」&「ドラゴンスゲイヤー」:金貨5

13位:
バルベル/MR20
 +金貨50枚
(所持品:金貨50枚)

アンドレア/MR80防5+++
 +金貨50枚
→(所持品:金貨70枚。黒き剣、ファイアブランドMR+15(《炎の嵐》を発動/1事件に1回使用可能)、高品質な武器【鞭】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石*2、《そこにあり》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、モンゴーのしるし、写本(宝飾および工芸品について)、《ダルゴンの暗き眼差し》の巻物(1回限り使用可能)、油の瓶、呪文:《これでもくらえ!》《いだてん》《ダルゴンの暗き残像》)

ヤスヒロン/MR55防10+
 +金貨50枚
→(所持品:金貨55枚。高品質な武器+2【鍛冶師の弟子考案、自作の:飛び出せ!くん【モーニングスター】壱号くん+2】、高品質な武器防具【バイキングスパイクシールド】、高品質な武器【ヘヴィーメイス】、高品質な防具【首、腕など急所を部分的に鉄板で覆った鎖帷子】、古代帝国の杖(《L3これでもくらえ!》《炎の嵐》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、回復の指輪(ダメージ10点回復/1事件に1回使用可能)、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石*2、奇跡的な回復薬*3、ボンバの実、呪文:《小鬼の口笛》)

ソーグ/MR55防5++
 +金貨50枚
→(所持品:金貨50枚。高品質な武器+2【グレートソード】、高品質な防具【レザーアーマー】、《開け》の呪文石*2、《そこにあり》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石、棒手裏剣(狙撃)、呪文:《ないことに》《いだてん》《凶眼》)

シャオリン/MR45防5魔防5
 +金貨50枚
→(所持品:金貨215枚。高品質な武器+2【ヒョウ】、高品質な武器【鉄扇】、高品質な防具 【火鼠の皮衣】、カザン帝国勲章、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《粉みじん》の呪文石、奇跡的な回復薬、炎のガントレット(《炎の嵐》《炎の壁》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、木製自作ドール「睡蓮」、呪文:《死の刃》《ないことに》《炎の嵐》)

18位:
スパイデイ/MR40防5+
 +金貨30枚
→(所持品:金貨35枚。高品質な武器【細身の剣(レイピア)】、高品質な防具 【鋼の鎧、楯セット】、《そこにあり》の呪文石、《凶眼》の呪文石、奇跡的な回復薬、スパイダーベノム1瓶、呪文:《いだてん》《ダルゴンの暗き雷鳴》)

ナカダンジョウ・ケン/MR30
 +金貨30枚
→(所持品:金貨35枚。高品質な武器【鋼の先鋭トンファー・抜塞(バッサイ)】、奇跡的な回復薬)

ガーランド/MR20
 +金貨30枚
(所持品:金貨30枚)

ジェニファー/MR20
 +金貨30枚
(所持品:金貨30枚)

■砦にて待機(今回投稿無し)
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート/MR50防5
→(所持品:金貨110枚。黒き大斧、高品質な武器【バスタードソード】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬*1、身代わりの依り代、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《メメコレオウスの黒き礫》)

サマ/MR20防5
 +選択した財宝(《魔神の剣》の呪文石*2 5ターンの間、ダメージ3倍/1回限り)
→(所持品:金貨40枚。高品質な防具【スケイル・アーマー】、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《これでもくらえ!》《そこにあり》《耐えよ》《イーゼルヴァンの黒き夢》)

ゲディス/MR20 →(所持品:金貨35枚)
イールギット/MR30 →(所持品:金貨40枚。いにしえの短剣)
アクロス/MR20 →(所持品:金貨50枚)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
☆ザルダック商店
金貨を入手している場合、買い物をしても構わない。自由筆記欄に記載すること。
商品は変わる場合があるので、次回以降に残しておくこともできる。

<商品リスト>
・高品質な武器+2 金貨60枚 MR+15/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい(高品質な武器から買い替える場合、古い武器は金貨10枚で引き取ってくれる)
・高品質な武器 金貨30枚 MR+10/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい
・高品質な防具 金貨30枚 防御点+5/好きな防具タイプを自由筆記に記載下さい
・奇跡的な回復薬 金貨10枚 ダメージ10点回復/1回限り
・神の如き回復薬 金貨25枚 ダメージ30点回復/1回限り
・《L2これでもくらえ!》の呪文石 金貨20枚 魔法ダメージ40点/1回限り
・《L3これでもくらえ!》の呪文石 金貨40枚 魔法ダメージ60点/1回限り
・《死の刃》の呪文石 金貨15枚 1ターンのみダメージ2倍/1回限り
・《開け》の呪文石 金貨10枚 鍵開け/1回限り
・《そこにあり》の呪文石 金貨10枚 隠されたものを感知する/1回限り
・《ないことに》の呪文石 金貨20枚 魔術を1度だけ無効化する/1回限り
・《いだてん》の呪文石 金貨40枚 3ターンの間2回行動が可能/1回限り
・《凶眼》の呪文石 金貨40枚 1ターンのみダメージ3倍/1回限り
・《炎の嵐》の呪文石 金貨40枚 敵全体に魔法ダメージ20点/1回限り
・《耐えよ》の呪文石 金貨40枚 5ターンのあいだ防御点2倍/1回限り
・《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石 金貨40枚 2ターンのあいだ1名に魔法防御15点/1回限り
・雇い人(戦士L2) 金貨60枚 MR60防5/1事件限り
・雇い人(戦士L3) 金貨100枚 MR85防10/1事件限り
・雇い人(盗賊L2) 金貨60枚 MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り
・雇い人(盗賊L3) 金貨100枚 MR55防2・《死の刃》《開け》《そこにあり》《いだてん》《耐えよ》/1事件限り
・雇い人(魔術師L2) 金貨60枚 MR25・《L2これでもくらえ!》《ないことに》《凶眼》/1事件限り
・雇い人(魔術師L3) 金貨100枚 MR35・《L3これでもくらえ!》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》/1事件限り

☆訓練場
金貨を使用して、ガガック兵長に特別訓練をつけてもらえる。自由筆記欄に記入すること。
支払い可能であれば複数回選択しても構わない。
なお魔術訓練で覚えるのはあくまで呪文そのものであり、高レベルで呪文をかける事は魔術師のみができる特技のため、PCにはできない。

・戦闘訓練:金貨100枚/基本MR+10
・魔術訓練1:金貨50枚/(これでもくらえ、死の刃、開け、そこにあり、ないことに)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)
・魔術訓練2:金貨80枚/(いだてん、凶眼、炎の嵐、耐えよ、わたしを守ってあなたを守って)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【ルール】
・PCはカザン帝国の辺境開拓軍の戦士です。
・T&Tシステム的にはPCは盗賊にあたり、戦士の特技も魔術師の特技も持ち合わせません。
・毎回、「事件」が更新されます。どの事件を解決に向かうか選択して下さい。
・同じ事件に向かったPCが多ければ、解決しやすいですが報酬も少なくなります。逆に1人だと報酬は総取りですが、失敗の可能性も高くなります。
・トロールワールドは無情です。運が悪ければあっけなく死ぬでしょう。死んだときは死んだときです。新たなPCで1から出直して下さい。
・事件の処理はシンプルにモンスターレートで行います。(PCも一律でMR表記処理)PCの初期戦闘力はMR20(3D6+10)です。
・事件を解決したら、報酬がもらえます。報酬はカザン帝国への貢献度として、順位付けされます。順位によっては特別報酬がもらえることもあるでしょう。
・報酬を使って装備を購入したりすることもできます。商品は毎回変わるので使うか、貯めるかは判断のしどころでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【未解決事件】
A:
自由行動。
これまで手がけてきた事件や出会った人物などで、もし君が気になっている事があるならば、行動を起こしても良い。
何をしたいのか、具体的に申告するように。
脅威予測)?
報酬)?


B:
諸君、竜塚での働き、見事であった。
既に聞き及んでいるだろうが、屍者の帝国の本拠地が割り出せた。
これが屍人使いどもとの最後の戦になろう。
ギルサリオン隊長もシャンキナルの都へ伝令を出したようだが、西方エルフの増援が間に合うかはわからん。
最悪は我々だけの手で片を付ける必要がある。
それとこの戦を最後に、我がレックス砦の部隊はカザン市に帰還することが決まった。
活躍目覚ましい者については、必ずやレロトラー陛下に報告する事を約束しよう。
諸君の奮闘に期待する!
脅威予測)大
報酬)大


C:
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
第四階層の石造りの迷宮の探索もいよいよ最後の部屋を残すのみである。
無敵の万太郎隊の報告にもある通り、荒野の幻影の先に何があるのかは不明である。
細心の注意を払い、探索に望むように。
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP4.png


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【作戦会議室・峡谷の山猫亭】

https://www1.x-feeder.info/FTGAME/

出撃前に相談をしたり、雑談や交流ができるチャットルームです。
PC・スマホ・携帯から閲覧/書き込みできますので、ぜひご活用下さい!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【参加方法】

https://jp.surveymonkey.com/r/TQMDL32

参加フォームに下記を記入し、送信して下さい。
・キャラクター名
・今回選択する事件
・(任意・自由筆記)事件への対応や購入した商品、キャラ設定(年齢・性別・性格・生い立ち・風貌・特徴・口癖など)
・プレイヤー名・メールアドレス
 *投稿内容の詳細確認などが必要な際にこちらからご連絡をする場合があります。

【参加締切】
配信日の2週間後を締切とします。
締切を過ぎますと次回は「待機」となります。

■今回の締切:12/6(日)24時まで

 *ep.15配信予定:1月中旬〜下旬


●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
■今日の新聞に対するご感想はコチラ!
ぜひ、お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m

https://jp.surveymonkey.com/r/2SYSHGB

【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。
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2020年8月23日日曜日

T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.13 No.2769

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T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.13

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from 水波流
月イチペースでお送りする、読者参加企画。
今回は総勢19名のご参加を頂いております。

1点、みなさまにご報告です。
2018年12月から始まったこのゲームも、約1年半が経過し、そろそろ一区切りをつけたいと考えています。

理由は色々とあるのですが、
・開始当初考えていたものより小説ベースのゲームになり、GMもキャラクターに愛着が出てきたため、無造作に死亡させたりミッション失敗させたりしづらくなったこと
・ずっと同じキャラクターでゲームを続ける事で能力がインフレしてしまうこと
等があげられます。

具体的にはあと2回、ep.15で終了する形で考えています。
(それでも丸2年間の連載になりますね……感謝)
続編については、読者の皆さんからのお声を頂ければ、なにか考えてみたいと思っております。
それでは引続き、どうぞよろしくお願いいたします。

さて本文ですが、毎度の長文ですのでパソコンでご覧頂くのを推奨いたします。
もし携帯電話などで受信し、途中で切れたりしている場合は、下記バックナンバー保管庫からご確認をお願いいたします。
https://ftnews-archive.blogspot.com/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

事件の結末

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■事件A:8人出撃
〈大断崖〉風の峡谷の〈ダルゴンの大図書館〉の調査を継続する。
神の如き力を持つと言われた魔術師の1人、ダルゴンの遺した魔導書を手に入れることが出来れば、ひと財産である事は間違いない。
先遣隊の報告によると、2階特別閲覧室への入室には本1冊の寄贈が必須のようだ。赴く者はザルダック商店で購入を済ませておくように。
また未確認ではあるが、司書ゴーレムから得た情報によると2階から更に塔の最上階に館長室が存在するらしい。
各自、細心の注意を払って調査に当たるように。
脅威予測)中
報酬)大

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

「やあやあ、司書くんお元気?」
 古城の石壁にポル・ポタリアの軽妙な声が響き渡る。
「ようこそいらっしゃいました、ミスター」
 恭しくゴーレムの司書が頭を垂れた。
「ねえキミの知り合いに美人、いや美ゴーレムっているかな? いやぁボクの友人に美ゴーレムを連れた海賊がいてさ。あんな感じに身の回りの世話とかお願いしたいんだよね〜」
 カウンターに身体を預けながら、意味のあるのかないのかわからぬ会話を続けるポルの背後で、初めての訪問となるカエル人サマが物珍しそうにあたりを眺めていた。
「これは……凄いものダナ」

 前回の探索を経て、各自は思い思いの書物を手に乗り込んできていた。
 司書とポルの会話に割り込むように、老兵メックリンガーが懐から取り出した冊子をカウンターに叩きつけるように投げ出した。
「デュラル殿によるとじゃな、『ウス=異本』という類の禁断の知識を載せた書だそうな。この大図書館にはふさわしかろうと思って有り金はたいて買ってきたのじゃ。さぁ、これを受け取って館長とやらにあわせんかーい!」
 カウンターに置かれた薄い冊子の表紙には『桃源エルフ村妖精狩り・異聞』のタイトルと肌色が多そうな人物画が見えた。
 続いてデュラルが苦笑しながら、その横に自分の本を重ねる。
「俺はこれだ。『グリムトゥースのトラップブック』……君のマスターもよくご存じだろう。迷宮罠作りの達人と呼ばれたグリムトゥースその人が手がけたとされる秘伝の書さ。今後の図書館の防犯対策にも役に立つはずだ」
 司書ゴーレムは嬉しそうに図解されているページをめくった。
「子供にと思って買ったものですが、面白くて、最後は切なくて、私読んで、泣いちゃいましたよ」
 スパイデイが遠い目をしながら絵本『岩悪魔の恩返し』を差し出す。その横からクリフが背負い袋から三分冊になった革装丁の本を取り出した。
「儂はヘローム王国時代以降の歴史書じゃよ。ここには古いものは沢山あるようじゃが、新しいものも必要じゃろうて」
「近代天文学に関する本をお持ちしました。日付と天気を記した巻物を見かけましたが、ここでは空に関する何かの観測研究をおこなっているのではありませんか。であれば、何かお役に立てるかと思いまして」
 アンドレアが静かな笑みを湛えながら専門的な学術書を差し出した。
「ワタシはこれダ……本当は、本人に直接お渡ししたかったのだがナ」
 サマが取り出したのは、魔術師ダルゴンの人物像・業績に関する論文をまとめた羊皮紙の束だった。
「これはこれは。マスターもお喜びになりますよ」
 司書ゴーレムが双眸の赤い光を瞬かせながら答えた。
 後ろからエミリアが珍しく躊躇したように差し出したのは、しっかりとした装丁の日記帳だった。
「希少本なんか買わずとも、もっと価値のあるものを持ってきた。いつの日かカザン帝国辺境開拓軍の誰かが、後世に残るような偉業を成し遂げたら、この日記にはとんでもない値がつくぞ。ここには普通の者なら知る事ができないプライベートな情報も書いてあるしな」
 興味深そうに覗き込んだ連中に、エミリアは言い訳がましく小声になりながら付け加えた。
「それに任務の中で、自分が死んだ途端に誰からも忘れ去られるのは面白くないから……」
「へえ、どんな風に書いたんだ」
「だ、ダメだっ。見るなっ」
 エミリアは顔を赤らめて拒否した。
 ポルは含み笑いをしながらそれを眺めつつ、自分の背負い袋に手を入れると安い作りの本を何冊も取り出した。
「ボクが持ってきたのはね、まずはこれ『ハッピー教聖典』人を集めて大儲けする宗教のやり方が書いてあるんだ。それに『素敵な(犯罪)結社の作り方』でしょ。仲間集めから運営、「こうしたら捕まるよ!」が詰まった一品だよ。それに、なるにはブックス幻の一冊と言われた『詐欺師になるには』……あとは『怖いお義父さんのいなし方』っと」
「一冊で結構です、ミスター……」
 司書ゴーレムが困ったように口を挟んだ。


 司書ゴーレムに見送られ、カウンター背後の大階段を上がると、二階の広間に出た。
 四方の壁には多数の紋章が飾られ、肖像画や風景画などが目に入る。1階に比べて書棚は少なく、見通しは良い。
 広間の奥には知恵の守護者たるスフィンクスの石像が台座に収まっている。その背後に二つの扉が見えた。
 一行は顔を見合わせる。アンドレアが小さく頷くと、デュラルと共に先頭に立って足を進めた。
 石像まであと数歩というところで、どこからともなく低い声が広間に響いた。
《よくぞ来た》
 アンドレアは1歩前に進みでると、丁重に礼をし話しかけた。
「貴方が館長か」
《そうとも言えるし、そうでないとも言える》
 禅問答のような答えが返ってくる。アンドレアは重ねて問いかける。
「では貴方がダルゴンなのか?」
《まさか。私ごときは神の如きダルゴン様には遠く及ばぬ》
 スフィンクスの石像は皮肉な調子で語り続けた。
《我はシーモア。蔵書の管理をマスター・ダルゴンより任されている》
「ではダルゴンとやらはここにはおらんと言うのじゃな?」
 メックリンガーが横から口を挟んだ。
《そうとも言えるし、そうでないとも言える》
 また謎めいた答えが返された。デュラルが端的な口調で切り返す。
「我々は魔導書の閲覧を希望している。特別閲覧室への入室条件となる書物については、先程納めさせてもらった」
《確かに確認している。貴公らの閲覧を許可しよう》
 スフィンクスの背後の右扉が、重々しい音を立てて開いた。

「さて、どうする?」
 エミリアが一行に尋ねかけた。
「まずは魔導書じゃろ」
「いや館長室も気になりますよ」
 メックリンガーとスパイデイが異なる意見を口にした。
 サマやポルは任せるとばかりにだんまりを決め込んでいる。
 思案げな様子でアンドレアが口を開いた。
「文献の調査にはしっかり時間をかけたいところです。であれば閲覧室は後回しにして、先に館長室を訪ねるのはどうでしょう」
「儂も賛成だ」
 クリフが顎髭を捻りながら頷いた。
「ねえシーモアくん。マスター・ダルゴンのお部屋には、どこから行けばいいんだい?」
 ポルが相変わらず物怖じしない様子で石像に語りかけた。
《謁見にはそれ相応の資格を示してもらわねばならぬ》
 スフィンクスは堅い調子で答えた。
《……と、普段なら言うところだが、貴公らに1つ頼みがある》


「やれやれ、また掃除とはの」
「いちいち文句を言うな」
 不満げなメックリンガーにエミリアが冷たい口調で言葉を封じた。
 司書長シーモアの依頼とは、塔に住み着いた大蜘蛛の退治。どうも先日、一階の書庫で一行が遭遇したのもその子蜘蛛だったようだ。
《奴らめ、私が動けぬのをいい事に、産卵して子蜘蛛まで増やしおって。後顧の憂いを断つためにも、根絶やしにして欲しいのだ》
 困った調子で話す石像の言葉を思い返しながら、エミリアはそっと含み笑いをした。
「武器がないんじゃぞ、武器が」
「いやぁ、でも今回は魔法の使用許可も事前に出ていることですし……」
「甘いんじゃ若造。備えあれば憂い無しと言うじゃろ。物事には常に万全を期さねばならんのじゃ。いいか、転ばぬ先の杖とも言ってな……」
 なだめるつもりで口を挟んだスパイデイが、いつもの長話に苦い顔で相づちを打っていた。
 エミリアとクリフが竜の牙を用意し、魔術の心得のある各自も詠唱の準備をしている。
「用意はいいな? 開けるぞ」

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:アンドレアMR50防5、クリフMR40防5魔防5、デュラルMR30防5、スパイデイMR30防5、エミリアMR20防5、ポルMR20防5、メックリンガー老MR20防5、サマMR20防5
敵:マザースパイダーMR120防10、ヒュージスパイダーMR80*4

 *アンドレア、デュラル、スパイデイ、ポル《いだてん》詠唱。2回行動。
 *エミリア、クリフ、竜の牙使用。MR30スパルトイ*2召喚。

「さっさと片付けるぞ」
「了解」

1ラウンド:PC【398】 VS 敵【378】 /敵側に20ダメージ!(マザースパイダー120、ヒュージスパイダーA76、B76、C76、D76)

 *ヒュージスパイダーA、特殊能力/スパイダーウェブ(アンドレア/3ターンのあいだ攻撃力1/2)
 *ヒュージスパイダーB、特殊能力/スパイダーウェブ(デュラル/3ターンのあいだ攻撃力1/2)

「この前は不覚を取りましたが……きっちり訓練してきましたよ。借りは返させていただきます!」
 スパイデイが愛用の細身の剣に代わり、箒を構え、母蜘蛛に何度も突きかかった。

 *エミリア、屍人使いエルファニの指輪を使用。《L3これでもくらえ!》発動! マザースパイダーに60魔法ダメージ!
 *デュラル、ポル《凶眼》詠唱。攻撃力*3

2ラウンド:PC【442】 VS 敵【358】 /敵側に84ダメージ!(マザースパイダー54、ヒュージスパイダーA59、B59、C59、D59)

 母蜘蛛が体液をまき散らしながら奇怪な叫び声を発すると、塔の上部から子蜘蛛がカサカサと姿を現した。

 *増援:ヒュージスパイダーMR80*3
 *ヒュージスパイダーC、特殊能力/毒の牙(エミリア/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)
 *ヒュージスパイダーD、特殊能力/毒の牙(クリフ/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)

「くっ……長引くとこっちが不利か」
 噛まれた腕を抑えながらエミリアが警告する。
「各自、できうる限りの魔術を使え!」

 *アンドレア《これでもくらえ!》詠唱。マザースパイダーに20魔法ダメージ!
 *サマ《これでもくらえ!》詠唱。マザースパイダーに20魔法ダメージ!
 *デュラル《炎の嵐》詠唱。ヒュージスパイダーABCDに20魔法ダメージ!
 *ポル《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。ヒュージスパイダーABCDに6魔法ダメージ!

3ラウンド:PC【362】 VS 敵【472】 /PC側に110ダメージ!(アンドレア44、クリフ31、デュラル24、スパイデイ24、エミリア11、ポル14、メックリンガー老14、サマ14、スパルトイA19、B19)

 *ヒュージスパイダーE、特殊能力/スパイダーウェブ(スパイデイ/3ターンのあいだ攻撃力1/2)

「集中しろ! 母蜘蛛さえ倒してしまえば……」
「ええい、奥の手じゃい」

 *メックリンガー《L2これでもくらえ!》の呪文石を使用。マザースパイダーに40魔法ダメージ! マザースパイダー死亡
 *デュラル、屍人使いエリファスの杖を使用。《L2これでもくらえ!》発動! ヒュージスパイダーAに40魔法ダメージ! ヒュージスパイダーA死亡
 *クリフ、炎の石を使用。ヒュージスパイダーBCDに合計32魔法ダメージ!
 *サマ《イーゼルヴァンの黒き夢》詠唱。ヒュージスパイダーE、昏睡。

 母蜘蛛は甲高い叫びとともに絶命し、ひっくり返ってビクビクと痙攣していた。しかし子蜘蛛の集団に依然周囲を取り囲まれている。
「数が多すぎる……」
 蜘蛛の巣に絡め取られ、何度も噛み付かれた数人は青い顔でうなだれており、長くは持ちそうにない。エミリアも同様に憔悴しきっていたが、やがて毅然とした表情を取り戻し懐に手を入れた。
「アンドレア、あれを使うぞ」
「!……わかった」

 *アンドレア、熊神石を使用。ワーベア化→MR+30
 *エミリア、熊神石の破片使用。ワーベア化→MR+25

4ラウンド:PC【230】 VS 敵【266】 /PC側に33ダメージ!(アンドレア74、クリフ28、デュラル24、スパイデイ24、エミリア33、ポル14、メックリンガー老14、サマ14、スパルトイA16、B16)

 *ヒュージスパイダーF、特殊能力/毒の牙(ポル/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)
 *ヒュージスパイダーG、特殊能力/毒の牙(メックリンガー/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)

 *デュラル、熊神石を使用。ワーベア化→MR+30

5ラウンド:PC【288】 VS 敵【271】 /敵側に17ダメージ!(マザースパイダー0、ヒュージスパイダーA0、B19、C19、D20、E78(昏睡)、F77、G77)

 *クリフ《イーゼルヴァンの黒き手》詠唱。ヒュージスパイダーCに10魔法ダメージ!クリフ10回復。

6ラウンド:PC【303】 VS 敵【263】 /敵側に40ダメージ!(マザースパイダー0、ヒュージスパイダーA0、B13、C13、D3、E71(昏睡)、F70、G70)
7ラウンド:PC【311】 VS 敵【249】 /敵側に62ダメージ!(マザースパイダー0、ヒュージスパイダーA0、B2、C2、D0、E61(昏睡)、F60、G60)
8ラウンド:PC【294】 VS 敵【192】 /敵側に102ダメージ!(マザースパイダー0、ヒュージスパイダーA0、B0、C0、D0、E41(昏睡)、F39、G39)
9ラウンド:PC【305】 VS 敵【108】 /敵側に197ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:アンドレアMR44/50防5、クリフMR35/40防5魔防5、デュラルMR24/30防5、スパイデイMR24/30防5、エミリアMR5/20防5、ポルMR2/20防5、メックリンガー老MR2/20防5、サマMR14/20防5、スパルトイA16/30(送還)、B16/30(送還)

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 体液と巣の残骸がこびり付いた塔の石壁を、報告を受けた司書ゴーレムが一心不乱に清掃していた。
 その様子を眺めながら休息を取っていた一行の耳に、唐突に年老いた声が響き渡った。
《上がってまいれ》
 塔の内壁に沿って設けられた螺旋階段が、淡い輝きとともにゆっくりと動き出した。
 一行は顔を見合わせ逡巡したが、やがて意を決して一人ずつ飛び乗った。

 塔の最上階はこの古城でもっとも美しく飾られた部屋で、壁や天井には装飾が施されていた。小さくはあるが大量の書物や古道具が収められた書斎のようで、全員が部屋に入ると背後で扉が自動的に閉まった。
 小型のパイプオルガンからは楽団もいないというのに小さく音楽が奏でられている。
《ようこそお若いの》
 眼前の書斎の椅子に、うっすらと透き通る姿で老魔術師が腰掛けていた。一行は驚きを隠せずに繁々とその姿を眺めた。
《ふん、こんなものが珍しいか。幻じゃよ。儂はここにはおらぬわ》
 老魔術師は面白くなさそうな調子で口を開いた。
「大魔術師ダルゴン、お目にかかれて光栄ダ」
 サマが一歩踏み出して、カエル人として敬意を表す仕草を取った。
《ほほう。さてはお主か。儂に関する文献を寄贈したというのは》
 ダルゴンはにやりと笑みを浮かべると、サマを見返した。
《頭の良いカエルめ。儂のことを詳しく知るものが未だにおるとはの》
 ダルゴンは満更でもない様子でつぶやくと、椅子に深く背を預けた。
《して何が望みじゃ》
「魔術師ダルゴン、高名な貴殿の独自の魔法を伝授賜りたいのだが」
 デュラルが一歩前に進み出た。
「わ、儂も」
 メックリンガーが慌てて続いた。
《何かを得るためには何かを支払わねばならぬ。それが物事の道理というもの》
 老魔術師の眼光が鋭く光る。
《……しかし、そうじゃな。そう難しい事でもない。この館を維持するため、司書たちでは手が回らぬ雑用が幾つかある》
 ダルゴンは顎に手をやり、しばらく思案するように首をかしげてから、口を開いた。
《それに、既に書庫やこの塔は掃除してくれたようじゃしな》
 億劫そうに片手を振ると、サイドテーブルの上に鎖で繋がれた漆黒の大きな魔導書が、風もないのにパラパラとめくれ、やがて頁が開いた。
 デュラルたちは食い入るようにその頁を見つめた。
《ああ、それからその辺のガラクタで良ければ持っていっても構わんぞ》
 ダルゴンは一行の背後にある、ごちゃごちゃと雑多なものが押し込まれた棚を指差した。
 エミリアとクリフが興味津々といった様子で、棚の古道具に手を伸ばした。
《う゛う゛う゛う゛う゛う゛……》
 棚に立てかけられた杖が、まるで呻くようにカタカタと振動し、エミリアはぎょっとした様子で老魔術師を振り返った。
 ダルゴンはいかにも面白そうにくっくと含み笑いをする。
《愚かなダーヴィドよ。静かにするのだ。120年ぶりにここから出る機会をお前にくれてやろうというのだぞ》
 そう語りかけると、杖の震えが止まった。一行は気味悪げに遠巻きに眺めていた。
《儂の秘術を盗もうとした不肖の弟子よ。数百年はそうしておるわ。たまには外に出たかろうて。お主らに貸し与えるゆえ、飽きるまで使うが良いぞ》


 一夜明け、外壁の清掃と草むしりを行った末、特別閲覧室の蔵書の閲覧もひと通り済ませた一行はそろそろ砦に帰る算段を始めていた。
 そこへアンドレアが、自分はもう少し残ると告げた。
「ここの本ですが、貸出はできずとも写本なら許可を頂けるそうですから。写して帰りたいんですよ」
 あらかじめ見越していたのだろう。数日は泊まり込みできるよう、アンドレアは食料と水を多めに持参していた。

 夕刻になり、帰路につく一行をアンドレアは古城の入口で見送った。各々が収穫物を手にし、浮かれた様子で峡谷の小道へ向かう。
 そこへ、司書ゴーレムが足音も激しく追ってきた。一行の怪訝な視線が、前回同様にポルに集まる。
 しかし司書ゴーレムは一冊の本を片手に差し出した。
「こちらをお忘れです」
 革装丁の自費出版本には『ポル・ポタリアかく語りき』と金文字で書かれていた。
 こっそり置いてきたのがバレてしまったポルは気まずい顔で苦笑した。


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
アンドレア →熊神石が完全に砕け散った。写本入手、持参した巻物にダルゴンのオリジナル呪文を1つ書き写させてもらえた。
エミリア →熊神石の破片が完全に砕け散った。
クリフ →炎の石を使用した。
サマ
スパイディ
デュラル・アフサラール →熊神石が完全に砕け散った。
ポル・ポタリア
メックリンガー老 →《L2これでもくらえ!》の呪文石を使用した。

■入手した財宝
全員、下記から好きなものを1つ選択して下さい。
物品はそれぞれ1つしか無いため先着順。(呪文習得は重なっても可能)

・特別製の魔法の杖《愚かなダーヴィド》(一通りの魔法を習得しているが、気が向いたときにしか発動しない)
・《教え》:《ダルゴンの暗き眼差し》(敵1体を永続的にMR半減/1事件に1回使用可能)
・《教え》:《ダルゴンの暗き残像》(2体の分身を作成し身代わりとする。分身はダメージを受けると霧散する/1事件に1回使用可能)
・《教え》:《ダルゴンの暗き雷鳴》(5ターンの間、敵1体に魔法ダメージ15点/1事件に1回使用可能)
・《魔神の剣》の呪文石*2 5ターンの間、ダメージ3倍/1回限り
・《魔神の盾》の呪文石*2 5ターンの間、防御点3倍/1回限り
・異界獣の黒曜石*2(MR40ブラックハウンドを召喚/1回限り)
・魔除けのメダリオン(魔法防御+10)

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■事件B:4人出撃
聖遺物のひとつ《鏡》をなんとか手にし、砦に戻った君たちを司令室にてガガック兵長が出迎えた。
「〈竜塚〉の部隊から伝令だ。今のところ、竜の鳴動は抑え込めているとの事。しかしそう長くは持つまい」
西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンは悩みながら言葉を重ねる。
「時間が足りぬか。どうにか二手に分かれられればよいのだが」
守護獣への対処は不安が残るが、君たちに片側を探索してもらい、ギルサリオンと森林警備隊が残る側に当たることとしたい。
《玉》と《杖》……どちらを選ぶべきか?
脅威予測)中
報酬)小

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

 〈シャンキナルの森〉の奥へと再度進軍した一行は、〈聖地シャンス〉で二手に別れた。
 ギルサリオン隊長率いる森林警備隊の一団を見送ると、レックス砦の一行は目の前の霊廟を振り仰いだ。聖地はいつ来ても薄暗く、不気味に静まり返っていた。
 聖遺物のひとつ《玉》がそこには安置されているはずであった。かつて竜と戦い、太古の故郷〈ホーラ・ルー・ヤー〉よりこの地に降り立った〈古き森〉の主たち。そして彼らが西方エルフに授けたとされる人外の力を秘めた三種の聖遺物。来るべき竜との戦いのために創られたものなればこそ、〈カザンの悪夢〉を封じる際にもエルフ王ベリエンベールによって使われたのだろう。
 一行は深き森の静寂に気圧されたように、無言で霊廟を見つめていた。

 その一行から少し離れたところで、獲物を狙う鷹のような目で油断なく周囲に気を配っている一人の女がいた。今回のために雇われた剣士だ。褐色の肌に縮れた毛をドレッドヘアに編み込み、炎の大地と呼ばれるゾルの伝統的な刀剣フリッサを帯び、鰐皮の胸当ての上から赤いマントを纏っている。
「一緒に探索するのは久しぶりだな、ゲルダ」
 今回の雇い主であり、旧知の仲でもあるマロウズが後ろから話しかけた。
「ああ。アンクル・アグリーの地下迷宮以来か」
 女剣士ゲルダは厳しい顔を緩め、にこりと笑顔を向けた。
「俺たち4人だけでは力不足。お前の剣の腕が頼りだ」
「……マロウズ、お前の頼みとあれば、私はいつでも力を貸す。それがあの迷宮で命を救われたお前への恩返しだ」
「ありがとう、ゲルダ」
 マロウズは何かを思い出したのか、ふと噛みちぎられたような右耳の古傷にそっと手を当てた。

 ヘルトが提げている見慣れない武器を目にし、ニンツが声を掛ける。
「へえ、新調したのか?」
「ああ、先日は慣れぬ棒術で無様なところを見せてしまったからな」
 そう言ってヘルトが陽に掲げた武器は、鋭い黒曜石の刃を複数、木製の直刀に固定したものだ。
 太陽を崇めるという南のスコーピオン連邦でよく使われている刀剣で、現地の言葉ではマクアウィトル、カザン語でいう「手の木」と呼ばれていた。切れ味は金属剣と比べても遜色なく、人間の首をも切断でき、古来は太陽に捧げる生贄の儀式にも使われていたらしい。
 ヘルトがこれまで愛用していた剣を霊廟の入口に置くと、ニンツも同じように鉄製の短剣を腰から外した。そして借り物の黒曜石の短剣を取り出し、ふた振りを腰に下げ、もうひと振りをヘルトに渡した。
「そういうお前は……魔術訓練を受けていたようだが」
「ああ、エルフどもはいい顔しねえだろうが、そんなこと言ってられる状況じゃねえ」
 ニンツはへっと笑うと早口で言葉を続けた。
「大事の前の小事ってやつだ。こっちのやり方でやらせてもらうぜ」

 カーモネーギーは弓の弦の調子を確かめながら、不安な様子を隠せずにいた。
「いるんだろうなぁ。ここにも守護獣とやらが……」
 前回の激しい戦いを思い出し、頭を何度も振って嫌な考えを追いやった。
「ほんとに、正攻法しかないのかなぁ……」
 一行の士気に水を差すわけにもいかず、カーモネーギーは独り言ちた。

 全員が改めて霊廟の入口を眺めた。深い暗闇が口を開けている。果たしてどこまで続いているのか。
「第二の聖遺物は、玉……か」


 一行は慎重に霊廟の奥に足を運んだ。《鏡》の霊廟と造りは同じらしく、奥の広間に向かう回廊はひんやりとした静謐な空気に満ちていた。
 石畳には一行の靴音だけが硬く響きわたる。緊張を紛らわすためか、ニンツが黒曜石の短剣を弄りながら軽い調子で呟いた。
「隊長のやつは上手くやってやがるかね」
「……人のことを心配している余裕はないと思うがな」
 マロウズが少し硬い調子で応えると、すっと前方を指し示した。一寸先も見通せない暗闇の先に、大広間が口を広げていた。
 先行したヘルトが無言で篝火に松明の火を移すと、柱が立ち並ぶ大広間が、明かりに照らされて浮かび上がった。
「……《鏡》の時と違って、デカブツはいねえようだな」
 ニンツが奥の祭壇の上に置かれているアカシアの木の箱に目をやりながら呟いた。
 《鏡》の霊廟と同じく優美な装飾を施された聖櫃は、広大な玄室の主として堂々たる様子で安置されている。

《汝、力を求めるか》

 一行の脳裏に、低い声が直接響き渡った。
「油断するな。囲まれているぞ」
 女剣士ゲルダが警告の声をあげる。
 カーモネーギーが慌てて周囲を見回すと、立ち並ぶ柱の1柱1柱に、台座に飾られた木製の像が据え付けられていた。神像は左右にずらりと立ち並び、全部で39柱。それぞれまるで違うモチーフの異形の獣が象られ、印象的なポーズを取っていた。

《汝、力を求めるか》

 声が再び問いかけた。意を決してマロウズが一歩前に進み出る。
「……求める!」

《力を求める者よ。ではその資格を示すが良い》

 夜空を模した天蓋に、無数の星が煌めいた。星々はみるみるうちに強く輝きを増し、やがて雷のように激しい光が地上に舞い降りた。光に撃たれた8柱の神像が威圧感のある動きで台座から降り立つ。
「さぁて、御伽噺のようにいくかな……」

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【戦闘】
PC:マロウズMR40防5、ヘルトMR40防5、ニンツMR35防5、カーモネーギーMR35防10、女剣士ゲルダMR60防5
(ヘルト、ニンツは借り物の武器の為MR-5)
敵:守護獣*8(紫微、貪狼、巨門、禄存、文曲、廉貞、武曲、破軍) 
MR32防5魔防10

 *守護獣・紫微 特殊能力/恐怖の叫び。カーモネーギー行動不能。

 辺りに響き渡る叫びを耳にしたカーモネーギーが、引きつった表情で足をガクガクと震わせる。
「引け。任せろ」
 ゲルダはカーモネーギーを後ろに押しのけ、片刃剣フリッサを素早く引き抜くと、鋭い切っ先で二連続の突きを入れ、流れるような動きで刀身を横に薙ぎ払った。緩やかに湾曲した鋭利な刃が、木像の表面を撫で切りにする。

1ラウンド:PC【163】 VS 敵【219】 /PC側に56ダメージ!(マロウズ34、ヘルト34、ニンツ29、カーモネーギー34、女剣士ゲルダ54)

 *守護獣・貪狼 特殊能力/雷招来。ゲルダに30魔法ダメージ

「危ないっ!」
 自分を取り戻したカーモネーギーが急いで防護呪文を詠唱する。

 *カーモネーギー《わたしを守って、あなたを守って》詠唱。ゲルダの魔法防御+15。

「す、すまん」
 ゲルダが冷や汗を拭いながら礼を言った。
「いや、こっちこそだよ」

 *マロウズ《いだてん》詠唱。2回行動。

2ラウンド:PC【221】 VS 敵【242】 /PC側に21ダメージ!(マロウズ34、ヘルト34、ニンツ29、カーモネーギー34、女剣士ゲルダ39)

 *守護獣・巨門 特殊能力/流星招来。ニンツに30魔法ダメージ
 *ニンツ《ないことに》詠唱。守護獣・巨門の《流星招来》を無効化

「悪ぃがめんどくせえのは無しにさせてもらうぜ」

 *カーモネーギー《いだてん》詠唱。2回行動。
 *マロウズ、ヘルト《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

3ラウンド:PC【331】 VS 敵【235】 /敵側に96ダメージ!(紫微25、貪狼25、巨門25、禄存25、文曲25、廉貞25、武曲25、破軍25)

 *守護獣・禄存 特殊能力/威圧の叫び。ヘルトMR半減。
 *ヘルト《ないことに》詠唱。守護獣・禄存の《威圧の叫び》を無効化
 *ニンツ《これでもくらえ!》詠唱。紫微に20魔法ダメージ!(紫微15)

「まずいな……あまり長引くとこっちが不利だ」
「奥の手も使いどころってとこだな」
 マロウズとヘルトが肩で息をつきながら目配せした。

4ラウンド:PC【233】 VS 敵【218】 /敵側に15ダメージ!(紫微15、貪狼25、巨門25、禄存25、文曲25、廉貞25、武曲25、破軍25)

 *守護獣・文曲 特殊能力/月光招来。PC側全員に15魔法ダメージ。
 *カーモネーギー《ないことに》詠唱。守護獣・文曲の《月光招来》を無効化
 *ニンツ《L2これでもくらえ!》の呪文石を使用。貪狼に40魔法ダメージ!(貪狼・無力化)

「いよぉし!」
「でも兄貴……魔術の残りが、もう……」
 喝采を上げるニンツと対照的に、カーモネーギーが不安そうな顔で呟いた。

5ラウンド:PC【180】 VS 敵【211】 /PC側に31ダメージ!(マロウズ39、ヘルト33、ニンツ28、カーモネーギー34、女剣士ゲルダ38)

 *守護獣・廉貞 特殊能力/炎の息。PC側全員に15魔法ダメージ

「くっそ、炎には炎……やるぞヘルト!」
「ああ」
 マロウズが目の前の守護獣と切り結びながら、ちらりと横目を送った。
「ゲルダ、時間を稼いでくれ」
「……承知」
 ゲルダは一歩前に踏み出すと懐から、信じられないほど邪悪な形をした投げナイフを取り出した。
 大きく振りかぶって勢いをつけ、水平に投げつけると、多方向に刃の伸びたナイフはグルグルと回転しながら飛翔し、守護獣たちを次々に切り裂いた。
 その隙に左右に分かれたヘルトとニンツは魔法語を詠唱した。
「原祖たる太陽の灼熱を用いて、我が敵を打ち倒す焔よ来たれ……」
 二人は襲い来る守護獣の鉤爪を、詠唱を途絶えさせず身をかわす。
「「《炎の嵐》!」」
 *ヘルト、ニンツ《炎の嵐》詠唱。敵全体に20魔法ダメージ*2
 *守護獣・武曲 特殊能力/氷の息。《炎の嵐》を1つ無効化

6ラウンド:PC【147】 VS 敵【156】 /PC側に9ダメージ!(マロウズ24、ヘルト18、ニンツ13、カーモネーギー19、女剣士ゲルダ23)

 *守護獣・破軍 特殊能力/陽光招来。PC側全員に15魔法ダメージ。
 *ヘルト《ないことに》の呪文石を使用。守護獣・破軍の《陽光招来》を無効化
 *ニンツ、奇跡的な回復薬を使用。10回復。
 *カーモネーギー、ゲルダ、神の如き回復薬を使用。30回復。
 *マロウズ、エルブンダガーを使用。銀狼化→MR+20

7ラウンド:PC【210】 VS 敵【142】 /敵側に68ダメージ!(紫微0、貪狼0、巨門10、禄存10、文曲10、廉貞10、武曲10、破軍11)
8ラウンド:PC【186】 VS 敵【121】 /敵側に65ダメージ!(紫微0、貪狼0、巨門4、禄存4、文曲4、廉貞4、武曲4、破軍6)
9ラウンド:PC【189】 VS 敵【109】 /敵側に80ダメージ!(敵無力化)

《汝らに、資格あり》

戦闘終了:マロウズMR33/40防5、ヘルトMR18/40防5、ニンツMR23/35防5、カーモネーギーMR35/35防10、女剣士ゲルダMR53/60防5)

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 守護獣たちが動きを止めると、満身創痍の一行は祭壇の聖櫃に近づいた。
 ニンツが無造作に聖櫃の蓋を開けると、中には小ぶりな勾玉が安置されていた。
 取り出された勾玉は神秘的な深い緑色を湛えており、見つめているだけで自然に背筋が伸び、身の引き締まるような感覚があった。
 勾玉の表面には、上位エルフ語でこう刻まれていた。

イ・オツ・ミスマル
《神の印が私を守護する》


「遅すぎる……」
 霊廟の前でギルサリオン隊長以下、森林警備隊の一団を待つマロウズの声には困惑が含まれていた。
 森には日暮れが近づいていた。
 空には暗雲が立ちこめ始め、遠くでごろごろと雷の音が耳に響いた。
「何やってやがるんだ、隊長のやつ」
 応急処置をした怪我の具合を確かめながら、石段に腰を下ろしたニンツが苛立たしげに口にした。

 やがて雨が降り出した。
 一行は無言で雨音を聞きながら、森を眺め続けていた。
 ふとカーモネーギーがなにかを目にし、立ち上がった。四人も遅れて視線を走らせる。
 雨の中、森の奥から足を引きずりながら、ギルサリオンが姿を現した。
 折れた左手が力なくだらりとぶら下がっていた。
「無様なところを見せたな」
「お前一人だけか? ほかの奴らは」
「森林警備隊は全滅だ……貴様らはうまくやったようだな」
 ギルサリオンは額に流れる血の混じった雨水を拭いもせず、右手に握りしめた一本の杖を一行に差し出した。
 その杖は、見た目の簡素さとは裏腹に神威に満ち、全身から不思議に芽が吹き、生命の輝きを湛えている。
「《杖》と……《鏡》、お前たちに託す。私も必ず後から……」
 そう言い残すと、ギルサリオンは糸が切れた人形のようにぐらりと身体を傾けると、雨の中に倒れ伏した。


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
"片耳の"マロウズ →戦闘後の探索で《そこにあり》を詠唱。隠された財宝を発見。
カーモネーギー →神の如き回復薬を使用した。戦闘後の探索で《そこにあり》を詠唱。隠された財宝を発見。
ヘルト →《ないことに》の呪文石を使用した。戦闘後の探索で《そこにあり》を詠唱。隠された財宝を発見。
偵察兵のニンツ →奇跡的な回復薬を使用した。戦闘後の探索で《そこにあり》を詠唱。隠された財宝を発見。

■隠された財宝(副葬品)
全員、下記から好きなものを1つ選択して下さい。
それぞれ1つしか無いため先着順。

・七星剣(MR+20)
・クリス・アカラベス(MR+10/魔法防御+10)
・星のメダリオン(流星招来・敵単体に魔法ダメージ30/1事件に1回使用可能)
・神像を模した人形(MR40守護獣召喚/1事件に1回使用可能)

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■事件C:7人出撃
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
第四階層は古典的とも言える石造りの迷宮になっているようだ。
幻術によるものか不可思議な現象も起こっている。一層の注意をして探索に望むように。
もし具体的に調査したい部屋などがあれば申告せよ。
(下記より方針を選択して下さい)
・新しいエリアへ進むことを重視
・未探索の扉や通路を埋めていくことを重視
・各部屋の中を丁寧に調査することを重視
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP2.png

攻略済み
【#6】町の幻影
【#1】レッドドラゴンの幻影
【#9】酒場の幻影
【#13】バラクたちの幻影
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

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【隊列】
前衛:ソーグ、ヤスヒロン、へーざぶろー
中衛:万太郎、ケン、シャオリン
後衛:ヴェルサリウス、ハンタードール、バードドール

【進路】
第四階層到着→北2→西4→南2→東2→南2
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「ここに来るのも三度目か……」
 第四階層の迷宮の石壁に、万太郎の呟き声が虚ろに響き渡った。遅々として進まぬ探索を前に、一行も無言でその意に同じた。
「で、隊長。今度はどこから行くよ?」
 左右の通路を見回しながら、ソーグが問いかけた。
「遅参の借りは働きで返させてもらうさ」
 出発ギリギリで追いかけてきた事をしきりに詫びつつ、ソーグは照れたように頬をかいた。
「そうだな……【#9】の、例の酒場の幻影の部屋から別の扉に行こうか」
「了解」
 前回の探索から新たに何か仕掛けられた痕跡がないか手早く目を走らせたあと、ソーグはそっと扉を開けた。

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Room #6:
・東西4ブロック*南北3ブロック
・扉(北・南・東・西)
・古ぼけた家具

【進路】
扉(南)→東2→南4→扉

Room #9:
・東西5ブロック*南北5ブロック
・扉(北・南*2・東・西)
・カウンター、テーブル、椅子、水飲み場、戸棚、汚い毛皮、汚物の入ったバケツ、廃棄された武器
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「まだ行ってないのは、西と南西と北か……」
「いや、北はさっきの【#6】につながってるだけだ。こないだクリスティと調べておいた」
「ほう、手回しが良いではないか」
 へーざぶろーの発言にヴェルサリウスが満足げに頷いた。
 一行は、西と南西のどちらに向かうか軽く話し合い、結局、南西の扉を選ぶことにした。西は以前、ウルクの武装兵が大挙として突入してきたイメージが強く、幻影とわかってもあまり気分のいいものではない。
 
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【進路】
扉(南西)→南2
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「ん……?」
 T字路にぶつかり、前衛のヤスヒロンが左右を確認すると奇妙な声を上げた。
「どうした」
「いや、たぶんその扉は【#13】のだな」
 ヤスヒロンは左手に少し進んだ先に見える、金属板のはめ込まれた重々しい鉄扉を指差した。
「へえ、よくわかるな」
「あの電撃の痛みは忘れん」
 ヤスヒロンはまだ痺れが残っているかのように右腕をさすった。

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【進路】
西2→北2→西2→南2→扉
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 2ブロック進むごとに右へ、左へ、また左へ……。
 一行の前に、また扉が現れた。通路はまだ西へと続いている。
 ソーグはチラリと振り返り、同意を確認すると扉を調べ始めた。

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・扉
 調査(ソーグ)→罠も鍵もかかっていない→開く

Room #11:
・東西2ブロック*南北3ブロック
・扉(北・東・西)
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 木製の簡素な作りの扉をそっと押し開けると、そこは狭い小部屋だった。左右に扉が見えるが、それ以外特に目立ったものも無い。
「これくらい小さいとアタシには丁度いいサイズなんだけどナァ」
 シャオリンが新人のナカダンジョウ・ケンに話しかける。東洋風の装束を身に纏ったこの男は、万太郎やシャオリンと同じようにソナン・イエからやって来たのかと思われたが、よくよく話を聞くとどうやらニホンという国から不思議な門をくぐり抜けて、この世界に迷い込んできたらしい。
「押忍! 先輩にはお似合いであります!」
「アリガト」
 ソーグは二つの扉に目を走らせると、まず東側の扉を調べ始めた。
「やれやれ、盗賊が俺しかいないってのは参ったね……」
 イェスタフはカンダック師からの呼び出しでスラムグリオン魔法学校へ向かっている。前回活躍してくれた女盗賊クリスティも今回は雇う資金がなく、金の切れ目が縁の切れ目と離れていった。

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・扉(東)
 調査(ソーグ)→罠も鍵もかかっていない

・扉(西)
 調査(ソーグ)→罠も鍵もかかっていない
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「めずらしいな。入口はおろか、どの扉にも何の仕掛けもないなんて、この階層では初めてだ」
「そういう時こそ注意が必要だと思うがね」
 ヴェルサリウスが古代帝国の宝珠を掲げた。魔術的な光が古ぼけた石壁をまばゆく照らす。しかし光が収まったとき、隠されたものを示す紫の発光はどこにも無かった。
「ふむ。こういうこともある、か。」
 ヴェルサリウスが呟き、宝珠を懐にしまった。
 もう安心と判断し、へーざぶろーが東の扉を押し開ける。
「長い通路が続いているぞ」
「こっちはすぐに別の扉だヨ」
 シャオリンが西の扉を引き開けながら報告した。
「手近な方は後に回そう」
 万太郎が決断し、ソーグが東の奥の扉へ先行した。

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【進路】
扉(東)→東3
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 まっすぐな通路をしばらく進むと、奥にまた扉が見えた。ヤスヒロンは歩きながらなにか違和感を覚えた。足下の感覚が妙におかしい。しかし、何だ……?
「あ、わっ」
 シャオリンが急に転んで尻餅をついた。万太郎が苦笑しながら手を差し出す。シャオリンが床に着いていた手を伸ばしたが、その手がぬるりと滑った。
「な、なんだ?」
「後ろ!」
 ヴェルサリウスが警告の声を上げた。入ってきた扉の方角を振り返ると、気づかぬうちに廊下の床の角度が斜めに持ち上がっており、一行はやや下に向かって進んでいる格好だった。違和感の正体に気づいたヤスヒロンは舌打ちをした。
 そして更に悪いことに、側壁から大量の油が噴出し激しく流れ始めた。
「うわぁぁぁぁあああ」
 一行は有り得ない速度で東へ向かって廊下を滑り続けた。

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【進路】
(強制移動)東2→扉(激突) *全員MR-5
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 激しい音を立てて数人が扉に激突すると、扉は内へ開いた。全員が団子状態にもつれ合いながら、部屋の中央までゴロゴロと転がり込んで、金属製の檻に身体をぶつけてようやく勢いが止まった。
 油の濁流はご丁寧に扉の足下の排水溝に吸い込まれていく仕掛けになっていた。
「ここは……?」
 頭を振りながら万太郎が周囲を見回した。見覚えのある檻がいくつも目に入った。そこは前回の探索でやってきた【#13】の部屋であった。

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Room #13:
・東西3ブロック*南北5ブロック
・扉(北・東・西*2)
・一部崩落した天井、猛獣用の檻、樽、コート掛け、鉄の棒
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 一行は油でヌルヌルになった身体を引きずって、北の扉から出て元の部屋を目指した。不快な匂いを身に纏いながら、先ほどと同じ道を辿る。

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【進路】
扉(北)→西5→北2→西2→南2→扉

Room #11

【進路】
扉(西)→西1→扉

・扉
 調査(ソーグ)→罠も鍵もかかっていないが歪んで開かない。
 蹴破る(へーざぶろー)→開かない
 蹴破る(へーざぶろー)→開かない
 蹴破る(へーざぶろー&ケン&ヤスヒロン)→開かない
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「チェストー! セイッセイッセーイッ!」
 ケンが習い覚えた武術の型で、扉を連続で蹴りまくった。しかし扉はビクともしない。
「だめだな、こりゃ。別なところへ回るか」
 へーざぶろーがあきらめ顔で振り返った。同意の旨を返そうとした万太郎の耳に、ゴゴゴと重い石が擦れるような音が響いた。
「ん……なんだ」
 周囲に目をやると、両側の壁に小穴が開き、液体が噴出するところであった。
「またかよぉぉぉぉぉおおお」
 全員が叫ぶと同時に、床が斜めに持ち上がった。

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【進路】
(強制移動)東1→扉(激突)→東2→扉(激突)→東5→扉(激突) *全員MR-5
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 扉に激突しつつ【#11】の部屋を通過し、長い廊下に何度も身体をぶつけながら、全員そのまま【#13】の部屋まで転がり込んだ。
 一行は悪態をつきながら身体を起こし、気を取り直すと、痛む身体をさすりながら三度目となる道を辿った。
 【#11】の扉を越えた先に、もう一つ南向きの扉が見えたのをソーグが指摘したからだ。構造上はさっき開かなかった【#11】から続く通路がここに繋がっていていいはずだった。

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【進路】
扉(北)→西5→北2→西2→南2→扉(無視)→西3→扉

・扉
 調査(ソーグ)→罠発見!(ギロチン扉)→罠解除(ソーグ)→解除失敗!
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「罠はあるが、古典的なやつだ。扉を開けた拍子に、扉の脇柱に沿って巨大なギロチンの刃が落下してくるって仕掛けさ」
「ふぅむ。わかっていれば避けられなくはなかろうが……」
「すまんが俺の腕じゃ無効化は出来なかった」
 ヴェルサリウスとソーグが並んで思案する。
「アタシが開けて、すぐピューンって逃げようか」
「いやそりゃ無理だろ」
 シャオリンの提案をへーざぶろーが一蹴した。
「小鬼に開けさせよう」
 ヤスヒロンが一歩進み出た。兜のスリットから細めた目で扉を睨みつけ、甲高い音で下手くそな口笛を吹く。一行はあっけに取られた様子で見守った。
 やがて通路にくすぶった煙があがり、小さなコウモリの羽が生えた1匹の小鬼が躍り出た。
「ハイなハイな。呼びましたかダンナ〜」
「この扉の罠を解除してくれ」
 ヤスヒロンはむすっとした様子で扉を指し示した。
「こんなもん、ワイに任せてもろたら、ちょちょいのちょいや!」
 小鬼は扉を眺めると、なにやら気難しげな表情をすると、聞いたことのない言葉でなにかを唱えた。扉が不思議な光に包まれる。
「ほうら、終わりましたでえ」
 小鬼は無造作に扉を引き開けると、恐ろしげなギロチンの刃が落ちてこないのを証明するように、何度も出入りした。そして得意げな様子でヤスヒロンを振り返った。
「また口笛吹いてくれはったら、いつでも駆けつけまっせ〜」
 ケケケと笑い声を残しながら小鬼は姿を消した。ヤスヒロンはふうとため息をついた。
 一行は動きを止めているギロチンを横目に、恐る恐る扉をくぐった。

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Room #10:
・東西4ブロック*南北4ブロック
・扉(北・南*2・東*2)
・トゲだらけの大穴
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「な、なんだこいつぁ」
 へーざぶろーは部屋をのぞき込んで唖然とした表情で呟いた。
 部屋の中央にはびっしりとスパイクが敷き詰められた穴が大きく口を開けており、その縁の部分をぐるりと取り巻くように、回廊状に床が配置されている。
 南と東に2つずつ扉が見えた。おそらく東のどちらかが、【#11】へ続く通路のはずだ。
「慎重に進む必要があるな。右回りか、左回りか……」
 ヴェルサリウスが思案げな様子で口にした。
 2人並べばぎりぎりという通路幅で、足を踏み外せば串刺しは必至である。一行はおっかなびっくり右回りに歩を進めた。最初の扉に辿り着き、ソーグが手早く調査した。
「間違いない。これはさっきの扉だ」
「開けるなよ。もう油まみれになるのはごめんだ」
 万太郎が苦笑しながら答えた。へーざぶろーもそれを笑いながら、先の扉へ向かった。
 その瞬間、へーざぶろーの姿が消えた。
「!?」
「待て。進むな」
 ヴェルサリウスの制止を受けて、万太郎が急いで懐から《そこにあり》の呪文石を掴み出した。魔術の光とともに辺りの光景がぐにゃりと歪み、一変する。
 中央の大穴はどこにも無く平らな床が広がり、変わりに目の前に奈落が口を開けていた。慌てて覗き込むと全身を強く打ったへーざぶろーが倒れ込んでいた。
 ソーグはロープをヤスヒロンとケンに握らせると急いで奈落の底に降り立ち、へーざぶろーの具合を確かめた。命に別状はないが重傷だ。
「そっと引き上げてくれ。そっとだ」
 床に寝かされたへーざぶろーは低いうめき声を上げた。
「誰か薬を持っていないか」
 何人かが懐に手をやった。しかしヤスヒロンがそれを制して前に出た。
「先日手に入れたものだが……」
 ヤスヒロンのごつい手に、古めかしい指輪がはめられている。
「ザルダック商店の鑑定士の言うことには、回復の力があるらしいんで」
 そう言いながら、手のひらをへーざぶろーの身体にかざす。柔らかな光がヤスヒロンの手から放たれた。
 へーざぶろーの荒い呼吸が徐々に整ってゆく。
「ディニエルが……妹が昔、怪我したときにはこうして治してくれたな。まぁ兄さん、気の毒に、って」
 ヤスヒロンは遠い目をして呟いた。

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・扉(東南)
 調査(ソーグ)→罠はかかっていない
 鍵開け(ソーグ)→鍵開け成功!

・扉(南東)
 調査(シャオリン)→失敗
 《そこにあり》の呪文石(シャオリン)→罠はかかっていない
 鍵開け(シャオリン)→鍵開け失敗
 蹴破る(シャオリン)→開かない
 蹴破る(シャオリン&ヤスヒロン)→成功

・扉(南西)
 調査(へーざぶろー)→失敗
 《そこにあり》(へーざぶろー)→罠はかかっていない
 鍵開け(へーざぶろー)→鍵開け失敗
 蹴破る(へーざぶろー)→成功

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「こっちとこっちは繋がってるヨ!」
「先輩がた、こちらの通路が先に通じているようです!」
「ようし、どんどん行くぜ!」
「いやお前ら……もうちょっと、その、慎重にやれよ」
 力ずくで突き進む前衛たちに、ソーグは呆れたように天を仰いだ。とは言え、ここが生き物の住処では無いだけまだマシではあった。
 しばしの力任せの探索の成果で、結局のところ【#10】から伸びる通路はどれも【#13】の部屋に繋がっていることがわかった。
 引き時を感じてはいたが、まだ何の収穫もないのは後ろ髪を引かれるところであった。せめて、何かひとつふたつは見つけて帰りたい。
 一行は【#10】の部屋の北扉から出て、さらに探索を継続することにした。

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【進路】
西1→北2→東2→北2→T字路→西2→扉

・扉
 調査(ソーグ)→罠はかかっていない
 鍵開け(ソーグ)→鍵開け成功!

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 踏み込んだ部屋は、薄暗く先が見通せない様子だったが、中央にぼんやりとランタンの灯りでテーブルが照らされていた。
 数人の人影が椅子に座ってなにやら話し込んでいるように見えた。
 ソーグは小さく舌打ちし、誰も聞こえないように呟いた。
「気に入らねぇ……」
 警戒しながらテーブルに近づく一行に、目つきの悪い細身の男が振り返ると、わざとらしい大袈裟な身振りで制止した。
「シーッ、悪いな客人。今はデカい賭けの最中なんだ。遊びたけりゃ、順番を待つんだな」
 テーブルでは神経質な顔つきの男が手元のカードをじっと眺めていた。よく見ると手先が震え、唇は青ざめている。かたや周りの観客はにやにやしながらそれを見つめている。
「なんだ……賭博場……?」
 万太郎が不信感もあらわに呟いた。
「馬鹿な。こんな所にある訳が無い。およそこれも……」
 ヴェルサリウスが小声で返した。
「気に入らねぇな」
 強い口調に視線が集まった。
「これは俺の記憶だ」
 ソーグが吐き捨てるように口にした。
「ここは俺の故郷ガル市で、今は5年前。この後の筋書きはこうさ。幼なじみがイカサマ賭博で負けて吊るされる。あの時、俺は後ろで見ているだけで何もできなかった。……だがな。この後悔も、友との思い出も、すべて俺のものだ。参の騎士、お前になど渡さん」
 ソーグは懐から出した棒手裏剣をカードを手にした賭博師の喉元に投げつけた。
「お前のやり口は汚すぎるんだよ!」

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【戦闘】
PC:へーざぶろーMR40/50防5、ソーグMR35/45防5、ヤスヒロンMR35/45防10、シャオリンMR35/45防5魔防5、ヴェルサリウス27世MR20/30防10魔防5、無敵の万太郎MR15/25防5、ナカダンジョウ・ケンMR10/20、バードドールMR20/30、ハンタードールMR25/35
敵:盗賊風の男MR40防3*5

 *盗賊風の男ABCDE《いだてん》詠唱。2回行動。
 *先制射撃:ハンタードール【28】/盗賊風の男Aに28ダメージ!(盗賊風の男A17)

1ラウンド:PC【265】 VS 敵【344】 /PC側に79ダメージ!(へーざぶろー36、ソーグ31、ヤスヒロン35、シャオリン31、ヴェルサリウス20、万太郎11、ケン2、バードドール12、ハンタードール16)

「くそっ、早いな」
「こっちも呪文で対抗しよう」
 万太郎とソーグが頷き合う。
「ケン、無理するな。いったん下がれ」
「お、押忍!」
 ヴェルサリウスの声かけに応じ、トンファーで身を守りながら、ケンは2体のドールの背後に身を隠す。
「こっちはアタシが。アンタは向こうヨ」
「任せておけ」
 シャオリンとヤスヒロンが二手に分かれる。
「こちとら辛気くさい罠ばかりでイライラしてたんだ。暴れさせてもらうぜえ」
 へーざぶろーがトゲ棍棒を両手に構え突進していく。

 *万太郎、古代帝国の指輪を使用。《凶眼》発動! 攻撃力*3
 *ソーグ《いだてん》詠唱。2回行動。
 *へーざぶろー、シャオリン《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

2ラウンド:PC【366】 VS 敵【339】 /敵側に27ダメージ!(盗賊風の男A14、B37、C38、D38、E38)

 万太郎は意を決して、前回の探索で手に入れた薬を飲み干した。刹那、全身に力が満ちあふれ、筋肉がもりもりと音を立てて膨れ上がった。
「天と地と人の名において、我が怨敵の急所を見通す禍々しき眼を我に与えよ……《凶眼》!」
「燃えろぉ!!」

 *万太郎、?くすりびん使用。力の薬=MR+10
 *ソーグ《凶眼》詠唱。攻撃力*3
 *シャオリン、炎のガントレットを使用。《炎の嵐》発動! 敵全員に20魔法ダメージ!

「ええい。犬だ、犬を放て!」
 *増援:ハウンドMR30*4
「おせえよ」

3ラウンド:PC【398】 VS 敵【302】 /敵側に96ダメージ!(盗賊風の男A0、B8、C9、D9、E9、ハウンドA18、B18、C18、D18)

 *ヤスヒロン、古代帝国の杖を使用。《炎の嵐》発動! ハウンドたちに20魔法ダメージ!(ハウンド全滅)

4ラウンド:PC【261】 VS 敵【88】 /敵側に173ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:へーざぶろーMR36/50防5、ソーグMR31/45防5、ヤスヒロンMR35/45防10、シャオリンMR31/45防5魔防5、ヴェルサリウス27世MR20/30防10魔防5、無敵の万太郎MR21/35防5、ナカダンジョウ・ケンMR2/20、バードドールMR12/30、ハンタードールMR16/35
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 幻影が消え失せ、がらんとした部屋を見つめながら、ソーグは傍らのドワーフの若者に声をかけた。
「前にも言ったろ、ヤスヒロン。参の騎士は卑劣な奴だ。二人で必ずこの貸しは取り立てるぞ」
「は、はいっ」

 部屋には幾ばくかの財宝が見つかった。ここらが潮時と判断し、一行は帰還を決める。
 全員が扉を出た後、ソーグはふと立ち止まり振り返った。先程までの喧騒が嘘のように静まり返っている。
「悪いな……まだそっちには行けないんだ」

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Room #8:
・東西2ブロック*南北4ブロック
・扉(北・南・東・西)
・獣の剥製、角笛、風景画、古ぼけた棚
・隠された財宝(金貨100枚、銀貨2150枚(金貨215枚相当))
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∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
ヴェルサリウス27世
シャオリン
ソーグ
ナカダンジョウ・ケン
へーざぶろー
ヤスヒロン →戦闘後《そこにあり》の呪文石を使用し、隠された財宝を発見。
無敵の万太郎 →《そこにあり》の呪文石、力の薬を使用した。

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP3.png

攻略済み
【#6】町の幻影
【#1】レッドドラゴンの幻影
【#9】酒場の幻影
【#13】バラクたちの幻影
【#11】何もない小部屋
【#10】トゲの大穴の幻影
【#8】賭博場の幻影


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☆ランキング
*今回参考に、事件Aに参加したメンバーの持参した書籍と価格も掲載しておきます。

1位:
"片耳の"マロウズ/MR45防5
 +金貨80枚、選択した財宝
→(所持品:金貨85枚。黒き短剣、エルブンダガーMR+10(使用すると銀狼化MR+20/1事件に1回使用可能)、高品質な武器+2【チェーン・ソード】、高品質な防具【レザージャケット】、《ないことに》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《死の刃》《そこにあり》《いだてん》)
・雇い人(ゾルの女剣士ゲルダL2) 金貨60枚 MR60防5/1事件限り

2位:
カーモネーギー/MR35防10
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨115枚。高品質な武器+2【魔弓・イチイバル】、高品質な防具【革鎧】、高品質な防具【籠手に付けれる小型盾】、《開け》の呪文石、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《わたしを守って、あなたを守って》)

ヘルト/MR45防5
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨60枚。高品質な武器+2【マクアウィトル】&高品質な武器【カッツバルゲル】、(予備)高品質な武器【シュヴァイツァー・サーベル】、高品質な防具【メイル・アーマー】、保存食*1、《開け》の呪文石、《厄払い》の呪文石、呪文:《死の刃》《そこにあり》《ないことに》《炎の嵐》)

偵察兵のニンツ/MR40防5
 +金貨50枚、選択した財宝
→(所持品:金貨55枚。高品質な武器【良い短剣】&【鋭い短剣】、高品質な防具【硬い皮鎧】、《L2これでもくらえ!》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、呪文:《これでもくらえ!》《そこにあり》《ないことに》《炎の嵐》)

5位:
アンドレア/MR80防5+++
 +金貨35枚、選択した財宝、写本(内容は魔導書以外であれば自由に設定可能)、ダルゴンの巻物(呪文1つ選択/1回限り使用可能)
→(所持品:金貨35枚。黒き剣、ファイアブランドMR+15(《炎の嵐》を発動/1事件に1回使用可能)、高品質な武器【鞭】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、モンゴーのしるし、呪文:《これでもくらえ!》《いだてん》)
・書物(金貨10枚)内容は近代の天文学に関する学術書
・書物(金貨20枚)写本用の空白の本とペン、インク
・書物(金貨10枚)同じく空白の巻物

6位:
エミリア/MR30防5
 +金貨40枚、選択した財宝
→(所持品:金貨105枚。ベアクロー、高品質な防具【ブレストプレート】、《開け》の呪文石*2、《そこにあり》の呪文石*4、《ないことに》の呪文石*7、奇跡的な回復薬*2、竜の牙、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能))
・書物(金貨30枚)1冊(しっかりした作りの日記帳)

デュラル・アフサラール/MR40防5+
 +金貨40枚、選択した財宝
→(所持品:金貨60枚。高品質な武器【弓】、灰色熊の毛皮、奇跡的な回復薬*2、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《ないことに》の呪文石、屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)、呪文:《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》)
・書物(金貨40枚)「グリムトゥースのトラップブック」

8位:
サマ/MR20防5
 +金貨35枚、選択した財宝
→(所持品:金貨40枚。高品質な防具【スケイル・アーマー】、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《これでもくらえ!》《そこにあり》《耐えよ》《イーゼルヴァンの黒き夢》)
・書物(金貨50枚)魔術師ダルゴンの人物像・業績に関する論文

9位:
クリフ/MR55防5魔防5++
 +金貨30枚、選択した財宝
→(所持品:金貨35枚。高品質な武器+2【斧】、高品質な防具 【???】、魔封じの首飾り(魔防+5)、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬、竜の牙、呪文:《イーゼルヴァンの黒き手》)
・書物(金貨35枚)ヘローム王国時代以降の歴史書

スパイデイ/MR40防5+
 +金貨30枚、選択した財宝
→(所持品:金貨45枚。高品質な武器【細身の剣(レイピア)】、高品質な防具 【鋼の鎧、楯セット】、《そこにあり》の呪文石、奇跡的な回復薬、スパイダーベノム1瓶、呪文:《いだてん》)
・書物(金貨10枚)「岩悪魔の恩返し」

ポル・ポタリア/MR30防5
 +金貨30枚、選択した財宝
→(所持品:金貨45枚。高品質な武器【鞭】、高品質な防具【飛来物除けの護符を織り込んだジャケット(緑色)と足になじむ靴】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、奇跡的な回復薬*3、スパイダー・ベノム1瓶、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《メメコレオウスの黒き礫》)
・書物(金貨5枚)「ハッピー教聖典」:ねずみ講なエセ宗教の本
・書物(金貨5枚)「素敵な(犯罪)結社の作り方」:仲間集めから運営、「こうしたら捕まるよ!」が詰まった一品
・書物(金貨5枚)「詐欺師になるには」:なるにはブックス幻の一冊
・書物(金貨5枚)「怖いお義父さんのいなし方」:拳士ワカ=シマヅの娘ノリコとのラブロマンス?
・書物(金貨100枚)「自費出版の本」:ポル・ポタリアの生涯。皮装丁で内容はポルのグラビアと名(迷)言集

メックリンガー老/MR30防5
 +金貨30枚、選択した財宝
→(所持品:金貨30枚。高品質な武器【槍】、いにしえの胸当て、《そこにあり》の呪文石、奇跡的な回復薬、ボンバの実、呪文:《ないことに》)
・書物(金貨85枚)『ウス=異本:桃源エルフ村妖精狩り・異聞』

13位:
ヴェルサリウス27世/MR30防10魔防5+
 +金貨45枚
→(所持品:金貨85枚。高品質な武器【超小型単弓】、高品質な防具【キルテッド・シルク】、?たて=紋章の盾(魔法を跳ね返す/1事件に1回使用可能)、古代帝国の首飾り、古代帝国の宝珠(《開け》《そこにあり》《ないことに》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、《小鬼の口笛》の呪文石、幸福の黄色い耳栓、呪文:《イーゼルヴァンの黒き夢》、ハンタードール(MR35、先制攻撃可能))

シャオリン/MR45防5魔防5
 +金貨45枚
→(所持品:金貨165枚。高品質な武器+2【ヒョウ】、高品質な武器【鉄扇】、高品質な防具 【火鼠の皮衣】、カザン帝国勲章、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《大まぬけ》の呪文石、《粉みじん》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、炎のガントレット(《炎の嵐》《炎の壁》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、木製自作ドール「睡蓮」、呪文:《死の刃》《ないことに》《炎の嵐》)

ソーグ/MR45防5+
 +金貨45枚
→(所持品:金貨170枚。高品質な武器+2【グレートソード】、高品質な防具【レザーアーマー】、奇跡的な回復薬、《ないことに》の呪文石、棒手裏剣(狙撃)、呪文:《ないことに》《いだてん》《凶眼》)

ナカダンジョウ・ケン/MR20
 +金貨45枚
→(所持品:金貨45枚)

へーざぶろー/MR50防5
 +金貨45枚
→(所持品:金貨120枚、高品質な武器+2【トゲこん棒】&【トゲこん棒】、高品質な防具【レザーアーマー】、呪文:《死の刃》《そこにあり》《炎の嵐》《メメコレオウスの黒き礫》)

ヤスヒロン/MR45防10
 +金貨45枚
→(所持品:金貨125枚。高品質な武器+2【鍛冶師の弟子考案、自作の:飛び出せ!くん【モーニングスター】壱号くん+2】、高品質な武器防具【バイキングスパイクシールド】、高品質な武器【ヘヴィーメイス】、高品質な防具【首、腕など急所を部分的に鉄板で覆った鎖帷子】、古代帝国の杖(《L3これでもくらえ!》《炎の嵐》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)?ゆびわ=回復の指輪(ダメージ10点回復/1事件に1回使用可能)、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石*2、奇跡的な回復薬、ボンバの実、呪文:《小鬼の口笛》)

無敵の万太郎/MR25防5
 +金貨45枚
→(所持品:金貨120枚。高品質な武器+2【ソナン・イエの槍】、高品質な防具【アーミング・ダブレット】、古代帝国の指輪(《凶眼》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、《そこにあり》の呪文石*4、《大まぬけ》の呪文石、《小鬼の口笛》の呪文石、黒豹の彫像(異界獣召喚/1事件に1回使用可能)、奇跡的な回復薬、バードドール(MR30、飛行可能))

■砦にて待機(今回投稿無し)
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート/MR50防5
→(所持品:金貨110枚。黒き大斧、高品質な武器【バスタードソード】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬*1、身代わりの依り代、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《メメコレオウスの黒き礫》)

ゲディス/MR20 →(所持品:金貨35枚)
イールギット/MR30 →(所持品:金貨40枚。いにしえの短剣)
アクロス/MR20 →(所持品:金貨50枚)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
☆ザルダック商店
金貨を入手している場合、買い物をしても構わない。自由筆記欄に記載すること。
商品は変わる場合があるので、次回以降に残しておくこともできる。

<商品リスト>
・高品質な武器+2 金貨60枚 MR+15/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい(高品質な武器から買い替える場合、古い武器は金貨10枚で引き取ってくれる)
・高品質な武器 金貨30枚 MR+10/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい
・高品質な防具 金貨30枚 防御点+5/好きな防具タイプを自由筆記に記載下さい
・奇跡的な回復薬 金貨10枚 ダメージ10点回復/1回限り
・神の如き回復薬 金貨25枚 ダメージ30点回復/1回限り
・《L2これでもくらえ!》の呪文石 金貨20枚 魔法ダメージ40点/1回限り
・《L3これでもくらえ!》の呪文石 金貨40枚 魔法ダメージ60点/1回限り
・《死の刃》の呪文石 金貨15枚 1ターンのみダメージ2倍/1回限り
・《開け》の呪文石 金貨10枚 鍵開け/1回限り
・《そこにあり》の呪文石 金貨10枚 隠されたものを感知する/1回限り
・《ないことに》の呪文石 金貨20枚 魔術を1度だけ無効化する/1回限り
・《いだてん》の呪文石 金貨40枚 3ターンの間2回行動が可能/1回限り
・《凶眼》の呪文石 金貨40枚 1ターンのみダメージ3倍/1回限り
・《炎の嵐》の呪文石 金貨40枚 敵全体に魔法ダメージ20点/1回限り
・《耐えよ》の呪文石 金貨40枚 5ターンのあいだ防御点2倍/1回限り
・《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石 金貨40枚 2ターンのあいだ1名に魔法防御15点/1回限り
・雇い人(戦士L2) 金貨60枚 MR60防5/1事件限り
・雇い人(戦士L3) 金貨100枚 MR85防10/1事件限り
・雇い人(盗賊L2) 金貨60枚 MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り
・雇い人(盗賊L3) 金貨100枚 MR55防2・《死の刃》《開け》《そこにあり》《いだてん》《耐えよ》/1事件限り
・雇い人(魔術師L2) 金貨60枚 MR25・《L2これでもくらえ!》《ないことに》《凶眼》/1事件限り
・雇い人(魔術師L3) 金貨100枚 MR35・《L3これでもくらえ!》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》/1事件限り

☆訓練場
金貨を使用して、ガガック兵長に特別訓練をつけてもらえる。自由筆記欄に記入すること。
支払い可能であれば複数回選択しても構わない。
なお魔術訓練で覚えるのはあくまで呪文そのものであり、高レベルで呪文をかける事は魔術師のみができる特技のため、PCにはできない。

・戦闘訓練:金貨100枚/基本MR+10
・魔術訓練1:金貨50枚/(これでもくらえ、死の刃、開け、そこにあり、ないことに)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)
・魔術訓練2:金貨80枚/(いだてん、凶眼、炎の嵐、耐えよ、わたしを守ってあなたを守って)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【ルール】
・PCはカザン帝国の辺境開拓軍の戦士です。
・T&Tシステム的にはPCは盗賊にあたり、戦士の特技も魔術師の特技も持ち合わせません。
・毎回、「事件」が更新されます。どの事件を解決に向かうか選択して下さい。
・同じ事件に向かったPCが多ければ、解決しやすいですが報酬も少なくなります。逆に1人だと報酬は総取りですが、失敗の可能性も高くなります。
・トロールワールドは無情です。運が悪ければあっけなく死ぬでしょう。死んだときは死んだときです。新たなPCで1から出直して下さい。
・事件の処理はシンプルにモンスターレートで行います。(PCも一律でMR表記処理)PCの初期戦闘力はMR20(3D6+10)です。
・事件を解決したら、報酬がもらえます。報酬はカザン帝国への貢献度として、順位付けされます。順位によっては特別報酬がもらえることもあるでしょう。
・報酬を使って装備を購入したりすることもできます。商品は毎回変わるので使うか、貯めるかは判断のしどころでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【未解決事件】
A:
自由行動。
これまで手がけてきた事件や出会った人物などで、もし君が気になっている事があるならば、行動を起こしても良い。
何をしたいのか、具体的に申告するように。
脅威予測)?
報酬)?


B:
西方エルフの多大な犠牲を払い、聖遺物《鏡》《玉》《杖》が揃った。
折しも〈竜塚〉の術士アルヴェルディアより、竜の鳴動が激しくなっているとの報告が入っている。
これ以上は如何に西方エルフ最高峰の術士隊カルドゥニアといえども、押さえ切れそうにない。
急ぎ向かわねばなるまい。
なおギルサリオン隊長は意識不明の重体との事。指揮は君たちに任される。
脅威予測)大
報酬)中


C:
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
第四階層の石造りの迷宮の探索も半ばが過ぎた。幻術に注意をして探索に望むように。
もし具体的に調査したい部屋などがあれば申告せよ。
(下記より方針を選択して下さい)
・新しいエリアへ進むことを重視
・未探索の扉や通路を埋めていくことを重視
・各部屋の中を丁寧に調査することを重視
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP3.png


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【作戦会議室・峡谷の山猫亭】

https://www1.x-feeder.info/FTGAME/

出撃前に相談をしたり、雑談や交流ができるチャットルームです。
PC・スマホ・携帯から閲覧/書き込みできますので、ぜひご活用下さい!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【参加方法】

https://jp.surveymonkey.com/r/QYYZPZ8

参加フォームに下記を記入し、送信して下さい。
・キャラクター名
・今回選択する事件
・(任意・自由筆記)事件への対応や購入した商品、キャラ設定(年齢・性別・性格・生い立ち・風貌・特徴・口癖など)
・プレイヤー名・メールアドレス
 *投稿内容の詳細確認などが必要な際にこちらからご連絡をする場合があります。

【参加締切】
配信日の2週間後を締切とします。
締切を過ぎますと次回は「待機」となります。

■今回の締切:9/6(日)24時まで

 *ep.14配信予定:10月中旬〜下旬


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■今日の新聞に対するご感想はコチラ!
ぜひ、お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m

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【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。
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2020年5月31日日曜日

T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.12 No.2685

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T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.12

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from 水波流
月イチペースでお送りする、読者参加企画。
今回は総勢18名のご参加を頂いております。途中参加ももちろん大歓迎!

毎度の長文ですのでパソコンでご覧頂くのを推奨いたします。
もし携帯電話などで受信し、途中で切れたりしている場合は、下記バックナンバー保管庫からご確認をお願いいたします。
https://ftnews-archive.blogspot.com/

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事件の結末

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■事件A:8人出撃
〈大断崖〉風の峡谷に放棄された古城が発見された。
スラムグリオン魔法学校の文献にも記される、へローム王国時代の著名な魔術師ダルゴンの大図書館ではないかと噂されている。
神の如き力を持つと言われた魔術師の1人、ダルゴンの遺した魔導書を手に入れることが出来れば、ひと財産である事は間違いない。
脅威予測)中
報酬)大

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

「図書館といえば美人司書! これはロマンスの気配がしますねぇ。美人在るところに私在り。ロマンスの戦士ポル・ポタリア参上!! ……え? いない時もあった? ハハッナイスジョーク。気づきませんでしたか? 照れて隠れてただけですよ」
 一行はもはやお馴染みとなったポルの軽口を適当に聞きながしながら、峡谷の崖沿いの細い小道を一列になって進んでいた。〈風の峡谷〉の名が示すとおり、強い風が吹き付けており、一行は上着の前をかきあわせてじりじりと歩みを進めていた。
「それにしてもひどい風じゃなあ」
「地元の噂では、この先には昔から強い風が吹き付けてきて進めない場所があるんだとか。ただ、収穫のこの季節だけ風が止む時期があるそうです」
 スパイデイが黒髪を風になびかせながら、確認するように口にした。
「それで今まで発見されずにいたってわけか……」
 赤毛の少女エミリアが風よけのために深く被った外套のフードの奥から、隙のない目付きで呟いた。
「へローム王国時代から今まで、誰にも……か?」
 ドワーフの戦士クリフが異論を挟む。
「もしくは、見つけたと公表したくない何かがあったか……」
 一行は不安を胸に押し黙った。ひとときの沈黙にアンドレアがいつもどおりの穏やかな笑みを浮かべて話題を変えた。
「件の魔術師ダルゴンが活躍したとされるヘローム王国は、偉大なる魔術師カザンが王となり都市カザンと名を変えるまで栄えた王国ですね。およそ700年の歴史があります。ダルゴンはその時代に〈大断崖〉付近で〈四つの闇の道〉と呼ばれる迷宮を作り上げたとか。数多くの遺跡荒らしがその迷宮に挑んだとされますが……正確な記録はなにも残っていませんね」
「なにせダルゴンとやらは神の如き力を持つと言われた魔術師の1人だ。今でもどこかで生きていて、遺跡に群がる俺たちのようなのをあざ笑っていやがるのかもしれんな」
 東洋風の装束の戦士デュラルが皮肉な笑みを浮かべながら風の峡谷を見回した。その様子に誰かがゴクリと息を飲む音が妙に大きく響き渡った。そこへメックリンガー老が不安をかき消すかのように喚き立てた。
「なぁに、齢70を超えてついにワシも魔法使いになったんじゃ。かの城でダルゴンの魔導書とやらが手にはいれば、大魔道士への道すら開かれるに違いないわ! うむうむ」
 自分で口にした言葉に上機嫌となったメックリンガーは、覚えたての魔法語を確かめるようにぶつぶつと呟きながら先陣を切って歩き出した。一行は苦笑しながらその後を追った。


 数刻の後。
 峡谷の切り立った断崖絶壁に沿うように古城がそびえ立っていた。堅牢な石造りで円筒形の塔を持つ、小ぶりだが重厚な外観の城であった。城門へと続く道は依然、崖沿いの細い小道だけである。
「気をつけろ爺さん。踏み外したらあの世行きだぞ」
 エミリアが先頭を歩くメックリンガーに警告の声をかける。
「大丈夫じゃ。風もやんでおる」
「確かに、今のうちって事だな」
 一行は足早に小道を進んだ。最後尾で東洋風の少女シャオリンは目の前を仰ぎ見ながら、手にした小さな木彫りのドールを不安げにぎゅっと握りしめた。
「これが……図書館……?」


《知識を求める者のみ入館を許可する》
 古城の入口たる城門の上に掲げられた金属板には上位エルフ語でそう刻まれていた。
 城門は固く閉ざされていたが、エミリアが手早く機械仕掛けの罠を調べたあと《開け》の呪文石で解錠した。
「準備がいいなら、開けるけど」
 エミリアは背後を振り返るとぶっきらぼうに声をかけた。各々が小さく頷く。
 重い軋んだ音を立てて、城門の扉が開いていった。


「……どういう事じゃい、これは」
 クリフが困惑した様子で一行を顧みた。
 小さな控えの間には場内へ続くであろう扉と、その前にカウンターがあり、壁には《武器の所持を禁ず》《破壊魔術の使用を禁ず》と刻まれた金属板が掲げられていた。
「ふん、こんなもん、なんだというんじゃ」
 メックリンガーが鼻を鳴らしながら槍を片手にドアノブを手にすると、電流が走ったように全身が痺れた。たまらず槍を取り落とす。
「従ったほうが無難でしょうね」
 アンドレアが諦め顔で黒と赤、2本の剣をカウンターに置いた。残りの者もそれに習う。シャオリンがメックリンガーの槍を拾い上げてカウンターに置いた。
 メックリンガーは不満げな顔をしつつ、恐る恐るノブに手を触れた。今度は何事もなく、扉はすっと開いた。


「これは凄いですね……」
「とても1日やそこらでは回りきれんの」
 風通しの良い広間に足を踏み入れた一行は、辺りをぐるりと見回した。
 礼拝堂を模したような流麗な装飾が壁や天井を取り巻き、そこに大型の木製書架が延々と連なっている。辺りは不思議に明るく、魔力を持った淡い明かりが燭台に灯っている。一体いつから照らしているのか……。
 アンドレアは手近な書架から獣皮巻物を手に取ると、開いてさっと目を通して再び巻き取った。
「何が書いてあったんじゃ? 魔導書か?」
 メックリンガーが興味津々といった様子で近づいて問いかけた。
「いや……よくわかりませんが、日付と天気が羅列されていますね」
「なんじゃそりゃあ。そんなものが何の役に立つんじゃ」
「魔導書ではなくても、歴史書や薬学、図鑑など、古代から伝わる知恵と知識はとても大事ですよ」
 そのやり取りを聞きながら、デュラルが遠くの書棚に目をやりながら呟いた。
「とは言え、この棚をひとつひとつ、調べていく訳には行かないって事だけは確かだな」
 アンドレアは頷いて言葉を返した。
「これだけの蔵書です。目録があるはず。まずはそれを探しますか」
「もしくは特別な部屋か」
 エミリアが油断の無い目付きを周囲に走らせながら付け加えた。


 背の高い書棚を一瞥しながら進む。粘土板や竹簡、巻物、羊皮紙の束から、製本された書物まで、あらゆる本が収蔵されていた。
「とにかく分厚い本が良い本なんじゃ。昔っからそう決まっとる!」
 メックリンガーはそう言い放ち、先頭を切って歩き続けている。
 クリフは慎重に周囲を見回しながら、何か隠されたものがないか目を凝らした。《そこにあり》を使うにはあまりにも範囲が広すぎるのだ。
 同じようにシャオリンもキョロキョロと落ち着かなげに目を走らせていた。
 それとは対照的にポルは飄々とした様子で、特に警戒もせずにぶらぶらと歩いていた。
「な、なにかいます……!」
 スパイデイが怯えた様子で一向に目配せした。視線の先には壁面を背にカウンターが置かれており、そこには大きな人型の岩の塊が佇立していた。
「そこにありを使うかの……?」
「いや十中八九、魔法生物だろう。いきなり動き出されては厄介だ」
 クリフとエミリアが小声でやり取りを交わした。
「ハローハロー。ちょっと聞きたいんだけどね」
 全員が背筋を凍らせた。ポルが何気ない様子でカウンターに向かい、人型の岩塊に向けてくだけた様子で話しかけたのだ。
 不意に岩塊の双眸に当たる部分が赤い光を発すと、重々しい擦れる音とともに動き出した。
「ようこそおいで下さいました。御用は何でしょうか、ミスター」
 うやうやしく頭を垂れる岩塊……〈魔法生物ゴーレム〉を前に、一行はあっけに取られたように立ち尽くしていた。


「なるほど、で、キミは司書ってわけだね」
「そのとおりでございます、ミスター」
「残念、美人司書はおらず。ロマンスの戦士ポル・ポタリアの出番はまたの機会かねぇ」
 カウンターに乗り出しながら軽妙にゴーレムと会話をこなすポルの姿を、一行は少し離れて遠巻きに眺めていた。そこへしびれを切らしたメックリンガーが後ろから割り込んだ。
「ええい、そんな事はどうでも良いわ。魔導書はどこじゃ、魔導書は」
「蔵書の閲覧を所望されますか?」
「見るだけじゃのうて、持って帰りたいんじゃ」
「蔵書の貸出は致しかねます。来館者の皆様には閲覧のみが許可されております」
「ケチじゃのう」
「マスター・ダルゴンは吝嗇ではございませぬ。知識を求める方々に広く門戸を開かれております」
 にべもない司書ゴーレムの返事に、メックリンガーは不貞腐れたようにそっぽを向いた。
「どうやら分が悪いようだぞ、爺さん」
 デュラルが苦笑しながら肩を軽く叩いた。
「廃棄処分の蔵書でよろしければ、書庫にございますが」
 司書ゴーレムが淡々とした調子で付け加えた。


「〈狩人の間〉……〈狩人の間〉っと」
 シャオリンが書架の間から目当ての金属板を探して目を走らせていた。
「あの司書サンが言うにはそこが書庫だって事だけどサ……」
「ついでに掃除をお願いしたい、というのがどうにも気にかかるがの」
 クリフが顔を曇らせながら付け加えた。
「あったぞ。ここだ」
 エミリアが顎をしゃくった。
 重厚な木製扉に金属板が鈍く光っていた。クリフが念の為、《そこにあり》の呪文石を懐から取り出し、罠や仕掛けを無い事を確認した。
 小さく頷くと先頭を代わってポルが司書ゴーレムから預かった真鍮製の鍵で解錠をする。硬い金属音が広い閲覧室に響き渡る。
「ウッ……」
 むっと籠もった空気が鼻を突いた。かび臭い古い紙の匂いが漂っている。
 エミリアが背嚢からランタンを取り出し、手早く明かりを灯した。見通しは悪いものの、そこまで広い書庫ではないのが救いだった。
「右と左、どっちから行くネ?」
 シャオリンが振り返って意見を聞こうとした。その時、視界を何かがかすめた。カサカサという音とともに何か素早い大型の影が書架の角を曲がった。 
「……まずいぞ。何かいやがる」
 発光とともにデュラルの右手から粉々になった《そこにあり》の呪文石の破片がこぼれ落ちた。紫色の発光が書架の向こうに3つ。
 全員が慌てて腰に手をやるが、武器は入口に置いてきたままだ。
「やれやれ、掃除ときたか……」


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:アンドレアMR40防5、デュラルMR30防5、クリフMR30防5魔防5、エミリアMR20防5、シャオリンMR20防5魔防5、スパイデイMR20防5、ポルMR20防5、メックリンガー老MR20防5
敵:ヒュージスパイダーMR80*3

1ラウンド:PC【203】 VS 敵【204】 /PC側に1ダメージ!(アンドレア40、デュラル30、クリフ30、エミリア20、シャオリン20、スパイデイ20、ポル20、メックリンガー20)

「ええい、武器はないのか武器は」
 メックリンガーは手近なホウキを槍代わりに防戦しながら、わめき散らした。

2ラウンド:PC【200】 VS 敵【216】 /PC側に16ダメージ!(アンドレア40、デュラル30、クリフ30、エミリア20、シャオリン20、スパイデイ20、ポル20、メックリンガー20)

 *ヒュージスパイダーA、特殊能力/毒の牙(スパイデイ/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)

「ぐわっ」
「スパイデイ、無理するな。下がれ!」
「い、いえ、子供たちのためにもがんばります。必ずお土産もって帰らなければ……!」
 スパイデイが噛みつかれた二の腕から大蜘蛛を引き剥がしながら、蒼白な顔で言葉を返した。
「盾がいるな……クリフ、竜牙兵を出すぞ」
「承知」

 *エミリア、クリフ、竜の牙使用。MR30スパルトイ*2召喚。

3ラウンド:PC【250】 VS 敵【224】 /敵側に26ダメージ!(ヒュージスパイダーA71、B71、C72)

 *ヒュージスパイダーB、特殊能力/スパイダーウェブ(アンドレア/3ターンのあいだ攻撃力1/2)
 *ヒュージスパイダーC、特殊能力/スパイダーウェブ(シャオリン/3ターンのあいだ攻撃力1/2)

4ラウンド:PC【229】 VS 敵【190】 /敵側に39ダメージ!(ヒュージスパイダーA58、B58、C59)
5ラウンド:PC【223】 VS 敵【179】 /敵側に44ダメージ!(ヒュージスパイダーA43、B43、C45)

 *増援:ヒュージスパイダーMR80*2

「くっ……こいつは」
「どうする? 一旦引くか」
「いや……」

 *アンドレア《これでもくらえ!》詠唱。効果消滅。

《警告。館内での破壊魔術の使用は禁止されています》
 甲高い音とともに無個性な声が書庫内に響き渡った。

6ラウンド:PC【227】 VS 敵【303】 /PC側に76ダメージ!(アンドレア37、デュラル27、クリフ27、エミリア17、シャオリン18、スパイデイ3、ポル18、メックリンガー18、スパルトイA22、B22)

 *ヒュージスパイダーA、特殊能力/毒の牙(クリフ/5ターンのあいだ毎ターン防御無視3ダメージ)
 *ヒュージスパイダーD、特殊能力/スパイダーウェブ(デュラル/3ターンのあいだ攻撃力1/2)
 *ヒュージスパイダーE、特殊能力/スパイダーウェブ(エミリア/3ターンのあいだ攻撃力1/2)

「くそっ許可を出さんか、この!」
「アタシたちは司書さんから掃除を頼まれてるんだヨ!」
 メックリンガーとシャオリンが叫んだ。すると不意に警告音が止んだ。
《制限解除。一時的に魔術の使用を許可します》

7ラウンド:PC【237】 VS 敵【299】 /PC側に62ダメージ!(アンドレア36、デュラル26、クリフ23、エミリア16、シャオリン17、スパイデイ2、ポル17、メックリンガー17、スパルトイA15、B15)

 *アンドレア、デュラル、スパイデイ、ポル《いだてん》詠唱。2回行動。
 *クリフ《イーゼルヴァンの黒き手》詠唱。ヒュージスパイダーAに10魔法ダメージ!クリフ10回復。
 *エミリア、屍人使いエルファニの指輪を使用。《L3これでもくらえ!》発動! ヒュージスパイダーBに60魔法ダメージ! ヒュージスパイダーB死亡

8ラウンド:PC【262】 VS 敵【243】 /敵側に19ダメージ!(ヒュージスパイダーA29、B0、C40、D75、E75)

 *デュラル、屍人使いエリファスの杖を使用。《L2これでもくらえ!》発動! ヒュージスパイダーCに40魔法ダメージ! ヒュージスパイダーC死亡
 *ポル《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。ヒュージスパイダーADEに6魔法ダメージ!

9ラウンド:PC【280】 VS 敵【193】 /敵側に87ダメージ!(ヒュージスパイダーA0、B0、C0、D40、E40)

 *ヒュージスパイダーD、特殊能力/スパイダーウェブ(ポル/3ターンのあいだ攻撃力1/2)
 *ヒュージスパイダーE、特殊能力/スパイダーウェブ(メックリンガー/3ターンのあいだ攻撃力1/2)

10ラウンド:PC【294】 VS 敵【107】 /敵側に187ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:アンドレアMR36/40防5、デュラルMR26/30防5、クリフMR30/30防5魔防5、エミリアMR16/20防5、シャオリンMR17/20防5魔防5、スパイデイMR2/20防5、ポルMR17/20防5、メックリンガー老MR17/20防5、スパルトイA MR15/30(送還)、スパルトイB MR15/30(送還)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「た、助かった……」
 スパイデイが蒼白を通り越して真っ青になった顔で噛まれた腕を押さえながら震えていた。
 一行が手早く大蜘蛛の死骸を書庫の外に運び出すと、シャオリンが呼んできた司書ゴーレムがどこかへ運び去り、掃除用具で体液などの汚れを清掃した。 
 数刻後、〈廃棄処分〉と刻まれた金属板の書棚を探索した結果、10冊あまりの汚損や破損した古い羊皮紙の書物や、破れた獣皮巻物、バラバラになった竹簡などが見つかり、アンドレアが持参した大き目の皮袋に詰め込んでいった。
 一行はカウンターに戻り、今後の方針を相談した。重症を負った者もいる中、入手した蔵書を持って一度砦に帰還するべきではないかという意見も出る中、まだほとんど蔵書を調査できていない状況では、戻る判断をするには難しいところであった。
「どうしたものかな……」
 アンドレアが思案げな顔で一行を見回した。
「まだ魔導書を見つけとらんのじゃ、出直すにしてもせめて在り処だけでも調べてから帰りたいもんじゃ」
「そうは言っても、貸出は禁止なんだろ」
 メックリンガーの言葉に、エミリアが呆れた顔で返事をした。
「禁帯出の蔵書の閲覧を所望されますか?」
 司書ゴーレムが背後から声をかけてきた。一行の視線がゴーレムの双眼に集中する。
「2階特別閲覧室への入室には、それぞれ1冊の本の寄贈が必要です」
 一行が顔を見合わせた。
「それとも……館長への謁見を所望されますか?」


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
アンドレア
エミリア →《開け》の呪文石を使用した。
クリフ →《そこにあり》の呪文石を使用した。
シャオリン
スパイディ
デュラル・アフサラール →《そこにあり》の呪文石を使用した。
ポル・ポタリア
メックリンガー老

→帰り際、入口付近で警報が作動し、ゴーレムが後を追ってきた。一行の怪訝な視線の中、ポルが懐から1冊の書物を取り出した。
「いやぁ、なぜこんなところに紛れ込んだんでしょ。ナ、ナーハッハッ……」

→廃棄処分の蔵書を12冊入手した。1冊1冊は状態は悪いが、へローム王国時代の貴重な文献であるため、砦の参謀でもある魔術師ヴォーゼル卿の口利きでスラムグリオン魔法学校が12冊まとめて金貨500枚の値で買い取る事となった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
■事件B:4人出撃
司令室にて、ガガック兵長と西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンが君たちを出迎えた。
「報告は聞いている。〈シャンキナルの森〉の西方エルフの聖地へ向かうのだとな。レックス砦から大規模な探索部隊を出すという提案もさせてもらったが……」
「聖地シャンスは我ら西方エルフの魂の拠り所。本来であれば諸君ら帝国人には踏み入って貰いたくない場所なのだ。無論、今が非常時であるのは承知の上でだが……諸君ら少数部隊のみでの同行を願いたい」
参謀である魔術師ヴォーゼル卿が言葉を続けた。
「聖地には意志を持つ古代植物や太古の魔術などが仕掛けられていると聞く。よいか、準備を怠るでないぞ」
脅威予測)中
報酬)小

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 〈聖地シャンス〉……〈シャンキナルの森〉の奥のそのまた奥地。
 壁面に絡みつく蔦が幾重にも重なり、苔むした石壁もところどころ朽ちて崩れている。昼なお暗く、不気味なほどに静まり返る深き森の静寂を破り、武装した集団の行軍する物音が思いの外に騒々しく辺りに響き渡る。西方エルフの一団と、それに付き従うように数名が歩を連ねていた。
 遺跡の様子を横目で眺めながら、偵察兵のニンツは物珍しそうに、壁面の複雑な文様に手を伸ばした。
「ニンツ、その辺を無闇に触るなよ。太古の魔術が残っているぞ」
「お、おう」
 "片耳の"マロウズの警告に、ニンツは弾かれたように慌てて手を引っ込めた。
「……遺跡荒らしであった貴様らと共闘しているとはな。変われば変わるものよ。これだから森の外はなにがあるかわからん」
 西方エルフの隊長ギルサリオンはマロウズと並んで歩きながら、皮肉な調子で語りかけた。
「だから面白い」
「ふん……」
 ギルサリオンは視線を逸らすと、前方に声をかけた。
「そこを奥へ向かうと古代樹のテリトリーだ。近づかぬほうが懸命だな」
 前方を覗き込んでいたカーモネーギーは不安な表情で頷くと、歩みを遅らせてニンツに並ぶ。
「間もなく霊廟か」
 マロウズの問いかけにギルサリオンは冷ややかな口調で、やや前方を歩くヘルトに声をかけた。
「帝国人、霊廟ではその武装は手放してもらおう。冷たい鉄を帯びた者を精霊は嫌う」
 ヘルトは無言で小さく頷いた。珍しくその顔には落ち着かない表情が浮かんでいるようだった。
(……無理もない。この人数ではな。果たして……)
 マロウズは一行の様子を横目にしつつ、一人思案した。
 精霊を象った巨大な石像を左に折れ、西方エルフの軍勢は進んでゆく。
 深い森には不気味な鳥の鳴き声が遠くでかすかに聞こえていた。石像の前で足を止め、不安げに周囲を眺めるカーモネーギーの背中に、ニンツが振り返って声をかける。
「行くぜ、カーモネーギー」
「あ、兄貴、待ってくださいよぉ〜」
(果たしてこの人数で、やり遂げれるのか?)


「隊長、ご指示通り、霊廟の周囲には結界を張ってあります」
 森林警備隊員のエルフ戦士が、直立不動のかしこまった様子でギルサリオンに報告した。ギルサリオンは片手を上げて返礼すると、一向に向き直った。
「聖遺物を手にするためには、その資格を示さねばならぬ」
「……守護獣か」
 マロウズがポツリと答えた。あとの三人が怪訝そうな顔でマロウズとギルサリオンを見つめる。
「ああ、私も実際に目にしたことはないが……」
「おい隊長。そもそも、聖遺物ってのは何なんだよ。御伽噺じゃあ、黒竜を倒すために確か……鏡と玉と……杖だったかを使ったみたいだけどよ」
 ギルサリオンはニンツをじろりと見つめると静かに言葉を重ねた。
「古き言い伝えによれば、ベリエンベール王の黒竜退治の前にも何度か、聖遺物が使われたことはあるそうだ」
 太古の故郷〈ホーラ・ルー・ヤー〉よりこの地に降り立った〈古き森〉の主たちが、後に西方エルフに授けたとされる人外の力を秘めた三種の聖遺物。鏡・玉・杖の三つはそれぞれ聖櫃に収められ〈聖地シャンス〉の霊廟に別れて安置されている。部外者の立ち入らぬ聖地の更に奥地。しかし西方エルフといえども霊廟には儀式の時にしか訪れぬし、ましてや聖遺物そのものを目にしたものは指導者たる長老たちを除いてはほとんど存在しない。古くはエルフ=トロール戦争、そして魔術師戦争時代にも、神の如き力を持つと言われた魔術師の力を削ぐために聖遺物が使われたという記録がある。
 話が終わっても誰も一言も発せず、静寂が辺りを支配していた。
「第一の聖遺物は、鏡」
 ギルサリオンは霊廟の奥まで見通すような目付きで眺めた。


 霊廟の中はひんやりとした空気が満たされており、石畳には靴音が硬く響いていた。エルフの戦士たちを外に控えさせ、ギルサリオンはレックス砦の一行のみを伴って、霊廟の奥に足を運んだ。
 少し奥には柱が立ち並ぶ広間が、先の見通せない薄暗がりの中で口を広げていた。
「おい、さっきからわかんねえ事ばっかりなんだよ。守護獣だとか聖櫃だとか。ちゃんと説明しろよ」
 ニンツが不安を払うかのように口を開いた。ギルサリオンは無言のまま、入口に置かれた台座の篝火に、手にしていた松明の火を移した。
 篝火に照らされた広大な聖櫃の間は、しんと静まり返っていた。
「……あれが聖櫃だ」
 すっと指さされた最奥の祭壇には、アカシアの木で作られた長方形の箱が安置されていた。側面には装飾が施され、地面に直接触れないよう、下部の四隅に脚が付けられている。蓋部分には優美な1対の鳥が背を向け合う形に象られた彫刻が乗せられている。
 そしてそれ以上に目を引くのは、聖櫃に覆いかぶさるようにしてそびえる、巨大な四足の獣を象った木像の姿であった。四足獣は聖櫃をその腹部で守るかのように、一行に向いて今にも唸り声を上げんばかりの形相で睨みを効かせていた。
 その圧倒的な様子に誰もが言葉を発せずにいた。
「あれが……全てを喰らうとされる聖地を守る獣……か」
 マロウズのつぶやきに、ギルサリオンが無言で頷いた。
「……アンタが汗をかいてるなんて珍しいじゃねえか」
 ニンツがにやりと笑って軽口を挟んだが、その声は若干の震えを隠せなかった。
 と、その時、ふと獣の唸り声がかすかに聞こえた気がした。誰かが口を開こうとしたとき、地響きとともに四足獣が片足を上げて前方へ一歩踏み出した。
「な、なんだこりゃあ……」
 ニンツは開いた口が塞がらない様子で四足獣を見上げていた。

《汝、力を求めるか》

 一行の頭の中で不思議な声が木霊した。
 ギルサリオンが一歩前に進み出た。
「我ら、英雄王ベリエンベールの末裔。今ひとたび、聖遺物のご助力を賜りたい」

《汝、力を求めるか》

 再び声が木霊した。
 ギルサリオンは無言で額の汗を拭った。その横でマロウズが小さく頷いたのが見えた。
「……求める!」

《力を求める者よ。ではその資格を示すが良い》

 声に続いて、四足獣が大きく咆哮した。あたりの空気がビリビリと震える。
 ギルサリオンがエルフ銀製の長剣を抜き放つと、マロウズも黒のモンゴーの短剣と古代エルフの短剣を両手に握った。
「棒術はあまり得意ではないんだがな」
 ヘルトがエルフ戦士から借り受けたクォータースタッフの握りを確かめながら呟いた。その横でカーモネーギーが緊張した表情で弓に矢をつがえている。ニンツも慌てて腰の愛用の短剣を探ったが、舌打ちをして気を取り直すとエルフから借りた黒曜石の短剣を両手に構えた。
「やるしかねえ」


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【戦闘】
PC:マロウズMR40防5、ヘルトMR35防5、ニンツMR35防5、カーモネーギーMR35防10、隊長ギルサリオンMR60防5
敵:ウッドビーストMR300防10

「ヘルト! あれを」
「やれやれ、確かに出し惜しみしてる場合でもあるまいな」

 *ヘルト、カーモネーギー、異界獣の黒曜石使用。MR40ブラックハウンド*2召喚。
 *マロウズ《いだてん》詠唱。2回行動。

1ラウンド:PC【284】 VS 敵【260】 /敵側に18ダメージ!(ウッドビースト292)

「どうだっ」
「いや、だめだ。硬すぎる」
「……いにしえの勇者ベリエンベール、我らにお力を!」

 *カーモネーギー《いだてん》詠唱。2回行動。

2ラウンド:PC【342】 VS 敵【266】 /敵側に76ダメージ!(ウッドビースト226)

 *ウッドビースト、特殊能力/薙ぎ払い(マロウズ、ヘルト、ギルサリオン/10ダメージ)

「ダメだ……デカすぎるよっ」
 吹き飛ばされた三人を目にし、カーモネーギーが泣き出しそうな声で叫んだ。
「いくら図体が大きくとも、樹であることに変わりはあるまい。エルフよ、禁忌たる炎、使わせてもらうぞ」
 口元から血反吐を拭いながら、ヘルトが魔法語の詠唱を始める。それを横目に、ニンツが素早く距離を取って死角に回り込んだ。

 *ヘルト《炎の嵐》詠唱。
 *ニンツ《これでもくらえ!》詠唱。

「よせ! クレムを喰われるぞ!」
 ようやく体勢を立て直したマロウズが慌てて叫んだ。

 *ウッドビースト、特殊能力/クレム吸収。《炎の嵐》《これでもくらえ!》無効化

 四足獣の身体に2つの魔術の魔力が吸いこまれていき、やがて全身が燃えんばかりに赤く輝き出した。

 *ウッドビースト、特殊能力/クレム放出。《炎でもくらえ!》PC側全員に30魔法ダメージ

「くそっ……! 間に合ってくれ」
 *カーモネーギー《わたしを守って、あなたを守って》詠唱。ヘルトの魔法防御+15。
 *ギルサリオン《わたしを守って、あなたを守って》詠唱。ニンツの魔法防御+15。
 *マロウズ《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石を使用。マロウズの魔法防御+15。

3ラウンド:PC【214】 VS 敵【239】 /PC側に25ダメージ!(マロウズ20、ヘルト15、ニンツ20、カーモネーギー5、ギルサリオン25、ブラックハウンドA7、ブラックハウンドB7)

 *マロウズ、ニンツ、カーモネーギー、奇跡的な回復薬を使用。10回復。
 *ヘルト、ギルサリオン《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

4ラウンド:PC【287】 VS 敵【244】 /敵側に43ダメージ!(ウッドビースト193)

 *マロウズ《死の刃》詠唱。攻撃力*2。
 *ギルサリオン《まあ、気の毒に》詠唱。10回復。

5ラウンド:PC【228】 VS 敵【209】 /敵側に19ダメージ!(ウッドビースト184)

 *マロウズ、エルブンダガーを使用。銀狼化→MR+20

6ラウンド:PC【202】 VS 敵【179】 /敵側に23ダメージ!(ウッドビースト171)

 *ウッドビースト、特殊能力/薙ぎ払い(マロウズ、ヘルト、ギルサリオン/10ダメージ)

 ニンツは、薙ぎ倒される前衛を尻目にカーモネーギーに合図を出すと、四足獣に向かって駆け出した。
「俺たちのコンビネーションを見せてやる」
 眼前で柱を足がかりに巨体に向かって飛び移ると、背中に回り込んで注意を引くようにあちらこちらと駆け回った。
「よーく狙え!」

 狙撃:カーモネーギー【23】/ウッドビーストに23ダメージ!(ウッドビースト158)

7ラウンド:PC【199】 VS 敵【181】 /敵側に18ダメージ!(ウッドビースト150)

 狙撃:カーモネーギー【22】/ウッドビーストに22ダメージ!(ウッドビースト138)

8ラウンド:PC【206】 VS 敵【175】 /敵側に31ダメージ!(ウッドビースト117)

 狙撃:カーモネーギー【25】/ウッドビーストに25ダメージ!(ウッドビースト102)

9ラウンド:PC【195】 VS 敵【166】 /敵側に29ダメージ!(ウッドビースト83)

「ぐわっ」
「あ、兄貴!」
 四足獣が大きく身体をよじると、背中に取り付いていたニンツが振り落とされた。
「構うな! ここまで時間が稼げりゃこっちのもんよ」

10ラウンド:PC【203】 VS 敵【149】 /敵側に54ダメージ!(ウッドビースト39)
11ラウンド:PC【200】 VS 敵【124】 /敵側に76ダメージ!(ウッドビースト無力化)

《汝らに、資格あり》

戦闘終了:マロウズMR25/40防5、ヘルトMR10/35防5、ニンツMR30/35防5、カーモネーギーMR15/35防10、隊長ギルサリオンMR30/60防5、ブラックハウンドA MR7/40(送還)、ブラックハウンドB MR7/40(送還)

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 沈黙とともにまた元通り静止した四足獣を眺めながら、一行は祭壇の聖櫃に近づいた。
 ニンツがちらりとギルサリオンに目をやり、頷くのをみると蓋に手を伸ばした。
 聖櫃の中には、一枚の鏡がうやうやしく置かれており、マロウズがそっと取り上げた。触った瞬間に膨大な力の片鱗を感じ、全身が総毛立ったが、その直後、不思議な感覚は不意に鳴りを潜めた。
 鏡の裏面には凝った意匠に、上位エルフ語でこう刻まれていた。

エーイェ・アシェル・エーイェ
《私は有って有る者》

「あとふたつ……か」
 ヘルトが小さく呟いた。カーモネーギーがため息をついて肩を落とした。
「やはりこれでは手が足りん。一度、砦に帰還しよう」
 マロウズが一行を振り返って言い放った。


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
"片耳の"マロウズ →《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石、奇跡的な回復薬を使用した。
カーモネーギー →奇跡的な回復薬、異界獣の黒曜石を使用した。
ヘルト →異界獣の黒曜石を使用した。
偵察兵のニンツ →奇跡的な回復薬を使用した。

→聖遺物《鏡》はギルサリオンが保管することとなった。


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■事件C:5人出撃
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
第四階層は古典的とも言える石造りの迷宮になっているようだ。
幻術によるものか不可思議な現象も起こっている。一層の注意をして探索に望むように。
(下記より方針を選択して下さい)
・新しいエリアへ進むことを重視
・未探索の扉や通路を埋めていくことを重視
・各部屋の中を丁寧に調査することを重視
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP.png

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「みんな、準備はできてるか」
 砦の控えの間の扉を押し開けて、無敵の万太郎が姿を見せた。部屋ではカエル人の戦士ヴェルサリウス27世と戦士へーざぶろーが背負い袋の中身をあらためており、盗賊ソーグはテーブルの向こうで大剣の素振りをしていた。そして一行からやや離れた部屋の隅ではドワーフの青年ヤスヒロンが武器に油を注していた。
「魔術師殿から返事は来たのかね?」
 ヴェルサリウスの問いに万太郎は首を振った。
「いや……まだだ。出発までに間に合えばいいんだが」
「そう言えば、サマはどうしたんだ?」
「どうも流行り病にかかったらしい」
 ソーグが大剣を置くと、テーブルにつきながら、残念そうな顔で口にした。
「バラクにゲディスも医務室に隔離だとさ」
「この人手不足の折に、まいったね」
 へーざぶろーがため息をついた。
「万太郎隊長、ソーグにへーざぶろー、ヴェルサリウス殿、そのまま聞いてくれ」
 部屋の隅からヤスヒロンが声をかけた。一行が振り返ると、彼はうつむき加減で手元の武器を見つめながら話しだした。
「自分は只の鍛冶屋の息子、魔法には詳しくないが……」
 目の悪さを補うために普段から被りっぱなしの兜のスリットの中で目を細め、ヤスヒロンは考えをまとめるように途切れ途切れに言葉を重ねた。
「魔法使いって奴は……自分が見たことのない光景でも……自在に相手に見せることが可能なのか?」
 少し沈黙の後、手の武器を床に落とし、彼は頭を上げた。
「もし、あの光景が何か妹の危機を知らせる前触れだとしたら……」
 困惑した調子で、彼は立ち上がった。
「俺は、もう塔を登れない」
「あのエルフの娘……間違いなくお前の妹さんだったのか?」
 へーざぶろーの問いに、弾かれたようにヤスヒロンは詰め寄った。
「自分は目は悪いが……妹の顔を見間違うものか。榛色の髪、儚げに遠くを見つめるあの横顔! 間違いない、あれは妹のディニエルだった!」
「しかし、こう言ってはなんだが、ドワーフのお前に、エルフの妹が……?」
 ソーグの言葉に彼ははっとした様子で押し黙った。
「……故郷と両親を同時に失い」
 ヤスヒロンはまたうつむきながらぽつりぽつりと話しだした。
「恐怖におののき、村のみんなが逃げ惑う中……はぐれてしまった妹と再会するため、俺は生きている」


 ヤスヒロンはドワーフの両親と一緒に小さな村の鍛冶師として慎ましく暮らしていた。彼には種族の違うエルフの妹がいた。〈取り替え子〉と村では噂されていた妹だったが、両親は詳しい話をしてくれた事はなかった。父も母も「お前だけは妹の力になってやってくれ」と言うばかり。ヤスヒロンは子供心に、妹はいつかエルフの世界に帰るのだろうと思い、それまでは兄として何があっても妹を守ると誓っていた。
 ある日、カザン近郊の彼の村を、突如悪の怪物の群れが襲った。"モンスター・モンスター"と後に言われるこの襲撃で、村は焼かれ、両親は命を落とし、そして妹ともはぐれてしまう。行くあてもなくさすらった後、ヤスヒロンはこのレックス砦に傭兵として日銭を稼ぎつつ、妹の消息を求めにやってきたのだった。


 長い身の上話が終わり、その場を沈黙が支配していた。
「師匠から使い鴉が戻ったぜ」
 開け放していた扉を軽く叩いて、イェスタフが顔を出した。
「どうしたよ。シケた面しやがって」
 万太郎は首を振って逆に尋ねかけた。
「カンダック師からの伝言は?」
 イェスタフは懐から手紙を取り出して読み上げた。
「『心を読む怪物に気をつけ給え。かの幻影遣いは、人の心の脆さにつけ込む』……だそうだ」
 万太郎が口を開いた。
「俺も半信半疑だった。あんな精巧な幻影が有り得るのか……と」
「その事なんだがな」
 ソーグが口を挟んだ。
「どうも見覚えがある気がしたんだ……あの街は俺の故郷、フォロン島のガル市だ」
「き、恐怖の街……」
「思い出したくもない故郷だがな……。あの幻影はその場にいた者の記憶から都合よくでっち上げられたものだと俺は思う」
 ソーグはそう言い放つと、ヤスヒロンへ向き直った。
「ヤスヒロン、参の騎士はお前の記憶をいいように弄んでいるだけだ。そんな野郎に馬鹿にされて黙っている気か?」
「わかった。いきましょう、みなさん。……参の騎士とやらを捕まえて、本当のところを聞き出してやる」


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【隊列】
前衛:ソーグ、ヤスヒロン、へーざぶろー
中衛:万太郎、イェスタフ、女盗賊クリスティ
後衛:ヴェルサリウス、ハンタードール、バードドール

【進路】
第四階層到着→北2→西4→南2→東2→南2
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「さてと……今回はどうする、隊長」
 ソーグはT字路を前に、振り返って万太郎の指示を仰いだ。
「そうだな……【#6】の部屋の残りの扉を調べようか」
「ふむ、丁寧に探索していきたいものだしな」
 ヴェルサリウスが同意の旨を表した。
「わかった」
 ソーグは以前調査済みの目の前の扉を開けた。

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Room #6:
・東西4ブロック*南北3ブロック
・扉(北・南・東・西)
・古ぼけた家具

・扉(南)
 調査(ソーグ)→罠も鍵もはかかっていない

【進路】
扉(南)→東2→南4→扉
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 南の扉から少し通路を進むとすぐにまた扉に出くわした。
「次は【#9】か……」
「ちょっと待ちぃな。ここはウチに任しとき」
 西方訛りのカザン共通語でホビットの女盗賊クリスティが、前に出た。今回の探索のためにヴェルサリウスが雇い入れた専門家だ。
「海の事は漁師に、山の事は木こりにと言うからね」
 雇い主であるヴェルサリウスが鷹揚に頷き、ソーグは素直に扉の前を譲った。

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・扉
 調査(女盗賊クリスティ)→罠発見!(毒針)→罠解除(女盗賊クリスティ)→解除成功!
 鍵開け(女盗賊クリスティ)→鍵開け成功!
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 クリスティは慣れた手付きで扉の罠を無効化すると、盗賊道具で鍵穴を何度かいじり、金属音とともに鍵を開けた。そのまま扉に耳を押し当て、中の様子を探る。
「ええよ」
 片目をつぶって笑みを浮かべると、またソーグに先頭を譲る。
 扉を開けたその先は、人混みでごった返す酒場であった。
「う、嘘やろ。なんも音なんか聞こえんかったで」
 クリスティが顔を蒼白にして呻いた。全員が顔を見合わせた。ということは。
 酒場の喧騒の中、ハーフウルクのウェイトレスがエールと腸詰め肉を満載にした皿を持って、機敏に走り回っていた。
「おおい、こっちにも頼む」
「はいよっ」
 鎧姿のウルクが隣に座るオーガとエールを酌み交わしながら談笑している。
 一行は呆気にとられた様子でその光景を見守っていた。やがてテーブルで談笑していたウルクがクンクンと鼻を鳴らし始めた。
「……臭い、臭いぞ」
 すると隣のオーガが立ち上がって吠えるように叫んだ。
「ニンゲン臭い!」
 酒場の全員の視線が扉付近の一行に集まった。殺気走った目で、怪物たちが傍らの武器を手に取った。


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【戦闘】
PC:ソーグMR45防5、ヤスヒロンMR45防10、へーざぶろーMR35防5、無敵の万太郎MR25防5、イェスタフMR40防5、女盗賊クリスティMR40、ヴェルサリウス27世MR30防10魔防5、バードドールMR30、ハンタードールMR35
敵:ウルクの武装兵MR40防5*4、オーガMR80*2

 *先制射撃:ハンタードール【30】/オーガに30ダメージ!(オーガA50)

1ラウンド:PC【290】 VS 敵【288】 /敵側に2ダメージ!(ウルクの武装兵A40、B40、C40、D40、オーガA50、B80)
2ラウンド:PC【319】 VS 敵【292】 /敵側に27ダメージ!(ウルクの武装兵A38、B38、C38、D39、オーガA44、B74)
3ラウンド:PC【318】 VS 敵【274】 /敵側に44ダメージ!(ウルクの武装兵A36、B36、C36、D37、オーガA36、B66)

 大勢が入り乱れての乱戦となった。味方側がやや押しているという実感はあるものの、狭い空間では大規模な魔術を使うわけにもいかず、各自が目の前の相手と切り合っていた。
「衛兵!衛兵!」
 岩悪魔のバーテンが叫ぶと、西の扉が勢いよく開き、完全武装のウルクの一団がなだれ込んできた。

 *増援:ウルクの武装兵MR40防5*6

「くそっ、余力なぞ考えている場合じゃないか」
「各自、目の前の相手に全力を尽くせ!」

 *ヤスヒロン、古代帝国の杖を使用。《L3これでもくらえ!》発動! オーガBに60魔法ダメージ!(オーガB6)
 *万太郎、古代帝国の指輪を使用。《凶眼》発動! 攻撃力*3
 *ソーグ《いだてん》詠唱。2回行動。
 *へーざぶろー、イェスタフ、女盗賊クリスティ《死の刃》詠唱。攻撃力*2。

4ラウンド:PC【501】 VS 敵【435】 /敵側に66ダメージ!(ウルクの武装兵A35、B35、C35、D36、E40、F40、G40、H40、I40、J40、オーガA30、B0)

 へーざぶろーが倒れたオーガの背後から殺到する増援の一団をちらりと眺め、魔法語の詠唱を始めた。それを横目に、万太郎は懐から前回の探索で手に入れた謎の石を取り出した。
「ヴォーゼル卿の見立通りならいいんだけどな……」
「原祖たる太陽の灼熱を用いて、我が敵を打ち倒す焔よ来たれ……《炎の嵐》!」
「古き盟約に従い、我汝の名を呼ぶ者なり。異界の門ここに開かれし。汝、疾く来たれ!《ギーヴル》!」

 *万太郎、黒豹の彫像を使用。《ギーヴル》MR40ブラックハウンド召喚。
 *へーざぶろー《炎の嵐》詠唱。敵増援部隊に20魔法ダメージ!

5ラウンド:PC【378】 VS 敵【345】 /敵側に33ダメージ!(ウルクの武装兵A35、B35、C35、D36、E20、F20、G20、H20、I20、J20、オーガA27、B0)

「よし、ここだ!」
 敵部隊が怯んだ隙に、ソーグが大剣に魔術を付与する。へーざぶろーは重ねて魔法語を詠唱した。
 *ソーグ《凶眼》詠唱。攻撃力*3
 *へーざぶろー《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。敵増援部隊に6魔法ダメージ!

6ラウンド:PC【536】 VS 敵【350】 /敵側に186ダメージ!(ウルクの武装兵A23、B23、C23、D24、E2、F2、G2、H2、I2、J2、オーガA11、B0)
7ラウンド:PC【355】 VS 敵【250】 /敵側に105ダメージ!(ウルクの武装兵A18、B18、C18、D19、E0、F0、G0、H0、I0、J0、オーガA1、B0)
8ラウンド:PC【347】 VS 敵【137】 /敵側に210ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:ソーグMR45防5、ヤスヒロンMR45防10、へーざぶろーMR35防5、無敵の万太郎MR25防5、イェスタフMR40防5、女盗賊クリスティMR40、ヴェルサリウス27世MR30防10魔防5、バードドールMR30、ハンタードールMR35、ギーヴルMR40(送還)

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 激しい戦いが終わって、一行が辺りを見回すと光景は一変していた。血なまぐさいウルクの死体はいつの間にかどこにも姿が見えず、酒場のカウンターは埃にまみれ、朽ちかけたテーブルと椅子が無造作に床に転がっていた。打ち捨てられたジョッキをそっとカウンターに置くと万太郎はぽつりと呟いた。
「かつてはここに、さっきのような風景があったのかもしれないな」
 静まり返った酒場の廃墟を目に、一行の心にふと物寂しい気持ちがよぎった。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
Room #9:
・東西5ブロック*南北5ブロック
・扉(北・南*2・東・西)
・カウンター、テーブル、椅子、水飲み場、戸棚、汚い毛皮、汚物の入ったバケツ、廃棄された武器
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「どんどん先へいこうぜぇ」
「いや丁寧に探索すべきだよ、キミ」
 へーざぶろーとヴェルサリウスで意見が別れた。万太郎は間に入ると、部屋を調査している間に手分けして扉だけでも調べてしまおうと提案した。
 先ほど衛兵隊が突入してきた西扉は誰もがなんとなく敬遠し、北と南の扉に分かれてそれぞれ調査に向かった。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
・部屋
ヴェルサリウス、古代帝国の宝珠を使用。《そこにあり》発動。
→カウンターの裏に、宝箱を発見。

・扉(北)
 調査(女盗賊クリスティ)→罠はかかっていない
 鍵開け(女盗賊クリスティ)→鍵開け成功!

・扉(南東)
 調査(ソーグ)→罠はかかっていない
 鍵開け(ソーグ)→鍵開け成功!

・扉(南西)
 調査(へーざぶろー)→失敗
 《そこにあり》(へーざぶろー)→罠はかかっていない
 鍵開け(へーざぶろー)→鍵開け失敗!

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「ソーグ、来てくれ。宝箱だ」
「ふむ、開けられるかね?」
 ヴェルサリウスたちが古びた箱を囲む様子を尻目に女盗賊クリスティがへーざぶろーに声をかけた。
「なぁ兄さん、たぶんこの北扉は構造上、さっきの【#6】の部屋の西扉に繋がっとるはずや。先にウチらでそれだけ確認しとかへん?」
 へーざぶろーは小さく頷いて、北扉を押し開けた。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【進路】(へーざぶろー、クリスティ)
扉(北)→北1→扉

・扉(#6?)
 調査(女盗賊クリスティ)→罠も鍵もかかっていないが歪んで開かない。
 蹴破る(へーざぶろー)→成功

・宝箱
 調査(ソーグ)→罠発見!(ガス爆弾)→罠解除(ソーグ)→解除成功!
 鍵開け(ソーグ)→鍵開け成功!
 銀貨300枚、銅貨7500枚(金貨105枚相当)を発見。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 再度合流した一行は、西、南東、南西のどの扉に向かうか軽く話し合ったが、結局、ソーグが解錠済みの南東の扉から調査することとなった。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【進路】
扉(南東)→東2→南2→西1→扉
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 一行の左手に【#13】の金属板のはめ込まれた重々しい鉄扉が見えた。通路は先へ進んでいる。ソーグは一行を振り返って同意の頷きを見て取ると、クリスティに扉の前を譲った。
「はいはい、カエルの旦那には金もろとるんや、仕事は間違いなくするで」
 クリスティは軽口を叩きながら、扉を慎重に調べ始めた。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
・扉
 調査(女盗賊クリスティ)→罠発見!(電撃)→罠解除(女盗賊クリスティ)→解除失敗!
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「堪忍やで。ウチ、魔法の仕掛けは苦手なんや……」
 うなだれた顔つきでクリスティが後ろに下がった。
「力づくでいくか?」
「いや……それは危険すぎる」
 へーざぶろーと万太郎が思案顔で首をひねった。
「罠は電撃や。ドアノブを握ったら発動する。それは間違いないんやけど」
「発動した瞬間なら俺の《ないことに》で無効化できるかもしれんな」
 ソーグの提案に一同は顔を見合わせた。しかし誰が?
「俺が開ける」
 ヤスヒロンがむっつりとした顔で進み出た。ソーグをちらりと見ると頼むと呟き、ドアノブに手を伸ばした。刹那、電撃が走る。
「ぐうっ」
「……《ないことに》!」

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
・扉
 罠発動!(電撃)→罠無効化(ソーグ)→ヤスヒロン(5魔法ダメージ)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

 薄暗い部屋には背中を向けた大柄な人影が見えた。人影は不意に振り返ると親しげな笑みを浮かべて片手を上げた。
「いよう。遅かったじゃねえかお前ら」
「バラク……!」
「お前、なぜここに」
 一行は驚いた様子で、赤毛の大男に駆け寄り、口々に質問を投げかける。
「流行り病にかかったと聞いていたが、もう良いのか?」
 一番遅くやってきたヴェルサリウスが遠くから声をかけた。
「ああ、もうバッチリよ。それでお前らの後を追ってきたってわけさ」
 バラクは不敵な笑みを浮かべると、部屋にいくつも設置されている猛獣用の檻をさして顎をしゃくった。
「サマにゲディスも、向こうにいるぜ」
「なんなんだ、この檻は」
「さぁな……それを今調べていたところさ」
 それを聞いて一行は檻を回り込んで、一部天井が崩落して瓦礫だらけになっている箇所に向かった。そこには二人の人影が背を向けていた。
「サマ……ゲディス?」
 振り返った二人の顔が醜悪に歪み、不意に手にした武器を構えて飛びかかってきた。それと同時に瓦礫の中から悪魔めいた石像が何体か飛び出した。
 慌てた一行が振り返ると、ちょうどバラクが大斧を振り上げたところだった。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【戦闘】
PC:ソーグMR45防5、ヤスヒロンMR40/45防10、へーざぶろーMR35防5、無敵の万太郎MR25防5、イェスタフMR40防5、女盗賊クリスティMR40、ヴェルサリウス27世MR30防10魔防5、バードドールMR30、ハンタードールMR35
敵:バラク?MR80、サマ?MR80、ゲディス?MR80、ガーゴイルMR40*3

「どうしたって言うんだ、バラク!」
「へっ、てめえの事は前から気に入らなかったんだ。それだけのことよ!」
「よせ、話すだけ無駄だ」

1ラウンド:PC【302】 VS 敵【327】 /PC側に25ダメージ!(ソーグ45、ヤスヒロン40、へーざぶろー35、万太郎25、イェスタフ40、クリスティ38、ヴェルサリウス30、バードドール28、ハンタードール33)

 *ヴェルサリウス27世《イーゼルヴァンの黒き夢》詠唱。バラクには通じない!
「ふん、やはりか」
 ヴェルサリウスは傍らのハンタードールに射て、と指示を出した。
 ソーグが胸元から先日手に入れた謎の武器を取り出し、呼応して石像に投げつけた。

 *射撃:ハンタードール【29】/バラクに29ダメージ!(バラク51)
 *射撃:ソーグ【43】/ガーゴイルAに43ダメージ!(ガーゴイルA粉砕)

2ラウンド:PC【231+29+43=303】 VS 敵【281】 /敵側に22ダメージ!(バラク51、サマ80、ゲディス80,ガーゴイルA0、B40、C40)

 *万太郎《そこにあり》の呪文石を使用。

 万太郎の手から放たれた紫色の光に照らされ、バラクたちの顔が段々とあやふやにぼやけていった。しかし彼らは、いや彼らの姿をした者はまるで幽霊か精霊のように顔を滲ませながら、奇声を発して襲いかかり続けた。

 *バラク《メメコレオウスの黒き礫》詠唱。PC側前衛、中衛に6魔法ダメージ!

3ラウンド:PC【291】 VS 敵【283】 /敵側に8ダメージ!(バラク49、サマ78、ゲディス78,ガーゴイルA0、B39、C39)

 *サマ《これでもくらえ!》詠唱。ヴェルサリウスに20魔法ダメージ!
 *ヴェルサリウス27世《粉みじん》の呪文石を使用。サマの武器防具を破壊しMR半減!

4ラウンド:PC【271】 VS 敵【223】 /敵側に48ダメージ!(バラク39、サマ28、ゲディス68,ガーゴイルA0、B30、C30)
5ラウンド:PC【282】 VS 敵【199】 /敵側に83ダメージ!(バラク22、サマ11、ゲディス51,ガーゴイルA0、B14、C14)
6ラウンド:PC【271】 VS 敵【178】 /敵側に93ダメージ!(バラク3、サマ0、ゲディス32,ガーゴイルA0、B0、C0)
7ラウンド:PC【269】 VS 敵【70】 /敵側に199ダメージ!(敵全滅)

戦闘終了:ソーグMR39/45防5、ヤスヒロンMR34/45防10、へーざぶろーMR29/35防5、無敵の万太郎MR19/25防5、イェスタフMR34/40防5、女盗賊クリスティMR32/40、ヴェルサリウス27世MR10/30防10魔防5、バードドールMR28/30、ハンタードールMR33/35

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「……」
「幻とわかっても、友人を手に掛けるのは気分のいいものではないな」
「くそっ、参の騎士め……」
 ヤスヒロンが憎々しげに拳を握りながら吐き捨てた。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
Room #13:
・東西3ブロック*南北5ブロック
・扉(北・東・西*2)
・一部崩落した天井、猛獣用の檻、樽、コート掛け、鉄の棒
・隠された財宝(銀貨2550枚(金貨255枚相当)、?ゆびわ、?たて、?くすりびん)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
・扉(東)
 調査(クリスティ)→回転扉の仕掛け発見!→壁のレンガを押し、発動!

【進路】
扉(東)→北17→帰還
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
☆戦果
ソーグ →戦闘後《そこにあり》の呪文石を使用し、隠された財宝を発見。
ヤスヒロン
へーざぶろー
無敵の万太郎 →《そこにあり》の呪文石を使用した。
ヴェルサリウス27世 →《粉みじん》の呪文石を使用した。

→【#13】からの通路が【#6】の通路に繋がっていることを確認した一行は、一度撤退し体勢を立て直す事にした。

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP2.png

■入手した財宝
全員、下記から好きなものを1つ選択して下さい。未鑑定のまま分配するため、詳細は入手後に確定となる。
それぞれ1つしか無いため先着順。(既に他者に取られていた場合は金貨となる)
・?ゆびわ
・?たて
・?くすりびん
・金貨60枚


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
☆ランキング

1位:
ヴェルサリウス27世/MR30防10魔防5+
 +金貨40枚、選択した財宝
→(所持品:金貨40枚。高品質な武器【超小型単弓】、高品質な防具【キルテッド・シルク】、古代帝国の首飾り、古代帝国の宝珠(《開け》《そこにあり》《ないことに》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、《小鬼の口笛》の呪文石、?きみょうなアイテム=幸福の黄色い耳栓、呪文:《イーゼルヴァンの黒き夢》、ハンタードール(MR35、先制攻撃可能))

2位:
ソーグ/MR45防5+
 +金貨35枚、選択した財宝
→(所持品:金貨65枚。高品質な武器+2【グレートソード】、高品質な防具【レザーアーマー】、奇跡的な回復薬、《ないことに》の呪文石、?ぶき=棒手裏剣、呪文:《ないことに》《いだてん》《凶眼》)

無敵の万太郎/MR25防5
 +金貨35枚、選択した財宝
→(所持品:金貨75枚。高品質な武器+2【ソナン・イエの槍】、高品質な防具【アーミング・ダブレット】、古代帝国の指輪(《凶眼》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、《そこにあり》の呪文石*5、《大まぬけ》の呪文石、《小鬼の口笛》の呪文石、?いし=黒豹の彫像(異界獣召喚/1事件に1回使用可能)、奇跡的な回復薬、バードドール(MR30、飛行可能))

4位:
へーざぶろー/MR35防5
 +金貨30枚、選択した財宝
→(所持品:金貨75枚、高品質な武器+2【トゲこん棒】、高品質な防具【レザーアーマー】、呪文:《死の刃》《そこにあり》《炎の嵐》《メメコレオウスの黒き礫》)

ヤスヒロン/MR45防10
 +金貨30枚、選択した財宝
→(所持品:金貨80枚。高品質な武器+2【鍛冶師の弟子考案、自作の:飛び出せ!くん【モーニングスター】壱号くん+2】、高品質な武器防具【バイキングスパイクシールド】、高品質な武器【ヘヴィーメイス】、高品質な防具【首、腕など急所を部分的に鉄板で覆った鎖帷子】、古代帝国の杖(《L3これでもくらえ!》《炎の嵐》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石*2、奇跡的な回復薬、ボンバの実、呪文:?まきもの=《小鬼の口笛》を習得)

6位:
エミリア/MR30防5
 +金貨70枚
→(所持品:金貨95枚。ベアクロー、高品質な防具【ブレストプレート】、《開け》の呪文石*2、《そこにあり》の呪文石*4、《ないことに》の呪文石*7、奇跡的な回復薬*2、竜の牙、熊神石の破片、屍人使いエルファニの指輪(《L3これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能))

7位:
クリフ/MR45防5魔防5+
 +金貨65枚
→(所持品:金貨135枚。高品質な武器+2【斧】、高品質な防具 【???】、魔封じの首飾り(魔防+5)、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬、竜の牙、炎の石、呪文:《イーゼルヴァンの黒き手》)

デュラル・アフサラール/MR40防5+
 +金貨65枚
→(所持品:金貨70枚。高品質な武器【弓】、灰色熊の毛皮、奇跡的な回復薬*2、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、熊神石、屍人使いエリファスの杖(《L2これでもくらえ!》/1事件に1回使用可能)、呪文:《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》)

"片耳の"マロウズ/MR45防5
 +金貨65枚
→(所持品:金貨75枚。黒き短剣、エルブンダガーMR+10(使用すると銀狼化MR+20/1事件に1回使用可能)、高品質な武器+2【チェーン・ソード】、高品質な防具【レザージャケット】、《ないことに》の呪文石、呪文:《死の刃》《そこにあり》《いだてん》)

カーモネーギー/MR35防10
 +金貨65枚
→(所持品:金貨90枚。高品質な武器+2【魔弓・イチイバル】、高品質な防具【革鎧】、高品質な防具【籠手に付けれる小型盾】、《開け》の呪文石、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《わたしを守って、あなたを守って》)

ヘルト/MR40防5
 +金貨65枚
→(所持品:金貨70枚。高品質な武器【シュヴァイツァー・サーベル】&【カッツバルゲル】、高品質な防具【メイル・アーマー】、保存食*1、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《厄払い》の呪文石、呪文:《死の刃》《そこにあり》《ないことに》《炎の嵐》)

12位:
アンドレア/MR70防5++
 +金貨60枚
→(所持品:金貨140枚。黒き剣、ファイアブランドMR+15(《炎の嵐》を発動/1事件に1回使用可能)、高品質な武器【鞭】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、モンゴーのしるし、熊神石、呪文:《これでもくらえ!》《いだてん》)

シャオリン/MR45防5魔防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨120枚。高品質な武器+2【ヒョウ】、高品質な武器【鉄扇】、高品質な防具 【火鼠の皮衣】、カザン帝国勲章、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、《大まぬけ》の呪文石、《粉みじん》の呪文石、奇跡的な回復薬*2、炎のガントレット(《炎の嵐》《炎の壁》のうち、1つを選んで使用可能/1事件に1回使用可能)、木製自作ドール「睡蓮」、呪文:《死の刃》《ないことに》《炎の嵐》)

スパイデイ/MR30防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨125枚。高品質な武器【細身の剣(レイピア)】、高品質な防具 【鋼の鎧、楯セット】、《そこにあり》の呪文石、奇跡的な回復薬、スパイダーベノム1瓶、呪文:《いだてん》)

ポル・ポタリア/MR30防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨135枚。高品質な武器【鞭】、高品質な防具【飛来物除けの護符を織り込んだジャケット(緑色)と足になじむ靴】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石*2、奇跡的な回復薬*3、スパイダー・ベノム1瓶、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《メメコレオウスの黒き礫》)

メックリンガー老/MR30防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨85枚。高品質な武器【槍】、いにしえの胸当て、《L2これでもくらえ!》の呪文石、《そこにあり》の呪文石、奇跡的な回復薬、ボンバの実、呪文:《ないことに》)

偵察兵のニンツ/MR40防5
 +金貨60枚
→(所持品:金貨85枚。高品質な武器【良い短剣】&【鋭い短剣】、高品質な防具【硬い皮鎧】、《L2これでもくらえ!》の呪文石*2、《ないことに》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《これでもくらえ!》《そこにあり》《ないことに》)

■砦にて待機(今回投稿無し)
《冬の嶺の炎》バラク=ヘルムハート/MR50防5
→(所持品:金貨110枚。黒き大斧、高品質な武器【バスタードソード】、高品質な防具【革鎧】、《開け》の呪文石、奇跡的な回復薬*1、身代わりの依り代、呪文:《そこにあり》《ないことに》《いだてん》《メメコレオウスの黒き礫》)

サマ/MR20防5
→(所持品:金貨105枚。高品質な防具【スケイル・アーマー】、《開け》の呪文石、《ないことに》の呪文石、《魔神の盾》の呪文石、奇跡的な回復薬、呪文:《これでもくらえ!》《耐えよ》《イーゼルヴァンの黒き夢》)

ゲディス/MR20 →(所持品:金貨35枚)
イールギット/MR30 →(所持品:金貨40枚。いにしえの短剣)
アクロス/MR20 →(所持品:金貨50枚)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
☆ザルダック商店
金貨を入手している場合、買い物をしても構わない。自由筆記欄に記載すること。
商品は変わる場合があるので、次回以降に残しておくこともできる。

<商品リスト>
・高品質な武器+2 金貨60枚 MR+15/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい(高品質な武器から買い替える場合、古い武器は金貨10枚で引き取ってくれる)
・高品質な武器 金貨30枚 MR+10/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい
・高品質な防具 金貨30枚 防御点+5/好きな防具タイプを自由筆記に記載下さい
・奇跡的な回復薬 金貨10枚 ダメージ10点回復/1回限り
・神の如き回復薬 金貨25枚 ダメージ30点回復/1回限り
・書物 金貨10枚〜100枚 一般に流通している学術書や歴史書、物語など。金額と内容は自分で選んで下さい
・《L2これでもくらえ!》の呪文石 金貨20枚 魔法ダメージ40点/1回限り
・《L3これでもくらえ!》の呪文石 金貨40枚 魔法ダメージ60点/1回限り
・《死の刃》の呪文石 金貨15枚 1ターンのみダメージ2倍/1回限り
・《開け》の呪文石 金貨10枚 鍵開け/1回限り
・《そこにあり》の呪文石 金貨10枚 隠されたものを感知する/1回限り
・《ないことに》の呪文石 金貨20枚 魔術を1度だけ無効化する/1回限り
・《いだてん》の呪文石 金貨40枚 3ターンの間2回行動が可能/1回限り
・《凶眼》の呪文石 金貨40枚 1ターンのみダメージ3倍/1回限り
・《炎の嵐》の呪文石 金貨40枚 敵全体に魔法ダメージ20点/1回限り
・《耐えよ》の呪文石 金貨40枚 5ターンのあいだ防御点2倍/1回限り
・《わたしを守って、あなたを守って》の呪文石 金貨40枚 2ターンのあいだ1名に魔法防御15点/1回限り
・雇い人(戦士L2) 金貨60枚 MR60防5/1事件限り
・雇い人(戦士L3) 金貨100枚 MR85防10/1事件限り
・雇い人(盗賊L2) 金貨60枚 MR40・《死の刃》《開け》《そこにあり》/1事件限り
・雇い人(盗賊L3) 金貨100枚 MR55防2・《死の刃》《開け》《そこにあり》《いだてん》《耐えよ》/1事件限り
・雇い人(魔術師L2) 金貨60枚 MR25・《L2これでもくらえ!》《ないことに》《凶眼》/1事件限り
・雇い人(魔術師L3) 金貨100枚 MR35・《L3これでもくらえ!》《ないことに》《いだてん》《凶眼》《炎の嵐》《耐えよ》《わたしを守って、あなたを守って》/1事件限り

☆訓練場
金貨を使用して、ガガック兵長に特別訓練をつけてもらえる。自由筆記欄に記入すること。
支払い可能であれば複数回選択しても構わない。
なお魔術訓練で覚えるのはあくまで呪文そのものであり、高レベルで呪文をかける事は魔術師のみができる特技のため、PCにはできない。

・戦闘訓練:金貨100枚/基本MR+10
・魔術訓練1:金貨50枚/(これでもくらえ、死の刃、開け、そこにあり、ないことに)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)
・魔術訓練2:金貨80枚/(いだてん、凶眼、炎の嵐、耐えよ、わたしを守ってあなたを守って)から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【ルール】
・PCはカザン帝国の辺境開拓軍の戦士です。
・T&Tシステム的にはPCは盗賊にあたり、戦士の特技も魔術師の特技も持ち合わせません。
・毎回、「事件」が更新されます。どの事件を解決に向かうか選択して下さい。
・同じ事件に向かったPCが多ければ、解決しやすいですが報酬も少なくなります。逆に1人だと報酬は総取りですが、失敗の可能性も高くなります。
・トロールワールドは無情です。運が悪ければあっけなく死ぬでしょう。死んだときは死んだときです。新たなPCで1から出直して下さい。
・事件の処理はシンプルにモンスターレートで行います。(PCも一律でMR表記処理)PCの初期戦闘力はMR20(3D6+10)です。
・事件を解決したら、報酬がもらえます。報酬はカザン帝国への貢献度として、順位付けされます。順位によっては特別報酬がもらえることもあるでしょう。
・報酬を使って装備を購入したりすることもできます。商品は毎回変わるので使うか、貯めるかは判断のしどころでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【未解決事件】
A:
〈大断崖〉風の峡谷の〈ダルゴンの大図書館〉の調査を継続する。
神の如き力を持つと言われた魔術師の1人、ダルゴンの遺した魔導書を手に入れることが出来れば、ひと財産である事は間違いない。
先遣隊の報告によると、2階特別閲覧室への入室には本1冊の寄贈が必須のようだ。赴く者はザルザック商店で購入を済ませておくように。
また未確認ではあるが、司書ゴーレムから得た情報によると2階から更に塔の最上階に館長室が存在するらしい。
各自、細心の注意を払って調査に当たるように。
脅威予測)中
報酬)大


B:
聖遺物のひとつ《鏡》をなんとか手にし、砦に戻った君たちを司令室にてガガック兵長が出迎えた。
「〈竜塚〉の部隊から伝令だ。今のところ、竜の鳴動は抑え込めているとの事。しかしそう長くは持つまい」
西方エルフ森林警備隊長ギルサリオンは悩みながら言葉を重ねる。
「時間が足りぬか。どうにか二手に分かれられればよいのだが」
守護獣への対処は不安が残るが、君たちに片側を探索してもらい、ギルサリオンと森林警備隊が残る側に当たることとしたい。
《玉》と《杖》……どちらを選ぶべきか?
脅威予測)中
報酬)小


C:
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、探索を継続する。
第四階層は古典的とも言える石造りの迷宮になっているようだ。
幻術によるものか不可思議な現象も起こっている。一層の注意をして探索に望むように。
もし具体的に調査したい部屋などがあれば申告せよ。
(下記より方針を選択して下さい)
・新しいエリアへ進むことを重視
・未探索の扉や通路を埋めていくことを重視
・各部屋の中を丁寧に調査することを重視
脅威予測)未知数
報酬)莫大・金貨よりも魔法の物品の入手可能性が高い

■現在の攻略状況(MAP)
https://ftbooks.xyz/ftnews/KhazanEmpire/4F_MAP2.png


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【作戦会議室・峡谷の山猫亭】

https://www1.x-feeder.info/FTGAME/

出撃前に相談をしたり、雑談や交流ができるチャットルームです。
PC・スマホ・携帯から閲覧/書き込みできますので、ぜひご活用下さい!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
【参加方法】

https://jp.surveymonkey.com/r/QYYZPZ8

参加フォームに下記を記入し、送信して下さい。
・キャラクター名
・今回選択する事件
・(任意・自由筆記)事件への対応や購入した商品、キャラ設定(年齢・性別・性格・生い立ち・風貌・特徴・口癖など)
・プレイヤー名・メールアドレス
 *投稿内容の詳細確認などが必要な際にこちらからご連絡をする場合があります。

【参加締切】
配信日の2週間後を締切とします。
締切を過ぎますと次回は「待機」となります。

■今回の締切:6/14(日)24時まで

 *ep.13配信予定:7月中旬


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