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『モンセギュール1244』リプレイ~友達んち編(10)
あとがきにかえて
(明日槇 悠)
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世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイ~友達んち編を約半年にかけてお送りして参りました。
あとがきにかえまして、セッションから一年後のプレイヤーたちの感想をお聞かせして、各位に謝意を述べ、最後のご挨拶とさせていただこうとおもいます。
『モンセギュール1244』をプレイして、どこが楽しかったか。そしてどこが難しかったか。私はFT新聞の記者として独占インタビューを試みました。
◯プレイヤーに訊く!
はじめにお話をうかがったのは、本文中のBさんこと小説家/ゲームシナリオライターの木野誠太郎さんです。
レーモン、アミエル、フィリッパ、セシルといった幅広いキャラクターを好演し、場の勢いに乗ったり、流れを抑えたりのバランサーを見事務めてくださいました。
【楽しかった点は?】
B「歴史上のいち人物として振る舞えて、また役割を適宜交代することから様々なロールプレイが楽しめた点です。複雑な人間関係が織り成す出来事は知性と示唆に富んでおり、プレイ中から終幕に至るまでに深い人間讃歌の片鱗を見ることができました。」
【難しかった点は?】
B「教義や歴史について一定の理解が必要な作品のため、導入に時間がかかったことでしょうか。そのため、他人に簡単におすすめしづらいと感じました。モンセギュールをプレイできる人間関係のなかにあること、それ自体が幸福とさえ感じるかもしれません。」
木野誠太郎さん、ありがとうございました! 木野さんの近著である『Re:cycle -たったひとりのアイドル-』(十夜原作、PHP研究所)も気になった方はぜひチェックしてみてください。
(https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-88146-1)
続いて、様々なキャラクター、特にベルトランの怪演によって絶大なインパクトを残し、全体の場を掌握した本文中のAさんこと構成作家のKeiさんにお話をうかがいました。
巧みな演技力とユーモアによってセッションを積極的に引っ張っていただいたおかげでプレイがしやすく、何より面白くなりました。
【楽しかった点は?】
A「絶対に自分からは出てこない特殊な設定を与えられてのロールプレイ。戦闘メインではなく、会話メインで進行する点もよかった。職場にTRPG趣味の人がいて、その話を聞けば聞くほど『あれ珍しかったんやな』と実感できる。」
【難しかった点は?】
A「ストーリーがマジで把握しにくい。自分はよかったけど、口下手な人は苦手そう。普通よりもキャラクターを演じる難易度が高いので。」
Keiさん、ありがとうございました。現在はモキュメンタリー作品の準備をされているそうで、公開を楽しみにしております。
そして、本文中のDさんこと「あのセッションの時の心の若さを忘れずにいたい」というフォーエバーヤング、小山さんのご感想。
サブキャラクターのアミエルを主人公と見なすほどの感情移入や、マクベス夫人のように野望を達成した途端それを手放すアルセンドのある意味リアルなロールプレイが心に残りました。
【楽しかった点は?】
D「冗談言いながら遊べるところ」
【難しかった点は?】
D「プレイ時間が長い」
小山さんは現在公の場から姿をくらましているそうなのですが、幸運にも人づてにこのご感想をあずかることができました。当記事のためにご協力いただき、ありがとうございます。
こうなると一人だけ何も述べないわけにはいかないので、最後となりますが、本文中のCこと『モンセギュール1244』を持参した編集部員の明日槇自身の感想をお届けします。
【楽しかった点は?】
C「このゲームを共に遊べる友達がいるということがなにより楽しいことではないでしょうか。これが面白そうと感じる価値観を同じくするわけですから。」
【難しかった点は?】
C「ルールブックや参考資料の文章量に尻込みする人は多いでしょう。実際、メンバーが決まるまでに長い時間を要しました。ロールプレイにはかなりの頭の回転が必要です。総じてやってやるという勢いが大切といえます。」
●そしてあの家は……
今回のインタビューで改めて分かったことですが、我々がセッションをおこなった「友達ん家」には、本連載の参加メンバーはもう一人も住んでいないということでした。
その家のシャンプーが長らく切れているというので、みんなで近くのドラッグストアまで買い出しに行ってだいぶ開始時間が遅れたものですが。
プレイ中に誰か知らない住人がルールブックやカードを展開している横の畳を行き交ったり、ずるずる麺をすすったり、丸まって寝たりしていたものでしたが。
おもえば一緒に遊んだ参加メンバーも、多くは知り合って間もない方々で、中には当日飛び入りで参加され、この家で初めて会って連載まで名前も知らないままの方もいたのでした。
そう、実のところ私はあの「友達ん家」が誰の何であるのか、未だによく分からずにいるのです。
しかし、友達とは本来、そういったものではなかったでしょうか。
お互いに正体も知らないし、正確に知ろうともしていないし、なんなら思想や信条なんかについてうっすら誤解していたりもする。
それでも(だからこそ?)仲よくなることはできるし、そこから何かが生まれることもある。
友達を持つ勇気さえあれば、『モンセギュール1244』を遊ぶハードルはそう高くはないのではないでしょうか。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
最後に、寛大にも本リプレイ連載の許可をくださった訳者の岡和田晃氏及び版元であるニューゲームズオーダーに格別の感謝を申し上げます。
かなり自由にプレイさせていただいた中で冷や冷やさせてしまう場面もあったのではないかと拝察しますが、まだ先の展開もご存じない段階で許可をいただけたことが何よりの励みとなりました。
皆さんもぜひご自由に、『モンセギュール1244』を遊びましょう。異端カタリ派と呼ばれた人々とその時代への手向けに!
◯C'est tout.
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3~6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3~5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669