From:水波流
近未来ロボットシミュレーション『鋼魂(メタルストーム)』を遊んでいます。
このゲーム、何とスクウェアの名作SLG『フロントミッション』最新作として開発されていたものだそうで、何らかの事情でオリジナル作品としてリリースされました。
メカをパーツごとにカスタマイズする小隊編成もですが、孤島での勢力争いや生体ユニット開発実験の試験体にされるなどストーリーもフロントミッションのハードボイルドなテイストのままで面白い!
From:葉山海月
近所のスーパー専用のクレカ。
2万チャージするごとに、500円金券が出ます。
しかも、本日限りです。
12万入れたら、3000円!
12万落としちゃいました。
こういうのをことわざで「取らぬ狸の皮算用」って言うんですね(間違い)
From:中山将平
僕ら明日12/1(日)、東京ビッグサイトの西3・4ホールで開催される「文学フリマ東京39」にサークル参加します!
配置は【け-49】です。
ゲームマーケット秋でのローグライクハーフ新刊「四猫亭の幽霊」や「アランツァクリーチャー事典×シナリオ作成ガイド」も扱います。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
また、僕個人は今日11/30(土)と明日12/1(日)、大阪なんばOCAT1階正面広場で開催の「蛙びとの集いin OCAT」に、「カエルの勇者ケロナイツ」のポストカードやステッカーを持ってサークル参加しています。
こちらもお近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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■11/24(日)~10/29(金)の記事一覧
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2024年11月24日(日) 水波流 FT新聞 No.4323
予告と再配信:蛮族都市フーウェイ「ローグライクハーフ」シナリオ&データ
・来週12月第1日曜は、ついに! 水波編集長がが執筆したローグライクハーフd33シナリオが登場!
『名付けられるべきではないもの』と題されたこの作品は、蛮族都市フーウェイが舞台。
残暑の厳しい夏……〈太古の森〉に蠢く奇怪な怪物を追う物語。
森の秩序を守るエルフ王の直属部隊。逍遙する森の魔女。飛び交う忌まわしき蜂ども。
『常闇の伴侶』に連なる物語ですが、単話で完結しているため、これだけで遊んでも問題ありません。
またそれに伴い、今日は前作であるd66シナリオ『常闇の伴侶』(PDF版)と、フーウェイに関する「都市サプリメント」と「新職業」も再配信いたします。
『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』を遊ぶ前後に、装備品や従者を購入するなどぜひご活用下さい。
2024年11月25日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4324
FT書房、今週の動き☆
・FT書房で起こった、行ったここ1週間の動きをご紹介いたします。
新刊2冊(『アランツァクリーチャー事典』『四猫亭の幽霊』)を引っ提げて、ゲームマーケットに出陣してきたこと。
冬のコミックマーケットでは、ロア・スペイダーによる新作ゲームブック「単眼の巨獣」を刊行する予定であること。
杉本氏は現在、「ヒーローズオブダークネス」に取り組んでいること。
もちろん!「モンスター!モンスター!TRPG」のほうも!
詳細は、ぜひ本記事を!
2024年11月26日(火) 中山将平 FT新聞 No.4325
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第34回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)。
その創作から、学んだことを書きつづります。
今回の記事でも、前回に引き続きもう一度ファンタジーにおける「種族間の関係性」について書こうと思います!
特に、
・一つ目は「中立種族を描くことは、かなり楽しい」ということ。
・二つ目は「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」ということ。
三つ目は「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」ということ。
この3点から、話を掘り下げてまいります。
2024年11月27日(水) ぜろ FT新聞 No.4326
第2回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第413回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、丹野佑著「白い小屋、赤い絶望」に挑戦します。
主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
何が起きたのか、あるいはさらに何か起きようとしているのか。
探索を続けるうちに、護符、星図、血まみれのナイフ。
捜査過程の中、この惨状の原因に思い当たります。
その先に待ち受けるものとは?
2024年11月28日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4327
『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! 番外編1
・本コラムは「FT新聞」で不定期連載されている『ウォーハンマーRPG』第4版を中心とするエッセイ「『ウォーハンマーRPG』を愉しもう!」の番外編ミニコラムです。
『ウォーハンマーRPG』第4版の新作サプリメントが10月に発表されています。公式サイトより無料ダウンロードできる「ウォーハンマーRPG第4版へのコンバート案〜初版および第2版から」がそれになります。
●初版から第4版へのコンバート
●第2版から第4版へのコンバート
の詳細について解説していきます!
2024年11月29日(金) 休刊日 FT新聞 No.4328
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(ジャラル アフサラールさん)
中立種族関係で一番印象的なのがファンタジーではないですが『スター・トレック』シリーズに出てくるフェレンギ人ですね。知らない方に説明すると小柄な体格と大きい耳、「金儲け」を第一に追求する極端な拝金主義の種族でこれ日本人がモデルじゃね?と思える(笑)異星人です。無益な(=金にならない)戦争を嫌うため中立の種族で、金銭関係のトラブルメーカーだけでなく、情報提供役、やられ役(笑)など色々使える種族です。
(お返事:中山将平)
いつもご感想をいただき、ありがとうございます。
「富」に対する価値観って、一番種族間の違いが浮き彫りになる部分かもしれませんね。
ある種族は食料を、また別の種族は希少な金属を、さらに別の種族は魔法の知識を、それぞれ「富」と考え貯めこもうとする……とか設定があると楽しそうだと感じています。
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2024年11月30日土曜日
2024年11月29日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4328
おはようございます。
本日は、タイトルのとおり休刊日です。
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2024年11月28日木曜日
『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! 番外編1 FT新聞No.4327
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『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! 番外編Vol.1
岡和田晃
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昔の仲間に再会し、酒を酌み交わし、生き延びてきた秘訣を教えてもらったときほど嬉しいことはないね。
——ドワーフの洞窟戦士イーリ
本コラムは「FT新聞」で不定期連載されている『ウォーハンマーRPG』第4版を中心とするエッセイ「『ウォーハンマーRPG』を愉しもう!」の番外編ミニコラムです。
『ウォーハンマーRPG』第4版の新作サプリメントが10月に発表されています。公式サイトより無料ダウンロードできる「ウォーハンマーRPG第4版へのコンバート案〜初版および第2版から」がそれになります。ほぼ全体がチャートから構成されるもので、私がメイン翻訳を担当し、確認にはかなりの手間がかかったのですが、幸い、翻訳チームの阿利浜秀明さんのご協力で完成できたものです。
TRPGは版上げでがらりと内容が変わり、まったくの別ゲームとなってしまうことも、珍しいものではありません。『ウォーハンマーRPG』の場合、背景設定を知るための資料としては、旧版のサプリメントも大いに役立つのですが、データに互換性がありませんでした。このため、日本語版の展開が始まった当初より、本作を紹介したいと考えてきたのです。このサプリメントさえあれば、旧版のサプリメントを死蔵せずに済むというわけですからね。
見落としを避けるため、翻訳にあたっては、いちいち各版のルールブックを引き直して参照していったのですが、このプロセスで私も、ルールへの理解を深めることができました。
では、現行の第4版と、過去に日本語版が出た初版と第2版の大きな違いは何なのでしょう。実はこれ、サプリメント本文にしっかりまとめられているのです。
●初版から第4版へのコンバート
・第4版の能力値は通常1から100の間をとるが、それでも例外的な状況においては、これを超えることもある。
・第4版のキャラクターの【耐久値】は、初版のキャラクターの【耐久度】のおよそ2倍である。
・第4版には【攻撃回数】の能力値はなく、代わりに最新の戦闘システムに依拠している。
・初版とは異なり、第4版には【敏捷力】の「能力値」がある。
・初版における【冷静度】の能力値の役割は、【意志力】の「能力値」と〈冷静さ〉の技能に統合された。
・初版における【統率度】の役割は、【協調力】の能力値と〈指揮〉の技能に統合された。
・第4版では、初版における技能が、技能と異能に分かれている。
●第2版から第4版へのコンバート
・第4版の能力値は例外的に100を超えることもある。
・第4版には【攻撃回数】の能力値はなく、代わりに最新の戦闘システムに依拠している。
・第4版は2版とは異なり、【敏捷力】に加えて【器用度】の能力値がある。
・第4版は第2版とは異なり、【知力】に加えて【機転】がある。
こう見るとけっこう異なりますね。GMがアドリブで直感的に変更できるようなレベルを超えています。そこで、本書を用いた数値のコンバートが役立つわけです。ただ、「運命点」と「執念点」に関する指針はないため、GM判断で決めるか、第4版P.33を参照して算出し直すのもよいでしょう。
本サプリメントを訳して、やはり強く印象に残るのは、キャリアの変更です。第4版は初版回帰の色調が強いとはいえ、催眠術師、ドルイド、咄家、労務者、偽金造り、弓使いといったキャリアはサポートされていません。第2版なら、キスバンド戦士、キスレヴ蛮人、ノーシャ狂戦士といったキャリアも同様です。これらを近似的にコンバートするやり方が掲載されているほか、原書刊行後、第4版のサプリメントで発表されたキャリア(『武器を掲げよ!』)でサポートされた「野営追行者」等は注釈でフォローしています。
おそらく読者の方のなかには、初版や2版はフォローしていたものの、第4版の『ウォーハンマーRPG』を追いきれていない、という方もいらっしゃると思います。そういった方は、基本ルールブックを購入し、お手持ちのキャラクターやシナリオのデータをコンバートしてみてください。そのうえで、第4版はシナリオがたくさん発売されているので、まずは単発で遊びやすいシナリオを集めた『ライクランド綺譚』に触れてみるのがオススメです。
なお、本書と同じタイミングで、『ウォーハンマーRPG アルトドルフマップ』と、『ウォーハンマーRPG ミドンヘイムマップ』が発売されました。こちらは有料販売となっていますが、美しい高精細マップを堪能できます。エンパイアの首都と北方にある"白狼の都"が壮麗かつ細部にわたって書き込まれています。
ここで用いられている各ロケーションの訳語は、アルトドルフが待兼音二郎さん、ミドンヘイムが私を中心に監修し、阿利浜秀明さんや見田航介さんのサポートもいただきました。第2版のシナリオ集『ミドンヘイムの灰燼』や『アルトドルフの尖塔』あわせにもしやすい作りにもなっていますし、中近世の都市の資料としても秀逸です。『ウォーハンマーRPG』第4版でのPDFサプリメントは、原書が無料のものは日本語版も無料、原書が有料のものは日本語版も有料、という形で提供されているのですが、まずは本書を通じて、『ウォーハンマーRPG』に出逢い直してみてください。
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『ウォーハンマーRPG第4版へのコンバート案〜初版および第2版から』
無料
公式サイトのダウンロードページ
(https://hobbyjapan.co.jp/whrpg/pdf/WHRPG_4th_Edition_Conversion.pdf)
『ウォーハンマーRPG アルトドルフマップ』
『ウォーハンマーRPG ミドンヘイムマップ』
発売日:2024年19月
価格:各700円(+税)
『ウォーハンマーRPG』ホビージャパン公式サイト
https://hobbyjapan.co.jp/whrpg/
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本コラムは「FT新聞」で不定期連載されている『ウォーハンマーRPG』第4版を中心とするエッセイ「『ウォーハンマーRPG』を愉しもう!」の番外編ミニコラムです。
『ウォーハンマーRPG』第4版の新作サプリメントが10月に発表されています。公式サイトより無料ダウンロードできる「ウォーハンマーRPG第4版へのコンバート案〜初版および第2版から」がそれになります。ほぼ全体がチャートから構成されるもので、私がメイン翻訳を担当し、確認にはかなりの手間がかかったのですが、幸い、翻訳チームの阿利浜秀明さんのご協力で完成できたものです。
TRPGは版上げでがらりと内容が変わり、まったくの別ゲームとなってしまうことも、珍しいものではありません。『ウォーハンマーRPG』の場合、背景設定を知るための資料としては、旧版のサプリメントも大いに役立つのですが、データに互換性がありませんでした。このため、日本語版の展開が始まった当初より、本作を紹介したいと考えてきたのです。このサプリメントさえあれば、旧版のサプリメントを死蔵せずに済むというわけですからね。
見落としを避けるため、翻訳にあたっては、いちいち各版のルールブックを引き直して参照していったのですが、このプロセスで私も、ルールへの理解を深めることができました。
では、現行の第4版と、過去に日本語版が出た初版と第2版の大きな違いは何なのでしょう。実はこれ、サプリメント本文にしっかりまとめられているのです。
●初版から第4版へのコンバート
・第4版の能力値は通常1から100の間をとるが、それでも例外的な状況においては、これを超えることもある。
・第4版のキャラクターの【耐久値】は、初版のキャラクターの【耐久度】のおよそ2倍である。
・第4版には【攻撃回数】の能力値はなく、代わりに最新の戦闘システムに依拠している。
・初版とは異なり、第4版には【敏捷力】の「能力値」がある。
・初版における【冷静度】の能力値の役割は、【意志力】の「能力値」と〈冷静さ〉の技能に統合された。
・初版における【統率度】の役割は、【協調力】の能力値と〈指揮〉の技能に統合された。
・第4版では、初版における技能が、技能と異能に分かれている。
●第2版から第4版へのコンバート
・第4版の能力値は例外的に100を超えることもある。
・第4版には【攻撃回数】の能力値はなく、代わりに最新の戦闘システムに依拠している。
・第4版は2版とは異なり、【敏捷力】に加えて【器用度】の能力値がある。
・第4版は第2版とは異なり、【知力】に加えて【機転】がある。
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本サプリメントを訳して、やはり強く印象に残るのは、キャリアの変更です。第4版は初版回帰の色調が強いとはいえ、催眠術師、ドルイド、咄家、労務者、偽金造り、弓使いといったキャリアはサポートされていません。第2版なら、キスバンド戦士、キスレヴ蛮人、ノーシャ狂戦士といったキャリアも同様です。これらを近似的にコンバートするやり方が掲載されているほか、原書刊行後、第4版のサプリメントで発表されたキャリア(『武器を掲げよ!』)でサポートされた「野営追行者」等は注釈でフォローしています。
おそらく読者の方のなかには、初版や2版はフォローしていたものの、第4版の『ウォーハンマーRPG』を追いきれていない、という方もいらっしゃると思います。そういった方は、基本ルールブックを購入し、お手持ちのキャラクターやシナリオのデータをコンバートしてみてください。そのうえで、第4版はシナリオがたくさん発売されているので、まずは単発で遊びやすいシナリオを集めた『ライクランド綺譚』に触れてみるのがオススメです。
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ここで用いられている各ロケーションの訳語は、アルトドルフが待兼音二郎さん、ミドンヘイムが私を中心に監修し、阿利浜秀明さんや見田航介さんのサポートもいただきました。第2版のシナリオ集『ミドンヘイムの灰燼』や『アルトドルフの尖塔』あわせにもしやすい作りにもなっていますし、中近世の都市の資料としても秀逸です。『ウォーハンマーRPG』第4版でのPDFサプリメントは、原書が無料のものは日本語版も無料、原書が有料のものは日本語版も有料、という形で提供されているのですが、まずは本書を通じて、『ウォーハンマーRPG』に出逢い直してみてください。
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2024年11月27日水曜日
第2回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4326
第2回【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
「白い小屋、赤い絶望」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。
主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
何が起きたのか、あるいはさらに何か起きようとしているのか。
命をつなぐ薪の補充を探しつつ、事態の謎に迫ります。
【現在の時間:午後9時】
●アタック02-2 山小屋の宇宙的存在
俺は小屋の中にいる。今調べられるのはこんなところだ。
・暖炉
・棚
・荷物(時間経過)
・物置(時間経過)
・便所
・上げ板
このうち棚は調べた。ラジオを発見したが使い物にならず、中の乾電池だけ失敬した。
次は、荷物を調べようと思っていたが、時間経過を伴う。
なので先に暖炉を軽く調べておいた。
といっても特筆すべきことはなかった。薪の補充をするかと確認されたくらいだ。
まだ持っていないから補充できなかった。
さて、改めて荷物を調べよう。
まず、荷物は1か所に固められているという状況からして不自然だ。
普通5人パーティで山小屋に立ち寄ったとしたら、ほかに客がいなければ、荷物はめいめい好きなところに置くだろう。
固めて置くだけでも、小屋の中でなにかを行う目的があったことを想像させる。
そう、たとえば床に赤い塗料で図形を描くため。
これは、リュックの5人が、バラバラに来た人たちではなく、1つの集団という可能性を示唆している。
荷物の中には、登山に必要な道具がそろえられていた。
少なくとも登山は目的のひとつに入っていたようだ。その目的地がこの山小屋だったのかもしれない。
そんなことはいいんだ。それよりほかにないのか。何か金目のもの……じゃなかった、彼らの身元や目的がわかる物品が。
すると妙なものを見つけた。
……護符?
壁面の赤い文字と同じ文字で書かれている。
それから、これはなんだ。星図?
山岳地図ではなく、星図?
あとはナイフだ。
登山用のナイフならあって当然だが、これは明らかに登山用には適さないと思われる。
それが鞘に入った状態で見つかる。
ひとつひとつ見ていこう。
まず護符だ。
これは複数の荷物から同じものが見つかった。
少なくとも道中の安全を祈願するようなものではなさそうに思う。
なんだか得体の知れない文字の護符を共有しているくらいだから、このメンバーは目的を共有していたと見ていいだろう。
護符には図像が描かれている。
触手と牙と目を持っている、ように見える。
しかし、そんな生物的な特徴を示しながら、なぜか俺にはそれが、機械めいて見えた。
生物にして機械。自分で言っといてなんだが、よくわからない。
そして星図。
山で天体観測でもしようとしていたのか?
まあねー。「クトゥルフもの」「儀式」「星図」と揃っちゃうと、なんらかの宇宙的存在を呼び寄せようとしてたのか、とか勘繰っちゃうよねー。
なんてことを思いながら星図を眺めると、奇妙なことに気がついた。
俺の知っている星座がない。冬の大三角も夏の大三角もない。
これではまるで、地球以外のどこかの場所から描かれたもののようだ。
もちろん北斗七星もない。死兆星も見えない。俺は死なずにすみそうだ。
星図の裏側には、俺の予測を裏づけるような書き込みがあった。
「星の巡りが正しければ、儀式はうまくいくはずだ」
やっぱり、あの壁面や床は儀式に使用するものだったみたいだ。
「はるかかなたの異星と地球を結ぶことには危険が伴う」
なんらかの宇宙的存在を呼び寄せようとしていた、というのも正解くさい。
「門を開けば、かの星の凍てつく大気が空から流れ込んでくるだろう」
えええそれって、今のこの吹雪の状況にぴったり合致していないかい?
そんな異星と繋がって、凍てつく大気が流れ込んできてて、呼吸ができるのは不思議だけれど、そんなツッコミしてる場合じゃない。
だって今の猛吹雪ってつまり「門が開きっぱなし」ってことでしょ?
クトゥルフものだとわかっているプレイヤー的には次から次へと考えが巡るけれど、俺サクタロウにはこの程度の記述でここまでたどり着くのは、無理かもしれないな。
いや、無理じゃないかもしれないが、この時点では空想として片づけてしまいそうだ。
よくある設定の創作ノートかなにかかと思ってしまうかもしれない。
そしてその続きには、「かの怪物」を呼び寄せる呪文と、送り返す呪文が書かれていた。これは覚えておこう。
最後に「儀式は速やかに終わらせること」とあるが……終わらせられたのか? この儀式。
●アタック02-3 血濡れのナイフの使いみち
リュックの中身を確認中。あとはナイフだ。
ナイフはかなり大きな刃渡りのものだ。日用品ではない。狩猟用とでもいったところか。
普通に銃刀法違反で捕まるやつ。
このナイフも儀式用だろうか。
使い道はわからないけれど、儀式といえば生贄。
さっき護符が出て来たリュックは、「全員」ではなく「複数」という表現だった。
もしかしたら護符が入っていないリュックは、今回の生贄、被害者になる予定の人物だったのかもしれない。
そんなことを思いながら、ナイフを鞘から取り出す。
そこにはべっとりと赤いものがついていた。
錆びた鉄のような臭い。
壁面や床にある赤い塗料ではない。これは……血だ。固まりきっていない。
本当に、生贄の儀式が行われたのか?
それにしてもわからない。
ナイフを鞘に戻して、リュックの中にしまうだけの時間的余裕がありながら、どうして血を拭き取らなかったんだ?
どう考えても、血を拭き取ってから鞘に戻すよな。
そして、少なくとも、ナイフをしまった人物は生き残っていたはずだ。
その人物は、どこに行ってしまったんだ?
さあ、リュックの中身の確認は終わった。
これだけで、いろいろと推測できることはあった。
そして時間は経過している。現在は【午後10時】だ。
次はどこを調べるか。残っているのはこれだけだ。
・物置(時間経過)
・便所
・上げ板
物置だな。
普通に考えれば、薪が置いてある可能性がもっとも高いだろう。
この小屋の謎を解き明かす前に、薪の補充をしなければならないというミッション、俺は忘れちゃいない。
物置には雑然と、山小屋に必要なものが押し込まれていた。
斧やロープ、釘、補修用の板など。
補修用の板は、薪のかわりにしても良さそうに思うが、代用できるとは書かれていない。残念。
あとは懐中電灯がある。しかし、乾電池が切れてしまっているようだ。
お。乾電池なら持っているぞ。さっきラジオから抜いたやつだ。
サイズもぴったり。懐中電灯が使えるようになった。
これはまた少し調査が前進したと考えて良さそうだ。
物置の中はものが多かったので、これだけでまた時間が経過している。
今は【午後11時】だ。
薪切れの制限時間まで、あと1時間。
●アタック02-4 召喚の儀
まだ調べていないのは、便所と上げ板だ。
薪があるとしたら上げ板の方だな。
まさに今手に入れた懐中電灯を使うならこっちだろう。
それに、物置に薪がなかったのなら、地下室にあると考えるのが自然だ。
これで単なる床下収納だったらお笑いだけど。
単なる床下収納で、しかも死体が納められていたりしたら、お笑いにもならないけれど。
でも、地下室になっているとしたら、やっぱり安全を確保したうえで向かいたい。
安全を確保。つまり、便所の中に何者かが潜んでいないかということだ。
誰かがいるなら、閉じ込められないとも限らないからな。
便所は、部屋から遮断されているだけに冷気がすごい。
ここに誰かが長時間隠れているとは考えにくい。
壁面も床面も、何もない。ここは儀式の範囲外と見てよさそうだ。
だが、便器の奥に何か白いものが見える。
拭いた後の便所紙かもしれない。
手を伸ばせば届きそう。
汚いが、ここは思い切りが肝心だ。
俺はそれに手を伸ばした。
本から破り取られた1ページらしい。
ところどころ、赤黒いシミがあって読むことができない。
なんとか解読してみよう。
そこには、外宇宙の生命体を示唆する、その生態の説明が書かれていた。
その生命体の名称は、ああ、肝心なところがシミで読めない。
「■の精」とある。
理由の部分が読み取れないが、普段は肉眼では見えないらしい。
だが、生き血を好む。
人間ひとり分の血を吸い尽くす頃には、目に見えるようになる。
ルドウィグ・プリンなる人物が、魔導書の儀式を用いてこの生命体を使役していたとされる。
その魔導書に、主人となる人間ひとりの氏名と、シミで読めないが、おそらく「生贄」となる人間の名前を複数、記すとある。
すると生贄たちは異星へ捧げられ、■の精が門を通じて召喚され、主人に従う、と。
だんだんと読み取れる情報が多くなってきた。
つまりだ。
主人となるべき人物はひとりだけ。
先客5人のうち、あとの4人は生贄ということだろう。
護符が複数のリュックから見つかっているのは、首謀者が何かうまいこと言いくるめたのかもしれない。
たとえば超常現象研究会のメンバーだったりとか。
今の吹雪の天候から察するに、異界への門は開かれており、そして開きっぱなしだ。
つまり、生贄たちはすでに異界送りになっているものと考えられる。
もちろん、異界から召喚された「■の精」はここにいる。
しかし、「肉眼では見えない」。
これって、俺がこの小屋に入った気配の正体なのではないか。
人間ひとり分の生き血を吸う機会をうかがっているのではないか。
そして、ここまででもまだ読み解けない謎は残る。
じゃあ、その■の精の主人となるべき人間ひとりはここに残っているはず。
その人物は、どこに消えたのだ? 使役できなかったのか?
■の精に生き血を吸われていれば、■の精は実体化しているはず。
それもないというのは……どういうこと?
今、いちばん間抜けなひとつの解が思い浮んだ。
彼らは、儀式の正しい手順を知らなかった。
それで、5人の名前を全部、魔導書の生贄の欄に書き込んでしまった。
5人は全員異界送りとなり、■の精は召喚された。
しかし■の精は、主がいないまま、この小屋の中に留まっている。
しかも、門は開きっぱなし。
なんてことだ。辻褄は合ってしまうぞ。
あれ、けど、血濡れのナイフの謎は残ったままだな。
少なくとも誰かが誰かを傷つけているはずなのだ。
先客の5人のメンバーの中で、儀式の前後でなんらかのトラブルが起こっているはず。
それが事態をややこしくしているに違いないのだが……。
ええい。わからん。
一旦思考から離れよう。便所からも離れよう。
そして残った上げ板を調べよう。
そう思い、便所に背を向け、小屋の探索に戻ろうとした。
そのとき、背後から小さな物音が聞こえた。
振り返るか、無視するかの選択。
こんなときに、無視するだけの度胸はない。
俺は振り返った。
便所の扉が閉まっていた。
なお、俺は閉めていない。
勝手に閉まった?
いや。これはきっと、目に見えない■の精が、ここに存在していることを示しているのだ。
目に見えないだけで手を出してこない理由はわからない。わからないだけに恐ろしい。
きっと俺は、何か「襲われないための条件」を満たしているに過ぎないだろうから。
次回、そんなことより薪がないと死ぬ。
【現在の時間:午後11時】
■登場人物
丸井サクタロウ 主人公。登山中に吹雪に見舞われ、山小屋に避難する。しかしその山小屋は異様な状況だった。
5人の先客 ここで異星から、■の精を召喚するための儀式を行ったとみられる。しかし誰もいなくなった。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「白い小屋、赤い絶望」
著者:丹野 佑
発行所・発行元:FT書房
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※ここから先はゲームブック【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
「白い小屋、赤い絶望」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。
主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
何が起きたのか、あるいはさらに何か起きようとしているのか。
命をつなぐ薪の補充を探しつつ、事態の謎に迫ります。
【現在の時間:午後9時】
●アタック02-2 山小屋の宇宙的存在
俺は小屋の中にいる。今調べられるのはこんなところだ。
・暖炉
・棚
・荷物(時間経過)
・物置(時間経過)
・便所
・上げ板
このうち棚は調べた。ラジオを発見したが使い物にならず、中の乾電池だけ失敬した。
次は、荷物を調べようと思っていたが、時間経過を伴う。
なので先に暖炉を軽く調べておいた。
といっても特筆すべきことはなかった。薪の補充をするかと確認されたくらいだ。
まだ持っていないから補充できなかった。
さて、改めて荷物を調べよう。
まず、荷物は1か所に固められているという状況からして不自然だ。
普通5人パーティで山小屋に立ち寄ったとしたら、ほかに客がいなければ、荷物はめいめい好きなところに置くだろう。
固めて置くだけでも、小屋の中でなにかを行う目的があったことを想像させる。
そう、たとえば床に赤い塗料で図形を描くため。
これは、リュックの5人が、バラバラに来た人たちではなく、1つの集団という可能性を示唆している。
荷物の中には、登山に必要な道具がそろえられていた。
少なくとも登山は目的のひとつに入っていたようだ。その目的地がこの山小屋だったのかもしれない。
そんなことはいいんだ。それよりほかにないのか。何か金目のもの……じゃなかった、彼らの身元や目的がわかる物品が。
すると妙なものを見つけた。
……護符?
壁面の赤い文字と同じ文字で書かれている。
それから、これはなんだ。星図?
山岳地図ではなく、星図?
あとはナイフだ。
登山用のナイフならあって当然だが、これは明らかに登山用には適さないと思われる。
それが鞘に入った状態で見つかる。
ひとつひとつ見ていこう。
まず護符だ。
これは複数の荷物から同じものが見つかった。
少なくとも道中の安全を祈願するようなものではなさそうに思う。
なんだか得体の知れない文字の護符を共有しているくらいだから、このメンバーは目的を共有していたと見ていいだろう。
護符には図像が描かれている。
触手と牙と目を持っている、ように見える。
しかし、そんな生物的な特徴を示しながら、なぜか俺にはそれが、機械めいて見えた。
生物にして機械。自分で言っといてなんだが、よくわからない。
そして星図。
山で天体観測でもしようとしていたのか?
まあねー。「クトゥルフもの」「儀式」「星図」と揃っちゃうと、なんらかの宇宙的存在を呼び寄せようとしてたのか、とか勘繰っちゃうよねー。
なんてことを思いながら星図を眺めると、奇妙なことに気がついた。
俺の知っている星座がない。冬の大三角も夏の大三角もない。
これではまるで、地球以外のどこかの場所から描かれたもののようだ。
もちろん北斗七星もない。死兆星も見えない。俺は死なずにすみそうだ。
星図の裏側には、俺の予測を裏づけるような書き込みがあった。
「星の巡りが正しければ、儀式はうまくいくはずだ」
やっぱり、あの壁面や床は儀式に使用するものだったみたいだ。
「はるかかなたの異星と地球を結ぶことには危険が伴う」
なんらかの宇宙的存在を呼び寄せようとしていた、というのも正解くさい。
「門を開けば、かの星の凍てつく大気が空から流れ込んでくるだろう」
えええそれって、今のこの吹雪の状況にぴったり合致していないかい?
そんな異星と繋がって、凍てつく大気が流れ込んできてて、呼吸ができるのは不思議だけれど、そんなツッコミしてる場合じゃない。
だって今の猛吹雪ってつまり「門が開きっぱなし」ってことでしょ?
クトゥルフものだとわかっているプレイヤー的には次から次へと考えが巡るけれど、俺サクタロウにはこの程度の記述でここまでたどり着くのは、無理かもしれないな。
いや、無理じゃないかもしれないが、この時点では空想として片づけてしまいそうだ。
よくある設定の創作ノートかなにかかと思ってしまうかもしれない。
そしてその続きには、「かの怪物」を呼び寄せる呪文と、送り返す呪文が書かれていた。これは覚えておこう。
最後に「儀式は速やかに終わらせること」とあるが……終わらせられたのか? この儀式。
●アタック02-3 血濡れのナイフの使いみち
リュックの中身を確認中。あとはナイフだ。
ナイフはかなり大きな刃渡りのものだ。日用品ではない。狩猟用とでもいったところか。
普通に銃刀法違反で捕まるやつ。
このナイフも儀式用だろうか。
使い道はわからないけれど、儀式といえば生贄。
さっき護符が出て来たリュックは、「全員」ではなく「複数」という表現だった。
もしかしたら護符が入っていないリュックは、今回の生贄、被害者になる予定の人物だったのかもしれない。
そんなことを思いながら、ナイフを鞘から取り出す。
そこにはべっとりと赤いものがついていた。
錆びた鉄のような臭い。
壁面や床にある赤い塗料ではない。これは……血だ。固まりきっていない。
本当に、生贄の儀式が行われたのか?
それにしてもわからない。
ナイフを鞘に戻して、リュックの中にしまうだけの時間的余裕がありながら、どうして血を拭き取らなかったんだ?
どう考えても、血を拭き取ってから鞘に戻すよな。
そして、少なくとも、ナイフをしまった人物は生き残っていたはずだ。
その人物は、どこに行ってしまったんだ?
さあ、リュックの中身の確認は終わった。
これだけで、いろいろと推測できることはあった。
そして時間は経過している。現在は【午後10時】だ。
次はどこを調べるか。残っているのはこれだけだ。
・物置(時間経過)
・便所
・上げ板
物置だな。
普通に考えれば、薪が置いてある可能性がもっとも高いだろう。
この小屋の謎を解き明かす前に、薪の補充をしなければならないというミッション、俺は忘れちゃいない。
物置には雑然と、山小屋に必要なものが押し込まれていた。
斧やロープ、釘、補修用の板など。
補修用の板は、薪のかわりにしても良さそうに思うが、代用できるとは書かれていない。残念。
あとは懐中電灯がある。しかし、乾電池が切れてしまっているようだ。
お。乾電池なら持っているぞ。さっきラジオから抜いたやつだ。
サイズもぴったり。懐中電灯が使えるようになった。
これはまた少し調査が前進したと考えて良さそうだ。
物置の中はものが多かったので、これだけでまた時間が経過している。
今は【午後11時】だ。
薪切れの制限時間まで、あと1時間。
●アタック02-4 召喚の儀
まだ調べていないのは、便所と上げ板だ。
薪があるとしたら上げ板の方だな。
まさに今手に入れた懐中電灯を使うならこっちだろう。
それに、物置に薪がなかったのなら、地下室にあると考えるのが自然だ。
これで単なる床下収納だったらお笑いだけど。
単なる床下収納で、しかも死体が納められていたりしたら、お笑いにもならないけれど。
でも、地下室になっているとしたら、やっぱり安全を確保したうえで向かいたい。
安全を確保。つまり、便所の中に何者かが潜んでいないかということだ。
誰かがいるなら、閉じ込められないとも限らないからな。
便所は、部屋から遮断されているだけに冷気がすごい。
ここに誰かが長時間隠れているとは考えにくい。
壁面も床面も、何もない。ここは儀式の範囲外と見てよさそうだ。
だが、便器の奥に何か白いものが見える。
拭いた後の便所紙かもしれない。
手を伸ばせば届きそう。
汚いが、ここは思い切りが肝心だ。
俺はそれに手を伸ばした。
本から破り取られた1ページらしい。
ところどころ、赤黒いシミがあって読むことができない。
なんとか解読してみよう。
そこには、外宇宙の生命体を示唆する、その生態の説明が書かれていた。
その生命体の名称は、ああ、肝心なところがシミで読めない。
「■の精」とある。
理由の部分が読み取れないが、普段は肉眼では見えないらしい。
だが、生き血を好む。
人間ひとり分の血を吸い尽くす頃には、目に見えるようになる。
ルドウィグ・プリンなる人物が、魔導書の儀式を用いてこの生命体を使役していたとされる。
その魔導書に、主人となる人間ひとりの氏名と、シミで読めないが、おそらく「生贄」となる人間の名前を複数、記すとある。
すると生贄たちは異星へ捧げられ、■の精が門を通じて召喚され、主人に従う、と。
だんだんと読み取れる情報が多くなってきた。
つまりだ。
主人となるべき人物はひとりだけ。
先客5人のうち、あとの4人は生贄ということだろう。
護符が複数のリュックから見つかっているのは、首謀者が何かうまいこと言いくるめたのかもしれない。
たとえば超常現象研究会のメンバーだったりとか。
今の吹雪の天候から察するに、異界への門は開かれており、そして開きっぱなしだ。
つまり、生贄たちはすでに異界送りになっているものと考えられる。
もちろん、異界から召喚された「■の精」はここにいる。
しかし、「肉眼では見えない」。
これって、俺がこの小屋に入った気配の正体なのではないか。
人間ひとり分の生き血を吸う機会をうかがっているのではないか。
そして、ここまででもまだ読み解けない謎は残る。
じゃあ、その■の精の主人となるべき人間ひとりはここに残っているはず。
その人物は、どこに消えたのだ? 使役できなかったのか?
■の精に生き血を吸われていれば、■の精は実体化しているはず。
それもないというのは……どういうこと?
今、いちばん間抜けなひとつの解が思い浮んだ。
彼らは、儀式の正しい手順を知らなかった。
それで、5人の名前を全部、魔導書の生贄の欄に書き込んでしまった。
5人は全員異界送りとなり、■の精は召喚された。
しかし■の精は、主がいないまま、この小屋の中に留まっている。
しかも、門は開きっぱなし。
なんてことだ。辻褄は合ってしまうぞ。
あれ、けど、血濡れのナイフの謎は残ったままだな。
少なくとも誰かが誰かを傷つけているはずなのだ。
先客の5人のメンバーの中で、儀式の前後でなんらかのトラブルが起こっているはず。
それが事態をややこしくしているに違いないのだが……。
ええい。わからん。
一旦思考から離れよう。便所からも離れよう。
そして残った上げ板を調べよう。
そう思い、便所に背を向け、小屋の探索に戻ろうとした。
そのとき、背後から小さな物音が聞こえた。
振り返るか、無視するかの選択。
こんなときに、無視するだけの度胸はない。
俺は振り返った。
便所の扉が閉まっていた。
なお、俺は閉めていない。
勝手に閉まった?
いや。これはきっと、目に見えない■の精が、ここに存在していることを示しているのだ。
目に見えないだけで手を出してこない理由はわからない。わからないだけに恐ろしい。
きっと俺は、何か「襲われないための条件」を満たしているに過ぎないだろうから。
次回、そんなことより薪がないと死ぬ。
【現在の時間:午後11時】
■登場人物
丸井サクタロウ 主人公。登山中に吹雪に見舞われ、山小屋に避難する。しかしその山小屋は異様な状況だった。
5人の先客 ここで異星から、■の精を召喚するための儀式を行ったとみられる。しかし誰もいなくなった。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「白い小屋、赤い絶望」
著者:丹野 佑
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2024年11月26日火曜日
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第34回 FT新聞 No.4325
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第34回
「中立種族」
(中山将平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
おはようございます。
「ゲームマーケット2024秋」と「TGFF2024秋祭」に参加してきたイラストレーターの中山将平です。
ゲームを愛する様々な方とお会いできるのは、とても楽しく嬉しいものだと思っています。
11/30(土)と12/1(日)は大阪なんばOCAT1階広場で開催の「蛙びとの集いin OCAT」に、「カエルの勇者ケロナイツ」のポストカードやステッカーを持って個人として参加予定です。
FT新聞で自分個人のイベント参加をお知らせすることは少なかったと思いますが、今回はこの記事と若干関係ないこともないかと思って書いてみました。
さて、今回の記事でも、もう一度ファンタジーにおける「種族間の関係性」について書こうと思います。
前回は「友好種族」について扱ったので、今度は「中立の立場にある種族」(中立種族)について書いてみます。
カエル人の世界フログワルドにおいて、カエル人に対して中立的な種族として設定したのは、エボシカメレオン人・ユキウサギ人・ピラニア人・マンドラゴラ人……そしてヒト族など。
彼らは友好種族とは違い、「基本的には味方である」と確信できない連中です。
関わり方次第では敵にも味方にもなるため、油断のならない存在といえるでしょう。
こういう種族をファンタジー世界で描くとき、「カエル人の創作」から学んだことを語ろうと思います。
ファンタジーを楽しむ一助になりましたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 3つの結論
今日も結論から申し上げましょう。
この記事でお伝えしたいことは3つあります。
一つ目は「中立種族を描くことは、かなり楽しい」ということ。
二つ目は「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」ということ。
三つめは「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」ということ。
それぞれについて追いかけていきます。
◆ 「中立種族を描くことは、かなり楽しい」
一つ目にお伝えしたいことはいたって単純です。
中立種族って、描くのが相当楽しいということ。
友好種族や敵対種族は、「相手がどう反応するか」およそ予想がつく相手。
中立種族は、その反応が分からないために面白いと感じています。
冒険の中で出会った時、お互いに探り合いながらの対応になるため、「どちらに転ぶか分からない」ドキドキ感が演出できる相手だと思います。
僕は「カエル人のTRPGシナリオ」を作る際、一つの冒険の中で、できるだけ「友好種族・中立種族・敵対種族」をそれぞれ登場させるようにしていました。
プレイヤーが感じる「刺激」のバリエーションを作りたいと思ったためです。
実際にそれで遊んでみたところ、やはり「中立種族」との関わり方が一番プレイグループごとの違いが生まれる箇所で、GMとしても楽しめる要素でした。
あるプレイグループは中立種族と対立し戦うことを選びましたし、別の方では手を組んで一緒にボスと戦うドラマを生んだりもしました。
◆ 「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」
二つ目にお伝えしたいことは、ある意味一つ目の内容をより詳細にしたお話です。
中立種族と出会った時、探り合いの方法に工夫があることが盛り上がりの助けになるということ。
例えば、「相手と言葉が通じない」という状況があると、敵かもしれないと互いに疑っているときまさに一触即発となることが予想できるのではないでしょうか。
二つの中立種族が争っている場面に出くわしたのであれば、加勢するか無視するか仲裁するか、加勢したとしてどちら側につくかで物語は大きく変わるはずです。
これらの工夫については、いくつかの類型に分けられるように感じていました。
以下に5つほどサンプルを書いてみますが、他にもきっとたくさんあると思います。
・ コミュニケーションに問題がある場合
・ 相手または自分の状況が平常時ではない場合(戦っている・囚われているなど)
・ 相手または自分の状態が平常時ではない場合(重傷を負っている・操られているなど)
・ 物語の背景によって関係性が特殊になっている場合(依頼主があらかじめ口利きしてくれているなど)
・ 相手の正体がはっきりしない場合(似た種族かもしれないと疑わしい場合など)
◆ 「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」
三つ目にお伝えしたいことは、実は一番重要なのだと思っています。
中立種族との関係性こそが、「物語を共有すること」……つまりゲームなどの形の創作をすることそのものの「意味」と深く関わっているということです。
なぜTRPG等のゲームを遊ぶのか。その楽しさが、自分にとってどこにあるのか。他の人にとってどこにあるのか。共有できるものは何なのか。
よく考えます。
TRPGを遊ぶ楽しさの核となるものは「価値観の共有と差異の認め合い」にあるのではないか。
他のゲームでも、冒険は楽しむことができる。物語を共有することもできる。しかし、あらゆる選択肢がありうるTRPGだからこそ「最もやりやすい」とおもえることもある。
それは、それぞれの参加者の「納得」や「満足」を共有することでその価値観を互いに知り、違いを認め合えることなのではないか。
そんな風に感じています。
それがどうやら、僕がこのゲームを好きな理由でもあるようなのです。
もちろん、これは僕の個人的な好みの話なので、万人に共通するような類のものではないでしょう。
ひとりの個人、ひとりの創作家として、ただこのゲームをそのように楽しみ共有したいと考えている……という話と受け取っていただけましたら。
それだけに、僕にとってこの「価値観が浮き彫りになる場面」がとても大切なのです。
中立種族との出会いは、様々な分岐があり得るだけに、プレイヤーやキャラクターの価値観を浮き彫りにするものであると感じています。
だからこそ、大切にしたいものだと思うというお話でした。
◆ まとめ
今日は「中立種族」について学んだ3つのことを共有させていただきました。
「私はこう考えてるよ」などご感想をいただけましたら、励みになります。
では、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第34回
「中立種族」
(中山将平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
おはようございます。
「ゲームマーケット2024秋」と「TGFF2024秋祭」に参加してきたイラストレーターの中山将平です。
ゲームを愛する様々な方とお会いできるのは、とても楽しく嬉しいものだと思っています。
11/30(土)と12/1(日)は大阪なんばOCAT1階広場で開催の「蛙びとの集いin OCAT」に、「カエルの勇者ケロナイツ」のポストカードやステッカーを持って個人として参加予定です。
FT新聞で自分個人のイベント参加をお知らせすることは少なかったと思いますが、今回はこの記事と若干関係ないこともないかと思って書いてみました。
さて、今回の記事でも、もう一度ファンタジーにおける「種族間の関係性」について書こうと思います。
前回は「友好種族」について扱ったので、今度は「中立の立場にある種族」(中立種族)について書いてみます。
カエル人の世界フログワルドにおいて、カエル人に対して中立的な種族として設定したのは、エボシカメレオン人・ユキウサギ人・ピラニア人・マンドラゴラ人……そしてヒト族など。
彼らは友好種族とは違い、「基本的には味方である」と確信できない連中です。
関わり方次第では敵にも味方にもなるため、油断のならない存在といえるでしょう。
こういう種族をファンタジー世界で描くとき、「カエル人の創作」から学んだことを語ろうと思います。
ファンタジーを楽しむ一助になりましたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 3つの結論
今日も結論から申し上げましょう。
この記事でお伝えしたいことは3つあります。
一つ目は「中立種族を描くことは、かなり楽しい」ということ。
二つ目は「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」ということ。
三つめは「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」ということ。
それぞれについて追いかけていきます。
◆ 「中立種族を描くことは、かなり楽しい」
一つ目にお伝えしたいことはいたって単純です。
中立種族って、描くのが相当楽しいということ。
友好種族や敵対種族は、「相手がどう反応するか」およそ予想がつく相手。
中立種族は、その反応が分からないために面白いと感じています。
冒険の中で出会った時、お互いに探り合いながらの対応になるため、「どちらに転ぶか分からない」ドキドキ感が演出できる相手だと思います。
僕は「カエル人のTRPGシナリオ」を作る際、一つの冒険の中で、できるだけ「友好種族・中立種族・敵対種族」をそれぞれ登場させるようにしていました。
プレイヤーが感じる「刺激」のバリエーションを作りたいと思ったためです。
実際にそれで遊んでみたところ、やはり「中立種族」との関わり方が一番プレイグループごとの違いが生まれる箇所で、GMとしても楽しめる要素でした。
あるプレイグループは中立種族と対立し戦うことを選びましたし、別の方では手を組んで一緒にボスと戦うドラマを生んだりもしました。
◆ 「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」
二つ目にお伝えしたいことは、ある意味一つ目の内容をより詳細にしたお話です。
中立種族と出会った時、探り合いの方法に工夫があることが盛り上がりの助けになるということ。
例えば、「相手と言葉が通じない」という状況があると、敵かもしれないと互いに疑っているときまさに一触即発となることが予想できるのではないでしょうか。
二つの中立種族が争っている場面に出くわしたのであれば、加勢するか無視するか仲裁するか、加勢したとしてどちら側につくかで物語は大きく変わるはずです。
これらの工夫については、いくつかの類型に分けられるように感じていました。
以下に5つほどサンプルを書いてみますが、他にもきっとたくさんあると思います。
・ コミュニケーションに問題がある場合
・ 相手または自分の状況が平常時ではない場合(戦っている・囚われているなど)
・ 相手または自分の状態が平常時ではない場合(重傷を負っている・操られているなど)
・ 物語の背景によって関係性が特殊になっている場合(依頼主があらかじめ口利きしてくれているなど)
・ 相手の正体がはっきりしない場合(似た種族かもしれないと疑わしい場合など)
◆ 「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」
三つ目にお伝えしたいことは、実は一番重要なのだと思っています。
中立種族との関係性こそが、「物語を共有すること」……つまりゲームなどの形の創作をすることそのものの「意味」と深く関わっているということです。
なぜTRPG等のゲームを遊ぶのか。その楽しさが、自分にとってどこにあるのか。他の人にとってどこにあるのか。共有できるものは何なのか。
よく考えます。
TRPGを遊ぶ楽しさの核となるものは「価値観の共有と差異の認め合い」にあるのではないか。
他のゲームでも、冒険は楽しむことができる。物語を共有することもできる。しかし、あらゆる選択肢がありうるTRPGだからこそ「最もやりやすい」とおもえることもある。
それは、それぞれの参加者の「納得」や「満足」を共有することでその価値観を互いに知り、違いを認め合えることなのではないか。
そんな風に感じています。
それがどうやら、僕がこのゲームを好きな理由でもあるようなのです。
もちろん、これは僕の個人的な好みの話なので、万人に共通するような類のものではないでしょう。
ひとりの個人、ひとりの創作家として、ただこのゲームをそのように楽しみ共有したいと考えている……という話と受け取っていただけましたら。
それだけに、僕にとってこの「価値観が浮き彫りになる場面」がとても大切なのです。
中立種族との出会いは、様々な分岐があり得るだけに、プレイヤーやキャラクターの価値観を浮き彫りにするものであると感じています。
だからこそ、大切にしたいものだと思うというお話でした。
◆ まとめ
今日は「中立種族」について学んだ3つのことを共有させていただきました。
「私はこう考えてるよ」などご感想をいただけましたら、励みになります。
では、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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2024年11月25日月曜日
FT書房、今週の動き☆ FT新聞 No.4324
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です。
月曜記事の主な役割は「読者とのコミュニケーション」なのですが、最近ちゃんとできていなかったナァと思います。
◆この1週間(+α)で起こったこと☆
新刊2冊(「アランツァクリーチャー事典」「四猫亭の幽霊」)を引っ提げて、ゲームマーケットに出陣してきました。
おかげさまでFT書房は過去最高の売上を記録し、「ローグライクハーフ」とゲームブックをより多くの方々にお届けすることができました!
◆この1週間(+α)でやったこと☆
しおんねこさんと杉本は現在、「ヒーローズオブダークネス」に取り組んでいます。
配信済みの8種族に加えて、12種類の種族を準備中です。
◆ゲームブックを進めています☆
冬のコミックマーケットでは、ロア・スペイダーによる新作ゲームブック「単眼の巨獣」を刊行する予定です。
こちらの原稿はすでに最終稿が完成していまして、現在は中山将平がイラストを描いています。
また、緋色朱音が編集を進めてくれていて、進行としては順調です☆
◆ロアといえば……。
ロアといえば、これまでに「ローグライクハーフ」のd33シナリオをいくつも書いてきました。
いずれも好評で、いつか書籍化しようと話し合っていました。
最初の作品である「雪剣の頂 勇者の轍」は特に好評です。
イラスト担当者は海底キメラの担当に決まっていまして、こちらも順調に進行中☆
◆12月は……。
FT新聞の編集長である水波流も、「ローグライクハーフ」のd33シナリオを書いています。
タイトルは『名付けられるべきではないもの』。
12月の第1日曜日に配信する予定です……詳細は水波のほうから、あらためて配信する予定です☆
◆「ズィムララ」も!
「モンスター!モンスター!TRPG」のほうも、翻訳者である岡和田晃さんを中心に着々と翻訳が進んでおります☆
現在、世界地図を訳しているところです。
大陸の他に小さな島々がたくさん並んでいる場所が世界地図にあるのですが、そこの設定は読者が投稿したものがベースになっていて、いろんな人のアイディアが詰まっていて楽しいです。
地名って本来、その土地の人間たちが決めたものがつけられることが大半なので、地方によって名称となる言語そのものが違うんですよね。
その感じが再現される結果になっているというか。
ケンたちが作った部分がメインにあり、かつそういった小さな島があるので、かなりお得な感じがします。
◆wikiも拡張中!
祈月透子が、ローグライクハーフwikiを拡張してくれています。
「ヒーローズオブダークネス」の項目が誕生したので、ご利用ください☆
https://x.gd/WoYat
◆「ヒーローズオブダークネス」の更新は……。
先週の記事で申し上げたとおり、「ヒーローズオブダークネス」に関する発信を月曜記事でやってまいります☆
この1週間で決まったのは「ちょうどいい種族」を作る、でした。
「ちょうどいい種族」とはなにか……説明します!
「ヒーローズオブダークネス」は「ローグライクハーフ」の拡張サプリメントで、従来の主人公とは「能力値の初期値や成長限界が異なっていたり」「装備欄が異なっていたり、装備品が持てなかったり」と、クセが強めです。
しおんねこさんと話し合っているときに、「配信したはいいけれど、いきなりぶっ飛んでいて、ついて来られないプレイヤーがいるような気がしてきた」という部分で、キレイに意見が一致しました。
そこで私たちは、作成中の20種類のクリーチャーのうち4種類を「既存の【職業】に似た雰囲気のある【種族】」にするのがいいだろうと考え、制作の軸のひとつとして取り入れることに決めたわけです☆
基本の【職業】、つまり【魔術師】【僧侶】【盗賊】【戦士】を使ったことがあれば、扱いやすい【種族】。
そういうものがあれば、そこから入っていけるのではないか。
そういう考えですね☆
これを受けて現在の【種族】は、次のような状況になっています。
紹介済みの【種族】
・【ゴブリン】
・【オーク】
・【吸血鬼】
・【おどる剣】
・【ジグリ・ザグリ】
・【ケンタウロス】
・【魔猫】
・【バルサムデビル】
「内定」した【種族】
・【妖狐】
「ちょうどいい」【種族】
・【緋色の魔術師】……【魔術師】の枠
・【翼人】……【僧侶】の枠
・【ケモノコビット】……【盗賊】の枠
・【半巨人】……【戦士】の枠
候補対象の種族
・【ゴーレム】
・【地龍(リンドヴルム)】
◆ちょろっとご紹介☆
新しい4種族について、少しずつご紹介してまいりますね☆
【緋色の魔術師】はかつて荒野に住んでいた、国家転覆をもくろむ悪の魔術師の集団でした。炎の神を信仰していましたが、混沌都市ゴーブの統治者に目をつけられて捕まり、「神聖なる洗脳の儀式」を通じて善なる存在となりました。冒険者となるのは洗脳が解けた【緋色の魔術師】です。
【翼人】は〈人間〉と恋に落ちてしまったがために〈天使〉でなくなってしまった者、あるいはその子孫です。信仰そのものは維持しており、【奇跡】を扱うことができます。背中に翼が生えており、端正で中性的な顔立ちをしています。利他的な生き方を望みますが、人間的な弱さも痛いほどに知っています。そのいっぽうで、神の下僕としての自覚が強まるほど、常識はずれな面が見えることもあります。慈悲深く、冒険者としての資質は十分です。
【ケモノコビット】は獣小人とも呼ばれ、体内に「獣血」と呼ばれる、獣の血を取り入れたコビット(小人)です。「獣血」の影響で、見た目がなんらかの獣に似ています。享楽的な性格をしており、食べること、薬物、タバコ、性的な行為などを好む傾向にあります。性格は穏やかで細かいことを気にせず、倫理観というものを持ち合わせていません。金銭的な財産を求めて冒険者になることが多いようです。
【半巨人】は〈人間〉よりも大きく、〈巨人〉よりも小さいサイズをした種族です。城塞都市ドラッツェンにおいて〈人間〉をはじめとする市民を守護する優秀な戦士であり、尊敬を受けています。
お読みいただき、ありがとうございます。
感謝の気持ちとともに……それではまた!
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配信済みの8種族に加えて、12種類の種族を準備中です。
◆ゲームブックを進めています☆
冬のコミックマーケットでは、ロア・スペイダーによる新作ゲームブック「単眼の巨獣」を刊行する予定です。
こちらの原稿はすでに最終稿が完成していまして、現在は中山将平がイラストを描いています。
また、緋色朱音が編集を進めてくれていて、進行としては順調です☆
◆ロアといえば……。
ロアといえば、これまでに「ローグライクハーフ」のd33シナリオをいくつも書いてきました。
いずれも好評で、いつか書籍化しようと話し合っていました。
最初の作品である「雪剣の頂 勇者の轍」は特に好評です。
イラスト担当者は海底キメラの担当に決まっていまして、こちらも順調に進行中☆
◆12月は……。
FT新聞の編集長である水波流も、「ローグライクハーフ」のd33シナリオを書いています。
タイトルは『名付けられるべきではないもの』。
12月の第1日曜日に配信する予定です……詳細は水波のほうから、あらためて配信する予定です☆
◆「ズィムララ」も!
「モンスター!モンスター!TRPG」のほうも、翻訳者である岡和田晃さんを中心に着々と翻訳が進んでおります☆
現在、世界地図を訳しているところです。
大陸の他に小さな島々がたくさん並んでいる場所が世界地図にあるのですが、そこの設定は読者が投稿したものがベースになっていて、いろんな人のアイディアが詰まっていて楽しいです。
地名って本来、その土地の人間たちが決めたものがつけられることが大半なので、地方によって名称となる言語そのものが違うんですよね。
その感じが再現される結果になっているというか。
ケンたちが作った部分がメインにあり、かつそういった小さな島があるので、かなりお得な感じがします。
◆wikiも拡張中!
祈月透子が、ローグライクハーフwikiを拡張してくれています。
「ヒーローズオブダークネス」の項目が誕生したので、ご利用ください☆
https://x.gd/WoYat
◆「ヒーローズオブダークネス」の更新は……。
先週の記事で申し上げたとおり、「ヒーローズオブダークネス」に関する発信を月曜記事でやってまいります☆
この1週間で決まったのは「ちょうどいい種族」を作る、でした。
「ちょうどいい種族」とはなにか……説明します!
「ヒーローズオブダークネス」は「ローグライクハーフ」の拡張サプリメントで、従来の主人公とは「能力値の初期値や成長限界が異なっていたり」「装備欄が異なっていたり、装備品が持てなかったり」と、クセが強めです。
しおんねこさんと話し合っているときに、「配信したはいいけれど、いきなりぶっ飛んでいて、ついて来られないプレイヤーがいるような気がしてきた」という部分で、キレイに意見が一致しました。
そこで私たちは、作成中の20種類のクリーチャーのうち4種類を「既存の【職業】に似た雰囲気のある【種族】」にするのがいいだろうと考え、制作の軸のひとつとして取り入れることに決めたわけです☆
基本の【職業】、つまり【魔術師】【僧侶】【盗賊】【戦士】を使ったことがあれば、扱いやすい【種族】。
そういうものがあれば、そこから入っていけるのではないか。
そういう考えですね☆
これを受けて現在の【種族】は、次のような状況になっています。
紹介済みの【種族】
・【ゴブリン】
・【オーク】
・【吸血鬼】
・【おどる剣】
・【ジグリ・ザグリ】
・【ケンタウロス】
・【魔猫】
・【バルサムデビル】
「内定」した【種族】
・【妖狐】
「ちょうどいい」【種族】
・【緋色の魔術師】……【魔術師】の枠
・【翼人】……【僧侶】の枠
・【ケモノコビット】……【盗賊】の枠
・【半巨人】……【戦士】の枠
候補対象の種族
・【ゴーレム】
・【地龍(リンドヴルム)】
◆ちょろっとご紹介☆
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【緋色の魔術師】はかつて荒野に住んでいた、国家転覆をもくろむ悪の魔術師の集団でした。炎の神を信仰していましたが、混沌都市ゴーブの統治者に目をつけられて捕まり、「神聖なる洗脳の儀式」を通じて善なる存在となりました。冒険者となるのは洗脳が解けた【緋色の魔術師】です。
【翼人】は〈人間〉と恋に落ちてしまったがために〈天使〉でなくなってしまった者、あるいはその子孫です。信仰そのものは維持しており、【奇跡】を扱うことができます。背中に翼が生えており、端正で中性的な顔立ちをしています。利他的な生き方を望みますが、人間的な弱さも痛いほどに知っています。そのいっぽうで、神の下僕としての自覚が強まるほど、常識はずれな面が見えることもあります。慈悲深く、冒険者としての資質は十分です。
【ケモノコビット】は獣小人とも呼ばれ、体内に「獣血」と呼ばれる、獣の血を取り入れたコビット(小人)です。「獣血」の影響で、見た目がなんらかの獣に似ています。享楽的な性格をしており、食べること、薬物、タバコ、性的な行為などを好む傾向にあります。性格は穏やかで細かいことを気にせず、倫理観というものを持ち合わせていません。金銭的な財産を求めて冒険者になることが多いようです。
【半巨人】は〈人間〉よりも大きく、〈巨人〉よりも小さいサイズをした種族です。城塞都市ドラッツェンにおいて〈人間〉をはじめとする市民を守護する優秀な戦士であり、尊敬を受けています。
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