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2024年12月10日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第35回 FT新聞 No.4339

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第35回
「敵対種族」
(中山将平)
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 おはようございます。
 「FT書房の」2024年の参加予定イベントも残すところ2つ!!
 はっきりとお伝えしたいのですが、年末のビッグイベント「コミックマーケット105」ではとうとうかねてより検討してきた「あれ」を開始します!
 ええ、実は既に公開状態になっているのですが、誰にもきっと気づかれていないはずの「あれ」です。
 まさかの新展開あれやこれを入手していただく初めの機会になることが予想されますので、ぜひ年末のご予定を調整いただけましたら。
 おそらくといいますか、トラブルがなければ僕が現地に行く予定です。
 全くはっきり言ってないですって!?
 ほ、ほんとだ……!!

 もう一つの参加予定イベントは12月15日(日)の「ゲームアンティーク2024ver.2.0」です。
 こちらは、関西での参加予定イベントとしては今年最後のひとつになる予定。
 こちらのイベントにもぜひ、遊びにお越しいただけましたら。(開催予定地は大阪府の西九条駅の近くの此花会館です)
 
 さて、前回までの記事で「異種族」のうち「中立種族」と「友好種族」について書いてみたので、今回はプチシリーズの締めくくりとして「敵対種族」について書こうと思います。
 そうはいっても、実は以前カエル人の敵対種族である「ヘビ人」についての記事を書いたので、今回は少し切り取り方を変えたものにしてみるつもりです。
 
 この記事がファンタジーを楽しむ一助になりましたら幸いです。
 それでは、具体的に見ていきましょう。
 
◆ ヘビ人記事のおさらい
 ぼんやりと思い出してきたのですが、ヘビ人について書いた記事では「天敵ともいえる敵対種族」がテーマでした。(たぶん第25回目の記事だった気がします)
 この時はヘビ人を「いかにも悪であり、カエル人と敵対しているが、プレイヤーキャラクターにとって必ずしも打倒すべき相手ではない」と設定することで、納得できるように描けたという話だったかと思います。
 「因縁」をどのように描くか、「善悪」をどのように捉えているか、という話題だったかと。

 今回は、ヘビ人に限らず様々な相手をテーマに、「敵対種族を描くとき、こんなことをカエル人の創作から学んだ」という内容を書きたいと思います。

◆ この記事でお伝えしたい、たった一つのこと
 そうはいっても、今日お伝えしたいことはシンプルな一つだけのことです。
 ズバリ「なぜ敵対種族は敵対種族なのか」ということ。
 というのも、僕の設定では敵対種族って「カエル人と仲が悪いとされている種族」のことでして、「ではなぜ仲が悪いのか考えてみました」というのが今回の内容というわけです。

 実はこれってどんなファンタジー作品を描くときにも気にかかる重要ポイントなのではないでしょうか。
 オークとエルフが対立するとき、あるいはドワーフとゴブリンが衝突するとき、そこには何らかの理由があるはずです。
 もしかしたら、それは歴史の中ですでに忘れ去られているやもしれません。
 ヒロイックファンタジーの文脈では、「敵」は倒すべき悪や単純な脅威として描かれる場面もよく見かけます。
 その一方で、僕が描きたい世界は「双方向の視点に立てるファンタジー」であるため、特別「いさかいの原因は何なのか」が大切になってくるのかもしれません。

 そういった事情を踏まえたうえで、やはり個人的に「対立の源となっているもの」はとても大切だと感じています。
 相手が攻撃的かつ理性なき獣で、遭遇自体が危険なら敵対的関係であることにも納得できます。
 しかし、「異種族」側もものを理解し自らの文化を発展させているなら、なぜ敵対する必要があるのでしょう。
 その部分は物語の根幹を作りうる要素でもあると感じています。
 敵対関係がある背景に、「利益の相反」や「第三者の思惑」「様々な文化の違い」「宗教観など信じているものの差異」等が予想されるからです。

◆ カエル人の場合
 僕が作ったカエル人の設定を例にしてみましょう。
 敵対種族はモロクトカゲ人、吸血コウモリ人、メンフクロウ人、ヘビ人族、そしてネコ人族等々さまざまです。
 作っていて気づいたのですが、彼らとカエル人が(一般的に)仲が悪いとされている理由は、相手によって異なります。
 モロクトカゲ人とは気性の違い・宗教観の違いで対立。領土問題などの政治的背景もある設定です。
 吸血コウモリ人とは物理的な被害によって対立。(吸血コウモリ人はいわゆる吸血鬼なので、血を求めてカエル人を襲う可能性もある設定です)
 メンフクロウ人とは「秘密」(情報)をめぐって対立。(フクロウ人は情報戦に長け、他種族の秘密を握るのが得意という設定です。)
 ヘビ人とは食料(主にオオガエル)をめぐって対立。(ヘビ人はオオガエルが大好物だが、オオガエルの飼育法はカエル人しか確立していない設定です。)
 ネコ人とは実際に対立しているわけではなく、ネコ人側があまりにも気まぐれであるため時に危険な存在になりうるという設定です。(ネコ人は孤高の戦士種族として描いています。)

 これらの設定を作った結果、対立の源はいくつも考えられるものなのだと感じられました。
 原因があるならば、それを取り除けたときや逆に強化したとき、敵対関係自体が変化することもあり得るように思えます。
 敵同士と思っていたのに共闘したり、単に仲が悪かっただけなのに争いに発展したり……そんな物語を描く「シナリオフック」(物語の種)になりそうだと感じています。

◆ まとめ
 今日は「敵対種族」について「対立が起こる原因」が重要なのだと感じた話を共有させていただきました。
 
 では、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。 


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