第2回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦を始めました。
妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガの冒険です。
目の前でコーネリアス商会の令嬢コンスタンサがオウカンワシにさらわれるのを目撃したタイガたち。
オウカンワシの巣がある巨大樹の中腹を目指します。
うっかり猿たちの縄張りに踏み込み、投猿機から飛んでくる猿ロケットをかわしつつ、冒険は続きます。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。→【第1回で消費】
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨10→11
●アタック01-3 ニャルラと鈍器猿
ここはまさに「闘技場(スタジアム)」だった。
広大な敷地の周囲を枝が円状に囲っている。まるで観客席さながらの造りだ。
そこに猿たちが群がり、ギャッギャッギャとはやし立てる。
向こうで、ひときわ大きな猿が「闘技場」に降り立った。たぶん、あれがボス猿だ。
【中間イベントA 猿たちの縄張り】
投猿機の猿たちを振り切ったあと、僕たちは急ぎ先へと進んだ。
たまに猿たちとの小規模な遭遇はあった。小競り合いをいなしつつ、うまく避けて進む。
僕たちは、それが猿たちのたくみな誘導だと気づいていなかった。
やがて開けた場所に出た。
それがここだ。
「観客席」の猿はまばらだけれど、全部合わせたらけっこうな数だ。
あれが全部一斉に襲いかかってきたら、ひとたまりもない。
猿たちが、ひときわ大きな声を張り上げる。まるで熱狂的な歓声のよう。
そして、その声に合わせ、一匹の猿が「闘技場」に降り立ったのだ。
その猿はとびぬけて大柄で、筋肉が隆々と盛り上がっている。猿というよりゴリラのようだ。その筋肉を茶色の毛皮で覆っている。頭毛が少し跳ね上がっていた。
左脇に樽を抱え、もう片方の腕を突きあげて、ぶんぶんと威勢よく振り回している。丸太のような腕は、さながら鈍器だ。
「鈍器……猿……つまり、鈍器コンg」
「フォルネ、それ以上はいけない」
「えっと? どんき〜こんぐ〜?」
「あ」「あ」
つまり、あれがこの群れのボス猿なのだろう。
「ボスは常に力を示し続けなければならない。投猿機を突破した私たちを倒して強さを証明しようってとこじゃないかと」
「ふ〜ん。ボスもたいへんだね」
「逆にチャンスでもある。ボスさえなんとかすれば、混乱に乗じて抜け出せるかも?」
フォルネは冷静に分析する。でも、あんな大きな図体の猿を相手にできる?
「やっつければいいの? なら、アタイにおまかせ〜」
ニャルラはやる気満々で臨戦態勢だ。しかし、こちらが動くより早く、鈍器猿は抱えた樽をまっすぐニャルラに投げつけてきた!
「にぎゃっ!?」
バウンドを繰り返しながら転がる樽を、ニャルラは間一髪で高くジャンプしてかわす。そして不意打ちに対する怒りに任せて急接近し、鈍器猿に鋭い爪を向ける。
しかし動きが単調すぎて、あっさりとかわされてしまう。
そこに、フォルネが疾風のようにダッシュし、頭突きを叩き込んだ。ニャルラに気を取られていた鈍器猿は、意識外からの攻撃を受け、大きくよろめいた。
【鈍器猿 レベル3 生命点4 攻撃回数2】
鈍器猿は太い腕をぶん回す。当たればかなり痛そうな打撃だが、二匹は軽やかなステップでそれをかわしている。
そして、ここぞというタイミング。鈍器猿の伸びきった腕を駆けのぼり、ニャルラが鼻先にかみついた。
これには鈍器猿もたまらない。甲高い悲鳴を上げると、その場にうずくまってしまった。戦意喪失だ。
あっけない幕切れに、周囲の「観客席」から猿たちの大きなブーイングが飛ぶ。
それは僕たちにではなく、鈍器猿に対するものだ。
猿たちは、木の実やらなにやら、手あたり次第に鈍器猿に投げつけている。
チャンスだ。
「さあ、今のうちに逃げるよ!」
僕たちは駆けだした。
[プレイログ]
鈍器猿と戦闘
【鈍器猿 レベル3 生命点4 攻撃回数2】
・0ラウンド
鈍器猿の樽投げ!
ニャルラの回避 サイコロ4 出目のみで回避
・1ラウンド
ニャルラの反撃 サイコロ1 ファンブル
フォルネの攻撃 サイコロ3+技量点2=5 命中 鈍器猿へ1点のダメージ(鈍器猿生命点4→3)
鈍器猿の2回攻撃
ニャルラの回避 サイコロ5 出目のみで回避
フォルネの回避 サイコロ3 出目のみで回避
・2ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロ2+技量点1で命中 鈍器猿へ1点のダメージ(鈍器猿生命点3→2)
鈍器猿は逃走した
●アタック01-4 タイガと妖精の祝福
【23 小さな妖精】
「闘技場」を抜け出し、息を弾ませて駆けてゆく。
背後で響くぎゃあぎゃあとした甲高い猿の叫びが遠ざかってきたところで、ようやく足を止めた。
見ると、ニャルラが何かをくわえている。
ぺぺっと吐き出したそれは、金貨だった。5枚もある。
「きらきら〜。投げてきたのの中にあったから〜」
「目ざといね。ありがと」
「これで丸々獣のおにく買ってね」
「いいね、それ」
僕たちがそんな会話をしていると、別のところから声が降ってきた。
「あははははっ」「あのお猿さんこらしめちゃうなんて、すごいすごーい」
見ると僕たちの頭上で、羽根を輝かせた小さな妖精が二人、くるくると輪舞を舞っていた。
そのサイズは、フォルネやニャルラよりも、さらにひと回りは小さいだろうか。
「あの猿たち、イジワルだからきらーい」「きらーい」
「キタナイしクサイし」「ガサツだしランボウだし」
「ホント、やんなっちゃう。ねっ?」「ねーっ」
「でもっ見てたよっ。ボスやっちゃうトコ。いいきみー」「いいきみー」
「ホント、すっきりした。ねっ?」「ねーっ」
どうやらこの妖精たちは、猿たちとあまり関係がよくないみたい。
ボス猿の鼻っ柱にかじりついたニャルラは、まんざらでもない感じで喜んでいる。
「お礼にこれあげる」「あげるー」
僕たちの頭上で踊る妖精たちから、鱗粉のようなものが降りかかる。
フォルネがくしゃみした。
「妖精の、粉っ」「フェアリーダスト!」
たしかに、その粉を体に浴びると、疲れが取れる感じがした。
ここまで猛ダッシュしてきたのに、息苦しさが嘘のように消えていた。
「この先に、水場があるよ」「特別に使わせてあげるー」
「心も体もきれいになって」「リフレーッシュ!」
小さな妖精たちは、くるくる踊りながら水場のある方角へ飛んでいった。
【32 希少な薬草】
妖精たちが言っていたとおり、少し行くときれいな水場があった。
上の方から枝のくぼみを樋のようにして流れてきた水が、糸滝になって注ぎこまれ、小さな池を形成している。
水場で、フォルネとニャルラの身体を拭いてあげた。その後で全身をブラッシングする。
二匹とも水はあまり得意ではないけれど、ブラッシングは大好きだ。ただどちらも、自分専用のブラシでないと納得しない。
ニャルラは最初の頃はブラシも嫌がっていたけれど、今では、なでられる気持ちよさがわかってきたみたい。
フォルネの方はというと、糸目になって、この世の理想郷はここにあったのかというほどの満足ぶりが伝わってくる。
二匹をきれいにしたら、僕も濡らしたタオルで体を拭いた。
「タイガさま、いいもの見つけました」
フォルネがなにごとか報告に来た。
聞けば、池をぐるりと回った向こうに、希少性のある薬草を発見したのだとか。
体力だけでなく、特別な能力を発揮する時に消耗する力(副能力値)も合わせて回復する効果があるという。
「ただ、保存はきかないんですよね」
「な〜んだ。アタイたち今エネルギー満タンだからいみな〜い」
「この場所覚えておいたら、次に来た時に役に立つかも」
僕たちは休憩の後、冒険を再開した。
●アタック01-5 フォルネと盗人猿
【中間イベントB そそり立つ壁】
行く先は壁で行き止まった。
幹の部分だ。でこぼこした樹皮につかまりながら登るしかない。まるでボルダリングだ。
これはロープを持ってくるべきだったな。
完全に準備不足だ。
「かんたんかんた〜ん」
ニャルラは少ない足場を跳ねるようにして、軽やかに駆け上がってゆく。
「こらニャルラ。もう少し気をつけないと、落ちたら……!」
そのとき、ニャルラが次に足をかけようとした幹のくぼみから、シマリスが頭を覗かせた。
驚いたニャルラは、かける足場を失い、ころころと転がり落ちてきた。
僕の前にぺたん、と止まり、四肢を伸ばして「ぷしゅー」ってなってる。
「ほら、言ったそばから」
フォルネは用心深く足場を選びながら、それでも身軽に登ってゆく。
「ニャルラ、ケガはない?」
「う〜あっちこっちいたい〜」
「よかったら、僕の肩に乗って?」
「ホント! やった〜……やっぱや〜めたっ」
喜んで僕の肩に飛び乗ったニャルラだったけれど、すぐに肩から降りた。
ニャルラの様子を見るに、フォルネの「そこは私の特等席」という視線が降ってきたのに耐えられなかったのかな。
ニャルラは再度幹の壁登りを始める。さっきより慎重に、フォルネが足をかけた場所をなぞるように登ってゆく。
「さ、僕も行こうかな」
僕は二匹みたいに軽やかには登れない。
少しずつ手をかけられる場所、足を乗せられる場所を探して上へと向かう。
命綱がないクライミングだから、本当にドキドキだ。自分の身長の倍くらいの高さになると、もう落ちたら大変なことになりそう。
上のほうでは、すでに登り切ったフォルネとニャルラが、僕の動きを心配そうに見下ろしている。
もう、建物の2階くらいの高さだ。ここで足を滑らせでもしたら無事では済まない。
手が汗で滑りそう。足場も心もとない。今さら降りることもできない。
先に進む手順を詰んだらおしまいだ。取り返しのつかない状態になってしまうかも。
「右側に大きなでっぱりがあります。そっちを目指して」
「そこはリスさんがいたくぼみ〜」
それでも、上からの二匹のアドバイスもあり、僕はどうにか幹の壁を上りきった。
最後にはフォルネとニャルラが、僕の両袖をくわえて引っ張り、手伝ってくれた。
僕は壁の上にあった平地に、あおむけで寝っ転がって息をつく。
帰りは、別のルートを探そう。
[プレイログ]
登はんの判定ロール。目標値は2。
ニャルラの判定 サイコロの出目1でファンブル。落ちて1点のダメージ(ニャルラ:生命点9→8)
フォルネの判定 サイコロの出目4で成功
ニャルラの再判定 サイコロの出目3で成功
タイガは判定の必要なし
【21 シマリス→44 盗人猿】
あおむけに転がる僕の目線の先の枝に、シマリスの姿が見えた。
「あ! さっきの!」
ニャルラが声をあげる。
僕にはわからないけど、幹の壁の途中でニャルラが足を入れそこねたくぼみの中にいたリスと同じ個体らしい。
ニャルラの声にびっくりしたシマリスは、そのまま姿を消してしまった。
「おとなしければ、手懐けられたかも」
「いいのっ たいがにはアタイたちがいれば」
二匹がそんな会話をしている脇で、僕はようやく起き上がった。冒険の再開だ。
「!」
フォルネが突然、鋭い動きで僕にとびかかって来た。
え!?、と思った時には、フォルネは僕の肩口から後方に消え、「ギャッ」という別の生き物の鳴き声がした。
ニャルラが「フーッ!」と威嚇モードになる。
振り返ると、一匹の猿が逃げ去るところだった。
「どろぼう猿〜」
「はぐれ、でしょう。たぶんタイガさまの持つ食料を狙ったんだと」
「いち早く気づいてくれて助かったよ。ありがとう」
フォルネは少し照れくさそうに三本の尻尾を揺らし、嬉しさを隠しきれていない様子だった。
「だいぶ高いところに来たね。そろそろ中腹、かなぁ」
[プレイログ]
シマリス レベル2 ※出現数は2だが、一匹として描写
反応表の出目4、ワイロ(食料)
与えると道案内があるが、与えることなくそのまま逃走
盗人猿
難易度3
・人間から盾を奪うことに執着
・盾か「豊かな果実」を持つキャラクターを優先で狙う
→どちらもなし。人間のタイガを狙ったことにして、フォルネの判定で処理
→サイコロの出目3 出目のみで成功
次回、いよいよオウカンワシとの対決か。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
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鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
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【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9→8 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
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【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨11
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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2026年1月21日水曜日
2026年1月20日火曜日
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5) FT新聞 No.4745
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5)
(明日槇 悠)
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世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第5回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
内紛に汲々とするモンセギュール砦では、信者たちの精神的指導者同士が火花を散らしていた。ペルフェッチのベルトランと、ペルフェッチャのセシルである。
ベルトランの内偵としてセシル邸に遣わされたコルバは、長女フィリッパと鉢合わせ、妊娠中の子の父親はコルバの夫、領主レーモンだと知らされる。
しかし娘の告白にも、セシルを愛するコルバの心は動かされなかった。一方、セシルらを追い込みたいベルトランは射手ガルニエの恋心を利用しようとしていた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
C「(ルールブックを読み)手番のシーンの終わりにストーリーカードを引けるのはこのシーンまでである点に留意すること」
B「これがストーリーカード? 【啓示】とか色々あったりする……」
C「ああ! そうか」
D「これを引かないといけなかったんだ」
A「俺達はストーリーカードをすべて無視して……ノーヒントでアドリブで……(一同笑)。でもここまで来ると、脳が追いついてるし」
B「けっこう人間関係が面白くあるから」
C「もう大きく状況が変わってるからね」
B「(セシルのプレイヤーは背景シート:完徳者の説明を行う)救慰礼《コンソラメンテ》という儀式を行うことができるのは完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》だけで、儀式の聖性は完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》間で受け継がれるものだ。もし、あなたに救慰礼《コンソラメンテ》を施した完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》が誓約を破れば、あなたや、あなたが救慰礼《コンソラメンテ》を施した者、全員の聖性が失われてしまう。救慰礼《コンソラメンテ》で清められるのは一生で一度きりである。そのため、大半の者は死の直前に儀式を行う。そうすれば、再び不純な状態に戻る恐れがないからである。
……というわけで、死がヤバいなって人は、そろそろ救慰礼《コンソラメンテ》をしたがる時期になってくる」
A「だよね」
C「エスクラルモンドはしたがるかもしれない」
D「(ストーリーカードを見て)……使えない気がする。そんな真面目な話してないもんな。シーンカードは【ローズマリーのむせかえるような匂い】ということで。うーん、どうしようかな」
A「でも、Dがメインキャラで選んだアルセンドは、終わる前に質問を三つ掘り下げなくちゃいけない。他のキャラはどっちでもいいらしい」
D「あー、じゃあアルを出せばいいのか。質問の2と3はもうやったんで、あと1つだけか。【15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?】……あなたが手込めにしたわけじゃなくて、手込めにされちゃったわけ? じゃあどうしようかな。この場合、誰と会話をすればいい? じゃあ、アミエルに話すっていう体で」
Dアルセンド「アミエル。ちょっといいかしら」
Bアミエル「どうしたんだい、おばさん」
Dアルセンド「いやー。実はね、そのー……」
A「こいつアミエルにばっかり言うやん(笑)」
D「もうヤングケアラーなんすよ、アミエルは」
Dアルセンド「いやー、実はね、最近昔のことを思い出して、モヤモヤするのよね。私は、実はね、その……15歳のときに、ある人に手込めにされちゃったわけ」
Bアミエル「そ、そうなんだ」
Dアルセンド「うん」
A「(笑)もうすぐ死ぬからね! ヤバい状況だから、つい言っちゃって」
Dアルセンド「で……その人っていうのが……これはホント、あなたにしか話せないことで、とても他の人には話せないことなの。あなたはいい子だから、約束を守ってくれると思うけど、秘密にしてくれるかしら?」
Bアミエル「うん」
Dアルセンド「私が15歳のときに……私を手込めにしたのは……ベルトランなのね」
Bアミエル「ええーっ? あの……ベルトランさんが!?」
Dアルセンド「そう。彼はとても従順な信徒を装って、私にとても酷いことをしたのよ」
Bアミエル「そんな。酷すぎる」
Dアルセンド「これは絶対に他の人に言ってはいけません。いいわね?」
Bアミエル「分かったよ、おばさん」
B「じゃあ、いいですか。【鉄錆のような血の味】(シーンカードを出してナレーション権奪取)。先程の話を聞いたアミエルは、持っていた武器を更に尖らせて、何かあったときのためにと思って武器を研いでいました。今の彼には誰も信じることはできない」
A「そりゃそうだろ(笑)」
B「もしかしたら、あの人も、あの人も……みんな悪魔なのかもしれない。そうして作った武器を、自分の指を切ってみて切れ味を確かめると、その味を覚えて、アミエルは懐に刀の鞘と小刀を忍ばせて寝ることにしました」
A「また俺に回ってくるのね」
C「ストーリーカードも、一応……」
A「【魔女の術】。悪魔は醜き正体を露わにする。牛乳は酸っぱくなり、バターは攪拌されず、麦は不揃いに育つ。双頭のニワトリが生まれる。モンセギュールに呪いがかけられたのか? 何者かが、黒魔術に手を染めたのか? 悪魔の儀式こそが、モンセギュールを救うのか?
……なるほど。シーンカード【腐った馬の死骸の上を飛び回る蝿】を払いながら、ベルトランは士気高揚のために前線の戦士に声をかけていた。そこでロジェに声をかけられた」
Dピエール・ロジェ「ベルトラン様」
Aベルトラン「ああ……お前か。ロジェ君。こうなっては、貯蔵庫の兵糧もない。戦線も危うい。だがみんな頑張っている。前線の兵士を優遇するために、子供と妻子持ちに渡す兵糧を今の5分の1に減らそう。それ以外の敬虔なカタリ派の信徒に回そう。そして、妻子持ちと子供を除いた全ての前線にいる兵士、信徒たちを、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》にする。私が洗礼をしよう」
Dピエール・ロジェ「なるほど……。でも、子供は可哀想じゃないですか?」
Aベルトラン「(笑)まず可哀想というが、人間ではない。そもそもが。自立した意志を持たず、人の言葉に惑わされているだけの悪魔。可哀想という感情を持つのが、間違っている」
Dピエール・ロジェ「しかし……そうは言っても……私達も元は子供だったわけです」
Aベルトラン「何だお前、背教者か!(笑) 何だお前、背教者か!」
Dピエール・ロジェ「そういうわけではなくて、もう少しこう……手心をですね……与えてあげてもいいのでは」
Aベルトラン「ああ。じゃあこの話は後日」
Dピエール・ロジェ「分かりました……」
Aベルトラン「ガルニエ君!(一同笑) ガルニエ君」
Cガルニエ「はい。何でしょう!」
Aベルトラン「君……すまないね、わざわざ前線から。君、知ってるか、噂で」
Cガルニエ「何ですか?」
Aベルトラン「エスクラルモンドを……ロジェが手込めにしようとしている」
Cガルニエ「な何ですと!? 何ですとォ!? それは長官といえど、黙っておられません」
Aベルトラン「君、エスクラルモンドがなぜ君の誘いを受けないか分かるか? ロジェがエスクラルモンドに君の、悪口や、ありもしない前歴、素行を吹き込んでいるからだ」
Cガルニエ「そうだったのですか」
Aベルトラン「しかも、それをロジェにするように、ロジェがエスクラルモンドを手込めにできるように吹き込んだのは全部セシルだ。君がエスクラルモンドと世帯を持つには、ロジェと、セシルが、どう考えても、邪魔だ」
Cガルニエ「……確かに」
A ベルトラン「君ィー……前線指揮官が……敵の流れ矢に当たって死ぬというのは……おかしいことじゃないとは思わない?」
Cガルニエ「うーむ……」
Aベルトラン「こんなに混戦した戦場じゃあ、前から矢が刺さろうが、後ろから矢が刺さろうが……分からない。それに、私は君が敬虔な信者だって信じている。ロジェの背中に矢が刺さってロジェが死んでしまっても、それは、教皇軍のしわざだ。ガルニエ君! ……明日の戦場も頑張ってくれ」
Cガルニエ「わ、分かりました……」
C「ガルニエはそう言われても葛藤することでしょう」
◯Act3.運命の決戦(中篇) に続く……
●登場人物/3つの質問
アルセンド……娼婦。カタリ派の庇護者・トゥールーズ伯の親戚。ファイユとアミエルの叔母。
1. 15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?
2. あなたはどうやって、甥や姪の世話をしていくつもりか?
3. ピエール・ロジェと寝るとき、あなたは何を感じるか?
ガルニエ……傭兵。射手。モンセギュールからそう離れていないカモンの村で育った若い男性。
1. あなたはどれくらいの間、密かにエスクラルモンドのことを想い続けてきたか?
2. どうやってあなたは、傭兵および射手として、武器を扱う術を身につけたのか?
3. あなたにとって信仰にはどんな意味があるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5)
(明日槇 悠)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第5回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
内紛に汲々とするモンセギュール砦では、信者たちの精神的指導者同士が火花を散らしていた。ペルフェッチのベルトランと、ペルフェッチャのセシルである。
ベルトランの内偵としてセシル邸に遣わされたコルバは、長女フィリッパと鉢合わせ、妊娠中の子の父親はコルバの夫、領主レーモンだと知らされる。
しかし娘の告白にも、セシルを愛するコルバの心は動かされなかった。一方、セシルらを追い込みたいベルトランは射手ガルニエの恋心を利用しようとしていた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
C「(ルールブックを読み)手番のシーンの終わりにストーリーカードを引けるのはこのシーンまでである点に留意すること」
B「これがストーリーカード? 【啓示】とか色々あったりする……」
C「ああ! そうか」
D「これを引かないといけなかったんだ」
A「俺達はストーリーカードをすべて無視して……ノーヒントでアドリブで……(一同笑)。でもここまで来ると、脳が追いついてるし」
B「けっこう人間関係が面白くあるから」
C「もう大きく状況が変わってるからね」
B「(セシルのプレイヤーは背景シート:完徳者の説明を行う)救慰礼《コンソラメンテ》という儀式を行うことができるのは完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》だけで、儀式の聖性は完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》間で受け継がれるものだ。もし、あなたに救慰礼《コンソラメンテ》を施した完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》が誓約を破れば、あなたや、あなたが救慰礼《コンソラメンテ》を施した者、全員の聖性が失われてしまう。救慰礼《コンソラメンテ》で清められるのは一生で一度きりである。そのため、大半の者は死の直前に儀式を行う。そうすれば、再び不純な状態に戻る恐れがないからである。
……というわけで、死がヤバいなって人は、そろそろ救慰礼《コンソラメンテ》をしたがる時期になってくる」
A「だよね」
C「エスクラルモンドはしたがるかもしれない」
D「(ストーリーカードを見て)……使えない気がする。そんな真面目な話してないもんな。シーンカードは【ローズマリーのむせかえるような匂い】ということで。うーん、どうしようかな」
A「でも、Dがメインキャラで選んだアルセンドは、終わる前に質問を三つ掘り下げなくちゃいけない。他のキャラはどっちでもいいらしい」
D「あー、じゃあアルを出せばいいのか。質問の2と3はもうやったんで、あと1つだけか。【15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?】……あなたが手込めにしたわけじゃなくて、手込めにされちゃったわけ? じゃあどうしようかな。この場合、誰と会話をすればいい? じゃあ、アミエルに話すっていう体で」
Dアルセンド「アミエル。ちょっといいかしら」
Bアミエル「どうしたんだい、おばさん」
Dアルセンド「いやー。実はね、そのー……」
A「こいつアミエルにばっかり言うやん(笑)」
D「もうヤングケアラーなんすよ、アミエルは」
Dアルセンド「いやー、実はね、最近昔のことを思い出して、モヤモヤするのよね。私は、実はね、その……15歳のときに、ある人に手込めにされちゃったわけ」
Bアミエル「そ、そうなんだ」
Dアルセンド「うん」
A「(笑)もうすぐ死ぬからね! ヤバい状況だから、つい言っちゃって」
Dアルセンド「で……その人っていうのが……これはホント、あなたにしか話せないことで、とても他の人には話せないことなの。あなたはいい子だから、約束を守ってくれると思うけど、秘密にしてくれるかしら?」
Bアミエル「うん」
Dアルセンド「私が15歳のときに……私を手込めにしたのは……ベルトランなのね」
Bアミエル「ええーっ? あの……ベルトランさんが!?」
Dアルセンド「そう。彼はとても従順な信徒を装って、私にとても酷いことをしたのよ」
Bアミエル「そんな。酷すぎる」
Dアルセンド「これは絶対に他の人に言ってはいけません。いいわね?」
Bアミエル「分かったよ、おばさん」
B「じゃあ、いいですか。【鉄錆のような血の味】(シーンカードを出してナレーション権奪取)。先程の話を聞いたアミエルは、持っていた武器を更に尖らせて、何かあったときのためにと思って武器を研いでいました。今の彼には誰も信じることはできない」
A「そりゃそうだろ(笑)」
B「もしかしたら、あの人も、あの人も……みんな悪魔なのかもしれない。そうして作った武器を、自分の指を切ってみて切れ味を確かめると、その味を覚えて、アミエルは懐に刀の鞘と小刀を忍ばせて寝ることにしました」
A「また俺に回ってくるのね」
C「ストーリーカードも、一応……」
A「【魔女の術】。悪魔は醜き正体を露わにする。牛乳は酸っぱくなり、バターは攪拌されず、麦は不揃いに育つ。双頭のニワトリが生まれる。モンセギュールに呪いがかけられたのか? 何者かが、黒魔術に手を染めたのか? 悪魔の儀式こそが、モンセギュールを救うのか?
……なるほど。シーンカード【腐った馬の死骸の上を飛び回る蝿】を払いながら、ベルトランは士気高揚のために前線の戦士に声をかけていた。そこでロジェに声をかけられた」
Dピエール・ロジェ「ベルトラン様」
Aベルトラン「ああ……お前か。ロジェ君。こうなっては、貯蔵庫の兵糧もない。戦線も危うい。だがみんな頑張っている。前線の兵士を優遇するために、子供と妻子持ちに渡す兵糧を今の5分の1に減らそう。それ以外の敬虔なカタリ派の信徒に回そう。そして、妻子持ちと子供を除いた全ての前線にいる兵士、信徒たちを、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》にする。私が洗礼をしよう」
Dピエール・ロジェ「なるほど……。でも、子供は可哀想じゃないですか?」
Aベルトラン「(笑)まず可哀想というが、人間ではない。そもそもが。自立した意志を持たず、人の言葉に惑わされているだけの悪魔。可哀想という感情を持つのが、間違っている」
Dピエール・ロジェ「しかし……そうは言っても……私達も元は子供だったわけです」
Aベルトラン「何だお前、背教者か!(笑) 何だお前、背教者か!」
Dピエール・ロジェ「そういうわけではなくて、もう少しこう……手心をですね……与えてあげてもいいのでは」
Aベルトラン「ああ。じゃあこの話は後日」
Dピエール・ロジェ「分かりました……」
Aベルトラン「ガルニエ君!(一同笑) ガルニエ君」
Cガルニエ「はい。何でしょう!」
Aベルトラン「君……すまないね、わざわざ前線から。君、知ってるか、噂で」
Cガルニエ「何ですか?」
Aベルトラン「エスクラルモンドを……ロジェが手込めにしようとしている」
Cガルニエ「な何ですと!? 何ですとォ!? それは長官といえど、黙っておられません」
Aベルトラン「君、エスクラルモンドがなぜ君の誘いを受けないか分かるか? ロジェがエスクラルモンドに君の、悪口や、ありもしない前歴、素行を吹き込んでいるからだ」
Cガルニエ「そうだったのですか」
Aベルトラン「しかも、それをロジェにするように、ロジェがエスクラルモンドを手込めにできるように吹き込んだのは全部セシルだ。君がエスクラルモンドと世帯を持つには、ロジェと、セシルが、どう考えても、邪魔だ」
Cガルニエ「……確かに」
A ベルトラン「君ィー……前線指揮官が……敵の流れ矢に当たって死ぬというのは……おかしいことじゃないとは思わない?」
Cガルニエ「うーむ……」
Aベルトラン「こんなに混戦した戦場じゃあ、前から矢が刺さろうが、後ろから矢が刺さろうが……分からない。それに、私は君が敬虔な信者だって信じている。ロジェの背中に矢が刺さってロジェが死んでしまっても、それは、教皇軍のしわざだ。ガルニエ君! ……明日の戦場も頑張ってくれ」
Cガルニエ「わ、分かりました……」
C「ガルニエはそう言われても葛藤することでしょう」
◯Act3.運命の決戦(中篇) に続く……
●登場人物/3つの質問
アルセンド……娼婦。カタリ派の庇護者・トゥールーズ伯の親戚。ファイユとアミエルの叔母。
1. 15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?
2. あなたはどうやって、甥や姪の世話をしていくつもりか?
3. ピエール・ロジェと寝るとき、あなたは何を感じるか?
ガルニエ……傭兵。射手。モンセギュールからそう離れていないカモンの村で育った若い男性。
1. あなたはどれくらいの間、密かにエスクラルモンドのことを想い続けてきたか?
2. どうやってあなたは、傭兵および射手として、武器を扱う術を身につけたのか?
3. あなたにとって信仰にはどんな意味があるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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2026年1月19日月曜日
☆『ガルアーダの塔RLH』先行告知☆ FT新聞 No.4744
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
冬ながら暖かい日が続き、助かりますね☆
今日の記事は来月からはじまる日曜配信のローグライクハーフシナリオ『ガルアーダの塔』の先行告知です!
◆サイズ。
『ガルアーダの塔RLH』は公式作品における、過去最大サイズでお届けする最新シナリオです!
通常のd66シナリオでは3回の冒険で、〈できごと〉の総数は42個。
『ガルアーダの塔』の場合、9階の冒険で〈できごと〉は116個になります☆
具体的な遊び方が普段と少し異なっておりますので、ここでその説明をば。
◆一の位が〈できごと〉の種類(仕様変更)。
これまでに出してきた「ローグライクハーフ」のd66シナリオは、十の位の数字が〈できごと〉の種類を示していました。
たとえば、十の位が6であれば〈強いクリーチャー〉が登場する、といった次第です。
『ガルアーダの塔』では、一の位が〈できごと〉の種類を決定する、というルールに変更されます。
たとえば、出目26は、もともとのルールでは、十の位が2なので〈中立または友好的なクリーチャー〉が出現する出目です。
しかし、『ガルアーダの塔』では、一の位が6であるため〈強いクリーチャー〉が登場する出目となるわけです。
『手がかり』によって十の位が1になるという仕様も、一の位が1になるという特別ルールに変更されます。
◆ルール変更。
以上が「仕様」の変更です。
こうした理由でもある「ルール変更」の話に入りますね。
『ガルアーダの塔』では、「冒険のクリア回数×10を〈できごと〉の出目に足す」というルールで運用されます。
たとえば、3回目の冒険では、冒険を2回クリアしています。
この場合、〈できごと〉の出目に20を足す、というルールです。
出目が32だったら出目52になり、出目61だったら出目81になるわけです。
『ガルアーダの塔』は全9回の冒険ですので、十の位が14まで存在するシナリオになるわけです(もはや、十の位に収まりきれていませんね)。
◆「宝物庫」への道。
もうひとつの仕様変更は、この話の延長線上にあります。
『ガルアーダの塔』には、一の位の出目が「6」ではなく「7」まであります。
一の位の出目が7のとき、主人公は「宝物庫」へとたどり着くことができます。
でも、六面体サイコロの出目は6までしかありませんよね?
どうやって、出目7を生み出すのでしょうか。
基本的な方法は「同じ出目を出す」ことです。
たとえば、出目56を振って、そこにいる〈強いクリーチャー〉を倒したとします。
次に出目56を振ると、基本ルールに従って「出目56の次の出目を参照する」ことになります。
出目56の次の目は出目57ですから、宝物庫にたどり着くことができるというわけです。
◆町と回復。
『ガルアーダの塔』は90階もの高さがあり、冒険ごとに都市に戻ることは現実的ではありません。
冒険ごとに確実に回復できる能力値の総量はたった2点で、【生命点】や【副能力値】にこれを振り分けます。
少ない! ですね★
完全なる回復はできませんが、2回目以降の各冒険開始時に、塔内にある「町」に立ち寄ることができます。
ここで金貨を支払って宿に泊まることで追加の回復をすることもできますし、食堂では食事をすることができます。
装備品や従者も、ここで補うことができるでしょう。
◆ゲームブック版との違いと【味方】。
『ガルアーダの塔』配信版では、ゲームブック版とは異なり、固有の主人公を中心とした物語は展開しません。
TRPGの基本として、主人公はあなたのキャラクターです。
ゲームブック版に登場した「剣術学校の仲間たち」は、同行している場合にプラスのある【味方】として登場します。
【味方】は従者とは異なり、何人でも連れていくことができます。
作品の評判がよく、製品版を作ることが決まった際には、ゲームブック版の主人公であった「オレニアックス剣術学校出身の剣士である『君』」を真ん中に置いたストーリーを作ることを検討していますが……これは未定です★
◆まとめ。
出目表、回復、【味方】。
巨大な『ガルアーダの塔』を表現するために必要なルールとして準備した、3つの「特別ルール」のご紹介でした。
それではまた!
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◆サイズ。
『ガルアーダの塔RLH』は公式作品における、過去最大サイズでお届けする最新シナリオです!
通常のd66シナリオでは3回の冒険で、〈できごと〉の総数は42個。
『ガルアーダの塔』の場合、9階の冒険で〈できごと〉は116個になります☆
具体的な遊び方が普段と少し異なっておりますので、ここでその説明をば。
◆一の位が〈できごと〉の種類(仕様変更)。
これまでに出してきた「ローグライクハーフ」のd66シナリオは、十の位の数字が〈できごと〉の種類を示していました。
たとえば、十の位が6であれば〈強いクリーチャー〉が登場する、といった次第です。
『ガルアーダの塔』では、一の位が〈できごと〉の種類を決定する、というルールに変更されます。
たとえば、出目26は、もともとのルールでは、十の位が2なので〈中立または友好的なクリーチャー〉が出現する出目です。
しかし、『ガルアーダの塔』では、一の位が6であるため〈強いクリーチャー〉が登場する出目となるわけです。
『手がかり』によって十の位が1になるという仕様も、一の位が1になるという特別ルールに変更されます。
◆ルール変更。
以上が「仕様」の変更です。
こうした理由でもある「ルール変更」の話に入りますね。
『ガルアーダの塔』では、「冒険のクリア回数×10を〈できごと〉の出目に足す」というルールで運用されます。
たとえば、3回目の冒険では、冒険を2回クリアしています。
この場合、〈できごと〉の出目に20を足す、というルールです。
出目が32だったら出目52になり、出目61だったら出目81になるわけです。
『ガルアーダの塔』は全9回の冒険ですので、十の位が14まで存在するシナリオになるわけです(もはや、十の位に収まりきれていませんね)。
◆「宝物庫」への道。
もうひとつの仕様変更は、この話の延長線上にあります。
『ガルアーダの塔』には、一の位の出目が「6」ではなく「7」まであります。
一の位の出目が7のとき、主人公は「宝物庫」へとたどり着くことができます。
でも、六面体サイコロの出目は6までしかありませんよね?
どうやって、出目7を生み出すのでしょうか。
基本的な方法は「同じ出目を出す」ことです。
たとえば、出目56を振って、そこにいる〈強いクリーチャー〉を倒したとします。
次に出目56を振ると、基本ルールに従って「出目56の次の出目を参照する」ことになります。
出目56の次の目は出目57ですから、宝物庫にたどり着くことができるというわけです。
◆町と回復。
『ガルアーダの塔』は90階もの高さがあり、冒険ごとに都市に戻ることは現実的ではありません。
冒険ごとに確実に回復できる能力値の総量はたった2点で、【生命点】や【副能力値】にこれを振り分けます。
少ない! ですね★
完全なる回復はできませんが、2回目以降の各冒険開始時に、塔内にある「町」に立ち寄ることができます。
ここで金貨を支払って宿に泊まることで追加の回復をすることもできますし、食堂では食事をすることができます。
装備品や従者も、ここで補うことができるでしょう。
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『ガルアーダの塔』配信版では、ゲームブック版とは異なり、固有の主人公を中心とした物語は展開しません。
TRPGの基本として、主人公はあなたのキャラクターです。
ゲームブック版に登場した「剣術学校の仲間たち」は、同行している場合にプラスのある【味方】として登場します。
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◆まとめ。
出目表、回復、【味方】。
巨大な『ガルアーダの塔』を表現するために必要なルールとして準備した、3つの「特別ルール」のご紹介でした。
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2026年1月18日日曜日
Re:アランツァワールドガイド Vol.1 「水上都市聖フランチェスコ FT新聞 No.4743
おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
2月以降の日曜枠で配信予定の、杉本=ヨハネによるローグライクハーフ版「ガルアーダの塔」
水上都市・聖フランチェスコが舞台です。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
(少しだけ改訂箇所もあり)
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
子どもたちが走りまわり、キャッキャと笑い合っている。
水路に落ちないように注意する母親の大声が聞こえる。
子ぼんのうなグラント教授はその声を聞きながら、長いまつ毛の奥にある優しい視線を親子に送る。
見知らぬラクダ人から送られる暖かい気持ちに子どもたちが気づくはずもなく、また走り出しては楽しげに笑う。
カメル・グラントはここ、水上都市聖フランチェスコ市にあるオレニアックス剣術学校で、生物学を教えている。
少数種族のラクダ人で、上唇が左右に割れているためみっつの唇をもつ。
下唇、右上唇、左上唇。
背中には盛り上がったコブがわずかに残り、体毛は濃い茶色だが本物のラクダのように濃くはない。
辛抱づよく、子どもたちが好きで、知的探究心に満ちた心の持ち主だ。
かつて世界を旅してきた彼は、いままた旅に出ようとしている。
◆「アランツァワールドガイド」へようこそ!
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です。
「FT書房のゲームブック世界を、紹介してほしい」
17年間、何度このご要望をいただいてきたか分かりません。
若い頃はこう答えていました。
「ゲームブックをやってもらったら、分かるよ」
と。
しかしこれは、なんと尖った答えなのでしょう。
ゲームブックはすべてのルートを通って遊ぶわけではありません。
この娯楽過多な時代に、自分の作品を隅から隅まで読んでもらうことを前提にしているとは……前のめりすぎて物事が見えていなかったなと思います。
今はさすがに考えが変わりました。
歳を重ね、もう少し物事が見えるようになってきた今。
読者の方がFT書房のゲームブックを通じて、「もっと世界を知りたい」と思ってくださることが増えた今。
「ローグライクハーフ」が配信されて、「アランツァTRPG」の刊行を未来に控えている今。
背景世界を読み、知っていただくのにふさわしいタイミングが来たのだと思います。
この作品は過去に配信された記事「オレニアックス生物学」で教師を務めたカメル・グラント教授が主人公です。
諸都市を旅する彼からの視点と地の文章のふたつを通じて、アランツァをご紹介してまいります。
記念すべき第1回の記事は「水上都市聖フランチェスコ」です。
さっそく、まいりましょう。
◆旅立ち。
水上都市の冬はアランツァのなかでは恵まれているほうだ。
大陸西方にある砂漠の地で生まれ育ったグラント教授は、そう思っていた。
貧しい一家に生まれた彼は高齢の両親を看取った後に、弟とともに故郷を出た。
諸都市を旅した後に、聖フランチェスコで職を見つけてオレニアックス剣術学校の講師となった。
オレニアックス剣術学校はもともと剣術を教える学校であったが、少数精鋭のエリート育成クラスが今はある。
世界を見てきた貴重な存在として、彼はそこで「生物学」を教えてきた。
モンスターを中心にした授業である。
今年、彼は生物学の授業を休講にして旅に出る。
職を辞するわけではない。
その学問の性質上、フィールドワークが欠かせないのだ。
モンスターを中心に扱う授業では、世界はいちど見てまわれば十分と考える向きもある。
しかし、実際にはそうではない。
彼が教えるのはモンスターの性質だけではない……冒険者として未知の危険に対抗する手段や、現地の人間たちがどのように対応しているかの知識なども、同時に身につけられるように教える必要があるのだ。
冬が終わる前に、カメルは出立しようと思っていた。
◆出立。
聖フランチェスコ市の気候は一年を通じて安定している。
冬は曇りの日が多いものの、雪が降ることはほとんどない。
街は高い城壁でぐるりと囲まれていて、モンスターに突破されたことはない。
街のなかには水路が巡らされていて、ゴンドラで移動ができる。
穀物スコップ大通りを歩く。
笑い合う人々の声を聞きながら、カメルは奇妙な気持ちになる。
考えてみれば、ここはこの世界のなかでも異質な空間だ。
アランツァにはたくさんの水路がある、なんなら陸路よりも盛んに使われているぐらいだ。
だが、その水路が街じゅうに張り巡らされている街はそう多くない。
◆街の中央にあるみっつの広場。
聖フランチェスコの中央には、みっつの広場が連なっている。
西から「道化師広場」「藍玉広場」「天使広場」だ。
「道化師広場」では一年中テントが張られていて、サーカスを見ることができる。
この街ではサーカスが盛んだ……悪名高いウォー・ジェスター(※)は、かつて聖フランチェスコの宮廷道化師だったという。
「藍玉広場」は天気のいい日には夕方になると、美しい藍色に染まることでその名がついた。
「天使の広場」はもよおしものが開催されるときに使われる場所で、「天使の花嫁」と呼ばれる祭日のイベントからその名が来ている(※※)。
◆オレニアックス聖池。
「この池はね、聖フランチェスコ市を流れる水が、最初に領内に流れ込む場所なんだよ。かつてここを支配していた黄金の龍を、天使ハナエルが手をかざして従えさせて、それで池の水を使えるようになった。それが、聖フランチェスコ市のはじまりの物語なんだ」
──ハナ・ヴィトリッチの言葉 『水上都市の祭日』 340パラグラフより
この街でもっとも目を引く存在は、巨大な黄金の龍だろう。
像ではない、本物の龍だ。
といってもほとんど眠っていて、起きているところを見たことのない住民もいるほどだ。
黄金龍は名前をオレニアックスといって、賢く、そして容赦のない龍である。
この街と龍がもっと若かった頃、数多くの外敵と戦い、街を守ってきてくれた。
この龍は人を食わず、黄金を食料とする。
龍にしては性格が温和で、恐怖ではなく契約によって街との関係性を樹立したのだ。
だが、今は食料の黄金も食べず、聖なる池の前でほとんどの時間を眠っている。
◆罪人(つみびと)の輪。
手続きを済ませて、カメルは街の外に出る。
街の外壁には鉄の輪がぶら下がっている。
「罪人の輪」だ。
聖フランチェスコはその名のとおり非常に宗教的な都市で、罪を犯した者も悔い改める姿勢があれば、街の中に入れてもらうことができた。だが街の門は日中しか開いておらず、夜の間に逃げ込んできた罪人たちは、追っ手の前に命を落とした。
その状況を嘆いた聖フランチェスコは、王に頼み街の南側にいくつもの鉄の輪を設けた。「この輪にぶら下がる者は、ぶら下がっている間は罪を問われない。」種族、人種、民族を問わず、聖フランチェスコと王はそう定めたという。
──『闇の森を抜けて』 82パラグラフより
信仰心を持たないカメルには、その輪が奇妙なものに見えた。
この輪の効力を守るため、フランチェスコの王は街の外に住む他種族に対しても「この輪にぶら下がるものに危害を加えた場合、聖フランチェスコへの宣戦布告となる」と知らせてきたという。
この輪はアジール(統治領域の及ばない「無縁所」)とみなされているが、実際にはそうではない。
聖フランチェスコの力によって、守られているのだ。
カメルは街を一瞥すると、前を向いた。
そこから先は、振り返らなかった。
◆補足1:「闇の森」。
聖フランチェスコは公平にみて、アランツァでもっとも恵まれた土地のひとつと言えます。
北にはポートス川を挟んで砂漠地帯があり、南には闇の森が広がっています。
西は海に面していて、東に抜ける主街道だけが他の都市につながっています。
気候に恵まれながら、他種族の侵略も受けづらい地理的優位を有しているのです。
聖フランチェスコの南側には、「闇の森」と呼ばれる森林地帯が広がっています。
正式名称は黒森。
大陸東部にある「還らずの森」と同じく、黒っぽい幹と葉をもつ木(黒木=ブラックツリー)がこの名称の由来です。
森のなかにはゴブリン、犬人、ホブゴブリンなどが生息します。
犬人とホブゴブリンは非友好的ではあるものの、聖フランチェスコとは中立の立場をとっています。
信頼できるとみなされれば、交易も可能でしょう。
ゴブリンは「ゴロゾフ」の名前で知られる一族が幅を効かせています。
他の地域よりも小柄で素早く、数が多いため厄介です。
彼らは一般的なゴブリンよりも繁殖力が高いため、森のあちこちで見かけるでしょう。
とはいえ、1匹1匹の強さは大したことがありません。
◆補足2:水路、ポートス川、アリクララ湖。
ここは街のなかだけでなく、近隣地域も水に恵まれています。
聖フランチェスコに面した西側の海から、海路を使ってサラザール地方に移動することができます。
また、ポートス川をさかのぼっていくことで、商業都市ナゴールへの主街道を使うよりも早く、安全に移動して、かえる沼の南端、桜森の北端にあるベルトラン村まで移動することができます。
これらの水路に大きな危険はありませんが、ポートス川の北にあるアリクララ湖に行った場合には話は別です。
この湖には肉食の巨大イカが生息しています。
イカの大きさはさまざまで、大きくなるほどその数は減っていきます。
ごくまれに、とてつもなく大きく成長することがあり、そうした場合にはクラーケンと呼ばれます。
クラーケンは危険な巨大生物ですが、アリクララ湖畔に住むイルフムの町の住民ですら、遭遇することなく一生を終えることの方が多いでしょう。
◆補足3(加筆):芸術の都。
聖フランチェスコは芸術の都です。
音楽の都として有名なのは自治都市トーンですが、聖フランチェスコは美術、工芸、建築で有名です。
ガラス細工や仮面などの工芸品も有名ですし、多くの有名画家を抱えるパトロンとして「ヴィトリッチ家」が知られています。
建築に関しては歴史あるチャマイに次いで、繊細かつ美しい大聖堂や噴水広場が観光名所として存在します。
◆まとめ。
カメルの旅がはじまりました。
このラクダ人はこれから「商業都市ナゴール」へと向かいますが、次にご紹介するのはナゴールではありません。
「ローグライクハーフ」の2ndシナリオ『混沌迷宮の試練』の配信に合わせて、時系列を飛ばして「混沌都市ゴーブ」をご紹介いたします。
それではまた!
アランツァ世界地図↓
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この地域に関連するゲームブック作品……『水上都市の祭日』『闇の森を抜けて』『ガルアーダの塔』
この地域に関連する「ローグライクハーフ」シナリオ……『黄昏の騎士』
※……ウォー・ジェスターはアランツァ世界に存在する熟練の傭兵。道化師のような仮面を着用する。超人的な身体能力をもち、板金鎧を着けたまま跳躍することもある。
※※……詳しくは「天使の花嫁」の祭日を描いた作品『水上都市の祭日』を参照。
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FT新聞編集長の水波です。
2月以降の日曜枠で配信予定の、杉本=ヨハネによるローグライクハーフ版「ガルアーダの塔」
水上都市・聖フランチェスコが舞台です。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
(少しだけ改訂箇所もあり)
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
子どもたちが走りまわり、キャッキャと笑い合っている。
水路に落ちないように注意する母親の大声が聞こえる。
子ぼんのうなグラント教授はその声を聞きながら、長いまつ毛の奥にある優しい視線を親子に送る。
見知らぬラクダ人から送られる暖かい気持ちに子どもたちが気づくはずもなく、また走り出しては楽しげに笑う。
カメル・グラントはここ、水上都市聖フランチェスコ市にあるオレニアックス剣術学校で、生物学を教えている。
少数種族のラクダ人で、上唇が左右に割れているためみっつの唇をもつ。
下唇、右上唇、左上唇。
背中には盛り上がったコブがわずかに残り、体毛は濃い茶色だが本物のラクダのように濃くはない。
辛抱づよく、子どもたちが好きで、知的探究心に満ちた心の持ち主だ。
かつて世界を旅してきた彼は、いままた旅に出ようとしている。
◆「アランツァワールドガイド」へようこそ!
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です。
「FT書房のゲームブック世界を、紹介してほしい」
17年間、何度このご要望をいただいてきたか分かりません。
若い頃はこう答えていました。
「ゲームブックをやってもらったら、分かるよ」
と。
しかしこれは、なんと尖った答えなのでしょう。
ゲームブックはすべてのルートを通って遊ぶわけではありません。
この娯楽過多な時代に、自分の作品を隅から隅まで読んでもらうことを前提にしているとは……前のめりすぎて物事が見えていなかったなと思います。
今はさすがに考えが変わりました。
歳を重ね、もう少し物事が見えるようになってきた今。
読者の方がFT書房のゲームブックを通じて、「もっと世界を知りたい」と思ってくださることが増えた今。
「ローグライクハーフ」が配信されて、「アランツァTRPG」の刊行を未来に控えている今。
背景世界を読み、知っていただくのにふさわしいタイミングが来たのだと思います。
この作品は過去に配信された記事「オレニアックス生物学」で教師を務めたカメル・グラント教授が主人公です。
諸都市を旅する彼からの視点と地の文章のふたつを通じて、アランツァをご紹介してまいります。
記念すべき第1回の記事は「水上都市聖フランチェスコ」です。
さっそく、まいりましょう。
◆旅立ち。
水上都市の冬はアランツァのなかでは恵まれているほうだ。
大陸西方にある砂漠の地で生まれ育ったグラント教授は、そう思っていた。
貧しい一家に生まれた彼は高齢の両親を看取った後に、弟とともに故郷を出た。
諸都市を旅した後に、聖フランチェスコで職を見つけてオレニアックス剣術学校の講師となった。
オレニアックス剣術学校はもともと剣術を教える学校であったが、少数精鋭のエリート育成クラスが今はある。
世界を見てきた貴重な存在として、彼はそこで「生物学」を教えてきた。
モンスターを中心にした授業である。
今年、彼は生物学の授業を休講にして旅に出る。
職を辞するわけではない。
その学問の性質上、フィールドワークが欠かせないのだ。
モンスターを中心に扱う授業では、世界はいちど見てまわれば十分と考える向きもある。
しかし、実際にはそうではない。
彼が教えるのはモンスターの性質だけではない……冒険者として未知の危険に対抗する手段や、現地の人間たちがどのように対応しているかの知識なども、同時に身につけられるように教える必要があるのだ。
冬が終わる前に、カメルは出立しようと思っていた。
◆出立。
聖フランチェスコ市の気候は一年を通じて安定している。
冬は曇りの日が多いものの、雪が降ることはほとんどない。
街は高い城壁でぐるりと囲まれていて、モンスターに突破されたことはない。
街のなかには水路が巡らされていて、ゴンドラで移動ができる。
穀物スコップ大通りを歩く。
笑い合う人々の声を聞きながら、カメルは奇妙な気持ちになる。
考えてみれば、ここはこの世界のなかでも異質な空間だ。
アランツァにはたくさんの水路がある、なんなら陸路よりも盛んに使われているぐらいだ。
だが、その水路が街じゅうに張り巡らされている街はそう多くない。
◆街の中央にあるみっつの広場。
聖フランチェスコの中央には、みっつの広場が連なっている。
西から「道化師広場」「藍玉広場」「天使広場」だ。
「道化師広場」では一年中テントが張られていて、サーカスを見ることができる。
この街ではサーカスが盛んだ……悪名高いウォー・ジェスター(※)は、かつて聖フランチェスコの宮廷道化師だったという。
「藍玉広場」は天気のいい日には夕方になると、美しい藍色に染まることでその名がついた。
「天使の広場」はもよおしものが開催されるときに使われる場所で、「天使の花嫁」と呼ばれる祭日のイベントからその名が来ている(※※)。
◆オレニアックス聖池。
「この池はね、聖フランチェスコ市を流れる水が、最初に領内に流れ込む場所なんだよ。かつてここを支配していた黄金の龍を、天使ハナエルが手をかざして従えさせて、それで池の水を使えるようになった。それが、聖フランチェスコ市のはじまりの物語なんだ」
──ハナ・ヴィトリッチの言葉 『水上都市の祭日』 340パラグラフより
この街でもっとも目を引く存在は、巨大な黄金の龍だろう。
像ではない、本物の龍だ。
といってもほとんど眠っていて、起きているところを見たことのない住民もいるほどだ。
黄金龍は名前をオレニアックスといって、賢く、そして容赦のない龍である。
この街と龍がもっと若かった頃、数多くの外敵と戦い、街を守ってきてくれた。
この龍は人を食わず、黄金を食料とする。
龍にしては性格が温和で、恐怖ではなく契約によって街との関係性を樹立したのだ。
だが、今は食料の黄金も食べず、聖なる池の前でほとんどの時間を眠っている。
◆罪人(つみびと)の輪。
手続きを済ませて、カメルは街の外に出る。
街の外壁には鉄の輪がぶら下がっている。
「罪人の輪」だ。
聖フランチェスコはその名のとおり非常に宗教的な都市で、罪を犯した者も悔い改める姿勢があれば、街の中に入れてもらうことができた。だが街の門は日中しか開いておらず、夜の間に逃げ込んできた罪人たちは、追っ手の前に命を落とした。
その状況を嘆いた聖フランチェスコは、王に頼み街の南側にいくつもの鉄の輪を設けた。「この輪にぶら下がる者は、ぶら下がっている間は罪を問われない。」種族、人種、民族を問わず、聖フランチェスコと王はそう定めたという。
──『闇の森を抜けて』 82パラグラフより
信仰心を持たないカメルには、その輪が奇妙なものに見えた。
この輪の効力を守るため、フランチェスコの王は街の外に住む他種族に対しても「この輪にぶら下がるものに危害を加えた場合、聖フランチェスコへの宣戦布告となる」と知らせてきたという。
この輪はアジール(統治領域の及ばない「無縁所」)とみなされているが、実際にはそうではない。
聖フランチェスコの力によって、守られているのだ。
カメルは街を一瞥すると、前を向いた。
そこから先は、振り返らなかった。
◆補足1:「闇の森」。
聖フランチェスコは公平にみて、アランツァでもっとも恵まれた土地のひとつと言えます。
北にはポートス川を挟んで砂漠地帯があり、南には闇の森が広がっています。
西は海に面していて、東に抜ける主街道だけが他の都市につながっています。
気候に恵まれながら、他種族の侵略も受けづらい地理的優位を有しているのです。
聖フランチェスコの南側には、「闇の森」と呼ばれる森林地帯が広がっています。
正式名称は黒森。
大陸東部にある「還らずの森」と同じく、黒っぽい幹と葉をもつ木(黒木=ブラックツリー)がこの名称の由来です。
森のなかにはゴブリン、犬人、ホブゴブリンなどが生息します。
犬人とホブゴブリンは非友好的ではあるものの、聖フランチェスコとは中立の立場をとっています。
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ゴブリンは「ゴロゾフ」の名前で知られる一族が幅を効かせています。
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彼らは一般的なゴブリンよりも繁殖力が高いため、森のあちこちで見かけるでしょう。
とはいえ、1匹1匹の強さは大したことがありません。
◆補足2:水路、ポートス川、アリクララ湖。
ここは街のなかだけでなく、近隣地域も水に恵まれています。
聖フランチェスコに面した西側の海から、海路を使ってサラザール地方に移動することができます。
また、ポートス川をさかのぼっていくことで、商業都市ナゴールへの主街道を使うよりも早く、安全に移動して、かえる沼の南端、桜森の北端にあるベルトラン村まで移動することができます。
これらの水路に大きな危険はありませんが、ポートス川の北にあるアリクララ湖に行った場合には話は別です。
この湖には肉食の巨大イカが生息しています。
イカの大きさはさまざまで、大きくなるほどその数は減っていきます。
ごくまれに、とてつもなく大きく成長することがあり、そうした場合にはクラーケンと呼ばれます。
クラーケンは危険な巨大生物ですが、アリクララ湖畔に住むイルフムの町の住民ですら、遭遇することなく一生を終えることの方が多いでしょう。
◆補足3(加筆):芸術の都。
聖フランチェスコは芸術の都です。
音楽の都として有名なのは自治都市トーンですが、聖フランチェスコは美術、工芸、建築で有名です。
ガラス細工や仮面などの工芸品も有名ですし、多くの有名画家を抱えるパトロンとして「ヴィトリッチ家」が知られています。
建築に関しては歴史あるチャマイに次いで、繊細かつ美しい大聖堂や噴水広場が観光名所として存在します。
◆まとめ。
カメルの旅がはじまりました。
このラクダ人はこれから「商業都市ナゴール」へと向かいますが、次にご紹介するのはナゴールではありません。
「ローグライクハーフ」の2ndシナリオ『混沌迷宮の試練』の配信に合わせて、時系列を飛ばして「混沌都市ゴーブ」をご紹介いたします。
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※……ウォー・ジェスターはアランツァ世界に存在する熟練の傭兵。道化師のような仮面を着用する。超人的な身体能力をもち、板金鎧を着けたまま跳躍することもある。
※※……詳しくは「天使の花嫁」の祭日を描いた作品『水上都市の祭日』を参照。
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2026年1月17日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第675号 FT新聞 No.4742
From:水波流
成人の日は、我が家の近所は七福神巡りが催されて、人通りの多い日でした。
泉涌寺の塔頭だけで、七福神全て+愛染明王、楊貴妃観音と9つを巡れるので、お手軽な祭事です。
こういうの、ついファンタジーのシナリオだったらと考えてしまいますね。
From:明日槇悠
自転車で往復6時間のささやかな旅路。
まっすぐ行けそうな道でも電車に阻まれたり、大型店舗の迷路のような敷地に入り込んだり、方角が体感と違っていたり。
アドベンチャー気分のお供には、ヘルメットや防寒具といった装備品も大切! おかげで全く寒くありませんでした。
From:葉山海月
ネット通販で、「相手が待てる」最長時間は何日ぐらいだろ?
とふと思うのです。
From:中山将平
僕らFT書房は明日1月18日(日)、以下の2つのイベントにサークル参加します。
・「こみっくトレジャー47」
開催地:インテックス大阪
配置:【4号館D06a】
・「文学フリマ京都10」
開催地:京都市勧業館みやこめっせ
配置:【B-34】
また、僕個人はこの日「こみっくトレジャー47」にギルド黄金の蛙でもサークル参加しています。
配置は【4号館D05b】です。
これもしかすると、FT書房の隣かもしれません。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1/11(日)~1/16(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026年1月11日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4736
本日は日曜日。アランツァクリーチャー事典の第24回をお届けします。
3回に渡ってお送りしてきた『家畜、騎乗生物』ですが、
今回は特別編として、従者としての【騎乗生物】をお送りします。
どの拠点でも購入可能な馬から、金貨135枚の【相棒】グリフォン、そして購入に条件がある騎乗カマキリなどなど……。
どうぞお楽しみ下さいませ。
(葉)
2026年1月12日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4737
スティーブ・クロンプトン来日レポート!
・2025年11月28日(金)、船で世界をまわっているというスティーブ・クロンプトンが大阪に来航しました!
大阪港で邂逅した杉本氏による第一印象は、「テキサスハットをかぶったイケおじ」。気さくに言葉を交わしての第二印象は「仕事のできる男」!
FT書房のメンバーやファンの皆さんを入れて、総勢10人以上がクロンプトンとパーティを組み、四天王寺で観光を楽しみました。
それから一行は難波でお寿司に舌鼓をうち、自由な交流の時間では二国間の「お土産」を交換。親密なやりとりを経て、場はさらなる盛り上がりへ!
集まってくれた人すべてに対して……ありがとうございました! この最高の一日の全容は、レポート本文にてお確かめください。
(明)
2026年1月13日(火)くろやなぎ FT新聞 No.4738
ゲームブックにおける死と物語 第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓
・先週の水曜日に、ぜろ氏による『ハンテッド・ガーデンハート』のリプレイ全3回が完結したところですが、今回の記事でご紹介するのは、同じ短編集に収録された『フィンガーセイバーの冒険』です。もともとは2015年のFT新聞に掲載された、冒険記録紙もサイコロも不要な、わずか25パラグラフのこの作品について、「ゲームのルール」「物語のテーマ」「パラグラフの構造」の3つの側面から改めて考察してみました。
お手元に『ハンテッド・ガーデンハート』をお持ちの方や、Kindleで過去のFT新聞が読める環境にある方は、ぜひ『フィンガーセイバーの冒険』をプレイされた上で、お読みいただければと思います。
(く)
2026年1月14日(水)ぜろ FT新聞 No.4739
第1回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第474回。今回からは、〈竜鍵諸島〉シリーズ以来のローグライクハーフリプレイとなる、『巨大樹の迷宮』のリプレイをお届けします。そのコンセプトは…ポケモン風ローグライクハーフ!
ゲームの中で「主人公」を務めるのは、サプリメント「ヒーローズオブダークネス」に登場する種族、〈妖狐〉のフォルネと〈魔猫〉のニャルラ。そしてリプレイ上の主人公(語り手)となる少年タイガは、まさかの「荷物持ち(戦わない従者)」!!
ローグライクハーフの「一人で遊べるTRPG」としての自由度を活かした、想像力あふれる楽しいリプレイの開幕です!!!
(く)
2026年1月15日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4740
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.40『汝、獣となれ人となれ』 その4
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
冒険家乙女のクワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカは、昼の間ミソサザイになる呪いをかけられたコビットの冒険者クリスティと共に、彼女の呪いを解くカギを探しに〈太古の森〉に眠る遺跡を目指して探索中!
行く手を遮るは墳墓の不寝番、またもや罠、訳の分からぬ言葉を囁く祭司…夜の〈太古の森〉に響くのは、クワニャウマの悲鳴かそれとも…!
(天)
2026年1月16日(金)休刊日 FT新聞 No.4741
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(シミュさん)
「ゲームブックにおける死と物語 第3回」を拝読いたしました。ふと連想したのが、扶桑社版「バルサスの要塞」の帯にあった、水野良先生による推薦文。
「ゲームブックの醍醐味とは…
死ぬことと見つけたり!!」
という名惹句とともに、 デザイナーが周到に張り巡らせた失敗、デッドエンドにこそゲームブックの真の面白さがあり、小説ともRPGとも異なるゲームブックの魅力であると、力説されておられました。
(お返事:くろやなぎ)
お便りありがとうございます。扶桑社版のバルサスは未読なのですが、その惹句には、なぜかどこかで見覚えが…と思ってFT新聞のバックナンバーを探してみると、見つかりました!
丹野佑氏の連載『20代からのゲームブック』で「デッドエンド」がテーマになったとき(2014/2/26、No.412)に、まさにその水野氏の推薦文が、話の導入として引用されていたのでした。また、その週の『FT新聞1ウィーク!』(2014/3/1、No.415)では、当該記事に関する複数の読者の方からのお便りも掲載されており、デッドエンドに関する色々な角度からの見解を読むことができます。
Kindle書籍『FT新聞 2014年版』に掲載されていますので、よろしければぜひご覧になってください!
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■FT新聞が届かない日があった場合
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未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。
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このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。
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泉涌寺の塔頭だけで、七福神全て+愛染明王、楊貴妃観音と9つを巡れるので、お手軽な祭事です。
こういうの、ついファンタジーのシナリオだったらと考えてしまいますね。
From:明日槇悠
自転車で往復6時間のささやかな旅路。
まっすぐ行けそうな道でも電車に阻まれたり、大型店舗の迷路のような敷地に入り込んだり、方角が体感と違っていたり。
アドベンチャー気分のお供には、ヘルメットや防寒具といった装備品も大切! おかげで全く寒くありませんでした。
From:葉山海月
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とふと思うのです。
From:中山将平
僕らFT書房は明日1月18日(日)、以下の2つのイベントにサークル参加します。
・「こみっくトレジャー47」
開催地:インテックス大阪
配置:【4号館D06a】
・「文学フリマ京都10」
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配置:【B-34】
また、僕個人はこの日「こみっくトレジャー47」にギルド黄金の蛙でもサークル参加しています。
配置は【4号館D05b】です。
これもしかすると、FT書房の隣かもしれません。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
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■1/11(日)~1/16(金)の記事一覧
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2026年1月11日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4736
本日は日曜日。アランツァクリーチャー事典の第24回をお届けします。
3回に渡ってお送りしてきた『家畜、騎乗生物』ですが、
今回は特別編として、従者としての【騎乗生物】をお送りします。
どの拠点でも購入可能な馬から、金貨135枚の【相棒】グリフォン、そして購入に条件がある騎乗カマキリなどなど……。
どうぞお楽しみ下さいませ。
(葉)
2026年1月12日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4737
スティーブ・クロンプトン来日レポート!
・2025年11月28日(金)、船で世界をまわっているというスティーブ・クロンプトンが大阪に来航しました!
大阪港で邂逅した杉本氏による第一印象は、「テキサスハットをかぶったイケおじ」。気さくに言葉を交わしての第二印象は「仕事のできる男」!
FT書房のメンバーやファンの皆さんを入れて、総勢10人以上がクロンプトンとパーティを組み、四天王寺で観光を楽しみました。
それから一行は難波でお寿司に舌鼓をうち、自由な交流の時間では二国間の「お土産」を交換。親密なやりとりを経て、場はさらなる盛り上がりへ!
集まってくれた人すべてに対して……ありがとうございました! この最高の一日の全容は、レポート本文にてお確かめください。
(明)
2026年1月13日(火)くろやなぎ FT新聞 No.4738
ゲームブックにおける死と物語 第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓
・先週の水曜日に、ぜろ氏による『ハンテッド・ガーデンハート』のリプレイ全3回が完結したところですが、今回の記事でご紹介するのは、同じ短編集に収録された『フィンガーセイバーの冒険』です。もともとは2015年のFT新聞に掲載された、冒険記録紙もサイコロも不要な、わずか25パラグラフのこの作品について、「ゲームのルール」「物語のテーマ」「パラグラフの構造」の3つの側面から改めて考察してみました。
お手元に『ハンテッド・ガーデンハート』をお持ちの方や、Kindleで過去のFT新聞が読める環境にある方は、ぜひ『フィンガーセイバーの冒険』をプレイされた上で、お読みいただければと思います。
(く)
2026年1月14日(水)ぜろ FT新聞 No.4739
第1回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第474回。今回からは、〈竜鍵諸島〉シリーズ以来のローグライクハーフリプレイとなる、『巨大樹の迷宮』のリプレイをお届けします。そのコンセプトは…ポケモン風ローグライクハーフ!
ゲームの中で「主人公」を務めるのは、サプリメント「ヒーローズオブダークネス」に登場する種族、〈妖狐〉のフォルネと〈魔猫〉のニャルラ。そしてリプレイ上の主人公(語り手)となる少年タイガは、まさかの「荷物持ち(戦わない従者)」!!
ローグライクハーフの「一人で遊べるTRPG」としての自由度を活かした、想像力あふれる楽しいリプレイの開幕です!!!
(く)
2026年1月15日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4740
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.40『汝、獣となれ人となれ』 その4
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
冒険家乙女のクワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカは、昼の間ミソサザイになる呪いをかけられたコビットの冒険者クリスティと共に、彼女の呪いを解くカギを探しに〈太古の森〉に眠る遺跡を目指して探索中!
行く手を遮るは墳墓の不寝番、またもや罠、訳の分からぬ言葉を囁く祭司…夜の〈太古の森〉に響くのは、クワニャウマの悲鳴かそれとも…!
(天)
2026年1月16日(金)休刊日 FT新聞 No.4741
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
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■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(シミュさん)
「ゲームブックにおける死と物語 第3回」を拝読いたしました。ふと連想したのが、扶桑社版「バルサスの要塞」の帯にあった、水野良先生による推薦文。
「ゲームブックの醍醐味とは…
死ぬことと見つけたり!!」
という名惹句とともに、 デザイナーが周到に張り巡らせた失敗、デッドエンドにこそゲームブックの真の面白さがあり、小説ともRPGとも異なるゲームブックの魅力であると、力説されておられました。
(お返事:くろやなぎ)
お便りありがとうございます。扶桑社版のバルサスは未読なのですが、その惹句には、なぜかどこかで見覚えが…と思ってFT新聞のバックナンバーを探してみると、見つかりました!
丹野佑氏の連載『20代からのゲームブック』で「デッドエンド」がテーマになったとき(2014/2/26、No.412)に、まさにその水野氏の推薦文が、話の導入として引用されていたのでした。また、その週の『FT新聞1ウィーク!』(2014/3/1、No.415)では、当該記事に関する複数の読者の方からのお便りも掲載されており、デッドエンドに関する色々な角度からの見解を読むことができます。
Kindle書籍『FT新聞 2014年版』に掲載されていますので、よろしければぜひご覧になってください!
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2026年1月16日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4741
おはようございます。
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2026年1月15日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.40『汝、獣となれ人となれ』その4 FT新聞 No.4740
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.40
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
押忍、イェシカです。呪いを解く目的で意気込んで、〈太古の森〉のヴィンドランダ遺跡群へ冒険しに来たのに、金目の物をあさっている奴がいるんだ。旧き騎士と旧き剣との戦闘やガーゴイルとの戦闘で、ぼろぼろになってもだぜ! いやぁこの根性、冒険家だねぇ!
次回、「夜の遺跡群の探索、クワニャウマ一行の行く手に何が待つ?」
そこんとこ、よろしく。
あらすじに遊び心を入れてみようと試みたら、某男の道を魁よアニメの次回予告風になってしまいました。深く掘り下げたら負けなので、今回は『汝、獣となれ人となれ』リプレイその4です。
クリスティにかけられた、昼になるとミソサザイになる呪いを解くために繰り広げるヴィンドランダ遺跡群の冒険は、中間イベントを経てますます本格化していきます。
ところで、本作の頼もしい仲間であるクリスティですが、彼女には「彼女は冒険中に一度だけ〈宝物表〉を振るとき、その出目に1を足すことができる」という能力があります。
主人公が強欲設定なのに、〈宝物表〉のダイスの結果がふるわなくてしょっぱい収穫ばかりだったのですが、クリスティのおかげでとても久しぶりに魔法の宝物をゲットすることができました^^♪
今回の冒険は、クリスティに限らず仲間に恵まれていて、【アンデッド】【家畜】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれかのタグを持つクリーチャーは対魔法ロール判定に自動的に成功するが、それ以外は違うという敵に遭遇した際、猟犬の雷電、飛燕、月光は【家畜】で、イェシカは耳が聞こえないので、仲間のうち半数以上が自動成功。クワニャウマとクリスティだけロール判定をすればいいだけになったおかげで、とてもリスクが軽減されました。
キャラクターを考えるのが大変だからという怠惰な理由で従者に猟犬を選んだのですが、今回の冒険ではそれがよい方に転がる形となり、「今度からもっと戦略的に考えればさらにローグライクハーフを楽しめるじゃん!」と学習できました^^
ところで、冒険中に助けた兵士たちが従者になるエピソードがあるのですが、この時、クワニャウマの従者点がいっぱいだと思って従者にしませんでした。しかし、後で冒険メモを確認したところ、1点分空きがあるではありませんか! ここで従者を加えていたら、のちの展開に変化があった可能性が高かったので、ショックでした。何しろ、新たにプレイしても、ダイスの目次第で二度と同じ冒険はできないからです。主人公のステータス確認大事!ゼッタイ!と思いました><
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その4
齊藤(羽生)飛鳥
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
10:墳墓の不寝番
夕食を食べ終えた後、遺跡群の中の探索を再開した。
幾つもの角を曲がるうちに、わたしは妙に気になる玄室を見つけた。
「旧い墳墓か霊廟や」
クリスティが説明してくれる。中を覗くと、名も知らぬ神々の石像が建ち並ぶ奥に、ひやりとした暗がりが口を開けている。
「何かお宝があるかも!」
わたしが喜び勇んで暗がりに一歩足を踏み入れると、いくつもの紅い双眼がわたしたちを睨みつけてきた。
生臭い息と共にうなり声が聞こえたかと思うと、魔狼1匹と黒狼3匹が現れた。
「きばっていこうや!!」
クリスティは、両手に持った小剣で魔狼を斬りつける。
「やるじゃない、クリスティ! 黒狼にかじられているわたしとは大違いね!」
「あんた、何を盛大にやられとんの!? ワンコ、何をボケーっとしとるんや! あんたらの御主人様がおいしくいただかれかけとるやろ!!」
猟犬たちは、魔狼をクリスティにまかせて黒狼たちに飛びかかる。
その頃には、わたしはだいぶダメージを食らっていたので、かえる人の旅商人から買ったばかりの治療のポーションを使って回復を図る。
「しっかりしぃや、クワニャウマ!」
「おかげさまで復活! ここから反撃よ! 食らえ、古代の神槍!」
わたしは、魔狼めがけて古代の神槍を投擲する。
槍は、魔狼の腹に突き刺さる。
「ようやった!! これでとどめや!!」
クリスティは、魔狼へおどりかかると、小剣二刀流でとどめを刺す。
「これで魔狼は倒せた! 黒狼の方は?」
「ワンッ!」
猟犬たちが、黒狼の屍の前で勝ち誇った顔で一声鳴いた。
すると、玄室の片隅から声が聞こえてきた。
「奴らを倒したのか!?」
「助かった!」
「あんたたちは、命の恩人だよ!」
そこには、3人の兵士がいた。
「あんたたちもこの遺跡を探索していたの? ねえ、ここにお宝はあった?」
「いいや、あいにく」
「あったら、お礼にあんたらに捧げているよ」
「今、持ち合わせがないから、ただで従者になるよ」
「ただ!? あ……でも、食料がたりないからだめだ。くっ!! せっかくただの従者をゲットできるチャンスだったのに!! 猛烈に損した気分!!」
わたしがくやしがっていると、3人の兵士が気の毒なものを見るようにわたしを見てから、魔狼の死体をあさる。
「恩人さん、ほれ。これ」
「魔狼のへそくりだ」
「これを俺達からの謝礼と思って受け取ってくれよ」
兵士たちはそう言って、身代わりの依代と金貨30枚相当の小さな宝石を渡してくれた。
「おぉ! いいお宝じゃないの! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、ほんま単純やね」
クリスティが笑うと、イェシカも兵士たちもみんな笑った。いい笑顔をただでくれるとは、気のいい連中が集結してくれたものだ。
11:コビットの罠師
「身代わりの依代、さっき雷電に使って壊れちゃったから、新しいのが手に入ってよかったわ! これで、安心してこの先を進めるってもんよ! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、笑い声が邪悪って言われへんか?」
「ん? 故郷の村を出て冒険家になってからよく言われるわね」
「てことは、あんたの故郷の村の人たち、あんたの笑い方に疑問を抱かなかったちゅうことになるから、村人全員邪悪な笑い方をしとったの……?」
兵士たちと別れ、玄室を出た後、雑談をしながら進んでいると、足に嫌な感触が走った。
これは……。
「クワニャウマのアホー!! あんたまた罠にかかりよって! 少しは学習しいや!」
「面目ない……。でも、クリスティもイェシカも猟犬たちも無事でよかったわ」
「あんたが足元お留守なだけや!」
「ぐうの音も出ないわ……。でも、すぎたことをくよくよしていても誰も得しないから、罠を外してくれる?」
「そう言うても、この手の罠は下手にいじくりよると、別のしかけが出てくるかもしれんから、危のうてかなわんわ」
クリスティが、ぶつくさ文句を言いながらも罠の解除に取りかかる。
イェシカは、その手元が明るくなるようにランタンを照らす。ランタンの中から、か細い声で「出シテ……出シテ……」とリンネソウの妖精の声が聞こえたけど、気にしない。
「ちぇっ、なんでえ。間抜けな黒狼かと思ったのによ」
コビットの罠師が、ランタンを片手に暗闇から姿を現す。
一瞬、昼間会ったコビットの罠師かと思ったけれど、よく見たら昼間の罠師が右目の下にほくろがあったけど、こちらは左目の下にほくろがあるから別人だ。
すると、クリスティが勢いよく立ち上がった。
「フェルディ! あんた、フェルディブランド・バターカップやないの」
「なんだ、クリスティじゃねえか。この抜け作ども、お前の連れかよ?」
どうやらこの二人、顔見知りらしい。
「抜け作どもって、失礼じゃない? わたし一人しか罠に引っかかっているんだから、抜け作単品でいいでしょ?」
「なんでもいいから、はよ罠を外してもらえる? このままじゃ連れが頭に血が上ってくたばってしまうわ」
わたしの発言に、ツッコミを入れることなくクリスティは罠師と交渉を始める。スルーされるのは、ちょっと寂しいなぁ……。
「金貨5枚だ。それ以上はまからねえぜ」
わたしが財布を取ろうとすると、それより先にクリスティが、底意地悪い笑みを浮かべる。
「"仕込み骰子の"フェルディ。サンドヒーバー村の連中にあんたの居場所を話したって構わんねんで」
コビットの罠師はちっと舌打ちすると、手早くわたしがかかった罠を解除する。
「覚えてろよ、クリスティ」
「ウチは物覚えが悪うてな」
勝ち誇った笑顔で罠師を見送るクリスティの背中が、いつになく大きく見えた。
「クリスティ、あんたの値切りテクニック、すごく勉強になったわ!!」
「そやろそやろ!!」
本日二度目の罠だったけれど、一つ賢くなれた分だけお得だった。
12:旧き神の祭司
遺跡群の中で、まだ崩れていない建物を見つけたので、扉を開けてみた。
こちらは長い時を経て堆積した埃が舞い、鼻腔を刺激する。猟犬たちが、そろってくしゃみをした。
先がまるで見通せぬ薄暗い広間に、小さな篝火が点々と焚かれ、独特な香木の匂いがかすかに漂っているから、埃だけでなく香木の匂いのせいで、猟犬たちはくしゃみをしたのかもしれない。
「何や、ここ……」
「奥に祭壇と何かの偶像が置かれているみたいね」
揺らめく灯りに、奥にある祭壇と何かの偶像が怪しく照らし出される。
その時、暗闇のなかから不気味な足音と共に、ランタンを片手に持ったフードを被った人物が現れる。祭服を着ているから、祭司か何かか?
まったく理解できない言葉の羅列が、わたしの耳元に近づいてくる。
湿った足音とともに、やがてフードの奥から細長い首と魚めいた頭がのぞく。
奇怪な姿のその怪物は司教杖を片手に、舌をしるしると伸ばしてきた。
「あれはジャバウォックや。むっちゃあかん奴やから、関わり合いにならん方がええで」
「了解……て、まわりこまれた!」
せっかくクリスティに不審者情報を教えてもらったのに、まんまとジャバウォックに耳元を確保されてしまった!
「Twas brillig, and the slithy toves」
「え? 何語? あー……わからないから、こっちの言葉で話してくれる?」
「Did gyre and gimble in the wabe」
「話す気なしね。わかった。じゃあ、こっちも自分の言葉で話すから、いい?」
「All mimsy were the borogoves」
「今のはそれでいいと承諾したと見做すわ。じゃあ、質問。お宝の在処を知っていたら、教えてくれる?」
「And the mome raths outgrabe」
「知らないし、知っていたら自分が取りに行っているっつーの? そんな感じ?」
「……」
ジャバウォックは、面倒くさい者を見る目でわたしを一睨みしてから、足元に袋を放り投げる。
開けてみると、中から金貨が2枚入っていた。
「くれるの!? ありがとう!!」
顔を上げてお礼を言うも、そこにジャバウォックの姿はいなかった。
再び、奥の闇の中へ帰って行ってしまったらしい。
「逃げた……?」
「『あんたとは付き合いきれんわ』と思うたんやろ。ありがたいことやわ。あいつに見込みがあると思われたら最後、あいつと同じ訳の分からん言葉をしゃべって正気を失うっちゅう話でな。そういう意味で、あんたのおかげで、ウチらはうまくあいつから逃げられたわ」
「逃げたんだか、逃げられたんだかわからないけど、とりあえず金貨2枚得したことだけはわかったわ」
「うん。もうクワニャウマはその理解でええわ」
何かクリスティからジャバウォックと同じ目つきで見られたような気がした。
気のせい、かな……?
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行決定。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.40
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〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
押忍、イェシカです。呪いを解く目的で意気込んで、〈太古の森〉のヴィンドランダ遺跡群へ冒険しに来たのに、金目の物をあさっている奴がいるんだ。旧き騎士と旧き剣との戦闘やガーゴイルとの戦闘で、ぼろぼろになってもだぜ! いやぁこの根性、冒険家だねぇ!
次回、「夜の遺跡群の探索、クワニャウマ一行の行く手に何が待つ?」
そこんとこ、よろしく。
あらすじに遊び心を入れてみようと試みたら、某男の道を魁よアニメの次回予告風になってしまいました。深く掘り下げたら負けなので、今回は『汝、獣となれ人となれ』リプレイその4です。
クリスティにかけられた、昼になるとミソサザイになる呪いを解くために繰り広げるヴィンドランダ遺跡群の冒険は、中間イベントを経てますます本格化していきます。
ところで、本作の頼もしい仲間であるクリスティですが、彼女には「彼女は冒険中に一度だけ〈宝物表〉を振るとき、その出目に1を足すことができる」という能力があります。
主人公が強欲設定なのに、〈宝物表〉のダイスの結果がふるわなくてしょっぱい収穫ばかりだったのですが、クリスティのおかげでとても久しぶりに魔法の宝物をゲットすることができました^^♪
今回の冒険は、クリスティに限らず仲間に恵まれていて、【アンデッド】【家畜】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれかのタグを持つクリーチャーは対魔法ロール判定に自動的に成功するが、それ以外は違うという敵に遭遇した際、猟犬の雷電、飛燕、月光は【家畜】で、イェシカは耳が聞こえないので、仲間のうち半数以上が自動成功。クワニャウマとクリスティだけロール判定をすればいいだけになったおかげで、とてもリスクが軽減されました。
キャラクターを考えるのが大変だからという怠惰な理由で従者に猟犬を選んだのですが、今回の冒険ではそれがよい方に転がる形となり、「今度からもっと戦略的に考えればさらにローグライクハーフを楽しめるじゃん!」と学習できました^^
ところで、冒険中に助けた兵士たちが従者になるエピソードがあるのですが、この時、クワニャウマの従者点がいっぱいだと思って従者にしませんでした。しかし、後で冒険メモを確認したところ、1点分空きがあるではありませんか! ここで従者を加えていたら、のちの展開に変化があった可能性が高かったので、ショックでした。何しろ、新たにプレイしても、ダイスの目次第で二度と同じ冒険はできないからです。主人公のステータス確認大事!ゼッタイ!と思いました><
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10:墳墓の不寝番
夕食を食べ終えた後、遺跡群の中の探索を再開した。
幾つもの角を曲がるうちに、わたしは妙に気になる玄室を見つけた。
「旧い墳墓か霊廟や」
クリスティが説明してくれる。中を覗くと、名も知らぬ神々の石像が建ち並ぶ奥に、ひやりとした暗がりが口を開けている。
「何かお宝があるかも!」
わたしが喜び勇んで暗がりに一歩足を踏み入れると、いくつもの紅い双眼がわたしたちを睨みつけてきた。
生臭い息と共にうなり声が聞こえたかと思うと、魔狼1匹と黒狼3匹が現れた。
「きばっていこうや!!」
クリスティは、両手に持った小剣で魔狼を斬りつける。
「やるじゃない、クリスティ! 黒狼にかじられているわたしとは大違いね!」
「あんた、何を盛大にやられとんの!? ワンコ、何をボケーっとしとるんや! あんたらの御主人様がおいしくいただかれかけとるやろ!!」
猟犬たちは、魔狼をクリスティにまかせて黒狼たちに飛びかかる。
その頃には、わたしはだいぶダメージを食らっていたので、かえる人の旅商人から買ったばかりの治療のポーションを使って回復を図る。
「しっかりしぃや、クワニャウマ!」
「おかげさまで復活! ここから反撃よ! 食らえ、古代の神槍!」
わたしは、魔狼めがけて古代の神槍を投擲する。
槍は、魔狼の腹に突き刺さる。
「ようやった!! これでとどめや!!」
クリスティは、魔狼へおどりかかると、小剣二刀流でとどめを刺す。
「これで魔狼は倒せた! 黒狼の方は?」
「ワンッ!」
猟犬たちが、黒狼の屍の前で勝ち誇った顔で一声鳴いた。
すると、玄室の片隅から声が聞こえてきた。
「奴らを倒したのか!?」
「助かった!」
「あんたたちは、命の恩人だよ!」
そこには、3人の兵士がいた。
「あんたたちもこの遺跡を探索していたの? ねえ、ここにお宝はあった?」
「いいや、あいにく」
「あったら、お礼にあんたらに捧げているよ」
「今、持ち合わせがないから、ただで従者になるよ」
「ただ!? あ……でも、食料がたりないからだめだ。くっ!! せっかくただの従者をゲットできるチャンスだったのに!! 猛烈に損した気分!!」
わたしがくやしがっていると、3人の兵士が気の毒なものを見るようにわたしを見てから、魔狼の死体をあさる。
「恩人さん、ほれ。これ」
「魔狼のへそくりだ」
「これを俺達からの謝礼と思って受け取ってくれよ」
兵士たちはそう言って、身代わりの依代と金貨30枚相当の小さな宝石を渡してくれた。
「おぉ! いいお宝じゃないの! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、ほんま単純やね」
クリスティが笑うと、イェシカも兵士たちもみんな笑った。いい笑顔をただでくれるとは、気のいい連中が集結してくれたものだ。
11:コビットの罠師
「身代わりの依代、さっき雷電に使って壊れちゃったから、新しいのが手に入ってよかったわ! これで、安心してこの先を進めるってもんよ! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、笑い声が邪悪って言われへんか?」
「ん? 故郷の村を出て冒険家になってからよく言われるわね」
「てことは、あんたの故郷の村の人たち、あんたの笑い方に疑問を抱かなかったちゅうことになるから、村人全員邪悪な笑い方をしとったの……?」
兵士たちと別れ、玄室を出た後、雑談をしながら進んでいると、足に嫌な感触が走った。
これは……。
「クワニャウマのアホー!! あんたまた罠にかかりよって! 少しは学習しいや!」
「面目ない……。でも、クリスティもイェシカも猟犬たちも無事でよかったわ」
「あんたが足元お留守なだけや!」
「ぐうの音も出ないわ……。でも、すぎたことをくよくよしていても誰も得しないから、罠を外してくれる?」
「そう言うても、この手の罠は下手にいじくりよると、別のしかけが出てくるかもしれんから、危のうてかなわんわ」
クリスティが、ぶつくさ文句を言いながらも罠の解除に取りかかる。
イェシカは、その手元が明るくなるようにランタンを照らす。ランタンの中から、か細い声で「出シテ……出シテ……」とリンネソウの妖精の声が聞こえたけど、気にしない。
「ちぇっ、なんでえ。間抜けな黒狼かと思ったのによ」
コビットの罠師が、ランタンを片手に暗闇から姿を現す。
一瞬、昼間会ったコビットの罠師かと思ったけれど、よく見たら昼間の罠師が右目の下にほくろがあったけど、こちらは左目の下にほくろがあるから別人だ。
すると、クリスティが勢いよく立ち上がった。
「フェルディ! あんた、フェルディブランド・バターカップやないの」
「なんだ、クリスティじゃねえか。この抜け作ども、お前の連れかよ?」
どうやらこの二人、顔見知りらしい。
「抜け作どもって、失礼じゃない? わたし一人しか罠に引っかかっているんだから、抜け作単品でいいでしょ?」
「なんでもいいから、はよ罠を外してもらえる? このままじゃ連れが頭に血が上ってくたばってしまうわ」
わたしの発言に、ツッコミを入れることなくクリスティは罠師と交渉を始める。スルーされるのは、ちょっと寂しいなぁ……。
「金貨5枚だ。それ以上はまからねえぜ」
わたしが財布を取ろうとすると、それより先にクリスティが、底意地悪い笑みを浮かべる。
「"仕込み骰子の"フェルディ。サンドヒーバー村の連中にあんたの居場所を話したって構わんねんで」
コビットの罠師はちっと舌打ちすると、手早くわたしがかかった罠を解除する。
「覚えてろよ、クリスティ」
「ウチは物覚えが悪うてな」
勝ち誇った笑顔で罠師を見送るクリスティの背中が、いつになく大きく見えた。
「クリスティ、あんたの値切りテクニック、すごく勉強になったわ!!」
「そやろそやろ!!」
本日二度目の罠だったけれど、一つ賢くなれた分だけお得だった。
12:旧き神の祭司
遺跡群の中で、まだ崩れていない建物を見つけたので、扉を開けてみた。
こちらは長い時を経て堆積した埃が舞い、鼻腔を刺激する。猟犬たちが、そろってくしゃみをした。
先がまるで見通せぬ薄暗い広間に、小さな篝火が点々と焚かれ、独特な香木の匂いがかすかに漂っているから、埃だけでなく香木の匂いのせいで、猟犬たちはくしゃみをしたのかもしれない。
「何や、ここ……」
「奥に祭壇と何かの偶像が置かれているみたいね」
揺らめく灯りに、奥にある祭壇と何かの偶像が怪しく照らし出される。
その時、暗闇のなかから不気味な足音と共に、ランタンを片手に持ったフードを被った人物が現れる。祭服を着ているから、祭司か何かか?
まったく理解できない言葉の羅列が、わたしの耳元に近づいてくる。
湿った足音とともに、やがてフードの奥から細長い首と魚めいた頭がのぞく。
奇怪な姿のその怪物は司教杖を片手に、舌をしるしると伸ばしてきた。
「あれはジャバウォックや。むっちゃあかん奴やから、関わり合いにならん方がええで」
「了解……て、まわりこまれた!」
せっかくクリスティに不審者情報を教えてもらったのに、まんまとジャバウォックに耳元を確保されてしまった!
「Twas brillig, and the slithy toves」
「え? 何語? あー……わからないから、こっちの言葉で話してくれる?」
「Did gyre and gimble in the wabe」
「話す気なしね。わかった。じゃあ、こっちも自分の言葉で話すから、いい?」
「All mimsy were the borogoves」
「今のはそれでいいと承諾したと見做すわ。じゃあ、質問。お宝の在処を知っていたら、教えてくれる?」
「And the mome raths outgrabe」
「知らないし、知っていたら自分が取りに行っているっつーの? そんな感じ?」
「……」
ジャバウォックは、面倒くさい者を見る目でわたしを一睨みしてから、足元に袋を放り投げる。
開けてみると、中から金貨が2枚入っていた。
「くれるの!? ありがとう!!」
顔を上げてお礼を言うも、そこにジャバウォックの姿はいなかった。
再び、奥の闇の中へ帰って行ってしまったらしい。
「逃げた……?」
「『あんたとは付き合いきれんわ』と思うたんやろ。ありがたいことやわ。あいつに見込みがあると思われたら最後、あいつと同じ訳の分からん言葉をしゃべって正気を失うっちゅう話でな。そういう意味で、あんたのおかげで、ウチらはうまくあいつから逃げられたわ」
「逃げたんだか、逃げられたんだかわからないけど、とりあえず金貨2枚得したことだけはわかったわ」
「うん。もうクワニャウマはその理解でええわ」
何かクリスティからジャバウォックと同じ目つきで見られたような気がした。
気のせい、かな……?
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行決定。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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2026年1月14日水曜日
第1回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4739
第1回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
●物語のはじまり
「ねぇ〜次の町まだぁ? アタイおなかすいちゃった〜」
星空を映したような艶やかな毛並みの子猫が、甘えるように僕の足にすりすりとからみついてくる。
「ニャルラ、あんまりタイガさまを困らせるんじゃないよ」
僕の肩口からひょいと頭をのぞかせた銀毛の子狐が、子猫をたしなめるように小声でなだめた。
「え〜困らせてないよぅ。おなかすいちゃっただけだもん。ね、たいが〜」
「はは。たぶんもうすぐだよ。次のカラメールは大きな町って聞いてるから、おいしいものたくさんあると思うよ」
僕は足もとの子猫ニャルラにそう答える。途端にニャルラの瞳が星くずを散らしたように、キラキラに輝いた。
「ホント?! ナゴールみたいにおっきいかな。たのしみ〜」
「前の村で聞いたんだけど、丸々獣の肉料理が有名なんだって」
「にくりょうりっ!?」
ニャルラは、今まさに目の前にごちそうの皿を並べられたみたいな表情を浮かべた。
「タイガさま、ニャルラをあんまり甘やかさないで」
僕の肩に乗っかっている銀毛の子狐がとがった口をさらにとがらせてプリプリしている。
「いいんだよフォルネ。ニャルラはこれくらいで」
「そうなのだフォルネよ。アタイはこれくらいでいいのだ」
「むー」
フォルネがぷんむくれて、視線をそらした。
と、その表情が変化する。
「タイガさま、あれ」
進行方向を指し示すフォルネに、僕もその光景を見た。
僕たちが歩いているのは、森の脇をかすめるように進む街道。
視線の先にあるのは、少し前に僕たちを追い抜いていった護衛つきの一台の馬車だ。
先を譲ったとき、綺麗なドレスのお姉さんが窓から外を覗いていて、目が合った僕は少し見とれてしまった。
それは、前を行く馬車に向かって、巨大な鳥が今まさに急降下をかける場面に見えた。
緊急事態だ。
「フォルネ、ニャルラ、いくよっ」
「はいっ」「わかった〜」
僕が駆けだすと、フォルネが肩口から飛び降りて先行する。ニャルラもすぐにその後を追った。
巨大な鳥は、太陽の光を反射して、やけにキラキラと輝いているように見えた。
近づくとその理由がわかった。
鳥なのに、頭に王冠みたいなのを載せている。それだけでなく体にも輝く装飾品をいろいろつけているみたい。
巨大鳥の襲撃で、馬がけたたましく叫び、歩みを止めてしまう。
駆け寄る僕が見ている前で馬車の屋根の幌がバリバリっと破られ、巨大鳥の脚が突っ込まれた。
突然の出来事に、馬車の中から男女の怯えた叫び声が響く。
馬車に乗る人も周囲の護衛も、まだ誰も対応できていない。
巨大鳥が飛び立つときには、その鋭い爪に力なくこうべを垂れた人物を、しっかりと捉えていた。
それは、きらびやかなドレスに身を包んだ令嬢に見えた。さっきの、あのお姉さんだ。
「フォルネ! ニャルラ!」
僕の意をくんでいち早く馬車に接近した二匹は、左右から勢いよく馬車の屋根まで駆け上がり、大きくジャンプ。
しかし飛び去る巨大鳥にはわずかに届かず、二匹は互いにクロスするように空を切り、軽やかに地面へと着地した。
巨大鳥は、ゆうゆうと飛び去って行く。
「む、娘を……! 何をしているのだ。追え。追ってくれええ」
馬車の中からパニック状態でわめく男の声が聞こえる。
しかし動揺した馬に、馬車は歩みを止めたままだ。
馬車の左右を固めていた、馬に乗った冒険者風の男女二人が、巨大鳥の進行方向に向かい追跡を始めた。
僕はようやく馬車のところまでやって来た。
「タイガさま、間に合いませんでした」
「あとちょっとだったのに〜」
フォルネは僕の肩の定位置に乗っかる。
「あの……」
僕は帽子を脱ぐと、馬車の中で叫び散らかす男の人に声をかけた。
男は叫ぶのをいったん止めると、僕の方をじっと見つめた。上品な身なりをしているが、その顔は崩れてぐちゃぐちゃだった。
衣装の肩の部分が破れている。きっと、娘が連れ去られるのを防ごうと、鳥の脚に組み付いたに違いない。
「うん? 君は? どうして子どもが……君は魔物調教師かなにかなのか?」
僕のいでたちと連れている動物たちを見て、男は言った。
詳しく説明する必要もないと思い、あいまいにうなずく。
「先ほど後方から駆けつけて、オウカンワシから令嬢を救おうと動いてくださいました」
残る一人の護衛が、僕たちの動きを見ていたみたいだった。
「そうだったのか。助力に感謝する。しかし、間に合わなかった。我が娘コンスタンサは……」
落胆する男。
「こちらコーネリアス商会の当主、ヴァンダービルド様にあらせられます」
コーネリアス商会は、このあたりで大きな商売をしている豪商だという。
カラメールの街で海運を中心に事業を展開している。
僕たちがどう声をかけたものかと思案していると、巨大鳥を追いかけていた冒険者風の男女が戻ってきた。
「申し訳ありません。追いきれず……」
「オウカンワシが、巨大樹の中腹に消えるところまでは確認できました」
「なんと、あの『巨大樹』にか……いや、あれの巣があるのならそこくらいか……」
そこから、ヴァンダービルドさんは素早い立ち直りを見せた。
「オウカンワシなら、目当ては人そのものでなく装飾品だろう。まだ助けられる可能性はある。すぐにカラメールに向かうぞ。救援隊を組織し巨大樹に向かうのだ。お前たちが指揮を執れ」
「はっ」
そうして、ヴァンダービルドさんは僕に向けて言った。
「ありがとう。力及ばずであれ助力に感謝する。後日お礼はさせてもらう。我が商会を訪ねたまえ。この木札を出して取り次いでもらえば良い」
こんな場面でも、こうした細やかな心遣いができるのが、商人として成功する秘訣なのかもしれない。そんな風に思ったりもした。
「少年よ。名を訊いても良いか」
「はい。タイガといいます」
「タイガか。覚えておこう」
コーネリアス商会の人々はたちまち状況を立て直すと、早駆けでその場を去って行った。
僕は、巨大鳥が立ち去った方角を見た。
広がる森の向こうに、雲を突くようにそびえる巨木の影がかすんで浮かんでいた。
森の木々とは明らかに別格だ。
「あれが、巨大樹……」
「たいががなにかんがえてるかわかる〜」
「やっぱり、行くんですよね」
「……うん。ほっとけないかな」
「うぅ〜ごちそう〜〜」
「ごめんね。帰ってからでもいい?」
「もっちろん。やくそくやくそく〜♪」
僕たちは、進行方向を変えた。
目指すは巨大樹。さらわれたお姉さんを助け出すんだ。
■ローグライクハーフとは
「ローグライクハーフ」は、TRPGのように遊ぶこともでき、ゲームブックのように遊ぶこともできるという両者の中間のような位置づけのルールです。
1人でもプレイできますし、3人まででTRPGのように遊ぶこともできます。
その内容はランダムダンジョン。サイコロを振ってイベントを決め、起きた出来事に対処します。
同じイベントに行き当たらないような工夫がされているのもポイント高いですね。
簡単に遊ぶには、とても良くできたシステムなのです。
●作品紹介
ぜろです。
今回挑むのは、ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」になります。
「巨大樹の迷宮」は、その名の通りの巨大樹を高く登りつめ、さらわれた商家の令嬢を救い出す冒険です。
ダンジョンが地下に潜っていくのに対し、高くそびえる巨大樹を上へと進みます。
この設定をもとに、主人公キャラクターを作成し冒険に挑みます。
これまで私は、いろんな主人公を作成し、ローグライクハーフのシナリオに挑んできました。
初めて作り、「黄昏の騎士」に挑んだ戦士シズ。
「混沌迷宮の試練」「あやかし」「秋雨の狐」に登場した女侍、サクラ。
ウサギたちと戯れたウサギの友だち、ウサナギノミコト。
竜鍵諸島を遊び歩いた宇宙忍者ポストん。
正直、どのキャラクターにも愛着があり、いずれも再登場させたくて仕方ありません。
しかし今回また、新たなこころみを思いついてしまったため、新キャラクターの登場となりました。
それは、ローグライクハーフwikiにて「ヒーローオブダークネス」を眺めていた時のことです。
「ヒーローオブダークネス」は、人間以外の様々な種族でローグライクハーフをプレイできる追加ルールになります。
悪の種族や人外のモンスターなども設定されていて、ゲームの世界に、さらなる広がりをもたらすものです。
これを眺めているうちに、瞬間的に、思いついちゃったんですよ。
このルールを使えば、ローグライクハーフの世界で「ポケモン」ができるんじゃないかって!
それは、アランツァ世界の世界観を崩壊させてしまいかねない危険な思いつきかもしれません。
でも、思いついたらやってみたい!
ローグライクハーフは一人で遊べるTRPGなんです。
一人で遊ぶのなら、自分が思いつく限りのアイディアを投入して楽しんじゃってもいいよね。
本来の世界観を少しくらい逸脱したっていいよね。
だったらFT新聞で、これだけハメを外したプレイを公開するのはありかもしれない。
そんな風に思って、このリプレイを書きました。
言語コミュニケーションが取れているから「ポケモン」より「デジモン」寄りかもしれませんが、そこはスルーでお願いします。
そうして生み出されたのが、「物語のはじまり」に登場したキャラクターたちです。
主人公枠の少年と、そのお供の二匹。
でもちょっと待って。
ローグライクハーフは、「主人公2人」か「主人公と従者たち」という組み合わせでできる冒険のはず。
主人公3人ってのはできないんじゃ?
それではルール上、どういう構成になっているのか説明しておきましょう。
ルール上、主人公枠としてデータ作成しているのは、以下の二匹になります。
〈妖狐〉のフォルネ。
〈魔猫〉のニャルラ。
妖狐は、妖力を持った狐のあやかし。
魔猫は、高い知能を持った猫のクリーチャー。
あれ? この物語の主人公のタイガは?
実はタイガは、キャラクター設定上は、フォルネの「戦わない従者」枠の「荷物持ち」なのです。
「あやかし」の時にも、チーム全体の総大将の藤丸は、従者の「ランラン持ち」枠でした。
でもあの時の主人公は、あくまでもサクラでした。
今回はなんと、戦わない従者枠の少年を主人公に据えての冒険です。
今はこれくらいにしておきます。またどこかで詳しく語ることもあるでしょう。
彼らの織りなす冒険を、ぜひ楽しんでください。
さて、私はうっかりさんなので、基本的なところで根本的な勘違いをしたまま、あるいは堂々と間違った解釈をして突き進んでしまうことがあるかもしれません。
だから、私のプレイにとらわれず、みなさんはみなさんのローグライクハーフライフを送ってください。
リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
●アタック01-1 タイガと巨大樹のふもと
巨大樹のふもとは、ものすごく賑わっていた。
そう。根本っていうより、ふもとっていう方が合ってると思う。
あちこちに冒険者がテントを張っているだけでなく、簡易な出店もある。
小さな小屋では武器を扱っているみたい。
まるでひとつの町みたいだ。
「わっわわっ! たいが、あっち、いいにおい〜」
ニャルラがとてとてと離れていく。
「あんまり遠くに行かないでね」
「だいじょ〜ぶ。においでわかるから〜」
「まったくニャルラは。それだと必要なときに呼び戻せないでしょ」
「はは……」
おなじみのやりとりに、僕は小さく苦笑を浮かべるしかない。
ここで少し話を聞いて、食料を調達したら、巨大樹に挑もう。
見る限り、数多くの冒険者がこの巨大樹に挑んでいるみたい。
コーネリアス商会のコンスタンサさんの救援部隊はまだ来ていない。それはそうか。僕らはカラメールに立ち寄らずに直接来たから。
「よお坊主。親父とはぐれたのか?」
いかつい雰囲気のおじさんが、意外にも気さくに声をかけてきた。
僕みたいな子どもは珍しいから、こういう場所ではよくあることだ。
「違うよ。僕も巨大樹に登ろうと思って」
「ははっ。こいつはケッサクだ。じゃあひとつ忠告だ。この巨大樹は、上に行けば行くほど同じ敵でも強くなる。『高度』には常に気をつけな」
おじさんは僕の言葉をまったく信じていないみたいだったけれど、ちゃんと教えてくれた。
意外といい人っぽい。ついでに聞いてみよう。
「オウカンワシって知ってる?」
「ああ。知ってるぜ。頭に王冠かぶった奇妙なでっかい鳥だ。キラキラした装飾品を集めては体につけてる。なんだってそんなことするのかねぇ。ここにも中腹あたりから生息してるみたいだぜ」
どうして体を飾りたてるんだろう。クジャクみたいな、オスの求愛行動とかかな?
「タイガさま、そろそろニャルラを迎えに行っては?」
「そうだね。そうしよっか」
フォルネは、なんだかんだ言ってニャルラのことを気にかけている。
僕は食料品を扱っている出店に向かった。
そこでは星空色の猫が、まるで獲物を狙うみたいな鋭い目つきで、店主とにらめっこをしていた。
「あんたんとこの猫かい。さっさとヨソへやっておくれよ」
「手を出さなかったね。えらいえらい」
「うん。アタイまってた〜」
僕は、巨大樹に挑む用の保存食と、今少し食べておく分を購入した。ニャルラはほくほくだ。
「ねえねえ、丸々獣は? 丸々獣のおにく、ある?」
「丸々獣なら、こっちの干し肉だな。そっちのはボア(猪)のやつだ」
店主は、ニャルラが盗みを働くような猫ではないとわかったためか、猫がしゃべることはそれほど気にせずに答えてくれている。
こんな場所に出店を構えているのだから、もしかしたら、ニャルラと同じ種族「魔猫」に会ったことがあるのかもしれない。
だいたい準備は整ったかな。
それじゃあいよいよ、巨大樹に挑もうか。
巨大樹を登るには、まずはふもとの坂道を上りながら進む。
そして最初の高台に設置された手動の昇降機で、一番下の枝まで運んでもらう。
そこからは、交差する太い枝や、幹を巻くように延びる道を使いながら上へと登っていくのだ。
昇降機は、太いロープと滑車で支えられた大きな箱に乗り込み、力強くハンドルを回して昇降する仕組みになっていた。
かつてこの巨大樹に挑んだ者たちが作り上げた大がかりな装置ということだ。
ところが昇降機の前で、僕たちの足は止められてしまった。
僕に巨大樹のことを教えてくれたおじさんと、連れのもう一人の男が、僕たちの行く手を阻んだからだ。
「まさか本気で子どもひとりで巨大樹に挑む気か。それは止めないわけにはいかないな」
「ひとりじゃないよ」
「かわいらしいお供のことを言ってるんならなおさらだ。俺たち大人は、みすみす死にに行くとわかっている場所に子どもを送り出すことはできないのさ」
まいったな。このおじさん、ホントにいい人だった。
こういう時には、少しだけ実力を見せるしかない。
あんまりやりたくはないけど。
「フォルネ、ニャルラ、いい?」
フォルネは僕の肩から滑るように降り、瞬時に距離を詰めると、おじさんの肩に飛び乗り、鋭い爪を首元にそっと突きつけた。
「お。うお!?」
ニャルラももう一人の男に対し、同様の動きを見せる。
「もういいよ」
冷や汗を浮かべるおじさんたちの元を離れ、フォルネとニャルラは僕のところに戻る。
「驚かせちゃってごめんなさい。危害を加えるつもりでやったんじゃないです」
「お、おう……」
「この子はフォルネ。妖狐というあやかしです。見てのとおり、素早くて強い。妖狐は尻尾が多いほど強くなるっていうから、3本尻尾のフォルネはけっこう強いんじゃないかな」
フォルネが僕の説明に合わせて、愛嬌たっぷりに3本の銀毛の尻尾を振っている。
「人の姿にもなれるけど、なぜか僕の前じゃ、なりたがらないんですよね」
フォルネはそっぽを向いた。
今度はニャルラが僕の前に進み出る。艶やかな星空色の子猫。
「アタイは魔猫のニャルラ。アタイのほうがフォルネより強いの〜」
「魔猫はもっと大きく成長するみたいだけど、この子はまだ子どもだから」
「いいの。たいがだってこども〜」
「はは。そうだね」
あんまり手の内を見せすぎるのはよくないけど、こういう時には必要だ。
僕たちのやりとりを見て、おじさんは言った。
「参ったな。これでも冒険者としてはそこそこと思ってるんだが。不意打ちとはいえ完全にやられた。あんたらの強さは十分わかったよ。子どもだけで旅できるわけもな。ま、心配がなくなるわけじゃないが、他の連中がなんか言ってきたら、口添えしてやるよ」
「やった。ありがとう、おじさん」
「ロイってんだ。よろしくな」
こうして僕たちは、いよいよ巨大樹に挑むことになった。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨10
さあ、ここからが冒険本番だ。
ランダムダンジョンのルールにのっとり、サイコロを振ってイベントを決めていく冒険が始まる。
本リプレイでは、サイコロを振ってイベントが決まったら、イベント番号と簡単な内容を示し、話を進めていくことにする。
●アタック01-2 タイガと猿の軍団
【61 骨鳴り蛇】
昇降機の箱から足を踏み出すと、そこは最初の巨枝だ。いや、枝というより完全な道になっている。
多くの冒険者が行き交ったため、木の皮がめくれ、そこだけ本当の道のように見える。
道の脇には雑草が茂っており、ここが木の上だなんて思えない。
上の方をあおぎ見ると、枝の道だけでなく、幹にも階段や広場があり、木の中の空洞に入れるようになっているところも見える。
そして今の高さで、すでにほかの木々よりもはるかに高い。
遠くに見える都市がきっと、カラメールの町に違いない。
「ふわあ〜すごい〜こんなとこくるのはじめて〜」
ニャルラは瞳を輝かせ、きょどきょどとあたりを見回し、次にくるくると軽快に駆け回り始めた。
「あんまり端に行ったら落っこちるから気をつけて」
フォルネでなくても注意せずにはいられない。ここには手すりも安全柵もないのだから。
十分な幅があるとわかっていても、正直、心もとない気分になる。
ニャルラが道脇の雑草に近づいたとき、「カラカラカラ!」と耳障りな乾いた音が鋭く響き渡った。
瞬間的にとびすさり、毛を逆立てて威嚇の構えを取るニャルラ。
草むらにガサっ飛び込むと、なにやらうねうね動く長い生き物をくわえて出てきた。
それは蛇だった。尻尾のところの骨がむき出しになっている。
骨鳴り蛇は毒蛇だ。尻尾の先の骨を鳴らして威嚇することで知られる。
さっきのカラカラ音は、ニャルラが不用意に縄張りに踏み込んだための、蛇の威嚇音だったに違いない。
【骨鳴り蛇 レベル4 生命点2】
蛇はニャルラの先制攻撃を受けてぶらぶらと揺られており、すでに巻きついて反撃しようという気配すら失っていた。
「離しておあげ」
僕が言うと、ニャルラは蛇をぽーんと放り投げる。
のたうつように地面に着地した蛇は、そのまま茂みに消えていった。
それを見送ったニャルラは、なにを思ったか、もう一度茂みに飛び込んだ。
そして次に、違うものを口にくわえて出てきた。僕の前にそれを置く。
「きらきら、はっけ〜ん」
それは1枚の金貨だった。
[プレイログ]
骨鳴り蛇と戦闘
ニャルラの攻撃 サイコロ6<クリティカル!>
骨鳴り蛇へ1点のダメージ(骨鳴り蛇生命点2→1)
骨鳴り蛇は逃走した
宝物判定 サイコロ3 金貨1枚入手
【43 投猿機】
それからしばらくは、ひたすら木登りの時間になった。
木登りと言ってもよじ登るようなところはない。ただただうねった枝と幹の道を歩いていく。
基本は上り道だけど、たまに下っている枝もあって、「せっかく上ったのに、またやりなおし」って気分にさせられた。
あと、この木登り、とにかくどこでも下がよく見える。
地面がしっかりしているとわかっていても、下を見続けていると目がクラクラしてくる。
高いところが苦手な人は来るのぜったい無理だと思う。
「タイガさま、あぶなっ」
フォルネが僕の服のすそを力まかせにぐいっと引っ張り、僕は体ごと大きくのけぞった。
その僕の目の前を、何かがすさまじい勢いで、びゅんっとかすめ飛んでいく。
その先を目で追うと、小猿が向こうの幹に、びたんっとへばりついた瞬間だった。
猿が、猿が飛んできた?!
次に飛んできた方角を見ると、たくさんの猿たちがわらわらと群れている。
その中に木製の得体の知れない装置が見えた。投石機のような……?
その棒状の『腕』の部分に、小猿がしがみついている。
そして大きな猿が、棒の反対側に勢いよく乗っかると、その反動で小猿が「発射」された!
ひゅん、っと飛んでくる小猿。今回は狙いが少しそれたから何もなかったけれど、猿に出していい速度じゃない。
「いけない。ここは猿たちの縄張りだ」
「でもでもたいがっ。変なキカイ向こうの枝だから、アタイたちいけない〜」
そうなのだ。猿たちも、あの猿を飛ばす装置も、向こうの枝だ。
こちらから接近する手段がない。急いで走り抜けるしかないかな。
「飛び道具には飛び道具……。仕方ないですね」
フォルネが四肢でしっかりと枝の地面を踏みしめ、枝向こうの装置を鋭くにらみすえる。
「タイガさま、あっち向いてて。決して私を見ないで」
「いつ猿飛んでくるかわかんないから、無茶言わないで」
「……仕方ないですね」
フォルネはその姿を変えてゆく。
妖狐特有の力〈変化〉。人間形態になることができるのだ。
フォルネの人間形態は、すらりとした銀髪の少年で、端正な顔立ちが印象的だ。ゆったりとした羽織る衣装に身を委ねている。「和装」というらしい。その姿は、息を呑むほどに美しい。
フォルネは手持ちの小柄を投猿機に向け、しゅっと飛ばした。
それはあやまたず、装置の可動部分のすき間に差し込まれる。
大猿が投猿機の端に飛び乗るが、挟まった小柄のためにガチっと固定され、動かない。
僕はフォルネの美しさと、洗練された正確無比な腕前に、しばし見とれてしまう。
「装置止めたから、もう見ないで」
「あ、ご、ごめん」
「フォルネかおまっか〜」
僕が目をそらしたところで、フォルネはしゅっと、元の狐に戻った。
「さ、今のうちに」
猿たちはこっちに向けてギャッギャとさかんに叫びたてるが、僕たちは意に介さない。
猿たちがこちらに手出しする手段を持たない間に、その場を駆け抜けた。
それが、猿たちの縄張りにより深く入り込むことになるとも知らずに。
[プレイログ]
投猿機を壊せ 難易度2
フォルネ 小柄を投てき サイコロ4(修正-1)→3 命中
小柄1本消費
次回、ボス猿登場!?
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ
発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房)
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※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
●物語のはじまり
「ねぇ〜次の町まだぁ? アタイおなかすいちゃった〜」
星空を映したような艶やかな毛並みの子猫が、甘えるように僕の足にすりすりとからみついてくる。
「ニャルラ、あんまりタイガさまを困らせるんじゃないよ」
僕の肩口からひょいと頭をのぞかせた銀毛の子狐が、子猫をたしなめるように小声でなだめた。
「え〜困らせてないよぅ。おなかすいちゃっただけだもん。ね、たいが〜」
「はは。たぶんもうすぐだよ。次のカラメールは大きな町って聞いてるから、おいしいものたくさんあると思うよ」
僕は足もとの子猫ニャルラにそう答える。途端にニャルラの瞳が星くずを散らしたように、キラキラに輝いた。
「ホント?! ナゴールみたいにおっきいかな。たのしみ〜」
「前の村で聞いたんだけど、丸々獣の肉料理が有名なんだって」
「にくりょうりっ!?」
ニャルラは、今まさに目の前にごちそうの皿を並べられたみたいな表情を浮かべた。
「タイガさま、ニャルラをあんまり甘やかさないで」
僕の肩に乗っかっている銀毛の子狐がとがった口をさらにとがらせてプリプリしている。
「いいんだよフォルネ。ニャルラはこれくらいで」
「そうなのだフォルネよ。アタイはこれくらいでいいのだ」
「むー」
フォルネがぷんむくれて、視線をそらした。
と、その表情が変化する。
「タイガさま、あれ」
進行方向を指し示すフォルネに、僕もその光景を見た。
僕たちが歩いているのは、森の脇をかすめるように進む街道。
視線の先にあるのは、少し前に僕たちを追い抜いていった護衛つきの一台の馬車だ。
先を譲ったとき、綺麗なドレスのお姉さんが窓から外を覗いていて、目が合った僕は少し見とれてしまった。
それは、前を行く馬車に向かって、巨大な鳥が今まさに急降下をかける場面に見えた。
緊急事態だ。
「フォルネ、ニャルラ、いくよっ」
「はいっ」「わかった〜」
僕が駆けだすと、フォルネが肩口から飛び降りて先行する。ニャルラもすぐにその後を追った。
巨大な鳥は、太陽の光を反射して、やけにキラキラと輝いているように見えた。
近づくとその理由がわかった。
鳥なのに、頭に王冠みたいなのを載せている。それだけでなく体にも輝く装飾品をいろいろつけているみたい。
巨大鳥の襲撃で、馬がけたたましく叫び、歩みを止めてしまう。
駆け寄る僕が見ている前で馬車の屋根の幌がバリバリっと破られ、巨大鳥の脚が突っ込まれた。
突然の出来事に、馬車の中から男女の怯えた叫び声が響く。
馬車に乗る人も周囲の護衛も、まだ誰も対応できていない。
巨大鳥が飛び立つときには、その鋭い爪に力なくこうべを垂れた人物を、しっかりと捉えていた。
それは、きらびやかなドレスに身を包んだ令嬢に見えた。さっきの、あのお姉さんだ。
「フォルネ! ニャルラ!」
僕の意をくんでいち早く馬車に接近した二匹は、左右から勢いよく馬車の屋根まで駆け上がり、大きくジャンプ。
しかし飛び去る巨大鳥にはわずかに届かず、二匹は互いにクロスするように空を切り、軽やかに地面へと着地した。
巨大鳥は、ゆうゆうと飛び去って行く。
「む、娘を……! 何をしているのだ。追え。追ってくれええ」
馬車の中からパニック状態でわめく男の声が聞こえる。
しかし動揺した馬に、馬車は歩みを止めたままだ。
馬車の左右を固めていた、馬に乗った冒険者風の男女二人が、巨大鳥の進行方向に向かい追跡を始めた。
僕はようやく馬車のところまでやって来た。
「タイガさま、間に合いませんでした」
「あとちょっとだったのに〜」
フォルネは僕の肩の定位置に乗っかる。
「あの……」
僕は帽子を脱ぐと、馬車の中で叫び散らかす男の人に声をかけた。
男は叫ぶのをいったん止めると、僕の方をじっと見つめた。上品な身なりをしているが、その顔は崩れてぐちゃぐちゃだった。
衣装の肩の部分が破れている。きっと、娘が連れ去られるのを防ごうと、鳥の脚に組み付いたに違いない。
「うん? 君は? どうして子どもが……君は魔物調教師かなにかなのか?」
僕のいでたちと連れている動物たちを見て、男は言った。
詳しく説明する必要もないと思い、あいまいにうなずく。
「先ほど後方から駆けつけて、オウカンワシから令嬢を救おうと動いてくださいました」
残る一人の護衛が、僕たちの動きを見ていたみたいだった。
「そうだったのか。助力に感謝する。しかし、間に合わなかった。我が娘コンスタンサは……」
落胆する男。
「こちらコーネリアス商会の当主、ヴァンダービルド様にあらせられます」
コーネリアス商会は、このあたりで大きな商売をしている豪商だという。
カラメールの街で海運を中心に事業を展開している。
僕たちがどう声をかけたものかと思案していると、巨大鳥を追いかけていた冒険者風の男女が戻ってきた。
「申し訳ありません。追いきれず……」
「オウカンワシが、巨大樹の中腹に消えるところまでは確認できました」
「なんと、あの『巨大樹』にか……いや、あれの巣があるのならそこくらいか……」
そこから、ヴァンダービルドさんは素早い立ち直りを見せた。
「オウカンワシなら、目当ては人そのものでなく装飾品だろう。まだ助けられる可能性はある。すぐにカラメールに向かうぞ。救援隊を組織し巨大樹に向かうのだ。お前たちが指揮を執れ」
「はっ」
そうして、ヴァンダービルドさんは僕に向けて言った。
「ありがとう。力及ばずであれ助力に感謝する。後日お礼はさせてもらう。我が商会を訪ねたまえ。この木札を出して取り次いでもらえば良い」
こんな場面でも、こうした細やかな心遣いができるのが、商人として成功する秘訣なのかもしれない。そんな風に思ったりもした。
「少年よ。名を訊いても良いか」
「はい。タイガといいます」
「タイガか。覚えておこう」
コーネリアス商会の人々はたちまち状況を立て直すと、早駆けでその場を去って行った。
僕は、巨大鳥が立ち去った方角を見た。
広がる森の向こうに、雲を突くようにそびえる巨木の影がかすんで浮かんでいた。
森の木々とは明らかに別格だ。
「あれが、巨大樹……」
「たいががなにかんがえてるかわかる〜」
「やっぱり、行くんですよね」
「……うん。ほっとけないかな」
「うぅ〜ごちそう〜〜」
「ごめんね。帰ってからでもいい?」
「もっちろん。やくそくやくそく〜♪」
僕たちは、進行方向を変えた。
目指すは巨大樹。さらわれたお姉さんを助け出すんだ。
■ローグライクハーフとは
「ローグライクハーフ」は、TRPGのように遊ぶこともでき、ゲームブックのように遊ぶこともできるという両者の中間のような位置づけのルールです。
1人でもプレイできますし、3人まででTRPGのように遊ぶこともできます。
その内容はランダムダンジョン。サイコロを振ってイベントを決め、起きた出来事に対処します。
同じイベントに行き当たらないような工夫がされているのもポイント高いですね。
簡単に遊ぶには、とても良くできたシステムなのです。
●作品紹介
ぜろです。
今回挑むのは、ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」になります。
「巨大樹の迷宮」は、その名の通りの巨大樹を高く登りつめ、さらわれた商家の令嬢を救い出す冒険です。
ダンジョンが地下に潜っていくのに対し、高くそびえる巨大樹を上へと進みます。
この設定をもとに、主人公キャラクターを作成し冒険に挑みます。
これまで私は、いろんな主人公を作成し、ローグライクハーフのシナリオに挑んできました。
初めて作り、「黄昏の騎士」に挑んだ戦士シズ。
「混沌迷宮の試練」「あやかし」「秋雨の狐」に登場した女侍、サクラ。
ウサギたちと戯れたウサギの友だち、ウサナギノミコト。
竜鍵諸島を遊び歩いた宇宙忍者ポストん。
正直、どのキャラクターにも愛着があり、いずれも再登場させたくて仕方ありません。
しかし今回また、新たなこころみを思いついてしまったため、新キャラクターの登場となりました。
それは、ローグライクハーフwikiにて「ヒーローオブダークネス」を眺めていた時のことです。
「ヒーローオブダークネス」は、人間以外の様々な種族でローグライクハーフをプレイできる追加ルールになります。
悪の種族や人外のモンスターなども設定されていて、ゲームの世界に、さらなる広がりをもたらすものです。
これを眺めているうちに、瞬間的に、思いついちゃったんですよ。
このルールを使えば、ローグライクハーフの世界で「ポケモン」ができるんじゃないかって!
それは、アランツァ世界の世界観を崩壊させてしまいかねない危険な思いつきかもしれません。
でも、思いついたらやってみたい!
ローグライクハーフは一人で遊べるTRPGなんです。
一人で遊ぶのなら、自分が思いつく限りのアイディアを投入して楽しんじゃってもいいよね。
本来の世界観を少しくらい逸脱したっていいよね。
だったらFT新聞で、これだけハメを外したプレイを公開するのはありかもしれない。
そんな風に思って、このリプレイを書きました。
言語コミュニケーションが取れているから「ポケモン」より「デジモン」寄りかもしれませんが、そこはスルーでお願いします。
そうして生み出されたのが、「物語のはじまり」に登場したキャラクターたちです。
主人公枠の少年と、そのお供の二匹。
でもちょっと待って。
ローグライクハーフは、「主人公2人」か「主人公と従者たち」という組み合わせでできる冒険のはず。
主人公3人ってのはできないんじゃ?
それではルール上、どういう構成になっているのか説明しておきましょう。
ルール上、主人公枠としてデータ作成しているのは、以下の二匹になります。
〈妖狐〉のフォルネ。
〈魔猫〉のニャルラ。
妖狐は、妖力を持った狐のあやかし。
魔猫は、高い知能を持った猫のクリーチャー。
あれ? この物語の主人公のタイガは?
実はタイガは、キャラクター設定上は、フォルネの「戦わない従者」枠の「荷物持ち」なのです。
「あやかし」の時にも、チーム全体の総大将の藤丸は、従者の「ランラン持ち」枠でした。
でもあの時の主人公は、あくまでもサクラでした。
今回はなんと、戦わない従者枠の少年を主人公に据えての冒険です。
今はこれくらいにしておきます。またどこかで詳しく語ることもあるでしょう。
彼らの織りなす冒険を、ぜひ楽しんでください。
さて、私はうっかりさんなので、基本的なところで根本的な勘違いをしたまま、あるいは堂々と間違った解釈をして突き進んでしまうことがあるかもしれません。
だから、私のプレイにとらわれず、みなさんはみなさんのローグライクハーフライフを送ってください。
リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
●アタック01-1 タイガと巨大樹のふもと
巨大樹のふもとは、ものすごく賑わっていた。
そう。根本っていうより、ふもとっていう方が合ってると思う。
あちこちに冒険者がテントを張っているだけでなく、簡易な出店もある。
小さな小屋では武器を扱っているみたい。
まるでひとつの町みたいだ。
「わっわわっ! たいが、あっち、いいにおい〜」
ニャルラがとてとてと離れていく。
「あんまり遠くに行かないでね」
「だいじょ〜ぶ。においでわかるから〜」
「まったくニャルラは。それだと必要なときに呼び戻せないでしょ」
「はは……」
おなじみのやりとりに、僕は小さく苦笑を浮かべるしかない。
ここで少し話を聞いて、食料を調達したら、巨大樹に挑もう。
見る限り、数多くの冒険者がこの巨大樹に挑んでいるみたい。
コーネリアス商会のコンスタンサさんの救援部隊はまだ来ていない。それはそうか。僕らはカラメールに立ち寄らずに直接来たから。
「よお坊主。親父とはぐれたのか?」
いかつい雰囲気のおじさんが、意外にも気さくに声をかけてきた。
僕みたいな子どもは珍しいから、こういう場所ではよくあることだ。
「違うよ。僕も巨大樹に登ろうと思って」
「ははっ。こいつはケッサクだ。じゃあひとつ忠告だ。この巨大樹は、上に行けば行くほど同じ敵でも強くなる。『高度』には常に気をつけな」
おじさんは僕の言葉をまったく信じていないみたいだったけれど、ちゃんと教えてくれた。
意外といい人っぽい。ついでに聞いてみよう。
「オウカンワシって知ってる?」
「ああ。知ってるぜ。頭に王冠かぶった奇妙なでっかい鳥だ。キラキラした装飾品を集めては体につけてる。なんだってそんなことするのかねぇ。ここにも中腹あたりから生息してるみたいだぜ」
どうして体を飾りたてるんだろう。クジャクみたいな、オスの求愛行動とかかな?
「タイガさま、そろそろニャルラを迎えに行っては?」
「そうだね。そうしよっか」
フォルネは、なんだかんだ言ってニャルラのことを気にかけている。
僕は食料品を扱っている出店に向かった。
そこでは星空色の猫が、まるで獲物を狙うみたいな鋭い目つきで、店主とにらめっこをしていた。
「あんたんとこの猫かい。さっさとヨソへやっておくれよ」
「手を出さなかったね。えらいえらい」
「うん。アタイまってた〜」
僕は、巨大樹に挑む用の保存食と、今少し食べておく分を購入した。ニャルラはほくほくだ。
「ねえねえ、丸々獣は? 丸々獣のおにく、ある?」
「丸々獣なら、こっちの干し肉だな。そっちのはボア(猪)のやつだ」
店主は、ニャルラが盗みを働くような猫ではないとわかったためか、猫がしゃべることはそれほど気にせずに答えてくれている。
こんな場所に出店を構えているのだから、もしかしたら、ニャルラと同じ種族「魔猫」に会ったことがあるのかもしれない。
だいたい準備は整ったかな。
それじゃあいよいよ、巨大樹に挑もうか。
巨大樹を登るには、まずはふもとの坂道を上りながら進む。
そして最初の高台に設置された手動の昇降機で、一番下の枝まで運んでもらう。
そこからは、交差する太い枝や、幹を巻くように延びる道を使いながら上へと登っていくのだ。
昇降機は、太いロープと滑車で支えられた大きな箱に乗り込み、力強くハンドルを回して昇降する仕組みになっていた。
かつてこの巨大樹に挑んだ者たちが作り上げた大がかりな装置ということだ。
ところが昇降機の前で、僕たちの足は止められてしまった。
僕に巨大樹のことを教えてくれたおじさんと、連れのもう一人の男が、僕たちの行く手を阻んだからだ。
「まさか本気で子どもひとりで巨大樹に挑む気か。それは止めないわけにはいかないな」
「ひとりじゃないよ」
「かわいらしいお供のことを言ってるんならなおさらだ。俺たち大人は、みすみす死にに行くとわかっている場所に子どもを送り出すことはできないのさ」
まいったな。このおじさん、ホントにいい人だった。
こういう時には、少しだけ実力を見せるしかない。
あんまりやりたくはないけど。
「フォルネ、ニャルラ、いい?」
フォルネは僕の肩から滑るように降り、瞬時に距離を詰めると、おじさんの肩に飛び乗り、鋭い爪を首元にそっと突きつけた。
「お。うお!?」
ニャルラももう一人の男に対し、同様の動きを見せる。
「もういいよ」
冷や汗を浮かべるおじさんたちの元を離れ、フォルネとニャルラは僕のところに戻る。
「驚かせちゃってごめんなさい。危害を加えるつもりでやったんじゃないです」
「お、おう……」
「この子はフォルネ。妖狐というあやかしです。見てのとおり、素早くて強い。妖狐は尻尾が多いほど強くなるっていうから、3本尻尾のフォルネはけっこう強いんじゃないかな」
フォルネが僕の説明に合わせて、愛嬌たっぷりに3本の銀毛の尻尾を振っている。
「人の姿にもなれるけど、なぜか僕の前じゃ、なりたがらないんですよね」
フォルネはそっぽを向いた。
今度はニャルラが僕の前に進み出る。艶やかな星空色の子猫。
「アタイは魔猫のニャルラ。アタイのほうがフォルネより強いの〜」
「魔猫はもっと大きく成長するみたいだけど、この子はまだ子どもだから」
「いいの。たいがだってこども〜」
「はは。そうだね」
あんまり手の内を見せすぎるのはよくないけど、こういう時には必要だ。
僕たちのやりとりを見て、おじさんは言った。
「参ったな。これでも冒険者としてはそこそこと思ってるんだが。不意打ちとはいえ完全にやられた。あんたらの強さは十分わかったよ。子どもだけで旅できるわけもな。ま、心配がなくなるわけじゃないが、他の連中がなんか言ってきたら、口添えしてやるよ」
「やった。ありがとう、おじさん」
「ロイってんだ。よろしくな」
こうして僕たちは、いよいよ巨大樹に挑むことになった。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨10
さあ、ここからが冒険本番だ。
ランダムダンジョンのルールにのっとり、サイコロを振ってイベントを決めていく冒険が始まる。
本リプレイでは、サイコロを振ってイベントが決まったら、イベント番号と簡単な内容を示し、話を進めていくことにする。
●アタック01-2 タイガと猿の軍団
【61 骨鳴り蛇】
昇降機の箱から足を踏み出すと、そこは最初の巨枝だ。いや、枝というより完全な道になっている。
多くの冒険者が行き交ったため、木の皮がめくれ、そこだけ本当の道のように見える。
道の脇には雑草が茂っており、ここが木の上だなんて思えない。
上の方をあおぎ見ると、枝の道だけでなく、幹にも階段や広場があり、木の中の空洞に入れるようになっているところも見える。
そして今の高さで、すでにほかの木々よりもはるかに高い。
遠くに見える都市がきっと、カラメールの町に違いない。
「ふわあ〜すごい〜こんなとこくるのはじめて〜」
ニャルラは瞳を輝かせ、きょどきょどとあたりを見回し、次にくるくると軽快に駆け回り始めた。
「あんまり端に行ったら落っこちるから気をつけて」
フォルネでなくても注意せずにはいられない。ここには手すりも安全柵もないのだから。
十分な幅があるとわかっていても、正直、心もとない気分になる。
ニャルラが道脇の雑草に近づいたとき、「カラカラカラ!」と耳障りな乾いた音が鋭く響き渡った。
瞬間的にとびすさり、毛を逆立てて威嚇の構えを取るニャルラ。
草むらにガサっ飛び込むと、なにやらうねうね動く長い生き物をくわえて出てきた。
それは蛇だった。尻尾のところの骨がむき出しになっている。
骨鳴り蛇は毒蛇だ。尻尾の先の骨を鳴らして威嚇することで知られる。
さっきのカラカラ音は、ニャルラが不用意に縄張りに踏み込んだための、蛇の威嚇音だったに違いない。
【骨鳴り蛇 レベル4 生命点2】
蛇はニャルラの先制攻撃を受けてぶらぶらと揺られており、すでに巻きついて反撃しようという気配すら失っていた。
「離しておあげ」
僕が言うと、ニャルラは蛇をぽーんと放り投げる。
のたうつように地面に着地した蛇は、そのまま茂みに消えていった。
それを見送ったニャルラは、なにを思ったか、もう一度茂みに飛び込んだ。
そして次に、違うものを口にくわえて出てきた。僕の前にそれを置く。
「きらきら、はっけ〜ん」
それは1枚の金貨だった。
[プレイログ]
骨鳴り蛇と戦闘
ニャルラの攻撃 サイコロ6<クリティカル!>
骨鳴り蛇へ1点のダメージ(骨鳴り蛇生命点2→1)
骨鳴り蛇は逃走した
宝物判定 サイコロ3 金貨1枚入手
【43 投猿機】
それからしばらくは、ひたすら木登りの時間になった。
木登りと言ってもよじ登るようなところはない。ただただうねった枝と幹の道を歩いていく。
基本は上り道だけど、たまに下っている枝もあって、「せっかく上ったのに、またやりなおし」って気分にさせられた。
あと、この木登り、とにかくどこでも下がよく見える。
地面がしっかりしているとわかっていても、下を見続けていると目がクラクラしてくる。
高いところが苦手な人は来るのぜったい無理だと思う。
「タイガさま、あぶなっ」
フォルネが僕の服のすそを力まかせにぐいっと引っ張り、僕は体ごと大きくのけぞった。
その僕の目の前を、何かがすさまじい勢いで、びゅんっとかすめ飛んでいく。
その先を目で追うと、小猿が向こうの幹に、びたんっとへばりついた瞬間だった。
猿が、猿が飛んできた?!
次に飛んできた方角を見ると、たくさんの猿たちがわらわらと群れている。
その中に木製の得体の知れない装置が見えた。投石機のような……?
その棒状の『腕』の部分に、小猿がしがみついている。
そして大きな猿が、棒の反対側に勢いよく乗っかると、その反動で小猿が「発射」された!
ひゅん、っと飛んでくる小猿。今回は狙いが少しそれたから何もなかったけれど、猿に出していい速度じゃない。
「いけない。ここは猿たちの縄張りだ」
「でもでもたいがっ。変なキカイ向こうの枝だから、アタイたちいけない〜」
そうなのだ。猿たちも、あの猿を飛ばす装置も、向こうの枝だ。
こちらから接近する手段がない。急いで走り抜けるしかないかな。
「飛び道具には飛び道具……。仕方ないですね」
フォルネが四肢でしっかりと枝の地面を踏みしめ、枝向こうの装置を鋭くにらみすえる。
「タイガさま、あっち向いてて。決して私を見ないで」
「いつ猿飛んでくるかわかんないから、無茶言わないで」
「……仕方ないですね」
フォルネはその姿を変えてゆく。
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2026年1月13日火曜日
ゲームブックにおける死と物語 第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓 FT新聞 No.4738
みなさん、こんにちは。編集部員のくろやなぎです。本日は、連作記事『ゲームブックにおける死と物語』の第3回をお届けします。
第1回(2025/11/18、No.4682)では、主人公が「輪廻」の中で死を繰り返すゲームブック『護国記』(著:波刀風賢治、2018年、幻想迷宮書店刊)をご紹介し、第2回(2025/12/16、No.4711)では、「時の魔法」の使い手を主人公とするゲームブック『狂える魔女のゴルジュ』(著:杉本=ヨハネ、2023年、FT書房刊)について、『護国記』と対比させる形でご紹介しました。
今回は、予知能力者を主人公とするゲームブック『フィンガーセイバーの冒険』(著:杉本=ヨハネ、2015/2022年、詳細は後述)のご紹介を通じて、ゲームブックにおける死と物語について考えていきたいと思います。
『フィンガーセイバーの冒険』は、全部で25パラグラフの短編作品で、当初は『フィンガーセイバーの憂うつ』というタイトルでFT新聞に掲載されました(2015/02/01、No.752)。そして『恋は盲目〜ゲームブック短編集5〜』(2015年、Kindle電子書籍、FT書房刊)に収録された後、さらに改題および一部改稿された形で『ゲームブック短編集 ハンテッド・ガーデンハート』(2022年、FT書房刊)に収録されています。
冒険記録紙やサイコロなどは使用せず、およそ15分〜30分ほどでエンディングに辿り着けますので、未読の方は、ぜひいちどお気軽に(よろしければ、記事本体を読まれる前に)プレイしてみていただければと思います。
以下は、各バージョンを収録した書籍へのリンクです。Kindleで読みたい方は1か2、紙の本で読みたい方は3をどうぞ!
1.『FT新聞 2015年版』(Amazonの商品ページへ)https://www.amazon.co.jp/dp/B0B87J4NPV
2.『恋は盲目〜ゲームブック短編集5〜』(Amazonの商品ページへ)https://www.amazon.co.jp/dp/B00TEWCTA4
3.『ゲームブック短編集 ハンテッド・ガーデンハート』(FT書房公式HPの作品紹介ページへ)https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/huntedgardenheart
なお、記事の中では、『フィンガーセイバーの冒険』のほか、『狂える魔女のゴルジュ』の内容についても言及していますので、未読の方はご注意ください。
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ゲームブックにおける死と物語
第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓
(くろやなぎ)
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■『フィンガーセイバーの冒険』における「君」の予知能力
『フィンガーセイバーの冒険』(以下、『FSの冒険』と略記します)は、『狂える魔女のゴルジュ』(以下、『ゴルジュ』と略記します)と同じく、FT書房の共通世界アランツァを舞台とするゲームブックです。
主人公である「君」は、サン・サレンの名門「ココフ家」の一族で、成人となる15歳を迎えたばかりの青年です。
君は、基本的には「人並みの腕力と人並みの知能を持った、ごくふつうの人間」なのですが、ココフ家にときどき出現する「予言者」のひとりとして、「未来予知」という特別な能力を持っています。
この予知能力がどのようなものかについて、物語の導入となるパラグラフ1には、以下のような描写があります。
「居間の扉を開こうと思った瞬間、部屋のなかに兄と召使いがいること、そのポーズやしゃべっている内容まで、先に読み取ったのだ。」
つまり、君の予知能力は、君が未来に知覚するはずの光景や音を、今ここであらかじめ鮮明に読み取る、という形で発動するようです。
これは、ゲーム的には、これから飛ぼうとする先のパラグラフを「先読み」できるという形でルール化されています。「先読み」した結果は、あくまで予知されたビジョンにすぎないため、その未来を現実として確定させるかどうか(つまり、そのパラグラフへ「実際に」進むかどうか)は、君である読者の意思で自由に決めることができるのです。
ただし、君が先読みできるパラグラフは、「いまいる」パラグラフ1つにつき1つだけです。2つの選択肢があれば、先読みできるのは片方だけで、もう一方の選択肢に進む場合は、先読みなしでその未来を選ばなければなりません。また、先読みしているパラグラフから、さらに先のパラグラフを先読みすることはできないので、2つ先のパラグラフの様子を知りたい場合は、必ずその手前のパラグラフを「現実」として確定させる必要があります。
『FSの冒険』の「予知能力」は、いわゆる「指セーブ」を使いながらパラグラフを行き来するという点で、『ゴルジュ』における「遡行」系の魔法とよく似ていますが、『ゴルジュ』における「悪夢」のような何かを消費する必要はなく、パラグラフを進むたびに毎回使用することも可能です。その一方で、行き来できる範囲は狭く限定されており、『ゴルジュ』の遡行の魔法のようにいくつものパラグラフを同時に先読みしたり、枝分かれするパラグラフ構造の中を何度も行き来するようなことはできません。
『FSの冒険』の予知能力は、確かにとても特別な能力ではあるのですが、『ゴルジュ』の遡行の魔法と比べてみると、多少なりとも「日常」感があるというか、比較的カジュアルな能力だと言ってもよいかもしれません。
■物語としての『フィンガーセイバーの冒険』のテーマ
つぎに、『FSの冒険』の物語の概要について見ていきましょう。
ココフ家には、これまで「数世代に1人の割合」で予言者、すなわち予知能力をもつ者が出現していました。その予知能力は、どうやら特段の前触れなく、成人する頃に突然発現するもののようです。
物語の最初に予言者となったのは、君ではなく、君の兄でした。兄が予言者として成功を収める様子を見て、君は「成人したら家を出よう」と決めます。「兄と比べられながらこの家に残るのは、苦痛でしかない」と考えた君は、「世界を旅して、財宝を求める冒険稼業をやろう」と思ったのでした。
結局、成人を迎えた君にも予知能力が発現するのですが、ココフ家には「2人以上の予言者は不幸を招く」という言い伝えがあったので、君は能力のことを家族に秘密にしたまま、故郷を離れて旅に出ます(そうしなかった場合、君は家族に殺されてしまいます!)。
貿易の街ビストフに辿り着いた君には、大きく分けて3通りの選択肢が提示されます。海で冒険するか、陸で冒険するか、それとも賭博で一儲けするか。
ここで海での冒険や賭博を選ぶと、君はまもなく死んでしまいます。これらの死の選択肢を回避して、陸での冒険を選んだ場合のみ、君は相棒となるサウルとともに、本作品の後半部分となる地下迷宮での冒険パートに入ることができます。
迷宮の中にも、死に至る選択肢が多く待ち受けていますが、予知能力をうまく使えば、君は唯一となる生還エンディングを迎えることができます。そこで財宝を手にした相棒サウルは、「冒険者の宿」をつくるという夢、「冒険者を支援して、交流の場をつくる」というビジョンを語り、君はそれを陰で支えようと決めます。
『FSの冒険』の短い物語はそこで終わりとなりますが、その夢が実現するかどうかは、FT書房作品の読者の方なら、よく知っているかもしれません。
さて、この物語のテーマのひとつは「能力の使いみち」、あるいは「目的の定めかた」だと言えるでしょう。
物語の最初の段階で、君には「冒険者になりたい」という漠然とした希望はありますが、その先に具体的なビジョンはありません。旅先のビストフの酒場では、君は船乗りの話に心を躍らせつつ、鉱山のそばの秘密の洞窟にも興味を示し、サイコロ賭博に手を出すことも考えます。
君は予知能力で死を回避することもできますが、先ほど述べたとおり、予知能力の及ぶ範囲には限界があって、万能ではありません。物語の簡素な描写の中に垣間見える君の心は、予知能力があっても決して確かなものではなく、いくつもの選択肢の前で若者らしく揺れ動く、行先の定まらない不安定なもののように読み取れます。
物語の最後の場面で、夢を語る相棒サウルの言葉を聞きながら、君は以下のような心境に至ります。
「先のことがわかるこの能力は、簡単に堕落へとつながってしまう。それを防ぐには、目的が必要だ。やりがいがあって、他者と心を通わせられる喜びのある目的。結果が分かっていたとしても、実現すれば心がおどるような、そんな目的が。」
おそらく冒険の過程で、短いゲームブックの中では描写しきれないところでも、君は予知能力を使いながら色々なことを学び、そこで得た教訓がサウルの夢とうまく結びついたのでしょう(地下迷宮での君の様子を見る限り、君には冒険者としての適性はあまりないようにも思われます)。これは一種のジュブナイル的な成長譚でもあり、特別な能力を突然与えられた青年が、自らの能力と折り合いをつけ、その目的や使いみちを見つけるまでの物語でもあるのです。
このような『FSの冒険』の物語の構造は、ゲームとしては似たようなギミックをもつ『ゴルジュ』の物語とは、むしろ鮮やかな対照をなしていると言えるかもしれません。
『ゴルジュ』の主人公である少女ミナは、姉たちを取り戻すという、この上なく明確な目的意識をもって冒険者となり、禁忌となる「時の魔法」の力を得ます。そして、『ゴルジュ』におけるミナの物語は、もし志半ばで失敗することがなければ、実際に姉たちを救い、当初の目的を貫徹する形で終わります。
『ゴルジュ』の「あとがき」に書かれているように、ミナは自分の心の弱さをよく知っているからこそ、目的のために「ブレることがない」主人公です。ミナの弱さや動揺は、物語が始まる前の「背景」の中に封じ込められており、「時の魔法」とともに物語を進めるミナは、常に当初の目的だけを見据え続けます。たとえ「時の魔法」の不適切な使用が冒険の失敗を招くときでも、ミナが後悔するのはその技術的な「使いかた」(使う魔法の種類やタイミング)であって、それを何のために使うのか、という意味での「使いかた」に思い悩むことはないでしょう。
『ゴルジュ』の長い物語の終わりが、目的を完遂したという安堵や達成感をもたらすのに対して、『FSの冒険』の短い物語の終わりは、新たな目的を発見したことの驚きや高揚感をもたらすもののように思います。
ゲームとしての側面から見ると、『FSの冒険』の「予知能力」は、「指セーブ」というメタ的行為のルール化という意欲的な試みであり、『ゴルジュ』の「時の魔法」のプロトタイプとして位置づけられるかもしれません。その一方で、物語としての『FSの冒険』は、『ゴルジュ』の物語とはまた異なる指向性をもつ、簡素ながら独特の魅力を備えたものだと言えるでしょう。
■「君」の死と教訓のゆくえ
ここで、『FSの冒険』の最後の場面(生きて迎えることができる、唯一のエンディング)における「君」の言葉を、もういちど見てみましょう。
「先のことがわかるこの能力は、簡単に堕落へとつながってしまう。それを防ぐには、目的が必要だ。やりがいがあって、他者と心を通わせられる喜びのある目的。結果が分かっていたとしても、実現すれば心がおどるような、そんな目的が。」
『FSの冒険』の物語の中で、この言葉と最もわかりやすく関係しているのは、「君」がビストフの酒場で賭博に手を出したときの結末でしょう。
賭博に手を出した君は、予知能力のおかげで大金を稼ぎますが、すぐに「スリルのないギャンブル」に飽きてしまいます。また、君は予知のおかげで先を見通せるため、周囲の人間が愚かに見えてしまい、友人ができることもありません。結局君は、麻薬に溺れて身体を壊し、孤独な中で短い一生を終えることになります。
もし君が、この「堕落と孤独の中での死」という場面を「予知」した上で、別の選択肢を選び直して生還することができたなら。
きっと、「やりがいがあって、他者と心を通わせられる」目的や、「結果が分かっていたとしても、実現すれば心がおどるような」目的をもつことの大切さに、自然と思い至るのではないでしょうか。
ところが、ゲームのルールの中では、「君」が上記のような教訓を得てエンディングに辿り着くことはできません。
君が賭博をするときの選択肢は、
「ギャンブルに手を出す」ことを選ぶ
→「1人で賭博をする」か「2人でする」かを選ぶ
→「1人で賭博をする」を選んだ場合は孤独に死ぬ(前述のパターン)、「2人でする」を選んだ場合は相棒に刺されて死ぬ
という構造になっているのですが、最初に述べたとおり、予知能力で「先読み」できるのは1つ先のパラグラフまで。
つまり、「ギャンブルに手を出す」選択肢から「先読み」できるのは、「1人で賭博をする」か「2人でする」かという選択肢のあるパラグラフまででしかなく、さらにその先の未来を知るためには、「ギャンブルに手を出す」選択肢を、現実として確定させてしまう必要があるのです。
そこからの君の未来は、孤独に死ぬか、相棒に刺されて死ぬか、という二者択一のいずれかであり、片方の死を「先読み」して回避したとしても、残されたもう片方の死が、必ず君を待っています。
『FSの冒険』において、物語の中の主人公としての「君」は、いくつもの死の場面を、予知能力によって回避することができます。
しかし、「君」にとって最も大切な教訓となるはずの、「堕落と孤独の中での死」という光景は、それを見てしまえば生きて帰ることができない、死の袋小路の奥に隠されているのです。
では、エンディングにおける「君」の思いは、一体どこからやってきたものなのでしょうか。
この作品のタイトルは『フィンガーセイバーの冒険』ですが、肝心の「フィンガーセイバー」という言葉が、物語の中に登場することは一度もありません。
ここでいうフィンガーセイバーとは、「指セーブをする者」を指すとみられる造語であり、それは物語の中で「予知能力」を使う「君」というよりは、むしろ、物語の外で「指セーブ」を行う「あなた」に向けられた呼称のように思われます。
この短い物語の核となる、絶望的な死の教訓と、希望に満ちた結末は、物語の中の「君」の「予知能力」だけでは、つなぎ合わせることはできません。
『フィンガーセイバーの冒険』は、その物語を完成させるために、主人公である「君」の死(予知ではなく、現実としての死)を見届けた上でなお、物語を辿り直すことができる者を必要としています。それがすなわち、物語の外の「フィンガーセイバー」たる「あなた」であり、その意味において、この物語はまさに「フィンガーセイバーの冒険」として作られているのです。
■おわりに
どこまで一般化できるかは心もとないですが、それぞれのゲームブック作品の個性を形作る中核的な構成要素の中には、「ゲームとしてのルール」「物語とそのテーマ」「パラグラフの構造」の3点が含まれると考えています(もちろん、これらの3点「だけ」ではありません)。
『フィンガーセイバーの冒険』において、ひときわ目を引くのは「予知能力」というルールですが、それが「能力の使いみち」というテーマと結びつき、さらに「ルール上は主人公が生還できない、それでも物語にとっては重要な意味をもつ死のパラグラフ」が存在することで、このわずか25パラグラフの小品は、ゲームとしても物語としても、どこか忘れがたい印象を残すものとなっているように思います。
FT新聞での掲載時には、「筆記用具もサイコロも不要の本作品は、ミニゲームブックの鑑のようなつくりをしています」という言葉が添えられていましたが、手軽さだけでなく、簡素な中に込められた奥行きの深さにおいても、この作品はミニゲームブックのひとつの鑑だと言えるかもしれません。
【書誌情報】
杉本=ヨハネ『フィンガーセイバーの冒険』(杉本=ヨハネ『ゲームブック短編集 ハンテッド・ガーデンハート』所収、FT書房刊、2022年)
杉本=ヨハネ『フィンガーセイバーの憂うつ』(FT新聞掲載、2015/02/01、および杉本=ヨハネほか『恋は盲目〜ゲームブック短編集5〜』、FT書房刊、2015年所収)
杉本=ヨハネ『狂える魔女のゴルジュ』(FT書房刊、2023年)
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今回は、予知能力者を主人公とするゲームブック『フィンガーセイバーの冒険』(著:杉本=ヨハネ、2015/2022年、詳細は後述)のご紹介を通じて、ゲームブックにおける死と物語について考えていきたいと思います。
『フィンガーセイバーの冒険』は、全部で25パラグラフの短編作品で、当初は『フィンガーセイバーの憂うつ』というタイトルでFT新聞に掲載されました(2015/02/01、No.752)。そして『恋は盲目〜ゲームブック短編集5〜』(2015年、Kindle電子書籍、FT書房刊)に収録された後、さらに改題および一部改稿された形で『ゲームブック短編集 ハンテッド・ガーデンハート』(2022年、FT書房刊)に収録されています。
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ゲームブックにおける死と物語
第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓
(くろやなぎ)
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■『フィンガーセイバーの冒険』における「君」の予知能力
『フィンガーセイバーの冒険』(以下、『FSの冒険』と略記します)は、『狂える魔女のゴルジュ』(以下、『ゴルジュ』と略記します)と同じく、FT書房の共通世界アランツァを舞台とするゲームブックです。
主人公である「君」は、サン・サレンの名門「ココフ家」の一族で、成人となる15歳を迎えたばかりの青年です。
君は、基本的には「人並みの腕力と人並みの知能を持った、ごくふつうの人間」なのですが、ココフ家にときどき出現する「予言者」のひとりとして、「未来予知」という特別な能力を持っています。
この予知能力がどのようなものかについて、物語の導入となるパラグラフ1には、以下のような描写があります。
「居間の扉を開こうと思った瞬間、部屋のなかに兄と召使いがいること、そのポーズやしゃべっている内容まで、先に読み取ったのだ。」
つまり、君の予知能力は、君が未来に知覚するはずの光景や音を、今ここであらかじめ鮮明に読み取る、という形で発動するようです。
これは、ゲーム的には、これから飛ぼうとする先のパラグラフを「先読み」できるという形でルール化されています。「先読み」した結果は、あくまで予知されたビジョンにすぎないため、その未来を現実として確定させるかどうか(つまり、そのパラグラフへ「実際に」進むかどうか)は、君である読者の意思で自由に決めることができるのです。
ただし、君が先読みできるパラグラフは、「いまいる」パラグラフ1つにつき1つだけです。2つの選択肢があれば、先読みできるのは片方だけで、もう一方の選択肢に進む場合は、先読みなしでその未来を選ばなければなりません。また、先読みしているパラグラフから、さらに先のパラグラフを先読みすることはできないので、2つ先のパラグラフの様子を知りたい場合は、必ずその手前のパラグラフを「現実」として確定させる必要があります。
『FSの冒険』の「予知能力」は、いわゆる「指セーブ」を使いながらパラグラフを行き来するという点で、『ゴルジュ』における「遡行」系の魔法とよく似ていますが、『ゴルジュ』における「悪夢」のような何かを消費する必要はなく、パラグラフを進むたびに毎回使用することも可能です。その一方で、行き来できる範囲は狭く限定されており、『ゴルジュ』の遡行の魔法のようにいくつものパラグラフを同時に先読みしたり、枝分かれするパラグラフ構造の中を何度も行き来するようなことはできません。
『FSの冒険』の予知能力は、確かにとても特別な能力ではあるのですが、『ゴルジュ』の遡行の魔法と比べてみると、多少なりとも「日常」感があるというか、比較的カジュアルな能力だと言ってもよいかもしれません。
■物語としての『フィンガーセイバーの冒険』のテーマ
つぎに、『FSの冒険』の物語の概要について見ていきましょう。
ココフ家には、これまで「数世代に1人の割合」で予言者、すなわち予知能力をもつ者が出現していました。その予知能力は、どうやら特段の前触れなく、成人する頃に突然発現するもののようです。
物語の最初に予言者となったのは、君ではなく、君の兄でした。兄が予言者として成功を収める様子を見て、君は「成人したら家を出よう」と決めます。「兄と比べられながらこの家に残るのは、苦痛でしかない」と考えた君は、「世界を旅して、財宝を求める冒険稼業をやろう」と思ったのでした。
結局、成人を迎えた君にも予知能力が発現するのですが、ココフ家には「2人以上の予言者は不幸を招く」という言い伝えがあったので、君は能力のことを家族に秘密にしたまま、故郷を離れて旅に出ます(そうしなかった場合、君は家族に殺されてしまいます!)。
貿易の街ビストフに辿り着いた君には、大きく分けて3通りの選択肢が提示されます。海で冒険するか、陸で冒険するか、それとも賭博で一儲けするか。
ここで海での冒険や賭博を選ぶと、君はまもなく死んでしまいます。これらの死の選択肢を回避して、陸での冒険を選んだ場合のみ、君は相棒となるサウルとともに、本作品の後半部分となる地下迷宮での冒険パートに入ることができます。
迷宮の中にも、死に至る選択肢が多く待ち受けていますが、予知能力をうまく使えば、君は唯一となる生還エンディングを迎えることができます。そこで財宝を手にした相棒サウルは、「冒険者の宿」をつくるという夢、「冒険者を支援して、交流の場をつくる」というビジョンを語り、君はそれを陰で支えようと決めます。
『FSの冒険』の短い物語はそこで終わりとなりますが、その夢が実現するかどうかは、FT書房作品の読者の方なら、よく知っているかもしれません。
さて、この物語のテーマのひとつは「能力の使いみち」、あるいは「目的の定めかた」だと言えるでしょう。
物語の最初の段階で、君には「冒険者になりたい」という漠然とした希望はありますが、その先に具体的なビジョンはありません。旅先のビストフの酒場では、君は船乗りの話に心を躍らせつつ、鉱山のそばの秘密の洞窟にも興味を示し、サイコロ賭博に手を出すことも考えます。
君は予知能力で死を回避することもできますが、先ほど述べたとおり、予知能力の及ぶ範囲には限界があって、万能ではありません。物語の簡素な描写の中に垣間見える君の心は、予知能力があっても決して確かなものではなく、いくつもの選択肢の前で若者らしく揺れ動く、行先の定まらない不安定なもののように読み取れます。
物語の最後の場面で、夢を語る相棒サウルの言葉を聞きながら、君は以下のような心境に至ります。
「先のことがわかるこの能力は、簡単に堕落へとつながってしまう。それを防ぐには、目的が必要だ。やりがいがあって、他者と心を通わせられる喜びのある目的。結果が分かっていたとしても、実現すれば心がおどるような、そんな目的が。」
おそらく冒険の過程で、短いゲームブックの中では描写しきれないところでも、君は予知能力を使いながら色々なことを学び、そこで得た教訓がサウルの夢とうまく結びついたのでしょう(地下迷宮での君の様子を見る限り、君には冒険者としての適性はあまりないようにも思われます)。これは一種のジュブナイル的な成長譚でもあり、特別な能力を突然与えられた青年が、自らの能力と折り合いをつけ、その目的や使いみちを見つけるまでの物語でもあるのです。
このような『FSの冒険』の物語の構造は、ゲームとしては似たようなギミックをもつ『ゴルジュ』の物語とは、むしろ鮮やかな対照をなしていると言えるかもしれません。
『ゴルジュ』の主人公である少女ミナは、姉たちを取り戻すという、この上なく明確な目的意識をもって冒険者となり、禁忌となる「時の魔法」の力を得ます。そして、『ゴルジュ』におけるミナの物語は、もし志半ばで失敗することがなければ、実際に姉たちを救い、当初の目的を貫徹する形で終わります。
『ゴルジュ』の「あとがき」に書かれているように、ミナは自分の心の弱さをよく知っているからこそ、目的のために「ブレることがない」主人公です。ミナの弱さや動揺は、物語が始まる前の「背景」の中に封じ込められており、「時の魔法」とともに物語を進めるミナは、常に当初の目的だけを見据え続けます。たとえ「時の魔法」の不適切な使用が冒険の失敗を招くときでも、ミナが後悔するのはその技術的な「使いかた」(使う魔法の種類やタイミング)であって、それを何のために使うのか、という意味での「使いかた」に思い悩むことはないでしょう。
『ゴルジュ』の長い物語の終わりが、目的を完遂したという安堵や達成感をもたらすのに対して、『FSの冒険』の短い物語の終わりは、新たな目的を発見したことの驚きや高揚感をもたらすもののように思います。
ゲームとしての側面から見ると、『FSの冒険』の「予知能力」は、「指セーブ」というメタ的行為のルール化という意欲的な試みであり、『ゴルジュ』の「時の魔法」のプロトタイプとして位置づけられるかもしれません。その一方で、物語としての『FSの冒険』は、『ゴルジュ』の物語とはまた異なる指向性をもつ、簡素ながら独特の魅力を備えたものだと言えるでしょう。
■「君」の死と教訓のゆくえ
ここで、『FSの冒険』の最後の場面(生きて迎えることができる、唯一のエンディング)における「君」の言葉を、もういちど見てみましょう。
「先のことがわかるこの能力は、簡単に堕落へとつながってしまう。それを防ぐには、目的が必要だ。やりがいがあって、他者と心を通わせられる喜びのある目的。結果が分かっていたとしても、実現すれば心がおどるような、そんな目的が。」
『FSの冒険』の物語の中で、この言葉と最もわかりやすく関係しているのは、「君」がビストフの酒場で賭博に手を出したときの結末でしょう。
賭博に手を出した君は、予知能力のおかげで大金を稼ぎますが、すぐに「スリルのないギャンブル」に飽きてしまいます。また、君は予知のおかげで先を見通せるため、周囲の人間が愚かに見えてしまい、友人ができることもありません。結局君は、麻薬に溺れて身体を壊し、孤独な中で短い一生を終えることになります。
もし君が、この「堕落と孤独の中での死」という場面を「予知」した上で、別の選択肢を選び直して生還することができたなら。
きっと、「やりがいがあって、他者と心を通わせられる」目的や、「結果が分かっていたとしても、実現すれば心がおどるような」目的をもつことの大切さに、自然と思い至るのではないでしょうか。
ところが、ゲームのルールの中では、「君」が上記のような教訓を得てエンディングに辿り着くことはできません。
君が賭博をするときの選択肢は、
「ギャンブルに手を出す」ことを選ぶ
→「1人で賭博をする」か「2人でする」かを選ぶ
→「1人で賭博をする」を選んだ場合は孤独に死ぬ(前述のパターン)、「2人でする」を選んだ場合は相棒に刺されて死ぬ
という構造になっているのですが、最初に述べたとおり、予知能力で「先読み」できるのは1つ先のパラグラフまで。
つまり、「ギャンブルに手を出す」選択肢から「先読み」できるのは、「1人で賭博をする」か「2人でする」かという選択肢のあるパラグラフまででしかなく、さらにその先の未来を知るためには、「ギャンブルに手を出す」選択肢を、現実として確定させてしまう必要があるのです。
そこからの君の未来は、孤独に死ぬか、相棒に刺されて死ぬか、という二者択一のいずれかであり、片方の死を「先読み」して回避したとしても、残されたもう片方の死が、必ず君を待っています。
『FSの冒険』において、物語の中の主人公としての「君」は、いくつもの死の場面を、予知能力によって回避することができます。
しかし、「君」にとって最も大切な教訓となるはずの、「堕落と孤独の中での死」という光景は、それを見てしまえば生きて帰ることができない、死の袋小路の奥に隠されているのです。
では、エンディングにおける「君」の思いは、一体どこからやってきたものなのでしょうか。
この作品のタイトルは『フィンガーセイバーの冒険』ですが、肝心の「フィンガーセイバー」という言葉が、物語の中に登場することは一度もありません。
ここでいうフィンガーセイバーとは、「指セーブをする者」を指すとみられる造語であり、それは物語の中で「予知能力」を使う「君」というよりは、むしろ、物語の外で「指セーブ」を行う「あなた」に向けられた呼称のように思われます。
この短い物語の核となる、絶望的な死の教訓と、希望に満ちた結末は、物語の中の「君」の「予知能力」だけでは、つなぎ合わせることはできません。
『フィンガーセイバーの冒険』は、その物語を完成させるために、主人公である「君」の死(予知ではなく、現実としての死)を見届けた上でなお、物語を辿り直すことができる者を必要としています。それがすなわち、物語の外の「フィンガーセイバー」たる「あなた」であり、その意味において、この物語はまさに「フィンガーセイバーの冒険」として作られているのです。
■おわりに
どこまで一般化できるかは心もとないですが、それぞれのゲームブック作品の個性を形作る中核的な構成要素の中には、「ゲームとしてのルール」「物語とそのテーマ」「パラグラフの構造」の3点が含まれると考えています(もちろん、これらの3点「だけ」ではありません)。
『フィンガーセイバーの冒険』において、ひときわ目を引くのは「予知能力」というルールですが、それが「能力の使いみち」というテーマと結びつき、さらに「ルール上は主人公が生還できない、それでも物語にとっては重要な意味をもつ死のパラグラフ」が存在することで、このわずか25パラグラフの小品は、ゲームとしても物語としても、どこか忘れがたい印象を残すものとなっているように思います。
FT新聞での掲載時には、「筆記用具もサイコロも不要の本作品は、ミニゲームブックの鑑のようなつくりをしています」という言葉が添えられていましたが、手軽さだけでなく、簡素な中に込められた奥行きの深さにおいても、この作品はミニゲームブックのひとつの鑑だと言えるかもしれません。
【書誌情報】
杉本=ヨハネ『フィンガーセイバーの冒険』(杉本=ヨハネ『ゲームブック短編集 ハンテッド・ガーデンハート』所収、FT書房刊、2022年)
杉本=ヨハネ『フィンガーセイバーの憂うつ』(FT新聞掲載、2015/02/01、および杉本=ヨハネほか『恋は盲目〜ゲームブック短編集5〜』、FT書房刊、2015年所収)
杉本=ヨハネ『狂える魔女のゴルジュ』(FT書房刊、2023年)
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2026年1月12日月曜日
スティーブ・クロンプトン来日レポート! FT新聞 No.4737
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
2025年11月28日(金)、大阪にスティーブ・クロンプトンが来日しました!
本日はその際のレポートを配信いたします☆
◆スティーブ・クロンプトンとは?
世界で2番目に作られたTRPG「トンネルズ&トロールズ」のオリジナルデザイナー、ケン・セント・アンドレ。
彼が作った「モンスター!モンスター!TRPG」を、私たちFT書房が翻訳、出版しています。
そのケンの相棒として仕事を続けるスティーブ・クロンプトンが、船で世界をまわり、日本にも寄港するというのです。
半年ほど前にその報を受けた私たちは、周到にこの日の準備を進めてきました☆
◆お出迎え。
大阪港で待ち合わせたクロンプトンの第一印象は、「テキサスハットをかぶったイケおじ」でした☆
港のそばにあるハンバーガーショップの壁に寄りかかっているその姿は、今までに見たことのない独特のカッコよさです。
老ガンマンというのがいちばん近い言葉なのですが、老いを感じさせる要素はありません。
遠くから挨拶すると、ニカっと笑ってくれて、アメリカなまりの少ない英語で、早口で気さくに話してくれました。
「初めまして! 会えて嬉しいよ、スティーブ!」
「俺もだよ、今日はよろしくね、あきら!」
あきらというのは、私のファーストネームです。
今日の予定を告げがてら、私はここで、先日の記事で扱った「日本のファンたちが個人作品を出す際のルール」について、持ちかけました。
クロンプトンは即決で「面倒の少ないルール」を受け入れてくれて、ケンと相談すると約束してくれました。
仕事のできる男、という第二印象を抱きました……!
◆観光!
ファンの皆と合流して、大阪にある四天王寺の観光へ。
けいねむさん、さくべたのちちさん、たまねぎ須永さんらをはじめとするファンや、中山くんなどFT書房のメンバーを入れて、総勢10名以上の集団となりました。
本当は京都の伏見稲荷を案内したかったのですが、往復で3時間半ほどかかることがわかり、断念しました。
クロンプトンの滞在時間は、7時間しかなかったのです。
四天王寺はまあ、そんなにすごい観光地ではないです。
大阪にありますし、「観光」「昼食」「交流会」のみっつを、7時間でやらなければならないものですから……ここはダウンサイズしました。
それでも、なかなかいい場所でした……ブッダの生涯が描かれた壁絵などがあって、京都のお寺とはまた異なるおもむきがありました。
ブッダというインド人の生涯を、アメリカ人と日本人が見学する状態へ。
◆お昼ごはん。
観光しながらだんだん仲良くなった私たちは、四天王寺から数分の移動を経て難波へ。
大阪南港から一番近い「大阪」が、ここだと思ったからです☆
お昼ご飯には、私の行きつけのお寿司屋さんを選びました。
学生時代からたまに通っているお店です……1,800円でおいしいお寿司の特盛を出してくれる、観光に染まった軟弱な表通りの飲食店とは違った、ちゃんとしたお店です。
おいしかったです!
◆会場へ。
地下鉄で数駅を移動。
借りておいた、和室のレンタルスペースへと移動しました。
そこで私たちは、自由な交流の時間を迎えます☆
そこでクロンプトンは私たちに、アメリカから持ってきたさまざまな「お土産」を贈ってくれました。
クトゥルフデザインのオリジナルサイコロ、モンスターのカード、骨董品レベルのレアな作品。
日本からも、けいねむさんやFT書房などから、プレゼントを渡すことができました。
吉里川べおさんも合流して、場はさらなる盛り上がりへ。
クロンプトンはケン・セント・アンドレからの、日本のファンへのメッセージを持ってきてくれました(これはまた改めて!)。
クロンプトンにしか訊けない質問をしたり、日本の「モンスター!モンスター!TRPG」や「トンネルズ&トロールズ」の話をしたりできました!
◆お見送り。
イベントはこれで終了だったのですが、私はクロンプトンを港に送ることを決めていました。
すると、大半の方が一緒に見送りに来てくれました☆
少し時間が残っていたので、大阪港そばのフードコートで最後の歓談を。
たまねぎ須永さんがたこ焼きをごちそうしてあげたそうで、生まれて初めて食べたと感動してくれました。
中山くんも抹茶アイスをご馳走したそうです……クロンプトンは日本で食べたもっともおいしいものに「抹茶アイス」を挙げたとのこと。
交流はひとしきり盛り上がって、名残惜しい終わりの時を迎えました。
家に帰ると、「最高の日帰り日本旅になった」と、クロンプトンからメールが届いていました。
「本当に楽しかった。皆にお礼を伝えてくれ」
と、クロンプトンからの伝言です☆
◆思い出深い1日でした!
この最高の1日に、私からも感謝を申し上げます。
集まってくれた人すべてに対して……ありがとうございました!
わざわざ大阪にまで集まってくださったほどのファンの熱意が伝わって、心の通い合う稀有な時間になったことを、感じました。
以上で2025年11月28日(金)の「スティーブ・クロンプトン来日レポート」を終わります。
それではまた!
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世界で2番目に作られたTRPG「トンネルズ&トロールズ」のオリジナルデザイナー、ケン・セント・アンドレ。
彼が作った「モンスター!モンスター!TRPG」を、私たちFT書房が翻訳、出版しています。
そのケンの相棒として仕事を続けるスティーブ・クロンプトンが、船で世界をまわり、日本にも寄港するというのです。
半年ほど前にその報を受けた私たちは、周到にこの日の準備を進めてきました☆
◆お出迎え。
大阪港で待ち合わせたクロンプトンの第一印象は、「テキサスハットをかぶったイケおじ」でした☆
港のそばにあるハンバーガーショップの壁に寄りかかっているその姿は、今までに見たことのない独特のカッコよさです。
老ガンマンというのがいちばん近い言葉なのですが、老いを感じさせる要素はありません。
遠くから挨拶すると、ニカっと笑ってくれて、アメリカなまりの少ない英語で、早口で気さくに話してくれました。
「初めまして! 会えて嬉しいよ、スティーブ!」
「俺もだよ、今日はよろしくね、あきら!」
あきらというのは、私のファーストネームです。
今日の予定を告げがてら、私はここで、先日の記事で扱った「日本のファンたちが個人作品を出す際のルール」について、持ちかけました。
クロンプトンは即決で「面倒の少ないルール」を受け入れてくれて、ケンと相談すると約束してくれました。
仕事のできる男、という第二印象を抱きました……!
◆観光!
ファンの皆と合流して、大阪にある四天王寺の観光へ。
けいねむさん、さくべたのちちさん、たまねぎ須永さんらをはじめとするファンや、中山くんなどFT書房のメンバーを入れて、総勢10名以上の集団となりました。
本当は京都の伏見稲荷を案内したかったのですが、往復で3時間半ほどかかることがわかり、断念しました。
クロンプトンの滞在時間は、7時間しかなかったのです。
四天王寺はまあ、そんなにすごい観光地ではないです。
大阪にありますし、「観光」「昼食」「交流会」のみっつを、7時間でやらなければならないものですから……ここはダウンサイズしました。
それでも、なかなかいい場所でした……ブッダの生涯が描かれた壁絵などがあって、京都のお寺とはまた異なるおもむきがありました。
ブッダというインド人の生涯を、アメリカ人と日本人が見学する状態へ。
◆お昼ごはん。
観光しながらだんだん仲良くなった私たちは、四天王寺から数分の移動を経て難波へ。
大阪南港から一番近い「大阪」が、ここだと思ったからです☆
お昼ご飯には、私の行きつけのお寿司屋さんを選びました。
学生時代からたまに通っているお店です……1,800円でおいしいお寿司の特盛を出してくれる、観光に染まった軟弱な表通りの飲食店とは違った、ちゃんとしたお店です。
おいしかったです!
◆会場へ。
地下鉄で数駅を移動。
借りておいた、和室のレンタルスペースへと移動しました。
そこで私たちは、自由な交流の時間を迎えます☆
そこでクロンプトンは私たちに、アメリカから持ってきたさまざまな「お土産」を贈ってくれました。
クトゥルフデザインのオリジナルサイコロ、モンスターのカード、骨董品レベルのレアな作品。
日本からも、けいねむさんやFT書房などから、プレゼントを渡すことができました。
吉里川べおさんも合流して、場はさらなる盛り上がりへ。
クロンプトンはケン・セント・アンドレからの、日本のファンへのメッセージを持ってきてくれました(これはまた改めて!)。
クロンプトンにしか訊けない質問をしたり、日本の「モンスター!モンスター!TRPG」や「トンネルズ&トロールズ」の話をしたりできました!
◆お見送り。
イベントはこれで終了だったのですが、私はクロンプトンを港に送ることを決めていました。
すると、大半の方が一緒に見送りに来てくれました☆
少し時間が残っていたので、大阪港そばのフードコートで最後の歓談を。
たまねぎ須永さんがたこ焼きをごちそうしてあげたそうで、生まれて初めて食べたと感動してくれました。
中山くんも抹茶アイスをご馳走したそうです……クロンプトンは日本で食べたもっともおいしいものに「抹茶アイス」を挙げたとのこと。
交流はひとしきり盛り上がって、名残惜しい終わりの時を迎えました。
家に帰ると、「最高の日帰り日本旅になった」と、クロンプトンからメールが届いていました。
「本当に楽しかった。皆にお礼を伝えてくれ」
と、クロンプトンからの伝言です☆
◆思い出深い1日でした!
この最高の1日に、私からも感謝を申し上げます。
集まってくれた人すべてに対して……ありがとうございました!
わざわざ大阪にまで集まってくださったほどのファンの熱意が伝わって、心の通い合う稀有な時間になったことを、感じました。
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2026年1月11日日曜日
アランツァクリーチャー事典 Vol.24 FT新聞 No.4736
おはようございます。
FT新聞編集長の水波流です。
本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
杉本=ヨハネから預かりました、アランツァクリーチャー事典の第24回です。
3回に渡ってお送りしてきた『家畜、騎乗生物』ですが、
今回は特別編として、従者としての【騎乗生物】をお送りします。
どの拠点でも購入可能な馬から、金貨135枚の【相棒】グリフォン、そして購入に条件がある騎乗カマキリなどなど……。
どうぞお楽しみ下さいませ。
アランツァクリーチャー事典『従者としての【騎乗生物】』
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/AranciaMonsterEncyclopedia_vol.24.txt
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3回に渡ってお送りしてきた『家畜、騎乗生物』ですが、
今回は特別編として、従者としての【騎乗生物】をお送りします。
どの拠点でも購入可能な馬から、金貨135枚の【相棒】グリフォン、そして購入に条件がある騎乗カマキリなどなど……。
どうぞお楽しみ下さいませ。
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2026年1月10日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第674号 FT新聞 No.4735
From:水波流
新年に『文章表現のための類語類句辞典』を購入したのですが、なんと昨年の今日も、講談社『類語大辞典』を買っていた模様……笑
結論から言うと、執筆時に紙の類語辞典は思考が中断されて、なかなかパッと引けないので、私には向いていないかもしれません。これ以上買うのはやめようと思います……。
From:葉山海月
ふと気づかずに、先週と同じあいさつネタをやりそうになる罠。
一年どころか、一週間も進歩なき日々を過ごしているの丸わかり!
From:中山将平
僕らFT書房は明日1月11日(日)インテックス大阪で開催の「スーパーコミックシティ関西31」にサークル参加します。配置は【う2a】。コミケで刊行した新刊2冊もお持ちします。
同じイベントに、僕は「ギルド黄金の蛙」としてもサークル参加しています。こちらの配置は【い30b】です。カエル人の本を、このイベントにて刊行します。
その1週間後1月18日(日)、同じインテックス大阪で開催の「こみっくトレジャー47」にもFT書房はサークル参加予定です。こちらのブース配置は【4号館 D06a】です。
同じイベントに、僕は「ギルド黄金の蛙」としてもサークル参加しています。こちらの配置は【4号館 D05b】です。
実は、1月18日(日)にはもう一つ「文学フリマ京都10」にもFT書房は参加予定です。ブース配置は【B-34】です。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(天)=天狗ろむ
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(水)=水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1/4(日)~1/9(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026年1月4日(日)火呂居美智 FT新聞 No.4729
『失楽園奇譚』ローグライクハーフd33シナリオ
・2026年最初のシナリオは、昨年配信された『蛇禍の悪魔』『幽霊屋敷の果実酒』の作者である火呂居美智氏によるd33シナリオです!
冒険の舞台は、『蛇禍の悪魔』と同じくポロメイア小国家連合…その東に広がるよじれ森。
森の中で出会った人物の探し人を求め、森を彷徨う内に、墜落した楽園エデンベルの伝説に深く関わっていくことになります。
1回の冒険で終わるd33シナリオですが長丁場になる可能性がありますので、しっかりと準備をしてからの開始をオススメ致します。
彼女(または彼)が最愛の人に出会えるかどうかは、主人公の選択次第です……ぜひ冒険に出て確かめてみて下さい。
(天)
2026年1月5日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4730
☆謹賀新年☆
・あけましておめでとうございます!
1年で最初の月曜記事は、FT書房の今年の抱負や計画です!
実現の見込みが十分にあることから、現状では夢のまた夢といえることまで、杉本氏が大いに語りました。
サプリメント『アランツァワールドガイド』(by杉本=ヨハネ)から、新しい雑誌『ファイティングトロールマガジン(仮)』まで!
もちろん、去年FT新聞で話題をさらったゲームブック解説本『SAGBがよくわかる本』も!?
実現のために、歩みをやめないFT書房!
今年もよろしくお願いいたします!
(葉)
2026年1月6日(火)かなでひびき FT新聞 No.4731
『これはゲームブックなのですか!?』vol.127
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する作品は『俺に撃たせろ!』(火浦 功著 徳間デュアル文庫)
人生にハードボイルドが足りていない……そんな皆さんに! 探偵アルツ・ハマーが小粋で洒落たセリフと暴力の機関銃を浴びせてくれます。
それでいてこの呆れた探偵は、昼食に何を食べたかも自分の美人秘書の名前も覚えちゃいない。そこへ「降って湧いた」難事件!
減らず口は一丁前のアルツ・ハマー、気の利いたことは言えますが、肝心の事件にろくな「解決」を与えてくれません。
それならば、これをひとつのリドル・ストーリーとしてあなた自身で納得の行く答えを見つけてみてはいかがでしょうか?
ライフにハードボイル度を充填する意味でも、未解決の謎の出題としても広く「遊べる」一冊です。
(明)
2026年1月7日(水)ぜろ FT新聞 No.4732
第3回【ハンテッドガーデンハート〜盗賊剣士外伝〜】ゲームブックリプレイ
・プレイヤーとキャラクター双方の視点を織り交ぜながら展開される、ぜろ氏のリプレイ第473回です。
『狂える魔女のゴルジュ』の主人公ミナの姉、ニナ・ガーデンハートが雪原で繰り広げる逃走劇。初回の挑戦では大自然の罠でスタミナが尽き、追っ手のダムリスに捕まってしまいましたが、2回目は順調に先へと進み、途中の丸木小屋では暗殺者に襲われていた青年を助けることに成功しました。
距離を詰められた代わりに、ニナが得たのはひとつの好機。イタチ先生から学んだテクニックも活用し、ダムリスへの反撃が始まります!
(く)
2026年1月8日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4733
『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』の襲来だ!
・もう皆様のお手元には届いているでしょうか?
『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』!
まず、111種類を越えるモンスターのカタログ! しかも基本は1モンスター1ページというぜいたく仕様!
これまで提供されていた簡易ルールでは、選択可能な種族は8種類ですが、この【モンスター編】の導入によって43種類にまで膨れ上がります。
とんでもなく「厚い」本を、ほどばしる「愛」を込めて、岡和田氏自身が熱く語ります!
百聞は一見に如かず!
まずは本記事を! そしてご興味ございましたら是非お手に取ってください!
(葉)
2026年1月9日(金)休刊日 FT新聞 No.4734
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(ジャラル アフサラールさん)
火浦 功さんですか懐かしい。超能力犯罪者が主人公の『高飛びレイク』シリーズ、(当時は珍しい(笑))可愛い女の子のマッドサイエンティストが活躍する『みのりちゃん』シリーズ買いました。ちなみにこの2作はゲームブックにもなっています。もっともシリーズの続きを書かずに放置している作品が多いので佐藤大輔氏(『皇国の守護者』『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』)・田中芳樹氏(『アルスラーン戦記』『タイタニア』)と並んで「日本三大未完放置作家」と呼ぶ方もいます(笑)。田中氏が未完作品を完結され始め、佐藤氏が鬼籍に入られたので火浦氏も仕事して欲しいと思います。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます。
『みのりちゃん』シリーズですかー。こいつぁ新年から興味シンシン( ..)φメモメモ
機会があったら、ぜひ手に取りたい!
実は、火浦先生は『お前が悪い』から入ったにわかです!
ハチャメチャな作風が気に入って、ちょこちょこ読んではいますが、いまだに、火浦先生と岬兄悟先生、吉岡平先生の区別がつきません(笑)
しかし、未完な作品も多いとは伺いましたが、やはり完結まで見たいですね!
(忍者福島さん)
アルツ・ハマーとは直接関係ないのですが、作品内容と名前から、俺がハマーだ!という作品を思い出してしまいました。
なんでもかんでも銃を取り出して打ちまくるという、こち亀をアメリカでドタバタコメディにしたような作品でしたが、面白かったなあ。
何しろオープニングからして「動くなよ、弾が外れるから」って名セリフが飛び出してますので、そこだけでも見てほしいですね(笑)
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
おおっ! 同志よ!
こんなところで『俺がハマーだ!』の話題が出てくるとは!
かなでも本作の大ファンで、全話見ようとビデオ屋に行ったら、1巻しか入っていなかった!
その破天荒さかげんが、『俺に撃たせろ!』からぷんぷん漂ってくる!
読まなくても、かなでのゴーストがささやくどころかおらぶのよっ!
って感じで手が本棚に勝手に伸びた状態ですが、手に入れてよかったです!
いつかは『俺がハマーだ!』全話完走したいです!
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未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。
もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。
このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。
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同じイベントに、僕は「ギルド黄金の蛙」としてもサークル参加しています。こちらの配置は【い30b】です。カエル人の本を、このイベントにて刊行します。
その1週間後1月18日(日)、同じインテックス大阪で開催の「こみっくトレジャー47」にもFT書房はサークル参加予定です。こちらのブース配置は【4号館 D06a】です。
同じイベントに、僕は「ギルド黄金の蛙」としてもサークル参加しています。こちらの配置は【4号館 D05b】です。
実は、1月18日(日)にはもう一つ「文学フリマ京都10」にもFT書房は参加予定です。ブース配置は【B-34】です。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(天)=天狗ろむ
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(水)=水波流
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■1/4(日)~1/9(金)の記事一覧
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2026年1月4日(日)火呂居美智 FT新聞 No.4729
『失楽園奇譚』ローグライクハーフd33シナリオ
・2026年最初のシナリオは、昨年配信された『蛇禍の悪魔』『幽霊屋敷の果実酒』の作者である火呂居美智氏によるd33シナリオです!
冒険の舞台は、『蛇禍の悪魔』と同じくポロメイア小国家連合…その東に広がるよじれ森。
森の中で出会った人物の探し人を求め、森を彷徨う内に、墜落した楽園エデンベルの伝説に深く関わっていくことになります。
1回の冒険で終わるd33シナリオですが長丁場になる可能性がありますので、しっかりと準備をしてからの開始をオススメ致します。
彼女(または彼)が最愛の人に出会えるかどうかは、主人公の選択次第です……ぜひ冒険に出て確かめてみて下さい。
(天)
2026年1月5日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4730
☆謹賀新年☆
・あけましておめでとうございます!
1年で最初の月曜記事は、FT書房の今年の抱負や計画です!
実現の見込みが十分にあることから、現状では夢のまた夢といえることまで、杉本氏が大いに語りました。
サプリメント『アランツァワールドガイド』(by杉本=ヨハネ)から、新しい雑誌『ファイティングトロールマガジン(仮)』まで!
もちろん、去年FT新聞で話題をさらったゲームブック解説本『SAGBがよくわかる本』も!?
実現のために、歩みをやめないFT書房!
今年もよろしくお願いいたします!
(葉)
2026年1月6日(火)かなでひびき FT新聞 No.4731
『これはゲームブックなのですか!?』vol.127
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する作品は『俺に撃たせろ!』(火浦 功著 徳間デュアル文庫)
人生にハードボイルドが足りていない……そんな皆さんに! 探偵アルツ・ハマーが小粋で洒落たセリフと暴力の機関銃を浴びせてくれます。
それでいてこの呆れた探偵は、昼食に何を食べたかも自分の美人秘書の名前も覚えちゃいない。そこへ「降って湧いた」難事件!
減らず口は一丁前のアルツ・ハマー、気の利いたことは言えますが、肝心の事件にろくな「解決」を与えてくれません。
それならば、これをひとつのリドル・ストーリーとしてあなた自身で納得の行く答えを見つけてみてはいかがでしょうか?
ライフにハードボイル度を充填する意味でも、未解決の謎の出題としても広く「遊べる」一冊です。
(明)
2026年1月7日(水)ぜろ FT新聞 No.4732
第3回【ハンテッドガーデンハート〜盗賊剣士外伝〜】ゲームブックリプレイ
・プレイヤーとキャラクター双方の視点を織り交ぜながら展開される、ぜろ氏のリプレイ第473回です。
『狂える魔女のゴルジュ』の主人公ミナの姉、ニナ・ガーデンハートが雪原で繰り広げる逃走劇。初回の挑戦では大自然の罠でスタミナが尽き、追っ手のダムリスに捕まってしまいましたが、2回目は順調に先へと進み、途中の丸木小屋では暗殺者に襲われていた青年を助けることに成功しました。
距離を詰められた代わりに、ニナが得たのはひとつの好機。イタチ先生から学んだテクニックも活用し、ダムリスへの反撃が始まります!
(く)
2026年1月8日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4733
『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』の襲来だ!
・もう皆様のお手元には届いているでしょうか?
『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』!
まず、111種類を越えるモンスターのカタログ! しかも基本は1モンスター1ページというぜいたく仕様!
これまで提供されていた簡易ルールでは、選択可能な種族は8種類ですが、この【モンスター編】の導入によって43種類にまで膨れ上がります。
とんでもなく「厚い」本を、ほどばしる「愛」を込めて、岡和田氏自身が熱く語ります!
百聞は一見に如かず!
まずは本記事を! そしてご興味ございましたら是非お手に取ってください!
(葉)
2026年1月9日(金)休刊日 FT新聞 No.4734
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(ジャラル アフサラールさん)
火浦 功さんですか懐かしい。超能力犯罪者が主人公の『高飛びレイク』シリーズ、(当時は珍しい(笑))可愛い女の子のマッドサイエンティストが活躍する『みのりちゃん』シリーズ買いました。ちなみにこの2作はゲームブックにもなっています。もっともシリーズの続きを書かずに放置している作品が多いので佐藤大輔氏(『皇国の守護者』『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』)・田中芳樹氏(『アルスラーン戦記』『タイタニア』)と並んで「日本三大未完放置作家」と呼ぶ方もいます(笑)。田中氏が未完作品を完結され始め、佐藤氏が鬼籍に入られたので火浦氏も仕事して欲しいと思います。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます。
『みのりちゃん』シリーズですかー。こいつぁ新年から興味シンシン( ..)φメモメモ
機会があったら、ぜひ手に取りたい!
実は、火浦先生は『お前が悪い』から入ったにわかです!
ハチャメチャな作風が気に入って、ちょこちょこ読んではいますが、いまだに、火浦先生と岬兄悟先生、吉岡平先生の区別がつきません(笑)
しかし、未完な作品も多いとは伺いましたが、やはり完結まで見たいですね!
(忍者福島さん)
アルツ・ハマーとは直接関係ないのですが、作品内容と名前から、俺がハマーだ!という作品を思い出してしまいました。
なんでもかんでも銃を取り出して打ちまくるという、こち亀をアメリカでドタバタコメディにしたような作品でしたが、面白かったなあ。
何しろオープニングからして「動くなよ、弾が外れるから」って名セリフが飛び出してますので、そこだけでも見てほしいですね(笑)
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
おおっ! 同志よ!
こんなところで『俺がハマーだ!』の話題が出てくるとは!
かなでも本作の大ファンで、全話見ようとビデオ屋に行ったら、1巻しか入っていなかった!
その破天荒さかげんが、『俺に撃たせろ!』からぷんぷん漂ってくる!
読まなくても、かなでのゴーストがささやくどころかおらぶのよっ!
って感じで手が本棚に勝手に伸びた状態ですが、手に入れてよかったです!
いつかは『俺がハマーだ!』全話完走したいです!
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2026年1月9日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4734
おはようございます。
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2026年1月8日木曜日
ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】の襲来だ! FT新聞 No.4733
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『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』の襲来だ!
岡和田晃
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すでに年末のイベントに参加された方、あるいは電子書籍版をお求めになった方もいらっしゃると思いますが、『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』が、予約された方はそろそろお手元に届いていることと思います。
いやはや、これは大変な仕事でした——現物をご覧になれば一目瞭然ですが、その圧倒的な分量において、です。TRPGがらみのマニュアルや資料集においては、これだけの量は珍しくないにしても、おなじみのモンスターがほとんどおらず、突拍子もないクリーチャーのオンパレードという意味では、表面的な分量以上のボリュームになっていること、請け合いです。
すでに姉妹編の【ワールド編】が刊行されており、両者を揃えると、原書の完訳+ボーナス・トラック2本という豪華仕様になりますが、懐に余裕がない方は、この【モンスター編】からご覧になっても問題ないでしょう。なぜならば、本書は『モンスター!モンスター!TRPG』のサプリメントであるとともに、汎用設定資料集ともなっているからです。
目次では確認できないのでわかりづらくて申し訳ありませんが、ルール記法を読み解くのに必要な最低限の情報は日本語版オリジナルのサマリーとして付属してありますので、単独で理解することも可能です。
原題の「モンスターラリー」はMonsterary(モンステラリー)というのは、著者のケン・セント・アンドレ独自の造語です。いまはSNSにも翻訳ソフトが実装されているため、Monster Rally(モンスターの大競走)と勝手に訳されてしまうのですが、それだけの意味のために宛てているのではありません。求道的なイメージのある「僧院(Monastery)」、GMやデザイナーの特権性へのアイロニーたる「専制君主(Monarchy)」、中世の動物寓意集を意味し、TRPGがらみのモンスター寓意集にも使われる「Bestiary」との掛詞になっていますが、日本語にあたっては発音にあたってRとLが区別されず、また躍動感あふれるイメージを殺したくなかったので、原題の音を遺しながら「モンスターラリー」と表記していますが、もし英語ネイティヴの方と、本書を話題にするのであれば、「モンステラリー」と発音するのが適切でしょう。
さて、気になる中身ですが、まず目を惹くのは、111種類を越えるモンスターのカタログです。111種類となると、他のモンスターマニュアルからすると、そこまで多いとも思えないかもしれませんが、基本は1モンスター1ページ。その生態や戦闘スタイル、さらには『モンスター!モンスター!TRPG』以外で使用する際のコンバート案まで添えられているので、少ないとはまず思わないはずです。
これまで提供されていた簡易ルールでは、選択可能な種族は8種類ですが、【モンスター編】の導入によって43種類にまで膨れ上がります。私もさっそく、9歳になる娘と一緒にキャラクターを作成し、スマラク(バビロニアの女神ラマシュトゥに仕える眷属のミュータント)、ムーン・エルフ(ズィムララならではのエルフ)、ウアジー(コブラ女)の3人のヒロインが出来上がりました。公式設定にも、チャーリーズ・エンジェルズならぬクチュールー・エンジェルズというものがあるので、まさにピッタリですね! この3人と、サキュバスのNPCテン=メアを加えた4人で、『猫の女神の冒険』を試してみた次第です。
——その顛末はまた別の機会に語るとしまして、本書には3タイプのクリーチャーがいます。知性的でないクリーチャー(プレイヤーに不向きなもの)と、知性的なクリーチャー(プレイヤー・キャラクターとして使用可能なもの)、それにデーモン勢です。デーモンにも知性的なものと、そうでないものがあります。もっとも、知性的でないクリーチャーのなかにも、ジャングル・トロールのように簡易ルールでPC用種族に採用されているものもいますし、他にもGM次第でいくらでも応用が効くので、あくまでも指針として理解するのが良さそうです。
その他、本書所収の種族を簡単に紹介すると……。
次元界を股にかけて飛び回るエーテル・ドラゴン。
地獄の統治者たるアーチデーモン。
〈トロールワールド〉の例の魔術師を連想させる謎の魔術師ク=カタブの寵児(ミニオン)たち。
鬼才・たまねぎ須永氏がデザイン、色々な意味で恐るべき海たまねぎに至るまで、情報がてんこ盛りなのです。
ミノタウロスに似たブールザーク、虎人間ことタイゲリアン、デーモンとドワーフのハイブリッドたるドウォンなど、比較的演じやすい(扱いやすい)クリーチャーも揃っています。
そうそう、忘れてならないのが、国境や語圏を超えた合作たるボーナス・シナリオ『ラマシュトゥとの戦い』です。本作はなんと、TRPGならではの外交戦メインの話です。これまで紹介されてきたシナリオやソロアドベンチャーが、比較的シンプルなダンジョン探検メインのものだったので、打って変わって毛色の違うものになりました。
ソロアドベンチャーに落とし込むと、200パラグラフ以下では処理できなさそうな複雑な話ですが、私が真っ先に連想したのは、『ウォーハンマーRPG』第2版のキャンペーン・シナリオ『アルトドルフの尖塔』。あるいは、「FT新聞」で紹介されているものなら『モンセギュール1244』にも通じるでしょう。雰囲気たっぷりの巻頭小説「ファースト・ミーティング(初めての遭遇)」も含め、是非ともご堪能ください。
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『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』の襲来だ!
岡和田晃
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すでに年末のイベントに参加された方、あるいは電子書籍版をお求めになった方もいらっしゃると思いますが、『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』が、予約された方はそろそろお手元に届いていることと思います。
いやはや、これは大変な仕事でした——現物をご覧になれば一目瞭然ですが、その圧倒的な分量において、です。TRPGがらみのマニュアルや資料集においては、これだけの量は珍しくないにしても、おなじみのモンスターがほとんどおらず、突拍子もないクリーチャーのオンパレードという意味では、表面的な分量以上のボリュームになっていること、請け合いです。
すでに姉妹編の【ワールド編】が刊行されており、両者を揃えると、原書の完訳+ボーナス・トラック2本という豪華仕様になりますが、懐に余裕がない方は、この【モンスター編】からご覧になっても問題ないでしょう。なぜならば、本書は『モンスター!モンスター!TRPG』のサプリメントであるとともに、汎用設定資料集ともなっているからです。
目次では確認できないのでわかりづらくて申し訳ありませんが、ルール記法を読み解くのに必要な最低限の情報は日本語版オリジナルのサマリーとして付属してありますので、単独で理解することも可能です。
原題の「モンスターラリー」はMonsterary(モンステラリー)というのは、著者のケン・セント・アンドレ独自の造語です。いまはSNSにも翻訳ソフトが実装されているため、Monster Rally(モンスターの大競走)と勝手に訳されてしまうのですが、それだけの意味のために宛てているのではありません。求道的なイメージのある「僧院(Monastery)」、GMやデザイナーの特権性へのアイロニーたる「専制君主(Monarchy)」、中世の動物寓意集を意味し、TRPGがらみのモンスター寓意集にも使われる「Bestiary」との掛詞になっていますが、日本語にあたっては発音にあたってRとLが区別されず、また躍動感あふれるイメージを殺したくなかったので、原題の音を遺しながら「モンスターラリー」と表記していますが、もし英語ネイティヴの方と、本書を話題にするのであれば、「モンステラリー」と発音するのが適切でしょう。
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——その顛末はまた別の機会に語るとしまして、本書には3タイプのクリーチャーがいます。知性的でないクリーチャー(プレイヤーに不向きなもの)と、知性的なクリーチャー(プレイヤー・キャラクターとして使用可能なもの)、それにデーモン勢です。デーモンにも知性的なものと、そうでないものがあります。もっとも、知性的でないクリーチャーのなかにも、ジャングル・トロールのように簡易ルールでPC用種族に採用されているものもいますし、他にもGM次第でいくらでも応用が効くので、あくまでも指針として理解するのが良さそうです。
その他、本書所収の種族を簡単に紹介すると……。
次元界を股にかけて飛び回るエーテル・ドラゴン。
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〈トロールワールド〉の例の魔術師を連想させる謎の魔術師ク=カタブの寵児(ミニオン)たち。
鬼才・たまねぎ須永氏がデザイン、色々な意味で恐るべき海たまねぎに至るまで、情報がてんこ盛りなのです。
ミノタウロスに似たブールザーク、虎人間ことタイゲリアン、デーモンとドワーフのハイブリッドたるドウォンなど、比較的演じやすい(扱いやすい)クリーチャーも揃っています。
そうそう、忘れてならないのが、国境や語圏を超えた合作たるボーナス・シナリオ『ラマシュトゥとの戦い』です。本作はなんと、TRPGならではの外交戦メインの話です。これまで紹介されてきたシナリオやソロアドベンチャーが、比較的シンプルなダンジョン探検メインのものだったので、打って変わって毛色の違うものになりました。
ソロアドベンチャーに落とし込むと、200パラグラフ以下では処理できなさそうな複雑な話ですが、私が真っ先に連想したのは、『ウォーハンマーRPG』第2版のキャンペーン・シナリオ『アルトドルフの尖塔』。あるいは、「FT新聞」で紹介されているものなら『モンセギュール1244』にも通じるでしょう。雰囲気たっぷりの巻頭小説「ファースト・ミーティング(初めての遭遇)」も含め、是非ともご堪能ください。
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2026年1月7日水曜日
第3回【ハンテッドガーデンハート〜盗賊剣士外伝〜】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4732
第3回【ハンテッドガーデンハート〜盗賊剣士外伝〜】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【ハンテッドガーデンハート〜盗賊剣士外伝〜】の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ニナ・ガーデンハートの雪深い森の中での逃避行。
その一点に絞ったゲームブック。それがこの「ハンテッドガーデンハート」です。
スタミナと敵との距離を測りながら、最終的に逃げ切るのが目的です。
相手は手練れのハンター、ダムリス。痕跡が残りやすい雪の地で、不利な逃走劇が続きます。
そんな中、森の中の小屋で、青年が暗殺者に襲われる場面に遭遇。青年と協力して暗殺者を倒しました。
これが逆転のきっかけになりますか、どうか。
【ニナ スタミナ:5 距離:1】
●アタック02-4 ニナと主人公
私は、覆いかぶさっている暗殺者の遺体をどけると、荒い息を吐いた。
「助かったよ、ありがとう」
青年が、へたりこむ私のそばに来て、座った。
「ヘマをやらかしてね、追われているんだ」
「そうみたいね。見てわかった。実は私も追われているから」
「そうなのか」
少しの体力も惜しいこの時に、この青年を助けるため、余分な体力を使ってしまった。
もう、へとへとだ。この先、長い逃避行を続けられる余力はない。数値的にはスタミナを消耗していないが、気力の問題だ。
距離も1だというのに、この小屋の中で長時間トラブルに巻き込まれて過ごしている。
ダムリスは視認できる位置にいたのだから、この状況をどのように見て、今どのように策をめぐらせているのか、わかったものではない。
警戒心が強いダムリスのことだ。この青年の存在があるから、小屋の中に踏み込んでこないのだろうけれど。
この暗殺者のように、殺してしまうのならむしろ簡単だ。ダムリスの目的は、私を五体満足で連れ帰ること。彼にとっても、高難度のミッションに違いない。
「あなたはひとまず助かって良かったかもしれないけれど、私の方はもうダメね。ここで力を使い切ってしまった」
「どうして、あきらめるんだ? あんたはまだ、捕まっていないじゃないか」
青年は言った。
「俺は、捕まっても諦めなかったら、森の妖精に助けられたぜ」
森の妖精……私のことか。だいぶ無様だったけれど。
「好機は、訪れる。あんたに運が残っていれば」
青年は、さっきまで首を絞められていたとは思えないほど、力強い瞳をしており、私は息を呑んだ。
この青年は、なってくれるだろうか。私の好機に。
「自分からこんなことを言うのは気がひけるけど、借りを返してもらえない? 今度はあなたが、私を助ける番」
「その言葉を待っていた」
青年は言った。
「俺が、あんたにとっての好機だ」
私は思った。この展開を青年視点で描いたら、そっちが主人公みたいだ、と。
そんなメタな思いをよそに、青年は私に弓矢を渡す。
「これは君が使うといい。俺にはこれがある」
青年は、剣を手にしていた。
「名前くらいは名乗っておくわ。私はニナ。ニナ・ガーデンハート」
「俺は……そうだな。アルスでもイルスでもウルスでも、好きに呼ぶといい」
「なにそれ。偽名?」
「いや、別に秘密にするつもりはないんだが、本編が始まらないと正式な名前は決まらないんだ」
なるほど。この前日譚ではなく、本編の主人公候補というわけね。
こうして、私とアルスの反撃が始まった。
●アタック02-5 ダムリスとの決着
警戒しながら小屋を出る。
こういうタイミングがいちばん狙われやすい。
出るのは、私だけだ。アルスと一緒には出ない。
ダムリスを誘い出すのが目的だから、余分な警戒心は抱かせない。
小屋に向かう足跡は私のものだけではない。
やはりダムリスはここまで来ている。
小屋の死角に潜んでいるのかも。
けれど、足跡を追うような真似はしない。あえて無視して歩き始める。
私は歩く速度を速めるが、ダムリスはなかなか動きを見せなかった。
しかし私が十分に距離を取ったと思う頃に、いよいよ私を追いかけ始めた。
たぶん、小屋の中の青年と私とで挟撃されるリスクを警戒していたんだ。
小屋の方の動きが見えなかったため、その可能性は低いと踏んで、追跡を再開したといったところだろう。
私は焦る気持ちを抑えつつ、雪面に足跡を増やしてゆく。
・弓矢を持っていて、正面から戦う
・弓矢はあるが、逃げてダムリスを誘い込む
・弓矢がない
私の動きを見ればわかるとおり、逃げながらダムリスを誘い込む。
今はまだ、ダムリスとの距離はある。
・今のうちに樹上に隠れる
・白い雪原に足跡をつけて逃げる
この選択肢でピンときた。
イタチ先生から学んだテクニックを、今こそ実行に移すときだと。
私は、雪原に足跡をつけて歩く。
少し歩いたところで、同じ足跡を踏んで戻り、元のパラグラフへ。
そして、樹上に隠れるのだ。
私は樹に素早く登った。
・足跡に関する工夫があるなら、進んだ歩数と同じ数を、この項目番号に加えること
これだ!
私は樹のところから、7歩、歩いた。そして、戻った。
そこで不自然に足跡が途切れているから、ダムリスはすぐに異変に気づくだろう。
けれど、それでいい。わずかでも時間が稼げれば。隙が作れれば。
やがて。
きた。ダムリスだ。
ダムリスは、私の足跡に視線を落としながら、余裕のある態度で歩いている。
足跡の観察のため、頭上はお留守だ。この時点でも隙が見える。
けど、まだだ。
やがて足跡が突如途切れたことで、取り乱す様子を見せた。そこが狙い目だ。
私は樹上から矢を放つ。
それはダムリスの肩に刺さった。ダムリスは弓を取り落とす。
そこにアルスが飛び出し、ダムリスのももに剣を突き立てた。
ダムリスは声を上げて倒れ込む。
アルスは、小屋から離れるダムリスを見送った後、足跡がばれないよう、木々の裏側を通ってここまで来て、待ち伏せしていたのだ。
私は地上に降りた。倒れたままのダムリスに声をかける。
「あなたは私を殺すことが目的じゃなかった。だから、私もあなたを殺さない。私のことは、雪崩に巻き込まれて死んだとでもしておくことね」
それ以上、言うことはなかった。
ダムリスの返事を待たずに、歩き出す。
アルスが隣に並んで歩き始めた。
「これから、どうするんだ?」
「住み慣れた街に戻るわ。慣れない稼ぎ方はするもんじゃない。普段と違うことをするとき、猫は死んじゃうのよ」
「猫のことは知らないが……あんたの街、ネグラレーナの盗賊ギルドに世話になりたいんだ。できるかな?」
そういえばアルスは、何かヘマをやらかしたって言っていたっけ。
「いいわ。頭領に話をしておく。『奇妙な猫の瞳亭』に来てちょうだい」
「ありがとう。……あんたから、春みたいな香りがするよ。新緑の樹から漂うような、目の覚める匂い」
「そう? 私は、眠い」
いきなり何を言い出すんだこの男は。汗臭さしかないと思うのだれど。
そんなことより、私は眠い。
追っ手がいなくなり、自由を手にした途端に、これまで緊張感とともにためこんできたものが、あふれ出てしまったようだ。
彼がどこまで同行するかはわからないけれど、ひとまずこの先休憩できるところまで行ったら、交代で見張りしながら休もう。
なんとなくアルスとは、長いつきあいになる気がした。
■登場人物
ニナ・ガーデンハート ガーデンハート姉妹の長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
ダムリス 非合法な組織の追っ手。ニナを狙っている。
ポリアンナ 森でニナが餌付けしたポルルポルル。空腹。
イタチ先生 ニナに雪上の足跡トラップを伝授してくれる。
アルス(仮名) 小屋にいた青年。ヘマして追われてたところをニナが助けた。
■作品情報
作品名:ハンテッドガーデンハート
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/3998135
ゲームブック短編集「ハンテッドガーデンハート」に収録されています
●感想
ニナ・ガーデンハートの短編、クリアしました。
スタミナと距離を計算しながら歩く、緊張の逃走劇でした。
この作品のポイントは、なんといっても足跡の罠をしかけるための、特殊なパラグラフジャンプですね。
足跡をつけて戻ったのを表現するために、その知識があれば、元の番号に戻れるという特殊な処理と、その後に続くパラグラフジャンプが、短編のワンアイディアとして輝いていました。
私が先にプレイした『狂える魔女のゴルジュ』とは基本設定が少々異なっていました。
ニナの妹たちが売られていった設定の大雑把なところは合っていましたが、末の妹ミナへの言及はありませんでした。
また、「ゴルジュ」のストーリーである、奴隷狩りにあってさらわれたという文脈ではなく、借金のカタに女郎屋に売られた、という流れなのは大きな違いですね。
ニナは女郎屋から逃げたことになっているので、追っ手がかかる合理的な理由にもなっていました。
奴隷狩りからミナとともに逃亡した展開だと、この話には直接つながらないように思います。
まあ、設定は後から生えてきたり、時とともにいい感じに熟成されていったりするものなので、辻褄が合おうが合うまいが、どっちも正史ってことでいいと思います。
結末はメタ視点も入れて勝手な解釈を加えましたが、きっとアルス(仮名)が『盗賊剣士』の主人公、なんでしょうね。
そんな風に読めたので、そういうこととして話を進めました。『盗賊剣士』は触っていないので、推測です。
そこでふと思ったのですが、ニナが主人公のこの短編に加え、同じ場面に繋がるアルス(仮名)が主人公の短編があっても面白いなって思いました。
2つの短編が、小屋の場面でクロスオーバーするって展開です。
昨今の異世界転生系の小説などでは、同じ場面を他の登場人物視点で描く、というのをよく見ますので、そんな感じで。
ニナとアルス(仮名)が、それぞれどんなトラブルを抱えつつ、人生が交わる点に到達するのか。そんな見方ができたら、面白いかも。
まあ、全部私の妄想ですので、作ってくださいとか要望するわけではありません。
『狂える魔女のゴルジュ』の、ミナ視点から見るニナは、なんでもできるすごいお姉さんでした。
こうしてニナの物語を体験すると、ニナはニナで、苦悩もすれば成長過程でもある、いたって普通のエルフのお姉さんってことがわかります。
ニナが登場する作品はまだありますので、今後彼女が活躍する場面を見る機会を楽しみにしたいと思います。
短編ながらアイディアあふれる作品、ありがとうございました。
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※ここから先はゲームブック【ハンテッドガーデンハート〜盗賊剣士外伝〜】の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ニナ・ガーデンハートの雪深い森の中での逃避行。
その一点に絞ったゲームブック。それがこの「ハンテッドガーデンハート」です。
スタミナと敵との距離を測りながら、最終的に逃げ切るのが目的です。
相手は手練れのハンター、ダムリス。痕跡が残りやすい雪の地で、不利な逃走劇が続きます。
そんな中、森の中の小屋で、青年が暗殺者に襲われる場面に遭遇。青年と協力して暗殺者を倒しました。
これが逆転のきっかけになりますか、どうか。
【ニナ スタミナ:5 距離:1】
●アタック02-4 ニナと主人公
私は、覆いかぶさっている暗殺者の遺体をどけると、荒い息を吐いた。
「助かったよ、ありがとう」
青年が、へたりこむ私のそばに来て、座った。
「ヘマをやらかしてね、追われているんだ」
「そうみたいね。見てわかった。実は私も追われているから」
「そうなのか」
少しの体力も惜しいこの時に、この青年を助けるため、余分な体力を使ってしまった。
もう、へとへとだ。この先、長い逃避行を続けられる余力はない。数値的にはスタミナを消耗していないが、気力の問題だ。
距離も1だというのに、この小屋の中で長時間トラブルに巻き込まれて過ごしている。
ダムリスは視認できる位置にいたのだから、この状況をどのように見て、今どのように策をめぐらせているのか、わかったものではない。
警戒心が強いダムリスのことだ。この青年の存在があるから、小屋の中に踏み込んでこないのだろうけれど。
この暗殺者のように、殺してしまうのならむしろ簡単だ。ダムリスの目的は、私を五体満足で連れ帰ること。彼にとっても、高難度のミッションに違いない。
「あなたはひとまず助かって良かったかもしれないけれど、私の方はもうダメね。ここで力を使い切ってしまった」
「どうして、あきらめるんだ? あんたはまだ、捕まっていないじゃないか」
青年は言った。
「俺は、捕まっても諦めなかったら、森の妖精に助けられたぜ」
森の妖精……私のことか。だいぶ無様だったけれど。
「好機は、訪れる。あんたに運が残っていれば」
青年は、さっきまで首を絞められていたとは思えないほど、力強い瞳をしており、私は息を呑んだ。
この青年は、なってくれるだろうか。私の好機に。
「自分からこんなことを言うのは気がひけるけど、借りを返してもらえない? 今度はあなたが、私を助ける番」
「その言葉を待っていた」
青年は言った。
「俺が、あんたにとっての好機だ」
私は思った。この展開を青年視点で描いたら、そっちが主人公みたいだ、と。
そんなメタな思いをよそに、青年は私に弓矢を渡す。
「これは君が使うといい。俺にはこれがある」
青年は、剣を手にしていた。
「名前くらいは名乗っておくわ。私はニナ。ニナ・ガーデンハート」
「俺は……そうだな。アルスでもイルスでもウルスでも、好きに呼ぶといい」
「なにそれ。偽名?」
「いや、別に秘密にするつもりはないんだが、本編が始まらないと正式な名前は決まらないんだ」
なるほど。この前日譚ではなく、本編の主人公候補というわけね。
こうして、私とアルスの反撃が始まった。
●アタック02-5 ダムリスとの決着
警戒しながら小屋を出る。
こういうタイミングがいちばん狙われやすい。
出るのは、私だけだ。アルスと一緒には出ない。
ダムリスを誘い出すのが目的だから、余分な警戒心は抱かせない。
小屋に向かう足跡は私のものだけではない。
やはりダムリスはここまで来ている。
小屋の死角に潜んでいるのかも。
けれど、足跡を追うような真似はしない。あえて無視して歩き始める。
私は歩く速度を速めるが、ダムリスはなかなか動きを見せなかった。
しかし私が十分に距離を取ったと思う頃に、いよいよ私を追いかけ始めた。
たぶん、小屋の中の青年と私とで挟撃されるリスクを警戒していたんだ。
小屋の方の動きが見えなかったため、その可能性は低いと踏んで、追跡を再開したといったところだろう。
私は焦る気持ちを抑えつつ、雪面に足跡を増やしてゆく。
・弓矢を持っていて、正面から戦う
・弓矢はあるが、逃げてダムリスを誘い込む
・弓矢がない
私の動きを見ればわかるとおり、逃げながらダムリスを誘い込む。
今はまだ、ダムリスとの距離はある。
・今のうちに樹上に隠れる
・白い雪原に足跡をつけて逃げる
この選択肢でピンときた。
イタチ先生から学んだテクニックを、今こそ実行に移すときだと。
私は、雪原に足跡をつけて歩く。
少し歩いたところで、同じ足跡を踏んで戻り、元のパラグラフへ。
そして、樹上に隠れるのだ。
私は樹に素早く登った。
・足跡に関する工夫があるなら、進んだ歩数と同じ数を、この項目番号に加えること
これだ!
私は樹のところから、7歩、歩いた。そして、戻った。
そこで不自然に足跡が途切れているから、ダムリスはすぐに異変に気づくだろう。
けれど、それでいい。わずかでも時間が稼げれば。隙が作れれば。
やがて。
きた。ダムリスだ。
ダムリスは、私の足跡に視線を落としながら、余裕のある態度で歩いている。
足跡の観察のため、頭上はお留守だ。この時点でも隙が見える。
けど、まだだ。
やがて足跡が突如途切れたことで、取り乱す様子を見せた。そこが狙い目だ。
私は樹上から矢を放つ。
それはダムリスの肩に刺さった。ダムリスは弓を取り落とす。
そこにアルスが飛び出し、ダムリスのももに剣を突き立てた。
ダムリスは声を上げて倒れ込む。
アルスは、小屋から離れるダムリスを見送った後、足跡がばれないよう、木々の裏側を通ってここまで来て、待ち伏せしていたのだ。
私は地上に降りた。倒れたままのダムリスに声をかける。
「あなたは私を殺すことが目的じゃなかった。だから、私もあなたを殺さない。私のことは、雪崩に巻き込まれて死んだとでもしておくことね」
それ以上、言うことはなかった。
ダムリスの返事を待たずに、歩き出す。
アルスが隣に並んで歩き始めた。
「これから、どうするんだ?」
「住み慣れた街に戻るわ。慣れない稼ぎ方はするもんじゃない。普段と違うことをするとき、猫は死んじゃうのよ」
「猫のことは知らないが……あんたの街、ネグラレーナの盗賊ギルドに世話になりたいんだ。できるかな?」
そういえばアルスは、何かヘマをやらかしたって言っていたっけ。
「いいわ。頭領に話をしておく。『奇妙な猫の瞳亭』に来てちょうだい」
「ありがとう。……あんたから、春みたいな香りがするよ。新緑の樹から漂うような、目の覚める匂い」
「そう? 私は、眠い」
いきなり何を言い出すんだこの男は。汗臭さしかないと思うのだれど。
そんなことより、私は眠い。
追っ手がいなくなり、自由を手にした途端に、これまで緊張感とともにためこんできたものが、あふれ出てしまったようだ。
彼がどこまで同行するかはわからないけれど、ひとまずこの先休憩できるところまで行ったら、交代で見張りしながら休もう。
なんとなくアルスとは、長いつきあいになる気がした。
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ニナ・ガーデンハート ガーデンハート姉妹の長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
ダムリス 非合法な組織の追っ手。ニナを狙っている。
ポリアンナ 森でニナが餌付けしたポルルポルル。空腹。
イタチ先生 ニナに雪上の足跡トラップを伝授してくれる。
アルス(仮名) 小屋にいた青年。ヘマして追われてたところをニナが助けた。
■作品情報
作品名:ハンテッドガーデンハート
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●感想
ニナ・ガーデンハートの短編、クリアしました。
スタミナと距離を計算しながら歩く、緊張の逃走劇でした。
この作品のポイントは、なんといっても足跡の罠をしかけるための、特殊なパラグラフジャンプですね。
足跡をつけて戻ったのを表現するために、その知識があれば、元の番号に戻れるという特殊な処理と、その後に続くパラグラフジャンプが、短編のワンアイディアとして輝いていました。
私が先にプレイした『狂える魔女のゴルジュ』とは基本設定が少々異なっていました。
ニナの妹たちが売られていった設定の大雑把なところは合っていましたが、末の妹ミナへの言及はありませんでした。
また、「ゴルジュ」のストーリーである、奴隷狩りにあってさらわれたという文脈ではなく、借金のカタに女郎屋に売られた、という流れなのは大きな違いですね。
ニナは女郎屋から逃げたことになっているので、追っ手がかかる合理的な理由にもなっていました。
奴隷狩りからミナとともに逃亡した展開だと、この話には直接つながらないように思います。
まあ、設定は後から生えてきたり、時とともにいい感じに熟成されていったりするものなので、辻褄が合おうが合うまいが、どっちも正史ってことでいいと思います。
結末はメタ視点も入れて勝手な解釈を加えましたが、きっとアルス(仮名)が『盗賊剣士』の主人公、なんでしょうね。
そんな風に読めたので、そういうこととして話を進めました。『盗賊剣士』は触っていないので、推測です。
そこでふと思ったのですが、ニナが主人公のこの短編に加え、同じ場面に繋がるアルス(仮名)が主人公の短編があっても面白いなって思いました。
2つの短編が、小屋の場面でクロスオーバーするって展開です。
昨今の異世界転生系の小説などでは、同じ場面を他の登場人物視点で描く、というのをよく見ますので、そんな感じで。
ニナとアルス(仮名)が、それぞれどんなトラブルを抱えつつ、人生が交わる点に到達するのか。そんな見方ができたら、面白いかも。
まあ、全部私の妄想ですので、作ってくださいとか要望するわけではありません。
『狂える魔女のゴルジュ』の、ミナ視点から見るニナは、なんでもできるすごいお姉さんでした。
こうしてニナの物語を体験すると、ニナはニナで、苦悩もすれば成長過程でもある、いたって普通のエルフのお姉さんってことがわかります。
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短編ながらアイディアあふれる作品、ありがとうございました。
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2026年1月6日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.127 FT新聞 No.4731
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『これはゲームブックなのですか!?』vol.127
かなでひびき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
朝起きたら、金髪グラマーが立っていた。
「長年美女の依頼人か秘書が欲しいと思ってたんだが、願いが天に通じたか」
「依頼人も美人秘書も、こんなものをあなたに突きつけると思う?」
彼女の手には、黒光りする拳銃が握られていた。
やれやれだ。真冬なのに熱い一日が送れそうだ。
読者の皆さんのライフ、ハードボイル度足りてますぅ?
ユーモアがかまし出す甘味と、ピリリとした緊張感が織り成す「ワイズクラック」
粋なジョークは、読者を異界に誘う扉であり、一種のファンタジーだと、かなで思ってますっ!
で、今回ご紹介するのは、ハードボイルド最大の醍醐味「ワイズクラック」が充分堪能できる作品よ!
その名も『俺に撃たせろ!』(火浦 功著 徳間デュアル文庫)
「俺の名は、アルツ・ハマー。
この都市の正義と平和を、一手に引き受けている男だ。
多分、そのはずだ。」
(本文より)
いきなり冒頭からこのセリフ!
探偵、いや、漢だったら一度は口にしたいセリフ!
快調に飛ばしてます!
『ここに入るもの、全ての希望を捨てよ』
ラテン語でそう書かれている……本人曰く、「依頼人のほとんどがラテン語は読めないので仕事には差し支えない」とのたまう看板をくぐると、そこはわれらが探偵「アルツ・ハマー」の事務所。
だけど、依頼人……というか、彼に関わる全てのものは、この言葉をすぐに思い知らされることになるわ。
なぜならば、この探偵、昼食に何を食べたか覚えていないわ、自分の美人秘書の名前も覚えていないわ、「アルツハイマー」もとい「アルツ・ハマー」の名は伊達ではないの。
そんな彼を待ち受けている事件は、真夏のプールに浮かんだ死体。
しかも、サンタクロースの衣装を着ている老人と来ている!
やっかいなのは、悲鳴もなしに飛び降りた現場に誰も気づかなかったこと。
さらに不思議なのは、死因は飛び降りと見られるのに、飛び降りた建物からプールは20メートル以上離れている。
走り高跳びの選手でも無理そうな「降って湧いた」死体。
御手洗潔先生が見たら、口笛を鳴らして飛びつきそうな、本格ミステリの香りさえ漂うこの事件。
名探偵ハマーは断言するわ。
「こいつは殺しだ! 犯人の目星もついている」
……
………。
ちょっと推理は割愛させていただくわ。
本格好きなら、ひょっとするとここで激怒して、本を壁に叩きつけるかもしれない。
このノリに付いてこれるかどうかが、この本を楽しめる分水嶺!
でも、それを補って余りある乱闘とドンパチ!
愛銃は、コルトの45オート。
愛車は、V8、8リッターの真っ赤なマーキュリー・クーガ。
古き良き時代の「あぶない」探偵の必須アイコンだし、例えばクーガがホイルスピンさせながら飛び出すシーンは「本当にこの頃のハードボイルドがわかってるなぁ」としびれるくらいかっこいい。銃も同様なところに、愛を感じますぅ!
また、出てくる会話も粒ぞろい!
本文から抜粋すると……
「人間、首が折れると、いくつか不都合なことが起こってきて、そのうちの一つが、死ぬってことだ。こいつは、医学上の定説でね。万一、お前さんの知り合いで、首が折れても生きてる奴がいたとしたら、そいつは、よっぽど運がいいのか、それとも、厚かましいかのどっちかだ。」
こんな小粋で洒落たセリフが、全編ぎっしり詰まってる。
そう、こんなコラム読んでる暇あったら本屋に走るか、ポチれ。っていうくらい「読んでいただきたい」!
これだ! 私に足りなかったのは、この手のハードなゆで卵のセリフなんだ! という方はご一読をどうぞ!
また、「ご自分の創作に、ハードボイルドな会話を出したい」と思っている方にも、絶好の教科書!
この本はワイズクラックの宝箱よ!
で、この小説がどうして「ゲームブック」=「遊べる本」として紹介したのか。
この話、気の利いたセリフと暴力が満載されているのはいいけど、肝心な最初の事件の「解決」がついてない。
というか、すっかり忘れ去られている!
一応、回答編も用意されているけど、これがまっとうな推理小説好きなら、そのまま窓から思い切り投げるぐらいふざけている。
というわけで、あなた自身で納得の行く答えを見つけてみたらいかがでしょうか?
そう言った意味でも、本作は優れたリドル・ストーリーだし、「遊べる」本よ。
見逃せば人生後悔することウケアイ!
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『俺に撃たせろ!』
著 火浦 功
出版社:徳間書店 2001/11/30
文庫 505円+税 絶版
Kindle版 770円(税込)
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「長年美女の依頼人か秘書が欲しいと思ってたんだが、願いが天に通じたか」
「依頼人も美人秘書も、こんなものをあなたに突きつけると思う?」
彼女の手には、黒光りする拳銃が握られていた。
やれやれだ。真冬なのに熱い一日が送れそうだ。
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で、今回ご紹介するのは、ハードボイルド最大の醍醐味「ワイズクラック」が充分堪能できる作品よ!
その名も『俺に撃たせろ!』(火浦 功著 徳間デュアル文庫)
「俺の名は、アルツ・ハマー。
この都市の正義と平和を、一手に引き受けている男だ。
多分、そのはずだ。」
(本文より)
いきなり冒頭からこのセリフ!
探偵、いや、漢だったら一度は口にしたいセリフ!
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ラテン語でそう書かれている……本人曰く、「依頼人のほとんどがラテン語は読めないので仕事には差し支えない」とのたまう看板をくぐると、そこはわれらが探偵「アルツ・ハマー」の事務所。
だけど、依頼人……というか、彼に関わる全てのものは、この言葉をすぐに思い知らされることになるわ。
なぜならば、この探偵、昼食に何を食べたか覚えていないわ、自分の美人秘書の名前も覚えていないわ、「アルツハイマー」もとい「アルツ・ハマー」の名は伊達ではないの。
そんな彼を待ち受けている事件は、真夏のプールに浮かんだ死体。
しかも、サンタクロースの衣装を着ている老人と来ている!
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名探偵ハマーは断言するわ。
「こいつは殺しだ! 犯人の目星もついている」
……
………。
ちょっと推理は割愛させていただくわ。
本格好きなら、ひょっとするとここで激怒して、本を壁に叩きつけるかもしれない。
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本文から抜粋すると……
「人間、首が折れると、いくつか不都合なことが起こってきて、そのうちの一つが、死ぬってことだ。こいつは、医学上の定説でね。万一、お前さんの知り合いで、首が折れても生きてる奴がいたとしたら、そいつは、よっぽど運がいいのか、それとも、厚かましいかのどっちかだ。」
こんな小粋で洒落たセリフが、全編ぎっしり詰まってる。
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これだ! 私に足りなかったのは、この手のハードなゆで卵のセリフなんだ! という方はご一読をどうぞ!
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で、この小説がどうして「ゲームブック」=「遊べる本」として紹介したのか。
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『俺に撃たせろ!』
著 火浦 功
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2026年1月5日月曜日
☆謹賀新年☆ FT新聞 No.4730
明けましておめでとうございます!
自宅の書斎から杉本です。
蕨之介さんが運営する柿ノ木商会に、「モンスター!モンスター!TRPG」のシナリオが置かれているとの情報を、お寄せいただきました。
どれも無料です。
↓
https://kakinokishokai.booth.pm
「モンスター!モンスター!TRPG」であれ「ローグライクハーフ」であれ、ファン作品が出ました暁にはぜひ、お知らせください。
このようなカタチでご紹介させていただきます。
さて、今日は1年で最初の月曜記事ですので、FT書房の今年の抱負や計画をお伝えしてまいります☆
◆昨年もありがとうございました。
昨年は「モンスター!モンスター!TRPG(M!M!)」の、実質的なはじまりの年となりました。
最大のサプリメント「ズィムララのモンスターラリー」を刊行することができ、この古くて新しいTRPGが楽しめる環境が整いつつあることを実感しています☆
「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ(RLH)」も、モンスター種族で遊べるサプリメント『ヒーローズオブダークネス』をはじめ、4冊のシナリオ/サプリメントを刊行できました。
◆今年のラインナップは……?
2026年の作品候補について、言及してまいります☆
実現可能性が濃厚なものと、そうでないものがあります。
「必ず出る」とは言えないものもありますが、夢を語らせてください。
紙の本を出すというのは私にとって、20年近く活動してきた今なおひとつの「夢」なのです。
・『アランツァワールドガイド』(by杉本=ヨハネ)RLHサプリメント
・『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』モンスター!モンスター!TRPGサプリメント
・『ファイティングトロールマガジン(仮)』創刊号 ムック本
・『昆虫都市』(by杉本=ヨハネ)RLHシナリオサプリメント
・『死霊沼の聖母』(by杉本=ヨハネ)RLHシナリオサプリメント
・『常闇の伴侶』(by水波流)RLHシナリオサプリメント
・『桜森と冬の終わり』RLHシナリオサプリメント
・『蛇禍の悪魔』(by火呂居美智)RLHシナリオサプリメント
・『SAGBがよくわかる本』(by田林洋一)
・『モンスター!モンスター!TRPG 基本ルール』
・『4人の英雄(エース)』(by杉本=ヨハネ)
◆『アランツァワールドガイド』
FT書房が展開するゲームブックの背景世界であり、RLHの共通世界でもある「アランツァ」について、体系的にまとめられた作品です。
私の人生において「最も刊行したい1冊」です。
すでに筆を執っておりますが、大きな作品です……いつ出せるかは時間との戦いになるでしょう。
◆『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』
モンスターの世界に、人間型種族が!
M!M!のコアブックのひとつである、名サプリメントです。
ただ、下読みをしてみて、人間型種族を遊ぶのに必要な最大の重要要素が抜けていると、気づきました。
武器、防具、道具、毒、銃器などの装備品に関する一覧です☆
今回、ケンとクロンプトンから許可をいただき、このサプリメントに付属データをつけさせていただくことが決まりました☆
もしかしたら、他のTRPGで見たことがあるものかもしれません。
今年刊行したい作品の筆頭として、ベストなものを作れるように精進してまいります☆
◆『ファイティングトロールマガジン(仮)』
雑誌は過去に何回か出してきましたが、「TtTマガジン」「ウォーロック・マガジン」の編集長を経験する以前のことです。
今回はRLHやM!M!が遊びやすくなる話や、これまでの作品で描ききれなかったこぼれ話、単体で刊行するには文量が足りない名作品など、心がおどるラインナップにできたらと考えております☆
定期刊行の雑誌ではなく、ムック本として出すことになると思います。
もちろん、ゲームブックに関する何かも載せたいです。
◆『昆虫都市』
アランツァ世界で最も古い街のひとつ、からくり都市チャマイ。
ある日、この街に昆虫の大群が襲い来るという、恐ろしい事態が発生しました。
何が起こっているかは確とは分からず、しかし人々は恐怖に逃げ惑います。
いっぽう、エルフの長たるカセル・ケリスリオン・フィスティリオンは太古の森で、過酷な戦いに身を晒していました……。
「都市サプリメント:からくり都市チャマイ」「新職業【からくり術師】」「アランツァワールドガイド:チャマイ」を同時収録!
こちらの作品はイラストレーターとしてHUGO HALL氏と交渉中です。
◆『死霊沼の聖母』
死霊都市フアナ・ニクロに現れた、1人の男。
新興宗教の教祖たるアスタロスを、女王フアナは街の脅威とみなし、討伐を命じます。
舞台は内紛が起きつつある、不穏な死霊沼にたたずむ館。
「都市サプリメント:死霊都市フアナ・ニクロ」「新職業【呪術師】」「アランツァワールドガイド:フアナ・ニクロ」を同時収録!
◆『常闇の伴侶』
舞台はアランツァ北部に存在する太古の森。
蛮族都市フーウェイを拠点とした冒険です。
水波流が贈る「文化を持った蛮族」は、蛮族たち=劣った種族であるという先入観から解放された、魅力ある世界観を提供してくれます。
この名作を、ぜひカタチにしたい。
「都市サプリメント:蛮族都市フーウェイ」「新職業【獣使い】」「アランツァワールドガイド:フーウェイ」を同時収録!
◆『桜森と冬の終わり』
桜森に訪れるひとつの脅威を前に、樹人たちは動き出す。
読者投稿企画によって誕生したこの作品は、部数限定での書籍化を検討しています。
BOOTHでの通販予約された数+αを刷って、再版はしないというやり方ですね☆
「都市サプリメント:商業都市ナゴール」「新職業【剣闘士】」「アランツァワールドガイド:ナゴール」を同時収録!
◆『蛇禍の悪魔』
ポロメイアには「生きては帰れない砂漠」と呼ばれる、恐ろしい砂漠がある。過酷な環境で生き抜く術と力を持った龍人たちが住むこの砂漠は、悪魔たちが住む世界とつながる「不安定さ」を抱えた土地だ。
悪魔憑きとなった娘を救うために、冒険者はポロメイアを旅し、危険に足を踏み入れる。
『幽霊屋敷の果実酒』に続いて作られた、火呂居美智先生のd66シナリオです!
アランツァ世界の過去の情報をしっかりと取り込んで作られた名シナリオで、「生きては帰れない砂漠」には拙著『殉教者の試練』で登場させた設定が実に上手に編み込まれていて、息を呑みました。
「都市サプリメント:ポロメイア小国家連合」「新職業【悪魔召喚師】」「アランツァワールドガイド:ポロメイア」を同時収録!
◆『SAGBがよくわかる本』
2025年に好評連載だった『SAGBがよくわかる本』ですが、ただいま絶賛、大編集中です!
杉本、水波流、紫隠ねこさん、岡和田晃さんの4人がかりで、記事を大いに進化させております☆
この作品に関しては、どのぐらいの部数が出るのかまったく予測が立ちません。
予約制で注文された部数+αだけ用意する、というやり方を検討しています。
『桜森と冬の終わり』と同じですね。
余談ですが、この作品を刊行するタイミングで、田林洋一先生作のゲームブックである『クレージュ・サーガ』の電子書籍を刊行したいと考えております☆
◆『モンスター!モンスター!TRPG 基本ルール』
「モンスター!モンスター!TRPG」のシリーズも、軌道に乗りつつあると感じます。
ルールがシンプルで、かつ他のTRPGにも似ているため、なんと基本ルールを後まわしにするという戦略でこれまでやってきました。
それで成り立ってしまうのがこのゲームのすごいところです。
しかし、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』が出せたら、さすがにそろそろ基本ルールを出したいなあと考えております。
そのうえで問題となるだろうことは「バージョン」です。
現在のルールブックはver.2.7ですが、これがver.3.0になるのはいつなのか?
その日が遠そうであればver.2.7を、間もなくであるならばver.3.0が出てから、日本語版の準備をスタートするのがいいと考えております。
そのあたりの事情を見つつ、計画を進めてまいります☆
◆『4人の英雄(エース)』
ガーデンハート七姉妹に深く関わる物語は、私のなかであと2つ、書きたいものがあります。
そのうちのひとつは『ガルアーダの塔』で、長女であるニナ・ガーデンハートがどうなるのかを書きたいと考えています。
もうひとつは未登場の3人、ノナ、マナ、ドナが登場する作品です。
主人公は「無色透明の君」、あるいはガーデンハート家の次女ノナ。
ノナははっきりとした物言いが印象的な、あっけらかんとした性格の持ち主です。
ガーデンハート家で最も愛される存在である彼女は、アランツァに訪れる大きな危機を前に、ある大きな決断をします。
逃げも隠れもせず、堂々と生きるために。
この物語は何年も前から私の胸にあります。
ノナたち3人は長女であるニナによって助けられるのですが、ノナは「人生を勝ち取るために、危険な冒険に飛び込む」ことを決意します。
物語は冒険都市カラメールからはじまり、商業都市ナゴール、神聖都市ロング・ナリク、城塞都市ドラッツェンへと絡みついていき……。
え? 来年中に出せるのかって?
夢を語る場と言ったはずです!
◆まとめ。
ここに書いたことは実現の見込みが十分にあることから、現状では夢のまた夢といえることまでさまざまです。
なので、あまり多くを期待しすぎずに、こうお考えいただけましたらさいわいです。
今年もFT書房はやる気に溢れています!
それでは、本年もよろしくお願いします!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
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自宅の書斎から杉本です。
蕨之介さんが運営する柿ノ木商会に、「モンスター!モンスター!TRPG」のシナリオが置かれているとの情報を、お寄せいただきました。
どれも無料です。
↓
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「モンスター!モンスター!TRPG」であれ「ローグライクハーフ」であれ、ファン作品が出ました暁にはぜひ、お知らせください。
このようなカタチでご紹介させていただきます。
さて、今日は1年で最初の月曜記事ですので、FT書房の今年の抱負や計画をお伝えしてまいります☆
◆昨年もありがとうございました。
昨年は「モンスター!モンスター!TRPG(M!M!)」の、実質的なはじまりの年となりました。
最大のサプリメント「ズィムララのモンスターラリー」を刊行することができ、この古くて新しいTRPGが楽しめる環境が整いつつあることを実感しています☆
「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ(RLH)」も、モンスター種族で遊べるサプリメント『ヒーローズオブダークネス』をはじめ、4冊のシナリオ/サプリメントを刊行できました。
◆今年のラインナップは……?
2026年の作品候補について、言及してまいります☆
実現可能性が濃厚なものと、そうでないものがあります。
「必ず出る」とは言えないものもありますが、夢を語らせてください。
紙の本を出すというのは私にとって、20年近く活動してきた今なおひとつの「夢」なのです。
・『アランツァワールドガイド』(by杉本=ヨハネ)RLHサプリメント
・『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』モンスター!モンスター!TRPGサプリメント
・『ファイティングトロールマガジン(仮)』創刊号 ムック本
・『昆虫都市』(by杉本=ヨハネ)RLHシナリオサプリメント
・『死霊沼の聖母』(by杉本=ヨハネ)RLHシナリオサプリメント
・『常闇の伴侶』(by水波流)RLHシナリオサプリメント
・『桜森と冬の終わり』RLHシナリオサプリメント
・『蛇禍の悪魔』(by火呂居美智)RLHシナリオサプリメント
・『SAGBがよくわかる本』(by田林洋一)
・『モンスター!モンスター!TRPG 基本ルール』
・『4人の英雄(エース)』(by杉本=ヨハネ)
◆『アランツァワールドガイド』
FT書房が展開するゲームブックの背景世界であり、RLHの共通世界でもある「アランツァ」について、体系的にまとめられた作品です。
私の人生において「最も刊行したい1冊」です。
すでに筆を執っておりますが、大きな作品です……いつ出せるかは時間との戦いになるでしょう。
◆『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』
モンスターの世界に、人間型種族が!
M!M!のコアブックのひとつである、名サプリメントです。
ただ、下読みをしてみて、人間型種族を遊ぶのに必要な最大の重要要素が抜けていると、気づきました。
武器、防具、道具、毒、銃器などの装備品に関する一覧です☆
今回、ケンとクロンプトンから許可をいただき、このサプリメントに付属データをつけさせていただくことが決まりました☆
もしかしたら、他のTRPGで見たことがあるものかもしれません。
今年刊行したい作品の筆頭として、ベストなものを作れるように精進してまいります☆
◆『ファイティングトロールマガジン(仮)』
雑誌は過去に何回か出してきましたが、「TtTマガジン」「ウォーロック・マガジン」の編集長を経験する以前のことです。
今回はRLHやM!M!が遊びやすくなる話や、これまでの作品で描ききれなかったこぼれ話、単体で刊行するには文量が足りない名作品など、心がおどるラインナップにできたらと考えております☆
定期刊行の雑誌ではなく、ムック本として出すことになると思います。
もちろん、ゲームブックに関する何かも載せたいです。
◆『昆虫都市』
アランツァ世界で最も古い街のひとつ、からくり都市チャマイ。
ある日、この街に昆虫の大群が襲い来るという、恐ろしい事態が発生しました。
何が起こっているかは確とは分からず、しかし人々は恐怖に逃げ惑います。
いっぽう、エルフの長たるカセル・ケリスリオン・フィスティリオンは太古の森で、過酷な戦いに身を晒していました……。
「都市サプリメント:からくり都市チャマイ」「新職業【からくり術師】」「アランツァワールドガイド:チャマイ」を同時収録!
こちらの作品はイラストレーターとしてHUGO HALL氏と交渉中です。
◆『死霊沼の聖母』
死霊都市フアナ・ニクロに現れた、1人の男。
新興宗教の教祖たるアスタロスを、女王フアナは街の脅威とみなし、討伐を命じます。
舞台は内紛が起きつつある、不穏な死霊沼にたたずむ館。
「都市サプリメント:死霊都市フアナ・ニクロ」「新職業【呪術師】」「アランツァワールドガイド:フアナ・ニクロ」を同時収録!
◆『常闇の伴侶』
舞台はアランツァ北部に存在する太古の森。
蛮族都市フーウェイを拠点とした冒険です。
水波流が贈る「文化を持った蛮族」は、蛮族たち=劣った種族であるという先入観から解放された、魅力ある世界観を提供してくれます。
この名作を、ぜひカタチにしたい。
「都市サプリメント:蛮族都市フーウェイ」「新職業【獣使い】」「アランツァワールドガイド:フーウェイ」を同時収録!
◆『桜森と冬の終わり』
桜森に訪れるひとつの脅威を前に、樹人たちは動き出す。
読者投稿企画によって誕生したこの作品は、部数限定での書籍化を検討しています。
BOOTHでの通販予約された数+αを刷って、再版はしないというやり方ですね☆
「都市サプリメント:商業都市ナゴール」「新職業【剣闘士】」「アランツァワールドガイド:ナゴール」を同時収録!
◆『蛇禍の悪魔』
ポロメイアには「生きては帰れない砂漠」と呼ばれる、恐ろしい砂漠がある。過酷な環境で生き抜く術と力を持った龍人たちが住むこの砂漠は、悪魔たちが住む世界とつながる「不安定さ」を抱えた土地だ。
悪魔憑きとなった娘を救うために、冒険者はポロメイアを旅し、危険に足を踏み入れる。
『幽霊屋敷の果実酒』に続いて作られた、火呂居美智先生のd66シナリオです!
アランツァ世界の過去の情報をしっかりと取り込んで作られた名シナリオで、「生きては帰れない砂漠」には拙著『殉教者の試練』で登場させた設定が実に上手に編み込まれていて、息を呑みました。
「都市サプリメント:ポロメイア小国家連合」「新職業【悪魔召喚師】」「アランツァワールドガイド:ポロメイア」を同時収録!
◆『SAGBがよくわかる本』
2025年に好評連載だった『SAGBがよくわかる本』ですが、ただいま絶賛、大編集中です!
杉本、水波流、紫隠ねこさん、岡和田晃さんの4人がかりで、記事を大いに進化させております☆
この作品に関しては、どのぐらいの部数が出るのかまったく予測が立ちません。
予約制で注文された部数+αだけ用意する、というやり方を検討しています。
『桜森と冬の終わり』と同じですね。
余談ですが、この作品を刊行するタイミングで、田林洋一先生作のゲームブックである『クレージュ・サーガ』の電子書籍を刊行したいと考えております☆
◆『モンスター!モンスター!TRPG 基本ルール』
「モンスター!モンスター!TRPG」のシリーズも、軌道に乗りつつあると感じます。
ルールがシンプルで、かつ他のTRPGにも似ているため、なんと基本ルールを後まわしにするという戦略でこれまでやってきました。
それで成り立ってしまうのがこのゲームのすごいところです。
しかし、『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』が出せたら、さすがにそろそろ基本ルールを出したいなあと考えております。
そのうえで問題となるだろうことは「バージョン」です。
現在のルールブックはver.2.7ですが、これがver.3.0になるのはいつなのか?
その日が遠そうであればver.2.7を、間もなくであるならばver.3.0が出てから、日本語版の準備をスタートするのがいいと考えております。
そのあたりの事情を見つつ、計画を進めてまいります☆
◆『4人の英雄(エース)』
ガーデンハート七姉妹に深く関わる物語は、私のなかであと2つ、書きたいものがあります。
そのうちのひとつは『ガルアーダの塔』で、長女であるニナ・ガーデンハートがどうなるのかを書きたいと考えています。
もうひとつは未登場の3人、ノナ、マナ、ドナが登場する作品です。
主人公は「無色透明の君」、あるいはガーデンハート家の次女ノナ。
ノナははっきりとした物言いが印象的な、あっけらかんとした性格の持ち主です。
ガーデンハート家で最も愛される存在である彼女は、アランツァに訪れる大きな危機を前に、ある大きな決断をします。
逃げも隠れもせず、堂々と生きるために。
この物語は何年も前から私の胸にあります。
ノナたち3人は長女であるニナによって助けられるのですが、ノナは「人生を勝ち取るために、危険な冒険に飛び込む」ことを決意します。
物語は冒険都市カラメールからはじまり、商業都市ナゴール、神聖都市ロング・ナリク、城塞都市ドラッツェンへと絡みついていき……。
え? 来年中に出せるのかって?
夢を語る場と言ったはずです!
◆まとめ。
ここに書いたことは実現の見込みが十分にあることから、現状では夢のまた夢といえることまでさまざまです。
なので、あまり多くを期待しすぎずに、こうお考えいただけましたらさいわいです。
今年もFT書房はやる気に溢れています!
それでは、本年もよろしくお願いします!
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