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2024年12月21日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第619号 FT新聞 No.4350

From:水波流
今年はブラックフライデーに執筆用UMPCを購入したけど。去年は何買ったんだっけ……と思ったら、爵位を買っていたのでした。
そう、ワタクシ一応、シーランド公国男爵です。

from:葉山海月
知人の娘が、ちょっとしたことで家を飛び出しました。
あたりは夕方過ぎ。もう真っ暗の夜。
知っているとこをすべて廻り、なじみの屋台の主人にも声かけしました。
しかし、見つからない。
途方に暮れて帰ってくると。ウチにいました!
後で、屋台の主人にお礼に行くと。
「なぁにね。ちょっと手を回しておいたんですよ」とニヤリ。
ホンモノのプロがここにいます!

from:中山将平
今日こそ、本当の本当にはっきりと伝えします!
僕ら12月29日(日)「コミックマーケット105」1日目にサークル参加します!
ブース配置は【東ネ26a】です。ゲームブックやローグライクハーフ等々を扱います。
さらに、僕個人はその次の日(12月30日月曜日)同イベントの2日目に「クロスラインゲームス」(FT書房とは別のサークル)の一員として参加します!!
こちらの配置は【東ホ01b】です。RLHのグッズ等を扱います。
ぜひ両方の日に遊びにお越しいただけましたら。


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。


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■12/15(日)~12/20(金)の記事一覧
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2024年12月15日(日) 作:馬渡俊祐 監修:岡和田晃 FT新聞 No.4344

Ψ『ヒットマンズ・ショーダウン』 
・世界有数の治安の悪さを持つ狭き都市、「グッドナイト」。そこで行われた、総支配人Angelによる定期ヒットマンズ会議。黙々と進められる会議の最中、誰かがこういった。「一番優れている組織はどこなのだろう」と───
その瞬間、ヒットマン同士の華麗で残酷なショーが幕を開けた。目的は一つ。「この都市で一番のヒットマンチーム」になるために。最も金を稼ぎ、のし上がる組織はどこなのだろうか。
"では、6週間後の定期会議での報告を楽しみにしていますよ。──Angelより"
市販のトランプを使ってプレイでき、ダイスを用いた戦闘やTCGライクなデッキの構築、RPG的なキャラクター強化、何よりアツい駆け引きが楽しめるオリジナル・ゲームをお届けします!
新鋭・馬渡俊祐氏の手になる本作は、東海大学文芸創作学科のゲームデザイン講義、2023年度秋学期の優秀作。
オールスター悪役による華やかなジャズと血煙、そして悲鳴の狂騒と書いてノワールと読む本作!
どうぞお楽しみください!


2024年12月16日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4345

杉本がお休みをいただく話と【翼人】の登場☆ 
・本日はHoDにて新登場の種族です。
ズバリ、翼ある人、翼人!
その姿が表すように、天使を彷彿させる数々の技能!
ご堪能ください!
そして、また「クロスラインゲームス」というサークルの再起動!
「ローグライクハーフ」のヒットを受けまして、ファンの方々から「グッズを作ってほしい」というご要望をいただくことが増えました。
その流れを受けて、最近かのサークルが再始動したという話です。
冬のゲームマーケットではFT書房は1日目に、クロスラインゲームスは2日目に参加する予定です。
下に出展情報を掲載します……通販のほうは今しばらくお待ちくださいませ。
↓「クロスラインゲームス」のTwitterアカウント☆
https://x.com/crosslinegames
お休みをいただいてさえこの記事を書いている! 
燃えるゲーム職人! 杉本氏に熱い応援よろしくお願いします!


2024年12月17日(火) かなでひびき FT新聞 No.4346

・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回取り上げる本は、『空想世界のもちもの』(著:るきち 日貿出版社)よ。
ざっと言うと、地理の学者を目指すタリン君が、商隊に同行。まだ「名前の付けられてない」土地を巡る、というバックストーリーなんですけど、具体的なストーリーは一切なしで、具体的に緻密に創られたガジェット、建造物からは、読者一人一人のオリジナルストーリーが生まれてくるはず!
例えば子どものころ、数々のオモチャは、我々を異世界へ連れていく創造の翼でした!
そのようなおもちゃ箱感覚で、あなたを想像をくすぐる本。これもゲームブック!?
興味のある方はぜひ!


2024年12月18日(水) ぜろ FT新聞 No.4347

第1回【最期の日に彼女は】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第416回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、トリを飾る作品、『最期の日に彼女は』に挑戦いたします!
****
研究所に勤務している双子の姉が失踪した
必死で捜索するうち浮かび上がる手がかり
だが、その失踪の裏側には……
恐るべき真相が隠されていた
焦りで汗がしたたり、ページをめくる指が震える怪作!
(本文より)
****
姉を、レナを、探さなければ。
そう決意した妹のハナ。
手始めに姉の職場、ヤマト感染研究所に電話したハナだったが
……。
『ファミコン探偵倶楽部』などの懐かしいアドベンチャーテイストを彷彿させる、かっちりとした伏線で構成された本作。
捜査開始です!


2024年12月19日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4348

齊藤飛鳥・小説リプレイvol.22『猫の女神の冒険』その3 
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれ、今はズィムララ世界の猫の女神セクメトにクリスタル・スカル探しに雇われた、グレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ニャルラトホテプへ地球や仲間達を滅ぼされた恨みを晴らす力を手に入れるべく、彼女の腹心テン=メアと一緒に冒険に旅立った。
その第一歩として、目的地のピラミッドにほど近い廃都トゥー=エバンへ向かったところ、テン=メアが蛇人間達に襲撃されてしまった!
深尋は、テン=メアを助けるべく、初めての戦闘に臨むのであった、しかし……。
蛇人間との対峙では不覚を取ってしまう。
気を取り直して、ピラミッド探索に向かう一行なのだったが……。
ポップでライトな文体が読ませる冒険譚にご注目!


2024年12月20日(金) 休刊日 FT新聞 No.4349

休刊日のお知らせ 
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!


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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(蒙太辺土さん)
【翼人】リリースありがとうございます!
まずちょっと確認ですが、[一滴の力]の効果についてです。
幸運点が底をついて"0になった場合に限り"1点だけ回復する能力、ということでよかですかね?
別な話、フレーヴァーテキストと言うのでしたっけ?
いつも楽しく味わいながら読ませてもらってます。
必ずある訳じゃないところもイイなぁ、と思ってます、挿し絵みたいな感じで。
[一滴の力]のものも好きですが、別の意味で楽しい[尊き加護]のテキストはちょっと笑ってしまいました。
"無料で購入できる消耗品みたいな扱いは、あんまりです"のくだり。
そのようにデザインしたのも、この慈悲深い台詞を書いたのも同一人物なわけでしょう?
ね、杉本センセ?(笑)
季節ものの心身のご不調の件ですが、どうか無理なさらずご自愛なさって心穏やかにお過ごしくださいませ。
私も年頃なのか今年はニュースでも話題になった感染症をコンプリートしまして、心身を病むツラさわかります。
色々な癒しや"よそ見"なんかを活用なさって杉本先生やFT書房の皆さんが楽しく豊かに過ごされることを願っておりますですよ!

(お返事:杉本=ヨハネ)
ありがとうございます☆
>幸運点が底をついて"0になった場合に限り"1点だけ回復する能力、ということでよかですかね?
幸運点が何点であっても、1点へと変更する特殊技能です。
似ているようで異なる場合もありますので、「書いてあるとおり」だと解釈してください。
どんなケースかは想像してください、一例を挙げるなら【魔術点】や【幸運点】が高いキャラクターに襲いかかるクリーチャーがいるときに、自分の【幸運点】を綺麗サッパリ捨てるほうがいい状況があるかもしれません。
もちろん、0点になった際に使うのが、主な使い方になると思います。
この【種族】が持つ、独特の粘りづよさを表現する特殊技能です。
>そのようにデザインしたのも、この慈悲深い台詞を書いたのも同一人物なわけでしょう?
ね、杉本センセ?(笑)
客観的にはそう映ると思うのですが、私はアランツァの世界を表現している代理人です。
向こうの世界の情報をカメル・グラント教授がまとめて、それを私がこちらの世界に持ち込んでいるわけです。
だから、主観的には「世界の無慈悲」と「〈翼人〉の慈悲」がそれぞれ独立した事象として存在するだけなのです。
たぶん、「そういう設定」で話していると思われると思います。
それで問題ありません。
それが、いちばん分かりやすい考え方だと思うので。
暖かいメッセージをありがとうございます☆
医者に行ったところ「季節性鬱というよりは過労」という診断をいただきまして、皆さまよりもひと足早い年末休暇へと入らせていただくことと相成りました。
「身体が疲弊しているだけで、精神がやられている感じではない」っぽいです。
まあ、そうですよね。悩みとかありませんし。
いま休んでいることを、気にしてはいません。
ダメージを負うのにかかった時間に応じて、休養にも時間が必要ですからね☆
むしろ逆に、お身体にお気をつけてお過ごしくださいね。


(ジャラル アフサラールさん)
元は作者るきちさんがネットで発表されたものが書籍になるのは「これはゲームブックなのですか!? vol.48」で紹介されていた『明日から使える死亡フラグ図鑑』に通じるものがありますね。アマゾンで見るとシール付きの書籍もあるみたいですがもったいないくて使えそうにないです(笑)。

(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます。
かなではよく知らないのですが、最近ネットから書籍化って方向が増えてるみたいですねー。
かなでの『これゲー』もそうなってほしいものです!(遠い目)
そしたら、ジャラルさん百冊ほど購入お願いいたしますねー。なんつってやら。きゃっ(はぁと)
でも、そのような『特別版』って、そういうしばりありますよねー!


(忍者福島さん)
ハリケーンミキサーを使う深尋、モンゴルマンとコンビを組んでたらロングホーントレインを使えたのかもしれません(笑)
テン=メアが使う必殺技は、フライングパンチかな?

(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございます!
ロングホーントレインなら殺傷力がアップしますから、深尋が喜んでモンゴルマンを探しに行きそうです^^
テン=メアは、翼があって時間停止技もできるので、ペンタゴンのストップ・ザ・タイムを必殺技として使えそうだと思います^^


(忍者福島さん)
ぜろさんがどのようなお仕事をされてるのか知らないのですが、義姉さんは製薬会社で働いておられるのですか。
製薬会社でゾンビといえばバイオハザードのタイラント社ですか!確かに大変な職場ですね(絶対に違うわ・笑)

(お返事:ぜろ)
いつもありがとうございます。
私は今は福祉系の、かなり大変めなおしごとをしています。義姉は研究職系なので、まさに今何かを生み出しているとか。なんて思われてしまうところがゾンビ系作品の罪深さかもしれません。
今回は属性語り関係なく思い入れの強い作品です。全7回なので、よろしくお願いします。

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2024年12月20日金曜日

休刊日のお知らせ FT新聞 No.4349

おはようございます。
本日は、タイトルのとおり休刊日です。

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2024年12月19日木曜日

齊藤飛鳥・小説リプレイvol.22『猫の女神の冒険』その3 FT新聞 No.4348

●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.22
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

〜前回までのあらすじ〜
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれ、今はズィムララ世界の猫の女神セクメトにクリスタル・スカル探しに雇われた、グレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ニャルラトホテプへ地球や仲間達を滅ぼされた恨みを晴らす力を手に入れるべく、彼女の腹心テン=メアと一緒に冒険に旅立った。
その第一歩として、目的地のピラミッドにほど近い廃都トゥー=エバンへ向かったところ、テン=メアが蛇人間達に襲撃されてしまった!
深尋は、テン=メアを助けるべく、初めての戦闘に臨むのであった。
深尋とテン=メアの運命やいかに!!

……と、大上段に構えてあらすじを書いてしまいましたが、『猫の女神の冒険』リプレイ3話目です。
『猫の女神の冒険』には、イージーモードの解説があったので、これ幸いに戦闘場面で使わせていただきました。
これまでの戦闘場面では、「右手のダイスがプレイヤー、左手のダイスがモンスター。数字の大きい方が勝ち」という自分ルールでやっていることに少々後ろめたさがあったのですが、イージーモードのおかげで後ろめたさが解消されました!!
やったぁと喜んだのもつかの間、戦闘の結果が4パターンあり、イージーモードでは選べません><;
そこで、後ろめたいものの自分ルールを再発動。「ダイスで1〜2が出たら、選択肢1。3〜4が出たら、選択肢2。5が出たら、選択肢3。6が出たら選択肢4」と決めてプレイしました。
以降も、SRの結果が複数ある時はこの自分ルールとイージーモードの複合した新・自分ルールでプレイしていきました。
イージーモードもろくに使いこなせないへなちょこでも、パラグラフを進むたびに様々な展開が待ち受け、楽しめるようになっているのはありがたい限りです^^
ありがたいと言えば、TRPGで『猫の女神の冒険』をプレイした時に立ち寄らなかった場所へソロアドベンチャーでは行くことができるので、物語世界の奥行きが広がってより楽しめました^^♪

恐らく、この記事が今年最後の掲載分となります。
今年も一年間、大変お世話になりました。
少し早い年の瀬の挨拶となりますが、皆様、よいクリスマスと年末年始をお過ごし下さいませm(_ _)m



※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。

●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』リプレイ
その3

齊藤(羽生)飛鳥
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●


6:深尋、肉弾戦をする
スコップが空を切る。
そのはずみで、ローブのフードが揺らめき、フードの下から蛇の頭が出てきた!
「食らえ、灰鼠流剣法、スコップソード!」
即興で思いついた必殺技名を声に出して自分自身へ喝入れしながら、私はスコップを構え直して蛇人間たちに襲いかかる。
怪物狩りのゲームをしたことはあるけれど、現実の自分の肉体で命のやり取りをするのは初めてだから、これくらい喝入れしないと、戦う前から気持ちで相手に負けてしまう。
「何を言っているんだ、こいつ?」
「やばくね?」
自分でもちょっと恥ずかしいと思っていた必殺技名に対し、真顔で容赦なくツッコミを入れられる。
こんな恥ずかしいところを見られてしまったからには、こいつらの口を封じるしかない。
発想がもはや、地球にいた時の私からはほど遠い、シリアルキラーかサイコパスになっている。
でも、襲いかかってくる相手が蛇人間で、しかも片手に杖、片手にナイフを持って蛇のようにねじくれた怒りを持って襲いかかって来られては、平和な日本育ちのグレーハッカーでも、正気でいられるわけがない。
蛇人間は、全部で3名。
1人はテン=メアと揉み合っているから、残り2人は私がやるしかない。
逆に考えれば、さっきの恥ずかしい発言を聞いた奴らを自分の手で2人も始末できるから、安心できる。
絶対に、あの黒い人影野郎をぶん殴るその日まで、死ぬもんか!
私は、体を低くすると、スコップで蛇人間達の足を薙ぎ払う。
てっきり大上段に構えて私が攻撃を食らわしてくると思っていた奴らは、いきなり弁慶の泣き所にスコップを食らって面食らう。
でも、相手は肉弾戦のプロ。ひるんだのは一瞬だけで、リーチの長い杖を振り回し、私に一撃を食らわせる。
ひっくり返ってしまったけれど、そのどさくさにまぎれてスコップで廃都の砂をすくい上げ、ナイフをふり下ろそうとして来た奴らへ目つぶしを食らわせる!
動きを止め隙を狙って、またも攻撃!
一撃食らっているけど、アドレナリンのおかげでまだ痛みを感じていないうちに、とことん戦ってやる! 
「なんでこいつ、さっきから執拗に足だけ狙って攻撃してくるの!?」
「新たな流派なのかもしれん!!」
深読みしている蛇人間たちには悪いけど、単に身長差で、私が思いきり力を入れて攻撃しやすい部分が彼らの足の部分なだけだからだ。
届かない部分を狙い続けて攻撃をはずすより、確実に当てられる部分を狙い続ける。この発想、ある意味でハッキングに似ているかも。
でも、この攻撃には弱点がある。
私に肉弾戦の経験が少ないせいで、相手の上からの攻撃には、すぐに対処できないのだ!
何発か杖やナイフの攻撃を食らいながら、私は無我夢中で攻撃し続け、だんだん意識が遠のいてきた……。
「やっと毒が効いてきたか……」
そんな蛇人間の断末魔じみた声が聞こえてきた。どうやら、思っていたより私の攻撃でダメージを受けているらしい。
「なんの……巨象が三秒で死ぬような毒でも、毒抜きすればセーフ……」
相手が息をしているうちは絶対に倒れまいと虚勢を張りつつ、私はペーパーナイフで傷口を抉って毒抜きをしにかかる。
「いや、そういうネタでボケられても困るんで」
「僕らの文化、勉強して」
瀕死の重傷を負っておきながら、意外と笑いに厳しいし、ツッコミを入れられるということは、おまえら実は地球の文化を履修済みか!?
そもそも、ボケたわけじゃないし! うっかり仲間たちとの会話のノリが出てしまっただけだし! 
そんなツッコミを声に出してしたかったけれど、目がかす……んで……。

目が覚めると、テン=メアが私の手当てをしてくれていた。
「生きているのね!」
テン=メアは安心したように叫んだ。
彼女の話によると、私は蛇人間の武器に塗られた毒にあたって死にかけていたらしい。
そこで、テン=メアが自分の悪魔のエネルギーを注入して、私の体内の毒を燃やし尽くして助けてくれたのだとか。
「そうする必要があったの。さもなければ、あなたは死んでいたから。おかげで、あなたはちょっとだけデーモンになったの。明日あさってにでも、角が複数はえてくると思うわ……て、もうはえてきた」
テン=メアはクスリと笑う。
変な場所に角がはえてきたら、これからの人生、髪を洗う時に邪魔になるので、笑い事ではない!
私は持って来ていたコンパクトで、あわてて自分の顔を映す。
鏡には、断頭台という二つ名をもらえそうな二本角がはえた私が映っていた。
この年齢で角っ娘属性が文字通りはえてくるとは、まいったな……。
(鬼嫁か……ボクは断然「有り」だね!)
脳内に、あの黒い人影野郎の声が聞こえてくる。
誰が誰の嫁だ、ぶん殴りてえと思ったが、訂正。この角をいかしてハリケーン・ミキサーを食らわしてやりてえ。
でも、今は喉がとても乾いたから、水を飲もう。
持って来ていた水筒の冷たい水を時間をかけて飲む。
屋外で水を飲んでいる時、視線をどこへ向ければいいか迷うので、何の気なしに辺りを見回していたら、バラバラになった二体の蛇人間たちの残骸が目に飛びこんできた。三体目の蛇人間は、ひどく焼け焦げている。私のスコップは火を噴くことはない。だから、焼き殺して倒したのは、テン=メアだ。それはいい。
すると、彼らを血まみれの断片に変えたのは、どう考えても私しかいない。オーバーキルもいいところだ! 
しかも、かなりどうでもいいツッコミを、彼らの最期の言葉にしてしまったことへの罪悪感すら芽生える。
せめて、「馬をくれ、馬を! 馬の代わりにわが王国をくれてやる!」とか「明日俺を訪ねてこい。もう墓の中でまじめになっているぞ」とか、シェイクスピアの登場人物のように気のきいた最期の言葉を残させてやればよかった。今度からは気をつけよう。
自分の戦い方を反省してから、私は改めて現実と向き合った。
すると、街の外壁からさほど遠くない砂漠に、頂上部にコブラの頭を掲げたピラミッドが見えた。
日本だったら耐震基準で引っかかるためお目にかかれない、奇抜なデザインだ。
すると、ここは地震が少ない土地柄なのだろう。
どこからどう見ても危険な予感しかしない建物に息を呑まざる得なかったけれど、火山の噴火や急な地割れに見舞われる心配がないことだけはわかって、安心した。



7:深尋、ピラミッドを目指す
コブラの頭付きピラミッドを目指し、私とテン=メアは廃都を後にして歩き出した。
足下が悪くて、私は慎重に進む必要があった。
はきなれた運動靴でこの歩きにくさだから、ほかの靴だったら、もっと時間がかかっただろう。
テン=メアと言えば、数分おきに翼をパタパタとさせて空を飛んで周囲に危険がないか確認してくれていた。
「ねえ、テン=メア。私を連れてピラミッドまで飛んでいけば、時間の節約になるんじゃない?」
「いい提案だけど、あたしが飛んでいられるのは、せいぜい30分なのよ。しかも、重いものはぜんぜん持てないし。いいアイデアなんだけどね……」
「そう。わかった。テン=メアが手ぶらで飛んでいる時点で気づくべきだったね」
話がまとまったので、私達は歩き続ける。
スマホが使えれば、ビリー・バンバンの『砂漠の薔薇』や米津玄師の『砂の惑星』を聞いて、この砂だらけの単調な時間を紛らわせるのに、剣と魔法の世界では無理な話だ。
仕方なく、自力で口ずさんでみるものの『砂漠の薔薇』はサビの部分以外の歌詞がうろ覚えだし、『砂の惑星』に至っては、うろ覚えがすぎて途中から『ゴーゴー幽霊船』になってしまう。
全体の歌詞は、本当のメロディは、いったい何だったのかと、たびたび頭をひねりながら、口ずさむ。
それを繰り返すこと、なんと1時間以上!
なんて不毛な時間をすごしたんだと痛感したところで、テン=メアが目の前にそびえるピラミッドを指差し、目的地到達を教えてくれた。
私は、ピラミッドの前に到着すると、まずは足のストレッチを始めた。
何しろ、1時間以上歩いたということは、4km近く歩いた計算になる。ちゃんとストレッチしておかないと、今夜あたりひどい筋肉痛に悩まされそうだ。
そうしてストレッチをしながら、私はピラミッドの観察をした。
南面……よくわからない彫像に覆い隠された入口があって、その奥に青銅の扉あり。黄金色に輝く太陽を模した彫刻で彩られている。おしゃれか?
西面……頂上部から半分下ったところで唐突に終わっている階段がある。終わっているのは建築デザインの方か?
東面……特に何もなし。手抜きか?
北面……単にピラミッドの傾斜面になっている。手抜きか(第二弾)?
さほど遠くない廃墟の神殿……モンスターがウヨウヨ。
廃墟の神殿、治安悪すぎ!!
もろに本音が顔に出たのか、テン=メアが今回の任務に関係ないと、すかさず教えてくれた。よかった。
それから、近くの礎石を見ると、ヒエログリフが刻まれていた。
「テン=メア、読める?」
ネット環境が整ってさえいれば、解読ソフトで簡単に翻訳できるのに、それができないとはもどかしい。
そう思いながら、テン=メアに頼むと、気を悪くした様子もなく答えてくれた。
「もちろん……まあ、だいたいはね」
謙遜ではないことは、彼女が1〜2分、ヒエログリフと真剣ににらめっこしていたのでわかった。苦労をかけるね、テン=メア。
「ここに書かれているのはね、"このピラミッドは女神ウアジェトの庇護下にあり、侵入は禁じられている。死者や衛兵を妨げることはなきよう!"ということね」
「でも、任務だから禁じられていてもお邪魔しないとね」
「じゃあ、どうやって入ればいいかしら?」
「もしかしたら、他にも秘密の入り口とか何か手がかりがあるかも。もしも死者や衛兵と出会ったら、こちらの事情を話して説得をするもよし。質量を伴う説得をするもよし」
私は、スコップをフルスイングしながら微笑む。
「深尋。角がはえたら、ちょっと物騒になった……?」
テン=メアはそう言ったけれど、私の提案に反対せず、一緒に秘密の入り口探しについて来てくれた。


8:深尋、ピラミッドを探る
テン=メアとピラミッドの南面の扉から出発して周囲をぐるりと歩き回き出すと、まずは西面へ行った。
西面の階段の幅は、約30センチ。コブラの頭をしたピラミッドの頂上部から、外壁の中心部へまっすぐに下っている。
「あそこには何か隠されていそうね」
テン=メアが言う。
「だとしたら、あからさますぎるから、罠がありそう。中へ入るとしても、もう少し調べてからにしない?」
「そのとおりね……次に行きましょう」
私達は、今度は東面へ行った。傍目から見て手抜きかと思うほど何もなかったそこは、実際に訪れても扉も階段もなかった。かわりに、壁の砂岩のブロック群に埋めこまれた黒い玄武岩に、またもヒエログリフが書かれている。
「テン=メア。また翻訳をお願いできる?」
テン=メアはうなずく。
「これはよく見るやつよ。"禁止"を意味する単純なヒエログリフだけど、あたしには特に意味を成さないわ」
「私にもね。だって、読めないし」
そう考えると、言語の壁を越えて理解できるピクトグラムは画期的な発明だったんだな。
それから、私達は北面へ向かった。
ピラミッドの北面は簡単に登れるようになっていた。斜めの外壁の中央部には、明らかに人間用の幅6メートルの階段があり、地上からピラミッドの平坦な頂上部へと続いている。
この角度から見ると、大きなコブラの頭部を象った研磨された石が、ピラミッドの頂上部に安置されているのがわかる。幅6メートルの階段なのに、よく運搬も安置もできたものだ。電気もエンジンもないのにすごいな、この世界の建築技術。
「コブラの石が置かれている場所は、冒涜されているみたいだわ。ウアジェトは守護の女神だけど、あそこには脅威しか感じない。どうしたらいいかわからないわ。あなたが決めて」
テン=メアが不安を露わにする。
「わかった。もう調べ終えたことだし、南の入口へ戻ろうか」
私は、テン=メアと一緒に南の入口へ戻った。


9:深尋、ピラミッド南面入口に挑む
南の入口に近づくと、大きな扉の表面に太陽のシンボルが刻まれ、入り口にあるアルコーブの中央部には白い石灰岩で作られた鎧姿のサイクロプス(一つ目巨人)像が立っている。
片手にはトゲのついた棍棒、片手は手のひらを上に向けた状態でまっすぐ前に突き出しているポーズは、釘バットを片手にカツアゲしてくる平成の不良を彷彿とさせる。
扉へ向かおうと像の前に接近すると、何といきなり語りかけてきた!
「アトン=ラーを真に崇拝する者のみが、この部屋に近づき、あるいは入ることが許される」
サイクロプス像は、ざらついた耳障りな声で言ってくる。
それから、像は空いた手のひらを私の方へ突き出し、さもなければ殴りかからんばかりに、棍棒を肩の上に振りかぶる。
「何かを求めているんじゃないかと思うわ」
テン=メアが考え考え言った。
「だけど、それが何なのかはわからない。あたしの女神様はセクメトだから、〈太陽の息子〉アトン=ラーについては、よく知らないの」
「じゃあ、彼のポーズから考えてみよう」
私は、改めてサイクロプス像を眺めた。
……どこからどう見ても、カツアゲにしか見えん。
「もしかしたら、お金が欲しいのかも」
私は、財布を確認する。中には、6gp分の金貨があった。
そこで、1gp分の金貨を像の手のひらに乗せてみた。
像は供えられた金貨を巨大な指でゆっくりと握りしめる。サイクロプス像の頭部にある一つ目が輝き、彫像は徐々に向きを変えると、目から放った光線が、扉にある太陽のシンボルに当たる。すごい仕掛けだ!
すると、変化が起きた。太陽のシンボルは徐々に沈潜し、かわりにピラミッドの中心部へと続く、長く暗い通路が姿をあらわす。
まさか、押すでも引くでもなく、こういう方向で扉が開くとは、正直予想外だった。
でも、これで中に入れる。
「テン=メア、行きましょう」
私は、テン=メアに声をかけてから、ピラミッドの中へ足を踏み入れた。


〜おまけ〜
プレイキャラ紹介
灰鼠深尋(はいねず・みひろ):グレーハッカー。『暗黒詩篇』所収「クトゥルフ深話」出身。行動理念は、黒い人影野郎ことニャルラトホテプへの復讐。
テン=メア:セクメト女神の腹心。お茶目ないい子。※あくまで私の感想です※

(続く)

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年現在、6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。

初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。

■書誌情報
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』
著 ケン・セント・アンドレ
訳 岡和田晃
絵 スティーブ・クロンプトン
https://ftbooks.booth.pm/items/5889199


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2024年12月18日水曜日

第1回【最期の日に彼女は】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4347

第1回【最期の日に彼女は(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ


※ここから先はゲームブック【最期の日に彼女は(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。また、喪失体験にまつわるエピソードが登場します。苦手な方はご注意ください。


●作品紹介

私はこの作品をプレイしたことを、一生忘れないでしょう。

****

狂気とは何か、目に、耳に肌に心に。
日常ならざるそれは観察され思索され絵に文字に綴られてきた。
感覚の外に人の外にあり、人の手で語られるもの。
深淵のふちを散策する、クトゥルーゲームブック短編集 第2弾

——「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」裏表紙より

****


永遠のクトゥルフ初心者ぜろです。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、杉本=ヨハネ著「最期の日に彼女は」に挑戦します。
「クトゥルー短編集」はそのタイトルのとおり、クトゥルフ神話を題材にしたゲームブックの短編をまとめたもの。「暗黒詩篇はその2巻になります。
この短編集には本作「最期の日に彼女は」を含め、6本の短編が収録されています。
「最期の日に彼女は」は、この作品集の6作目、つまり最後を飾る作品です。

・ヨグ=ソトースの飛沫
・白い小屋、赤い絶望
・忌まわしきグラファリアンの蛹
・クトゥルフ深話
・いあいあキャバクラ
・最期の日に彼女は

「クトゥルー」「クトゥルフ」の表記のゆれは、気にしないでください。どっちも意味は同じです。そういうものです。
私はなんとなく「クトゥルフ」表記がしっくりくるので、そちらを使うことが多いですが、作中の呼び方に合わせて臨機応変に表記は変わります。

さて、FT書房の短編集では、本の冒頭に作品紹介の四コマ漫画がついておりまして、そこで各作品の簡単なあらすじが紹介されているのが常です。
この作品にも、中山将平氏による四コマ漫画がついています。
まずはこの四コマ漫画の文章を拾って、作品の雰囲気をつかみましょう。


****

研究所に勤務している双子の姉が失踪した
必死で捜索するうち浮かび上がる手がかり
だが、その失踪の裏側には……
恐るべき真相が隠されていた
焦りで汗がしたたり、ページをめくる指が震える怪作!

****

やはりクトゥルフものには、怪しげな研究所がよく似合います。
何かよからぬものが関わっている雰囲気がプンプンします。
しかも自身の身内がそこに絡んでいるとなると、主人公もその事態から逃れられない予感がしますね。

そして、最初に言っておきます。
この作品をプレイして私が感じたこと。

私にとって非常に重要な意味を持つ作品でした。
もっと早くにプレイするべきでした。
ただ、同時に、この作品をプレイするために、私は自分自身と正面から向き合う必要がありました。
それは、とても重く辛く、そして幸せな記憶。
私のプレイには、それは欠かすことができませんでした。

この作品は、自分自身と向き合うだけでなく、そのことを語る機会を与えてくれました。
私は、この作品をプレイしたことを、一生忘れないでしょう。

なーんて意味深なことを書いていますけど、リプレイのノリは変えられないので、いつものぜろ節から始まるんですけどね。

パラグラフ数は61。
短編とはいえ、61パラグラフもあれば、いろいろなことができそうです。

冒頭のルール確認。
ステイタスがあるとかサイコロを使うとかいった、特別なルールはありません。
ゲームブックの読み方にのっとり、指定されたパラグラフを読み進めることで物語は進行します。
ただひとつ覚えておくこととして、今が何日目なのかは記憶しておくよう指示がありました。

あとは、指のマークがついているパラグラフでは、そのパラグラフ番号を覚えておいて進み、後ほど戻ってくるという形を取るようです。
昔からのゲームブックプレイヤーには通常「指セーブ」と言われているものを、ルール上説明したみたいな感じ。
ま、別に指示のないところでもやるときはやっちゃうんですけどね、指セーブ。

次いで、登場人物紹介があります。
ここで紹介されているのは2名。
双子の姉妹です。

西宮ハナ(にしみや はな):本編の主人公。双子の妹。無職。
西宮レナ(にしみや れな):主人公の双子の姉。感染症および寄生虫の研究者。

研究所に勤務している双子の姉。
双子の姉の研究所って、感染症とか寄生虫とかを取り扱ってるんですね。
クトゥルフ的にはヤバすぎるくらいにヤバい。
クトゥルフもの……というよりゾンビもので研究所とか製薬会社とかが出てきたら、ほぼ確実に事件と関係があります。
当然ですよね。事件と関係があるからこそ、登場させているとも言えますから。
世の研究所職員は、いつも黒幕的組織にさせられてしまうことに、複雑な思いを抱いているかもしれません。

実は、義姉が製薬関係の会社で働いているんですよね。
先日久しぶりに会ったときに義姉、「ぜろの仕事ってホント大変よね」みたいなこと言ってました。
私は「義姉の職場こそ、作品に登場するときにはだいたいゾンビウィルスとか開発してるから複雑よね」と返しておきました。

て、それよりも双子ですよ双子!

私ね、以前別作品のリプレイで、自身の萌え属性を暴露したことがあるんです。
それはね、メガネ! そう、メガネ属性です! メガネ大好きです! メガネスキーです!
身体的特徴とか性格的傾向とかじゃなくてメガネかよ! 付属物かよ!
それはそうなんですけど、好きなものは好きなんだからしょうがない。

諸君、私はメガネ女子が好きだ!! 大好きだ!

と、引かれるくらいに力説したんですよ。

で、それと並んで好きなんですよ双子! 双子属性! 双子キャラ大好き!
これまたキャラクター性じゃなくて設定的要素かよ!
それはそうなんですけど、好きなものは好きなんだからしょうがない。

諸君、私は双子キャラが好きだ!! 大好きだ!

なんとなく思い出すに、中学生の頃に同級生女子に双子さんがいて、「双子って、いいよね」と思ってしまったのが発端なんじゃないかな多分。思っただけで別になんもなかった。
それが高じて萌え属性に昇華してしまったみたいです。

ちなみにネットで萌え属性の一覧を検索したら、ちゃんとありましたよ、双子属性。
少数派かもしれませんが、私以外にもちゃんと存在しているのですね。

というわけで、もう双子ってだけで私の意気込みは違ってくるってものです。
しかも双子の妹が主人公とか。自分自身として行動できるキャラクターが双子の妹とか。

……で、ふっふーん。
どうやらこの作品、挿絵はないし、顔の特徴の詳細な説明もないみたい。
なら、主人公ハナさんも、双子の姉レナさんも、メガネキャラってことにしてしまいましょう。
双子で、しかもメガネ。ああもう私好みの属性てんこ盛りで、始まる前から幸せすぎます。

とはいえ、作品紹介の時点で双子の姉が失踪したことが語られていますので、今後の展開には早くも暗雲がたちこめているのですけれども。

さあ、引くほどに狂おしい私の煩悩を吐露したところで、挑戦をはじめましょう。

リプレイの文中は、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。


●アタック01-1 レナとハナ

私は、西宮ハナ。
双子の姉、レナと2人で暮らしている。

それは、1月の終わりのことだった。

朝、目を覚ますと、レナがいなかった。
どうやら、帰宅していないっぽい。

無断外泊なんて、これまでに一度もない。

これは、おかしい。
なにか、よからぬことが起きている。

私は、そう確信した。

たったの1日帰ってきていないだけで、なぜこうまで言い切れるのか。
双子だからこその共振とか予感めいたものとかか。

創作の世界では、そういった双子ならではの特別さ、みたいなものはときおり見られる。
そういうのは創作の中だけのこととは言え、私の背後のプレイヤーのような双子スキーにはまたとない萌え要素にもなりうる。

……だから、実は双子が入れ替わっていて、加害者と犠牲者を偽装するなんてトリックはいらないんだよ!(最近なんか見たらしい)
双子にはなかよしでいてもらいたいんだッ!

背後のプレイヤーは、そんなキモくてメタい願望を垂れ流しているが、ハナである私の知ったことではない。
むしろ全国の双子さんに失礼にもほどがある。
双子が仲良いのはね。常に一緒にいて、常に比較される中で、自分と違うもう一人に劣等感や優越感を抱きながら獲得していくものなの。
それを簡単に「双子だからなかよしさん」みたいに決めつけてほしくない。
背後はしょせんは設定だけの浅い双子好きってことね。
それを否定はしないけれど。

……困った。

あろうことか、この時点でプレイヤーたる私は、「この人には操作してほしくない」というキャラクター西宮ハナの意思を感じ取ってしまった。

だってキモいしウザい。
いちいち双子願望垂れ流しとかいらない。

キャラクターはプレイヤーの分身として操作するものだ。
ゲームブックの場合、選んだ選択肢の先の展開が思い描いていたのと違っていて、プレイヤーとキャラクターの間の思考に齟齬が生じることはよくある。
けれど、こんなケースは初めてだ。自分でキャラクターに語りをさせておいて、プレイヤーを拒否ってくるなんて。

さて、メタい話はこのくらいにしておいて、強引に話を戻そう。
萌え語りはここまでだ。ストーリーに全集中しよう。

私が、双子の姉レナが帰ってきていないことを、なぜこうも即断で異常事態だと言い切れるのか。
双子だから感知できる予感みたいなものは、多少あると言えばあるかもしれない。
でも、そんなことよりも決定的なことがある。

それはね。
レナは、私ハナのことが好きで好きで、好きすぎてたまらないのだ。
私、ちょっとどうかってくらいにレナに愛されちゃってるのだ。

今じゃスマホなんていう、便利な連絡手段もあるのよ。
だから私に告げずに無断外泊なんて、ぜったいにするはずがない。

私にとっては、これ以上ない確信だ。

なにかが、起きている。
それも、ぜったいによくないことが。

探さなければならない。
姉を、レナを、探さなければ。

ここで、物語前半の目的が提示された。

「双子の姉レナを見つけること」

物語前半の目的、か。後半にはまた違う展開が用意されているのだろう。

こうして、私の物語は幕を開けた。


●アタック01-2 レナと勤務先

レナは、ヤマト感染研究所という、隣の町にある会社に通っている。
別にゾンビウィルスを研究していることなんてない、いたって普通の研究所のはずだ。

土日休みの職場だ。昨日は金曜日だった。
つまり、土曜日の今日、姉は休みということだ。

1月の寒い中とはいえ、休み前の金曜日の夜なのだから、多少の寄り道くらいはするのかもしれない。
双子でも、普段の行動はまるで違う。
レナはこうして会社勤めをしているし、私は今はハウスキーパー状態だ。
レナのすべての行動を把握できているわけでは、全然ない。

そう。幸いと言っていいのかどうか、私は今は無職。探す時間はたっぷりとある。

ここで選択肢とともに、私が自分なりに検討した内容が並ぶ。

・姉の部屋を調査する
・警察に連絡する
・探偵を雇う
・姉の職場に連絡する

最優先で行うべきは警察への連絡だろう。しかし、いろいろ聞かれて時間を取られることは確実だ。
それに成人女性が一晩帰らなかっただけで、どのくらい動いてくれるものだろうか。
私の焦燥感と同じだけの思いを、警察官が持ってくれるとは思えない。

探偵を雇って探してもらうというのも方法だろうか。
しかし先立つものがない。レナに成りすまして銀行から出金すれば、あるいは。
事情を知れば、レナは怒らないかもしれないが、やはりあまり取りたい手段ではない。

そもそも、レナは職場に行き、それきり帰ってきていないのだから、まず真っ先には職場に連絡を取って確認してみるところからだろう。
土曜日で休みだけれど、繋がるだろうか。
感染研究所というくらいだから、貴重なサンプルの維持管理のために当番対応の職員がいてもおかしくはないかもしれない。

レナの部屋の調査も気になるが、まずはアクションを起こそう。
私は、姉の職場、ヤマト感染研究所に電話した。

ここで問われる。今はいつかと。
1、2日目と3日目で反応が変わるようだ。

1日目の結果を確認する。
留守番電話が流れた。土日は営業していないという。
仕方ない。その可能性も十分にあった。
あ、それで週明けの3日目には反応が変わるのか。

というか、土曜日が休みでもきっと誰かいるはず、なんて思考になってしまっている時点で、プレイヤーたる私の社畜っぷりはお察しというものだ。

留守番電話に流れる自動音声は、やけにザラザラした低い声だった。
わざわざ印象深くなるように描写されているように感じる。
こういう気になるポイントは、覚えておいた方が良いだろう。

プレイヤーたる私は、感染研究所というだけで、この会社そのものに何かあると踏んでいる。
ハナである私には、まったく思いもよらないことだけれど。

わざわざこの自動音声を印象づけているのだ。作中で、この印象的な声の人物は、必ず登場するはずだ。
それも、印象からしてあまり良くない方の人物な気がする。警戒しておいて損はないな。

さあ、次はレナの部屋を確認してみよう。
実はさっきの選択肢には、もう少し続きがあって、これがまた気になるのだ。

・姉の投稿情報を見つけているなら
・姉の携帯電話を見つけているなら

と、こんな具合だ。
実はさりげなく、この選択肢の順番にも意味がある。
投稿情報を見つけているなら、という選択肢が、携帯電話を見つけているなら、の先にきている。
「投稿情報」と「携帯電話」という情報があれば、普通は「携帯電話」で「投稿情報」を確認する、という順番を連想するだろう。
それが、そうではなく、投稿情報が先にきている。

これはつまり、携帯電話より先に投稿情報を確認できる可能性がある。
それはどこか。
そう、部屋のパソコンだ。

そして私はレナの質素な部屋で、デスクトップ型のパソコンを見つけた。
これを調べるには時間がかかりそうだが、調べるか、と問われる。

貴重な手がかりが得られるかもしれない。投稿情報とか。
私の行動は決まっていた。私は、パソコンを起動させた。

次回、パソコンから姉レナの投稿情報は閲覧できるのか。


■登場人物
西宮ハナ 主人公。双子の妹。無職。
西宮レナ 主人公の双子の姉。ヤマト感染研究所勤務。金曜日の夜から帰宅していない。
ザラザラした低い声の男 ヤマト感染研究所の留守番電話の音声。研究所員と思われる。

■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「最期の日に彼女は」
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/2484141


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2024年12月17日火曜日

これはゲームブックなのですか!? vol.113 FT新聞 No.4346

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『これはゲームブックなのですか!?』vol.113

 かなでひびき
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 かなではドールハウス好きです。
 それも、例えば引き出しの中にもきっちりモノが詰まっていたり、机の上に書きかけのメモ、読みかけのまま広がっている本なんかが残っていたりするような、「超」精密なもの。
 ドールハウスというのは、「人が住まう」ものの縮小版。
 言い換えれば、その人の人生観がみっちり詰まっている。
 つまり、耳を傾けると、その「部屋」「建物」自体が語りかけてくる。
 そんなものが大好き。

 というかね、家が着々とドールハウスに侵食されているの(;_;)
 うーん。このままだと、1/8人間ならぬ1/12人間になりたいわ。
 いきなりの『ウルトラQ』ネタから始まる、外見はJK? JC?
 だけど、中身はザ老害。
 バーチャル図書委員長かなでひびきだよっ!

 で、そんな「モノを語りかけるもの」満載な本が出ました。
『空想世界のもちもの』(著:るきち 日貿出版社)よ。

 ページを開くと、ほのかにさす光に照らされた一枚の地図。
「三つの大陸の人々がたどり着けなかった『名前のない土地』は、広大すぎて詳細な地図がありません。
 この地図は、幸運にもここに足を踏み入れたタリンが、もう一人の主人公エイシュンと旅をした成果を『世界地図(渡り図)』に新たに書き記したものなので、いまだ完成してません」
(本文より)

 なんか、このページだけで、そう、まるで、童話、あるいは絵本の最初のページを開いたワクワク感がハンパありませんっ!
 で、次のページにコンセプトが書かれているんだけど、背景コンセプトアーティスト、プロップデザイナーとして活躍されている著者のるきち先生が、中学、高校の時から温めていたものを書き溜めたものなの。
 ざっと言うと、地理の学者を目指すタリン君が、商隊に同行。まだ「名前の付けられてない」土地を巡る、というバックストーリーなんですけど、何ですか? この緻密な世界観は!?
 キャラクター紹介、その衣装から、その地域を代表する風景、そしてそこに住まう人々の家。食事。日用品なんかや小道具。紋章まで。
 家も、高原地帯ならいかにも民族風。都市部ならいかにも都市風。とちゃんと色分けしている。
 そして、その設定が細かいのよね。
 たとえば、衣装ひとつにとっても、下着からどのように上着を着ているのか。どのように小道具をつけるのか、実に細かく書き込まれている。
 特に、食事。
 ごちそうはもちろん、その原材料や、屋台に並ぶ姿。「商人の携帯食とお茶」「行商人の品々」そして「アンズ油づくり」まで。
 まさに宮崎アニメに出てくる「飯テロ」以上の素敵なサムシングが詰め込まれているわ!
 あるいは「民族」
 アジア系の香りがするんだけど、実在のどこの民族ともいえない、オリジナリティを確実に出している。
 そう、この本に出てくるものの形は「これだからこう」という理由がある。
 それが、この本のリアリティにつながっていってる。
 その姿は、まるでひとつの図鑑のよう!

 また、そのネタの出し方→つまりは岸辺露伴ライクに「全てものに目を通せ」ということなんだけど、具体的に出来るやり方で書いてあるし、パソコンを使った作画技術まで抑えてある。
 私的な話だけど、ちょっと眉をひそめたらゴメンナサイ。
 だけど、クリエーターを趣味としていても、あなたの周りにもいるんじゃないかなぁ?
 設定ばかりやたら凝っているけど、肝心の物語が動かない、って方。
 だけど、この本は違う。
 設定しか書いていないのに、まるで「見えない物語」があるようにグイグイと引き込まれていく。
 いわゆる「設定房」と、この本の違いは? と考えると、それは「根幹に物語がある」っていうことなんじゃないかなぁ?
 例えば、この本の中に、「創作するときに気をつけていること」ってコーナーがあるけど、その中に「第三者に見てもらう、言葉で設定を解説する」「自分と他人の共通する部分を探す」
ってとこがあるわ。
 結局「物語」が「もの」を「語る」なら、それは「第三者」に語らなきゃ意味がない。
 一方で「全体を見る」「創作世界の設定がぶれていないかチェックする」
 特に「一つ一つ絶対に完成させる」なんて言葉、なにか創作する方々にとって、基本だけど、もっとも厳しい難関かも?
 150ページにわたる詳細な設定だけど、物語と直接関係ないところまで煮詰めてあるから、絵、つまり設定だけ見ても「物語は語られる」
 逆に言えば、ここまで設定をつめてないと、物語は語りださない。
「設定だけ語って、後は読者が勝手に語ってくれる」などという言葉を吐くやからに限って「これだけじゃ何も浮かばないよ」ってうんざりするけど、この本はそういうことがない。

 この本をお勧めしたい方は、もちろん、「異世界の小道具や背景」ってどうやって「具体的に」作るんだろう、としている人。
「世界観」を建物や小道具で詰めていこうとしている方にもオススメ。
この細かな設定から、二人の物語、いや、この世界にまつわる人たちのお話を空想してみる、ってのはどう?
 まるで、小学校のころ、初めて出会った図鑑、そして絵本からどんどん空想が進んでいったように、これはまさに「大人の絵本」だと思うの。
「世界」から、物語を空想するのも、ひとつのゲームブックの形だと思わない?

 見逃せば人生後悔することウケアイ。


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

『空想世界のもちもの』
 著 るきち
 出版社:日貿出版社 単行本(ソフトカバー) 2024/2/15 2400円(+税)


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2024年12月16日月曜日

杉本がお休みをいただく話と【翼人】の登場☆ FT新聞 No.4345

おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
本日は杉本が多少のお休みをいただくお話と、HoDにて新登場の種族です☆


◆例によって。
毎年私は11月後半から12月前半の体調が悪いのですが、今年も例外ではありませんでした。
しっかりと冬季鬱をいただいてしまい、不眠と憂鬱が私を取り巻いております。
大体クリスマスの時期ぐらいからよくなるのですが、ここでムリをして長引いたこともあるので、お休みを取ることにしました。
お休みといってもFT新聞の記事は(短いかなと思いますが)書きますし、執筆のほうは「鬱になってもできるお仕事」に分類されているというか、かえって癒しになるというか、そういうところに属しているので、あまり外から見ると変わらないかもしれません。
ムリはできないので、執筆の量は減りますけれども。
また、最近はTwitter(現X)でアランツァ世界について語る言葉がタイムラインに流れていて、大きな癒しをいただいております。


◆クロスラインゲームスのご紹介☆
FT書房やそのメンバーが作ったグッズを販売、頒布するために、数年前に「クロスラインゲームス」というサークルが立ち上げられました。
リーダーは、FT書房では編集を担当する緋色朱音です☆

「ローグライクハーフ」のヒットを受けまして、ファンの方々から「グッズを作ってほしい」というご要望をいただくことが増えました。
その流れを受けて、最近このサークルが再始動したという話です。
冬のゲームマーケットではFT書房は1日目に、クロスラインゲームスは2日目に参加する予定です。
下に出展情報を掲載します……通販のほうは今しばらくお待ちくださいませ。

FT書房
12月29日(日曜日・1日目)
東 ネ26a

クロスラインゲームス
12月30日(月曜日・2日目)
東 ホ01b


◆今週の「ヒーローズオブダークネス」は【翼人】!
そんな環境でも、「モンスター種族で遊ぶローグライクハーフ」こと「ヒーローズオブダークネス」はコツコツと進行させております☆
今週の更新は【翼人】です。
さっそくいきましょう、どうぞ!

それではまた……。


↓「クロスラインゲームス」のTwitterアカウント☆
https://x.com/crosslinegames

・<翼人>
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_HoD_NewKindred_WingedPeople.txt


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2024年12月15日日曜日

Ψ『ヒットマンズ・ショーダウン』 FT新聞 No.4344

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オリジナル・カードゲーム
『ヒットマンズ・ショーダウン』

作:馬渡俊祐 
監修:岡和田晃
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●はじめに(岡和田晃)

 市販のトランプを使ってプレイでき、ダイスを用いた戦闘やTCGライクなデッキの構築、RPG的なキャラクター強化、何よりアツい駆け引きが楽しめるオリジナル・ゲームをお届けします!

 新鋭・馬渡俊祐氏の手になる本作は、東海大学文芸創作学科のゲームデザイン講義、2023年度秋学期の優秀作。講義内でプレイした、トム・レーマンの傑作ダイスゲーム『王への請願』や、ライナー・クニツィアによる競りゲームの古典『メディチ』(ボード版とカード版の両方を遊びました)の影響を感じさせつつも、エピゴーネンには終わっておらず、試していただく価値は充分にあるものと思います。

 パルプ・ノワールな世界観も"良い感じ"の雰囲気を醸し出していますが、バランスが練り込まれていて、私の監修時にも数値周りの調整は、ほとんどせずに済みました。 

 さあ、華やかなジャズの狂騒の裏、ヒットマンとマフィアのショーが始まりました!

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【ゲーム概要】
プレイヤー想定数:2〜4人
プレイ時間想定:1~2時間
ゲームシステム:ダイスゲーム、競り、デッキ構築
必要な道具:紙、ペン、6面ダイス数個、トランプ(Joker2枚が入った54枚のもの)

【背景説明】
 世界有数の治安の悪さを持つ狭き都市、「グッドナイト」。そこで行われた、総支配人Angelによる定期ヒットマンズ会議。黙々と進められる会議の最中、誰かがこういった。「一番優れている組織はどこなのだろう」と───
 その瞬間、ヒットマン同士の華麗で残酷なショーが幕を開けた。目的は一つ。「この都市で一番のヒットマンチーム」になるために。最も金を稼ぎ、のし上がる組織はどこなのだろうか。

 "では、6週間後の定期会議での報告を楽しみにしていますよ。──Angelより"

 プレイヤーは4種類のヒットマンチームのいずれかを担当し、可能な限りの資金を集め、グッドナイトでのヘゲモニーを獲得を目指すことになります。

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↓【ゲーム本編】はこちら
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