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2026年10月29日木曜日

D&D第4版リプレイ〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜 第2回 FT新聞 No.5027

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち 〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜 連載第2回 岡和田晃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ▼前回まで  フェイスパイア地下の「予言の洞窟」でドラゴンの予言者イェスリン・リーンと出会った一行。そこでネディアは、かつて別の時代にドラウの二刀流レンジャー、リアーナとして生き、イェスリン・リーンとともにドラゴンの力を悪用しようとする敵と戦っていた記憶を取り戻した。  さらに、洞窟に刻まれたドラゴンの文様が脈動を始め、一行へ奔流のような力が流れ込む。かつてレッケンマーク444——サロから与えられた知識さえ上書きされるような感覚のなかで、彼らはドラゴンマークやウォーフォージドを動かす力の根源、そして周囲に広がる巨大なカイバー・シャードの鉱脈の存在を垣間見る。  カルナスがフェイスパイアを制圧し、この場所を掘り崩せば、狙われているのは魔法資源としてのカイバー・シャードだけでは済まない。地下に封じられた異形や悪しき存在まで解放されるかもしれない。そして、リアーナが遠い過去に戦った敵と現在の危機もまた、切り離されたものではないらしい。  “竜の予言”とは何なのか。それを力として利用することは可能なのか。サナを蝕む“穢れ”、ウォーフォージドの生命、そして一行自身の「ありえた人生」まで巻き込みながら、予言の洞窟はさらに深い秘密を見せ始める。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ DM:ダンジョンマスター(岡和田晃) ネディア:ヒューマンのレンジャー(PL:中山葵) ヘルメス:ヒューマンのアーティフィサー(PL:カナイセイジ) クシュタリ:カラシュターのパラディン(PL:見田航介) ベック:ウォーフォージドのファイター(PL:高橋志行) ジュス:ティーフリングのウィザード(PL:ノダソル) ●“予言”は力になるのか DM:そして、別の場所にある“竜の予言”の力を悪用しようとしている連中がいる。それを穢し、予言から引き出した力を使おうとしているようだ。 ベック:予言はエネルギーになるのですか? DM:どうやって引き出すのかはわかりません。ただ、得体の知れない大きな力が眠っているのは間違いない。  ここでDMが問題にするのは、“竜の予言”を単なる未来予知として読むことではない。むしろ、過去・現在・未来にまたがる可能性の総体を記述する情報構造として捉える。ここではむしろ「可能世界」の考え方を手がかりに、“竜の予言”を説明していく。現実に選ばれた歴史だけが唯一の歴史なのではなく、「そうであったかもしれない」複数の世界が可能性として併存する。 DM:SFでたとえるなら、フレドリック・ブラウンの『発狂した宇宙』が近いですね。SF雑誌編集者のキース・ウィントンがロケット事故をきっかけに、自分の世界とよく似ているけれど、別の歴史をたどった宇宙へ移ってしまう。そこでは宇宙旅行や異星人との戦争といった、彼の世界ではパルプSFの題材だったものが現実になっている。 ベック:似た世界ではあるが、同じ世界ではない、と。 DM:そう。重要なのは、片方が単なる幻で、もう片方だけが本物だということではない。異なる条件から成立した世界が、それぞれの内部では現実として整合している。『発狂した宇宙』は1940年代のパルプSFを風刺した作品でもありますが、ここではその「別様にも成立しえた現実」というところをイメージしてほしい。 ネディア:つまり、リアーナのいた過去も、いまの私たちと無関係な昔話ではない? DM:ええ。“竜の予言”が扱っているのは、一本の確定した未来というより、世界が取りうる複数の歴史の配置なのかもしれない。だから予言を歪めるということは、未来を当て外れさせるのではなく、どの可能世界が現実として成立するか、その条件へ手を入れることになる。 DM:リアーナが戦っていた時代と、いまネディアが生きている時代は繋がっている。予言への介入は、未来を予測して変更するだけではない。過去を含む歴史の系列そのものを書き換える可能性がある。巨大な歴史書の一節を書き換えれば、前後の記述まで別の意味を帯びる——そう考えてください。 ベック:私たちが最終戦争を終えて旅をしている現在も、ひとつの可能性にすぎない。 DM:そう。いくつもの“ありうべき世界”が可能性として並立し、その均衡の上に現在が成立している。何者かが“竜の予言”へ介入するということは、その可能性空間の一部を恣意的に選び、歴史をそこへ収束させようとすることなのかもしれない。 DM:たとえば——善良な生娘が、謎の怪物に変わってしまうかもしれない。 一同:それはわかりやすい(笑)。  この例は、そのままサナに起きている異変へ接続する。彼女の病は身体だけの問題ではなく、本来なら別の姿であったはずの存在が、何らかの干渉によって異なる可能性へ押し流されている現象なのかもしれない。救うべき対象は症状だけではなく、「どの歴史が現実になるか」という条件そのものなのである。 ●ウォーフォージドと“竜の予言” DM:ベックの場合は、こういう可能性が見えてきます。最終戦争の時代、ウォーフォージドを動かしていた力の精髄の一部が、“竜の予言”と関係していたのではないか。人工的に造られた身体へ生命を成立させるため、予言の力を分有しているのではないか——。 ベック:我々を造るために、“予言”の力を借りてきた? DM:というキャンペーン独自の仮説(笑)。3.5版ではプロト・ウォーフォージドなども大きなテーマでしたが、このキャンペーンでは、そういうものと“竜の予言”がシンクロしているのではないか、と。  これはエベロンの公式設定そのものではなく、このリプレイ独自の仮説である。しかし、サロ、ゴッドフォージド、ロード・オヴ・ブレードと、これまでベックが触れてきた問い——「ウォーフォージドを生かしているものは何か」——に新たな角度から答えるものでもあった。 ●ありえた五人 ジュス:これを手に入れれば、ジュス団は世界征服できるかも。 DM:ジュスは悪の道へ(笑)。性格を“悪”にしてください。 ジュス:最終回で裏切るとか? DM:そこまではやらないかもしれないけど(笑)。  “竜の予言”に触れたことで、一行には「別の選択をした自分」の姿まで見え始める。ジュスには、いま以上に悪へ踏み込む自分が見える一方、「俺は女子供からは物を盗らん」と言い切る、妙にきれいなジュスの可能性まで現れた。 クシュタリ:私が見たいとすれば、シルヴァー・フレイムなり、悪の殲滅に関わるものじゃな。 DM:では、シルヴァー・フレイムに仇なすデーモンたちとの戦いが見える。ロード・オヴ・ダストという秘密結社です。ローブの奥で目を光らせる者たち。中には虎の頭をした者もいる。 クシュタリ:タイガーマスク? DM:ラークシャサです(笑)。  ラークシャサとは、虎などの獣の頭を持つ人型の姿で知られる強力な魔物である。エベロンでは、太古の“デーモンの時代”を生き延びた魔物の代表格で、秘密結社ロード・オヴ・ダストでは、各地の支部を統括する“カイバーの牙”の多くをラークシャサが務めている。変身と欺瞞を得意とし、“竜の予言”をめぐって暗躍する恐るべき存在だ。ロード・オヴ・ダストにとって、その「主戦場」はまさに“予言”なのである。 DM:ベックには、もっと直接的にいくつもの人生が見えます。冒険に出る前に破壊されてしまった自分。主人を殺し、ウォーフォージドこそ神に愛される存在だと信じる自分。ロード・オヴ・ブレードの一員となった自分……。 ベック:そうした人生を選び取らず、いまある形に落ち着いていることは、なんという奇跡なのだろう。 DM:サイエンスの向こう側にあるものを目にしたような感じですね。  ウォーフォージドであるベックが「奇跡」という言葉に行き着いたのは、何とも皮肉で、同時に彼らしい結論だった。 DM:ではヘルメス。ヘルメスは“予言”そのものにはあまりピンと来ない。ただ、それがすばらしい秘術の力であることはよくわかる。適切に用いれば、より多くの人を救えるということも。 ヘルメス:使い方次第、ということだな。 ●予言と予言が共鳴する DM:そして——“予言”が、別の“予言”と共鳴しているのがわかります。 一同:ドラゴンレーダーに反応が(笑)。 DM:視界が開く。見えるのは——シャーンです。  塔が天を衝く巨大都市シャーン。そのどこかで、何かが蠢いている。ロード・オヴ・ダストの影。そして、もうひとつ。シャーンへ向かって空を進むものが見えた。 ジュス:黒い不定形の何か? DM:いや、飛空艇です。 ヘルメス:飛空艇? DM:その船体には——“フィッツギボン商会”と書いてある。 一同:なんという親切な!(笑) ヘルメス:じゃあ、シャーンへ行けば、フィッツギボン商会に会えるということか。  テリクの闇市場以来、一行が追い続けてきた名が、ここで再び現れた。“竜の予言”が示した次なる目的地は、シャーンだった。 (つづく) “『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち 〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜” is unofficial Fan Content permitted under the Fan Content Policy. Not approved/endorsed by Wizards. Portions of the materials used are property of Wizards of the Coast. (c)Wizards of the Coast LLC. ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。