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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第34回
「中立種族」
(中山将平)
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おはようございます。
「ゲームマーケット2024秋」と「TGFF2024秋祭」に参加してきたイラストレーターの中山将平です。
ゲームを愛する様々な方とお会いできるのは、とても楽しく嬉しいものだと思っています。
11/30(土)と12/1(日)は大阪なんばOCAT1階広場で開催の「蛙びとの集いin OCAT」に、「カエルの勇者ケロナイツ」のポストカードやステッカーを持って個人として参加予定です。
FT新聞で自分個人のイベント参加をお知らせすることは少なかったと思いますが、今回はこの記事と若干関係ないこともないかと思って書いてみました。
さて、今回の記事でも、もう一度ファンタジーにおける「種族間の関係性」について書こうと思います。
前回は「友好種族」について扱ったので、今度は「中立の立場にある種族」(中立種族)について書いてみます。
カエル人の世界フログワルドにおいて、カエル人に対して中立的な種族として設定したのは、エボシカメレオン人・ユキウサギ人・ピラニア人・マンドラゴラ人……そしてヒト族など。
彼らは友好種族とは違い、「基本的には味方である」と確信できない連中です。
関わり方次第では敵にも味方にもなるため、油断のならない存在といえるでしょう。
こういう種族をファンタジー世界で描くとき、「カエル人の創作」から学んだことを語ろうと思います。
ファンタジーを楽しむ一助になりましたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ 3つの結論
今日も結論から申し上げましょう。
この記事でお伝えしたいことは3つあります。
一つ目は「中立種族を描くことは、かなり楽しい」ということ。
二つ目は「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」ということ。
三つめは「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」ということ。
それぞれについて追いかけていきます。
◆ 「中立種族を描くことは、かなり楽しい」
一つ目にお伝えしたいことはいたって単純です。
中立種族って、描くのが相当楽しいということ。
友好種族や敵対種族は、「相手がどう反応するか」およそ予想がつく相手。
中立種族は、その反応が分からないために面白いと感じています。
冒険の中で出会った時、お互いに探り合いながらの対応になるため、「どちらに転ぶか分からない」ドキドキ感が演出できる相手だと思います。
僕は「カエル人のTRPGシナリオ」を作る際、一つの冒険の中で、できるだけ「友好種族・中立種族・敵対種族」をそれぞれ登場させるようにしていました。
プレイヤーが感じる「刺激」のバリエーションを作りたいと思ったためです。
実際にそれで遊んでみたところ、やはり「中立種族」との関わり方が一番プレイグループごとの違いが生まれる箇所で、GMとしても楽しめる要素でした。
あるプレイグループは中立種族と対立し戦うことを選びましたし、別の方では手を組んで一緒にボスと戦うドラマを生んだりもしました。
◆ 「遭遇時の探り合いの方法に工夫があると盛り上がりやすい」
二つ目にお伝えしたいことは、ある意味一つ目の内容をより詳細にしたお話です。
中立種族と出会った時、探り合いの方法に工夫があることが盛り上がりの助けになるということ。
例えば、「相手と言葉が通じない」という状況があると、敵かもしれないと互いに疑っているときまさに一触即発となることが予想できるのではないでしょうか。
二つの中立種族が争っている場面に出くわしたのであれば、加勢するか無視するか仲裁するか、加勢したとしてどちら側につくかで物語は大きく変わるはずです。
これらの工夫については、いくつかの類型に分けられるように感じていました。
以下に5つほどサンプルを書いてみますが、他にもきっとたくさんあると思います。
・ コミュニケーションに問題がある場合
・ 相手または自分の状況が平常時ではない場合(戦っている・囚われているなど)
・ 相手または自分の状態が平常時ではない場合(重傷を負っている・操られているなど)
・ 物語の背景によって関係性が特殊になっている場合(依頼主があらかじめ口利きしてくれているなど)
・ 相手の正体がはっきりしない場合(似た種族かもしれないと疑わしい場合など)
◆ 「中立種族との関係が物語を共有する意味となる」
三つ目にお伝えしたいことは、実は一番重要なのだと思っています。
中立種族との関係性こそが、「物語を共有すること」……つまりゲームなどの形の創作をすることそのものの「意味」と深く関わっているということです。
なぜTRPG等のゲームを遊ぶのか。その楽しさが、自分にとってどこにあるのか。他の人にとってどこにあるのか。共有できるものは何なのか。
よく考えます。
TRPGを遊ぶ楽しさの核となるものは「価値観の共有と差異の認め合い」にあるのではないか。
他のゲームでも、冒険は楽しむことができる。物語を共有することもできる。しかし、あらゆる選択肢がありうるTRPGだからこそ「最もやりやすい」とおもえることもある。
それは、それぞれの参加者の「納得」や「満足」を共有することでその価値観を互いに知り、違いを認め合えることなのではないか。
そんな風に感じています。
それがどうやら、僕がこのゲームを好きな理由でもあるようなのです。
もちろん、これは僕の個人的な好みの話なので、万人に共通するような類のものではないでしょう。
ひとりの個人、ひとりの創作家として、ただこのゲームをそのように楽しみ共有したいと考えている……という話と受け取っていただけましたら。
それだけに、僕にとってこの「価値観が浮き彫りになる場面」がとても大切なのです。
中立種族との出会いは、様々な分岐があり得るだけに、プレイヤーやキャラクターの価値観を浮き彫りにするものであると感じています。
だからこそ、大切にしたいものだと思うというお話でした。
◆ まとめ
今日は「中立種族」について学んだ3つのことを共有させていただきました。
「私はこう考えてるよ」などご感想をいただけましたら、励みになります。
では、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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