おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
1月第1日曜に配信予定のローグライクハーフd66シナリオは商業都市ナゴールが舞台になります。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイド『商業都市ナゴール』を再配信いたします。
初出では前編・後編に分かれていましたが今回はまとめて、更にイラストURLも再掲載いたします。
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
カメル・グラント教授が商業都市ナゴールにたどり着くころ、季節は夏を迎えようとしていた。
春には桜の花が咲き乱れることで知られる桜森も、この季節には力づよい、緑の葉をつけた木々が茂っている。これが桜だと知らない者には、春の光景は想像もつかないだろう。
森を抜けた先に、大きな街が見える。
なだらかな丘陵に沿って、緩やかに広がる街。
港には大小さまざまな船が停泊している。
商業都市ナゴールへと、やってきたのだ。
◆登場人物。
カメル・グラント教授……オレニアックス剣術学校で生物学を教える。心優しく誠実なラクダ人。
ソーニャ・ドルチ……アランツァ世界唯一の「全国展開する宿屋」〈剣竜亭〉の総支配人。
「骨董品王」ダビデ……骨董品の売買で成り上がった古物商。
◆活気に満ちた商業都市。
ナゴールがこのアランツァ世界で最も盛んな経済地域である理由は、ふたつある。
ひとつはこの場所が広くなだらかで、他の都市と比べると安全な地域に属しているからである。
もうひとつは陸路と水路の交差点に位置しており、世界中からさまざまな交易品が集まること。
他の土地と比べると、人の顔もやや穏やかに感じられる。
商店街は品揃えも豊富で、活気に満ちている。
背の低いコビット(小人)たちが快活に走りまわって、商品を運び込んだり出ていったり。
街の中心部はかなり密な空間であるため、彼らのような小柄な種族は商売に有利なのだ。
小柄で、素早く、商売熱心。
ナゴールの経済の{ルビ:いしずえ}礎{/ルビ}となっている「みっつめの理由」を、カメルは見た気がした。
◆裏路地と骨董品街。
人が健全に流れる表通りから離れたカメルは、古い建物が目立つ「旧市街」へと足を踏み入れる。
さまざまな骨董品を扱う店が立ち並ぶ、骨董品街である。
新市街で取引される商品は新しいが、ここにあるものは古く、そしてしばしば珍しい。
黒エルフや豚耳トロルのような種族が取り仕切っていることが多いが、もっとも有名なのは「骨董品王」ダビデであろう。
どうやって造るのか、骨でできた馬〈骨馬〉を扱うことで有名だ。
このクリーチャーは【アンデッド】だが従順な【騎乗生物】で、持ち主に逆らうことがない。
骨董品街を堪能した後に、カメルは表通りに戻る。
今晩の宿である〈剣竜亭〉で、人と会うためである。
【イラスト】
ダビデと骨馬 - 『かえる沼を抜けて』より by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/BoneHorse.jpg
古物商の黒エルフ・マルガ - 『かえる沼を抜けて』より by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/BlackElf.jpg
古物商の豚耳トロル・ボーバ - 『かえる沼を抜けて』より by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/PigEarTroll.jpg
◆〈剣竜亭〉とソーニャ。
{斜体}
店員は女性が8割。酒の出ない宿屋。ここより健康的な雰囲気の宿屋など、見たことがない。
若干18歳の女性主人、ソーニャ・ドルチは、初めての客である君に挨拶に来た。
人に距離を感じさせない、独特の笑顔。細くてすらりとした、筋肉質の腕。黒の衣装とかわいらしい金のピアス。赤いビロードのスカーフが、笑うたびにひらひらと動く。
ソーニャ・ドルチ。
英雄サウルの娘。
大陸中央にある商業都市ナゴールで、その名を知らぬ者はない。
明るく物怖じしない性格。非常に社交的。記憶力がよく、人間を愛している。
誰でも気分よく使える宿を演出した、現在の剣竜亭の考案者。
清潔な雰囲気。暴力の匂いのしない店員。冒険者どうしが気軽に交流できる間取りや、掲示板システム。それらすべてをたった1人で考案し、ナゴールでもっとも活気ある宿屋を作り出した。
ここは剣竜亭。酒も賭博も麻薬もなく、色を売る男女もいない、世界でたった一つの宿屋。
剣竜亭の一夜がはじまる……。
{/斜体}
──『ガリィ・ザ・ダークの冒険』より
カメルは教え子が書いた冒険小説の一節を思い出しながら、〈剣竜亭〉の扉を開く。
「いらっしゃいませ!」
小説の冒頭と同じように、はつらつとした声で店員が迎えてくれる。
カメルは店員の1人に近づいて、用件を告げる。
「ソーニャさんと待ち合わせている、カメル・グラントです」
店員はにこやかにうなずくと、カメルを2階へと案内する。
◆ソーニャとカメル。
「おじさま! また会えましたわね!」
ソーニャ・ドルチは満面の笑みを浮かべながら、ほっそりとした長い腕を広げて歓迎の意を示す。
ほがらかな笑い声に心が安らぐ思いをしながら、カメルはハグと{ルビ:ほほ}頬{/ルビ}へのキスを交わす。
「大きくなったね。お父さんは元気にしているかな」
ソーニャはうなずいて、子どものように笑う。
「ええ、もうそれはそれは。猟に釣りにと繰り出して、毎日のように何か奪ってくるわ」
ソーニャの父親であるサウル・ドルチは冒険者で、一時期はカメルの教え子だったのだ。
カメルはソーニャに促されるままに、ビロードの敷かれた赤いソファに腰かける。
「君が作った〈剣竜亭〉は、素晴らしいね。カラメール市でも泊まったが……安心して眠れるというのは旅人にとって、何よりの財産だと感じたよ」
ソーニャはくすぐったそうにほほ笑む。
「うまくいっているのは、店員たちのおかげです。若いうちから〈剣竜亭〉で働いてくれているから、とても呼吸が合うの。なにより大切な、私の仲間だわ」
ソーニャは定期的に孤児院を訪れる。そして、身寄りのない子どもから、見込みのある者を引き取って「店員」として雇い入れる。
子どもたちは〈剣竜亭〉で働くか、そのまま修道院で大人になるかを、自分の意思で決める。
たった10歳でも大人扱いなのだ……世界は待ってくれない。
慈善事業ではない……「店員」になればいい暮らしはできるが、この店を保つための労働は過酷である。
いいことかどうかは分からない。
ただ、子どもたちの多くが、この環境を受け入れて育ち、一人前になった後も〈剣竜亭〉に残り、店長として各都市に散っていく。
〈剣竜亭〉の土台となっているのはソーニャがもつ、子どもが将来どう育つかを見極める力。
そして、愛情なのだ。
最初の子どもたちが大人になり、色々な街に散っていって以来、ソーニャは1年の半分近くを旅に費やし、世界中にある〈剣竜亭〉で働く養子たちのケアをするようになった。
ソーニャとカメルの歓談は続き、カメルはナゴール周辺の知識を仕入れていく。
【イラスト】
剣竜亭 - 『かえる沼を抜けて』より by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Swords&Dragons.jpg
◆桜森と桜谷。
商業都市ナゴールの周辺には桜森があり、春には美しい桜が咲き乱れる。
この森には樹の精〈ドライアド〉をはじめ、超自然的なクリーチャーが住んでいると言われる。
そのため、街のそばだからといって、街道をうかつに離れるのは危険だ。
その昔、ディラットの名で知られる魔法使いが造った大きな地下迷宮があって、冒険者たちが訪れていたという(※)。
桜森の片隅には、桜谷と呼ばれる小さな谷がある。
そこに住む〈ジグリ・ザグリ〉と呼ばれる種族は、〈悪魔の実〉と呼ばれる危険な動く植物の子孫である。
にも関わらず、彼らは人間ら【善の種族】を愛し、機会を求めては友だちになろうとするのだという(※※)。
【イラスト】
〈ジグリ・ザグリ〉 by Huargo
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Zigli-Zagli.jpg
◆かえる沼。
桜森の北側にはかえる沼の名前で知られる、湿地帯が広がっている。
ここにはかつて、かえる人と呼ばれる【少数種族】が住み着いていた。
そこに〈ドラゴン〉が飛来して、彼らは散り散りにされてしまった。
ナゴールから桜森を経てかえる沼を抜ける交易ルートは、〈ドラゴン〉がこの湿地帯を占拠して以来、長らく閉ざされていた。
最近になってこのルートが再び開拓されて、がっぽり稼いだ交易商人が現れたらしい。
冒険者でもあるこの人物はかえる人の王から「フロッグ卿」の名前をもらい、叙爵までしたという(※※※)。
この地の冒険は危険だが、見返りを求めて挑む者も多い(※※※※)。
◆まとめ、あるいは補足。
ナゴールはこの大陸で最も重要な流通の中心地である。治安は「ややいい」程度で、街の中でトラブルが起こることはあまりない。東西の流通のみならず、海運業も盛ん。商業に関わる冒険を見つけることは容易だろう。商人や船乗りにはコビット(小人)と呼ばれる、人間の半分ほどの身長の種族が多い。
ナゴールには冒険者の宿として最も有名な「剣竜亭」の本店が存在。この宿を設立したのが本編に登場するドルチ家。ドルチ親子(冒険者サウル・ドルチとその娘ソーニャ)には人を惹きつける風貌と家柄があると言われている。
サウルは中年期にあり、若い頃の社交性を失い、1人でいることを好むようになった(本編でカメルと会う約束をしていないのはそのため)。一方で娘のソーニャは人脈を広げて続けており、冒険者が有望であれば仲良くなろうとする。
商業に関する話なら、この街ではダビデ家の存在が頭ひとつ抜けている。ナゴールで最も盛んな商売のひとつが骨董品売買で、これは古い時代の魔法の装備品を取り扱っている(その多くは「希少な装備品」と呼ばれる)。ダビデ家はナゴールにおけるこの商売の第一人者であり、今の時代では珍しい魔法の装備品をどこからか見つけては、市場で売り抜ける。
この街は豊かで、スタンダードな冒険の舞台に向いている。東にはスウォードヘイル山脈の南端が、西には平原がある。北には桜森とかえる沼、南にはトルトゥガ湾があり、さまざまなタイプの冒険の舞台に適している。
※……『ディラットの危険な地下迷宮』は読者参加型のゲームブックで、それぞれの部屋を読者が作り、謎の「ルームマスター」(杉本=ヨハネ)が全体をまとめた作品。現在は絶版。
※※……〈ジグリ・ザグリ〉は桜谷に生息するクリーチャー。人間に特別な友情を感じる{ルビ:トレント}動く植物{/ルビ}で、カボチャ状の大きな頭部とギザギザの牙、たくさんの触手を持つ。
※※※……交易商人がかえる沼を探索するゲームブックは『かえる沼を抜けて』。
※※※※……かえる沼を舞台とした冒険は『かえる沼を抜けて』の他に、『ゲームブック短編集 ハンテッド・ガーデンハート』内に収録の「かえる沼の龍神」がある。
↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png
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2024年12月22日日曜日
2024年12月21日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第619号 FT新聞 No.4350
From:水波流
今年はブラックフライデーに執筆用UMPCを購入したけど。去年は何買ったんだっけ……と思ったら、爵位を買っていたのでした。
そう、ワタクシ一応、シーランド公国男爵です。
from:葉山海月
知人の娘が、ちょっとしたことで家を飛び出しました。
あたりは夕方過ぎ。もう真っ暗の夜。
知っているとこをすべて廻り、なじみの屋台の主人にも声かけしました。
しかし、見つからない。
途方に暮れて帰ってくると。ウチにいました!
後で、屋台の主人にお礼に行くと。
「なぁにね。ちょっと手を回しておいたんですよ」とニヤリ。
ホンモノのプロがここにいます!
from:中山将平
今日こそ、本当の本当にはっきりと伝えします!
僕ら12月29日(日)「コミックマーケット105」1日目にサークル参加します!
ブース配置は【東ネ26a】です。ゲームブックやローグライクハーフ等々を扱います。
さらに、僕個人はその次の日(12月30日月曜日)同イベントの2日目に「クロスラインゲームス」(FT書房とは別のサークル)の一員として参加します!!
こちらの配置は【東ホ01b】です。RLHのグッズ等を扱います。
ぜひ両方の日に遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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■12/15(日)~12/20(金)の記事一覧
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2024年12月15日(日) 作:馬渡俊祐 監修:岡和田晃 FT新聞 No.4344
Ψ『ヒットマンズ・ショーダウン』
・世界有数の治安の悪さを持つ狭き都市、「グッドナイト」。そこで行われた、総支配人Angelによる定期ヒットマンズ会議。黙々と進められる会議の最中、誰かがこういった。「一番優れている組織はどこなのだろう」と───
その瞬間、ヒットマン同士の華麗で残酷なショーが幕を開けた。目的は一つ。「この都市で一番のヒットマンチーム」になるために。最も金を稼ぎ、のし上がる組織はどこなのだろうか。
"では、6週間後の定期会議での報告を楽しみにしていますよ。──Angelより"
市販のトランプを使ってプレイでき、ダイスを用いた戦闘やTCGライクなデッキの構築、RPG的なキャラクター強化、何よりアツい駆け引きが楽しめるオリジナル・ゲームをお届けします!
新鋭・馬渡俊祐氏の手になる本作は、東海大学文芸創作学科のゲームデザイン講義、2023年度秋学期の優秀作。
オールスター悪役による華やかなジャズと血煙、そして悲鳴の狂騒と書いてノワールと読む本作!
どうぞお楽しみください!
2024年12月16日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4345
杉本がお休みをいただく話と【翼人】の登場☆
・本日はHoDにて新登場の種族です。
ズバリ、翼ある人、翼人!
その姿が表すように、天使を彷彿させる数々の技能!
ご堪能ください!
そして、また「クロスラインゲームス」というサークルの再起動!
「ローグライクハーフ」のヒットを受けまして、ファンの方々から「グッズを作ってほしい」というご要望をいただくことが増えました。
その流れを受けて、最近かのサークルが再始動したという話です。
冬のゲームマーケットではFT書房は1日目に、クロスラインゲームスは2日目に参加する予定です。
下に出展情報を掲載します……通販のほうは今しばらくお待ちくださいませ。
↓「クロスラインゲームス」のTwitterアカウント☆
https://x.com/crosslinegames
お休みをいただいてさえこの記事を書いている!
燃えるゲーム職人! 杉本氏に熱い応援よろしくお願いします!
2024年12月17日(火) かなでひびき FT新聞 No.4346
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回取り上げる本は、『空想世界のもちもの』(著:るきち 日貿出版社)よ。
ざっと言うと、地理の学者を目指すタリン君が、商隊に同行。まだ「名前の付けられてない」土地を巡る、というバックストーリーなんですけど、具体的なストーリーは一切なしで、具体的に緻密に創られたガジェット、建造物からは、読者一人一人のオリジナルストーリーが生まれてくるはず!
例えば子どものころ、数々のオモチャは、我々を異世界へ連れていく創造の翼でした!
そのようなおもちゃ箱感覚で、あなたを想像をくすぐる本。これもゲームブック!?
興味のある方はぜひ!
2024年12月18日(水) ぜろ FT新聞 No.4347
第1回【最期の日に彼女は】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第416回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、トリを飾る作品、『最期の日に彼女は』に挑戦いたします!
****
研究所に勤務している双子の姉が失踪した
必死で捜索するうち浮かび上がる手がかり
だが、その失踪の裏側には……
恐るべき真相が隠されていた
焦りで汗がしたたり、ページをめくる指が震える怪作!
(本文より)
****
姉を、レナを、探さなければ。
そう決意した妹のハナ。
手始めに姉の職場、ヤマト感染研究所に電話したハナだったが
……。
『ファミコン探偵倶楽部』などの懐かしいアドベンチャーテイストを彷彿させる、かっちりとした伏線で構成された本作。
捜査開始です!
2024年12月19日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4348
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.22『猫の女神の冒険』その3
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれ、今はズィムララ世界の猫の女神セクメトにクリスタル・スカル探しに雇われた、グレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ニャルラトホテプへ地球や仲間達を滅ぼされた恨みを晴らす力を手に入れるべく、彼女の腹心テン=メアと一緒に冒険に旅立った。
その第一歩として、目的地のピラミッドにほど近い廃都トゥー=エバンへ向かったところ、テン=メアが蛇人間達に襲撃されてしまった!
深尋は、テン=メアを助けるべく、初めての戦闘に臨むのであった、しかし……。
蛇人間との対峙では不覚を取ってしまう。
気を取り直して、ピラミッド探索に向かう一行なのだったが……。
ポップでライトな文体が読ませる冒険譚にご注目!
2024年12月20日(金) 休刊日 FT新聞 No.4349
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(蒙太辺土さん)
【翼人】リリースありがとうございます!
まずちょっと確認ですが、[一滴の力]の効果についてです。
幸運点が底をついて"0になった場合に限り"1点だけ回復する能力、ということでよかですかね?
別な話、フレーヴァーテキストと言うのでしたっけ?
いつも楽しく味わいながら読ませてもらってます。
必ずある訳じゃないところもイイなぁ、と思ってます、挿し絵みたいな感じで。
[一滴の力]のものも好きですが、別の意味で楽しい[尊き加護]のテキストはちょっと笑ってしまいました。
"無料で購入できる消耗品みたいな扱いは、あんまりです"のくだり。
そのようにデザインしたのも、この慈悲深い台詞を書いたのも同一人物なわけでしょう?
ね、杉本センセ?(笑)
季節ものの心身のご不調の件ですが、どうか無理なさらずご自愛なさって心穏やかにお過ごしくださいませ。
私も年頃なのか今年はニュースでも話題になった感染症をコンプリートしまして、心身を病むツラさわかります。
色々な癒しや"よそ見"なんかを活用なさって杉本先生やFT書房の皆さんが楽しく豊かに過ごされることを願っておりますですよ!
(お返事:杉本=ヨハネ)
ありがとうございます☆
>幸運点が底をついて"0になった場合に限り"1点だけ回復する能力、ということでよかですかね?
幸運点が何点であっても、1点へと変更する特殊技能です。
似ているようで異なる場合もありますので、「書いてあるとおり」だと解釈してください。
どんなケースかは想像してください、一例を挙げるなら【魔術点】や【幸運点】が高いキャラクターに襲いかかるクリーチャーがいるときに、自分の【幸運点】を綺麗サッパリ捨てるほうがいい状況があるかもしれません。
もちろん、0点になった際に使うのが、主な使い方になると思います。
この【種族】が持つ、独特の粘りづよさを表現する特殊技能です。
>そのようにデザインしたのも、この慈悲深い台詞を書いたのも同一人物なわけでしょう?
ね、杉本センセ?(笑)
客観的にはそう映ると思うのですが、私はアランツァの世界を表現している代理人です。
向こうの世界の情報をカメル・グラント教授がまとめて、それを私がこちらの世界に持ち込んでいるわけです。
だから、主観的には「世界の無慈悲」と「〈翼人〉の慈悲」がそれぞれ独立した事象として存在するだけなのです。
たぶん、「そういう設定」で話していると思われると思います。
それで問題ありません。
それが、いちばん分かりやすい考え方だと思うので。
暖かいメッセージをありがとうございます☆
医者に行ったところ「季節性鬱というよりは過労」という診断をいただきまして、皆さまよりもひと足早い年末休暇へと入らせていただくことと相成りました。
「身体が疲弊しているだけで、精神がやられている感じではない」っぽいです。
まあ、そうですよね。悩みとかありませんし。
いま休んでいることを、気にしてはいません。
ダメージを負うのにかかった時間に応じて、休養にも時間が必要ですからね☆
むしろ逆に、お身体にお気をつけてお過ごしくださいね。
(ジャラル アフサラールさん)
元は作者るきちさんがネットで発表されたものが書籍になるのは「これはゲームブックなのですか!? vol.48」で紹介されていた『明日から使える死亡フラグ図鑑』に通じるものがありますね。アマゾンで見るとシール付きの書籍もあるみたいですがもったいないくて使えそうにないです(笑)。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます。
かなではよく知らないのですが、最近ネットから書籍化って方向が増えてるみたいですねー。
かなでの『これゲー』もそうなってほしいものです!(遠い目)
そしたら、ジャラルさん百冊ほど購入お願いいたしますねー。なんつってやら。きゃっ(はぁと)
でも、そのような『特別版』って、そういうしばりありますよねー!
(忍者福島さん)
ハリケーンミキサーを使う深尋、モンゴルマンとコンビを組んでたらロングホーントレインを使えたのかもしれません(笑)
テン=メアが使う必殺技は、フライングパンチかな?
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございます!
ロングホーントレインなら殺傷力がアップしますから、深尋が喜んでモンゴルマンを探しに行きそうです^^
テン=メアは、翼があって時間停止技もできるので、ペンタゴンのストップ・ザ・タイムを必殺技として使えそうだと思います^^
(忍者福島さん)
ぜろさんがどのようなお仕事をされてるのか知らないのですが、義姉さんは製薬会社で働いておられるのですか。
製薬会社でゾンビといえばバイオハザードのタイラント社ですか!確かに大変な職場ですね(絶対に違うわ・笑)
(お返事:ぜろ)
いつもありがとうございます。
私は今は福祉系の、かなり大変めなおしごとをしています。義姉は研究職系なので、まさに今何かを生み出しているとか。なんて思われてしまうところがゾンビ系作品の罪深さかもしれません。
今回は属性語り関係なく思い入れの強い作品です。全7回なので、よろしくお願いします。
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今年はブラックフライデーに執筆用UMPCを購入したけど。去年は何買ったんだっけ……と思ったら、爵位を買っていたのでした。
そう、ワタクシ一応、シーランド公国男爵です。
from:葉山海月
知人の娘が、ちょっとしたことで家を飛び出しました。
あたりは夕方過ぎ。もう真っ暗の夜。
知っているとこをすべて廻り、なじみの屋台の主人にも声かけしました。
しかし、見つからない。
途方に暮れて帰ってくると。ウチにいました!
後で、屋台の主人にお礼に行くと。
「なぁにね。ちょっと手を回しておいたんですよ」とニヤリ。
ホンモノのプロがここにいます!
from:中山将平
今日こそ、本当の本当にはっきりと伝えします!
僕ら12月29日(日)「コミックマーケット105」1日目にサークル参加します!
ブース配置は【東ネ26a】です。ゲームブックやローグライクハーフ等々を扱います。
さらに、僕個人はその次の日(12月30日月曜日)同イベントの2日目に「クロスラインゲームス」(FT書房とは別のサークル)の一員として参加します!!
こちらの配置は【東ホ01b】です。RLHのグッズ等を扱います。
ぜひ両方の日に遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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■12/15(日)~12/20(金)の記事一覧
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2024年12月15日(日) 作:馬渡俊祐 監修:岡和田晃 FT新聞 No.4344
Ψ『ヒットマンズ・ショーダウン』
・世界有数の治安の悪さを持つ狭き都市、「グッドナイト」。そこで行われた、総支配人Angelによる定期ヒットマンズ会議。黙々と進められる会議の最中、誰かがこういった。「一番優れている組織はどこなのだろう」と───
その瞬間、ヒットマン同士の華麗で残酷なショーが幕を開けた。目的は一つ。「この都市で一番のヒットマンチーム」になるために。最も金を稼ぎ、のし上がる組織はどこなのだろうか。
"では、6週間後の定期会議での報告を楽しみにしていますよ。──Angelより"
市販のトランプを使ってプレイでき、ダイスを用いた戦闘やTCGライクなデッキの構築、RPG的なキャラクター強化、何よりアツい駆け引きが楽しめるオリジナル・ゲームをお届けします!
新鋭・馬渡俊祐氏の手になる本作は、東海大学文芸創作学科のゲームデザイン講義、2023年度秋学期の優秀作。
オールスター悪役による華やかなジャズと血煙、そして悲鳴の狂騒と書いてノワールと読む本作!
どうぞお楽しみください!
2024年12月16日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4345
杉本がお休みをいただく話と【翼人】の登場☆
・本日はHoDにて新登場の種族です。
ズバリ、翼ある人、翼人!
その姿が表すように、天使を彷彿させる数々の技能!
ご堪能ください!
そして、また「クロスラインゲームス」というサークルの再起動!
「ローグライクハーフ」のヒットを受けまして、ファンの方々から「グッズを作ってほしい」というご要望をいただくことが増えました。
その流れを受けて、最近かのサークルが再始動したという話です。
冬のゲームマーケットではFT書房は1日目に、クロスラインゲームスは2日目に参加する予定です。
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お休みをいただいてさえこの記事を書いている!
燃えるゲーム職人! 杉本氏に熱い応援よろしくお願いします!
2024年12月17日(火) かなでひびき FT新聞 No.4346
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回取り上げる本は、『空想世界のもちもの』(著:るきち 日貿出版社)よ。
ざっと言うと、地理の学者を目指すタリン君が、商隊に同行。まだ「名前の付けられてない」土地を巡る、というバックストーリーなんですけど、具体的なストーリーは一切なしで、具体的に緻密に創られたガジェット、建造物からは、読者一人一人のオリジナルストーリーが生まれてくるはず!
例えば子どものころ、数々のオモチャは、我々を異世界へ連れていく創造の翼でした!
そのようなおもちゃ箱感覚で、あなたを想像をくすぐる本。これもゲームブック!?
興味のある方はぜひ!
2024年12月18日(水) ぜろ FT新聞 No.4347
第1回【最期の日に彼女は】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第416回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、トリを飾る作品、『最期の日に彼女は』に挑戦いたします!
****
研究所に勤務している双子の姉が失踪した
必死で捜索するうち浮かび上がる手がかり
だが、その失踪の裏側には……
恐るべき真相が隠されていた
焦りで汗がしたたり、ページをめくる指が震える怪作!
(本文より)
****
姉を、レナを、探さなければ。
そう決意した妹のハナ。
手始めに姉の職場、ヤマト感染研究所に電話したハナだったが
……。
『ファミコン探偵倶楽部』などの懐かしいアドベンチャーテイストを彷彿させる、かっちりとした伏線で構成された本作。
捜査開始です!
2024年12月19日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4348
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.22『猫の女神の冒険』その3
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれ、今はズィムララ世界の猫の女神セクメトにクリスタル・スカル探しに雇われた、グレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ニャルラトホテプへ地球や仲間達を滅ぼされた恨みを晴らす力を手に入れるべく、彼女の腹心テン=メアと一緒に冒険に旅立った。
その第一歩として、目的地のピラミッドにほど近い廃都トゥー=エバンへ向かったところ、テン=メアが蛇人間達に襲撃されてしまった!
深尋は、テン=メアを助けるべく、初めての戦闘に臨むのであった、しかし……。
蛇人間との対峙では不覚を取ってしまう。
気を取り直して、ピラミッド探索に向かう一行なのだったが……。
ポップでライトな文体が読ませる冒険譚にご注目!
2024年12月20日(金) 休刊日 FT新聞 No.4349
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(蒙太辺土さん)
【翼人】リリースありがとうございます!
まずちょっと確認ですが、[一滴の力]の効果についてです。
幸運点が底をついて"0になった場合に限り"1点だけ回復する能力、ということでよかですかね?
別な話、フレーヴァーテキストと言うのでしたっけ?
いつも楽しく味わいながら読ませてもらってます。
必ずある訳じゃないところもイイなぁ、と思ってます、挿し絵みたいな感じで。
[一滴の力]のものも好きですが、別の意味で楽しい[尊き加護]のテキストはちょっと笑ってしまいました。
"無料で購入できる消耗品みたいな扱いは、あんまりです"のくだり。
そのようにデザインしたのも、この慈悲深い台詞を書いたのも同一人物なわけでしょう?
ね、杉本センセ?(笑)
季節ものの心身のご不調の件ですが、どうか無理なさらずご自愛なさって心穏やかにお過ごしくださいませ。
私も年頃なのか今年はニュースでも話題になった感染症をコンプリートしまして、心身を病むツラさわかります。
色々な癒しや"よそ見"なんかを活用なさって杉本先生やFT書房の皆さんが楽しく豊かに過ごされることを願っておりますですよ!
(お返事:杉本=ヨハネ)
ありがとうございます☆
>幸運点が底をついて"0になった場合に限り"1点だけ回復する能力、ということでよかですかね?
幸運点が何点であっても、1点へと変更する特殊技能です。
似ているようで異なる場合もありますので、「書いてあるとおり」だと解釈してください。
どんなケースかは想像してください、一例を挙げるなら【魔術点】や【幸運点】が高いキャラクターに襲いかかるクリーチャーがいるときに、自分の【幸運点】を綺麗サッパリ捨てるほうがいい状況があるかもしれません。
もちろん、0点になった際に使うのが、主な使い方になると思います。
この【種族】が持つ、独特の粘りづよさを表現する特殊技能です。
>そのようにデザインしたのも、この慈悲深い台詞を書いたのも同一人物なわけでしょう?
ね、杉本センセ?(笑)
客観的にはそう映ると思うのですが、私はアランツァの世界を表現している代理人です。
向こうの世界の情報をカメル・グラント教授がまとめて、それを私がこちらの世界に持ち込んでいるわけです。
だから、主観的には「世界の無慈悲」と「〈翼人〉の慈悲」がそれぞれ独立した事象として存在するだけなのです。
たぶん、「そういう設定」で話していると思われると思います。
それで問題ありません。
それが、いちばん分かりやすい考え方だと思うので。
暖かいメッセージをありがとうございます☆
医者に行ったところ「季節性鬱というよりは過労」という診断をいただきまして、皆さまよりもひと足早い年末休暇へと入らせていただくことと相成りました。
「身体が疲弊しているだけで、精神がやられている感じではない」っぽいです。
まあ、そうですよね。悩みとかありませんし。
いま休んでいることを、気にしてはいません。
ダメージを負うのにかかった時間に応じて、休養にも時間が必要ですからね☆
むしろ逆に、お身体にお気をつけてお過ごしくださいね。
(ジャラル アフサラールさん)
元は作者るきちさんがネットで発表されたものが書籍になるのは「これはゲームブックなのですか!? vol.48」で紹介されていた『明日から使える死亡フラグ図鑑』に通じるものがありますね。アマゾンで見るとシール付きの書籍もあるみたいですがもったいないくて使えそうにないです(笑)。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます。
かなではよく知らないのですが、最近ネットから書籍化って方向が増えてるみたいですねー。
かなでの『これゲー』もそうなってほしいものです!(遠い目)
そしたら、ジャラルさん百冊ほど購入お願いいたしますねー。なんつってやら。きゃっ(はぁと)
でも、そのような『特別版』って、そういうしばりありますよねー!
(忍者福島さん)
ハリケーンミキサーを使う深尋、モンゴルマンとコンビを組んでたらロングホーントレインを使えたのかもしれません(笑)
テン=メアが使う必殺技は、フライングパンチかな?
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も御感想を下さり、まことにありがとうございます!
ロングホーントレインなら殺傷力がアップしますから、深尋が喜んでモンゴルマンを探しに行きそうです^^
テン=メアは、翼があって時間停止技もできるので、ペンタゴンのストップ・ザ・タイムを必殺技として使えそうだと思います^^
(忍者福島さん)
ぜろさんがどのようなお仕事をされてるのか知らないのですが、義姉さんは製薬会社で働いておられるのですか。
製薬会社でゾンビといえばバイオハザードのタイラント社ですか!確かに大変な職場ですね(絶対に違うわ・笑)
(お返事:ぜろ)
いつもありがとうございます。
私は今は福祉系の、かなり大変めなおしごとをしています。義姉は研究職系なので、まさに今何かを生み出しているとか。なんて思われてしまうところがゾンビ系作品の罪深さかもしれません。
今回は属性語り関係なく思い入れの強い作品です。全7回なので、よろしくお願いします。
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2024年12月20日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4349
おはようございます。
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2024年12月19日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.22『猫の女神の冒険』その3 FT新聞 No.4348
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.22
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〜前回までのあらすじ〜
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれ、今はズィムララ世界の猫の女神セクメトにクリスタル・スカル探しに雇われた、グレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ニャルラトホテプへ地球や仲間達を滅ぼされた恨みを晴らす力を手に入れるべく、彼女の腹心テン=メアと一緒に冒険に旅立った。
その第一歩として、目的地のピラミッドにほど近い廃都トゥー=エバンへ向かったところ、テン=メアが蛇人間達に襲撃されてしまった!
深尋は、テン=メアを助けるべく、初めての戦闘に臨むのであった。
深尋とテン=メアの運命やいかに!!
……と、大上段に構えてあらすじを書いてしまいましたが、『猫の女神の冒険』リプレイ3話目です。
『猫の女神の冒険』には、イージーモードの解説があったので、これ幸いに戦闘場面で使わせていただきました。
これまでの戦闘場面では、「右手のダイスがプレイヤー、左手のダイスがモンスター。数字の大きい方が勝ち」という自分ルールでやっていることに少々後ろめたさがあったのですが、イージーモードのおかげで後ろめたさが解消されました!!
やったぁと喜んだのもつかの間、戦闘の結果が4パターンあり、イージーモードでは選べません><;
そこで、後ろめたいものの自分ルールを再発動。「ダイスで1〜2が出たら、選択肢1。3〜4が出たら、選択肢2。5が出たら、選択肢3。6が出たら選択肢4」と決めてプレイしました。
以降も、SRの結果が複数ある時はこの自分ルールとイージーモードの複合した新・自分ルールでプレイしていきました。
イージーモードもろくに使いこなせないへなちょこでも、パラグラフを進むたびに様々な展開が待ち受け、楽しめるようになっているのはありがたい限りです^^
ありがたいと言えば、TRPGで『猫の女神の冒険』をプレイした時に立ち寄らなかった場所へソロアドベンチャーでは行くことができるので、物語世界の奥行きが広がってより楽しめました^^♪
恐らく、この記事が今年最後の掲載分となります。
今年も一年間、大変お世話になりました。
少し早い年の瀬の挨拶となりますが、皆様、よいクリスマスと年末年始をお過ごし下さいませm(_ _)m
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』リプレイ
その3
齊藤(羽生)飛鳥
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
6:深尋、肉弾戦をする
スコップが空を切る。
そのはずみで、ローブのフードが揺らめき、フードの下から蛇の頭が出てきた!
「食らえ、灰鼠流剣法、スコップソード!」
即興で思いついた必殺技名を声に出して自分自身へ喝入れしながら、私はスコップを構え直して蛇人間たちに襲いかかる。
怪物狩りのゲームをしたことはあるけれど、現実の自分の肉体で命のやり取りをするのは初めてだから、これくらい喝入れしないと、戦う前から気持ちで相手に負けてしまう。
「何を言っているんだ、こいつ?」
「やばくね?」
自分でもちょっと恥ずかしいと思っていた必殺技名に対し、真顔で容赦なくツッコミを入れられる。
こんな恥ずかしいところを見られてしまったからには、こいつらの口を封じるしかない。
発想がもはや、地球にいた時の私からはほど遠い、シリアルキラーかサイコパスになっている。
でも、襲いかかってくる相手が蛇人間で、しかも片手に杖、片手にナイフを持って蛇のようにねじくれた怒りを持って襲いかかって来られては、平和な日本育ちのグレーハッカーでも、正気でいられるわけがない。
蛇人間は、全部で3名。
1人はテン=メアと揉み合っているから、残り2人は私がやるしかない。
逆に考えれば、さっきの恥ずかしい発言を聞いた奴らを自分の手で2人も始末できるから、安心できる。
絶対に、あの黒い人影野郎をぶん殴るその日まで、死ぬもんか!
私は、体を低くすると、スコップで蛇人間達の足を薙ぎ払う。
てっきり大上段に構えて私が攻撃を食らわしてくると思っていた奴らは、いきなり弁慶の泣き所にスコップを食らって面食らう。
でも、相手は肉弾戦のプロ。ひるんだのは一瞬だけで、リーチの長い杖を振り回し、私に一撃を食らわせる。
ひっくり返ってしまったけれど、そのどさくさにまぎれてスコップで廃都の砂をすくい上げ、ナイフをふり下ろそうとして来た奴らへ目つぶしを食らわせる!
動きを止め隙を狙って、またも攻撃!
一撃食らっているけど、アドレナリンのおかげでまだ痛みを感じていないうちに、とことん戦ってやる!
「なんでこいつ、さっきから執拗に足だけ狙って攻撃してくるの!?」
「新たな流派なのかもしれん!!」
深読みしている蛇人間たちには悪いけど、単に身長差で、私が思いきり力を入れて攻撃しやすい部分が彼らの足の部分なだけだからだ。
届かない部分を狙い続けて攻撃をはずすより、確実に当てられる部分を狙い続ける。この発想、ある意味でハッキングに似ているかも。
でも、この攻撃には弱点がある。
私に肉弾戦の経験が少ないせいで、相手の上からの攻撃には、すぐに対処できないのだ!
何発か杖やナイフの攻撃を食らいながら、私は無我夢中で攻撃し続け、だんだん意識が遠のいてきた……。
「やっと毒が効いてきたか……」
そんな蛇人間の断末魔じみた声が聞こえてきた。どうやら、思っていたより私の攻撃でダメージを受けているらしい。
「なんの……巨象が三秒で死ぬような毒でも、毒抜きすればセーフ……」
相手が息をしているうちは絶対に倒れまいと虚勢を張りつつ、私はペーパーナイフで傷口を抉って毒抜きをしにかかる。
「いや、そういうネタでボケられても困るんで」
「僕らの文化、勉強して」
瀕死の重傷を負っておきながら、意外と笑いに厳しいし、ツッコミを入れられるということは、おまえら実は地球の文化を履修済みか!?
そもそも、ボケたわけじゃないし! うっかり仲間たちとの会話のノリが出てしまっただけだし!
そんなツッコミを声に出してしたかったけれど、目がかす……んで……。
目が覚めると、テン=メアが私の手当てをしてくれていた。
「生きているのね!」
テン=メアは安心したように叫んだ。
彼女の話によると、私は蛇人間の武器に塗られた毒にあたって死にかけていたらしい。
そこで、テン=メアが自分の悪魔のエネルギーを注入して、私の体内の毒を燃やし尽くして助けてくれたのだとか。
「そうする必要があったの。さもなければ、あなたは死んでいたから。おかげで、あなたはちょっとだけデーモンになったの。明日あさってにでも、角が複数はえてくると思うわ……て、もうはえてきた」
テン=メアはクスリと笑う。
変な場所に角がはえてきたら、これからの人生、髪を洗う時に邪魔になるので、笑い事ではない!
私は持って来ていたコンパクトで、あわてて自分の顔を映す。
鏡には、断頭台という二つ名をもらえそうな二本角がはえた私が映っていた。
この年齢で角っ娘属性が文字通りはえてくるとは、まいったな……。
(鬼嫁か……ボクは断然「有り」だね!)
脳内に、あの黒い人影野郎の声が聞こえてくる。
誰が誰の嫁だ、ぶん殴りてえと思ったが、訂正。この角をいかしてハリケーン・ミキサーを食らわしてやりてえ。
でも、今は喉がとても乾いたから、水を飲もう。
持って来ていた水筒の冷たい水を時間をかけて飲む。
屋外で水を飲んでいる時、視線をどこへ向ければいいか迷うので、何の気なしに辺りを見回していたら、バラバラになった二体の蛇人間たちの残骸が目に飛びこんできた。三体目の蛇人間は、ひどく焼け焦げている。私のスコップは火を噴くことはない。だから、焼き殺して倒したのは、テン=メアだ。それはいい。
すると、彼らを血まみれの断片に変えたのは、どう考えても私しかいない。オーバーキルもいいところだ!
しかも、かなりどうでもいいツッコミを、彼らの最期の言葉にしてしまったことへの罪悪感すら芽生える。
せめて、「馬をくれ、馬を! 馬の代わりにわが王国をくれてやる!」とか「明日俺を訪ねてこい。もう墓の中でまじめになっているぞ」とか、シェイクスピアの登場人物のように気のきいた最期の言葉を残させてやればよかった。今度からは気をつけよう。
自分の戦い方を反省してから、私は改めて現実と向き合った。
すると、街の外壁からさほど遠くない砂漠に、頂上部にコブラの頭を掲げたピラミッドが見えた。
日本だったら耐震基準で引っかかるためお目にかかれない、奇抜なデザインだ。
すると、ここは地震が少ない土地柄なのだろう。
どこからどう見ても危険な予感しかしない建物に息を呑まざる得なかったけれど、火山の噴火や急な地割れに見舞われる心配がないことだけはわかって、安心した。
7:深尋、ピラミッドを目指す
コブラの頭付きピラミッドを目指し、私とテン=メアは廃都を後にして歩き出した。
足下が悪くて、私は慎重に進む必要があった。
はきなれた運動靴でこの歩きにくさだから、ほかの靴だったら、もっと時間がかかっただろう。
テン=メアと言えば、数分おきに翼をパタパタとさせて空を飛んで周囲に危険がないか確認してくれていた。
「ねえ、テン=メア。私を連れてピラミッドまで飛んでいけば、時間の節約になるんじゃない?」
「いい提案だけど、あたしが飛んでいられるのは、せいぜい30分なのよ。しかも、重いものはぜんぜん持てないし。いいアイデアなんだけどね……」
「そう。わかった。テン=メアが手ぶらで飛んでいる時点で気づくべきだったね」
話がまとまったので、私達は歩き続ける。
スマホが使えれば、ビリー・バンバンの『砂漠の薔薇』や米津玄師の『砂の惑星』を聞いて、この砂だらけの単調な時間を紛らわせるのに、剣と魔法の世界では無理な話だ。
仕方なく、自力で口ずさんでみるものの『砂漠の薔薇』はサビの部分以外の歌詞がうろ覚えだし、『砂の惑星』に至っては、うろ覚えがすぎて途中から『ゴーゴー幽霊船』になってしまう。
全体の歌詞は、本当のメロディは、いったい何だったのかと、たびたび頭をひねりながら、口ずさむ。
それを繰り返すこと、なんと1時間以上!
なんて不毛な時間をすごしたんだと痛感したところで、テン=メアが目の前にそびえるピラミッドを指差し、目的地到達を教えてくれた。
私は、ピラミッドの前に到着すると、まずは足のストレッチを始めた。
何しろ、1時間以上歩いたということは、4km近く歩いた計算になる。ちゃんとストレッチしておかないと、今夜あたりひどい筋肉痛に悩まされそうだ。
そうしてストレッチをしながら、私はピラミッドの観察をした。
南面……よくわからない彫像に覆い隠された入口があって、その奥に青銅の扉あり。黄金色に輝く太陽を模した彫刻で彩られている。おしゃれか?
西面……頂上部から半分下ったところで唐突に終わっている階段がある。終わっているのは建築デザインの方か?
東面……特に何もなし。手抜きか?
北面……単にピラミッドの傾斜面になっている。手抜きか(第二弾)?
さほど遠くない廃墟の神殿……モンスターがウヨウヨ。
廃墟の神殿、治安悪すぎ!!
もろに本音が顔に出たのか、テン=メアが今回の任務に関係ないと、すかさず教えてくれた。よかった。
それから、近くの礎石を見ると、ヒエログリフが刻まれていた。
「テン=メア、読める?」
ネット環境が整ってさえいれば、解読ソフトで簡単に翻訳できるのに、それができないとはもどかしい。
そう思いながら、テン=メアに頼むと、気を悪くした様子もなく答えてくれた。
「もちろん……まあ、だいたいはね」
謙遜ではないことは、彼女が1〜2分、ヒエログリフと真剣ににらめっこしていたのでわかった。苦労をかけるね、テン=メア。
「ここに書かれているのはね、"このピラミッドは女神ウアジェトの庇護下にあり、侵入は禁じられている。死者や衛兵を妨げることはなきよう!"ということね」
「でも、任務だから禁じられていてもお邪魔しないとね」
「じゃあ、どうやって入ればいいかしら?」
「もしかしたら、他にも秘密の入り口とか何か手がかりがあるかも。もしも死者や衛兵と出会ったら、こちらの事情を話して説得をするもよし。質量を伴う説得をするもよし」
私は、スコップをフルスイングしながら微笑む。
「深尋。角がはえたら、ちょっと物騒になった……?」
テン=メアはそう言ったけれど、私の提案に反対せず、一緒に秘密の入り口探しについて来てくれた。
8:深尋、ピラミッドを探る
テン=メアとピラミッドの南面の扉から出発して周囲をぐるりと歩き回き出すと、まずは西面へ行った。
西面の階段の幅は、約30センチ。コブラの頭をしたピラミッドの頂上部から、外壁の中心部へまっすぐに下っている。
「あそこには何か隠されていそうね」
テン=メアが言う。
「だとしたら、あからさますぎるから、罠がありそう。中へ入るとしても、もう少し調べてからにしない?」
「そのとおりね……次に行きましょう」
私達は、今度は東面へ行った。傍目から見て手抜きかと思うほど何もなかったそこは、実際に訪れても扉も階段もなかった。かわりに、壁の砂岩のブロック群に埋めこまれた黒い玄武岩に、またもヒエログリフが書かれている。
「テン=メア。また翻訳をお願いできる?」
テン=メアはうなずく。
「これはよく見るやつよ。"禁止"を意味する単純なヒエログリフだけど、あたしには特に意味を成さないわ」
「私にもね。だって、読めないし」
そう考えると、言語の壁を越えて理解できるピクトグラムは画期的な発明だったんだな。
それから、私達は北面へ向かった。
ピラミッドの北面は簡単に登れるようになっていた。斜めの外壁の中央部には、明らかに人間用の幅6メートルの階段があり、地上からピラミッドの平坦な頂上部へと続いている。
この角度から見ると、大きなコブラの頭部を象った研磨された石が、ピラミッドの頂上部に安置されているのがわかる。幅6メートルの階段なのに、よく運搬も安置もできたものだ。電気もエンジンもないのにすごいな、この世界の建築技術。
「コブラの石が置かれている場所は、冒涜されているみたいだわ。ウアジェトは守護の女神だけど、あそこには脅威しか感じない。どうしたらいいかわからないわ。あなたが決めて」
テン=メアが不安を露わにする。
「わかった。もう調べ終えたことだし、南の入口へ戻ろうか」
私は、テン=メアと一緒に南の入口へ戻った。
9:深尋、ピラミッド南面入口に挑む
南の入口に近づくと、大きな扉の表面に太陽のシンボルが刻まれ、入り口にあるアルコーブの中央部には白い石灰岩で作られた鎧姿のサイクロプス(一つ目巨人)像が立っている。
片手にはトゲのついた棍棒、片手は手のひらを上に向けた状態でまっすぐ前に突き出しているポーズは、釘バットを片手にカツアゲしてくる平成の不良を彷彿とさせる。
扉へ向かおうと像の前に接近すると、何といきなり語りかけてきた!
「アトン=ラーを真に崇拝する者のみが、この部屋に近づき、あるいは入ることが許される」
サイクロプス像は、ざらついた耳障りな声で言ってくる。
それから、像は空いた手のひらを私の方へ突き出し、さもなければ殴りかからんばかりに、棍棒を肩の上に振りかぶる。
「何かを求めているんじゃないかと思うわ」
テン=メアが考え考え言った。
「だけど、それが何なのかはわからない。あたしの女神様はセクメトだから、〈太陽の息子〉アトン=ラーについては、よく知らないの」
「じゃあ、彼のポーズから考えてみよう」
私は、改めてサイクロプス像を眺めた。
……どこからどう見ても、カツアゲにしか見えん。
「もしかしたら、お金が欲しいのかも」
私は、財布を確認する。中には、6gp分の金貨があった。
そこで、1gp分の金貨を像の手のひらに乗せてみた。
像は供えられた金貨を巨大な指でゆっくりと握りしめる。サイクロプス像の頭部にある一つ目が輝き、彫像は徐々に向きを変えると、目から放った光線が、扉にある太陽のシンボルに当たる。すごい仕掛けだ!
すると、変化が起きた。太陽のシンボルは徐々に沈潜し、かわりにピラミッドの中心部へと続く、長く暗い通路が姿をあらわす。
まさか、押すでも引くでもなく、こういう方向で扉が開くとは、正直予想外だった。
でも、これで中に入れる。
「テン=メア、行きましょう」
私は、テン=メアに声をかけてから、ピラミッドの中へ足を踏み入れた。
〜おまけ〜
プレイキャラ紹介
灰鼠深尋(はいねず・みひろ):グレーハッカー。『暗黒詩篇』所収「クトゥルフ深話」出身。行動理念は、黒い人影野郎ことニャルラトホテプへの復讐。
テン=メア:セクメト女神の腹心。お茶目ないい子。※あくまで私の感想です※
(続く)
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齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年現在、6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』
著 ケン・セント・アンドレ
訳 岡和田晃
絵 スティーブ・クロンプトン
https://ftbooks.booth.pm/items/5889199
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.22
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〜前回までのあらすじ〜
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれ、今はズィムララ世界の猫の女神セクメトにクリスタル・スカル探しに雇われた、グレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ニャルラトホテプへ地球や仲間達を滅ぼされた恨みを晴らす力を手に入れるべく、彼女の腹心テン=メアと一緒に冒険に旅立った。
その第一歩として、目的地のピラミッドにほど近い廃都トゥー=エバンへ向かったところ、テン=メアが蛇人間達に襲撃されてしまった!
深尋は、テン=メアを助けるべく、初めての戦闘に臨むのであった。
深尋とテン=メアの運命やいかに!!
……と、大上段に構えてあらすじを書いてしまいましたが、『猫の女神の冒険』リプレイ3話目です。
『猫の女神の冒険』には、イージーモードの解説があったので、これ幸いに戦闘場面で使わせていただきました。
これまでの戦闘場面では、「右手のダイスがプレイヤー、左手のダイスがモンスター。数字の大きい方が勝ち」という自分ルールでやっていることに少々後ろめたさがあったのですが、イージーモードのおかげで後ろめたさが解消されました!!
やったぁと喜んだのもつかの間、戦闘の結果が4パターンあり、イージーモードでは選べません><;
そこで、後ろめたいものの自分ルールを再発動。「ダイスで1〜2が出たら、選択肢1。3〜4が出たら、選択肢2。5が出たら、選択肢3。6が出たら選択肢4」と決めてプレイしました。
以降も、SRの結果が複数ある時はこの自分ルールとイージーモードの複合した新・自分ルールでプレイしていきました。
イージーモードもろくに使いこなせないへなちょこでも、パラグラフを進むたびに様々な展開が待ち受け、楽しめるようになっているのはありがたい限りです^^
ありがたいと言えば、TRPGで『猫の女神の冒険』をプレイした時に立ち寄らなかった場所へソロアドベンチャーでは行くことができるので、物語世界の奥行きが広がってより楽しめました^^♪
恐らく、この記事が今年最後の掲載分となります。
今年も一年間、大変お世話になりました。
少し早い年の瀬の挨拶となりますが、皆様、よいクリスマスと年末年始をお過ごし下さいませm(_ _)m
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』リプレイ
その3
齊藤(羽生)飛鳥
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6:深尋、肉弾戦をする
スコップが空を切る。
そのはずみで、ローブのフードが揺らめき、フードの下から蛇の頭が出てきた!
「食らえ、灰鼠流剣法、スコップソード!」
即興で思いついた必殺技名を声に出して自分自身へ喝入れしながら、私はスコップを構え直して蛇人間たちに襲いかかる。
怪物狩りのゲームをしたことはあるけれど、現実の自分の肉体で命のやり取りをするのは初めてだから、これくらい喝入れしないと、戦う前から気持ちで相手に負けてしまう。
「何を言っているんだ、こいつ?」
「やばくね?」
自分でもちょっと恥ずかしいと思っていた必殺技名に対し、真顔で容赦なくツッコミを入れられる。
こんな恥ずかしいところを見られてしまったからには、こいつらの口を封じるしかない。
発想がもはや、地球にいた時の私からはほど遠い、シリアルキラーかサイコパスになっている。
でも、襲いかかってくる相手が蛇人間で、しかも片手に杖、片手にナイフを持って蛇のようにねじくれた怒りを持って襲いかかって来られては、平和な日本育ちのグレーハッカーでも、正気でいられるわけがない。
蛇人間は、全部で3名。
1人はテン=メアと揉み合っているから、残り2人は私がやるしかない。
逆に考えれば、さっきの恥ずかしい発言を聞いた奴らを自分の手で2人も始末できるから、安心できる。
絶対に、あの黒い人影野郎をぶん殴るその日まで、死ぬもんか!
私は、体を低くすると、スコップで蛇人間達の足を薙ぎ払う。
てっきり大上段に構えて私が攻撃を食らわしてくると思っていた奴らは、いきなり弁慶の泣き所にスコップを食らって面食らう。
でも、相手は肉弾戦のプロ。ひるんだのは一瞬だけで、リーチの長い杖を振り回し、私に一撃を食らわせる。
ひっくり返ってしまったけれど、そのどさくさにまぎれてスコップで廃都の砂をすくい上げ、ナイフをふり下ろそうとして来た奴らへ目つぶしを食らわせる!
動きを止め隙を狙って、またも攻撃!
一撃食らっているけど、アドレナリンのおかげでまだ痛みを感じていないうちに、とことん戦ってやる!
「なんでこいつ、さっきから執拗に足だけ狙って攻撃してくるの!?」
「新たな流派なのかもしれん!!」
深読みしている蛇人間たちには悪いけど、単に身長差で、私が思いきり力を入れて攻撃しやすい部分が彼らの足の部分なだけだからだ。
届かない部分を狙い続けて攻撃をはずすより、確実に当てられる部分を狙い続ける。この発想、ある意味でハッキングに似ているかも。
でも、この攻撃には弱点がある。
私に肉弾戦の経験が少ないせいで、相手の上からの攻撃には、すぐに対処できないのだ!
何発か杖やナイフの攻撃を食らいながら、私は無我夢中で攻撃し続け、だんだん意識が遠のいてきた……。
「やっと毒が効いてきたか……」
そんな蛇人間の断末魔じみた声が聞こえてきた。どうやら、思っていたより私の攻撃でダメージを受けているらしい。
「なんの……巨象が三秒で死ぬような毒でも、毒抜きすればセーフ……」
相手が息をしているうちは絶対に倒れまいと虚勢を張りつつ、私はペーパーナイフで傷口を抉って毒抜きをしにかかる。
「いや、そういうネタでボケられても困るんで」
「僕らの文化、勉強して」
瀕死の重傷を負っておきながら、意外と笑いに厳しいし、ツッコミを入れられるということは、おまえら実は地球の文化を履修済みか!?
そもそも、ボケたわけじゃないし! うっかり仲間たちとの会話のノリが出てしまっただけだし!
そんなツッコミを声に出してしたかったけれど、目がかす……んで……。
目が覚めると、テン=メアが私の手当てをしてくれていた。
「生きているのね!」
テン=メアは安心したように叫んだ。
彼女の話によると、私は蛇人間の武器に塗られた毒にあたって死にかけていたらしい。
そこで、テン=メアが自分の悪魔のエネルギーを注入して、私の体内の毒を燃やし尽くして助けてくれたのだとか。
「そうする必要があったの。さもなければ、あなたは死んでいたから。おかげで、あなたはちょっとだけデーモンになったの。明日あさってにでも、角が複数はえてくると思うわ……て、もうはえてきた」
テン=メアはクスリと笑う。
変な場所に角がはえてきたら、これからの人生、髪を洗う時に邪魔になるので、笑い事ではない!
私は持って来ていたコンパクトで、あわてて自分の顔を映す。
鏡には、断頭台という二つ名をもらえそうな二本角がはえた私が映っていた。
この年齢で角っ娘属性が文字通りはえてくるとは、まいったな……。
(鬼嫁か……ボクは断然「有り」だね!)
脳内に、あの黒い人影野郎の声が聞こえてくる。
誰が誰の嫁だ、ぶん殴りてえと思ったが、訂正。この角をいかしてハリケーン・ミキサーを食らわしてやりてえ。
でも、今は喉がとても乾いたから、水を飲もう。
持って来ていた水筒の冷たい水を時間をかけて飲む。
屋外で水を飲んでいる時、視線をどこへ向ければいいか迷うので、何の気なしに辺りを見回していたら、バラバラになった二体の蛇人間たちの残骸が目に飛びこんできた。三体目の蛇人間は、ひどく焼け焦げている。私のスコップは火を噴くことはない。だから、焼き殺して倒したのは、テン=メアだ。それはいい。
すると、彼らを血まみれの断片に変えたのは、どう考えても私しかいない。オーバーキルもいいところだ!
しかも、かなりどうでもいいツッコミを、彼らの最期の言葉にしてしまったことへの罪悪感すら芽生える。
せめて、「馬をくれ、馬を! 馬の代わりにわが王国をくれてやる!」とか「明日俺を訪ねてこい。もう墓の中でまじめになっているぞ」とか、シェイクスピアの登場人物のように気のきいた最期の言葉を残させてやればよかった。今度からは気をつけよう。
自分の戦い方を反省してから、私は改めて現実と向き合った。
すると、街の外壁からさほど遠くない砂漠に、頂上部にコブラの頭を掲げたピラミッドが見えた。
日本だったら耐震基準で引っかかるためお目にかかれない、奇抜なデザインだ。
すると、ここは地震が少ない土地柄なのだろう。
どこからどう見ても危険な予感しかしない建物に息を呑まざる得なかったけれど、火山の噴火や急な地割れに見舞われる心配がないことだけはわかって、安心した。
7:深尋、ピラミッドを目指す
コブラの頭付きピラミッドを目指し、私とテン=メアは廃都を後にして歩き出した。
足下が悪くて、私は慎重に進む必要があった。
はきなれた運動靴でこの歩きにくさだから、ほかの靴だったら、もっと時間がかかっただろう。
テン=メアと言えば、数分おきに翼をパタパタとさせて空を飛んで周囲に危険がないか確認してくれていた。
「ねえ、テン=メア。私を連れてピラミッドまで飛んでいけば、時間の節約になるんじゃない?」
「いい提案だけど、あたしが飛んでいられるのは、せいぜい30分なのよ。しかも、重いものはぜんぜん持てないし。いいアイデアなんだけどね……」
「そう。わかった。テン=メアが手ぶらで飛んでいる時点で気づくべきだったね」
話がまとまったので、私達は歩き続ける。
スマホが使えれば、ビリー・バンバンの『砂漠の薔薇』や米津玄師の『砂の惑星』を聞いて、この砂だらけの単調な時間を紛らわせるのに、剣と魔法の世界では無理な話だ。
仕方なく、自力で口ずさんでみるものの『砂漠の薔薇』はサビの部分以外の歌詞がうろ覚えだし、『砂の惑星』に至っては、うろ覚えがすぎて途中から『ゴーゴー幽霊船』になってしまう。
全体の歌詞は、本当のメロディは、いったい何だったのかと、たびたび頭をひねりながら、口ずさむ。
それを繰り返すこと、なんと1時間以上!
なんて不毛な時間をすごしたんだと痛感したところで、テン=メアが目の前にそびえるピラミッドを指差し、目的地到達を教えてくれた。
私は、ピラミッドの前に到着すると、まずは足のストレッチを始めた。
何しろ、1時間以上歩いたということは、4km近く歩いた計算になる。ちゃんとストレッチしておかないと、今夜あたりひどい筋肉痛に悩まされそうだ。
そうしてストレッチをしながら、私はピラミッドの観察をした。
南面……よくわからない彫像に覆い隠された入口があって、その奥に青銅の扉あり。黄金色に輝く太陽を模した彫刻で彩られている。おしゃれか?
西面……頂上部から半分下ったところで唐突に終わっている階段がある。終わっているのは建築デザインの方か?
東面……特に何もなし。手抜きか?
北面……単にピラミッドの傾斜面になっている。手抜きか(第二弾)?
さほど遠くない廃墟の神殿……モンスターがウヨウヨ。
廃墟の神殿、治安悪すぎ!!
もろに本音が顔に出たのか、テン=メアが今回の任務に関係ないと、すかさず教えてくれた。よかった。
それから、近くの礎石を見ると、ヒエログリフが刻まれていた。
「テン=メア、読める?」
ネット環境が整ってさえいれば、解読ソフトで簡単に翻訳できるのに、それができないとはもどかしい。
そう思いながら、テン=メアに頼むと、気を悪くした様子もなく答えてくれた。
「もちろん……まあ、だいたいはね」
謙遜ではないことは、彼女が1〜2分、ヒエログリフと真剣ににらめっこしていたのでわかった。苦労をかけるね、テン=メア。
「ここに書かれているのはね、"このピラミッドは女神ウアジェトの庇護下にあり、侵入は禁じられている。死者や衛兵を妨げることはなきよう!"ということね」
「でも、任務だから禁じられていてもお邪魔しないとね」
「じゃあ、どうやって入ればいいかしら?」
「もしかしたら、他にも秘密の入り口とか何か手がかりがあるかも。もしも死者や衛兵と出会ったら、こちらの事情を話して説得をするもよし。質量を伴う説得をするもよし」
私は、スコップをフルスイングしながら微笑む。
「深尋。角がはえたら、ちょっと物騒になった……?」
テン=メアはそう言ったけれど、私の提案に反対せず、一緒に秘密の入り口探しについて来てくれた。
8:深尋、ピラミッドを探る
テン=メアとピラミッドの南面の扉から出発して周囲をぐるりと歩き回き出すと、まずは西面へ行った。
西面の階段の幅は、約30センチ。コブラの頭をしたピラミッドの頂上部から、外壁の中心部へまっすぐに下っている。
「あそこには何か隠されていそうね」
テン=メアが言う。
「だとしたら、あからさますぎるから、罠がありそう。中へ入るとしても、もう少し調べてからにしない?」
「そのとおりね……次に行きましょう」
私達は、今度は東面へ行った。傍目から見て手抜きかと思うほど何もなかったそこは、実際に訪れても扉も階段もなかった。かわりに、壁の砂岩のブロック群に埋めこまれた黒い玄武岩に、またもヒエログリフが書かれている。
「テン=メア。また翻訳をお願いできる?」
テン=メアはうなずく。
「これはよく見るやつよ。"禁止"を意味する単純なヒエログリフだけど、あたしには特に意味を成さないわ」
「私にもね。だって、読めないし」
そう考えると、言語の壁を越えて理解できるピクトグラムは画期的な発明だったんだな。
それから、私達は北面へ向かった。
ピラミッドの北面は簡単に登れるようになっていた。斜めの外壁の中央部には、明らかに人間用の幅6メートルの階段があり、地上からピラミッドの平坦な頂上部へと続いている。
この角度から見ると、大きなコブラの頭部を象った研磨された石が、ピラミッドの頂上部に安置されているのがわかる。幅6メートルの階段なのに、よく運搬も安置もできたものだ。電気もエンジンもないのにすごいな、この世界の建築技術。
「コブラの石が置かれている場所は、冒涜されているみたいだわ。ウアジェトは守護の女神だけど、あそこには脅威しか感じない。どうしたらいいかわからないわ。あなたが決めて」
テン=メアが不安を露わにする。
「わかった。もう調べ終えたことだし、南の入口へ戻ろうか」
私は、テン=メアと一緒に南の入口へ戻った。
9:深尋、ピラミッド南面入口に挑む
南の入口に近づくと、大きな扉の表面に太陽のシンボルが刻まれ、入り口にあるアルコーブの中央部には白い石灰岩で作られた鎧姿のサイクロプス(一つ目巨人)像が立っている。
片手にはトゲのついた棍棒、片手は手のひらを上に向けた状態でまっすぐ前に突き出しているポーズは、釘バットを片手にカツアゲしてくる平成の不良を彷彿とさせる。
扉へ向かおうと像の前に接近すると、何といきなり語りかけてきた!
「アトン=ラーを真に崇拝する者のみが、この部屋に近づき、あるいは入ることが許される」
サイクロプス像は、ざらついた耳障りな声で言ってくる。
それから、像は空いた手のひらを私の方へ突き出し、さもなければ殴りかからんばかりに、棍棒を肩の上に振りかぶる。
「何かを求めているんじゃないかと思うわ」
テン=メアが考え考え言った。
「だけど、それが何なのかはわからない。あたしの女神様はセクメトだから、〈太陽の息子〉アトン=ラーについては、よく知らないの」
「じゃあ、彼のポーズから考えてみよう」
私は、改めてサイクロプス像を眺めた。
……どこからどう見ても、カツアゲにしか見えん。
「もしかしたら、お金が欲しいのかも」
私は、財布を確認する。中には、6gp分の金貨があった。
そこで、1gp分の金貨を像の手のひらに乗せてみた。
像は供えられた金貨を巨大な指でゆっくりと握りしめる。サイクロプス像の頭部にある一つ目が輝き、彫像は徐々に向きを変えると、目から放った光線が、扉にある太陽のシンボルに当たる。すごい仕掛けだ!
すると、変化が起きた。太陽のシンボルは徐々に沈潜し、かわりにピラミッドの中心部へと続く、長く暗い通路が姿をあらわす。
まさか、押すでも引くでもなく、こういう方向で扉が開くとは、正直予想外だった。
でも、これで中に入れる。
「テン=メア、行きましょう」
私は、テン=メアに声をかけてから、ピラミッドの中へ足を踏み入れた。
〜おまけ〜
プレイキャラ紹介
灰鼠深尋(はいねず・みひろ):グレーハッカー。『暗黒詩篇』所収「クトゥルフ深話」出身。行動理念は、黒い人影野郎ことニャルラトホテプへの復讐。
テン=メア:セクメト女神の腹心。お茶目ないい子。※あくまで私の感想です※
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
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現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年現在、6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
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2024年12月18日水曜日
第1回【最期の日に彼女は】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4347
第1回【最期の日に彼女は(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【最期の日に彼女は(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。また、喪失体験にまつわるエピソードが登場します。苦手な方はご注意ください。
●作品紹介
私はこの作品をプレイしたことを、一生忘れないでしょう。
****
狂気とは何か、目に、耳に肌に心に。
日常ならざるそれは観察され思索され絵に文字に綴られてきた。
感覚の外に人の外にあり、人の手で語られるもの。
深淵のふちを散策する、クトゥルーゲームブック短編集 第2弾
——「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」裏表紙より
****
永遠のクトゥルフ初心者ぜろです。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、杉本=ヨハネ著「最期の日に彼女は」に挑戦します。
「クトゥルー短編集」はそのタイトルのとおり、クトゥルフ神話を題材にしたゲームブックの短編をまとめたもの。「暗黒詩篇はその2巻になります。
この短編集には本作「最期の日に彼女は」を含め、6本の短編が収録されています。
「最期の日に彼女は」は、この作品集の6作目、つまり最後を飾る作品です。
・ヨグ=ソトースの飛沫
・白い小屋、赤い絶望
・忌まわしきグラファリアンの蛹
・クトゥルフ深話
・いあいあキャバクラ
・最期の日に彼女は
「クトゥルー」「クトゥルフ」の表記のゆれは、気にしないでください。どっちも意味は同じです。そういうものです。
私はなんとなく「クトゥルフ」表記がしっくりくるので、そちらを使うことが多いですが、作中の呼び方に合わせて臨機応変に表記は変わります。
さて、FT書房の短編集では、本の冒頭に作品紹介の四コマ漫画がついておりまして、そこで各作品の簡単なあらすじが紹介されているのが常です。
この作品にも、中山将平氏による四コマ漫画がついています。
まずはこの四コマ漫画の文章を拾って、作品の雰囲気をつかみましょう。
****
研究所に勤務している双子の姉が失踪した
必死で捜索するうち浮かび上がる手がかり
だが、その失踪の裏側には……
恐るべき真相が隠されていた
焦りで汗がしたたり、ページをめくる指が震える怪作!
****
やはりクトゥルフものには、怪しげな研究所がよく似合います。
何かよからぬものが関わっている雰囲気がプンプンします。
しかも自身の身内がそこに絡んでいるとなると、主人公もその事態から逃れられない予感がしますね。
そして、最初に言っておきます。
この作品をプレイして私が感じたこと。
私にとって非常に重要な意味を持つ作品でした。
もっと早くにプレイするべきでした。
ただ、同時に、この作品をプレイするために、私は自分自身と正面から向き合う必要がありました。
それは、とても重く辛く、そして幸せな記憶。
私のプレイには、それは欠かすことができませんでした。
この作品は、自分自身と向き合うだけでなく、そのことを語る機会を与えてくれました。
私は、この作品をプレイしたことを、一生忘れないでしょう。
なーんて意味深なことを書いていますけど、リプレイのノリは変えられないので、いつものぜろ節から始まるんですけどね。
パラグラフ数は61。
短編とはいえ、61パラグラフもあれば、いろいろなことができそうです。
冒頭のルール確認。
ステイタスがあるとかサイコロを使うとかいった、特別なルールはありません。
ゲームブックの読み方にのっとり、指定されたパラグラフを読み進めることで物語は進行します。
ただひとつ覚えておくこととして、今が何日目なのかは記憶しておくよう指示がありました。
あとは、指のマークがついているパラグラフでは、そのパラグラフ番号を覚えておいて進み、後ほど戻ってくるという形を取るようです。
昔からのゲームブックプレイヤーには通常「指セーブ」と言われているものを、ルール上説明したみたいな感じ。
ま、別に指示のないところでもやるときはやっちゃうんですけどね、指セーブ。
次いで、登場人物紹介があります。
ここで紹介されているのは2名。
双子の姉妹です。
西宮ハナ(にしみや はな):本編の主人公。双子の妹。無職。
西宮レナ(にしみや れな):主人公の双子の姉。感染症および寄生虫の研究者。
研究所に勤務している双子の姉。
双子の姉の研究所って、感染症とか寄生虫とかを取り扱ってるんですね。
クトゥルフ的にはヤバすぎるくらいにヤバい。
クトゥルフもの……というよりゾンビもので研究所とか製薬会社とかが出てきたら、ほぼ確実に事件と関係があります。
当然ですよね。事件と関係があるからこそ、登場させているとも言えますから。
世の研究所職員は、いつも黒幕的組織にさせられてしまうことに、複雑な思いを抱いているかもしれません。
実は、義姉が製薬関係の会社で働いているんですよね。
先日久しぶりに会ったときに義姉、「ぜろの仕事ってホント大変よね」みたいなこと言ってました。
私は「義姉の職場こそ、作品に登場するときにはだいたいゾンビウィルスとか開発してるから複雑よね」と返しておきました。
て、それよりも双子ですよ双子!
私ね、以前別作品のリプレイで、自身の萌え属性を暴露したことがあるんです。
それはね、メガネ! そう、メガネ属性です! メガネ大好きです! メガネスキーです!
身体的特徴とか性格的傾向とかじゃなくてメガネかよ! 付属物かよ!
それはそうなんですけど、好きなものは好きなんだからしょうがない。
諸君、私はメガネ女子が好きだ!! 大好きだ!
と、引かれるくらいに力説したんですよ。
で、それと並んで好きなんですよ双子! 双子属性! 双子キャラ大好き!
これまたキャラクター性じゃなくて設定的要素かよ!
それはそうなんですけど、好きなものは好きなんだからしょうがない。
諸君、私は双子キャラが好きだ!! 大好きだ!
なんとなく思い出すに、中学生の頃に同級生女子に双子さんがいて、「双子って、いいよね」と思ってしまったのが発端なんじゃないかな多分。思っただけで別になんもなかった。
それが高じて萌え属性に昇華してしまったみたいです。
ちなみにネットで萌え属性の一覧を検索したら、ちゃんとありましたよ、双子属性。
少数派かもしれませんが、私以外にもちゃんと存在しているのですね。
というわけで、もう双子ってだけで私の意気込みは違ってくるってものです。
しかも双子の妹が主人公とか。自分自身として行動できるキャラクターが双子の妹とか。
……で、ふっふーん。
どうやらこの作品、挿絵はないし、顔の特徴の詳細な説明もないみたい。
なら、主人公ハナさんも、双子の姉レナさんも、メガネキャラってことにしてしまいましょう。
双子で、しかもメガネ。ああもう私好みの属性てんこ盛りで、始まる前から幸せすぎます。
とはいえ、作品紹介の時点で双子の姉が失踪したことが語られていますので、今後の展開には早くも暗雲がたちこめているのですけれども。
さあ、引くほどに狂おしい私の煩悩を吐露したところで、挑戦をはじめましょう。
リプレイの文中は、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
●アタック01-1 レナとハナ
私は、西宮ハナ。
双子の姉、レナと2人で暮らしている。
それは、1月の終わりのことだった。
朝、目を覚ますと、レナがいなかった。
どうやら、帰宅していないっぽい。
無断外泊なんて、これまでに一度もない。
これは、おかしい。
なにか、よからぬことが起きている。
私は、そう確信した。
たったの1日帰ってきていないだけで、なぜこうまで言い切れるのか。
双子だからこその共振とか予感めいたものとかか。
創作の世界では、そういった双子ならではの特別さ、みたいなものはときおり見られる。
そういうのは創作の中だけのこととは言え、私の背後のプレイヤーのような双子スキーにはまたとない萌え要素にもなりうる。
……だから、実は双子が入れ替わっていて、加害者と犠牲者を偽装するなんてトリックはいらないんだよ!(最近なんか見たらしい)
双子にはなかよしでいてもらいたいんだッ!
背後のプレイヤーは、そんなキモくてメタい願望を垂れ流しているが、ハナである私の知ったことではない。
むしろ全国の双子さんに失礼にもほどがある。
双子が仲良いのはね。常に一緒にいて、常に比較される中で、自分と違うもう一人に劣等感や優越感を抱きながら獲得していくものなの。
それを簡単に「双子だからなかよしさん」みたいに決めつけてほしくない。
背後はしょせんは設定だけの浅い双子好きってことね。
それを否定はしないけれど。
……困った。
あろうことか、この時点でプレイヤーたる私は、「この人には操作してほしくない」というキャラクター西宮ハナの意思を感じ取ってしまった。
だってキモいしウザい。
いちいち双子願望垂れ流しとかいらない。
キャラクターはプレイヤーの分身として操作するものだ。
ゲームブックの場合、選んだ選択肢の先の展開が思い描いていたのと違っていて、プレイヤーとキャラクターの間の思考に齟齬が生じることはよくある。
けれど、こんなケースは初めてだ。自分でキャラクターに語りをさせておいて、プレイヤーを拒否ってくるなんて。
さて、メタい話はこのくらいにしておいて、強引に話を戻そう。
萌え語りはここまでだ。ストーリーに全集中しよう。
私が、双子の姉レナが帰ってきていないことを、なぜこうも即断で異常事態だと言い切れるのか。
双子だから感知できる予感みたいなものは、多少あると言えばあるかもしれない。
でも、そんなことよりも決定的なことがある。
それはね。
レナは、私ハナのことが好きで好きで、好きすぎてたまらないのだ。
私、ちょっとどうかってくらいにレナに愛されちゃってるのだ。
今じゃスマホなんていう、便利な連絡手段もあるのよ。
だから私に告げずに無断外泊なんて、ぜったいにするはずがない。
私にとっては、これ以上ない確信だ。
なにかが、起きている。
それも、ぜったいによくないことが。
探さなければならない。
姉を、レナを、探さなければ。
ここで、物語前半の目的が提示された。
「双子の姉レナを見つけること」
物語前半の目的、か。後半にはまた違う展開が用意されているのだろう。
こうして、私の物語は幕を開けた。
●アタック01-2 レナと勤務先
レナは、ヤマト感染研究所という、隣の町にある会社に通っている。
別にゾンビウィルスを研究していることなんてない、いたって普通の研究所のはずだ。
土日休みの職場だ。昨日は金曜日だった。
つまり、土曜日の今日、姉は休みということだ。
1月の寒い中とはいえ、休み前の金曜日の夜なのだから、多少の寄り道くらいはするのかもしれない。
双子でも、普段の行動はまるで違う。
レナはこうして会社勤めをしているし、私は今はハウスキーパー状態だ。
レナのすべての行動を把握できているわけでは、全然ない。
そう。幸いと言っていいのかどうか、私は今は無職。探す時間はたっぷりとある。
ここで選択肢とともに、私が自分なりに検討した内容が並ぶ。
・姉の部屋を調査する
・警察に連絡する
・探偵を雇う
・姉の職場に連絡する
最優先で行うべきは警察への連絡だろう。しかし、いろいろ聞かれて時間を取られることは確実だ。
それに成人女性が一晩帰らなかっただけで、どのくらい動いてくれるものだろうか。
私の焦燥感と同じだけの思いを、警察官が持ってくれるとは思えない。
探偵を雇って探してもらうというのも方法だろうか。
しかし先立つものがない。レナに成りすまして銀行から出金すれば、あるいは。
事情を知れば、レナは怒らないかもしれないが、やはりあまり取りたい手段ではない。
そもそも、レナは職場に行き、それきり帰ってきていないのだから、まず真っ先には職場に連絡を取って確認してみるところからだろう。
土曜日で休みだけれど、繋がるだろうか。
感染研究所というくらいだから、貴重なサンプルの維持管理のために当番対応の職員がいてもおかしくはないかもしれない。
レナの部屋の調査も気になるが、まずはアクションを起こそう。
私は、姉の職場、ヤマト感染研究所に電話した。
ここで問われる。今はいつかと。
1、2日目と3日目で反応が変わるようだ。
1日目の結果を確認する。
留守番電話が流れた。土日は営業していないという。
仕方ない。その可能性も十分にあった。
あ、それで週明けの3日目には反応が変わるのか。
というか、土曜日が休みでもきっと誰かいるはず、なんて思考になってしまっている時点で、プレイヤーたる私の社畜っぷりはお察しというものだ。
留守番電話に流れる自動音声は、やけにザラザラした低い声だった。
わざわざ印象深くなるように描写されているように感じる。
こういう気になるポイントは、覚えておいた方が良いだろう。
プレイヤーたる私は、感染研究所というだけで、この会社そのものに何かあると踏んでいる。
ハナである私には、まったく思いもよらないことだけれど。
わざわざこの自動音声を印象づけているのだ。作中で、この印象的な声の人物は、必ず登場するはずだ。
それも、印象からしてあまり良くない方の人物な気がする。警戒しておいて損はないな。
さあ、次はレナの部屋を確認してみよう。
実はさっきの選択肢には、もう少し続きがあって、これがまた気になるのだ。
・姉の投稿情報を見つけているなら
・姉の携帯電話を見つけているなら
と、こんな具合だ。
実はさりげなく、この選択肢の順番にも意味がある。
投稿情報を見つけているなら、という選択肢が、携帯電話を見つけているなら、の先にきている。
「投稿情報」と「携帯電話」という情報があれば、普通は「携帯電話」で「投稿情報」を確認する、という順番を連想するだろう。
それが、そうではなく、投稿情報が先にきている。
これはつまり、携帯電話より先に投稿情報を確認できる可能性がある。
それはどこか。
そう、部屋のパソコンだ。
そして私はレナの質素な部屋で、デスクトップ型のパソコンを見つけた。
これを調べるには時間がかかりそうだが、調べるか、と問われる。
貴重な手がかりが得られるかもしれない。投稿情報とか。
私の行動は決まっていた。私は、パソコンを起動させた。
次回、パソコンから姉レナの投稿情報は閲覧できるのか。
■登場人物
西宮ハナ 主人公。双子の妹。無職。
西宮レナ 主人公の双子の姉。ヤマト感染研究所勤務。金曜日の夜から帰宅していない。
ザラザラした低い声の男 ヤマト感染研究所の留守番電話の音声。研究所員と思われる。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「最期の日に彼女は」
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/2484141
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※ここから先はゲームブック【最期の日に彼女は(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。また、喪失体験にまつわるエピソードが登場します。苦手な方はご注意ください。
●作品紹介
私はこの作品をプレイしたことを、一生忘れないでしょう。
****
狂気とは何か、目に、耳に肌に心に。
日常ならざるそれは観察され思索され絵に文字に綴られてきた。
感覚の外に人の外にあり、人の手で語られるもの。
深淵のふちを散策する、クトゥルーゲームブック短編集 第2弾
——「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」裏表紙より
****
永遠のクトゥルフ初心者ぜろです。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、杉本=ヨハネ著「最期の日に彼女は」に挑戦します。
「クトゥルー短編集」はそのタイトルのとおり、クトゥルフ神話を題材にしたゲームブックの短編をまとめたもの。「暗黒詩篇はその2巻になります。
この短編集には本作「最期の日に彼女は」を含め、6本の短編が収録されています。
「最期の日に彼女は」は、この作品集の6作目、つまり最後を飾る作品です。
・ヨグ=ソトースの飛沫
・白い小屋、赤い絶望
・忌まわしきグラファリアンの蛹
・クトゥルフ深話
・いあいあキャバクラ
・最期の日に彼女は
「クトゥルー」「クトゥルフ」の表記のゆれは、気にしないでください。どっちも意味は同じです。そういうものです。
私はなんとなく「クトゥルフ」表記がしっくりくるので、そちらを使うことが多いですが、作中の呼び方に合わせて臨機応変に表記は変わります。
さて、FT書房の短編集では、本の冒頭に作品紹介の四コマ漫画がついておりまして、そこで各作品の簡単なあらすじが紹介されているのが常です。
この作品にも、中山将平氏による四コマ漫画がついています。
まずはこの四コマ漫画の文章を拾って、作品の雰囲気をつかみましょう。
****
研究所に勤務している双子の姉が失踪した
必死で捜索するうち浮かび上がる手がかり
だが、その失踪の裏側には……
恐るべき真相が隠されていた
焦りで汗がしたたり、ページをめくる指が震える怪作!
****
やはりクトゥルフものには、怪しげな研究所がよく似合います。
何かよからぬものが関わっている雰囲気がプンプンします。
しかも自身の身内がそこに絡んでいるとなると、主人公もその事態から逃れられない予感がしますね。
そして、最初に言っておきます。
この作品をプレイして私が感じたこと。
私にとって非常に重要な意味を持つ作品でした。
もっと早くにプレイするべきでした。
ただ、同時に、この作品をプレイするために、私は自分自身と正面から向き合う必要がありました。
それは、とても重く辛く、そして幸せな記憶。
私のプレイには、それは欠かすことができませんでした。
この作品は、自分自身と向き合うだけでなく、そのことを語る機会を与えてくれました。
私は、この作品をプレイしたことを、一生忘れないでしょう。
なーんて意味深なことを書いていますけど、リプレイのノリは変えられないので、いつものぜろ節から始まるんですけどね。
パラグラフ数は61。
短編とはいえ、61パラグラフもあれば、いろいろなことができそうです。
冒頭のルール確認。
ステイタスがあるとかサイコロを使うとかいった、特別なルールはありません。
ゲームブックの読み方にのっとり、指定されたパラグラフを読み進めることで物語は進行します。
ただひとつ覚えておくこととして、今が何日目なのかは記憶しておくよう指示がありました。
あとは、指のマークがついているパラグラフでは、そのパラグラフ番号を覚えておいて進み、後ほど戻ってくるという形を取るようです。
昔からのゲームブックプレイヤーには通常「指セーブ」と言われているものを、ルール上説明したみたいな感じ。
ま、別に指示のないところでもやるときはやっちゃうんですけどね、指セーブ。
次いで、登場人物紹介があります。
ここで紹介されているのは2名。
双子の姉妹です。
西宮ハナ(にしみや はな):本編の主人公。双子の妹。無職。
西宮レナ(にしみや れな):主人公の双子の姉。感染症および寄生虫の研究者。
研究所に勤務している双子の姉。
双子の姉の研究所って、感染症とか寄生虫とかを取り扱ってるんですね。
クトゥルフ的にはヤバすぎるくらいにヤバい。
クトゥルフもの……というよりゾンビもので研究所とか製薬会社とかが出てきたら、ほぼ確実に事件と関係があります。
当然ですよね。事件と関係があるからこそ、登場させているとも言えますから。
世の研究所職員は、いつも黒幕的組織にさせられてしまうことに、複雑な思いを抱いているかもしれません。
実は、義姉が製薬関係の会社で働いているんですよね。
先日久しぶりに会ったときに義姉、「ぜろの仕事ってホント大変よね」みたいなこと言ってました。
私は「義姉の職場こそ、作品に登場するときにはだいたいゾンビウィルスとか開発してるから複雑よね」と返しておきました。
て、それよりも双子ですよ双子!
私ね、以前別作品のリプレイで、自身の萌え属性を暴露したことがあるんです。
それはね、メガネ! そう、メガネ属性です! メガネ大好きです! メガネスキーです!
身体的特徴とか性格的傾向とかじゃなくてメガネかよ! 付属物かよ!
それはそうなんですけど、好きなものは好きなんだからしょうがない。
諸君、私はメガネ女子が好きだ!! 大好きだ!
と、引かれるくらいに力説したんですよ。
で、それと並んで好きなんですよ双子! 双子属性! 双子キャラ大好き!
これまたキャラクター性じゃなくて設定的要素かよ!
それはそうなんですけど、好きなものは好きなんだからしょうがない。
諸君、私は双子キャラが好きだ!! 大好きだ!
なんとなく思い出すに、中学生の頃に同級生女子に双子さんがいて、「双子って、いいよね」と思ってしまったのが発端なんじゃないかな多分。思っただけで別になんもなかった。
それが高じて萌え属性に昇華してしまったみたいです。
ちなみにネットで萌え属性の一覧を検索したら、ちゃんとありましたよ、双子属性。
少数派かもしれませんが、私以外にもちゃんと存在しているのですね。
というわけで、もう双子ってだけで私の意気込みは違ってくるってものです。
しかも双子の妹が主人公とか。自分自身として行動できるキャラクターが双子の妹とか。
……で、ふっふーん。
どうやらこの作品、挿絵はないし、顔の特徴の詳細な説明もないみたい。
なら、主人公ハナさんも、双子の姉レナさんも、メガネキャラってことにしてしまいましょう。
双子で、しかもメガネ。ああもう私好みの属性てんこ盛りで、始まる前から幸せすぎます。
とはいえ、作品紹介の時点で双子の姉が失踪したことが語られていますので、今後の展開には早くも暗雲がたちこめているのですけれども。
さあ、引くほどに狂おしい私の煩悩を吐露したところで、挑戦をはじめましょう。
リプレイの文中は、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。
●アタック01-1 レナとハナ
私は、西宮ハナ。
双子の姉、レナと2人で暮らしている。
それは、1月の終わりのことだった。
朝、目を覚ますと、レナがいなかった。
どうやら、帰宅していないっぽい。
無断外泊なんて、これまでに一度もない。
これは、おかしい。
なにか、よからぬことが起きている。
私は、そう確信した。
たったの1日帰ってきていないだけで、なぜこうまで言い切れるのか。
双子だからこその共振とか予感めいたものとかか。
創作の世界では、そういった双子ならではの特別さ、みたいなものはときおり見られる。
そういうのは創作の中だけのこととは言え、私の背後のプレイヤーのような双子スキーにはまたとない萌え要素にもなりうる。
……だから、実は双子が入れ替わっていて、加害者と犠牲者を偽装するなんてトリックはいらないんだよ!(最近なんか見たらしい)
双子にはなかよしでいてもらいたいんだッ!
背後のプレイヤーは、そんなキモくてメタい願望を垂れ流しているが、ハナである私の知ったことではない。
むしろ全国の双子さんに失礼にもほどがある。
双子が仲良いのはね。常に一緒にいて、常に比較される中で、自分と違うもう一人に劣等感や優越感を抱きながら獲得していくものなの。
それを簡単に「双子だからなかよしさん」みたいに決めつけてほしくない。
背後はしょせんは設定だけの浅い双子好きってことね。
それを否定はしないけれど。
……困った。
あろうことか、この時点でプレイヤーたる私は、「この人には操作してほしくない」というキャラクター西宮ハナの意思を感じ取ってしまった。
だってキモいしウザい。
いちいち双子願望垂れ流しとかいらない。
キャラクターはプレイヤーの分身として操作するものだ。
ゲームブックの場合、選んだ選択肢の先の展開が思い描いていたのと違っていて、プレイヤーとキャラクターの間の思考に齟齬が生じることはよくある。
けれど、こんなケースは初めてだ。自分でキャラクターに語りをさせておいて、プレイヤーを拒否ってくるなんて。
さて、メタい話はこのくらいにしておいて、強引に話を戻そう。
萌え語りはここまでだ。ストーリーに全集中しよう。
私が、双子の姉レナが帰ってきていないことを、なぜこうも即断で異常事態だと言い切れるのか。
双子だから感知できる予感みたいなものは、多少あると言えばあるかもしれない。
でも、そんなことよりも決定的なことがある。
それはね。
レナは、私ハナのことが好きで好きで、好きすぎてたまらないのだ。
私、ちょっとどうかってくらいにレナに愛されちゃってるのだ。
今じゃスマホなんていう、便利な連絡手段もあるのよ。
だから私に告げずに無断外泊なんて、ぜったいにするはずがない。
私にとっては、これ以上ない確信だ。
なにかが、起きている。
それも、ぜったいによくないことが。
探さなければならない。
姉を、レナを、探さなければ。
ここで、物語前半の目的が提示された。
「双子の姉レナを見つけること」
物語前半の目的、か。後半にはまた違う展開が用意されているのだろう。
こうして、私の物語は幕を開けた。
●アタック01-2 レナと勤務先
レナは、ヤマト感染研究所という、隣の町にある会社に通っている。
別にゾンビウィルスを研究していることなんてない、いたって普通の研究所のはずだ。
土日休みの職場だ。昨日は金曜日だった。
つまり、土曜日の今日、姉は休みということだ。
1月の寒い中とはいえ、休み前の金曜日の夜なのだから、多少の寄り道くらいはするのかもしれない。
双子でも、普段の行動はまるで違う。
レナはこうして会社勤めをしているし、私は今はハウスキーパー状態だ。
レナのすべての行動を把握できているわけでは、全然ない。
そう。幸いと言っていいのかどうか、私は今は無職。探す時間はたっぷりとある。
ここで選択肢とともに、私が自分なりに検討した内容が並ぶ。
・姉の部屋を調査する
・警察に連絡する
・探偵を雇う
・姉の職場に連絡する
最優先で行うべきは警察への連絡だろう。しかし、いろいろ聞かれて時間を取られることは確実だ。
それに成人女性が一晩帰らなかっただけで、どのくらい動いてくれるものだろうか。
私の焦燥感と同じだけの思いを、警察官が持ってくれるとは思えない。
探偵を雇って探してもらうというのも方法だろうか。
しかし先立つものがない。レナに成りすまして銀行から出金すれば、あるいは。
事情を知れば、レナは怒らないかもしれないが、やはりあまり取りたい手段ではない。
そもそも、レナは職場に行き、それきり帰ってきていないのだから、まず真っ先には職場に連絡を取って確認してみるところからだろう。
土曜日で休みだけれど、繋がるだろうか。
感染研究所というくらいだから、貴重なサンプルの維持管理のために当番対応の職員がいてもおかしくはないかもしれない。
レナの部屋の調査も気になるが、まずはアクションを起こそう。
私は、姉の職場、ヤマト感染研究所に電話した。
ここで問われる。今はいつかと。
1、2日目と3日目で反応が変わるようだ。
1日目の結果を確認する。
留守番電話が流れた。土日は営業していないという。
仕方ない。その可能性も十分にあった。
あ、それで週明けの3日目には反応が変わるのか。
というか、土曜日が休みでもきっと誰かいるはず、なんて思考になってしまっている時点で、プレイヤーたる私の社畜っぷりはお察しというものだ。
留守番電話に流れる自動音声は、やけにザラザラした低い声だった。
わざわざ印象深くなるように描写されているように感じる。
こういう気になるポイントは、覚えておいた方が良いだろう。
プレイヤーたる私は、感染研究所というだけで、この会社そのものに何かあると踏んでいる。
ハナである私には、まったく思いもよらないことだけれど。
わざわざこの自動音声を印象づけているのだ。作中で、この印象的な声の人物は、必ず登場するはずだ。
それも、印象からしてあまり良くない方の人物な気がする。警戒しておいて損はないな。
さあ、次はレナの部屋を確認してみよう。
実はさっきの選択肢には、もう少し続きがあって、これがまた気になるのだ。
・姉の投稿情報を見つけているなら
・姉の携帯電話を見つけているなら
と、こんな具合だ。
実はさりげなく、この選択肢の順番にも意味がある。
投稿情報を見つけているなら、という選択肢が、携帯電話を見つけているなら、の先にきている。
「投稿情報」と「携帯電話」という情報があれば、普通は「携帯電話」で「投稿情報」を確認する、という順番を連想するだろう。
それが、そうではなく、投稿情報が先にきている。
これはつまり、携帯電話より先に投稿情報を確認できる可能性がある。
それはどこか。
そう、部屋のパソコンだ。
そして私はレナの質素な部屋で、デスクトップ型のパソコンを見つけた。
これを調べるには時間がかかりそうだが、調べるか、と問われる。
貴重な手がかりが得られるかもしれない。投稿情報とか。
私の行動は決まっていた。私は、パソコンを起動させた。
次回、パソコンから姉レナの投稿情報は閲覧できるのか。
■登場人物
西宮ハナ 主人公。双子の妹。無職。
西宮レナ 主人公の双子の姉。ヤマト感染研究所勤務。金曜日の夜から帰宅していない。
ザラザラした低い声の男 ヤマト感染研究所の留守番電話の音声。研究所員と思われる。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「最期の日に彼女は」
著者:杉本=ヨハネ
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2024年12月17日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.113 FT新聞 No.4346
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『これはゲームブックなのですか!?』vol.113
かなでひびき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
かなではドールハウス好きです。
それも、例えば引き出しの中にもきっちりモノが詰まっていたり、机の上に書きかけのメモ、読みかけのまま広がっている本なんかが残っていたりするような、「超」精密なもの。
ドールハウスというのは、「人が住まう」ものの縮小版。
言い換えれば、その人の人生観がみっちり詰まっている。
つまり、耳を傾けると、その「部屋」「建物」自体が語りかけてくる。
そんなものが大好き。
というかね、家が着々とドールハウスに侵食されているの(;_;)
うーん。このままだと、1/8人間ならぬ1/12人間になりたいわ。
いきなりの『ウルトラQ』ネタから始まる、外見はJK? JC?
だけど、中身はザ老害。
バーチャル図書委員長かなでひびきだよっ!
で、そんな「モノを語りかけるもの」満載な本が出ました。
『空想世界のもちもの』(著:るきち 日貿出版社)よ。
ページを開くと、ほのかにさす光に照らされた一枚の地図。
「三つの大陸の人々がたどり着けなかった『名前のない土地』は、広大すぎて詳細な地図がありません。
この地図は、幸運にもここに足を踏み入れたタリンが、もう一人の主人公エイシュンと旅をした成果を『世界地図(渡り図)』に新たに書き記したものなので、いまだ完成してません」
(本文より)
なんか、このページだけで、そう、まるで、童話、あるいは絵本の最初のページを開いたワクワク感がハンパありませんっ!
で、次のページにコンセプトが書かれているんだけど、背景コンセプトアーティスト、プロップデザイナーとして活躍されている著者のるきち先生が、中学、高校の時から温めていたものを書き溜めたものなの。
ざっと言うと、地理の学者を目指すタリン君が、商隊に同行。まだ「名前の付けられてない」土地を巡る、というバックストーリーなんですけど、何ですか? この緻密な世界観は!?
キャラクター紹介、その衣装から、その地域を代表する風景、そしてそこに住まう人々の家。食事。日用品なんかや小道具。紋章まで。
家も、高原地帯ならいかにも民族風。都市部ならいかにも都市風。とちゃんと色分けしている。
そして、その設定が細かいのよね。
たとえば、衣装ひとつにとっても、下着からどのように上着を着ているのか。どのように小道具をつけるのか、実に細かく書き込まれている。
特に、食事。
ごちそうはもちろん、その原材料や、屋台に並ぶ姿。「商人の携帯食とお茶」「行商人の品々」そして「アンズ油づくり」まで。
まさに宮崎アニメに出てくる「飯テロ」以上の素敵なサムシングが詰め込まれているわ!
あるいは「民族」
アジア系の香りがするんだけど、実在のどこの民族ともいえない、オリジナリティを確実に出している。
そう、この本に出てくるものの形は「これだからこう」という理由がある。
それが、この本のリアリティにつながっていってる。
その姿は、まるでひとつの図鑑のよう!
また、そのネタの出し方→つまりは岸辺露伴ライクに「全てものに目を通せ」ということなんだけど、具体的に出来るやり方で書いてあるし、パソコンを使った作画技術まで抑えてある。
私的な話だけど、ちょっと眉をひそめたらゴメンナサイ。
だけど、クリエーターを趣味としていても、あなたの周りにもいるんじゃないかなぁ?
設定ばかりやたら凝っているけど、肝心の物語が動かない、って方。
だけど、この本は違う。
設定しか書いていないのに、まるで「見えない物語」があるようにグイグイと引き込まれていく。
いわゆる「設定房」と、この本の違いは? と考えると、それは「根幹に物語がある」っていうことなんじゃないかなぁ?
例えば、この本の中に、「創作するときに気をつけていること」ってコーナーがあるけど、その中に「第三者に見てもらう、言葉で設定を解説する」「自分と他人の共通する部分を探す」
ってとこがあるわ。
結局「物語」が「もの」を「語る」なら、それは「第三者」に語らなきゃ意味がない。
一方で「全体を見る」「創作世界の設定がぶれていないかチェックする」
特に「一つ一つ絶対に完成させる」なんて言葉、なにか創作する方々にとって、基本だけど、もっとも厳しい難関かも?
150ページにわたる詳細な設定だけど、物語と直接関係ないところまで煮詰めてあるから、絵、つまり設定だけ見ても「物語は語られる」
逆に言えば、ここまで設定をつめてないと、物語は語りださない。
「設定だけ語って、後は読者が勝手に語ってくれる」などという言葉を吐くやからに限って「これだけじゃ何も浮かばないよ」ってうんざりするけど、この本はそういうことがない。
この本をお勧めしたい方は、もちろん、「異世界の小道具や背景」ってどうやって「具体的に」作るんだろう、としている人。
「世界観」を建物や小道具で詰めていこうとしている方にもオススメ。
この細かな設定から、二人の物語、いや、この世界にまつわる人たちのお話を空想してみる、ってのはどう?
まるで、小学校のころ、初めて出会った図鑑、そして絵本からどんどん空想が進んでいったように、これはまさに「大人の絵本」だと思うの。
「世界」から、物語を空想するのも、ひとつのゲームブックの形だと思わない?
見逃せば人生後悔することウケアイ。
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『空想世界のもちもの』
著 るきち
出版社:日貿出版社 単行本(ソフトカバー) 2024/2/15 2400円(+税)
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かなでひびき
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かなではドールハウス好きです。
それも、例えば引き出しの中にもきっちりモノが詰まっていたり、机の上に書きかけのメモ、読みかけのまま広がっている本なんかが残っていたりするような、「超」精密なもの。
ドールハウスというのは、「人が住まう」ものの縮小版。
言い換えれば、その人の人生観がみっちり詰まっている。
つまり、耳を傾けると、その「部屋」「建物」自体が語りかけてくる。
そんなものが大好き。
というかね、家が着々とドールハウスに侵食されているの(;_;)
うーん。このままだと、1/8人間ならぬ1/12人間になりたいわ。
いきなりの『ウルトラQ』ネタから始まる、外見はJK? JC?
だけど、中身はザ老害。
バーチャル図書委員長かなでひびきだよっ!
で、そんな「モノを語りかけるもの」満載な本が出ました。
『空想世界のもちもの』(著:るきち 日貿出版社)よ。
ページを開くと、ほのかにさす光に照らされた一枚の地図。
「三つの大陸の人々がたどり着けなかった『名前のない土地』は、広大すぎて詳細な地図がありません。
この地図は、幸運にもここに足を踏み入れたタリンが、もう一人の主人公エイシュンと旅をした成果を『世界地図(渡り図)』に新たに書き記したものなので、いまだ完成してません」
(本文より)
なんか、このページだけで、そう、まるで、童話、あるいは絵本の最初のページを開いたワクワク感がハンパありませんっ!
で、次のページにコンセプトが書かれているんだけど、背景コンセプトアーティスト、プロップデザイナーとして活躍されている著者のるきち先生が、中学、高校の時から温めていたものを書き溜めたものなの。
ざっと言うと、地理の学者を目指すタリン君が、商隊に同行。まだ「名前の付けられてない」土地を巡る、というバックストーリーなんですけど、何ですか? この緻密な世界観は!?
キャラクター紹介、その衣装から、その地域を代表する風景、そしてそこに住まう人々の家。食事。日用品なんかや小道具。紋章まで。
家も、高原地帯ならいかにも民族風。都市部ならいかにも都市風。とちゃんと色分けしている。
そして、その設定が細かいのよね。
たとえば、衣装ひとつにとっても、下着からどのように上着を着ているのか。どのように小道具をつけるのか、実に細かく書き込まれている。
特に、食事。
ごちそうはもちろん、その原材料や、屋台に並ぶ姿。「商人の携帯食とお茶」「行商人の品々」そして「アンズ油づくり」まで。
まさに宮崎アニメに出てくる「飯テロ」以上の素敵なサムシングが詰め込まれているわ!
あるいは「民族」
アジア系の香りがするんだけど、実在のどこの民族ともいえない、オリジナリティを確実に出している。
そう、この本に出てくるものの形は「これだからこう」という理由がある。
それが、この本のリアリティにつながっていってる。
その姿は、まるでひとつの図鑑のよう!
また、そのネタの出し方→つまりは岸辺露伴ライクに「全てものに目を通せ」ということなんだけど、具体的に出来るやり方で書いてあるし、パソコンを使った作画技術まで抑えてある。
私的な話だけど、ちょっと眉をひそめたらゴメンナサイ。
だけど、クリエーターを趣味としていても、あなたの周りにもいるんじゃないかなぁ?
設定ばかりやたら凝っているけど、肝心の物語が動かない、って方。
だけど、この本は違う。
設定しか書いていないのに、まるで「見えない物語」があるようにグイグイと引き込まれていく。
いわゆる「設定房」と、この本の違いは? と考えると、それは「根幹に物語がある」っていうことなんじゃないかなぁ?
例えば、この本の中に、「創作するときに気をつけていること」ってコーナーがあるけど、その中に「第三者に見てもらう、言葉で設定を解説する」「自分と他人の共通する部分を探す」
ってとこがあるわ。
結局「物語」が「もの」を「語る」なら、それは「第三者」に語らなきゃ意味がない。
一方で「全体を見る」「創作世界の設定がぶれていないかチェックする」
特に「一つ一つ絶対に完成させる」なんて言葉、なにか創作する方々にとって、基本だけど、もっとも厳しい難関かも?
150ページにわたる詳細な設定だけど、物語と直接関係ないところまで煮詰めてあるから、絵、つまり設定だけ見ても「物語は語られる」
逆に言えば、ここまで設定をつめてないと、物語は語りださない。
「設定だけ語って、後は読者が勝手に語ってくれる」などという言葉を吐くやからに限って「これだけじゃ何も浮かばないよ」ってうんざりするけど、この本はそういうことがない。
この本をお勧めしたい方は、もちろん、「異世界の小道具や背景」ってどうやって「具体的に」作るんだろう、としている人。
「世界観」を建物や小道具で詰めていこうとしている方にもオススメ。
この細かな設定から、二人の物語、いや、この世界にまつわる人たちのお話を空想してみる、ってのはどう?
まるで、小学校のころ、初めて出会った図鑑、そして絵本からどんどん空想が進んでいったように、これはまさに「大人の絵本」だと思うの。
「世界」から、物語を空想するのも、ひとつのゲームブックの形だと思わない?
見逃せば人生後悔することウケアイ。
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『空想世界のもちもの』
著 るきち
出版社:日貿出版社 単行本(ソフトカバー) 2024/2/15 2400円(+税)
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2024年12月16日月曜日
杉本がお休みをいただく話と【翼人】の登場☆ FT新聞 No.4345
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
本日は杉本が多少のお休みをいただくお話と、HoDにて新登場の種族です☆
◆例によって。
毎年私は11月後半から12月前半の体調が悪いのですが、今年も例外ではありませんでした。
しっかりと冬季鬱をいただいてしまい、不眠と憂鬱が私を取り巻いております。
大体クリスマスの時期ぐらいからよくなるのですが、ここでムリをして長引いたこともあるので、お休みを取ることにしました。
お休みといってもFT新聞の記事は(短いかなと思いますが)書きますし、執筆のほうは「鬱になってもできるお仕事」に分類されているというか、かえって癒しになるというか、そういうところに属しているので、あまり外から見ると変わらないかもしれません。
ムリはできないので、執筆の量は減りますけれども。
また、最近はTwitter(現X)でアランツァ世界について語る言葉がタイムラインに流れていて、大きな癒しをいただいております。
◆クロスラインゲームスのご紹介☆
FT書房やそのメンバーが作ったグッズを販売、頒布するために、数年前に「クロスラインゲームス」というサークルが立ち上げられました。
リーダーは、FT書房では編集を担当する緋色朱音です☆
「ローグライクハーフ」のヒットを受けまして、ファンの方々から「グッズを作ってほしい」というご要望をいただくことが増えました。
その流れを受けて、最近このサークルが再始動したという話です。
冬のゲームマーケットではFT書房は1日目に、クロスラインゲームスは2日目に参加する予定です。
下に出展情報を掲載します……通販のほうは今しばらくお待ちくださいませ。
FT書房
12月29日(日曜日・1日目)
東 ネ26a
クロスラインゲームス
12月30日(月曜日・2日目)
東 ホ01b
◆今週の「ヒーローズオブダークネス」は【翼人】!
そんな環境でも、「モンスター種族で遊ぶローグライクハーフ」こと「ヒーローズオブダークネス」はコツコツと進行させております☆
今週の更新は【翼人】です。
さっそくいきましょう、どうぞ!
それではまた……。
↓「クロスラインゲームス」のTwitterアカウント☆
https://x.com/crosslinegames
・<翼人>
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_HoD_NewKindred_WingedPeople.txt
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大体クリスマスの時期ぐらいからよくなるのですが、ここでムリをして長引いたこともあるので、お休みを取ることにしました。
お休みといってもFT新聞の記事は(短いかなと思いますが)書きますし、執筆のほうは「鬱になってもできるお仕事」に分類されているというか、かえって癒しになるというか、そういうところに属しているので、あまり外から見ると変わらないかもしれません。
ムリはできないので、執筆の量は減りますけれども。
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「ローグライクハーフ」のヒットを受けまして、ファンの方々から「グッズを作ってほしい」というご要望をいただくことが増えました。
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12月29日(日曜日・1日目)
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クロスラインゲームス
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東 ホ01b
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2024年12月15日日曜日
Ψ『ヒットマンズ・ショーダウン』 FT新聞 No.4344
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
オリジナル・カードゲーム
『ヒットマンズ・ショーダウン』
作:馬渡俊祐
監修:岡和田晃
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
●はじめに(岡和田晃)
市販のトランプを使ってプレイでき、ダイスを用いた戦闘やTCGライクなデッキの構築、RPG的なキャラクター強化、何よりアツい駆け引きが楽しめるオリジナル・ゲームをお届けします!
新鋭・馬渡俊祐氏の手になる本作は、東海大学文芸創作学科のゲームデザイン講義、2023年度秋学期の優秀作。講義内でプレイした、トム・レーマンの傑作ダイスゲーム『王への請願』や、ライナー・クニツィアによる競りゲームの古典『メディチ』(ボード版とカード版の両方を遊びました)の影響を感じさせつつも、エピゴーネンには終わっておらず、試していただく価値は充分にあるものと思います。
パルプ・ノワールな世界観も"良い感じ"の雰囲気を醸し出していますが、バランスが練り込まれていて、私の監修時にも数値周りの調整は、ほとんどせずに済みました。
さあ、華やかなジャズの狂騒の裏、ヒットマンとマフィアのショーが始まりました!
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
【ゲーム概要】
プレイヤー想定数:2〜4人
プレイ時間想定:1~2時間
ゲームシステム:ダイスゲーム、競り、デッキ構築
必要な道具:紙、ペン、6面ダイス数個、トランプ(Joker2枚が入った54枚のもの)
【背景説明】
世界有数の治安の悪さを持つ狭き都市、「グッドナイト」。そこで行われた、総支配人Angelによる定期ヒットマンズ会議。黙々と進められる会議の最中、誰かがこういった。「一番優れている組織はどこなのだろう」と───
その瞬間、ヒットマン同士の華麗で残酷なショーが幕を開けた。目的は一つ。「この都市で一番のヒットマンチーム」になるために。最も金を稼ぎ、のし上がる組織はどこなのだろうか。
"では、6週間後の定期会議での報告を楽しみにしていますよ。──Angelより"
プレイヤーは4種類のヒットマンチームのいずれかを担当し、可能な限りの資金を集め、グッドナイトでのヘゲモニーを獲得を目指すことになります。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
↓【ゲーム本編】はこちら
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/Hitmans_Showdown.pdf
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『ヒットマンズ・ショーダウン』
作:馬渡俊祐
監修:岡和田晃
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市販のトランプを使ってプレイでき、ダイスを用いた戦闘やTCGライクなデッキの構築、RPG的なキャラクター強化、何よりアツい駆け引きが楽しめるオリジナル・ゲームをお届けします!
新鋭・馬渡俊祐氏の手になる本作は、東海大学文芸創作学科のゲームデザイン講義、2023年度秋学期の優秀作。講義内でプレイした、トム・レーマンの傑作ダイスゲーム『王への請願』や、ライナー・クニツィアによる競りゲームの古典『メディチ』(ボード版とカード版の両方を遊びました)の影響を感じさせつつも、エピゴーネンには終わっておらず、試していただく価値は充分にあるものと思います。
パルプ・ノワールな世界観も"良い感じ"の雰囲気を醸し出していますが、バランスが練り込まれていて、私の監修時にも数値周りの調整は、ほとんどせずに済みました。
さあ、華やかなジャズの狂騒の裏、ヒットマンとマフィアのショーが始まりました!
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【ゲーム概要】
プレイヤー想定数:2〜4人
プレイ時間想定:1~2時間
ゲームシステム:ダイスゲーム、競り、デッキ構築
必要な道具:紙、ペン、6面ダイス数個、トランプ(Joker2枚が入った54枚のもの)
【背景説明】
世界有数の治安の悪さを持つ狭き都市、「グッドナイト」。そこで行われた、総支配人Angelによる定期ヒットマンズ会議。黙々と進められる会議の最中、誰かがこういった。「一番優れている組織はどこなのだろう」と───
その瞬間、ヒットマン同士の華麗で残酷なショーが幕を開けた。目的は一つ。「この都市で一番のヒットマンチーム」になるために。最も金を稼ぎ、のし上がる組織はどこなのだろうか。
"では、6週間後の定期会議での報告を楽しみにしていますよ。──Angelより"
プレイヤーは4種類のヒットマンチームのいずれかを担当し、可能な限りの資金を集め、グッドナイトでのヘゲモニーを獲得を目指すことになります。
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2024年12月14日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第618号 FT新聞 No.4343
From:水波流
冬になると、夏が好きだという事を実感する。
人はいつも失ってはじめてその大事さに気づくのだ、という話に広げるとちょっと感傷的に過ぎるという気もしますが笑
from:葉山海月
世の中にはペットボトルを落とした見知らぬ娘に「お礼は1割でいいです」と一口飲んで、それが縁で結婚した人もいるんですから。
ただ気になるのは、そいつがいつの間にやら音信不通に……
from:中山将平
僕ら明日12月15日(日)「ゲームアンティーク2024ver.2.0」にサークル参加します!
開催地は『大阪府の西九条駅付近にある此花会館』です。
ブース配置は【03】。お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。
あとこれはFT書房とは関係のない個人的なお話なのですが、次のカギカッコ内の言葉をぜひ検索いただけましたら。
「クロスラインゲームス」
FT書房外で僕が動いている活動をご覧いただるかと。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■12/8(日)~12/13(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2024年12月8日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4337
アランツァクリーチャー事典 Vol.11
・アランツァクリーチャー事典、今回ご紹介するのは『精霊・神霊』
命あるように見えて、「生命体」ではない。
「火トカゲ」から自然現象。ヒトの形をとるものまで。ピュアだからこその神秘的で多彩な個性。
どうぞお楽しみ下さいませ。
2024年12月9日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4338
発売延期のお詫びと【緋色の魔術師】の登場。
・まずはお詫び申し上げます。
ロア・スペイダー著の新作ゲームブック『単眼の巨獣』ですが、制作上の都合により2025年春に延期となりました。
お待ちになられていた方、大変申し訳ございません。
締め切りと作品のクオリティ。悩みぬいた先に「クオリティ」を取りました!
その代わりに、今週の「ヒーローズオブダークネス」の【新種族】!!!
今週できあがったのは基本ルールの【魔術師】に近い存在として【緋色の魔術師】です!
それとは別に【魔猫】に更新が入りました☆
その他、楽しい情報も!
どうぞよろしくお願いいたします。
2024年12月10日(火) 中山将平 FT新聞 No.4339
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第35回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)。
その創作から、学んだことを書きつづります。
前回までの記事で「異種族」のうち「中立種族」と「友好種族」について書いてみたので、今回はプチシリーズの締めくくりとして「敵対種族」について。
本質は「なぜ敵対種族は敵対種族なのか」ということ。
ひょっとしたら「昨日の敵は今日の友」となるかもしれない、ダイナミックな異文化論を「敵」という視点から語ります。
2024年12月11日(水) ぜろ FT新聞 No.4340
第4回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第415回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、丹野佑著「白い小屋、赤い絶望」に挑戦します。
山小屋で行われていた儀式の謎をつきとめ、異星の怪物を現地へと送り返すことに成功しました。
しかしその代償として、山小屋は炎に包まれています。
吹雪は止んでいるので、小屋がなくても何とかなりそうではありますが。
そして、主人公サクタロウの手元には、この事件を引き起こすきっかけとなった魔導書が。
炎の中に投げ込むか、そのまま持ち帰るか。
しかし……。
「どうあがいても不条理で絶望」な、いかにも「クトゥルフ」らしいエンディングの数々、ご照覧ください。
2024年12月12日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4341
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.20
・岡和田晃氏による、新しく楽しい読み物満載な「SF Prologue Wave」とのコラボ企画記事です。
「FT新聞」の読者で、健部伸明さんの仕事を知らない人は、まずいらっしゃらないのではないでしょうか。TRPGやTRPGライクなボードゲーム紹介の第一人者です。その他、ゲームブックに、神話学・民俗学の研究書・入門書の数々。
今回はかの人の短編をご紹介!
……俺たちはシードリング、すなわち苗木にして種撒く者と呼ばれているのだ……(本文より)
わずか15ページに織り込まれた壮大なロマンスは、まさに多重世界のタペストリー!
すこしふしぎ(SF)な手のひらに乗る物語をお楽しみください!
2024年12月13日(金) 休刊日 FT新聞 No.4342
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(忍者福島さん)
『猫の女神の冒険』リプレイに李徴の名前が出てくるとは思いませんでした。
中島敦の山月記は教科書に掲載されたのを読んだきりですが、ストーリーが面白くて好きな作品の一つです。
人虎になった李徴がこの世界に出てきたら、どんな活躍をするのでしょうか?それとも臆病な自尊心、尊大な羞恥心のせいで挫折してしまうのか?
気になったりしますね(笑)
(お返事:齊藤飛鳥)
御感想下さり、ありがとうございますm(_ _)m
『山月記』は、『アレキサンダとぜんまいねずみ』『羅生門』と並んで好きな国語の教科書に掲載されている作品です^^
李徴がズィムララ世界へ来たら……と想像すると、楽しいですね。臆病な自尊心、尊大な羞恥心を持つ李徴の一番の精神的重石となっている過去や経歴を知っている者が誰一人としていないので、解放感から冒険を開始。そして、冒険のクエストに失敗したら、また誰もいない山中に引きこもるところまでがワンセットで想像できました(笑)
(蒙太辺土さん)
HoD通信的なこの記事を毎週楽しみにしています!
まず[半巨人]ですが、これスキ。
巨駆を活かしたパワフルなスキル、その代わり取り回しには難有り。イイ感じですね〜。
半巨人の由来/発生も気になります。
人を食わない巨人。この守り手はどこからやってきたのでしょうか。
[妖狐]
東洋妖怪代表のヨウコさん、強い!
ま、そのぶん打たれ弱い面もあるけれど、なんか色々できるお方ですね〜。
ツクモガミをお供に出来るのが楽しい。
[オーク]
ゴブリンと共にファンタジー界隈での敵役種族の代表格、オーク。
なんならタバコよりヘルシーにあれやこれやを服用する奴ら。
イイ味出てます。
ただシステム的にヤクブツの効果時間が微妙かな?と思いました。
次に起こる[できごと]がランダムに決定されるのがR.L.Hのシステムです。
なので効果が空振りに終わる可能性が高い気がするのです。
例えば常に服用しているというかたちで冒険1回分の間は効果があるとかだとスキルとして有用と言えそうです。
[魔猫]
造形はなんの変哲もないぬっこ。
でもサイズ感だけがおかしいというところがステキですね〜。あれ?遠近法ヤバいみたいな(笑)
コビットに崇められているという設定もイイなぁ。
そしてまさかの"獣血注入"?!
これによって発現する特徴はやはり猫耳や肉球ということになるのでしょうか?
どんどん充実してゆくHoD!楽しみ過ぎる。
(お返事:杉本=ヨハネ)
おたよりありがとうございます☆
【半巨人】は大規模な戦闘に強く、【妖狐】は万能で弱い面もあり、【魔猫】は神の要素がある。
そうです、そんなビジョンのもとにデザインしました、届いて嬉しいです☆
【オーク】のお薬が弱いお話はチラホラ耳にしていて、次に修正が入る候補になっております!
タイミングですよね、やはり。
調整かけていきます☆
(蒙太辺土さん)
今週のHoD感想です。
[緋色の魔術師]
設定部分といいデータ部分といいとても興味深い新種族です。
"ちょうどいい種族"と聞いて浅はかな私は他のHoD種族と比べて薄味なのかな?なんて思っていたら、杉本ヨハネがそんなぬるいことをするはずもなく(笑)
お見逸れしました!めっちゃ濃い〜。
"洗脳が解けた"辺りの記述を読むに、アランツァにおける善の種族、悪の種族という括りはあくまで所属というか出自のことであって、個々の性質は各々によるものなのかな?と感じました。
なにしろ善の種族が正義の名のもとに"洗脳"を行うわけですから。
特殊技能でいうと私の好みは[弔いの炎]です。
成仏(?)させてあげるとお礼に[手がかり]がもらえるという、目から鱗的発想がスゴい!
[炎の精]も面白いですね〜。
生きた[炎球]みたいな範囲攻撃できる従者。
う〜んゼヒに連れていきたい。
緋色の魔術師はぱっと見、オリジナル魔術師より強そうに見えますが、相手が炎熱に耐性がある場合しっかりピンチになりそうなので、そこがいいバランスとなっていますね。
[魔猫](改訂版)
猫好きで犬嫌い?(『羊たちにまぎれて』を読んで感じた勝手なイメージ)の杉本先生。
猫をえこひいきしないように気をつけ過ぎた、とのことでしたが、いいんじゃないですかね〜、えこひいき。
仮に他より(ある程度)強いみたいな種族がいても、だからと言ってプレイヤーが皆その種族しか選ばない、とはならない気がします。
私個人の傾向としては、面白い設定や変わった特技の持ち主を優先して遊びがち、というのがあります。
で、今回の魔猫の更新ですが、いい塩梅に感じました。
確かに[美しい着地]は猫っぽくて特徴は出ているものの、しょっちゅう使う機会のあるものでもない。
代わって導入された[気まぐれ案内人]はプレイヤーが能動的に行使するものですからゲーム的にはより楽しくなりました。
さて、冒頭でおっしゃられていた「時間をかけてもいいからいい作品を」という件ですが、まったくその通りでございます!
そもそも杉本先生をはじめとしたFT書房メンバーの皆さんは納得のいかないかたちでとりあえず作品を出す、なんてことはなさらないでしょうしね〜。
だからこそ我々ファンは信頼し期待することができるのです。
私はFT書房作品のリリースを、小中学生の頃に鈴木直人先生や林友彦先生の新刊を待つように熱い気持ちで待望しておりますですよ!
(お返事:杉本=ヨハネ)
ありがとうございます☆
【新種族】は世界観と深い結びつきがあるものにしたいというビジョンがあり、そこに基づいて考えたとき、この混沌都市ゴーブにいる【緋色の魔術師】が選ばれました。
【混沌】をベースにしたクリーチャーも候補にいますが、登場するかどうかはここでは明言を避けておきます☆
基本ルールの【魔術師】は万能型というか、いろんな事態への対応力が高いタイプです。
【緋色の魔術師】はやや戦闘寄りのデザインになっているので、その違いは出たかなと思います☆
【魔猫】に関しては、そうですね、私は犬がちょっと苦手です(笑)。
吠え声の大きい犬や「本気を出せば人間を殺せるサイズ感」のある子だと、強いストレスを感じます。
要は、犬と一緒に暮らしたことがないので、犬と一緒でリラックスすることができないのです。
でも、好き嫌いでいうと、実は「好き」なのです。
尻尾を振る柴犬やゴールデンレッドリバー、ハスキー犬、ミニチュアダックスフント、パグあたり、特に「かわいい」と思います☆
【気まぐれ案内人】はゲームをより楽しくしてくれると思います……回復を引き当てるなどしたときには、「いつでも回復があるしな」という安心感とともにプレイができる。
紫隠ねこさんとのやりとりのなかで思いついた、名スキルなのではと自負しております(笑)☆
>「時間をかけてもいいからいい作品を」
「質も量も」と求められるのが、読者の特権だと本当は考えておりますm(__)m
この言葉が言える前提の現状として、今「作品に追いついていない人が多い」から成り立つのだと、解釈しております。
準備は順調に進んでいますので、春からまた作品を出していきます!
(忍者福島さん)
ぜろさんが2へ進めの指示が無いまま遭難してしまうエンドが一番好きかもしれません(笑)
もしかして本当に3時間待機してたとか?
かまいたちの夜で正解がわかってるのにその選択肢がわからないままゲームオーバーになるのを思い出しました(笑)
(お返事:ぜろ)
感想ありがとうございます。
そう。今回は一発クリアのように見えますが、今回は最初にゲームオーバーを食らって、以下ずっとアタック02なのでした。本当に3時間待機をしたのかって? いやいやそんなわけないじゃないですか。拙者、ズル大好きっ子ゆえ。では、全国の釜井さんたちによろしくお伝えください。
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冬になると、夏が好きだという事を実感する。
人はいつも失ってはじめてその大事さに気づくのだ、という話に広げるとちょっと感傷的に過ぎるという気もしますが笑
from:葉山海月
世の中にはペットボトルを落とした見知らぬ娘に「お礼は1割でいいです」と一口飲んで、それが縁で結婚した人もいるんですから。
ただ気になるのは、そいつがいつの間にやら音信不通に……
from:中山将平
僕ら明日12月15日(日)「ゲームアンティーク2024ver.2.0」にサークル参加します!
開催地は『大阪府の西九条駅付近にある此花会館』です。
ブース配置は【03】。お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。
あとこれはFT書房とは関係のない個人的なお話なのですが、次のカギカッコ内の言葉をぜひ検索いただけましたら。
「クロスラインゲームス」
FT書房外で僕が動いている活動をご覧いただるかと。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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■12/8(日)~12/13(金)の記事一覧
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2024年12月8日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4337
アランツァクリーチャー事典 Vol.11
・アランツァクリーチャー事典、今回ご紹介するのは『精霊・神霊』
命あるように見えて、「生命体」ではない。
「火トカゲ」から自然現象。ヒトの形をとるものまで。ピュアだからこその神秘的で多彩な個性。
どうぞお楽しみ下さいませ。
2024年12月9日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4338
発売延期のお詫びと【緋色の魔術師】の登場。
・まずはお詫び申し上げます。
ロア・スペイダー著の新作ゲームブック『単眼の巨獣』ですが、制作上の都合により2025年春に延期となりました。
お待ちになられていた方、大変申し訳ございません。
締め切りと作品のクオリティ。悩みぬいた先に「クオリティ」を取りました!
その代わりに、今週の「ヒーローズオブダークネス」の【新種族】!!!
今週できあがったのは基本ルールの【魔術師】に近い存在として【緋色の魔術師】です!
それとは別に【魔猫】に更新が入りました☆
その他、楽しい情報も!
どうぞよろしくお願いいたします。
2024年12月10日(火) 中山将平 FT新聞 No.4339
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第35回
・中山氏が創作している『カエルの勇者ケロナイツ』(ファンタジー世界に住まうカエル人たちの活躍を描いたオリジナル作品)。
その創作から、学んだことを書きつづります。
前回までの記事で「異種族」のうち「中立種族」と「友好種族」について書いてみたので、今回はプチシリーズの締めくくりとして「敵対種族」について。
本質は「なぜ敵対種族は敵対種族なのか」ということ。
ひょっとしたら「昨日の敵は今日の友」となるかもしれない、ダイナミックな異文化論を「敵」という視点から語ります。
2024年12月11日(水) ぜろ FT新聞 No.4340
第4回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第415回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、丹野佑著「白い小屋、赤い絶望」に挑戦します。
山小屋で行われていた儀式の謎をつきとめ、異星の怪物を現地へと送り返すことに成功しました。
しかしその代償として、山小屋は炎に包まれています。
吹雪は止んでいるので、小屋がなくても何とかなりそうではありますが。
そして、主人公サクタロウの手元には、この事件を引き起こすきっかけとなった魔導書が。
炎の中に投げ込むか、そのまま持ち帰るか。
しかし……。
「どうあがいても不条理で絶望」な、いかにも「クトゥルフ」らしいエンディングの数々、ご照覧ください。
2024年12月12日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4341
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.20
・岡和田晃氏による、新しく楽しい読み物満載な「SF Prologue Wave」とのコラボ企画記事です。
「FT新聞」の読者で、健部伸明さんの仕事を知らない人は、まずいらっしゃらないのではないでしょうか。TRPGやTRPGライクなボードゲーム紹介の第一人者です。その他、ゲームブックに、神話学・民俗学の研究書・入門書の数々。
今回はかの人の短編をご紹介!
……俺たちはシードリング、すなわち苗木にして種撒く者と呼ばれているのだ……(本文より)
わずか15ページに織り込まれた壮大なロマンスは、まさに多重世界のタペストリー!
すこしふしぎ(SF)な手のひらに乗る物語をお楽しみください!
2024年12月13日(金) 休刊日 FT新聞 No.4342
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(忍者福島さん)
『猫の女神の冒険』リプレイに李徴の名前が出てくるとは思いませんでした。
中島敦の山月記は教科書に掲載されたのを読んだきりですが、ストーリーが面白くて好きな作品の一つです。
人虎になった李徴がこの世界に出てきたら、どんな活躍をするのでしょうか?それとも臆病な自尊心、尊大な羞恥心のせいで挫折してしまうのか?
気になったりしますね(笑)
(お返事:齊藤飛鳥)
御感想下さり、ありがとうございますm(_ _)m
『山月記』は、『アレキサンダとぜんまいねずみ』『羅生門』と並んで好きな国語の教科書に掲載されている作品です^^
李徴がズィムララ世界へ来たら……と想像すると、楽しいですね。臆病な自尊心、尊大な羞恥心を持つ李徴の一番の精神的重石となっている過去や経歴を知っている者が誰一人としていないので、解放感から冒険を開始。そして、冒険のクエストに失敗したら、また誰もいない山中に引きこもるところまでがワンセットで想像できました(笑)
(蒙太辺土さん)
HoD通信的なこの記事を毎週楽しみにしています!
まず[半巨人]ですが、これスキ。
巨駆を活かしたパワフルなスキル、その代わり取り回しには難有り。イイ感じですね〜。
半巨人の由来/発生も気になります。
人を食わない巨人。この守り手はどこからやってきたのでしょうか。
[妖狐]
東洋妖怪代表のヨウコさん、強い!
ま、そのぶん打たれ弱い面もあるけれど、なんか色々できるお方ですね〜。
ツクモガミをお供に出来るのが楽しい。
[オーク]
ゴブリンと共にファンタジー界隈での敵役種族の代表格、オーク。
なんならタバコよりヘルシーにあれやこれやを服用する奴ら。
イイ味出てます。
ただシステム的にヤクブツの効果時間が微妙かな?と思いました。
次に起こる[できごと]がランダムに決定されるのがR.L.Hのシステムです。
なので効果が空振りに終わる可能性が高い気がするのです。
例えば常に服用しているというかたちで冒険1回分の間は効果があるとかだとスキルとして有用と言えそうです。
[魔猫]
造形はなんの変哲もないぬっこ。
でもサイズ感だけがおかしいというところがステキですね〜。あれ?遠近法ヤバいみたいな(笑)
コビットに崇められているという設定もイイなぁ。
そしてまさかの"獣血注入"?!
これによって発現する特徴はやはり猫耳や肉球ということになるのでしょうか?
どんどん充実してゆくHoD!楽しみ過ぎる。
(お返事:杉本=ヨハネ)
おたよりありがとうございます☆
【半巨人】は大規模な戦闘に強く、【妖狐】は万能で弱い面もあり、【魔猫】は神の要素がある。
そうです、そんなビジョンのもとにデザインしました、届いて嬉しいです☆
【オーク】のお薬が弱いお話はチラホラ耳にしていて、次に修正が入る候補になっております!
タイミングですよね、やはり。
調整かけていきます☆
(蒙太辺土さん)
今週のHoD感想です。
[緋色の魔術師]
設定部分といいデータ部分といいとても興味深い新種族です。
"ちょうどいい種族"と聞いて浅はかな私は他のHoD種族と比べて薄味なのかな?なんて思っていたら、杉本ヨハネがそんなぬるいことをするはずもなく(笑)
お見逸れしました!めっちゃ濃い〜。
"洗脳が解けた"辺りの記述を読むに、アランツァにおける善の種族、悪の種族という括りはあくまで所属というか出自のことであって、個々の性質は各々によるものなのかな?と感じました。
なにしろ善の種族が正義の名のもとに"洗脳"を行うわけですから。
特殊技能でいうと私の好みは[弔いの炎]です。
成仏(?)させてあげるとお礼に[手がかり]がもらえるという、目から鱗的発想がスゴい!
[炎の精]も面白いですね〜。
生きた[炎球]みたいな範囲攻撃できる従者。
う〜んゼヒに連れていきたい。
緋色の魔術師はぱっと見、オリジナル魔術師より強そうに見えますが、相手が炎熱に耐性がある場合しっかりピンチになりそうなので、そこがいいバランスとなっていますね。
[魔猫](改訂版)
猫好きで犬嫌い?(『羊たちにまぎれて』を読んで感じた勝手なイメージ)の杉本先生。
猫をえこひいきしないように気をつけ過ぎた、とのことでしたが、いいんじゃないですかね〜、えこひいき。
仮に他より(ある程度)強いみたいな種族がいても、だからと言ってプレイヤーが皆その種族しか選ばない、とはならない気がします。
私個人の傾向としては、面白い設定や変わった特技の持ち主を優先して遊びがち、というのがあります。
で、今回の魔猫の更新ですが、いい塩梅に感じました。
確かに[美しい着地]は猫っぽくて特徴は出ているものの、しょっちゅう使う機会のあるものでもない。
代わって導入された[気まぐれ案内人]はプレイヤーが能動的に行使するものですからゲーム的にはより楽しくなりました。
さて、冒頭でおっしゃられていた「時間をかけてもいいからいい作品を」という件ですが、まったくその通りでございます!
そもそも杉本先生をはじめとしたFT書房メンバーの皆さんは納得のいかないかたちでとりあえず作品を出す、なんてことはなさらないでしょうしね〜。
だからこそ我々ファンは信頼し期待することができるのです。
私はFT書房作品のリリースを、小中学生の頃に鈴木直人先生や林友彦先生の新刊を待つように熱い気持ちで待望しておりますですよ!
(お返事:杉本=ヨハネ)
ありがとうございます☆
【新種族】は世界観と深い結びつきがあるものにしたいというビジョンがあり、そこに基づいて考えたとき、この混沌都市ゴーブにいる【緋色の魔術師】が選ばれました。
【混沌】をベースにしたクリーチャーも候補にいますが、登場するかどうかはここでは明言を避けておきます☆
基本ルールの【魔術師】は万能型というか、いろんな事態への対応力が高いタイプです。
【緋色の魔術師】はやや戦闘寄りのデザインになっているので、その違いは出たかなと思います☆
【魔猫】に関しては、そうですね、私は犬がちょっと苦手です(笑)。
吠え声の大きい犬や「本気を出せば人間を殺せるサイズ感」のある子だと、強いストレスを感じます。
要は、犬と一緒に暮らしたことがないので、犬と一緒でリラックスすることができないのです。
でも、好き嫌いでいうと、実は「好き」なのです。
尻尾を振る柴犬やゴールデンレッドリバー、ハスキー犬、ミニチュアダックスフント、パグあたり、特に「かわいい」と思います☆
【気まぐれ案内人】はゲームをより楽しくしてくれると思います……回復を引き当てるなどしたときには、「いつでも回復があるしな」という安心感とともにプレイができる。
紫隠ねこさんとのやりとりのなかで思いついた、名スキルなのではと自負しております(笑)☆
>「時間をかけてもいいからいい作品を」
「質も量も」と求められるのが、読者の特権だと本当は考えておりますm(__)m
この言葉が言える前提の現状として、今「作品に追いついていない人が多い」から成り立つのだと、解釈しております。
準備は順調に進んでいますので、春からまた作品を出していきます!
(忍者福島さん)
ぜろさんが2へ進めの指示が無いまま遭難してしまうエンドが一番好きかもしれません(笑)
もしかして本当に3時間待機してたとか?
かまいたちの夜で正解がわかってるのにその選択肢がわからないままゲームオーバーになるのを思い出しました(笑)
(お返事:ぜろ)
感想ありがとうございます。
そう。今回は一発クリアのように見えますが、今回は最初にゲームオーバーを食らって、以下ずっとアタック02なのでした。本当に3時間待機をしたのかって? いやいやそんなわけないじゃないですか。拙者、ズル大好きっ子ゆえ。では、全国の釜井さんたちによろしくお伝えください。
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2024年12月12日木曜日
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.20 FT新聞 No.4341
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.20
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
●はじめに(岡和田晃)
「FT新聞」の読者で、健部伸明さんの仕事を知らない人は、まずいらっしゃらないのではないでしょうか。新和版D&D、『ドラゴン・ウォーリアーズ』、『サイバーパンク2.0.2.0.』、『ペンドラゴン』『トーキョーN◎VA』第2版から、話題沸騰の『グルームヘイヴン』や『フロストヘイヴン』まで、TRPGやTRPGライクなボードゲーム紹介の第一人者です。
あるいはゲームブック。『未来神話ジャーヴァス』、『カイの冒険』、そして『ドラゴンクエストII』、『ディープダンジョンIII』に『ヤマト魔神伝』。
そして小説。『メイルドメイデン〜A gift from Satan』に、「ナイトランド・クォータリー」でのマイクル・ムアコックの翻訳等。
『幻想世界の住人たち』や『幻獣大全』、『ドラゴン最強王図鑑』……といった、神話学・民俗学の研究書・入門書の数々。
その健部伸明さんが、本格SF、それもワイドスクリーン・バロックに挑みました。アルフレッド・ベスターの『わが赴くは星の群れ』(『虎よ、虎よ!』)に——あるいは、田中光二に……?——もともとSF者だった健部さんは、何を学んだのでしょうか?
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
オリジナル小説「わが夢見るは遥かなる大地」
健部伸明
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
本作はPDFファイルのみの公開となります。以下のリンク先からお読みください。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/SFPW_Collaboration_Vol20_TakerubeNobuaki.pdf
***********************************************************************
初出:「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/9832
健部伸明(たけるべ・のぶあき)
一九六六年、青森県生まれ、中央大学文学部中退。
一九八〇年代半ばから、ORG、CB's Project、怪兵隊、F.E.A.R.といった作家集団の立ち上げメンバーとなり、数多くの神話・民俗解説本、ゲームブック、RPG等の制作・編纂・翻訳に携わり、現在は日本アイスランド学会、JAPON BRAND、CMON Japan等に参画。
著書に『幻想世界の住人たち』、『虚空の神々』、『幻獣大全I モンスター』(以上、新紀元社)、『神話世界の旅人たち ケルト・北欧編』(JICC出版局)、『ヤマト魔神伝』(双葉文庫)、『甲冑の乙女』(エニックス)、『氷の下の記憶』(北方新社)等、翻訳参加した海外作品シリーズに〈ダンジョンズ&ドラゴンズ〉(新和)、〈ドラゴン・ウォーリアーズ〉(創元推理文庫)、〈サイバーパンク2.0.2.0.〉(ホビーベース イエローサブマリン)、〈グルームヘイヴン〉(アークライト)等多数。
「ナイトランド・クォータリー」誌で、マイクル・ムアコックの未邦訳作品を翻訳掲載中。本作は初のSF小説の創作となる。
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「FT新聞」&「SF Prologue Wave」コラボレーション企画 Vol.20
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●はじめに(岡和田晃)
「FT新聞」の読者で、健部伸明さんの仕事を知らない人は、まずいらっしゃらないのではないでしょうか。新和版D&D、『ドラゴン・ウォーリアーズ』、『サイバーパンク2.0.2.0.』、『ペンドラゴン』『トーキョーN◎VA』第2版から、話題沸騰の『グルームヘイヴン』や『フロストヘイヴン』まで、TRPGやTRPGライクなボードゲーム紹介の第一人者です。
あるいはゲームブック。『未来神話ジャーヴァス』、『カイの冒険』、そして『ドラゴンクエストII』、『ディープダンジョンIII』に『ヤマト魔神伝』。
そして小説。『メイルドメイデン〜A gift from Satan』に、「ナイトランド・クォータリー」でのマイクル・ムアコックの翻訳等。
『幻想世界の住人たち』や『幻獣大全』、『ドラゴン最強王図鑑』……といった、神話学・民俗学の研究書・入門書の数々。
その健部伸明さんが、本格SF、それもワイドスクリーン・バロックに挑みました。アルフレッド・ベスターの『わが赴くは星の群れ』(『虎よ、虎よ!』)に——あるいは、田中光二に……?——もともとSF者だった健部さんは、何を学んだのでしょうか?
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オリジナル小説「わが夢見るは遥かなる大地」
健部伸明
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本作はPDFファイルのみの公開となります。以下のリンク先からお読みください。
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初出:「SF Prologue Wave」
https://prologuewave.club/archives/9832
健部伸明(たけるべ・のぶあき)
一九六六年、青森県生まれ、中央大学文学部中退。
一九八〇年代半ばから、ORG、CB's Project、怪兵隊、F.E.A.R.といった作家集団の立ち上げメンバーとなり、数多くの神話・民俗解説本、ゲームブック、RPG等の制作・編纂・翻訳に携わり、現在は日本アイスランド学会、JAPON BRAND、CMON Japan等に参画。
著書に『幻想世界の住人たち』、『虚空の神々』、『幻獣大全I モンスター』(以上、新紀元社)、『神話世界の旅人たち ケルト・北欧編』(JICC出版局)、『ヤマト魔神伝』(双葉文庫)、『甲冑の乙女』(エニックス)、『氷の下の記憶』(北方新社)等、翻訳参加した海外作品シリーズに〈ダンジョンズ&ドラゴンズ〉(新和)、〈ドラゴン・ウォーリアーズ〉(創元推理文庫)、〈サイバーパンク2.0.2.0.〉(ホビーベース イエローサブマリン)、〈グルームヘイヴン〉(アークライト)等多数。
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第4回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4340
第4回【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
「白い小屋、赤い絶望」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。
山小屋で行われていた儀式の謎をつきとめ、異星の怪物を現地へと送り返すことに成功しました。
しかしその代償として、山小屋は炎に包まれています。
吹雪は止んでいるので、小屋がなくても何とかなりそうではありますが。
そして、主人公サクタロウの手元には、この事件を引き起こすきっかけとなった魔導書が。
炎の中に投げ込むか、そのまま持ち帰るか。そんな最後の選択です。
●アタック02-8 どっちに行っても絶望
異星の怪物を送り返すことに成功した。
吹雪は止んでいる。
山小屋は燃えている。
そして俺の手には魔導書『妖蛆の秘密』がある。
選択肢が出ている。
この魔導書を持ち帰るか、炎の中へ投げ込むか、というものだ。
持ち帰ったとしよう。
すると俺はこの魔導書の魅入られ、怪しげな研究に没頭することだろう。
そんな未来が容易に想像できる。
そしてそれは、とてもクトゥルフっぽい結末のひとつと言っていいだろう。
では、炎の中に投げ込むというのはどうか。
この魔導書は、炎では燃えない。
それは暖炉ですでに実証済みだ。
つまり、炎の中に投げ込まれた魔導書は、燃え残ることとなる。
そしてこの火災の跡地で、何者かが魔導書を拾い……新たな悪夢が始まる。
そんな展開となることが、これもまた容易に想像できる。
これはこれで、クトゥルフらしい結末と言っていいだろう。
どちらの結末の先も想像したところで、俺はどちらを選ぶか。
俺はおもむろに魔導書を、炎の中へと投げ込んだのだった。
俺は山を降りた。
だがその日から俺は、悪夢に苛まれるようになった。
あの魔導書は、山小屋の火災程度では燃え残っているのではないか。
それを、誰かが手にするのではないか。
そこまでは、俺の事前の予想と同じ展開だ。
だが、俺が恐怖しているのはそんな漠然としたものではない。
魔導書のページをめくれば、そこには俺の名前が書いてあるのだ。
そうだった。そういえば儀式を終わらせるため、俺はあの書物に名前を書き記したのだ。
あの魔導書を拾った人間は、間違いなく俺の名前を目にするに違いない。
そして明日にでも、俺のもとを訪ねてくるかもしれない。
ろくでもない目的をもって。
いつか来るかもしれないその日におびえながら、俺は不安な日常を送るのだった。
(END4 生還)
●感想
わからない。わからないぞ。
真相がわからーーーーーん。
先客は5人いた。
3人は生贄に名前を書かれ、異星送りにされた。
残る2人はリーダーと女。
女はこの儀式を止めたかった。リーダーと2人になる機会を待っていた。
説得したがリーダーは応じなかった。
女は強引に儀式を終わらせるため、魔導書を暖炉に放り込んだ。
儀式が実行不可能になったと思い込んだリーダーは、儀式を中断された怒りから、女を地下に追い詰め殺した。
そして地上に戻り、ナイフを血染めのまま鞘にしまいリュックへ片づけた。
ここまでの流れは合ってると思う。
最後に丁寧かつ雑にナイフをしまう動作は謎だけど。
もう丁寧に血を拭き取るだけの心の余裕がなくなっていたのか。
どうせ全部消えるから、どうでもよくなっていたのか。
どうでもいいなら、しまう必要もない。そこらに投げ捨てればいいだけだ。
で、だ。
この後のリーダーの動きがまったく想像できないんだが、リーダーもいなくなっているんだよ。
なんでどうしてどうなって?
女の日記には2つの仮定がある。
1つめ。
「もし写本に誤りがあれば、召喚した『あれ』は、契約を無視して襲いかかってくるかもしれない」
あ、はい。襲いかかられた。
これはそのとおりだった。
でもそれは、『あれ』が実体を得てからのことだ。
実体なく見守っている状態の間、俺は襲いかかられることはなかった。
だから、リーダーが契約を無視して襲われたという流れは考えにくい。
あと残るのが2つめ。
「あるいは、『あれ』と体が入れ替わるかも」
これ。
まずこれ、どうしてそういう発想になるのかわからない。
女がどうしてこの仮説を持つに至ったのかがわからないと、ぽっと出の荒唐無稽な発想でしかない。
あと、どのタイミングで入れ替わったのかが、わからない。
入れ替わったのだとしたら、実体化した異界の怪物の中身は、リーダーということになる。
じゃあ、リーダー(体)はどうなったのか。異界の怪物の精神が宿ったということだろう。
宿ってどうなったのか。
どこにいったのか。
人間の体を得た異界の怪物は、この場から姿を消し、人間社会に溶け込んだ。
これがいちばん可能性としては高いのかな。
こっちはこっちで、新たな火種を残しているな。
こういう、あっちこっちに問題を残しながら事態が終わるあたり、いかにもクトゥルフものっぽい。
うわーんぜんぜんわからないーー。
作者様真相ぷりーーーず。
俺の思考ではここまでが限界だった。
***
さて感想。
この作品は、非常にオーソドックスな作りになっています。
途中でも触れましたが、昔々の総当たり式のアドベンチャーゲームみたいな感じ。
なのでプレイしている間に難しさを感じることはありませんでした。
ほぼ1回(最初のバグエンドは除くw)でクリアできたのは、私が選んだ順番が良かったのかな。
あまりひっかけを感じるところもありませんでした。
制限時間が3時間で、時間経過をともなう選択は3つありました。
そのうちのひとつ、殺された女の日記を先に読んでしまうと、タイムオーバーになるというつくりです。
その日記は後から読むこともできるという注釈つきなので、わざわざ先に読んで時間を消費する人も少ないのではないかと思います。
物語の内容も、永遠のクトゥルフ初心者の私が言うのもなんですが、たぶんこれはクトゥルフものの基本を押さえているのではないかと。
謎の儀式が投げっぱなしな中途半端な現場に居合わせてしまい、何が起きているのかを解き明かし、助かるために儀式の完遂&後始末をする。
クトゥルフ的な作品にはじめて触れる方がプレイするのに最適な作品だと思います。
ストーリーもストレートで、謎もそれほど難しくはないのですが、意外と感じたのはプレイヤーとキャラクターの乖離ですね。
プレイヤーの立場からメタな考察を挟みながら見ると、いろんな事象が読めてきます。
でもキャラクターの立ち位置から見ると、散りばめられたヒント程度では、なかなか真相が超常的な出来事って確信が持てないと思うんですよね。
なので、プレイヤーとキャラクターの間に距離を感じながら進めていました。
プレイヤーとキャラクターの思考の距離が近づいたと感じたのは、地下で女の死体を発見した時ですね。
あそこでうちのサクタロウは、これまで頭から振り払おうとしていた超常的な現象を少し飲みこめた気がします。
そして暖炉で燃え残った魔導書の発見で、ついにプレイヤーとキャラクターの思考がシンクロしました。
ちなみに5つあるエンディングのうち、私は「END4 生還」だったわけですが。
END5は、魔導書を持ち帰るエンドでした。
私の予想どおり、魔導書を持ち帰った主人公はそれに魅了されてしまいます。
これがEND5ということは、こちらの方がクトゥルフ的な真エンドということなのかもしれません。
あと、1から3のエンディングは、こんな感じでした。
・暖炉の火が燃え尽きて、そのまま遭難する結末。
・魔導書の名前欄を書き間違え、異星送りになってしまう結末。
・実体化した異星の怪物に血を吸われ尽くす結末。
途中どこで間違えればこの結末に至るのか、だいたい想像つきますね。
見事に回避することができてよかったです。
それほど時間をかけず、クトゥルフものの雰囲気を味わえる作品。
短編とはかくあるべき。手軽にやるにはもってこいです。
興味がわいたなら、ぜひプレイしてみてください。
そして最後に絶対にあってはならない致命的なバグ(笑)な正誤表を記載して、本リプレイを終えようと思います。
■正誤表
【1】
(正)文末に「今は【2】へ進め。」を追記。
以上で、白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイを終わります。
ではまた次の作品のリプレイでお会いしましょう。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「白い小屋、赤い絶望」
著者:丹野 佑
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/2484141
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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編集: 水波流、葉山海月、中山将平
発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房)
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※ここから先はゲームブック【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
「白い小屋、赤い絶望」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。
山小屋で行われていた儀式の謎をつきとめ、異星の怪物を現地へと送り返すことに成功しました。
しかしその代償として、山小屋は炎に包まれています。
吹雪は止んでいるので、小屋がなくても何とかなりそうではありますが。
そして、主人公サクタロウの手元には、この事件を引き起こすきっかけとなった魔導書が。
炎の中に投げ込むか、そのまま持ち帰るか。そんな最後の選択です。
●アタック02-8 どっちに行っても絶望
異星の怪物を送り返すことに成功した。
吹雪は止んでいる。
山小屋は燃えている。
そして俺の手には魔導書『妖蛆の秘密』がある。
選択肢が出ている。
この魔導書を持ち帰るか、炎の中へ投げ込むか、というものだ。
持ち帰ったとしよう。
すると俺はこの魔導書の魅入られ、怪しげな研究に没頭することだろう。
そんな未来が容易に想像できる。
そしてそれは、とてもクトゥルフっぽい結末のひとつと言っていいだろう。
では、炎の中に投げ込むというのはどうか。
この魔導書は、炎では燃えない。
それは暖炉ですでに実証済みだ。
つまり、炎の中に投げ込まれた魔導書は、燃え残ることとなる。
そしてこの火災の跡地で、何者かが魔導書を拾い……新たな悪夢が始まる。
そんな展開となることが、これもまた容易に想像できる。
これはこれで、クトゥルフらしい結末と言っていいだろう。
どちらの結末の先も想像したところで、俺はどちらを選ぶか。
俺はおもむろに魔導書を、炎の中へと投げ込んだのだった。
俺は山を降りた。
だがその日から俺は、悪夢に苛まれるようになった。
あの魔導書は、山小屋の火災程度では燃え残っているのではないか。
それを、誰かが手にするのではないか。
そこまでは、俺の事前の予想と同じ展開だ。
だが、俺が恐怖しているのはそんな漠然としたものではない。
魔導書のページをめくれば、そこには俺の名前が書いてあるのだ。
そうだった。そういえば儀式を終わらせるため、俺はあの書物に名前を書き記したのだ。
あの魔導書を拾った人間は、間違いなく俺の名前を目にするに違いない。
そして明日にでも、俺のもとを訪ねてくるかもしれない。
ろくでもない目的をもって。
いつか来るかもしれないその日におびえながら、俺は不安な日常を送るのだった。
(END4 生還)
●感想
わからない。わからないぞ。
真相がわからーーーーーん。
先客は5人いた。
3人は生贄に名前を書かれ、異星送りにされた。
残る2人はリーダーと女。
女はこの儀式を止めたかった。リーダーと2人になる機会を待っていた。
説得したがリーダーは応じなかった。
女は強引に儀式を終わらせるため、魔導書を暖炉に放り込んだ。
儀式が実行不可能になったと思い込んだリーダーは、儀式を中断された怒りから、女を地下に追い詰め殺した。
そして地上に戻り、ナイフを血染めのまま鞘にしまいリュックへ片づけた。
ここまでの流れは合ってると思う。
最後に丁寧かつ雑にナイフをしまう動作は謎だけど。
もう丁寧に血を拭き取るだけの心の余裕がなくなっていたのか。
どうせ全部消えるから、どうでもよくなっていたのか。
どうでもいいなら、しまう必要もない。そこらに投げ捨てればいいだけだ。
で、だ。
この後のリーダーの動きがまったく想像できないんだが、リーダーもいなくなっているんだよ。
なんでどうしてどうなって?
女の日記には2つの仮定がある。
1つめ。
「もし写本に誤りがあれば、召喚した『あれ』は、契約を無視して襲いかかってくるかもしれない」
あ、はい。襲いかかられた。
これはそのとおりだった。
でもそれは、『あれ』が実体を得てからのことだ。
実体なく見守っている状態の間、俺は襲いかかられることはなかった。
だから、リーダーが契約を無視して襲われたという流れは考えにくい。
あと残るのが2つめ。
「あるいは、『あれ』と体が入れ替わるかも」
これ。
まずこれ、どうしてそういう発想になるのかわからない。
女がどうしてこの仮説を持つに至ったのかがわからないと、ぽっと出の荒唐無稽な発想でしかない。
あと、どのタイミングで入れ替わったのかが、わからない。
入れ替わったのだとしたら、実体化した異界の怪物の中身は、リーダーということになる。
じゃあ、リーダー(体)はどうなったのか。異界の怪物の精神が宿ったということだろう。
宿ってどうなったのか。
どこにいったのか。
人間の体を得た異界の怪物は、この場から姿を消し、人間社会に溶け込んだ。
これがいちばん可能性としては高いのかな。
こっちはこっちで、新たな火種を残しているな。
こういう、あっちこっちに問題を残しながら事態が終わるあたり、いかにもクトゥルフものっぽい。
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さて感想。
この作品は、非常にオーソドックスな作りになっています。
途中でも触れましたが、昔々の総当たり式のアドベンチャーゲームみたいな感じ。
なのでプレイしている間に難しさを感じることはありませんでした。
ほぼ1回(最初のバグエンドは除くw)でクリアできたのは、私が選んだ順番が良かったのかな。
あまりひっかけを感じるところもありませんでした。
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そのうちのひとつ、殺された女の日記を先に読んでしまうと、タイムオーバーになるというつくりです。
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謎の儀式が投げっぱなしな中途半端な現場に居合わせてしまい、何が起きているのかを解き明かし、助かるために儀式の完遂&後始末をする。
クトゥルフ的な作品にはじめて触れる方がプレイするのに最適な作品だと思います。
ストーリーもストレートで、謎もそれほど難しくはないのですが、意外と感じたのはプレイヤーとキャラクターの乖離ですね。
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なので、プレイヤーとキャラクターの間に距離を感じながら進めていました。
プレイヤーとキャラクターの思考の距離が近づいたと感じたのは、地下で女の死体を発見した時ですね。
あそこでうちのサクタロウは、これまで頭から振り払おうとしていた超常的な現象を少し飲みこめた気がします。
そして暖炉で燃え残った魔導書の発見で、ついにプレイヤーとキャラクターの思考がシンクロしました。
ちなみに5つあるエンディングのうち、私は「END4 生還」だったわけですが。
END5は、魔導書を持ち帰るエンドでした。
私の予想どおり、魔導書を持ち帰った主人公はそれに魅了されてしまいます。
これがEND5ということは、こちらの方がクトゥルフ的な真エンドということなのかもしれません。
あと、1から3のエンディングは、こんな感じでした。
・暖炉の火が燃え尽きて、そのまま遭難する結末。
・魔導書の名前欄を書き間違え、異星送りになってしまう結末。
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興味がわいたなら、ぜひプレイしてみてください。
そして最後に絶対にあってはならない致命的なバグ(笑)な正誤表を記載して、本リプレイを終えようと思います。
■正誤表
【1】
(正)文末に「今は【2】へ進め。」を追記。
以上で、白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイを終わります。
ではまた次の作品のリプレイでお会いしましょう。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「白い小屋、赤い絶望」
著者:丹野 佑
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2024年12月10日火曜日
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第35回 FT新聞 No.4339
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第35回
「敵対種族」
(中山将平)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
おはようございます。
「FT書房の」2024年の参加予定イベントも残すところ2つ!!
はっきりとお伝えしたいのですが、年末のビッグイベント「コミックマーケット105」ではとうとうかねてより検討してきた「あれ」を開始します!
ええ、実は既に公開状態になっているのですが、誰にもきっと気づかれていないはずの「あれ」です。
まさかの新展開あれやこれを入手していただく初めの機会になることが予想されますので、ぜひ年末のご予定を調整いただけましたら。
おそらくといいますか、トラブルがなければ僕が現地に行く予定です。
全くはっきり言ってないですって!?
ほ、ほんとだ……!!
もう一つの参加予定イベントは12月15日(日)の「ゲームアンティーク2024ver.2.0」です。
こちらは、関西での参加予定イベントとしては今年最後のひとつになる予定。
こちらのイベントにもぜひ、遊びにお越しいただけましたら。(開催予定地は大阪府の西九条駅の近くの此花会館です)
さて、前回までの記事で「異種族」のうち「中立種族」と「友好種族」について書いてみたので、今回はプチシリーズの締めくくりとして「敵対種族」について書こうと思います。
そうはいっても、実は以前カエル人の敵対種族である「ヘビ人」についての記事を書いたので、今回は少し切り取り方を変えたものにしてみるつもりです。
この記事がファンタジーを楽しむ一助になりましたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ ヘビ人記事のおさらい
ぼんやりと思い出してきたのですが、ヘビ人について書いた記事では「天敵ともいえる敵対種族」がテーマでした。(たぶん第25回目の記事だった気がします)
この時はヘビ人を「いかにも悪であり、カエル人と敵対しているが、プレイヤーキャラクターにとって必ずしも打倒すべき相手ではない」と設定することで、納得できるように描けたという話だったかと思います。
「因縁」をどのように描くか、「善悪」をどのように捉えているか、という話題だったかと。
今回は、ヘビ人に限らず様々な相手をテーマに、「敵対種族を描くとき、こんなことをカエル人の創作から学んだ」という内容を書きたいと思います。
◆ この記事でお伝えしたい、たった一つのこと
そうはいっても、今日お伝えしたいことはシンプルな一つだけのことです。
ズバリ「なぜ敵対種族は敵対種族なのか」ということ。
というのも、僕の設定では敵対種族って「カエル人と仲が悪いとされている種族」のことでして、「ではなぜ仲が悪いのか考えてみました」というのが今回の内容というわけです。
実はこれってどんなファンタジー作品を描くときにも気にかかる重要ポイントなのではないでしょうか。
オークとエルフが対立するとき、あるいはドワーフとゴブリンが衝突するとき、そこには何らかの理由があるはずです。
もしかしたら、それは歴史の中ですでに忘れ去られているやもしれません。
ヒロイックファンタジーの文脈では、「敵」は倒すべき悪や単純な脅威として描かれる場面もよく見かけます。
その一方で、僕が描きたい世界は「双方向の視点に立てるファンタジー」であるため、特別「いさかいの原因は何なのか」が大切になってくるのかもしれません。
そういった事情を踏まえたうえで、やはり個人的に「対立の源となっているもの」はとても大切だと感じています。
相手が攻撃的かつ理性なき獣で、遭遇自体が危険なら敵対的関係であることにも納得できます。
しかし、「異種族」側もものを理解し自らの文化を発展させているなら、なぜ敵対する必要があるのでしょう。
その部分は物語の根幹を作りうる要素でもあると感じています。
敵対関係がある背景に、「利益の相反」や「第三者の思惑」「様々な文化の違い」「宗教観など信じているものの差異」等が予想されるからです。
◆ カエル人の場合
僕が作ったカエル人の設定を例にしてみましょう。
敵対種族はモロクトカゲ人、吸血コウモリ人、メンフクロウ人、ヘビ人族、そしてネコ人族等々さまざまです。
作っていて気づいたのですが、彼らとカエル人が(一般的に)仲が悪いとされている理由は、相手によって異なります。
モロクトカゲ人とは気性の違い・宗教観の違いで対立。領土問題などの政治的背景もある設定です。
吸血コウモリ人とは物理的な被害によって対立。(吸血コウモリ人はいわゆる吸血鬼なので、血を求めてカエル人を襲う可能性もある設定です)
メンフクロウ人とは「秘密」(情報)をめぐって対立。(フクロウ人は情報戦に長け、他種族の秘密を握るのが得意という設定です。)
ヘビ人とは食料(主にオオガエル)をめぐって対立。(ヘビ人はオオガエルが大好物だが、オオガエルの飼育法はカエル人しか確立していない設定です。)
ネコ人とは実際に対立しているわけではなく、ネコ人側があまりにも気まぐれであるため時に危険な存在になりうるという設定です。(ネコ人は孤高の戦士種族として描いています。)
これらの設定を作った結果、対立の源はいくつも考えられるものなのだと感じられました。
原因があるならば、それを取り除けたときや逆に強化したとき、敵対関係自体が変化することもあり得るように思えます。
敵同士と思っていたのに共闘したり、単に仲が悪かっただけなのに争いに発展したり……そんな物語を描く「シナリオフック」(物語の種)になりそうだと感じています。
◆ まとめ
今日は「敵対種族」について「対立が起こる原因」が重要なのだと感じた話を共有させていただきました。
では、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
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「敵対種族」
(中山将平)
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おはようございます。
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はっきりとお伝えしたいのですが、年末のビッグイベント「コミックマーケット105」ではとうとうかねてより検討してきた「あれ」を開始します!
ええ、実は既に公開状態になっているのですが、誰にもきっと気づかれていないはずの「あれ」です。
まさかの新展開あれやこれを入手していただく初めの機会になることが予想されますので、ぜひ年末のご予定を調整いただけましたら。
おそらくといいますか、トラブルがなければ僕が現地に行く予定です。
全くはっきり言ってないですって!?
ほ、ほんとだ……!!
もう一つの参加予定イベントは12月15日(日)の「ゲームアンティーク2024ver.2.0」です。
こちらは、関西での参加予定イベントとしては今年最後のひとつになる予定。
こちらのイベントにもぜひ、遊びにお越しいただけましたら。(開催予定地は大阪府の西九条駅の近くの此花会館です)
さて、前回までの記事で「異種族」のうち「中立種族」と「友好種族」について書いてみたので、今回はプチシリーズの締めくくりとして「敵対種族」について書こうと思います。
そうはいっても、実は以前カエル人の敵対種族である「ヘビ人」についての記事を書いたので、今回は少し切り取り方を変えたものにしてみるつもりです。
この記事がファンタジーを楽しむ一助になりましたら幸いです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
◆ ヘビ人記事のおさらい
ぼんやりと思い出してきたのですが、ヘビ人について書いた記事では「天敵ともいえる敵対種族」がテーマでした。(たぶん第25回目の記事だった気がします)
この時はヘビ人を「いかにも悪であり、カエル人と敵対しているが、プレイヤーキャラクターにとって必ずしも打倒すべき相手ではない」と設定することで、納得できるように描けたという話だったかと思います。
「因縁」をどのように描くか、「善悪」をどのように捉えているか、という話題だったかと。
今回は、ヘビ人に限らず様々な相手をテーマに、「敵対種族を描くとき、こんなことをカエル人の創作から学んだ」という内容を書きたいと思います。
◆ この記事でお伝えしたい、たった一つのこと
そうはいっても、今日お伝えしたいことはシンプルな一つだけのことです。
ズバリ「なぜ敵対種族は敵対種族なのか」ということ。
というのも、僕の設定では敵対種族って「カエル人と仲が悪いとされている種族」のことでして、「ではなぜ仲が悪いのか考えてみました」というのが今回の内容というわけです。
実はこれってどんなファンタジー作品を描くときにも気にかかる重要ポイントなのではないでしょうか。
オークとエルフが対立するとき、あるいはドワーフとゴブリンが衝突するとき、そこには何らかの理由があるはずです。
もしかしたら、それは歴史の中ですでに忘れ去られているやもしれません。
ヒロイックファンタジーの文脈では、「敵」は倒すべき悪や単純な脅威として描かれる場面もよく見かけます。
その一方で、僕が描きたい世界は「双方向の視点に立てるファンタジー」であるため、特別「いさかいの原因は何なのか」が大切になってくるのかもしれません。
そういった事情を踏まえたうえで、やはり個人的に「対立の源となっているもの」はとても大切だと感じています。
相手が攻撃的かつ理性なき獣で、遭遇自体が危険なら敵対的関係であることにも納得できます。
しかし、「異種族」側もものを理解し自らの文化を発展させているなら、なぜ敵対する必要があるのでしょう。
その部分は物語の根幹を作りうる要素でもあると感じています。
敵対関係がある背景に、「利益の相反」や「第三者の思惑」「様々な文化の違い」「宗教観など信じているものの差異」等が予想されるからです。
◆ カエル人の場合
僕が作ったカエル人の設定を例にしてみましょう。
敵対種族はモロクトカゲ人、吸血コウモリ人、メンフクロウ人、ヘビ人族、そしてネコ人族等々さまざまです。
作っていて気づいたのですが、彼らとカエル人が(一般的に)仲が悪いとされている理由は、相手によって異なります。
モロクトカゲ人とは気性の違い・宗教観の違いで対立。領土問題などの政治的背景もある設定です。
吸血コウモリ人とは物理的な被害によって対立。(吸血コウモリ人はいわゆる吸血鬼なので、血を求めてカエル人を襲う可能性もある設定です)
メンフクロウ人とは「秘密」(情報)をめぐって対立。(フクロウ人は情報戦に長け、他種族の秘密を握るのが得意という設定です。)
ヘビ人とは食料(主にオオガエル)をめぐって対立。(ヘビ人はオオガエルが大好物だが、オオガエルの飼育法はカエル人しか確立していない設定です。)
ネコ人とは実際に対立しているわけではなく、ネコ人側があまりにも気まぐれであるため時に危険な存在になりうるという設定です。(ネコ人は孤高の戦士種族として描いています。)
これらの設定を作った結果、対立の源はいくつも考えられるものなのだと感じられました。
原因があるならば、それを取り除けたときや逆に強化したとき、敵対関係自体が変化することもあり得るように思えます。
敵同士と思っていたのに共闘したり、単に仲が悪かっただけなのに争いに発展したり……そんな物語を描く「シナリオフック」(物語の種)になりそうだと感じています。
◆ まとめ
今日は「敵対種族」について「対立が起こる原因」が重要なのだと感じた話を共有させていただきました。
では、今日はそろそろこのあたりで。
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2024年12月9日月曜日
発売延期のお詫びと【緋色の魔術師】の登場。 FT新聞 No.4338
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆
トップニュースは延期のお知らせです、申し訳ない。
◆『単眼の巨獣』は春に延期です★
ロア・スペイダー著の新作ゲームブック『単眼の巨獣』ですが、制作上の都合により2025年春に延期となりました。
申し訳ないです。
いくつか理由があるのですが、全部をまとめて申し上げますと「制作ペースが間に合わなかったから」です。
といっても、サボったとかじゃなくてですね。
よかったら聞いてください。
「ローグライクハーフ」の好評を受けて、先日『アランツァクリーチャー事典』を刊行いたしました☆
212ページの大作で、作者、監修者、イラストレーター、編集者の全員が全力で挑んだ作品となりました。
おかげさまで作品は好評/好調にイケているんですが、なんせこれまでに出してきたd66シナリオ4冊分のページ数です。
やることが本当に多くて、最終的な入稿予定日を10日ほど過ぎました。
そのオーバーランに加えて、秋のゲームマーケットと冬のコミックマーケットのスパンは、わずか1ヶ月半です。
「質が下がっても〆切を守る」のか「質を守って作品を延期する」のか。
その二択が目の前に迫ってきました。
そのとき、ふと思いました。
「『ローグライクハーフ』にせよゲームブックにせよ……まだ、みんなの手もとには『やっていない』作品が何冊かあるんじゃないか?」
手もとに未プレイの作品がある状態で、質が下がった作品を出されて嬉しいだろうか?
それは違うなぁ。
その状況だったらむしろ「時間をかけてもいいから、いい作品を作ってほしい」と、考えはるんじゃないだろうか?
そんな風に考えたとき、急に、ある別の思いが、このこととつながったのです。
「『単眼の巨獣』の作者であるロアは、d33シナリオを書いてきた。d33シナリオ集を出すためだ。北方都市サン・サレンの都市サプリメントや【新職業】とともに……。このサン・サレンのシナリオ集と『単眼の巨獣』を同時に出すほうが、盛り上がるんじゃないだろうか?」
そういう流れで、この冬は新刊を見送ることに決めました。
◆「ズィムララ」!
「モンスター!モンスター!TRPG」のサプリメント『ズィムララのモンスターラリー(仮)』も、以前にFT新聞上でお伝えしたとおり、発売が延期になっています。
やはり文量が鬼でした……2025年春以降に刊行予定です☆
岡和田晃さんを中心に、チームで翻訳を続けています。
◆今週の「ヒーローズオブダークネス」!!
毎週のお楽しみになってくれていることを願いつつ、作っております【新種族】!
今週できあがったのは基本ルールの【魔術師】に近い存在として【緋色の魔術師】です!
それとは別に【魔猫】に更新が入りました☆
◆【緋色の魔術師】とは?
「ローグライクハーフ」の2番目に出たd66シナリオ「混沌迷宮の試練」に登場する、炎の使い手です。
かつて都市国家の転覆をもくろむ反乱因子だった集団でしたが、混沌都市ゴーブの長の命により捕縛され、ルール無用の洗脳呪文によって「【混沌】と戦う魔法使い」の勢力に組み込まれました。
その後、何らかの理由で洗脳が解けた者が主人公として活躍します。
集団への攻撃呪文を得意としますが、戦闘一辺倒というわけでもなく、炎によって錠前を融解させる、【動物】の肉を調理する、火葬を行うなど、【魔術師】とは異なる仕上がりとなっています。
◆【魔猫】の更新は?
更新が入ったのは、先週に引き続き【魔猫】です。
【魔猫】に関して寄せられたご意見を要約すると「装備品を持てないのがキツい」「いくつかの特殊技能が弱い」という、とても参考になるものでした☆
ありがとうございます。
【魔猫】は【新種族】のなかでも「装備品を所持することができない」「装備欄がない」という弱点を抱えています。
言い換えると、その分だけ強いことでバランスが成立する。
私は猫が大好きなので、えこひいきしないようにかえって気をつけすぎていたかもしれません。
強化の内容は、【満月のような瞳】を強化すること、【美しい着地】を別の特殊技能と差し替えることです。
長くなりました……それではまた。
【魔猫】更新内容1:【満月のような瞳】の効果が増えました。
更新前:
【満月のような瞳】
この主人公は、光源がない場所で行動するとき、暗さによるペナルティを受けない。

この特殊技能は副能力値を消費しない。
更新後:
【満月のような瞳】
この主人公は、光源がない場所で行動するとき、暗さによるペナルティを受けない。この特殊技能は副能力値を消費しない。
また、この特殊技能のもうひとつの効果として、この主人公に同行する者はすべて〈できごと〉が終わるまで暗さによるペナルティを受けなくなる。これはいつでも行使することができ、行動を消費しない。この特殊技能を行使した場合、器用点を1点消費する。
【魔猫】更新内容2:中級の特殊技能から【美しい着地】が削除され、特殊技能【気まぐれ案内人】が加わりました。
更新前:
【美しい着地】 †
落とし穴や、高いところから落ちたことによる生命点へのダメージ(落下ダメージ)を1点減らす。
落下ダメージであるかどうかは、本文をもとにゲームマスターが判断する。

この特殊技能は副能力値を消費しない。
更新後:
【気まぐれ案内人】
冒険開始後、最初の〈できごと〉の前に出目表(d66やd33など)を振り、出目をメモして〈できごと〉の内容を確認してもいい。
このキャラクターは出目表を振る際であればいつでも、サイコロを振る代わりにこの〈できごと〉へと進むことができる。
この特殊技能は冒険1回につき一度だけ行使できる。
この特殊技能は副能力値を使用しない。
〈緋色の魔術師〉
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_HoD_NewKindred_ScarletMage.txt
〈魔猫〉改訂
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_HoD_NewKindred_DemonCat.txt
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ロア・スペイダー著の新作ゲームブック『単眼の巨獣』ですが、制作上の都合により2025年春に延期となりました。
申し訳ないです。
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よかったら聞いてください。
「ローグライクハーフ」の好評を受けて、先日『アランツァクリーチャー事典』を刊行いたしました☆
212ページの大作で、作者、監修者、イラストレーター、編集者の全員が全力で挑んだ作品となりました。
おかげさまで作品は好評/好調にイケているんですが、なんせこれまでに出してきたd66シナリオ4冊分のページ数です。
やることが本当に多くて、最終的な入稿予定日を10日ほど過ぎました。
そのオーバーランに加えて、秋のゲームマーケットと冬のコミックマーケットのスパンは、わずか1ヶ月半です。
「質が下がっても〆切を守る」のか「質を守って作品を延期する」のか。
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そのとき、ふと思いました。
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手もとに未プレイの作品がある状態で、質が下がった作品を出されて嬉しいだろうか?
それは違うなぁ。
その状況だったらむしろ「時間をかけてもいいから、いい作品を作ってほしい」と、考えはるんじゃないだろうか?
そんな風に考えたとき、急に、ある別の思いが、このこととつながったのです。
「『単眼の巨獣』の作者であるロアは、d33シナリオを書いてきた。d33シナリオ集を出すためだ。北方都市サン・サレンの都市サプリメントや【新職業】とともに……。このサン・サレンのシナリオ集と『単眼の巨獣』を同時に出すほうが、盛り上がるんじゃないだろうか?」
そういう流れで、この冬は新刊を見送ることに決めました。
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「モンスター!モンスター!TRPG」のサプリメント『ズィムララのモンスターラリー(仮)』も、以前にFT新聞上でお伝えしたとおり、発売が延期になっています。
やはり文量が鬼でした……2025年春以降に刊行予定です☆
岡和田晃さんを中心に、チームで翻訳を続けています。
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「ローグライクハーフ」の2番目に出たd66シナリオ「混沌迷宮の試練」に登場する、炎の使い手です。
かつて都市国家の転覆をもくろむ反乱因子だった集団でしたが、混沌都市ゴーブの長の命により捕縛され、ルール無用の洗脳呪文によって「【混沌】と戦う魔法使い」の勢力に組み込まれました。
その後、何らかの理由で洗脳が解けた者が主人公として活躍します。
集団への攻撃呪文を得意としますが、戦闘一辺倒というわけでもなく、炎によって錠前を融解させる、【動物】の肉を調理する、火葬を行うなど、【魔術師】とは異なる仕上がりとなっています。
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更新が入ったのは、先週に引き続き【魔猫】です。
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ありがとうございます。
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言い換えると、その分だけ強いことでバランスが成立する。
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この主人公は、光源がない場所で行動するとき、暗さによるペナルティを受けない。

この特殊技能は副能力値を消費しない。
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2024年12月8日日曜日
アランツァクリーチャー事典 Vol.11 FT新聞 No.4337
おはようございます。
FT新聞編集長の水波流です。
本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
杉本=ヨハネから預かりました、アランツァクリーチャー事典の第11回です。
どうぞお楽しみ下さいませ。
アランツァクリーチャー事典『精霊・神霊』
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/AranciaMonsterEncyclopedia_vol.11.txt
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2024年12月7日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第617号 FT新聞 No.4336
From:水波流
新作ガンダム「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX」(ジークアクス)はなんとサンライズ×カラー!!
監督はヱヴァ新劇場版監督の鶴巻和哉、脚本に庵野秀明、メカデザインは山下いくと。
斧がメイン武器の新ガンダムは、もうこれエヴァですやん……(山下いくとデザインだから余計にそう見える)
これは年明けが楽しみな。
from:葉山海月
目の前に殺人鬼が!
「次、俺が殺すのは誰だ? 当てたら助けてやる」と言ってます。→
むかつく奴の名前を言う。→1
自分の名を言う。→2
1
次の日、あなたが言った奴が殺されていました。
犯人はあなた名義でした。
あなたは即逮捕、つーか射殺。
バッドエンド
2
「殺されるのは私」としたら、「当てた奴は助かる」というルールで、助かる……。
「だけど、その前にお前が死なんといかんだろ!」
逆上した殺人鬼に殺されました。
バッドエンド
3
あなたは果敢にも、殺人鬼に向かっていきました。
気道がつぶれる音、首の骨が折れる音。
殺人鬼はあっけなく殺害されました。
もうあなたは自由!
そう、人を殺すことだって……。
(おめでとう。ポイント一億もらって、次の冒険にそなえよう! )
教訓。
人の敷いたレールに従うな!
特にGM!
From:中山将平
僕ら12月15日(日)「ゲームアンティーク2024ver.2.0」にサークル参加します。
開催地は大阪府の西九条駅付近にある此花会館。今年参加する予定のイベントのうち、関西で開催のものは、これが最後になる予定です。
ブース配置は【03】。お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。
また、関東でのイベントについては年末近くの「コミックマーケット105」参加が残っています。
このイベントではこれまで検討を重ねてきた「あること」を実行します。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■12/1(日)~12/6(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2024年12月1日(日) 水波流 FT新聞 No.4330
ローグライクハーフd33シナリオ『名付けられるべきではないもの』
・お待たせしました!
本日はローグライクハーフの新作d33シナリオが満を持して登場!
残暑の厳しい夏……〈太古の森〉に蠢く奇怪な怪物を追う物語。
森の秩序を守るエルフ王の直属部隊。逍遙する森の魔女。飛び交う忌まわしき蜂ども。
水波氏が7月に上梓したd66シナリオ『常闇の伴侶』を書き上げたあと、まだフーウェイと〈太古の森〉について何か書きたいという思いが募った結晶!
『常闇の伴侶』を遊んで頂いた方には、ニヤリとする遭遇などもあるかも知れません。
勿論、単話完結の短い冒険として新規で遊んで頂いても問題ありません。
泉が湧くがごとく語りつくせぬその物語!
お楽しみください!
2024年12月2日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4331
【妖狐】【半巨人】の登場☆ヒーローズオブダークネス☆
・今週の「ヒーローズオブダークネス」!!
特筆すべきは、ついに【妖狐】がお目見え!!
「ローグライクハーフ」公式シナリオ「あやかし」のラスボスであり、「秋雨の狐」の大切なパートナーでもある〈妖狐〉が、主人公として登場です!
変化の術を駆使して人を惑わす冒険者として、活躍するでしょう☆
また、【半巨人】の登場もございます!!
【半巨人】は〈人間〉よりも大きく〈巨人〉よりも小さい、3メートルほどの身長を持つ【種族】です。
城塞都市ドラッツェンで城門を守る兵士として見かけることが多く、北方から襲撃を繰り返す【巨大生物】たちとの戦いにおいて活躍します。
詳しいスペック。
そして、その他改定は、本記事をごらんください!
2024年12月3日(火) ロア・スペイダー FT新聞 No.4332
新作『単眼の巨獣』の紹介
・今年の冬コミで販売されることになるロア氏の新作『単眼の巨獣』!
この場を借りてご紹介!
作品を一言でいうなら「大怪獣の進撃!」
この作品の主人公は人ではなく怪物。「しずくの怪物」と呼ばれるモンスターになります。大きな特徴として、他の生物の特徴を自らの特徴として取り込めるところでしょう。
本作は「しずくの怪物」という最弱の存在から「混沌」と呼ばれる世界にとって最悪の厄災モンスターになるまでの成長を体験できます。それだけでなく「大怪獣の進撃」のキャッチコピーの名の通り、成長途中の主人公を食べようとする強大なモンスターや、人……軍隊や城を育て上げたパワーで薙ぎ払うシーンも満載の作品になっております。
まさに視点が180度変わる驚天動地な本作にご期待下され!
2024年12月4日(水) ぜろ FT新聞 No.4333
第3回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第414回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、丹野佑著「白い小屋、赤い絶望」に挑戦します。
主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
あちこちに散らばるヒントから、なんとなく異星の怪物を召喚する儀式が行われたことがわかります。
しかしそこでトラブルがあり、人はいなくなり、おそらく見えない異星の怪物が存在しています。
逼迫している状況ですが、それはそれとしてあと1時間で薪を見つけないと、ゲームオーバーです。
調査と薪探しの同時進行。
薪が先か、調査が先か。はてまた主人公の死が先か?
クライマックス寸前の興奮!
2024年12月5日(木) 齊藤飛鳥 FT新聞 No.4334
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.21『猫の女神の冒険』その2
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれたグレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ピンチに陥ったところへ、セクメト女神に見込まれ、ズィムララ世界へ転移したのであった。
そして、彼女が切り出したのは、「私とテン=メアにペアを組んでクリスタル・スカルを手に入れてほしい」ということだった。
「不死さえ報酬としてさしあげる」という彼女。
しかし、もう深尋の心は決まっていた!
ライトでポップなリプレイを召し上がれ!
2024年12月6日(金) 休刊日 FT新聞 No.4335
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
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未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。
もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。
このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。
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また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。
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目の前に殺人鬼が!
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むかつく奴の名前を言う。→1
自分の名を言う。→2
1
次の日、あなたが言った奴が殺されていました。
犯人はあなた名義でした。
あなたは即逮捕、つーか射殺。
バッドエンド
2
「殺されるのは私」としたら、「当てた奴は助かる」というルールで、助かる……。
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逆上した殺人鬼に殺されました。
バッドエンド
3
あなたは果敢にも、殺人鬼に向かっていきました。
気道がつぶれる音、首の骨が折れる音。
殺人鬼はあっけなく殺害されました。
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そう、人を殺すことだって……。
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From:中山将平
僕ら12月15日(日)「ゲームアンティーク2024ver.2.0」にサークル参加します。
開催地は大阪府の西九条駅付近にある此花会館。今年参加する予定のイベントのうち、関西で開催のものは、これが最後になる予定です。
ブース配置は【03】。お近くの方はぜひ遊びにお越しいただけましたら。
また、関東でのイベントについては年末近くの「コミックマーケット105」参加が残っています。
このイベントではこれまで検討を重ねてきた「あること」を実行します。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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2024年12月1日(日) 水波流 FT新聞 No.4330
ローグライクハーフd33シナリオ『名付けられるべきではないもの』
・お待たせしました!
本日はローグライクハーフの新作d33シナリオが満を持して登場!
残暑の厳しい夏……〈太古の森〉に蠢く奇怪な怪物を追う物語。
森の秩序を守るエルフ王の直属部隊。逍遙する森の魔女。飛び交う忌まわしき蜂ども。
水波氏が7月に上梓したd66シナリオ『常闇の伴侶』を書き上げたあと、まだフーウェイと〈太古の森〉について何か書きたいという思いが募った結晶!
『常闇の伴侶』を遊んで頂いた方には、ニヤリとする遭遇などもあるかも知れません。
勿論、単話完結の短い冒険として新規で遊んで頂いても問題ありません。
泉が湧くがごとく語りつくせぬその物語!
お楽しみください!
2024年12月2日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4331
【妖狐】【半巨人】の登場☆ヒーローズオブダークネス☆
・今週の「ヒーローズオブダークネス」!!
特筆すべきは、ついに【妖狐】がお目見え!!
「ローグライクハーフ」公式シナリオ「あやかし」のラスボスであり、「秋雨の狐」の大切なパートナーでもある〈妖狐〉が、主人公として登場です!
変化の術を駆使して人を惑わす冒険者として、活躍するでしょう☆
また、【半巨人】の登場もございます!!
【半巨人】は〈人間〉よりも大きく〈巨人〉よりも小さい、3メートルほどの身長を持つ【種族】です。
城塞都市ドラッツェンで城門を守る兵士として見かけることが多く、北方から襲撃を繰り返す【巨大生物】たちとの戦いにおいて活躍します。
詳しいスペック。
そして、その他改定は、本記事をごらんください!
2024年12月3日(火) ロア・スペイダー FT新聞 No.4332
新作『単眼の巨獣』の紹介
・今年の冬コミで販売されることになるロア氏の新作『単眼の巨獣』!
この場を借りてご紹介!
作品を一言でいうなら「大怪獣の進撃!」
この作品の主人公は人ではなく怪物。「しずくの怪物」と呼ばれるモンスターになります。大きな特徴として、他の生物の特徴を自らの特徴として取り込めるところでしょう。
本作は「しずくの怪物」という最弱の存在から「混沌」と呼ばれる世界にとって最悪の厄災モンスターになるまでの成長を体験できます。それだけでなく「大怪獣の進撃」のキャッチコピーの名の通り、成長途中の主人公を食べようとする強大なモンスターや、人……軍隊や城を育て上げたパワーで薙ぎ払うシーンも満載の作品になっております。
まさに視点が180度変わる驚天動地な本作にご期待下され!
2024年12月4日(水) ぜろ FT新聞 No.4333
第3回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第414回をお届けしました。
今回はFT書房のゲームブック「クトゥルー短編集2 暗黒詩篇」の中から、丹野佑著「白い小屋、赤い絶望」に挑戦します。
主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
あちこちに散らばるヒントから、なんとなく異星の怪物を召喚する儀式が行われたことがわかります。
しかしそこでトラブルがあり、人はいなくなり、おそらく見えない異星の怪物が存在しています。
逼迫している状況ですが、それはそれとしてあと1時間で薪を見つけないと、ゲームオーバーです。
調査と薪探しの同時進行。
薪が先か、調査が先か。はてまた主人公の死が先か?
クライマックス寸前の興奮!
2024年12月5日(木) 齊藤飛鳥 FT新聞 No.4334
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.21『猫の女神の冒険』その2
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれたグレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ピンチに陥ったところへ、セクメト女神に見込まれ、ズィムララ世界へ転移したのであった。
そして、彼女が切り出したのは、「私とテン=メアにペアを組んでクリスタル・スカルを手に入れてほしい」ということだった。
「不死さえ報酬としてさしあげる」という彼女。
しかし、もう深尋の心は決まっていた!
ライトでポップなリプレイを召し上がれ!
2024年12月6日(金) 休刊日 FT新聞 No.4335
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
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2024年12月6日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4335
おはようございます。
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2024年12月5日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.21『猫の女神の冒険』その2 FT新聞 No.4334
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.21
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〜前回までのあらすじ〜
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれたグレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ピンチに陥ったところへ、セクメト女神に見込まれ、ズィムララ世界へ転移したのであった。
……というわけで、『猫の女神の冒険』リプレイの2話目です。
ニャルラトホテプの名前がうろ覚えの深尋は、何とかホテプ、あるいは黒い人影野郎と呼んでいるくらい毛嫌いしていますが、ニャルラトホテプのおもちゃ認定されているので、時々脳内に直接語りかけられております。
古代エジプト風の世界観がさらに明らかになり、個人的には晩餐で登場する魚やイヌハッカの匂いがする野菜の料理がおいしそうで好きです^^
ネコの女神様なだけに魚料理がよく登場するのはわかるのですが、こういう細部にこだわったところが、たまらなくツボです^^♪
ところで、『猫の女神の冒険』は、TRPGでもプレイしたので、ソロアドベンチャーの方では意図的に選択肢を変えています。
そうすると、TRPGではわからなかったエピソードが見られて面白いです^^♪
TRPGのシナリオとしても、ソロアドベンチャーとしても楽しめるとは、ものすごく計算しつくされて創作されたのだろうと、完成までの苦労が身に染みて想像できました。
なぜ「身に染みて」かと言いますと、このたび年末頃に刊行予定の拙作『シニカル探偵安土真』シリーズの5巻に、巻末おまけとして自作のミニゲームブックが掲載されるからです。
数年前に岡和田先生からいただいたミニソロアドベンチャーでパラグラフが一目ですべて俯瞰でき、ゲームブックの仕組みが明快になっていることを発見。
「パラグラフに自分の物語を乗せていけば、自分でもゲームブックが書けるのではないか?」という試みの下、「ミニゲームブックで子ども読者様達のハートを鷲掴みにしてくれようぞ!!」と野心を燃やしつつ挑戦したのですが、年単位かけて、やっとどうにか完成にまでこぎつけたのは掲載分の一作だけ。愛や情熱、好きだけでは乗り越えられないものを体感しました><;
やっぱり、ゲームブック作家の皆様はすごいです!!
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』リプレイ
その2
齊藤(羽生)飛鳥
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3:深尋、女神との晩餐をする
セクメト女神様との晩餐は、日常の儀式なのだと説明しながら、テン=メアは他の招待客たちに愛想よく手をふりながら、私を奥にあるテーブルへ案内してくれた。
招待客たちの大半がモンスターなので、ハロウィンパーティーに参加した気分になる。
ちょっと悪ノリして、ハリウッド映画的な外見をしたグレムリンに水をかけてみたいという小二的衝動がこみ上げてきた。
けど、テン=メアに一番奥の優雅なテーブルに案内されたので、衝動を封印できた。
音楽の演奏が始まると、テン=メアが踊りを披露してくれた。私の世話、案内と続いて、他の招待客たちへのショータイム。何でもできてすごいけど、大変そうだな、テン=メア。ちゃんと特別給をセクメト女神様からもらえているのかな?
そんな俗な心配をしていると、踊り終えたテン=メアが私のテーブルへ来て、セクメト女神様のテーブルへ案内してくれた。
今日初めて来たばかりの私が、セクメト女神様の食卓を共にしてもいいのだろうか?
そんな私のためらいを払拭するように、セクメト女神様は席につくように身振りで促してから、晩餐の開始を告げた。
たちまち、召し使いたちがいい香りのする魚やイヌハッカの匂いのする野菜を載せた銀のトレーでごちそうを運んでくる。
そうだ、ごちそうを見て思い出した。後で海鮮丼全般のレシピを書いておこう。
テン=メアが、この晩餐でセクメト女神様の祝福を受けられると説明していると、セクメト女神様が私たちの間に腰を下ろした。
そして、セクメト女神様の背後には、召し使いたちが立っていて、私の背後にも男性の召し使いが立っていた。私に対して気を使ってくれたのだろう。私好みのかわいいぽっちゃり男子だった。よっしゃ!!
(褐色肌の知的な美男子は好みじゃないの!? ねえ? ねえってば!!)
何のアピールか知らないが、あの黒い人影野郎が私の脳内で自己主張してくる。けれども、セクメト女神様とテン=メアがごちそうを勧めてくれたので、そちらに集中した。
まさに、美味!
パクパクもりもり食べながら、セクメト女神様に質問しようとすると、テン=メアに軽く注意された。
そうだよね。食べながら質問するのは、失礼だ。
食事とワインのおかげで、心身共に満たされたところで、セクメト女神様が私の目をじっと見て語りかけてきた。
日本人は、目を見られながら会話するのは非常にストレスを覚えると、私が生まれ育ってきた文化的背景を説明しようと思ったけれど、セクメト女神様のネコ科フェイスのおかげでストレスはなく、むしろ癒しを感じた。
「どうしてそなたをこの場に呼んだのか、不思議に思っているんじゃないかしら」
「はい。新参者の私をこのような晴れがましい場にお招きいただき、まことに恐縮です。セクメト女神様には感謝しかございません。どうして、ここまで私によくして下さるのでしょうか?」
「お願いしたい任務があるのです———とても危険な仕事です———それをわらわのためにやってほしいのです。わらわひとりでは対応できない、とても重要な任務なのです。そなたのような意気軒高なエージェントを求めています」
「そこまで高く買っていただいているとは、本当に恐縮です」
世界を救うために、自分の持てる限りの力を使ったのに、結局、世界も仲間も何一つ守り切れなかった前歴があるので、私はセクメト女神様のまっすぐに見つめられて、いたたまれなくなった。
「成功したなら、わらわの力の及ぶ範囲で、充分な報酬をお支払いしましょう。そなたは不死にさえなれるのです」
不死よりは、あの黒い人影野郎をぶん殴る力がほしいけど、とりあえずまだ黙っておこう。
「この仕事を引き受けてくれますか、勇者よ」
セクメト女神様は、私の返事を待つ。
ネコ科のウルウル上目遣いではなく、眉を吊り上げるという、猫好き上級者の心くすぐる表情をするとは、さすが女神様だ。
それはさておき、私の答えはもう決まっている。
「はい」
あの黒い人影野郎をぶん殴る力を手に入れる。
そのためには、セクメト女神様の信頼を手に入れる。
断るという選択肢なんて、最初から私の中に存在していないのだ!
4:深尋、女神の依頼内容を聞く
セクメト女神様は、私に依頼内容の説明を始めた。
かいつまんで言うと、太古のピラミッドの中にデーモンの魔法で守られているクリスタル・スカル(水晶髑髏)を手に入れたいとのことだった。
理由は、強い力を秘めた品物だから。
もっと言えば、セクメト女神様以外の者が手に入れると、このズィムララと呼ばれる世界がもう一つの地獄になってしまうから、それを阻止するため。
私が選ばれた理由は、ひとりのデーモンとひとりの定命者のペアのみがクリスタル・スカルの力に触れられるから。
だから、私とテン=メアにペアを組んでクリスタル・スカルを手に入れてほしいということだった。
「テン=メアはわらわがいちばん大事にしている存在で、独自の素晴らしい才知を有していますが、戦士ではありません。彼女を助け、守り抜くことがそなたの使命なのです」
セクメト女神様が、具体的に何を司っている神様なのか気になっていたけれど、今のでわかった。百合を司る神様だ。嫌いじゃない。
いけない。思考がそれた。依頼を引き受ける前に、ちゃんと確認をせねば。
「承知しました、セクメト女神様。ところで、神である貴女様でさえ不可能な任務、私ごとき人間が本当に成し遂げることができるのでしょうか?」
「神々には、定命者よりも、はるかに多くの制約があるのです」
「制約……」
その種類や法則がわかれば、あの黒い人影野郎をぶん殴るヒントになるかもしれない。
曲がりなりにも、何とかトテップなる邪神とかいう神だと自己紹介をしていたし。
「ただ、定命者であるそなたには、その性質は理解が及ばないものでしょう。わらわが事情を話したのは、本件ではそなたの手助けが必要だということを、信じてほしいからです。そなたが無事にクリスタル・スカルを持ち帰ってきたら、莫大な報酬が与えられることでしょう。失敗したらどうなるかは、語らずにおいた方がよいでしょう」
昔、CIAに某国の某企業のハッキングを依頼された時と似たような言い回しで、セクメト女神様は私に釘を刺す。
とりあえず、不死の神々も万能ではないという情報を手に入れられたことは、大収穫だ。おかげで、黒い人影野郎をぶん殴る目標に、ほんの少しだけど前進できた。
本題が終わったところで、私はセクメト女神様とテン=メアと小一時間ほど各種海鮮丼の作り方を説明し、そのレシピを書いて女神様へ献上した。
それから、テン=メアに寝室に案内してもらった。
寝室だけで、私の家と同じ広さがある。
私を評価しているのは言葉だけでなく、扱いからも感じ取れる。これは絶対にしくじれない任務だ。
寝室には、私のペーパーナイフとスコップ、衣類とスタテッド・レザーその他装備品がきれいに整えられ、並べられていた。世界を救うために福井県へ行った時にハンカチについたボルガライスの染みまできれいさっぱりなくなっていることに驚いていると、テン=メアが話しかけてきた。
「気に入ったかしら? お望みなら、一晩のお相手もご用意してあげられるわよ……」
「魅力的な提案だけど、明日は万全なコンディションで任務を始めたいから遠慮するね」
「わかったわ」
テン=メアが寝室を出ていったのを確認すると、私はスコップを手に取った。
これまでの人生、スコップで戦ったことはない。
明日から始まる任務に備えて、スコップを手になじませておこう。
私は、スコップの素振りを始めた。
理想は、スコップで敵を一撃斬首だけど、いきなり高望みをしてはいけない。今はただ、手になじませることだけを目標としよう。
一通り、スコップの扱いに慣れてきたと実感できたところで、私はベッドに滑りこんだ。
ふかふかの布団と固めの枕とは、私の好みにぴったりだ。いい夢を見られそう……。
* * * * *
「ミャー」
かわいいマンチカンの子猫たちが、いっせいに私の許へ集まってきた。
「やあ、ハイネ。君もここへ来たのかい?」
アブドルが、ラグドールを抱っこしながらニコニコと私に話しかけてくる。
「ここは、とてもいい場所だよ」
アルマスが、肩にシャムネコを載せて穏やかな笑顔を見せる。
「ハーイ、ミッヒー。俺たち、一足先に楽しくすごしているぞ」
マーカスが、両手いっぱいのエキゾチック・ショートヘアの子猫たちを抱え、満面の笑顔で語りかけてくる。
「次にミッヒーと呼んだら、子猫たちを取り上げるぞ、コラ」
そう言いながらも、私は地球存亡をかけた戦いに共に挑んだ仲間たちが、もう苦しくない環境にいるのがわかって、涙がこぼれてきた。
* * * * *
翌朝、私は久しぶりに爽快な気分で目が覚めた。
具体的には覚えていないけれど、猫に関連した夢をたくさん見た気がする。
明け方、召し使いが朝食を持って来てくれた。五つ星ホテルかな?
新鮮な卵と魚の朝食をたいらげ、食休みを充分にしてからドアへ向かうと、テン=メアが迎えに来てくれた。まだ出会って二日目だけど、すごくおもてなし精神にあふれた子だ。日本にいたら、一流旅館の女将として天下を取れるタイプだ。
「おはよう、深尋。あたしたちの冒険は〈鏡の間〉から始まるわ」
そう言って、テン=メアは私の手を取って案内を始めた。
5:深尋、〈鏡の間〉に来る
セクメト女神様は、扉の前に立っていた。
扉の両脇には、虎の頭を持つ人間が警護していた。
彼らに驚いていると、テン=メアがそっと耳打ちしてきた。
「彼らはタイゲリアン(虎人間)よ」
昔のロボットアニメの主役ロボにいそうな名前だと思いながら、セクメト女神様と〈鏡の間〉に入った。
見たこともない生き物の毛皮が絨毯の代わりに敷きつめられたモフモフな床とは真逆に、サイズもデザインも様々な鏡で埋め尽くされた室内は、硬質な雰囲気に包まれていた。
すると、そのうちの一枚に映ったセクメト女神様は黄金色に輝く雌虎の姿だった。雌ライオンかと思ったけど、本当は虎とは……古代エジプト風の神様だと思ったら、実は古代中国風の女神様だったのか。タイゲリアンが警護をしている段階で気づくべきだった……。きっと女神様には、李徴とかが知り合いにいるんだ。
見てはいけないものを見てしまった気分になっていると、セクメト女神様が全体にムーン・クリスタルがあしらわれた背の高い鏡の脇で立ち止まる。
「テン=メア、これをお持ちなさい」
小さな革のバッグを渡しながら、セクメト女神様はテン=メアへ続ける。
「なくさないように。無駄遣いせず、よくよく気をつけて使うのです」
ママ?
私の内心のツッコミを知るよしもなく、テン=メアはうなずく。
「お約束いたします。御主人様」
御主人様と言うか、ママ要素がだいぶ入っている……と喉元まで出かかったところで、セクメト女神様が私の方を見た。
「適切な転移門がないので、そなたらを直接コブラのピラミッドへ送ることはできないのです。ですが、すぐそばにある廃都トゥー=エバンまでなら送り届けることができます」
そう言って、セクメト女神様は私とテン=メアに透明のクリスタルを渡す。何だろう。さっきからセクメト女神様にママな雰囲気を感じずにはいられない。
セクメト女神様は、手に持った別のクリスタルで大きな鏡に触れ、トゥー=エバンへと目的地を告げる。
すると、鏡にあしらわれたクリスタルが曇り、すぐさま輝きを取り戻したかと思えば、崩れかけた低い石の壁に囲まれた広場が映し出された。
かつて噴水があったはずの場所の中心部には、いまやひび割れた石造りの基底部のある壊れた像しか残っていない。
克明に映し出された光景を目の当たりにして、思わず鏡面の隅にWi−Fiマークがないか探してしまったけれど、マークどころか鏡本体にケーブルすらついていない。神様の力ってすごいものだ。
「さあ、自分達の手にあるクリスタルで鏡に触れて、"エマゼス・ネポ"と唱えながら、鏡のなかに足を踏み入れるのです。帰りたいと思った時は、町中にある転移門に触れ、わらわの名を口にするのです。任務に失敗したとしても、戻って来られるときは戻って来るのですよ」
「もちろん、そういたします。女神様!」
テン=メアは笑う。
「あたしが前のふたつの任務から戻らなかったことがありましたか? あたしが、そのうちのひとつでも失敗したことがありました?」
セクメト女神様は、鷹揚に微笑む。
「そなたは一度たりとも、わらわを失望させることはありませんでしたね。かわいいテン=メアよ」
二柱とも、末永く爆発しろと声をかけたいくらい、仲良しだ。
百合な雰囲気を眺めている間、テン=メアはセクメト女神様に見送られながら、鏡の中を通り抜けていく。
鏡の中の景色に、テン=メアがきょろきょろしているのが見える。
突如として、彼女の表情が一変し、困惑した様子が広がる。
何か危険な予感がすると私が胸騒ぎを覚えたところで、セクメト女神様が叫んだ。
「あの子が危ない! 早く助けに行くのです!」
「承知しました!」
私は、クリスタルのかけらを鏡に押し当て、「えまぜす・ねぽ!」と叫んで足を踏み入れた。
ネイティヴ発音じゃないから、ちゃんと通れたか心配だったけれど、気がつけば石壁に覆われた廃都の広間に躍り出ていた。
数歩先にテン=メアがいるけど、ひとりではない。
濃い緑色のローブを身にまとった正体不明の連中3名に囲まれていた。
これだけでも充分に危険な状況だけど、そのうちのひとりはナイフを構え、いまにも襲いかかろうとしている!
私は迷わずスコップをうならせた。
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年現在、6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』
著 ケン・セント・アンドレ
訳 岡和田晃
絵 スティーブ・クロンプトン
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TRPG小説リプレイ
Vol.21
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〜前回までのあらすじ〜
ニャルラトホテプの気まぐれで、クトゥルフ神話の世界から異世界へ送りこまれたグレーハッカーの灰鼠深尋(はいねず・みひろ)。
ピンチに陥ったところへ、セクメト女神に見込まれ、ズィムララ世界へ転移したのであった。
……というわけで、『猫の女神の冒険』リプレイの2話目です。
ニャルラトホテプの名前がうろ覚えの深尋は、何とかホテプ、あるいは黒い人影野郎と呼んでいるくらい毛嫌いしていますが、ニャルラトホテプのおもちゃ認定されているので、時々脳内に直接語りかけられております。
古代エジプト風の世界観がさらに明らかになり、個人的には晩餐で登場する魚やイヌハッカの匂いがする野菜の料理がおいしそうで好きです^^
ネコの女神様なだけに魚料理がよく登場するのはわかるのですが、こういう細部にこだわったところが、たまらなくツボです^^♪
ところで、『猫の女神の冒険』は、TRPGでもプレイしたので、ソロアドベンチャーの方では意図的に選択肢を変えています。
そうすると、TRPGではわからなかったエピソードが見られて面白いです^^♪
TRPGのシナリオとしても、ソロアドベンチャーとしても楽しめるとは、ものすごく計算しつくされて創作されたのだろうと、完成までの苦労が身に染みて想像できました。
なぜ「身に染みて」かと言いますと、このたび年末頃に刊行予定の拙作『シニカル探偵安土真』シリーズの5巻に、巻末おまけとして自作のミニゲームブックが掲載されるからです。
数年前に岡和田先生からいただいたミニソロアドベンチャーでパラグラフが一目ですべて俯瞰でき、ゲームブックの仕組みが明快になっていることを発見。
「パラグラフに自分の物語を乗せていけば、自分でもゲームブックが書けるのではないか?」という試みの下、「ミニゲームブックで子ども読者様達のハートを鷲掴みにしてくれようぞ!!」と野心を燃やしつつ挑戦したのですが、年単位かけて、やっとどうにか完成にまでこぎつけたのは掲載分の一作だけ。愛や情熱、好きだけでは乗り越えられないものを体感しました><;
やっぱり、ゲームブック作家の皆様はすごいです!!
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』リプレイ
その2
齊藤(羽生)飛鳥
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3:深尋、女神との晩餐をする
セクメト女神様との晩餐は、日常の儀式なのだと説明しながら、テン=メアは他の招待客たちに愛想よく手をふりながら、私を奥にあるテーブルへ案内してくれた。
招待客たちの大半がモンスターなので、ハロウィンパーティーに参加した気分になる。
ちょっと悪ノリして、ハリウッド映画的な外見をしたグレムリンに水をかけてみたいという小二的衝動がこみ上げてきた。
けど、テン=メアに一番奥の優雅なテーブルに案内されたので、衝動を封印できた。
音楽の演奏が始まると、テン=メアが踊りを披露してくれた。私の世話、案内と続いて、他の招待客たちへのショータイム。何でもできてすごいけど、大変そうだな、テン=メア。ちゃんと特別給をセクメト女神様からもらえているのかな?
そんな俗な心配をしていると、踊り終えたテン=メアが私のテーブルへ来て、セクメト女神様のテーブルへ案内してくれた。
今日初めて来たばかりの私が、セクメト女神様の食卓を共にしてもいいのだろうか?
そんな私のためらいを払拭するように、セクメト女神様は席につくように身振りで促してから、晩餐の開始を告げた。
たちまち、召し使いたちがいい香りのする魚やイヌハッカの匂いのする野菜を載せた銀のトレーでごちそうを運んでくる。
そうだ、ごちそうを見て思い出した。後で海鮮丼全般のレシピを書いておこう。
テン=メアが、この晩餐でセクメト女神様の祝福を受けられると説明していると、セクメト女神様が私たちの間に腰を下ろした。
そして、セクメト女神様の背後には、召し使いたちが立っていて、私の背後にも男性の召し使いが立っていた。私に対して気を使ってくれたのだろう。私好みのかわいいぽっちゃり男子だった。よっしゃ!!
(褐色肌の知的な美男子は好みじゃないの!? ねえ? ねえってば!!)
何のアピールか知らないが、あの黒い人影野郎が私の脳内で自己主張してくる。けれども、セクメト女神様とテン=メアがごちそうを勧めてくれたので、そちらに集中した。
まさに、美味!
パクパクもりもり食べながら、セクメト女神様に質問しようとすると、テン=メアに軽く注意された。
そうだよね。食べながら質問するのは、失礼だ。
食事とワインのおかげで、心身共に満たされたところで、セクメト女神様が私の目をじっと見て語りかけてきた。
日本人は、目を見られながら会話するのは非常にストレスを覚えると、私が生まれ育ってきた文化的背景を説明しようと思ったけれど、セクメト女神様のネコ科フェイスのおかげでストレスはなく、むしろ癒しを感じた。
「どうしてそなたをこの場に呼んだのか、不思議に思っているんじゃないかしら」
「はい。新参者の私をこのような晴れがましい場にお招きいただき、まことに恐縮です。セクメト女神様には感謝しかございません。どうして、ここまで私によくして下さるのでしょうか?」
「お願いしたい任務があるのです———とても危険な仕事です———それをわらわのためにやってほしいのです。わらわひとりでは対応できない、とても重要な任務なのです。そなたのような意気軒高なエージェントを求めています」
「そこまで高く買っていただいているとは、本当に恐縮です」
世界を救うために、自分の持てる限りの力を使ったのに、結局、世界も仲間も何一つ守り切れなかった前歴があるので、私はセクメト女神様のまっすぐに見つめられて、いたたまれなくなった。
「成功したなら、わらわの力の及ぶ範囲で、充分な報酬をお支払いしましょう。そなたは不死にさえなれるのです」
不死よりは、あの黒い人影野郎をぶん殴る力がほしいけど、とりあえずまだ黙っておこう。
「この仕事を引き受けてくれますか、勇者よ」
セクメト女神様は、私の返事を待つ。
ネコ科のウルウル上目遣いではなく、眉を吊り上げるという、猫好き上級者の心くすぐる表情をするとは、さすが女神様だ。
それはさておき、私の答えはもう決まっている。
「はい」
あの黒い人影野郎をぶん殴る力を手に入れる。
そのためには、セクメト女神様の信頼を手に入れる。
断るという選択肢なんて、最初から私の中に存在していないのだ!
4:深尋、女神の依頼内容を聞く
セクメト女神様は、私に依頼内容の説明を始めた。
かいつまんで言うと、太古のピラミッドの中にデーモンの魔法で守られているクリスタル・スカル(水晶髑髏)を手に入れたいとのことだった。
理由は、強い力を秘めた品物だから。
もっと言えば、セクメト女神様以外の者が手に入れると、このズィムララと呼ばれる世界がもう一つの地獄になってしまうから、それを阻止するため。
私が選ばれた理由は、ひとりのデーモンとひとりの定命者のペアのみがクリスタル・スカルの力に触れられるから。
だから、私とテン=メアにペアを組んでクリスタル・スカルを手に入れてほしいということだった。
「テン=メアはわらわがいちばん大事にしている存在で、独自の素晴らしい才知を有していますが、戦士ではありません。彼女を助け、守り抜くことがそなたの使命なのです」
セクメト女神様が、具体的に何を司っている神様なのか気になっていたけれど、今のでわかった。百合を司る神様だ。嫌いじゃない。
いけない。思考がそれた。依頼を引き受ける前に、ちゃんと確認をせねば。
「承知しました、セクメト女神様。ところで、神である貴女様でさえ不可能な任務、私ごとき人間が本当に成し遂げることができるのでしょうか?」
「神々には、定命者よりも、はるかに多くの制約があるのです」
「制約……」
その種類や法則がわかれば、あの黒い人影野郎をぶん殴るヒントになるかもしれない。
曲がりなりにも、何とかトテップなる邪神とかいう神だと自己紹介をしていたし。
「ただ、定命者であるそなたには、その性質は理解が及ばないものでしょう。わらわが事情を話したのは、本件ではそなたの手助けが必要だということを、信じてほしいからです。そなたが無事にクリスタル・スカルを持ち帰ってきたら、莫大な報酬が与えられることでしょう。失敗したらどうなるかは、語らずにおいた方がよいでしょう」
昔、CIAに某国の某企業のハッキングを依頼された時と似たような言い回しで、セクメト女神様は私に釘を刺す。
とりあえず、不死の神々も万能ではないという情報を手に入れられたことは、大収穫だ。おかげで、黒い人影野郎をぶん殴る目標に、ほんの少しだけど前進できた。
本題が終わったところで、私はセクメト女神様とテン=メアと小一時間ほど各種海鮮丼の作り方を説明し、そのレシピを書いて女神様へ献上した。
それから、テン=メアに寝室に案内してもらった。
寝室だけで、私の家と同じ広さがある。
私を評価しているのは言葉だけでなく、扱いからも感じ取れる。これは絶対にしくじれない任務だ。
寝室には、私のペーパーナイフとスコップ、衣類とスタテッド・レザーその他装備品がきれいに整えられ、並べられていた。世界を救うために福井県へ行った時にハンカチについたボルガライスの染みまできれいさっぱりなくなっていることに驚いていると、テン=メアが話しかけてきた。
「気に入ったかしら? お望みなら、一晩のお相手もご用意してあげられるわよ……」
「魅力的な提案だけど、明日は万全なコンディションで任務を始めたいから遠慮するね」
「わかったわ」
テン=メアが寝室を出ていったのを確認すると、私はスコップを手に取った。
これまでの人生、スコップで戦ったことはない。
明日から始まる任務に備えて、スコップを手になじませておこう。
私は、スコップの素振りを始めた。
理想は、スコップで敵を一撃斬首だけど、いきなり高望みをしてはいけない。今はただ、手になじませることだけを目標としよう。
一通り、スコップの扱いに慣れてきたと実感できたところで、私はベッドに滑りこんだ。
ふかふかの布団と固めの枕とは、私の好みにぴったりだ。いい夢を見られそう……。
* * * * *
「ミャー」
かわいいマンチカンの子猫たちが、いっせいに私の許へ集まってきた。
「やあ、ハイネ。君もここへ来たのかい?」
アブドルが、ラグドールを抱っこしながらニコニコと私に話しかけてくる。
「ここは、とてもいい場所だよ」
アルマスが、肩にシャムネコを載せて穏やかな笑顔を見せる。
「ハーイ、ミッヒー。俺たち、一足先に楽しくすごしているぞ」
マーカスが、両手いっぱいのエキゾチック・ショートヘアの子猫たちを抱え、満面の笑顔で語りかけてくる。
「次にミッヒーと呼んだら、子猫たちを取り上げるぞ、コラ」
そう言いながらも、私は地球存亡をかけた戦いに共に挑んだ仲間たちが、もう苦しくない環境にいるのがわかって、涙がこぼれてきた。
* * * * *
翌朝、私は久しぶりに爽快な気分で目が覚めた。
具体的には覚えていないけれど、猫に関連した夢をたくさん見た気がする。
明け方、召し使いが朝食を持って来てくれた。五つ星ホテルかな?
新鮮な卵と魚の朝食をたいらげ、食休みを充分にしてからドアへ向かうと、テン=メアが迎えに来てくれた。まだ出会って二日目だけど、すごくおもてなし精神にあふれた子だ。日本にいたら、一流旅館の女将として天下を取れるタイプだ。
「おはよう、深尋。あたしたちの冒険は〈鏡の間〉から始まるわ」
そう言って、テン=メアは私の手を取って案内を始めた。
5:深尋、〈鏡の間〉に来る
セクメト女神様は、扉の前に立っていた。
扉の両脇には、虎の頭を持つ人間が警護していた。
彼らに驚いていると、テン=メアがそっと耳打ちしてきた。
「彼らはタイゲリアン(虎人間)よ」
昔のロボットアニメの主役ロボにいそうな名前だと思いながら、セクメト女神様と〈鏡の間〉に入った。
見たこともない生き物の毛皮が絨毯の代わりに敷きつめられたモフモフな床とは真逆に、サイズもデザインも様々な鏡で埋め尽くされた室内は、硬質な雰囲気に包まれていた。
すると、そのうちの一枚に映ったセクメト女神様は黄金色に輝く雌虎の姿だった。雌ライオンかと思ったけど、本当は虎とは……古代エジプト風の神様だと思ったら、実は古代中国風の女神様だったのか。タイゲリアンが警護をしている段階で気づくべきだった……。きっと女神様には、李徴とかが知り合いにいるんだ。
見てはいけないものを見てしまった気分になっていると、セクメト女神様が全体にムーン・クリスタルがあしらわれた背の高い鏡の脇で立ち止まる。
「テン=メア、これをお持ちなさい」
小さな革のバッグを渡しながら、セクメト女神様はテン=メアへ続ける。
「なくさないように。無駄遣いせず、よくよく気をつけて使うのです」
ママ?
私の内心のツッコミを知るよしもなく、テン=メアはうなずく。
「お約束いたします。御主人様」
御主人様と言うか、ママ要素がだいぶ入っている……と喉元まで出かかったところで、セクメト女神様が私の方を見た。
「適切な転移門がないので、そなたらを直接コブラのピラミッドへ送ることはできないのです。ですが、すぐそばにある廃都トゥー=エバンまでなら送り届けることができます」
そう言って、セクメト女神様は私とテン=メアに透明のクリスタルを渡す。何だろう。さっきからセクメト女神様にママな雰囲気を感じずにはいられない。
セクメト女神様は、手に持った別のクリスタルで大きな鏡に触れ、トゥー=エバンへと目的地を告げる。
すると、鏡にあしらわれたクリスタルが曇り、すぐさま輝きを取り戻したかと思えば、崩れかけた低い石の壁に囲まれた広場が映し出された。
かつて噴水があったはずの場所の中心部には、いまやひび割れた石造りの基底部のある壊れた像しか残っていない。
克明に映し出された光景を目の当たりにして、思わず鏡面の隅にWi−Fiマークがないか探してしまったけれど、マークどころか鏡本体にケーブルすらついていない。神様の力ってすごいものだ。
「さあ、自分達の手にあるクリスタルで鏡に触れて、"エマゼス・ネポ"と唱えながら、鏡のなかに足を踏み入れるのです。帰りたいと思った時は、町中にある転移門に触れ、わらわの名を口にするのです。任務に失敗したとしても、戻って来られるときは戻って来るのですよ」
「もちろん、そういたします。女神様!」
テン=メアは笑う。
「あたしが前のふたつの任務から戻らなかったことがありましたか? あたしが、そのうちのひとつでも失敗したことがありました?」
セクメト女神様は、鷹揚に微笑む。
「そなたは一度たりとも、わらわを失望させることはありませんでしたね。かわいいテン=メアよ」
二柱とも、末永く爆発しろと声をかけたいくらい、仲良しだ。
百合な雰囲気を眺めている間、テン=メアはセクメト女神様に見送られながら、鏡の中を通り抜けていく。
鏡の中の景色に、テン=メアがきょろきょろしているのが見える。
突如として、彼女の表情が一変し、困惑した様子が広がる。
何か危険な予感がすると私が胸騒ぎを覚えたところで、セクメト女神様が叫んだ。
「あの子が危ない! 早く助けに行くのです!」
「承知しました!」
私は、クリスタルのかけらを鏡に押し当て、「えまぜす・ねぽ!」と叫んで足を踏み入れた。
ネイティヴ発音じゃないから、ちゃんと通れたか心配だったけれど、気がつけば石壁に覆われた廃都の広間に躍り出ていた。
数歩先にテン=メアがいるけど、ひとりではない。
濃い緑色のローブを身にまとった正体不明の連中3名に囲まれていた。
これだけでも充分に危険な状況だけど、そのうちのひとりはナイフを構え、いまにも襲いかかろうとしている!
私は迷わずスコップをうならせた。
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年現在、6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
モンスター!モンスター!TRPGソロアドベンチャー
『猫の女神の冒険』
著 ケン・セント・アンドレ
訳 岡和田晃
絵 スティーブ・クロンプトン
https://ftbooks.booth.pm/items/5889199
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2024年12月4日水曜日
第3回【白い小屋、赤い絶望】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4333
第3回【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【白い小屋、赤い絶望(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
「白い小屋、赤い絶望」(クトゥルー短編集2 暗黒詩篇)をプレイしています。
主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
あちこちに散らばるヒントから、なんとなく異星の怪物を召喚する儀式が行われたことがわかります。
しかしそこでトラブルがあり、人はいなくなり、おそらく見えない異星の怪物が存在しています。
逼迫している状況ですが、それはそれとしてあと1時間で薪を見つけないと、ゲームオーバーです。
調査と薪探しの同時進行。はたして。
【現在の時間:午後9時】
●アタック02-5 薪と遺体
いよいよ残る調査項目は、上げ板だけだ。
ひとつひとつ潰していく感が、昔の総当たり式のアドベンチャーゲームを彷彿とさせる。
さあ、真相が明らかになるのか、薪が見つかるのか。
俺は上げ板を上げた。
そこは床下収納ではなく、ちゃんと地下に通じていた。
梯子がついている。
明かりはない。懐中電灯が必要だ。
大丈夫。持っている。
よかった。俺の調査の順番は間違っていなかったようだ。
俺は懐中電灯を持ち、梯子を下っていく。
懐中電灯を構えてまわりを見回す。
真っ暗な中に、棚や木箱がある。
一角には、薪が積み上げられていた。
よし。薪ゲット。
しかし梯子で上り下りする地下室に薪を置くのはちょっとどうなのか。
普通に考えてここを保管場所にするのは間違っている。
不便なことこのうえない。ぜったいに背負子がほしい。
薪を確認しホッとして、別の方向に懐中電灯を向けた瞬間、目を大きく見開いた女が見えた。
ホラーにありがちなビビる効果音とともにドアップシチュエーションだ。
あやうく悲鳴を上げるところだ。
女はすでに死んでいた。
壁に身体を預けている。
首から下が、赤黒く染まっている。
首を切られている。
俺は、リュックの中にあった血濡れのナイフによるものだろうと思った。
・薪を取りに行く
・女の死体を調べる
薪の補充までの制限時間はあと1時間だ。
でも、そこに薪はあるのだ。今は確認を優先した方がいい。
俺は、女の死体を調べることにした。一歩一歩安全を確認する。これが今の俺に必要なことだ。
女は、鋭利な刃物で首を切られているようだった。
やはり、あのナイフだろう。
血は乾ききっていない。
女は、1冊のノートを手に持っていた。
これは?
俺は、そのノートを手に取った。
一見したところ、彼女の日記のようだ。
読むのなら、いつでも読んで良いというが、おそらく時間がかかるだろうと注釈がついていた。
それなりのボリュームがありそうだ。
なら、まずは薪の補充をし、それからじっくり読んだ方が良いだろう。
俺は薪を手に入れ、上のフロアに戻った。
追加の薪を暖炉にくべる。
火かき棒で中をかき回していると、奇妙なものに気がついた。
暖炉の中で、燃え残っているものがある。
俺は火かき棒でそれをたぐり寄せた。
どうやら、それは書物のようだった。
タイトルは、こうあった。
『妖蛆の秘密』
火の中に何時間もさらされながら、焦げ目ひとつついていない。
なんとも奇妙な現象だ。
俺には見当がついた。
おそらくこれが「魔導書」というものだろう。
決して燃やすことも絶やすこともできない。禁断の書。
そしてここに登場するということは、あの謎の異星からの怪物の、召喚の儀式に使う書物。
プレイヤーの俺は、最初から超常的な物語であることを知っているから、さまざまな予測を立てることができた。
キャラクターのサクタロウにしてみたら、妄想ではないかと疑っていたものが、現実となって目の前に現れた瞬間だろう。
今この瞬間、プレイヤーの考察とキャラクターの現実がシンクロしたと言っても良い。
俺はこの本を、手に取って読むことができる。
でもちょっと待って。
この本を確認する前に、読んでおかなければいけないものがあるだろう。
俺は、地下の女の遺体が持っていた日記に、先に目を通しておくことにした。
●アタック02-6 日記はそこで終わっている
女の日記を読む。時間が経過する。
しかしもう、薪は補充した。時間の経過を気にする必要はない。
女は、異星の神を信奉する邪教の一員だったようだ。
彼女たちは、調査の果てに、冒涜的な魔導書を手に入れた。
俺は、『妖蛆の秘密』に目をやる。おそらく、これのことだ。
やがて、魔導書の記述に沿って、「人目につかない場所」で「儀式」を行う計画を立て始めた。
だが、彼女はこのことを、後悔し始めていたようだ。
彼女の記述によれば、この魔導書は写本。
内容に誤りがあるかもしれないとのこと。
彼女の調査結果によれば、この版の写本での成功例はなかったとのこと。
写本に誤植があり、儀式にミスがあれば、破滅的な結果をもたらすこともあり得る。
しかし、儀式の準備はもう始まっている。
今さら中止などと、言えるはずもない。
そこで彼女は、リーダーと2人きりになる機会に説得を試みようと考えた。
日記はそこで終わっている。
なるほど。
つまり彼女は、リーダーの説得に失敗したということだ。
そしてその結果、殺されることとなった。
5人連れのうち、リーダーとこの女、あと3人いたはずだ。
2人きりになったということは、だ。
ほかの3人は、生贄として異星送りになったと考えるのが妥当だろう。
同じ教団だったのだから、自ら運命を受け入れたのか、それともそんな結果になるなど思いもよらぬことだったのか、それはわからない。
ここから先は推測の域を出ない。
だが、想像はできる。
まず、暖炉の中に投げ込まれていた魔導書。
これは、儀式を止めるために女が投げ込んだ。
回収されていないところを見ると、リーダーは、魔導書は失われたと思い込んだに違いない。
そして、女はリーダーにナイフで首を切られ、殺された。
リーダーはナイフをリュックにしまい、しまい……。
あれ?
リーダーはそれからどうなったんだ?
リーダーが消える理由がまったくわからない。
魔導書はもう失われたと思い込んでいるはずだから、自分の名前を異星送りの方に間違えて追記するなんてこともないはずだ。
儀式がもう行えないことに絶望し、荷物も持たずに吹雪の中に消えて行った?
うーん。
女の日記の記述を探ると、仮定の話がある。
「もし写本に誤りがあれば、召喚した『あれ』は、契約を無視して襲いかかってくるかもしれない。あるいは、『あれ』と体が入れ替わるかも」
あるとしたら、ここだろうか。『あれ』と体が入れ替わる。
原理はまったく不明だが、リーダーは、異界の怪物、■の精、『あれ』と体が入れ替わってしまった。
だからここには、目に見えない異界の怪物だけが存在している。
推測に推測を重ねた結論だから、確信を持てないことこのうえない。
とにかく、リーダーに関してのみ、行く末が謎なのだ。用心に越したことはない。
そうして俺はいよいよ、魔導書の写本を手に取った。
●アタック02-7 めくるめくる魔導書
魔導書をめくる。
表紙裏に、名前を書く欄がある。
■■■:(空欄)
▲▲▲:アレックス・ボトム/クリスチャン・ディオン/エイイチ・フジタ
■とか▲とかいうのは、知らない言語で解読不明なところだ。
だが、この並びを見るだけで、俺にはピンときた。
▲の後に並んでいるのは3人。これは生贄として、異星送りになった3人だ。
つまりこっちに書くのは犠牲になる者。
空欄になっている■の欄。
こちらこそが、例の怪物を使役する者の名前を記すべき場所だ。
だが、写本ゆえに誤植の可能性が指摘されている。
怪物を使役できるとは限らない。むしろ襲ってこられる可能性だってある。
魔導書の中身は、これ以上読むことはできないようだった。
俺には読めない文字で書かれているのかもしれない。
■のほうは、リーダーか、リーダーとあの女が名前を書く予定だったのではないか。
おあつらえ向けに、ペンがある。俺はこの写本に、名前を書き込むことが可能だ。
そしてそれが、この儀式を完了させる唯一の手段なのだろう。
儀式が中途半端なところで終わっているからこその、この猛吹雪に違いないからだ。
儀式を、終わらせなければならない。
ここで選択肢が出ている。
どこかに名前を書くか、何もしないか。
書くのなら、どこに名前を書くか。
儀式を終わらせるために、俺はどこに名前を書けばいいのか。
まあだいたいわかる。間違えてはならない。
▲の方に書いたら、たちまち異星送りだろうからな。
俺は、■の方の欄に、「丸井サクタロウ」と書こうとして、ふと動きを止めた。
この署名、自署でなければならないのだろうか。
たとえば、全然知らない誰かの名前を書いたらどうなるのだろう。
▲の方に名前を書いた人たちは、自署だったのだろうか。
いろんな考えがよぎったが、思考を中断した。
検証できないことを考えても仕方がないし、それを試みるほどの危険も冒せないからだ。
自分の名前を自署するしかないな、やっぱ。
■に名前をかきかき。
儀式は完成した。
壁の文字列や、床の図形がうごめくように見えた。
なにか、目に見えない力が発揮されていることが、感じ取れた。
同時に悪臭も強まっていく。
儀式によって、俺の感覚は研ぎ澄まされている。
部屋の一角。荷物の山の上あたりに、何か目に見えない存在が、浮かんだ状態でとどまっているのが知覚できた。
それは俺に敵意を向けて、今にも襲いかかろうとしていた。
俺は理解した。
さっきまでは、門は開いていたが、召喚は完了していなかった。
だからこの存在は、実体化できず、気配だけを飛ばしてきていたのだ。
せいぜい便所の扉を閉めるくらいの力しか発揮できなかった。
それが、儀式が完了したことで、今こそ実体化してしまったのだ。
・火かき棒をつかんで戦う
・便所に逃げ込む
目に見えない存在に、物理的な攻撃が効くとも思えない。
たぶん、こいつに効果があるのは、送り返す呪文だろう。
星図の裏に書かれていた、呼び出す呪文と送り返す呪文だ。
俺は便所に逃げ込んだ。
扉に強い衝撃が加わり、はじけ飛ぶ。
その向こうには何も見えない。しかしそこに、目に見えない怪物がいることは明らかだった。
あっという間に追い詰められた。
そしてここに、俺が待ち焦がれていた選択肢が現れた。
頭の中に浮かんだ言葉を、とっさに唱えるというもの。
そこには2つの言葉が並ぶ。
いっぽうは、召喚の呪文。
もういっぽうは、送り返す呪文。
俺は、送り返すほうの呪文を、唱えた。
まる暗記しているバスタードの七鍵守護神(ハーロイーン)の呪文と間違えないで良かったぜ。
小屋の中に突風が吹き荒れた。
小屋の壁の一部が吹っ飛び、そこから突風が吹き上がってゆく。
おそろしい存在が、まるごとその気流に乗って小屋の外へ飛び出してゆくのがわかった。
その存在が、異星へと送り返されたことを、俺は確信した。
そのとき、暖炉の火が風に巻かれて火柱のようになった。
それはたちまち、小屋の壁に燃え移った。
火事だ!
俺は慌てて小屋を飛び出した。
外の吹雪は、もう止んでいた。
異星との接続が切れたのだ。
小屋は炎に包まれている。
そこに選択肢が出た。
俺は今、その手に魔導書『妖蛆の秘密』を持っている。
この魔導書を、炎の中に投げ込むか、持ち帰るか、というものだ。
おそらくだが、これが最後の選択肢だろう。
俺は選ぶ。それは——。
次回最終回。俺の選んだ結末を見届けよ。
■登場人物
丸井サクタロウ 主人公。登山中に吹雪に見舞われ、山小屋に避難する。しかしその山小屋は異様な状況だった。
5人の先客 ここで異星から、■の精を召喚するための儀式を行ったとみられる。しかし誰もいなくなった。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「白い小屋、赤い絶望」
著者:丹野 佑
発行所・発行元:FT書房
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主人公、サクタロウは登山中に吹雪に見舞われ、山小屋へ避難します。
しかしその山小屋は異様な状況になっていました。
火の入ったままの暖炉。壁一面の赤い文字。床一面の赤い紋様。そして生臭さ。
あちこちに散らばるヒントから、なんとなく異星の怪物を召喚する儀式が行われたことがわかります。
しかしそこでトラブルがあり、人はいなくなり、おそらく見えない異星の怪物が存在しています。
逼迫している状況ですが、それはそれとしてあと1時間で薪を見つけないと、ゲームオーバーです。
調査と薪探しの同時進行。はたして。
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●アタック02-5 薪と遺体
いよいよ残る調査項目は、上げ板だけだ。
ひとつひとつ潰していく感が、昔の総当たり式のアドベンチャーゲームを彷彿とさせる。
さあ、真相が明らかになるのか、薪が見つかるのか。
俺は上げ板を上げた。
そこは床下収納ではなく、ちゃんと地下に通じていた。
梯子がついている。
明かりはない。懐中電灯が必要だ。
大丈夫。持っている。
よかった。俺の調査の順番は間違っていなかったようだ。
俺は懐中電灯を持ち、梯子を下っていく。
懐中電灯を構えてまわりを見回す。
真っ暗な中に、棚や木箱がある。
一角には、薪が積み上げられていた。
よし。薪ゲット。
しかし梯子で上り下りする地下室に薪を置くのはちょっとどうなのか。
普通に考えてここを保管場所にするのは間違っている。
不便なことこのうえない。ぜったいに背負子がほしい。
薪を確認しホッとして、別の方向に懐中電灯を向けた瞬間、目を大きく見開いた女が見えた。
ホラーにありがちなビビる効果音とともにドアップシチュエーションだ。
あやうく悲鳴を上げるところだ。
女はすでに死んでいた。
壁に身体を預けている。
首から下が、赤黒く染まっている。
首を切られている。
俺は、リュックの中にあった血濡れのナイフによるものだろうと思った。
・薪を取りに行く
・女の死体を調べる
薪の補充までの制限時間はあと1時間だ。
でも、そこに薪はあるのだ。今は確認を優先した方がいい。
俺は、女の死体を調べることにした。一歩一歩安全を確認する。これが今の俺に必要なことだ。
女は、鋭利な刃物で首を切られているようだった。
やはり、あのナイフだろう。
血は乾ききっていない。
女は、1冊のノートを手に持っていた。
これは?
俺は、そのノートを手に取った。
一見したところ、彼女の日記のようだ。
読むのなら、いつでも読んで良いというが、おそらく時間がかかるだろうと注釈がついていた。
それなりのボリュームがありそうだ。
なら、まずは薪の補充をし、それからじっくり読んだ方が良いだろう。
俺は薪を手に入れ、上のフロアに戻った。
追加の薪を暖炉にくべる。
火かき棒で中をかき回していると、奇妙なものに気がついた。
暖炉の中で、燃え残っているものがある。
俺は火かき棒でそれをたぐり寄せた。
どうやら、それは書物のようだった。
タイトルは、こうあった。
『妖蛆の秘密』
火の中に何時間もさらされながら、焦げ目ひとつついていない。
なんとも奇妙な現象だ。
俺には見当がついた。
おそらくこれが「魔導書」というものだろう。
決して燃やすことも絶やすこともできない。禁断の書。
そしてここに登場するということは、あの謎の異星からの怪物の、召喚の儀式に使う書物。
プレイヤーの俺は、最初から超常的な物語であることを知っているから、さまざまな予測を立てることができた。
キャラクターのサクタロウにしてみたら、妄想ではないかと疑っていたものが、現実となって目の前に現れた瞬間だろう。
今この瞬間、プレイヤーの考察とキャラクターの現実がシンクロしたと言っても良い。
俺はこの本を、手に取って読むことができる。
でもちょっと待って。
この本を確認する前に、読んでおかなければいけないものがあるだろう。
俺は、地下の女の遺体が持っていた日記に、先に目を通しておくことにした。
●アタック02-6 日記はそこで終わっている
女の日記を読む。時間が経過する。
しかしもう、薪は補充した。時間の経過を気にする必要はない。
女は、異星の神を信奉する邪教の一員だったようだ。
彼女たちは、調査の果てに、冒涜的な魔導書を手に入れた。
俺は、『妖蛆の秘密』に目をやる。おそらく、これのことだ。
やがて、魔導書の記述に沿って、「人目につかない場所」で「儀式」を行う計画を立て始めた。
だが、彼女はこのことを、後悔し始めていたようだ。
彼女の記述によれば、この魔導書は写本。
内容に誤りがあるかもしれないとのこと。
彼女の調査結果によれば、この版の写本での成功例はなかったとのこと。
写本に誤植があり、儀式にミスがあれば、破滅的な結果をもたらすこともあり得る。
しかし、儀式の準備はもう始まっている。
今さら中止などと、言えるはずもない。
そこで彼女は、リーダーと2人きりになる機会に説得を試みようと考えた。
日記はそこで終わっている。
なるほど。
つまり彼女は、リーダーの説得に失敗したということだ。
そしてその結果、殺されることとなった。
5人連れのうち、リーダーとこの女、あと3人いたはずだ。
2人きりになったということは、だ。
ほかの3人は、生贄として異星送りになったと考えるのが妥当だろう。
同じ教団だったのだから、自ら運命を受け入れたのか、それともそんな結果になるなど思いもよらぬことだったのか、それはわからない。
ここから先は推測の域を出ない。
だが、想像はできる。
まず、暖炉の中に投げ込まれていた魔導書。
これは、儀式を止めるために女が投げ込んだ。
回収されていないところを見ると、リーダーは、魔導書は失われたと思い込んだに違いない。
そして、女はリーダーにナイフで首を切られ、殺された。
リーダーはナイフをリュックにしまい、しまい……。
あれ?
リーダーはそれからどうなったんだ?
リーダーが消える理由がまったくわからない。
魔導書はもう失われたと思い込んでいるはずだから、自分の名前を異星送りの方に間違えて追記するなんてこともないはずだ。
儀式がもう行えないことに絶望し、荷物も持たずに吹雪の中に消えて行った?
うーん。
女の日記の記述を探ると、仮定の話がある。
「もし写本に誤りがあれば、召喚した『あれ』は、契約を無視して襲いかかってくるかもしれない。あるいは、『あれ』と体が入れ替わるかも」
あるとしたら、ここだろうか。『あれ』と体が入れ替わる。
原理はまったく不明だが、リーダーは、異界の怪物、■の精、『あれ』と体が入れ替わってしまった。
だからここには、目に見えない異界の怪物だけが存在している。
推測に推測を重ねた結論だから、確信を持てないことこのうえない。
とにかく、リーダーに関してのみ、行く末が謎なのだ。用心に越したことはない。
そうして俺はいよいよ、魔導書の写本を手に取った。
●アタック02-7 めくるめくる魔導書
魔導書をめくる。
表紙裏に、名前を書く欄がある。
■■■:(空欄)
▲▲▲:アレックス・ボトム/クリスチャン・ディオン/エイイチ・フジタ
■とか▲とかいうのは、知らない言語で解読不明なところだ。
だが、この並びを見るだけで、俺にはピンときた。
▲の後に並んでいるのは3人。これは生贄として、異星送りになった3人だ。
つまりこっちに書くのは犠牲になる者。
空欄になっている■の欄。
こちらこそが、例の怪物を使役する者の名前を記すべき場所だ。
だが、写本ゆえに誤植の可能性が指摘されている。
怪物を使役できるとは限らない。むしろ襲ってこられる可能性だってある。
魔導書の中身は、これ以上読むことはできないようだった。
俺には読めない文字で書かれているのかもしれない。
■のほうは、リーダーか、リーダーとあの女が名前を書く予定だったのではないか。
おあつらえ向けに、ペンがある。俺はこの写本に、名前を書き込むことが可能だ。
そしてそれが、この儀式を完了させる唯一の手段なのだろう。
儀式が中途半端なところで終わっているからこその、この猛吹雪に違いないからだ。
儀式を、終わらせなければならない。
ここで選択肢が出ている。
どこかに名前を書くか、何もしないか。
書くのなら、どこに名前を書くか。
儀式を終わらせるために、俺はどこに名前を書けばいいのか。
まあだいたいわかる。間違えてはならない。
▲の方に書いたら、たちまち異星送りだろうからな。
俺は、■の方の欄に、「丸井サクタロウ」と書こうとして、ふと動きを止めた。
この署名、自署でなければならないのだろうか。
たとえば、全然知らない誰かの名前を書いたらどうなるのだろう。
▲の方に名前を書いた人たちは、自署だったのだろうか。
いろんな考えがよぎったが、思考を中断した。
検証できないことを考えても仕方がないし、それを試みるほどの危険も冒せないからだ。
自分の名前を自署するしかないな、やっぱ。
■に名前をかきかき。
儀式は完成した。
壁の文字列や、床の図形がうごめくように見えた。
なにか、目に見えない力が発揮されていることが、感じ取れた。
同時に悪臭も強まっていく。
儀式によって、俺の感覚は研ぎ澄まされている。
部屋の一角。荷物の山の上あたりに、何か目に見えない存在が、浮かんだ状態でとどまっているのが知覚できた。
それは俺に敵意を向けて、今にも襲いかかろうとしていた。
俺は理解した。
さっきまでは、門は開いていたが、召喚は完了していなかった。
だからこの存在は、実体化できず、気配だけを飛ばしてきていたのだ。
せいぜい便所の扉を閉めるくらいの力しか発揮できなかった。
それが、儀式が完了したことで、今こそ実体化してしまったのだ。
・火かき棒をつかんで戦う
・便所に逃げ込む
目に見えない存在に、物理的な攻撃が効くとも思えない。
たぶん、こいつに効果があるのは、送り返す呪文だろう。
星図の裏に書かれていた、呼び出す呪文と送り返す呪文だ。
俺は便所に逃げ込んだ。
扉に強い衝撃が加わり、はじけ飛ぶ。
その向こうには何も見えない。しかしそこに、目に見えない怪物がいることは明らかだった。
あっという間に追い詰められた。
そしてここに、俺が待ち焦がれていた選択肢が現れた。
頭の中に浮かんだ言葉を、とっさに唱えるというもの。
そこには2つの言葉が並ぶ。
いっぽうは、召喚の呪文。
もういっぽうは、送り返す呪文。
俺は、送り返すほうの呪文を、唱えた。
まる暗記しているバスタードの七鍵守護神(ハーロイーン)の呪文と間違えないで良かったぜ。
小屋の中に突風が吹き荒れた。
小屋の壁の一部が吹っ飛び、そこから突風が吹き上がってゆく。
おそろしい存在が、まるごとその気流に乗って小屋の外へ飛び出してゆくのがわかった。
その存在が、異星へと送り返されたことを、俺は確信した。
そのとき、暖炉の火が風に巻かれて火柱のようになった。
それはたちまち、小屋の壁に燃え移った。
火事だ!
俺は慌てて小屋を飛び出した。
外の吹雪は、もう止んでいた。
異星との接続が切れたのだ。
小屋は炎に包まれている。
そこに選択肢が出た。
俺は今、その手に魔導書『妖蛆の秘密』を持っている。
この魔導書を、炎の中に投げ込むか、持ち帰るか、というものだ。
おそらくだが、これが最後の選択肢だろう。
俺は選ぶ。それは——。
次回最終回。俺の選んだ結末を見届けよ。
■登場人物
丸井サクタロウ 主人公。登山中に吹雪に見舞われ、山小屋に避難する。しかしその山小屋は異様な状況だった。
5人の先客 ここで異星から、■の精を召喚するための儀式を行ったとみられる。しかし誰もいなくなった。
■作品情報
作品名:ゲームブック クトゥルー短編集2 暗黒詩篇 「白い小屋、赤い絶望」
著者:丹野 佑
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
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2024年12月3日火曜日
新作『単眼の巨獣』の紹介 FT新聞 No.4332
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新作『単眼の巨獣』の紹介
ロア・スペイダー
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おはようございます。ロア・スペイダーです。今日は今年の冬コミで販売されることになる私の新作『単眼の巨獣』をこの場を借りてご紹介したいと思います!
この作品は当時働いていた職場を諸事情でやめて、「今まであったしがらみを全部振り払って、全ての力を注ぎこんで作品を作ったらどうなるだろう?」と思い作り上げた作品になります。
また、その時は30やら20の短いパラグラフのゲームを書いていた自分が、100を超えるパラグラフの作品を書き上げてみようと挑戦した作品でもあります。
作品を一言でいうなら「大怪獣の進撃!」でしょうかね?
この作品の主人公は人ではなく怪物。「しずくの怪物」と呼ばれるモンスターになります。大きな特徴として、他の生物の特徴を自らの特徴として取り込めるところでしょう。
一番最初は、ゼリー状の体の中に大きな一つの目玉がある弱い部類に入るモンスターです。しかし、倒した相手の能力や特徴を己のものとしてドンドン成長していくのです!
例えば、イノシシを倒したら、牙を生やしたり、ゼリー状の体に毛皮を纏ったりして進化するのです。さらにそこから鳥のモンスターを倒せば、翼を得て空を飛ぶことも可能。
こうして勝ち続け成長していった「しずくの怪物」は最初の姿とかけ離れた強大なモンスターになります。もはや伝説や伝承に残るほどの化け物……。ありとあらゆる生物の特徴を取り込んだモンスター……『混沌』です。
本作は「しずくの怪物」という最弱の存在から「混沌」と呼ばれる世界にとって最悪の厄災モンスターになるまでの成長を体験できます。それだけでなく「大怪獣の進撃」のキャッチコピーの名の通り、成長途中の主人公を食べようとする強大なモンスターや、人……軍隊や城を育て上げたパワーで薙ぎ払うシーンも満載の作品になっております。
さて…このような本作ですが詳しく語るとネタバレになるので3つのセールスポイントをご紹介して、魅力を伝えたいと思います。
その1。『あなただけのオリジナルモンスターになろう!』
今回の主人公は様々なモンスターの特徴を取り込んで強くなっていきます。この為、最初こそは全員「しずくの怪物」ですが、そこから先……ゲームがクリアした「混沌」は遊んだ方が選んだ歩みその物!
誰一人同じ姿にはならないでしょう。選ぶ選択値が違えば出てくる敵も違う……ということは取り込める特徴も違う。どの敵を倒して、どの能力をとるか……それを決めるのはプレイヤー次第!
伝説に残る『混沌』がどんな姿になるかはあなた次第なのです!
その2。『能力を組み合わせて強大な力を手に入れろ!』
怪物として進むプレイヤーの前に立ちふさがるモンスターは、大抵がプレイヤーより強いです。それは当然。弱肉強食の自然界で自分より弱い生き物が立ちふさがるなど滅多にない。出会った時、相手の方が強ければ逃げるか食べられるかのどちらか……。
とはなりません! なぜなら、強さは積み上げることができるから! 単純性能では運任せのお祈り勝負でも、しずくの怪物は違います! 今まで取り込んだ能力や特性を掛け合わせてさらなる力を得るのです!
例えば、ただの突撃も事前に『角』を生やしていれば威力は増大! こんな感じでただ強い能力を積み上げるだけでなく、一見弱そうな能力でも使い方次第で強力な能力になる……。世の中に無駄な能力など何一つありません! ただ、暴力を振り回すだけでなく、知性も兼ね備えた究極生物も目指せます!
その3。『生きることは壮大なドラマ! 怪物とそれを取り巻く人間ドラマを楽しもう!』
怪獣映画は怪獣が主人公ですが、それに立ち向かう人間も主人公です。本作はただ、しずくの怪物が暴れまわるだけの物語ではありません。
この作品は絶海の孤島の砂浜から、最弱の姿で主人公の「しずくの怪物」が進むのがスタートになるのですが、そのきっかけを作った王国があります。
『デウゼ=ガンド王国』……。巨大な鋼の竜型ゴーレム『デウゼ=ガンドロフ』を神とし、その主を初代国王とする王国。進んだゴーレム技術を軍事力に転換し発展してきたこの王国の戦略により、主人公は母体を殺され、絶海の孤島に流れ着くことになるのです。
つまりこの王国が本作の最終ボス! 成長し、怪物になった主人公はこの王国に進撃することになるのですが……敵が王国となると当然そこに住む大勢人間がいるわけです。
その大勢の人々……立場や背景が異なる者たちが、『混沌』と呼ばれる強大な厄災に襲い掛かられた時……必ずドラマが生まれます!
国家の存亡の危機に国を挙げて立ち向かうことを決める国王。危機を前にしても自分の研究に夢中な博士。戦力差は明らかだが祖国を守るために突撃する兵士達。国の守護騎士として最高品質ゴーレムの操者に任じられた、平民上がりの歴戦の中年騎士と名門出身の若手騎士。その若手騎士の身を案じるお姫様……。
数々のドラマが紡がれますが、プレイヤーである怪物のあなたにそんなことは関係ありません! 立ちふさがるなら、怪物らしく倒して! 蹂躙して! 捕食するのみ!
その結果どうなるか……ぜひ遊んでみて確かめてください。
……と長々と語らせて頂きましたこの『単眼の巨獣』。従来のゲームとは違い、いつもは討伐されるモンスターが主人公という異色作。ファンタジー物語というよりファンタジー怪獣映画といった作品になってしまいましたが、お楽しみいただける内容となっております。
なのでぜひ、購入して遊んでみてください! ……あなたはどんな『混沌(怪物)』になるのでしょうか?
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おはようございます。ロア・スペイダーです。今日は今年の冬コミで販売されることになる私の新作『単眼の巨獣』をこの場を借りてご紹介したいと思います!
この作品は当時働いていた職場を諸事情でやめて、「今まであったしがらみを全部振り払って、全ての力を注ぎこんで作品を作ったらどうなるだろう?」と思い作り上げた作品になります。
また、その時は30やら20の短いパラグラフのゲームを書いていた自分が、100を超えるパラグラフの作品を書き上げてみようと挑戦した作品でもあります。
作品を一言でいうなら「大怪獣の進撃!」でしょうかね?
この作品の主人公は人ではなく怪物。「しずくの怪物」と呼ばれるモンスターになります。大きな特徴として、他の生物の特徴を自らの特徴として取り込めるところでしょう。
一番最初は、ゼリー状の体の中に大きな一つの目玉がある弱い部類に入るモンスターです。しかし、倒した相手の能力や特徴を己のものとしてドンドン成長していくのです!
例えば、イノシシを倒したら、牙を生やしたり、ゼリー状の体に毛皮を纏ったりして進化するのです。さらにそこから鳥のモンスターを倒せば、翼を得て空を飛ぶことも可能。
こうして勝ち続け成長していった「しずくの怪物」は最初の姿とかけ離れた強大なモンスターになります。もはや伝説や伝承に残るほどの化け物……。ありとあらゆる生物の特徴を取り込んだモンスター……『混沌』です。
本作は「しずくの怪物」という最弱の存在から「混沌」と呼ばれる世界にとって最悪の厄災モンスターになるまでの成長を体験できます。それだけでなく「大怪獣の進撃」のキャッチコピーの名の通り、成長途中の主人公を食べようとする強大なモンスターや、人……軍隊や城を育て上げたパワーで薙ぎ払うシーンも満載の作品になっております。
さて…このような本作ですが詳しく語るとネタバレになるので3つのセールスポイントをご紹介して、魅力を伝えたいと思います。
その1。『あなただけのオリジナルモンスターになろう!』
今回の主人公は様々なモンスターの特徴を取り込んで強くなっていきます。この為、最初こそは全員「しずくの怪物」ですが、そこから先……ゲームがクリアした「混沌」は遊んだ方が選んだ歩みその物!
誰一人同じ姿にはならないでしょう。選ぶ選択値が違えば出てくる敵も違う……ということは取り込める特徴も違う。どの敵を倒して、どの能力をとるか……それを決めるのはプレイヤー次第!
伝説に残る『混沌』がどんな姿になるかはあなた次第なのです!
その2。『能力を組み合わせて強大な力を手に入れろ!』
怪物として進むプレイヤーの前に立ちふさがるモンスターは、大抵がプレイヤーより強いです。それは当然。弱肉強食の自然界で自分より弱い生き物が立ちふさがるなど滅多にない。出会った時、相手の方が強ければ逃げるか食べられるかのどちらか……。
とはなりません! なぜなら、強さは積み上げることができるから! 単純性能では運任せのお祈り勝負でも、しずくの怪物は違います! 今まで取り込んだ能力や特性を掛け合わせてさらなる力を得るのです!
例えば、ただの突撃も事前に『角』を生やしていれば威力は増大! こんな感じでただ強い能力を積み上げるだけでなく、一見弱そうな能力でも使い方次第で強力な能力になる……。世の中に無駄な能力など何一つありません! ただ、暴力を振り回すだけでなく、知性も兼ね備えた究極生物も目指せます!
その3。『生きることは壮大なドラマ! 怪物とそれを取り巻く人間ドラマを楽しもう!』
怪獣映画は怪獣が主人公ですが、それに立ち向かう人間も主人公です。本作はただ、しずくの怪物が暴れまわるだけの物語ではありません。
この作品は絶海の孤島の砂浜から、最弱の姿で主人公の「しずくの怪物」が進むのがスタートになるのですが、そのきっかけを作った王国があります。
『デウゼ=ガンド王国』……。巨大な鋼の竜型ゴーレム『デウゼ=ガンドロフ』を神とし、その主を初代国王とする王国。進んだゴーレム技術を軍事力に転換し発展してきたこの王国の戦略により、主人公は母体を殺され、絶海の孤島に流れ着くことになるのです。
つまりこの王国が本作の最終ボス! 成長し、怪物になった主人公はこの王国に進撃することになるのですが……敵が王国となると当然そこに住む大勢人間がいるわけです。
その大勢の人々……立場や背景が異なる者たちが、『混沌』と呼ばれる強大な厄災に襲い掛かられた時……必ずドラマが生まれます!
国家の存亡の危機に国を挙げて立ち向かうことを決める国王。危機を前にしても自分の研究に夢中な博士。戦力差は明らかだが祖国を守るために突撃する兵士達。国の守護騎士として最高品質ゴーレムの操者に任じられた、平民上がりの歴戦の中年騎士と名門出身の若手騎士。その若手騎士の身を案じるお姫様……。
数々のドラマが紡がれますが、プレイヤーである怪物のあなたにそんなことは関係ありません! 立ちふさがるなら、怪物らしく倒して! 蹂躙して! 捕食するのみ!
その結果どうなるか……ぜひ遊んでみて確かめてください。
……と長々と語らせて頂きましたこの『単眼の巨獣』。従来のゲームとは違い、いつもは討伐されるモンスターが主人公という異色作。ファンタジー物語というよりファンタジー怪獣映画といった作品になってしまいましたが、お楽しみいただける内容となっております。
なのでぜひ、購入して遊んでみてください! ……あなたはどんな『混沌(怪物)』になるのでしょうか?
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