SPAM注意

(編集・水波)最近SPAM投稿が増えておりますが、見つけ次第手動で削除いたしますので、決してクリックなどされないよう、ご注意下さい。

2026年8月4日火曜日

これはゲームブックなのですか!? vol.136 FT新聞 No.4941

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.136  かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■  さーて、取り出しましたるものは。一冊の写真集。  タイトルは『うたかた』  なんでも「熱海の今」を、この本を編んだ編集長自体が作り上げた、風景写真集らしいんだけど……。  今回取り上げるものは、ゲーム『人が消える街』(SCRAP出版)よ。  本、そして、パソコンによる謎解きゲーム。  少なくとも本年度「ここまで秀逸なアイディアはなかったで賞」あげちゃいたいくらい傑作!  一ページ目をくる。  なんかかわいらしいモデルさんが、JR熱海の駅に来たところから始まる。  で、街並みを見たり、名産品を食べたり、なんか普通のガイドブック?  みたいな感じがする。んだけどね。  あれ? なんかさりげなくモデルさん、男の人とあってたりするぞ。  で、いつの間にかモデルさんは消えている!?  出ているのは、街とそのモブだけ?  あれ? これって観光促進ガイドなの!? と思っていたら、突然堤防に向け、足跡が続いて、なんか魚釣りのケースが、写真のはじでぷかぷか浮いてるシーンで終わる。  ねぇ、これって……。  そして、ほんとゴミみたいにちっぽけに映っている、水面に浮かぶあれは!?  で、この『うたかた』って作品には、クイズキャンペーンがついているのよね。  ほんと、某大手リサイクルショップをほうふつさせる、黄色と青いロゴがやさしい印象を与えるアレ。  いい意味で、折りこみチラシのように安っぽい!  モキュメンタリーと言いながら、かなり雰囲気を出しているじゃない!?  しかも、特賞は「この本の編集長」とビデオ会話できることじゃない?  ハワイじゃなくても、ここは「熱海旅行」へご案内!? とかしてほしいナ。  だけど、本だけ眺めていても、らちが明かない。  一日中意味のない写真集と向き合うわけにもいかない! ってんで、チラシに明記されているサイトへ!  すると、ブラウザが立ち上がり、クイズキャンペーンのページへ!  早速、問題が! 「この写真集がとられた日はいつ?」  あなたは、回答を求めるために、なじみの掲示板に顔を出す……。  だけど、どこにもこの写真集を取られた日が明記されているとこなんてないじゃない?  と、なると……。 「現場百辺!」  写真集の中に、さりげなくホラ!  という具合に、写真集の中から、ヒントを得て、回答を出して、次へ進む。  それを繰り返して、真実にたどり着くんだけど、ほんと、これが「ウォーリーを探せ!」なみに、この80ページにも満たない写真集という迷宮を行ったり来たりする。  コツはね、ゲームに入る前に、写真集を熟読すること!  ただぼっと「見て」たらとてもじゃないが追っつかないよ。「観察」するのよ!  すると「あれ? この人、こことここのページに出ているんだけど」「気付かなかったけど、このオブジェは何?」という「違和感」が立ち上がってくるはず。  かなでは「本ゲームは写真から手がかりを得て推理する」ゲームだと身構えていたので、先にこういう「下調べ」をしたんだけど、おかげでスムーズな謎解きの一役を買っているわ!  で、この「捜査過程」が、雰囲気抜群!  オンライン上のみで話が進む「安楽椅子探偵」方式を逆手に取り、スレッド、資料となるサイトの作りこみがバッチリ! 特に、事件にかかわるサイトは、いちいちフェイクのサイトにブックマークされるんだけど、思わず「本当の」かなでパソコンのブックマークを開いてしまうほど、リアルよ!  で、謎も一筋縄では解けなくなる。  殺害現場を見て、部屋を割り出す。  ある大切な証拠品がどこにあるか推理する。  など「観察力がすごい」だけではダメ、な本格的推理ゲームになっている! イイね!  で、一見、「無意味な風景を映した無駄なページ」が、あとで重要な手がかりとなってくるとこなんか、常にゲームに緊張感を醸し出しているわ!  で、どうしても分からない! ってあなたもご安心!  ヒントが段階的に表示されていき、最後には答えが出る親切仕様!  面白いのは、自分で何か「単語」を入れないと答えが出ないところ。  これって、コマンド方式が無かった、初期のパソコンアドベンチャーゲームに似ていない?  正しいコマンド=単語を頭に汗かきながらひねり出す。 「答え」がわかっているのに、今一歩踏み出せない。  特に後半では、「何やっていいかわからない」ことが出るんだけど……。  これ、「今の時代だからこそのオンラインでの進め方」をしなくちゃいけないのよね!  コマンド入力という枠を離れた発想。  これこそ、「今というネット世界」を反映していると、かなで雷に打たれたような気が!  そして「意外な答え」というのが、終盤の謎。  これまた、ゲーム「ブック」=「本」でなければ答えが出ない独特の回答法!  つまり、オンラインと本。それぞれのいいとこ取りをした謎解きが、ギュっと詰まっている!  プラスね、この本のいいところ。  それは「出題者の意図した回答」以外でも、答えが出せるというとこ。  さっき言った終盤近くのヤマの謎。  これも、謎自体は解けなかったけど、「なんでこの人がこんな場所で不自然に強調されているんだろう?」と考えたら、正解だった。  あるいは、ある重要なアイテムを探す際、正攻法でやると、この本全体を「ウォーリーを探せ!」みたいな、あるいはやみくもにハイレベルなだけの、ただ「探す」だけの作業になって、イライラしちゃうものになってしまいかねない謎解きがあるの。  だけどね、「そのものが、それなりに目立つある一つのもの」とセットで出てくると気づけば、より簡単になる!  という具合に、本当に「あなたの探偵力を大いにくすぐって、試す」仕様になっている! 「はたしてあなたは、謎を解けるだろうか?」という煽り文句がウリのゲームってよく見かけようになったね!  だけど、これは、「オンライン」と「ゲームブック」を掛け合わせた、まったく未知の挑戦状!  今すぐ買いに走って!  見逃せば、本気で一生後悔することウケアイ! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『人が消える街』  出版社:SCRAP出版 2023/9/5  書籍+コンピューターゲーム 2860円(税込) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月3日月曜日

☆鬼が笑う話☆ FT新聞 No.4940

おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆ 長い日には7時間ぐらいボルダリングを1日でやるんですが、これを言うと「そんなに運動するんですか!」と驚かれます、違うんです。 ボルダリングは平均して30秒から60秒ぐらい壁を登る、全力の全身運動です。 1回登った後は、体力が戻るまで休みます。 だから、7時間登るというのは、マラソンみたいにずっと運動してるわけじゃなくて……後半はだんだん休む時間が長くなっていくものなので、超人的な体力が必要な競技ってわけじゃあないんです。 冬は暖かい日差しが入り、夏は涼しいジムでボルダリングをしながらうららかな午後を過ごすのは、たぶん周りが思っているよりもずっと、心癒やされる体験です☆ 私の執筆生活はきっと、そんな時間に救われてきました。 今日は雑談と、近況報告です。 ◆「廃都脱出」刊行決定! FT新聞 No.4919にて、「モンスター!モンスター!TRPG」初の国産作品であるソロアドベンチャーを刊行する旨、告知いたしました。 すでに無事に入稿を完了しております☆ イベントではコミケ1日目ソ−49ABにて刊行いたします! また、8月下旬ごろを目指して通販も準備中です☆ ↓「廃都脱出」の通販はこちらから! https://ftbooks.booth.pm/items/8613676 ◆執筆の話。 執筆に関してよく忘れがちな、大切なことがあります。 それは、楽しむことです。 楽しいものを創る際に、楽しい気持ちがなかったなら、それはどこかうまくいかないものになるような気がします。 自分に嘘をついているというか。 心から楽しく書いたものは、素直に人の心に響くように思っています。 だから、書くときには真剣、心の充実を求めて全身全霊、乾坤一擲の気持ちで挑みますが、その一方で、自分自身が笑顔になれる瞬間のあるものを、求めています。 そうはいっても、自分自身を追い詰めながらストイックに行うのが、私の「ものづくり」です。 そこから生まれる緊張感とストレスを、溜めすぎないように気をつけています。 冒頭ではボルダリングについて少し触れました──リラックスした時間として、クライミングを楽しんでいます。 仲間とするときも1人のときも、豊かな時間になることを目指しています。 ◆来年以降の話。 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」が2023年に生まれて、3年と3ヶ月が経ちました。 とても人気のあるシリーズですが、さすがに最近は落ち着いてきました。 私の個人的な希望としては、このシリーズを通じて、FT書房の展開する共通世界「アランツァ」のサプリメントを、1つの都市につき1冊以上刊行することが、目標でした。 売上の観点からするとその目標を叶えるのは少し難しそうではありますが、17都市すべてをFT新聞上で配信できる見込みが立っていることを、嬉しく思います。 監修者であり作品そのものの共著者である紫隠ねこさんに、最大の感謝を伝えます。 いつも、本当にありがとうございます。 さて、このシリーズを通じてお見せしてきた「都市サプリメント」や「新職業」ですが、すべての都市を紹介できないとなると、紙の書籍として追いかけてきた人にとって、不完全なものになってしまうことが残念です。 このお話を編集の緋色と打ち合わせの際に相談したところ、「アランツァ職業事典パーフェクトガイドを出せばいいんですよ」と、サラリと言われました☆ 正直、目からウロコでした! 実を申しますと、サプリメントに載せた【新職業】には、多少の反省点がありました。 ひとつは、その職業者のビジュアル的な様子を表現することを、思い至れなかった点。 もうひとつは、その職業が持つ背景について、十分に掘り下げた情報を文章表現として載せられていなかったこと。 これまでに書籍化していない【職業】を加え、これらの反省点を活かして補強して作る本は、すべての「ローグライクハーフ」ファンに喜んでもらえる1冊とすることができるのではないかと、思いました☆ 現実に作れるかどうかも含めて、ただいま検討中の内容です☆ ◆総合的にみて。 これまでの記事で触れてきたムック本、キャラクターのビジュアルブック、新職業のパーフェクトガイド。 それらのいずれにおいても、ビジュアル面での大幅な強化ができればと考えております。 今回はこのあたりで。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月2日日曜日

『霊廟館の悪夢』ローグライクハーフd33シナリオ FT新聞 No.4939

お久しぶりです。ローグライクハーフに絶賛ハマり中の齊藤飛鳥です。 ハマりが高じて、ついに「自分でもローグライクハーフのシナリオを書いてみたい!」となり、去年からせっせと書いては闇に葬っておりましたが、ついに一作だけどうにかシナリオの態を成したものが仕上がりました。 そこで、蛮勇を振るって水波流さんへ提出。御厚意で、こちらに掲載と相成りましたm(_ _)m そして、水波流さんばかりか、杉本ヨハネさんと紫隠ねこさんにも監修をしていただけました!! おかげさまで、ルールミスや推理ミスも修正していただき、皆様へお届けできるまでに整いました^^ そういうわけで、d33シナリオ『霊廟館の悪夢』をお送りいたします。 主人公は嵐で遭難し、風変わりな女吸血鬼の館〈霊廟館〉に漂着し、一夜の宿を借りました。そこで、女吸血鬼殺人事件が発生。一宿一飯の恩義を果たすため、女吸血鬼の弟子の一人・魔術師クワニャウマを特別な従者に、殺人事件の解決に乗り出します。 しかし、ここは剣と魔法のアランツァ世界。容疑者の事情聴取も一筋縄ではいきません。話しかけようものなら、戦闘開始も辞さない連中ばかりです。 果たして、主人公は無事に真相を解明できるでしょうか?  どうぞ皆様、お楽しみ下さいませ^^ ローグライクハーフd33シナリオ『霊廟館の悪夢』 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Nightmare_at_the_Mausoleum.txt ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月1日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第703号 FT新聞 No.4938

From:水波流 2026/7/29頃発売のトーキングヘッズ叢書 TH No.107『ANGURA Revolution〜60's、アングラ、前衛、あの時代』に今回も寄稿させて頂いております。 『型を捨てよ、町へ出よう〜寺山修司の実験演劇が、今の時代に伝えるもの』というタイトルで、1972年オランダでのみ上演された天井桟敷による『阿片戦争』等を紐解きながら語っています。 THは、書評、映画評、舞台評、展覧会紹介などが掲載される季刊誌です。 書籍詳細や取扱店などはこちらの出版社サイトより! https://athird.cart.fc2.com/ca1/467/p-r-s/ From:葉山海月 ラジコンヘリと猫と子どもは、人を賢人にするらしいです。 そう信じたいお年頃(はぁと) From:明日槇悠 今更ながら貴志祐介『クリムゾンの迷宮』を面白く読んでいます。やっぱりゲームブックは読む者を主人公にするんですなー。 From:天狗ろむ 8月! 暑いとアイスが美味しいですね。「ガツンとみかん」やナタデココ入り杏仁アイスがお気に入りです。 さて、今月の勝手にオススメ公式シナリオは……「山の日」にちなんで、『ドラゴンレディハーフ』! 攫われたヒルダ王女を救うべく、「シャングリラ山」に陣取るドラゴンたちに挑む冒険です。中級レベル向けのやりごたえあるシナリオで、暑い夏も熱く乗り切りましょう!(でも水分補給を忘れずに、エアコンなども活用して、どうぞご無理なくお過ごしください!) From:中山将平 僕ら、8月9日(日)マイドームおおさかにて開催の「TGFF2026」に物販で出展します。 配置は【η08b】です。 ゲームブック、1人用TRPG「ローグライクハーフ」、モンスター!モンスター!TRPG関連作品等を扱います。 ぜひお立ち寄りいただけましたら。 当日は、僕中山が現地に行く予定です。 こっそりカエル人の本も持っていきます! さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (葉)=葉山海月 (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (天)=天狗ろむ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■7/26(日)~7/31(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年7月26日(日)かなでひびき FT新聞 No.4932 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第13回(問題編) ・かなでひびき氏による企画。かなで氏が集めた奇妙で結末がない物語の断片。この前半部に、読者の皆様がオチに当たるストーリーを考えるという企画です。 今回のお話は、「ある辺鄙な街で、殺人を犯した男。 死体を埋めるまではうまくいった。しかし、そこへ『誰かいるの?』ガサガサと茂みの向こうから女の子の声が聞こえ、あまつさえ近づいてくる。 熊の叫びを真似して追っ払い、その場は逃れたものの……。 はてさて、彼を待ち受ける運命は!?」 今回の出題編はここまで! 皆様の名解答! お待ちしております! (葉) 2026年7月27日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4933 ☆雑記☆ ・去る6月28日に、名古屋で日本初のTrollConが開催されました! 本記事はケン・セント・アンドレによって認められた、この公式イベントにて打診された「お願い」をひとつ、叶えるために書かれたものです☆ 寄せられた「お願い」……それは「モンスター!モンスター!TRPG」から「ヒューマンズ!ヒューマンズ!」のTシャツを作ってほしいというもの! 例えば「ローグライクハーフ」など、他に「こんなTシャツがほしい」というご要望がありましたら、ご連絡ください☆ その他、作家としても編集長としても様々な企画を準備し、案を練っているところの杉本氏ですが、まだ動きはじめたばかり。ぜひご希望をお寄せくださいませ☆ (明) 2026年7月28日(火)くろやなぎ FT新聞 No.4934 ゲームブックにおける死と物語 第8回:『単眼の巨獣』における選択と成長 ・編集部員くろやなぎが不定期でお届けしているゲームブック考察記事。今回は、FT書房刊行のゲームブックとしては最新作にあたる『単眼の巨獣』に関する考察の第2回です。 『単眼の巨獣』の主人公である「君」は、「混沌」と呼ばれるモンスター。相手を「取り込む」ことで成長を続け、自分の身体のほかには何も持ち歩かず、他者とのあいだで「倒すか倒されるか」以外の関係性を結ぶことはほとんどありません。 そんな主人公の特性を踏まえたゲームシステムと、読者による選択のもとで、「君」はどのように成長し、物語はどのように分岐していくのか。今回は、最序盤の展開を一種のチュートリアルに見立てた上で、そこでの選択と成長のバリエーションを解析的に追ってみました。 (く) 2026年7月29日(水)ぜろ FT新聞 No.4935 第1回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第503回。 今回は新たなキャラクターが登場! 一人は筋骨隆々な偉丈夫・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れた少年・ハルト。ぜろ氏作品ファンには見逃せない名前が出てきましたね!? そんな二人が挑むのは、「エメラルド海の探索」。貿易都市・ビストフの近海、エメラルド海を舞台とした海洋冒険! ヴァルグによって改名された「クラーケンぶっ殺し号」で、まずは海域を荒らす海賊退治に出航します! ヴァルグにもハルトにも複雑な事情がある様子……気になる二人の冒険譚の始まりに、乗り遅れませんよう! (天) 2026年7月30日(木)東洋夏 FT新聞 No.4936 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.7 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第7回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、途中で同行者となったドワーフ・アルゴットを喪いながらも、もう一人の同行者のコビット・ヨンと共に先頭車両を目指します。 今回は魔物の車掌が登場。【歓待】して出迎えてくれましたが、その車掌からとんでもないお願い事をされるシグナス。何と身体の一部をハサミでパッチン! とさせて欲しいですって……!? ペット扱いされ鞘に押し込まれたクロは猛反対していますが、面白い事が大好きなヨンは「おもろ!」とけしかけます。さてさて、シグナスの決断はいかに? (天) 2026年7月31日(金)休刊日 FT新聞 No.4937 休刊日のお知らせ  ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年7月31日金曜日

休刊日のお知らせ FT新聞 No.4937

おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年7月30日木曜日

ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.7 FT新聞 No.4936

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.7  (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■    FT新聞をお読みの皆様、こんにちは!  本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。  ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。  冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロ。そして従者に「面白いこと」を愛するコビット族のヨンという布陣で進んでいきます。  前回vol.6では、踊る骸骨たちの輪の中に据えられた宝箱を「盗む」というミッションに挑戦した三人。〈おどる剣〉クロが持つダンスの知識によって、トラブルにもならずお宝(といっても金貨3枚しか入っていなかったのですが)の獲得に成功しました。サン・サレン伝統のダンスを見事にこなしたクロ。そしてシグナスが見た幻影。不思議な〈おどる剣〉の過去の断片が浮かび上がってきました。  次の車両では何が待ち受けているのでしょうか?  なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。  ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。    前口上はこれでおしまい。  予測不可能な列車の旅へ、いざ出発と参りましょう!  ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:4 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料2食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:6 ・器用点:3 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし    ◇ [7号車]33:巨大な刻印はさみをもった魔物車掌  かしゃり、と車両前方の扉が開く音がする。  今までには無かったことだ。シグナスとクロ、それにヨンも素早く武器を構える。 客車の中扉が開くと、そこには魔物が立っていた。 「よ〜こそ! この怨霊列車にご乗車いただきありがとうございます♪ 私は当列車の車掌でございます。ただいまより切符を拝見したく存じま〜す」  車掌の服の下は黒いモヤで構成されており、瞳だけが怪しく光る。その手には不思議なはさみがあり、そのはさみは下手な怪物の口より大きく見えるから、人体でも易々と切り取れるだろうと考えた途端に、シグナスの全身にぞわりと鳥肌が立った。    (※何と、ここで初めて〈怨霊列車〉側の人物が登場です。いよいよ大詰めという感じがしてきましたね! この何となく9がみっつ並ぶ列車に兄弟がいらっしゃいそうな車掌さんですが、凶悪なはさみをお持ちです。切符を切るための刻印はさみとのこと。戦うこともできますが、ここは反応表を振ってみます。出目は1、【歓待】。よし、これを望んでいました!)   「シグ、シグ、切符出して!」  ヨンに小突かれて、慌ててシグナスも招待状を取り出す。 「おお、ようございます。こちらの、えー、お客様のペットでございましょうか? まあ今回は、無賃乗車とは致しませんのでね、次回からは切符を買っていただけますと」 「ペットだと! 俺は」 「黙ってクロ」  シグナスは空中の〈おどる剣〉を引き戻して鞘につっこんだ。 「ペットです。僕の」 「あい、よろしゅうございます。しかしシグナス様」  招待状の縁をパチリと切って印をつけると、車掌はポケットにはさみをしまう。その服の下のもやが動いて、首を傾げたように見える。 「何でしょうか」  黄色く光る車掌の目が、にっこりと笑みを形作った。化け物なのにここは一緒なんだな、などとシグナスは妙なことを考えてしまう。ヨンの影響かもしれない。おもろ! 「シグナス様は生身の人間でございますね。その、私の一身上の都合でありまして、大変申し上げづらいことではございますが、お願い事があるのです」  車掌の両手は、白くて薄い上等な手袋に包まれている。それが、宙に浮いて揉み合わさる形になった。 (もじもじしてるってこと?)  卵なれど聖騎士たる者、如何なる異形に遭遇しても動揺してはならない。そう自らに言い聞かせたものの、恥じらう化け物に遭遇したのは初めてである。シグナスは少しばかり化け物の車掌に好感を抱いた。しかしその思いは、続く言葉によって風の前の塵の如く儚い妄想であったと突きつけられる。 「ああどうかシグナス様、お身体の一部を切らせていただけませんでしょうか? このハサミで、パッチン! パッチン! と。ご乗車記念の刻印にもなりますよ♪」 「お、おもろ……」 「おもろじゃないですヨンさん!」  んふふ、と車掌は笑った。 「ご安心くださぁい♪ オーナーと違って殺しはいたしませんので。さあさあ、ご遠慮なさらずに」 「シグ、ここはいっちょ度胸だよお!」 「ヨンさん!? 一体どっちの味方なんですか」 「え、車掌さんのおもろに共感の嵐だけど?」 「おおーっほっほ、分かっていただけますかヨン様。うつろう人の身のその柔肌に永遠の傷を残す。その唯一無二の感触がですねえ」 「うん、おもろ!」 「はい、面白うございますでしょ♪」  イェーイ、と手のひらを打ち合わせて喜ぶ車掌とヨン。シグナスはコビットという種族の難しさに、今更ながら頭がこんがらがって来た。    (※さて、反応表が【歓待】だった場合、車掌はこちらの肉体をパッチンする代わりに、何故か「この冒険が終了するまで一度だけ判定時のファンブルをクリティカルにすることができる」という効果を付加してくれます。具体的にどう助けていただけるかは謎ですし、職業上の特権を濫用しているような気もしますが、これから最終イベントに向かうには非常に頼もしい効果ですね。生命点2を支払わないといけないので対象はシグナスかクロ。技量点0のシグナスくんにお願いしたいところですが……と冷静に計算したところで、心情的に十二歳にプレイヤーの選択で傷を残すことを躊躇って一ヶ月ほど筆が止まったりしたのですが……ここは彼に乗り越えていただくことにして、対象はシグナスとして進めましょう)    鞘の中に押し込められたクロが、ぶぶぶぶぶと震えて怒りを露わにする。シグナスが柄にかけた手を離せば、たちまち車掌に襲いかかるだろう。ここで戦闘はしたくない。何より、この<怨霊列車>におけるそれなりの偉い人なのだ。怒らせない方がいい。たぶん。 (というか、初めて会ったんじゃない? この列車で働く人…‥人じゃないけど)  シグナスは、巣を突かれた蜂のようにぶんぶん唸る、クロを納めた鞘をぎゅうと抑えつける。そして意を決して、 「分かりました」 「おお」 「でも! 切ったら先に行かせてください。約束ですよ」 「勿論でございますとも! さて、どこがよろしいでしょうか。よく見えて、しかも殺さずにいられるところ。そうだ」  車掌はポケットからはさみを取り出すと、電撃的な不意打ちでシグナスの耳たぶをぱちんと挟んで切り取った。 「うぁっ!」  頭の中に雷を流し込まれたような衝撃が走る。痛いのではなく、何か別のもの……この<怨霊列車>に属するものがシグナスの右耳から押し入って、左耳から突き抜けて行った気がした。  くらくらと目が回る。下を向くと床にぱたぱたと血が落ちた。 「す……ばらしい! 人間の、これほど若いお方を切ったのは初めてですが、おお何と生命力に溢れて華やかな手応えなのでございましょう」 「いいなあ、おもろで。ねえ車掌さん、はさみ貸してよ!」  シグナスが手を離した隙をついて、クロが猛然と鞘の外に飛び出す。怒りのまま、ヨンの頭に自身の柄をドカンと打ちつけた。 「痛いっ」 「いかれコビットめ! お前なんぞをシグナスに同行させるのではなかった!」 「おお、ペットはケージの中から決してお出しになりませんよう」 「ペットではないと言っておろうが、この無礼もむがーっ」  シグナスは再びクロを鞘の中に押し込む。むがむがむがむがと罵倒が聞こえるが、ともかく主導権は取り戻した。 「これで、良いですか」 車掌はにっこり笑う。 「ええ、ご協力ありがとうございます。久しぶりのお客様に昂ってしまい、申し訳ございませんでした」  帽子のつばにちょいと指をかけて敬礼の代わりとし、車掌はシグナスたちが過ぎて来た車両後方へと歩いて行った。 「シグ? 大丈夫? 新たな快感に目覚めた?」 「目覚めてないです」 「それは残念。だけどシグ、なっかなかイカしてるよ」  ヨンがウィンクしてみせる。シグナスは切られた耳を触り、早くも不穏な腫れを帯び始めた耳たぶの熱さと共に、鋭い切れ込みの感触をなぞった。 (これは、確かに)  十二歳の心が大きく疼く。  英雄には、インパクトのある逸話と外見が組み合わさるものである。 例えば主人ノックスの長い前髪と三白眼と無表情の組み合わせが、不吉で暴力的な噂に尾ひれを付けるように。だから僕にもひとつくらい勲章の傷が、それも良く見えるところにあったっていいじゃないかとシグナスは思う。 (ギザ耳のシグナス? それじゃあんまり格好良くないかも。どんなのがいいかな……?)  シグナスは騎士たちの仲間入りを果たしたような気分になって、ヨンにつられてか、こんな時なのに少しだけ嬉しくなってしまったのだった。    ◇  今回のリプレイはここまでです。  〈怨霊列車〉には車掌さんがいらっしゃったのですね。しかもかなり癖のある……。この車掌さんを雇っている列車の主にもかなり特殊な好みがありそうで、シグナスくんが無事に攻略できるか、改めてドキドキしてまいりましたよ。  さてギザ耳になったシグナスくん。生命点の回復のために食料を使っておきましょう。食べたというよりは、ワインがありましたから耳の傷を消毒したという感じでしょうか。これで今回の2点減少分をカバーできました。  最終イベントまで車両はあとひとつ。次はどんな驚きが飛び出すことやら!  それでは、次の車両でお目にかかりましょう。  良きローグライクハーフを!   ◇    (登場人物)  ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。中二病に罹患する年頃ではある。  ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。断じてペットではない。  ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。  ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。  ・グロリア…サン・サレンの女騎士。アンデッドの部下を引き連れ、様子がおかしい。 ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年7月29日水曜日

第1回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4935

第1回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ●ある船員の手記 雲ひとつない空に、照りつける陽光が肌を焼く。 その暑さを和らげるように、暖かな風が全身をほどよく撫でてゆく。 そのあまりの心地よさに、私は甲板作業の手を止め、しばし身を委ねる。 海原はどこまでも続き、水平線の彼方に溶けるように消えている。 ビストフへ向けた航海は順調だ。 これまでの航路は、かつて体験したことがないほどに穏やかだった。 やさしい波を、船体がゆるやかにかき分けて進んでいる。 マストの上に設けられた見張り台から、マドレーン諸島の島影がうっすらと見えるようになれば、目的地の貿易都市ビストフは近い。 この船は、ビストフへ向けた貿易船。 多くの貨物と香辛料、それに見合った船員、そして少ない乗客を乗せている。 今、甲板で海を眺めている二人と一匹は、その数少ない乗客の一組だ。 その風体が特徴的で、乗船したときからずっと気になっていた。 ひとりは年かさの偉丈夫。齢は三十代後半から四十代あたりだろうか。 筋肉質な体躯をむき出しにしており、全身が浅い傷にまみれている。 両頬にも十字傷。左目は眉のあたりから目の下にかけて傷が走っているが、目は無事なようだ。 幾度も危地を乗り越えて来たのだろう、歴戦の猛者を思わせた。 声量も大きく態度も大きい。口調もその容姿に見合った乱雑さだ。 名前はたしか、ヴァルグと名乗っていた。 気になるのはもうひとりの方だ。 見たところはまだ少年だろうか。大男と一緒にいるためより小柄に見える。 その少年はフードを目深にかぶり、マントで全身を隠すように覆っていた。 その背には、少年に持てるとは思えない巨大な槌が背負われていた。 ヴァルグの荷物持ちか武器持ちだろうか。 ビストフは大陸北東部に位置する都市だ。 しかし、この時期のマドレーン海域は暖流の影響で暑いほどだ。 初夏のビストフの陽射しは容赦なく、人々の肌をあらわにさせていく。 大男ヴァルグの格好の方が自然なのだ。 にもかかわらず、あんな厚手のマントに身を隠すなど、正気とは思えない。 一度訊いてみたものの、ヴァルグの「気にするな」の一言で終わってしまった。 気になる。 そしてその少年が連れているのは炎のように赤い直毛のロン毛、毛深い大型犬のように見える。 少年くらいなら乗せて移動することもできそう。ただの犬でないことは明らかだ。 私は、この人たちの関係性も気になっていた。 少年は、ヴァルグとはよく会話しているようだが、他の人に積極的に話しかける感じではない。 ヴァルグと少年は、父と子ほどに年齢は離れているが、親子というには似てなさすぎだ。 本当に荷物持ちなのか。 見張り台の船員が緊迫感あふれる警告の声を発したことで、私の思考は中断された。 見張りが示した方角を見る。甲板からも、海原に、なにやら複数の物体が漂っているのが見えた。 しかしそれよりもその先だ。海そのものが丘のように盛り上がりながら迫ってくる?! 「あれは……クラーケン!!」 見張り台の船員が絶望的な名を叫ぶ。 その瞬間、船に十分に近づいていた海の丘がさらに盛り上がり、白く巨大な胴体があらわになった。 同時に巨大な二本の触腕が海中から飛び出し、甲板にのしかかる。 船体がぐらりと傾き、見張り台の船員が海に落下するのが見えた。 クラーケンは巨大すぎる伝説的な海の魔物。その容姿はイカを思わせる。 出会ったが最後、船はバラバラにされ、生きて還るなど絶対に不可能だ。 甲板の触腕の一本が無造作に横に払われる。 それは甲板にいるものすべてを海へと薙ぎ払う動きだ。 私は一瞬で死を間近に感じた。 だが、その触腕は私のところへ届かなかった。 ヴァルグが、両手に持った剣を交差させ、がっしりと踏ん張って触腕の動きを止めていた。 両の腕の筋肉がパンパンに膨れ上がっている。 いや、ありえないだろ。いくら頑強な猛者だろうと、人の身体で止められるものじゃない。 目の前の光景を見せられてもなお、頭が理解を拒む。 そこにヴァルグの、怒号のような声が降ってきた。 「そこのテメエ! 砲台に向かえ! でっけえ図体のどてっぱらに一発お見舞いしてやんだよッ!!」 キョドって左右を見るが、言われたのは私以外ありえなかった。 「で、でも私、撃ったことなんて、一度も……」 「やるんだよッ!!」 ヴァルグのバカでかい声に縮み上がる。 「……船員さんなら、撃ち方のひとつも習ってんだろ。誰にだってはじめてはある。やってみな」 私が委縮したのを察したのだろうか、ヴァルグの口調が柔らかくなった。 あの触腕を押さえながら、そこまでの余裕があるのか。 そうだ。今動けるのは私しかいない。貿易船にも最低限の武装はある。 私はクラーケンの本体がいる、左舷側の砲台を目指す。 しかしそこに、もう一本の触腕が持ち上がり、上からたたきつけるように動いた。 今度こそ、終わりだ。 そう思った私の前に、ひとつの影が。 それは、あのマントの少年だった。 「君、あぶなっ!」 「なぁに。大丈夫だ」 ヴァルグの声。 少年がマントを払う。あらわになったのは、体躯に見合わぬ、巨大な左腕。 それは黒毛に覆われていた。そして、少年に持てるとは思えぬ巨大な槌が握りしめられていた。 「獣の……腕……!」 私は、その光景に、思わずつぶやいていた。 少年は、振り下ろされる触腕を、真下で受け止めきった。 その横ではあの大型犬めいた生き物が、がじがじと触腕に噛みついている。 「オレには長くは止められない。今のうちに、早く!」 少年の声で我に返る。砲台に取りつくと、あとは無我夢中だった。 **** 私たちはどうやら、助かったらしい。 伝説の海の魔獣クラーケンが、私の砲撃なんかであっさり撃退できるはずがないのだが。 海に落ちた船員たちの救助にあたっているうちに、その理由がわかってきた。 クラーケン出現前に波間に見えた複数の物体は、船の残骸だった。 クラーケンはここに来る前に、すでに一隻の巨大船を破壊していたのだ。 つまり私たちは、ひと仕事を終えたクラーケンの帰路にたまたまはち合わせたにすぎなかったわけだ。 それでも、助かったのは奇跡としか言いようがない。 私は、私たち船員と、船の命を救ってくれた二人を見る。 少年は獣の腕を、すでにマントの下に隠していた。あのさなか、それを見たのは私だけだったかもしれない。 「よくやった、ハルト」 「はい、師匠」 「だから師匠って呼ぶんじゃねえよ!」 ああ。師弟だったのか。 最初はそんな可能性すら感じなかったが、今の私は、変に納得していた。 ヴァルグの意識が私に向けられた。 「おい、テメエ、名はなんていうんだ」 「あっはい、ポールです」 「ポールか。いい腕してんじゃねえか。ありがとよ!!」 ヴァルグがまた、デカい声を私に降らせてきた。けど、それは意外にも感謝の言葉が添えられていた。 いや、意外というのは失礼にあたるかな。私は、人は見かけによらないということを、今、目の当たりにしているところだ。 そんな武骨で不器用なヴァルグの隣には大型犬がぺたんと座ってリラックスしていた。 口から小さな火の舌がチロチロと出ていて、私は目を丸くした。 「こいつはヒース。火吹き獣なんだ」 ハルトと呼ばれた少年が説明してくれた。 さあ、ビストフはもうすぐそこだ。 この後、ヴァルグからクラーケン退治の砲撃手としてスカウトされる日が来ようとは、想像もしていなかった。 ■ローグライクハーフとは ——想像の、旅に出よう。 ローグライクハーフのリプレイへようこそ! 「ローグライクハーフ」は、TRPGのように遊ぶこともでき、ゲームブックのように遊ぶこともできるという両者の中間のような位置づけのルールです。 1人でもプレイできますし、3人まででTRPGのように遊ぶこともできます。 その内容はランダムダンジョン。サイコロを振ってイベントを決め、起きた出来事に対処します。 同じイベントに行き当たらないような工夫がされているのもポイント高いですね。 簡単に遊ぶには、とても良くできたシステムなのです。 そしてリプレイは、そんなローグライクハーフのシナリオを実際にプレイした様子を物語風に記述したもの。 自分がプレイした様子を、想像力のおもむくまま、冒険小説として仕立てています。 さらに、実際にどんなプレイをしたのかの[プレイログ]もついています。 プレイ風景を知りたい方、自分のプレイとの違いを楽しみたい方、純粋に物語を楽しみたい方、いろんな楽しみ方ができる、それがリプレイの魅力です。 ●作品紹介 ぜろです。 今回挑むのは、ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」になります。 クラーケンを退治する海洋冒険譚です。 また今回も、新しいキャラクターを用意しました。 ヴァルグとハルトの師弟コンビになります。 以前私は、ヒーローズオブダークネスから、妖狐と魔猫を使ったリプレイを書きました。 今回は、拡張ルールから新しい職業をチョイスしています。 とはいえ、その職業に就いている、というよりも、その系統の技能を使いこなしている、という感覚になります。 そのため作中で職業名が触れられることはありません。それぞれがなんの職業なのかは、後に記載されるデータにありますので、ご確認ください。 また、ハルトの持つ「獣の腕」は、データ的な裏付けのない描写のみの設定になります。 見た目にそぐわぬ巨大な腕と巨大な槌を持っていますが、データ状は単なる片手武器の扱いです。 ローグライクハーフはもともと、効率を最小化するよう設計されています。 弱いクリーチャーが基本的に一撃で落ちるようにデザインされているのは、プレイヤーキャラクターは最初から英雄的な強さを持っていることの証左です。 だからその強さの理由づけとして、こういう設定を付加してもいいかなと思いました。 彼がどうしてそんな外見をしているのかは、おいおい語られることでしょう。 さあ、それでは、新鮮な驚きに満ちた、スリル満点な冒険をお届けしますよ! さて、私はうっかりさんなので、基本的なところで根本的な勘違いをしたまま、あるいは堂々と間違った解釈をして突き進んでしまうことがあるかもしれません。 だから、私のプレイにとらわれず、みなさんはみなさんのローグライクハーフライフを送ってください。 リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。 あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。 また、本リプレイではランダムダンジョンのルールにのっとり、サイコロを振ってイベントを決めながら冒険を進めていきます。 サイコロを振ってイベントが決まったら、イベント番号と簡単な内容を示し、話を進めていきます。 彼らの織りなす冒険を、ぜひ楽しんでください。 ●アタック01-1 領主との謁見【ハルト】 貿易都市ビストフの宮殿の謁見の間で、オレはヴァルグ師匠について、領主マキシミリアンと対面していた。 火吹き獣は宮殿に連れ込んじゃダメっていうから、ヒースは厩舎に預けてある。 「ヴァルグ。我が友。久しいな」 「ヴィル、テメエ友とか気色悪りぃこと言ってんじゃねェよ」 「そう言うな。ネグラレーナの剣闘士時代にはだいぶ稼がせてもらったからな」 「俺は金づるかよ!」 ヴィルヘルム・マキシミリアン。それがこの領主のフルネームだそうだ。 師匠は領主を愛称で呼んでいた。しかも完全にタメ口。これって王族とか貴族にしてもいい態度なんだろうか。なんかダメな気がする。 短い口ひげに、端正な顔立ち。物静かで思慮深そうな雰囲気をまとっている。師匠とは正反対のタイプだ。 「……で、わざわざ呼び寄せた理由はアイツだな。クラーケン」 「ほう、話が早いな」 「ここに来る前にちょっくらあいさつしてきたからな」 その意味がわかったのだろう。領主は身を乗り出した。 「なんと。まさかクラーケンに遭遇したのか。……それで生還するとは、やはり私の目に狂いはなかった」 「俺を選んだ時点で曇ってるぜ。わかってんだろ。俺の悪評をよ」 「多少は耳に入っているが、それがどうかしたか。私は君の実力を知っているからな」 「チッ。どうなっても知らねェぞ」 オレは師匠の過去を知らない。師匠は自分のことをなにも話さないからだ。 元剣闘士っていうのも今知った。 「お前のために船を用意した。乗組員もな。もし他に呼びたい者がいれば人員に余裕もある。無論、相応の報酬は用意させてもらう」 「たりめェだ」 「出航日はもう少し調整が必要だな。船を見ていくか?」 「ああ」 「では港の一号桟橋で合流しよう。また後でな」 宮殿から港へ向かう途中で、オレは気になっていた質問を師匠にぶつけてみた。 「なあ、悪評ってなんだ。態度の悪い衛兵が言ってたことか」 「なにを聞いた?」 ヒースを預けるときの衛兵の態度が悪かったからいい気分はしなかったが、師匠が一喝すると縮み上がっていた。 そのときにぼそぼそと悪態をついていたのを、オレの耳は拾っていたんだ。 「全滅野郎とか、味方殺しのヴァルグとか」 「そうか……」 師匠は、黙ってしまった。 「けど、そんなわけない。オレ、文句言ってくる」 「やめとけ」 「なんで」 「それが事実だからだ」 「……」 今度は、オレの方が黙ってしまった。 「だからテメエも俺についてこない方がいいぞ」 師匠はそのままさっさと歩き始めてしまう。 オレはその背中をただ、呆然と眺めていたが、はっとなって大声でわめいた。 「……オレは、信じないからな!」 ●アタック01-2 出航の日【ポール】 私が一番桟橋に到着すると、停泊している船に、コビットの船員たちが慌ただしく、食料品を積み込んでいるところだった。 ビストフにはコビットが多く、特に港湾作業や船員として働く者が多い。小柄な種族のため、船の揺れでも安定性が抜群なためと言われている。 あれがこれから私が乗船する船、「エメラルドの誓い」号か。 武装商船をベースに組み上げられた新たな船だ。白い帆がまぶしい。 砲門が並んでいる。そのうちのひとつを、私が受け持つことになるのだ。 私はバンダナを結び直して気合を入れると、板橋を渡り甲板へと向かう。 板橋は頑丈なつくりだったが、私の脇をちょこまかと器用に避けつつ行き来するコビットたちの勢いで、ゆらゆらと揺れていた。 甲板に上がる。箱の上に座ったコビットのチーフが、軽い口調で右へ左へと指示を出している。 私は、私をスカウトした男の姿を探した。 「あれ、ポールじゃない」 そのとき、聞き知った声がした。張りのある威勢のいい女性の声。ニーナだ。 ニーナとは同じ港で働く者同士、見知った仲だ。何度か同じ船で働いたこともある。 「なに、あなたこの船に乗るの? 乗船名簿にはなかったはずだけど」 「ソイツは、俺が呼んだ。貴重な砲撃手だ」 太くてデカい声が聞こえ、私が探していた人物が現れた。 私をスカウトした男、ヴァルグ。 相変わらずその横にはフードにマントの少年と、直毛ロン毛の火吹き獣を連れている。 ニーナはそれを聞いて、目を丸くした。 「え? なんの冗談? 彼そもそも砲撃手じゃないし」 そのとおりだ。もともと私は砲撃手じゃない。 ニーナの方が、領主に正式に雇われた砲撃手のはずだ。 「ソイツはな、クラーケンめがけて果敢に撃ち続けたんだ。大した奴だぜ」 「い、いやそれは、ただ必死だっただけで……」 褒められているのに、なぜか委縮して言い訳をしてしまう。 「まさか、クラーケンと!? ……あなたなかなかやるのね。あたしも負けてられないわ」 ニーナは気持ちの良い女性だ。変に絡むこともなく、あっさりと私のことを認めた。 「皆、そろっているようだな」 コビットたちの搬入が終わる頃、ハーツデイル様が乗り込んできた。 ハーツデイル様はこの船を領主から賜った、所有者である貴族。つまり、船長ということになる。 強いくせっ毛が、三角帽の外にまではみ出ている。 「作業の手を止められる者は一旦止めて聞け。我が船『エメラルドの誓い号』はこれより、エメラルド海への航海を妨害する海賊船<鮮血号>の脅威を取り除く」 ハーツデイル船長が説明を始めると、ヴァルグがたちまち抗議の声を上げた。 「この船はクラーケン退治に出るんだろ。ヴィルからそう聞いてるぜ」 「なるほど君がマキシミリアン様推薦の傭兵か。見学のときに一度会ったかな」 「そんなことよりどういうことか説明しやがれ」 「まあ待て。どのみち海域を荒らす海賊を取り除かねば、エメラルド海には出られぬのだ。それに我らの力がいかほどのものか試す必要もある」 「チッ。そういうことかよ。じゃあ、しゃあねェな」 ヴァルグの不遜な態度は相変わらずだ。ハーツデイル船長は一瞬だけ苦い表情を見せたが、その後は気にした様子もない。 もしかしたら、領主様からあらかじめ聞いているのかもしれない。 「理解したかな。では、出航の号令を下そう」 「待ちな。もういっこある」 「なんだね?」 「クラーケンをぶっ潰しに行く船の名が『エメラルドの誓い』なんてのはオシャレすぎんだろ」 「ほう。なら君がもっと良い名をつけてくれてもいいが」 「そんなん決まってる」 ヴァルグはニヤリと笑って宣言した。 「この船はこれから『クラーケンぶっ殺し号』だ」 こうして新たな船名が決まった。ハーツデイル船長は一言「下品な……」とつぶやいたが、異を唱えることもなく受け入れた。 「出航だ! 碇を上げよ!!」 ハーツデイル船長の号令が響きわたる。航海のはじまりだ。 次回、最初の航海は順調そうに見えたが……。 【ヴァルグ レベル18 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】20 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) ハチミツの塊2(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】0 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル8 技量点1 生命点7 筋力点3 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】43 【持ち物】 ランタン 【獣血】【凶暴化)【騎馬防御】 【未使用経験点】0 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。