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2026年10月20日火曜日

冒険は君の手で作れ! 第3回 FT新聞 No.5018

■冒険は君の手で作れ! 第3回■ おはようございます。紫隠ねこです。 FT書房が送り出す、30分で遊べる1人用TRPG『ローグライクハーフ』。 イタリアのゲームデザイナー、アンドレア・スフィリゴイが2017年に発表した『Four Against Darkness(以下4AD)』に着想を得て制作された作品です。 サイコロを振って、ダンジョンを舞台にした冒険を体験できる1人用RPG。 そこにプレイヤーの想像力を加えることで、自分だけの物語を作り上げていくことができます。 今回は4ADの実際のゲームプレイについて、大体の概要という形式になりますが、それを語っていこうと思います。 ◆パーティを組んでみよう まず最初に、4人の冒険者でパーティを組む必要があるので、主人公っぽい誰かを考えることにしましょう。 名前はファウド。私の好きな、昔の格闘ゲーム「バトルブレイズ」の主人公と同じ名前です。 キャラクターに何かしらの背景が欲しいので、「Wayfarers and Adventurers」に記載されたキャラ特性のルールを導入してみます。 キャラ特性は、6面サイコロを2個振り、1つを十の位、もう1つを一の位とする「d66」でランダムに決定されます。 サイコロをコロコロと転がした結果は……出目12【刀傷(Scarred)】になりました。この特性は交渉を行う場面でペナルティを受けるのですが……普通に冒険するだけなら特に問題はありません。 過去のファウドに誰が深手を負わせたのか、これは良い感じに「キャラクターが越えるべき存在」として描けそうです。 そういう訳で、今度は固有のファイナル・ボスを取り扱った「Twisted Final Fight」で因縁の相手を決定しましょう。このボスキャラは、10面サイコロを2個振った出目で決定されます。 サイコロの結果は……出目48【Dragon-Man Veteran(龍人の古参兵)】になりました。 それでは、ここまでの情報を元にして、キャラクターの背景を考えてみることにします。 名高い戦士を目指して、剣術の腕を磨く戦士ファウド。 凄腕の剣士である龍人の噂を聞いた彼は、その人物をようやく探し当てますが、真剣勝負を挑んだ結果、敗北を喫することになります。 重傷を負ったものの、旅の僧侶の回復魔法で命をつないだファウドは、己の未熟さを痛感し、今よりも強くなることを誓います。 さて、パーティに回復役と魔術師が必要になったので、この「旅の僧侶」を同行させることにしました。 なぜ僧侶と魔術師がセットで旅をしているのか。無難に、幼馴染の関係ということにしましょう。 そうこうしているうちに、少し思いつきました。魔術師が旅をするのは、かつて繁栄した古代文明の記録を探しているのが理由だという背景です。 魔術師クラウスと女僧侶ミリアムは、歴史書からも抜け落ちてしまった「失われた時代」の記録を集めており、ダンジョンを調査するために戦士を求めていました。 パーティを組むには、あと1人の冒険者が欲しいのですが、基本職とは違ったクラスを入れようと思います。 魔法に関わるクラスデータをまとめた「Entreaty of Eldritch Enchanters」から、追加クラスの【龍人】を加えることにしました。 レベル5以上(中級ルール)に到達したパーティでなければ、仲間になってくれないクラスなのですが、私はハウスルールを取り入れて、レベル1からでも参加できるようになっています。 そして龍人と言えば、ファウドが勝てなかったライバルが「龍人の古参兵」であることを思い出しました。これをキャラクターの背景に取り入れてみましょう。 武者修行を続けるファウドに興味を持った龍人のガウェインは、彼と旅をすることに決めますが、彼の追う目標が自分の父親であることに気付きます。 ガウェインの父親は、龍人たちの王国では名の知れた戦士でしたが、あるとき幼いガウェインを親戚の元に預けると、消息を絶ってしまいます。 ファウドが父親と決闘をすることも気がかりですが、彼は自分の父親が行方をくらました真相を知りたいと思っています。 これで4人のキャラクターが揃いました。 各キャラクターの背景については、その場の流れで考えたのですが、古代文明の記録や、ガウェインの父親に関連する情報は、後のシナリオフックとして使えそうです。 ◆ダンジョンに潜ってみよう。 ファウドたちは、小さな村の郊外にある遺跡を探索することにしました。 遺跡の調査に向かった冒険者シグが消息を絶っており、その救出のために村を目指しているところです。……という事情を、たった今決めました。 ダンジョンを探索する動機も、慣れてくるまでは無理に凝ったものを考える必要はありません。昔遊んだコンピュータRPGに、こんなクエストがあったなとか、それぐらいの気楽さでいいのです。 それでは冒険を開始しましょう。 ダンジョンのマップタイルは、「Lost Temples of Qaarra」のタイルを使うことにします。これは神殿っぽい感じのマップタイルが登場する作品です。 さらに、ダンジョンの特殊ルールとして「Twisted Dungeon」を利用します。8面サイコロを2個振り、十と一の位を決定するd88で、そのときのゲームプレイに個性豊かな状況が追加されます。 その出目は35……「魔法の書庫」が登場しました。ダンジョンで入手する、すべての「魔法の宝物」が呪文の巻物になります。呪文の巻物は、使いきりの魔法として使用できますし、術者が扱える呪文の種類を増やすこともできます。呪文の種類は、この方法でしか増えないため、初めて目にする呪文は、積極的に新しい力として取り入れたいところです。 また、パーティの隊列も重要です。通路のような「狭い場所」で戦闘が起きた場合、前衛にあたるキャラクターしか接近戦攻撃を行うことができません。奇襲による「バックアタック」に備えて、戦闘の得意なクラスを後衛に配置するのも作戦のうちです。 ここでは戦士のファウドと僧侶のミリアムを、パーティの前衛に。魔術師のクラウスと龍人のガウェインを、パーティの後衛に立たせることにしました。 ダンジョンの入口からは、マップタイルがランダムで配置されていきます。初めて入るタイルでは【マップタイルの様子表】を振り、そこで起きるイベントを決定します。 【マップタイルの様子表】は、6面サイコロを2個振った目の合計で決まります。様子表の結果は、基本的にどのシナリオブックも共通しており、確率的に〈弱いクリーチャー〉との遭遇が高く設定されています。 魔術師の呪文は状況ごとで自由に選べるわけではなく、冒険開始時に呪文をセットする(魔力をそれぞれの呪文の使用回数に割り当てる)必要があるため、集団で現れる〈弱いクリーチャー〉対策の呪文をいくつか用意しておいた方が良いかも知れません。 ファウドたちの探索は順調に進み、クリーチャーだけでなく、危険なトラップも上手くやり過ごしていきます。 マップタイルは、広さや形によって変化があるわけではありませんが、たとえば「このタイルではトラップ付きの宝箱が出やすい」といった、新たなゲームの要素として取り入れることもできます。プレイヤーは、ゲーム進行を管理するマスターの役割も兼ねているので、より楽しいルールを思いついたら、さっそく試してみるというのも悪くはありません。あなたが楽しむことが優先です。 探索を進め、地図にマップタイルを書き記していき、それが書ききれなくなったところでダンジョンのボスが登場します。 最後の部屋に待ち構えているのは、石化能力を持つ恐ろしいメデューサでしたが、急に面白いアイディアが思いついたので、ここでは登場させません。その代わりに、石像となった人間が幾つか並んでいます。そのうちの1体は救出依頼の人物で、ミリアムが【祝福】の呪文をかけると、元の肉体を取り戻したシグは感謝の言葉を述べます。 彼は石像になっている間も、知覚力だけはそのままだったので、メデューサの行方の手がかりをつかんでいました。この部屋に置かれた他の石像は、ごく普通の石像で、なかなか獲物が見当たらないので、別の洞窟に向かったとの情報を得ます。部屋の書棚に収められた魔法書を読みあさっていることもあり、何か重要な記述を探しているようにも感じたとシグは言います。 ガウェインは「奴の行方を追って討つべきだ」と言いますが、クラウスはメデューサが探していた記述の内容が気になっているようです。 ミリアムは依頼主のところに戻った方がいいと意見します。仲間たちの意見を聞いたファウドは、依頼の達成を優先させた後、メデューサの潜伏先に向かうことに決めます。 強力なクリーチャーですが「探し物」の正体次第では、新たな冒険につながる可能性が高そうです。なにか邪悪な試みにつながるのであれば、当初の予定どおりに討伐してしまえば良いだけです。対峙する相手が分かっているので、メデューサの邪視対策として都市では鏡を買い込んでおきます。ファウドたちの冒険は、まだまだ続きます……。 別の土地に向かう場合、ひとつのダンジョンから別のダンジョンまでの道中は省略されます。ただし、サプリメントの「Tales from the Adventurers Guild」を利用すれば、ヘクス上を移動していく「荒野マップ」を作成できますし、「Twisted Tunnels」があればダンジョン間を結ぶ「連絡通路」も生成できます。 道中のイベントを考えるのであれば「Lairs,Dens and Burrows」には、短い時間で遊べる小クエストがいくつも記載されています。 基本ルールの他に、サプリメントを利用することによって、冒険はどんどん広げていくことができるのです。 ◆今回使用したサプリメント 今回の冒険で使ったサプリメントは「Wayfarers and Adventurers」「Entreaty of Eldritch Enchanters」「Lost Temples of Qaarra」「Twisted Dungeon」「Twisted Final Fight」の5冊でした。 自分が興味を惹かれた作品しか所有してないのですが、それでも所有しているサプリメントだけで1000ページを越えています。とは言え、ゲームプレイに必要なオプションルールを参照するのに、毎回1000ページ以上の辞典のような本を引っ張り出す必要はありません。 それぞれのサプリメントは100ページにも満たない作品が大半を占めているので扱いやすく、作品ごとでテーマが決まっているので、これがインデックス代わりにもなります。 4ADはツールボックスのような作品です。冒険を楽しみたいときに、これだと思う道具を選ぶ。愛用のマシンをカスタマイズしていく、それに近い感覚を味わうことができるソロRPGなのです。 ◆最後に 様々なサプリメントを組み合わせることによって、自分だけのファンタジー世界を広げていくことができる作品。 今もなお新作が発表されており、今後が楽しみな作品でもあります。 次回では、4ADの基本ルール第2版について語ろうと思います。それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月19日月曜日

ここから先のお話。 FT新聞 No.5017

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ ゲームマーケットが終わりました……FT書房に足を運んでいただき、ありがとうございました! さっそくですが、電子書籍版「ガルアーダの塔」が刊行されましたので、お知らせをば。 ↓電子書籍版「ガルアーダの塔」 https://ftbooks.booth.pm/items/8752965 さて、今日も未来の話をしましょう☆ ◆「アランツァワールドガイド」を書いております……☆ ひたすらに「アランツァワールドガイド」を書き続ける毎日です。 アランツァの神話、歴史、地理、経済、政治、氏族、勢力と、どんどん書いています。 いま「伝説と物語」という項目に至っているのですが、「これを知りたい」という物語はありますでしょうか? 「賢者ティーボグが生まれた日」と「ジグリ・ザグリの物語」は掲載がほぼ決定しておりますが、残りは決まっていません。 ↓のお便りから、あるいはTwitterで #アランツァ のタグをつけて、ご希望をつぶやいていただけたら、書けるものは書こうと思っています! 将来のゲームブックのネタバレになるとしたら書けないので、必ずとは言えないのが申し訳ないですけども★ 現在の候補は「魔女ターニャの物語」「姫将軍ジャルベッタ」ですが、もっと多くても構わないと考えております。 面白い物語になりそうであれば……背景物語なんて、なんぼあってもいいですからね☆ ご意見、お待ちしております! ◆「モンスター!モンスター!TRPG」も、新刊を出したい! 時間的にはギリギリですが、「モンスター!モンスター!TRPG」の新刊を出すかどうかについては、前向きに考えています。 良さげな作品について岡和田さんのアドバイスをもらいながら、時間をみて作品を知っていくという繰り返しで、今はがんばっています☆ こちらの作品、何になるかまた正式連絡をいたしますね!! それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月18日日曜日

ローグライクハーフシナリオソムリエ その9『あなたに弟子がやってきた!』 FT新聞 No.5016

◇◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  ローグライクハーフのシナリオソムリエ(自称)の本日のおススメシナリオ その9『あなたに弟子がやってきた!』 天狗ろむ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇◆  おはようございます! 「1人用TRPGローグライクハーフ」の楽しさに魅せられ、ローグライクハーフのシナリオソムリエ(※)を目指す編集部員、天狗(あまく)ろむです。 (※ワイン専門の給仕人ソムリエのように、皆様のローグライクハーフのシナリオ選びの際の手助けが出来る人になりたいな、くらいの意味です)  さてこちらは、特に「個人制作シナリオの周知」を目的としたローグライクハーフのシナリオの紹介記事です。  ローグライクハーフは、主人公(PC)1人で行う1人プレイか、主人公(PC)2人で行う2人プレイが主な遊び方になっています。  前者の方は従者をいかに減らさずに進めるかがカギになっており、後者の方はPC同士の掛け合い(ロールプレイ)などを楽しみながら進める、という遊び方の違いがあるかなと思います。勿論1人プレイでも従者との掛け合いを楽しんでも良いですし、2人プレイで黙々とダンジョンを踏破するのも全然アリです。あなたはどんな遊び方が好きでしょうか? 天狗ろむはPC同士の掛け合いを楽しみながらの2人プレイが主ですね! 生命点が1点という儚い命の従者が倒れるとどうしても悲しいので……!  そんな、色んな遊び方ができるローグライクハーフですが、今回は2人プレイ専用のシナリオです。何と、貴方のPCに弟子が出来ちゃいます!  こちらは東洋夏さんより頂きました。2回目の寄稿、ありがとうございます!  まずはご本人から紹介して頂きましょう! ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。主にXにてローグライクハーフのリプレイを書いて楽しんでいる者です。FT新聞様でも『写身の殺人者』『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイを掲載いただきましたので、ご覧くださった方もいらっしゃるかもしれません(ありがとうございます)。 今回は、シナリオ紹介を投稿させていただきます。 紹介する作品タイトルは『あなたに弟子がやってきた!』。 タイトル通り、あなたの主人公の元に押しかけ弟子が現れる、というシチュエーションを表現したシナリオです。 シナリオには「弟子」のプロフィール(種族、弟子になりたい理由など)をランダムで決められる表も付属しております。 つまり、自分では思いつかない属性の弟子が突如現れた困惑を、主人公とプレイヤーが一緒に体験できちゃうという次第なのです! さて、あなたの主人公はどんなお師匠さまになるのでしょうか? ・形式:d33 ・世界観:アランツァ ・難易度:普通 ・プレイ時間:10ー15分 ・適正レベル:10〜 ・対象年齢:10歳以上 ・シナリオの公開場所:TALTO https://talto.cc/projects/FoEKXdyD2KdpaLHU1_siE このシナリオの醍醐味は、何と言っても主人公が師と仰がれた時にどんな反応をするか、弟子に対してどんな態度を取るのかという、主人公の人柄が垣間見える瞬間にあると思っています。 強大な敵や一人前の冒険者「以外」との関わりの中で、今まで光の当たらなかった主人公の人となりが、ダイスの出目を通じてきっと伝わってくることでしょう。 そんなわけで、シナリオ中には主人公(師匠)か弟子か、挑戦する対象を指定した【判定ロール】も登場させました。 例えば、あなたの弟子はあからさまに怪しい宝箱を勝手に開けちゃうやつなのか、なんてことが分かる【判定ロール】も入っているんです。 勝手に開けて怪我をした弟子に、さて、あなたの主人公は何と声をかけてあげるのでしょうか? あるいは弟子、そもそも主人公の言うことを聞いていないのか? なんて想像が膨らむはず。 あなただけの名コンビを生み出せるシナリオ体験になったらいいなあと願っています。 また、このシナリオの各種ギミックは、参考文献にこのシナリオ名とTALTOのURLを明記していただけましたら、どなた様でも利用可能です。 お気に召したら、ぜひ師弟で挑む新たなシナリオの創造にも挑戦してみてくださいね。 利用の際は基本的に報告不要ですが、教えてくださると大変嬉しいです。 前述のFT新聞様に掲載いただいたリプレイにも師弟が登場しておりますので、そのふたりで挑ませていただきたいと思ってます! ◇◆◇◆◇  ご紹介ありがとうございました!  シナリオのあらすじの補足としては……  さる町の郊外で地下遺跡が発見され、その調査に貴方のPCが抜擢されました。その準備を整えているPCの元へ、弟子入りを望む人物が現れます。  弟子がどんな人物(種族)であるかはシナリオ内では問われません。なので、好きに考えてみてもヨシ、後述の「弟子プロフィール表」を使って作ってみるのもヨシです。  貴方のPCは、弟子希望の人物を今回の調査に同伴させ、冒険者としての素質があるかどうかを見ることにしたのでした。  というようなあらすじです。    まずは師匠と呼ばれた貴方のPCの方に着目してみましょう。  突然弟子入り希望者が現れたとき、貴方のPCは驚くでしょうか、それとも喜ぶでしょうか? 様々な反応が考えられますよね。  今回のシナリオは特に、「師弟(予定)」のロールプレイが捗る仕様になっておりますので、普段はロールプレイが苦手だったり思いつかないような方も、ロールプレイをしながら遊びやすいのではないかと思います。自分の力に自信たっぷりなPCであれば、弟子が来るのも大歓迎! といった雰囲気でしょうし、自信がないタイプなら弟子なんて滅相も無い……! と尻込みする、などなど……。  貴方のPCらしい師匠具合が見られそうですね!  対する弟子の方はと言いますと、今回はレベル6から開始します。一人前の冒険者がレベル10からなので、この時点で少々心もとない感じですね。経験点6点を、通常の主人公作成の通りに割り振ることができます。ただし、今回は副能力値を持つことが出来ない点には要注意です。その代わり、今回のみ使える〈弟子スキル〉がありますので、お忘れなきように。  この〈弟子スキル〉を1d6で選んだ時点でも、弟子の人となりが少し垣間見えてきます。たとえば【ここぞの底力】を持つ弟子なら、筋力点が副能力値になりそうかもしれませんね。  また、弟子を考えられないよ〜! という方向けに、「弟子プロフィール表」という心強い味方がいますので、ご安心ください!  ダイスを何度かコロコロするだけで、プロフィールが完成します。何なら、天狗ろむはこちらを使って師匠の方も決めちゃいました。アランツァのキャラクターをランダムで作れる、優秀な表なんです!  表は、弟子になりたい理由、性格、特徴的な持ち物、種族の4種類が用意されています。全部使うもヨシ、幾つかチョイスして決めるもヨシです。  ローグライクハーフの基本ルール&拡張ルールの主人公は、性別、種族問わず(キャラクターのステータスに影響が無い)なので、かなり自由に決められるのですが、まだはじめたての方はどんな種族がいるのかすら分からないかもしれません……が、これを使えばアランツァの住人らしいキャラクターがさっくりと出来ちゃうのです!  弟子のキャラクターが出来上がりましたら、早速遺跡の調査に出発です。  冒険に慣れた貴方のPCであれば楽々クリアできるような罠や、簡単に倒せてしまうクリーチャーも、半人前の弟子がいる事でヒヤっとしたり、ピンチになったりするかもしれません。  敢えて弟子に試させてみて、何とかクリア出来るのか、それとも失敗して痛い目を見るのか……という師匠目線でも楽しめますし、逆に何とか師匠に認められたい! と頑張る弟子目線でも楽しめる、一度で二度美味しいシナリオになっています。「師弟」という関係性が好きな方には、是非とも遊んでいただきたい作品です。    とあるシーンで、弟子は文字が読めるのか……? という場面があるのですが、アランツァの冒険者の識字率は100%なんですよね(杉本先生による「アランツァへのいざない」記事第3回より)。読み書きや計算などについては、一人前(レベル10)になる間に、師匠ポジションのような存在から教わる、または冒険者の養成学校で習うなどで培われるそうなのですが……もし、ここで読めない事になったならば、貴方のPCの出番ですよね! 今回の冒険を終えた後、旅の間に、師匠である貴方のPCから読み書きを教わる弟子……なんて、今後の二人の展開も自然に広がります。  読めるのであれば、もう既にどこかで習っていたのか? それとも独学で? と、弟子のプロフィールを掘り下げていけば、貴方のPCと弟子は更にオリジナルのものになる筈ですよ。  ちなみに、ぜろさんによるリプレイ『獣の弟子』は、こちらのシナリオのリプレイとなっています。  師弟作りの参考にもなりますし、『あなたに弟子がやってきた!』を遊んで頂く前にも遊んで頂いた後にも楽しめるかと! こちらもとてもおススメです!    プレイしてみた感想は、FT新聞の感想フォームからでも、作者さん自身に直接でも、どうぞお気軽にお寄せください!  それでは、今回はここまで。次回のシナリオ紹介記事にてお会いしましょう。  貴方に良き冒険のあらんことを!  天狗ろむでした! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月17日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第714号 FT新聞 No.5015

From:水波流 昔、肩掛けだけどリュックにもできるカバンをずっと使っていて、荷物の重さに閉口してたのですが、 Columbiaのビジネスリュックは背負った瞬間に、中身は一緒なのに、肩に感じる重さが全く違った。(大袈裟に言うと半分位) 登山の荷物に対する意識の高さを舐めてはいけない。それ以来ずっとColumbia派。 From:葉山海月 中国語、単語を二つ並べると、その意味が軽くなるそうです。 「看」→「見る」「看看」→「ちょっと見る」 しかし、「重ねられない単語もあるそうで。 「在」→「存在する。ある」などがそうです! なるほどね「ちょっとある」→「日本に半分いて、アメリカに半分いる」ってことはできませんしね! From:中山将平 僕ら、今日10月17日(土)と明日18日(日)の両日、「ゲームマーケット2026秋」にサークル参加しています! 開催地は『幕張メッセ』、配置は【S006】です。 僕が現地にいますので、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。(カエル人の本も夏コミの新刊を含めこっそり持って行きます) そしてなぜか、同じく明日18日(日)、僕の個人サークル「ギルド黄金の蛙」は「関西コミティア77」にサークル参加します。 開催地は『京都パルスプラザ』、配置は【B-10】です。 お近くの方はぜひお立ち寄りいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■10/11(日)~10/16(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年10月11日(日)ロア・スペイダー FT新聞 No.5009 Re:オレニアックス生物学 Vol.8『サウロプシーダ』  ・過去の人気記事の再配信として、聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラント教授による、アランツァ世界のクリーチャーたちに関する「生物学」の講義をお届けしました。 今回の講義のテーマは「サウロプシーダ」。ライオンと黒ヤギの頭を持ち、尾は蛇なのはキマイラですが、サウロプシーダはワニ、カメレオンの頭を持つ爬虫類バージョンの兵器生物。水辺でも動けるワニの狂暴性と攻撃力、皮膚の色を変えて周囲の風景と同化できるカメレオンの擬態能力や長いリーチのある舌を持つ、恐ろしいクリーチャーです。対応策は果たして……? 気になる方は是非記事をご覧ください! (天) 2026年10月12日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.5010 ずっと書いてます。 ・大型の新刊である「アランツァワールドガイド」を冬のコミケで刊行するため、今回の記事もアランツァの話に終始いたします。 「神」の章では、この世界を観察する15柱の神の性質などについて、その神を信仰する際に、どのような事柄が「制限」されるかも含めて記述しています。 実はこの項目、「ローグライクハーフ」の自由に遊べるゲームデザインの方向性のため、大昔に考えた末に、削除されたものなのです。 しかし、「その世界の制限も受け入れてプレイしたい」という需要に応えるべく、主人公の「縛りプレイ」に使うことができるように準備いたしました。 また、他にもあった過去のボツ案に、アランツァ世界に登場する17の都市それぞれに紋章を作るというものがありました。 これを読者の皆さんが気軽に使えるよう、話し合いの末に、「都市紋章」と呼ばれる都市の特徴を端的に伝えるアイコンを作ることになりました! たとえば、自治都市トーンの都市紋章は、左右に翼の絵があり、中央に黒猫が座っているというものです。「アランツァワールドガイド」をお楽しみに☆ (明) 2026年10月13日(火)くろやなぎ FT新聞 No.5011 ゲームブックにおける死と物語 第9回:『単眼の巨獣』における成長と「生物であること」 ・編集部員くろやなぎが不定期でお届けしているゲームブック考察記事。今回は、FT書房刊行のゲームブックとしては最新作にあたる『単眼の巨獣』に関する考察の第3回です。 作品のプロローグにおいて、〈混沌〉である「森の一つ目狼」は、自分を討伐しに来たゴーレムを見て「見た目は明らかに生物ではないのに、生物の気配がする」と「嫌悪感」を覚えます。この「嫌悪感」から始まる〈混沌〉とゴーレムとの関係性について、「生物(であること)」をキーワードとして読み解くことを試みました。 なお、今回の記事では考察の対象を作品内の記述およびイラストに絞っていますが、『単眼の巨獣』の外部(アランツァを舞台とする他の作品など)で示された〈混沌〉やゴーレムに関する設定とか、「そもそも生物とは」みたいな問いを含めて考えると、また違う話になって面白いかもしれません。 (く) 2026年10月14日(水)ぜろ FT新聞 No.5012  第4回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ  ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第515回をお届けします。 今回のリプレイ対象の作品は、東洋夏氏のローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』をもとにした、ぜろさんオリジナル視点からのリプレイです。 ノードの魔力と生贄を用いて、闇神の力を得ようとしていた闇エルフは、ハルトと火吹き獣によって倒された。 闇エルフが召喚した不完全な影の魔物たちも、ヴァルグがすべて掃討した。 しかし、その代償は決して安くなかった。 丸一日、深い眠りについていたハルトの横には、もちろんヴァルグが。 新しい仲間を加え、それは、一つの冒険の終わりでもあり、新たな冒険の始まりでもあったのです。 二人の「これぞ冒険者よぉ!」というラストが眩しい! 今回の冒険の完走、皆さまもご覧あれ! (葉) 2026年10月15日(木)岡和田晃 FT新聞 No.5013 D&D第4版リプレイ〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜第1回  ・本作のリプレイ元は、かつてD&D日本語版公式サイトに掲載されていた、エベロン世界が舞台の『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版』リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編の、そのまた続編です。 満を持して、ついに新たな冒険の幕が上がります! 前回のラスト、一行は、自然世界の時間から外れた「予言の洞窟」へ足を踏み入れました。しかし、そこで、明かされるネディアの過去! 「思い出せ。そなたはかつて、わしとともに戦ったことがあるはずだ」と告げた。ネディアは、かつて別の時代、別の姿でイェスリン・リーンと共闘していたらしい。 その過去の戦士姿ははてさていかに? そんな想像から、今回の旅も始まります! 前回の興奮が冷めやらぬ方も是非よろしくお願いいたします! (葉) 2026年10月16日(金)ぜろ FT新聞 No.5014 感想回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第516回は、14日に無事完結した【獣の弟子】のシナリオである『あなたに弟子がやってきた!』の感想回をお届けします。 驚くほどにぜろ氏の「今、私が描きたかったもの」に直結していたという今回の冒険。過去エピソードとしてのリプレイ登場ですが、時系列に沿ってプレイしたそうですよ。 ぜろ氏自身がタイガたちとハルトたちの物語を追いたくて仕方なくなっている、二人の兄弟のそれぞれの冒険を、是非見守ってください! 今作の感想や、次回作への期待など、ぜろ氏宛のお便りもお待ちしております! (天) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月16日金曜日

感想回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.5014

感想【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「あなたに弟子がやってきた」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ローグライクハーフd33シナリオ「あなたに弟子がやってきた」をプレイさせていただきました。 このシナリオは、驚くほどに「今、私が描きたかったもの」に直結しているシナリオでした。 シナリオは師匠視点での弟子を描く内容でしたから、弟子視点というのは完全に反転しているため、そのままのタイトルではなと思ってそこだけは変えさせていただきました。 「蜂竜の森」で描いた、タイガとハルトのエピソードを、ハルト視点から描く物語です。 ここで完全に、タイガ側とハルト側のストーリーが、同じ出来事からスタートしていることがわかる構造です。 さらに、「エメラルド海の探索」で描いたヴァルグ師匠とハルトとの関係性のとっかかり、そして今に至るまでを作品の中に落とし込むことができました。 これは、このシナリオなくしては成立しない流れだったと思います。おかげで、それぞれのキャラクターの関係性に深みが増しました。 この作品の面白いところは、なんといっても弟子作成のルールですね。 さまざまな種族、さまざまな性格のキャラクターを、サイコロを振って決めていくことができます。 そこを起点として、キャラクター像を自由に付加していくことができる、ガイドのような存在です。 私の場合、ハルトのキャラクターはかなり固まっていたところからのスタートだったので、このルールは使わずにプレイさせていただきました。 ためしに使ってみたところ、ちょっと面白そうなドワーフキャラが生まれましたが、さすがにそれをハルトにはできなかったので(笑) あと、今回は過去エピソードとしてのリプレイ登場ですが、プレイしたのは時系列に沿って、まずはこのシナリオからやっています。 公開の順番で、回想編といった形で登場させたのは、シリーズ全体の構成を考えた結果ですね。 もう、単なるリプレイというよりは、私自身がタイガたちとハルトたちの物語を追いたくて仕方なくなっているのです。 シナリオ本編にあたる部分と、私が描き出す物語。そのふたつが無理なく融合して、物語性を重視したリプレイがつむぎだされているのを感じています。 そういえば、このリプレイシリーズを書き始めた後で、アランツァ百氏族の情報公開があって、その中に「ハルト家」ってあったんですよね。 その前にもシナリオ「幽霊列車は夜笛を鳴らす」などでサン・サレンにハルト家があることはわかっていたのですけれど。 完全に名前はかぶりますけれど、そこはもう気にしないことにしました。 ファンタジー系の作品では、埋没してしまうくらいにありふれた名前ですしね。 名前の由来などは特に紹介する予定はありませんが、名づけた後で改名すると、やはりしっくりきませんから。 ハルトはともかく、タイガの方の名前の由来を少し説明すると、由来は「タイガー」(虎)ではなく「大芽」です。 初期作が「巨大樹の迷宮」なので、植物由来の名前というところと、今後の大きな成長を期待してのネーミングになります。 次からは、久しぶりのタイガたちの出番を予定しています。 しかも、作品の舞台はなんとビストフ! ハルトたちがクラーケン退治に乗り出した拠点の港町です。 タイガたちがこれまでいたカラメールとは、大陸の端から端くらいに離れていますが……。 タイガたちの冒険が、ハルトの冒険が、今度どこに向かっていくのか。 是非見守っていただきたいと思います。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 著者:東洋夏 イラスト:骨盤 編集:緋色朱音 発行者:東洋夏 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 冊子版 ローグライクハーフ個人製作シナリオ集『主人公は一日にして成らず』 https://booth.pm/ja/items/8063646 ※本作品が収録されています。 ネット閲覧可 ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 https://talto.cc/projects/FoEKXdyD2KdpaLHU1_siE 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年10月15日木曜日

D&D第4版リプレイ〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜 第1回 FT新聞 No.5013

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち 〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜 連載第1回 岡和田晃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ▼第8回で終了かと思いきや……。  本作は、かつてD&D日本語版公式サイトに掲載されていた、エベロン世界が舞台の『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版』リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編の、そのまた続編です。  なお、この新シリーズは、2011年当時のセッション記録をもとに、2026年に新たに書き下ろしたものです。  本来、以前の連載は第8回で終了する予定でした。書き上げていたのが、そこまでだったからです。  第8回で言及された『ホビットの冒険』につき「映画化も予定されている」とあったように、執筆が終わっていたのは同作の公開(2012年)より前、2011年のことでした。  ここから先を書きあぐねて、2013年に大きく全体に手を入れて仕上げを試みていたものの、うまく「その先」が書けずにいました。  並行して進めていた評論の仕事や、手掛けていた別作品の翻訳が忙しくなってきたこと、心ない嫌がらせによって深く傷ついたこと……。  理由は様々にあるのですが、総合的に見て、やはり私の力不足だったと言わざるをえません。  次にリプレイを発表するのは、2018年に4Gamer.netに掲載された『ゴブリンスレイヤーTRPG』リプレイ(https://www.4gamer.net/games/436/G043667/20181224002/)を待たねばなりませんでした。  現在、商業的にTRPGリプレイは印刷された出版物では激減しており、過去形で語られることも少なくありません。でも、やっぱり私は「読むリプレイ」が好きなんですね。  新たに場を与えてくださった「FT新聞」の水波流編集長、編集部員の葉山海月さんをはじめFT書房の皆さん、あたたかなコメントで迎えてくださった読者の皆さん……らぱんどらさん、あーるじぇい@owljeyさん、ハイランスさん、カエル様教徒さん、吉里川べおさん、妖怪帽子さん、そして、毎度の連載を「楽しい」といって読み進め、第4話も書いてとせがんでくれた、私の9歳の娘に感謝したいと思います。  皆さんに、続きを書き、発表するモチベーションをいただきました。    引き続きルールは第4版のエベロン世界を使用しています。12月8日にグラフィック社から発売されるマイケル・ウィットワー&カイル・ニューマン&ジョン・ピーターソン&サム・ウィットワー『ダンジョンズ&ドラゴンズ ヴィジュアル大全 半世紀を超えるその歴史とアート』朱鷺田祐介監修、岡和田晃翻訳監修、見田航介&中村俊也&待兼音二郎訳(グラフィック社)でも、D&D第4版やエベロン世界については詳しく解説されますので、興味のある方はそちらもご覧ください。 ▼これまでの「リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ」振り返り  ネディア、ヘルメス、クシュタリ、ベック、ジュスの五人は、最終戦争の傷跡がなお残るコーヴェア大陸を旅してきた冒険者たちである。これまでの冒険で一行は、地下竜教団による邪悪な儀式を阻止し、“竜の予言書”の洞窟を異形どもから解放した。その過程で、彼ら自身もまた“竜の予言”に深く関わる存在となっていった。  そんな一行が追うことになったのが、謎めいた「リヴァイアサン計画」である。テリクの闇市場をはじめとする各地で情報を集めるうち、背後に「フィッツギボン商会」という名が浮かび上がる。一見すれば商取引を行なう組織にすぎないが、その活動にはどうにも不穏な影がつきまとう。やがて一行は、この商会をめぐる一連の事件が、単なる密輸や犯罪組織の活動では終わらないことを知る。  その旅の途中、ライトニング・レイルに乗り込んだ一行は、食堂車で翠玉爪騎士団の襲撃を受けた。翠玉爪騎士団は、かつてカルナス軍で英雄視されながら、現在では地下へ潜り、各地で暗躍する危険な武装組織である。食事中を狙った不意打ちにもかかわらず一行はこれを撃退するが、ここで「リヴァイアサン計画」を追う彼らとカルナスの暗部との結びつきはいよいよ濃くなっていく。  そして事件は、ネディアにとってきわめて個人的な問題とも結びついた。まだ13歳の妹サナが、カルナス王家に連なるエラストレル・イル=ワイナーン卿と政略結婚させられようとしていたのである。調査を進めた一行は、エラストレル卿が大軍を集めているという情報を得る。その攻撃目標こそ、フェイワイルドからエベロンへ出現した七つのフェイスパイアのひとつ、“冬の砦”ティラー・シラエンだった。結婚式と軍事行動は別々の事件ではなく、何らかの形で結びついているらしい。  ティラー・シラエンの周辺には、莫大なカイバー・シャードの鉱床が存在する。しかもエラストレル卿の軍勢には、「リヴァイアサン計画」を進める翠玉爪騎士団も加わっていた。カイバー・シャードはエレメンタルを捕縛し、飛空艇などの魔法装置を動かすことにも利用される強力な魔法資源である。一行は、カルナス側がこの鉱床を確保し、「リヴァイアサン計画」に利用しようとしているのではないかと疑うようになる。  ところが、危機は軍勢の侵攻だけではなかった。政略結婚の当事者であるサナ自身が、正体不明の“穢れ”に蝕まれていたのである。ネディアたちはサナを救うため、そしてカルナス軍の真の狙いを探るため、エレメンタル式岩石掘削機を駆ってティラー・シラエンへ急行。城塞都市の中庭へいきなり出現するという派手な到着を果たす。  しかし、ティラー・シラエンのエラドリンたちも、突然現れた一行を無条件には信用しない。長老ヴァロンによれば、サナの身に宿った“穢れ”は、アンデッドを率いる忌まわしい勢力と無関係ではないらしい。その一方で、ティラー・シラエンを守ってきた魔法的な防壁も弱まりつつあった。長老は、ネディアたちが本当に“竜の予言”に選ばれた者なのか、その判断を“ドラゴンの予言者”に委ねることにする。  こうして一行は、自然世界の時間から外れた「予言の洞窟」へ足を踏み入れた。そこで待っていたのが、ドラゴンの予言者イェスリン・リーンである。彼との対話を通じて明らかになったのは、“竜の予言”が単純に「未来に何が起こるか」を記した予言書ではないということだった。それは過去・現在・未来を貫き、世界が取りうる無数の「可能性」に関わるものなのである。  そしてイェスリン・リーンは、“竜の予言”に選ばれた者は未来の可能性を宿すだけではなく、過去をもその身に宿すのだと語る。さらにネディアへ、「思い出せ。そなたはかつて、わしとともに戦ったことがあるはずだ」と告げた。ネディアは、転生を繰り返しながら戦うマイケル・ムアコックの〈エターナル・チャンピオン〉さながらに、かつて別の時代、別の姿でイェスリン・リーンと共闘していたらしい。  かくしてDMから「転生前のネディアがどんな人物だったのか考えてください」という突然の無茶振りが飛び出したところで、前シリーズ「リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ」は幕を閉じた。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ DM:ダンジョンマスター(岡和田晃) ネディア:ヒューマンのレンジャー(PL:中山葵) ヘルメス:ヒューマンのアーティフィサー(PL:カナイセイジ) クシュタリ:カラシュターのパラディン(PL:見田航介) ベック:ウォーフォージドのファイター(PL:高橋志行) ジュス:ティーフリングのウィザード(PL:ノダソル) ●転生前のネディア ネディア:アマゾネス系かな。それも男で……。 DM:むしろ男(笑)。それはそれで面白いですね。  前回、イェスリン・リーンはネディアを、転生を重ねて複数の時代を生きるマイケル・ムアコックの〈エターナル・チャンピオン〉になぞらえた。そこから「過去のネディア」を具体化することになる。卓上では、筋肉隆々の戦士、アルビノの剣士、かつて船長だった人物、眼鏡のアーティフィサー、ドラゴンボーンの娘、グレートソード二刀流など、さまざまな像が試されていく。 DM:ここでは設定を先に固定するより、いくつかの可能性を出してみましょう。RPGでは、プレイヤーが提示したイメージを世界設定へ接続していくこと自体が物語になります。それで結局どうですか、ネディア先生。 ネディア:二刀流で、今より若い。二十代後半くらい。褐色のイメージが抜けない。 DM:褐色になった。素早くて、ぱっと姿が消えたら相手が吹っ飛んでいるような。あだ名は“黒ヒョウ”。  しかし「褐色」というイメージはさらに先へ進む。 DM:褐色が行き過ぎたことにして、かつてはドラウだったことにしよう。 ネディア:ドラウ? DM:ダークエルフ、つまりドラウです。卓上の視覚的な連想としては、『ロードス島戦記』のピロテースに近いイメージも出ていますが、エベロンのドラウとして考えましょう。  こうして転生前のネディアは、リアーナという名のドラウの二刀流レンジャーとして輪郭を得ていく。現在のネディアと同じ戦闘スタイルを持つことは、単なる転生の記号ではない。身体も時代も異なる二人を、戦い方という反復可能な「型」が結んでいるのである。 DM:では、名前は決まりましたか? ネディア:リアーナ。 DM:リアーナ。二刀流レンジャーの伝説の道の何か……ソードマスターかな。パスファインダーというのもある。道を探る者。偵察を極め、どこまでも道を切り拓くような……。いや、ストームウォーデンのほうがかっこいいかもしれないなあ。  ここでは候補がいくつか挙がったままで、伝説の道はまだ確定していない。ただし『プレイヤーズ・ハンドブック』の“ストームウォーデン(嵐なす守護者)”は「レンジャーのクラス、二刀流戦闘スタイル」を前提とするため、リアーナの戦闘像にはよく似合う。 ●リアーナの記憶 DM:では、リアーナは、かつてイェスリン・リーンと共闘していた記憶を、おぼろげながら取り戻します。  見えてくるのは、輪郭の定かでない敵のシルエットだった。 DM:君とイェスリン・リーンが戦っていた相手は、ドラゴンの力を悪用しようという連中です。姿まではわからない。おそらくデーモンかデヴィル。その中には異形もいたのではないかと思われます。君たちはドラゴンを守り、カイバーの侵食から守ろうとしていた。そこまでわかります。 ネディア/リアーナ:「思い出したわ。確かに私たちは、ともに戦っていたわね」 イェスリン・リーン:「ようやく思い出したか、我が友よ。我らにとって時間は一瞬のもの。ふたたび相まみえるまでの時も、一瞬にほかならなかった」  何百年、あるいはそれ以上の時を隔てていたとしても、“竜の予言”の側から見れば、それはほんの一瞬なのだ。 ●脈動するドラゴン イェスリン・リーン:「“竜の予言”もまた、そなたらを待ちわびていたようだぞ」 DM:では、近づいて覗いてみますか。さっきまで動かなかったはずのドラゴンの文様が、ぼんやりと形を取り始める。やがて、どくどくと脈打ち始めます。  巨大なモノリス——あるいは「生きる化石」のようだったドラゴンから、奔流のような力が一行へ流れ込む。 DM:君たちが、かつてレッケンマーク444——サロから与えられた知識が、さらに上から書き換えられていくような感覚です。ドラゴンマークの力の本質の一部。ウォーフォージドを動かしている力とは何なのか。そうしたものが、理屈というより記憶のように流れ込んでくる。 ベック:サロから得た情報より、さらに根源に近い? DM:そう考えていいでしょう。そして、この周囲そのものがカイバー・シャードの巨大な鉱脈なのではないか、とわかる。カルナスがフェイスパイアを制圧して、この洞窟を掘り崩せば、シャードだけではなく、ここに封じられた異形や悪しき存在まで解放してしまうかもしれない。  イェスリン・リーンの背後に、数多の悪しき者たちの姿が重なる。リアーナがかつて戦った敵と、現在の危機は切り離されたものではないらしい。 (つづく) “『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち 〜暁のトロール号を駆り、”塔の街”シャーンでの決戦だ!〜” is unofficial Fan Content permitted under the Fan Content Policy. Not approved/endorsed by Wizards. Portions of the materials used are property of Wizards of the Coast. 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2026年10月14日水曜日

第4回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.5012

第4回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「あなたに弟子がやってきた」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフリプレイ「あなたに弟子がやってきた」をお送りします。 本シナリオは師匠視点のシナリオですが、弟子視点で描いているため、タイトルは内容に合わせて変更しています。 「エメラルド海の探索」の続編にして過去編。 ハルトは、大ヤギの魔獣から呪いを移され、生死の境をさまよい、ヴァルグに命を救われました。 そこから生きる術を身につけ、ヴァルグに弟子入りを志願。 ヴァルグは、ハルトを諦めさせるため、高難度の遺跡調査への同行を課しました。 遺跡では多くの失敗と学びがあり、目的地にて、先に入り込んでいた闇エルフとの対決が待ち受けていました。 闇エルフのたくらみは阻止しましたが、ヴァルグの制止も聞かずに闇エルフと直接刃を交えたハルトに、ヴァルグはなにを言うのでしょうか。 ■ステイタス 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:1/5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ●12 遺跡調査を終えて ノードの魔力と生贄を用いて、闇神の力を得ようとしていた闇エルフは、オレと火吹き獣によって倒された。 闇エルフが召喚した不完全な影の魔物たちも、ヴァルグがすべて掃討した。 しかし、その代償も大きかった。 オレはあちこちを斬られ、ボロボロだ。 そしてヴァルグは、そんなオレに厳しい視線を向けていた。 「俺は逃げろって言ったぜ。なんで逃げなかった」 ヴァルグは、でかい声でそう詰めてきた。 オレはオレで「倒せたんだからいいじゃん」なんて言い訳するつもりはさらさらなかった。 ヴァルグの言いつけを守らず、無謀な攻撃に出たのは事実だ。 この呪われた腕が引き出す闘争本能に呑まれていたばかりじゃない。 「しかもテメエの命を投げ出してソイツを守ろうとするなんざ、どうかしてる」 ヴァルグは、火吹き獣を囮にして逃げろと指示を出した。 けれどもオレが取ったのは正反対の行動。火吹き獣をかばって傷を負ってしまった。 「あの一撃でテメエが死んでたかもしれねェってこと、わかってんのか?!」 それはもう、完全に怒号だった。 ヴァルグが言ってることは、全部そのとおりだった。 けれども、これだけは言っておきたかった。 「ごめん。でもオレ、ほっとけなかったんだよ! オレのためにコイツが犠牲になるのなんて!」 「だからってなァ!」 言いかけたヴァルグだが、それ以上の言葉が出てこなかったようで口を閉じてしまった。 「だァもうクソが!!」 そして、よくわからない言葉でどこかに向かって当たり散らしていた。 オレはそんなヴァルグの態度を見ながら、すうっと意識が遠くなっていくのを感じた。 負傷のせいなのか、緊張が解けたのか。 オレの意識はそのまま闇の底へと……。 **** 次に気がついたとき、オレはいつもの洞窟にいた。 「よお」 ヴァルグが声をかけてきた。 「オレは……?」 「まる一日寝てた」 「運んでくれた?」 「放置できねェだろうが。けっこうな怪我だったしよ」 応急手当は済んでいた。 オレはヴァルグにお礼を言った。そして、あれからどうなったのかを尋ねた。 「ノードを発見したから依頼は達成だ。隠し扉を偽装して、簡単にはわからねェようにしといた。あとは報告に行ったらおしまいだな」 一応、依頼は成功ってことでいいみたいだ。 じゃあ……。 「じゃあ、オレは合格?」 そう尋ねると、ヴァルグは変な顔をした。 「合格だァ?」 やっぱり、ダメだったのかな? ややあって、ヴァルグの表情が変化した。何やらピンときた、という顔だ。 「なるほどな。そういうことか。……最初から試験なんざしてねェ」 「え、でも……」 「俺ァな、ガキの冒険ごっこじゃねェ、ホンモノがどんだけリスキーかを知ってもらうために連れてっただけだ。あきらめさせるためにな」 「……」 「テメエひとりで遺跡に行ってたら、何回死んでた? やめときな」 そこには、ヴァルグの強い意思が感じられた。 オレはなにも言い返せなかった。 「それにな。……テメエの命を一番にできねェ奴から、死んでいくんだ。向いてねェよ」 ヴァルグからは、表面的な言葉だけではない、凄みのようなものが感じられた。 ふと、そばにいた火吹き獣が、オレの頬をなめてきた。 「ああ、そうだ。ソイツはずっとテメエについてたぜ。わかんだな。助けてもらったって」 そうなんだ。 「そいつはもう、テメエのモンだ」 唐突にヴァルグは言った。 「俺はソイツのこたァ、便利な道具としか思ってなかったからな。だが、テメエに心底なついてるじゃねェか」 オレはそっと、火吹き獣の頬をなで返した。 火吹き獣は心地よさそうに目を細める。 「この子、名前は?」 「名前? ンなもんねェよ」 「じゃあ、普段はなんて呼んでんだ?」 「ソイツとか、コイツとか……」 「ほかには?」 「あー……火ィ出せとか、火ィつけろとか」 オレは少し考えて、決めた。 「じゃあ、お前の名前は今から、『ヒース』だ」 ヴァルグが「火ィ」と言っていたから、発音を寄せてみた。 ヒースはその名が気に入ったのか、「ギャウ」と鳴いた。 「……もしかしたら、そうやって生き物に好かれちまうのが、テメエの『素質』かもしれねェな」 ヴァルグはそんな感想をもらしていた。 ●13 獣の弟子 ヴァルグは、俺が回復するまで待ってくれていた。 もともと八つの遺跡の調査だから、想定期間は長めに取ってあるみたい。 それに、隠し扉を偽装したことで、すぐに誰かの手に落ちる危険性も少ないと言っていた。 オレが回復したら、お別れだという。 ある日、外出から戻ってきたヴァルグが、オレに言った。 「村に、行ってきた」 それだけで、オレは察した。 「あの遺跡と同じ石碑があった。それで読めたんだな」 この言葉で、ヴァルグがほぼ正確にオレと村の関係を把握していることがはっきりした。 「あの村はおそらく、あの遺跡を作ったヤツの系譜だ」 オレも、あの遺跡を作った人物の子孫かもしれないってことか。 それよりも、もうバレているんだったら、どうしても気になっていることがあった。 「村は、村はどうなってた? あの大ヤギの魔獣はどうなったんだ?」 「そうだな……。村に大ヤギの魔獣は出たらしい。たまたま来ていた冒険者が、どうにか追い払ったって聞いたぜ」 「ほかには?」 「あとは……そうだな。森ではぐれてたガキが一人、発見され保護されたって話だな」 タイガだ。間違いない。 タイガは、無事だったんだ。よかった。本当によかった。 目頭が熱くなり、頬に涙が伝った。 「最初に『帰るトコがねェ』って嘘ついたことは責めねェよ。理由はだいたいわかるからな」 ヴァルグは珍しく、諭すような口調でそう話した。 「だがな。帰るとこ、あンじゃねェか。帰んな。村へよ」 「……帰れない。帰れるわけ、ないじゃないか。こんな、こんな腕……!」 「そうか……」 オレはヴァルグをきっと見据えた。 そして、はっきりとした口調で、しっかりと、伝えた。 「ヴァルグさん、お願いします。オレを連れてってください!」 ぐいっと深く頭を下げる。 「バカいってんじゃねェ。どんだけ危険かあれほど経験したじゃねェか」 「だったら、もっとオレを鍛えてくれ。オレはこの腕の呪いを解きたい。それにはきっと、力が必要なんだ。お願いします!」 沈黙。 ヴァルグが、オレのことをじっと見つめているのが、気配でわかった。 けど、オレは揺るがぬ決意をみなぎらせ、頭を下げ続けた。 「はぁ〜」 ヴァルグは、大げさにため息をついた。そして言った。 「勝手にしろ」 それは、肯定と捉えて、いいのかな。 「ありがとうございます。師匠!」 ものすごく自然に、『師匠』という言葉が出たことに、自分でも驚いた。 「バカ野郎。俺を師匠なんて呼ぶな!」 ヴァルグは、なぜかうろたえていた。 「だがな、忘れるな。テメエの身はテメエで守れ。俺は誰かを守りながら戦うなんて器用な真似はできねェんだよ!」 「はい、師匠」 「っだーッ! だからその『師匠』ってのヤメロっての!!」 こうして俺は、師匠とともに旅をすることになったんだ。 ●14 そして今 オレは師匠、そしてヒースとともに、馬車に揺られていた。 エメラルド海のクラーケン退治の後、ハーツデイル船長、白奴さん、ポールさんニーナさんたちと別れ、ロング・ナリクに向かう道中だ。 ビストフの領主マキシミリアンが話してくれた師匠の事情が気になり、師匠と出会った頃のことを思い出していた。 その師匠は隣でだらしないいびきをかいて眠りこけている。体全体がオレの肩に寄りかかっていた。 「目の前で人に死なれるのにガマンならなかっただけだ」 「目は! 目ェ閉じてたか?! アレに目ェ焼かれると取り返しがつかねェからな」 「あの一撃でテメエが死んでたかもしれねェってこと、わかってんのか?!」 「テメエの命を一番にできねェ奴から、死んでいくんだ」 「俺は誰かを守りながら戦うなんて器用な真似はできねェんだよ!」 「テメエはバカか! 泳げもしねェクセに海に飛び込むなんざ」 「俺ァな、テメエの命を大事にしろって言ってんの! 怒っちゃいねェよ!!」 ずっしりとした師匠の重みを感じながら、ひとつひとつの言葉を、頭の中で反すうする。 言われたときには、表面上の言葉だけで受け止めていた。 けど、今ならわかる。 師匠がその言葉の裏に、どんな意味を込めていたのか。どんな過去を重ねていたのか。 師匠がどれだけオレのことを心配し、オレを遠ざけようとしてきたのか。 「一緒に組んだ者が死ぬ。一人だけ生き残る。そんな経験を繰り返したらどうだ。組んだら、そいつが死ぬかもしれない。それに耐えられるか? だからあいつは孤独を選んだ」 領主マキシミリアンの言葉が胸に刺さる。 そんな師匠に、オレは強引に頼み込み、無理矢理弟子になったようなものだ。 師匠には師匠の葛藤がある。オレのこと、重荷になっているかもしれない。 オレが師匠のためにできること。それは、師匠の前で絶対に命を落とさないこと。それだけだ。 師匠の不名誉な二つ名のジンクスを、蹴飛ばし続けてやる。 そう決意したオレの前に、ヒースがちょこんと座っている。 「ヒース……」 「ギャウ?」 オレはヒースの頬をなでた。ヒースが心地よさそうに目を細める。 そういえば師匠、オレががんばって火を起こしてたら、ヒースに命じて簡単に火をつけてたっけな。 やり方がせこいんだよ。 さらに、便利な道具を取り出して、オレに自慢してたっけ。 「こんなのもある。先端に乾燥して固めた火薬がついていて、こすると火がつく。ノームの発明品だ」 あのあと結局、いざ使おうとしたとき、湿っていて使いものにならなかったんだよな。 そんときの師匠の表情ったらなかったぜ。師匠ってホント、子どもっぽいよな。 そんなことを思いながら師匠の寝顔を見つめていたら、くすりと笑みがこぼれた。 次のロング・ナリクではどんな冒険が待っているんだろう。 次も、その次も、師匠と一緒に切りぬけていこう。 オレは、獣のような豪快な師匠と、獣のような腕を持つ、「獣の弟子」だから。 【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ 完 ■ステイタス 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:1/5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ■登場人物 ヴァルグ 冒険者。依頼を受けて遺跡調査に来たところ、偶然瀕死のハルトを発見した。 ハルト 大ヤギの魔獣の黒角にやられ、崖下に転落したところをヴァルグに助けられた。左腕に厄介な呪いを受けている。 タイガ ハルトの弟。大ヤギの魔獣の出現の恐怖で動けなくなった。 闇エルフ 調査対象の遺跡に先んじて侵入していた。ノードと生贄で闇神の眷属たる魔物を召喚しようとしていた。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 著者:東洋夏 イラスト:骨盤 編集:緋色朱音 発行者:東洋夏 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 冊子版 ローグライクハーフ個人製作シナリオ集『主人公は一日にして成らず』 https://booth.pm/ja/items/8063646 ※本作品が収録されています。 ネット閲覧可 ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 https://talto.cc/projects/FoEKXdyD2KdpaLHU1_siE 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。