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2025年9月18日木曜日

詩はパラグラフをはみ出る——ゲームブックと土俗 FT新聞 No.4621

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「詩はパラグラフをはみ出る——ゲームブックと土俗」

岡和田晃
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 明日槇悠「シはパラグラフを飛ぶ——ゲームブックと文学性」(FT新聞 No.4587)およびその応答たる、くろやなぎ「死はパラグラフに留まる——ゲームブックにおける「殺意」と死の意味について」(FT新聞No.4594)を興味深く拝読しました。
 田林洋一さんの連載『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』をチェックしていても思うことですが、こうして自生的な批評の試みが生まれでてくるというのは、なんと申しますか隔世の感があり、率直に感動しました。
 かつて、とりわけインターネット上では、TRPGやゲームブックを批評的に考察するという試みが、いたずらな権威化につながると忌避されていたところがありました。しかし、批評家が先鞭をつけ、研究者がそれを定位していかねば、作品は容易に埋もれてしまうのが現実ですから、個々の評価の内実を捉えず、一律に「権威化」だと退けるのは百害あって一利なしだと愚考します。そうした意味で、御三方の仕事に改めて勇気と知的な刺激をいただきました。
 ただ、『SAGBがよくわかる本』はFT新聞配信前に、水波流編集長経由で私見を述べていますので、ここでは割愛し、くろやなぎ氏とは別の視点から、明日槇論文(以下、「シは」)への応答を試みたいと思います。
 
 さて、「シは」が画期的だったのは、ウィトゲンシュタインの言語ゲーム論と、ゲームブック(というかアナログゲーム全般)の特徴でもあるルールの可視化を並列させることで、ゲーム(ブック)の文学性を定位させようとしたところにあると思います。
 そのうえでポエジーや身体性、さらには無限性といった、なまなかな定義をはみ出てしまう遊動的な感覚に、ゲームブックの文学性を再発見していて、なるほどと唸らされました。
 
 ただ、いくらエッセイとはいえ、「純然たる文学性の評価」というコメントには疑問符がないわけではありません。そもそも「純然たる文学性」などというものが奈辺にあるのか、という問題です。具体例に出されていたジョイスの『ユリシーズ』などは典型で、あの作品は古典古代の叙事詩(それこそホメロスの『オデュッセイア』)が持っていたようなアウラを喪失した現代人の様相を描いており、それゆえ「純然たる文学性」という考え方を意図的に解体させているようなところがある。ちょうど、モダニズム期の他の文学作品、デーブリーンの『ベルリン・アレクサンダー広場』などと比べてみるのがわかりやすいでしょうか。
 
 読み手を幽玄の地、恍惚境へ誘うような彫琢された文章だけではない形でも、ゲームブックの文学性は存在するのではないかと愚考します。例えば、スティーブ・ジャクソンの『モンスター誕生』の転倒した語りと、それを補完する(狭義の)小説による描写の妙。バターフィールド&ホニグマン&パーカー『冒険者の帰還』のように、ギリシアの悲劇の構造をそのままゲームとして再現したアイロニー……。これらは「純然たる文学性」に近いものとして同列に論じられますが、ゲームブックでなければ書くことが難しかったろうとも感じます。
 「シは」で指摘されたカルヴィーノ『宿命の交わる城』と、思緒雄二『送り雛は瑠璃色の』の間には、近年書き下ろされた『送り雛』のスピンオフ小説「生き人形、家出する」(「ナイトランド・クォータリー」Vol.26)が該当するように思います。遊戯と身体を結ぶ、土俗性の問題です。
 
 〈ファイティング・ファンタジー〉でも、あるいはT&Tや〈モンスター!モンスター!TRPG〉でも、それが魅力的なのは、ファンタジー世界に実在感を付与する土俗性が、いったんルールとして言語ゲーム的に可視化されたうえで、残余の部分が、それこそ仮想的なホメリック・パラレルのごとく世界観(タイタン世界、トロールワールドやズィムララ)と連動しているように見えることではないでしょうか。『火吹山の魔法使い』の版元が優れた児童文学を多数刊行したパフィン・ブックスなのは、偶然ではないのです。
 『展覧会の絵』にしても、これ1冊で完結するのではなく、平田真夫名義での『水の中、光の底』および平田・森山共同名義での「吟遊詩人」(「SF Prologue Wave」)でも深められています。こちらはいずれ、コラボレーション企画でFT新聞でも改めて紹介したく存じます。
 ボルヘスについても同様のところがあり、とかくブッキッシュでペダンティックな作家だと思われがちなボルヘスは、アルゼンチンのマッチョなガウチョ文学の伝統に強い共感を寄せていましたが、その背景には土俗的な伝統への共感がまずあったように思います。
 他方、西脇順三郎の『旅人かへらず』がゲームブックだったというのは、「シは」の指摘で改めて意識させられたことでした。まさしくエウレカ!なのですが、この流れで想起されたのは、コルタサルの『石蹴り遊び』。本作は冒頭から順繰りに読んでいくことも、指定された順番で読み直して別の物語として読むことも、さらには(書かれていませんが)別の読み方もできるという画期的な作品でした。
 
 私はいま、ボルヘスやコルタサル生誕の地であるブエノスアイレスに住んでいるのですが、もともと植民都市として出発したこの街に20世紀に生きるということの哀しみを書きつけたコルタサルの感覚は、当地ではいっそう強く実感させられます——ヨーロッパへの飽くなき憧憬を抱いた作家はパリへ留学し、そのまま生涯をフランスで過ごしたのです。
 このコルタサルがゲームブック的だと指摘したのは、私が最初ではありません。フーゴ・ハル氏です。1986年の「アルバイトニュース」で、いち早くそのことを指摘しています。当人の許可で再録しているので、未読の方はご確認ください。
https://analoggamestudies.seesaa.net/article/246178978.html
 最後に、明日槇悠さんへの敬意を込めて、ひとつ前衛短歌を捧げたいと思います。

——段落飛び越え垣間見ゆる奈落 見返す怪物どもとガウチョの無何有郷(ユートピア)


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2025年9月17日水曜日

第5回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4620

第5回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ

※ここから先はゲームブック【狂える魔女のゴルジュ】の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。また、大幅なアレンジが加えられている箇所がありますが、原作の選択肢をもとに構成しています。


ぜろです。
「狂える魔女のゴルジュ」リプレイです。
主人公ミナは、エルフ7姉妹の末妹。奴隷商人に売られた姉たちを探す旅を始めました。
旅の供は、禁断の、時を操る魔法の時計。
闇神オスクリードに見初められ、闇色の肌になってなお、目的を見失わない。
目的地は、「還らずの森」深くの吸血鬼の館。そこに双子の姉たちがいるはずです。
森に入るとさっそく吸血獣との戦いがあり、間一髪でした。
この先は、「闇エルフの隠れ里」と「時計塔」への分岐があります。
情報を求め、闇エルフの隠れ里を訪れることにしたミナ。
排他的な村で、闇エルフでない普通のエルフとばれたら生きては帰れないかもしれない緊張感の中、ミナは何を得ることができるでしょうか。


【ミナ 体力点3/4 悪夢袋4/7】
金貨 6枚
銀貨 5枚
歯車 0枚
<枝分かれの未来時計>選択のやり直しが可能。
<うたかたの齢時計>一時的に年齢を変えられる。
<跳兎の懐中時計>一時的に過去に行ける。
<速撃の戦時計>超スピードで限界突破。
<時もどしの回復時計>時間を戻してダメージをなかったことに。


●アタック01-12 闇エルフの隠れ里

闇エルフの隠れ里の前で待っていると、ひとりの長身の闇エルフが、木の家から降り、ボクのところに来た。
ボクは、ここに闇エルフの里があると聞いて訪れた、同族の旅人を装う。

・長に会いたい
・酒場に案内してもらう

これは、どちらの選択にも唐突感があって困ってしまうな。
でも、人生経験の浅いボクに考えつくのはそれくらいしかなかった。
どちらも不自然なら、酒場よりも長に会わせてもらった方が、まだしも良い話が聞けるのではないか。
ボクは<枝分かれの未来時計>が機能しているのを確かめつつ、「せっかく来たのだから、長にあいさつをしたい」と切り出した。

長身の闇エルフは少し思案した後、ボクを小さな家のひと部屋に案内する。
彼は少しぎこちない動作でボクに紅茶を淹れてくれ、しばらく待つようにと告げる。
そうして部屋を出て行った。

・席を立ち、自分で長を探しに行く
・紅茶を飲みながら待機する

このシチュエーションで、紅茶を飲みながら長の到着を待つとしたら、そうとう警戒心が足りないよね。
さっきの闇エルフの態度は、単に紅茶を淹れ慣れていないぎこちなさというより、不自然さを感じた。紅茶にも何か入っていることを疑うべきだ。
さっさとこの部屋を出よう。それで、自力で村を回ろうか。
なかなか来ないから、自分で長を探しに出た、と言えば言い訳はきくだろう。

ボクは家を出て地上に降りると、隠れ里の中心あたりに向かった。
そこにはひときわ大きな樹上の家と、樹上の祠があった。
祠は、闇神オスクリード様を祀るものだ。闇エルフはすべからく、オスクリード様を信仰しているのかな?

大きな家のドアは開け放たれていたため、ボクは声をかけてみた。
中からひとりの闇エルフがゆっくりと現れた。立派なローブ状の服を着ている。ハンサムだが威圧感があり、目つきは鋭い。

「私はこの集落の長、ネフェルロックだ」

闇エルフは自己紹介をしてくれた。ボクも名乗る。

「独力でここまで来たか。特別ななにかを持っていることは間違いあるまい。こちらへ来なさい」

長はボクを、室内に案内してくれた。
長の応接間は、独特の芳香が漂っている。かいだことのない甘くもったりした匂いだ。これも闇エルフ独特の文化なのかな。
頭が少し、重くなった気がした。

「なにか知りたいことがあってここへ来た。違うかな?」

まるでボクの考えを見透かすように、長は言った。

・2人の姉について尋ねる
・時計塔について尋ねる

これだけ洞察力に優れた長だ。もうボクの正体になんて気づいているんじゃないか。
でも、向こうが態度を変えない以上は、ボクから今のスタンスを変えるわけにはいかない。
聞けるだけ聞いてみよう。

ボクは2人の姉のことを尋ねることにした。
もちろん、自分の姉だなんて馬鹿正直に言ったりなどしない。

奴隷として売られてきた2人のエルフのことを知っているか、と尋ねた。

「2頭の双子の話か」

まるで家畜か何かのような長の言い方には怒りを覚えたが、ぐっとこらえた。

「白エルフどもなら、この村に一晩泊めた後、ローズ様の館に連れて行ったよ」

なんと、長自らが動いたという。目の前のこの人物は、エナ姉とティナ姉を直接見ているんだ。
2人がどんな様子だったのか尋ねたいが、抑える。その質問はさすがにあまりにも、あからさまだろう。
ボクは、それがどれくらい前の話かを尋ねた。
しかし長は、ボクの質問などおかまいなしに、好き勝手に話している。

「ローズ様の館は相変わらず素晴らしかった。地下の秘密の拷問部屋は、まるでバラの花が咲いたような美しさだった」

拷問部屋?!
「バラの花が咲いたような美しさ」、は、血の色を連想する。
まさか、今も使われているの?

おぞましい。
そのような部屋を備えている館のあるじも、それを美しいと言い切るこの闇エルフの感性も。

そんな人物に買い取られたエナ姉とティナ姉は、無事でいられるの?
もしローズ家の地下に行くことがあったら、秘密の部屋を突き止めなければ。
ボクは、姉たちがそこに入れられている可能性に、心の震えが止まらなくなった。

あれ。
心だけじゃない。頭がクラクラする。気分が悪い。
もしかして、この独特な香りのせい……?

ぐにゃり、と視界が歪みながら目の前の景色が変わる。どさり、と音がする。目の前に歪んで見えているのは、床だ。
あれ、ボク、倒れた?

「効いてきたか……」

長の声が遠く聞こえた。


●アタック01-13 未来時計と選択肢

視界は床に固定されたままだ。
身体が、動かないのだ。
意識も、もうろうとしてきた。

「この薬が効くなら、やはりお前は闇エルフではないな。あるいは、なりたてといったところか」

長の声が、上から降ってくる。やはりボクの正体は、とっくにお見通しだったみたいだ。
このままでは、いけない。
<枝分かれの未来時計>を……。

ボクは、ぼんやりしてきた意識を奮い立たせ、かすかに動く指先で、どうにか時計に触れた。
<枝分かれの未来時計>が、ゆっくりと時を巻き戻しはじめた。
もっと、早く。お願いだ。ボクの意識が途切れる前に……。

「ほう。よく見れば、かなり特殊な魔道具を持っているようだな」

ボクのわずかな動きに気づいたのだろう。長の声が聞こえ、ボクの身体がぐいっと引き上げられる。
いけない。このままでは、時計を、奪われ……て……。

意識を保つことも難しくなってきた。もう、ダメかも……。
ボクの意識はそのまま闇の中へ……。

あれ?

……ボクは、椅子に座っていた。
目の前では、長がボクに、聞きたいことはないかと言ってきている。
部屋の甘く重い芳香はそのままだけど、まだ症状は出ていない。

時が、少しだけ巻き戻っている。
<枝分かれの未来時計>が、間に合ったのだ。

けど、意識を手放す恐怖も絶望も、たった今体験したことだ。
その感覚は、そのまま残っている。
ボクの全身から、嫌な汗が噴き出した。

あのままだったらボクは……。
すべての時計を奪われ、激しい拷問の末に死んでいく未来を幻視する。
そんな未来を引き寄せなくてよかった。

「どうした? 気分でも悪いのかな?」
「いえ、なんでも、ないです……」

長は射貫くような目で、ボクの様子をじっくり観察している。薬の効果が出るのを待っているのだろう。
このままもっと時を巻き戻せば、ボクはこの村から安全に抜け出せる。
けど、その前にもうひとつ、長に聞いておきたいことがある。

・時計塔について尋ねる

<枝分かれの未来時計>がまだ動かせる状態にあることを確かめると、ボクは尋ねた。

「森にある時計塔について、聞かせて」

もうひとつの質問だ。これも聞いておかなければ。

「なんだ。君はあの時計塔に用があるのか」

長の鋭い目がボクを刺す。まるで値踏みをしているよう。
その視線が、ボクの時計たちをじっと見つめる。
なにかに得心がいったのだろう。長は説明を始めた。
長にとっては薬が効いてくるまでの時間稼ぎ。どうせボクの自由を奪うのだからと、何でも話してくれるのだろう。

「時計塔はノームたちが建てた古い遺産だ。からくりが残っているようだが、我々には用はない」

闇エルフたちも、吸血鬼たちも、時計塔には関心を持っていないという。
それでも長は一度、隠された安全な裏口から中の様子を確認したが、闇エルフの興味を引くものはなかったと。

時計塔は、裏口から入る方が安全なのか。覚えておこう。

甘くもったりした香りが、頭に重くのしかかってきた。
潮時だ。

「いろいろ教えてくれてありがとう。それじゃ、ボクはそろそろ……」
「まあ待て。そろそろアレが効いてくる頃だ」
「残念だけど、そこまで待っていられないんだ。もう行くね」

ボクは長の前で、おもむろに<枝分かれの未来時計>に触れる。
未来時計は、ゆっくりと時を巻き戻し始めた。
長は、あっけにとられてボクを見ている。
そして、ボクに向かってつかみかかろうという動作が見え……。

唐突に目の前の風景が切り替わった。

森の中の小道だ。ボクはそこに立っていた。
進行方向には、木々の上に黒い建物がある集落が見える。
闇エルフの隠れ里だ。
ボクは、隠れ里に入るより前まで、時を巻き戻すことに成功した。

悪夢袋がひとつ、しぼんでいた。
<枝分かれの未来時計>は、針の動きを完全に止めている。
ボクは今、ひとつの危機を乗り切ったんだ。


●アタック01-14 時計塔を攻略せよ

ここは森の中の分岐点だ。
右へと進めば闇エルフの隠れ里へ。左へ進めば森の中の時計塔へと向かうポイントだ。
ボクは時計塔へと歩みを進める。

ボクには確信があった。ここにはきっとなにかあると。
そして予感もあった。新しい力を手に入れられる可能性を感じていた。

時計塔に至る道は、道の体をなしていなかった。
棘のある植物がちくちくと、ボクの邪魔をする。
長年誰も近寄っていないことがはっきりとわかった。
それでもボクは、遠くに見える時計塔の外観を目標に、かつて使われていたと思しき古道を進んだ。

時計塔は、円筒形をした3階建ての建造物だった。
その壁にはツタが絡まり、石造りの外観は薄汚れていた。
しかし、そんな年季の入った外観にもかかわらず、3階部分についた時計は、今も時を刻んでいる。
精巧で緻密なからくりが、内部にあるのは明らかだった。

・この扉の鍵だと思うものを持っている
・体当たりで開ける
・ボラミーに頼む
・あきらめる

ボクの頭の中に、いろんな可能性が渦巻いた。今できることも、できないことも含めて。
でも、それは全部無視する。
ボクはこの塔に安全に入れる裏口を知っている。
闇エルフの長ネフェルロックが丁寧に教えてくれたからね。

ボクは裏口に回った。
そこには小さな入口があった。
小柄なボクでも小さめだって思う。
そういえば、この時計塔はノームが建てたっていわれてるんだっけ。
ノームは小柄な種族だ。からくり都市チャマイでときどき見かけたことがある。
手先が器用で、チャマイのからくり師の多くがノームだ。

ボクはそのドアを開けると、くぐるようにして塔内に入った。
塔の1階は吹き抜けのエントランスホールになっていた。
入口側の扉は普通の人サイズで大きいけれど、扉の上部がなにかの仕掛けに繋がっているのが見える。
表の入口から入ると、その仕掛けが作動するようになっているのがわかった。多分罠だ。
こっちから入ってよかった。

ホールの奥にアーチがあって、奥の部屋に続いている。
そのアーチのところにからくり仕掛けのゴーレムが立っていた。
積み木を重ねたような無機質な造形だ。
今は作動していないみたいだけど、近づいたら動き出すかもしれない。
けど、奥の部屋を無視するなら、ホールの階段から2階に上がることができる。

・奥の部屋を見たい
・2階に上る

奥の部屋は見たい。
けど、危険はあまり冒したくない。
先に上を確認してみようかな。

ボクは2階に上がることにした。

2階は、からくりの研究室のようになっていた。
既視感がある。チャマイにあった時計塔の内部の部屋に、雰囲気が似ている。
台の上に古い図面が置かれている。それを覗き込んだボクは、あっ、と声をもらした。
それは、ボクの持っている時計と同じような、魔法の時計の図面だったからだ。

これは、この図面は、かつてここに住んでいたノームたちが引いた図面なの?
魔法の時計の理論は、ここで作られていたってこと?
でもなんで?
魔法の時計を完成させたのはモータス教授だったはず。
モータス教授はノームじゃない。普通の人間だった。

そうか。モータス教授は授業で、ノームのからくり師と共同で魔法の研究をしてるって言ってたことがあったっけ。
かつてここに住んでいたノームたちがモータス教授を手伝っていた?

つい図面に見入ってしまったが、テーブルにはもっと得体の知れない装置があった。
細いチューブと瓶が、複雑に組み合わさっている。
チューブの終点にある瓶に、黒いもやのようなものが溜まっていた。

チューブの始点を目で追うと、壁際の檻に、クモに似た黒い生物が捕らえられていた。
その生き物は今もまだ生きており、からくりで刺激が加えられ、そのたびに黒いもやのような何かが、ほんの少しずつ抽出されている。
そのもやがチューブをたどり、凝縮されて、終点の瓶にたまっていくのだ。

ボクはまた、モータス教授の授業を思い出した。
魔法に関する生物。たぶん、夢魔だ。人の夢に入り込んで悪夢を見せる怪物。

そうか。あの黒いもやは、悪夢だ。
これ、ボクの持つ悪夢袋を作るための実験装置。
あの黒いもやは、夢魔から取り出された悪夢に違いない。

夢魔は弱っている。
ここにノームたちがいなくなってなお、長い年月、装置に縛りつけられてきたんだ。
夢を食べる魔法的な存在の怪物だから、弱っても死ぬこともできず、ずっと悪夢を取り出され続けてきたに違いない。

悪い魔物には違いないだろうけど、なんだか少し、かわいそうに感じた。
でも、ボクにはどうすることもできない。檻を壊すための道具がない。

・マイトレーヤが仲間なら
・溜まっている悪夢をもらうなら
・3階に上がるなら

そうだ、マイトレーヤに頼もう、という言葉を思わず口に出し、ボクは戸惑う。
マイトレーヤって誰だっけ。今、ボクはひとりだ。

ボクは空になった悪夢袋を、黒いもやが溜まっている瓶に近づけた。
それだけで、瓶にたまっていた黒いもやは消え、空だった4つの悪夢袋のうち、3つがいっぱいになった。
悪夢袋に口がないのに、悪夢が移動していた。不思議で、不気味だ。

ボクは結果に満足して、塔の3階へと上っていった。時計塔が時を刻み続ける音とボクの足音が、静かな塔内に響いていた。

次回、ボクは3階からの風景に目を疑う。


【ミナ 体力点4→3/4 悪夢袋4→3→6/7】
金貨 6枚
銀貨 5枚
歯車 0枚
・ニンニク
<枝分かれの未来時計>選択のやり直しが可能。
<うたかたの齢時計>一時的に年齢を変えられる。
<跳兎の懐中時計>一時的に過去に行ける。
<速撃の戦時計>超スピードで限界突破。
<時もどしの回復時計>時間を戻してダメージをなかったことに。


■登場人物
ミナ・ガーデンハート 主人公。双子の姉を助けるため、時を操る魔法を手に、還らずの森へと踏み込む。
エナとティナ ミナの双子の姉。ミナの双子の姉たち。還らずの森の吸血鬼の貴族に売られたという情報が。
ニナ・ガーデンハート ミナの長姉。ネグラレーナの盗賊ギルドに所属している。
モータス教授 魔法学校のミナの先生だった人物。禁断の時を操る魔法を開発する。
ボラミー 森の外縁の村にいた女剣士。確かな腕前を持つ。
ねこ人 黒ねこ人の旅人。希少種族。
ネフェルロック 闇エルフの隠れ里の長。ミナの力の源を欲している。
オスクリード 闇神。魔法の時計を動かすには、オスクリードの加護が必要となる。


■作品情報
作品名:狂える魔女のゴルジュ
著者:杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/4897513


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2025年9月16日火曜日

ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います2!! FT新聞 No.4619

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「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います2!!」
(中山将平)
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 ……おはようございます!
 「カエルの勇者ケロナイツ」という絵のシリーズを個人的に描いているイラストレーターの中山将平です。
 最近それと関連するイラストをいくつか描いていまして、カエル人について考えた様々な設定と共にオールカラー本文20ページ程度の書籍2冊にまとめようと動いています。
 (ケロナイツはいま全部で24体のカエル人のシリーズで、1冊に12体ずつ紹介が入る予定です。暫定的に2冊をそれぞれ【祭事編】【職業編】と呼んでいます。)
 先に「汎用異種族設定」という形でこれらの本2冊を展開し、その後TRPGとして遊べるルールやシナリオをまとめた本を用意しようかなと。
 初めの2冊は、できれば今年の12月か、来年の1月に完成したいと考えています。

 さて、先日ローグライクハーフについて書いてみたら、予想より楽しんでいただいている声を見かけたので、続編を作成してみました。
 題して「ローグライクハーフ、僕はこれ強いと思います2!!」!
 ええ、まさにそのまんまですね。
 今回も、僕がローグライクハーフについて感じていることをつらつらと書いてみようと思います。
 このゲームをこれから遊ぼうと思われている方や、既に楽しまれている方にとって有益な記事にできるよう努めます。

 それでは、今回も具体的に3つ見ていきましょう。

◆ 恐れるべきは【死ぬまで戦う】敵
 まずお話したいのは、【死ぬまで戦う】クリーチャーには最大の警戒が必要……具体的には、【逃走】を選択する方が賢いかも知れないというお話から。
 
 RLHの戦闘について、「どんな特徴があるか」と尋ねられたら、僕はおそらく真っ先に「相手の数か生命点が半分以下になると、敵が逃げるという特徴があります」と答えると思います。
 それだけ重要なことのはずなのに、この敵の【逃走】って、1人プレイ時に見逃されがちなルール第一位ではないでしょうか。
 既にプレイされている方には分かっていただける通り、このルールを無視すると冒険はとてつもなく危険なものになるはずなので、ぜひご注意いただけましたら。
 敵が8体出現しても、このゲームにおいて本来倒すべき数はそのうち4体にすぎません。
 主人公1人+従者でのプレイを想定すると、相手のレベルが4でも4体くらいなら第1ラウンドで倒しうると思います。
 相手が強そうでも、実際は無傷で倒せる場合が多いゲームなのです。

 しかし、それは相手が本当に【逃走】するなら、というお話。
 【死ぬまで戦う】クリーチャーは、【逃走】しないので、数が半分以下になっても反撃してくるわけです。
 しとめそこなった敵の反撃が痛い……!!
 あまりにも痛いのが、RLHだと僕は感じています。
 なんと言っても、従者のほとんどは1ダメージで死んでしまうのです。
 従者が倒れると、主人公側の攻撃回数が減り、露骨に攻撃の力が減ってしまいます。
 こうなっては、強敵と対峙した際に手も足も出なくなってしまうことは必然。
 
 逆に、【死ぬまで戦う】という特徴を持たない強敵(レベルが高い敵)って、いわゆる「張り子の虎」になりうるものだと思っています。
 主人公の副能力点があまりないときに出会うと苦戦を強いられるため逃げるべきだと思いますが、そうでなければ相手の攻撃で生命点を大きく削られる前に、敵の生命点を削って逃走させられる場合もよくあるはずです。

 そういうわけで、僕は【死ぬまで戦う】敵を、かなり警戒が必要な恐ろしい相手(主人公サイドの生命点を多く削りうる相手)と位置づけています。
 場合によっては、主人公側が【逃走】を行っても全く不思議ではないと思います。

◆ 剣士と太刀持ちはとても強い
 次に、従者のお話を少し。
 というのも、ぜひ声を大きくして「剣士」と「太刀持ち」がとても強いということを叫びたいのです。
 
 言わずと知れたことではありますが、「剣士」は単純に「兵士とは次元が違う強さ」を持っています。
 技量点が1ということは、攻撃ロールだけではなく防御ロールにも、そしてその他のほとんどの判定ロールにも修正+1を適用できるということ。
 それだけのことがどれだけ強力か、もし使われたことがなければぜひ試してみていただけましたら。

 「太刀持ち」も、使ってみるときっと「強すぎる」と思えるはずです。
 前回、第0ラウンドにおいて片手にスリングを装備して攻撃するお話をしました。
 「太刀持ち」がいるなら弓矢で攻撃し、第1ラウンドに両手剣に持ちかえという選択肢があるのです。
 この動きが、どれほど攻撃の力をアップさせるか。
 弓兵を雇って第0ラウンドに遠距離攻撃、第1ラウンドに持ち替えで攻撃できないという動きより、強力な選択肢となりうる場合が多いと思えてなりません。
 それは、ローグライクハーフの戦闘が「本当に少ないラウンドで終わるように作られている」と感じているからです。
 実際、従者さえたくさんいるなら、第1ラウンドまでに大勢が決する場合も少なくないのではないでしょうか。
 もし多くの戦闘において第1ラウンドまででほぼ決着がつくなら、第2ラウンド以降に攻撃の手が増える「弓兵雇い」より、この「太刀持ち雇い」が強力だと感じます。

◆ ランタン持ちが倒れたら、自らランタンを持つべし
 最後に、すごく単純なことなのによく忘れられる(と僕が思っている)ルールをもう1つ。
 それは、ランタン持ちが倒れた場合に、自らランタンを持つというお話です。
 
 よく考えると、ランタンは初めから所持品に含まれていますので、捨てなければ誰でも持っているはずです。
 闇の中で戦って全員がペナルティを負うより、主人公の片腕をランタンに使う方が有利である状況が非常に多いことは、想像に難くないのではないでしょうか。
 ちなみに僕自身は、このプレイングをするために、「両手武器」を手に持つ主人公に「片手武器」を携帯させることが多々あります。
 僕の使っている戦士「輝く斧のレジナルド」は、黄昏の騎士の冒険で魔法の両手斧だけを武器に持ち歩き、ランタン持ちがトラップで死亡してひどい目に合ったことがありました。
 このプレイングのリプレイを書いてみたいと考えているのはまだ秘密です。

◆ 好評だった場合また書きます
 さて、今回はこれくらいにしておこうと思います。
 また、もしお声があれば続きを書くかもしれません。
 
 それでは、よきローグライクハーフ・ライフを。


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2025年9月15日月曜日

近況報告☆ FT新聞 No.4K 618

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
季節の変わり目で、また咳ぜん息が出てしまいました。
医者に行くのが苦手な私ですが、今回はがんばって即日、吸入薬をもらいに行きました。
本日の記事は、いわゆる近況報告です。


◆シナリオ執筆の進行。
新興宗教の教祖を討伐する「ローグライクハーフ」最新d66シナリオ「死霊沼の聖母」を、紫隠ねこさんと執筆中です。
少しずつカタチになってきて、気持ちがハッスルしています。
実を言いますと私の大学時代の所属学部は神学部でして、卒業論文のテーマは新興宗教でした。
今は古典宗教として親しまれているキリスト教であっても、その初期の段階では新興宗教の要素を多分に含んでいたことや、日本の新興宗教の戦略分析などを書きました。
今回のボスである「教祖アスタロス」は、私にとって「いつか書きたい存在」だったように感じます。


◆秋冬の新刊、どうしようか?
FT書房から刊行する秋冬の新刊をどうしようか、というお話です。
いくつか候補があったのですが、「モンスター!モンスター!TRPG」からは「ケン・セント・アンドレによるモンスターラリー モンスター編」を出したい、出せたらなと思っております☆
「モンスター!モンスター!TRPG」はまさにこれからの作品で、その中核をなすサプリメントが出せれば、私たちも後押ししていきやすくなります。


◆「ローグライクハーフ」は!
「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の新刊も、しっかりと準備を進めております。
目玉となる作品は【悪の種族】などで遊ぶことができる「ヒーローズオブダークネス」!
シナリオの新刊は蛮族都市フーウェイを舞台としたd66シナリオ、水波流著「常闇の伴侶」と、中山将平による「クトゥルフ×ローグライクハーフ」の「クトウルウゥの聖なる邪神殿」を予定しています☆


◆「戦場の風」にココフォリア部屋が!
お陰さまで好評の電子書籍版のd33シナリオですが、オンラインで遊びやすいココフォリア部屋を、追加コンテンツとして搭載いたしました!
すでにこの作品を購入済みであれば、無料でダウンロードすることができます☆
ココフォリア部屋は1人で遊ぶこのゲームであっても、使うとより楽ちんに遊ぶことができる優れものです。
購入された方で、まだこの追加コンテンツをダウンロードされていない方がいらっしゃるようです。
このお知らせでお気づきになられましたら、ぜひダウンロードしてみてください!



◆これからの動き☆
秋冬になる頃、私は東京に出張して、ある方にお会いして来ようと考えております。
目的は、「ローグライクハーフ」のd66シナリオ「昆虫都市」のイラストを、お願いするためです☆
こちらも、また進捗をご報告してまいりますね。

それではまた!



↓「ローグライクハーフ」電子書籍版d33シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/7261223



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2025年9月14日日曜日

アランツァクリーチャー事典 Vol.20 FT新聞 No.4617

おはようございます。
FT新聞編集長の水波流です。

本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
杉本=ヨハネから預かりました、アランツァクリーチャー事典の第20回です。

今回のジャンルは『水中』!
魚介類が中心です。
どうぞお楽しみ下さいませ。

アランツァクリーチャー事典『水中』
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/AranciaMonsterEncyclopedia_vol.20.txt

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2025年9月13日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第657号 FT新聞 No.4616

From:水波流
日曜日は、拙作のローグライクハーフd33シナリオ『汝、獣となれ人となれ』を配信いたしました。
フーウェイ地方の冒険については、続いて一つアイデアを形にしているところです。次はd66シナリオになると思います。
季節は秋。ハルト川の流れを海からの水が遡る現象が襲う。海の怪異に乗じて妖精界の狭間が揺らぎだす……そんな話です。
そろそろ〈太古の森〉ではない場所も書きたいなぁと思いつつ。

From:葉山海月
さりげなく見たファンシーなポーチに書かれている400dって誰のことでしょうか?
正解はpooh! くまのプーさん!
そう! 手書きの文字を逆さに読んだだけでした!

From:中山将平
僕らは明日9月14日(日)インテックス大阪で開催の「文学フリマ大阪13」にサークル参加します。
1人用TRPG『ローグライクハーフ』や『ゲームブック』などを扱います。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
配置【かー14】にて僕中山がお待ちしております!


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(く)=くろやなぎ
(明)=明日槇悠
(葉)=葉山海月
(天)=天狗ろむ

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■9/7(日)~9/12(金)の記事一覧
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2025年9月7日(日)水波流 FT新聞 No.4610

ローグライクハーフd33シナリオ『汝、獣となれ人となれ』
・今月お届けするローグライクハーフの新作は、水波流氏による蛮族都市フーウェイを舞台とするシナリオで、『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』に続く3作目となります。
その特徴のひとつは、前2作と同様の「物語の分岐」。ダイスの出目とあなたの選択が、冒険の結末を左右します。
また、中間イベントを境に場面が【昼】から【夜】へと移行し、できごとの内容が変化するのも大きな見どころです。コンパクトかつ重層的なd33シナリオの世界を、心ゆくまでお楽しみください!
(く)


2025年9月8日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4611

ゆるやかに考えている新作の話
・いまFT書房では「ゲームブック」「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ(RLH)」「モンスター!モンスター!TRPG」の3つの柱を中心に、作品を展開しています。
杉本氏の新作としては、ゲームブック「昆虫都市」、RLHのシナリオ「死霊沼の聖母」の執筆が進行中です。
それに加えて、ふたつのアイディア。ひとつはクトゥルフ系ゲームブックを作ったときのような「延長線上」のアイディア、「現代怪奇×RLH」!
もうひとつは、「90分で遊ぶ多人数用TRPG ローグライクハーフ(仮)(RLH90)」。RLHを、3人以上でも遊べるように拡張するというアイディアです☆
これまでの道のりには、長いトンネルもございました。しかしFT書房ではこれからも、「新しい何か」を作っていきます。
気長に、しかし楽しみにしていただけましたらさいわいです!
(明)


2025年9月9日(火)田林洋一 FT新聞 No.4612

『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.9 
・田林洋一氏による、1980年代半ばから1992年の間に東京創元社から刊行された「スーパーアドベンチャーゲーム(SAGB)」の一連のゲームブックの解説記事です!
今回は超上級者向けのシリーズ「ユニコーン・ゲームブック」を主に扱います。
ストーリーや物語以上にきめ細かい探索と自由な行動や戦闘を楽しむことを目的に執筆されたように感じられる本シリーズ。
そのツボは、その自由度とマッピングの方法にあり!?
一味違う趣向を凝らした、いたれりつくせりのマッピング技法。
どこをどのように通っていっても最終的にクリアできるようになっているその自由度。
この二つをメインに、深く掘り下げてまいります。
(葉)


2025年9月10日(水)ぜろ FT新聞 No.4613

第4回【狂える魔女のゴルジュ】ゲームブックリプレイ
・プレイヤー視点とキャラクター視点を交えた独特の語り口による、ぜろ氏のリプレイ第455回。
前回、村人たちの敵意にさらされ、押しつけられた決闘から何とか逃げだした主人公ミナ。予期していた仲間を得られず、ひとり疲れ果てたミナは、森の入口で少数種族「ねこ人」の旅人に出会います。
ひとときの交流と穏やかな夜を経て、ミナはいよいよ森へと足を踏み入れますが、そこには真っ赤な瞳でこちらを狙う「吸血獣」の姿が…!
危険な森を進むミナの戦いと選択を、どうぞ見届けてください。
(く)


2025年9月11日(木)東洋夏 FT新聞 No.4614

ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.5
・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、
東洋夏氏による「写身の殺人者」リプレイ第5回目です。
北方都市サン・サレンを脅かす、「自分の姿をした何かに殺される夢を見た者が、実際に殺される」奇妙な連続殺人事件。
件の悪夢を見てしまった聖騎士見習いの少年シグナスと、喋る「おどる剣」クロによる捜査が続きます。
今回は被害者の家と、墓地へ向かった二人。これまで「手がかり」は残念ながら1つもゲットならず。
今回は果たして上手くいくでしょうか……!
徐々に真相に近づきつつある、今回のお話もお見逃しなく!
(天)


2025年9月12日(金)丹野佑 FT新聞 No.4615

Re:選択肢と描写@20代からのゲームブック121 
・本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』。
元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。
(2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412)
お話には起伏やリズムがあります。
盛り上がるシーンには濃密な描写、描いていてダレる場面はあっさりとした描写。
ゲームブックの場合、そのリズムを「選択肢」で担うことができるのではないか?
丹野氏の考察、どうぞお楽しみください。
(葉)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ジャラル アフサラールさん)
ユニコーン・ゲームブックは他のブログで指摘されていた人もいますが、ゲームブックの原点であるTRPGを意識したシステムですね。まあ別会社の「ユニコーン」で『幻のユニコーンクエスト』ほどTRPGよりではないですが。

(お返事:田林洋一)
 毎回のお便り、本当にありがとうございます! はい、確かに「ユニコーン・ゲームブック」はTRPGの色が濃い作品だと思います。その意味で自由度が非常に高く、探索の楽しさを存分に味わえる力作です。ただ、ストーリーが置き去りにされているような印象はどうしても拭えませんが…。私は『幻のユニコーンクエスト』は所持しておりますが未プレイでして、改めて勉強したいと思います!


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2025年9月12日金曜日

Re:選択肢と描写@20代からのゲームブック121 FT新聞 No.4615

FT新聞編集長の水波流です。
本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』
元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。
(2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412)

☆★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★☆
(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメントは全て当時のものとなっております)

 おはようございます。丹野です。
 七月も半ばになりました。先日、セミの抜け殻……ではなく、幼虫が必死に土の上を歩いているところを発見しました。
 これから脱皮するために地面を這っていい木を探すのでしょう。もう本格的に夏なんだなあ、と感じました。


■描写について
 今更の話ですが、お話には起伏やリズムがあります。
 たとえば、主題とあまり関係ない、ただ歩いているだけのシーンを長々と描写していると、明らかにダレてきます。逆に、作中で最も重要なお宝を手に入れるシーンや、敵を倒すシーンを短く、あっさり描写してしまうと、味気なく感じてしまうものです。
 かといって、重要でないからと言ってなんでもはしょってしまうと世界観が描かれていない急ぎ気味の印象になってしまいますし、派手なシーンだからといって長々と文章を書いていても疲れてくるものです。
 展開や描写に応じて、その描写をどれぐらい書き込み、どんな勢いで見せるかを考えるのかが大事なわけですね。

■選択肢による描写
 さて、ゲームブックでは、省略するのは簡単です。パラグラフとパラグラフの間で流してしまえばいいわけです。酒場から「森へ移動する」という選択を読者が行うことが、一種の描写になっているわけです。逆に、酒場から森に移動すると選んだのに、村の出口での描写が始まったらそこで何か起きるんだな、と感じますよね。
 では逆に、重要なシーンはといえば、こちらもやはり選択肢を上手に使うのが大事なようです。
 ゲームブックなのに、プレイヤーの選択と関係なくパラグラフの途中で敵を倒してしまったらかなり驚きますが、あまり面白くは感じないでしょう。やはり、重要な敵との争いや、重要な局面では、それに見合った選択肢があってほしいものです。

 さらに言えば、そこが重要な局面であるほど、その選択肢も特別なものであるべきでしょう。
 特定の条件を満たしていなければ選べなかったり、一見存在しないように見える選択をパラグラフジャンプによって行えなかったりすると、その選択肢自体が「特別な意味」を持ちます。
 これによって、通常では選べないような、特別な決断や奇跡的な出来事が描写されるわけです。
 常にそうあるべきだ、というわけではありませんが、選択肢自体が重要な描写になっているというのは、ゲームブックならではの特徴といえそうです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!

FT新聞編集部一同

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