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2026年8月5日水曜日

第2回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4942

第2回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 討伐船を賜った貴族ハーツデイルを船長に、まずは海域を封じる海賊の討伐に向かいます。 コビットの船員たちに、熟練の女性砲撃手ニーナと、新米砲撃手のポール青年を加え、ヴァルグが命名した「クラーケンぶっ殺し号」はビストフを出航するのでした。 【ヴァルグ レベル18 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル8 技量点1 生命点7 筋力点3 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック01-3 洞窟の星空【ハルト】 航海初日はなにごともなく過ぎた。 海賊船は、マドレーン海域からエメラルド海を抜ける船舶を狙ってくるらしい。 その動きをしているのはまさにこの「クラーケンぶっ殺し号」なんだけど、クラーケン対策で重武装をしている船を狙ったりするものなんだろうか。 なんにせよ、マドレーン海域を抜けるまではもう数日かかるみたいだ。 オレにとってこれは2回目の航海だ。 ビストフに来たのがはじめての航海。初日は「船酔い」ってのに苦しめられたけど、今回はない。 慣れてきたんだろうか。 こないだの、師匠の不吉なふたつ名を知ってから、なんとなく師匠のそばに居づらくってオレは、甲板で火吹き獣のヒースにかまっていた。 そこにひとりのコビットが話しかけてきた。 「火吹き獣、名前はヒースっていうんだ。じゃあ、ひーちゃんかな」 「ヒースは、ヒースだ」 「いいねえ火吹き獣は。料理のときには火起こしいらず。一家に一台、おじさんも欲しくなっちゃう」 それはコビット船員たちのチーフをしている人物だった。白髪白髭のコビット。 あんまり聞きなれない名前だった。たしか白奴(しろやっこ)っていったっけ。 「そうそう、よく覚えてたねハルトちゃん」 かなり軽薄な口調だ。コビットってみんなこうなのかな? で、オレに何の用なわけ? 「やあ退屈だから話し相手になってほしくってさあ」 この人、船員たちの監督役のはず。暇してていいんだろうか。 「おじさん海賊退治もクラーケン退治もしたことあんだけど、腰をやっちゃってね。戦力外通告受けたんで、指示だけ出してればいいチーフになったってわけ」 本当なのかどうなのか、わからない軽さだ。戦力外って言いながら、腰には変わった剣を帯びているし。 「あ、コレ『カタナ』っていう東方の武器。オシャレなイケオジ感が爆増するやつ」 オレが白奴のことをいまいちはかりかねていると、コビット船員が白奴に報告にきた。 「チーフ、島が見えた。洞窟があるって報告したら船長が、上陸してみるって」 「え。そうなの? じゃあ、ちゃっちゃと準備すすめちゃって。ハルトちゃんも探索、よろしくね」 どうやら、上陸して探索するのは、オレや師匠の役割みたいだった。 **** 「ギャウッ」 ヒースに火をつけてもらい、ランタンを右手に洞窟に入る。 「ほう。これは便利だな」 オレと師匠、数人のコビットのほかに、なぜかハーツデイル船長もついてきていた。 加えて言えば、白奴もいる。本当にヒマなのかな? 船にまとめ役誰もいなくないか? 「発見した島を探索するのは、海賊の隠れ家の可能性があるためだ。物資や財宝があれば接収する」 船長の説明は、たぶん海洋探索慣れしていない師匠やオレ向けだ。 「ようするに金目当てってことか」 「重要な資金源だ。君たちの取り分にも影響する。あと、君らの実力を間近で見るいい機会という理由もある。心配しなくても、自分の身くらいは守れるとも」 「チッ。誰もテメエの心配なんざしてねェ」 「私の実力を認めてくれているということだね」 涼しい顔で受け流されて、師匠はやりにくそうだ。 「誰かが住んでた痕跡はあるね。でもだいぶ昔のものだ」 ランタンに照らされた壁面を指でなぞりながら白奴が言う。平らな壁面の凹凸が、人為的に作られたものに見えなくもない。 やがて洞窟は、広い空間に出た。ランタンに照らされたそこは、半球状のドームみたいになっている。天井にはちらちらとまたたいているものが見えた。 ヒカリゴケの一種かな? 「ここで行き止まりか。特になにもないようだな。撤収するとしよう」 「いや待って。ハルトちゃん、ちょっとランタン消してくんない?」 白奴がなにかに気づいたようだ。 オレはよくわからないまま、ランタンのシャッターをおろした。 辺りが闇に包まれる。 すると天井に、星空が浮かび上がった。 星と星の間を光る線が伝い、さまざまなものを形づくっている。 それが天井を覆い尽くしていた。 「星図か、これは。そして星座……。なんと見事な」 船長が感嘆の声をもらした。 オレも同じ気持ちだった。わけはわからないけれど、心を動かされるなにかがあった。 自分の存在が、抱えている悩みや苦しみが、ものすごくちっぽけなことのように感じられた。 「魔導羅針盤が当然になる前は、みんな星を見て航海してた。今も地元の漁師たちはそうしてる」 白奴が説明してくれる。 オレたちはその光景に、しばし見とれていた。師匠だけは、興味なさそうにあくびをしている。 「ドーム型の天井に星の形に光を配置するとは、どれほどの価値があるものか。持ち帰れないのが惜しいな」 やがてハーツデイル船長が後ろ髪を引かれるような感想を述べ、オレたちは船へと戻った。 [プレイログ] 【34 洞窟住居】 この光景を見た者は、次の冒険で最初から手がかりを1つ持っていることにできる。 ●アタック01-4 呪いと財宝【ハルト】 船へ戻ったら、新たな報告があった。 島の反対側に、建物を発見したという。でも、決める人が誰もいないから困っていたらしい。 ほらやっぱり。船の主要メンバー全員で上陸するのってどうなんだって、オレだって思ってたもん。 「今日はもう遅い。明日にしよう」 船長はそう判断をくだした。この島にはもう一日滞在するみたいだ。 そうして次の日。 オレたちは再び島に上陸した。 今度は白奴は留守番だ。長い距離を歩くのはキツいって言ってた。 けど、船長は今回も同行するみたい。あとはコビットの船員が数人ついてくる。 島には危険な魔獣などが出ることもなく、オレたちは、たやすくその建物のところに来ることができた。 白い壁のそれほど大きくない建物。けれど壁や屋根には意匠がほどこされていて、偉い人がいるような、気品みたいなのが感じられた。 「霊廟……だな」 船長が言った。 「霊廟って?」 「偉ェ奴の墓だな」 師匠がざっくり説明した。 もしかして、あの洞窟の星空を作った人たちだろうか? 「こういう場所には遺産が眠ってることも多いって聞くぜ。入ってみるか?」 「ああ。そうしよう」 師匠と船長はうなずきあって、方針を決定した。 霊廟の入口を開く。中から、ひやっとした空気が流れ出てきた。 オレはまた、ヒースにランタンの火をつけてもらうと、右手で持った。 冷たい無機質な廊下へ一歩踏み込む。空気の温度が、さらに一段階下がった。 厚手のマントをしているのに、寒気がする。 この空気、なにか、よくない気配を感じる。 ランタンに照らされ、すうっと透明な人影が明滅した。 宙に浮いている? すいっと移動してきたそれは、言葉を発することもなく接近すると、オレをすり抜けた。 その瞬間、全身の力が抜けるような感覚がして、思わず膝をついてしまう。 その透明な影はそのまま、後ろの師匠をも通過した。師匠もオレと同じ感覚に陥ったみたいだ。 「チィッ。実体がねェ奴か。厄介だな」 その影はさらにハーツデイル船長に向かう。師匠は全身の力をこめ直すと、後ろから透明な霊体に斬りつけた。 声にならない苦悶の表情を浮かべながら、霊体は霧散した。師匠はそのままがくんと膝をつく。 「ぐ。不意打ちとはしくじったぜ」 「助かった。その剣は実体のないものまで斬れるのか」 「悪魔とか死んでるヤツとかに効くすげェ剣だからな」 師匠はなんとか立ち上がる。 「こいつァ呪いだな。やべェの食らっちまった。ハルト、テメエは大丈夫か?」 「あ、うん。問題なさそうだ」 実際、身体の力が抜けるような感覚はもうなかった。 「そうか。あっちの呪いが強力すぎるせいかもな」 それよりも師匠だ。師匠も、呪いにおかされてしまったってこと? 「心配ねェよ。この程度の呪いなら、ビストフに戻ってどっかの神殿で【祝福】でもかけてもらやァ一発だ」 「そうか。幸い出航して日も浅い。今ならいったんビストフに戻ることも」 「必要ねェ。この程度、敵が海賊ごときなら、なんの問題もない。それよりも、だ」 師匠は高らかに宣言した。 「アレが俺らを妨害したってことは、ここには財宝がある。俺に呪いをかけてくれたツケは、宝で払ってもらうぜ。もう何の遠慮もいらん。全部持ってけ」 コビットの船員たちがわちゃわちゃと動き出す。 たちまち地下への階段を見つけ、石棺のある玄室にたどりついた。 棺のまわりには、さまざまな財宝がならべられている。 コビットの船員たちは、先を争うように財宝を集めていった。 「ここまで完璧に近い形で財宝が残されているのも珍しい。これは君たちの取り分だ」 財宝の回収が終わるころ、ハーツデイル船長はオレにひとつの彫刻をくれた。 それは黄金色の、カニのような形をしていた。 「カニ……?」 「星座のひとつをかたどった彫刻だ」 受け取ると、ずっしりと重い。 「ナニをもらっても呪いの代償には見合わねェが、もらっとけ」 「うん」 オレは出航前、師匠のふたつ名を巡る会話のときから、勝手に居心地の悪さを感じていた。 けど、師匠の方はまったくいつもと変わった様子もなかった。 そうか。そうだな。 オレちょっと、気にしすぎだったかもしれない。だいたい、ウジウジしてるのは性に合わないし。 忘れるわけじゃないけど、いずれまた、機会があれば、はっきりさせればいいさ。そうしよう。 [プレイログ] 【36 貴人の霊廟】 対魔法ロール、目標値5の判定に失敗すると、呪いにより攻撃ロールにマイナス1のペナルティがある。 ヴァルグ サイコロの出目2+技量点2 4で失敗。呪いを受ける。 ハルト サイコロの出目6 クリティカルで成功。 霊魂の撃破は演出によるもの。 財宝発見ロール(目標値7) ヴァルグ サイコロの出目6 クリティカルで成功。 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費)を入手 ●アタック01-5 ニーナの提案【ポール】 その島は星島と名づけられ、航海図に書き込まれた。 上陸した人たちは、洞窟の天井に描き出された美しい星図の話や、莫大な財宝を持ち帰ってきた。 聞けば聞くほどうらやましい。私も行ってみたい。特に星図は見たい。 「あーあ、あたしも見てみたかったな、星図の洞窟」 砲座の掃除を行いながらニーナが、まさに今、私が思っているのと同じ感想を言った。 「やっぱり君も、興味あるんだ」 「そりゃ船乗りだもの。あるに決まってるでしょ」 そして声をひそめて言うのだ。 「ねえ、この船は明朝には出ちゃうでしょ。今夜、こっそり見に行ってみない?」 「ええ?!」 「島に危険な魔獣は出ないみたいだし、こっそり行けばバレないでしょ」 「い、いやでもそれは……やっぱり、夜は危険、だし……」 私はうろたえつつ、そう答えるのが精いっぱいだった。 「それもそっかぁ。ごめん忘れて。見たかったなぁ〜」 ニーナはあっさり引き下がったが、私はその後しばらくドギマギしてしまった。 彼女は本気で星図を見に行きたかっただけだろうか。 それとも……いやいや、軽口だったに違いない。私を誘ったのだって、ただ人畜無害って思われてるだけだ。 そんなことを考えて上の空になっていたらニーナから「ほら、手を止めない」と軽く叱られてしまった。 ニーナが先に上がった後も、私はその場に残ってぼーっと考えごとにふけってしまうのだった。 翌日。 星島を出てからの航海は、順調に進んだ。 途中出会った商船とは物資の取引をした。 ヴァルグは交渉して、船酔いに効く薬を手に入れていた。 こっちからは特になにも差し出しておらず、一方的に受け取っているように見えたが、いったいどんな交渉をしたんだろう? 「売り物ならあるぜ。俺ァな、名前を売ってんのさ」 ヴァルグはかなり名の知れた傭兵で、国レベルの依頼が引く手あまたらしい。 たしかに今回も領主じきじきの依頼、クラーケン退治だ。説得力があった。 次の日には、人のような魚のような少数種族「末裔」に遭遇した。 海の中から顔をした3体の末裔たちは、こちらの出方を伺っているようだった。 こちらも手を出さないでいたところ、やがて波間に消えていった。 海では、こうした不意の遭遇がしばしば起きる。 見張りがなにごとかを発見した。 指し示した方角を見ると、船の左舷の海面が盛り上がり、海中から船が出現した。 水の中を進む船というものを初めて見た。 ハッチが開き、中から出てきたのは海棲種族だ。 人魚のようだが人魚でない。ウロコに覆われた足がある。 「マーフォークは、この海域ではポピュラーな種族なんです。ビストフとも親交があるんですよ」 私は、警戒モードに入っているヴァルグとハルトにそう説明した。 それでも二人は油断を解かない。当然といえば当然だ。 マーフォークが種族的に友好的な関係を築いているといっても、ここにいるマーフォークが友好的とは限らない。 そのマーフォークは、水中戦のハッチのところで、なにごとかを話した。 しかし、言葉が通じない。通訳が必要だ。 「師匠、わからない?」 「訊く相手間違えてねェか?」 ヴァルグとハルトはもちろん、ニーナも首を横に振る。 言葉が通じないと理解するや、マーフォークは身振り手振りで熱心になにかを訴えかけている。 「なにごとか」 そこへ、ハーツデイル船長が出てきた。簡単に事情を説明する。 「通訳できる者がいないのか……」 「どぉれ」 船長についてきた、コビットたちのチーフ、白奴が進み出た。 そしてなんと白奴は、身振り手振りでマーフォークとコミュニケーションを取り始めたのだ。 私たちは、その様子をかたずをのんで見守るしかない。 マーフォークと白奴、二人のジェスチャーはだんだんと熱を帯びてゆく。 なぜかスピードも上がり、白奴に至ってはダンスをしているようにすら見える。痛めた腰は大丈夫なのか? やがて、二人ははかったように、ぴたりとその動きを止めた。 まるで一流のパフォーマンスを見せられたよう。思わず拍手を送りたくなる動きだった。 白奴が、おもむろに振り向く。そして言った。 「さっぱり、わからんかった」 それには、その場にいた全員が、盛大にずっこけたのだった。 マーフォークは、明らかにがっかりした様子で、別れを告げるポーズを取ると、ハッチの中に戻っていった。 これまでのジェスチャーはわからなかったけれど、その様子だけははっきりと理解できた。 そしてハッチが閉じると、マーフォークの船は潜航していった。 次回、クラーケンぶっ殺し号が、海賊船と激突?! [プレイログ] 【12 平穏のポーション】 器用度ロール 目標値4で入手可能 ヴァルグ サイコロの出目3+技量点2=5 成功 平穏のポーション(船酔い回復、対魔法ロール+2)入手 【26 末裔】 3体出現。レベル5。 反応表 サイコロの出目1 中立 【中間イベント】 マーフォークの潜水船。 従者に〈案内人〉を連れている場合、会話ができる。 いない場合、コミュニケーションが取れず、去ってゆく。 【ヴァルグ レベル18 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】20 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) ハチミツの塊2(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】0 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【備考】呪いにより攻撃ロールにマイナス1 【ハルト レベル8 技量点1 生命点7 筋力点3 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】43 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) 平穏のポーション(船酔い回復、対魔法ロール+2) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】0 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 白奴 ホビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月4日火曜日

これはゲームブックなのですか!? vol.136 FT新聞 No.4941

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.136  かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■  さーて、取り出しましたるものは。一冊の写真集。  タイトルは『うたかた』  なんでも「熱海の今」を、この本を編んだ編集長自体が作り上げた、風景写真集らしいんだけど……。  今回取り上げるものは、ゲーム『人が消える街』(SCRAP出版)よ。  本、そして、パソコンによる謎解きゲーム。  少なくとも本年度「ここまで秀逸なアイディアはなかったで賞」あげちゃいたいくらい傑作!  一ページ目をくる。  なんかかわいらしいモデルさんが、JR熱海の駅に来たところから始まる。  で、街並みを見たり、名産品を食べたり、なんか普通のガイドブック?  みたいな感じがする。んだけどね。  あれ? なんかさりげなくモデルさん、男の人とあってたりするぞ。  で、いつの間にかモデルさんは消えている!?  出ているのは、街とそのモブだけ?  あれ? これって観光促進ガイドなの!? と思っていたら、突然堤防に向け、足跡が続いて、なんか魚釣りのケースが、写真のはじでぷかぷか浮いてるシーンで終わる。  ねぇ、これって……。  そして、ほんとゴミみたいにちっぽけに映っている、水面に浮かぶあれは!?  で、この『うたかた』って作品には、クイズキャンペーンがついているのよね。  ほんと、某大手リサイクルショップをほうふつさせる、黄色と青いロゴがやさしい印象を与えるアレ。  いい意味で、折りこみチラシのように安っぽい!  モキュメンタリーと言いながら、かなり雰囲気を出しているじゃない!?  しかも、特賞は「この本の編集長」とビデオ会話できることじゃない?  ハワイじゃなくても、ここは「熱海旅行」へご案内!? とかしてほしいナ。  だけど、本だけ眺めていても、らちが明かない。  一日中意味のない写真集と向き合うわけにもいかない! ってんで、チラシに明記されているサイトへ!  すると、ブラウザが立ち上がり、クイズキャンペーンのページへ!  早速、問題が! 「この写真集がとられた日はいつ?」  あなたは、回答を求めるために、なじみの掲示板に顔を出す……。  だけど、どこにもこの写真集を取られた日が明記されているとこなんてないじゃない?  と、なると……。 「現場百辺!」  写真集の中に、さりげなくホラ!  という具合に、写真集の中から、ヒントを得て、回答を出して、次へ進む。  それを繰り返して、真実にたどり着くんだけど、ほんと、これが「ウォーリーを探せ!」なみに、この80ページにも満たない写真集という迷宮を行ったり来たりする。  コツはね、ゲームに入る前に、写真集を熟読すること!  ただぼっと「見て」たらとてもじゃないが追っつかないよ。「観察」するのよ!  すると「あれ? この人、こことここのページに出ているんだけど」「気付かなかったけど、このオブジェは何?」という「違和感」が立ち上がってくるはず。  かなでは「本ゲームは写真から手がかりを得て推理する」ゲームだと身構えていたので、先にこういう「下調べ」をしたんだけど、おかげでスムーズな謎解きの一役を買っているわ!  で、この「捜査過程」が、雰囲気抜群!  オンライン上のみで話が進む「安楽椅子探偵」方式を逆手に取り、スレッド、資料となるサイトの作りこみがバッチリ! 特に、事件にかかわるサイトは、いちいちフェイクのサイトにブックマークされるんだけど、思わず「本当の」かなでパソコンのブックマークを開いてしまうほど、リアルよ!  で、謎も一筋縄では解けなくなる。  殺害現場を見て、部屋を割り出す。  ある大切な証拠品がどこにあるか推理する。  など「観察力がすごい」だけではダメ、な本格的推理ゲームになっている! イイね!  で、一見、「無意味な風景を映した無駄なページ」が、あとで重要な手がかりとなってくるとこなんか、常にゲームに緊張感を醸し出しているわ!  で、どうしても分からない! ってあなたもご安心!  ヒントが段階的に表示されていき、最後には答えが出る親切仕様!  面白いのは、自分で何か「単語」を入れないと答えが出ないところ。  これって、コマンド方式が無かった、初期のパソコンアドベンチャーゲームに似ていない?  正しいコマンド=単語を頭に汗かきながらひねり出す。 「答え」がわかっているのに、今一歩踏み出せない。  特に後半では、「何やっていいかわからない」ことが出るんだけど……。  これ、「今の時代だからこそのオンラインでの進め方」をしなくちゃいけないのよね!  コマンド入力という枠を離れた発想。  これこそ、「今というネット世界」を反映していると、かなで雷に打たれたような気が!  そして「意外な答え」というのが、終盤の謎。  これまた、ゲーム「ブック」=「本」でなければ答えが出ない独特の回答法!  つまり、オンラインと本。それぞれのいいとこ取りをした謎解きが、ギュっと詰まっている!  プラスね、この本のいいところ。  それは「出題者の意図した回答」以外でも、答えが出せるというとこ。  さっき言った終盤近くのヤマの謎。  これも、謎自体は解けなかったけど、「なんでこの人がこんな場所で不自然に強調されているんだろう?」と考えたら、正解だった。  あるいは、ある重要なアイテムを探す際、正攻法でやると、この本全体を「ウォーリーを探せ!」みたいな、あるいはやみくもにハイレベルなだけの、ただ「探す」だけの作業になって、イライラしちゃうものになってしまいかねない謎解きがあるの。  だけどね、「そのものが、それなりに目立つある一つのもの」とセットで出てくると気づけば、より簡単になる!  という具合に、本当に「あなたの探偵力を大いにくすぐって、試す」仕様になっている! 「はたしてあなたは、謎を解けるだろうか?」という煽り文句がウリのゲームってよく見かけようになったね!  だけど、これは、「オンライン」と「ゲームブック」を掛け合わせた、まったく未知の挑戦状!  今すぐ買いに走って!  見逃せば、本気で一生後悔することウケアイ! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『人が消える街』  出版社:SCRAP出版 2023/9/5  書籍+コンピューターゲーム 2860円(税込) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月3日月曜日

☆鬼が笑う話☆ FT新聞 No.4940

おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です☆ 長い日には7時間ぐらいボルダリングを1日でやるんですが、これを言うと「そんなに運動するんですか!」と驚かれます、違うんです。 ボルダリングは平均して30秒から60秒ぐらい壁を登る、全力の全身運動です。 1回登った後は、体力が戻るまで休みます。 だから、7時間登るというのは、マラソンみたいにずっと運動してるわけじゃなくて……後半はだんだん休む時間が長くなっていくものなので、超人的な体力が必要な競技ってわけじゃあないんです。 冬は暖かい日差しが入り、夏は涼しいジムでボルダリングをしながらうららかな午後を過ごすのは、たぶん周りが思っているよりもずっと、心癒やされる体験です☆ 私の執筆生活はきっと、そんな時間に救われてきました。 今日は雑談と、近況報告です。 ◆「廃都脱出」刊行決定! FT新聞 No.4919にて、「モンスター!モンスター!TRPG」初の国産作品であるソロアドベンチャーを刊行する旨、告知いたしました。 すでに無事に入稿を完了しております☆ イベントではコミケ1日目ソ−49ABにて刊行いたします! また、8月下旬ごろを目指して通販も準備中です☆ ↓「廃都脱出」の通販はこちらから! https://ftbooks.booth.pm/items/8613676 ◆執筆の話。 執筆に関してよく忘れがちな、大切なことがあります。 それは、楽しむことです。 楽しいものを創る際に、楽しい気持ちがなかったなら、それはどこかうまくいかないものになるような気がします。 自分に嘘をついているというか。 心から楽しく書いたものは、素直に人の心に響くように思っています。 だから、書くときには真剣、心の充実を求めて全身全霊、乾坤一擲の気持ちで挑みますが、その一方で、自分自身が笑顔になれる瞬間のあるものを、求めています。 そうはいっても、自分自身を追い詰めながらストイックに行うのが、私の「ものづくり」です。 そこから生まれる緊張感とストレスを、溜めすぎないように気をつけています。 冒頭ではボルダリングについて少し触れました──リラックスした時間として、クライミングを楽しんでいます。 仲間とするときも1人のときも、豊かな時間になることを目指しています。 ◆来年以降の話。 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」が2023年に生まれて、3年と3ヶ月が経ちました。 とても人気のあるシリーズですが、さすがに最近は落ち着いてきました。 私の個人的な希望としては、このシリーズを通じて、FT書房の展開する共通世界「アランツァ」のサプリメントを、1つの都市につき1冊以上刊行することが、目標でした。 売上の観点からするとその目標を叶えるのは少し難しそうではありますが、17都市すべてをFT新聞上で配信できる見込みが立っていることを、嬉しく思います。 監修者であり作品そのものの共著者である紫隠ねこさんに、最大の感謝を伝えます。 いつも、本当にありがとうございます。 さて、このシリーズを通じてお見せしてきた「都市サプリメント」や「新職業」ですが、すべての都市を紹介できないとなると、紙の書籍として追いかけてきた人にとって、不完全なものになってしまうことが残念です。 このお話を編集の緋色と打ち合わせの際に相談したところ、「アランツァ職業事典パーフェクトガイドを出せばいいんですよ」と、サラリと言われました☆ 正直、目からウロコでした! 実を申しますと、サプリメントに載せた【新職業】には、多少の反省点がありました。 ひとつは、その職業者のビジュアル的な様子を表現することを、思い至れなかった点。 もうひとつは、その職業が持つ背景について、十分に掘り下げた情報を文章表現として載せられていなかったこと。 これまでに書籍化していない【職業】を加え、これらの反省点を活かして補強して作る本は、すべての「ローグライクハーフ」ファンに喜んでもらえる1冊とすることができるのではないかと、思いました☆ 現実に作れるかどうかも含めて、ただいま検討中の内容です☆ ◆総合的にみて。 これまでの記事で触れてきたムック本、キャラクターのビジュアルブック、新職業のパーフェクトガイド。 それらのいずれにおいても、ビジュアル面での大幅な強化ができればと考えております。 今回はこのあたりで。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月2日日曜日

『霊廟館の悪夢』ローグライクハーフd33シナリオ FT新聞 No.4939

お久しぶりです。ローグライクハーフに絶賛ハマり中の齊藤飛鳥です。 ハマりが高じて、ついに「自分でもローグライクハーフのシナリオを書いてみたい!」となり、去年からせっせと書いては闇に葬っておりましたが、ついに一作だけどうにかシナリオの態を成したものが仕上がりました。 そこで、蛮勇を振るって水波流さんへ提出。御厚意で、こちらに掲載と相成りましたm(_ _)m そして、水波流さんばかりか、杉本ヨハネさんと紫隠ねこさんにも監修をしていただけました!! おかげさまで、ルールミスや推理ミスも修正していただき、皆様へお届けできるまでに整いました^^ そういうわけで、d33シナリオ『霊廟館の悪夢』をお送りいたします。 主人公は嵐で遭難し、風変わりな女吸血鬼の館〈霊廟館〉に漂着し、一夜の宿を借りました。そこで、女吸血鬼殺人事件が発生。一宿一飯の恩義を果たすため、女吸血鬼の弟子の一人・魔術師クワニャウマを特別な従者に、殺人事件の解決に乗り出します。 しかし、ここは剣と魔法のアランツァ世界。容疑者の事情聴取も一筋縄ではいきません。話しかけようものなら、戦闘開始も辞さない連中ばかりです。 果たして、主人公は無事に真相を解明できるでしょうか?  どうぞ皆様、お楽しみ下さいませ^^ ローグライクハーフd33シナリオ『霊廟館の悪夢』 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Nightmare_at_the_Mausoleum.txt ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年8月1日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第703号 FT新聞 No.4938

From:水波流 2026/7/29頃発売のトーキングヘッズ叢書 TH No.107『ANGURA Revolution〜60's、アングラ、前衛、あの時代』に今回も寄稿させて頂いております。 『型を捨てよ、町へ出よう〜寺山修司の実験演劇が、今の時代に伝えるもの』というタイトルで、1972年オランダでのみ上演された天井桟敷による『阿片戦争』等を紐解きながら語っています。 THは、書評、映画評、舞台評、展覧会紹介などが掲載される季刊誌です。 書籍詳細や取扱店などはこちらの出版社サイトより! https://athird.cart.fc2.com/ca1/467/p-r-s/ From:葉山海月 ラジコンヘリと猫と子どもは、人を賢人にするらしいです。 そう信じたいお年頃(はぁと) From:明日槇悠 今更ながら貴志祐介『クリムゾンの迷宮』を面白く読んでいます。やっぱりゲームブックは読む者を主人公にするんですなー。 From:天狗ろむ 8月! 暑いとアイスが美味しいですね。「ガツンとみかん」やナタデココ入り杏仁アイスがお気に入りです。 さて、今月の勝手にオススメ公式シナリオは……「山の日」にちなんで、『ドラゴンレディハーフ』! 攫われたヒルダ王女を救うべく、「シャングリラ山」に陣取るドラゴンたちに挑む冒険です。中級レベル向けのやりごたえあるシナリオで、暑い夏も熱く乗り切りましょう!(でも水分補給を忘れずに、エアコンなども活用して、どうぞご無理なくお過ごしください!) From:中山将平 僕ら、8月9日(日)マイドームおおさかにて開催の「TGFF2026」に物販で出展します。 配置は【η08b】です。 ゲームブック、1人用TRPG「ローグライクハーフ」、モンスター!モンスター!TRPG関連作品等を扱います。 ぜひお立ち寄りいただけましたら。 当日は、僕中山が現地に行く予定です。 こっそりカエル人の本も持っていきます! さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (葉)=葉山海月 (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (天)=天狗ろむ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■7/26(日)~7/31(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年7月26日(日)かなでひびき FT新聞 No.4932 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第13回(問題編) ・かなでひびき氏による企画。かなで氏が集めた奇妙で結末がない物語の断片。この前半部に、読者の皆様がオチに当たるストーリーを考えるという企画です。 今回のお話は、「ある辺鄙な街で、殺人を犯した男。 死体を埋めるまではうまくいった。しかし、そこへ『誰かいるの?』ガサガサと茂みの向こうから女の子の声が聞こえ、あまつさえ近づいてくる。 熊の叫びを真似して追っ払い、その場は逃れたものの……。 はてさて、彼を待ち受ける運命は!?」 今回の出題編はここまで! 皆様の名解答! お待ちしております! (葉) 2026年7月27日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4933 ☆雑記☆ ・去る6月28日に、名古屋で日本初のTrollConが開催されました! 本記事はケン・セント・アンドレによって認められた、この公式イベントにて打診された「お願い」をひとつ、叶えるために書かれたものです☆ 寄せられた「お願い」……それは「モンスター!モンスター!TRPG」から「ヒューマンズ!ヒューマンズ!」のTシャツを作ってほしいというもの! 例えば「ローグライクハーフ」など、他に「こんなTシャツがほしい」というご要望がありましたら、ご連絡ください☆ その他、作家としても編集長としても様々な企画を準備し、案を練っているところの杉本氏ですが、まだ動きはじめたばかり。ぜひご希望をお寄せくださいませ☆ (明) 2026年7月28日(火)くろやなぎ FT新聞 No.4934 ゲームブックにおける死と物語 第8回:『単眼の巨獣』における選択と成長 ・編集部員くろやなぎが不定期でお届けしているゲームブック考察記事。今回は、FT書房刊行のゲームブックとしては最新作にあたる『単眼の巨獣』に関する考察の第2回です。 『単眼の巨獣』の主人公である「君」は、「混沌」と呼ばれるモンスター。相手を「取り込む」ことで成長を続け、自分の身体のほかには何も持ち歩かず、他者とのあいだで「倒すか倒されるか」以外の関係性を結ぶことはほとんどありません。 そんな主人公の特性を踏まえたゲームシステムと、読者による選択のもとで、「君」はどのように成長し、物語はどのように分岐していくのか。今回は、最序盤の展開を一種のチュートリアルに見立てた上で、そこでの選択と成長のバリエーションを解析的に追ってみました。 (く) 2026年7月29日(水)ぜろ FT新聞 No.4935 第1回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第503回。 今回は新たなキャラクターが登場! 一人は筋骨隆々な偉丈夫・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れた少年・ハルト。ぜろ氏作品ファンには見逃せない名前が出てきましたね!? そんな二人が挑むのは、「エメラルド海の探索」。貿易都市・ビストフの近海、エメラルド海を舞台とした海洋冒険! ヴァルグによって改名された「クラーケンぶっ殺し号」で、まずは海域を荒らす海賊退治に出航します! ヴァルグにもハルトにも複雑な事情がある様子……気になる二人の冒険譚の始まりに、乗り遅れませんよう! (天) 2026年7月30日(木)東洋夏 FT新聞 No.4936 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.7 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第7回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、途中で同行者となったドワーフ・アルゴットを喪いながらも、もう一人の同行者のコビット・ヨンと共に先頭車両を目指します。 今回は魔物の車掌が登場。【歓待】して出迎えてくれましたが、その車掌からとんでもないお願い事をされるシグナス。何と身体の一部をハサミでパッチン! とさせて欲しいですって……!? ペット扱いされ鞘に押し込まれたクロは猛反対していますが、面白い事が大好きなヨンは「おもろ!」とけしかけます。さてさて、シグナスの決断はいかに? (天) 2026年7月31日(金)休刊日 FT新聞 No.4937 休刊日のお知らせ  ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年7月31日金曜日

休刊日のお知らせ FT新聞 No.4937

おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年7月30日木曜日

ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.7 FT新聞 No.4936

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.7  (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■    FT新聞をお読みの皆様、こんにちは!  本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。  ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。  冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロ。そして従者に「面白いこと」を愛するコビット族のヨンという布陣で進んでいきます。  前回vol.6では、踊る骸骨たちの輪の中に据えられた宝箱を「盗む」というミッションに挑戦した三人。〈おどる剣〉クロが持つダンスの知識によって、トラブルにもならずお宝(といっても金貨3枚しか入っていなかったのですが)の獲得に成功しました。サン・サレン伝統のダンスを見事にこなしたクロ。そしてシグナスが見た幻影。不思議な〈おどる剣〉の過去の断片が浮かび上がってきました。  次の車両では何が待ち受けているのでしょうか?  なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。  ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。    前口上はこれでおしまい。  予測不可能な列車の旅へ、いざ出発と参りましょう!  ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:4 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料2食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:6 ・器用点:3 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし    ◇ [7号車]33:巨大な刻印はさみをもった魔物車掌  かしゃり、と車両前方の扉が開く音がする。  今までには無かったことだ。シグナスとクロ、それにヨンも素早く武器を構える。 客車の中扉が開くと、そこには魔物が立っていた。 「よ〜こそ! この怨霊列車にご乗車いただきありがとうございます♪ 私は当列車の車掌でございます。ただいまより切符を拝見したく存じま〜す」  車掌の服の下は黒いモヤで構成されており、瞳だけが怪しく光る。その手には不思議なはさみがあり、そのはさみは下手な怪物の口より大きく見えるから、人体でも易々と切り取れるだろうと考えた途端に、シグナスの全身にぞわりと鳥肌が立った。    (※何と、ここで初めて〈怨霊列車〉側の人物が登場です。いよいよ大詰めという感じがしてきましたね! この何となく9がみっつ並ぶ列車に兄弟がいらっしゃいそうな車掌さんですが、凶悪なはさみをお持ちです。切符を切るための刻印はさみとのこと。戦うこともできますが、ここは反応表を振ってみます。出目は1、【歓待】。よし、これを望んでいました!)   「シグ、シグ、切符出して!」  ヨンに小突かれて、慌ててシグナスも招待状を取り出す。 「おお、ようございます。こちらの、えー、お客様のペットでございましょうか? まあ今回は、無賃乗車とは致しませんのでね、次回からは切符を買っていただけますと」 「ペットだと! 俺は」 「黙ってクロ」  シグナスは空中の〈おどる剣〉を引き戻して鞘につっこんだ。 「ペットです。僕の」 「あい、よろしゅうございます。しかしシグナス様」  招待状の縁をパチリと切って印をつけると、車掌はポケットにはさみをしまう。その服の下のもやが動いて、首を傾げたように見える。 「何でしょうか」  黄色く光る車掌の目が、にっこりと笑みを形作った。化け物なのにここは一緒なんだな、などとシグナスは妙なことを考えてしまう。ヨンの影響かもしれない。おもろ! 「シグナス様は生身の人間でございますね。その、私の一身上の都合でありまして、大変申し上げづらいことではございますが、お願い事があるのです」  車掌の両手は、白くて薄い上等な手袋に包まれている。それが、宙に浮いて揉み合わさる形になった。 (もじもじしてるってこと?)  卵なれど聖騎士たる者、如何なる異形に遭遇しても動揺してはならない。そう自らに言い聞かせたものの、恥じらう化け物に遭遇したのは初めてである。シグナスは少しばかり化け物の車掌に好感を抱いた。しかしその思いは、続く言葉によって風の前の塵の如く儚い妄想であったと突きつけられる。 「ああどうかシグナス様、お身体の一部を切らせていただけませんでしょうか? このハサミで、パッチン! パッチン! と。ご乗車記念の刻印にもなりますよ♪」 「お、おもろ……」 「おもろじゃないですヨンさん!」  んふふ、と車掌は笑った。 「ご安心くださぁい♪ オーナーと違って殺しはいたしませんので。さあさあ、ご遠慮なさらずに」 「シグ、ここはいっちょ度胸だよお!」 「ヨンさん!? 一体どっちの味方なんですか」 「え、車掌さんのおもろに共感の嵐だけど?」 「おおーっほっほ、分かっていただけますかヨン様。うつろう人の身のその柔肌に永遠の傷を残す。その唯一無二の感触がですねえ」 「うん、おもろ!」 「はい、面白うございますでしょ♪」  イェーイ、と手のひらを打ち合わせて喜ぶ車掌とヨン。シグナスはコビットという種族の難しさに、今更ながら頭がこんがらがって来た。    (※さて、反応表が【歓待】だった場合、車掌はこちらの肉体をパッチンする代わりに、何故か「この冒険が終了するまで一度だけ判定時のファンブルをクリティカルにすることができる」という効果を付加してくれます。具体的にどう助けていただけるかは謎ですし、職業上の特権を濫用しているような気もしますが、これから最終イベントに向かうには非常に頼もしい効果ですね。生命点2を支払わないといけないので対象はシグナスかクロ。技量点0のシグナスくんにお願いしたいところですが……と冷静に計算したところで、心情的に十二歳にプレイヤーの選択で傷を残すことを躊躇って一ヶ月ほど筆が止まったりしたのですが……ここは彼に乗り越えていただくことにして、対象はシグナスとして進めましょう)    鞘の中に押し込められたクロが、ぶぶぶぶぶと震えて怒りを露わにする。シグナスが柄にかけた手を離せば、たちまち車掌に襲いかかるだろう。ここで戦闘はしたくない。何より、この<怨霊列車>におけるそれなりの偉い人なのだ。怒らせない方がいい。たぶん。 (というか、初めて会ったんじゃない? この列車で働く人…‥人じゃないけど)  シグナスは、巣を突かれた蜂のようにぶんぶん唸る、クロを納めた鞘をぎゅうと抑えつける。そして意を決して、 「分かりました」 「おお」 「でも! 切ったら先に行かせてください。約束ですよ」 「勿論でございますとも! さて、どこがよろしいでしょうか。よく見えて、しかも殺さずにいられるところ。そうだ」  車掌はポケットからはさみを取り出すと、電撃的な不意打ちでシグナスの耳たぶをぱちんと挟んで切り取った。 「うぁっ!」  頭の中に雷を流し込まれたような衝撃が走る。痛いのではなく、何か別のもの……この<怨霊列車>に属するものがシグナスの右耳から押し入って、左耳から突き抜けて行った気がした。  くらくらと目が回る。下を向くと床にぱたぱたと血が落ちた。 「す……ばらしい! 人間の、これほど若いお方を切ったのは初めてですが、おお何と生命力に溢れて華やかな手応えなのでございましょう」 「いいなあ、おもろで。ねえ車掌さん、はさみ貸してよ!」  シグナスが手を離した隙をついて、クロが猛然と鞘の外に飛び出す。怒りのまま、ヨンの頭に自身の柄をドカンと打ちつけた。 「痛いっ」 「いかれコビットめ! お前なんぞをシグナスに同行させるのではなかった!」 「おお、ペットはケージの中から決してお出しになりませんよう」 「ペットではないと言っておろうが、この無礼もむがーっ」  シグナスは再びクロを鞘の中に押し込む。むがむがむがむがと罵倒が聞こえるが、ともかく主導権は取り戻した。 「これで、良いですか」 車掌はにっこり笑う。 「ええ、ご協力ありがとうございます。久しぶりのお客様に昂ってしまい、申し訳ございませんでした」  帽子のつばにちょいと指をかけて敬礼の代わりとし、車掌はシグナスたちが過ぎて来た車両後方へと歩いて行った。 「シグ? 大丈夫? 新たな快感に目覚めた?」 「目覚めてないです」 「それは残念。だけどシグ、なっかなかイカしてるよ」  ヨンがウィンクしてみせる。シグナスは切られた耳を触り、早くも不穏な腫れを帯び始めた耳たぶの熱さと共に、鋭い切れ込みの感触をなぞった。 (これは、確かに)  十二歳の心が大きく疼く。  英雄には、インパクトのある逸話と外見が組み合わさるものである。 例えば主人ノックスの長い前髪と三白眼と無表情の組み合わせが、不吉で暴力的な噂に尾ひれを付けるように。だから僕にもひとつくらい勲章の傷が、それも良く見えるところにあったっていいじゃないかとシグナスは思う。 (ギザ耳のシグナス? それじゃあんまり格好良くないかも。どんなのがいいかな……?)  シグナスは騎士たちの仲間入りを果たしたような気分になって、ヨンにつられてか、こんな時なのに少しだけ嬉しくなってしまったのだった。    ◇  今回のリプレイはここまでです。  〈怨霊列車〉には車掌さんがいらっしゃったのですね。しかもかなり癖のある……。この車掌さんを雇っている列車の主にもかなり特殊な好みがありそうで、シグナスくんが無事に攻略できるか、改めてドキドキしてまいりましたよ。  さてギザ耳になったシグナスくん。生命点の回復のために食料を使っておきましょう。食べたというよりは、ワインがありましたから耳の傷を消毒したという感じでしょうか。これで今回の2点減少分をカバーできました。  最終イベントまで車両はあとひとつ。次はどんな驚きが飛び出すことやら!  それでは、次の車両でお目にかかりましょう。  良きローグライクハーフを!   ◇    (登場人物)  ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。中二病に罹患する年頃ではある。  ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。断じてペットではない。  ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。  ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。  ・グロリア…サン・サレンの女騎士。アンデッドの部下を引き連れ、様子がおかしい。 ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。