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2019年3月17日日曜日

T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.3 No.2256


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T&T読者参加企画『カザン帝国辺境開拓記』 ep.3

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from 水波流
月イチペースでお送りする、読者参加企画。
今回も17名の方のご参加を頂いております。途中参加ももちろん大歓迎です!

最初に前置きなのですが、前回の倍近い長文になってしまいました。パソコンでご覧頂くのを推奨いたします。
また携帯電話などで受信し、途中で切れたりしている場合は、下記バックナンバー保管庫からご確認をお願いたします。
https://ftnews-archive.blogspot.com/

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事件の結末

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■事件A:8名出撃
魔術師イーゼルヴァンの依頼により、<シャンキナルの森>のエルフの遺跡に自生する果実を採取せよ。
遺跡にはどんな脅威が潜んでいるかわからない。奥地にある西方エルフの都にも誤って近づきすぎないよう注意せよ。
果実の数だけイーゼルヴァンより報酬が支払われることになる。各自張り切って調査をするように。
脅威予測)中・戦闘は回避できぬ場合を除いて得策ではない
報酬)大

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 昼なお暗い森の奥の更なる奥地。苔むし経年風化が見られる石壁が続いている。壁面に絡みつく蔦は何層にも重なり、長らく人の手が入っていない場所なのは明らかである。
 深い森は不気味なほどに静謐さが漂い、鳥の声が遠くでかすかに聞こえている。
 と、そこへ武装のたてるガチャガチャとうるさい音が聞こえてきた。角を曲がって走り込んできた2人の男は背中合わせになりながら、荒い息で悪態をついた。
「ちくしょう、やっとエルフどもを撒いたと思ったら今度はこれか」
「まぁそう言うなよ。あいつらに捕まるよりはマシだろ」
「聞いてないんだよ、古代樹とやらが襲ってくるなんて話はな!」
 大声をあげる大男を、もう1人のエルフの男が手で制し、唇に指を当てて口を閉ざさせる。刹那の静寂の中、彼らのやって来た方角から複数の足音が聞こえてきた。
 2人は武器を手に持ち直し、警戒を強める。
 束の間の緊張ののちに、角を曲がって姿を見せたのは2人のカエル人とドワーフの戦士だった。
「バラク、マロウズ、無事か?」
「……お前らか。脅かすなよ」
 バラクと呼ばれた大男が剣を下ろすと、右のカエル人ーサマがゲロゲロと喉を鳴らしながらからかうように笑った。その横で左のカエル人ーヴェルサリウス27世が口を開く。
「西方エルフたちじゃなくて良かったじゃないの。2人であれだけの人数に囲まれたら一巻の終わりだからねぇ」
 左手が妖魔グレムリンの腕になったドワーフの戦士が、マロウズと呼ばれたエルフにちらりと目をやりながら言葉を続けた。
「森林警備隊はしつこいぞ。ま、エルフのお前さんには言うまでもなかろうがの」
「……やれやれ、引退したつもりだったんだけどね」
 マロウズはため息をつきながら、遠くへ目をやる。首を傾げた事でふと、右耳のえぐられたような激しい古傷が目を引いた。
「で、残りの連中は?」
「わからん。お前らと一緒かと思っていたが……」
「やられちまったんじゃあねえだろうな? 古代樹か、西方エルフに」
 バラクが真面目とも茶化しとも取れるような調子で呟いた。
「ひどい言われようだね」
 背後から不意に掛けられた声に、全員が武器に手をやりつつ振り返った。
「いい話があります」
「見つけたよ」
「そう、ボクがね」
 口々に軽口を叩きながら、三人の男女が姿を現した。
「アンドレア、エミリア、ポル。よかった、とにかく全員無事か」
 マロウズが安堵の表情で出迎えた。

***

 アンドレアたち別働隊が見つけてきた古代樹を前面に見渡せるバルコニー。
「人間、私が右の枝を狙う。お前は左を撃て」
 ヴェルサリウス27世が自慢の超小型単弓で狙いを定めながら、傍らのエミリアに指示を出す。
「偉そうに」
「ボクもかい?」
「3、2、1、放て!」
 襲いかかってくる古代樹の枝に向けて、ヴェルサリウス27世の弓が放たれ、それに呼応するようにポルとエミリアの投げナイフが飛び去った。
「バラク!飛べ!」
「おう!」
 バルコニーからアンドレア、マロウズ、バラクが勢いをつけて飛び降り、枝に掴まると手当たり次第に体ごと揺さぶった。
「ケケケ、こりゃ大漁だぜぃ」
「ククク、まったくだわい」
 古代樹の根元で、次々に落ちてくる黄金色の果実をサマ、クリフが広げた布で受け止めていた。上空からバラクの怒声が響き渡る。
「欲出すんじゃねえぞ。引き際が肝心だ。調子に乗って各個撃破されましたじゃ笑い話にもならねぇからな!」

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【戦闘】
PC:MR30*2(ヴェルサリウス27世、アンドレア)、MR20*6(バラク、マロウズ、クリフ、サマ、エミリア、ポル)
古代樹/本体:MR100 + 枝A・B・C:各MR30

1ラウンド:PC【180】 VS 敵【177】 /敵側に3ダメージ!(100・29・29・29)
2ラウンド:PC【181】 VS 敵【168】 /敵側に13ダメージ!(96・26・26・26)
3ラウンド:PC【177】 VS 敵【182】 /PC側に5ダメージ!(ヴェルサリウス27世29、アンドレア29、バラク20、マロウズ19、クリフ20、サマ20、エミリア19、ポル20)
4ラウンド:PC【183】 VS 敵【157】 /敵側に26ダメージ!(88・20・20・20)
 *枝D・Eが増援。
5ラウンド:PC【188】 VS 敵【221】 /PC側に33ダメージ!(ヴェルサリウス27世25、アンドレア25、バラク20、マロウズ15、クリフ16、サマ16、エミリア15、ポル16)
 *PC側逃走。
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「まぁ、思ってはいたんだよね。そう上手くはいかないって」
「とは言え、最悪のタイミングだがな……」
 遺跡の出口で待ち構えていたのは、完全武装の西方エルフ森林警備隊だった。
「帝国の犬めが。神聖なシャンスを荒らしおって。長老の元で申し開きをするが良い」
 隊長格のエルフの号令とともに、隊員たちが剣を抜いて構える。じりじりと包囲の輪を縮めるエルフたちを尻目にバラクがずいと一歩前に出た。
「みんな、全員バラバラに逃げるんだ。こっちのほうが人数も多いし、一対一なら俺たちだってそう簡単にやられはしない」
 バラクは話しながらどんどん前に進んでいく。
「なぁに、俺は体力には自信があるし、防具もある。ついでに回復薬もあるからな。おいおい、そんな顔するんじゃねえよ、勿論俺だって逃げるさ、尻尾を巻いてな」
「捕らえよ!」
「行け!砦で会おうぜ!生きてりゃな」
 そう言うとバラクは右手の剣と左手の斧を滅茶苦茶に振り回しながら、隊長格のエルフに突っかかっていった。それを見て他の全員も手近な隊員に飛びかかり、その勢いのまま森へと駆け出していった。


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【戦闘】
PC:ヴェルサリウス27世25、アンドレア25、バラク20、マロウズ15、クリフ16、サマ16、エミリア15、ポル16
西方エルフ森林警備隊:隊長MR50、隊員MR30*4

1ラウンド:PC【183】 VS 敵【191】 /PC側に8ダメージ!(ヴェルサリウス27世24、アンドレア24、バラク20、マロウズ14、クリフ15、サマ15、エミリア14、ポル15)
 *PC側逃走。
 *アンドレア、エミリア逃走成功

【個別戦闘2】
バラク:MR20/20 VS 隊長:MR50
 1ラウンド:PC【22】 VS 敵【45】 /PC側に23ダメージ!防具軽減5(バラク2)
  *バラク、奇跡的な回復薬を使用。
  *バラク逃走成功。

【個別戦闘3】
ヴェルサリウス27世:MR24/30 VS 隊員A:MR30
 1ラウンド:PC【24】 VS 敵【27】 /PC側に3ダメージ!(ヴェルサリウス27世21)
  *ヴェルサリウス27世逃走成功。

【個別戦闘4】
マロウズ:MR14/20 VS 隊員B:MR30
 1ラウンド:PC【23】 VS 敵【26】 /PC側に3ダメージ!(マロウズ11)
  *マロウズ逃走成功。

【個別戦闘5】
サマ:MR15/20 VS 隊員C:MR30
 1ラウンド:PC【20】 VS 敵【29】 /PC側に9ダメージ!(サマ6)
  *サマ逃走成功。

【個別戦闘6】
ポル:MR15/20 VS 隊員D:MR30
 1ラウンド:PC【17】 VS 敵【21】 /PC側に4ダメージ!(ポル11)
  *ポル逃走成功。
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☆戦果(登場順)
冬の嶺の炎=バラク=ヘルムハート(大男)→果実1つ入手。使用済み:奇跡的な回復薬
"片耳の"マロウズ(年齢不詳のエルフ)→果実1つ入手。
クリフ(片腕がグレムリンの腕のドワーフ)→果実2つ入手。
サマ(カエル人1)→果実2つ入手。
ヴェルサリウス27世(カエル人2)→果実1つ入手。
アンドレア(人の良さそうな男性)→果実1つ入手。別働隊探索時に《開け》《そこにあり》の呪文石を使用。隠された宝物を発見・入手。宝石(金貨30枚相当)
エミリア(赤毛の少女)→果実1つ入手。別働隊探索時に《開け》《そこにあり》の呪文石*3を使用。隠された宝物を発見・入手。エルフの宝冠(金貨40枚相当)、宝石(金貨20枚相当)
ポル・ポタリア(軽薄そうな男)→果実1つ入手。


→魔術師イーゼルヴァンが君たちを出迎える。
「よくやった諸君。約束通り、果実1つにつき魔法の品物を1つ進呈しよう。
我が師、黒のモンゴーより賜りし黒き武具は各種1つずつしか無いので欲しいものは早めにな。
欲しい物がない奴には特別に私の魔術を≪教え≫てやってもよい。
金貨で支払ってほしいのなら、80枚をくれてやろう。

■下記から1つを選択して下さい。
・黒き剣(MR+15、ダメージを与えた場合、自身を2点回復)
・黒き短剣(MR+10、ダメージを与えた場合、自身を3点回復)
・黒き大斧(MR+20、ダメージを与えた場合、自身を1点回復)
・竜の牙(MR30スパルトイを召喚/1事件に1回使用可能)
・≪教え≫:≪イーゼルヴァンの黒き手≫(敵1体にダメージを10点与え、自身を10点回復する/1事件に1回使用可能)
・≪教え≫:≪イーゼルヴァンの黒き礫≫(敵3体にダメージを6点ずつ与える/1事件に1回使用可能)
・≪教え≫:≪イーゼルヴァンの黒き夢≫(敵1体を確実に眠らせる/1事件に1回使用可能)
・金貨80枚


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■事件B:5名出撃
ナルン村の村長の依頼により、奪われた青カブトムシ寺院の祭器を取り戻してほしい。
村を襲ったゴブリン山賊団はおよそ15体の集団だったらしいが、西の山に住み着いていた連中はどうやらこの山賊団の別働隊だったようだ。斥候に調査させたところ、〈大沼地〉にある洞窟に潜んでいるのを確認した。
殲滅が難しければ、潜入し祭器を取り戻すだけでも構わない。
脅威予測)中
報酬)中

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「何人見かけた」
「10人はいたかな」
「よし……ようやくチャンス到来でござるな」
 ゴブリン山賊団の根城たる洞窟を望める丘に姿を隠した5人組が、それぞれ武装の確認をしつつ頷きあう。斥候役のコソ泥改め泥棒のニンツの報告によると、山賊団はリーダー格に率いられ、狩りか略奪だかに出かけた様子だった。根城に残っている人数は、ほぼ彼らと同数と見られる。
「確認しとくぞ、目標は青カブトムシ寺院の祭器。最優先でそれを探索する。見つかればすぐに撤退、それでいいな?」
「祭器ってのが持ち運びやすいといいんだけどなぁ」
 盗賊風の二人、カーモネギーとニンツが言葉をかわす。東洋風装束の少女が元気そうな様子で付け加えた。
「アタシが聞き込んだところによると、でーっかいカブトムシの彫刻らしいヨ」
「でーっかい、ね……」
「こーーーんな」
 シャオリンは両手で犬か豚かと言わんばかりの大きさを表す。それを見て、カーモネギーがため息を付いた。
「重そうだな……」
「やはり拙者の燻りだし策で行くのがよかったのではござらんか?」
「……正面には扉。裏口も1箇所、空気穴も万全のようだ。燻り出すほど木を燃やしてる間に出かけた奴らに戻ってこられては、人数の少ない我々が不利だ」
 普段は無口な戦士、ヘルトがめずらしくなだめるように口を挟んだ。
「闘いはやっぱまだ少し怖いんだ…」
「俺は足の速さには自信があるんだぜ? なにせ生活がかかってっからな!」
 盗賊二人が悪びれた様子で口にした。
「ようしデュラルのアニキ!アタシとアニキで蹴散らしちゃおう!」
 不穏な空気を吹き飛ばすようにシャオリンの声が轟いた。

***

 正面の見張りをデュラルの弓で倒した後、盗賊二人が扉を開けて侵入する。見張りの交代時間になれば侵入がバレることは必定のため、時間は限られていた。雑然とした生活感のある洞窟を忍び足で潜行しつつ、枝穴を見つけてはこっそりと覗きに向かうのを繰り返すこと数回。幸運にも根城の居残り組に気取られることなく、5人組は宝物庫を探り当てた。
「うわ……ちょっとこれは、重すぎ……」
 前評判どおりでーっかい、カブトムシの石材彫刻は見た目に反することもなく、そのままの重量であった。二人がかりであれば運ぶ事はできるが、機敏に持ち歩くということは不可能な代物である。
 順調なのはそこまでだった。残念ながら、脱出の通路上で夕飯のシチュー鍋を抱えたゴブリンに出くわすことになった。大鍋をぶちまけながら奇声を上げるゴブリンを慌てて仕留めたが、その頃には洞窟内に足音と獣の唸り声が木霊していた。


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【戦闘】
PC:MR40(ヘルト)、MR30*3(ニンツ、デュラル、シャオリン)、MR20(カーモネギー)
ゴブリン:MR20*3 + 狼:MR15*5

1ラウンド:PC【147】 VS 敵【150】 /PC側に3ダメージ!(ヘルト39、ニンツ29、デュラル30、シャオリン29、カーモネギー20)
2ラウンド:PC【138】 VS 敵【136】 /敵側に2ダメージ!(20・20・20・14・14・15・15・15)
3ラウンド:PC【135】 VS 敵【123】 /敵側に12ダメージ!(19・19・19・13・12・13・13・13)
4ラウンド:PC【149】 VS 敵【133】 /敵側に16ダメージ!(17・17・17・11・10・11・11・11)
5ラウンド:PC【145】 VS 敵【117】 /敵側に28ダメージ!(14・14・14・7・7・7・7・7)
6ラウンド:PC【150】 VS 敵【103】 /敵側に47ダメージ!(9・8・8・1・1・1・1・1)
 *ゴブリン逃走。狼全滅。
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「くそっ、まずいぞ。逃げられちまった」
「本隊が戻ってくる前に急いでこの場を離れるでござる」
「いや、だから、これ重いんだよぉ」


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☆戦果(登場順)
コソ泥改め、泥棒のニンツ(斥候役)
デュラル・アフサラール(東洋風の戦士)
カーモネーギー(臆病な盗賊)
シャオリン(黒髪の少女)
ヘルト(無口な戦士)

→ナルン村の青カブトムシ寺院まで、祭器カブトムシ像を返還した。
村をあげての盛大な歓迎会が催され、5人組は村の英雄ともてはやされた。しかし……。


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■事件C:4名出撃
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔だが、1度の調査で調べきれるものでは無いということははっきりした。
古代魔術や怪物を相手どるには慎重さが必要だが、秘められた財宝を考えるに更に調査を行う価値はある。
赴くものはどの程度で帰還するかの自分なりの指針を申告しておくこと。
脅威予測)未知数
報酬)莫大

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

 薄暗い石畳の通路を甲高い足音とともに進む4人の男の姿があった。通路はいつまでも続くかに思えたが、やがて広間に辿り着いた。
 先頭を歩いていた東洋風の装束に身を固めた戦士が、訛りの強いカザン語で大剣を背負った盗賊風の男に話しかける。
「ここだよ。あんたも覚えてるだろ」
「ああ、俺が来たのはここまでだ。お前はこの先まで行ったんだよな」
「と言っても、1部屋だけなんだけどな」
 二人は足元に散らばる石像の破片を蹴飛ばしつつ、後ろの二人ー背の低い若者と落ち着きの無い男を見やった。
「4人でどこまでいけるかわからないけど、この先に何が待っているのかを調べたいんだ」
「同感だ。探索用の準備はしてきたつもりだからな」
 二人の会話に割り込んで、落ち着きのない男がせっかちそうな声を上げた。
「準備してきたのはお前らだけじゃないんだ。はやく行こうぜぇー」


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【戦闘】
PC:MR30*2(ソーグ、万太郎)、MR20*2(アクロス、へーじろー)
サソリ MR5*10 + 大サソリ MR30

1ラウンド:PC【105】 VS 敵【104】 /敵側に1ダメージ!(5・5・5・5・5・5・5・5・5・4・30)
2ラウンド:PC【100】 VS 敵【99】 /敵側に1ダメージ!(5・5・5・5・5・5・5・5・4・4・30)
3ラウンド:PC【100】 VS 敵【101】 /PC側に1ダメージ!(万太郎/防具で軽減)
 *ソーグ《死の刃》の呪文石を使用。
4ラウンド:PC【130】 VS 敵【81】 /敵側に49ダメージ!(1・1・1・1・1・1・1・1・0・0・21)
5ラウンド:PC【92】 VS 敵【64】 /敵側に28ダメージ!(0・0・0・0・0・0・0・0・0・0・1)
6ラウンド:PC【95】 VS 敵【17】 /敵側に78ダメージ!(敵全滅)
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「やれやれ。ひどい目にあったもんだ」
「まさかあれだけのサソリが生き残っているとは……餌については……考えたくないが」
「俺の《そこにあり》の呪文石はさっきの一つきりだが、どうやらハズレを引かされたみたいだな」
 ソーグは肩をすくめた。バラバラになった木製人形の転がる広間には、大量のサソリの死体が転がっている。
「こんどこそ、お宝の隠し場所のはずだぜぇ……《そこにあり》!」
 へーじろーの呪文石が発光とともに砕け散ると、隠された扉が淡く光り輝いた。
「更に先か……行こう」

***

「ビンゴぉ!お宝だぜぇ!」
「待て!何かいる!」
 隠し部屋の宝箱を目にし、踊りこんだへーじろーをソーグが静止した。
 暗闇に羽ばたく羽音が聞こえる。目を凝らすと薄闇におぼろげな姿が浮かんでいた。
「蛇の体、コンドルの翼、蛟の頭……こいつはまさか」
「ソウルサッカーだ!」


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【戦闘】
PC:MR30*2(ソーグ、万太郎)、MR20*2(アクロス、へーじろー)
ソウルサッカー MR110

1ラウンド:PC【97】 VS 敵【109】 /PC側に12ダメージ!(ソーグ、万太郎/防具で軽減。アクロス、へーじろー/3ダメージ)
2ラウンド:PC【107】 VS 敵【89】 /敵側に18ダメージ!(残り92)
3ラウンド:PC【103】 VS 敵【94】 /敵側に9ダメージ!(残り83)
4ラウンド:PC【109】 VS 敵【81】 /敵側に28ダメージ!(残り55)
5ラウンド:PC【106】 VS 敵【67】 /敵側に39ダメージ!(残り16)
 *ソウルサッカー増援1匹襲来。
6ラウンド:PC【96】 VS 敵【140】 /PC側に44ダメージ!(ソーグ24、万太郎24、アクロス6、へーじろー6 VS 16・110)
 *ソーグ→アクロス、万太郎→へーじろーに奇跡的な回復薬を使用。
7ラウンド:PC【90】 VS 敵【148】 /PC側に58ダメージ!(ソーグ14、万太郎14、アクロス2、へーじろー2 VS 16・110)
 *万太郎《そこにあり》の呪文石を使用。ソウルサッカー逃走
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「なぜ《そこにあり》を使ったんだ……?」
「ソナン・イエにいた頃、年嵩の戦士に聞いたことがあったんだ。ソウルサッカーは自分の姿を恥じていて、それを露わにされるのを何より嫌う、と。一か八かだったんだけど、うまく行ってよかったよ」
「あいつに捕まっていたら、脳髄から魂を吸われるところだった……思い出してくれて助かったよ」
「それにしてもこれは……」
 彼らの前には長大な壁画がそびえていた。不可思議な文字と文様で、この塔らしきものが描かれている。
「魔術師戦争時代のもの……じゃないですか……?」
 後方からアクロスの声がした。
「そうなのか? 俺には読めんが」
「上位エルフ語は昔、嫌々ですが勉強させられましてね。少しなら……わかります」
 眉をしかめて壁画の文字に食い入るアクロスに残りの3人が羨望の眼差しを向けた。
 そこには、こう書かれてあった。

……
太古、天に上らんとした不遜な王がいた。
王は宮廷魔術師の進言に従い、天まで届かせるために自らの国の中央に巨大な塔を建造した。
塔はその見た目にそぐわず、内部は無限に続くかのように階層が積み上がり、人々は邪悪な魔術によって直接天界に繋がろうとしているのだと噂した。

やがて塔が完成した。
国を挙げて王と宮廷魔術師を含めた7人の英雄が天に向けて派遣された。
人々は王の帰還を心待ちにした。
しかし時は過ぎ、更に時は過ぎようとも、王たちは帰還しなかった。
国は乱れ、人々が王の存在を忘れかけた頃、塔から不気味な悪鬼の軍勢が現れた。
人々は神にならんとした不遜な王が悪鬼に姿を変え、闇の軍勢を率いて都を襲ってきたのだと噂した。

国は荒れ、全土に悪鬼の影響が広まりつつあった時、歴史上に残されている最古の大魔術師ニン=ドゥルジエル=ニンがこの地を訪れた。
大魔術師は激しい戦いの末に悪鬼の軍勢を打ち負かしこの世界から追い払うと、塔を封印した。
しかし神にも等しい力を持つと言われた大魔術師でさえ、解き放たれた何万何十万という悪鬼を世界から駆除することはできなかった。
悪鬼らは素早い新陳代謝と醜悪な外見、野蛮な心根を持ち、繁殖に優れていた。
歪めたエルフから生み出されたと言われるこの新しい生き物はやがて「ウルク」という名で呼ばれる事となった。
……

 アクロスが壁画の物語を読み終えた後もしばらく、その場は沈黙が支配していた。重い空気を受け止めつつソーグが口を開く。
「……ここら辺りが潮時だ。引き返そうぜ」
「そうだな。1度、帰ろう。これ以上進むには俺たちだけじゃ荷が重い」
 万太郎の言葉に、傷だらけになった後ろの2人も無言でうなづいた。
 壁画の横には彼らをあざ笑うかのように、暗闇へと続く上り階段が口を開けていた。

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

☆戦果(登場順)
ソーグ(大剣を背負った盗賊)→使用済み:奇跡的な回復薬、《死の刃》の呪文石、《そこにあり》の呪文石
無敵の万太郎(東洋風の戦士)→使用済み:奇跡的な回復薬、《そこにあり》の呪文石
アクロス(背の低い若者)
へーじろー(落ち着きのない男)→使用済み:《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石

→隠し部屋で財宝を発見した。
宝石2つ(金貨50枚相当*2)宝冠(金貨60枚相当)金貨40枚。
財宝を入手し、一時帰還。塔はまだまだ先がありそうである。

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☆ランキング
1位:
エミリア +金貨60枚、イーゼルヴァンの報酬 →(所持品:金貨60枚。)

2位:
アンドレア +金貨30枚、イーゼルヴァンの報酬 →(所持品:金貨35枚。高品質な武器【鞭】)

3位:
"片耳の"マロウズ +イーゼルヴァンの報酬 →(所持品:金貨10枚。《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石)
ヴェルサリウス27世 +イーゼルヴァンの報酬 →(所持品:金貨10枚。高品質な武器【超小型単弓】、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石)
クリフ +イーゼルヴァンの報酬*2 →(所持品:金貨15枚。奇跡的な回復薬)
サマ +イーゼルヴァンの報酬*2 →(所持品:金貨5枚。奇跡的な回復薬、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石)
冬の嶺の炎=バラク=ヘルムハート +イーゼルヴァンの報酬 →(所持品:金貨0枚。高品質な防具【革鎧】、《そこにあり》の呪文石)
ポル・ポタリア +イーゼルヴァンの報酬 →(所持品:金貨50枚)

9位:
アクロス +金貨50枚 →(所持品:金貨50枚。)
ソーグ +金貨50枚 →(所持品:金貨55枚。高品質な武器【グレートソード】、高品質な防具【???】、《開け》の呪文石)
へーじろー +金貨50枚 →(所持品:金貨80枚。)
無敵の万太郎 +金貨50枚 →(所持品:金貨70枚。高品質な武器【ソナン・イエの槍】、高品質な防具【アーミング・ダブレット】、《開け》の呪文石)

13位:
コソ泥のニンツ +金貨35枚 →(所持品:金貨45枚。高品質な武器【良い短剣】)
デュラル・アフサラール +金貨35枚 →(所持品:金貨75枚。高品質な武器【弓】、奇跡的な回復薬)
カーモネーギー +金貨35枚 →(所持品:金貨55枚。高品質な防具【革鎧】)
シャオリン +金貨35枚 →(所持品:金貨50枚。高品質な武器【鉄扇】、《そこにあり》の呪文石)
ヘルト +金貨35枚 →(所持品:金貨35枚。高品質な武器【シュヴァイツァー・サーベル】&【カッツバルゲル】、保存食*1、《死の刃》の呪文石、《開け》の呪文石、《そこにあり》の呪文石)

■死亡
なし

■砦にて待機(今回投稿無し)
ヤスヒロン→(所持品:金貨50枚)

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☆ザルダック商店
金貨を入手している場合、買い物をしても構わない。自由筆記欄に記載すること。
商品は変わる場合があるので、次回以降に残しておくこともできる。

「呪文石は品薄でね。値上げしたよ。おいおい、文句言いなさんなよ、買い込んだのはお前さんらだろうに」

<商品リスト>
・高品質な武器 金貨30枚 MR+10/好きな武器タイプを自由筆記に記載下さい
・高品質な防具 金貨30枚 防御点+5/好きな防具タイプを自由筆記に記載下さい
・奇跡的な回復薬 金貨10枚 ダメージ10点回復/1回限り
・《これでもくらえ!》の呪文石 金貨15枚 魔法攻撃ダメージ20点/1回限り
・《死の刃》の呪文石 金貨15枚 1ターンのみダメージ2倍/1回限り
・《開け》の呪文石 金貨10枚 鍵開け/1回限り
・《そこにあり》の呪文石 金貨10枚 隠されたものを感知する/1回限り
・雇い人(戦士L1) 金貨50枚 MR35/1事件限り
・雇い人(盗賊L1) 金貨50枚 MR25・《開け》/1事件限り
・雇い人(魔術師L1) 金貨50枚 MR15・《これでもくらえ!》/1事件限り

☆訓練場
金貨を使用して、ガガック兵長に特別訓練をつけてもらえる。自由筆記欄に記入すること。
支払い可能であれば複数回選択しても構わない。

・戦闘訓練:金貨100枚/基本MR+10
・魔術訓練:金貨50枚/ザルダック商店で扱っている呪文石から1つ選択。今後1事件に1回使用可能に。(呪文石との併用可)

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【ルール】
・PCはカザン帝国の辺境開拓軍の戦士です。
・毎回、「事件」が更新されます。どの事件を解決に向かうか選択して下さい。
・同じ事件に向かったPCが多ければ、解決しやすいですが報酬も少なくなります。逆に1人だと報酬は総取りですが、失敗の可能性も高くなります。
・トロールワールドは無情です。運が悪ければあっけなく死ぬでしょう。死んだときは死んだときです。新たなPCで1から出直して下さい。
・事件の処理はシンプルにモンスターレートで行います。(PCも一律でMR表記処理)PCの初期戦闘力はMR20(3D6+10)です。
・事件を解決したら、報酬がもらえます。報酬はカザン帝国への貢献度として、順位付けされます。順位によっては特別報酬がもらえることもあるでしょう。
・報酬を使って装備を購入したりすることもできます。商品は毎回変わるので使うか、貯めるかは判断のしどころでしょう。

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【未解決事件】
A:
魔術師イーゼルヴァンの追加依頼により、<シャンキナルの森>の奥地にある妖精が住まうという泉の水を採取せよ。
前回の遺跡探索により、西方エルフの森林警備隊の動きが活発になっているようだ。正面から事を構えるのは避けるように。
脅威予測)小・ただし森林警備隊に注意せよ。
報酬)中

B:
ナルン村より急報が入った。ゴブリン山賊団が村に向かって進軍しているらしい。
どうやら前回の祭器奪還の報復のようだ。リーダー格のゴブリンを先頭にゴブリン10体ほどが狼の群れを従えているらしい。
こちらも人数を揃えて対抗する必要がある。
脅威予測)中
報酬)中

C:
〈大断崖〉手前の盆地の古代帝国時代の塔について、前回の探索隊から有力な情報が持ち帰られた。
魔術師戦争時代の遺跡には、強大な力を持つ魔法の品物が保存されている事も多い。
各自、慎重を期しつつ調査を継続せよ。赴くものはどの程度で帰還するかの自分なりの指針を申告しておくこと。
脅威予測)未知数
報酬)莫大

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【作戦会議室・峡谷の山猫亭】

https://www1.x-feeder.info/FTGAME/

出撃前に相談をしたり、雑談や交流ができるチャットルームを作成しました。
PC・スマホ・携帯から閲覧/書き込みできますので、ぜひご活用下さい!

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【参加方法】

https://jp.surveymonkey.com/r/5RDQZP7

参加フォームに下記を記入し、送信して下さい。
・キャラクター名
・今回選択する事件
・(任意・自由筆記)事件への対応や購入した商品、キャラ設定(年齢・性別・性格・生い立ち・風貌・特徴・口癖など)
・プレイヤー名・メールアドレス
 *投稿内容の詳細確認などが必要な場合にこちらからご連絡をする場合があります。

【参加締切】
配信日の2週間後を締切とします。
締切を過ぎますと次回は「待機」となります。

■今回の締切:3/31日 24時まで

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