第5回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
戦場の端っこで、敵国ドラッツェンの繰り出すウォードレイクに遭遇し、どうにか逃げのびます。
牛飼いジェイコブ、聖騎士の配下だった兵士アンドロを同行者に加え、王女を探して戦場を走ります。
牛飼いと別れ、聖堂へ。王女の所在はつかめません。そして舞台はいよいよ戦場へ——!
【ウォーレン 技術点12 体力点15/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
●アタック04-8 ウォーレン、深読みしすぎる
俺とアンドロは、聖堂を出る。
王女の行方がわからない以上、行く先はより危険な場所へと近づいていくのは自明のことだ。
我が国の王女は、単なる箱入り娘ではない。
これが初陣とはいえ、最前線に陣を敷いている可能性も十分にある。
そんなことを思いながら、丘を進む。
地面がところどころ荒れている。
ここでも、戦いがあったのだ。
いつどこに、何が潜んでいるか、わからない。
戦場の中心ではなくとも、残党を狩る小集団などがいてもおかしくない。
「おい」
声が聞こえた。
しかし、姿は見えない。
見れば、何者かが茂みの中に潜んでいるようだ。
姿は見せない何者かは、眼光のみを鋭く光らせ、言った。
「ロング・ナリクの密使だな?」
この男、何者なのか。
不意打ちをせず、わざわざ向こうから声をかけてきたという事実。
これのみで、味方であると判断はできない。
「どうした。口がないのか。まあいい。俺はコーデリア殿下の密偵だ。伝言があるなら俺が預かろう」
・王からの撤退命令を男に伝える
・伝えない
この選択肢は、あまりにもナンセンスだ。伝えるわけがない。
直接伝えるべきだからとか、そんな理由じゃない。
ここでこの男を簡単に信用して俺たちが密使であると明かすこと自体が軽率すぎるからだ。
「賢明だな。俺が仲間だって証拠がないと、教えられねえよな」
この男、本当に王女の密偵なのかもしれない。
だとしたら、俺を試したのか。
しかし、嫌な感じはしない。敵と味方が入り混じるこの地で初対面の相手を警戒するのは当然のことだ。
男は茂みから、ぬっと手を伸ばした。
その手には、黒いコインが握られている。
「これはロング・ナリクの密使のみが持っているものだ。お前も持っているだろう」
いや、俺の持ち物欄にはそんなアイテムはないな。
荷物を調べようとして、気がついた。
この言葉で荷物を調べようとする行為そのものが、俺の正体を明かしてしまう行動だと。
冷静に考えると、このシチュエーションそのものが不自然なのだ。
黒いコインは、本当に密使の証なのか。
そうなら、俺が最初から知っていないとおかしいだろう。
相手は無言で黒いコインを示し、こちらも同じく黒いコインを見せることで、互いの証となる。
そういうものだ。
だから、向こうが黒いコインを出した後で、俺が荷物をがさがさやるのも呆れた行動に映るだろう。
その行為自体が密使と自白しているようなもの、と最初は考えたが、なお悪い。間抜けな密使と自白しているようなものだからだ。
「どうしたのですか。荷物を改めないのですか」と、アンドロ。
ああもう、俺が警戒していたのに、台無しだよ。
荷物をあさると、王から渡された袋の中に、たしかに同じく黒いコインが入っていた。
ここで持ち物欄に「黒いコイン」を書き込むよう指示があった。
もともと持っていたが、今持ち物として認識したのだ。
一応これで、互いの身分を確認しあうことはできた。
俺は俺を、間抜けな密使と明かしてしまった。
でもこれってつまり、王様が俺に、一番大事なことを伝え忘れたってことになるな。
まあ、伝えなければならない情報量は多かっただろうし、その中で抜けてしまうこともあるのはわかる。俺もやらかす。
けど、一番大事なことだよな。
まあ、黒いコインを荷物に入れ忘れたのではないだけよしとしておこうか。
「とにかく、伝言はお前が直接殿下に伝えてくれ」
コーデリア王女の密偵を名乗る男は言った。
この男はどうして、俺が密偵だと見抜いたのか。
もしかして、聖堂で王女の行方を尋ねる場面をこっそり見ていたのかもしれない。
それでここまで追跡してきたのかも。
「王女は、聖堂にかくまわれている」
……やはりか。
どうやら、俺の読みは当たっていたようだ。
「司祭に『フリージアの花の様子を知りたい』と言うんだ。それが合言葉だ」
これだけ言うと、男は素早く立ち去った。
そして俺は、司祭との会話の場面で使えるパラグラフジャンプを手に入れた。
●アタック04-9 ウォーレン、花咲くその場所へ
聖堂に戻る。
そこでは、一度目の訪問とまったく同じ場面が展開される。
司祭が言う。
「あなたはここに、どのようなご用でいらしたのかな?」
・王女を探していると答える
・施しを受けたいと答える
2つの選択肢が出ている。
しかし俺はそれを無視して「フリージアの花の様子を知りたい」と尋ねた。
あらかじめ教えてもらっていた計算方法で、指定のパラグラフに飛ぶ。パラグラフジャンプだ。
「こちらへ。花の場所へ案内しましょう」
司祭は、柔和な笑みをたたえたまま、言った。
そこは聖堂の奥の小部屋だ。一見、物置部屋のような、目立たない場所。
司祭はそこの床板を外す。
地下への階段があらわれた。
「……この下です」
この構造。最初から設計されていたということだろう。
国境周辺だけに、こうした事態なども想定されていたということだろうか。
「お気をつけて。彼女は人を見る目はたしかです。あなたが信用に値しないと感じたら、耳を塞いでしまうかもしれません」
そんな相手に、俺は撤退の説得をしなければならないのか。
戦場での戦いよりも、こちらの方がよっぽど骨が折れそうだ。
「ひとつだけ、いいですか」
階段を下りようとした俺に、司祭が質問を投げかけてきた。
「この戦い、大勢は決したように思えます。それなのに、あなたがたはずいぶん勝敗にこだわっているように思えます。あなたはなぜここへ来たのですか?」
・最悪の負け方を避けるため
・いつか勝つため
この選択肢なら「いつか勝つため」だろう。
俺はそう即決して、先へと進んだ。しかし進むときにわずかに違和感を感じた。
「勝ちにこだわっているように思える」と発言した相手に「いつか勝つため」と返すのは、それこそ「勝ちにこだわった」発言だ。
司祭の求める答えは、これではない気がする。
しかし、進んでしまったので、今回はこれでいく。
司祭は、俺の言葉をかみしめるように目を閉じた。
「ただ、お聞きしたかっただけです。お気になさらず」
あ、やはり何かが足りなかったっぽい。
俺は司祭のお眼鏡にはかなわなかったのかもしれない。
階段を下りきると、扉があらわれる。隙間から明かりが漏れている。
「さあ、ここです」
司祭の案内に従い、扉を開けた。
●アタック04-10 コーデリア王女、高揚する
中は小部屋になっていた。
中にいる人々の視線がいっせいに俺に集中した。
それはロング・ナリクの兵士たち。
無傷の者はひとりもいない。しかし戦えない者もひとりもいない。
王女を守る最後の砦の兵士たちなのだ。
そして、その中心に彼女はいた。
金髪、短髪の少女。
彼女が、ロング・ナリクの王女コーデリアだ。
俺は、王の使いであると名乗った。
「こちらへ。陛下の言葉を、聞かせてください」
入室し、ドアを閉める。
中央へと進む。
コーデリア王女は、援軍を要請していた。
これは、その返答となる。
援軍の到着を期待している王女に、軍を撤退させることを、納得させなければならない。
このシチュエーションに至って、俺は思った。
これって、かなり無理ゲーじゃね?
戦場ではない、国王のもとで使命を受けた時にも、困難な任務だとは思っていた。
しかし現地でこの場面に至り、改めて使命の重さを思い知った。
どうするか。
俺はまず、王の言葉をそのまま伝えた。
それが俺の使命だからだ。
この戦いに勝ち目はないと、王は判断している。
援軍の要請には、応えられない。
コーデリア王女が人質とされる前に、戦場を離脱させるのが我が任務であること。
「そんな。陛下はこの戦いを捨て、逃げよとおっしゃるのですか?」
うん。そう言った。
さあ、ここから流れを変えることこそが、俺の腕の見せ所となる。
「陛下は、この戦の場にいないからわからないのです。たとえ援軍がなくても、私たちは……誇りのため、正義のため、命ある限り戦わなければなりません。ドラッツェンの横暴に屈してはならないのです!」
よくない。非常によくない流れだ。
王女の言葉には力がある。戦場という特殊な状況下での高揚もあいまって、周囲にも電波していく。
この言葉が、「名誉の戦死」を求めるに過ぎないことすら、誰も気づいていないかもしれない。
・黙って成り行きを見守る
・口を挟み、彼らを止める
黙っていたら、もう止められない。
しかしこの高揚した状況の中、口出しひとつで止められる状況でもない。
とはいえ、この選択肢が置かれた以上、口を挟む以外にない。
もしかしてここにも何らかのパラグラフジャンプが隠されているのかもしれない。
「なぜ止めるのですか? 戦うべきではない理由があるとでも?」
あるよ。犬死にだからだよ。
王女は自身の言葉で高揚してしまっている。
「ドラッツェン軍は、今もこうして、決定的な打撃を与えずに、じわじわと私たちの領民を苦しめています。我々は、退くわけにはいきません」
冷静にならなければ、話にならない。
冷静にさせるには、どうするのが良いか。
やり方としては簡単だ。冷や水をぶっかければいい。
高揚した気分を一瞬で霧散させてしまうほどの。
問題は、それにはどうすればいいか、だ。
それには、別の角度から、王女が気づいていないことを伝えることだ。
流れに呑まれてはならない。流れを変えなければ。
そこに、俺が考えた選択肢が並ぶ。
・ドラッツェン軍の狙いは、この土地だ
・ドラッツェン軍の狙いは、コーデリア王女だ
この選択肢は重要だ。軍が撤退を選択するかどうかが、ここにかかっているかもしれない。
俺は、どちらを選べばよいのだろうか。
次回、俺の言葉を聞いた、コーデリア王女の判断は?
【ウォーレン 技術点12 体力点15/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
・黒いコイン
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女に伝えたいことがある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SSZ9D5C
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
■今日の新聞に対するお便りはコチラ!
ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
↓
https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report
【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。
https://ftnews-archive.blogspot.com/
【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。
https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84
■FT新聞をお友達にご紹介ください!
https://ftbooks.xyz/ftshinbun
----------------------------------------------------------------
メールマガジン【FT新聞】
編集: 水波流、葉山海月、中山将平
発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房)
ホームページ: https://ftbooks.xyz/
メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください)
----------------------------------------------------------------
メルマガ解除はこちら
https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2022ft0309news@blogger.com
※飛び先でワンクリックで解除されます。