■冒険は君の手で作れ! 第2回■ おはようございます。紫隠ねこです。 FT書房が送り出す、30分で遊べる1人用TRPG『ローグライクハーフ』。 イタリアのゲームデザイナー、アンドレア・スフィリゴイが2017年に発表した『Four Against Darkness(以下4AD)』に着想を得て制作された作品です。 サイコロを振って、ダンジョンを舞台にした冒険を体験できる1人用RPG。 そこにプレイヤーの想像力を加えることで、自分だけの物語を作り上げていくことができます。 今回の記事では、4ADのサプリメントとシナリオブックの一部をご紹介しようと思います。 ◆豊富なサプリメント 『Four Against Darkness』シリーズでは、冒険とルールを拡張するサプリメントとシナリオブックが数多く発表されています。 とは言え、すべてのサプリメントに記載されたルールを導入するとプレイヤーが管理しきれなくなってしまいまいます。 そのことは作者であるスフィリゴイも把握しているようで、公式のフォーラムでも「オプションルールの取捨選択をする事も大切」と述べており、どのテーマで遊ぶのかは読者の自由となっています。 追加クラスや、汎用的なオプションルールは扱いやすく、自分にとって必要な部分だけを翻訳すれば、すぐにゲームに利用することができます。 シナリオブックの物語性については、幾つかのタイプがあります。 【A】固有のダンジョンテーマのみで、特に「物語」を含んでいない作品(この場合、冒険する土地で個性を出しています) 【B】固有のダンジョンテーマを持っており、冒険開始時にサイコロを振り「使命(ミッション)」を決める作品。 【C】冒険の使命が、最初に設定されている作品。 Cタイプは、複数の章によって構成されたシナリオ、または4ADの同人誌『The Lantern』でよく見かけます。『The Lantern』は、ファンが寄稿したシナリオが収録されている事もあって、ダンジョンが固定マップだったり、そのシナリオ特有の物語性を含んでいたりします。 ◆ゲームシステムの拡張 以下のサプリメントは、高レベルのキャラクターをサポートします。 ・『Four Against the Abyss』(奈落に挑みし四戦士) レベル5-9のキャラクターをサポートする中級ルール。 冒険者ランク「エキスパート」に対応する技能と魔法のリスト、冒険者を支援する「雇い人(従者)」と「専門家(町の施設)」のデータ、冒険の最終的な目標を設定する「キャンペーン・プロット」、アンデッドや獣人がさまようダンジョン「Abyss(奈落)」の各種ダイスロール表が収録されています(ただし、Abyss専用のマップタイルはありません)。 ・『Four Against the Fosaken Depths』(見捨てられた深淵の四戦士) レベル10-19のキャラクターをサポートする上級ルール。 冒険者ランク「ヒロイック」「レジェンダリー」に対応する技能と魔法のリスト、地下水脈が流れる洞窟を探索する「Forsaken Depths(見捨てられた深淵)」の各種ダイスロール表とマップタイルが収録されています。 上級ルールで習得できる技能は、各クラス準拠ではなく、任意で選ぶことができます(ただし、一部の技能は習得に制限がついてます) ◆追加クラス 以下のサプリメントは、追加クラスに特化した作品です。 ・『Concise Collection of Classes』(クラスの簡潔なコレクション) 9つの新クラス、新しい装備品と技能に加えて、6つのドワーフ氏族を紹介しているサプリメントです。 前半部分の新クラスは、敵にダメージを与えることを専門とする前衛職が多く、特殊ルールも少ないため、割と扱いやすい内容になっています。 後半部分のドワーフ氏族の紹介は、ノリンダールを舞台としたTRPG『Advanced Song of Blades and Heroes』の設定資料なのですが、『Four Against Darkness』用のデータも掲載されており、パーティ内のドワーフに個性をつけるオプションとしても利用する事ができます。 またパーティの実力が高ければ、各氏族の長と一緒に冒険する事も可能となっています。 ・『Wayfarers and Adventurers』(放浪者と冒険者) 5つの追加クラス、6つの追加魔法、旅立つ冒険者に個性を持たせる「キャラクター特性」と「冒険の目標(実績)」、2種類の新たな騎乗生物、低レベルの冒険者用の「追加ミニオン表」などを実装するサプリメントです。 キャラクターに個性を持たせる事に重点が置かれているため、エキスパート技能が習得できる『Four Against the Abyss』と組み合わせると、パーティ内に同じクラスが複数いたとしても、それぞれ違った冒険者に育成する事が可能になります。 追加クラスには、自然の力を魔法として駆使する「ドルイド僧」、気を使いこなす格闘家「マーシャル・ミスティック(練気術士)」、独自の発明品で戦う「ノーム」などがいます。特殊ルールの量も多いため、扱いこなすには癖が強いのですが、彼らをパーティに加える事によって、通常とは異なる戦術でモンスターに立ち向かう事ができるでしょう。 ・『Delvers and Wanderers』(探求者と放浪者) 11種類の追加クラス、それらのクラスに対応したシークレット(『手がかり』と引き換えに獲得するボーナス)、町の下水道をダンジョンとして探索する「Down in the Sewers of Jamash」の各種ダイスロール表とマップタイルが収録されています。 追加クラスには、飛び道具の専門家である「レンジャー」、長柄武器を自在に操る「槍使い」、短剣二刀流で戦う「軽剣闘士」などの前衛向けのクラスの他、森エルフとノームの混血である「グネルフ」や、各地を渡り歩く「放浪者」などの野外の冒険を得意とするクラスも収録されています。 ◆ツイステッド・シリーズ 以下のサプリメントは、冒険のランダム性を増やすオプションルール集です。汎用性が高く、どの冒険にも使うことができます。 ・『Twisted Minions』(歪められしミニオン) ダンジョンで遭遇する「ミニオン」のモンスターに、変わった個性を持たせます。 ミニオンの個性は100面サイコロで決定されるため、彼らと遭遇するたびに、通常の遭遇とは異なる体験をする事ができます。 攻城兵器のバリスタを設置して冒険者を待ち構えるミニオンや、数多の戦いを経験してきた古参のミニオンが出現したりと、冒険をさらに手強く魅力的なものにしてくれるでしょう。 ・『Twisted Final Fights』(歪められし決戦) 各冒険の最後に戦う「ファイナル・ボス」が、独自の個性を持ったモンスターにセッティングされます。その種類は、なんと48体! 倒した時に入手できる戦利品も、専用の宝物表で決めることになるため、何とも倒しがいのあるライバルとなっています。 ファイナル・ボスを扱ったキャンペーン用のプロットも追加されており、互いに対立しているボスキャラの一方に冒険者たちが雇われるというユニークな冒険を行う事もできます。 ・『Twisted Hoards』(歪められし宝物庫) 冒険の中で手に入れられる宝物にスポットを当てたサプリメントです。 通常の宝物表と差し替えて使用することになり、100面サイコロによって、それまで目にしなかった不思議な装備品を獲得することができます。 また巻末のおまけとして、パーティの誰かにダンジョンのマッピングを担当させる「マッパー」に関するオプションルールが掲載されています。 ・『Twisted Dungeons』(歪められしダンジョン) 冒険開始前に8面サイコロを2個振り、それぞれを十の位と一の位とした「d88」システムによって、そのときに探索するダンジョンの特殊ルールを作成するサプリメントです。 ダンジョンに個性を持たせ、それを冒険者たちの物語を作るためのフックとして利用することもできます。 ◆シナリオブック 以下のサプリメントは、独自のテーマに沿った冒険を楽しむことができる作品です。 ・『Dark Waters』(暗き水域) 【レベル1-2を推奨】 2章構成のシナリオで、大商人オーフェルドからの依頼で、海賊に強奪された「サメの神のテザニーの黄金像」を取り戻すことが目的です。 前半は地図に沿って探索を進める固定ダンジョン、後半は通常のランダム生成によるダンジョンを探索していきます。 後半部分は海底神殿が舞台になっており、各種ダイスロール表では、水域に関わるモンスターやイベントが登場するようになります(ただし、専用のマップタイルはありません)。 ・『Court of the Pixie King』(妖精王の宮廷) 【レベル1以上を推奨】 森に覆われた妖精郷。妖精王からの依頼を受けた冒険者たちは、ある使命を果たすために冒険に旅立ちます。 冒険の目的は6種類あり、個別に遊ぶこともできますが、すべての使命を成し遂げるキャンペーンに限り、妖精郷にとって最大の危機を食い止めるクライマックスを体験することができます。 各種ダイスロール表は、森や妖精に関わるモンスターやイベントが登場し、専用のマップタイルも付属します。 巻末には、追加クラスとして「フェアリー」と「ボグフライ」の小妖精の種族データに加えて、ノームが扱える追加の「からくり」や、新たなドルイド魔法も収録されています(※追加クラス「ノーム」と「ドルイド」のデータは、『Wayfarers and Adventurers』に収録) ・『The Bone Cult of Tha'ar Tala』(タアル・タラの白骨教団) 【すべてのレベルに対応】 パラクシの町では、悪魔タアル・タラを信仰する白骨教団たちによって、子供たちが誘拐されるという事件が起きています。 ハリグ上院議員からの依頼を受けた冒険者たちは、彼の娘フルダを含む子供たちを救出するために、教団の拠点となっている廃教会を探索することになります。 3章構成のシナリオで、第1章では廃教会を、第2章では地下聖堂を探索した後、第3章で教団との総力戦(この章はボス戦のみ)となります。2つのダンジョンは、どちらも固定ダンジョンとなっています。 ・『Echoes of the Dead』(死の残響) 【レベル1を推奨】 都市郊外の地下聖堂に、不死の存在とされるアンデッドたちが集いつつある。その調査のために地下聖堂へと向かったファロウ神父ですが、いまだに戻ってくる様子がありません。 教会からの依頼で、冒険者たちはファロウ神父の行方を探し、さらにアンデッドの脅威を打ち払うことになります。 3章構成のシナリオで、それぞれの章ではランダムによって生成されたダンジョンを探索します。章ごとで、特殊イベントと入手できる魔法の宝物が異なっているため、リプレイ性が高くなっています。 ・『Saumora Island of Secrets』(秘境のサウモラ島) 【すべてのレベルに対応】 切り立った山岳地帯と、鬱蒼としたジャングルが特徴的なサウモラ島。この土地では、独自の生態系が育まれているとも言われています。 このシナリオは野外の冒険であるため、付属の地図を使って1マスずつ探索を進めていくことになります。移動するたびにキャラクターの「食料」が減っていくため、探索は計画的に行わなければなりません。 冒険の目的は6種類あり、プレイヤーはそれをランダム、または任意で選ぶことができます。倒したモンスターを解体し、それを素材とした装備品を作成できる要素もあるため、ハンティング的な楽しみも味わえます。 ・『Lost Temples of Qaarra』(クアラの失われた神殿) 【レベル6以上を推奨】 中級ルールに対応した最初のシナリオブックです。 混沌の勢力との戦いによって滅亡した古代都市クアラ。その象徴とされていたのが、ノリンダール世界の神々を祀った神殿であり、激戦の中で持ち出すことのできなかった宝物も数多く眠っています。 これらの神殿は複数階の構造になっており、神殿と関連する使命が6種類も用意されているので、通常よりも歯ごたえのある冒険を体験できます。 巻末には追加クラスとして、特殊な武器やゴーレムを作成できる「工匠」と、水晶を使った独自の魔法を使う「水晶術師」のデータが収録されています。 ◆最後に サプリメントが無くても遊ぶことができる4ADですが、魅力的なオプションと想像力を組み合わせることによって、その世界は大きく広がっていくことになります。 あなたはキャラクターたちに、どのような冒険を体験させたいですか? 次回では、4ADのゲームプレイについて語ろうと思います。それではまた! 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