SPAM注意

(編集・水波)最近SPAM投稿が増えておりますが、見つけ次第手動で削除いたしますので、決してクリックなどされないよう、ご注意下さい。

2026年9月30日水曜日

第2回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4998

第2回【獣の弟子】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「あなたに弟子がやってきた」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフリプレイ「あなたに弟子がやってきた」をお送りしております。 本シナリオは師匠視点のシナリオですが、弟子視点で描いているため、タイトルは内容に合わせて変更しております。 「エメラルド海の探索」の続編にして過去編にあたります。 ハルトは、大ヤギの魔獣から呪いを移され、生死の境をさまよい、ヴァルグに命を救われました。 そこから生きる術を身につけ、今、ヴァルグに弟子入りを志願したところです。 ヴァルグは、ハルトを諦めさせるため、高難度の遺跡調査への同行を課したのですが、果たしてどうなりますか。 過去編ですからもちろん、このあと一緒に旅しているのは前作をお読みの方にはわかっていることですが、その経過も含めて楽しんでください。 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ●04 遺跡入口 「ここだ」 「ギャウ」 オレ、ヴァルグ、火吹き獣は遺跡の入口前に立つ。 ヴァルグの示す「遺跡」は森の奥深くにあった。 それは、石造りのドームのような建造物だった。 半分以上は地面に埋もれ、残りの部分は森に飲み込まれている。 ドームの表面には蔦が絡みつき、刻まれた紋様や文字を隠している。 入口は半分埋もれ、建物の入口というより穴のようになっており、奥は階段状になって地下へと降りていた。 オレ、これからこの穴に入って行くんだ。 こんなの、初めてだ。 タイガと洞窟探検ごっこをしたことはあるけど、ホンモノの洞窟なんて村の近くにはなかった。 ヴァルグの方を見ると、黙ってオレの方を見つめている。 そうか。もう始まってるんだ。 オレはまずなにをしたらいいのか考える。 そうか。明かりだ。 ヴァルグから預かっていたランタンに火を灯すところからだ。 火口箱を使って火を起こすのは問題なかった。 家でもやったことがある。 ランタンの芯にはしっかり灯油がしみ込んでいて、種火を近づけるとすぐに灯った。 「ほう。できるんだな」 ヴァルグが感心したように声を上げる。 「けどな」 ヴァルグは自分のランタンを取り出す。 「ほれ、火」 「ギャウ」 火吹き獣が小さな火を吹き、簡単にランタンに明かりが灯った。 「こうすりゃ楽だ」 「ギャウ」 「なんだよそれ、ずりぃな」 「うっせぇな。便利なモンがあったら使やいいんだ」 さらにヴァルグは、荷物入れから小さな棒のようなものを取り出した。 「こんなのもある。先端に乾燥して固めた火薬がついていて、こすると火がつく。ノームの発明品だ」 「へぇ〜」 オレがどうなるのか興味津々で見ていると、ヴァルグはそれを片づけた。 「見せてくれるんじゃないの?」 「高価な使い捨ての道具だ。お試しに使うなんてできねェよ」 オレは右手にランタンを持つと、遺跡の入口から内部に踏み込んだ。 ●05 初めての魔物 内部は比較的広い空間になっており、一本道で奥へと続いていた。 左右に部屋になっていたらしいアーチがあるが、崩れて埋もれてしまっている。 ランタンの明かりに照らされていない先の方で、ちらちらと光が見えた。 近づくと、光の球がひとつ、ふらふらとおぼつかない感じで漂っている。 なんだろ、これ。 「クリーチャーだ。気をつけろよ」 これが……魔物なの? 魔物っていったら、ゴブリンとか狼みたいなのを想像してた。 こんなのもいるんだ。 でも、これはオレの力を示すチャンスだ。 オレはハンマーを手に取り、呪われた方の腕で光の球めがけてなぐりつけた。 「あっバカッ」 ふらふらと当てづらい標的にも、一撃で当てられるところを見せてやる。 ばしゅん。 「よけろ!!」 ハンマーが当たった瞬間、光の球が爆ぜた。 オレはとっさに体を低くし、左腕で顔をかばった。 ギリギリでかわせた。ヴァルグの警告がなければ反応できなかった。 「目は! 目ェ閉じてたか?!」 「え? う、うん。腕で守ったから……」 ヴァルグにすごい勢いで詰められ、オレは戸惑う。 「アレに目ェ焼かれると取り返しがつかねェからな」 オレが無事とわかると、ヴァルグは心底ほっとした様子を見せた。 そして次の瞬間、思いっきり怒鳴りつけられた。 「こンのバカ野郎。やみくもに手ェ出すヤツがいるか!」 光球は接触すると爆ぜるから、可能な限り遠くから倒すのが基本だという。 オレに知識がないのはわかってるから先走るなと、かなりキツく言われた。 「探索に必要なンは無謀でも無鉄砲でもねェ」 ヴァルグは、およそヴァルグのイメージからかけ離れたことを言っていた。 「にしても光球か。だとしたらここにはノードがある可能性が高い。当たりかもしれねェな」 ノード? 聞きなれない言葉だった。 「ノードを知らんか。魔力のたまり場のことだ。遺跡調査の目的は、ノードの存在を確認すること。あの光球はノードがあるところに発生すると言われているからな」 ●06 初めての宝箱 遺跡内部の空間を進む。 左右にあるアーチの奥はほとんど崩れていたが、ひとつ、奥に光が届かないところがあった。 ランタンを照らしてみると、そこは崩れずに残っている部屋だった。 片隅に、蓋の閉じた大きな箱が置かれている。 中心には金具と、大きな鍵穴がついている。 なにか大事なものが保管されていたんだろうか。 部屋に入る。 箱に手を出そうとして、ヴァルグに止められた。 「まあ待て。ここは俺がやろう」 ヴァルグによれば、侵入者対策になんらかの罠がしかけられているのは珍しくないという。 オレはそういう知識はまったくないから、しかけを外すことなんてできない。 まずは見て覚えろ、と言われた。 ヴァルグは箱を注意深く観察する。剣で強めにつついたりしている。 「ちょっとそこ、どいてろ」 ヴァルグはオレを箱の正面から移動させる。 すると、鍵穴を金具ごと、がつんと豪快に叩き壊した。 その瞬間、鍵穴から太い針が飛び出し、さっきまでオレが立っていたところを通過していった。 「やっぱりな」 ヴァルグが予想通りといった様子で大きくうなずいた。 「うかつに鍵穴を覗こうものなら、今の針にやられるやつだ」 ワナを警戒して詳しく調べようとして、逆にやられてしまうこともあるという。 「あとな、箱をむやみにぶっ壊すと爆発するようなヤツもあるからな」 え。今ヴァルグぶっ壊してたよね。 どうやって見分けてるの? 「なんとかくわかンだろ?」 わかんないよ! 箱を開ける。中身は空だった。 あ、違う。底に金貨を発見した。それも、一枚だけ。 一枚だけ? 「チッ。ハズレか。ま、そういうこともあらァ」 ヴァルグはそんな感じで気にした様子もない。 「え? おかしくない? ワナしかけてるのに金貨一枚って」 「宝があると見せかけて、よくばりをワナにハメようとしてんだ。おかしくねェだろ」 「だったら中身カラッポでいいだろ? なんで金貨一枚なんて入れとくんだよ」 「あー……」 ヴァルグが返答に窮した。 でも、そうだろ? 金貨一枚って、普通に生活してればまあまあいろいろ買える金額だし。 「ワナを突破したヤツへのご褒美とかか? 治療費かもしれん」 ヴァルグがまぬけなことを言い出したので、オレは思わず笑ってしまった。 「何がおかしい! ンなことよりワナの見破り方や外し方を覚えとけよ!!」 ヴァルグの声が大きくなった。照れ隠しかな。 でも、ワナの発見は勘だし、ワナごと叩き壊してるんだから、まったく参考にならないよ。 爆発と針のワナの区別だってわかんないし。 オレが覚えたのは、「宝箱にはワナがある」ってだけだった。 ●07 初めての隠し通路 やがて通路は少し大きな部屋で行き止まった。 中央に巨大な石碑が建てられている。 石碑には、なにやら碑文が刻まれている。 これ、なんて書いてあるんだろう? 村育ちのオレは、文字に接する機会なんてほとんどなかった。 でも、この文字は、この文字だけは、はっきりと読むことができる。 「神に……祈りを捧げる……場所」 「ほう、読めるのか」 ヴァルグが感心した風に声を上げた。 「古い文法に今じゃ使われていない単語。俺にも手こずるものを」 村にこれに似たものがあった。 そこに書かれていたものと同じ。だから読めるんだ。 なんでだろ。村がこの遺跡と関係あるのかな? 「祈りを捧げる、か。やってみるか? 無駄かもしれんが」 ヴァルグがそんなことを言った。 呪いを解いてくださいって神さまにお祈りするってことか。 「祈り方なんてわかんないよ」 「ンなもんテキトーでいいだろ」 オレは、石碑に向かって祈りを捧げてみた。 しかし、なにも起きなかった。 ヴァルグは提案しておきながら、オレが祈りを捧げているのに興味を示さず、部屋の隅々まで調査をしている。 「なにやってるの?」 「目的のモノが見つかってねェ。まだこの先があるはずなんだ」 ヴァルグは、この先にも遺跡が続いていると見込んでいた。 オレも一緒に探す。けれど、なにも見つからなかった。 「奥に行く道は、これまでに崩れてた場所のどっかだったんじゃ?」 そんなことを言いながらヴァルグを見ると、彼は床の一点を注意深く見つめていた。 「そこか」 顎をくいっとやって示す。 注意深く見ると、そこの床だけ、やけにきれいだ。 ヴァルグが床を指でなぞりながら、隠された扉の形を暴いていく。 「お。あったぞ」 そして取っ手を見つけると、引き上げた。 暗く湿った入口と下り階段が見え、同時にひんやりとした空気が流れてきた。 じゃあ、まだ探索は続くんだ。 ここまではぜんぜんいいとこ見せられなかった。次こそは、ちゃんとできるってとこを見せてやる。 オレがそう決意する一方で、ヴァルグは眉間にシワを寄せていた。 「ここだけホコリがなかった……あんまりいい事態じゃないかもしれねェな」 そんなことをつぶやきながら、階段を下りていく。 「ギャウ」 火吹き獣が一声鳴くと、その後についていく。 「早く来て前を照らせ。見えないだろうが」 「あ、うん」 オレも慌てて後を追った。 次回、遺跡の最深部に目的のものはあるのか? [プレイログ] 【入口】 ランタンの火を起こす場面はオリジナル展開です。 【31 光球】 【光球 レベル3】死ぬまで戦う ・出現数1d6-1(最低1体)→1体出現 ・このクリーチャーは衝撃を受けるとスパークして魔力をまき散らしてきます。倒した時点で【幸運ロール:目標値3】をし、失敗したら生命点に1点のダメージを負います。 【1ラウンド】 ・ハルトの攻撃が命中。幸運ロールもサイコロの出目5で成功しました。ヴァルグの警告によってギリギリかわしたという演出にしました。 【21 トラップの仕掛けられた宝箱】 ・師匠キャラが【器用ロール:目標値4】でワナの解除を試みます。 ・ヴァルグはサイコロの出目5で成功。しかし宝物斑点の出目が奮わず、得られたものは金貨1枚だけでした。 【13 屹立する石碑】 ・部屋の真ん中に巨大な石碑が建てられています。碑文を読めるか、弟子が【判定ロール:目標値6】を行います。 ・ハルトはサイコロの出目5に技量点を加え成功。 ・成功したので、最終イベント内の判定ロールにて、「プラス1」の効果が得られます。 ・作劇の都合上、次の「中間イベント」と同じ場所の出来事にしました。 【中間イベント:隠し扉】 ・行き止まりの部屋で隠し扉を探します。弟子が【判定ロール:目標値5】で判定し、失敗したら師匠が見つけるという流れです。 ・ハルトのサイコロの出目は1でファンブル。完全に失敗です。そのため、ヴァルグが隠し扉を発見しました。 ■ステイタス 【ハルト レベル6 技量点:1 生命点:5 副能力値:2 従者点:8】 弟子スキル:【心優しき勇者の素質】 ・自分以外のキャラクターが【防御ロール】に失敗した際、その生命点へのダメージを身代わりとして自分に受ける。発動は任意。 【ヴァルグ レベル16 技量点:2 生命点:9 筋力点:4 従者点:8】 【従者:火吹き獣(技量点:1)】炎耐性。特定のクリーチャーに2点ダメージ。0ラウンド攻撃に引き続き1ラウンド攻撃が可能。 ■登場人物 ヴァルグ 冒険者。依頼を受けて遺跡調査に来たところ、偶然瀕死のハルトを発見した。 ハルト 大ヤギの魔獣の黒角にやられ、崖下に転落したところをヴァルグに助けられた。左腕に厄介な呪いを受けている。 タイガ ハルトの弟。大ヤギの魔獣の出現の恐怖で動けなくなった。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 著者:東洋夏 イラスト:骨盤 編集:緋色朱音 発行者:東洋夏 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 冊子版 ローグライクハーフ個人製作シナリオ集『主人公は一日にして成らず』 https://booth.pm/ja/items/8063646 ※本作品が収録されています。 ネット閲覧可 ローグライクハーフd33シナリオ『あなたに弟子がやってきた』 https://talto.cc/projects/FoEKXdyD2KdpaLHU1_siE 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年9月29日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第52回 FT新聞 No.4997

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第52回 「ダンジョン」 (中山将平) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■  おはようございます。  イラストレーターの中山将平です。  僕ら10月17日(土)と18日(日)の両日、「ゲームマーケット2026秋」にサークル参加します。  配置は【S006】です。  現地には僕も行く予定ですので、ぜひ遊びにお越しいただけましたら。  さて、今日は冒険の舞台として好まれるあの場所……ダンジョンについてお話したいと思います。  これを読んでくださっているあなたは、もしかしてダンジョンがお好きではないでしょうか。  僕は大好きです。  それはそうとして、まずはなぜこれをテーマにもってきたのかという点から始めましょう。 ◆ ダンジョンは、なぜ好まれるのか  ダンジョンについて語りたい理由。  それは、一にも二にも「ダンジョンが舞台の冒険は好まれやすい」という個人的な実感があるためです。  もしファンタジー作品を創作したいと考えられている方がいる場合、その舞台として「ダンジョン」はかなり強力な選択肢となるはずです。  実際、「〜の迷宮」や「〜の地下ダンジョン」というタイトルの作品って、手に取りたくなる方も多いのではないでしょうか。  実は長年、そういう作品が持つ謎の「ワクワク感」について、正体は何だろうと考えていました。  作品を作るうち、自分の中で一種の答えが固まってきたので、今日はそれをお伝えしたいと思います。  「僕が考えたこと」がどなたかのお役に立つ機会があれば幸いです。  さて、お伝えしたいその「答え」を、2つのシンプルな言葉にまとめてみました。  いきなり結論を申し上げると、「分かりやすさ」と「閉塞感」の2つです。  ただ、まとめた言葉ではやはり意図が抜け落ちますね。  具体的にそれぞれを見ていきましょう。 ◆ 分かりやすさ  一つ目の理由である「分かりやすさ」について触れてみます。  お伝えしたい「分かりやすさ」とは、「舞台として何が用意されている場所か分かりやすい」という意味ではありません。  「作品の楽しさが一目で分かりやすい」というお話です。  例えば舞台が「森」である場合、確かにテーマとしては分かりやすいのですが、その作品の面白さを伝えるという点ではダンジョンほど強くないと感じます。  それは、「森」をどのような舞台として描いてある作品なのか、更に情報を追加する必要があると感じるためです。  じめじめしていて、昼なお暗い「魔女が住んでいそうな、西洋の怖い森」なのか、エルフが集落を築いていると噂される神秘的な森なのか。  危険な場所なのか、不思議な場所なのか。  そもそもそれはホラーなのか、ファンタジーなのか、現代ものなのか。  その点で、ダンジョンという舞台は「未知の空間で、いかなる脅威も現れうる」「ファンタジー作品の舞台である」と明確に伝わる度合いが高いのではないでしょうか。  主人公たちは半ば自動的に「ファンタジー世界における冒険者であり、探索者でもある」という前提に立ちますし、「未知の脅威にドキドキしながら対処していく」という物語の筋すらも見えてくるように感じます。  今年既に30日以上同人誌やアナログゲームの即売会の売り場に立ってきた経験から、この「分かりやすさ」がどの程度「作品の魅力」にとって影響の大きいものなのか、痛いほど感じています。  正直、分かりやすさというのは面白さや感動よりも重要なものなのではないでしょうか。  どれほど素晴らしい作品も、読んでもらえないとその「真の良さ」は伝わりようがありません。  「分かりやすさ」は、作品を読む動機となりうるものです。   ◆ 閉塞感  もう一つの理由である「閉塞感」について、続いてお話ししましょう。  これは、単純に「閉じた空間なので進む方向の選択肢がはっきりしている」というお話です。    選択肢がはっきりしているということは、物語の筋や主人公の心情・キャラクター性が浮き彫りになることでもあるのではないでしょうか。  ある意味これも、分かりやすさの一種と感じています。    ちなみに、この「閉塞感」は「予測不能な脅威に対して逃げ道が少ない」という意味でドキドキ感を引き立てるものでもあるように思います。 ◆ まとめ  長々と書いてみましたが、ダンジョンがとにかく好きなので書いてみた文章だといえるかもしれません。  (既にシナリオの作成は完了している)僕自身の創作作品、カエル人の冒険の第一話も、舞台はダンジョンとしました。  僕自身、おおいに魅力を表現したいと思います。  では、今日はそろそろこのあたりで。  よきファンタジー・ライフを。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。

2026年9月28日月曜日

☆アランツァへのいざない☆ 補足回 FT新聞 No.4996

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の最新作「ガルアーダの塔」の通販サイトが開かれました! 正式な刊行日は10月17日(土)です……ゲームマーケット2026秋「S-006」にてお披露目となります! 価格をいつもどおりに収められなくて申し訳ないです……内容でお応えできればと考えております。 今回はB5版134ページで、通常サプリメントの2.5倍にまで文量が達しました。 イラストは50点。すべてカワラベ先生によるものです☆ ↓『ガルアーダの塔』ローグライクハーフ版はこちら! https://ftbooks.booth.pm/items/8752965 ◆コメントを、ひとつ。 だいぶ前の記事の話ですが、「アランツァへのいざない」の記事で、アランツァ世界の男女には性差が小さい、という話を書きました。 この記事を読まれたとき、これがとても「現代風」で、配慮に富んだ姿勢であるという解釈をされたかもしれません。 実を言いますと、この事実を定めたのは最近ではなく、コンプライアンスや多様性の追求が原因/目的でもありません。 今から5年ほど前、私はFT書房から刊行するTRPGをこしらえるために、苦闘の日々を過ごしておりました。 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の前に、「60ミニッツオブサバイバル(SoS)」「パイレーツオブエメラルドシー」「アランツァTRPG」など、合計4作品を作り、ボツにしてきたわけですけども。 FT書房の共通世界である「アランツァ」を舞台にしたTRPG「アランツァTRPG」のキャラクター作成部分を、あるメンバーに確認してもらっている際に、言われたのです。 「アランツァの世界では男性に筋力があり、女性に魔法の才があるって、ハッキリと決まっているんですね。でも、私は男性の魔法使いを創りたいんだけどなぁ」 この言葉をキッカケに、私は色んなことを検討しはじめました。 ◆なぜ、そうしたか。 「アランツァTRPG」で私が「女性のキャラクター」に対して優遇したのは、1点の能力値でした。 確率でいうと、5%ぐらいのイメージです。 どうしてそうしたかというと、アランツァ世界には、「戦士は男性が多めで、魔法使い(僧侶や魔術師)は女性が多めである」という事実があるからです。 プレイヤーキャラクターを「アランツァ世界の一部」として捉えるとき、同じような傾斜が生まれるように、ルール部分に傾斜をつけたかったわけです☆ 「男性の冒険者は筋力(戦士に必要な能力)に恵まれていて、女性のキャラクターは魅力(僧侶に必要な能力)に恵まれている」という設定も、感覚的に自然であると感じました。 しかし……です。 ◆「設定」という名の「檻」。 その後、私はテストプレイならぬテストビルドとして、10人のテストプレイヤーに、キャラクターを作ってもらいました。 するとですね、魔法使い(魔術師や僧侶)はすべて女性となり、肉体系職業(戦士や盗賊)はすべて男性となる、という結果になったのです。 どうしてそうなったのか、私は思案しました。 これは極端な、偏りのある結果だったのでしょうか? キャラクターを作成する際、私は通常、「最も強いキャラクターのビルド方法」を下調べします。 これは、基本的にTRPGが、複数のプレイヤーで遊ぶことを前提としているからです。 最強のキャラクターで遊びたいからではなく、他のプレイヤーの足を引っ張ることになるのがこわいから、十分な強さのあるキャラクターを作りたいのです。 また、テストビルドに参加してくれたプレイヤーに尋ねたところ、こういう答えをもらいました。 「明確に得なほうがあればそちらを選ぶし、それに逆らって役に立たないキャラクターを作るのもこわい。セッションの間じゅうヒマになってしまうのはイヤだ」 このテストビルダーの意見は、私と言い方は異なるものの、根本にあるのは私と同じだと受け止めました。 この件を通じて、能力によって「世界観に沿った傾斜」を与えようという試みは、機能しない可能性が十分にあると感じました。 それがたった1%の差であっても、有利は有利なわけで……プレイヤーからしたらそちらを「選ばない理由がない」のです。 ◆なら、どうするの? 実を言いますと「アランツァTRPG」では、この他にも「有利と不利」がいくつかありました。 年齢が若ければ肉体的に有利ですし、歳を重ねていれば知識量として有利です。 ドワーフは戦いに有利で、エルフは魔法を使う存在として有利です。 その結果、戦士系のキャラクターは若いドワーフの男、魔法使い系のキャラクターは歳老いたエルフの女性ばかりという、極端な偏りが起こってしまいました。 これは違うな……そう感じました。 それで、「ローグライクハーフ」では「すべてを自由にしよう」と決めました。 「ルールを最軽量にする」という方針が決まっていたこともあって、どんな種族/性別/年齢であっても、能力値等に一切の影響はないと定めたのです。 定めてみて、「これはとてもいいな」と感じました。 私がTRPGのキャラクタービルドで大事にしてほしいのは「自分が望むキャラクターを作って、楽しく遊ぶ」ことだからです。 ◆TRPG「らしさ」をどう受け止める? TRPGのキャラクターが、たとえばある程度の年齢だとして、「若い頃のようには動けない」というルールは、あっていいものかもしれません。 しかし、そのような実装は寡聞にして聞いたことがありません。 あるかもしれませんが、多くのTRPGでは採用されていません。 それはおそらく、そうしたルールが生む能力値への変化が、プレイヤーにとってあまりにも大きな影響を与えるからだと、私は結論づけました。 ほんの小さな違いでも、それは大きな「束縛」となるのです。 これは、私の望むところではありません。 プレイヤーは自由にキャラクターをデザインしていいし、できるべきなのです。 世界を表現する大枠として何を省き、何を残すのか。 私は「ロールプレイングゲーム(役割を演じるゲーム)」であるTRPGには、【職業】だけがあればいいと考えて、「ローグライクハーフ」を作りました。 もちろん、これが唯一の答えだとは思いません。 ファンタジーの文脈からすれば「種族」を省くのはかなりの勇気が要りました。 ほとんどのオールドスクールファンタジーでは、種族を選べるようになっています。 後に【悪の種族】をプレイできる「ヒーローズオブダークネス」を作ってしまいもしました。 しかし、それを【悪の種族】限定にした(【善の種族】によるオプションルールは作らなかった)のは、種族がプレイ上の制約=能力値的な有利不利を生むことが、少なくとも「ローグライクハーフ」が目指す遊び方と異なっていると感じたからです。 「役割を遊ぶ」というシンプルさが、「ローグライクハーフ」の目指すところです。 ◆まとめ。 そのような理由から、私は「アランツァ」における冒険者は、役割以外の影響を受けることが基本的にないという設定を置くようになりました。 性差だけでなく、年齢における有利不利もないという設定があります。 現役でいられる以上は、どの冒険者も十分に強いと考えています。 種族に関しても、たとえば、「エルフの里で暮らすエルフ」と「冒険者としてのエルフ」の間に線を引いて考えています。 全体としてアランツァ世界の冒険者は都会的な感覚を持っていて、結果的にそれは、たとえばエルフが持つ神秘性のようなものとの距離が存在することを意味しています。 だから、プレイヤーが【善の種族】からエルフやドワーフやコビットやノーム(ときにはもっとかけ離れた種族でも)を選んだとしても、それは自由であり……ゲームに影響を与えません。 今回はそのあたりで。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。