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2026年9月28日月曜日

☆アランツァへのいざない☆ 補足回 FT新聞 No.4996

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の最新作「ガルアーダの塔」の通販サイトが開かれました! 正式な刊行日は10月17日(土)です……ゲームマーケット2026秋「S-006」にてお披露目となります! 価格をいつもどおりに収められなくて申し訳ないです……内容でお応えできればと考えております。 今回はB5版134ページで、通常サプリメントの2.5倍にまで文量が達しました。 イラストは50点。すべてカワラベ先生によるものです☆ ↓『ガルアーダの塔』ローグライクハーフ版はこちら! https://ftbooks.booth.pm/items/8752965 ◆コメントを、ひとつ。 だいぶ前の記事の話ですが、「アランツァへのいざない」の記事で、アランツァ世界の男女には性差が小さい、という話を書きました。 この記事を読まれたとき、これがとても「現代風」で、配慮に富んだ姿勢であるという解釈をされたかもしれません。 実を言いますと、この事実を定めたのは最近ではなく、コンプライアンスや多様性の追求が原因/目的でもありません。 今から5年ほど前、私はFT書房から刊行するTRPGをこしらえるために、苦闘の日々を過ごしておりました。 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の前に、「60ミニッツオブサバイバル(SoS)」「パイレーツオブエメラルドシー」「アランツァTRPG」など、合計4作品を作り、ボツにしてきたわけですけども。 FT書房の共通世界である「アランツァ」を舞台にしたTRPG「アランツァTRPG」のキャラクター作成部分を、あるメンバーに確認してもらっている際に、言われたのです。 「アランツァの世界では男性に筋力があり、女性に魔法の才があるって、ハッキリと決まっているんですね。でも、私は男性の魔法使いを創りたいんだけどなぁ」 この言葉をキッカケに、私は色んなことを検討しはじめました。 ◆なぜ、そうしたか。 「アランツァTRPG」で私が「女性のキャラクター」に対して優遇したのは、1点の能力値でした。 確率でいうと、5%ぐらいのイメージです。 どうしてそうしたかというと、アランツァ世界には、「戦士は男性が多めで、魔法使い(僧侶や魔術師)は女性が多めである」という事実があるからです。 プレイヤーキャラクターを「アランツァ世界の一部」として捉えるとき、同じような傾斜が生まれるように、ルール部分に傾斜をつけたかったわけです☆ 「男性の冒険者は筋力(戦士に必要な能力)に恵まれていて、女性のキャラクターは魅力(僧侶に必要な能力)に恵まれている」という設定も、感覚的に自然であると感じました。 しかし……です。 ◆「設定」という名の「檻」。 その後、私はテストプレイならぬテストビルドとして、10人のテストプレイヤーに、キャラクターを作ってもらいました。 するとですね、魔法使い(魔術師や僧侶)はすべて女性となり、肉体系職業(戦士や盗賊)はすべて男性となる、という結果になったのです。 どうしてそうなったのか、私は思案しました。 これは極端な、偏りのある結果だったのでしょうか? キャラクターを作成する際、私は通常、「最も強いキャラクターのビルド方法」を下調べします。 これは、基本的にTRPGが、複数のプレイヤーで遊ぶことを前提としているからです。 最強のキャラクターで遊びたいからではなく、他のプレイヤーの足を引っ張ることになるのがこわいから、十分な強さのあるキャラクターを作りたいのです。 また、テストビルドに参加してくれたプレイヤーに尋ねたところ、こういう答えをもらいました。 「明確に得なほうがあればそちらを選ぶし、それに逆らって役に立たないキャラクターを作るのもこわい。セッションの間じゅうヒマになってしまうのはイヤだ」 このテストビルダーの意見は、私と言い方は異なるものの、根本にあるのは私と同じだと受け止めました。 この件を通じて、能力によって「世界観に沿った傾斜」を与えようという試みは、機能しない可能性が十分にあると感じました。 それがたった1%の差であっても、有利は有利なわけで……プレイヤーからしたらそちらを「選ばない理由がない」のです。 ◆なら、どうするの? 実を言いますと「アランツァTRPG」では、この他にも「有利と不利」がいくつかありました。 年齢が若ければ肉体的に有利ですし、歳を重ねていれば知識量として有利です。 ドワーフは戦いに有利で、エルフは魔法を使う存在として有利です。 その結果、戦士系のキャラクターは若いドワーフの男、魔法使い系のキャラクターは歳老いたエルフの女性ばかりという、極端な偏りが起こってしまいました。 これは違うな……そう感じました。 それで、「ローグライクハーフ」では「すべてを自由にしよう」と決めました。 「ルールを最軽量にする」という方針が決まっていたこともあって、どんな種族/性別/年齢であっても、能力値等に一切の影響はないと定めたのです。 定めてみて、「これはとてもいいな」と感じました。 私がTRPGのキャラクタービルドで大事にしてほしいのは「自分が望むキャラクターを作って、楽しく遊ぶ」ことだからです。 ◆TRPG「らしさ」をどう受け止める? TRPGのキャラクターが、たとえばある程度の年齢だとして、「若い頃のようには動けない」というルールは、あっていいものかもしれません。 しかし、そのような実装は寡聞にして聞いたことがありません。 あるかもしれませんが、多くのTRPGでは採用されていません。 それはおそらく、そうしたルールが生む能力値への変化が、プレイヤーにとってあまりにも大きな影響を与えるからだと、私は結論づけました。 ほんの小さな違いでも、それは大きな「束縛」となるのです。 これは、私の望むところではありません。 プレイヤーは自由にキャラクターをデザインしていいし、できるべきなのです。 世界を表現する大枠として何を省き、何を残すのか。 私は「ロールプレイングゲーム(役割を演じるゲーム)」であるTRPGには、【職業】だけがあればいいと考えて、「ローグライクハーフ」を作りました。 もちろん、これが唯一の答えだとは思いません。 ファンタジーの文脈からすれば「種族」を省くのはかなりの勇気が要りました。 ほとんどのオールドスクールファンタジーでは、種族を選べるようになっています。 後に【悪の種族】をプレイできる「ヒーローズオブダークネス」を作ってしまいもしました。 しかし、それを【悪の種族】限定にした(【善の種族】によるオプションルールは作らなかった)のは、種族がプレイ上の制約=能力値的な有利不利を生むことが、少なくとも「ローグライクハーフ」が目指す遊び方と異なっていると感じたからです。 「役割を遊ぶ」というシンプルさが、「ローグライクハーフ」の目指すところです。 ◆まとめ。 そのような理由から、私は「アランツァ」における冒険者は、役割以外の影響を受けることが基本的にないという設定を置くようになりました。 性差だけでなく、年齢における有利不利もないという設定があります。 現役でいられる以上は、どの冒険者も十分に強いと考えています。 種族に関しても、たとえば、「エルフの里で暮らすエルフ」と「冒険者としてのエルフ」の間に線を引いて考えています。 全体としてアランツァ世界の冒険者は都会的な感覚を持っていて、結果的にそれは、たとえばエルフが持つ神秘性のようなものとの距離が存在することを意味しています。 だから、プレイヤーが【善の種族】からエルフやドワーフやコビットやノーム(ときにはもっとかけ離れた種族でも)を選んだとしても、それは自由であり……ゲームに影響を与えません。 今回はそのあたりで。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。