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2026年9月21日月曜日

アランツァへのいざない 移動集落もっさもさの話 FT新聞 No.4989

おはようございます、自宅の書斎から杉本です。 ローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』の刊行を目指して、やっております。 つい先日、FT新聞で「オレニアックス生物学」の過去記事が再配信されました。 対象となったクリーチャーは「もっさもさ」です。 本日の記事は「アランツァワールドガイド」として、〈もっさもさ〉をご紹介いたします☆ ◆〈もっさもさ〉とは?  その大きさは全長1km、体重は不明。年齢は推定800歳。長い4本の脚を持ち、1日に20時間睡眠する。全身はほぼ鉱物でできていて、顔には口めいた亀裂が走っている。食事はしない。冬場を除いて全身に緑の草花が生えていて、鳥や昆虫などが住みついている。   ──「アランツァクリーチャー事典」より抜粋  もっさもさはゴーレムの一種です。全長1kmというとんでもない大きさがあり、毎日移動します。世界で1体しか存在しないクリーチャー、いわゆる「ユニーク・クリーチャー」です(※この場合の「ユニーク」は「唯一の」という意味)。  「オレニアックス生物学」や「アランツァワールドガイド」の記事を見れば、〈もっさもさ〉がどのようなクリーチャーであるかは分かります。興味があれば、下記URLを参照してください。 https://x.gd/RaX9E  しかし、この情報を見ても「もっさもさ」がアランツァという世界でどういう存在なのかは見えてきません。今回の記事は、そこにスポットを当てるものです☆ ◆古森について。  もっさもさの話をする前に、アランツァの地図に載っていない地名をひとつ、ご紹介します。大陸中央南部には桜森と呼ばれる森があるのですが、この森の北西部にかえる沼という沼地があります。この沼地の西側にはアリクララ湖という大きな湖があるのですが、この湖と沼の間に、それほど大きくない森があります。それが「古森(ふるもり)」です。  古森は小さな森です。沼地と湖に挟まれていることからも明らかなとおり、ここいら一帯はいわゆる低湿地帯です。苔や藪の多い場所で、泥炭を多く含む地形です。この古森が、〈もっさもさ〉が拠点とする土地です。 ◆誰が、なんのために?  〈もっさもさ〉はもともと、古森の東側にあるアリクララ湖が平地だった時代に造られたものでした。この湖にはもともと魔法都市ジョルクと呼ばれる、アランツァで最も魔法が盛んな都市が存在しました。ある時期にこのジョルクが浮遊して天空都市ジョルクとなり、その際にできた穴に水が流れ込んでアリクララ湖となります。  魔法都市ジョルクは最終的に「都市ごと浮かぶ」という選択を選びますが、その計画の前に立案されたのが「移動都市ジョルク」でした。都市民が暮らすことのできる大きさのゴーレムを移動都市として建造して、そこに避難するというものです。  計画は壮大でしたが、実現困難なものでした。「移動都市ジョルク」の立案者である博士は王の承認を得て、本来必要な大きさの10の1以下のゴーレムを造りました。博士は都市民すべてが入居できる巨大なゴーレムよりも、コンパクトな1kmサイズのものを必要な数だけ造ることを提案したかったのです。この最初のひとつ目のゴーレムが後の〈もっさもさ〉です。この計画は最終的に王の気に入られることはなく、複数のゴーレムが造られることはありませんでした。 ◆新たな住居、新たな人生。  さて、話は古森に戻ります。この森は昔からぬかるんだ地面にあって、ここに住む人々は貧しい暮らしを営んできました。この土地の住人は自分たちをモッサ・モッサと呼んでいました。彼らは赤錆川を利用して、近隣の都市である「からくり都市チャマイ」や「水上都市聖フランチェスコ市」と交易をしていました。しかし、この時期になると、チャマイの近隣にあるトカゲ人たちの街シァアレが大きな発展を遂げて、モッサ・モッサの民を誘拐するようになります。  ジョルクの王は自都市の人々の安全と発展のために、用途のなくなったゴーレムを利用できないかと考えます。その内部に彼らが住むという案はモッサ・モッサの長と民に受け入れられ、ゴーレムは〈もっさもさ〉と呼ばれるようになります。 ◆イスト博士の話。  それから200年ほどが経過しました。ジョルクが天空都市となった今も〈もっさもさ〉は地上を歩き、交易を行っています。かつてとは異なり陸路が中心で、聖フランチェスコと商業都市ナゴールを行き来して取引を行なっています。  さて、〈もっさもさ〉を熱心に研究しているイスト博士という人物の名前が、「オレニアックス生物学」や「アランツァクリーチャー事典」に登場しました。この人物はかつて、魔法都市ジョルクで「移動都市ジョルク」を発案した博士の子孫なのです。「アランツァクリーチャー事典」の執筆者であるカメル・グラント教授とも親交があり、今はからくり都市チャマイの大学に所属しています。 ◆移動迷宮〈もっさもさ〉。  実はモッサ・モッサは、〈もっさもさ〉の体内のごく一部のみを、居住空間として利用しているに過ぎません。〈もっさもさ〉は何層にも分かれていますが、彼らが住んでいるのは第1層のみです。それも、すべての空間を占めているわけではありません。  残りの空間は、200年の間に他の生物が住むようになってしまいました。植物がまずはびこり、次に鳥類や昆虫類が、そして四つ足の動物やモンスターたちが入り込みました。今やこの未知の空間は迷宮も同然です。また、今のモッサ・モッサたちは、〈もっさもさ〉の体内にある機能をすべて把握できていません。彼らは生活に必要なこと以外をあまりしようとせず、〈もっさもさ〉によく使う道を歩いてもらい、都市間を往復するばかりです。 ◆モッサ・モッサとその長。  現在のモッサ・モッサの長はフーマ・モッサ。不健康な生活から顔色が悪く、「だりぃ」が口ぐせの、色白で痩身な女性です。肉体改造の性癖を持ち合わせていて、耳、唇、舌、それからあまり言えないところに穴を開けて、そこにエメラルドやサファイアといった色つきの宝石のピアスを着けるのが好きな人物です。舌がふたつに割れていて、考えごとをしているときにふたつの舌先が絡み合うように動きます。髪の色はもともと白色ですが、ドレッドヘア状に結わえた髪を束ごとに異なる色で染めており、全体としては虹色をしています。  モッサ・モッサは種族としては人間です。先天的に色素が薄く、瞳の色が青色というよりは水色に近いのが特徴です。髪は銀色あるいは白色。肌の色は例外なく抜けるような白色です。そして、魔法都市ジョルクの民たちと同じく、優れた魔法使いとしての資質を持っています。その資質は【魔術師】というよりは【僧侶】に近く、自然神ヴェルディアを信仰しています。  現在のモッサ・モッサ族が、どのぐらいの規模なのかは分かっていません。 今回はこのあたりで。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。