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2026年9月9日水曜日

第7回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4977

第7回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 海神ホリィドゥーンの加護、クラーケンの居所を見通す遠見師エラ・シエロの同行を得て、クラーケンぶっ殺し号は、航海を続けます。 【ヴァルグ レベル20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック03-3 いけにえの島【ポール】 見張りが航路上に島を発見した。 航海を優先している私たちは、島の探索は後回しにし、一路クラーケンのもとへと向かう選択をする。 しかし、見張りからもたらされた追加情報は、簡単には無視できないものだった。 「砂浜にゴブリンの姿を多数確認。加えて、縛られた者が何名か。ゴブリンは焚火を囲み、踊り狂っている様子です」 それではまるで、古くから伝わるいけにえの儀式のようじゃないか。 縛られた何名かは人間よりも小柄という。コビットかノームあたりかな。 「お願いします。助けに行かせてください!」 報告を聞くなりハルトが、船長に進言……というより、懇願していた。 「この船がクラーケン退治を優先してるのは知ってる。でも、ほっとけないんだ。オレ一人で行くから、どうか……!」 「誰も行かないとは言っていないだろう。非常事態だ。いくら航海を優先すると言っても、無視できないこともある」 「それじゃあ……!」 「ああ。行ってくれるな、ヴァルグ」 「あたぼうよ。誰にモノ言ってんだ。行くぞハルト」 「はい……はい! 行こう、ヒース」 ヴァルグとハルト、そしてヒースを乗せた小舟は、ゴブリンたちに気づかれないよう、砂浜脇の岩場から回り込むようだ。 儀式の最後にきっといけにえは殺されてしまうだろう。その前にどうか、間に合ってくれ。 船長が双眼鏡を覗き込み、様子を確認している。 「気づかれないまま無事上陸できたようだ。あっ」 船長が気になる声を上げる。 「どうした? ヴァルグがゴブリンと一緒に踊り出しでもしたか?」 白奴が冗談めかして聞き返す。まったく心配していないのは明らかだ。 「ああ、ヴァルグが先行して飛び出しただけだ。いつものことだな。もう終ったぞ」 「え、もう?!」 私は驚きの声を上げた。いくらなんでも早すぎなのでは。 「ゴブリンどもはすでに散り散りだ。縛られた人の拘束を解く方に苦戦しているくらいだな」 やがてヴァルグたちが、助けた人たちを連れて小舟で戻ってきた。 彼ら三人はノームだった。職人気質で発明好きな種族として知られる小柄な種族だ。 「我々を救っていただき、感謝する」 ノームたちは深々と頭を下げた。 「我々はからくり都市チャマイの銃士隊だ。交易船の護衛をしていたところをクラーケンに襲われ、船を沈められてこの島に流れ着いた。そこをゴブリンに捕らわれ……本当に助かった」 「クラーケンから逃げてきたところをすまないが、本船は目下、クラーケン討伐の任に当たっている」 船長が説明すると、ノームたちは色めき立った。 「とんでもない! そういうことならぜひ我々にも協力させてくれ! 銃は湿って使い物にならないが、雑務でもなんでもするぞ」 「君たちを歓迎しよう。再び危地へと赴くのはいささか心苦しいが」 「なに、我々の命はもうないも同然だった。感謝しかない!」 こうして新たにノームたちが加わった。 私はふと思いつき、提案してみた。 「火薬なら、大砲に使っているもので代用できないでしょうか?」 ノームたちはその提案に、一も二もなく飛びついた。 「試しに見せてくれ。もし銃が調整ができれば、必ずや戦力になると約束しよう」 こうして船は新たな乗組員を迎えることになったのだった。 [プレイログ] 【中間イベント 原始のゴブリン】 【原始のゴブリン 出現数5 レベル3】 ・リーダー一体がレベル4。リーダーを倒すと他の個体が引継ぎ、レベル4になる。 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目4 ゴブリン5体→4体 【1ラウンド】 ヴァルグの攻撃 サイコロの出目6 ゴブリン4体→3体 ヴァルグの追加攻撃 サイコロの出目4 ゴブリン3体→2体 →ゴブリンは逃走。 宝物判定 サイコロの出目4 1d6×1d6のアクセサリー サイコロの出目6と5 アクセサリー(金貨30枚)を入手 ※ノームは従者にできるが、従者枠に空きがないため、乗船のみである。 ●アタック03-4 悪魔の魚【ハルト】 その悪魔の魚は、いきなり甲板に立っていた。 アクアデーモンのように、ウロコにびっしり覆われた半魚人のような外見とは違う。 その逆だった。 魚の胴体から、人間の手足が生えたような奇妙で不気味で……でも、見ようによっては笑えてしまう外見だった。 「ピロロロロ」 どこから出しているのかわからない、水の入った笛を吹いているような声が漏れた。 無機質で冷たい魚の瞳が、じっとこちらを見つめていてぞっとする。 見張りには見つけられなかったみたい。 アクアデーモンのときもそうだったけど、水の中から近づいて、こっそりよじのぼってくる相手を見つけるのは難しい。 「アクマウオ……だと?!」 「知っているのか、白奴?」 船長が問う。 「ああ。雑食の悪魔。あのでかい口に入るものはなんでも呑みこんじまう。人間でさえも」 「食いしんぼうか。どう評していいのかわからんな」 「あとやたら強い。そんで、ぬるぬるしてる」 「そっちを先に言ってくれ」 「そんなわけで、コビットはおいしくいただかれる前に退散、たいさ〜ん!」 白奴の号令で、甲板のコビット乗務員たちが一斉に船室へと逃げ込んでいく。 「じゃ、あとよろしく〜」 甲板に残ったのは師匠、オレ、ヒース。そして船長だけだ。 アクマウオは再び「ピロロロロ」と不気味な声を出す。 魚の瞳は、どこを見ているのかがわかり辛い。 そして突然、動いた。 一直線に。 狙いはヒースだ!! 「ヒース!」 ヒースがとっさに炎を吐いてけん制する。 炎が出るのは想定していなかったんだろう。アクマウオの動きが一瞬止まった。今だ! オレは、獣の腕を振るい、巨大な槌で、渾身の力をこめてアクマウオをなぐりつけた。 ぬるん。 しかし、槌はアクマウオのぬめる皮膚をつるりとすべり、甲板を強く叩きつけるだけだった。 「効かない!?」 アクマウオが巨大な口を開けてヒースに飛びかかる。 まるで魚の顔全体が口になったような大きな口だ。 これならだいたいのものは呑みこんでしまうだろう。ヒースでさえも。 ヒースは必死に噛みつき返して抵抗している。 「叩けないなら、斬ればいい」 師匠の低い声が響いた。 アクマウオに斬りかかる。 それは見事にアクマウオの胴体を深く裂いた。 「俺の剣が反応してやがる。正真正銘の悪魔だなテメエ」 ヴァルグが剣の切っ先をアクマウオに向けた。 「ピロロロロ。ソレが、ドウシタ」 しゃべった!? 師匠に深手を負わされたというのに、痛がる様子もない。 「そのケモノ、ゴチソウ。イタダク」 そのとき、船室の扉が開いて、三人のノームたちがだだだっと飛び出してきた。 その場に整列した三人は、銃を手にしている。 「狙え!」 スチャッ。 洗練された動きで銃を構える。 「撃てっ!」 ダン! ダンダンッ! 乾いた発砲音が響く。その攻撃はアクマウオをかすめた。 アクマウオはさすがに脅威を感じたのだろう。 ためらうことなく甲板から海中へと身を躍らせ、姿を消した。 ノームの銃士のひとりが、欄干から船尾方向を観察する。 「どうやら、再来の意思はないようです。去っていきました」 アクマウオはこうして撃退された。 「なんでェ。俺の独壇場だったのによォ」 師匠は雑に剣を肩に担ぎ、不満を口にする。 「すまない。だが銃の調整は間に合ったぞ。これで我々もクラーケン戦でお役に立てる」 その返答に、船長は満足そうにうなずいたのだった。 「ああ。助力に感謝する。期待しているぞ」 ●アタック03-5 決戦前のひととき【ポール】 遠見師エラの義眼は淡い紫の光を放ち続けている。 「ここです」 エラは静かに、かつ厳かに告げた。 それは、この旅の最終目的地を示していた。 「不思議な気分だな」 ハーツデイル船長が感慨深げにつぶやく。 「一方的に襲われるしかない相手だったものが、今回は待ちかまえる側とは」 雲ひとつない空に、照りつける陽光が肌を焼く。 その暑さを和らげるように、暖かな風が全身をほどよく撫でてゆく。 エメラルドの海原はどこまでも続き、水平線の彼方に溶けるように消えている。 これなら、クラーケンがどこから来ようとも、発見はたやすいはずだ。 見張り台には三人のコビットたちが、右舷前方、左舷前方、後方を眺め渡し、全方位をカバーしている。 甲板では他のコビットたちが、クラーケン対策に忙しく動き回っている。 太いロープをさらに三つ編みに結い合わせ、その先に巨大な鉤を取りつけている者。樽を慎重に運ぶ者。 「その樽には火薬が詰めてあるから気をつけてくれよ」 「おおっとこりゃスマン」 白奴が何気なく樽に腰かけようとした瞬間、コビットの一人に注意されていた。 ノームの銃士隊は、銃の手入れに余念がない。 ハルトは緊張した面持ちでヒースをやさしくなでていた。ヒースは心地よさそうに目を細めている。 ハルトはもう、マントを羽織っていない。最初から全力で動けるよう、獣の腕をむき出しにしている。 ヴァルグは、甲板の先端で無駄に格好つけて立っていた。 「私たちもそろそろ持ち場につこうか」 ニーナにそう声をかける。 「え、ええ……そうね」 ニーナの声はいつになく弱々しかった。普段のはきはきした様子とは明らかに違う。 「ねえポール、あなたクラーケンと直接戦ったことあるんでしょ。その……どう、だった?」 そうか。ニーナはクラーケンとは遭遇するのも初めてなんだ。 海をおびやかす伝説の魔物。 遭遇したが最後、船はバラバラにされ、生きて還るなど絶対に不可能だと言われている。 しかし私は生き残った。 ヴァルグたちの超人的な活躍と、クラーケンの気まぐれによって。 そもそも私は、どうしてこの船に乗ったのか。 あやうく死にかけたというのに。 それは、ヴァルグが私を認め、誘ってくれたのが嬉しかったから。 そんな小さなことが、クラーケンへの恐怖に勝ってしまったんだ。 ヴァルグならクラーケンでもきっとなんとかしてしまうんじゃないか。そう思った。 「皆張り切って準備してる。それでも、どう? クラーケンに、勝てる……かな?」 ニーナは不安げに私を見つめていた。 いや、ニーナだけじゃない。この船の乗組員のほとんどは、心のどこかで同じ思いを抱いているはずだ。 ああやって作業に集中することで、それをごまかそうとしている。 クラーケンを知る者として、私はなんと答えるべきだろう。 少し考える。ニーナだけじゃなく、乗組員たちの不安を取り除くには……。 私は、船首で前方を見つめているヴァルグに大声で叫びかけた。 「なあ、ヴァルグ! いよいよだな! クラーケンが出たら、がっちり船を守ってくれよ!」 「おう。任せとけ。あいつはなりはでけェがようするにイカだ。柔らけェからザックザックに切り刻んでやるぜ」 ヴァルグも大声で、自信満々に返してきた。 「ポールにも期待してるぜ。あいつのでけェ図体、撃ちゃあ当たる。狙い放題よ!」 「おいおい、それじゃ私の腕前が悪いみたいじゃないか」 「だはは。言うねェ。ま、ポールとそっちのニーナの嬢ちゃんが当てまくってくれりゃあ、勝利は間違いなしだ。なんたってこの船は『クラーケンぶっ殺し号』だからな!」 ヴァルグの宣言に、甲板全体がどっと沸いた。 「……と、いうことだ。ニーナ、お互いがんばろう」 「うん。……ありがと」 ニーナはわずかに笑みを浮かべ、いつもの調子を取り戻したように見えた。 私とニーナは軽くハイタッチをし、それぞれの砲座へと向かった。 次回、ついに最終決戦! [プレイログ] 【62 アクマウオ】 【アクマウオ レベル6 生命点6 攻撃回数2】 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目5+修正1 命中 アクマウオの生命点6→5 【1ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目5+修正1 命中 アクマウオの生命点5→4 ハルトの攻撃 サイコロの出目3+修正2 外れ ヴァルグの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル アクマウオの生命点4→3 ヴァルグの追加攻撃 サイコロの出目2+修正3 外れ アクマウオの生命点が半減したため、逃走。 ※ノームの銃士は従者になっていないので、演出です。 宝物判定 サイコロの出目6 2d6×5の価値の宝石 サイコロの出目1と2(下限が30のため、30に決定) 宝石(金貨30枚の価値)入手 【ヴァルグ レベル20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】25 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 精巧なアクセサリー(金貨120枚) アクセサリー(金貨30枚) 宝石(金貨30枚) 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】2 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】45 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 狼の刻印の腕輪(金貨12枚) エメラルド(金貨30枚) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】1 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。