FT新聞編集長の水波流です。
本日は、Reシリーズ・丹野佑氏による『20代からのゲームブック』
元は丹野氏が20代のとき、約3年に渡って書き綴られた名コラムの再録です。
(2014年2月5日 FT新聞No.391〜2016年11月23日 FT新聞No.1412)
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(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメントは全て当時のものとなっております)
おはようございます。丹野です。
七月も半ばになりました。先日、セミの抜け殻……ではなく、幼虫が必死に土の上を歩いているところを発見しました。
これから脱皮するために地面を這っていい木を探すのでしょう。もう本格的に夏なんだなあ、と感じました。
■描写について
今更の話ですが、お話には起伏やリズムがあります。
たとえば、主題とあまり関係ない、ただ歩いているだけのシーンを長々と描写していると、明らかにダレてきます。逆に、作中で最も重要なお宝を手に入れるシーンや、敵を倒すシーンを短く、あっさり描写してしまうと、味気なく感じてしまうものです。
かといって、重要でないからと言ってなんでもはしょってしまうと世界観が描かれていない急ぎ気味の印象になってしまいますし、派手なシーンだからといって長々と文章を書いていても疲れてくるものです。
展開や描写に応じて、その描写をどれぐらい書き込み、どんな勢いで見せるかを考えるのかが大事なわけですね。
■選択肢による描写
さて、ゲームブックでは、省略するのは簡単です。パラグラフとパラグラフの間で流してしまえばいいわけです。酒場から「森へ移動する」という選択を読者が行うことが、一種の描写になっているわけです。逆に、酒場から森に移動すると選んだのに、村の出口での描写が始まったらそこで何か起きるんだな、と感じますよね。
では逆に、重要なシーンはといえば、こちらもやはり選択肢を上手に使うのが大事なようです。
ゲームブックなのに、プレイヤーの選択と関係なくパラグラフの途中で敵を倒してしまったらかなり驚きますが、あまり面白くは感じないでしょう。やはり、重要な敵との争いや、重要な局面では、それに見合った選択肢があってほしいものです。
さらに言えば、そこが重要な局面であるほど、その選択肢も特別なものであるべきでしょう。
特定の条件を満たしていなければ選べなかったり、一見存在しないように見える選択をパラグラフジャンプによって行えなかったりすると、その選択肢自体が「特別な意味」を持ちます。
これによって、通常では選べないような、特別な決断や奇跡的な出来事が描写されるわけです。
常にそうあるべきだ、というわけではありませんが、選択肢自体が重要な描写になっているというのは、ゲームブックならではの特徴といえそうです。
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