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2025年3月26日水曜日

第4回【戦場の風】ゲームブックリプレイ FT新聞 No.4445

第4回【戦場の風】ゲームブックリプレイ

※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。


ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
戦場の端っこで、敵国ドラッツェンの繰り出すウォードレイクに遭遇し、どうにか逃げのびます。
牛飼いジェイコブ、聖騎士の配下だった兵士アンドロを同行者に加え、王女を探して戦場を走ります。

【ウォーレン 技術点12 体力点17/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット


●アタック04-5 ウォーレン、牛寄せの笛を得る

友軍のテントを出発する。
俺と、牛飼いジェイコブ、兵士アンドロの3人と、馬が1頭。
俺とアンドロは王女を探しに。
牛飼いジェイコブは、この金牛の丘に牛舎と家があるため、そこまで戻るのが目的だ。

そのジェイコブは、道中でウォードレイクの話を出してきた。
どうやらジェイコブも、ウォードレイクを見たことがあるらしい。
しかしそれは、俺たちのように襲われたからじゃない。
ドラッツェンの兵士に、ウォードレイクの餌として牛をよこせと買いたたかれたという。
ジェイコブは、ウォードレイクが牛1頭をまるごと平らげる場面を目撃していたのだ。

ウォードレイクは牛が好物。
何気ない話だが、これは重要かもしれない。
牛とウォードレイクが同時に登場する場面でもあれば、だが。

丘を上がる道を進む。戦場は局地的なので、牧草地を歩くぶんにはなにごともない。
牛が見当たらないのは、ウォードレイクを恐れているためかもしれない。

やがて、牛舎と家屋が見えた。
ここにある家といえば、それはもちろんジェイコブの家に違いないだろう。

「うちに寄っていってくだせえ。ここまで連れてきてもらったお礼がしたいだ」

ここで、招待を受けるか、申し出を断って別れるかの選択となった。
うーんどうしたものか。

ジェイコブは、俺の使命はじゅうぶんに承知しているはずだ。
お礼と言っても、のんびりと食事にご招待なんていう、悠長なことはしないに違いない。
そう思いたい。

だから、今回は立ち寄ってみても良いのではないか。
そう結論づけて、俺はジェイコブの家に立ち寄ることにした。

あ。そういえばジェイコブ、家族を置いて勝手に逃げてたんだっけ。
お礼どころか、家族の修羅場に立ち会うことになってしまったら、タイムロスどころじゃないぞ。

その心配は杞憂だった。家族は、ジェイコブが無事に戻ってこられたことで、再会を喜び合った。
それはそうか。戦場の中だ。いつ殺されてもおかしくない。事実ジェイコブは、ドラッツェン兵に殺されかけていた。

……考えてみれば、俺の使命は王女を説得し、無事に脱出させること。
それは敗戦を意味するだけではない。この戦場を、ひいてはこの土地を放棄することだ。
つまりジェイコブ一家は今後、ドラッツェンの管轄下で、ウォードレイクの餌として牛を飼育するという運命が、すでに確定していると言ってもいい。

すまないな。我が国に力がないばかりにそのような憂き目に合わせてしまう。

ジェイコブはお礼にと、笛を差し出した。
本当は牛を1頭あげたいところだが、今渡されても邪魔だろうと。
まあ、そうだな。牛の使いみちはさっき想像していたが、連れ歩くとなれば話は別だ。

で、笛はというと、牛寄せの笛とのことだ。
この笛を吹けば、寝ている牛でも呼び集めることができるという。

しかも、この笛を使う際にはパラグラフジャンプを試みられる。

つまり、俺が吹いても効果が出るということか。
それはすごいな。ただの笛ではなく、特別な魔力でも秘めているのか。
牛集めの魔力。作成した付与魔術師の技術もセンスも不思議だ。

「おい! 開けろ! 誰かいるのか!!」

ドアがガンガンと叩かれる。
ドラッツェン兵だ。
俺たちが入るところを目撃されていたのかもしれない。

面倒な事態になってしまったな。


●アタック04-6 ウォーレン、ドラッツェン兵と戦う

対処としては、不意を打って倒してしまうか、あるいは裏口からこっそり逃げることだろう。
牛飼いの一家だけなら、ごまかしきれる可能性は十分にある。
逆にここで兵士と戦い、1人でも逃がしてしまった日には、牛飼い一家が危険にさらされることになる。

しかし、俺が想像した選択肢は出なかった。
問われたのは、ほかに仲間がいるかどうかだ。

いるな。アンドロが。

選択肢を進む。
アンドロは傷つき疲れ果てた兵士だ。
急な逃走には対応できない。
そのため、俺がひとりでドラッツェン兵と戦わなければならないとのことだ。

ドラッツェン兵は2人だった。
2人とも、確実に倒しきらなければならない。

ジェイコブと目配せをする。
ジェイコブがドアを開けた瞬間に、不意打ちをかました。

ドラッツェン兵は2人いた。
戦闘開始だ。

【ドラッツェン兵1 技術点7 体力点6】
【ドラッツェン兵2 技術点8 体力点5】

戸口に立ったために、1人ずつ順番に戦う形を取れた。
ここを死守してアンドロと、ジェイコブ一家を守らなければならない。
そのため、技術点を1点減らして戦わなければいけないとのことだ。

今回の俺は技術点12。十分に強い。少しのペナルティなどものともせず、勝てるだろう。
しかし弱い俺だったら、この戦いはかなり手ごわいぞ。

ここで俺は、余分な考察を働かせてしまう。
FT書房は、緻密な作品づくりをする傾向が強い。
そのFT書房が、想定される正解ルートに、弱いステイタスだと突破できない可能性が高いイベントなどを置くだろうか。
これがイアン・リビングストン作品だったなら、どんなに強い敵が配置されていても気にしないのだが。

じゃあ、どこで間違えたのか。
アンドロを連れて行くのは絶対に必要だって思うんだよ。
少なくとも、彼が王女に伝えたい言葉の中身を知るまでは、同行させるつもりでいる。

そうなると、この牛飼いの家に立ち寄ったこと自体が間違いってことになる。
牛寄せの笛も、パラグラフジャンプをともなうアイテム。
そんな重要アイテムを不正解ルートに配置するとしたら、それはそれでけっこう意地悪だ。
それとも、ここ以外の場所で入手できる可能性があるとか?

思考はここまでで中断させよう。
この先は、今の時点で結論づけられることではない。

ドラッツェン兵との戦いは、圧勝だった。
出鼻でうっかりかすり傷を負ったものの、その後は完勝だ。
もちろん兵士を1人も逃がしてなどいない。
逃げた兵士に上官に報告でもされようものなら、次は牛飼い一家に危害が及ぶからな。

さあ、時間もない。ドラッツェン兵の後処理は、ジェイコブに任せよう。
ここで戦いがあったとわからないように始末するんだ。ほかの兵士が探しにきても、知らぬ存ぜぬで切り抜けるようにな。

俺とアンドロは、牛飼いの家を出発する。

・丘の中でひときわ大きな建物である聖堂に向かう
・あえて戦場になっている方向へ近づく

次の選択肢は、これだ。
戦場との距離が、ぐんぐん縮まってきたのを感じる。
もう、王女の近くまで来ているのか?

「あえて」なんて言われてしまうと、そっちは選び辛いな。
それにたった今、同行するアンドロは戦闘では活躍できないことが判明したばかりだ。
可能な限り、戦闘は避けつつ王女の居場所を探るべきだ。

ここは、聖堂に向かおう。


●アタック04-7 ウォーレン、司祭に質問する

聖堂。
そこは、敵味方の兵を問わず、傷病兵を収容する、いわば野外病院と化していた。

「たとえ戦の最中であろうとも、神の前では等しく平等に扱う。それが我々の考えです」

聖堂に入り戸惑っている俺たちに、初老の司祭が声をかけてきた。
柔和な笑みを浮かべてはいるものの、衣類は汚れ、傷んでいる。司祭自身も傷病者のケアに当たっているに違いない。

「あなたはここに、どのようなご用でいらしたのかな?」

・王女を探していると答える
・施しを受けたいと答える

これは悩ましい質問だ。
王女を探している、と伝えても良いものか。伝えなければはじまらない。それはわかっているのだが。
ここにはドラッツェンの兵も収容されている。
そんな場所で不用意に王女を探していることを告げて、どうなる。

司祭が王女の所在を本当に知らなければ、知らないで済む話だ。
しかし、もし知っていた場合、司祭が考えなしの人で、この場でうっかり王女の所在を語ろうものなら、ドラッツェン側にその情報が流れてしまうことが想定される。
そして、司祭が思慮深い人であれば、この場では「知らない」と答えるだろう。

つまり、司祭の「知らない」という返事には、2つの場合が想定される。

だからと言って、「施しを受けたい」と言ってしまうのは気が咎める。
傷病者の治療にあたっている施設で、森の足下の悪さで軽傷を負った程度の俺が施しを受けるなど、してはいけないことだと思う。
そんなことでこの場所の治癒にかけるリソースを減らしたくない。

結局俺は、司祭の思慮深さに期待して、王女の所在を尋ねた。
司祭の返答は「我々は存じ上げません」だった。

そうだろう。司祭としては、そう答えるしかあるまい。
我々にしかわからない、何らかの合図でも送ってくる可能性も考えたが、それもなかった。
それだって当たり前だ。
「王女の行方を捜しに来たロング・ナリクの兵」を装ったドラッツェン軍の可能性が捨てきれない以上、何もしないことがもっとも賢明だ。
つまり司祭は、非常に頭の良い人物か、あるいは本当に王女の居場所を知らないか、のどちらかということだ。

司祭は再度、なにか手伝えることはないかと尋ねてきた。
選択肢は、「施しを受ける」か「戦場へ向かう」かだ。

施しは受けないことに決めている。
ここは危険を冒してでも、戦場に行くしか、ないか。

アンドロにはここで待っていてもらおうかとも思ったが、アンドロはそれをきっぱり断った。
自分がいない時に王女と会えたらどうするのか、と言って。

俺は、アンドロと連れ立って、戦場へと向かった。

次回、ついに王女との邂逅。


【ウォーレン 技術点12 体力点17→15/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛


■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。主人公。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女に伝えたいことがある。



■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SSZ9D5C


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