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2025年4月8日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第43回 FT新聞 No.4458

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第43回
「宝」
(中山将平)
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 おはようございます。
 イラストレーターの中山将平です。

 早速ですが、TRPGやゲームブックを遊ばれていて、「命がけの冒険にしては報酬が足らない」と感じられたことはないでしょうか。
 僕はあるんです。

 そういうわけで、今日の記事の話題は「宝」。
 カエル人の創作を通して考えたファンタジーTRPG(またはゲームブック)における「冒険の報酬」についての話を語ろうと思います。
 今回お話する「冒険の報酬」とは、単に依頼主から受け取れる成功時の金銭だけではありません。
 冒険の体験を通して手に入るアイテムや金銭、事象等を全て含んだ概念と思っていただけましたら。
 
 ファンタジーを楽しまれている方にとって、意味のある記事にできると幸いです。 
 それでは、具体的に見ていきましょう。

◆ 価値
 この記事でお伝えしたいことは、ある一つの問いです。
 それは「真に価値のあるものって何だと思われますか?」ということ。

 ええ、人生の中でとか、この世界でというわけではなくて、あくまでTRPGやゲームブックで冒険を通して手に入る物の中で……というお話です。
 言い換えるのであれば、ゲームを遊んだ後報酬としてどんな物を入手できると楽しいと感じられるでしょうか。
 金貨、宝石、優れた武器や防具、魔法のアイテム、人脈等々、色々なものを想像されると思います。

 「宝」が得られることは、それがゲームの世界の中だけの出来事であってももちろん嬉しい事象に違いありません。
 しかし、カエル人の創作をしていて「本当にそうなのか!?」と感じた瞬間があったのです。
 自分の作ったゲームシナリオを眺めていて、「適切な報酬(冒険した価値があったと喜ばれる報酬)」を用意できているのか、ふと疑問に感じたときです。
 キャラクターが金貨(のようなもの)を握りしめながら、「こんな物のために命を賭けたのではない」と感じる事態……それは避けたいですよね。
 
 それで自分に何度も問い続けることになりました。
 「プレイヤーのキャラクターにとって、真に価値のあるものって何だと思うのか?」

◆ 試行と思考
 こういう問題って、往々にして答えが出ない……悩み続けているということを結論にしがちだと感じるのは僕だけかもしれません。
 でも、僕自身はというとそんな結論は嫌なんです。
 答えを出したい。
 自分自身の中だけでの真実でも構わないので、納得のいくところまで練り上げた意見を持っていたいのです。

 せっかく自分でTRPGを作って遊ぶ環境があったので、色々な方向性を試してみることにしました。
 つまり「金貨(のようなもの)を増額する場合」は当然として、その他考えられる「魔法の道具」「人脈」等まで実際に報酬としてみたのです。
 そのことからどんなことが感じられたのか、一つずつまとめたいと思います。

◆ 金貨増額
 実はカエル人たちは「金貨」というものを使わない設定をしているので、これに代わるものは「宝石」等になります。
 それはそうと、報酬としての「金貨のようなもの」を増加させた場合について、2つ気づいたことがありました。
 
 1つ目は、単純に「買い物」がより楽しくなるということ。
 お金を使って装備やアイテムを買いそろえることはストレスフリーに楽しめることではないでしょうか。
 気を付けたいと感じたのは、選択肢を増やしすぎると時間がかかりすぎることとパワーのインフレくらいかなと。
 つまり、「こんなもののために命を賭けたのではない」という想いに対抗するものとして、キャラクターの多様なコンバートによる物語性の強化ができる点を感じたのです。もちろん、そのためには金貨を使うことで買える「良いもの」が設定されている必要性があるなぁという視点も感じました。

 2つ目は、一度にたくさん手に入るより、手に入る機会を増やす方が楽しく感じるということ。
 これは個人的な感覚なのかもしれませんが、この記事ではそのような要素も大切にしたいと思っています。
 宝が手に入るのは嬉しいこと。嬉しいことは回数が多いほどより良い気分になると思うのです。
 結果的に、カエル人のTRPGでは物語の様々な要素に「手に入る宝」を散りばめることになりました。

◆ 魔法の道具
 やってみてより強く感じられたのですが、「魔法の道具」は物語の中で大きな影響を持ちうるようでした。
 特にそれが「魔法の武器」や「魔法の防具」になってくると、装備するキャラクターの物語にも関わってくるのではないでしょうか。
 TRPGやゲームブックは、ある意味では物語を体験するだけではなく実際に作るゲームでもあると感じています。
 その中で、プレイヤーの「写し身」であるキャラクターの物語を描ける要素は、とても重要だと感じられました。
 そのため、僕自身はこのアイテムたちを慎重に扱う方が良いと感じ、シナリオごとに1〜2個程度の登場に絞る傾向がありました。
 同時に、(魔法のアイテムの影響力が大きいだけに)参加者全員の不公平感をなくす工夫も必要になるほどだと感じられました。

◆ 人脈
 カエル人のTRPGでは、選ばれた結末に合わせて人物の「コネクション」(人脈)が得られるシステムを採用しました。
 人脈が得られると、冒険の間に入手できるもの(買い物できるもの)が増えたり、魔法などの技能を教わることができる作りです。
 作成側として用意するコストは多少増えましたが、小さくまとめたこともあっておおむね問題ない分量でした。
 
 やってみると、NPCとのつながりはそのまま世界への没入感につながることが感じられました。
 冒険の中で関わった人物が一過性の消費物ではなくなり、ずっと物語の中に生き続けてくれることも嬉しかったです。

◆ まとめ
 今日は、感じたことをつらつらと書いてみました。
 これらの経験から得たことは、「個人的に、物語が深まることがもっと大きな報酬に感じる」という実感です。
 金貨の増量で様々なキャラクターコンバートが楽しめること。
 魔法の道具でキャラクターの個性がより強まること(あるいは変化すること)。
 人脈によって関われる世界が広がっていくこと。
 これらは全て物語を深める要素ではないかと感じられたのです。
 それが、この記事で書きたかったことです。
 これについて、「私はこう感じていたよ」というご意見もぜひご感想にて聞かせていただきたいと願っています。
 
 それでは、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。


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