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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.30
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〜前回までのあらすじ〜
《太古の森》で行なわれている、怪しい儀式の原因を突き止めれば、高額報酬が期待できる。そんな噂を安酒場で聞いた冒険家乙女のクワニャウマは、カリウキ氏族の戦士ゲルダとまじない師ヴィドと《太古の森》の探索を始めた。ついに怪しい儀式の原因は闇エルフ達であり、それに樹人の長老の弟が使われていることが判明。樹人の長老の依頼で、儀式によって衰弱している弟の安楽死を依頼されたクワニャウマ達は、数々の冒険の果てにようやく長老の弟の木を見つけ出す。そして、長老の弟の木を安楽死させる機会は、闇エルフ達の儀式の時しかないと知り、待ち構えることにしたのだった。
『常闇の伴侶』は、ついに3回目の冒険を迎えました!
闇エルフの儀式とは、いったいどんな儀式なのか? 「常闇の伴侶」との関連は? 謎の少女の正体は? という数々の謎が、これから続々と解明されていくので、この3回目の冒険の時は展開が気になってクリアするまで止められず、人生初の深夜1:45までプレイしたのは良い思い出です^^b
さて、クライマックスに向けてどんどんシリアスな展開となっていくので、プレイ中、クワニャウマのキャラがだんだん浮いてきて、キャラ崩壊ならぬ世界観崩壊の危機に瀕しました。シリアスな台詞で話しかけてくる敵に対し、今まで通りのクワニャウマのままリアクションをさせては、世界観大崩壊だからです。
そういうわけで、この辺りからクワニャウマのIQを上げてリプレイを書いていきました。本当はもっと知的なキャラにした方が世界観に合うのですが、今まですでにクワニャウマをシリアス度低めのキャラクターで進めていたので、いきなり知的でシリアスなキャラには変更できません。
「『常闇の伴侶』の世界観を破綻させない。自分のキャラクターの個性の一貫性も破綻させない。両方やらなきゃならないのが、どっぷり楽しんでいるプレイヤーのつら……いや、醍醐味だ」とばかりに、クワニャウマのIQを調整しながら冒険を進めた結果、強欲ボケ属性だったのが、善悪二元論や宗教に対して一家言あるキャラに急成長しました。
ところで今年の一月の連休中に、クワニャウマをシリアス度高めに設定して、パートナーをヴィド、少女は黒い肌になってから助ける選択でリプレイなしでプレイしてみたところ、凄まじく重厚感に満ちた冒険となり、切ない結末に精神を持っていかれました。一つのシナリオでこんなにも結末が変わるというのも面白いですが、主人公のシリアス度を上げると冒険の印象が変わってくるのも興味深く、自分が創作していく上でとても勉強にもなりました^^
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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ローグライクハーフ
『常闇の伴侶』リプレイその6
《3回目の冒険》
齊藤(羽生)飛鳥
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0:冒険のはじまり ≪3回目の冒険≫
闇が深くなる刻限。中天に満月が差し掛かるのも間近。
ヒースの茂みに身を潜めながらも、それぞれが何かを感じ、油断なく目を周囲に配っている。
角笛の音が鳴り響き、皆が一様に身構える。闇の聖地に揺らめく松明の影とともに100人を超える行列が姿を見せ始めた。
闇妖精の古老たちがぶつぶつと古代語の呪い言葉を詠唱しながら先導している。
その後に闇のヴェールを被って連れてこられているのは、12人の白い肌をしたエルフの少年少女たちだ。花冠を頭に乗せ、複雑な文様を描いた民族衣装を身に纏っている。
その中にあの少女の姿を認めると、わたしは下唇を噛みしめる。
(こんな禍々しくもうさんくさい儀式に参加するために帰ると知っていたなら、見送らなかったのに!!)
古老たちの指示で闇エルフたちが古代樹の周囲に陣形を敷いてゆき、篝火が灯される。
……もしも、わたしたちが先に蜘蛛を追い払っていなかったら、彼らや少女も襲われて儀式が延期になっていたかもしれない。そう思うと、複雑だ。身代わりの依代という、すごくお得な宝物を手に入れた後なだけに、余計に。
歪んだ弦楽器が禍々しく奏でられ、打楽器が不可思議なリズムを刻んでゆく。身体を揺らしながら、少年少女たちのヴェールが取り払われる。
黒い衣装に、白い肌と頭上の色とりどりの花冠が眼を惹きつける。オラヴァンマルヤをはじめとした七種の呪いを持つ野の花を思い思いに編み込んだ花冠だ。
子供たちは闇の古代樹に吊り下げられた何本ものトレント葛を手にすると、まるで幽鬼が踊るようにその周囲を回り始める。
古老たちの呪文の唱和が続く中、大人が奏でる輪舞曲がじわじわと高まるにつれ、子供らの足取りもまた激しさを増してゆく。
篝火に照らされるなか演奏は邪悪に歪み始め、子供らは汗まみれになりながら踊り続ける。
不意に晴天の中を雷鳴が一閃する。一人の少年が倒れ伏し、白目を剥いてがくがくと痙攣する。
「ひとり」
古老の声が不気味に響くと、その少年の手足が漆黒を帯びはじめ、やがて全身が真っ黒い肌に覆われる。
(まさか奴ら……ああして闇の子を増やしているというのか)
しかも、すごく苦しそう! 雷を食らわすなんて、これ、どこからどう見ても虐待だよね!?
霹靂は何度も繰り返され、そのたびに少年や少女が1人ずつその身を汚されてゆく。と言うか、雷を食らってこげてない!? 大丈夫なの!?
落雷をその身に受け続ける古代樹は、呻き声のような響きを発していた。まるで痛い痛いと叫ばんばかりのその唸りにわたしは思わず顔を背けたくなる。
お金を積まれても見たくはない光景とは、こういうものだ。
わたしはじっとりとした汗をかきながら、必死で両手を握りしめていた。
輪舞を踊る子供たちは既に半数となっていた。あの少女も小さな鈴の音と共に必死で足を運んでいる。
これ、彼女を見殺しにすることにならない?
今なら、まだ間に合うかも……。
雷鳴が轟き、また一人少年が倒れた。
やはりこれ以上待つなど我慢ならない。
わたしは低木の茂みから弾かれるように立ち上がると、薬瓶の蓋を抜いて駆け出した。
「おら、どけどけどけーッ!!」
不意の闖入者たる君の姿にその場の全員が戸惑っている隙に、わたしは大きく手を振り薬瓶の中身を古代樹の幹に撒き散らす。
シュウシュウと煙が上がり、大樹の幹を焼き焦がすような異臭と共に、あたりは大混乱となる。そうだよね。
こんなにたくさん煙が上がるなら、前もって教えといてよ、長老! こっちも大混乱だ!
でも、周囲はわたし以上に大混乱している。
わたしはその隙に少女の手を取り、一緒にその場から逃げ出した。
空は一面、まだ闇夜に覆われていた。
1:魔犬獣の群れ
闇夜なだけに闇雲に走り出したわたしたちだが、しばらくしてその行く手を阻むように魔犬獣の群れが現れた!
しかも、その数は6匹!
ゆうべ長老からもらった食糧2個と無花果の若木に実った果実をたしたとしても、ワイロにするには数が全然たりない!
魔犬獣はわたしたちを睨みつけながら、低い唸り声で会話を交わしている。
やがて彼らの話し合いがまとまったようだ。
残念ながらわたしたちを襲う事に決まったらしい。牙をむいている。
「貢ぎ物(エサ)を持ってきておくんだったな……」
でも、いくら後悔しても、エサが空から降ってきてわたしたちの救いになることはない。
ここは割り切って戦うしか生き残る道はない。
「いくよ、ゲルダ! ウペペサンケ!」
わたしは、剣を片手に魔犬獣と互いに転がり合い、泥まみれになりながら戦う。
ゲルダたちは、剣や弓矢を使って、とても正々堂々と戦っている。
結果、わたしのダメージがけっこうかさんだけど、みんな無事だった。
「おまけに、金貨12枚相当のアクセサリーを手に入れられた。みんな、よくやった!」
「よく笑顔でいられるな。そんなにダメージを受けたなら、身代わりの依代を使えばよかったのに」
「この程度のダメージに身代わりの依代を使ったら、もったいなくない?」
「クワニャウマ、強欲……」
わたしに対し、ゲルダとウペペサンケがあきれていたけど、全員生き延びて金目の物が入っているのだから、気にしないったら気にしない!
2:鬼火
激闘の果て、わたしたちがおぼつかない足取りで歩くうちに、闇夜に点のような光が見えた。朧気に瞬きながら、上下にゆっくりと揺らめいている。
蛍だろうか。光はわたしを誘うように先導する。
あっと気づいた時には既に遅かった。足元には沼が真っ黒な口を開けていた。
わたしたちはまんまと誘い込まれてしまったのだ!
「クワニャウマ! ウペペサンケ! 危ない! 」
ゲルダの鋭い呼びかけのおかげで、わたしとウペペサンケはすんでのところで底無し沼にはまらずにすんだ。
「ありがとう、ゲルダ! 命拾いしたわ! 」
わたしは、ゲルダへ礼を言った。
「むぅ……まさか、噂に聞く鬼火をこの目で見ることがあろうとは……」
「知っているの、ゲルダ!?」
「あぁ。うちの近所のスヴァンテさんが酒を飲んで《太古の森》に迷いこんだ時に見かけたと言っていたんだ。底なし沼に落ちて死んだ奴が仲間が欲しくて鬼火となり、誘き寄せて沼に沈めようとしているんだとか何とか言っていたから、てっきり酔っ払いの戯言かと思っていた。だが、クワニャウマとウペペサンケが鬼火に誘い込まれる様子を見た今は、そうとは思えなくなった」
ゲルダの説明は、ヴィドとは違って参考文献を引用した説明ではなかった。けれども、なぜかとても信憑性のある話に聞こえた。
ふと見れば、ウペペサンケはまだ底無し沼に落ちかけた恐怖が抜けないのか、無言で震えている。それをエルフの少女が、頭を撫でて落ち着かせている。
ピンチの後だっただけに、心が和む光景を無料で見られて、満たされた気分になった。
3:中間イベント1≪3回目の冒険≫:『闇の追手』
鬼火に惑わされてすんでのところで底無し沼を回避できたわたしたちは、森を抜け出すべく再び歩き出した。
しばらくして、下生えを踏み鳴らす足音も激しく、わたしたちの背後から闇エルフの一団が追いすがる。いきり立つ戦士たちを制し、精悍な若者が一歩前に歩を進めた。
「聖なる儀式を汚した外なるものども……」
「なにが聖なる儀式だ。攫ってきたエルフを闇神に捧げる邪悪な儀式ではないか!」
ゲルダが唾を吐き捨てながら糾弾した。この状況で何だが、やっぱりそれは男らしいと言うより、おっさんくさい……。
「……何か思い違いをしているようだな」
若者は冷めた表情を崩さず、静かに言葉を続ける。
「憎き太陽が最も長きこの日の終わり。我らは神の加護を得る。この闇色の肌はその証。……貴様らはまさか我らが生まれ落ちた時からこのような漆黒の肌をしているとでも思っているのではあるまいな」
若者はそこで言葉を区切り、わたしたちをじっと見つめる。若者の言葉に思わずゲルダが息を呑んだ。
「まさか、闇エルフってのは」
「外なるものよ。我らを世界から追い立てたのは貴様らではないか。生きるために我らが選んだ信仰を邪悪と呼び、ましてや今度は我らの聖域すらも侵そうというのか。貴様らはいつもそうだ。森へ踏み込んできては何もかも奪う。……父は嬲り殺され、母も奴隷として連れて行かれ、二度と森へは帰ってこなかった……」
「生きるために選んだ信仰をしていても、お父さんとお母さんが不幸に見舞われたの? じゃあ、信仰の意味って何? そんなあやふやなもののために、この子に雷を食らわせる虐待をしようとしていたの?」
わたしが思ったことを率直に言うも、若者は何も答えない。
わたしたちの背後の木立の影から、濃い闇を身に纏った集団がじりじりと姿を現してゆく。
「我らを邪悪な闇のものと呼ぶ貴様らこそが、我らからすれば邪悪なのだ、外なるものよ」
若者は冷たい眼でわたしたちを見つめると、腰から長剣を引き抜いた。
どうやら、少女連れ去りと先程の発言から、わたしを邪悪認定したようだ。
「邪悪、ねえ。否定はしないよ。うん。この子を連れ去ったのは事実だもの。それに、お金大好きだし、楽しいこと大好きだし、つらいの苦しいのは大っ嫌い。そんなわたしの生き方を強欲だの邪悪だのと人は言う。でも、何ごとも善悪で物事を判断するってどうよ? この世は、善と悪だけじゃない。損と得だって存在することを忘れてない?」
「なに?」
「まだ、わからない? わたしに善悪で語るなって言っているの。もっと言えば、こすずるく情に訴えてくるなって言うの。いい? 現状の問題点を整理すれば、いたって単純。一:儀式を邪魔したか。答え:はい。邪魔しました。二:なぜ、この子をさらったか? 答え:この子が苦しむ顔を見ずにすむから。助けずに後悔し続け、寝不足が原因で病気になったら薬代が必要となるから圧倒的損。そんなの強欲なわたしには耐えられない。三:この子をあなたたちへ引き渡す気はあるか? 答え:ない。ただし、雷を食わらせないし、これから寂しい思いをさせずにかわいがると誓った場合は別とする。以上!」
わたしが両手をパンとたたくと、闇エルフの若者が息を呑んだ。
「そもそもの話、あんたたちの信仰も、お父さんとお母さんの身に降りかかった不幸も、この子を虐待する理由にはならないでしょ? それとも、子供を虐待したら、これまでの不幸が全部さかのぼってなかったことになるの? もしも、そんな力を持つ神様がいたら、わたしは寝返りを打つたびにふくらはぎがつる呪いをかけてやるわ!」
「なんて邪悪な……」
「だから、さっき言ったじゃない。わたしはあんたたちに邪悪と言われたことを一切否定しないってね。邪悪だから、気に食わないものは排除する。でもそれは、あんたたちだって同じ。わたしも同じ。ただ、わたしの方は言葉を飾らないだけ。似た者同士なんだから、争わず話し合いで決着つけない?」
「これ以上は語るべき言葉を持たん。太古の森は我らに残された最後の故郷(ふるさと)。土足で踏み込ませはせぬ」
彼の声に呼応するように、闇エルフたちが散開する。
あーぁ。話し合いによる平和的解決にしたかったのに、失敗か。仕方ない。ここは気持ちを切り替えて、相手の金や宝を分捕ることを楽しみに、戦うとするか。
「我こそは、隊長のイェリク。我が一族の聖なる儀式を汚した外なるものどもを神の名の下に成敗する」
わたしに話しかけてきた若者、意外とえらい奴だったのか。礼儀には礼儀だ。
「我が名は、冒険家乙女のクワニャウマ。強欲を賞賛と受け止め、善悪の欺瞞から解放されし、損得勘定の達人なり」
「完全に悪役の台詞だよな、それ!?」
この緊迫した状況で、ゲルダのツッコミが炸裂する。
「気にしたら負け! さあ、戦いの始まり始まりッ!」
闇エルフの追撃隊は、わたしの言葉が終わるか終わらないうちに、いっせいに矢を放ってくる。
「みんなよけて!」
「言われんでもよける!」
「ウペペサンケも、よけている!」
「俺は物陰から応援している!」
「いたの、ヴィド!? あと、あんたにはその子を保護してもらうことしか期待してないから安心して!」
わたしがヴィドへ叫んだ直後、長剣がわたしの三つ編みをかすめる。
「死ねい!」
「『死ね』って言った奴が三倍苦しんでから死ねッ!」
わたしはすかさずイェリクへ斬り返す。
言葉の応酬と同様に切れが今一つだったので、ダメージが入ったかどうか微妙だ。
そこへ、イェリクの足元に矢が刺さる。おかげで、イェリクの攻撃がずれ、わたしはからくも頭から真っ二つにされずにすんだ。
「暗いせいではずした! ごめん、クワニャウマ!」
「いいの。これでも十分助かった! ありがとね、ウペペサンケ!」
ウペペサンケが、嬉しそうに唇の片方をわずかに上げる。
その笑顔が、不意に苦悶に変わる。
胸が赤く染まっていく。
追撃隊の誰かが放った矢がウペペサンケの胸に決まったのだ。
「ウペペサンケ! あんたはゆくゆくは金貨10枚で雇われる最強の従者になっても、わたしにだけは常に5枚のまま雇われるサービス精神旺盛な弓兵になるんだから、こんなところでくたばったらダメ!」
わたしは、身代わりの依代をポケットから出す。
今なら、まだ間に合うはず!
そんな私の行く手を塞ぐように、イェリクがまわりこんでくる。
「仲間に対してどんな呼びかけだ!! 貴様は自分が主張した以上に邪悪……」
イェリクが叫ぶも、最後まで言えなかった。
「貴様の相手は、このゲルダだ」
すでに追撃隊を何人か血祭りにあげ終えたゲルダが、わたしとイェリクの間に割って入ってくる。
「クワニャウマ、ここは私にまかせておけ!」
「ありがとう、ゲルダ!」
わたしは、まだかろうじて息があるウペペサンケに身代わりの依代を使う。たちまちお守りについていた三つの輝石のうち、一つがはじけ飛ぶ。
それと同時に、ウペペサンケの胸に刺さっていた矢はかき消え、あとには血で汚れた鎖鎧だけとなっていた。
「間に合ったか。よかった! ならば、これで心置きなく戦える!」
ゲルダの猛攻に耐え切れず、イェリクがどんどん圧倒されていく。
その隙に、わたしは炎球を繰り出し、残りの追撃隊に食らわせる。
「ちっ、手強い……」
イェリクは腰の角笛を手にすると力強く吹き鳴らした。
ゲルダとヴィドが素早く視線を交わす。援軍を呼ばれてしまえば、生きて帰れる見込みはない。仲は悪いけど、こういう時は阿吽の呼吸だな、この二人。
「くそっ、どうするよ」
ヴィドが毒づいたその時、ぶうんと耳をつく音を立て、横殴りの衝撃と共に闇エルフの隊長が茂みに弾き飛ばされる。
樫の木トレントたちが枝を振り回しながら唸り声を上げてわたしたちと闇エルフの間に殺到してきた。
「しめた、ありがてえ!」
ヴィドにせき立てられ、わたしは急いでエルフの少女の手を引く。
そのとき、追撃隊たちとイェリクが落とした金貨5枚と7枚の計12枚を拾い上げる。お金を確保する余裕を与えてくれるとは、ヴィドじゃないけど、ありがてえ!
トレントたちに感謝しつつ、わたしたちはその場を逃げ出した。
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2024年末に5巻が刊行。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2024年6月に『歌人探偵定家』(東京創元社)を、同年11月29日に『賊徒、暁に千里を奔る』(KADOKAWA)を刊行。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd66シナリオ
『常闇の伴侶』
著 水波流
2024年7月7日FT新聞配信/2025年書籍版発売予定
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