第6回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
ウォードレイクとの遭遇。牛飼いジェイコブとの出会いと別れ、聖騎士の配下だった兵士アンドロの同行。
そしてついに聖堂で、コーデリア王女に会うことができました。
しかし、王女は戦いをやめるつもりはありません。主人公ウォーレンは、いかにして彼女に撤退の判断をしてもらえば良いのでしょうか。
【ウォーレン 技術点12 体力点15/19 運点12】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
・黒いコイン
●アタック04-11 ウォーレンの説得は……
王女は、勝ち目のない戦いでも、退くわけにはいかないと固い決意を持っている。
誇りのためと言えば聞こえはいいが、勝てない戦いに挑むのは蛮勇や無謀を通り越して、犬死にだ。
それを正面きって進言したら、止まるだろうか。
王女だけでなく、王女の言葉を受けた兵士にも伝播している。
この雰囲気に呑まれてはいけない。
話の流れを、変えなければ。
・ドラッツェン軍の狙いは、この土地だ
・ドラッツェン軍の狙いは、コーデリア王女だ
やはりここは、王女自身が狙われている、と焦点を当ててみよう。
「ドラッツェン軍の狙いは、あなただ。コーデリア王女」
この指摘は、当人にとっては、絶大に効くはずだ。
「それは、どういう意味ですか?」
コーデリアの表情におびえが浮かぶ。
それはそうだろう。
俺はこれから、戦場での名誉ある戦死ではない、王女の別の利用価値の話をしなければならない。
それは、15歳の王女には、過酷な現実を突きつけることになる。
高揚した気分など、簡単に吹き飛ぶほどの。
「なぜ、ドラッツェン軍が激しい攻勢に出ないのか。それは、あなたが欲しいからだ。生きたまま。捕虜として」
コーデリア王女が捕虜となれば、この戦いの敗北だけではなく、それ以上の不利益を、我が国は被ることになる。
コーデリア王女の利用価値の前には、ひとつの戦の敗北など、小さなものだ。
この説明は、王女に衝撃を与えたようだ。
それはそうだろう。生きたまま敵国の捕虜となった場合、どのような目に遭わされるか。
自分に、どのような利用価値があるのか。
ここでその想像力が働かないのでは、王族としての力量に疑問符がつく。
「……ですが、それでも、私はここで、戦わなければならない理由があります」
王女はそれでも、そう言い切った。
しかし、その言葉はこれまでとは違う。
単なる戦場の高揚だけではない、熟慮のうえの言葉だった。
俺の言葉の意味を考え、吟味し、自身の思いと秤にかけて、それでも発した言葉であることは明らかだった。
「私が退くわけにはいかない理由が、あなたにはわかりますか?」
王女の方からの質問。
俺がこれになんと答えるか。
これは、非常に重要な意味を持つ。
示された選択肢は、以下である。
・ロング・ナリクの民を守るため
・王族としての誇りが撤退を許さないから
・現実を見ず、理想に殉じたがっているから
これもまた、熟慮を要する質問だ。
●アタック04-12 コーデリア王女の結論は……
コーデリア王女が退くわけにはいかない理由。それは。
・ロング・ナリクの民を守るため
・王族としての誇りが撤退を許さないから
・現実を見ず、理想に殉じたがっているから
この場の雰囲気に冷水をぶっかけるのなら、いちばん下の答えが適当だろう。
俺自身の考え方にもいちばん近い。だが、今それを言い放って本当に良いのか。
王女の気持ちをまったく理解していないとして、ばっさり切られてしまう可能性はないか。
では、上のふたつも考えてみよう。
・ロング・ナリクの民を守るため
これは、模範解答のような理想的な回答といえよう。
だが、ここでこれを答えるのは間違っている。
コーデリア王女は、援軍がないまま戦いに身を投じようとしている。
勝ち目のない戦いだ。
勝てないとわかっている戦いに、民を守るなどという理由を掲げるのか。
結果、民は守られないだろう。
きれいごとだ。
これを王女が退けない理由として一番に挙げるのならば、俺は王女を軽べつしかねない。
いや、15歳の王女だ。そこは経験不足ゆえということにしておこうか。
・王族としての誇りが撤退を許さないから
となると、これだが。
誇りのため。
これも本質を言い当てていると言える。
だが、撤退は許されないわけではない。
戦いに勝てないならば、一兵でも多く帰還させる。
それも指揮官の務めだろうに。
だから結局、結論は、「現実を見ず、理想に殉じたがっているから」となる。
これは、「誇りが撤退を許さない」と表裏一体の回答だ。同じことを、違う角度から言っている。
そうだな。だったら、こっちにしようか。
・王族としての誇りが撤退を許さないから
今俺は、王女の気持ちを言い当てろ、と言われたんだからな。
それなら、これだ。
でも王女、それは、間違っている。
……と、俺が続けられればよかったのだが。
「そうです。誇り高きナリクの聖騎士は、たとえ敵軍がどんな恐るべき力を振るおうとも、決してひるんではならないのです」
俺は、失敗を悟った。
この場面、俺はコーデリア王女の理想を言い当ててはいけなかったのだ。
せっかく王女が熟慮し、吟味したことを、自身の理想を言語化することで、再度塗りつぶしていくのが、俺には見えた。
もう、俺には止められなかった。
周囲の兵士は、俺と王女との間に距離を取らせた。
俺の言葉は、もう届かない。
俺に同行してきた、戦死した聖騎士ウォーレンの配下、アンドロ。
彼は王女に伝えたいことがあると言っていた。
しかし、そのチャンスがないまま、会談は終わってしまった。
ロング・ナリクはこれから、ドラッツェン軍に最後の攻勢をかけるのだろう。
そして、敗れる。コーデリア王女は、戦死するだろうか。捕虜となるだろうか。
いずれにせよ、俺は任務に失敗したのだ。
ゲームオーバー。
どんなに能力値に優れた屈強な戦士であっても、選択肢の前には無力だった。
こんなことなら、たとえ拒絶されようとも、「理想に殉じたいだけだろ」と本音をぶつけておくんだったな。
●アタック05-1 リオンの冒険ダイジェスト
さあ、アタック05だ。
今回は、変えたいと思うのは、ひとつだけだ。
それは、最後の選択肢。
そこで、途中経過は省略して、一気に物語を進めてしまおうと思う。
思うのだが、まずはキャラクターを作らなければな。
こうしてできたのが、5人目の挑戦者。その名はリオン。
【リオン 技術点10 体力点20 運点9】
技術点=十分強い
体力点=なかなかの強さ
運点=まあぼちぼち
技術点が10点に達しているかどうかが、強さの分岐点といえる。
だから十分に戦えるキャラクターと考えて良いだろう。
4人目のウォーレンと比べたら多少見劣りはするかもしれないが、戦う者としての力は十分にある。
では、新しいキャラクターもできたところで、一気に物語を進めていこう。
完全に中略できれば良いのだが、途中でサイコロを使った戦闘もあるため、完全に同じになるとは限らない。
最初の駐屯地での、ウォードレイクとの遭遇から逃走までの流れは、前回どおりに進んだ。
牛飼いジェイコブを救うところも、問題なかった。
選択肢を変えてみたのは、その先だ。
街道の先にはドラッツェン軍がいて危ないという牛飼いジェイコブは、他に2つの道を示してくれた。
「林を抜けるか、川を渡った方がいいですだ」
ここで選択肢が出る。
・ジェイコブの同行を断わり、街道を進む
・川を渡る道を選ぶ
・林を抜ける道を選ぶ
ここで前回は、林を抜ける道を選んだ。
ジェイコブは、「林を抜けるか、川を渡った方がいい」と言った。
こういう場面では、普段使い慣れた道や、意識している道が先に出るものだ。
つまりジェイコブにとっては、林を抜ける道の方が使い勝手が良い道ということになる。
そう思っていたのだが、林の道は俺にとっては思いのほか悪路で、体力点を2点、失ってしまったのだ。
川を渡る道を選べば、この体力点ロスを防げるかもしれない。そんなことを考えた。
ジェイコブの案内で川に向かうと、渡し守がいた。
「急いでいるんだ。向こうへ渡してもらえるだろうか」
「もちろんじゃ。代金さえ払ってくれるなら、戦の中だろうときっちり仕事はするとも」
そりゃお金かかるよな。
ところで、俺、持ち物欄に所持金まったくないんだが。
と思っていたら、持ち物に記載されておらずとも、路銀程度のお金ならきっちり持っていると説明された。
これで問題はなくなった。
俺とジェイコブは、川を渡って先へと進んだ。
これで俺は、体力点をロスする場面をひとつ飛ばすことができた。
次は友軍のテント。ここではアンドロに話しかけることで同行者とする流れは変えなかった。
他に2人、話しかけられる人物はいるが、アンドロが正解だろうと踏んでいる。
ジェイコブの家に立ち寄るかの選択。
ここ、立ち寄ると、2人のドラッツェン兵と戦わなければならなくなるんだよ。
でも、立ち寄れば牛飼いの笛をもらえるんだよね。牛を呼び寄せるという、パラグラフジャンプをともなうアイテム。
やはりこれ、欲しいよね。
俺はジェイコブの家に立ち寄る。
予定どおりに2人のドラッツェン兵と戦う。
ところが、これが大苦戦となった。
やはり前任者ウォーレンの技術点12は、非常に強かったのだ。
俺リオンも十分に強いがサイコロ運でどんどん押されてゆく。
【ドラッツェン兵1 技術点7 体力点6】
【ドラッツェン兵2 技術点8 体力点5】
1人目のドラッツェン兵を倒したとき、俺の体力点は20点から14点まで減らされていた。
2人目のドラッツェン兵を倒したとき、俺の体力点は、なんと4点まで減らされていたのだ。
サイコロ運、おそるべし。
初めて食料を食べ、体力点を8点まで回復させた。
こんな状態だったので、聖堂に行った際、司祭からほどこしを受けることにした。
前回は消耗がなかったために選ばなかった選択肢だ。
司祭は俺に聖水をくれた。使用すれば体力点3点を回復できる。
すぐに使って体力点は11点になった。
そこから戦場へ向かう途中にコーデリア王女の密偵と遭遇。王女の所在を聞き出すことができる。
俺は王女の居場所、聖堂に引き返す。
ここでパラグラフジャンプをすれば、王女に会えるのだが……。
待てよ。
ここでもう一度施しを受けることが可能なのでは?
そうしたら、また聖水がもらえる。体力点が回復する。
そして外に出て密偵に遭遇して聖堂に引き返す。
これを繰り返せば、体力点を満タンにできる!
……やらないけどね。
「またおまえか」
呆れた顔の密偵が脳裏に浮かんでしまったよ。
こうして俺は、聖堂に戻った。司祭に合言葉を伝え、コーデリア王女のところに案内してもらおう。
さあ、ここからが本番だ。
今度こそ、コーデリア王女を説得し、撤退の選択をさせなければ。
【リオン 技術点10 体力点20→4→11/20 運点9】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料1→0
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
・黒いコイン
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。聖騎士と同名。4人目の挑戦者。
リオン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。5人目の挑戦者。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女に伝えたいことがある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
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