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2026年3月10日火曜日

これはゲームブックなのですか!? vol.130 FT新聞 No.4794

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『これはゲームブックなのですか!?』vol.130

 かなでひびき
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『ローグライクハーフ』の、いえ、RPGの楽しみ、って何でしょう?
 謎解き、シナリオってのもあるでしょうが、まっさきに思いつくのが「戦闘」だと思うの。
 事実、それだけに特化したゲームもあるしね。
 そんな常識に、一石投じようとしたゲームが! しかもローグライクハーフシリーズで出たわ!
 その名も、『きみへ贈る詩』(作:丹野佑 監修:杉本=ヨハネ FT新聞 No.4666 2025年 11月 2日)
 内容は「自治都市トーンのそばにある、かつて滅びた街を2人で旅する」んだけど「二人」ってとこ 重要。
 システムから言って、「二人」いればより盛り上がる……、いえ、もともと二人で遊ぶために作られたと明言しております。
 本作は「コミュニケーション・ゲーム」としての側面も強いし。

 ページに飛ぶと、いつものようにローグライクハーフの戦闘説明、死亡条件もあるけど、今回さらっとそれは忘れて。  
 なぜなら、本ゲームの目的は「詩」を作ること。
 よって「戦闘」がない。
 雑魚や中ボス、ラスボスとの派手なドンパチはない。

 じゃあ、何をするの? と言ったら、花園や、廃墟と化した様々な地を、ほてほてと歩きながら、各地に備えられた詩の断片を七つ集めること。
 それだけなんだけど……

 丹野先生の必要最低限の文で表現される情緒豊かな文は、ものすごく読ませる!
 例えば、あえて読者の想像力を掻き立てるため、「君の前にモンスターが現れた! 倒せば●●がもらえる」などという状況説明に徹するテキストも、ローグライクハーフでは少なくないと思うんだけど、この文体の香りときたら!

 例えば、プレイステーションのゲーム『アクアノートの休日』、例えばPCエンジンCDロムロムでリリースされた『マンホール』をほうふつさせる。
 読んでいるだけで、情景が浮かび、「休日の一散策」に浸らせてくれるこの文は、さすが丹野佑先生とうならせられざるをえないわ!
 それで、集める詩自体も、いくつかの文がデフォルトで用意されているものいいけど、テーマに絞って「自分で創作できる」っていうところもポイント高い!
 抒情詩、なんて言葉もあるくらいだから、「詩」を作る、というのは「物語」を作ることでもある。
 つまり「ローグライクハーフ」という物語の中で、さらに「あなた自身」の物語が作られる。
 この二重構造にもにやり!

 で、二人のプレイヤーはお互いに詩をささげあうんだけど、この辺、『ワンス・アポン・ア・タイム』という名作カードゲームを彷彿とさせます。
『ワンス・アポン・ア・タイム』は、カードに書かれた言葉と描かれたアイコンから、創造の翼を広げて、物語を作るゲーム。
 二人のプレイヤーが、物語に干渉できるのが面白い!
 この物語にも、そんな香りを感じるわ。
「物語は人に聞かせるためにある」
 一人プレイと二人プレイだと、がぜん面白さが違う!

「竜退治はもう飽きた」ではないけど「殺伐な戦闘はもう飽きた」な人に!
「ちょっと和む箱庭的ゲームが欲しい!」という方に!
 ある種、ローグライクハーフの可能性進化系の一つです!

 そして、来る今週の3/12から、本作のリプレイが始まるわ!
 書き手はなんと齊藤飛鳥先生!
 おなじみの強欲!? 冒険家クワニャウマ氏が、どう本シナリオに絡んでくるか!?
 今からご刮目よろしくお願いいたします!

 見逃せば人生後悔することウケアイ!


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『きみへ贈る詩』
 著 丹野佑 監修 杉本=ヨハネ
 出版社:FT新聞 No.4666 2025/11/2


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