第9回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦。妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガが巨大樹に挑む冒険です。
オウカンワシにさらわれた商家の娘コンスタンサを救出した後、巨大樹の異変を探るべく、タイガたちはみたび巨大樹を登ります。
怪物狩猟者レンジュの同行を得て、巨大樹の頂上に登頂しました。
そこには、巨大な寄生花が。
巨大樹はこの「ヤドリバナ」に急激に養分を吸い取られ、弱っていたのでした。
ヤドリバナはうごめくツタ状の茎で、タイガたちを排除しようとしてきます。
これが最終決戦です。
【フォルネ(妖狐) レベル12 技量点:2 生命点:5 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2草避けのお守り
【ニャルラ(魔猫) レベル12 技量点:1 生命点:10 器用点:6/8 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料2
金貨44
1希少な薬草(金貨24枚)
●アタック03-7 フォルネとニャルラとヤドリバナ戦
【最終イベント ヤドリバナ】
【ヤドリバナの茎 レベル4 生命点6 攻撃回数3】
※斬撃による攻撃は、攻撃ロールにプラス1。炎による攻撃も同様。
※全方位からの攻撃のため、防御ロールにマイナス1のペナルティ。
ヤドリバナの六本のツタ状の茎が、鋭い槍のようにこちらに狙いを定めている。
ヤドリバナは、自身を支える最低限の茎を残し、すべてを攻撃に回しているみたいだ。
ツタが鋭い直線的な動きで、フォルネとニャルラを襲う。それが始まりの合図だった。
ツタは木の地面に乾いた音を立ててぶつかる。そこにフォルネとニャルラはもういない。
飛び跳ねて左右に散り、それぞれが伸びきったツタを1本ずつ引き裂いていた。
しかしその間にも、残りのツタがしなるような動きで二匹を襲う。
フォルネはツタに鞭のようにはたかれ、そのまま巻きつかれた。
「くうっ」
フォルネが苦し気にうめく。
ニャルラにも、明らかに避けようがない動きでツタが迫る。
視覚外からのそれを、信じられない反射でかわしたニャルラだったが、かわした先で別のツタに後足をからめとられ、そのまま地面に打ちつけられた。
「いたいなっもおっ」
ニャルラの足をからめているツタは、そのままニャルラを軽々と持ちあげ、ぐるぐるとニャルラをぶん回す。
「目がまわるうぅぅぅ」
一方フォルネも、身体をぐるぐるに巻きつけられ、身動きが取れない状態だ。
そこに別のツタが、槍のような直線的な動きで顔面を狙い、しゅっと突き出された。
フォルネはすんでのところで、わずかな首の動きでそれをかわすと、逆に突き出されたツタに噛みつき、噛みちぎる。
わずかにツタがほどけたところで、すき間を広げて脱出、着地した。
「ニャルラっ!!」
ニャルラは後足を絡めとられ、振り回されていた。
それでも反動をつけ、遠心力に逆らい、しなやかに身体を折り曲げると、どうにかツタを断ち切った。
ぼてっと落ちる。身体を起こすがふらふらだ。
そんなニャルラに次のツタが迫っている。しかしニャルラはまだ目を回してふらふらしている。
フォルネが、ニャルラに向かうツタを断ち切った。
「ありがとぉふぉるねぇ〜」
ニャルラがへろへろした声でお礼を言い、自身もツタへの攻撃をしかけるが、へろへろしたその動きでは、まったく仕留めることができなかった。
「手ごわいですね。痛みも感じないでしょうから、攻撃が止むことも逃げることもないのかも」
「なにがきたって、にゃるらがぜんぶやっつけてやるのらぁ〜」
「ニャルラ、無理しないで」
「ん……もう、だいじょ〜ぶ」
ニャルラは、身体をぶるぶるっと震わせると、四肢でがっしりと地面をつかんだ。
「いけるよっ」
フォルネはうなずく。
「じゃあ、これで決めましょう」
僕は、戦いになると、ただ見ているだけしかできない。
いつも何かできることはないかな、って考えている。
そう。考えるんだ。
ヤドリバナは枝に巻きついたツタをほどき、さらなるツタを投入してきた。
そのため、ヤドリバナは自身を支えきれないほとの危ういバランスになっている。
僕はピンときた。
「あの支えになっているツタを狙って! あれを切断すれば、きっとヤドリバナは落ちる」
「そなの? よぉ〜し」
二匹は支柱になっているツタに向かって疾走する。
そこに、ヤドリバナは全てのツタを集中させて攻撃をしかける。
ニャルラは右に左に避ける。
しかし数が多い。素早い反射で避けようとしたが、それでも避けきれない。
「いけないっ」
フォルネは自身へ来た攻撃を避けつつ、幻術でニャルラの幻を作り出す。【空蝉】の術だ。
しかし、おそらくは目で敵を察知していないツタには意味をなさず、ニャルラはツタにはたき落とされた。
けれども、その程度ではニャルラの闘志は衰えない。
むしろそこから一気に大きく跳躍した。
そして、勢いよくツタに噛みつくと横回転。
見事に支柱となるツタを切断した。
支えを失ったヤドリバナの巨大な花が、天井から降ってきて、ぼとりと樹の床に落ちた。
「やったのらぁ!」
今度は自分の回転でへろへろになりながら、ニャルラがドヤる。
「まだよ!」
レンジュさんが叫んだ。
「あの花が本体。花をどうにかしない限り、ツタは動き続ける」
【ヤドリバナ レベル5 生命点3 攻撃回数2】
※防御ロールにファンブルで失敗すると、毒によるダメージを受ける。
※攻撃ロールにファンブルで失敗すると、毒によるダメージを受ける。
戦いは、まだ終わっていなかった。
それどころか、ここからが本番だ。
[プレイログ]
【ヤドリバナの茎 レベル4 生命点6 攻撃回数3】
※斬撃による攻撃は、攻撃ロールにプラス1。炎による攻撃も同様。
※全方位からの攻撃のため、防御ロールにマイナス1のペナルティ。
第1ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目5 命中 ヤドリバナの茎の生命点6→5
フォルネの攻撃 サイコロの出目2+技量点2+斬撃1=5 命中 ヤドリバナの茎の生命点5→4
ヤドリバナの茎の3回攻撃(ニャルラに2回、フォルネに1回)
ニャルラの回避 サイコロの出目2 失敗
【素早い反射】(器用点6→5)で振り直し。サイコロの出目5で回避。
ニャルラ2回目の回避 サイコロの出目2 失敗
【素早い反射】(器用点5→4)で振り直し。サイコロの出目2で失敗 ニャルラの生命点10→9
フォルネの回避 サイコロの出目1で失敗 フォルネの生命点5→4
第2ラウンド
フォルネの攻撃 サイコロの出目5で命中 ヤドリバナの茎の生命点4→3
ニャルラの攻撃 サイコロの出目3+技量点1+斬撃1=5 命中 ヤドリバナの茎の生命点3→2
ヤドリバナの3回攻撃(ニャルラに2回、フォルネに1回)
ニャルラの回避 サイコロの出目3で失敗
【素早い反射】(器用点4→3)で振り直し。サイコロの出目5で回避
ニャルラの2回目の回避 サイコロの出目4+技量点1-ペナルティ1=4 回避
フォルネの回避 サイコロの出目3+技量点2-ペナルティ1=4 回避
第3ラウンド
フォルネの攻撃 サイコロの出目4 命中 ヤドリバナの茎の生命点2→1
ニャルラの攻撃 サイコロの出目1(ファンブル)外れ
ヤドリバナの3回攻撃(ニャルラに2回、フォルネに1回)
ニャルラの回避 サイコロの出目2で失敗
【素早い反射】(器用点3→2)で振り直し。サイコロの出目1 ファンブル
フォルネが【空蝉】使用(魔術点3→2)し、ニャルラの防御ロールを振り直し。サイコロの出目3+技量点1-ペナルティ1で、それでも命中。ニャルラの生命点9→8
ニャルラの2回目の回避 サイコロの出目2で失敗
【素早い反射】(器用点2→1)で振り直し。サイコロの出目5で回避
フォルネの回避 サイコロの出目6で回避
第4ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目2+技量点1+斬撃1=4 命中 ヤドリバナの茎の生命点1→0 勝利
●アタック03-8 レンジュのとっておき
【ヤドリバナ レベル5 生命点3 攻撃回数2】
※防御ロールにファンブルで失敗すると、毒によるダメージを受ける。
※攻撃ロールにファンブルで失敗すると、毒によるダメージを受ける。
地面に落ちたヤドリバナは、巨大な九枚の花弁を広げた。
その動作は、まるで生き物がむっくりと起き上がるみたいだ。
花弁の中心には、まるで生き物の口のような器官がある。
それは、鋭い牙が無数に生えた巨大な口に見える。
本当の口みたいに噛んだり食べたりできるのかは、わからない。
根っこから栄養を吸い取るみたいだから、できないと思いたい。
けれどその凶悪な見た目からは、一度口に放り込まれたらもうおしまいだと思わせる怖さがあった。
ヤドリバナは、中心となる茎に無数のツタをより合わせるようにして、立ち上がった。
その立ち姿は一本の茎から一本の花が咲く植物、ひまわりやチューリップを思わせる。
しかしより合わさったツタは、地面でとぐろを巻いてバランスを取った後、こちらに向けての攻撃姿勢を取っている。
地面に落ちたことで、動けるツタの数を増やしたようだ。
「すぐにおわらせるよっ!」
ニャルラが気合とともに突進した。直接花を狙っている。しかし、無数のツタに阻まれてしまった。
「フォルネ、前後があるかわからないけど、花の後ろ側を狙ってみよう」
僕の提案に、フォルネはすぐさま背後に回り込み、人でいう後頭部を狙って攻撃した。
一撃は命中し、速攻で次の攻撃を叩きこもうとしたが、それはツタの動きに阻まれ、地面に着地する。
「一応前と後ろはあるみたいですね。けどすぐに気づかれてしまう」
ヤドリバナはフォルネに立て続けにツタを送り込むが、フォルネは軽くいなしている。
「攻撃も、正面に比べれば大したことはありません」
その正面では、ニャルラが無数のツタに囲まれ、身動きが取れない状態に陥っていた。
フォルネが再び幻術【空蝉】をニャルラに使用する。
ニャルラの動きは残像をともなって数を増やしたように見えた。
ツタはその動きを追い切れず、ニャルラはツタを囲いを脱出した。
「はふう。フォルネありがとっ、たすかったぁ〜」
「さっきと違い、【空蝉】が通った……? どこかに『眼』があるということ?」
「こんどはっ! はずさないっ!!」
ニャルラは全身の毛を逆立て、力をみなぎらせると、花に向かって突進してゆく。
フォルネは多くのツタを翻弄しながら、再び後ろから、ヤドリバナに取りついた。
「今ですニャルラ!」
ニャルラの姿が星くずを散らすようにきらめき、花弁の中心に向かう。
その直線的な攻撃は、目の前を阻むツタをものともせずに貫き、そのまま花弁へと……。
それは偶然だったのだろう。
横あいから鞭のようにしなったツタが、超速で動くニャルラの胴に偶然当たり、軌道が変わった。
ニャルラの攻撃は花弁を逸れ、あさっての方向へと跳んで行ってしまった。
「ニャルラっ!」
「ぶにゃああああ!!」
そこにレンジュさんの凛々しい声が響く。
「十分だ。よくやった」
次の瞬間、レンジュさんが放った矢が、ヤドリバナの中心を貫いていた。
「君たちが隙を作ってくれたおかげだ。ありがとう」
「待って。こんな巨大な植物が、中心部を矢で射貫かれたくらいで倒れるとは……」
実際に、地面を這うツタは、今もなおうねうねとうごめいている。
「まあ、見ていなさい」
レンジュさんは自信たっぷりだ。
その間に、狙いを外して地面に落下していたニャルラがへろへろと、皆のところに戻ってきた。
見ると、ヤドリバナの中心が変色していた。急速に枯れ始めている?
「毒には毒を。『植物枯らし』だ。矢にしこんでおいた。私のとっておきさ」
それにしても、進行が速い。
すでに花弁をしおれさせ、茎の部分にも至っている。
「さすがにこれほどの効き目とは想像もしていなかった。きっと、巨大樹の魔力を吸ったせいで循環が良くなっていたのだろうな」
花弁ががっかりするようにうなだれた。
そしてツタがひとつひとつ地面に落ちてゆき、最後のツタが力なくしなだれた。
「終わった……のでしょうか。これで」
フォルネがつぶやく。
ヤドリバナのツタはうねるのを止め、完全に沈黙していた。
[プレイログ]
【ヤドリバナ レベル5 生命点3 攻撃回数2】
※防御ロールにファンブルで失敗すると、毒によるダメージを受ける。
※攻撃ロールにファンブルで失敗すると、毒によるダメージを受ける。
第1ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目3*技量点1 外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル ヤドリバナの生命点3→2
フォルネの再攻撃 サイコロの出目2 外れ
ヤドリバナの2回攻撃
ニャルラの回避 サイコロの出目3+技量点1 回避失敗
フォルネの【空蝉】で振り直し サイコロの出目5 回避成功!
フォルネの回避 サイコロの出目5 回避成功
第2ラウンド
ニャルラの攻撃 【目も当てられぬ激怒】サイコロの出目3+技量点1 外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル ヤドリバナの生命点2-1
ここで【怪物狩猟者】レンジュ同行の特典 強いクリーチャーの生命点-1の使用を忘れていたことに気づき、フォルネの再攻撃をキャンセルしてレンジュが止めを刺すことにしました。
また、リプレイでは演出上フォルネとニャルラの攻撃の順番を変更したので、ニャルラが残り生命点1点の相手に【目も当てられぬ激怒】でクリティカルを狙うというおかしなことに。
レンジュの使用した「植物枯らし」は、矢で植物に止めを刺すためのアイディアです。アイテムの出典はゲームブック「宝石島の脱出」です。
●アタック03-9 オウカンワシの後始末
ヤドリバナの毒の脅威が去ったためだろう。
オウカンワシが力強い羽ばたきで降りてくると、ヤドリバナのしおれた花をがっしりとつかんだ。
ぶちぶちっと茎やツタを引きちぎり、花を持ちあげると、巨大樹の外に捨て去った。
続いて、仲間のオウカンワシたちが次々と飛来すると、次々とヤドリバナのツタを引きちぎっていく。
ヤドリバナの痕跡を、まったく残さないつもりだ。少しでも残っていて、活動を再開されないように。
僕たちは、オウカンワシたちの大掃除の様子を、ただ黙って見ていた。
そんな様子を見ていたら、僕の胸に、ある思いが去来した。
それでつい、言ってしまったんだ。
「これで、よかったのかな」
ヤドリバナだって悪意があったわけじゃない。
ただ、自分が生きて、繁殖するために取った行動ってだけだ。
それを倒してしまうのは、正しいことだったんだろうか、って。
それを聞いて真っ先に反応したのは、レンジュさんだった。
「それはさすがに聞き捨てならないな」
レンジュさんは、怒っていた。
「君の意をくんで巨大樹のてっぺんまで上り詰め、命をかけて戦った二匹のことを、あまりにもないがしろにしていないか」
僕ははっとした。
レンジュさんの言うとおりだ。
僕がしようと言ったから、フォルネとニャルラはここまで来た。
巨大樹を守るために、戦ってくれたんだ。それなのに、僕は……。
「フォルネ、ニャルラ、ごめん」
「……タイガさま」
フォルネが言った。
「タイガさまは、正しいことをなさりたいのですか?」
僕は、質問の意味がよくわからなかった。フォルネは続けた。
「ここに来る間にも、いろんなことがありました。縄張りを守る猿たちには猿たちの正義があるでしょう。襲ってきた飛鮫だって、私たちを餌にしたいだけで、悪意があったわけではありません」
ああ。
僕は、フォルネが何を言いたいのか、わかってきた。
ヤドリバナだけじゃない。これまでだって、同じだったのに。
オウカンワシがヤドリバナをちぎり取っていく様子を見て、感傷的な気分になりすぎていた。
「タイガさまがいつも言う『ほっとけない』は、『正しいことをしたい』ということなのですか?」
「違う。違うよ。そういうんじゃない。僕は、僕の中から湧き上がってくる気持ちに正直でいたいだけ……なんだ」
フォルネはそれを聞いて、少し表情をゆるめた。
「そうであれば、いいのです。私はこれからも、タイガさまについていきます」
「へ? それでいいの? それだけ?」
レンジュさんは拍子抜けするように言った。
「え? ほかになにか?」
「いや、ずいぶんあっさり許しちゃうんだなって思っただけ。他意はない。そっちの猫ちゃんはどうなんだい」
「アタイはそろそろ下に降りて、おいしい丸々獣のおにく食べたいのだ」
「……まあいいや。仲が良いのはよくわかった。別にアンタらの間を裂きたいわけでもないし」
そのとき、オウカンワシが僕たちの前に大きな翼を羽ばたかせて降り立ち、口にくわえていたものを僕たちの前に置いた。
「驚いた。これ、かなり希少な薬草になるものです」
「さしずめ、今回の報酬ってとこかね。私はいいからもらっておきな」
「はい」
僕はその薬草を束にして、道具入れにしまった。
目的は果たした。これから下樹だ。
「そうだ。私も一緒に下までつきあおう」
「え。でも、戦いを一回お手伝いしてくれるだけの約束で、メガレオン狩りも」
「考えてもみなよ。その一回のお手伝いがラスボス戦だ。あんなデカい出来事があったら、のんびり狩りの続きをする気にはなれないさ。下樹は単に同行しようってだけだ。金は要求しないよ」
こうして僕たちは、一緒に下まで行くことになった。
言葉が通じないのはわかっているけれど、オウカンワシに別れをつげる。
するとオウカンワシは、意外な行動に出た。
僕たちに接近すると、横向きになり、体を低くした。何かを促しているような動きに見える。
何を促しているのか。
僕とレンジュさんは顔を見合わせた。
「乗れ……って言ってると思います?」
「奇遇だな。私にもそう見える。いやしかし……どうしたものか」
レンジュさんは怪物狩猟者。時によってはオウカンワシを狩る側の人間だ。ためらいも大きい。
僕だって、さすがにオウカンワシに乗せてもらうというのは考えてもみなかった。
そして、こういう時にまっさきに動いてしまうのは、決まってニャルラだ。
ちょこちょこと飛び跳ね、オウカンワシの背に乗っていた。
「みんな〜、はやくはやく〜。これならすぐにおにく食べにいけるよ〜」
全員、言葉も出ない。
「能天気にもほどがある」
レンジュさんがつぶやいた。
「……乗りましょうか、タイガさま」
「うん、そだね」
「……ええい。私も乗ろう。こんな経験、二度とできないだろうからな。経験は財産。経験は財産……」
レンジュさんは繰り返し唱えながら、おっかなびっくりオウカンワシの背に乗った。
僕たちを乗せたオウカンワシは優雅に翼を広げ、雄大に羽ばたいた。
次回、最終回。
【フォルネ(妖狐) レベル12 技量点:2 生命点:5→4/5 魔術点:3→1/3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2草避けのお守り
【ニャルラ(魔猫) レベル12 技量点:1 生命点:10→8/10 器用点:6→0/8 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料2
金貨44
1希少な薬草(金貨24枚)
2希少な薬草(金貨30枚)
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。愛称はコニー。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
ドトール 闇エルフの妖術師。闇エルフの繁栄のため、巨大樹を調査している。
レンジュ 高々度で狩りを続ける怪物狩猟者の女性。一時同行することに。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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