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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第22回
「経済」
(中山将平)
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おはようございます。イラストレーターの中山将平です。
最近ローグライクハーフを遊んでいて、ふと思っていました。
「カエル人のTRPGを近しいルールのバージョンにコンバートできないか」
僕にとってローグライクハーフのルールの最大の魅力は「手軽さ」です。
大きなデータの読み込みが必要なく、一人でも初めての人とでも素早く手軽に遊べるルール。
それはTRPGになじみがない方でも楽しみやすいという意味でとても良いものだと思っています。
実際、僕自身プライベートでローグライクハーフを遊ぶ機会は(人に言うものでもないですが)わりと多かったりします。
やってみると、思いのほかこれはうまくいきそうだという感触を得ました。
もともとシナリオを4つ用意しているので、「カエル人のTRPGでどんなことが起こるか」はルールに関係なく決まっています。
そこからルールによって「どんな状況が表現できるか」を肉付けしていくことが起こりました。
今回の経験を通して「肉付け」がどのくらいの意味を持つか理解できた気がします。
「一輪車を運転する」時のバランスのとり方みたいなもので、端的な言葉で表現するのは難しい「感覚」が手に入ったのは嬉しいものです。
この感覚がどこで役立つのかは全く分かりませんが、ゲーム作りの趣味がさらに楽しいものになるという点ではいいものだと感じています。
(ちなみにこのゲームは、GMを合わせて4人プレイができます。)
さて、今日の記事ではファンタジー世界における「経済」を話題にしようと思います。
多分いつもより短い記事になりますが、カエル人の創作で得たものだったので書いてみようという気になりました。
この記事がファンタジーを楽しまれている方にとって役立つものになることを願っています。
それでは、早速詳しく見ていきましょう。
◆ 「経済から考える」という視点
実は僕がカエル人の創作をする際、世界の全体像を考えるいくつかの視点の中で特に注目したものは「経済」でした。
そもそも現実世界における「人間の経済活動」に興味があったせいかもしれません。
例えば「ある監獄でタバコが通貨の代わりになった」というエピソードとか大好物です。
自分は根本的に「物事の本質的な部分を理解したい」という欲が強く、それが分かったと心底思えるまで観測に努める傾向があると感じています。
「経済」はまさにその対象でした。
この観測は今も続けていますが、見切り発車で「理解した分を使って自分なりの仮想現実を作ってみる」のも楽しいものだと思っています。
ファンタジー世界がどのような形をしているかは、「経済活動」という視点から読み解くことが出来るのではないか。
それが僕の感じたことでした。
その第一歩として、カエル人の社会から「貨幣」を取り除きました。
◆ なぜ貨幣は消えたのか
貨幣を取り除いた理由は2つあります。
一つは、貨幣を担保するに足る「権威」を定めることが出来ないと感じたから。
貨幣は一種の「信用券」であるため、その価値を認めるに値する「信用元」(権威)が定められない世界ではそのパワーを失うと感じました。
頼れる権威なしに「普遍的な価値があるものが貨幣の代わりの役割を果たす」というパターンもあると想定できますが、それは「物々交換」の延長線上のものであると考えています。
(カエル人の経済では宝石などがその対象として考えられました。カエル人にとって宝石は星の神フログトゥルフへの供物として普遍的な価値を持つ品なのです。)
もう一つは、経済の規模的に必要であると思いづらいから。
貨幣の優位性はその流通の簡易さにあると感じています。
カエル人の必要とする経済規模を考えたとき、その流通の簡易さが「意味を持つ」規模ではないと予想できました。
結局、こうした理由でカエル人は物々交換による社会を形成していることと決めました。
◆ 経済が世界を起こす
こう考えてきて、カエル人の集落ではそもそも金属が少ないだろうなぁと感じるようになりました。
カエル人のような両生種族が扱える金属が限られるだろうなぁと感じるためです。
金や銀のように錆びづらい金属もありますが、そうでないものも多い。
それならばいっそのこと、ほとんど使わないという設定も良いかと思いました。
貨幣を使わないので、通貨を使わない。
通貨は金属であることが想定できますが、それがカエル人には性質上合わない……という構造です。
経済から生活様式の設定ができ、文化が築かれることもある……ということなのかもしれません。
◆ まとめ
今回はファンタジー世界における「経済」について少し触れてみました。
カエル人は物々交換によって暮らすものの「物を所有するという概念」を持つ種族だと設定しました。
生物の経済観念という点を根底から創作することって、楽しいと感じています。
では、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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