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2024年4月21日日曜日

アランツァワールドガイド Vol.11 神聖都市ロング・ナリク(後編) FT新聞 No.4106

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◆大聖堂。
宿を出て大通りを歩く。
大聖堂、教会、修道院……さまざまな宗教的な施設が立ち並んでいる。
今日が祝いの日だからなのか、どの建物も信者とおぼしき人々でいっぱいだ。
大聖堂の前の大通りで、人だかりができている。
見やると大きな屠殺剣(スローターソード)を担いだ屈強の戦士が、立っている。
その横には彼と同じぐらいの高さがある、檻がひとつ。
そこに入れられているのは野生の、縛られた〈丸々獣〉。
ブヒブヒブゴゴと鳴く声にかわいらしさはまったくなく、子どもが泣き出す声すら聞こえてくる。
司祭が合図を送ると、戦士は速やかに剣を抜いて、流れるような動作で〈丸々獣〉の脇の下を突く。
〈丸々獣〉が血を流して息絶えると、司祭は天を仰ぎ、太陽を祝福する。
祭りのボルテージはクライマックスを迎える。
その後、捧げられた〈丸々獣〉の肉が人々に配られて、祭りは終わりを迎える。
カメルとアレスはこの祭りの日に街に来られた幸運を喜んだ。


◆歴史的補足。
ロング・ナリクの大通りには、宗教建築を中心とした多くの歴史的建造物が立ち並ぶ。1000年近い歴史を誇る「古都」である。建物のほとんどが、セルウェー教が拡大した1000年前に造られた。その時期、神の庇護を求めて、他都市から人口が大量に流入。かつてはアランツァでもっとも繁栄した都市だった。
その一方で、ロング・ナリクは地理的な問題や民族感情から、隣都市である城塞都市ドラッツェンと衝突を繰り返してきた。高地で【巨大生物】と戦うドラッツェン兵は強く、ロング・ナリクは劣勢だった。
そんななか、街を特徴づける3つの力が生まれ、育っていった。


◆弓矢をもて、戦え。
高地から攻め込むドラッツェン兵と戦うため、この街でもっともメジャーな武器は弓矢である。
「遠くの敵」として遠隔から戦う相手に対抗するために、発達した。
また、これはかづら森に生息する動物系クリーチャーとの対決にも用いられた。

かづら森の植物系クリーチャーと戦うために斧文化も発達したが、こちらは片手武器である。


◆宗教的遺物とルーン。
かづら森のトレントかづらが大繁殖したことによって、森のエルフたちは生活基盤を失い、この都市に取り込まれた。
彼らエルフの民はルーンの使い手で、冒険開始前に冒険者や兵士に(有料で)力を授けてくれる。
また、彼らはロング・ナリクの宗教的パワーの大きさを活用して、かづら森やドラッツェンに対抗する手段を市に提供した。
セルウェー教の聖遺物は魔法の装備品の一種で、冒険者や兵士に力を与えてくれる。

彼らの神は知識神ソロンドオルである。


◆トレント材の活用。
トレント材はそのトレントの「もとの種」によって性質や用途が異なっており、トレント樫が特に価値が高い。
かづら森ではトレント材(トレントから採れる木材)の他に、トレント蔦(づた)と呼ばれる紐状の素材も手に入る。
これを活用したロープなど、利用価値があるものが多い。


◆その他の情報。
この街には吸血鬼などを中心とした【アンデッド】に対抗する勢力を育てるための「銀十字養成学校」がある。
街には向上心のある若者が多くいるが、そういったエリート階級がしばしば選択肢として選ぶ学校である。
彼らの多くは貴族だが、金を持つ(あるいは武勲を立てた)平民が入ってくることもある。
出自がどうあれ、エリート意識が強くプライドも高いが、階級よりも実力主義であり、弱者を守ることを旨とする責任感のある者ばかりである。
おしむらくは、そういった人物が時の流れとともに堕落することもしばしばあるのが、人生の難しいところでもある──。


◆まとめ。
神聖都市ロング・ナリクはアランツァの中心地であり、数多くの見どころと特徴がある。
セルウェー教であること、かづら森、ドラッツェンの隣都市であること、シャンクルー鉱山。
それぞれがこの街に影響を与えており、深い関係がある。


◆GMへ(作者補足)。
セルウェー教は唯一神セルウェーを信仰する宗教です。
キリスト教をモデルにしているとよく言われますが、別の一神教との垣根を低くする意識をもってデザインしています。
生贄の儀式はユダヤ教から来ている、といったように。
また、キリスト教といっても、近現代の洗練された思想体系としてのイメージはあまり強くありません。
聖書の時代の雰囲気を意識しています。



それではまた!


↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
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