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2026年10月20日火曜日

冒険は君の手で作れ! 第3回 FT新聞 No.5018

■冒険は君の手で作れ! 第3回■ おはようございます。紫隠ねこです。 FT書房が送り出す、30分で遊べる1人用TRPG『ローグライクハーフ』。 イタリアのゲームデザイナー、アンドレア・スフィリゴイが2017年に発表した『Four Against Darkness(以下4AD)』に着想を得て制作された作品です。 サイコロを振って、ダンジョンを舞台にした冒険を体験できる1人用RPG。 そこにプレイヤーの想像力を加えることで、自分だけの物語を作り上げていくことができます。 今回は4ADの実際のゲームプレイについて、大体の概要という形式になりますが、それを語っていこうと思います。 ◆パーティを組んでみよう まず最初に、4人の冒険者でパーティを組む必要があるので、主人公っぽい誰かを考えることにしましょう。 名前はファウド。私の好きな、昔の格闘ゲーム「バトルブレイズ」の主人公と同じ名前です。 キャラクターに何かしらの背景が欲しいので、「Wayfarers and Adventurers」に記載されたキャラ特性のルールを導入してみます。 キャラ特性は、6面サイコロを2個振り、1つを十の位、もう1つを一の位とする「d66」でランダムに決定されます。 サイコロをコロコロと転がした結果は……出目12【刀傷(Scarred)】になりました。この特性は交渉を行う場面でペナルティを受けるのですが……普通に冒険するだけなら特に問題はありません。 過去のファウドに誰が深手を負わせたのか、これは良い感じに「キャラクターが越えるべき存在」として描けそうです。 そういう訳で、今度は固有のファイナル・ボスを取り扱った「Twisted Final Fight」で因縁の相手を決定しましょう。このボスキャラは、10面サイコロを2個振った出目で決定されます。 サイコロの結果は……出目48【Dragon-Man Veteran(龍人の古参兵)】になりました。 それでは、ここまでの情報を元にして、キャラクターの背景を考えてみることにします。 名高い戦士を目指して、剣術の腕を磨く戦士ファウド。 凄腕の剣士である龍人の噂を聞いた彼は、その人物をようやく探し当てますが、真剣勝負を挑んだ結果、敗北を喫することになります。 重傷を負ったものの、旅の僧侶の回復魔法で命をつないだファウドは、己の未熟さを痛感し、今よりも強くなることを誓います。 さて、パーティに回復役と魔術師が必要になったので、この「旅の僧侶」を同行させることにしました。 なぜ僧侶と魔術師がセットで旅をしているのか。無難に、幼馴染の関係ということにしましょう。 そうこうしているうちに、少し思いつきました。魔術師が旅をするのは、かつて繁栄した古代文明の記録を探しているのが理由だという背景です。 魔術師クラウスと女僧侶ミリアムは、歴史書からも抜け落ちてしまった「失われた時代」の記録を集めており、ダンジョンを調査するために戦士を求めていました。 パーティを組むには、あと1人の冒険者が欲しいのですが、基本職とは違ったクラスを入れようと思います。 魔法に関わるクラスデータをまとめた「Entreaty of Eldritch Enchanters」から、追加クラスの【龍人】を加えることにしました。 レベル5以上(中級ルール)に到達したパーティでなければ、仲間になってくれないクラスなのですが、私はハウスルールを取り入れて、レベル1からでも参加できるようになっています。 そして龍人と言えば、ファウドが勝てなかったライバルが「龍人の古参兵」であることを思い出しました。これをキャラクターの背景に取り入れてみましょう。 武者修行を続けるファウドに興味を持った龍人のガウェインは、彼と旅をすることに決めますが、彼の追う目標が自分の父親であることに気付きます。 ガウェインの父親は、龍人たちの王国では名の知れた戦士でしたが、あるとき幼いガウェインを親戚の元に預けると、消息を絶ってしまいます。 ファウドが父親と決闘をすることも気がかりですが、彼は自分の父親が行方をくらました真相を知りたいと思っています。 これで4人のキャラクターが揃いました。 各キャラクターの背景については、その場の流れで考えたのですが、古代文明の記録や、ガウェインの父親に関連する情報は、後のシナリオフックとして使えそうです。 ◆ダンジョンに潜ってみよう。 ファウドたちは、小さな村の郊外にある遺跡を探索することにしました。 遺跡の調査に向かった冒険者シグが消息を絶っており、その救出のために村を目指しているところです。……という事情を、たった今決めました。 ダンジョンを探索する動機も、慣れてくるまでは無理に凝ったものを考える必要はありません。昔遊んだコンピュータRPGに、こんなクエストがあったなとか、それぐらいの気楽さでいいのです。 それでは冒険を開始しましょう。 ダンジョンのマップタイルは、「Lost Temples of Qaarra」のタイルを使うことにします。これは神殿っぽい感じのマップタイルが登場する作品です。 さらに、ダンジョンの特殊ルールとして「Twisted Dungeon」を利用します。8面サイコロを2個振り、十と一の位を決定するd88で、そのときのゲームプレイに個性豊かな状況が追加されます。 その出目は35……「魔法の書庫」が登場しました。ダンジョンで入手する、すべての「魔法の宝物」が呪文の巻物になります。呪文の巻物は、使いきりの魔法として使用できますし、術者が扱える呪文の種類を増やすこともできます。呪文の種類は、この方法でしか増えないため、初めて目にする呪文は、積極的に新しい力として取り入れたいところです。 また、パーティの隊列も重要です。通路のような「狭い場所」で戦闘が起きた場合、前衛にあたるキャラクターしか接近戦攻撃を行うことができません。奇襲による「バックアタック」に備えて、戦闘の得意なクラスを後衛に配置するのも作戦のうちです。 ここでは戦士のファウドと僧侶のミリアムを、パーティの前衛に。魔術師のクラウスと龍人のガウェインを、パーティの後衛に立たせることにしました。 ダンジョンの入口からは、マップタイルがランダムで配置されていきます。初めて入るタイルでは【マップタイルの様子表】を振り、そこで起きるイベントを決定します。 【マップタイルの様子表】は、6面サイコロを2個振った目の合計で決まります。様子表の結果は、基本的にどのシナリオブックも共通しており、確率的に〈弱いクリーチャー〉との遭遇が高く設定されています。 魔術師の呪文は状況ごとで自由に選べるわけではなく、冒険開始時に呪文をセットする(魔力をそれぞれの呪文の使用回数に割り当てる)必要があるため、集団で現れる〈弱いクリーチャー〉対策の呪文をいくつか用意しておいた方が良いかも知れません。 ファウドたちの探索は順調に進み、クリーチャーだけでなく、危険なトラップも上手くやり過ごしていきます。 マップタイルは、広さや形によって変化があるわけではありませんが、たとえば「このタイルではトラップ付きの宝箱が出やすい」といった、新たなゲームの要素として取り入れることもできます。プレイヤーは、ゲーム進行を管理するマスターの役割も兼ねているので、より楽しいルールを思いついたら、さっそく試してみるというのも悪くはありません。あなたが楽しむことが優先です。 探索を進め、地図にマップタイルを書き記していき、それが書ききれなくなったところでダンジョンのボスが登場します。 最後の部屋に待ち構えているのは、石化能力を持つ恐ろしいメデューサでしたが、急に面白いアイディアが思いついたので、ここでは登場させません。その代わりに、石像となった人間が幾つか並んでいます。そのうちの1体は救出依頼の人物で、ミリアムが【祝福】の呪文をかけると、元の肉体を取り戻したシグは感謝の言葉を述べます。 彼は石像になっている間も、知覚力だけはそのままだったので、メデューサの行方の手がかりをつかんでいました。この部屋に置かれた他の石像は、ごく普通の石像で、なかなか獲物が見当たらないので、別の洞窟に向かったとの情報を得ます。部屋の書棚に収められた魔法書を読みあさっていることもあり、何か重要な記述を探しているようにも感じたとシグは言います。 ガウェインは「奴の行方を追って討つべきだ」と言いますが、クラウスはメデューサが探していた記述の内容が気になっているようです。 ミリアムは依頼主のところに戻った方がいいと意見します。仲間たちの意見を聞いたファウドは、依頼の達成を優先させた後、メデューサの潜伏先に向かうことに決めます。 強力なクリーチャーですが「探し物」の正体次第では、新たな冒険につながる可能性が高そうです。なにか邪悪な試みにつながるのであれば、当初の予定どおりに討伐してしまえば良いだけです。対峙する相手が分かっているので、メデューサの邪視対策として都市では鏡を買い込んでおきます。ファウドたちの冒険は、まだまだ続きます……。 別の土地に向かう場合、ひとつのダンジョンから別のダンジョンまでの道中は省略されます。ただし、サプリメントの「Tales from the Adventurers Guild」を利用すれば、ヘクス上を移動していく「荒野マップ」を作成できますし、「Twisted Tunnels」があればダンジョン間を結ぶ「連絡通路」も生成できます。 道中のイベントを考えるのであれば「Lairs,Dens and Burrows」には、短い時間で遊べる小クエストがいくつも記載されています。 基本ルールの他に、サプリメントを利用することによって、冒険はどんどん広げていくことができるのです。 ◆今回使用したサプリメント 今回の冒険で使ったサプリメントは「Wayfarers and Adventurers」「Entreaty of Eldritch Enchanters」「Lost Temples of Qaarra」「Twisted Dungeon」「Twisted Final Fight」の5冊でした。 自分が興味を惹かれた作品しか所有してないのですが、それでも所有しているサプリメントだけで1000ページを越えています。とは言え、ゲームプレイに必要なオプションルールを参照するのに、毎回1000ページ以上の辞典のような本を引っ張り出す必要はありません。 それぞれのサプリメントは100ページにも満たない作品が大半を占めているので扱いやすく、作品ごとでテーマが決まっているので、これがインデックス代わりにもなります。 4ADはツールボックスのような作品です。冒険を楽しみたいときに、これだと思う道具を選ぶ。愛用のマシンをカスタマイズしていく、それに近い感覚を味わうことができるソロRPGなのです。 ◆最後に 様々なサプリメントを組み合わせることによって、自分だけのファンタジー世界を広げていくことができる作品。 今もなお新作が発表されており、今後が楽しみな作品でもあります。 次回では、4ADの基本ルール第2版について語ろうと思います。それではまた! 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