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2025年6月4日水曜日

第3回【戦場の風】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4515

第3回【戦場の風】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「戦場の風」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。


ぜろです。
ローグライクハーフ版d33シナリオ「戦場の風」に挑戦中です。
今回の主人公はウォーレン。ロング・ナリクで当代一と言われた聖騎士と同名の若き騎士です。
国王からの密命は、戦場に置き去りになっている王女コーデリアを救い出し、離脱すること。
聖堂にかくまわれている王女に合流し、継戦を主張する王女を説得し、軍を撤退させることになりました。
しかし一口に撤退といっても、実行は困難です。まずは作戦を立て、それを実行するしか。


【ウォーレン レベル10聖騎士 技量点2 生命点8/8 筋力点4/4 従者点7】
【装備】
片手武器
板金鎧(生命点2 防御1)
丸盾(生命点2)

【食料】2
【金貨】0

【持ち物】
0 黒いコイン
1 ロケットつきペンダント(金貨15枚)

【高潔な魂】【全力攻撃】【神の加護】

【未使用経験点】0

【従者】
弓兵 2人
兵士 4人
乗用馬 1頭(装備5つ)※アンドレが同行


●アタック01-5 いきなりジャルベッタ

「撤退するための最大の障害、それはウォー・ドレイクです」

コーデリア王女は言った。聖騎士ウォーレンが犠牲になったのも、ウォー・ドレイクの出現によるものだと。
アンドレも、王女を逃がす戦いの際、ウォー・ドレイクの力を目の当たりにしたという。
その力は協力無比で、とても一個人の武勇でどうにかできるレベルではない。
王女の言うとおり、軍が撤退するための最大の障害となることは明らかだった。

結局、誰かが囮になって、ウォー・ドレイクを引きつけることが必要だ。
それは誰がやるのか。もちろん、俺がやるしかない。
俺が戦場でウォー・ドレイクを引きつけ、その隙に王女には撤退してもらう。
ゲームブック版とは展開が少々変わってきた。あちらでは、王女自らが囮となることを選び、俺と2人で軍と別行動をとるようになっていた。
こちらは、俺と従者たちのみが囮となり、王女には脱出をしてもらう。

作戦を決めたところで、ランダムイベントの続きを起こしていくことになる。
あと3つのイベントを通過したら、最終イベントに進む形だ。

アンドレは置いていく。はっきり言って、この戦いにはついてこれそうもない。負傷してるし。

では、次のイベントを決めよう。


【33 ジャルベッタ】

え。ちょい待って。
俺、いきなりドラッツェン軍の指揮官、ジャルベッタと相対しているんだけど。
どうしてそんなことになってるんだ。
これはちょっと経過を考えて繋げる必要があるな。

まず、俺が敵陣のまっただ中にいる理由だ。
やはりここは、敵の内情を探るためだろう。特にウォー・ドレイクの情報は欲しい。
ここは、ゲームブック版のときと同じで良さそうだ。

ただ、同じ手段は用いられない。
あの時は、牛飼いのジェイコブに手伝ってもらい、牛飼いの姿に紛争し、ドラッツェン軍の陣に入る用事を作って堂々と入った。
今回は、そもそもジェイコブに知り合っていないから、その手は使えない。
よしんばジェイコブの助力を得られたとしても、従者6人をぞろぞろ連れた牛飼いなんて、不自然なことこのうえない。

なら、どういう手段で潜入するのが良いだろうか。
俺たちは、ドラッツェンの兵士と戦い、倒している。
ドラッツェンの兵の姿になって潜り込むのが良さそうに思われた。

それが、どうしていきなり敵の指揮官の前に行くことになるんだよ!

そうだな。ドラッツェン兵の装束は倒した2人分しかなかった。
人数分に足りないから、ロング・ナリクの捕虜を連れて来た体で敵陣に入り込んだのだ。
そうしたら、あれよあれよという間に、指揮官ジャルベッタのもとまで連れていかれちゃったってわけ。

ジャルベッタを前にしたとき、もし「牛飼いの笛」を持っていれば、俺たちは牛飼いと判断されて放免される、とある。
でもやっぱり、この人数で牛飼いと判断してもらうのには、ちょっと無理があると思う。
そもそも「牛飼いの笛」は入手できていないので、その手は使えない。

この場合、反応表を振ることになる。

結果は、【ワイロ】。ワイロの内容は、コーデリアの居場所についての情報だ。
つまりジャルベッタには、俺たちの下手な変装はとっくにばれているってことだ。

……待てよ。そうとは限らない。
これは、捕虜ということになっているロング・ナリク兵に対する質問だ。
大丈夫、俺たちの変装はまだばれていないぞ。冷や汗をかきつつ、つとめて冷静さを保とうとする。

「ここまで来ておいて、逃げられると思ってはいないだろう。コーデリア王女の居場所さえ吐けば、命くらいは助けてやってもいいぞ」

正直、中間イベントを通過しているため、コーデリア王女はすでに撤退作戦に入っている。
今さら居場所を吐いたところで、もう意味はないだろうとも思う。
しかしルール的には、ここで王女の居場所を吐いてしまうと、命が助かる変わりに王女救出エンドは迎えられない。
つまり結局、情報提供の依頼に応じることはできない。

「よかろう。ならば死んでおけ」

ワイロ交渉は決裂した。ここから戦闘に入る。
反応表を振ったので、敵側の先制攻撃だ。
しかし、ジャルベッタ側は0ラウンド攻撃できる飛び道具を持っていないため、こちらの弓兵から動ける。
これがシチュエーション的にどういうことかというと……。

俺の従者たちは、捕虜のふりをしていただけだ。
がっちり拘束されているように見せかけているだけで、実際には拘束などされていない。
だから、すみやかに攻撃動作に移ることができる。
さらに、ドラッツェン兵に扮装していた俺が敵対行動を取るのだ。
ジャルベッタは面食らったに違いない。

【ジャルベッタ レベル4 生命点4 攻撃回数1】
【ドラッツェン兵 レベル4 4人】

ジャルベッタの周囲には、4人の兵士がいた。
だが、そんなものはまるっと無視だ。
とにかくジャルベッタに攻撃を集中させよう。
ジャルベッタの生命点4を半減させるのだ。そうしたら、彼女はこの場から逃走する。
そうなれば、4人の兵士も戦闘の続行の不利を悟り、この場を離れるだろう。

2人の弓兵が、ジャルベッタに向かい速攻で矢を放った。
それは2本とも、ジャルベッタに命中した。
まさかこれから処刑しようという捕虜から反撃が来るとは思ってもみなかったのだろう。
完全に不意を打つ形になった。

指揮官が不意を打たれ、深手を負った。
これでは、さすがのジャルベッタも退かざるを得ない。

そして俺たちは、兵士たちの混乱に乗じ、その場から逃走した。
結局ここでも、従者たちの活躍によって切り抜けることができた。
俺、まだなにもしていない。

一応、ここで宝物判定ができる。
俺は何か適当にひっつかんだらしい。

なんと、ここでサイコロの出目が6! ボーナスもついて7になり、魔法の宝物表を振れるという。
結果出たのは「駿馬の手綱」というアイテムだ。
これは、【騎乗生物】と【騎乗生物を従者として連れているキャラ】の防御ロールと器用ロールに1点のボーナスが得られるというものだ。

え? すごくない?

【騎乗生物】だけでなく、騎乗生物を連れたキャラクターも恩恵を受けられるなんて。
俺自身の防御ロールにも1点の加算が入るってことか。これはいいぞ。


●アタック01-6 いきなりウォー・ドレイク

【31 ドラッツェン軍陣中】

ドラッツェンの軍紀は、うちの軍に比べてだいぶゆるいようだ。
そのため、ジャルベッタが退いた今、指揮系統なくただただ混乱している一般兵の中をくぐり抜けていくのは容易だった。
ここで、逃走中に何か手に入れられないか、挑戦することができるという。失敗したら、兵士との戦闘が発生する。
判定は、目標値4の【技量ロール】か【器用ロール】だ。

これは挑戦する価値があるな。
技量点で挑戦だ。俺はサイコロを振った。出目は4。技量点を足して6。余裕の成功だ。
俺はどさくさに紛れて、金貨15枚の価値がある宝石をいただいた。
宝物表のかわりに軍馬の入手というのもできたが、従者枠がいっぱいなのでそちらは選ばなかった。


【32 ドレイク舎】

イベントを決めるサイコロの出目が神がかっている。
俺に有利な展開になっているという意味ではない。
ストーリーの繋がり的な意味で、理想的な展開と言える。

敵陣内で起きるイベントが3連続。しかもこの順番というのが素晴らしい。

敵陣内の混乱に乗じて脱出を図ろうとする俺たち。
しかしどういうわけか、ウォー・ドレイク舎の前へと出てしまう。
ウォー・ドレイクについて知る、またとない機会がやってきた。

ウォー・ドレイク舎はもとは牛舎だったものを、入口を壊し拡張した建物だ。
雑なので入り込むことも容易だ。
ちょうど今は、見ている者もいない。陣内の混乱は、さらなる拡大を見せている。

中にそっと入り込む。
どうやらウォー・ドレイクの食事場面のようだ。
ウォー・ドレイクは、その場に提供された牛をむさぼり食っている。
ドラッツェンの兵士は、ウォー・ドレイクに対し、なんらかの命令をしているようだ。

ここで俺は、兵士がウォー・ドレイクに対して命令する様子を観察することができる。
目標値4の、【技量ロール】または【器用ロール】だ。
これに成功すれば、【ドレイクへの命令方法】を知ることができるという。
よしよし。理想どおりの展開になってきたぞ。
もちろん挑戦するしかあるまい。

サイコロを振る。出目は6。クリティカルで成功だ。
俺は、見よう見まねでウォー・ドレイクへの命令方法を習得した。

これ以上は用はない。俺たちはついに、ドラッツェンの陣地からの脱出を果たした。

それから、いくばくも経たないうちに、背後から咆哮と地響きが聞こえ始めた。
ウォー・ドレイクだ。
ようやく混乱から立ち直りかけているのだろう。
まず真っ先にと、スピードの速いウォー・ドレイクを追っ手として差し向けてきたのだ。

馬の速度ではまったく歯が立たない。戦うほかはない。
だがこれは、作戦どおりだ。
軍の撤退に際し、ウォー・ドレイクの注意をこちらに引きつけておくのが、俺の役割だったのだから。

さあ、このまま最終イベントに突入。
ウォー・ドレイクとの戦闘だ!


●アタック01-7 いきなりラスボス戦

流れるようなストーリー展開で、ウォー・ドレイク戦へと突入した。

【最終イベント】

これ以上は逃げきれない。
俺は馬首を返すと、ウォー・ドレイクを迎え撃つ態勢を取った。
もちろん相手はあのウォー・ドレイクだ。まともに勝てるなんて思ってはいない。
少しでも長く持ちこたえて、我が軍が撤退する時間を稼ぐのだ。
ジャルベッタに手傷を負わせ、ウォー・ドレイクの注意をこちらに向けた。
これで、軍の撤退の時間はかなり稼げたはずだ。

【ウォー・ドレイク・ライダー レベル3 生命点4 攻撃回数1】
【ウォー・ドレイク レベル5 生命点6 攻撃回数2】

この戦闘、ウォー・ドレイク・ライダーは【死ぬまで戦う】。
ウォー・ドレイクは、ライダーが倒されるまでは【死ぬまで戦う】が、ライダーが倒された場合、生命点が半分になったところで逃走する。
つまり、騎手を先に倒すべきだ。

「将を射んとする者はまず馬を射よ」ということわざがあるが、馬の方が強い場合、逆に騎手を倒した方が良いこともあるということか。
ライダーのレベルは3しかないので、騎手があからさまな弱点と言える。

なお、ウォー・ドレイクは0ラウンドで炎の息による攻撃をし、そのまま通常ラウンドでも2回攻撃をしてくる。

この敵のステイタスを見て俺が感じたこと。
それは……ウォー・ドレイク、弱体化したな、だった。

まず、ゲームブックでは絶対かなわない強敵として認識されていたウォー・ドレイクが数値化されたことで、底が見えてしまった。
次に、ゲームブックでは圧倒的に歯が立たなかったのに、レベル5設定になった。

俺のイメージでは、レベル5というのは「標準クラスのボス」だ。お互いの攻撃が当たる範囲。
ウォー・ドレイクのイメージは、もっと硬い。一般兵では相手にならずに蹴散らされる。これは、レベル6あってもおかしくない。
ウォー・ドレイクが、普通に戦って勝てる相手になってしまったというのは、喜びたいはずなのに、少し残念な気がしてしまったのだ。

習得した【ドレイクへの命令方法】は、戦闘中にウォー・ドレイクを混乱させ、弱体化させる効果があるわけではなかった。
戦闘終了後に、ウォー・ドレイクを従わせられるかどうか、にかかってくる要素だった。この点も意外だった。
俺としては、【ドレイクへの命令方法】を駆使してウォー・ドレイクを混乱させることでようやく、ウォー・ドレイクが戦えるレベルの相手になる、と思っていたから。

ともあれ、この戦いにすべてがかかっている。
当初の予想よりは勝てそうな相手なのだ。全力でいく。まずは、全力で騎手を落とす。

弓兵2人が騎手の生命点を削る。
そこへウォー・ドレイクの火の息がくる。狙いは当然、俺だ。
俺はサイコロの出目5で回避した。俺、回避だけとはいえ、初めて能動的に活躍できた。

そこへ兵士たちが、騎手めがけて突進する。
兵士2人の攻撃で、ウォー・ドレイク・ライダーの生命点は0に。
ウォー・ドレイクから落竜し、命を落とした。

あとは、あるじを失ったウォー・ドレイクだけだ。
兵士2人の攻撃が、サイコロの出目6と5で命中。
最後に俺の攻撃が、サイコロの出目5で命中した。
これで、ウォー・ドレイクの生命点は半分になった。
【ドレイクへの命令方法】を使うことで、ウォー・ドレイクを従わせる。

サイコロの出目にかなり恵まれていたとはいえ、なんと、わずか1ラウンドで決着がついてしまった。
ウォー・ドレイクを倒すどころか、乗りこなしてしまったのだ。
さらなる追っ手のドラッツェン兵たちも、うかつに手を出せなくなってしまった。
こうなれば、俺たちも、これ以上ここに留まる理由はない。
今ごろコーデリア王女も、兵を率いてまんまと撤退しているはずだ。

戦争には負けたが、撤退戦は成功した。
これが今回の、俺がもたらした戦果だった。

俺はウォー・ドレイクを従え、王都へと帰還したのだった。

次回、物語の結末と感想


【ウォーレン レベル10聖騎士 技量点2 生命点8/8 筋力点4/4 従者点7】
【装備】
片手武器
板金鎧(生命点2 防御1)
丸盾(生命点2)

【食料】2
【金貨】0

【持ち物】
0 黒いコイン
1 ロケットつきペンダント(金貨15枚)
2 宝石(金貨25枚)…ウォー・ドレイク・ライダーの戦利品

【高潔な魂】【全力攻撃】【神の加護】

【未使用経験点】0

【従者】
弓兵 2人
兵士 4人
乗用馬 1頭(装備5つ)


■登場人物
ウォーレン 主人公。ロング・ナリクの若き騎士。従者とアンドレ頼みで活躍の場は少ない。
ロング・ナリク王 コーデリア王女の父。主人公に密命をくだす。
聖騎士ウォーレン 主人公のあこがれであり目標。戦場で命を落とす。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
アンドレ 聖騎士ウォーレンの従者。継戦を主張するコーデリア王女の説得に成功する。

■作品情報
作品名:『戦場の風d33』ローグライクハーフd33シナリオ
著者:丹野佑
初出:FT新聞2024年8月4日(No.4211)号

本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
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