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《機動灼熱追撃日記 その5》
緒方直人
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さてさて、ここまでグチグチと小うるさいゲームブック拗らせ野郎がお送りしてまいりました、灼熱の追撃の攻略模様。今回でようやく最終回です。
ここまで2度によるプレイの結果、正規ルールである「ジョンだけの特殊な回避P計算法」に勝手に限界を感じてしまった筆者。こうなればと、敵味方とも公平に同じルールを用いて戦う「俺ルール」を採用して遊ぶことを決意するのでした。
さぁここからはメーカー保証外の魔改造プレイです。果たしてその先に待つのは恍惚か、それとも虚無か。
「敵回避P=機動P+8d」「自分回避P=機動P+熟練P」
コレが正規ルールの回避P計算法。しかしこのルールでは、熟練Pがゼロの序盤戦では自分の回避P=機動Pのみでオワリ、となるため、敵の攻撃をボコスカ受けまくりでオロオロしておりました。もちろんそういう新兵の弱さたる演出のためですからそこに異論はございません。転じて後半ではグイグイと回避Pが爆上がりしていくカタルシスがあったため、結果良い設定だったと評じられるでしょう。
しかしてソコを、今回ワタクシが勝手に採用する俺ルール「回避P=機動P+8d」と、敵側と同等の設定に変更してやろうってなわけです。
序盤では役立たずだった熟練Pプラスに代わりダイス値が最初からボーナスで加算できるため、序盤戦での大きな回避率アップが期待できるのがメリットです。
まぁその分、後半戦では肝心の熟練Pの優位性がなくなるためキビシさを増すんですが、それこそがこちらの望むところ。
さぁこんな感じの味変で、今度こそ灼熱の追撃を最後まで美味しくしゃぶりつくしますですよ。
前回も少し言及しましたが、改めての攻略プランの検討です。
最後までデザートザクでのラストバトル特攻では、流石に武装・装甲・機動Pとどれも劣勢でしかないので諦めます。おとなしくガンキャノンIIに乗り換えての突入です。えぇジムスナイパーではなくガンキャノンIIです。今回は回避は諦めてダメージ軽減のA装甲に性能を全振りするのです。
ではでは、最初の機体はどれにしましょうかね。さすがにズゴックはヌルゲー過ぎるのでパスしてドムかな。いややっぱここも最弱のデザートザクでイッチョかましてみっかな。無理だったらドムに変えるけど。
@ジョン・クエスト 熟練P【0】 脱出用ランドムーバー
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/10】 近接武器:ヒートホーク
今回は逆張りで熟練P積み上げのための攻略ルートをあらかじめ考えてみます。
まず、ラスボスのクランベリー機は、B装甲、機動P16、熟練P22のゲルググキャノン。対するこちらはガンキャノンIIでいくとなれば、A装甲、機動P14、熟練P??です。さてどこまで熟練Pを上げてくれば対等に戦えるかなっと。
自分の機動P14にダイス8を足しても計22です。コレで熟練P22クランベリーからの射撃を回避することはもはや不可能です。ならばこちらも同等にほぼ必中が狙えるだけの熟練Pは22以上が欲しい。
ゲド要塞でのザコ狩り4匹で得られる熟練Pは合計13ですから、じゃあ突入時には9もあればいいのか。
じゃあ、そこまでのアフリカ道中でどこまで稼ぐか、稼げるか。
ロベルトイベントで5、その前のガンタンクIIで2、序盤のバルカンジムで2、この辺は確定で。おっと、連邦MSだから乗り換えイベントでのマイナス2もありましたね。するとここまででちょうど「7」です。でもこれだとゲド要塞内の初戦となる徘徊ザク(機動P12、熟練P8)との白兵戦はほぼトントンだな。もうちょっと欲しいなー。
あと狩れそうな候補といったら誰だろう。
スタート直後の湖畔のスプレージム(2)、ハリールートのジムキャノン(3)、ここまで一切通って来なかったトムルート終盤に出てくる囮ジムスナイパーカスタム(3)ぐらいが考えられるでしょうか。
そうだなぁ、せっかくダイスの序盤アドバンテージがありますし、これまでずっと避けてきた湖畔のスプレージムから果敢に狩りに行ってみますか。
@ジョン・クエスト 熟練P【0】 脱出用ランドムーバー
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/10】 近接武器:ヒートホーク
ということで2度目とまったく同じデザートザク搭乗で再々スタート。
今回は敢えて最初の湖に突っ込みます。オラオラ!熟練Pよこせやベテランジムぅ!!
#敵MS:ジム D装甲 機動P4 熟練P6 武器:ビームスプレーガン
スプレーガンは作中ビームライフルに次ぐ威力を有しておりまして、ザクのC装甲だと一気に3ダメも食らいます。しかし敵も紙ペラD装甲なのでこちらのバズーカ1発が決まれば即KOという戦況。
そうです、またもリセマラのお時間です。
『敵の初弾を運よく回避し、かつこちらの初弾が運よくヒットして勝つまで頑張った世界線』を引き出します。今回もこのくらいのインチキは許してちょーよ(苦笑
@ジョン・クエスト 熟練P【0→2】 脱出用ランドムーバー
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/10→9】 近接武器:ヒートホーク
これまで避けて通るのが当たり前だった湖ジムをようやく狩れました。この調子で序盤のダイスアドバンテージが生きるうちに、できるだけ狩っておきたい所です。
しかしさすがに次のジムキャノンはムリゲー。バズのヒットが2発も必要ですし、その命中率も64分の6とほぼ9%ではさすがに勝ち目薄です。お得意のインチキリセマラも、2戦目以降には使わないのがポリシーなのです。
ってなわけで、その先にいるバルカンジムだけをサクッとな。
#敵MS:ジム D装甲 機動P4 熟練P8 武器:バルカン
@ジョン・クエスト 熟練P【2→4】 脱出用ランドムーバー
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10→7】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/9→5】 近接武器:ヒートホーク
その後は2回目プレイとほぼ変わらずの進行。
補給して、ビーム戦車を逃げて、高機動バックパックを取って、ガンタンクIIを屠って熟練P6。
狂犬バックパックジムを撤退し、また補給して、ロベルトに学んで熟練P9。ジムキャノンを倒して更に熟練P11っと。
@ジョン・クエスト 熟練P【4→6→9→11】 脱出用ランドムーバー スギアンダブウのナイフ
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/7→12】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/9→10→9→7】 近接武器:ヒートホーク
高機動バックパック(攻撃&回避P+2)
序盤の湖ジムでの熟練P稼ぎが効いてます。ここまで強くなればもう1勝いけそうです。ここで新ルート選択!
ゲド要塞の場所はロベルト師匠の推理で知ってるので、もうククスの街のエリミアに会う必要はありません。シナリオ的には味気ないですがこの攻略ではロマンは捨てます。すまんエリミア、君はキミで勝手に生き延びてくれ。
このままトムルートを直進することで、大量のジムが待ち構えてて強制的に捕まる袋小路に行き着くんですが、その直前でもう1戦、連邦軍囮役のサーベルジムスナイパー1匹と戦うことができたのでした。ここであともう一稼ぎするのサ!
#敵MS:ジムスナイパーカスタム B装甲 機動P12 熟練P10 武器:ビームサーベル
@ジョン・クエスト 熟練P【11】 脱出用ランドムーバー スギアンダブウのナイフ
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/12】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/7】 近接武器:ヒートホーク
高機動バックパック(攻撃&回避P+2)
強制白兵戦です。ダイス差+3でこちらが断然有利! 結果ノーダメで一方的にボコることができました。熟練P+3。
熟練Pはやっぱりいくつあってもいいものですからね(笑
@ジョン・クエスト 熟練P【11→14】 脱出用ランドムーバー スギアンダブウのナイフ
搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/12】
遠距離武器:バズーカ【弾数10/7】 近接武器:ヒートホーク
高機動バックパック(攻撃&回避P+2)
さぁて、これであとはおとなしく連邦軍に投降するのです。俺をガンキャノンIIが待つ収容所へ連れてってくれー。
ちなみに脱出用ランドムーバーがあるのでザクを自爆させるってな物騒な選択肢も可だったりしますが、別に熟練Pが上がるメリットもないし、爆風で気絶しちゃって大事なナイフまで全部取り上げられてしまうので素直に手を上げるが吉です。
よしよし、これでいつもの士官様を人質にして今度はガンキャノンIIをゲットだぜ。乗り換えて熟練P−2。
@ジョン・クエスト 熟練P【14→12】 スギアンダブウのナイフ
搭乗MS:ガンキャノンII A装甲 機動P【14/14】
遠距離武器:ビームライフル【弾数22/21】 近接武器:パンチ
ということで準備は万端。やってきました3度目のゲド要塞。
今回も訓練ヨロシク頼むぜー!鉄のサソリパイセンの皆さーん!
#敵MS:ザク C装甲 機動P8 熟練P12 武器:ヒートホーク
初戦はザク! ダイス差は+6で白兵戦となればもちろん楽勝! 熟練P+3。
#敵MS:グフ B装甲 機動P10 熟練P14 武器:ヒートロッド
お次はグフ! ダイス差は+5で白兵戦! やった今度も無傷勝ち! 熟練P+3。
さぁあとの闘技場ドムグフのパンチ攻撃はガンキャノンIIご自慢のA装甲で軽く跳ね返すだけです。スルー完勝で熟練P+7。
ということで、やってきましたラスボス戦前のステータスはこちら!
@ジョン・クエスト 熟練P【12→25】 スギアンダブウのナイフ
搭乗MS:ガンキャノンII A装甲 機動P【14/14】
遠距離武器:ビームライフル【弾数22/21】 近接武器:パンチ
おぉっとぅ、とうとうクランベリーの22も越えてしまいました熟練P。ダイスが最低の1だったとしても攻撃Pは26ですから、ゲルググキャノンの機動P16に最高8ダイスが加わっても回避Pは24。必中です。
俺ルールに変えてきても、結局はラスボス戦で熱くダイスを振ることはできませんでしたね。てへぺろ。
でもまぁ、いいんです。両者ノーガードの撃ち合いでガンキャノンIIの機動Pをゴリゴリに削ることができれば!
選ぶは射撃戦! 獲物はどちらも最強のビームライフルですが装甲の厚さが違います。B装甲のゲルググキャノンのダメージは3! 対する我が愛機ガンキャノンIIはA装甲でダメージは2!
1ターン:ゲルググキャノン機動P16→13
ガンキャノンII機動P14→12
2ターン:ゲルググキャノン機動P13→10
ガンキャノンII機動P12→10
3ターン:ゲルググキャノン機動P10→7
ガンキャノンII機動P10→8
4ターン:ゲルググキャノン機動P7→4
ガンキャノンII機動P8→6
5ターン:ゲルググキャノン機動P4→1
ガンキャノンII機動P6→4
6ターン:ゲルググキャノン機動P1→0×
やったぜ父ちゃーん!!
ガンキャノンIIの機動Pを4残して、宿敵クランベリー大佐に見事ギリ勝ちを決めることができました。
これで見たかった特殊エンディングを発動させることができます。
……ジョンは虚しい任務を果たし、崩れ落ちるゲド要塞から脱出した。
あとは宇宙への撤退作戦に合流するため、ジオンの宇宙港アデン基地へと向かうだけだ。
しかし、ここで搭乗MSの機動Pが残り少なかった場合に限り、駆動系にトラブルが生じて移動が不可能となる。
途方に暮れ、共に戦った相棒を乗り捨て荒野をひとり歩くジョン。
と、そこへ! ゲド要塞の中から亡霊のようなボロボロの巨人、連邦のジムキャノンが追手として現れた。
もはや戦うすべは残されていない。逃げ惑うジョン。踏みつぶさんと迫るジムキャノン。
さぁ! 君は「スギアンダブウのナイフ」を持っているか? →YES!
ジョンが死を覚悟したその時、颯爽と現れ窮地を救ったのは、あのロベルトが駆るドムだった。ジョンの事を心配し、ここまで戻ってきてくれたのだ。
「……アデン基地まで、乗ってくか?」
くぅぅ〜〜〜、これこれ! これが見たかったのよ!
通常プレイじゃどうやったってクランベリーからの攻撃で機動Pを減らせなかったからねー。
ダメージと共に被弾率が増していく本作の正規ルールじゃ、なかなかどうしてギリギリの辛勝ってのが逆に難しかったりするのよ。
ということで見事にナイフのフラグを回収し、お話を丸く収めることができましたとさ。満足!
いやぁ堪能しつくしました、復刻版灼熱の追撃。令和のこの時代でもやはり面白かったです。
戦闘ルールが射撃戦&白兵戦と複雑でしたが、やはりライフル&サーベル、この両方がないとガンダムたる意味や無いわけですよ。ホットスクランブルじゃないんだし。
操縦するパイロットの技量たる熟練P、搭乗するモビルスーツの性能たる機動P、そしてランダム要素の8面ダイス、この最低3つのパラメータ要素は確かに削れない。それら3ポイントの総力戦を白兵戦に割り当てるのはいいとして、じゃあ射撃戦はいったいどの組み合わせで戦わせるか。ここは設計者としても非常に悩ましかったところでしょう。
双方ともに熟練P+ダイスじゃ、機動Pが単なる残りHPと化すし、反対に今回のような機動P+8面ダイスだけにしても、乗ってるパイロットの技量うんぬんを表現できない。かと言ってもう1個パラメータ値を増やすかという流れも煩雑化を嫌って当然却下の方向だし。
結果、味方機のみ回避を機動P+熟練Pと変則的に改変したのは、トータルバランスを考慮した上での最適解だったのでしょう。本文でも言及しましたが、序盤を大苦戦させることで学徒兵の絶望を表現し、かつ終盤には強化されたヒロイックな主人公補正で強敵を軽く無双していくというカタルシスを見事に生み出すことに成功しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。これにて今回の攻略日記は終了です。
と締めようとしたら、なんとなんとぉー! これを書いてた途中でトンでもない情報が飛び込んでまいりました!
早くも山口先生のガンダムゲームブック第二弾!シャア少佐のア・バオア・クー脱出後の様子が妄想…いやさゲームブック化された『機動戦士ガンダム 最期の赤い彗星』が2025年08月25日定価:968円(本体880円+税)で発売決定となったではあーりませんか。そちらもぜひご確認を。
みんな大好きペズン計画MSのドワッジやガッシャが、ここぞとばかりに総登場するよっ!
それでは皆様このへんで。またの機会をお楽しみに。
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■書誌情報
『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』
著 山口宏
出版社:角川書店 2025/3/26
新書 968円(税込)
Kindle版 949円(税込)
旧版:
勁文社(新書) 1986/9/1・絶版
バンダイ出版(文庫) 1989/10/1・絶版
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