━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ トンネルズ&トロールズ カザンの戦士たち紹介 PC版T&T——トロールワールドを一つにつないだ、野心的な未完成傑作 (けいねむ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ こんにちは。トンネルズ&トロールズファンのけいねむと申します。2023年4月、私はFT新聞に「PC版T&Tがよくわかる本?〜T&Tハンドブック紹介〜 FT新聞 No.3733」という記事を書かせていただきました。前回は攻略本を取り上げましたが、今回はその本編に当たるコンピューターRPG『トンネルズ&トロールズ カザンの戦士たち』を紹介します。 本作を一言で説明するならば、古典ソロアドベンチャーごとに分かれていたトロールワールドを、一つの「歩ける世界」へ再構成したコンピューターRPGです。自由度も文章量も当時としては非常に大きく、現在でもT&Tの世界設定を知るための貴重な資料となっています。 ただし、歴史的価値と遊びやすさを同一視することは出来ません。機種によっては重大な不具合があり、読み込みは長く、戦闘も苛烈です。進行不能までを「古いT&Tらしい味」として擁護するのは無理があります。 それでも本作が重要なのは、後年の『トンネルズ&トロールズ完全版』に先駆けて、各作品の都市、街道、迷宮、勢力関係へ具体的な位置を与えたからです。その成果は、ゲームとしての完成度だけでは測れません。 ■PC版T&Tとは何か 日本語題は『トンネルズ&トロールズ カザンの戦士たち』、原題は『Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan』です。ケン・セント・アンドレのTRPG『トンネルズ&トロールズ』を原作とする一人用コンピューターRPGで、日本では1990年に発売されました。 主要設計を担当したのは、T&Tの編者でありイラストレーターでもあるリズ・ダンフォース。監督は『Might & Magic』シリーズで知られるジョン・ヴァン・キャネガンです。ニュー・ワールド・コンピューティングとスタークラフトによる日米合作で、PC-9801、PC-8801、X68000、X1、FM TOWNS、IBM PC互換機へ展開されました。 制作の順序も変わっています。米国側が設計と監督を行い、日本側がプログラムを実装して、まず日本語版が発売されました。その後、その内容を英語へ戻す形でIBM PC互換機版が作られています。一般的な海外RPGの日本語移植とは逆の流れです。 この制作体制は、本作の魅力と欠点の双方を生みました。設計には、T&T特有のユーモア、危険な選択肢、悪意ある罠、逃走や交渉を含む自由な解決が濃密に盛り込まれています。一方で、その壮大な構想を実装し切れず、イベント管理、道具の効果、進行条件などに不具合が残りました。設計者とプログラマーの連携不足は、発売当時の海外誌からも批判されています。 ■各機種版と特色 ネット上に残る発売記録では、PC-9801版とX68000版のみ日付まで確認できます。PC-8801版、X1版、FM TOWNS版は発売月まで、IBM PC互換機版は発売年までを記載します。 ・PC-9801版 発売日:1990年3月9日 日本語版の最初の発売機種です。国内での知名度が高く、攻略情報やプレイ記録を比較的探しやすい一方、不具合の報告も多いです。特に終盤のとあるダンジョンに入ると二度と出ることができず、「運命の審判」で手に入るあるアイテムを持っていないと詰む不具合が報告されています。また、最も普及した版なので入手性は良好です。 ・PC-8801版 発売日:1990年4月 PC-9801版に続いて発売されました。画面や内容の基本は共通しますが、フロッピーディスクの交換と読み込みの負担が大きく、現在あえて選ぶ実用上の利点は多くありません。特にその読み込みの頻繁さは今でも88ユーザーの間で語り草になっているとか。 ・X68000版 発売日:1990年6月16日 比較的早い時期に登場した後発版です。日本語で遊べる版の中では有力な候補ですが、ソフトの入手性と環境構築の難しさは無視できません。X68000環境を既に持っている、あるいは再現そのものを楽しめる人に適しています。 ・X1版 発売日:1990年9月 国内向けパソコン版では後期に発売されました。PC-8801版と同様、フロッピーディスクの交換と読み込みが大きな負担になります。現在遊ぶなら、快適さではなくX1版を保存・検証する資料的な目的が中心になるでしょう。 ・FM TOWNS版 発売日:1990年11月 日本語版では最も遅い発売となります。後発機種版として比較的選びやすい候補ですが、入手性も環境構築も容易ではありません。ただし、この版のみ媒体がCD-ROMで、日本語版全機種の中でも最も快適性の高い版だと思います。 ・IBM PC互換機版(DOS版) 発売日:1990年 日本語版の内容を英語へ戻す形で制作された英語版です。正確な発売日は確認出来ず、発売年のみ判明しています。英語を読む必要はありますが、DOS環境は現代の機器で比較的再現しやすいため、現在もっとも着手しやすい版です。ただし、日本語版とのイベントや調整の違いには注意が必要です。 ■何がすごいのか——ドラゴン大陸を地理化した 本作の価値は、T&Tの能力値や魔法名をパソコンへ移したことだけではありません。それまで本やソロアドベンチャーごとに断片化していたトロールワールド、とりわけドラゴン大陸(ルールフ大陸)の「竜の首」を、都市、街道、荒野、寺院、下水道、迷宮からなる一つの地域として再構成した点です。 ゲーム開始地点の「恐怖の街」ガルから海を渡り、コースト、クノール、タリーマーク、カサール、バルデマートン、カザンへ街道が延びています。「ガルの地下水道」「オーバーキル城」「運命の審判」「レッド・サークル」などのソロアドベンチャーの舞台が孤立した冒険の舞台ではなく、入口と出口を持つ土地として配置されました。 これにより、原作では読者の想像へ委ねられていた都市間の距離や隣接関係、各地の勢力関係が、実際の旅程として把握できるようになりました。後世の巨大なオープンワールドと同列には置けませんが、T&T世界を移動可能な地理として体験させた先駆的作品とは言えるでしょう。 ■ストーリー——破られた休戦とカザンの帰還 遠い昔、ドラゴン大陸では大魔術師カザンと、「死の女王」レロトラー、その伴侶でありかつてカザンの弟子であった魔術師カーラ・カーンとの間で大戦争が起きました。 流血を止めるため、カザンは自分が世界を去る代わりに、エルフや人間をはじめとする善の種族とモンスターの共存を認める休戦をレロトラーへ提案します。協定は結ばれ、カザンは姿を消しました。しかしゲーム開始時、レロトラーは協定を破り、再びモンスターの軍勢を動かし始めています。 冒険者たちの大目標は、カーラ・カーンとレロトラーの脅威を退け、大魔術師カザンを現世へ帰還させることです。ただし、物語は一本の筋書きを追って一直線に進むわけではありません。各都市や迷宮を往来し、情報、協力者、道具、力を集めながら、各地で起こる事件、取引、賭博にも関わっていきます。個々の問題を解くうちに、やがて全体の構図が見えてくる作りです。 ■冒険者一行と、生活のある旅 プレイヤーが扱う一行は最大4人です。自作キャラクターだけで組むことも、用意された人物や旅先で加わる人物を使うことも出来ます。自作キャラクターを外し、NPCだけのパーティさえ可能です。本作は「主人公一人と従者」の物語ではなく、加入と離脱を含む冒険者集団の物語として作られています。 種族は人間、エルフ、ドワーフ、ホブの4種、職業は戦士、盗賊、魔術師です。能力値は体力度、知性度、幸運度、耐久度、器用度、魅力度、速度など、T&T第5版を基礎としています。種族や性別、パーティの構成がイベント条件に関わる場合もあるため、戦闘能力だけで仲間を選べばよいわけではありません。 仲間は移動中に忠告し、危険な場所の性質を知らせ、場面によって異なる反応を示します。戦力として交換可能でありながら、古典ソロの案内役や同行者らしさも残しています。 また、この世界には時間と生活があります。食料、明かり、時刻、曜日、休息を無視出来ません。旅を続ければ消耗し、食料を欠けば餓死します。傷や疲労は休息で回復出来ますが、どこでも安全に眠れるわけではありません。 トロールワールドの一年は365日ですが、通常の月は30日です。年末と新年の間には、時間の外側にある「失われた日々」アンラエスが5日間存在します。この暦は、リズ・ダンフォースが本作を設計した際に生まれたものとされ、アンラエスは物語上でも大きな意味を持ちます。 ■探索——地図を埋めるだけでは解けない 移動は見下ろし型画面とアイコン式操作を中心に行います。荒野では地域間を移動し、都市では商店、寺院、酒場、住人に接触します。迷宮や一部地域は16×16区画を基本とし、自動地図も利用できます。 しかし、自動地図があるから親切なゲームだとは言えません。イベントは座標、所持品、一行の構成、過去の選択、時間など複数の条件で変化します。通路をすべて埋めれば解けるゲームではなく、文章を読み、手掛かりを記録し、複数のセーブデータを使い分ける必要があります。探索とは、空間を踏破するだけでなく、条件と結果の関係を読み解く作業でもあるのです。 ■戦闘——TRPG版そのものではないが、T&Tではある 原作T&Tの戦闘は、双方が武器のサイコロと修正値をまとめて攻撃力を算出し、低い側が差分のダメージを受ける一括処理です。本作は、それをそのまま画面へ移したわけではありません。各人物がターンごとに移動し、接近、攻撃、射撃、魔法、退却を選ぶ戦術画面へ変換しています。位置取りと行動順が加わった、T&Tを素材とする独自の戦術戦闘です。 敵の強さには大きな幅があり、遭遇した時点では勝ち目のない相手も存在します。そのため、攻撃方法だけでなく、距離を保ち、退路を確保する判断が重要です。速度や地形を利用して離脱し、別の機会や手段を探します。原作の戦闘処理とは異なりますが、「不利なら戦い方そのものを変える」というT&Tの発想は残されています。 後に同じ原作者であるケン・セント・アンドレが執筆した『ヒューマンズ!ヒューマンズ!』の「〈小さき者ら〉のための生存戦略」も、本作を遊ぶ際の心得として有効です。 ■ここがすごくない——意図された苛酷さと不具合 本作が難しい理由は、敵が強いからだけではありません。戦闘バランス、会話選択、イベント条件、効果のない道具、進行フラグ、読み込み時間が重なり、正しい手順を知っていても安定して進めない場合があります。 本作を評価する際には、意図された苛酷さと、意図せず生じた不具合を区別する必要があります。勝てない敵、致命的な選択、乏しい手掛かりは、T&Tらしい危険として理解出来ます。一方で、進行条件の誤作動や、本来の効果を発揮しない道具は、プレイヤーの判断では回避出来ない実装上の欠陥です。 発売当時の評価が割れたのも当然でしょう。『ドラゴン』誌は5段階の最高評価を与えましたが、『コンピューター・ゲーミング・ワールド』誌は多数の欠陥と、設計と実装の断絶を強く批判しました。毒舌レビュアーとして有名だったScorpia女史も、本作を「筋金入りのT&Tファン以外にはお勧めできない」と断言しています。 T&Tの文章、世界、脱線、危険な選択を重視するならば、本作は他のコンピューターRPGにはない密度を持っています。しかし、操作性、安定性、戦闘調整、明確な導線を重視するならば、未完成な部分が目立ちます。「T&Tをコンピューターで遊べる価値」と「独立した製品としての品質」のどちらを重く見るかで、評価は大きく変わるでしょう。 ■今から遊ぶならば まず、セーブデータは一度のプレイで最低でも「危険地域へ入る前」「地域内を探索している途中」「無事に帰還した後」の3系統へ分けた方がよいでしょう。 戦闘を経験値の主な入手手段とは考えず、逃走、会話、探索報酬を使う。どうしてもこだわりがなければ攻略サイトにある有用なバグやグリッチのような手法もいとわない。盗賊と魔術師をパーティへ確保し、速度の低過ぎる人物を避ける。種族と性別も一方向へ偏らせない。そして、訪問地点、選択肢、入手品、未解決の手掛かりを、紙やスマホに記録する。これは単なる攻略上の工夫ではなく、本作を安定して遊ぶための準備です。ある意味ではソロアドベンチャーや実セッションと同様の用意が必要です。そこまでやってようやくスムーズに進める難易度です。 ■カバーアート——米田朗が描いたトロールワールド 本作の印象を決定づけているのが、米田朗によるカバーアートです。このイラストは私の強いお気に入りで、Twitter(現X)を始めて以来ずっと一部をアイコンに使わせていただいております。英語資料ではAkira Komedaの名で記録され、米田は『月風魔伝』をはじめスタークラフトが日本語化した『ファンタジー』シリーズのほか、『琥珀色の遺言』『マイト・アンド・マジック2』『クォータースタッフ』など、多数のゲームでカバーアートを手がけました。 本作の絵では、骸骨の杖を持ち黒い翼を備えた「死の女王」レロトラーを背景に、剣や斧を構えた冒険者たちが密集して戦っています。赤、黒、金を中心とする重い色彩、金属や革の質感、筋肉を強調した人物表現は欧米のファンタジー画を思わせます。一方、人物の顔立ちや動きには日本の娯楽イラストとしての明瞭さもあり、米田の画風はその両者をつないでいます。画面右下には「AK 89」の署名があり、1989年に制作されたことがわかります。 日本発売版と米国で発売されたIBM PC互換機版は同じ絵を使用していますが、前景で倒れている女性の描写が異なります。日本版では腰に細い金色の装飾を加えて陰部を最低限隠しているのに対し、米国版では金具の付いた黒い布が腰から臀部へ大きく描き足され、露出が明確に減らされています。 ただし、この修正を誰が行い、なぜ必要と判断したのかを説明する一次資料はネット上では確認できませんでした。本作発売時には、北米のゲームレーティング審査機関ESRBもまだ存在していませんでした。したがって「米国の審査によって修正された」とは言えず、ニュー・ワールド・コンピューティングまたは流通側が、一般店舗での陳列や広告掲載を考慮して自主的に露出を抑えた可能性が高い、というのが妥当な推定です。米国で設計された世界を日本の画家が描き、それが米国へ戻る際に再び手を加えられた——このカバーもまた、本作の日米合作という性格を象徴しています。 ちなみに、日英両版のカバーアートの違いは以下のリンクから確認可能です。 https://www.mobygames.com/game/3398/tunnels-trolls-crusaders-of-khazan/covers/ ■『T&Tハンドブック』——攻略本を超えた世界設定資料 私が本作を語るうえで外せないのが、ビー・エヌ・エヌ刊『T&Tハンドブック』です。この本については以前の記事で紹介しましたが、以下におさらいとして簡単にまとめます。 この本は1990年に刊行されたPCゲーム攻略本で、「基本編」「カタログ編」「マップ・イベント編」の3部からなります。その内容は攻略手順にとどまらず、T&T第5版期の世界設定、人物、怪物、装備、地理を横断的に収録しています。 基本編には、ゲーム冒頭の物語、種族、職業、能力値、暦、仲間になる人物が掲載されています。カタログ編には200種を超える怪物の能力値、特殊能力や特徴のほか、武器、防具、道具が収録されています。 例えば、トロールは光に弱く、周囲を明るくされると移動速度が半減します。「人間の屑」は全能力値が11で、《これでもくらえ!》《死の刃》《姿隠し》という妙に実用的な魔法を持っています。英雄の剣、絶望の剣、「一度は楽しい」という名の宝石など、ソロアドベンチャーで知られる品々もまとまっています。 ケン・セント・アンドレの関連作品では、怪物や装備の数値をこれほど大量に一覧化した資料は多くありません。現在のTRPGへそのまま適用できなくても、遭遇や宝物を作るための素材として有用です。 マップ・イベント編には、ガル、コースト、クノール、タリーマーク、カサール、バルデマートン、カザンといった街、竜の首の各地域、オーバーキル城や「運命の審判」などのダンジョンの地図と、一行程度のイベント解説が掲載されています。16×16の方眼地図ですから、そのまま卓上へ持ち込むには手直しが必要ですが、各地点で何が起きるのかを素早く確認できます。 ■英語版攻略本『クルーブック』 ニュー・ワールド・コンピューティング刊の英語版攻略本が『Tunnels & Trolls Cluebook: Dreams of the Dragon』です。以下「クルーブック」と呼びます。ニール・ハルフォードとロン・ボリンジャーが執筆し、エイプリル・リーが挿絵を担当しています。 『T&Tハンドブック』がゲーム全体の情報を網羅した索引的な資料であるのに対し、『クルーブック』は攻略手順をより直接的にまとめ、各地域や地点へ短い背景描写を加えた解説的な資料です。都市の暮らし、宗教、貧富、地域の雰囲気を考える材料も多く、両書は競合するものではなく、互いの不足を補う関係にあります。 ■T&Tファンには、ゲームを遊ぶ以外の使い道がある 本作と二冊の攻略本は、「竜の首」を舞台とするTRPGキャンペーンの骨格として利用出来ます。ガルからカザンまでの街道、都市、迷宮を地図として使い、レロトラーの軍勢へ対抗してカザンの帰還を目指す長期戦を構成するのです。 200種を超える怪物や道具は、使用している版へ数値を調整したうえで、遭遇表や宝物表へ組み込めます。個別のソロで知った場所が世界のどこにあり、何と隣接するのかを確認する資料にもなります。一行だけのイベント解説はシナリオフックとして有用で、短編シナリオや旅の途中の遭遇へ作り替えられます。 この使い方ならば、コンピューターゲームを最後までクリアできるかどうかは必須ではありません。ゲーム本体、説明書、『T&Tハンドブック』、『クルーブック』、実際のプレイ記録を照合すれば、本作が描こうとした地理や社会を卓上へ移し替えられます。 ■私見——野心的な未完成傑作 『カザンの戦士たち』は、ゲームとしての完成度と、T&T史における重要性が大きく食い違う作品です。私は1998年から断続的にプレイしていますが、今なおクリアには至っていません。この事実だけでも、本作との付き合いに必要な時間と忍耐は伝わるでしょう。 しかし本作は、古典ソロアドベンチャーの都市や迷宮を一枚の地理へ配置し、人間をはじめとする善の種族とモンスターが共存するドラゴン大陸を、旅程、暦、食料、休息を伴う世界として描きました。設計の野心に当時の技術と制作体制が追いつかなかったからこそ、成果も失敗も極端です。 それでも、トロールワールドを初めて「歩ける世界」として提示した記録であることは変わりません。T&Tファンにとって本作の価値は、エンディングへ到達することだけにはないのです。ゲーム本体と二冊の攻略本を照合することで、各ソロアドベンチャーの背後にあった地理、暮らし、人物関係が見えてきます。 野心的で、欠陥が多く、他の作品では代えられない未完成傑作——それが私の『カザンの戦士たち』に対する評価です。しかし、おそらく現在の技術でそのままリメイクしても未完成でしょう。 私は大学時代、この作品を元にしたT&Tのメガ・キャンペーンのGMをしましたし、Xでは今現在、この作品を元にしたキャンペーンを行っている方が他にも居ると聞いたことがあります。 現在、そして未来も含めていかなるゲームエンジンより高性能なゲームエンジンである私たちトンネルズ&トロールズのゲームマスターによって初めて、この作品は完成するのかもしれません。 コンピューターRPGの紹介記事としてはまさに本末転倒ではありますが。 ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ ■書誌情報 ・『T&Tハンドブック』 フェイザー・インターナショナル著、ビー・エヌ・エヌ、1990年8月1日刊。ISBN 4-89369-112-0。絶版。 ・『Tunnels & Trolls Cluebook: Dreams of the Dragon』 Neal Hallford、Ron Bolinger著、April Lee画、New World Computing、1991年刊。公式日本語版はなく、本稿では便宜上『クルーブック』と呼称する。絶版。 ■主な参考資料 ◎ゲーム本体・公式資料 ・『トンネルズ&トロールズ カザンの戦士たち』日本語版ゲーム本体・説明書、スタークラフト、1990年。 ・Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan, New World Computing, 1990. ・Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan: Game Manual, New World Computing, 1990。物語、暦、種族・職業、NPC、食料と休息、移動、戦闘、魔法、装備、制作スタッフの確認に使用。 ・Neal Hallford and Ron Bolinger, Tunnels & Trolls Cluebook: Dreams of the Dragon, illustrations by April Lee, New World Computing, 1991。各地域の地理、都市、宗教、社会、怪物、道具、イベントおよび攻略情報の確認に使用。 ◎日本語版資料 ・フェイザー・インターナショナル著『T&Tハンドブック』ビー・エヌ・エヌ、1990年8月1日。ISBN 4-89369-112-0。 ・けいねむ「PC版T&Tがよくわかる本?——T&Tハンドブック紹介」『FT新聞』No.3733、2023年4月。本稿の前編に当たる記事。 ◎発売当時の雑誌評 ・Hartley Lesser, Patricia Lesser and Kirk Lesser, “The Role of Computers,” Dragon, No.167, March 1991, pp.47–54。本作を5段階の最高評価としたレビュー。 ・G. Marc Klupper and Scorpia, “Two Views,” Computer Gaming World, No.79, February 1991, pp.26–28。二人の評者による本作の批評。 ・Scorpia, “Scorpia’s Magic Scroll of Games,” Computer Gaming World, No.111, October 1993, pp.34–50。本作を「大きな失望」と総括した回顧記事。 ◎プレイ記録・不具合検証 ・「Tunnels & Trolls カザンの戦士たち(98版)」連載、playlog.org、2021年。PC-9801版のイベント進行、必須条件、道具の効果、版による挙動の違いの確認に使用。https://playlog.org/colts/pl272665/ ・「トンネルズ・アンド・トロールズ・カザンの戦士たち」memorial4game.net。PC-9801版の実機プレイ、進行上の問題、機種固有と思われる不具合の確認に使用。https://memorial4game.net/category/game/rpg/tnt/ ・筆者によるPC-9801版のプレイ記録および実機検証。食料切れによる餓死、戦闘難度、読み込み、イベント条件、複数セーブの必要性などの確認に使用。 ◎制作背景・補助資料 ・Liz Danforth, “Bibliography in Progress,” Liz Danforth公式ウェブサイト。本作における担当範囲と、既存ソロ・アドベンチャーを拡張・統合した制作方針の確認に使用。https://www.lizdanforth.com/about-liz-danforth/bibliography-in-progress/ ・Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan, MobyGames。対応機種、発売年、制作・発売情報の照合に使用。https://www.mobygames.com/game/3398/tunnels-trolls-crusaders-of-khazan/ ・“Akira Komeda,” MobyGames。米田朗の別名表記、ゲーム作品への参加記録、カバーアート担当歴の確認に使用。https://www.mobygames.com/person/35149/akira-komeda/ ・“Tunnels & Trolls: Crusaders of Khazan,” Arcade-History。X68000版の発売日、米田朗のカバーアート担当および「AK 89」の署名の確認に使用。https://www.arcade-history.com/game/88183/tunnels-and-trolls-crusaders-of-khazan-model-sce02sha54 ・“Our History,” Entertainment Software Rating Board。ESRBが本作発売後の1994年に設立されたことの確認に使用。https://www.esrb.org/history/ ・『トンネルズ&トロールズ完全版』グループSNE、2016年。トロールワールドの地理、暦およびアンラエスの成立経緯との比較に使用。 注:本作は機種によってイベント条件や道具の効果が異なる。本稿では、説明書上の仕様、筆者または他のプレイヤーによる実機検証、機種間比較に基づく推定を可能な限り区別した。 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。