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2025年11月25日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第48回 FT新聞 No.4689

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第48回
「吸血鬼」
(中山将平)
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 おはようございます。
 久しぶりに「カエル人が教えてくれたファンタジー創作」の記事を書こうかなという気持ちになった、イラストレーターの中山将平です。
 実は来年の1月より僕個人として「ギルド黄金の蛙」という新サークルを立ち上げることになりました。
 これは今後、各種即売会にてカエル人の書籍やグッズを扱うサークルです。
 つまり、これまで「イラストレーター中山将平」や「カエルの勇者ケロナイツ」をサークル名としていた活動に、より気に入った名前を付けることにした、というご報告です!!
 名前を付けたことで、参加即売会を増やし、ちょっとしっかり活動しようと計画しています。
 ちなみに、前回12月のイベントに間に合わせたいとお伝えしていた書籍は結局時間が足らず、1月11日(日)の「スーパーコミックシティ関西31」にて刊行となりました。
 
 FT書房の活動もおよそこれまで通り参加する予定でして、不思議なことに関西のイベントの多くでは「FT書房」と「ギルド黄金の蛙」が両方出展する状況となりそうです。
 引き続き何卒応援をいただけますと幸いです。
 
 さて、「ギルド黄金の蛙」のお話はこれくらいにしておきまして、今日の話題は「吸血鬼」。
 この話題、「いやいや、もはやカエル人関係なくない!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
 しかし、僕自身はというと、そうは感じていません。
 カエル人の創作を通じて新たなファンタジー世界を構築する過程で、「吸血鬼」の設定は避けては通れないものなのだと気づかされました。
 そこで今回は、この経験を通じてどのような学びがあったのか、ご紹介したいと思います。
 ファンタジーを楽しまれている方にとって、有意義な記事にできれば幸いです。
 
 早速具体的に見ていきましょう。
 
◆ 結論 
 今日お伝えしたいことは次の2点です。
 ・吸血鬼がどんな存在なのかは作品ごとにかなり違い、そのどれかだけが求められているわけではないと感じる。
 ・吸血鬼を特別にしているものは、吸血という行為ではないかと感じる。
 ええ、いつも通り、結論から書きました。
 それぞれどういう意味か、深堀りしてまいります。

◆ 「吸血鬼がどんな存在なのかは作品ごとにかなり違い、そのどれかだけが求められているわけではないと感じる」件について
 まずは先述の結論のうち、前者についてお話ししましょう。
 
 僕は「呪われた血族の牙城」というローグライクハーフのシナリオを書いてしまうほど、吸血鬼が好きです。
 そのため、自分でファンタジー世界を作る際にも必ず「吸血鬼」を描きたいと願っていました。
 しかし、「いざ描くぞ」という状況になって大いに悩むことになったのです。
 それは、どのように表現するか、選択肢が多すぎると感じたからでした。 
 知れば知るほど、描かれるファンタジー作品によって、吸血鬼の性質や描かれ方が大きく違うように思えてきたのです。

 僕の大好きなあるファンタジー世界では、吸血鬼は独自の種族であり、正確にはアンデッド(一度死んで甦った存在)ではありませんでした。
 彼らはネクロマンサー(死霊術師)であり、アンデッドを使役する存在だったのです。
 別の作品では、吸血鬼は強大なアンデッドであり、通常の武器では傷つけられない存在として描かれていました。
 更にある作品では、吸血鬼は階層社会を形成する凶暴な一族で、吸血によって手下を増やしつつ、自種族の繁栄を目的に行動する種族とされていました。
 ほかにも、「呪いによって吸血が必要となったものの精神性は人間的なため苦悩する怪物」や「人間社会にまぎれてはいるが、実際は人間を食物と見なしている捕食者」等などの設定を見たことがあります。

 いわゆる西洋ファンタジー的な世界観での吸血鬼だけでも豊かなバリエーションがあるのではないでしょうか。
 これに他の地域の吸血鬼を合わせると、もはや状況は混沌(カオティック……もしくはケイオス)という他ない気がします。

 しかも、これだけ多くの描かれ方をしているということは、作品ごとに「求められる吸血鬼像」自体が多様なのだと思えてなりません。
 実際、吸血鬼に様々な氏族を作り、その種類ごとに性質(吸血鬼像)を変えている作品もありました。
 この状況を見て、僕は「書かなければならない吸血鬼像(お約束の吸血鬼モデル)」というものはものは存在しないのではないかと考えています。
 耽美を感じさせる吸血鬼も、ほとんど血に飢えた獣同然である小汚い吸血鬼も、葛藤に苦悩する吸血鬼も、サディスティックで他者に痛みを与えることに愉悦を感じる吸血鬼も、どれもあり得る形態なのではないでしょうか。

◆ 「吸血鬼を特別にしているものは、吸血という行為ではないかと感じる」件について
 続いて、先述の結論のうち後者についてお話ししましょう。

 もはやどのような描かれ方も許容されるように思えた吸血鬼というものを、自分の創作においてどんな存在と定めるのか、というお話でもあります。
 様々な吸血鬼像を知ったうえで、どれを選択するか悩むことになりますが、僕の中では2つ思考の柱となったものがありました。

 一つは、吸血鬼が吸血鬼であるのは、吸血するからだという考え。
 どんな吸血鬼も血を吸うことはさすがに前提だと感じました。
 で、あれば、その血を吸う行為の意味によって吸血鬼を定めうると感じたのです。
 吸血は捕食なのか、奴隷契約なのか、歪んだ愛情表現なのか、呪いなのか、それとも他の何かなのか。
 
 もう一つは、自分の作品のテーマとの整合性。
 僕が作るカエル人の世界フログワルドでは、吸血鬼は血を吸う様々な種族の総称であり、その中には吸血コウモリ人などがいる設定となりました。
 これは、フログワルドを「人間種族(ヒューマン・ドワーフ・エルフなど)を特別な存在として描かない世界観にしたい」というテーマ性から作った設定です。

◆ まとめ
 今日は吸血鬼について考えたことをつらつらと書いてみました。
 以前ドラゴンについて書いたときも楽しかったので、もし反響をいただけるようでしたら、このようなファンタジー要素についての話も描いてみようかなと考えています。

 それでは、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。

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