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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5)
(明日槇 悠)
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世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第5回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
内紛に汲々とするモンセギュール砦では、信者たちの精神的指導者同士が火花を散らしていた。ペルフェッチのベルトランと、ペルフェッチャのセシルである。
ベルトランの内偵としてセシル邸に遣わされたコルバは、長女フィリッパと鉢合わせ、妊娠中の子の父親はコルバの夫、領主レーモンだと知らされる。
しかし娘の告白にも、セシルを愛するコルバの心は動かされなかった。一方、セシルらを追い込みたいベルトランは射手ガルニエの恋心を利用しようとしていた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
C「(ルールブックを読み)手番のシーンの終わりにストーリーカードを引けるのはこのシーンまでである点に留意すること」
B「これがストーリーカード? 【啓示】とか色々あったりする……」
C「ああ! そうか」
D「これを引かないといけなかったんだ」
A「俺達はストーリーカードをすべて無視して……ノーヒントでアドリブで……(一同笑)。でもここまで来ると、脳が追いついてるし」
B「けっこう人間関係が面白くあるから」
C「もう大きく状況が変わってるからね」
B「(セシルのプレイヤーは背景シート:完徳者の説明を行う)救慰礼《コンソラメンテ》という儀式を行うことができるのは完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》だけで、儀式の聖性は完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》間で受け継がれるものだ。もし、あなたに救慰礼《コンソラメンテ》を施した完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》が誓約を破れば、あなたや、あなたが救慰礼《コンソラメンテ》を施した者、全員の聖性が失われてしまう。救慰礼《コンソラメンテ》で清められるのは一生で一度きりである。そのため、大半の者は死の直前に儀式を行う。そうすれば、再び不純な状態に戻る恐れがないからである。
……というわけで、死がヤバいなって人は、そろそろ救慰礼《コンソラメンテ》をしたがる時期になってくる」
A「だよね」
C「エスクラルモンドはしたがるかもしれない」
D「(ストーリーカードを見て)……使えない気がする。そんな真面目な話してないもんな。シーンカードは【ローズマリーのむせかえるような匂い】ということで。うーん、どうしようかな」
A「でも、Dがメインキャラで選んだアルセンドは、終わる前に質問を三つ掘り下げなくちゃいけない。他のキャラはどっちでもいいらしい」
D「あー、じゃあアルを出せばいいのか。質問の2と3はもうやったんで、あと1つだけか。【15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?】……あなたが手込めにしたわけじゃなくて、手込めにされちゃったわけ? じゃあどうしようかな。この場合、誰と会話をすればいい? じゃあ、アミエルに話すっていう体で」
Dアルセンド「アミエル。ちょっといいかしら」
Bアミエル「どうしたんだい、おばさん」
Dアルセンド「いやー。実はね、そのー……」
A「こいつアミエルにばっかり言うやん(笑)」
D「もうヤングケアラーなんすよ、アミエルは」
Dアルセンド「いやー、実はね、最近昔のことを思い出して、モヤモヤするのよね。私は、実はね、その……15歳のときに、ある人に手込めにされちゃったわけ」
Bアミエル「そ、そうなんだ」
Dアルセンド「うん」
A「(笑)もうすぐ死ぬからね! ヤバい状況だから、つい言っちゃって」
Dアルセンド「で……その人っていうのが……これはホント、あなたにしか話せないことで、とても他の人には話せないことなの。あなたはいい子だから、約束を守ってくれると思うけど、秘密にしてくれるかしら?」
Bアミエル「うん」
Dアルセンド「私が15歳のときに……私を手込めにしたのは……ベルトランなのね」
Bアミエル「ええーっ? あの……ベルトランさんが!?」
Dアルセンド「そう。彼はとても従順な信徒を装って、私にとても酷いことをしたのよ」
Bアミエル「そんな。酷すぎる」
Dアルセンド「これは絶対に他の人に言ってはいけません。いいわね?」
Bアミエル「分かったよ、おばさん」
B「じゃあ、いいですか。【鉄錆のような血の味】(シーンカードを出してナレーション権奪取)。先程の話を聞いたアミエルは、持っていた武器を更に尖らせて、何かあったときのためにと思って武器を研いでいました。今の彼には誰も信じることはできない」
A「そりゃそうだろ(笑)」
B「もしかしたら、あの人も、あの人も……みんな悪魔なのかもしれない。そうして作った武器を、自分の指を切ってみて切れ味を確かめると、その味を覚えて、アミエルは懐に刀の鞘と小刀を忍ばせて寝ることにしました」
A「また俺に回ってくるのね」
C「ストーリーカードも、一応……」
A「【魔女の術】。悪魔は醜き正体を露わにする。牛乳は酸っぱくなり、バターは攪拌されず、麦は不揃いに育つ。双頭のニワトリが生まれる。モンセギュールに呪いがかけられたのか? 何者かが、黒魔術に手を染めたのか? 悪魔の儀式こそが、モンセギュールを救うのか?
……なるほど。シーンカード【腐った馬の死骸の上を飛び回る蝿】を払いながら、ベルトランは士気高揚のために前線の戦士に声をかけていた。そこでロジェに声をかけられた」
Dピエール・ロジェ「ベルトラン様」
Aベルトラン「ああ……お前か。ロジェ君。こうなっては、貯蔵庫の兵糧もない。戦線も危うい。だがみんな頑張っている。前線の兵士を優遇するために、子供と妻子持ちに渡す兵糧を今の5分の1に減らそう。それ以外の敬虔なカタリ派の信徒に回そう。そして、妻子持ちと子供を除いた全ての前線にいる兵士、信徒たちを、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》にする。私が洗礼をしよう」
Dピエール・ロジェ「なるほど……。でも、子供は可哀想じゃないですか?」
Aベルトラン「(笑)まず可哀想というが、人間ではない。そもそもが。自立した意志を持たず、人の言葉に惑わされているだけの悪魔。可哀想という感情を持つのが、間違っている」
Dピエール・ロジェ「しかし……そうは言っても……私達も元は子供だったわけです」
Aベルトラン「何だお前、背教者か!(笑) 何だお前、背教者か!」
Dピエール・ロジェ「そういうわけではなくて、もう少しこう……手心をですね……与えてあげてもいいのでは」
Aベルトラン「ああ。じゃあこの話は後日」
Dピエール・ロジェ「分かりました……」
Aベルトラン「ガルニエ君!(一同笑) ガルニエ君」
Cガルニエ「はい。何でしょう!」
Aベルトラン「君……すまないね、わざわざ前線から。君、知ってるか、噂で」
Cガルニエ「何ですか?」
Aベルトラン「エスクラルモンドを……ロジェが手込めにしようとしている」
Cガルニエ「な何ですと!? 何ですとォ!? それは長官といえど、黙っておられません」
Aベルトラン「君、エスクラルモンドがなぜ君の誘いを受けないか分かるか? ロジェがエスクラルモンドに君の、悪口や、ありもしない前歴、素行を吹き込んでいるからだ」
Cガルニエ「そうだったのですか」
Aベルトラン「しかも、それをロジェにするように、ロジェがエスクラルモンドを手込めにできるように吹き込んだのは全部セシルだ。君がエスクラルモンドと世帯を持つには、ロジェと、セシルが、どう考えても、邪魔だ」
Cガルニエ「……確かに」
A ベルトラン「君ィー……前線指揮官が……敵の流れ矢に当たって死ぬというのは……おかしいことじゃないとは思わない?」
Cガルニエ「うーむ……」
Aベルトラン「こんなに混戦した戦場じゃあ、前から矢が刺さろうが、後ろから矢が刺さろうが……分からない。それに、私は君が敬虔な信者だって信じている。ロジェの背中に矢が刺さってロジェが死んでしまっても、それは、教皇軍のしわざだ。ガルニエ君! ……明日の戦場も頑張ってくれ」
Cガルニエ「わ、分かりました……」
C「ガルニエはそう言われても葛藤することでしょう」
◯Act3.運命の決戦(中篇) に続く……
●登場人物/3つの質問
アルセンド……娼婦。カタリ派の庇護者・トゥールーズ伯の親戚。ファイユとアミエルの叔母。
1. 15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?
2. あなたはどうやって、甥や姪の世話をしていくつもりか?
3. ピエール・ロジェと寝るとき、あなたは何を感じるか?
ガルニエ……傭兵。射手。モンセギュールからそう離れていないカモンの村で育った若い男性。
1. あなたはどれくらいの間、密かにエスクラルモンドのことを想い続けてきたか?
2. どうやってあなたは、傭兵および射手として、武器を扱う術を身につけたのか?
3. あなたにとって信仰にはどんな意味があるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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