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『ウォーハンマーRPG』を愉しもう! Vol.29
岡和田晃
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ナルンへの道中は、拍子抜けするほど静かだった。
街道から数本外れたうら寂しい道を行っても、追い剥ぎやチンピラに出くわすこともない。ましてやグリーンスキンに煩わされることもない。敬虔な農夫の一家が、道祖神よろしく道の片隅に置かれていたシグマーの祠へ祈りを捧げている。
わたしも、魔女術を学ぶ者とはいえ、人並みに建国神への敬意はある。祠を覗いていくのも、悪くはないかもしれない。
——魔女レジーナが書き遺した手記「ありえざる遭遇」の章より
『ウォーハンマーRPG』、このところはPDFでの新作リリースが続いておりましたが、そうしたPDFサプリメント7冊を一冊に集成した書籍版『ライクランド万巻録 ウォーハンマーRPGサプリメント』(ホビージャパン)が、2026年3月末に刊行されます。
印刷される書籍としては、まる2年ぶりの新作ということで、胸躍らせている方も、多くいらっしゃるものと思います。表紙と裏表紙の惹句をご紹介しますと……。
手に汗握る冒険、興趣尽きせぬ旅先、腹に一物ありげな依頼主、物騒至極な呪文がぎゅっと詰まった魅惑の選集
げにライクランドは波乱の坩堝。
残酷で嶮難な冒険や、底知れぬ甘言、内密な策謀、暴発しやすい魔法に、そこかしこで出くわしうる。
謎めいた神像から、ただならぬ聖堂に至るまで、さらには風変わりな建造物から、なおいっそう奇態な人士の数々に及ぶまで、『ライクランド万巻録』は、この領邦内外の七珍万宝を詰め合わせた選集である。
——というわけです。原題の『Reikland_Miscellania』をどう訳すかにあたっては、チーム内では、やれ「玉手箱」だ、やれ「万巻集成」だと、いう案もあったのですが、めくるめく万華鏡のごとき一冊を紹介するに、最終的には「万巻録」がふさわしい、ということで合意に至りました。
収録作は、『オールド・ワールドのパトロンたち』のI・IIをまとめた『ライクランドのパトロンたち』、『ライクランドの建築』、『ライクランド綺譚 単発シナリオ集』、『ライクランドの記念碑』、『シグマーの聖堂』、『比類なく有益なスラサーラの呪文集』、『血と茨』になります。単発のPDFとしての初出時から、さらに再監修を加えておりますので、いっそう読みやすくなっているかと存じます。何より、印刷版だとアクセスの良さが圧倒的ですね。
今回は収録作のうち、『シグマーの聖堂』を紹介させていただきます。翻訳は伏見義行さん、監修は私、見田航介さん、阿利浜秀明さん、田井陽平さん、待兼音二郎さんが担当しました。「5つの珍奇な聖地」という二つ名の通り、新旧・大小さまざまな信仰の拠点が紹介されており、シナリオソースや隠された秘密も目白押しです。
まずは、デルベルツ北部のシュタインプラッツの小神殿です。ここには、かつての総大司教ヘルムガルトの片手を封じた聖遺物が収められているのですが、切り離されてから優に100年が経過しているにもかかわらず、腐敗はしていません。他方で、総大司教ヘルムガルトやその信奉者たちは、正式に認可されているものも含め、魔法を毛嫌いしていることでも知られています。ここではどんな騒動が起きるのでしょうか?
次なる聖地は「ウアタッハの社」。べーゲン谷低地に建てられた、古代ウンベローゲン族の将ウアタッハ崇拝を通じてシグマーを祀る社です。それこそ、エンパイア建国以前からの由緒があるのですが、ウアタッハその人は、ほとんど知られておらず、わずかにフレスコ画があるのみです。ある場所の地下図書館では、その事績を詠った詩の写本が埋もれているようですが、どうにも曰く付きであるようです……。
3つめの聖地は"ハンマー台"。ライクヴァルドの森の奥深く、ふたつの砂利道が交差する場所にそびえる木製の柱があって、その天辺には敬虔なるメクティルデという年齢不詳の赤髪をした塔登者(とうとうしゃ)が腰掛けています。彼女は地上から離れて断食し、シグマーに祈りを捧げる生活を行っているのです。メクティルデは食べ物の施しは断り、真鍮線や銀貨が供えられると、不可解な終末論的寓話を説いて聞かせるのですが、はてさて、それは真実なのでしょうか?
4つめ、ローヴェンゲンの廃墟の祠は、ヴェストラウフホルツの森の奥深くにある廃墟。ここに住まう村人たちはヴァンパイア・カウントとの戦いに出かけたまま、戻ってきませんでした。村の中心にあったシグマーの祠は、さすらいの司祭アトヴァルト神父が時折確認するのみとなっているのですが、ここには大いなる秘密があり……。
5つめのズムプフトアの祠は、フィールバッハの北門、通称"沼地の門"ことズムプフトアのそばには小さな祠があり、旅人は道中の加護をシグマーに祈ります。わざわざここを訪れる地元民もほとんどいないような場所ではあるのですが、旧きことわざに、蟻の穴から堤も崩れると申しまして……。
いずれの設定もシナリオフックも、シグマーにまつわるもので、あちこちに配置が可能ですが、別にシグマーの敬虔な信者や司祭がパーティにいなくとも、充分に活用できる冒険案ばかりです。地味に見えるかもしれませんが、実のところ内容は派手派手しさ満点。まさに、"羊の皮をかぶった狼"——おおっと、これ以上は何も言えない!
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『ウォーハンマーRPG シグマーの聖堂』
残酷で嶮難な5つのシグマーの聖地
発売日:2025年12月
価格:700円(+税) *PDF版ダウンロード販売のみ
・コノス
https://conos.jp/product/wh_temple-of-sigmar_pdf/
・DLsite
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ01528751.html
『ウォーハンマーRPG ライクランド万巻録』
手に汗握る冒険、興趣尽きせぬ旅先、腹に一物ありげな依頼主、物騒至極な呪文がぎゅっと詰まった魅惑の選集
発売日:2026年3月
商品内容 : A4変形 ハードカバー144頁 フルカラー
価格:5000円(+税)
商品コード(JAN):4981932028422
ホビージャパンのプレスリリース
https://www.dreamnews.jp/press/0000343778
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