おはようございます、松井山手のパン屋さん(イートイン)から杉本です。 松井山手にあるクライミングジムに行く前に、朝ごはんがてら仕事をしております。 最近はずっと忙しいですが、そのぶん楽しくやれています☆ 今日の話題は「ガルアーダの塔」の書籍版のお話です! ◆【新職業】の実装。 私がいつもやりたいことのひとつに、「ゲーム性と物語性の融合」があります。 唐突ですが、デジタルゲームに対してアナログゲームは、いつも後手を取る傾向にあります。 遊びやすさはいつの世も重要な要素で、ビジュアル面と遊びやすさでアナログゲームはデジタルゲームに押されがちと、私は思っています。 だから、「体験」で勝負したいんです。 今回の【新職業】では、主人公が手に入れる装備品や、遭遇した〈できごと〉によって、なれる【職業】の選択肢が変化します。 そういうのが面白いと感じるのはもちろんです。それに加えて、主人公が「この道を選んだから、こうなれた」という出会いや選択があることが、私が作品を通じて届けたいことにマッチしているので、このシステムを導入しました。 それは、冒険が読者のものであり、私は「ローグライクハーフ」を、ドラマと冒険のランダマイザーとして提供したいと考えていることにつながっています。 あなただけの冒険を、体験してほしい。 がんばっています。 ◆【仲間】システムの掘り下げ。 私はゲームブック「かえる沼を抜けて」で、さまざまな仲間を「能力値や判定時へのボーナス」というカタチで表現しました。 それはひとつのあり方だったと思っています。 しかしながら、今回の「ガルアーダの塔」において、仲間は「幼少期からの時間をともに過ごしてきた、特別な存在」です。 文字どおり、名前のある存在なわけです。 そんな彼らを表現するには彼らの個性を示す描写と、強みを活かした活躍の場面を描ききる必要があります。 彼らの中には独自の目的を持つ者もいるし、主人公とは距離のある者もいます。 しかし、それでも彼らは、悪魔ガルアーダを討ち取るという共通の目的のために結束するのです。 私が真に描きたかった「ガルアーダの塔」の姿が、そこにあります☆ ◆豊富なイラスト。 今回、イラストレーターであるカワラベ氏による描き下ろしイラストをふんだんにご用意いたしました! ゲームブック版「ガルアーダの塔」からのイラストも、いくつか再録されております……楽しみにしていただけましたらさいわいです! それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
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2026年9月14日月曜日
2026年9月13日日曜日
Re:オレニアックス生物学 Vol.7 『もっさもさ』 FT新聞 No.4981
(編註:この記事は、過去の人気記事を再配信するReシリーズです。文中のコメント等は全て当時のものとなっております) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ オレニアックス生物学 Vol.7 『もっさもさ』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 生物学の授業は非常に重要な科目だった。 アランツァの地での戦いは、戦争となるとまた話は別だが、人間以外の生き物と交戦することも少なくなかった。 聖オレニアックス剣術学校のカメル・グラントは生物学の権威。 そんな彼の授業は生き物の外見、性質、そして対処方法を教えてくれる。 生徒たちを生き残る道へと導く、確かな灯火だ。 今日もカメルの授業が始まる……。 「もっさもさと言ったのじゃ」 爆笑をこらえる生徒たちとは対照的に、カメル博士の表情は至って真剣だ。 「もっさもさ。それが、この生き物の正式名称じゃ。世界に1匹しかおらず、広大な桜森のどこかにいることは分かっているが、その習性は分からんことの方が多い」 いたずらっぽい顔をしたガリィが、手をあげる。 「そいつを捕まえたら、高くで売れるんじゃないですか? だって、世界で1匹しかいないんですよね?」 「ふむ。ガリィくんは珍しい生き物を捕まえたら、売るのかね?」 急に真面目くさった顔になり、ガリィはしばし黙る。 「いや……売らないと思います。逆に、ずっと一緒にいてみたいかな。どんなヤツかによります。いくら世界に1匹だからって、いびきがとんでもなくうるさいヤツだったらイヤだもの!」 ガリィの言葉には生き物に対する暖かい気持ちが込められていて、クラスメートたちはなんだかホッとしたような気持ちになる。特にエルフのニナは、このクラスのガリィとアヴィオンから放たれるこのような感情に、いつも安心感を覚えていた。 「そうだな。珍しいからといって、ステキな生き物とは限らないからな。だが、喜んでいいぞガリィくん。もっさもさは昔から根強いファンの多い、魅力ある生き物だ」 カメルは口のはしでにんまりと笑う。てろんと垂れた下くちびるは、まるっきりラクダそのものだ。 「その大きさは全長1km、体重は不明。年齢は推定800歳。長い4本の脚を持ち、1日に20時間睡眠する。全身はほぼ鉱物でできていて、顔には口めいた亀裂が走っている。食事はしない。冬場を除いて全身に緑の草花が生えていて、鳥や昆虫などが住みついている」 カメルの言葉の後半は、ざわざわとざわめく生徒たちの喧噪によって半分も届かなかった。レムレスが代表して手を挙げる。 「待ってください、先生。今、全長1kmと言ったのですか?」 アランツァに巨大生物は多々あれど、1kmの生物など見たことも聞いたこともない。 「いかにも。もっさもさはおそらく、世界で1番大きな生き物じゃろう。千年樹を除けばな。移動はゆっくりだが、1歩で200m近くを歩く。人間など意に介さずに歩くから、もっさもさに踏み潰された者もいる」 レムレスを見つめたまま話したので、彼はそのまま次の質問をする。 「それって……いったいどうやって倒すんですか?」 グラントは首をかしげて答える。 「もっさもさを倒す方法も、必要もない。そのような質問こそ、人間のおごりだよ」 レムレスは黙る。レムレスにも支配者層の血が流れている。無意識にそれがあらわになったことを、恥じた。 カメルはもちろん、わざとレムレスのそういうところを指摘した。貴族なればこそ、危ういのだ。自身を正しく見る目を養わせることこそ、教師たるもののつとめである。 錬金術師のマグスが左手を挙げる。 「先生、それは本当に生物なのですか? ゴーレムのたぐいでは? 全身がほぼ鉱物の生物なんておかしいです。亀のような生き物だって、甲羅の部分以外は肉でできているんですから……。」 カメルがふふんと笑う。 「さすがに優秀だな、マグスくん。もっさもさはゴーレムか、植物の一種だと言われている。もっさもさの研究の第一人者であるイスト博士の論文によると、もっさもさは古代のゴーレムで、意思あるゴーレムがすべてそうであるように、何らかの生き物の魂を継承していると考えられている」 クラスの空気が固まる。意思あるゴーレムはすべて、もともと何かの生き物だった? ゴーレム剣士のヘイルのほうに、視線が降り注ぐ。 「ん? 俺はもともと人間だよ?」 クラスに衝撃が走る。あまりに子どもの頃から一緒だったので、ゴーレム剣士のヘイルは最初からゴーレムだと誰もが信じていた。いや、信じていたというには語弊がある。そのことについて、疑ったことがなかったのだ。 「うそ! えっ? お前、俺らと同い年じゃないの!?」 「俺はもっと歳上だよ。生まれはドラッツェンで、ウォードレイク戦役にも参戦した」 「お前! こないだのウォードレイクの授業のとき、そんなこと言わなかったじゃん!」 「静かに!」 カメル博士がピシャリと叱りつける。 「ヘイルくんの身の上話は、休み時間にするように」 それでもざわつく教室の机と机の間を、カメル博士は厳しい顔で歩きはじめる。カメルはかなりご立腹だ。 「もっさもさはゴーレムと目されているが、誰がいつその身体を作ったのかは明らかになっていない。イスト博士によれば、森の中で生活し、非常に長い時間眠るもっさもさは、人間以外のある動物の魂を継承しているのではないか、と推察されている。なんだか分かるかね?」 博士はニナを指名する。 「……猫、ですか」 いかめしくなっていた博士の顔が少しやわらぐ。 「そのとおりだ。もっさもさは気まぐれでマイペースな生き物だ。そして、不思議なことに、自分よりもはるかに小さい人間になつくことがある。それらすべてが、かの生き物がかつて猫であったことを示していると、イストは主張する」 カメルは咳払いをして、今日の授業のもっとも重要な箇所を話しはじめる。 「もっさもさの体内には、地下迷宮がある。そこで生活する人々も、実際にいるのだ。彼らはもっさもさ族と呼ばれ、時おりナゴールの都市の人々と交易をするらしい。迷宮の最深部には古代の宝が眠っているというウワサもある。君たちと決して無関係ではないのだぞ。迷宮探索の任を受けるかもしれないし、もっさもさ族と関わる機会があってもおかしくはないのだからな」 終業の鐘が鳴る。カメルはしかめ面だ。今日の授業は非常に興味深いものとなるはずだった。だが、残念ながら、1人の生徒の生い立ちを計算に入れていなかったがために、すっかり生徒が浮き足だってしまった。 だが……。違う考え方をするなら、今日は間違いなく成功ではある。彼らはもっさもさの名前を覚えたはずだ。友人の生い立ちとともに、忘れられない授業になったに違いない。思惑とは違っても、目的は果たしたのだ。 博士はピンと背すじを伸ばしたまま、教室の扉を開ける。ありがとうございました! と声が響く。 若い生徒たちに教えることのうち、どれが役立ち、どれが無駄になるかは分からない。 だが、いくつかはきっと、彼らの命を永らえさせてくれるだろう。 そう信じて博士は今日も教鞭をとる。 (From:杉本=ヨハネ) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月12日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第709号 FT新聞 No.4980
From:水波流 庭の樹木の手入れのために、ナタが欲しいなと探しているうちに、いつの間にか手斧に物欲がシフトしていた。 ハンドアックス、装備したい。 From:葉山海月 私としたことが、挨拶を忘れてしまった! つーか、ネタが思いつかない! そんなことに「ジジイになったなー」と思いつつ。 From:天狗ろむ ローグライクハーフオンリーイベントをやるぞー! と準備を進めています。全部一人でやっているのでてんてこ舞いですが、自分も楽しみつつ、参加者の皆様も楽しいイベントになるといいなぁ。 企画の一つとして、FT書房の先生陣への質問・応援メッセージを大募集中です! 宜しくお願いします〜! From:中山将平 僕ら、明日9月13日(日)に、以下の2つのイベントに出展します。 ・「文学フリマ大阪14」 開催地:インテックス大阪 配置:【ね-15】 ・「名古屋コミティア69」 開催地:刈谷市産業振興センターあいおいホール 配置:【F-32】 共にゲームブックや1人用TRPGローグライクハーフ、モンスター!モンスター!TRPG等を扱います。 また、このうち「文学フリマ大阪14」には僕の個人サークル『ギルド黄金の蛙』も出展します。 配置は【こ-30】です。 こちらではカエル人のコンテンツを扱います。 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (く)=くろやなぎ (明)=明日槇悠 (天)=天狗ろむ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■9/6(日)~9/11(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年9月6日(日)フォレストマスター一同 FT新聞 No.4974 『桜森と冬の終わり』ローグライクハーフd66シナリオ ・2025年1月にFT新聞紙上で展開された、読者参加企画「フォレストマスターへの道」。これは、FT新聞の読者が「フォレストマスター」となって、アランツァ世界の「桜森」を舞台とするd66シナリオを作り上げる、というものでした。 最初に杉本=ヨハネ氏から「背景」と「プロローグ」の文章が提示され、読者はそこからイメージした〈できごと〉を作成・投稿します。〈できごと〉は毎週月曜の記事で取りまとめられ、そこで公開された〈できごと〉へのアンサーとなるような〈できごと〉が、また新たに投稿される……こんなサイクルを経て、さまざまな執筆者の個性と〈できごと〉同士の「導線」に満ちたシナリオが出来上がりました。どうぞお楽しみください! (く) [編集部註:配信されたメール本文内の、シナリオデータのURLへのリンクが適切に設定されていない(文字列の途中で切れている)場合があり、申し訳ありませんでした。「.txt」までの文字列全体をコピー&ペーストしていただくか、以下のリンクをご利用くださるようお願いします。] https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Winter%E2%80%99sEnd_in_TheCherryBlossoms.txt 2026年9月7日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4975 イベント参加と近況報告☆ ・最近はよくイベントに出て、皆さんのお話を直接伺って、とてもテンションが上がっているという杉本氏。 きたる9月13日(日)、FT書房は大阪と名古屋でイベントに出展します☆ 名古屋コミティアでは、F-32にてFT書房のゲームブック作家、鬼才ロア・スペイダーが出陣いたします!!(非常にレアです☆) 文学フリマ大阪14では、ね-15にて新刊『廃都脱出』を含めたラインナップで杉本=ヨハネが参戦いたします! 執筆中の製品版「ガルアーダの塔」は「都市サプリメント」や【新職業】も掲載予定のよくばりセット! がんばりますよおおお!! ……遊びに来てください! (明) 2026年9月8日(火)かなでひびき FT新聞 No.4976 これはゲームブックなのですか!? vol.137 ・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。 今回紹介する作品は『落ちる飛行機の中で』(著:乙一/集英社文庫 短編集『ZOO2』に収録)! 吹けば飛ぶよな大学生風のハイジャックが「この飛行機を東大向けて突っ込ませます」と拳銃片手に宣言、邪魔者を次々に射殺! そこへ横の席に座っていた男が「安楽死用の薬、買いませんか? あなたの全財産で」 この極限状況、第一の分岐は飛行機が「落ちるか、落ちないか?」、そして第二の分岐は「やつからどれだけただ当然で薬を奪えるか?」 そして、意外な人物が絡んでくる「ささいなこと=分岐」で、物語は実に奇想天外な方向に! 直近はAIにて無料ローグライクゲームを制作したことで話題の著名なホラー作家が送る、様々な思惑の絡む「ゲーム」の行く末は!? あなたの予想は、きっと裏切られるっ! (明) 2026年9月9日(水)ぜろ FT新聞 No.4977 第7回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第509回。 今回の主人公は筋骨隆々な傭兵・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れ、「獣の腕」を宿す少年・ハルト。 二人は「クラーケンぶっ殺し号」に乗って、遠見師エラ・シエロが「見た」クラーケンのいる方角へ、船名の通りの冒険を続けています。 途中で発見した島では、縛られた者が何人かいる中、焚火を囲んで踊り狂っているゴブリンたちを発見。不穏な様子に、ハルトがどこか必死な雰囲気で救出を願い出ます。航海優先の旅路ですが、ここは見過ごせません! 他にもアクマウオなる人語を解すクリーチャーに遭遇したりもしつつ、とうとうクラーケンが出現するだろう場所まで辿り着きました……が、迎撃準備を進める砲撃手のニーナを含め、乗組員たちは不安げ。そんな彼らの不安を消し飛ばすヴァルグの一声が痛快です! (天) 2026年9月10日(木)東洋夏 FT新聞 No.4978 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.10 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第10回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、とうとう先頭車両に辿り着き、黒幕ダゲン・ラ・バーゲズと対峙しています。 ここまで同行していた従者のコビット・ヨンを倒され、怒りに燃えるシグナスは、【全力攻撃】で対抗! クロはとっておきの技でバーゲズ卿を追いつめます。しかし、不死者であるバーゲズ卿は「私は無限に再生する」と余裕綽々です。ゲームの処理的には戦闘終了としていますが……東洋氏流の派手なエンディングへと続きます! (天) 2026年9月11日(金)天狗ろむ FT新聞 No.4979 ローグライクハーフオンリーウェブイベント開催のお知らせ ・ローグライクハーフ大好き・天狗ろむが、とうとう「ローグライクハーフオンリーイベント」を主催するので告知記事を書かせていただきました! ウェブ上で行われるオンラインイベントですので、どこにお住まいでもご参加可能です。作品展示や試遊会、豪華プレゼント応募企画など、様々な企画も用意しました。詳細は記事とイベント用ホームページをご覧ください。是非ともお好きな形でご参加いただけましたら幸いです! 皆でローグライクハーフを楽しむ11月に致しましょう〜! (天) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今週の読者様の声のご紹介 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。 紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。 すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。 ↓↓ (ジャラル アフサラールさん) 乙一さんは集英社のライトノベル雑誌である『ジャンプノベル』で17歳(執筆時は16歳)デビューした異才です。まあ最初読んだときにはライトノベルにしては?の内容でしたが。まあ『ジャンプノベル』には小川一水さん・村山由佳さんとそういう作家さんいましたがwww (お返事:かなでひびき) ありがとうございます。 『夏と花火と私の死体』ですか! かなでも読ませていただきましたが、まず、あのトリックには度肝を抜かれ、そしてホラーとしても、読ませる! ライトノベルとしてより「乙一」ワールドとしてのただならぬ存在感を放ってましたねー! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月11日金曜日
ローグライクハーフオンリーウェブイベント開催のお知らせ FT新聞 No.4979
FT新聞の読者のあなた、おはようございます! 編集部員の天狗ろむです。 今回は金曜日の読者寄稿枠を頂戴しまして、シナリオソムリエ記事ではなく、個人的なイベントの告知をさせていただきます。 勿論、ローグライクハーフに関係致しますよ! ご興味ある方もそうでない方も、是非一度ご覧ください。 ずばり! ローグライクハーフオンリーウェブイベント「ログラハドロップス」を主催致します! ■ローグライクハーフオンリーウェブイベント? ローグライクハーフファンの、ローグライクハーフファンによる、ローグライクハーフファンの為のイベントになるよう、色々と企画してみました。 扱うものはローグライクハーフに関係するもののみの為、「ローグライクハーフオンリー」と称しています。 ローグライクハーフが好きである方、ご興味ある方であれば、どなたでもご参加できるイベントです。参加費なども無料! オフラインでのイベントにも憧れがあるのですが、天狗ろむの現状の力だとまだ出来そうになかったので、オンラインの、ウェブ上で行うイベントになっています。 ですが、オンラインでやるからこそ、オフイベントにはなかなか参加できない方にもご参加いただけるかなと思っています! (余談ですがイベント名の「ログラハ」はローグライクハーフの略としています) ■開催日時は? 2026年11月1日(日)から11月30日(水)の1か月間 ウェブ上で開催するイベントの為、長い期間を予定しています。 開催場所はウェブ会場として専用ホームページを用意しています。場所はこちらになります(イベントのお知らせなども此方からご確認頂けます)。 https://amakuromu.wixsite.com/rlhparty 開催期間を長く取り、忙しい方でもどこかのタイミングで参加が出来るよう設定しました。 更に、イベント期間中、なるべく長く楽しみが続くような企画を用意しました! ■ウェブ会場部門 ☆メイン企画:サークル展示 ウェブ会場にて、サークル参加者さんの作品を展示します。 作品は、ローグライクハーフのシナリオやリプレイ、イラスト作品など。無料、有料、既存、新規問わずです。 SNSにローグライクハーフへの愛などを呟いてもらえれば、そちらへのリンクなどでもOK! 会場には売り子立ち絵を置くなど、イベントらしい雰囲気を出す予定です。 一般参加者の方には展示を巡って頂く事で、様々なローグライクハーフ関連作品に出会う場になればと考えています。 サークル宛にコメントをすれば、後述のスタンプも貰える仕様に出来るよう、準備を進めております。 サークル展示参加者の募集は、9月15日から10月15日の予定です。 募集フォームは、前述のウェブ会場に設置いたしますので、もう暫しお待ちください。 ■試遊部門 ☆メイン企画:ローグライクハーフの卓募集! ローグライクハーフは1人用TRPGなので、一人でも遊ぶ事が出来るのですが……GMありで遊ぶと、また違った楽しさがあります。 ですので、GMとPLを募集し、オンラインセッションの場を設けられればと思っています。 GMによってボイスセッション、テキストセッションがどちらでも可能なように、専用discordサーバーを準備中です。 我こそはGMをやってみたいという方、PLで遊んでみたいという方は、是非こちらにご参加いただき、ローグライクハーフを楽しんでみてください! GM募集は、9月15日から9月30日までを予定しています。こちらの応募フォームも、前述のウェブ会場に設置します。 GMの応募があった場合、PL募集は10月1日から開始予定です。 ☆プチ企画:皆でクソデカ騎士を倒そう! 生命点100点以上のクソデカ騎士を用意し、皆さんの主人公の力を集めて倒そう! という、協力型かつランキング形式も込みの企画です。 主人公を用意してもらい、1PCにつき、毎日何ラウンドか戦闘が可能という特殊なルールで行います(ルールは変更の可能性があります)。 ココフォリアというTRPGセッション用ツールを使う予定ですが、初めて使う方にもわかりやすい案内致しますので、どうぞご安心ください。 一番ダメージを与えたキャラクター、トドメを刺したキャラクター、クリティカル王、ファンブル王などのフレーバー称号の授与や、天狗ろむによるイラスト贈呈、倒せた場合にはプレゼント企画のプレゼント数を増やすなどの特典も考えております。 是非、皆さんの自慢のPC達で、クソデカ騎士を撃退してください! ■公式と交流部門 非公式のファン主催イベントなのですが、公式(FT書房代表者)であり、ローグライクハーフの生みの親のお一人である杉本=ヨハネ先生に、多大なご協力を頂く事に成功しました!! ☆FT書房の先生陣への質問・応援メッセージ大募集! 杉本先生を含め、FT書房でローグライクハーフ関連のシナリオ等を書いている皆様宛に、質問や応援メッセージがありましたら、是非とも専用フォームまでお寄せください! (全ての質問にお答えは出来ない可能性がありますが、どうぞご了承ください) 応募フォームはこちら! https://forms.gle/jTpXdAjFv8gL2NYSA 杉本先生以外の先生宛のものは、回答頂いたものをまとめたPDFを参加者特典として無料配布予定です。 杉本先生宛のものに関しては、以下の企画でお答えいたします。 ☆杉本先生と対談スペース企画(Twitter/現X上で予定)! 主催天狗ろむと杉本先生による、対談スペースを計画中です! 上記のフォームでお寄せ頂いた質問やメッセージを天狗ろむが読み上げ、杉本先生に直にお答え頂くというようなスタイルでお送りする予定です。 スペースは録音予定なので、聞き逃した方にも安心! 日程調整中のため現在の日時は未定ですが決まり次第、告知させて頂きます。 ■一般参加者向け スタンプ集め&プレゼント企画 サークル展示も試遊部門も参加できそうにないな……という方向けに、スタンプ集め機能を実装予定です。 集めたスタンプは、以下のプレゼント企画に応募する為に必要です。 是非いっぱい貯めて応募してみてください! ☆プレゼント企画 参加者特典&応募形式 ちょこっとスタンプを集めれば絶対に貰える参加者特典と、スタンプを幾つか集めて応募出来るタイプのプレゼント企画です。 応募の方は、物理書籍やグッズを主催から送付する形なので、郵送OKな方のみとさせて頂きます(日本在住の方のみです)。 送料などは主催負担。応募多数の場合は抽選。当選者の方と直接個人情報をやりとりしない方法での送付予定です。 ●参加者特典(ダウンロード) ・その1 サークル展示参加者有志による小冊子PDF ・その2 FT書房先生陣への質疑応答PDF ●応募企画 (プレゼントの内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。その際はお知らせいたします) ・ローグライクハーフ専用ダイスセット あなたは、ローグライクハーフ向けに作られたダイスがあるのをご存知でしょうか。 出目1はファンブル、出目6はクリティカル表記になっているものと、d66用ダイスやd33用ダイスもあります。デザインが格好良く、ローグライクハーフが遊びやすいダイスなのですが、BOOTHなどでは販売していないレアグッズとなっています。 ゲットしたら是非ともこのダイスをお供に、ローグライクハーフの冒険に出かけてみてください! 実物ダイスを振る楽しさをぜひ! ・杉本先生直筆サイン入り ローグライクハーフ書籍 「基本ルール+黄昏の騎士」書籍の他、杉本先生の作品からもう2冊程を予定しています。シナリオソムリエ見習い天狗ろむのおススメ作品のラインナップ予定。 サイン入りにしてもらっているので、既に書籍を所持済みの方は観賞用などにぜひ! ・アンソロジー企画「ビブリオメイズ」書籍 天狗ろむが主催している別企画「非公式d33シナリオアンソロジー企画ビブリオメイズ」で集まったシナリオを書籍化したものをプレゼント! B5サイズ、全172ページ、収録シナリオ7作品(その内5作品はキャンペーン形式)の大作です! こちらのアンソロジーの販売は、今回のウェブイベントでのみお披露目予定なので、絶対に欲しい方はご購入頂く方が宜しいかもしれません。 上記の企画以外にもプチ企画を予定しています。 やれそうならやっちゃおう! なゴブリンの突撃兵みたいなイベントになりそうです(?)。 サークル展示部門に参加して、シナリオやリプレイ制作に取り組んでみるもヨシ。 試遊部門に参加して、ローグライクハーフを実際に楽しんでみるもヨシ。 アランツァについて、シナリオについて知りたい事がある方は、先生方にメッセージをしたためるもヨシ。 コツコツとスタンプを貯めて、プレゼント企画に応募するだけでもヨシ。 あなたらしい楽しみ方で、「ログラハドロップス」にご参加いただければ幸いです。 1人用TRPGローグライクハーフを、色んな形で楽しむ11月にしましょう!! あなたのご参加を心よりお待ちしております! それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました! ローグライクハーフはいいぞ! 天狗ろむでした! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月10日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.10 FT新聞 No.4978
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.10 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。 冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロが主役です。 前回vol.9では、女騎士グロリアを退け、〈怨霊列車〉の主ダゲン・ラ・バーゲズとの最終決戦にもつれこみました。従者ヨンの死によって怒りに燃えるシグナスは、怨霊伯爵に正義の鉄槌を下すことができるのでしょうか? なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 さっそく決戦の只中に向かって出発と参りましょう! ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:1 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料1食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:5 ・器用点:2 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし ◇ [先頭車両]最終イベント (承前) 玉座の主が背筋を伸ばすと、その背部から生えた三本の白骨の腕がうねり、まるで多頭の竜のように主を取り巻いた。シグナスを襲った腕は、中央から頭を超えて生えたものであろう。鋭い爪と見えたものは、三日月型に固まった氷であった。 「さてシグナス、これは魔術王の腕だ。私を氷の術で殺そうとした。氷に封じて粉砕することによってな。しかし生憎、私はそのように下賤な手法では死なぬ」 上機嫌な玉座の主は、続いて剣を携えた二本の腕も紹介する。 「これは兄弟傭兵の腕。お前たちのように息の合った剣士どもであった。おお、そうだシグナス。お前の主人は見事な剣の使い手であるな。ハボリームめを生命の根源まで焼いて絶やしたのだと、それでいて手傷のひとつも負わなかったと聞いたぞ。悪魔の骸をコレクションに並べる貴重な機会であったが、お前の主人のお陰でし損ねたわ。しかし彼奴の腕を揃えて聖騎士狩りをするのはさぞかし楽しかろう。興行のためには名剣も集めねばなるまいな」 くっくっくっ、と玉座の主は喉を鳴らした。 シグナスの耳元でクロが囁く。 「俺が魔術王の相手をする」 「わかった」 「一撃で落とす。堪えてくれ」 「やる」 「諸君、作戦会議は終わったかね。では再開だ!」 (※2ラウンド、シグナス【全力攻撃】成功。クロは初めて【精密攻撃】を使ってみます。これは攻撃に初期属性(クロの場合は【炎】)が付与される上に、【攻撃ロール】に+1までもらえる優れもの。クロの攻撃は、おっとクリティカル! からのもう一度振って、こちらもクリティカル! 本人(本剣)にとっても必殺の隠し玉だったのでしょう) クロが高々と飛び上がり、魔術王の腕への挑戦を明確に示した。ジグザグに宙を舞う〈おどる剣〉めがけて、氷の爪が伸びる。 (ふん、のろまめ。読み通りだ。隠しておいた価値はあったな) クロは自身の内部に指令を送る。光の速さで総身に行き渡った指令は、ゴーレムの魔術回路を精密に変動させる。その指令はこうだ。〈発火せよ〉。 炎の尾を引き、燃える彗星となったクロが氷の爪に接近すると、体当たりする間もなく爪は溶け、あとには慄く白骨のみが残された。粉砕する。バーゲズの肩の骨までが砕ける。バーゲズの悲鳴。空中でターン。シグナスが攻め立てられつつも懸命にいなしている、兄弟傭兵の手の片割れに襲いかかる。 シグナスが目を見開いて、輝く黒い瞳でクロを見つめた。クロは面映ゆくも、誇らしく思う。そうだ、俺は騎士の先達として背中を見せ、この子を護らねばならん。 今度は傭兵たちの腕が守勢に回る番だった。言葉通り気炎万丈のクロと斬り結ぶ剣は、鋼が根を上げて欠け、やがて砕けたところを腕ごと仕留められる。シグナスは残りの腕と打ち合い、これは主人に褒められるところであろうが、真っ向勝負で剣の冴えで優った。手首から切断された傭兵の腕に亀裂が走り、それはバーゲズの肩に至り、ついに胸まで弾けた。白骨が美麗な装束から突き出す。 「バーゲズ卿、降参を!」 (※ここで処理的には生命点0になって戦闘終了。続くシナリオのエンディングでは、バーゲズは余裕綽々で腕を再生しようとしますが、何故か果たせず、やがてバラバラになってしまうという終わりが書かれます。しかしですね、不遜にも「何故か」の部分が消化不良だなと個人的に思ってしまいました。ということで、ここからは我流のエンディングです。派手に行きます) しかしシグナスの言葉に、玉座の主は嗤って応じる。 「素晴らしい。実に素晴らしい。では次だ」 バーゲズの背中に、天井からずり落ちた躯がのしかかった。マントのようにバーゲズを包んだ躯の半ばから、次は八本の手が伸びた。手、いや脚かもしれない。 「ううむ良い表情だシグナス。久方ぶりにぞくぞくさせてくれるではないか。その調子で絶望していけ。私は無限に再生するのだから」 さてこれはアラネアの勇士の、と続ける玉座の主の言葉をシグナスはろくに聞いていなかった。無限に再生する。その言葉に打ちのめされていたからだ。確かにシグナスとクロの攻撃はバーゲズの胴体にまで届いていたはず。しかしそれは致命傷にはならかった、とバーゲズは言うのだ。それが証拠に骸はバーゲズの下半身まで包み込み、今や玉座の主はアラネアそのもののように見える。 不死者を完全に沈黙させるには、再生できないほどの破壊を与えなくてはならない。最良の打ち手は善なるセルウェー神の御力を借りて浄化する手法であろうが、残念ながらシグナスは未熟故に、善神の御力を攻撃において振るう許可を得ていないのである。 先ほど、あの玉座の主は魔術王に氷漬けにされて砕かれても平気だと言った。そして炎を操るから、恐らくクロが焼き尽くそうとしても対抗手段を持ち合わせているはず。自分さえしっかりしていれば、とシグナスは歯噛みするのだ。 「諦めるな」 クロが決然と言い放つ。 「何か仕掛けがある。それさえ叩けば」 玉座の主は鼻で笑った。 「わきまえよ。演者が台本に干渉することを、私が許すと思うてか!」 ◆ 時は少しだけ遡る。 三号車。 「あらあらあら、今宵は迷える子羊の多いこと。ついに足を止めてくださったのですね、グロリア様。懺悔をなさいますか? あまりお時間も無いようですので」 シスターの前に立った女騎士グロリアは、燃えている。だがその瞳は明瞭で、怨霊列車の主人による呪縛から切り離されたことを、無言のうちに告げていた。これは彼女の魂なのである。 「シスター、感謝します。しかし懺悔の前に伝えねばならぬことがある。それは私の使命だ。これより先に、怨霊列車を攻略せんと願う者のために……いや、今まさに戦っている者のためにもだ。間に合うのなら、まだ負けと決まってはいないのだから」 「わたくしへの伝言でよろしいのです?」 「いや、出来れば、従騎士シグナスの主人に託したい」 「分かりました。特別にお代はいただきませんわ。払ってくださっても構いませんけど♪」 グロリアは苦笑いする。 「生憎と、シスター、この朽ちた身には恥と罪以外に価値あるものは残っておりません」 「冗談ですわ〜♪」 幾つかの香と、幾つかの薬草と、幾つかの呪文。それを繋ぎ合わせてシスターは女騎士の魂を、彼女の望む方向へ押し出した。それはいずれの神の御業でもなく、ただいずれの神にも仕えるこのシスターにしか使役できない技である。 ◆ 同刻。 廃城前には小さな焚き火が熾されている。聖騎士ノックス・オ・リエンスは独り、待ち侘びていた。最上のものは彼の従騎士が五体満足で仕事を成し終えて帰還することである。最悪の場合でも、乗り込む術は用意した。 甲高いグリフォンの鳴き声が雪原にこだまする。随分と気性の荒い個体らしい。だが勇気があるならそれで構わなかった。思い描いた作戦通りなら〈怨霊列車〉の真横を飛ぶことになる。胆力を持ち合わせないグリフォンでは用を為さない。その条件さえ合うならば、あとは腕で乗りこなしてみせる。 雪は降っていないが、その分ひどく冷え込む夜だった。作戦決行にはまだ時を待たなければならない。〈怨霊列車〉が近づいてくる時を狙う。追いかけるのはグリフォンの体力を無駄にするばかりだ。小枝をくべ、火を見つめて心を無にする。空洞になった心を、善神セルウェーへの祈りで満たす。 ぱちん、と火が爆ぜた。顔を上げると、そこに女性が立っている。騎士だ。サン・サレンの騎士だろうか。しかし燃えている。定命の者ではないようだが、悪意はなさそうだ。 「サー・ノックス?」 「ああ」 「名乗り遅れた無礼をお許し願う。我が名はグロリア。情報を託すべく、死せる身なれど魂にて参じた次第である。恥ずかしながら、私は〈怨霊列車〉に囚われて今の今まで正気を失っていた。最後に善き事を成したい」 「聞こう」 女騎士は微かに笑ったようである。少しだけ柔らかな口調になって、続けた。 「貴殿、どうも従騎士とは正反対の気性をお持ちのようだ。良い少年をお育てになった」 「……」 「いや、重ねてご無礼を致した。単刀直入に申し上げる。〈怨霊列車〉を止めるためには、外部からの介入が不可欠。かの列車の主、ダゲン・ラ・バーゲズ伯爵を名乗る怪異は不死者であり、常の手段では屠ること能わず。伯爵を仕留めるには、先頭車両の機関部を破壊するしかない。伯爵はそこに他者の魂を溜め込んで精製し、自身と列車、そして私のような躯とを動かす活力に仕立て上げているのだ。伯爵と貴殿の従騎士がたった今、交戦している」 ノックスはすっくと立ち上がる。 「破壊の手法は」 「分からない。私が得られた情報はそこまでなのだ」 汽笛の音が、夜空のどこかで鳴り響いた。サン・サレンの兵士が駆けてきて、燃える女騎士を見て目を剥く。 「報告」 「し、失礼致しましたサー・ノックス! 観測兵の情報によりますと、〈怨霊列車〉が回頭しこの廃城に向かっているとのことです。速度が一定なら、接敵まであと十分です! グリフォンを引いてまいりましょうか」 「いや、まだだ。離れていろ」 「はっ! 了解しました!」 ノックスは背負った道具袋から、弓を取り出した。 「まさか貴殿、射落すつもりか」 女騎士の言葉に応えず、ノックスは淡々と弦を張って整え、引いて弓の調子を試す。西方砂漠の砂クジラの骨を主材とするフレームは、本来ならばこのような雪原で引くには不向きだろう。しかし一撃だけ保てば良い。 汽笛が再び鳴り響いた。空に目を遣ると〈怨霊列車〉が早くも視認できる。 「何処だ」 「龍の後頭部から続く、やや細い円筒の部分だ」 ノックスは了解した。 この技は弟の見様見真似である。武芸師範はノックスには伝えず、弟を選んだ。妬ましくはなく、むしろ誇らしく思っている。しかし今は、その技が必要だ。 ノックスは低く、地面に沈み込もうとするように低く構える。引き絞られた弦が静かに猛っていた。 (さて、僕に出来るか。出来なければ兄として情けないな。善なる神よ御照覧あれ。リエンス流——剛弓術!) ◆ 今回のリプレイはここまでです。 特にランダム要素のあるローグライクハーフのリプレイを書くことの面白さと申しましょうか。同じシナリオであっても、プレイヤーの数だけ、あるいは主人公の数だけ違う物語や意味が生まれていくのです。 そんなわけで、シグナスとクロの冒険は、シナリオの本来のエンディングよりも派手派手にはっちゃけて結末を綴らせていただこうと思っております。 ちなみにノックスが引いている弓は、また別の冒険で彼が獲得したものであったりします。そうやって繋がって行くのも楽しいですね。 次回が最終回となりますが、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。 それでは皆様、良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。 ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。グロリアとの最後の対決にて落命。 ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。 ・トーヴァ…ヨンとアルゴットと共に〈怨霊列車〉の調査に来ていた「人間」の兵士。 ・ノックス・オ・リエンス…ロング・ナリクの聖騎士。シグナスの師匠。〈猟犬〉の異名を持ち、主命を受けて暗殺などの仕事もこなしているともっぱらの噂。 ・グロリア…サン・サレンの女騎士。躯になってもバーゲズに操られ、最後には爆発させられた。魂となってノックスの元を訪れバーゲズの情報を提供する。 ・ダゲン・ラ・バーゲズ…〈怨霊列車〉の主。役者と称して躯(むくろ)を蒐集する、最悪の手合い。 ・ハボリーム…拙リプレイ時空ではサン・サレンに根城を構えたバルサムデビル。シグナスの師匠ノックスにより暗殺される(参考シナリオ:『賞金首を狙え—隠密任務編—』/作:天狗ろむ/作品URL: https://talto.cc/projects/mjMKe3Lgaz58zl4sg5LdE / リプレイ: https://x.com/summer_east/status/2003597509038678525?s=20) ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月9日水曜日
第7回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4977
第7回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 海神ホリィドゥーンの加護、クラーケンの居所を見通す遠見師エラ・シエロの同行を得て、クラーケンぶっ殺し号は、航海を続けます。 【ヴァルグ レベル20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック03-3 いけにえの島【ポール】 見張りが航路上に島を発見した。 航海を優先している私たちは、島の探索は後回しにし、一路クラーケンのもとへと向かう選択をする。 しかし、見張りからもたらされた追加情報は、簡単には無視できないものだった。 「砂浜にゴブリンの姿を多数確認。加えて、縛られた者が何名か。ゴブリンは焚火を囲み、踊り狂っている様子です」 それではまるで、古くから伝わるいけにえの儀式のようじゃないか。 縛られた何名かは人間よりも小柄という。コビットかノームあたりかな。 「お願いします。助けに行かせてください!」 報告を聞くなりハルトが、船長に進言……というより、懇願していた。 「この船がクラーケン退治を優先してるのは知ってる。でも、ほっとけないんだ。オレ一人で行くから、どうか……!」 「誰も行かないとは言っていないだろう。非常事態だ。いくら航海を優先すると言っても、無視できないこともある」 「それじゃあ……!」 「ああ。行ってくれるな、ヴァルグ」 「あたぼうよ。誰にモノ言ってんだ。行くぞハルト」 「はい……はい! 行こう、ヒース」 ヴァルグとハルト、そしてヒースを乗せた小舟は、ゴブリンたちに気づかれないよう、砂浜脇の岩場から回り込むようだ。 儀式の最後にきっといけにえは殺されてしまうだろう。その前にどうか、間に合ってくれ。 船長が双眼鏡を覗き込み、様子を確認している。 「気づかれないまま無事上陸できたようだ。あっ」 船長が気になる声を上げる。 「どうした? ヴァルグがゴブリンと一緒に踊り出しでもしたか?」 白奴が冗談めかして聞き返す。まったく心配していないのは明らかだ。 「ああ、ヴァルグが先行して飛び出しただけだ。いつものことだな。もう終ったぞ」 「え、もう?!」 私は驚きの声を上げた。いくらなんでも早すぎなのでは。 「ゴブリンどもはすでに散り散りだ。縛られた人の拘束を解く方に苦戦しているくらいだな」 やがてヴァルグたちが、助けた人たちを連れて小舟で戻ってきた。 彼ら三人はノームだった。職人気質で発明好きな種族として知られる小柄な種族だ。 「我々を救っていただき、感謝する」 ノームたちは深々と頭を下げた。 「我々はからくり都市チャマイの銃士隊だ。交易船の護衛をしていたところをクラーケンに襲われ、船を沈められてこの島に流れ着いた。そこをゴブリンに捕らわれ……本当に助かった」 「クラーケンから逃げてきたところをすまないが、本船は目下、クラーケン討伐の任に当たっている」 船長が説明すると、ノームたちは色めき立った。 「とんでもない! そういうことならぜひ我々にも協力させてくれ! 銃は湿って使い物にならないが、雑務でもなんでもするぞ」 「君たちを歓迎しよう。再び危地へと赴くのはいささか心苦しいが」 「なに、我々の命はもうないも同然だった。感謝しかない!」 こうして新たにノームたちが加わった。 私はふと思いつき、提案してみた。 「火薬なら、大砲に使っているもので代用できないでしょうか?」 ノームたちはその提案に、一も二もなく飛びついた。 「試しに見せてくれ。もし銃が調整ができれば、必ずや戦力になると約束しよう」 こうして船は新たな乗組員を迎えることになったのだった。 [プレイログ] 【中間イベント 原始のゴブリン】 【原始のゴブリン 出現数5 レベル3】 ・リーダー一体がレベル4。リーダーを倒すと他の個体が引継ぎ、レベル4になる。 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目4 ゴブリン5体→4体 【1ラウンド】 ヴァルグの攻撃 サイコロの出目6 ゴブリン4体→3体 ヴァルグの追加攻撃 サイコロの出目4 ゴブリン3体→2体 →ゴブリンは逃走。 宝物判定 サイコロの出目4 1d6×1d6のアクセサリー サイコロの出目6と5 アクセサリー(金貨30枚)を入手 ※ノームは従者にできるが、従者枠に空きがないため、乗船のみである。 ●アタック03-4 悪魔の魚【ハルト】 その悪魔の魚は、いきなり甲板に立っていた。 アクアデーモンのように、ウロコにびっしり覆われた半魚人のような外見とは違う。 その逆だった。 魚の胴体から、人間の手足が生えたような奇妙で不気味で……でも、見ようによっては笑えてしまう外見だった。 「ピロロロロ」 どこから出しているのかわからない、水の入った笛を吹いているような声が漏れた。 無機質で冷たい魚の瞳が、じっとこちらを見つめていてぞっとする。 見張りには見つけられなかったみたい。 アクアデーモンのときもそうだったけど、水の中から近づいて、こっそりよじのぼってくる相手を見つけるのは難しい。 「アクマウオ……だと?!」 「知っているのか、白奴?」 船長が問う。 「ああ。雑食の悪魔。あのでかい口に入るものはなんでも呑みこんじまう。人間でさえも」 「食いしんぼうか。どう評していいのかわからんな」 「あとやたら強い。そんで、ぬるぬるしてる」 「そっちを先に言ってくれ」 「そんなわけで、コビットはおいしくいただかれる前に退散、たいさ〜ん!」 白奴の号令で、甲板のコビット乗務員たちが一斉に船室へと逃げ込んでいく。 「じゃ、あとよろしく〜」 甲板に残ったのは師匠、オレ、ヒース。そして船長だけだ。 アクマウオは再び「ピロロロロ」と不気味な声を出す。 魚の瞳は、どこを見ているのかがわかり辛い。 そして突然、動いた。 一直線に。 狙いはヒースだ!! 「ヒース!」 ヒースがとっさに炎を吐いてけん制する。 炎が出るのは想定していなかったんだろう。アクマウオの動きが一瞬止まった。今だ! オレは、獣の腕を振るい、巨大な槌で、渾身の力をこめてアクマウオをなぐりつけた。 ぬるん。 しかし、槌はアクマウオのぬめる皮膚をつるりとすべり、甲板を強く叩きつけるだけだった。 「効かない!?」 アクマウオが巨大な口を開けてヒースに飛びかかる。 まるで魚の顔全体が口になったような大きな口だ。 これならだいたいのものは呑みこんでしまうだろう。ヒースでさえも。 ヒースは必死に噛みつき返して抵抗している。 「叩けないなら、斬ればいい」 師匠の低い声が響いた。 アクマウオに斬りかかる。 それは見事にアクマウオの胴体を深く裂いた。 「俺の剣が反応してやがる。正真正銘の悪魔だなテメエ」 ヴァルグが剣の切っ先をアクマウオに向けた。 「ピロロロロ。ソレが、ドウシタ」 しゃべった!? 師匠に深手を負わされたというのに、痛がる様子もない。 「そのケモノ、ゴチソウ。イタダク」 そのとき、船室の扉が開いて、三人のノームたちがだだだっと飛び出してきた。 その場に整列した三人は、銃を手にしている。 「狙え!」 スチャッ。 洗練された動きで銃を構える。 「撃てっ!」 ダン! ダンダンッ! 乾いた発砲音が響く。その攻撃はアクマウオをかすめた。 アクマウオはさすがに脅威を感じたのだろう。 ためらうことなく甲板から海中へと身を躍らせ、姿を消した。 ノームの銃士のひとりが、欄干から船尾方向を観察する。 「どうやら、再来の意思はないようです。去っていきました」 アクマウオはこうして撃退された。 「なんでェ。俺の独壇場だったのによォ」 師匠は雑に剣を肩に担ぎ、不満を口にする。 「すまない。だが銃の調整は間に合ったぞ。これで我々もクラーケン戦でお役に立てる」 その返答に、船長は満足そうにうなずいたのだった。 「ああ。助力に感謝する。期待しているぞ」 ●アタック03-5 決戦前のひととき【ポール】 遠見師エラの義眼は淡い紫の光を放ち続けている。 「ここです」 エラは静かに、かつ厳かに告げた。 それは、この旅の最終目的地を示していた。 「不思議な気分だな」 ハーツデイル船長が感慨深げにつぶやく。 「一方的に襲われるしかない相手だったものが、今回は待ちかまえる側とは」 雲ひとつない空に、照りつける陽光が肌を焼く。 その暑さを和らげるように、暖かな風が全身をほどよく撫でてゆく。 エメラルドの海原はどこまでも続き、水平線の彼方に溶けるように消えている。 これなら、クラーケンがどこから来ようとも、発見はたやすいはずだ。 見張り台には三人のコビットたちが、右舷前方、左舷前方、後方を眺め渡し、全方位をカバーしている。 甲板では他のコビットたちが、クラーケン対策に忙しく動き回っている。 太いロープをさらに三つ編みに結い合わせ、その先に巨大な鉤を取りつけている者。樽を慎重に運ぶ者。 「その樽には火薬が詰めてあるから気をつけてくれよ」 「おおっとこりゃスマン」 白奴が何気なく樽に腰かけようとした瞬間、コビットの一人に注意されていた。 ノームの銃士隊は、銃の手入れに余念がない。 ハルトは緊張した面持ちでヒースをやさしくなでていた。ヒースは心地よさそうに目を細めている。 ハルトはもう、マントを羽織っていない。最初から全力で動けるよう、獣の腕をむき出しにしている。 ヴァルグは、甲板の先端で無駄に格好つけて立っていた。 「私たちもそろそろ持ち場につこうか」 ニーナにそう声をかける。 「え、ええ……そうね」 ニーナの声はいつになく弱々しかった。普段のはきはきした様子とは明らかに違う。 「ねえポール、あなたクラーケンと直接戦ったことあるんでしょ。その……どう、だった?」 そうか。ニーナはクラーケンとは遭遇するのも初めてなんだ。 海をおびやかす伝説の魔物。 遭遇したが最後、船はバラバラにされ、生きて還るなど絶対に不可能だと言われている。 しかし私は生き残った。 ヴァルグたちの超人的な活躍と、クラーケンの気まぐれによって。 そもそも私は、どうしてこの船に乗ったのか。 あやうく死にかけたというのに。 それは、ヴァルグが私を認め、誘ってくれたのが嬉しかったから。 そんな小さなことが、クラーケンへの恐怖に勝ってしまったんだ。 ヴァルグならクラーケンでもきっとなんとかしてしまうんじゃないか。そう思った。 「皆張り切って準備してる。それでも、どう? クラーケンに、勝てる……かな?」 ニーナは不安げに私を見つめていた。 いや、ニーナだけじゃない。この船の乗組員のほとんどは、心のどこかで同じ思いを抱いているはずだ。 ああやって作業に集中することで、それをごまかそうとしている。 クラーケンを知る者として、私はなんと答えるべきだろう。 少し考える。ニーナだけじゃなく、乗組員たちの不安を取り除くには……。 私は、船首で前方を見つめているヴァルグに大声で叫びかけた。 「なあ、ヴァルグ! いよいよだな! クラーケンが出たら、がっちり船を守ってくれよ!」 「おう。任せとけ。あいつはなりはでけェがようするにイカだ。柔らけェからザックザックに切り刻んでやるぜ」 ヴァルグも大声で、自信満々に返してきた。 「ポールにも期待してるぜ。あいつのでけェ図体、撃ちゃあ当たる。狙い放題よ!」 「おいおい、それじゃ私の腕前が悪いみたいじゃないか」 「だはは。言うねェ。ま、ポールとそっちのニーナの嬢ちゃんが当てまくってくれりゃあ、勝利は間違いなしだ。なんたってこの船は『クラーケンぶっ殺し号』だからな!」 ヴァルグの宣言に、甲板全体がどっと沸いた。 「……と、いうことだ。ニーナ、お互いがんばろう」 「うん。……ありがと」 ニーナはわずかに笑みを浮かべ、いつもの調子を取り戻したように見えた。 私とニーナは軽くハイタッチをし、それぞれの砲座へと向かった。 次回、ついに最終決戦! [プレイログ] 【62 アクマウオ】 【アクマウオ レベル6 生命点6 攻撃回数2】 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目5+修正1 命中 アクマウオの生命点6→5 【1ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目5+修正1 命中 アクマウオの生命点5→4 ハルトの攻撃 サイコロの出目3+修正2 外れ ヴァルグの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル アクマウオの生命点4→3 ヴァルグの追加攻撃 サイコロの出目2+修正3 外れ アクマウオの生命点が半減したため、逃走。 ※ノームの銃士は従者になっていないので、演出です。 宝物判定 サイコロの出目6 2d6×5の価値の宝石 サイコロの出目1と2(下限が30のため、30に決定) 宝石(金貨30枚の価値)入手 【ヴァルグ レベル20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】25 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 精巧なアクセサリー(金貨120枚) アクセサリー(金貨30枚) 宝石(金貨30枚) 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】2 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】45 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 狼の刻印の腕輪(金貨12枚) エメラルド(金貨30枚) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】1 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月8日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.137 FT新聞 No.4976
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『これはゲームブックなのですか!?』vol.137 かなでひびき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 唐突ですが、あなたは飛行機に載っています。 「キのフレタ」ような大学生風の男が、「この飛行機を東大向けて突っ込ませます」と拳銃片手に宣言してます。 さて、横の席に座っていた男がささやきかけます。 「安楽死用の薬、買いませんか? あなたの全財産で」 今だったら、この設定、出版社側でストップがかかるんじゃないの? と、余計な心配をしつつ、バーチャル図書委員長、かなでひびき登場! 今回は、そのまんまズバリ『落ちる飛行機の中で』(著:乙一/集英社文庫 短編集『ZOO2』に収録)よ! 話戻すね。 で、見回してみると、いかにも「イジられまくる人生の落伍者」みたいな学生が、「すいませんすいません」言いながらスッチーさん射殺! それを諌めようとした東大出の紳士も射殺! 「東大に落ち続けて五年。もはや東大に受かることこそ人生で、あとは余生!」と信じる彼の今の人生の目的は、この飛行機の頭を東大校舎に向け、突っ込むことだった! 危機迫る中、主人公の隣の席の男が言う。 「このまま行ったら、地獄のような阿鼻叫喚な苦しみを味わって死ぬことになります。それよりはいかかでしょう? これを打って安楽死する、ってのは?」 彼の手には液体の入った一本の注射器があった。 「買いませんか?」と聞いてくる彼。 しかし、まずはじめの問題って、「この飛行機が落ちるか否か?」ってことよね。 犯人が取り押さえられ、捕まってしまったり、犯人が突然心臓発作を起こしたりして、危機がのぞかれれば、死ぬ必要はないじゃない? 見ると、犯人は本当に頼りない吹けば飛ぶよなヒヨっ子。 だから、取り押さえようとする人が続出するけど、そのたびに何かが起こってかかっていった人全員が銃口の餌食になっているのよね。 恐ろしいほどの運に守られているのは明白。 しかし、運命の女神って、ほんとに些細なことで逃げ去るよね。 つまり「落ちる」とは確定していないのよね。 「落ちるか、落ちないか?」 これが第一の分岐。 そして、隣席の男はセールスマンだから、当然のように高く売りつけようとしてくるわけ。 この場合、主人公は、3万円の現金とキャッシュカードしか持っていない。 キャッシュカードは3百万ほどある。 そして、サラリーマンは全額で売りつけようとする。 けど、ちょっと考えてちょうだい。 「もしこの飛行機が落ちなかったら、私=主人公だけが死んで、生き残った彼にちょっとした宝くじが当たったような恩恵を与えてしまう」という丸損に終わる。 つまり「やつからどれだけただ当然でこの薬を奪えるか?」が分岐のメインテーマになってしまう。 「どうせ死ぬんだから」と迫るセールスマンは、丁々発止のやり取りのあと、ふと気づく。 「まさか、あなたのキャッシュカードの暗証番号、あなたの誕生日ではありませんよね」……。 そう、こいつは、主人公が運転免許証を持っているのを見逃さなかった! 彼は「このセールスは自分にとって賭けだ」とうそぶく。 そして、自分を捨ててでも、自分の人生をメチャクチャにした奴に復讐しようとしている主人公にとってもまた、「ゲーム」だったのよ! そして、意外な人物が絡んできて、物語は実に奇想天外な方向に動く。 この、「ささいなこと=分岐」で後がガラリと変わる! というのが、本短編集『ZOO』シリーズの特色の一つなんだけど、特に本作はその度合いが激しい! これに分岐が出てきたら、即ゲームブックになる! かなで確信しております! 出てくる主要キャストが「全員命を捨てている」中、本当に誰が生き残るかわからないし、乙一先生は、ウマウマ食ってるマフィンにピンを入れることもためらわない(褒め言葉です)劇薬なエンディングもアリな人。 独特としか言いようがない軽妙なギャグも相まって、まるで名作のゲームプックのリプレイを文字通り「紐解いていく」ような感覚は、本作の妙! あなたの予想は、きっと裏切られるっ! で、この言葉、別に本作に限ったものではなく、『ZOO』シリーズ作品は、本当に「アイディアのびっくり箱」と言う感じで、とにかく予想が裏切られるっ! ホラー界を牽引する作家先生の一人なので、「手に入りづらい」ということもないと思うわ! サーチ&デストロイならぬサーチ&リードで一つ! 読まないとコウカイすることうけあい! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 『落ちる飛行機の中で』(短編集『ZOO2』収録) 著:乙一 出版社:集英社 2006/5/19 文庫 605円(税別) Kindle版 385円 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月7日月曜日
イベント参加と近況報告☆ FT新聞 No.4975
おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆ 前日の日曜日夜にこの記事を書いております。 最近はよくイベントに自分で出るようにしているのですが、とても楽しいです。 よく遊んでいる、楽しかったという声をいただき、「ローグライクハーフの内輪用シナリオを回して、若い頃のように遊んでいる」というお話を伺って、いまとてもテンションが上がっています。 「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」は、私が作成した5本目のTRPGです。 残りの4本はというと、出来がイマイチでお蔵入りとなりました。 そのうちの1本は「アランツァTRPG」で、これはわりといい出来栄えだったのですが……「ローグライクハーフ」のヒットによって、お蔵に入ってしまった作品です。 光あれば影あり……! ◆ダブル参加!! さて、きたる9月13日(日)、FT書房は大阪と名古屋でイベントに出展します☆ 名古屋では名古屋コミティア!! 刈谷市産業振興センターで開催されます。 F-32にて、お待ちしております☆ こちらのイベントにはFT書房のゲームブック作家、鬼才ロア・スペイダーが出陣いたします!! 彼が売り子をやってくれるのは非常にレアです☆ 見かけられましたら、ぜひ声をかけてあげてください……サインにも対応してくれると思います! 大阪のほうは、文学フリマ大阪14に、わたくし杉本が参戦いたします! ね-15にて新刊『廃都脱出』を含めたラインナップでお届けします……遊びに来てください! ◆「ガルアーダの塔」の話☆ 今日も今日とて「ガルアーダの塔」の執筆をがんばっております☆ 紫隠ねこさんのがんばりのおかげで、固定キャラクターとしての主人公「君」の【職業】ができあがりつつあります。 その名は【オレニアックスの戦士】。 製品版「ガルアーダの塔」にのみ登場する【新職業】です☆ この職業、途中で別の【新職業】へと分岐する仕組みが搭載されておりましてですね。 作品中、ある装備品を獲得することで、特別な【職業】へと進めるというシステムが搭載されています。 ◆杉本は何をしているかって? 私のほうは何をしているかというと、売り子をしていました。 いや、冗談です☆ 売り子はしていましたが、それ以外の日は執筆です。 主人公である「君」の同級生である、7人の仲間。 彼らの登場シーンにはじまり、その性能、さらには作品中の〈できごと〉が、彼らを従者(というか仲間)にしているとき、どのように展開するかをまとめておりました。 ◆それとは別に「都市サプリメント」や【新職業】も! 「ガルアーダの塔」はよくばりセットで、これらの主人公バージョンの遊び方と本編の他に、「都市サプリメント」として聖フランチェスコ市、新しい職業として【道化師】を掲載予定です! がんばりますよおおお!! お読みいただき、ありがとうございます! それではまた!!
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2026年9月6日日曜日
『桜森と冬の終わり』ローグライクハーフd66シナリオ FT新聞 No.4974
おはようございます。FT新聞編集長の水波です。 第1日曜日は、ローグライクハーフのシナリオ配信日! 本日配信いたしますのは、2025年に行ったFT新聞の読者参加企画「フォレストマスターへの道」で、投稿されたできごとを元に制作された、みんなで作るd66シナリオ『桜森と冬の終わり』! フォレストマスターと呼ばれるそれぞれの方が創作されたできごとを、杉本=ヨハネが1本のストーリーに紡いだものです。 桜森に訪れるひとつの脅威を前に、樹人たちは動き出す……。 それぞれの個性あるできごとの数々を、じっくりとお楽しみください。 ローグライクハーフd66シナリオ『桜森と冬の終わり』 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_Winter%E2%80%99sEnd_in_TheCherryBlossoms.txt ■桜森とその周辺地域 FT書房の看板作品のひとつ「かえる沼を抜けて」は、かえる沼を舞台としている。この沼地は今回の冒険の舞台である桜森と隣接している(より正確には、かえる沼は桜森の一部だ。しかし、大きな土地を占めるため別に扱う)。 アランツァ設定資料集:大陸南西部 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/AranciaSynopsis_SouthWest.txt ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月5日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第708号 FT新聞 No.4973
From:水波流 9月2日はシーランド公国の独立記念日でした。 私も男爵に叙されている身でありますので、はるか極東の地から、イギリス南東部10km沖合の、Principality of Sealand に想いを馳せたのでした。 公国に栄光あれー。 From:葉山海月 気が付いたら、猫が私の味見をしている。 From:天狗ろむ 残暑が厳しいですが、朝晩は涼しい日もあり、徐々に秋の気配を感じるようになりました。過ごしやすい時間が増えるのは大歓迎ですね。 今月の勝手におススメ公式シナリオは、9月に敬老の日がありますので……とある所で印象的な老夫婦が出てくる「女王の肉」! かなり困った状況になっている老夫婦なので、是非助けてあげてくださいね。 From:中山将平 僕ら、明日9月6日(日)「こみっくトレジャー48」(開催地はインテックス大阪)にサークル参加します。 配置は【D08b】です。 僕自身も、ギルド黄金の蛙でサークル参加します。 こちらの配置は【C14a】です。 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (葉)=葉山海月 (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (天)=天狗ろむ (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■8/30(日)~9/4(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年8月30日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4967 ローグライクハーフ・都市サプリメント【商業都市ナゴール】&新職業【剣闘士】 ・9月第1日曜日は、2025年に行ったFT新聞の読者参加企画「フォレストマスターへの道」で、投稿されたできごとを元に制作された、みんなで作るd66シナリオ『桜森と冬の終わり』を配信いたします。 本日はそれに伴いまして、その舞台となる「都市サプリメント:商業都市ナゴール」と新職業【剣闘士】を再配信いたします! 人間とコビットの入り混じる活発な商業都市ならではの、バラエティに富んだアイテム。 剣闘士のアグレッシブさを、この機会におさらいしておきましょう! (葉) 2026年8月31日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4968 【予告】9月配信のローグライクハーフ作品のお知らせ☆ ・先日行いましたアンケートへのご協力、ありがとうございました! 製品化希望の上位3作品を発表しております☆ 杉本氏にとっても意外だったというその結果は? 「『桜森と冬の終わり』は未配信なので、このアンケートは判断が難しいですね……。」 紫隠ねこ氏のつぶやいたひと言がきっかけで、「桜森と冬の終わり」の9月の第1日曜日の日曜配信枠を使っての配信が決定! 大変お待たせをいたしました。 「ハンティング・ペストガール」は、「ガルアーダの塔」ローグライクハーフ版と制作時期が重なったため、配信を延期いたします。 10月以降のシナリオ配信予定は、また改めてお知らせします。10月29日にはFT書房が20周年を迎えることですし、盛り上がっていきたいですね☆ (明) 2026年9月1日(火) 紫隠ねこ FT新聞 No.4969 冒険は君の手で作れ! 第2回 ・ローグライクハーフ総監修の紫隠ねこ氏による、『Four Against Darkness』(4AD)解説記事の第2回をお届けしました。 4ADは、ダンジョンを舞台にした冒険を体験できる1人用RPGであり、ローグライクハーフの着想の元となった作品です。前回の「ローグライクハーフと比較して、4ADはどのようなゲームなのか」というテーマに続き、今回は豊富なサプリメントやシナリオブックの一部が紹介されています。 幾つかのタイプの物語性をもつシナリオブックをはじめ、中級ルールと上級ルール、追加クラス、そして冒険のランダム性を増やすオプションルールと、多彩で多方向的な拡張性は、ローグライクハーフとも共通するところが多いように思います。実際に遊んでみたくなるのはもちろん、ローグライクハーフのシナリオ制作者の方にとっても、いろいろと参考になることがありそうな記事でした! (く) 2026年9月2日(水)ぜろ FT新聞 No.4970 第6回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第508回。 今回の主人公は筋骨隆々な傭兵・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れ、「獣の腕」を宿す少年・ハルト。 二人は「クラーケンぶっ殺し号」に乗って、クラーケン探しに欠かせない「遠見師」を迎えに辿り着いた島にて、要塞ヤドカリと対決し、見事撃退! 助ける事が出来た遠見師エラ・シエロに同行してもらう事になりました。 エラ・シエロが「見た」クラーケンのいる方角へ、「クラーケンぶっ殺し号」は名の通りの冒険へと出航します! (天) 2026年9月3日(木)岡和田晃 FT新聞 No.4971 D&D第4版リプレイ〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 第6回 ・本作は、かつてD&D日本語版公式サイトに掲載されていた、エベロン世界が舞台の『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版』リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編。そのリプレイ6回目をお届けします。 追っ手をまき、聞き込みと記憶を頼りに、ブラックマーケットにあるアウフルの屋敷を探し出す。 そこに現れたのは、怪しくもなまめかしいティーフリングの美女。その人こそアウフルだった! ジュスと訳ありらしい彼女。 ネディアの妹、サラとの政略結婚の裏にあるものの情報を聞き出してみれば…… 婚約者、エラストレル・イル=ワイナーン卿を総司令官として、大規模な戦が準備されているらしい。 攻め込む先は「“冬の砦”ティラー・シラエン」! そこにあるカイバー・シャードの鉱床を、カイウスIII世は、甥のエラストレル・イル・ワイナーン卿を使って、武力をもってエラドリンを駆逐し、我が物にしようとしている! しかし、そのこととこの政略結婚に何の関係が!? ネディアが“皮剥がれ”になった理由が、そこに存在するのか!? すべての疑惑を解くために、エラドリンたちの砦に行くことに。 そこで登場した仰天の「ビーグル」とは!? 謎が謎を呼ぶ一幕! どうぞご一読を! (葉) 2026年9月4日(金)休刊日 FT新聞 No.4972 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月4日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4972
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月3日木曜日
D&D第4版リプレイ〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 第6回 FT新聞 No.4971
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち 〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜 連載第6回 岡和田晃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ▼はじめに 本作は、かつてD&D日本語版公式サイトに掲載されていた、エベロン世界が舞台の『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版』リプレイ「竜の予言に選ばれし者たち」の続編です。 当時のサイトは閉鎖されていますが、前日譚の「トレイルブレイザーズを探せ!」と「竜の予言を解放せよ!」はウェブアーカイブで閲覧可能です。D&D第4版や舞台の世界観そのものの解説にもなっておりますので、未読の方は以下よりご覧ください。 https://web.archive.org/web/20110520091921/http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/article/web_replay_eb/index.html うまく繋がらない方は以下もあわせてご利用ください。 https://www.dropbox.com/scl/fi/hfckq3h4rglyer10ycaj4/1_.pdf?rlkey=xzasih78fdhbqoikbr98kovkl&dl=0 https://www.dropbox.com/scl/fi/nluo5nzotbnpeanc1zh0r/2_.pdf?rlkey=f49qwu5pxzhc4flzcw7kj1v5y&dl=0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ DM:ダンジョンマスター(岡和田晃) ネディア:ヒューマンのレンジャー(PL:中山葵) ヘルメス:ヒューマンのアーティフィサー(PL:カナイセイジ) クシュタリ:カラシュターのパラディン(PL:見田航介) ベック:ウォーフォージドのファイター(PL:高橋志行) ジュス:ティーフリングのウィザード(PL:ノダソル) ●明かされた進攻計画 DM:さて、君たちは技能チャレンジに成功した。無事にブラックマーケットの一角にある、アウフルの店にまで辿り着くことができました。薄暗い店内には蝋燭の明かりが灯っていて……そこに現れたのは、怪しくも{艶/なまめ}かしいティーフリングの美女だ。 一同:おお〜!(感心したようなため息) ジュス:「久しぶりだな、アウフル。貴様のその角、忘れたことはなかったぜ」 DM:何だか、いわくありげだなあ(笑)では、その言葉を受けて、アウフルは遠くを見るような眼差しをしつつ……。 DM/アウフル:「金なら貸さないわよ」 一同:(爆笑) DM/アウフル:「あんたとは、色々あったからね。この前、あんたが持ってきた死体なんて、後で動き始めて大変だったんだから。で、今さらノコノコと、どうして顔を出してきたの?」 ジュス:「コースにちょっくら野暮用があってな。ついでに、貴様のツラでも拝みに来たってわけよ」 ネディア:なんだか、入れない世界になっていますね……。 DM/アウフル:「よく言うわ。いつも甘えてばかりのくせに」 一同:ひゅ〜ひゅ〜! ヘルメス/カナイ:どことなく、演歌の世界みたいだな。 ベック:これが“恋の駆け引き”ってやつですね(笑) DM/アウフル:「“皮剥がれ”になったヒューマンの女の子を連れて歩くだなんて、あんた、いいご身分だこと」 ネディア:「(驚いてフードを取り)わたしのこと?」 ジュス:「“皮剥がれ”だあ?」 DM:ネディアやヘルメスならば判定不要で理解できる。“皮剥がれ”とは、ドラゴンマーク氏族を追放になった者のことを言います。昔は本当に皮膚のドラゴンマークが剥がされてしまったらしい。 ネディア:「どうして? わたし、何もしてないのに?(驚く)」 DM/アウフル:「さあね。あんたがなぜ追放されたのかなんて、あたしにはどうでもいい。で、何をしてほしいの」 ヘルメス:「実は、この娘の妹が——まだ13歳なんだが——政略結婚させられるらしくてな。それがどうもキナ臭いんだよ。ハルデン・ド=オリエン、あるいはエラストレル・イル=ワイナーンという奴が絡んでいるのかもしれない」」 DM/アウフル:「だいたいわかってきたわ。大物が絡んでいるわけね」 ネディア:「(叫ぶ)そうよ、そいつと妹のサナが無理やり結婚させられるの!」 DM/アウフル:「妹さんが心配なのはわかったわ。だけど、まずは落ち着いて。あんた、そんな可愛い顔をして、いったい何をやらかしたの?」 ネディア:「たぶん、何か勝手に噂を作られてしまったんだと思うの」 DM/アウフル:「……繋がってきたわ。あなたの妹さん、大変な事件に関わってしまっているわね」 ネディア:「ええっ!?」 DM/アウフル:「実は、近々、あなたの妹さんの婚約者、エラストレル・イル=ワイナーン卿を総司令官として、大規模な戦が準備されているらしいの」 ジュス:「それと嬢ちゃんの結婚式に、どんな関係があるんだ?」 ベック:「戦争するんだったら、結婚式なんかで散財させない方が得策だと思いますが……」 クシュタリ:「戦意高揚を兼ねているのかもしれんぞ」 DM/アウフル:「そのあたりの事情はわからないけれども、エラストレル卿が兵隊を集めているってのは公然の秘密みたいなもの」 クシュタリ:「で、どこに攻めこもうとしているんじゃ?」 DM/アウフル:「“冬の砦”ティラー・シラエンよ」 ジュス:「ティラー・シラエン? 何だ、それは?」 DM:知りたいと思った人は、〈自然〉で判定してちょうだい。 ネディア:(ころころ)達成値23に行きました。 DM:“冬の砦”ティラー・シラエンというのは、エラドリンの居住地のことです。エラドリンの7つのフェイスパイアの1つ。 ネディア:フェイスパイアって? DM:フェイスパイアとは、「光輝燦然たるエラドリンの都市」のこと。このエベロン世界と、精霊たちが住まう“黄昏の次元界”セラニスとを行ったり来たりしている謎の都市です。冬の砦という名の通り、青白色の優美な光の塔が煌めいている美しい要塞。もっとも、カルナスの歴史からすると、建造されたのはごく最近であるようですが。 ヘルメス/カナイ:タップすると、白マナが出そうですね(笑) ジュス/ノダソル:それは違うゲームだ(笑) ネディア:そのフェイスパイアに、アンデッド兵士を引き連れたカルナス軍が進攻しようとしているわけですね。どうしてそういうことを? DM/アウフル:(静かに)「カイバー・シャードのため。“冬の砦”ティラー・シラエンの側には、カイバー・シャードの鉱床が存在するのよ。フェイスパイアが存在できるのは、このカイバー・シャードの力があるため。カルナス国王カイウスIII世は、何度か交渉を試みたようだけど、お高く止まったエラドリンたちに、一顧だにされなかったようなのね」 ヘルメス:そりゃあ、潔癖主義っぽいエラドリンたちに、アンデッドを操る怪しげな連中が交渉を持ちかけてきても「キモい、臭い!」って一蹴されちまうわなあ(笑) DM/アウフル:「そこで激怒したカイウスIII世は、甥のエラストレル・イル・ワイナーン卿を使って、武力をもってエラドリンを駆逐し、カイバー・シャードの鉱床を我が物にしようとしているってわけね」 ジュス:「それはけしからんな……」 DM/アウフル:「おまけに、手勢には翠玉爪騎士団の連中が混じっているとか。彼らは『リヴァイアサン計画』と言っているわね」 ヘルメス:「『リヴァイアサン計画』……」 ネディア:「それで、どうしてわたしが“皮剥がれ”にされてしまったの……?」 DM/アウフル:「それはわからないわ。ただ、“皮剥がれ”の状態では、オリエン氏族のエンクレーヴ(居住区)があるジッグラトにも近寄れないわね……」 ネディア:「どういう意図でわたしを結婚式に呼んだのか、お父様に聞こうと思ったのですが、危険でしょうか」 クシュタリ:「……現時点で避けておいた方がよいだろうな。もし何か悪しき連中と関わっていたことがはっきりすれば、それこそ滅殺せねばならん」 ネディア:「そうですか……(アウフルに)エラドリンの側は、進攻計画のことを知っているのでしょうか?」 DM/アウフル:「さあ。そこまではわからないわ。あたしには関係のないことだしね」 ネディア:「(きっと睨む)」 ●エレメンタル式岩石掘削機 ヘルメス:「(ネディアを制止して)きな臭い話になってきたな」 ベック:「“最終戦争”を思い出します」 DM/アウフル:「エラドリンの“冬の砦”への進攻は、エラストレル卿の結婚式を終えてからという話だったけれども、どうも、そんなに悠長な話でもないみたい」 ヘルメス:「進攻時期が早まったのか?」 DM/アウフル:「おそらくは、ね。結婚式を待っていられなくなったんじゃないかな」 ネディア:「これは“冬の砦”ティラー・シラエンへ行った方がいいかもしれませんね……」 DM/アウフル:「悪くない考えね。あそこに行けば、妹さんにまた逢えるだろうから」 ネディア:「何ですって、サナが、サナがそこにいるの? どうして、それを先に言わないの!」 DM/アウフル:「だって、聞かれなかったから……うふふ」 ヘルメス:「ひょっとして、ネディアを“皮剥がれ”にした連中は、サナを匿っていると思ったのかもしれないな」 ジュス:「どうしてサナがいるとわかるんだ?」 DM/アウフル:「あたしの情報網を舐めてもらっちゃあ、困るよ」 クシュタリ:「しかし、それで“皮剥がれ”にはなるかの?」 ヘルメス:「疑わしきは罰せよ、というわけではないだろうが……決め手に欠けるな。だが、その裏を取るにはリスクが伴う」 ベック:「ハルデン卿や、あるいは“ビューティ”というウォーフォージドとは、一度じっくりお話をしてみたいと思いますが」 ヘルメス:「ネディアの父のゾグルドも含め、どいつもこいつも胡散臭いからな……」 ジュス:「アウフル、エラドリンどもの砦へ向かう足はあるのか?」 クシュタリ:「エラストレル卿の手勢に見つからずに向かうのは、なかなか難しそうじゃぞ」 DM/アウフル:「それは任せて。うちの店が確保した“エレメンタル式地下岩石掘削機”(Tumbler)があるわ。これに乗って地下に潜って行けば、エラストレル卿の手勢に見つからず、目的の“冬の砦”へ行くことができるわよ。いくらか魔法工学の知識があれば、運転するのはとっても簡単♪」 クシュタリ:「やけに気前がいいじゃないか。まさか、俺様とお前の仲で、乗車料をふんだくろうってんじゃないだろうな」 DM/アウフル:「その、まさかよ。大丈夫。お金をもらったらビジネスだから、それであんたたちを売ったりしなくなるわ。料金は一人500gp、どう、安いもんでしょ?」 安い金額ではない。しかし、特に仲間もなく、古都コースをうろつくよりは、エラドリンに危機を知らせ、戦禍を避ける方が先決だろうと考えたパーティは、アウフルの条件を呑むことにした。(ヘルメス:「自分で運転するのに、この額は高いぜ……」) DM:アウフルの店の地下は広い格納庫のようになっており、いくつもの謎めいた機械がところ狭しと詰め込まれている。 ジュス:「いつ来ても、ここは変わらねえな。ちょっとは整理したらどうだ」 DM/アウフル:「ふふふ、雑多に詰め込んでいるように見えるでしょ。だけど、無駄なものは入れてないの。現に、“エレメンタル式岩石掘削機”は、こういう時に役立つのよ」 ジュス:「ったく、どこから仕入れてくるんだろうな」 DM:「倉庫の奥に連れて行かれた君たちが見たものは、直径10メートルほどの金属でできた“ロケットモグラ”と巨大な岩石がドッキングしたような、得体の知れない代物でした。違うのは、正面に巨大なドリルが付いており、これで地下に潜れるようになっているということ」 一同:おおーっ(唖然としている) DM/アウフル:「すごいでしょう。だいじょうぶ、コンパスが内蔵されているから、地下でも迷うことはないはず」 ジュス:「動力のエレメンタルは、アース・エレメンタルか?」 DM/アウフル:「そうよ。いい子だから、大丈夫♪」 ヘルメス:「シナリオによっては、動力として捕縛されているエレメンタルが解放されて、エラい目に遭うことなんか、普通にあるからな(遠い目で)」 ネディア:「びびってはいられない。サナがいるんだったら、急がなくちゃ!」 急いで乗り込む一行。“エレメンタル式岩石掘削機”は、大きな地響きを立て、倉庫の床に穴を開け、地下へとゆっくり潜行していく。乗っている者たちは目を回しそうだが、不思議なほどの安定感。またたく間に、岩盤を繰り抜いて目指すティラー・シラエンへ向かっていく。本来ならば制御の判定が必要かもしれないが、今回はオリエン氏族(皮剥がれになったものの……)のネディアがいたのでOKだとDMは裁定を行なうこととした。 なお“エレメンタル式岩石掘削機”は『MAGIC OF EBBERON』(未訳、第3.5版のサプリメント)で紹介されていた逸品である。英語版のサプリメントを読むのは大変と思われるかもしれないが、ヴィジュアル資料も多く刺激になるので、意外に敷居は高くない。チャレンジングなDMはぜひとも挑戦してもらいたい。 (つづく) “『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版リプレイ 竜の予言に選ばれし者たち 〜リヴァイアサン計画、そして予言の洞窟へ〜” is unofficial Fan Content permitted under the Fan Content Policy.Not approved/endorsed by Wizards. 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2026年9月2日水曜日
第6回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4970
第6回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 海域を封鎖する海賊を退治した後は、クラーケンの居所を探る遠見師エラ・シエロの捜索。 海神ホリィドゥーンの加護を得て、ついに遠見師の島へ到達し、上陸を果たしましたが、巨大な要塞ヤドカリが出現したのでした。 【ヴァルグ レベル19 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル9 技量点1 生命点6/7 筋力点3/4 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック02-7 要塞ヤドカリを止めろ【ハルト】 木々をへし倒すすさまじい音が響きわたる中、その巨体が姿をあらわす。 背中に森を背負ったかのような巨大なヤドカリだ。右のハサミは左の倍以上の大きさがある。大岩でも簡単に砕けそうだ。 「なんて巨大なヤドカリだ。まるで要塞だな」 船長に「要塞」と名づけられたヤドカリの太い脚が地面をえぐり、木々を押し倒し、こちらに向かってくるのだった。 その太い前脚が、森の端に建てられている粗末な小屋にかけられた。 「マジかよ。やべェぜおい」 師匠とオレは猛然と走り出す。 しかしとても間に合わない。 小屋は無惨にも踏みつぶされた。 その寸前に、中からひとりの女性が飛び出してきた。 必死で駆けてくる彼女がきっと、遠見師エラ・シエロなのだろう。 長い銀灰色の髪を緩く後ろで束ねた細身で長身の女性だ。左目には紫色の、宝石のような義眼がはまっている。 ゆったりとした長いローブは走るのには向かず、すぐに転倒してしまう。 オレと師匠はその脇を走り抜ける。 少し遅れて追ってきたハーツデイル船長が、女性を助け起こす声が聞こえた。 師匠は持っている武器を放り出すと、要塞ヤドカリの次の一歩が踏み出される前に、地面にめりこんだ移動用の前脚に飛びついた。 「ぬおおおお!!」 傷だらけの筋肉が膨れ上がり、悲鳴を上げているようだ。 師匠はこの山のようなヤドカリを、人の力で食い止めるつもりなのだ。 オレはでっかい槌で、その前脚を力まかせにぶん殴る。 ガンッ! 金属を殴ったような手ごたえ。けれど固い甲殻には、ヒビのひとつも入らなかった。 「砲撃! 砲撃だ!」 船長が赤い旗を取り出すと、頭上高くぶんぶんと激しく振り回す。 船の方でも異変を察知していたに違いない。砲撃はすぐにきた。 それは狙いあやまたず、ヤドカリの殻の部分に命中し、大きなひび割れを作った。 足もとにオレたちがいるけれど、ポールさんとニーナさんの腕なら信頼できる。 要塞ヤドカリは、ものすごい力で前進を続ける。師匠が踏ん張る足が溝を掘りながら、徐々に後退してゆく。 砲撃を受けながらも、要塞ヤドカリはまったくひるんでいない。 「ハルト、上だ!!」 師匠の叫び。見ると巨大な方のハサミが、今まさに船長と女性に向けて振り下ろされようとしていた。 オレは武器を放り出し、上から来るハサミを両手でがっしりと支えた。 「ぐああ……!」 ものすごい圧力がかかる。足が地面にめり込む。全身がばらばらになりそうだ。 「今のうちに、早く!」 身体を低くして身を護っていた船長たちが安全圏への移動を始めた。 獣の腕がかき立てる闘争本能のおかげもあって、オレは歯をくいしばり、頭上からの圧に耐え続けた。 「もういい! お前たちも離脱しろ!」 船長の合図で、オレはようやく手を離す。解放されたハサミが大地を深くえぐる。 師匠とともに後退するそのとき、本船からの次の砲撃が、ヤドカリの飛び出した目の部分に命中した。 要塞ヤドカリはぎゅっと体を縮め、殻の中にその身を閉じ込めた。 オレたちはその隙に、要塞ヤドカリから十分な距離を取ることができた。 やがて再び殻の外に姿を現したヤドカリは、もうこちらを追う気配はなく、ゆっくりと森の奥へと引き返していったのだった。 [プレイログ] 【要塞ヤドカリ レベル4 生命点7 攻撃回数3 ダメージ2 防御点1】 【0ラウンド】 ポールの砲撃 サイコロの出目4 要塞ヤドカリの生命点7→6 ニーナの砲撃 サイコロの出目6 要塞ヤドカリの生命点6→5 ニーナの追加砲撃 サイコロの出目4 要塞ヤドカリの生命点5→4 【1ラウンド】 ポールの砲撃 サイコロの出目5 要塞ヤドカリの生命点4→3 要塞ヤドカリは逃走した。 宝物判定 サイコロの出目1+修正1 金貨1d6枚 サイコロの出目5 金貨5枚を入手 ●アタック02-8 遠見師の乗船【ポール】 ハーツデイル船長たちは、遠見師エラ・シエロを連れて船へと帰還した。 そのまま船長室で話をするようだ。ヴァルグもハルトも一緒に入ってゆく。 私とニーナは船長室へと呼ばれた。 周辺の警戒は白奴に任せ、船尾の船長室へと入る。 扉を開けると、まず目に入るのは船尾側一面に並んだ大きな窓だった。 エメラルド色の海が、後方いっぱいに広がっている。 部屋は広く、中央に大きな執務机が置かれ、海図が広げられたままになっていた。 簡素な中にも貴族らしい意匠がほどこされた高級感がある。 「見事な砲撃だった。おかげで助かったぞ。感謝する」 船長から直接的なお礼の言葉を賜る。 「どうでえ。俺の連れて来た砲撃手、なかなかのモンだろ」 なぜだかヴァルグが自慢げだ。俺が見つけてきた人材だ、って強調したいんだと思う。 「そうだな。うちのニーナにもひけは取らない。本当にこの船が砲撃手デビューなのか?」 「は、はい……!」 ニーナもお褒めの言葉を頂戴し、ひとしきり会話をした後、本題に入った。 遠見師エラ・シエロは改めて見ると、「遠見師」という名称のイメージどおり、神秘的な雰囲気を身にまとっていた。 「皆さんのおかげで命を救っていただきました」 彼女は感謝の言葉を述べると、一同に向けて深々と頭を下げた。 そして続けて自嘲気味につぶやいた。 「遠見師ともあろう者が、いちばん身近な危険に気づけないとはね」 「灯台の光が届かぬのは、皮肉にもその足元だという」 「はは……違いないね」 船長の指摘に、彼女は力なく笑った。 それほど間を置かず、ハーツデイル船長は、単刀直入に切り出した。 「我々はクラーケン退治を目的にこの海域を航海している。遠見師エラ・シエロよ。協力してはいただけないか」 エラ・シエロの左目……紫色の宝石のような義眼が、静かな淡い光をたたえた。 彼女は少しの間、窓の外のエメラルド色の海を見つめている。窓の向こうの海のかなたに見えたのは、白いイルカか白波か。 やがて彼女は、静かに口を開いた。 「あなた方が今日、ここに来ることはわかっていました。その目的も、すべて」 「では……!」 船長が期待するように身を乗り出す。 「いいでしょう。元々私のもとに来る者には道を示していたのです。その住み家も失われてしまいましたし、命も救われた。あなた方の旅に同行しましょう」 こうして私たちは、貴重な遠見師を得たのだ。 「エラさんはどうして、あんななにもない場所に住んでいたんですか?」 ハルトが、少年らしい素朴な疑問を口にした。 エラ・シエロは少年を静かなまなざしでじっと見つめる。紫色の義眼の光がわずかに強くなった。 「そうか、君がハルトだね。君が来ることも私には視えていたよ。その左腕のことも……」 「獣の腕」のことを直接的に指摘され、ハルトは言葉に詰まる。 そんなハルトに、エラ・シエロは優しく語りかけた。 「まず質問に答えておこうか。私の遠見は『視えすぎる』んだ。それは時に軋轢を生む。まだ君にはわからないかもしれないけれど。だから私は人様とは距離を置いた生活を選んだのだよ」 彼女は少し間を置いてから、静かに続けた。 「ハルト。この旅を続けていけば、君の望みがかなう機会はきっと訪れるだろう。ただそのとき君は、大きな選択を迫られることになる」 「大きな……選択?」 「私に言えるのはここまでだ。私は遠見師であって、未来を見通す者ではないからね」 私はその言葉を聞いて、小さく息を呑んだ。遠見師の言葉とは裏腹に、その言葉は十分に未来を予知しているように思われた。 ハルトの願いを私は知っている。あの獣の腕の呪いを解くこと。 彼女は、それが実現するかもしれないとほのめかしたのだ。しかしそこには、重大な選択がともなうと。 それはハルトにとっての希望になるのだろうか。もしかしたら重荷になるかもしれない。 ハルトはまだ言葉を発することができず、ただエラ・シエロの紫色の義眼をじっと見つめていた。 ヴァルグはそんなハルトの様子を、ただ黙って見据えていた。あえて表情を消しているのか、その様子からは何の感情も読み取ることはできなかった。 ●アタック03-1 船長の訓示【ポール】 「我々は『遠見師』エラ・シエロを得た! ここまで船の損傷はなく、備蓄も潤沢にある」 乗組員が甲板に集合し整列する中、ハーツデイル船長が高らかに宣言した。 「本船はこのまま引き続き、クラーケンの討伐に向かう!」 乗組員にどよめきが広がった。 「へ。ようやくきやがったか。待ちくたびれたぜ」 ヴァルグは満面に喜色をたたえている。 「これまでは探索重視の旅路だったが、ここからは航海に全振りする。一直線にクラーケンを目指すぞ。いいな、エラ」 エラは遠見の水晶をかざす。それは手から離れて空中に漂っている。義眼が強い紫の光をたたえる。 「あちらの方角です」 エラは一方を指し示した。 「見たな操舵手。東南東へ舵を取れ!」 船長の号令一下、乗組員たちは一斉に動き出した。 [プレイログ] ヴァルグ レベル19→20 ハルト レベル9→10 成長の詳細は後述 ●アタック03-2 海の月夜に疾走る馬【ポール】 海はそのときどきで様々な表情を見せる。 この先も、きっと様々な出来事が私たちを待ち受けているのだろう。 そんな海のど真ん中で、操業中のフジツボハンターに遭遇したときは本当に驚いた。 「お化けフジツボ」と呼ばれる巨大な個体を専門に剥がし、捕獲する危険な仕事だという。 巨大フジツボは可食部こそ少ないものの、珍味として高値で取引されているらしい。 また、その強力な吸着力の元となる部位からは、水中でも使える強力な接着剤が採れるという。 フジツボハンターは、両方を目当てに命がけで海を渡っているそうだ。 情報交換をしてみたが、互いに特に有益な話は得られなかった。 フジツボハンターと別れてしばし。 やがて、私たちは座礁した客船『トリスタリア号』を発見した。 念のため内部を探索したが、乗客も乗員も誰もいなかった。皆、無事に脱出できたのだろう。 「残念だな……。この船底なら、かなりのフジツボが張り付いていそうなものなのに」 順番が違えば、さっきのハンターに教えてやれたものを。 今さら連絡する手段はない。 そうした順調な船旅ばかりではない。 夜。 けたたましい警鐘の音が響き渡る。 「後方から接近してくる何者かがいます! あれは……馬!? 馬が海上を疾走しています!」 私が起き出すと、見張り台の乗組員が慌てふためいて大声を上げている。 「海を走る馬だァ?! ンなバカげたもんがこの世にいるのか」 ぼさぼさの頭をボリボリかきながら、ヴァルグが甲板に現れた。 「たぶんそれは『ケルピー』だな」 まだ起きていたらしい白奴がヴァルグに淡々と説明する。 「船乗りたちを海へと引きずり込む、凶悪にして凶暴な海の魔物だ」 「つまり、俺の出番ってェわけだな」 遅れてハルトも巨大な槌を携え、甲板に出てきた。 着替える暇も惜しんでか、獣の腕はむき出しのままだ。 ヒースもしっかりとついてきている。 その頃にはケルピーは、水しぶきを上げながら本船と並走していた。 月明かりに照らされたその姿は、馬のようだがはるかに大きい。 また、光の反射だけでなく、それ自体もほのかな燐光を放っていた。 深紅に染まった瞳は不気味に輝いている。 「来るぞ!」 ケルピーは急に方向を変えると大きく跳躍し、船の側面に前脚をかけ、上半身を甲板へと乗り上げてきた。 燐光を放つ身体から滴る海水が、月光にきらめきながら飛び散る。前脚が豪快に振り下ろされ、甲板にいた乗組員を薙ぎ払う動きを見せた。 「うおおおっ!」 走り込んできたヴァルグが、力まかせに前脚をぶった斬る。 切断された前脚が、ごろんと甲板に転がる。 「グギャアアア!」 悲鳴とも怒号ともつかない鳴き声を上げながら、それでもケルピーは止まらず、もう一方の脚でヴァルグを薙ぎ払った。 ヴァルグはごろごろと転がり、反対側の欄干にぶつかってようやく止まった。 「ぐゥッ……ってェなこの野郎!!」 「師匠!」 ハルトは援護に回るが、彼の大振りな攻撃は、簡単に避けられてしまう。 その隙にヒースの放った火の玉が、ケルピーの顔面に命中した。 ケルピーは激しく暴れながらつんのめり、そのまま海へと落ちていった。 ざばん、と水音がし……静かになった。 撃退……したのか? 「ヒース、よくやった!」「ギャウ!」 ハルトがヒースを抱きしめ、ねぎらう。 「チッ。痛み分けは性に合わねェんだよ」 ヴァルグは立ち上がりながら、切断した前脚をにらみつけ、不満げに舌打ちしたのだった。 次回、クラーケンぶっ殺し号に予期せぬ新たな乗員が? [プレイログ] 【24 フジツボハンター】 反応表 サイコロの出目5 友好的 【33 見かけない船】 座礁した客船「トリスタリア号」を発見。座標の目印になる。 【61 ケルピー】 【レベル5 生命点2 攻撃回数2】 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目1 外れ 【1ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目3+修正1 外れ ヴァルグの攻撃 サイコロの出目4+修正2 命中 ケルピーの生命点2→1 ハルトの攻撃 サイコロの出目2+修正1 外れ ケルピーの攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目6 回避 【十字剣】発動。次ラウンドのケルピーのレベル5→4 ・ハルトの回避 サイコロの出目6 回避 【2ラウンド】 ・ヒースの攻撃 サイコロの出目3+修正1 命中 ケルピーの生命点1→0 勝利 宝物判定なし。 【ヴァルグ レベル19→20 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】20→25 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 精巧なアクセサリー(金貨120枚) 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】2 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル9→10 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】45 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 狼の刻印の腕輪(金貨12枚) エメラルド(金貨30枚) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】1 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年9月1日火曜日
冒険は君の手で作れ! 第2回 FT新聞 No.4969
■冒険は君の手で作れ! 第2回■ おはようございます。紫隠ねこです。 FT書房が送り出す、30分で遊べる1人用TRPG『ローグライクハーフ』。 イタリアのゲームデザイナー、アンドレア・スフィリゴイが2017年に発表した『Four Against Darkness(以下4AD)』に着想を得て制作された作品です。 サイコロを振って、ダンジョンを舞台にした冒険を体験できる1人用RPG。 そこにプレイヤーの想像力を加えることで、自分だけの物語を作り上げていくことができます。 今回の記事では、4ADのサプリメントとシナリオブックの一部をご紹介しようと思います。 ◆豊富なサプリメント 『Four Against Darkness』シリーズでは、冒険とルールを拡張するサプリメントとシナリオブックが数多く発表されています。 とは言え、すべてのサプリメントに記載されたルールを導入するとプレイヤーが管理しきれなくなってしまいまいます。 そのことは作者であるスフィリゴイも把握しているようで、公式のフォーラムでも「オプションルールの取捨選択をする事も大切」と述べており、どのテーマで遊ぶのかは読者の自由となっています。 追加クラスや、汎用的なオプションルールは扱いやすく、自分にとって必要な部分だけを翻訳すれば、すぐにゲームに利用することができます。 シナリオブックの物語性については、幾つかのタイプがあります。 【A】固有のダンジョンテーマのみで、特に「物語」を含んでいない作品(この場合、冒険する土地で個性を出しています) 【B】固有のダンジョンテーマを持っており、冒険開始時にサイコロを振り「使命(ミッション)」を決める作品。 【C】冒険の使命が、最初に設定されている作品。 Cタイプは、複数の章によって構成されたシナリオ、または4ADの同人誌『The Lantern』でよく見かけます。『The Lantern』は、ファンが寄稿したシナリオが収録されている事もあって、ダンジョンが固定マップだったり、そのシナリオ特有の物語性を含んでいたりします。 ◆ゲームシステムの拡張 以下のサプリメントは、高レベルのキャラクターをサポートします。 ・『Four Against the Abyss』(奈落に挑みし四戦士) レベル5-9のキャラクターをサポートする中級ルール。 冒険者ランク「エキスパート」に対応する技能と魔法のリスト、冒険者を支援する「雇い人(従者)」と「専門家(町の施設)」のデータ、冒険の最終的な目標を設定する「キャンペーン・プロット」、アンデッドや獣人がさまようダンジョン「Abyss(奈落)」の各種ダイスロール表が収録されています(ただし、Abyss専用のマップタイルはありません)。 ・『Four Against the Fosaken Depths』(見捨てられた深淵の四戦士) レベル10-19のキャラクターをサポートする上級ルール。 冒険者ランク「ヒロイック」「レジェンダリー」に対応する技能と魔法のリスト、地下水脈が流れる洞窟を探索する「Forsaken Depths(見捨てられた深淵)」の各種ダイスロール表とマップタイルが収録されています。 上級ルールで習得できる技能は、各クラス準拠ではなく、任意で選ぶことができます(ただし、一部の技能は習得に制限がついてます) ◆追加クラス 以下のサプリメントは、追加クラスに特化した作品です。 ・『Concise Collection of Classes』(クラスの簡潔なコレクション) 9つの新クラス、新しい装備品と技能に加えて、6つのドワーフ氏族を紹介しているサプリメントです。 前半部分の新クラスは、敵にダメージを与えることを専門とする前衛職が多く、特殊ルールも少ないため、割と扱いやすい内容になっています。 後半部分のドワーフ氏族の紹介は、ノリンダールを舞台としたTRPG『Advanced Song of Blades and Heroes』の設定資料なのですが、『Four Against Darkness』用のデータも掲載されており、パーティ内のドワーフに個性をつけるオプションとしても利用する事ができます。 またパーティの実力が高ければ、各氏族の長と一緒に冒険する事も可能となっています。 ・『Wayfarers and Adventurers』(放浪者と冒険者) 5つの追加クラス、6つの追加魔法、旅立つ冒険者に個性を持たせる「キャラクター特性」と「冒険の目標(実績)」、2種類の新たな騎乗生物、低レベルの冒険者用の「追加ミニオン表」などを実装するサプリメントです。 キャラクターに個性を持たせる事に重点が置かれているため、エキスパート技能が習得できる『Four Against the Abyss』と組み合わせると、パーティ内に同じクラスが複数いたとしても、それぞれ違った冒険者に育成する事が可能になります。 追加クラスには、自然の力を魔法として駆使する「ドルイド僧」、気を使いこなす格闘家「マーシャル・ミスティック(練気術士)」、独自の発明品で戦う「ノーム」などがいます。特殊ルールの量も多いため、扱いこなすには癖が強いのですが、彼らをパーティに加える事によって、通常とは異なる戦術でモンスターに立ち向かう事ができるでしょう。 ・『Delvers and Wanderers』(探求者と放浪者) 11種類の追加クラス、それらのクラスに対応したシークレット(『手がかり』と引き換えに獲得するボーナス)、町の下水道をダンジョンとして探索する「Down in the Sewers of Jamash」の各種ダイスロール表とマップタイルが収録されています。 追加クラスには、飛び道具の専門家である「レンジャー」、長柄武器を自在に操る「槍使い」、短剣二刀流で戦う「軽剣闘士」などの前衛向けのクラスの他、森エルフとノームの混血である「グネルフ」や、各地を渡り歩く「放浪者」などの野外の冒険を得意とするクラスも収録されています。 ◆ツイステッド・シリーズ 以下のサプリメントは、冒険のランダム性を増やすオプションルール集です。汎用性が高く、どの冒険にも使うことができます。 ・『Twisted Minions』(歪められしミニオン) ダンジョンで遭遇する「ミニオン」のモンスターに、変わった個性を持たせます。 ミニオンの個性は100面サイコロで決定されるため、彼らと遭遇するたびに、通常の遭遇とは異なる体験をする事ができます。 攻城兵器のバリスタを設置して冒険者を待ち構えるミニオンや、数多の戦いを経験してきた古参のミニオンが出現したりと、冒険をさらに手強く魅力的なものにしてくれるでしょう。 ・『Twisted Final Fights』(歪められし決戦) 各冒険の最後に戦う「ファイナル・ボス」が、独自の個性を持ったモンスターにセッティングされます。その種類は、なんと48体! 倒した時に入手できる戦利品も、専用の宝物表で決めることになるため、何とも倒しがいのあるライバルとなっています。 ファイナル・ボスを扱ったキャンペーン用のプロットも追加されており、互いに対立しているボスキャラの一方に冒険者たちが雇われるというユニークな冒険を行う事もできます。 ・『Twisted Hoards』(歪められし宝物庫) 冒険の中で手に入れられる宝物にスポットを当てたサプリメントです。 通常の宝物表と差し替えて使用することになり、100面サイコロによって、それまで目にしなかった不思議な装備品を獲得することができます。 また巻末のおまけとして、パーティの誰かにダンジョンのマッピングを担当させる「マッパー」に関するオプションルールが掲載されています。 ・『Twisted Dungeons』(歪められしダンジョン) 冒険開始前に8面サイコロを2個振り、それぞれを十の位と一の位とした「d88」システムによって、そのときに探索するダンジョンの特殊ルールを作成するサプリメントです。 ダンジョンに個性を持たせ、それを冒険者たちの物語を作るためのフックとして利用することもできます。 ◆シナリオブック 以下のサプリメントは、独自のテーマに沿った冒険を楽しむことができる作品です。 ・『Dark Waters』(暗き水域) 【レベル1-2を推奨】 2章構成のシナリオで、大商人オーフェルドからの依頼で、海賊に強奪された「サメの神のテザニーの黄金像」を取り戻すことが目的です。 前半は地図に沿って探索を進める固定ダンジョン、後半は通常のランダム生成によるダンジョンを探索していきます。 後半部分は海底神殿が舞台になっており、各種ダイスロール表では、水域に関わるモンスターやイベントが登場するようになります(ただし、専用のマップタイルはありません)。 ・『Court of the Pixie King』(妖精王の宮廷) 【レベル1以上を推奨】 森に覆われた妖精郷。妖精王からの依頼を受けた冒険者たちは、ある使命を果たすために冒険に旅立ちます。 冒険の目的は6種類あり、個別に遊ぶこともできますが、すべての使命を成し遂げるキャンペーンに限り、妖精郷にとって最大の危機を食い止めるクライマックスを体験することができます。 各種ダイスロール表は、森や妖精に関わるモンスターやイベントが登場し、専用のマップタイルも付属します。 巻末には、追加クラスとして「フェアリー」と「ボグフライ」の小妖精の種族データに加えて、ノームが扱える追加の「からくり」や、新たなドルイド魔法も収録されています(※追加クラス「ノーム」と「ドルイド」のデータは、『Wayfarers and Adventurers』に収録) ・『The Bone Cult of Tha'ar Tala』(タアル・タラの白骨教団) 【すべてのレベルに対応】 パラクシの町では、悪魔タアル・タラを信仰する白骨教団たちによって、子供たちが誘拐されるという事件が起きています。 ハリグ上院議員からの依頼を受けた冒険者たちは、彼の娘フルダを含む子供たちを救出するために、教団の拠点となっている廃教会を探索することになります。 3章構成のシナリオで、第1章では廃教会を、第2章では地下聖堂を探索した後、第3章で教団との総力戦(この章はボス戦のみ)となります。2つのダンジョンは、どちらも固定ダンジョンとなっています。 ・『Echoes of the Dead』(死の残響) 【レベル1を推奨】 都市郊外の地下聖堂に、不死の存在とされるアンデッドたちが集いつつある。その調査のために地下聖堂へと向かったファロウ神父ですが、いまだに戻ってくる様子がありません。 教会からの依頼で、冒険者たちはファロウ神父の行方を探し、さらにアンデッドの脅威を打ち払うことになります。 3章構成のシナリオで、それぞれの章ではランダムによって生成されたダンジョンを探索します。章ごとで、特殊イベントと入手できる魔法の宝物が異なっているため、リプレイ性が高くなっています。 ・『Saumora Island of Secrets』(秘境のサウモラ島) 【すべてのレベルに対応】 切り立った山岳地帯と、鬱蒼としたジャングルが特徴的なサウモラ島。この土地では、独自の生態系が育まれているとも言われています。 このシナリオは野外の冒険であるため、付属の地図を使って1マスずつ探索を進めていくことになります。移動するたびにキャラクターの「食料」が減っていくため、探索は計画的に行わなければなりません。 冒険の目的は6種類あり、プレイヤーはそれをランダム、または任意で選ぶことができます。倒したモンスターを解体し、それを素材とした装備品を作成できる要素もあるため、ハンティング的な楽しみも味わえます。 ・『Lost Temples of Qaarra』(クアラの失われた神殿) 【レベル6以上を推奨】 中級ルールに対応した最初のシナリオブックです。 混沌の勢力との戦いによって滅亡した古代都市クアラ。その象徴とされていたのが、ノリンダール世界の神々を祀った神殿であり、激戦の中で持ち出すことのできなかった宝物も数多く眠っています。 これらの神殿は複数階の構造になっており、神殿と関連する使命が6種類も用意されているので、通常よりも歯ごたえのある冒険を体験できます。 巻末には追加クラスとして、特殊な武器やゴーレムを作成できる「工匠」と、水晶を使った独自の魔法を使う「水晶術師」のデータが収録されています。 ◆最後に サプリメントが無くても遊ぶことができる4ADですが、魅力的なオプションと想像力を組み合わせることによって、その世界は大きく広がっていくことになります。 あなたはキャラクターたちに、どのような冒険を体験させたいですか? 次回では、4ADのゲームプレイについて語ろうと思います。それではまた! 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2026年8月31日月曜日
【予告】9月配信のローグライクハーフ作品のお知らせ☆ FT新聞 No.4968
おはようございます、 自宅の書斎から、杉本です☆ ◆「ハンティング・ペストガール」の延期。 「ガルアーダの塔」のローグライクハーフ版を刊行するために奮闘しております。 9月なかばを入稿日と設定しているため、今はそのための準備でおおわらわです。 紫隠ねこさんと「どうしようか、まずいね」と相談を交わしておりました。 9月配信予定のローグライクハーフ最新d66シナリオである「ハンティング・ペストガール」と制作時期が重なっているからです。 ◆アンケートへのご協力、ありがとうございます! 先日行いましたアンケートへのご協力、ありがとうございました! アンケートの上位3作品を発表します☆ ばばん! ・第1位:堕落都市の迷宮 ・第2位:ガルアーダの塔 ・第2位:昆虫都市 結果をみて、とても驚きました☆ 私のなかの1位は「死霊沼の聖母」だったからです……アンケートは大事ですね! さて、アンケートを集計中に、「ローグライクハーフ」の総監修である紫隠ねこさんが、ポロリとあることをつぶやかれました。 「『桜森と冬の終わり』は未配信なので、このアンケートは判断が難しいですね……。」 と。 ◆そうだ! 配信をしよう!! 私はそのひと言を聞いて、「あっ」と思いました★ 「桜森と冬の終わり」を配信するタイミングを窺っているうちに、今に至っていることを思い出したからです。 それで、9月の第1日曜日の日曜配信枠を使って、配信を行うことを決定いたしました。 長々とお待たせしてすみません……制作に携わった1人1人に、お詫びと感謝を申し上げます。 ◆「ハンティング・ペストガール」は? 10月以降のシナリオ配信予定は、また改めてお知らせしてまいります。 10月29日にはFT書房が20周年を迎えることですし、盛り上がっていきたいですね☆ お読みいただき、ありがとうございます。 それではまた! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月30日日曜日
ローグライクハーフ・都市サプリメント【商業都市ナゴール】&新職業【剣闘士】 FT新聞 No.4967
おはようございます。 FT新聞編集長の水波です。 9月第1日曜日は、2025年に行ったFT新聞の読者参加企画「フォレストマスターへの道」で、投稿されたできごとを元に制作された、みんなで作るd66シナリオ『桜森と冬の終わり』を配信いたします。 本日はそれに伴いまして、その舞台となる「都市サプリメント:商業都市ナゴール」と新職業【剣闘士】を再配信いたします! ◆商業都市ナゴール ナゴールは今も昔も活発な商業都市であり、明るく働く人間とコビットの姿を見ることができる。 外国人や異種族が多く、人々は平和的で明るい。 海外貿易も盛んに行われているため、ジンドやキナ出身の商人のための異大陸館も存在する。 王がいない都市として有名。表向きは民衆を第一に考える代表者4人が物事を決定する権利を持つとあるが、実際のところその4人は金で決まる。 ↓ 都市サプリメント:商業都市ナゴール https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_Nagor.txt ◆【剣闘士】 都市の闘技場で、見世物としての戦いを披露する者を【剣闘士】と呼びます。 【剣闘士】は【筋力点】の副能力値を持ちます。 ↓新職業【剣闘士】 https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_NewClass_Gladiator.txt ↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月29日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第707号 FT新聞 No.4966
From:水波流 以前、夏らしく、水に潜る話を書こうとお話しておりましたが、 ローグライクハーフのd33シナリオとして書き進めています。 順調に進んでいるため、このままいけば10月にはFT新聞で配信できるかな? (その頃には、涼しくなってしまいますが……笑) From:葉山海月 財布を忘れる。 慌てて取りに帰って戻ってきたら「財布の中身がからっぽだった」ということを忘れている。 From:中山将平 僕ら、9月6日(日)「こみっくトレジャー48」(開催地はインテックス大阪)にサークル参加します。 配置は【D08b】です。 僕自身も、ギルド黄金の蛙でサークル参加します。 こちらの配置は【C14a】です。 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。 さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。 紹介文の執筆者は、以下の通りです。 (天)=天狗ろむ (明)=明日槇悠 (く)=くろやなぎ (葉)=葉山海月 (水)=水波流 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■8/23(日)~8/28(金)の記事一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2026年8月23日(日)天狗ろむ FT新聞 No.4960 ローグライクハーフシナリオソムリエ その7『テラーエイト 〜Terror Eight〜』 ・編集部員・天狗ろむがお送りする、個人制作シナリオ紹介の第7弾をお届けしました。 今回のシナリオは何とにこたんさんとAIとの合作! ローグライクハーフのシナリオを書いてみたいけど、一人ではちょっと出来ないかも……という方には、こんな方法での作り方もアリではないでしょうか。 シナリオ内容はホラーですので、まだ暑いこの時期にヒンヤリできるかも? 思わぬどんでん返しがありますので、どうぞ最後まで気を引き締めて挑んでみてください! プレイ報告やご感想、そしてシナリオ紹介記事の寄稿はいつでもお待ちしております〜! (編集註:メールでの配信時、タイトルが文字化けしておりました。大変失礼致しました!) (天) 2026年8月24日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4961 ☆新作告知☆ ・きたる2026年10月16-17日に、東京で開催されますゲームマーケット。FT書房からは「ローグライクハーフ版 ガルアーダの塔」を刊行いたします! ある作品が発想の元となり、ゲームブックから始まった「ガルアーダの塔」の連載初出は、貫禄のNo.57。本誌も長い塔をのぼってきたものです。 この塔をNo.4966階までのぼる間に起こった、山あり谷ありの出来事については、当記事をご覧ください。 作品には、「都市サプリメント:聖フランチェスコ市」「新職業:道化師」も収録!! まだまだ塔の冒険は止まりません。 これまでに配信した「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」の製品化についてのアンケートにもぜひお答えください! (明) 2026年8月25日(火)中山将平 FT新聞 No.4962 中山将平の個人サークル「ギルド黄金の蛙」出張所 第2回 ・先日の夏コミにて、イラストレーター中山将平氏による創作コンテンツ、「カエルの勇者ケロナイツ」シリーズの新作が刊行されました。 そのタイトルは、『創作・RPG・ファンタジー汎用異種族設定集 カエル人の全て(衣食住編)』。1月に刊行された「魔法と儀式編」とあわせて24人の「ケロナイツ」たち全員が出揃い、カエル人たちの社会や生活の様子についても、衣食住はもとより「掟と裁判」「異種族との関係」など、さまざまな角度から知ることができる充実の一冊になっています。気になる次作以降の情報も含め、ぜひ記事にてご確認ください! (く) 2026年8月26日(水)ぜろ FT新聞 No.4963 第5回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第507回。 今回の主人公は筋骨隆々な傭兵・ヴァルグ。そして、彼を師匠と呼び、赤い毛並みを持つ大型犬を連れ、「獣の腕」を宿す少年・ハルト。 二人は「クラーケンぶっ殺し号」に乗って、クラーケン探しに欠かせない「遠見師」を迎えに行く航海中です。 海神の導きによって辿り着いた島では宝を守る魔狼が待ち構えていたり、幽霊船との砲撃戦をしたり、今回も海洋冒険らしさが盛り沢山! 遠見師のいる島に辿り着くと、現れたのは森を背負っているかのような巨大生物……果たして、ヴァルグ一行は勝てるでしょうか! (天) 2026年8月27日(木)東洋夏 FT新聞 No.4964 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.9 ・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「怨霊列車は夜笛を鳴らす」のリプレイ第9回目をお届けしました。 前作の『写身の殺人者』リプレイと同様に、主人公の一人は従騎士の少年・シグナス。そして二人目の主人公は、剣型ゴーレム「おどる剣」クロ。 人をさらう怪物〈怨霊列車〉なる、夜空を走る面妖な列車に乗り込んだ二人は、途中で従者のドワーフ・アルゴットを喪いながら、従者のコビット・ヨンと共にとうとう先頭車両に辿り着き、黒幕ダゲン・ラ・バーゲズと対峙します。 彼に操られているらしき女騎士グロリアとの戦いでは、ヨンがおもろじゃない事態に……! 怒りに燃えるシグナスを嘲笑うバーゲズ。この戦いは、絶対に負けられません! (天) 2026年8月28日(金)休刊日 FT新聞 No.4965 休刊日のお知らせ ・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! (葉) ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■FT新聞が届かない日があった場合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ FT新聞は休刊日でも「本日は休刊日です」というメールが必ず届きます。 未着の場合は、まず迷惑メールフォルダを一度、ご確認下さい。 もし迷惑メールにも全く届いていない場合は、それは残念ながらお使いのメールとの相性問題などで未着になっている可能性があります。 このところ各社のメールセキュリティ強化のためか未着のケースが複雑化しております。 未着の場合は、下記ページをご参考頂き、個々のアドレスの受信許可設定をお試しください。 https://ftnews-archive.blogspot.com/p/filtering.html *10回未着が続いた場合、そのメールアドレスはシステムより自動的に登録解除されます。再度登録する事は可能ですので、未着が続いた場合は、お手数ですがご自身で再登録下さい。 また【バックナンバー保管庫】は公開期間が2週間ありますので、その間にご自身でテキストを保存されたり、自分で自分にコピーしてメールを送られたりする等、ご活用お願いいたします。 ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月28日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4965
おはようございます。 本日は、タイトルのとおり休刊日です。 毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。 あなたの記事を、お待ちしております! FT新聞編集部一同 ■FT新聞へのご投稿はコチラ! こんな記事はどうかな?というご相談からでもぜひご連絡ください。 ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ■FT書房作品の通販はこちらから☆ FT書房 - BOOTH https://ftbooks.booth.pm ■FT書房YouTubeチャンネルはこちら! https://www.youtube.com/channel/UCrZg-eTeypwqfjwQ4RNIvJQ ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月27日木曜日
ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイvol.9 FT新聞 No.4964
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』リプレイ vol.9 (東洋 夏) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ FT新聞をお読みの皆様、こんにちは! 本日の担当は東洋 夏(とうよう なつ)。 ローグライクハーフ『怨霊列車は夜笛を鳴らす』のリプレイ小説をお届けいたします。 冒険の舞台は、夜を駆け、人をさらうという謎の〈怨霊列車〉。調査を依頼された十二歳の見習い聖騎士シグナスと、その相棒〈おどる剣〉のクロ。そして従者に「面白いこと」を愛するコビット族のヨンという布陣で進んでいきます。 前回vol.8では、ついに〈怨霊列車〉の主ダゲン・ラ・バーゲズと対峙。躯(むくろ)を「役者」と称して蒐集する最悪のコレクターであるバーゲズは、シグナスたちに女騎士グロリアをけしかけます。従者アルゴットを手にかけた因縁の相手であるグロリアは、どうやらバーゲズに操られているようなのですが……。 さて、女騎士グロリアとの対決は如何なる次第となりますでしょうか? なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。 前口上はこれでおしまい。 いざ出発と参りましょう! ◇ 〈シグナス(レベル8、聖騎士)〉 ・技量点:0 ・生命点:7 ・筋力点:4 ・従者点:9 ・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】 ・持ち物:見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧(防御ロールに+1)、金貨14枚、スノーレパードアイ(金貨30枚相当の宝石)、騎士グロリアの指輪(金貨12枚の価値)、ランタン、食料1食分 〈クロ(レベル11、おどる剣、炎属性)〉 ・技量点:1 ・生命点:6 ・器用点:3 ・従者点:7 ・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】 ・持ち物:なし ◇ [先頭車両]最終イベント (承前) 「行きます!」 シグナスは覚悟を決めて前に飛び出した。グロリアの動きは速いが、稚拙に感じられる。もしかしたら彼女の意識と、何か男の魔力のようなものが、せめぎ合っているのかもしれない。ならば攻め立てるのは今だ。全身全霊で斬り込む。 (※〈騎士グロリア〉はレベル4、生命点4、攻撃数2。反応表は「死ぬまで戦う」。手がかりを消費すれば彼女が意識を取り戻して戦闘終了するのですが、残念ながら未獲得。戦うしかありません。バーゲズとの戦闘もありそうですから、ここはクロの【凶器乱舞】を控え、1ラウンドから戦闘開始します。1ラウンド、シグナス【全力攻撃】を選んで成功。クロ、ヨンの攻撃は失敗。防御はシグナスとクロで対応して、成功) 「やあっ!」 グロリアと真っ向から撃ち合っては勝算が薄いと見、シグナスは相手の剣をかわして懐に潜り込み、脇の下に切先を突き立てた。 「おお、いいぞ!」 玉座の男が興奮のままに肘掛けを叩いて喚く。シグナスはそちらを努めて見ないようにする。 痛みを感じているのか、いないのか。グロリアの動きはぎこちないままで、剣の軌道も読みやすかった。日頃の鍛錬が身になってきたのかもしれない。数ヶ月前、悪夢連続殺人事件の渦中にあったころの自分なら、何も分からずに斬られていただろう。主人ノックスが個人的につけてくれた鬼のような剣術特訓にも、ちゃんと意味があったのだ。 (※畳みかけましょう! 2ラウンドはシグナスとクロの攻撃が成功。防御は均等に振り分ける原則からシグナスとヨンです。シグナス成功、そしてヨン……大失敗。ああ……) シグナスはグロリアの手首を狙って突き入れる。綺麗に入った刺突の衝撃でグロリアの手から剣がすっぽ抜けた。床を転がっていく剣を、目端のきくヨンが素早く捕まえてグロリアから遠ざける。 グロリアの注意が剣に向いた機を捉えて、ここぞとばかりにクロが急襲。グロリアの背後から体当たりする。その一撃は脆くなっていた甲冑ごと刺し貫いた。 しかしグロリアはなおも平然と動く。背中にクロを突き刺したまま、剣を抱えたヨンに向かって進む。 「捕まらないよ、おもろじゃないんでね!」 ヨンは軽やかに飛び退いた。そのはずだった。掴み掛かったグロリアのリーチの外へ、確実に距離を置いたはずだった。グロリアが人体の構造の限界を超えなければ。 ばきり、という破裂音が響くと同時に、シグナスは信じがたい光景を目の当たりにする。グロリアの腕が凄まじい速さで〈伸びた〉のだ。 「ヨンさん逃げて!」 シグナスは警告を叫ぶしかできない。クロはグロリアの背中で身を捩るが、何かに押さえつけられて抜けない。ヨンはグロリアの左手に捕まって躯の壁に押し付けられ、右手で剣を取り返され、そして首に真一文字の鮮やかな赤い線が開かれた。 「ヨンさん!」 一拍遅れて傷から血が吹き出す。あれほど雄弁だったコビットの口からは、何の言葉も転がり出しては来ない。ねえ、ヨンさん、その冗談こそおもろじゃないよ……。 シグナスは嵐の只中に立っているようだった。轟々と耳鳴りがし、視界はびしょ濡れで何も見えず、手足は我が物ではない力に引っ張られてふらついている。何かを叫んでいるような気もしたが、分からない。 その世界を破ったのは拍手の音。玉座から身を乗り出したバーゲズが、感無量の顔で喝采を送っていた。 「どうかね、シグナス。炎を操る剣、起き上がる骸骨の家臣、記憶喪失風味、それから今のが最新のギミック、伸びる腕だ! おおそして忘れてはならぬスパイス、失われる友人! 波乱にはバリエーションのあった方が面白いだろう。観客は飽き性だからな、仕掛けも常に驚きを持たせねばならぬ。お前の躯には何を仕掛けようかシグナス。何をしたらお前の主人は喜ぶかね? ん?」 「だ……」 「もう少し大きな声で発言したまえ」 「黙れっ!」 「おっほほぅ、これは良い。怒ったか。正義の為に怒っている。合格と言いたいところだが」 玉座の男が指を動かすと、グロリアがシグナスに向かってきた。その腕はまたも伸び始め、先ほどとは違う角度に曲がりながら、剣の切先がシグナスの心臓を狙っている。 「さあどうする、切り抜けてみせよ!」 (※3ラウンド。シグナス、【全力攻撃】を選んで成功! グロリアの生命点が0になりました) この時、シグナスの精神は怒りと混乱が極まって真っ白な状態だった。何もない。だからこそ、迷わず動けたのだろう。ここはナリクのリエンス屋敷の裏庭で、主人ノックスが傍にいる気がした。 『相手よりも得物が短ければ、懐に飛び込むことだ。迷うな。速さで勝れば良い』 シグナスは腕を無視する。死中にあって働いた勘だった。玉座の男がグロリアを操っているなら、騎士としてのグロリアの運動能力は削がれているはずだと。びゅんと音を立てて耳の横を剣が通り過ぎる。シグナスはグロリアの胸に深々と剣を突き立てた。 「そこまで!」 玉座の主の一声で、グロリアの体から力が抜ける。女騎士は糸を切られた操り人形のようにばたりと床に倒れ、ぴくりとも動かなくなった。その背中からようやく解放されたクロが這々の体で抜け出して、シグナスに寄り添う。 「素晴らしい友情だ。私はゴーレムをコレクションに加えるのは初めてだが、上手く処理してみせよう。揃いで運用する」 「バーゲズ卿、僕はあなたを許しません」 高笑いが玉座の間を満たした。壁に押し込まれた躯たちが、どちらに同意を示しているものか、かたかたと細かく震える。 「おおシグナスよ。前座として楽しませてもらった故、今の無礼は許す。だが我が手中に収むるのは既定の事実であることを忘れるな」 「決まってない」 「オリジナリティを出そうとする。良い。これは独創的に違いない。健気な従騎士とゴーレム。その魂を握られて我が身を差し出す聖騎士は、猟犬の異名を持つ冷酷非情と思われた悪魔殺し。万雷の拍手で迎えられることであろう! 決めたぞシグナス。お前たち主従を揃えたら、列車はナリクへ飛ぶ。聖騎士団だ。合戦をさせよう。王女をさらい、飛竜の炎で焼き尽くされる様を演じる我が聖騎士団!」 シグナスは玉座の主に剣を突き付けた。 「卿、あなたと何も話す必要がないことは分かりました。絶対に、許さない!」 「そう急くな。お前のポテンシャルを全て引き出してやらねばならん。どれ」 玉座の主が指を鳴らすと、突然グロリアの躯が爆発する。 (※最終イベント第2ラウンドのゴングが鳴ります。シグナスくん、負けるんじゃないぞ! 〈怨霊公爵ダゲン・ラ・バーゲズ〉はレベル5、生命点4、攻撃数3。0ラウンドに非情にもグロリアの躯を爆発させることで攻撃を加えてきます。この攻撃は奇襲かと思いますので、先に処理しましょう。対象は1d3名。ここは1名と出ましたので、シグナスで対応します。【生命ロール】(目標値5)に対し、出目2でセーフ) 「うっ……!?」 シグナスは直撃をかろうじて避けたが、突然の炎に目が眩んだ。 「はははははは、仕掛は多い方が良い!」 (※引き続き0ラウンド、クロ【凶器乱舞】成功。1ラウンドの攻撃はシグナスが【全力攻撃】を成功させます。防御はシグナス2回、クロ1回で割り振ります。この防御でシグナスくんが大失敗(ファンブル)しますが、車掌さんのパッチン♪パワーによって成功に転換します。そしてクロもひっそり防御失敗) 剣を手にした玉座の主が、炎の幕の向こうから飛び出してくる。あわやというところで、クロが鋭く宙を舞って、剣を振り上げた玉座の主の腕をすっぱりと斬り落とした。ごとりと床に落ちたその腕は、白骨である。 「そうだ、お前のポテンシャルも引き出してやらねばならんのであったな!」 「真っ平御免だ」 「拒否権が無いという事実が飲み込めんとみえる。これだから平民は」 シグナスが飛びかかる。その一撃は、見事に玉座の主のもう一方の腕を斬り落とした。白骨が、がらがらと音を立てて床に散らばる。ダゲン・ラ・バーゲズもとっくに生者では無くなっているのだ。 「これ以上、戦う必要はありません。あなたは武器が持てないんですから。降参を!」 「うむ良い良い。その展開も鑑賞者を楽しませる。斬り込んでみよ」 「なにを……っ!?」 「挑発に乗るなシグナス!」 「勇気はどうした、聖騎士シグナス」 玉座の主の無防備な胴体を目掛けて突進しようとしたシグナスは、耳元で「緊急信号!」と叫ぶ声に不意を撃たれて、たたらを踏む。その靴先を掠めて白骨の爪が振り下ろされ、激しく床を削った。白骨で抉られた床は瞬間的に氷結する。足を止めなければ、今ごろ引き裂かれた体ごと氷漬けになっていたはずだ。 その一方、シグナスのすぐ横を飛んでいたクロは別の白骨の手に追いかけられている。それぞれに剣を持った二本の手。正確無比な剣撃は達人のそれで、しかもグロリアのそれのように伸縮自在な骨の腕ときた。自分よりも格上の〈おどる剣〉に追い立てられるのと等しい話で、瞬く間にクロは防戦一方に追い込まれ、数合の斬り合いの後ついに撃墜された。床に叩きつけられたクロは、屈辱に悶える。鎌首をもたげた二本の腕が、剣の切先を絡ませて嘲笑っていた。 「おお、どうやって避けた?」 玉座の主はシグナスに興味津々である。しげしげとその顔を覗き込み、 「あやつか! 車掌の分際で余計なことをしよってからに。まあ良い、続きだ。この幕は長いほど楽しめるであろう」 ◇ 今回のリプレイはここまでです。 ヨンさんとのお別れの時が来てしまいました。 厳しさもまたローグライクハーフの醍醐味とはいえ、短いながら印象的な人物であったがために別れの寂しさもひとしお。 元凶たるバーゲズに完膚なきまでに勝利して、はなむけとしたいところです。 ねえヨンさん、シグと剣どんのこと、もう少しだけ見守っていてくださいね。 それでは、また最終車両にてお目にかかりましょう。 良きローグライクハーフを! ◇ (登場人物) ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉で、元人間だと主張。 ・ヨン…身長1メートルほどの陽気な種族「コビット」の兵士。面白さがすべて。グロリアとの最後の対決にて落命。 ・アルゴット…土を掘り、金属を加工する技術に優れた種族「ドワーフ」の兵士。グロリアの火球により落命。 ・グロリア…サン・サレンの女騎士。バーゲズの命令でシグナスに襲い掛かるが……。 ・ダゲン・ラ・バーゲズ…〈怨霊列車〉の主。役者と称して躯(むくろ)を蒐集する、最悪の手合い。 ■作品情報 作品名:『怨霊列車は夜笛を鳴らす』 著者:ロア・スペイダー イラスト:海底キメラ 監修:杉本=ヨハネ 発行所・発行元:FT書房 購入はこちら https://booth.pm/ja/items/6820046 『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。
2026年8月26日水曜日
第5回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4963
第5回【エメラルド海の探索】ローグライクハーフリプレイ ※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。 ぜろです。 ローグライクハーフ「エメラルド海の探索」の冒険譚です。 今回の主人公たちは、元剣闘士で熟練の傭兵ヴァルグと、彼と行動をともにする、左腕に「獣の腕」を宿す少年ハルト。 貿易都市ビストフの領主マキシミリアンから受けた依頼はクラーケンの討伐。 海域を封鎖する海賊を退治した後は、クラーケンの居所を探る遠見師エラ・シエロの捜索。 その最中、嵐を抜けた海に突如現れた幻狼の島。 海神の導きを感じ上陸した面々ですが、玄室から出現した魔狼たちに取り囲まれてしまうのでした。 【ヴァルグ レベル19 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【ハルト レベル9 技量点1 生命点7 筋力点4 従者点8】獣使い 「クラーケンぶっ殺し」号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 ●アタック02-4 魔狼との死闘【ハルト】 玄室からのっそりと出てきた巨大な狼。師匠が言うには「悪魔」の類だという。 その狼が呼び寄せ、森から飛び出してきた三匹の黒狼。 オレたちは完全に取り囲まれてしまった。 船長やコビットたちを守って戦わなければならない。 「ヒース、いけるか?」 「ギャウゥ」 嵐を抜けてから、ヒースの体調が良くない。船酔いなんだと思う。 それでもヒースは火を吐こうとした。しかし、うまくはいかなかった。 「ありがとう。ヒースはみんなを守ってくれ。オレと師匠であいつをやっつける」 師匠はというと、肩をこきこきと鳴らし、二刀流で高揚している。 「動きが軽いってのはいいねェ。遠慮なくやらせてもらう……ぜッ!」 そして周囲の黒狼を無視して、いきなり魔狼へとしかけた。 しかしそれは、黒狼が妨害し、阻まれてしまった。 「邪魔すんなボケェ!」 オレは黒狼の一匹を相手取る。動きの素早い獣に、オレの武器は相性が悪い。 襲いくる黒い狼に、オレの黒い腕から繰り出される巨大な槌。 黒狼がまっすぐ飛び込んできたおかげで、オレの横殴りの一撃が一匹を吹き飛ばした。 しかし、残る一匹がコビットたちの方へと向かってしまう。 「船長!」 オレは船長の技量に期待する。 しかしその前に立ち上がったのは、ヒースだった。 ヒースはコビットたちに向かった黒狼に、横合いから体当たりをしかけ、かみついた。 火を出せないなら牙をむく、と言わんばかりに。 「ヒース、無理はしないで」 「ギャウ!」 そのとき、魔狼が動いた。 巨体とは思えないすばやさで師匠を襲う。師匠が回避すると、次はオレへと突進してきた。 けれどもオレの目線は、残り一匹の黒狼が、ヒースに向かうのを捉えていた。ヒースは目の前の黒狼を倒すのに夢中で気づいていない。 いけない! オレはとっさに走り込み、ヒースと黒狼の間に割って入った。 槌でけん制し、黒狼の攻撃を防ぐ。そこへ魔狼がオレに飛びかかる。 オレは押し倒され、魔狼の牙を「獣の腕」で受けた。 「ぐうっ」 鋭い痛みが走る。同時に血がたぎり、目の前の獣を倒せと心の中でなにかが叫ぶ。 「俺を無視すんじゃねェッ!」 師匠が、残り一匹の黒狼をあっさりと蹴散らし、さらに聖剣で魔狼に斬りつけた。 それは魔狼に確実なダメージを与え、オレの腕は自由になった。 呼び寄せた黒狼をすべて倒され、傷を負ったことで、オレたちが油断ならない相手と悟ったのだろう。 魔狼は距離を取り、オレたちを威嚇する。 「そっちから来ねェなら、こっちから行くまでだ」 師匠が魔狼を追う。オレは師匠について動く。 魔狼が大きく跳躍した。師匠は軽いステップでそれをかわすと、魔狼に斬りつけ、ダメージを重ねてゆく。 魔狼は標的を変えた。 まっすぐオレに向かってくる。さっき傷を負わせたオレの方が、与しやすいと思われているんだ。 悔しいけど、そのとおりだ。 魔狼に巨体で押さえつけてくる。オレはまた地面に倒されてしまう。 防戦一方だ。 そこにヒースが魔狼の横腹にかみついた。 ヒース、オレを助けようとして必死になってくれてる。 しかし魔狼が身体をふるわせると、ヒースははじき飛ばされてしまった。 魔狼がオレに牙をむく。 オレは身を護るために腕を突き出す。 それは右腕。普通の腕の方だ。 魔狼は突き出された右腕に、鋭い牙をつき立てた。 激しい痛みが走る。しかしそんなことではオレの血のたぎりは抑えられない。 これでいい。魔狼の動きは止まった。 「ウオオォォォ!!」 心の叫びを声にして、オレは獣の腕で、渾身の力を込めて、魔狼の顔面を殴り飛ばした。 魔狼は情けない叫び声を上げ、バウンドしながら地面をゴロゴロと転がり、ぐったりと横たわると動かなくなった。 「ハルトにおいしいトコ、取られちまったな」 師匠は倒れた魔狼を確認すると、トドメを刺した。 [プレイログ] 【66 玄室の魔狼】 【玄室の魔狼 レベル5 生命点4 攻撃回数2】 【黒狼 出現数3 レベル5】 【0ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目1 ファンブルで失敗 【1ラウンド】 ヴァルグの攻撃 サイコロの出目1 ファンブルで失敗 ハルトの攻撃 サイコロの出目3+修正2 黒狼3匹→2匹 ヒースの攻撃 サイコロの出目5 黒狼2匹→1匹 魔狼の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目2+修正3=5 回避 ・ハルトの回避 サイコロの出目3+修正1=4 命中 ハルトの生命点7→6 黒狼の攻撃 ・ヒースの回避 サイコロの出目3 命中 ここでハルトが【騎馬防御】を発動。筋力ロールに成功すれば、騎獣へのダメージを無効化できる サイコロの出目2+修正4 防ぎきった ハルトの筋力点4→3 【2ラウンド】 ヒースの攻撃 サイコロの出目4 外れ ハルトの攻撃 サイコロの出目2+修正1=3 外れ ヴァルグの攻撃 サイコロの出目6 黒狼1匹→0匹 追加攻撃 サイコロの出目6 魔狼の生命点4→3 追加攻撃 サイコロの出目1 ファンブル 魔狼の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目4+修正3=7 回避 ・ハルトの回避 サイコロの出目6 クリティカルで回避 【3ラウンド】 ヴァルグの攻撃 サイコロの出目5 魔狼の生命点3→2 ハルトの攻撃 サイコロの出目3+修正1=4 外れ ヒースの攻撃 サイコロの出目5 魔狼の生命点2→1 魔狼の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目5 回避 ・ハルトの回避 サイコロの出目3+修正1 命中 ハルトの生命点6→5 【4ラウンド】 ・ハルトの攻撃 サイコロの出目5 命中 魔狼の生命点1→0 勝利 ●アタック02-5 さまよえる幽霊船【ポール】 「皆、喜べ! ばく大な財宝を発見した。これは海神の導きである!」 船長が高らかに宣言する。探索隊は、大量の財宝を手に戻ってきた。 留守を守る船員たちは大いに盛り上がり、各々のポーズで海神に祈りを捧げる。 玄室を守る狼の姿をした悪魔を退治したという。 今回も、ヴァルグもハルトも大活躍だったらしい。なぜだか私も誇らしい気分になる。 ハルトは右腕に包帯をしていた。無傷というわけにはいかなかったようだ。 それでも、嵐の海を抜けてのこの成果は、海神ホリィドゥーン様の導きによるものだと確信できた。 船員たちに囲まれ、褒めたたえられるヴァルグとハルト。 普段と変わらぬヴァルグに比べ、少年らしい照れくさそうな表情を浮かべるハルトが印象的だった。 ハルトの代わりにヒースが喜色をたたえ「ギャウ」と鳴いた。 まだマントはしているものの、もうフードで顔を隠してはいない。 無口な印象だった少年は船員たちに受け入れられ、少しずつ変わっていた。 予期せぬ財宝を手に入れた私たちは、遠見師エラ・シエロ探しの船旅を再開する。 数日後、見張りが海原を漂う一隻の船を発見した。ボロボロに朽ちた帆船だ。 かなり古びており、見たところ乗組員が操船しているようには見えない。ただただ漂っている。 「生存者がいないことを慎重に確認しろ。遺体は海葬だ。船は……状態を見て判断する。曳航に耐えられるなら引き取る。貴重だからな」 ハーツデイル船長は甲板に立ち、双眼鏡を目に当てながら淡々と指示を出している。 それから、横に立つハルトの方をちらりと見た。 「しかし今回のように、目的があって船の回収ができないときや、港から遠すぎて曳航できないときは、船ごと海に沈めるのがならわしだ。なぜだかわかるか?」 ハルトは首をひねり、眉を寄せた。 「さっぱりわかりません。船ごと沈めるなんてもったなくないですか。砲弾だって貴重なのに」 「怨念を残した船を放置すればやがて幽霊船となり、海をさまよって他の船を引き寄せ、沈めていく。だからこそ、幽霊船になる前に海に還してやるのだ」 そのとき、ハルトに並んで船を眺めていた、ヴァルグの鋭い観察眼が違和感を感じ取った。 「あの船の砲門、動いてねェか?」 「なんだと!?」 船長が双眼鏡を構え直す。船長の表情に緊張が走る。 「調査は中止だ。戦闘配置! 奴はもう『幽霊船』だ! 面舵いっぱい!」 私とニーナは慌てて左舷の砲座にとりつく。 「ハルトちゃん、しっかりつかまりな。海に投げ出されないように」 白奴に言われたハルトは体を低くし、ヒースをしっかりと抱き寄せた。 船は右に大きく旋回をはじめ、ゆるやかなカーブを描きながら幽霊船に接近していく。 それとともに、徐々に左舷が幽霊船を正面に捉えてゆく。 幽霊船の砲門が視界に入った。それはぐねぐねと異様な動きをしていた。 明らかに人の手によるものではない。まるでそれ自体が得体の知れない生き物のような動きだった。 「わああっ!」 恐慌をきたしながら砲撃する。 そんな状態での砲撃だったが、十分な距離と角度を得ていたため、それでも幽霊船の船体に着弾した。 その時、私は見た。幽霊船に、無数の黒いもやのような人影が乗っているのを。 それらは、無言で私を見つめていた。まがまがしい呪詛の声が聞こえてくる。 ドウン! 大きな音がして、幽霊船の船体が大きく揺れた。ニーナの砲撃だ。 「飲み込まれてはダメ。自分を取り戻して!」 ニーナの叫びに、はっと我に返る。 そこに反撃がきた。幽霊船の砲撃はしかし本船には当たらず、近くの海に水柱を上げるのみ。 命中精度はかなり低い。 「取り舵だ! 左舷を敵船に向けたまま周回するぞ」 ハーツデイル船長が的確な指示を下す。動きのない幽霊船に対して有効な戦術だ。 私は幽霊船の怨念におそれおののいていたが、現実的な砲撃の応酬に、徐々に自分を取り戻していた。 敵船の操船技術は低い。砲撃もつたない。これなら……! 私とニーナの砲撃は次々と幽霊船の船体を傷つけてゆく。 いける。このまま押しきれば……! 幽霊船からの砲撃は、次第にその精度を増してきた。 そして黒い霧をまとった砲弾が、うなりを上げて飛んできた。 「ッ!」 左舷の砲座近くに仁王立ちしていたヴァルグが、動いた。 彼はあろうことか、甲板に深く踏ん張り、両手の剣を交差させて砲弾を正面から受け止めたのだ。 ガァァンッ!! 耳をつんざく金属音とともに、砲弾が空中で弾き飛ばされた。 信じられない光景だった。 人間の力で砲弾を弾くなど、ありえない。 「ぼさっとすんな! さっさと沈めちまえ!!」 私はその声に背中を押され、夢中で砲撃を続けた。 やがて幽霊船の船体が大きく傾いた。砲弾が二発飛んでくる。最後のあがきだ。 しかしまずいぞ。これはどちらも着弾コースだ。 「チィッ!」 ヴァルグがふたたび動き、腕の筋肉をパンパンに膨らませ、また一発の砲弾を力任せにはじいた。 しかしもう一発を同時に防ぐことはできない。 「着弾するぞ。衝撃に備えろ!」 船長の号令。 そこに小さな影が走り込んできた。 ハルトだ。 そしてハルトは驚くべきことに、着弾寸前の砲弾を、獣の腕で力任せに殴り飛ばした。 弾かれた砲弾は、黒い霧をまき散らしながらコースを外れ、海へと落下していった。 砲弾を素手で殴りつけるとは! まったく、なんて師弟だ。 その頃には幽霊船の船体はほぼ横倒しになり、砲門をこちらに向けられない状態になっていた。 私はダメ押しの砲撃を加えた。 「もう良い。撃ち方やめ」 船長が号令を下す。 私が目にしたのは、浮力を失った幽霊船が、黒い霧ごと溶けてゆくように、ゆるやかに海中へと没してゆく光景だった。 オオォ……オオォオォ…… 生きとし生けるものに呪いを振りまく呪怨の声も、徐々に薄れ、消えていった。 [プレイログ] 【66 玄室の魔狼】 宝物判定2回 サイコロの出目5 1d6×1d6のアクセサリー サイコロの出目2と6 金貨12枚の価値のアクセサリー(狼の刻印の腕輪) サイコロの出目4 1d6×5の宝石 サイコロの出目5 金貨30枚の価値の宝石(エメラルド) 手がかりを用いて財宝を発見する。 精巧な彫刻が施されたアクセサリー(金貨120枚) ハチミツの塊を消費し、ハルトの生命点1点回復(5点→6点) 【中間イベント 幽霊船の襲撃】 【幽霊船 レベル4 生命点7 攻撃数2 ダメージ2 防御点1】巨大なクリーチャー 器用ロール目標値5。 ヴァルグ サイコロの出目3+技量点2=5 成功 ヴァルグが幽霊船を発見。先攻する。 ※この処理は間違い。先攻の判定ができるのは本来、〈物見〉を連れている時だけ。 後に気づいたのでそのままとし、ヴァルグが鋭い観察眼で発見した描写に繋がった。 【0ラウンド】 ポールの砲撃 サイコロの出目3+技量点1 命中 幽霊船の生命点7→6 ニーナの砲撃 サイコロの出目3+技量点1 命中 幽霊船の生命点6→5 幽霊船の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目6 回避 【十字剣】発動。次ラウンドの幽霊船のレベル4→3 ・ハルトの回避 サイコロの出目5 回避 【1ラウンド】 幽霊船のレベルが4→3に ポールの砲撃 サイコロの出目4 命中 幽霊船の生命点5→4 ニーナの砲撃 サイコロの出目3+技量点1 命中 幽霊船の生命点4→3 幽霊船の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目2+修正2 回避 ・ハルトの回避 サイコロの出目2+修正1 回避 【2ラウンド】 幽霊船のレベルが3→4に ポールの砲撃 サイコロの出目2+技量点1 外れ ニーナの砲撃 サイコロの出目4 命中 幽霊船の生命点3→2 幽霊船の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目6 回避 【十字剣】発動。次ラウンドの幽霊船のレベル4→3 ・ハルトの回避 サイコロの出目4 回避 【3ラウンド】 幽霊船のレベルが4→3に ポールの砲撃 サイコロの出目5 命中 幽霊船の生命点2→1 ニーナの砲撃 サイコロの出目1 外れ 幽霊船の攻撃 ・ヴァルグの回避 サイコロの出目2+修正2 回避 ・ハルトの回避 サイコロの出目3 回避 【4ラウンド】 幽霊船のレベルが3→4に ポールの砲撃 サイコロの出目5 幽霊船の生命点1→0 勝利 宝物判定 サイコロの出目1+修正1 金貨1d6枚 サイコロの出目1 金貨1枚入手 ●アタック02-6 遠見師の島【ハルト】 幽霊船が消えると、霧が晴れたかのように、さあっと視界が明るくなった。 深みをたたえたディープブルーから、エメラルドのような鮮やかな緑がかった輝きへ。 その海の色を反射して、空気の色まで明るくなったみたい。 「皆、ご苦労だった。おかげでエメラルド海に入ることができたぞ」 船長が、ここまでの旅路をねぎらうように言った。 「南方から流れてくる暖流。それがエメラルド海のトロピカルな色あいを作り出してんだ」 いつの間にかオレの隣に来ていた白奴が、説明してくれた。 パシャン、と水音がした。船が水を切る音とは違う。 船と並走するように、跳ねながら泳ぐ生き物が目に入った。 「おやイルカじゃないか。しかも白いとは珍しい」 「ピュイ! キューイ!」 イルカというらしいその生き物は、高音で歌うような鳴き声を奏でた。 そしてやがて、船を追い越し、先導するかのように進み始めたんだ。 「この動きは……船長」 「ああ。イルカは賢い生き物だ。ホリィドゥーン様の加護を受け、我々を案内してくれているのかもしれん」 「では」 「ああ。あの白きイルカの導きに従ってみよう」 クラーケンぶっ殺し号は、イルカを追うように進む。 途中で一見何もないように見える海域を迂回するように航路を変える。 その頃にはオレも、イルカが船を導いているように感じ始めていた。 やがて島影が見えてきた。 白イルカは「キューイーー」と鳴きながら、胸のあたりにあるひれをぶんぶんと動かした。 それはまるで、手を振って別れを告げているようだった。 そしてざぶん、と海に潜ると、その姿は見えなくなった。 「おお。あれは。あれこそが『遠見師』の住む島に違いない」 島の形が鮮明になってくると、船長はそう宣言した。 中央にこんもりとした森のある小さな島だ。 森の入口付近に粗末な造りの小屋があるのが船からも見えた。 「上陸するぞ。『遠見師』を丁重に迎え入れねばな」 ハーツデイル船長自らが赴くという。 下船するのは、船長、師匠、そしてオレの3人だ。 「なんでェ。俺じゃ信用ならないってのかよ」 師匠が詰め寄るように言うと、船長はため息まじりに言った。 「むしろ、君だから信用がならないんだがな。礼儀作法など最も遠いところにいる男だろう、君は」 そう言われては、師匠は何も言い返せない。 正直、それにはオレも内心、激しく同意してしまった。 小舟を降ろし、上陸する。 オレと師匠がまっすぐ小屋を目指そうとすると、船長が制止をかけた。 「待て。止まれ」 「どうした。小屋に行くんじゃないのか?」 「この砂浜は、迂回して進む」 「なぜだ?」 船長と師匠のやりとり。 「この砂浜は……危険かもしれない」 「ただの砂浜だろ?」 「だといいんだが……確かめてみよう」 船長は、付近にいた手のひらサイズのカニを素早くつかむと、砂浜の方に放り投げた。 ぽてっと砂に落ちたカニは、すぐに体を反転させて起き上がる。 「だからなんだ。なんもねェじゃねえか」 師匠が言った瞬間、ざばっと盛り上がった砂が腕のように勢いよく伸び、一瞬でカニを飲み込んでしまった。 「やはりか。砂アメーバ。砂浜に擬態したクリーチャーだ。人くらい簡単に飲み込んでしまう」 オレは思いもよらない砂の動きに息を呑んだ。 砂に紛れた怪物? 「なんでわかったんですか?」 「勘だ。あとは経験か」 砂アメーバの擬態は完璧で、動きを止めていたらまず発見できないという。 動いていてさえ、風もないのに砂がちらつく程度の違和感でしかわからないらしい。 オレたちは砂浜を迂回し、ゴツゴツした岩場の方から内陸へ歩みを進めた。 「『遠見師』エラ・シエロってどんな人なんですか? どうしてこんなところに住んでるんです?」 「当然の疑問だなハルト君。彼女は、世間との繋がりを絶って隠棲していると言われている。その理由まではわからないがね」 「船長はどうして場所を知って……」 「会った者、助力を得た者はいる。そこからもたらされた情報だ」 あと少しで小屋というところで、ゴゴゴゴ、と山鳴りのような音が響いた。 オレは足を止め、視界を上げる。 それは信じられない光景。 森が、動いた? オレの視界の先、小屋の向こうの森が、動いていた。 いや、違う。森が動いてるんじゃない。 バキバキ、メキメキ、と木々が折れる音。 そうして、木々をかき分けるようにして、巨大な殻を背負った生き物が姿を現したんだ。 背中の殻には苔、それどころか小さな木々までが生え、まるで小さな森を背負っているよう。 「なんて巨大なヤドカリだ。まるで要塞だな」 船長に「要塞」と名づけられたヤドカリの太い脚が地面をえぐり、木々を押し倒し、こちらに向かってくるのだった。 次回、要塞ヤドカリの脅威! [プレイログ] 【21 イルカ】 ・反応表 サイコロの出目3 友好的 →今後の道案内の演出にしました 【43 幽霊船】 ・判定ロール 目標値4 で回避可能。 ヴァルグ サイコロの出目1 失敗 ハルト サイコロの出目4 回避に成功 →幽霊船イベントは中間イベントとかぶるので、イルカの演出で迂回させて登場させず。 【63 砂アメーバ】 【砂アメーバ レベル4 生命点8 攻撃回数3】 ・反応表 1 無視 【ヴァルグ レベル19 技量点2 生命点9 筋力点4 従者点9】剣闘士(元) 【装備】 片手剣(高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 聖剣(片手武器) 【アンデッド】【悪魔】に攻撃ロールプラス1 魔法の鎖鎧(生命点+2 防御ロール+1) 【食料】2 【金貨】20 【持ち物】 ランタン 魔法の大盾(従者の飛び道具防御+1) ハチミツの塊1(生命点+1) 魔法のつるはし 2回分 精巧なアクセサリー(金貨120枚) 【格闘術】【十字剣】【不屈の一撃】【神眼】 【未使用経験点】1 【従者】 ポール(砲兵) ニーナ(砲兵) 【ハルト レベル9 技量点1 生命点7→5→6/7 筋力点4→3/4 従者点8】獣使い 【装備】 槌(打撃/高品質) 初撃のみ攻撃ロールにプラス1 革鎧(生命+2 器用ロール+1) 【食料】2 【金貨】44→45 【持ち物】 ランタン 蟹座の彫刻(金貨300枚、持ち物欄2消費) ボロボロのペンダント(金貨1枚) →売却 浮力の胴着(水中ペナルティを無視。泳ぎの判定+2) 狼の刻印の腕輪(金貨12枚) エメラルド(金貨30枚) 【獣血】【凶暴化】【騎馬防御】 【未使用経験点】0 【従者】 ヒース(火吹き獣/技1)炎耐性 ・0ラウンド攻撃からすみやかに1ラウンド攻撃が可能 ・特定のクリーチャーに2点ダメージ ●船 クラーケンぶっ殺し号 技量点1 生命点9 攻撃回数2 【砲撃】ダメージ2点 船の強化 【船体補強】生命点+2 【煙霧放出器】巨大クリーチャーからの防御ロール+1 3ラウンドまで ■登場人物 ヴァルグ 元剣闘士の傭兵。悪名は知れ渡っているが、危険な依頼は後を絶たない。 ハルト 自称ヴァルグの弟子の少年。左腕に「獣の腕」を持つ。 ヒース ハルトが連れている火吹き獣。火を吹く。騎乗生物のため乗ることも可能。 ポール クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。砲撃手になりたての青年船員。 ニーナ クラーケンぶっ殺し号の砲撃手。ポールとは知り合いの女性船員。 ヴィルヘルム・マクシミリアン ビストフを治める領主。ネグラレーナを統治するマクシミリアン家と名を連ねる者。 ハーツデイル クラーケンぶっ殺し号の船長にしてビストフの貴族。 エラ・シエロ 遠見師。クラーケンの居場所を探るのに必要な人材。 白奴 コビット乗組員たちをまとめるチーフ。 ■作品情報 作品名:ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 著者:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ 発行所・発行元:FT書房 ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編 https://booth.pm/ja/items/4671946 ローグライクハーフd66シナリオ「エメラルド海の探索」 https://ftbooks.booth.pm/items/4941872 本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。