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2025年7月26日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第650号 FT新聞 No.4567

From:水波流
名著『ベデカー・ロンドン案内1905年度版』がAmazonオンデマンドで復刊!
私はネットで噂を聞いて第四刷をなんとか入手済みだったのですが、これがいつでも購入できようになったのは素晴らしい。
ヴィクトリア朝、ホームズ、クトゥルフバイガスライトなどが好きな人にはお勧めの1冊です。
というか、ヒラヤマ探偵文庫さんは
『ロンドン夜と昼 他の本では行けない場所ガイド』(1953年)
『写真集 1893年の大英帝国』
『写真集 1906年のロンドン』
『写真集 女王陛下のロンドン』
『テリーの日本案内 大正3年版』
とどれも珠玉の出来なのよ。タイトルでビビッときた方はぜひ。

from:葉山海月
メモに書かれた「マタマナ」
何のことかと思いましたら「エダマメ」やんかー!

from:くろやなぎ
今週の中山氏の記事は「世界地図」がテーマでしたが、架空の世界地図って、見てて楽しいですよね。
FT書房の作品でいえば、アランツァや竜鍵諸島。
アランツァなら、それぞれのゲームブックやシナリオ、あるいはワールドガイドなどの充実した情報と一緒に楽しめるし、
竜鍵諸島なら逆に、地図そのもの以外の情報が限られているぶん、書き込まれた地形やシンボルを眺めながら自由に想像を広げるのがワクワクします。
みなさんは、何かお気に入りの世界地図ってありますか?


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(明)=明日槇悠


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■7/20(日)~7/25(金)の記事一覧
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2025年7月20日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4561

Re:アランツァワールドガイドVol.12 蛮族都市フーウェイ
・今日配信するのは「アランツァワールドガイド」。
来月第一日曜に配信の、水波流氏のd33シナリオ、『汝、獣となれ人となれ』の舞台となる「蛮族都市フーウェイ」の再配信です。
の、はずでしたが、ゴメンナサイ!
次回は中山将平先生による『クトゥウルウの聖なる邪神殿』になりました!(詳しくは7月21日の記事をご覧ください)
ちょっと登場まで間が空きますが、『汝、獣となれ人となれ』の予習として!
どうぞよろしくお願いいたします。
(葉)


2025年7月21日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4562

真夏のホラー!
・夏です!  夏と言えば、ホラー!
実は1年以上前から、FT書房のメンバーである中山将平氏と「クトゥルフ×ローグライクハーフ」をやりたいと、相談してきました。
アランツァの世界にクトゥルフ的な要素を持ち込んだ「ローグライクハーフ」!
はたして、これがどういう化学反応を示すか!?
作者は、本書房のクトゥルフホラー大好きイラストレーター!
中山将平氏!
予定を変更して、8月の第1日曜日にリリース予定です!
どうぞお見逃しなきよう!
(葉)


2025年7月22日(火) 中山将平 FT新聞 No.4563

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回
・『カエルの勇者ケロナイツ』は、カエル人の世界フログワルドを舞台とする中山氏のオリジナル作品です。
その創作の中で見つけたこと、知ったことが書き綴られるこの連載、今回のテーマは「世界地図」。
これまでフログワルドのさまざまな側面が事細かに語られてきたので、地図についても充実したものが作成されている……と思いきや、実はフログワルド全体の世界地図は、まだ用意されていないのです。
「ファンタジーの地図を描くのが大好き」という中山氏が、なぜ、フログワルドの地図をまだ描いていないのか? そして、どのような条件が満たされたときに、世界地図が描かれることになるのか?
創作における、世界の地図を作ることの意味について、皆さんもぜひ一緒に考えてみてください!
(く) 


2025年7月23日(水) ぜろ FT新聞 No.4564

第2回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ
・冒険の目的は、とにかくお祭りを「楽しむ」こと! そんなわくわくするシナリオの描写はお手のもの、ぜろ氏のリプレイ第448回です。
露店巡りを続ける宇宙忍者ポストんと竜人ヨアケ。今回も、魔法陣から出てきそうな謎生物との遭遇から、おパンツのおかげで宇宙忍者活動に支障が出そうなポストん、黄金魚を見つけてテンションMAXのヨアケなど、キャラクターの個性と露店でのできごとが絡み合う展開に目が離せません。
そして迎えた中間イベントその1、突然の乱入者とのバトルの行方は?! ふたり(と黒子)の冒険はまだまだ続きます!
(く)


2025年7月24日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4565

子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』3 
・娘さんと一緒に過ごす時間が飛躍的に伸びた岡和田氏。
それを受けて(?) 今回紹介するものは、『甲竜伝説ヴィルガストRPG』。前回に引き続き、その顛末をつづります。
『甲竜伝説ヴィルガストRPG』に限った話でもないのですがオールドスクールなRPGをプレイしていると、しばしば直面するのが、「ルール面での不備や、言葉足らずな記述をどのように補っていけばいいか」という問題です。
厄介なのは、「基本体力」と「基本HP」、2つのデータが与えられていること。
基本HPに、職業ごとに推奨されている装備を組み合わせた合計のHPを足せばいいのか?
基本体力に基本HPと装備の合計加算HPを加えていくのか?
あなたがゲームマスターだったら、どう運営しますか?
(葉)

(編集部註)
本記事の配信時に一部誤りがありました。
「同作はA5判ながら」→「同作は四六判ながら」
訂正してお詫び申し上げます。


2025年7月25日 (金) 緒方直人 FT新聞 No.4566

機動灼熱追撃日記その4 
・『機動戦士ガンダム』の名作ゲームブック、『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』(山口宏 著 角川書店)
その復刻版に、リプレイの名手、緒方直人氏が追撃(リプレイ)をかけます!
前回、ズゴックA装甲無双のままに完全勝利を遂げたはずの緒方氏。しかし氏はこの戦いに満足してはいなかった!!
更なる熱いバトルを求めて、再プレイではあえて本作最弱MSのデザートザクにその身を投じます。
しかし激闘の果てに見えてきた壁とは、なんとこの作品そのもの!?
好みの辛さを選んで味わうことも勝者の特権。
緒方氏、禁忌ともいうべき再々追撃をかけます!!
(明)


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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ぜろさん)
東洋夏さん、FT新聞にてリプレイ連載開始、おめでとうございます!
いつかこの日が来るのを待ちわびておりました。ローグライクハーフ界隈を盛り上げている第一人者ですからね。これまでもキャラクターを深掘りする筆致で魅力的な物語を紡いできたことですし、この連載にも期待しています。X上で細切れに見るより読みやすくて嬉しいです(笑)
おどる剣を出すならやりたい組み合わせ、先を越されてしまいました。私もいつかやると思います。
それにしても最近は、FT新聞リプレイが充実してますね。これなら、超多忙な私が消えても……って、いやいや。まだまだ書きたいしプレイしたいので、ともに盛り上げたいと思います。

(お返事:東洋 夏)
ぜろさん、いえ、ぜろ先輩と呼ばせていただくべきでしょうか。お便りを頂戴するばかりか、参戦を歓迎してくださり、嬉しい限りです。
こちらは大先輩とお隣の曜日での掲載ということで、大変ドキドキしております。ぜろさんのような求心力に溢れる文章が書けるようになりたいものですが……。
ともあれ、ローグライクハーフをご一緒に盛り上げていけるならば、幸いなことです。
〈おどる剣〉と少年。この組み合わせは本当に魅力的ですよね! 先に取ってしまってごめんなさい。
しかしこの組み合わせは幾つあっても美味しいと思いますし、ぜろさんの創造されるコンビならばお味は保証されていると申して過言はないでしょう。
いつか剣に導かれた少年たちが出会ったら面白いかも、なんて妄想がすでに膨らんでいるところです。
ぜろさんのファンとして、今後のリプレイも楽しみにお待ちしております。


(くろやなぎさん)
FT新聞で連載中のぜろさんのリプレイを読んでいて、とても楽しそうだったので『竜鍵諸島〜フェスティバルだよ大集合!〜』を購入したのですが、設定資料集がものすごく充実していてびっくりしました!
(設定資料集があると知ってはいたのですが、実際に見ると、キュートなキャラクターたちと詰め込まれた情報量に圧倒されました!)
せっかくのリプレイ連載中の機会に、制作当時のエピソードやお気に入りのキャラクター、あるいはぜろさんのリプレイの中で好きなシーンや設定など、何かありましたらお聞かせいただけるとうれしいです。
ちなみに私は、ちょうど今週のリプレイで登場したキモリコの、設定資料集での愛読書の設定が面白い上にちょっと切なくて大好きです!
(フィクション)って…とか、愛読書なのに自分の本じゃないんかい!とか、あの1枚の絵だけで自分の情緒が忙しくなります…。

(お返事:ぜろ)
感想ありがとうございます。
やや! 私のリプレイで購入を決めていただいたとのこと。とてもとても嬉しいです。オールカラーでイラスト豊富で本当に素敵な作品ですよね。私は別作品(具体的には「龍の王女と大釜の魔女」)から海底キメラさんの挿絵が大好きになっておりますので、おもちゃ箱のように散りばめられたイラスト、挿絵の数々にほんわかした気持ちになりました。その雑多さが良いのですが、雑多がゆえにプレイ中には参照しきれてなくて、今回みたいに独自の解釈で進めたら、後でキャラ違うってことも時々起きておりまして、それはそれで楽しかったりも。
キモリコさん……私はかなり浅いキャラづけしかしていませんでしたが、そうやって読み込んでいくと、性格づけから内心まで伝わってきてかなり深いですね。湿布ドラゴンに捕まっているキモリコさんのイラストを拝見したら、湿布ドラゴン込みでかわいすぎて、これは助けたい!ってなりました。
設定資料集の中では樹人のエッダとジキに心惹かれましたが、本編ではほんの休憩所という感じだったので、もう少し活躍を見たくはありました。あとは相棒候補の脳みそロボ、パリン。あまりといえばあまりの見た目に、「このキャラは相棒にはすまい」と最初に思ってプレイしたのですが、このページをめくるたびに、放たれる異彩と謎の存在感に、後になってじわじわ後ろ髪を引かれるという不思議な感覚に。さすが謎の生命体です。あとキャラクターではないですが、このワールドマップがもう好きで好きで。ワールドマップのマグネットとかTシャツとかトートバッグとか購入してしまいました。休日には竜鍵諸島マップTシャツで活動しています。
制作当時のエピソードといえば……この作品をプレイするにあたって、作品の雰囲気をつかんでいるうちに、「ポストん」というネーミングが急に降ってきたんですよね。カタカナとひらがな混じりのこの混沌としたネーミングが世界観に自然と溶け込めそうに思ったんです。どちらかというと名前を考えるのは苦手な方なので、私には珍しい体験でした。
いけない。思わず長く語りすぎました。続きは次回の本編をお楽しみください。


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2025年7月25日金曜日

機動灼熱追撃日記その4 FT新聞 No.4566

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《機動灼熱追撃日記 その4》

 緒方直人
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前回までで無敵A装甲ズゴックでバトル無双という荒業に丸々乗っかり、安々とゲームクリアをもぎとった筆者。
しかし、ほぼダイスバトル無しで終わってしまったという虚しい勝ち名乗りに、果たして価値はあるのだろうか。
やり場のない憤りに悶え苦しむ大いなる拗らせ野郎、、、もといゲームブック大好きっ子な筆者は、他の機体による別ルートクリアにその一縷の望みを見い出すのであった。


ハイ、それではリスタートです。
やはりズゴックはいかんですよ。強すぎです。チートすぎです。中にジャスティスでも入ってんすか。ちゃんと弾数制限のある実弾武器を使って、ダメージ計算もちゃんとして、本来の設計であるリソース管理ゲームとして楽しんで、それで灼熱の追撃を攻略してやるのです。


そんじゃま、MS選択からやり直しますかね。
今度はデザートザクを選びます。こいつが間違いなく本作で最弱です。ドムはB装甲&最大機動P15に対して、デザートザクはC装甲&最大機動P12ですから。装甲が薄いけど機動性は高いYO! とかですらない。
こいつでクリアができれば、間違いなく灼熱の追撃は完全攻略したと言えるでしょう。再びやぁってやるぜ!


@ジョン・クエスト 熟練P【0】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/10】 近接武器:ヒートホーク


ちなみにジョン君の持ち物が変わってますが、これは選んだMSのコクピット内によっておまけアイテムが異なる仕様のためです。全部調べてから行けばよかったのにね。


さーて攻略ルートはどうすんべっと。
まぁ、おおむね前回プレイのルートが最適解なのは間違いないのでそれを踏襲しますが、どの敵に戦いを仕掛けるか逃げるかは、今回の貧弱C装甲のダメージ量を考慮して変えていくことになるでしょう。
まずは初戦のジムキャノン戦ですが、いきなり逃げます、撤退(汗
ズゴックじゃないのでキャノン砲では普通にダメージ食らいますからね。敵も機動Pが6もあるのでダイス目が8−1じゃないとバズーカ当たりませんからね。すたこらさっさ。


次のバルカンジムでようやく勝ちの目が出てきますので、初戦闘。
敵は紙クズD装甲なのでバズーカ1発がヒットすれば倒せます。それでも敵の機動Pは4もあるので、熟練ゼロのジョン君ではダイス差−4、これはなかなか当たりません。
しかし、ココは初戦。勝てなきゃ勝てるまでリセマラすればいいだけの話です。何度目かの泥仕合の末、ようやく5ターン目でヒットダイスが出て勝利できました。熟練P+2。


@ジョン・クエスト 熟練P【0→2】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10→5】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/10→5】 近接武器:ヒートホーク


こっちもゴッソリと機動Pが減りましたが、幸いすぐ先にひとつめの補給ポイントがありますのでここで機動Pとバズーカ弾を全回復できます。助かる。
お次の強敵ビーム戦車からの逃亡は変わらず。手持ちのヒートホークをドロップしてしまいますが、先のディックルートの残骸グフから同じものを回収できるので無問題。もちろん高機動バックパックも忘れずにゲット。


@ジョン・クエスト 熟練P【2】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/5→12】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/5→10】 近接武器:ヒートホーク
 高機動バックパック(攻撃&回避P+2)


続いてはガンタンクII戦。コイツは楽勝。満タン機動Pとバックパックのおかげで回避はスイスイ。1発で速攻仕留めました。熟練P+2。


@ジョン・クエスト 熟練P【2→4】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/12】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/10→9】 近接武器:ヒートホーク
 高機動バックパック(攻撃&回避P+2)


こっからはロベルトとの共闘まで一気に話を進めます。
狂犬バックパックジムはもちろん撤退。続くふたつめの補給ポイントで1発減っただけのバズ弾を補給し、トムルートへ移ってロベルト師匠の立ち回りを学んで熟練P+3。そしてジムキャノンとの一戦です。
ここまで来ればジョン君の熟練Pは7まで上昇。ザクの機動P12とバックパックの+2ボーナスを合わせて、回避Pは計21という高さになってます。こうなれば熟練P8だけの敵攻撃などカスリもしません。ワハハ当たらなければどう(略
結果、こちらのバズーカ判定だけを行い3発きっちりで倒してやりました。熟練P+2。


@ジョン・クエスト 熟練P【4→7→9】 脱出用ランドムーバー スギアンダブウのナイフ
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/12】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/9→10→7】 近接武器:ヒートホーク
 高機動バックパック(攻撃&回避P+2)


予想以上に順調です。こうなれば欲が出てきました。もうジムスナイパーカスタムへの乗り換えすら無視して、初期ザクのまま完クリまで行けちゃうんじゃなイカ??


ということでククスの街エリミアの進言を無視して初期のデザートザクのままやってきましたゲド要塞。機動Pが12という低さのままですが、どっこい勝算はありますぜい。
ズゴック編ではエリミアの紙切れ通りにダンジョンを最短ルートで突き進みましたが、そんなもの無視して寄り道ルートをくまなく回り切ることで、内部を徘徊している鉄のサソリのザコMS狩りが可能なのは、最初のロケハン時からとっくに下調べ済みだったりするのです。
1度だけダンジョン脱出後の再突入が可能でして、これで計2体のザクグフ(熟練P+6)を余分に狩れます。これに拳闘場でのドムグフ分(熟練P+7)を足せば計13の強化を経て、ジョン君はラスボス戦までになんと熟練P【22】のパワーアップを図れるのでありました。ベンベン。


ということで、ラストバトルの戦況はというと。。。。。。


#クランベリー大佐 熟練P【22】ゲルググキャノン 機動P【16】 
@ジョン・クエスト 熟練P【22】デザートザク 機動P【12】高機動バックパック【+2】


※クランベリーのこうげき!【22+8d=最大30】
※ジョンのかいひ!    【22+12+2=36】


。。。。あ(^皿^)またやってもーた。。。。。


なんてこったい。またしても戦う前からのクリアが鬼確定です。


バズは7発しか残っておらずコレ全弾だけでは倒しきれませんが、弾切れしたらその時は白兵戦に移行できる手が用意されています。機動力の落ちたゲルググなぞ、もはや一方的にタコ殴りでしょう。
例え道中のパンクラチオンでダメージを受けてきてたとしても、ジオニック社製のザクならゲド要塞内の補給物資が使えるために決戦前に強制的に+5回復されます。残り機動Pが1だったとしても最低6までは機動Pが回復して『しまう』ため、結果、回避Pが30を下回ることはどうやってもありえません。


あぁ、どうしてだ。
なんどやり直しても結局こうなっちまう。どうしてこんなことにぃ。うぅ。。。
俺は、、、、俺は男の中の男クランベリー大佐と正々堂々熱いバトルがしたいだけなんだぁぁ!!


熟練Pを増やしすぎだァ? バカいうない、これは読者と作者の真剣勝負なんだぜ。こっちが手ぇ抜いてバランス調整してやる接待プレイに何の価値があるってんだ。。。


いや、最弱デザートザクでもちゃんとクリア可能な設計にしてあったのは間違いなくアッパレ山口宏先生の手腕でしょう。
だがしかし、やはりこの『ジョン側の回避Pだけが後半加速度的にハネ上がっていく「機動P+熟練P」計算ルール』は、ラスボス戦の興を削いでいるのではないでしょうか。
確かにこんな詰め詰めで来なくても、そこそこの雑攻略ルートで熟練Pが16ぐらいになってさえいれば、こちらの攻撃はトントンで届くし、キャノンIIの機動P14にしても回避Pは30到達が容易。つまり、ゲド要塞突入時は9もあれば充分となる。
逃げに逃げまくりの適当なルート選択だったとしてもそれくらいならまぁ溜まるか。結局はその程度のゲーム難易度だったということになるのか。


ちなみにこれをヌルいと断じることはできない。本作はあくまでガンダムという大看板を背負った商業作品。購入してくださった大多数のガンダムファン、そしてゲームブックご新規様であろうお客様にご満足でクリアまで到達していただくための接待低難易度に調整するのは、提供側として当然の義務です。


うん、理解はしたよ。理解はしたけどね。
せっかく俺好みのメカロボゲームブック、拗らせ野郎としてはもう一越えなんとかして楽しみたいのよ。何よりあのロベルトさんとの特殊エンディングをまだ見られてないしぃぃぃ。


こうなったら、、、世界の『ルール』そのものを捻じ曲げるしかないッ!
勝手に俺ルールを採用するのです。ジョン君の回避Pも敵側と同じく「機動P+8面ダイス」に変更して、再々プレイしてみるのでっす。
もちろんそんなことすりゃこちらの回避アップ要素は機体性能だけで頭打ちとなり、ザクの機動P12じゃクランベリー相手じゃ確実にサンドバックは自明の理。かと言って最高機動P18のジムカスタムに乗り換えてきてもそれでもまだダイス差は4もあるし。
いや、それはクランベリー側も同じか。するってーとアレか。結局最後は熟練者同士ノーガードの撃ち合いになるのか。それってんならむしろ装甲の分厚いガンキャノンIIで来た方がダメージ軽減で有利じゃ。。。。。。
おぉ、なんかこれならいい勝負ができそうな気がしてきたZE!!


というわけで延長戦の延長戦。
勝手に味変敢行し、とことんまでしゃぶりつくす気マンマンの灼熱の追撃。3度目の再々挑戦に突入でっす!


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
■書誌情報
『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』
 著 山口宏
 出版社:角川書店 2025/3/26
 新書 968円(税込)
 Kindle版 949円(税込)

 旧版:
 勁文社(新書) 1986/9/1・絶版
 バンダイ出版(文庫) 1989/10/1・絶版


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2025年7月24日木曜日

子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』3 FT新聞 No.4565

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子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』(3)

 岡和田晃
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 『甲竜伝説ヴィルガストRPG』に限った話でもないのですが、オールドスクールなRPGをプレイしていると、しばしば直面するのが、「ルール面での不備や、言葉足らずな記述をどのように補っていけばいいか」という問題です。
 「FT新聞」No.4525においても、本連載第1回への反響として、ポール・ブリッツさんから、「『ヴィルガストRPG』、ルール通りにキャラクターを作成してプレイしようとすると完全にルールが破綻しているとしか思えないのですが、どうやってバランスを取ってプレイしているのですか?! 自分も再トライしたいのでぜひ、そのコツなりハウスルールなりをお教えください。真剣にいってます。」
 とのおたよりをいただきました。
 そうなのです。子どもと遊ぶときも最初にキャラクターメイキングを行うわけですが、その段階で、この作品には、ルール面の根幹部分に疑問符がつくところがあるんです。
 本作はクラス制で、戦士、勇者、狩人、盗賊、魔術師の5つの職業に、異次元界からの旅人、ねこまた、ワーウルフといった種族が用意されています。
 僧侶や司祭に相当するクラスがありませんね。また異次元界からの旅人は異世界往復ファンタジーならではの現実世界からやってきた人間という設定で、戦士のヴァリアントのような感じですので、基本は5つの職業のどれかから選択する、という形になります。
 選んだ職業には、戦士だと「同じ消費体力で2体のモンスターを連続攻撃できる」、「攻撃に成功したとき、一回の戦闘で、一度だけダメージを倍にできる」などといった「特殊能力」があり、これを1つ選ばねばなりません。これは特に引っかかるところはありませんよね。
 「特殊能力」はキャラクターの長所ですが、「くせ」という短所も1つ選ぶ必要があります。勇者だと「モンスター・味方問わず、血を見ると戦意喪失(1ターン休み)」、「影が薄い」などから、1つ選ぶ必要があります。前者を選ぶと、通常のファンタジーRPGの冒険だと、ひたすら戦意喪失して使い物にならなさそうですが、子どもと遊ぶときは流血がらみの演出が避けられていると考えれば、まあ納得もいきましょう。
 厄介なのは、「基本体力」と「基本HP」、2つのデータが与えられていること。
 これが何度読んでも、よくわからないんです! ポール・ブリッツさんのご指摘も、おそらくはこの箇所のことでしょう。
 
 私は小中学生の頃は、ほぼゲームマスター専業に近い形でRPGをプレイしていました。当然、ピアニストが初見で演奏するように、ルールブックを卒読し、プレイヤーと一緒にキャラメイクをしながらルールを習得する、ということも多々やってきました。
 不特定多数を相手にするイベントGMであれば顰蹙ものですが、友人同士での気楽なプレイならば、それも充分「アリ」でしょう。『ヴィルガストRPG』も、それくらいのノリが想定されていると思うのですが……。そうしていると、まず躓くのがこの点なのです。
 
 あらかじめフォローをしておくと、これは『ヴィルガストRPG』がディヴェロップメント不足だと非難したいわけではありません。同作は四六判ながら160ページもの厚さがあって、データブックとして充実しており、読み物としてケイブンシャの大百科シリーズならではの満足感があります。子どもが、暇さえあればルールブックを眺めたくなる気持も、よくわかるんですね。まずはそこを優先した作りになっているのではないでしょうか。
 それに対し、現代のゲームデザインは、データブックとしての厚みを求めるよりも、デザインとしての洗練、誰がプレイしても同じ満足感を与えられるようなシステム的な矛盾を解消したうえで、スリムなダウンサイジングを追究していく方向性を目指すものとなっています。それこそ、基本ルールブックがB5判48pとソロプレイや少人数プレイでのバランス確保に特化した『ローグライクハーフ』なんかが好例だろうと思います。
 
 『ヴィルガストRPG』 で、キャラクターの数値管理は基本的にHPがらみしか存在しません。装備は固有のアクションポイント(AP)やディフェンスポイント(DP)こそ設定されてはいるものの、基本的にはHPがベース。
 それだけなら簡単で、基本HPに、職業ごとに推奨されている装備を組み合わせた合計のHPを足せばいいというわけです。
 戦士の基本HPは3。装備は男性向けと女性向けに分かれており、ひとまず男性向けを選ぶと、鉄のかぶと(加算HP4)、鉄のよろい(加算HP4)、戦士のこて(加算HP2)、鉄の腰アーマー(加算HP2)、戦士の足アーマー(加算HP2)になります。
 あとは盾と武器も選べますが、これは別枠であるため、ひとまず省略。
 HPを合計すると、3+4+4+2+2+2で合計17。これは基本体力の「17」と一致します。どうも、「基本体力」というのは、アーキタイプがわりに、あらかじめ計算値を出してくれているもののようです。
 アーキタイプとは、1からキャラメイクをする代わりに、完成されたサンプルキャラクターのデータを提供し、そこから選ぶだけでゲームができるようにするというものですね。最近のRPGでは珍しくありませんが、『ヴィルガストRPG』が出た1992年時点では、さほどメジャーなものではなかったのです。
 
 ただ、これまで書いたこととは別の解釈もできなくはありません。
 基本体力に基本HPと装備の合計加算HPを加えていく——というもの。そうすると、初期のHPは34ということになります。これなら強そう! ただし、モンスターデータを見ると、このくらいHPがあると、中ボス級になってしまいます。原作ではお馴染み、ルードクレック(紫)という魔法を使える強力な幽霊のHPが35ですから。
 また、本作にはリプレイが付属しており、そこには……。
 
 >ムロボ:オレは基本HPが5で、装備の合計が19だ。だから体力は24だな。
 
 という台詞があり、これを運用の参考にするとしたら、基本HPに基本体力をさらに足す、という解釈は、どうもやりすぎであるようです。
 ただ、ここで悩ましいのが、基本体力と装備の傾向に、大きな落差があることです。以下、それをリストアップしてみます。
 
 戦士:基本体力17、男性用装備と基本HPの合計17、女性用装備と基本HPの合計16
 勇者:基本体力15、男性用装備と基本HPの合計10、女性用装備と基本HPの合計12
 狩人:基本体力15、男性用装備と基本HPの合計13、女性用装備と基本HPの合計11
 盗賊:基本体力19、男性用装備と基本HPの合計14、女性用装備と基本HPの合計12
 魔術師:基本体力21、男性用装備と基本HPの合計12、女性用装備と基本HPの合計7
 
 ——特に盗賊と魔術師の落差が激しいですね。このゲームはHPを消費してベットし(賭ける形で相手と比べ)、勝ったらダメージが入るというシステムなので、女性魔術師の合計HP7というのは、かなり絶望的な数値です。
 
 さて読者の皆さんに質問です。皆さんがGMだったら、どのように運用を行いますか? 公式へのお伺いは立てず(現実的にも不可能です)、必要とあれば、ルールを曲げてもかまいません。
 ただしセッションは、小学3年生の引っ込み思案な女の子との1 on 1での短時間のプレイングを想定するものとします。お子様がいらっしゃらない方は、友人や親戚の子どもや、学童保育でのボランティアなんかで遊ぶシーンを想定してみてください。

 ■書誌情報
 ケイブンシャの大百科別冊
 『甲竜伝説ヴィルガストRPG』
 ゲームデザイン:佐藤俊之(怪兵隊)
 出版社:勁文社
 1992年5月15日・絶版

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2025年7月23日水曜日

第2回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4564

第2回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。


ぜろです。
ローグライクハーフリプレイ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」をプレイしています。
竜鍵諸島の町マックルーで開催される露店祭のスタンプラリーに参加して、お祭りを楽しんじゃおう、というのが今回の目的です。
一緒にスタンプラリーを巡るのは、竜人の女性ヨアケさん。最初のお店でふたりして見事に酔っぱらい、意気投合しました。
この露店祭、裏ではなにやら不穏な陰謀もあるようですが、そんなこと知ったこっちゃありません。
とにかく祭りを楽しもう、それだけ。
では今回も、露店を巡ってスタンプを集めましょう。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:5/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:6/7 筋力点:4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)


●アタック01-3 ポストんとペットントン

【13 ふれあいペットショップ】

ふれあいペットショップにやってきた。
ここではペットの購入だけでなく、ペットとのふれあいを楽しむことができる。
よその星系から連れて来られた、かわいらしい様々なペットがいるのだ。

いいな。ねこいるかなねこ。ねこねこ。
プレイヤーがねこ大好きなため、私の作成するキャラクターは、必ずねこ好きなのである。

「にゃあ」

いた! ねこだ!
見ると、姿かたちは猫だったが、額に第三の瞳があり、体の各所から触手がうねり出る謎生物だった。

「おお。それに目をつけるとはお目が高い。そちらは惑星グルグルに生息する『ヒッポロ系ニャポーン』です」

うん。ごちそうさま。
美的感覚は人それぞれ。今のがいいっていう人もいるのだろう。
私の趣味には合わなかったけど。
でも、それ以外にもかわいらしいペットはいる。
ウサギっぽいのもいるな。かわいいな。
ちょっとなでてみようかな。

ここで、判定ロールを求められた。
器用ロールとか筋力ロールとかではなくて、単に判定ロールか。
この場合どうすればいいんだっけ。
ここのところのプレイでは見ない処理に、基本ルールを参照した。
すると、サイコロ1個の出目に技量点を加えることがわかった。
特に副能力値に頼ることなく、自身の技量のみでなんとかするということか。

目標値は、4。

私のサイコロの出目は3だったが、技量点を含めれば成功だ。
私は思う存分、ウサギっぽいペットをモフり倒した。

ヨアケの方はといえば、爬虫類系のペットに果敢に挑んでいた。
サイコロの目は6でクリティカル。大成功なので、大満足なふれあいができたのだろう。

モフりと癒しで、2人とも生命点が1点、回復した。

その時店主が、あることに気づいた。

「ポストんさん?! ビビエ氏に特別なパンツを作ってもらった宇宙忍者ポストんさんじゃないですかっ!!?」

なんと店主は、おパンツ同盟の一員であった。
私がビビエ氏からオリジナルのおパンツを作ってもらったことは、同盟の中ではけっこう有名なのだという。

まいったな。これでは宇宙忍者活動に支障が出かねないぞ。
これからは「忍びなれども忍ばない」をモットーに活動するしかないかもしれない。

「ところでおパンツ同盟のよしみで、特別なペットをお見せしたいのですがね」

店主がいい笑顔で顔を近づけてくる。悪意はなさそうだけど、怖い。
ふと、目の端に、さっきモフっていたウサギの食事風景が目に入った。
そのウサギは、口元が十字に裂けるように開いて、餌をもしゃもしゃ食べていた。

う……。判定に失敗したら、アレに食われていたのかも。
なんてやばげなペットばっかり取り扱っているんだ。

私は、特別なペットとのふれあいタイムは辞退し、たわむれ足りなさそうにしているヨアケを呼んで、次へ行くことにした。


●アタック01-4 ポストんと測量三銃士

【21 蛇綱引き】

仮面をつけた3人のフワリミミナガが、私たちの前に立ちふさがった。
思い思いにポージングしている。

「器用の測量士 フワレッドことサフサフ!」
「魔術の測量士 フワブルーことマーフ!」
「幸運の測量士 フワイエローことニーフ!」

「「「我ら、測量三銃士サンバルカン!!! 我らに測れぬ場所はなし!!!」」」

彼らも露店みたいだ。気合の入り方がすごい。
測量士の露店っていったい何をやっているの?

「この測量に用いるコブコブヘビを使って、綱引き勝負だ!」

おお。それは面白そうだ。
しかしそっちは3人、こっちは2人だ。不利じゃない?

「心配ない。勝負は1対1。チャンスは1度」
「挑む相手によって景品は違う」
「サフサフなら黄金魚。マーフなら日桂樹の苗。ニーフなら月クラゲの布だ」

するとヨアケが突如目を輝かせた。

「黄金ギョだよ! 黄金魚!! お・う・ご・ん・ギョ〜〜!! あれ欲しい! あれ取って〜!!」

ヨアケは語彙が少なくなっている。
無理もない。ヨアケが露店祭に参加している目的のひとつが黄金魚の入手。
キャラクタープロフィールのところには、「スタンプラリーの景品である『黄金魚』をゲットする協力をしてくれる」とまで書かれているのだ。
ところが黄金魚ゲットの対戦相手は器用の測量士フワレッド。
筋力キャラのヨアケでは協力できない。ここは器用キャラの私の出番ということになる。

ちょっとちょっと、話が違うよ。
筋力キャラはいないの?

「わ、我らは三銃士なので。四天王になればあるいは」

じゃあ、ヨアケのためにも私が綱引き勝負に参加してやろうじゃないの。

器用ロール!
出目は3。器用点6を加えて9の大成功だ。

「なんという器用さ。君ならすぐにでも測量士になれる!」

その後、しつこく勧誘されたものの、無事に黄金魚をゲットすることができたのだった。
黄金魚を幸せそうになでくり回すヨアケの笑顔が見られたことで、良しとしよう。


●アタック01-5 ポストんと湿布ドラゴン

【中間イベント1 突然の乱入者:湿布ドラゴン】

露店の一角で、大きなざわめきが起きた。
巨大なシルエットが動いているのが見える。

私とヨアケは現場に急行した。

あたりには、薬品の臭いが充満している。
そして湿布だか包帯だかよくわからないものにぐるぐる巻きにされた巨大な…枝?
それが、うごめきまわってあたりの露店を破壊している。
その姿は、ドラゴンのようでもある。

その時、その湿布ドラゴンの方から声が響いた。

「ふはははは。我が名は…キモリコッ!」

それは、マックルーでは比較的有名なお騒がせな人物の名前だった。
イメージ的には、バイキンマンとかドロンボー一味程度のノリだろうか。

「ははは。これこそが私の新作自信作! 薬樹に怪しい薬をしみこませて作ったニューフェイス!」

そして高らかに宣言した。

「さあ、自然の力を見て、己の行いを反省せよ!」

……。
もう、どこから突っ込んでいいのやら。
まず、どこからどう見ても自然の力ではない。歪めているのはそっちだろう。
次に、それを見たところでいったい何を反省せよと言うのか。
キモリコは自然崇拝者ではなさそうだし、主張の軸がまったく見えない。

あ。単に、露店祭が楽しそうだったから、乱入して大騒ぎしたくなっちゃっただけか。
ところで、肝心のキモリコはどこに?
声はすれども姿は見えず。

「あの…だから…できれば、反省した後でいいので…タスケッティ」

見ればキモリコは、湿布ドラゴンにくっついていた。
自ら作った湿布の粘着につかまってしまったらしい。

仕方ない。戦うか。

私とヨアケは武器を構えた。

【湿布ドラゴン レベル5 生命点3 攻撃回数1】

レベル5か。強敵だな。
レベル4と5の間が、戦いやすさの分岐点だ。
レベル5になると、格段に強敵感が増す。
これまでの経験から得た知見だ。

湿布ドラゴンは、0ラウンドに巻きつき攻撃をしてくる。
だが甘い。0ラウンド攻撃は私も持っている。同じ0ラウンド攻撃なら、こちらの方が早い。

私と黒子の飛び道具だ。
そう。このエピソードでは特に説明はしていなかったが、私は従者として黒子を連れている。
普段は影に忍んでいるので存在は見えないが、こういう時にすかさず出てきて不意打ちを行うのだ。
役割は弓兵。私よりも忍者らしい。それが黒子。

私のシュリケンは湿布ドラゴンに見事命中。
黒子は攻撃を外した。
湿布ドラゴンの絡みつきはヨアケに向かう。
ヨアケは戦士キャラの特技【全力防御】をクリティカル成功させ、見事に回避してのけた。

さあ、ここから通常の戦闘ターン。
1ラウンド目に動けるのはヨアケのみだ。
ヨアケはここもクリティカルを出し、サンゴの槍で湿布ドラゴンを串刺しにした。
湿布ドラゴンの残り生命点は1点だ。
しかし途中で逃げることはしないので、残る1点を削り切るまで戦闘は続行する。

湿布ドラゴンの攻撃がヨアケに。
ヨアケは、今度はファンブルを出してダメージを負ってしまった。

2ラウンド。私も接近戦に参戦だ。
私の忍者刀が一瞬で湿布ドラゴンの枝を払い、戦闘は終了した。

さて、残るはキモリコだけど。
粘着湿布から切り離して救出する。
さっき「己の行いを反省せよ」とか言ってたけど……。

「は、反省しましたあ〜〜」

キモリコは、スタコラサッサと逃げサッサ。

宝物判定はできるようなので、一応振ってみた。
結果は、金貨6枚だった。いただいておこう。

次回、露店巡りって楽しい!


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:5→6/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0→6
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復
2 黄金魚

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:6→7→6/7 筋力点:4→3/4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)


■登場人物
ポストん 宇宙忍者。おパンツ大好き。マックルー滞在中に露店祭に参加する。
ヨアケ 竜人の女性。ポストんと一緒に露店祭スタンプラリーの攻略を目指す。
キモリコ マックルーのお騒がせキャラ。祭りに乱入した。
測量三銃士 器用さと魔力と運とで測量を行う測量士たち。

■作品情報
作品名:「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」
著者:ロア・スペイダー
監修:杉本=ヨハネ
原案・設定:海底キメラ


ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946

竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜
https://booth.pm/ja/items/5331098
※「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」が収録されています。

本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg


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2025年7月22日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回 FT新聞 No.4563

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回
「世界地図」
(中山将平)
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 おはようございます。
 8月10日にサークル出展する大阪でのイベント「TGFF」に行く予定のイラストレーター中山将平です。
 先日コミケに落選してしまったため、夏の新刊2冊はこのイベントにて頒布開始となります。
 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
 なお、僕はFT書房のメンバーとして出展ブースに立っていますので、ぜひお声がけいただけましたら。

 昨日、もしかしたら突然僕の作った「新作ローグライクハーフシナリオ」の話題が出てきたかもしれないですね。
 そのことはまた後日書かせていただけましたら。

 さて、今日は「ファンタジーにおける世界地図」について語ろうと思います。
 ご存知の方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、僕はファンタジーの地図を描くのが大好きです。
 その地図というのは、例えばダンジョンマップであったり、街の俯瞰図であったりします。
 そしてもちろん「ワールドマップ」(世界地図)もその例外ではありません。 
 冒険の舞台となる世界地図は、僕にとってまさに煌めく宝石箱だと言えるものです。
 眺めているだけで幸せな気持ちになります。

 しかしながら、実は僕、自分の「カエル人の創作」において世界地図をまだ用意していないのです。
 「そろそろ考えようか」と最近思いはじめまして、その時はじめて気づきました。
 「まだ世界地図を作っていない」ということが、「僕がどのようにファンタジーが好きか」ということと、深く結びついているようなのです。
 
 今日はこの話題を中心に、ファンタジーの創作について考えたいと思います。
 この記事が、創作を楽しまれている方にとって有意義なものになれば幸いです。
 
◆ 世界地図を描いていないたった一つの理由
 僕がカエル人の世界:フログワルドの全体地図を描いていないたった一つの理由。
 それはズバリ、「世界地図を作るほどシナリオを作ってないから」です。

 考えてみると、当たり前のことかもしれません。
 僕はカエル人TRPGのシナリオを4つ作って友人と遊んでいますが、それは僕にとって十分な量ではなかったのです。
 逆にこのことから、1つ2つのシナリオを遊ぶのに、世界の全体像はそれほど必要ないと分かってきました。
 僕がカエル人の世界について決めていることは、冒険の舞台や主人公の拠点となる村(紫の蓮村「ロータシディア」)以外では、本当に少ないのです。
 「どの種族、どの勢力も、この世界を支配しているわけではない」というくらいのものです。
 
 では、いつ世界地図を作りたい気持ちが満ちるのか。
 それは、ありていに言うと5つ目のシナリオを作ろうと思った時だと感じられました。
 ええ、何を言ってるんだというお話ですよね。
 この、5つ目のシナリオというのにどういう意味があるか、もう少し詳しく見ていきましょう。

◆ 5つ目のシナリオを作る意味
 思うに、一つのTRPGを遊ぶのに、シナリオは5つも必要なのでしょうか。
 いえ、一般的な作品ならばある方が良いと感じますが、自作して友達と遊ぶゲームについて、という意味です。
 遊ぶプレイグループは1つというわけではありません。
 それなら、3つくらいで十分すぎるはずです。
 3つ遊んだら、違うシステムの別の作品を作っても良いわけですし、十分に1つのストーリーを完成できるのではないでしょうか。

 現に、4つのシナリオを作ってはみたものの、最後のシナリオについては1グループとしか遊べていません。
 「ゲームのために集まること」自体が、簡単ではないためと感じます。
 カエル人のTRPGはだいたい本編3時間、感想戦1時間で合計4時間の遊びだと考えていました。
 ほとんどの場合オンラインで遊んでいるとしても、気軽とは言いがたいゲームだと感じています。
 しかも、それぞれに個別で楽しめる資料のようなものも配っていない作品です。
 正直、4つのシナリオすべてに参加してくれた友達がいたこと自体が、奇跡的だと言えるかもしれません。

 そういう状況下で、5つ目のシナリオを考えるというのは、なぜか。
 それは、「1〜3つ目のシナリオと、4つ目以降のシナリオで役割が異なる」からです。
 1〜3つ目のシナリオは、新しいゲームでどんな面白いことが表現できるか、確かめるようなもの。
 つながりはあるものの単発性の高いシナリオで、どれか1作だけを取り出して遊ぶことを想定した作品です。
 4つ目のシナリオは、それとは少し異なる部分を持たせました。
 単発で遊ぶことができるものの、キャンペーンとしての良さが多く表現できるつくりを意識したシナリオです。
 先にまで続く謎のようなものが要素として散りばめられた作品となりました。
 つまり、5作目は4作目を受けて物語を大きく進めていくようなシナリオだということです。
 
 このゲームの世界で表現したい「大きなテーマ」、それを描くために第5シナリオが必要だと感じています。
 特に5つ目くらいになるとキャラクターも成長してきて、できることが多くなるかと。
 その分、物語の中で意味の大きい行動がとれるようになってくることを想定しています。

◆ 世界地図の「有機性の確保」
 以上のような状況が、現在僕に世界地図を作らせようとしています。
 というのも、「本質的にこのゲームで何が得られるのか、何を得たいのか」がはっきりと定まってきたため、それに合わせてどんな世界が前提になっているか分析できたのです。
 
 これが、「僕がどのようにファンタジーが好きか」ということだと感じています。
 僕は、物語やキャラクターの柔軟な表現を中心にファンタジー創作を楽しんでおり、その大筋と矛盾しない世界を求めていた、というわけです。
 これを指して、僕は「有機性の確保」と呼んでいます。
 世界に設定される都市、地形、施設などはどれもただの場所ではないはずです。
 その場所にキャラクターたちが住む都市。
 その場所が冒険の舞台となる地形。
 その場所が歴史を物語り、人物の足跡となる施設。
 つまりは物語と「意味のある因果関係(有機的なつながりがある関係)」を持っている場所と言えるのではないでしょうか。

 僕自身はそう考え、この有機性の確保をできる状況まで全体地図の創作を思いとどまっていたのです。

◆ まとめ
 この記事は僕が感じたこと、学んだことをまとめたものであり、もちろん「具体的に5回目のシナリオから世界地図が必要となる」というようなことは(常には)ないと思います。
 一方で、僕にとってファンタジー創作は1つずつに意味があるものであり、それを欠く状況ではワクワクが減じてしまうことが分かったのです。
 今日は、そのことを記事にしてみました。
 共感していただける方がいらっしゃれば、ぜひご感想にて教えていただけましたら。

 それでは、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。


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2025年7月21日月曜日

真夏のホラー! FT新聞 No.4562

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
蝉の声が聞こえるなか、原稿を書いています。
キーボードを叩く打刻音とともに世界が遠のき、自分自身の内側へと潜っていく。
気がつけば、静かで満たされた気持ちになっています。


◆ねえ、ホラーやろうよ☆
「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」のシリーズ。
共通世界「アランツァ」を舞台に、これまでに展開してきました。
このローグライクハーフでは、たとえば「SF×ローグライクハーフ」のような、ファンタジーのジャンル以外の展開にも、挑戦してきました。

さて、8月といえば夏。
夏といえば、なんでしょうか?
はい、そこのロア・スペイダーくん!
正解です、ホラーですね!


◆「クトゥルフ×ローグライクハーフ」?
実は1年以上前から、FT書房のメンバーである中山将平と「クトゥルフ×ローグライクハーフ」をやりたいと、相談してきました。
しかしながら、今回は「SF×ローグライクハーフ」のような、ルール部分からの構築ではありません。
どちらかといえば、アランツァの世界にクトゥルフ的な要素を持ち込んだ「ローグライクハーフ」です。
そいつがどうやら、8月の第1日曜日に間に合いそうだというお話です☆


◆もともとはd33シナリオが予定でした☆
8月の第1日曜日はもともと、水波流氏によるd33シナリオを配信する予定になっていました。
水波さんと相談しまして、そこをズラしてもらうこととあいなりました。

中山将平による『クトゥウルウの聖なる邪神殿』です!


◆村サプリメント「末裔村」!
これにともないまして、次の日曜日に配信する記事も差し替えられます。
都市サプリメント……ではなく、拠点となる村のサプリメント「末裔村イシュ・ムス」が登場いたします☆
【新職業】のほうは、今のところ予定がありません★


それではまた!




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2025年7月20日日曜日

Re:アランツァワールドガイドVol.12 蛮族都市フーウェイ FT新聞 No.4561

おはようございます、編集長の水波流です。
今日配信するのは「アランツァワールドガイド」。
来月第一日曜に配信の、私のd33シナリオの舞台となる「蛮族都市フーウェイ」の再配信です。

ラドリド大陸北端のこの地方を書く時、私は北欧やヴァイキングなどをイメージしています。
また文化としてはケルトやスラヴ、ネイティブアメリカンなど、自然と共に暮らす人々が頭に浮かぶのです。
アランツァの他の街との大きな違いは、西洋文明的ではないところとでも言いましょうか。ひとことでは言い表せない精神性や土俗的な奥深さを描ければと思っています。
特に次のd33シナリオでは、自然と信仰が融和している底が知れない雰囲気を感じて頂ければ嬉しいです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

日差しは決して弱くはないが、雪が深く、しばしば吹雪になる。
ラクダ人であるカメル教授が蛮族都市フーウェイにたどり着いたのは、冬のはじまりの頃だった。
カメル・グラント教授はいま、この大陸を旅してまわっている。
混沌都市ゴーブの城塞めいた堅牢な街壁を見た後であったため、木材でできたこの街の壁はいささか頼りないもののように見えた。


◆街門にて。
狼にも似た〈魔犬獣〉の毛皮をまとった衛兵たちが、カメル・グラントの都市通行証をいぶかしげに眺めている。
外の世界から人が来るのは珍しいことではない。
北の端にあるとはいえ、フーウェイは街である。
しかし、文字が読めない兵士たちには、通行証が本物かどうか、このラクダの獣人を通していいかどうかを、確信をもって判断できないのだ。

結局、兵士たちのリーダーがカメルを通すことに決める。
紳士的なカメルの態度は彼らの価値観にそぐう「立派な大人」ではないが、危険を感じる存在という結論には至らなかったらしい。


◆トレント材の街壁。
門をくぐりながら、珍しい街壁の素材をまじまじと眺める。
衛兵の1人が「トレント材だ」と、いささか誇らしげにつぶやく。
この街の主な外敵のひとつは、動きまわる大きな樹木、〈トレント〉と呼ばれるクリーチャーである。
このクリーチャーから採れたもの(特にトレント樫)を使っているのであれば、石にも似た堅さと燃えづらさを持った街壁といえよう。
しかし……と、カメルは街壁を見渡しながら思う。
街をぐるりと囲む、高い城壁。
そのすべてがトレント樫を素材としているのなら……この街はどれだけの歳月を〈トレント〉たちとの対決に費やし、彼らを狩ってきたのだろう?


◆毛皮でつながった家々。
街といっても大きくはない。
家々は何軒かごとにまとまっており、壁の一部を共有している。
氏族ごとにまとまって生活しているのだ。
壁がつながっているのは、こうすることで暖房の熱が壁づたいに伝わりあい、冬の寒さを軽減する工夫である。
屋根の部分には、木材の上に毛皮が使われている。
つながった家々と毛皮の屋根……火事に弱そうだなと、カメルは思った。


◆想像と異なる人々。
そうはいっても、フーウェイは街である。小さな蛮族の集落とは違う。
「外の人間」との交流はあるし、店屋も開いている。
カメルはメイン通りを歩き、開いている何軒かの店のひとつに入ってみる。
店とはいっても丸太を切って造った小さな家で、床はなくむき出しの地面だが……店屋は店屋である。
汚れた毛皮をはおった店主が、切株を引っこ抜いただけの椅子に座っている。
暗い店内には食料と毛皮などの生活必需品が並んでいる。

別の店に入ってみる。
店がまえに大きな違いはないが、店内には木の枠でピンと張った状態の脱脂した皮や、緑のにおいが残った樹木の幹が転がっている。
〈魔犬獣〉の皮だと、ひと目で分かる。
魔獣皮革だ。


◆魔獣皮革。
〈魔犬獣〉の外見は狼に似ている。大きさもそう変わらない。
発達した犬歯をもち、知能が高い。
{ルビ:よつあし}四足の生きものだが、文化を持つひとつの「種族」である。
掟に従って行動し、契約を守る。
堕落都市ネルドでは、いち市民として街を歩いていたのを覚えている。
それが、皮だけになって、地面がむき出しの店の片隅に転がっているのである。
形容しがたい感情が心を駆けめぐって、カメルはしばしその場にたたずむ。

〈魔犬獣〉や、魔獣と呼ばれる強力な獣たちの皮をはがしてなめすと、魔獣皮革と呼ばれる素材になる。
これが使われている製品は、いわゆる「上モノ」である。
高級品の部類として扱われる、頑丈で長持ちする優秀な製品である。


◆街を歩く人々。
街を歩きながら、目に入る人々をそれとなく観察する。
武器を持った人々が、他の街よりもずっと多い。
皮を使った簡素な衣服をまとい、上半身は裸である。
その上半身には、いろいろな{ルビ:タトゥー}刺青が彫られている。

フーウェイの戦士は、あまり鎧を着ない。
その主な理由は、彼らが持つ「鉄」の力があまり強くないからだと言われている。
領土からはあまり鉄が採れないため、鉄は主に泥炭を燃やすことで獲得される。
ウイスキーの香りつけにも使われるこの泥炭だが、そこから作られる武器は端的に言ってもろく、いい武器とは言えない。

そこで、鎧の代わりに発達したのが刺青文化である。
力のある彫り師が入れた刺青には、彼らが信仰する「獅子顔のセリオン」こと獣神セリオンの力が宿ると考えられている。
しかし、その力を発現するには、自らの肌を露出し、外気にさらさなければならない。
だから、彼らは鎧を脱ぎ捨てて戦うのだ。

そのさまを見た「外の人間」は、彼らを蛮勇の持ち主であるとみなした。
彼らのほうも、それを強く否定をすることはなかった。
そんな風に、カメルは推察した。


◆集団での営み。
街の中央に大きな広場があり、外から来た人々が泊まる宿の他に、石造りの大きな建物がそこに面している。
石の建造物には大きなアーチ型の扉がある……そこは開いていて、中を覗くことができる。
そこでは女性たちが、{ルビ:はたお}機織りをし、動物の皮を縫っている。

男性が集団で狩りを行うように、女性はひとつの大きな建物にまとまって、仕事をする。
それがフーウェイの流儀なのだと、聞いたことがある。
カメルは集団をつぶさに観察する。
女性のなかに男性が少し、混じっている。
これもフーウェイの特徴である。

フーウェイの民は成人するときに、「男」になるか「女」になるかを自分の意思で選ぶ。
「男」「女」という訳がそのまま当てはまるかは言語学的に難しいところだが、勇敢さに自信を持てない男性は、女性とともに手仕事をする人生を選ぶのだ。
「女」の仕事には、他の街であれば男仕事と呼ばれるようなものも含まれる。武器づくりのような鍛治や、荷物の上げ下ろし。
「男」の仕事と呼ばれるものは、命の危険があるものを指しているように見える。狩り。戦い。護衛。冒険者。
「女」であることを選んだ男性は伴侶を見つける上で不利になりそうなものだが、実際にはそこまでの差はない。
女性たちに混じって仕事をするぶん、仲良くなりやすいのだろうか。


◆フーウェイの収穫人。
広場に目を戻すと、狩りから帰ってきたであろう集団が目に入る。
街の衛兵たちの格好と少し異なる、自然に似た服を着た集団だ。
森のなかに溶け込むための服装というのか……上半身は濃い緑色、下半身は茶色の服を着ている。
木の棒を組んで造ったそりに、大きな樹の幹を載せている。
そりで引かれている樹が、うめくような低い声をあげる。
〈トレント〉だ!
地鳴りのようなその声を聞いても、フーウェイの人々は振り返りもしない。

彼らは〈フーウェイの収穫人〉と呼ばれる集団だ。
太古の森から押し寄せてくる「動く植物」と戦い、トレントの身体を生活の糧とする。
〈魔犬獣〉や、ときどき出現する〈巨人〉のような【巨大生物】と戦うための戦士集団とは別に形成された、対植物の専門家である。
フードを目深にかぶり、彼らは他者と目を合わさない。
誰も口をきかず、2人で使う大型のノコギリで、〈トレント〉の身体を寸断していく。
カメルはその手ぎわをしばらく眺めた後に、広場から離れることにした。


◆家畜厩舎。
朝のうちに門をくぐったカメルは、広場で少し時間を費やした後に、反対側の街壁まで歩く。
フーウェイはそれほど大きな街ではない。
街の東の端にたどり着いたのは昼すぎで、厩舎めいた建物がいくつか見える。
馬を飼っている厩舎の横に、奇妙なものが見えた。
鎖でつながれた「切株」が、牧草地に放置されているのだ。
足を止めてよく見ると、切株は少しずつ動いている。
なんだこれは?
ピッチフォークで馬のエサを持ち上げている男を呼び止めて、カメルは尋ねる。

「〈切株トレント〉だよ。〈トレント〉を倒した後で完全に死んでいなかったら、俺らはその身体の根っこを残して、上の部分を切り落とす」

男が言うには、数分の1のサイズになった〈トレント〉は知能が下がり、従順になるのだという。

「すると、根だけになっても、すぐには死なないで何年か生きる。だんだん枯れて、しまいには死んじまうが、それまでは役に立つってわけよ」

男に礼を言って、カメルはもう少し奥まで歩く。
そこにも厩舎がある。
【騎乗生物】を飼っているのだろう……そう思ったカメルは、確認のつもりでその屋根の下を確認した。


◆奴隷厩舎。
それが何なのかを理解するのに、少し時間がかかった。
屋根の下の暗い部分で、何かが動いている。
黒い肌の人間型生物。エルフのように耳が尖っていて、エルフよりもずっと目つきが悪い。
闇エルフだ!
ここは奴隷厩舎なのだ。
ここフーウェイの北西部には「太古の森」と呼ばれる、古い時代から続く森がある。
そこには「動く植物」トレントの他に、邪神を信仰するエルフである闇エルフたちが生息している。
生きたまま捕まった闇エルフは【捕虜】として生かされ、奴隷として飼われるのだ。

カメルは来た道を急ぎ戻る。
先ほどの男が、しかめ面で立っている。
カメルからすると、彼が何も言わないので奥へと進んだのだが……男のほうは単に自分の馬のほうに気がいっていただけだったらしい。
あまりいい行動ではなかったようだ……カメルは軽率な行動を謝ると、足早に「牧場」をあとにする。


◆仕事の後に。
引き返して宿に着くまでに、少しずつあたりが暗くなる。
夜空に星が見える頃、先ほどの石造りの建物の前にやってくる。
カメルの宿に面した広場である。
女性たちの集団が、建物の前の広場に出ている。
広場の中心で焚き火をたき、1人が月に似た楽器(ムーンハープというらしい)を弾いている。
静かな声で残りの女性たちが歌いながら、空へと昇っていく煙を眺めている。

広場に続く道から、男たちの太い歌声が呼応するように返ってくる。
日暮れとともに、狩りから戻ってきたのだろう。
枝にくくりつけられた数匹の〈魔犬獣〉を、皆でかついでいる。
今日の狩り──あるいは戦いと言ったほうがいいのだろうか──は、上々の首尾だったらしい。

宿に入り、2階の個室に上がっても、その心地よい音楽は鳴り続けていた。
カメルはその旋律と歌声を、焚き火の前で笑い合う人々を、部屋の窓からずっと眺めていた。


◆その他の話。
毛皮などの動物素材と石材を中心とした独自の文化は、より南方の都市民に「野蛮」との印象を与え、未開の部族のように思われることもある。
しかしながら、実際の彼らは(我々の基準とは違うものの)おしゃれ好きで、戦闘や鍛冶のみならず、航海術や占星術に発達した洗練された部族である。

彼らは集団で行動するが、それはひとつには厳しい寒冷地方に住んでいるためである。
日中の燃料消費を抑えるための最適な方法は、個別に暮らさないことだ。
街にはいくつかの部族がまとまって暮らしている。
とはいえ、そのすべてが集団行動を行うわけではない点にも注意が必要だ。
店を営む者や、少人数で行う仕事をなりわいとする者たちもいるのである。


◆北方の2つの街。
エドワルド・フォン・ハルト3世は「ドラゴンごろし」の異名を持つエドワルド・フォン・ハルト1世の孫である。
しかしながら、フーウェイの統治は世襲ではない。
1世が実力でこの街のリーダー(「長」と呼ばれる)の地位を勝ち取ったように、3世もまた戦いのなかで周囲に認められ、長となった。
フーウェイのなかでも彼らハルトの一族は代々、特に武勇に秀でていた。
エドワルド1世がこの街の長となるずっと前に、彼の先祖の一部はフーウェイの街を出て、危険なスォードヘイルの雪山を越え、新たな街をつくった。
街は北方都市サン・サレンと呼ばれた。
サン・サレンは「聖なるサレン」という意味であり、サレンという名称は彼らが信仰する獅子の顔を持つ神、獣神セリオンを由来とすると言われている。


◆旅は続く。
翌朝早くにカメルは街を出る。
西の端にあるハルト川に面した港から、船旅をはじめるのだ。
盗賊都市ネグラレーナへと向けて。


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↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
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2025年7月19日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第649号 FT新聞 No.4560

From:水波流
『吾輩は猫である』を読み終わり、藤田和日郎『三日月よ、怪物と踊れ』を手に取って、ふと自分が好きなものってだいたいこの時代(1900年代前半)が舞台なんだなぁと。そう思っていると『八雲百怪異聞』に漱石とメアリー・シェリーが登場し、リンクしている感覚。(怪物と踊れ、の主人公がフランケンシュタインの作者であるメアリー・シェリーなのです)

from:葉山海月
「見える人」に「つかれているの?」と聞かれる。
オカルトとは無縁の生活を送ってきた私に、何か悪霊が!?
聞き返してみると「疲れているの?」ということでした!
そう、つかれているのよ……

from:くろやなぎ
遅ればせながら、火呂居美智氏の『幽霊屋敷の果実酒』(7/6配信)をプレイしました。
詳細については、火呂居氏からのお返事と合わせて、下のコーナーでご覧いただければと思います。
ゲームブック的な歯ごたえもあり、攻略までの試行錯誤が楽しめるシナリオだと思いますので、未プレイの方はぜひいちど遊んでみてください。プレイされた皆さんからのご感想もお待ちしてます!


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ


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■7/13(日)~7/18(金)の記事一覧
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2025年7月13日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4554

アランツァクリーチャー事典 Vol.18
・本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
アランツァクリーチャー事典の第18回、今回のジャンルは『動物』!
ラインナップは、「人喰い」の代名詞、トラなどオーソドックスなものから、殺人リスというとんでもないものまで!
先月に引続き、後編となります。
どうぞお楽しみ下さいませ。
(葉)


2025年7月14日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4555

旅に出ません! 
・スペインに行かなかったご報告を、最初にします。
から騒ぎでおしまいとなりました、すみません。
その件と、夏の新作ですが、通販ページができました! というお話です。
どうぞよろしくお願いいたします。
(葉)


2025年7月15日(火) 田林洋一 FT新聞 No.4556

『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.5  
・田林洋一氏による、1980年代半ばから1992年の間に東京創元社から刊行された「スーパーアドベンチャーゲーム(SAGB)」の一連のゲームブックの解説記事です!
今回は日本のゲームブック界(及びTRPG)をリードしてきた安田均氏とTTGによる「デュマレスト・ゲームブック」2作品を主に扱います。
E・C・タブのSF小説を原作とした「デュマレスト・ゲームブック」は、原作を元にした小説的な雰囲気をふんだんに持たせてキャラクターを確立させる一方、移動は単方向で海外の雰囲気も併せ持っています。
小説を基にした圧倒的な背景世界の広がりと、「読ませる」文章、物語を主体とした本作の魅力に迫ります。
(葉)


2025年7月16日(水) ぜろ FT新聞 No.4557

第1回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ
・コミカルでちょっとシュールな竜鍵諸島のシナリオと相性抜群、軽妙な語り口でおなじみ、ぜろ氏のリプレイ第447回です。
前回までの冒険で、とっても素敵だけどすっごく不便なおパンツを手に入れた宇宙忍者ポストん。
このおパンツをどうしたものかと思いながら竜鍵諸島に滞在を続けていたところ、露店祭でのスタンプラリーの企画が目に入ります。
せっかくの機会を目いっぱい楽しもうと決めたポストん、そして新たな相棒・ヨアケ。2人が最初に入った露店では、さっそくハードな「バトル」をすることに…?!
再び始まる奇妙な冒険に、どうぞお付き合いよろしくお願いいたします。
(く)


2025年7月17日(木) 東洋夏 FT新聞 No.4558

ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.1
・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「写身の殺人者」リプレイが満を持してFT新聞に登場です!
一人目の主人公は齢十二の少年・シグナス。
厳格な聖騎士サー・ノックスに仕える従騎士……騎士見習いです。
そして二人目の主人公は、何と剣型ゴーレム「おどる剣」クロ!
少し弱気ながらも、騎士の素質を垣間見せる少年と、彼を導く不思議な剣。
王道ファンタジーな組み合わせに胸が高鳴る中、彼らが挑むはサン・サレンの街で起きている奇妙な殺人事件。
——自分自身に殺される夢を見た者が、その後本当に殺されてしまうのだという……。
しかし少年シグナスは、冒頭から騎士の沽券にかかわる大ピンチを迎えてしまったようで……!?
好評発売中であるローグライクハーフd66シナリオ「廃城の秘宝」に登場した、ファンメイドリプレイ出身のキャラクター、
ソール・オ・リエンス氏の生みの親でもある東洋夏氏による、世界観への解像度の高さに支えられた鮮やかな筆致で紡がれる新たな冒険譚の幕開けを見逃すなかれ!
(天)


2025年7月18日(金) けいねむ FT新聞 No.4559

モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション・レポート
・6月に開催された「モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション」で運営スタッフ兼GMを務められた、けいねむ氏によるコンベンションのレポートです。
ラヴクラフト・ヴァリアント2nd、ケン・セント・アンドレ作品、そしてオリジナルシナリオと、個性ある3つの卓すべてがトラブルなく完走となり、ベテランプレイヤーの方も実プレイが初めてという方も、参加者の皆さんが笑顔で楽しめるコンベンションとなったようです。
9/28(日)には、「遊びやすさ」と「交流の深さ」に磨きをかけて、第2回のコンベンションが開催されます。FT書房からのゲスト参加も含め、企画と準備が進行中ですので、詳細の発表までしばしお待ちください!
(く)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ジャラル アフサラールさん)
緒方さんはズゴックですか。私は「当たらなければどうという事はない。」という赤い彗星の名言に従い機動ポイントの高いデザートザク選んだ覚えがあります。でも結構ボロボロで機体乗り換えた覚えが(笑)
『灼熱の追撃』ネット読むと意外に(笑)ズゴックでプレイした人多いようで、デザートザクの私は少数派? 
あと今更ながらロベルトさんはZガンダムのチョビ髭の人だったと確認しました。シャアとは一年戦争時から部下で確か戦後逃げ延びたアクシズで再会していましたね。『灼熱の追撃』からどう生き延びてアクシズに逃げおおせたのか興味深いです。

(お返事:緒方直人)
ジャラルさん、お便りありがとうございます。
ズゴック固いですからね。バルカンもキャノンも跳ね返すとなればそりゃ楽でしょう。でも私もデザートザクによるロマンプレイもしっかりやりましたので、あとでそちらの攻略もどうぞお楽しみに。しっかしデザートの上位機体のはずのトロピカルドムがノーマルドムより機動P低しってのはどうだったんでしょうね。結局使いませんでしたよ。
ロベルトさんもいいゲストキャラでしたね。もちろん正史扱いではないでしょうが想像するのは自由です。きっとジョン坊やも連れてクワトロ中尉らとチームを組んでた時期もあったのではないでしょうか。


(ヴェルサリウス28世さん)
>FT新聞1ウィーク! 第648号 FT新聞 No.4553
>Q
この馬券を買うか買わないか迷っているあなたに、女の子二人組の妖精さんが出てきました。
女1はにこにこと黙ったまま。
女2は「この人は『馬券は買うな』っていいたいのよ! もちろんあたしは幸運の女神!」
どちらかが天使でどちらかが悪魔です。
どちらも予知ができます。
ただ、女神は正しいことしかいいませんし、悪魔は逆に嘘しかいいません。
さて、あなたはどうすればいいでしょう?
いくつかの仮定を置きましょう。
・妖精であることと「天使」「悪魔」「女神」は両立可(悪魔妖精と女神妖精がいる。女神妖精の別名が天使妖精。)。
・「天使」と「女神」は同義。悪魔と女神は両立しない。
・天使も悪魔も、馬券が当たるなら買え、当たらないなら買うなと言う。「悪魔なら外れた方が嬉しいから『買え』と認識して『買うな』と言う」、「天使なら賭博を嫌って当たろうが外れようが『買うな』と言う」といったことはしない。
・天使も悪魔も、発言意向と発言は一致する。つまり、悪魔が「馬券は当たらない」と予知したときは「馬券は買え」と「言いたい」こととする。「『馬券は買うな』と『言いたい』けど、私は悪魔なので実際には『馬券は買え』と言う」ことはない。要するに女2の発言は「女1は『馬券は買うな』と言う」と同義。
さて。女2が天使だとする。後半の「あたしは幸運の女神」は真。「女1は『馬券は買うな』と言う」も真。悪魔が「馬券は買うな」と言うのだから、馬券は買うべき。
次に女2が悪魔だとする。「あたしは幸運の女神」は偽。「女1は『馬券は買うな』と言う」も偽。女1は天使で、実際は「馬券は買え」と言うのだから、馬券は買うべき。
悪魔が「馬券は買うな」と言うか。当たりと予知したとき、悪魔は「馬券は買え」と認識し、「馬券は買うな」と発言する。
外れと予知したとき、「馬券は買うな」と認識し、「馬券は買え」と発言する。
天使は当たりと予知したら「買え」、外れと予知したら「買うな」と言う。
「天使も悪魔も、当たりはずれ関係なく、馬券は「買え」というはず。」とは言えませんね。
あと、古い話ですけど「グスタフ3世のコーヒー実験」って史実だったらしいじゃないですか。それならそうと言ってくれれば。
スウェーデン国王グスタフ3世(在位1771〜1792)は、一卵性双生児の死刑囚を終身刑に減刑し、1人はポット3杯のコーヒーを、別の1人はポット3杯の茶を、死ぬまで毎日飲むこととされた。監督者である2人の医師は実験中に死亡し、グスタフ3世も実験結果を見ることなく1792年に46歳で暗殺された。先に死んだのは茶を飲んだ囚人であり83歳まで生きた。コーヒーを飲んだ囚人がいつ死亡したかは不明である。

(お返事:葉山海月)
お返事ありがとうございます。
毎回私のくだらないなぞなぞに付き合っていただき、ありがとうございます!
あらら! これは申し訳ございません!
私のエライうっかりです!
まったく、ヴェルサリウス28世さんの言う通りです。
まぁ、この暑さが見せた真夏の夜のマボロシと思っていただければ!
「グスタフ3世のコーヒー実験」もスミマセヌ! つい忙しくて忘れていました。
ごめんなさい!My bad!


(くろやなぎさん)
FT新聞の新人編集部員のくろやなぎと申します。遅ればせながら、『幽霊屋敷の果実酒』をプレイしました。
d66の出目と判定ロールの出目に翻弄され続け、1回目の冒険で最終イベントまでにめくったマップタイルは18枚。しかも40番台以降の割合がやたらと高く、「何枚めくったら最終イベント」方式のシナリオではなかなか経験できない、山あり谷ありの長く充実した冒険になりました!
苦労の末にようやく果実酒の材料を3つ入手したと思ったら、そのうちの2つについて「混ぜると××××××を××」という情報があったことに気付いて頭を抱えたことも。
ボロボロになった状態で迎えた60番台のできごとで、祈りながら振った反応表で1(何もしない)が出たときは、「ローグライクハーフで、こんなにうれしい「1」が出たのは初めてだ…!」と感動しました。
そんなこんなで、何とか集めた良さげな材料たちを抱えて屋敷から脱出しようとしたのですが、最終イベントでは………。
ゲームブック的なテイストもあり、不幸にしてロストになったときも、つぎの戦略を立てて試行錯誤する楽しみがある、とても面白いシナリオだと思います。つぎは副能力値が×××の主人公で、武器の特性は××にして再挑戦します!

(FT新聞の読者のみなさまへ:一部、ネタバレ回避のため×印や……で伏せた箇所がありますが、火呂居氏には伏せた内容もお伝えしました!)

(お返事:火呂居美智)
くろやなぎさん、「幽霊屋敷の果実酒」を遊んでいただきありがとうございます。変わった趣向のシナリオのため、難易度がどうかなぁと思っていましたが、一回目の冒険で18枚もめくることになりましたか……ロストしてしまい残念です。しかしながら面白いシナリオを感じていただき、良かったです。ぜひ再チャレンジしていたたき、エピローグまで読んでいただけたらと思います。
また、FT新聞の編集部員に加わられたとのこと。今後関わりがありましたら、その時はよろしくお願いします。


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2025年7月18日金曜日

モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション・レポート FT新聞 No.4559

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モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション・レポート

けいねむ
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こんにちは、モンスター!モンスター!TRPGファンのけいねむです。去る6月1日(日)に名古屋市中区で開催された「モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション」(以下、M!M!オンリーコン)の運営スタッフ兼 GM を務めました。
本稿では当日の流れを振り返りつつ、その内容と今後の予定を皆様に共有したいと思います。また、大変好評に終わったコンベンションですので、記事最後に告知を致しますが今年9月ごろ第二回を開催したいと思っています。

■M!M!オンリーコン開催までの経緯
岐阜県を中心にTRPG会を主催しているK-SANと学生時代に共に活動していた私、けいねむが昨年末に24年ぶりに再会して「モンスター!モンスター!TRPG」を遊んだ際にK-SANより「次は伏見さんを呼んでコンベンションを開こう!」と発案があり、お互い過去にそれぞれのグループでコンベンションを主催していたこともあり開催に至りました。

■コンベンション概要
開催日程:2025/6/1(日)
会場:愛知県名古屋市中区新栄2丁目1−4 アソルティ新栄2階
開催時間:9時30分〜16時30分予定
プレイヤー定員:15名 予約制
参加費:500円
主催:K-SAN(@KarueK) 協力:トロール洞

・会場タイムスケジュール予定
09:30 開場・ルール講習会/10:00 開会式/11:00 キャラ作成&昼食/12:00 セッション開始/16:30 GMトーク・閉会式

■卓紹介
- 伏見健二 卓『ドウィンドレッドメン〜坑道に潜む恐怖』〈ラヴクラフト・ヴァリアント2nd〉
1925年、英国の田舎町を調査に行った女性記者が消息を断った。彼女を探しに行った一行は、狂気にとらわれた街へ足を踏み入れる。「最も古いクトゥルフ神話RPG」ラヴクラフト・ヴァリアントの最新版を体験しましょう。ルールは簡単で、ゲームを進めながら説明いたします。

- けいねむ 卓『The Gauntlet of Doom』〈ケン・セント・アンドレ作品〉
障害物競争と書いて「デストラップ・ダンジョン」とルビを振るT&T系ゲーム伝統ともいえるダンジョンシナリオを軽量化したものです。猫の女神の観戦の元、ガクサーン市の支配者の座を賞品に毎年行われるこの競技にスラム街で兄弟同然に育ってきた君たちは自分たちと弟/妹分を救う為に参加する形でゲームは始まります。

- K-SAN 卓『エヂプト冥界行』〈オリジナルシナリオ〉
世話になった恩ある女神さまが戦の女神に斬られてしまった!女神様の魂を救うため君たちはエヂプトの地獄、冥界ドゥアトへと旅に出る、神話的冒険譚。モンスター!モンスター!TRPGの楽しみ易く豪快なルールと神様が息づく世界を感じられるシナリオです。

■来場者への配布物:
・Thomas H. Pugh著/岡和田晃訳『名古屋を覆う影』・M!M!TRPGルールサマリー・ラヴクラフト・ヴァリアント2ndルールサマリー・冒険点記録シート

- 今回、M!M!オンリーコンを行う旨をFacebook上の海外M!M!TRPGファングループに投稿した際、ラヴクラフト・ヴァリアント2ndの作者であるThomas H. Pughさんより「私にも何か協力させて貰えるだろうか?」とのお声がけを頂き、ラヴクラフト・ヴァリアントとM!M!の小サプリメントとなる『名古屋を覆う影』を作成頂き、岡和田晃さんの翻訳とDON-CHANGさんのイラストにより日本語版にて配布することが出来ました。
Thomas H. Pughさんとその作品については、下記にコンベンションで配布したものと同じ紹介資料を用意しましたので、ぜひご一読下さい。

https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Thomas_H._Pugh.pdf

■各卓のプレイの様子(セッション終了後のGMトーク&来場者アンケートより要約)
・伏見健二卓
GMより:どのPCもキャラクターが濃くて、笑いながらもスリル満点で、GMとしては結構、一人くらいは死傷者出るつもりで臨みましたが、皆さんバリバリDARO出してしまって、無事にハッピーエンドになりました。
PLより:コミカルでパルプフィクション的で、でもちゃんとしたホラーなセッションでした。探索し甲斐のあるストーリーが良かったです。

・けいねむ卓
GMより:今回はM!M!TRPGはT&Tより続く「現役のオールド・スクールRPG」という点を重点的に体験して頂こうとこのシナリオを選びました。が、プレイヤーの皆様が古強者すぎて上手く行き過ぎました。時間が前倒ししたことも相まって、予定時間より大幅に早く終わってしまいました。
PLより:一つ間違うと死んでしまう緊張感がありながらも、GMのマスタリングと同卓頂いたPLの想像力やプレイングの巧みさも相まってベストに近い結果になったと思います。

・K-SAN卓
GMより:神話というジャンルの相似点を利用して、エジプト神話と日本神話をミックスして、PLさん達に予想を立てやすくするようなシナリオにしました。皆さんさくさく進めて頂けて、満足いただけたと思います。
PLより:初めてなのに既視感のある流れによって、ストーリーのテンポがとても良く、戦闘のバランスも非常に優れていて非常に良かったです。

■当日の四方山話
・本コンベンション運営スタッフは共にDiscordサーバー「トロール洞」のメンバーでしたので、コンベンション当日に開場30分前に配布物作成と開場設営準備の有志ボランティアをDiscordで募った結果、ほぼ全員が開場30分前に来てしまって、それ以外の来場者の方も早めに来て頂けた結果、スケジュールの全ての予定を30分繰り上げとなる形になりました。

・M!M!TRPGのみを行うコンベンションはまだ前例が少なく、ルールに不慣れな方の為にルール講習会の時間を取ったものの、半分近くは社会思想社T&Tの時代からプレイしていて今現在も「モンスター!モンスター!TRPG」の情報を集めておられる方が参加、講習会後には「必要あった?」との冗談も飛びましたがそれぞれの卓でベテランプレイヤーが不慣れな方をサポートされる光景が見られました。

■良かった点(アンケートより抜粋)
・初の M!M! 実プレイを体験できた。
・共通システムのオンリーイベントで認識齟齬が少なかった。
・伏見氏の GM 技量と最新ラヴクラフト・ヴァリアントを堪能。
・全卓立卓で笑顔のまま終了。
・シナリオや配布小冊子がとても良かった。

■課題点・次回での改善策(アンケートより抜粋)
1. 会場案内不足
- 入口掲示が小さく、迷う参加者が発生 → 事前案内メールのみでは不十分。次回は会場入り口にチラシを貼り付け掲示したい
2. 卓間の音漏れ
- 隣卓の歓声で聞き取りづらい場面があった → 次回は卓間の距離を充分にとり配置したい。
3. 参加者横断の交流機会が少ない
- 卓固定で終日進行したため、卓を超えた交流が不足。次回はフリートークなど卓外でも交流要素のある時間を作りたい。

■おわりに
M!M! オンリーコンは全卓立卓・全卓完走・トラブルゼロという成果を収め、終了後の参加者アンケートでも 提出頂けた方全員が「また参加したい/参加を検討したい」と回答して頂きました。来場された方全てに満足頂き成功した手応えがあります。とはいえ会場導線や卓間環境など運営面の磨き込み余地はまだまだ大きいと感じました。
次回の開催では、本稿で挙げた改善策を実装し、「遊びやすさ」と「交流の深さ」を両立させたいと思います。ご協力・ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。また秋に皆様と卓を囲める日を楽しみにしています!

■次回日程とおしらせ
第二回「モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション」(仮)は会場を変更し9月28日(日)に開催致します。ゲストとして杉本=ヨハネさん、中山将平さんのお二人をお招きして開催を予定しております。現在企画と準備を進めておりますので近日中に詳細な告知を行えると思います。

また本記事はどうしても運営スタッフ目線からしか書けませんでしたので、今回M!M!オンリーコンに参加された方のご感想などを短文でも結構ですので下記のFT新聞へのお便りや、あるいは記事を投稿頂いて参加者側から見たコンベンションの様子を共有頂けると非常に助かります。
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最後に、この記事でも頻出した『モンスター!モンスター!TRPG』と『トンネルズ&トロールズ』の話題を専門に扱うDiscordコミュニティ「トロール洞」では常時メンバーを募集しております!
もしご興味ある方がおられましたら、主宰である私けいねむにXで(ID:keinem1979)DMを送って頂くか、既にDiscordを使われている方はユーザー名:Keinem1979までフレンド申請とメッセージを送ってください。ポリシーの説明をさせて頂いてご承諾頂けたのちに、招待リンクを送らせて頂きます。
Discordは以下のリンクからもメッセージを送る事が出来ます。(リンク期限7/24まで)
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2025年7月17日木曜日

ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.1 FT新聞 No.4558

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ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイ vol.1

 (東洋 夏)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
 
 FT新聞をお読みの皆様、こんにちは!
 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。
 このたび木曜日の枠をしばし頂戴し、僭越ながらローグライクハーフのリプレイ小説を連載させていただきます。
 いちファンの拙い作ではございますが、最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。
 
 まず「お前は何者だ!」と思われる方も多いかと存じますので、少しだけ自己紹介とローグライクハーフへの想いを挟ませていただきます。
 
 私はローグライクハーフで初めてTRPGに触れました。
 ダイス目によって、主人公の人となりが垣間見える瞬間。
 ランダムであるからこそ、思わぬ主人公の「主張」がプレイヤーに伝わってくる感覚。
 コントロールできない要素があるために、ひとりで遊んでいるのに主人公が横にいてくれるような、一緒に戦ってくれているような息遣いがする。
 そんな不思議な遊びがあるなんて、驚きでした。
 リプレイを小説仕立てにしたのは、そうやって綺羅星のように命を輝かせた誰かがラドリド大陸に確かにいたことを書き留めたかったからです。
 また、リプレイを皆様に共有して楽しんでもらえるというのも、個人的には斬新な経験でした。d66システムのランダム性ゆえに、同じシナリオでもプレイヤー毎に全く違う物語が描かれていく構造であること。これが、シナリオのネタバレ前提であったとしてもリプレイを楽しめる、ローグライクハーフ全体の大きな強みだと認識しています。
 今まではX(旧Twitter)で11作ほど発表してまいりましたが、折角FT新聞さんが読者にも門戸を開いてくださっているなら、胸をお借りするつもりで挑戦してみようと思った次第です。
 
 さあ、本題に入りましょう。
 今回はサン・サレンが舞台のd33シナリオ『写身の殺人者』に挑戦します。
 製本版『雪剣の頂 勇者の轍』に収録された、サン・サレン四部作のひとつです。
 
 私のプレイスタイルは、プレイヤーひとりで主人公ふたりを操る冒険。
 これまではX(旧Twitter)でシリーズ物のリプレイを発表してきましたが、FT新聞では初めての掲載となりますので、新たに主人公を準備しました。
 折角なので、これまでにFT新聞で掲載された諸先輩方のリプレイには登場しない組み合わせにしてみます。
 
 ひとりはロング・ナリクの従騎士シグナス。
 立派な聖騎士を目指して修行中の十二歳の少年です。
 まだ半人前ですので、いっぱしの冒険者と肩を並べることはできません。
 そこで横紙破りではありますが、「レベル7=初期経験点7」からのスタートとします。
 
 もうひとりはサプリメント:ヒーローズオブダークネス(HoD)で紹介された種族〈おどる剣〉を採用します。
 〈おどる剣〉というのは意思を持つゴーレムの一種で、種族名の通り剣の姿をしています。
 空中を飛んで相手を斬りつけるなんて芸当もできる、攻撃に特化した魔法の剣なのです。
 名前はクロ。シグナスの体格に合わせて、小ぶりな剣の姿をしています。
 心根の真っすぐな少年と、少年を導く不思議な剣。
 これぞファンタジーという組み合わせだと思います。
 さて、どんな冒険を見せてくれますでしょうか。
 
 ※ヒーローズオブダークネス(HoD)についてはこちらをご参照ください。
 https://ftbooks.xyz:443/ftwiki/index.php?%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8D%E3%82%B9
 
 ふたりのステータスは後にご覧いただくとして、まず今回はプロローグをお届けします。
 なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。
 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。
 
 前口上はこれでおしまい。
 さあ、スォードヘイル山脈を見晴るかすサン・サレンへ旅立つと致しましょう!
 
 ◇
 
 [プロローグ/従騎士、おねしょする]
 
 シグナスは、ショックを受けていた。
 十二歳にもなって寝小便をしてしまったからである。ランタンを掲げて眺めれば、藁を詰めたシーツの上に、しっとりとしたラドリド大陸の地図が出来ていた。
 「クロ、どうしよう。サー・ノックスに愛想を尽かされてしまうかも」
 顔面蒼白、今にも泣き出しそうなシグナスの、腰の辺りから返事が聞こえる。
 「さあなあ。ま、最善策はとっとと洗濯係をつかまえて、誠心誠意、お願いすることだ。朝一で洗ってください、とな。もう夜は明けているぞ」
 「うん」
 「あ、いかん。その前に着替えだ、着替え! オレが腰に下がってることを忘れるなよ。びしょ濡れのズボンすれすれで揺られて行くのは、ごめんだからな」
 慌ててシグナス少年はズボンを脱ぎ捨て、道具袋の中から替えを引っ張り出した。幸いにもお仕えしたサー・ノックスはお金持ちで、しかも服や布地を商っている家の長男だから、装束に関しては従騎士にも気前よく分け与えてくれる。あんまり汚いものを着ていると、家の名に傷がつくから。
 (でも本当は、僕が粗相するかもって思われてたのかな)
 そう考えると、じんわりと涙がにじんできた。厳格なサー・ノックスは、いかにシグナスが子供であっても、躾には妥協がない。失望されたら孤児院に逆戻りかもしれないと、身震いする。金牛の丘の孤児院は良い人ばっかりだったけれど、サー・ノックスが仰るには「将来の見通し」に関しては悪いところなのだそうだ。
 清潔な生成りのスボンに履き替えて剣を吊り下げると、
 「なあ、まさか相棒。お前、例の悪夢を見たんじゃないだろうな。オレは〈剣〉になって以来、とんと夢なぞ見ないからわからないが」
 シグナスは腰の辺りを見下ろした。そこに佩いた剣の柄に、まん丸い一つ目が開いている。ぱちぱちと瞬きする様子が人間くさい。
 「どうなんだ」
 先程からシグナスに話しかけているのは、その剣である。剣と言っても、短剣に毛が生えたような中途半端な長さのもので、十二歳の腕には丁度いいが、大人に持たせたら忌々しい顔をされるだろうな、と想像出来るような剣である。
 彼は──剣のことだが──その名も〈おどる剣〉という種族に分類される存在だ。一般的にチャマイ製のゴーレムだが、シグナスに「クロ」と呼ばれるこの彼は、〈元・人間で現・おどる剣〉だと主張している。何でも人間だった頃の記憶があるとかなんとか。シグナスはちょっぴり疑わしいと思っている。
 「速やかな返答は義務のひとつだ、シグナス」
 サー・ノックスの真似をして、剣のクロが偉そうに言った。
 「見たよ」
 シグナスは口を尖らせる。強がっていないと怖いのだ。ほかの感情を詰め込んで追い出しておかないと、たちまち悪夢を思い出してしまう。自分に殺される夢を。
 「一大事じゃないか! おねしょより深刻な!」
 「言わないでったら」
 「どっちをだ」
 「どっちも!」
 シグナスは鼻をすすった。
 今、このサン・サレンの街では、奇妙な連続殺人事件が起こっている。被害者はまず自分に殺される夢を見、その後、本当に殺されてしまうのだ。正夢というやつだろうか。
 ついに領主ラドス・フォン・ハルトまでもが自分に襲われる夢を見たため、たまたま滞在中だったナリクの聖騎士たちに護衛の依頼が舞い込んだ。シグナスの主人サー・ノックスも聖騎士のひとりである。
 「ねえ、こんな面倒なこと言ったらさ、絶対サー・ノックスに嫌がられてしまうよね……」
 「馬鹿者。従騎士の生命を護るのは主人の役割だ。遠慮なく報告しろ。あれが不機嫌なのは毎日毎時毎秒変わらないから諦めるしかない!」
 「やだなあ」
 「横で寝ていてくれれば解決が早かったんだが」
 シグナスは部屋のもうひとつの寝台をちらりと見て、
 「それじゃ緊張して寝られないよ」
 と言った。主人の寝台には皺ひとつない。いったい、サー・ノックスはいつ寝ているんだろう。
 シグナスは洗濯係に〈特別料金〉を支払うべく、金貨の詰まった巾着を袖元に押し込んで部屋を出た。廊下は暗く、雪国とあって春でも寒い。マントの前をぎゅっとかき合わせた。
 そこで、シグナスは閃く。
 「ねえクロ。僕が自分で解決するってプランはどうだろう。サー・ノックスに訴えて護ってもらうんじゃなく」
 「ふむ、よく言った。それでこそ騎士だ」
 「やってみる。僕の命だって、かかってるんだからね」
 聖騎士たちに割り当てられた部屋の並びは静かだが、そこここで人々が動き出している気配がある。洗濯は大変な仕事だから、領主様の御屋敷ともなれば、夜明けから働き始めるに違いないとクロは言った。シグナスはサー・ノックスが誕生祝いにくださった、大切なランタンを提げて歩いていく。
 その時、階上から大きな悲鳴が聞こえた。聖騎士たちが慌ただしく駆けていく足音が続く。また御領主様が悪夢を見てしまったのだ。シグナスは悩んだが、寝小便の恥より騎士の義務感が勝って方向を変え、階段を駆け上がる。
 領主の私室の前には純白のローブを着た聖騎士たちが三名ほど、領主お付の医者だという人と話し合っていた。シグナスが近づいていくと、その内のひとりが振り向いて手招きをしてくれる。サー・ベルールガは主人の後輩で、シグナスにも優しい。
 「また悪夢ですか? サー・ベルールガ」
 「そうなんだ。しかも」
 締め切られた領主の部屋の分厚い扉に目をやってから、
 「首を絞められた」
 「えっ」
 「幸いにもご存命だよ。ただし、窓も扉も全部閉まってたそうだ」
 「じゃあ、どうやって。犯人は魔法使いとかでしょうか」
 「さて」
 騎士は無精ひげの伸びて来た顎を撫でながら、面白そうな顔でシグナスをしげしげと見ている。
 「領主殿の仰せでは、姿見から下手人が出てきたそうだが。……何か言いたげだな?」
 「あのう、サー・ベルールガ。大変お手数をお掛けしますが、仕事を申し付けてはいただけませんか」
 「ははあ」
 訳知り顔で微笑んだ騎士は、
 「分かった。じゃあ、お前の主人を探してくれ。多分、街にいる」
 「ありがとうございます」
 シグナスは深々と一礼して、踵を返した。その背中に先輩騎士は言い添える。
 「気をつけろよ。街でも新たな被害者が出たらしいからな!」
 
 ◇
 
 今回のリプレイは、ここまでです。
 シナリオのプロローグと比べていただきますと、たっぷりアレンジを利かせて遊んでいることが一目瞭然かと思います。
 こんなに自由に物語っても許容範囲内なのがローグライクハーフの器の広さ。
 次回からは本題から脱線しないように手綱を握りつつ、ふたりによる不思議な殺人事件の捜査を開始していきます。
 自分も捜査してみたいぞと燃えてきた方は、是非FT書房様のBOOTHをチェックしてみてくださいませ。
 
 それではまた再来週お目にかかりましょう。
 良きローグライクハーフを!
 
 ◇
 
 (登場人物)
 ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。殺人者の悪夢を見ておねしょした。
 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。
 ・ノックス…シグナスの主人。超が付くほど厳格な聖騎士。
 ・ベルールガ…ノックスの同僚の聖騎士。優しい。
 ・サン・サレンの領主…殺人者の悪夢に苛まれている。

■作品情報
作品名:『写身の殺人者』
著者:ロア・スペイダー
イラスト:海底キメラ
監修:杉本=ヨハネ、紫隠ねこ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/6820046
『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録


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2025年7月16日水曜日

第1回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4557

第1回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。


■ローグライクハーフとは

「ローグライクハーフ」は、TRPGのように遊ぶこともでき、ゲームブックのように遊ぶこともできるという両者の中間のような位置づけのルールです。
1人でもプレイできますし、3人まででTRPGのように遊ぶこともできます。
その内容はランダムダンジョン。サイコロを振ってイベントを決め、起きた出来事に対処します。
同じイベントに行き当たらないような工夫がされているのもポイント高いですね。
簡単に遊ぶには、とても良くできたシステムなのです。


●作品紹介

ぜろです。
「ローグライクハーフ」のリプレイの時間がやってまいりました。
今回挑みますは、「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」という、なんとも奇抜なタイトルの作品です。
こちらは、「竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜」に収録されている作品です。

この作品には2つのシナリオが収録されています。
ひとつは「素敵なおパンツ同盟 〜紡ぐは夢のおパンツ〜」です。
はい。前回までのリプレイです。
そしてもうひとつがこの「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」なわけです。
しかも今回は、前リプレイの感想もあとまわしにして、そのまま引き継いでプレイをさせていただきます。
なので、説明もほどほどに、内容に入っていきますね。

主人公はポストん。二足歩行するザリガニのような外見の宇宙忍者です。
クリアしたときのステイタスはこんな感じです。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6 器用点:5 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(片手武器・斬撃)
シノビ装束(革鎧・生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0

【持ち物】
1星見のレンズ
2宝石(金貨25枚)
3ヤコウミツメ酒(1本):食料がわり。あと発光。
4火亀鍋
5ホム

【未使用経験点】1

【従者】
黒子(弓兵・射撃+1・斬撃)

【相棒】
【ドナ 技量点1 生命点7 器用点4】
【装備】
軽い武器(斬撃 攻撃-1)
弓矢
革鎧(生命点+2 器用ロール+1)


前回、「素敵なおパンツ同盟」にて、伝説の職人ビビエさんからとても素敵なおパンツを作ってもらった主人公ポストん。
しかしそのおパンツは、ものすごい重さのためやわらかい地面だと足から沈んでいくし、ボートに乗ったら沈没しちゃう。
履いてる本人は重力制御で守られますが、重さ自体は変わらないため、移動制限がついてしまうというデメリットつきなのでした。

ヘタしたら、重量オーバーで宇宙船にも乗れません。

そんなわけで竜鍵諸島の都市マックルーで、のんびり過ごしていたポストん。
そこに露店祭、フェスティバルの案内が!

なんとスタンプラリーに豪華景品まであるらしい。
せっかくだから楽しんじゃおう。

こうして、本編へと入っていくのです。


●レベルアップと前準備

前回得た経験点1点を用いて、ステイタスを上げます。
ここは器用点を上げることにしました。
器用点が、5点から6点へ。

それから、持ち物を換金します。
星見のレンズは換金情報がありません。
前回「素敵なおパンツ同盟」のラスボス戦を有利にするためのアイテムなので、役割も終えています。
なので持ち物欄を圧迫しないように手放しておきましょう。

ヤコウミツメ酒は食料として数えられるうえ、売却すれば金貨5枚…でしたけれど、次の冒険には持ちこせないとのことなので、消しておきましょう。
売っておいたことにして金貨5枚ゲットしても良かったと気づいたのは後の話です。
どうやらポストんは前回エピソードから今回までの間に飲んでしまったようですね。
ヤコウミツメ酒を飲むと全身が発光するという副次効果があるので、ポストんはきっと夜になるとほんのり光りながら楽しんでいたことでしょう。

そうそう、持ち物を換金しているところでした。
あとは宝石を売って金貨25枚に。
ここで耳寄り情報が。
冒険前なら、金貨を「ホム」に両替できるとのことです。
ホムというのは、ここ竜鍵諸島で使われる貨幣の単位のことです。
竜鍵諸島が舞台なのだから、ホムにしておいた方が使い勝手が良いに違いありません。
ここは全部両替して、5ホムにしておきましょう。
もともと持っていた1ホムと合わせて、6ホムになります。
「素敵なおパンツ同盟」のときには詳しい説明がなかったので、持ち物欄に入れてましたが、貨幣の単位なら、持ち物欄は使用しなくてもよさそうですね。

次に、今回の冒険に同行してくれる相棒を決めます。
前に連れていた相棒はドナ。
好奇心でポストんについてきた、器用度キャラです。
楽しい相棒でしたけれど、器用度キャラは、ポストんとかぶっているんですよ。
なので、別の相棒にしようと思います。

そして選ばれたのは、ヨアケというキャラクター。
竜人の戦士で魚屋さん。筋力キャラです。
水中戦が得意で、水中では竜形態にチェンジします。
人間の姿のときは、特徴的な衣装に身を包んだ女性の姿を取っています。

これも含めて、今回のステイタスはこんな風になりました。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:7 筋力点:4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)

さあ、だいたい準備も整いました。
さっそく挑戦を始めましょう。

この「竜鍵諸島の露店祭」はd33シナリオです。
d33シナリオでは、1回のプレイで結末まで導かれることになります。
3×3の、9個のランダムイベントが用意されています。

と、いうことなのですが。
ゲーム前の説明を読む限り、9個のイベントすべてを通過することになるみたい。
てことは、変化するのはイベントの順番、ということになるのかな。
ちょっといつもと違った雰囲気を感じつつ、ポストんの物語の中に飛び込んでいきましょう。

プレイを始める前のおことわりを。

「ローグライクハーフ」のルールは、FT新聞誌上の発表も含み、追加要素などもいろいろ発表されています。
しかし忙しい私はあれこれ参照しきれません。
なので私は冊子版の基本ルールと、竜鍵諸島の冊子を参照にプレイしています。
たまにインターネット上で、ローグライクハーフwikiを参照することもあります。

ローグライクハーフwiki
https://ftbooks.xyz/ftwiki/index.php

さて、私はうっかりさんなので、基本的なところで根本的な勘違いをしたまま、あるいは堂々と間違った解釈をして突き進んでしまうことがあるかもしれません。
だから、私のプレイにとらわれず、みなさんはみなさんのローグライクハーフライフを送ってください。

リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。


●アタック01-1 ポストんと露店祭

やあ。
私の名はポストん。
宇宙忍者なんてものをやっている。
シノビだから、普段は家の中に忍んでいるよ。

けど今私は竜鍵諸島の町マックルーにいる。
こないだちょっとした冒険を経て、超有名なおパンツデザイナー、ビビエ氏のオーダーメイドおパンツを、この地でゲットしたためだ。
ただ、ちょっとそのおパンツが…その、不便すぎて、自宅への持ち運びすら難儀するシロモノだったので。
質量があまりにもありすぎて…ね。
はいた者には重さを感じない重力制御がされてるみたいなんだけど、実際の質量はかわらないものだから、不便きわまりない。
エレベーターは重量オーバーで乗れないし。多分恒星間航行にも支障が出るレベル。
さすがにこれをはいていると、宇宙忍者活動に支障が出てしまう。

けどでもこれは、ビビエさんが私ひとりのためにオーダーメイドで作ってくれた世界にひとつだけのおパンツ。
それをすてるなんてとんでもない!

そんなわけで、有効な移送手段を思いつけないまま、ずるずるとマックルーに居座っているってわけ。
で、せっかくだからマックルーにいるときにしかできないような楽しいことを見つけようって思っていたら、まさにうってつけのイベント告知を発見!

マックルー・天下一露店祭。
多くの露店が立ち並ぶ、最高の催しだ。
しかも今回は特別企画があるという。
それが露店祭スタンプラリー。
指定のお店をまわり、すべてのスタンプを集めれば、豪華景品がもらえるのだ!

プロローグの中では、なにやらこの露店祭を妨害しようとする何者かの存在がアピールされているみたいだが、私にとっては知ったこっちゃない。
とにかくすべてのスタンプを集めて、豪華景品をゲットすること。
でも別に、ゲットできなくてもいいのだ。とにかく、このお祭り企画を目いっぱい楽しむこと。
それが今回の、私の目的だ。

「やあ、君もスタンプラリー参加者?」

声をかけられた。
竜人の女性だ。

「私はヨアケ。私もスタンプラリーに参加するのさ。誰かと一緒に回ってもいいっていうし、もしよければ、同行しない?」

うーん。どうしよう。
私としては、この手の祭りは、実は1人で回る方が好みには合っているのだ。
誰かといると、どうしても相手のペースを気にしてしまう性質なので。
自分ひとりなら、どんなに奇抜な行動を取っても、非効率な回り方をしても、見ているのは自分だけ。
誰にも気兼ねしなくていいのは楽ちんだ。

「はっきりしないなぁ、もう。いいよ、じゃあ私はこれで。どっかで会ったら協力プレイしようね」

ヨアケは立ち去ってしまった。
まあ、仕方ないか。はっきりしなかった私が悪い。

しかしこの時の私は思いもしなかったのだ。
このすぐ後にヨアケと偶然はち合わせてしまい、結局協力してスタンプ集めをすることになろうとは。


●アタック01-2 ポストんとヤコウミツメ酒

さあ、ここからは、ランダムダンジョンのルールにのっとり、サイコロを振ってイベントを決めていく露店祭が始まる。
本リプレイでは、サイコロを振ってイベントが決まったら、次にあるような表記でイベント番号と簡単な内容を示し、話を進めていくことにする。

【12 ヤコウミツメ酒とショットガンバトル】

「あれ、君もここに来たんだ。まあそりゃそうだよね。さっきのとこから一番近いし」

さっそくヨアケから声をかけられた。

「じゃ、ま、協力プレイといきましょうかね」

今度は私も断る理由はない。

ところで、ここは露店祭の最初を飾るにしては、少々過酷なイベントかもしれない。
というのも、ここの露店の店主、フワリミミナガのラディは、無類のヤコウミツメ酒好き。
好きすぎてこっそり作りまくった密造酒を使って、ショットガンバトルをするというのがここのイベントだからだ。
ショットガンバトルという単語には、私は詳しくはないのだが、ショットといえば、濃い酒を少量グラスに注ぐ飲み方。
グラスに入ったヤコウミツメ酒を、どれだけ飲めるかの勝負。

イベントの最初から、濃い酒を浴びるように飲むってのは、ペース配分上も明らかに間違っている。
ていうか、子どものスタンプラリー参加者はどうするつもりなんだよ。

さあ、それじゃ、ヤコウミツメ酒、いただきましょうか。
判定は幸運ロールだ。目標値は5。

私のサイコロの出目は2。技量点を足しても5点には届かず失敗。
ヨアケのサイコロの出目は3だったが、同様に5点には届かず失敗だった。

2人とも、酔っぱらって生命点を1点ずつ消耗してしまった。

「はい残念。良かったらまた挑戦してくださいね」

いや、この手の企画は1日に2回挑戦することは不可能だと思うぞ。
思わず本音で突っ込んでしまう私だった。

「あー残念。けっこういけると思ってたんだけどなぁ」

ヨアケが言った。体がほのかに発光している。
ヤコウミツメ酒の効果だろう。
もちろん、私の体もだ。

一応、判定に失敗しても、スタンプラリーはちゃんと押してもらえるから心配いらない。
参加することがスタンプの条件だ。スタンプラリーなんだから、それはそう。

「さて、改めてお願い。ここから一緒に回ってくれませんか?
 酔っ払いひとりで回るのは、ちょっと自信ないし、ヤコウミツメ酒でしょ。
 発光してるから、酔っ払いってまるわかりじゃん。
 酔っぱらった女性ひとり。さすがに危なくない?」

と、ヨアケ。
今度は私もさすがに同意した。たしかに、そのとおりだ。
こうして私はヨアケと組んで、スタンプラリーを攻略することにしたのだった。

次回、露店祭なのに戦闘が発生!?


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6→5/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:7→6/7 筋力点:4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)

■登場人物
ポストん 宇宙忍者。おパンツ大好き。マックルー滞在中に露店祭に参加する。
ヨアケ 竜人の女性。ポストんと一緒に露店祭スタンプラリーの攻略を目指す。

■作品情報
作品名:「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」
著者:ロア・スペイダー
監修:杉本=ヨハネ
原案・設定:海底キメラ


ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946

竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜
https://booth.pm/ja/items/5331098
※「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」が収録されています。

本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg


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2025年7月15日火曜日

『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.5 FT新聞 No.4556

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『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.5

 (田林洋一)
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 FT新聞の読者のあなた、こんにちは、田林洋一です。

 全13回を予定しております東京創元社から出版されたゲームブックの解説「SAGBがよくわかる本」、5回目の記事を配信いたします。今回は「デュマレスト・ゲームブック・シリーズ」とでも呼ぶべき2作品を主に扱います。

 本連載は「名作」と呼ばれるものを最初に集中的に扱っている関係上、連載の後半になるに従って厳しい批評が多くなりますこと、ご寛恕ください。作品そのものを全否定する意図は全くないことをご理解いただければと思います。「私はそうは思わない」という感想がございましたら、ぜひともお寄せいただければ嬉しく思います。

 毎回の私事ではありますが、アマゾンにてファンタジー小説『セイバーズ・クロニクル』とそのスピンオフのゲームブック『クレージュ・サーガ』を上梓しておりますので、そちらもご覧いただければ嬉しく思います。なお、『クレージュ・サーガ』はこの記事の連載開始後に品切れになりました。ご購入くださった方には、この場を借りてお礼申し上げます。

『セイバーズ・クロニクル』https://x.gd/ScbC7
『クレージュ・サーガ』https://x.gd/qfsa0

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5.デュマレスト・ゲームブック -小説を基にしたSFゲームブック

主な言及作品:『巨大コンピュータの謎』(1986)『惑星不時着』(1988)
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 ファミコンゲームソフトではなくE・C・タブのSF小説を原作とした「デュマレスト・ゲームブック」は、日本のゲームブック界(及びTRPG)をリードしてきた安田均とTTGによるシリーズである。
 これまでの回でも詳述したように、日本のゲームブックの特徴は双方向移動と濃密なキャラクター性にあり、逆に海外産のゲームブックは単方向移動と「無色透明な君」が特徴であった。特に「ゴールデン・ドラゴン・シリーズ」ではこの傾向が強かったが、「デュマレスト・ゲームブック」は両者の融合というか、原作を元にした小説的な雰囲気をふんだんに持たせてキャラクターを確立させる一方、移動は単方向で海外の雰囲気も併せ持っている。まずは特殊なルール面を見て、次に物語の核心に迫っていこう。
 
 デュマレスト・ゲームブックは第一作『巨大コンピュータの謎』と第二作『惑星不時着』で構成されており、物語的には続いているがゲームとしては完全に別個の扱いになっている。ちょうど『ネバーランドのリンゴ』と『ニフルハイムのユリ』がそうであったように、ルールは完全に一緒なのだ(更に言えば、『ニフルハイムのユリ』では、『ネバーランドのリンゴ』で身につけた魔法が使えるという利点もあった)。そのゲームルールだが、ファイティング・ファンタジー・シリーズのような体当たり的な体力の削り合いではなく、かなりリアルな仕様、逆説的に言えば高度かつ上級者向けの戦闘システムを採用している。
 用意されている基本能力値は四つで、それぞれ「体力」「敏捷力」「知覚力」「運勢値」とそこまで多くはないが、体力の数値が変化するごとに「致傷力」の数値が変化するので、慣れないプレイヤーは混乱する可能性がある(このシステムは、後にユニコーン・ゲームブックの『魔王の地下要塞』と『ファイアーロードの砦』にも一部採用されている)。従来までのゲームブックでは、特に主人公側の体力ポイントが敵に比べると多い傾向にあった。もっともこれは仕方のない面もあり、連続する危機また危機を潜り抜けていかなければならない主人公プレイヤーが、それと同等の体力ポイントを持つ敵と連戦したら圧倒的に不利になることは目に見えている。言わば、ゲーム性という点から体力ポイントにおいては主人公側に(かなり)有利な設定をしているのだ。
 
 一方で、デュマレスト・ゲームブックではよりリアリティを重視し、戦闘においてはほぼ同等の試合が展開される。ルール的には、敏捷力チェック(サイコロを二つ振って、敏捷力の値と比べる)を行って成功すると、致傷力の値の分だけ相手の体力ポイントを削れるという仕組みになっている。そして、戦闘が終わると自身の体力ポイントが戦闘前に戻るのである。よって体力ポイントは極めて低めに設定してあり、どんなに育てても十点を超えないようになっている。また、基本致傷力は体力の多さで決定され、体力ポイントを三で割ったもの(端数は切り上げ)に武器の致傷力を加えるというシステムを採用している。敵のダメージも含めて、安易に固定値を用いないところにも戦闘の再現度の高さが伺える。
 この戦闘ルールは確かに複雑な一面を持っているが、リアルな戦闘を考えれば首肯できるところも多々ある。何回も攻撃を食らっても、元気な時と同じエネルギー(技術点)で攻撃してくるのは不自然で、普通はダメージを食らえば疲労も蓄積されて攻撃の手も緩くなるのが道理だろう。TRPGでは「トンネルズ&トロールズ」がモンスター・レート(MR)という装置を用いて敵の弱っていく様を再現しているが、こちらは「一度負け始めるとどんどん負けていく」という欠点も有している。その点で、体力の数値に合わせて修正されるボーナスポイントの幅が少ない「デュマレスト・ゲームブック」のシステムは(そして「ユニコーン・ゲームブック」のシステムも)一定の成功を収めていると言っていい。
 
 物語はE・C・タブの原作を元にしているが、「デュマレスト・サーガ」を読んだことがないプレイヤーのために、冒頭に数ページを割いてあらましが記されており、プレイヤーはすんなりとゲームの世界に入っていける。主人公のアール・デュマレストは、自分の生まれた星「地球(アース)」を求めて宇宙をさまよう。この時代では銀河のいたるところの惑星に人間が移住しており、人々の頭からは地球のことなど忘れ去られていた。情報を売り買いすることで繁栄した惑星アンフォルムならば「地球」の情報が得られるのではないかと思ったアールは、そこで大富豪の娘と知り合うのだが……。
 単方向のストーリー仕立てで進む『巨大コンピュータの謎』は、他の(国産も含めた)ゲームブックと比べても文章が多めで、描写と小説風の展開に重きを置いていることが察せられる。そのためだろうか、国産の特徴である双方向移動をする箇所は(続編の『惑星不時着』も含めて)全くなく、プレイヤーは限られた手がかりを吟味して行動を選択していく必要がある。一方で、主人公キャラクター(アール)は極めて特徴的で、小説版「デュマレスト・サーガ」の原作そのままに勇ましい活躍を見せてくれる。ゲームブック自体も、後に重要な同行者となるシャラナをはじめとして様々なキャラクターが主人公と密接にかかわり、飽きさせることがない。
 
 「デュマレスト・ゲームブック」の原作がSFというところも見逃せない特徴である。実は、SAGBでSFものは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『ゼビウス』(冒険の質という観点から見ると『ゼビウス』はファンタジー色が極めて強いが、背景世界は完全にSFである)以外にはこの二作しかない。ファイティング・ファンタジー・シリーズの邦訳が三冊に一冊SFをはじめとしたファンタジーでない作品が混じっていることを鑑みると、ファンタジー世界(剣と魔法の世界)の影響力が(特にSAGBでは)いかに強いかが分かるだろう。因みに、東京創元社がゲームブック市場から撤退したために結局出版の叶わなかった『機竜魔の紋章』も、SFを題材にしたコミックを原作としている。
 また、デュマレスト・ゲームブックが生まれた背景には出版元である創元社の当時の状況も関係している。創元SF文庫のレーベルとして人気の高かった本家の小説「デュマレスト・サーガ」は、TRPG『トラベラー』などにも影響を与えており、ブームとして絶頂期にあったゲームブックへのシフトは言わば必然だったのだろう。ゲームブックとしては二作のみの発表にとどまったが、翻訳出版とゲームブック作成を同じ会社が担わなければ、デュマレスト・ゲームブックは誕生していなかったかもしれない。

 SAGBでは、ホラーものではTRPG『クトゥルフの呼び声』を下敷きにした夢幻的、異界的なラヴクラフトの世界を現出させている『暗黒教団の陰謀』が出版されており、これはちょうどファイティング・ファンタジー・シリーズでは第十巻『地獄の館』に相当する。もっとも、前者は完全にラヴクラフトの世界観を踏襲して、言わば原作小説の外伝的な性格を持っているのに比べ、後者は完全にスティーブ・ジャクソンのオリジナル・ゲームブックである。
 更に言えば、『地獄の館』は、ルール的には『クトゥルフの呼び声』のSAN値に相当する「恐怖点」こそ取り入れているものの、世界観は独自のものである。ファイティング・ファンタジー・シリーズの作品では、むしろ『ナイトメア・キャッスル』がクトゥルフ的な要素を豊穣に備えていると言えよう。
 
 ファミコンソフトや小説を原作としたゲームブックが多い日本と、オリジナル・ゲームブックを重視する海外との違いが、ここでも浮き彫りになる。因みに、日本で(ファミコンソフトを含めた)何らかの別媒体を原作としたゲームブックが多い理由の一つに、双葉社が積極的に発刊したファミコン冒険ゲームブックシリーズとルパン三世ゲームブック、それに勁文社のアドベンチャーヒーローブックスの存在などが挙げられる(これらは、ゲームブックのストーリー性やパズル性、ゲーム性なども含めて、どちらかと言うと低年齢層向けに作成されており、ライトなプレイヤーには好評を持って迎えられたようだ)。
 
 上記を考慮した「デュマレスト・ゲームブック」の特徴は、小説を基にした圧倒的な背景世界の広がりと、「読ませる」文章である。三十三巻にも及ぶ「デュマレスト・サーガ」の物語そのままに、冒頭で宿敵サイバーの存在が暗示され、冒険の途中で立ちはだかる敵として君臨する。それと比例するように文学作品と形容してもおかしくないほどの卓越した描写やストーリー展開が読者の前面に提示され、プレイヤーはたちまち「デュマレスト」の物語に否応なしに放り込まれることは間違いない。その分、ゲーム性という点では自由が利かず、物語の展開という理由で選択が制限されることもあり、プレイヤーが「ここではこうしたい」という希望があっても、選択肢の少なさやストーリーの流れで叶わないことがある。
 ゲームブックにおいて、この作家的手法には賛否両論があるだろうが、少なくとも「デュマレスト・ゲームブック」においては小説的な展開を持ち込んだことは正解だと言えるだろう。ファミコンソフトをはじめとするゲームが原作のゲームブックや、そもそものオリジナル・ゲームブックではストーリーにかなりの自由度があり、作者はゲーム性を重視するか、それともストーリー性を重視するかを選んで執筆できる。前者が国産ゲームブック、後者がスティーブ・ジャクソンをはじめとする海外のゲームブックに特徴的なのは言うまでもないが、「デュマレスト・ゲームブック」では、原作の小説の存在からどうしてもストーリー仕立ての展開のあるゲームブックにせざるを得ない。ゲーム性を重視して主人公アールが勝手な行動を取ると、原作のイメージそのものを壊す可能性があるからだ。だからこそ、描写も極めて具体的で、文学的な要素をふんだんに内包する必要があったのだろう。
 
 その意味で、執筆に日本のゲームブックやゲーム界を牽引した安田均が加わっている(もっとも、メインの執筆者ではないようだが)というのは適材適所である。彼は評論家やゲームデザイナーであると同時に訳者や作家でもあるので、明敏な文学的感性が要求されるストーリーをベースにしたファンタジー世界(物語)を作ることに優れているように思われる。ともあれ、濃密な物語性に裏打ちされたオリジナルストーリーによって、読者はデュマレストの世界に魅了されて容易にゲームの世界に入っていける。他にはない独創的な戦闘システムに最初はやや戸惑うだろうが、読ませるストーリーにうまく機能したゲーム的なルールが合わさって、しっかりとした佳作に仕上がっている。
 
 その物語性はゲーム的な要素を抑制する効果もあり、例えば厄介なパラグラフ・ジャンプやチャレンジングな謎解きなどは一切ない。特に『ネバーランドのリンゴ』などが謎解きと迷路が前面に押し出されている(そしてそれが『ネバーランドのリンゴ』の売りになっている)ことを考えると、「デュマレスト・ゲームブック」は、国産ゲームブックの特徴である謎解き(パズル)と迷路(マッピング)という二大要素を最初から切り捨てていることになる。逆に言えば、ズルをしようと思えばいくらでもできてしまうシステムには、コアなゲームブックファンは物足りなさを覚えるかもしれない。
 例えば『巨大コンピュータの謎』で、プレイヤーは冒頭の税関を通り抜けると、すぐにライブラリと呼ばれる巨大コンピュータのある施設に辿り着くことができる。ここでズルをすると、瞬時に「地球」の情報を手に入れることができてしまうのだ。ライブラリで十万フォル(あとがきによると、1980年代の日本円に換算して一フォルが五百円程度)を支払うと地球に関する決定的な情報と、続巻への繋がりを知ることができるのだが、正直にゲームを進めていっても十万フォルという大金を得る機会はない。十万フォルの情報を手に入れるためには、惑星の有力者の助力に頼るしかないのだが、選択肢では「十万フォルを支払えるのならば○○へ進め」という項目がきちんと用意されている。

 おそらく、「プレイヤーはズルをしない」という性善説に基づいて書かれているのだろうが、『ネバーランドのリンゴ』やファイティング・ファンタジー・シリーズだったら、プレイヤーのズルを許さないようにパラグラフ・ジャンプや暗号、謎解きなどを用意していることだろう。言わば、こちらは性悪説に基づいて構成されていることになる。当然のことながら例外もあり、例えばファイティング・ファンタジー・シリーズの第二十七巻で同じくSFの『スター・ストライダー』では、暗号数列が分からなくてもクリアが可能になっている(もちろん、暗号数列が分かれば危機を意図的かつ容易に回避できる設定にはなっているが)。その代わりと言っては何だが、数々の(時に解くのがほぼ不可能な)非常に難解なパズルが目白押しではあるのだが。
 
 また、ゲームブックの「あるある」で、指セーブというズルがある。指セーブとは、文字通り指を挟んでおいて先にある選択肢Aを覗き見して、これはまずそうだと思ったら指を挟んだ番地に戻って別の選択肢Bを選ぶ、というテクニックだ。おそらくゲームブックプレイヤーなら一度はやったことがあるであろうこの些細なズルの是非はともかくとして、『巨大コンピュータの謎』ではある条件を満たせば、運勢値を一点減らすごとに指セーブをしてこっそりと選択肢を覗き見できるようになっている。おそらく、過去に「指セーブ」をしたことがあるプレイヤーは、この条件を提示されて苦笑するに違いない。
 
 繰り返しになるが、これは「デュマレスト・ゲームブック」がゲーム性にこだわるのではなく、ストーリー性を大事にしていることに起因する。いちいちパラグラフ・ジャンプや謎解きをしていては、肝心のストーリー展開がスムーズに進まない。謎解きやパズルは、そこで一回立ち止まって「ゲーム的に」解答を導き出さなければならないからだ。ストーリーを楽しむという爽快感を犠牲にしてまで、プレイヤーの「ズル」を抑制しようとしなかった姿勢が、この作品には顕著に現れている。
 
 この傾向は続巻の『惑星不時着』にも認めることができる。ストーリー的には『巨大コンピュータの謎』の続きになるのだが、「あとがき」にもあるように、物語の最初に王道のSFのシチュエーションである「閉鎖された宇宙船内でのバイオモンスターの襲来」という事件が挟まれている。映画「エイリアン」シリーズを髣髴とさせるイベントだが、いかにもゲーム的なバイオモンスター退治も並列的な処理(イベントのフラグ管理など)を行っておらず、基本的にはストーリーに沿ってゲームが進んでいく。密閉空間での事件解決に極めて好適な双方向移動のシステムを取り入れず、あくまでも単方向移動でゲームを進める手法は、「デュマレスト・ゲームブック」のこだわりと言っていい。
 バイオモンスターを退治した後に宇宙船を脱出した主人公は、シャラナ救出のために不時着した惑星を探索することになる。ここでも、やはり目的はシャラナの救出と地球の座標情報の獲得という双方向向きの「探索」がメインであるにもかかわらず、ストーリーを着実に歩んでいく単方向移動が採用されている。
 つまり、イベントの性質によって向き不向きがある「単方向移動か、双方向移動か」というシステムの選択に際し、このゲームブックは常に(読者が気軽に参加できるという側面を持つ)単方向移動を採用している。実は双方向移動は、思った以上にプレイヤーに負荷をかける。五〇〜一〇〇パラグラフ程度の簡単な迷宮でも、双方向移動のゲームブックになった瞬間に難易度が上がるのは、既に『火吹山の魔法使い』でジャクソンとリビングストンが証明しているとおりである。「デュマレスト・ゲームブック」は敢えて単方向移動にこだわることで、プレイヤーの敷居を低くしているというコンセンサスが伺える。

 物語性とキャラクターの際立ちを大事にしつつ、イベントの相性にもかかわらず敢えて単方向移動を採用したことで、「デュマレスト・ゲームブック」は初心者にも易しい仕様でありながら奥深い世界を構築することに成功した。これを受けて、日本人作家の専売特許であった双方向移動のゲームブックが乱立する中、敢えて単方向移動を取り入れてストーリーの奥深さで勝負する国産ゲームブックが出てくる契機となったのが「デュマレスト・ゲームブック」の特色と貢献と言っていいだろう。

※第6回は、鈴木直人の『スーパー・ブラックオニキス』を中心に扱います。

◆書誌情報
 『巨大コンピュータの謎』
 安田均 TTG(著)
 東京創元社(1986/6/6)絶版

 『惑星不時着』
 安田均&グループSNE
 東京創元社(1988/10/13)絶版

■参考文献
 デュマレスト・サーガ
 1巻『嵐の惑星ガース』〜31巻『最後の惑星ラニアン』*32巻、33巻未翻訳
 エドウィン・チャールズ・タブ(著)
 東京創元社(1982/7/24)〜(1989/8/1)
 新装版(2006/5/1)

 『地獄の館』
 スティーブ・ジャクソン(著)安田均(訳)
 社会思想社(1986/6/25)絶版
 SBクリエイティブ(2022/7/16)

 『ナイトメア・キャッスル』
 ピーター・ダービル=エバンス(著)柿沼瑛子(訳)
 社会思想社(1988/5/30)絶版

 『スター・ストライダー』
 ルーク・シャープ(著)坂井星之(訳)
 社会思想社(1988/9/30)絶版


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2025年7月14日月曜日

旅に出ません! FT新聞 No.4555

おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
スペインに行かなかったご報告を、最初にします☆
から騒ぎでおしまいとなりました、すみません★


◆時は満ちていなかった。
気分が晴れ、状態がよくなると思ってスペインへの渡航を決めたのですが、旅立ちの2日前になっても、どうしてか「行きたい」という気持ちが満ちてきませんでした。
前と違う……どうしてなのか色々と考えた末に出た結論は、「自分は鬱からの気分を抜ける道を求めているだけで、過酷な巡礼路を歩きたいと思っているわけではない」でした。

あー、そうか。
それだったら、沖縄のビーチでダイキリでも飲みながら日焼けしてた方がいいな。

そう気づいたので、フライトをキャンセルしました。
お騒がせしました!


◆仕事をしたい。
鬱から抜けた時に、真っ先にしたいのはお仕事です☆
より正確には、執筆です。
今は半分ほど鬱を抜けた状態で、以前の4分の1ほどのペースで書き仕事をしています。
私は作家、編集、社長の仕事を兼任しているので、執筆以外の仕事もたくさんあります。
他のメンバーとの連携を取ったり、入稿に関する事務作業をしたり。経理をしたり。
それらの仕事を置いたまま、スペインに行くことに多少の違和感がありました。

FT書房のメンバーも関係者の方々も優秀ですから、私がいないとて1ヶ月で状況が回らなくなることは、ないと思います。
けれど、いた方がやっぱり、仕事はいい感じに回っていくんじゃないかと思うわけです。
自分のなかの順位づけを確認したとき、仕事の方が、スペインをひたすら歩くことよりも上にあると気づきました。


◆今は日本で、冒険を。
先日、初めての沢登りを体験してきました。
専用の装備を着けて、川の中を歩いたり、滝をクライミングの技術で登ったりするレジャー(?)です☆
やってみて、自分のなかにある「想い」が、結実するのを感じました。
自分は、想像と現実の中間にある作品を書きたいという想いです。
自分の頭のなかで生み出したものが、素晴らしい作家もいます。
実体験を書くことで、魅力的な作品をつくる作家もいます。
私は、現実の冒険に足し算(ときに引き算)をした作品をつくるのが、性に合っているという感覚です。
だから、冒険にはこれからも挑戦していきたい。
けれど、それは、今はスペインではなかったようです☆


◆通販ページ、できました!
話が飛びます。
夏の新作ですが、通販ページができました!
発送は8月下旬ごろになります。
また、8月10日の刊行に合わせて「電子書籍版PDF」も出す予定です☆


↓ローグライクハーフシナリオ「エメラルド海の探索」!
https://ftbooks.booth.pm/items/4941872

↓モンスター!モンスター!TRPG「ズィムララのモンスターラリー ワールド編」
https://ftbooks.booth.pm/items/7041688


それではまた!


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2025年7月13日日曜日

アランツァクリーチャー事典 Vol.18 FT新聞 No.4554

おはようございます。
FT新聞編集長の水波流です。

本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
杉本=ヨハネから預かりました、アランツァクリーチャー事典の第18回です。

今回のジャンルは『動物』!
先月に引続き、後編となります。
どうぞお楽しみ下さいませ。

アランツァクリーチャー事典『動物』後編
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/AranciaMonsterEncyclopedia_vol.18.txt

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2025年7月12日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第648号 FT新聞 No.4553

From:水波流
大塚英志の新刊『八雲百怪異聞』を購入。
『吾輩は猫である』と並行して、1900年代初頭の明治の空気を感じながら、読んでいる。
田山花袋も読みたくなる。

from:葉山海月
Q
この馬券を買うか買わないか迷っているあなたに、女の子二人組の妖精さんが出てきました。
女1はにこにこと黙ったまま。
女2は「この人は『馬券は買うな』っていいたいのよ! もちろんあたしは幸運の女神!」
どちらかが天使でどちらかが悪魔です。
どちらも予知ができます。
ただ、女神は正しいことしかいいませんし、悪魔は逆に嘘しかいいません。
さて、あなたはどうすればいいでしょう?
A
少なくとも馬券は買うべきです、
天使も悪魔も、当たりはずれ関係なく、馬券は「買え」というはず。
となると、女1の方が天使です。
となると、女2の本音はこれです
「女1は正直者で『馬券は買うべき』と。

from:くろやなぎ
編集部員見習い中の、くろやなぎと申します。記事の校正や編集、テストプレイなどを通じて、ローグライクハーフの「太刀持ち」や「ランタン持ち」のように、コンテンツ作成者の方たちを陰で支えていければと思っています。よろしくお願いします!

from:天狗ろむ
先日のFT新聞の編集部員募集に、スキル等一切ないにもかかわらず立候補した天狗ろむと申します。
「てんぐ」じゃないよ、「あまく」だよ。
主にローグライクハーフの面白さを広められるような記事を書けたらと思っています。どうぞ宜しくお願い致します!

from:明日槇悠
新しく編集部員募集に応じさせていただきました、明日槇悠(アスマキ・ユウ)と申します。本紙の主題であるゲームブックやTRPG等に関しては読者諸賢のほうが知識も経験もよっぽど豊富であることと思われますが、門外漢なりの幻想と遊びへのよこしまな関心から裏方のお手伝いに紛れ込んでしまった次第です。どうぞよしなに。


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。


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■7/6(日)~7/11(金)の記事一覧
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2025年7月6日(日) 火呂居美智 FT新聞 No.4547

『幽霊屋敷の果実酒』ローグライクハーフd66シナリオ 
・6月に引き続き、今月も「彩のある物語」の名手、火呂居美智氏の登場です!
その名も『幽霊屋敷の果実酒』ローグライクハーフd66シナリオです!
主人公は果実酒の材料を求めて、自治都市トーンのはずれにある廃墟を探索します。前作と比べて「小さな物語」となっていますが、その分うなずかされる冒険のエキスが濃縮されています。
「子どものころ、よく『おばけやしき』なんか探検したよな!」という経験がある方! きっとその思い出がよみがえります!


2025年7月7日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4548

「ローグライクハーフ」シナリオ、今後の配信スケジュール
・現在、FT新聞では第1日曜日に、30分で遊ぶ1人用TRPG「ローグライクハーフ」のシナリオをお届けしています。
6月は『蛇禍の悪魔』、7月は『幽霊屋敷の果実酒』……火呂居美智さんのd66シナリオを連続でお届けしましたが、8月にはd33シナリオ……水波流さんの作品、『汝、獣となれ人となれ』
9月にはFT新聞の企画『みんなで作ろう! 融合冒険譚!』によって生まれた町「モフージャ」が拠点の新しい冒険(d66シナリオ)をはじめ、魅力的な配信予定が満載です☆


2025年7月8日(火) かなでひびき FT新聞 No.4549

これはゲームブックなのですか!? vol.122 
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する作品はゲームブック『展覧会の絵』(著:森山安雄/創土社)
「自分が吟遊詩人だった」こと以外、すべての記憶を失ったあなた。
にぎやかな、リモージュの市場を歩いているあなたに、一人の男が!
男は、あなたの失った記憶を教える代わりに、あなたを「奇妙な旅路」へ導く。
それは、失われた記憶を探す長い長い旅路のはじまりだった。
名曲『展覧会の絵』をオマージュした本作は、「侏儒—地の精」からはじまり、楽章にちなんだ九つの世界を回って、魔女「バーバ・ヤーガ」に会いに行かねばならない。
奇想天外なストーリーと、独特のシステムで魅せる、水波編集長もイチオシの一本!
お見逃しなきよう!


2025年7月9日(水) ぜろ FT新聞 No.4550

第4回【素敵なおパンツ同盟】ローグライクハーフリプレイ
・テンポのよい語り口で勝負する、ぜろ氏のリプレイ記事、第446回をお届けしました。
今回挑みますは、「ローグライクハーフ」シリーズ『素敵なおパンツ同盟 〜紡ぐは夢のおパンツ〜』。
主人公ポストんは、おパンツデザイナーのビビエ氏に素敵なおパンツを作成してもらおうという目的で、竜鍵諸島の都市マックルーに来ました。
途中知り合った相棒ドナとともに、マックルーの町を探索します。
途中ゴマンデル診療所で、神々しいヒゲを移植してもらい、さらにチャーミングに。
さあ、ポストんはビビエ氏におパンツを作ってもらうことに相成ればよろしいのですが、そこへ、反社会的集団ピチパツスパッツ団が!
おパンツの撃滅と、そのかわりのスパッツの台頭を狙う彼らは、ビビエ氏の誘拐を策謀していた!
物語は斜め上の展開で場外むーらんほ!?


2025年7月10日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4551

「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」をプレイして
・『モンスター!モンスター!TRPG』のコアとなる『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』の予約が、FT書房のBOOTHで開始となりました。
本書には日本語版のボーナスとして、シナリオ「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」が収録されます。
本作のテストプレイには、ゲームデザイナーの伏見健二さん、作家の齊藤(羽生)飛鳥さん、翻訳家・編集者の中村俊也さんという面々が参加いただきました。
その中でも、海外RPGの最新情報を日々探求する仲知喜さんのフィードバックをご紹介いたします!


2025年7月11日(金) 緒方直人 FT新聞 No.4552

機動灼熱追撃日記その3 
・『機動戦士ガンダム』の名作ゲームブック、『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』(山口宏 著 角川書店)
その復刻版に、リプレイの名手、緒方直人氏が追撃(リプレイ)をかけます!
序盤の連戦をズゴックA装甲のおかげで無傷で勝ち進み、だいぶ熟練Pを上げることができました。
そして東のトムルートへ合流。
ベテランジオン兵のロベルトさんとの出会い。
そんなこんなでククスへ到着。
「最新MSがなければギればいいんじゃない?」という合言葉のもと、連邦基地へ向かいますが!?
はてさてこのまま、ラストのゲド要塞まで流れ込めますか!?


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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ジャラル アフサラールさん)
私も別の本で初めて知りましたが、2014年にこの作品はスマホアプリゲームとして配信されたそうですが、そのBGMとして組曲「展覧会の絵」が使われたそうですが、その楽曲データを製作提供したのは作者の森山安雄さんご自身だそうで、いろんな才能ある人なんですね。

(お返事:かなでひびき)
お返事ありがとうございます。
へー、初めて知りました。
多彩な人はいいですよねー。
というか、例えば大槻ケンヂ先生に、町田康先生。
作家といえば音楽!というイメージが植えついております!


(忍者福島さん)
ファラサールの死が、強欲なクワニャウマがお金よりも大事なものを見つけて、吟遊詩人を雇って詩を作ってもらうために荒稼ぎしたいという行動原理になり、人生の目的ともなってるのがキャラとして深みが出ていいですね。
ただガメツイだけだったクワニャウマがこれからどんな冒険をするのかが気になりますね〜

(お返事:齊藤飛鳥)
今回も感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m♪
提示される選択によって、『常闇の伴侶』ではイェシカという最高の宝を手に入れ、『名付けられるべきではないもの』では人生の目的を手に入れ……と、主人公が成長できる良シナリオとなっているのですよね♪
私も、次のクワニャウマがどんな冒険をするのか、新作シナリオを楽しみにしております^^


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2025年7月11日金曜日

機動灼熱追撃日記その3 FT新聞 No.4552

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《機動灼熱追撃日記 その3》

 緒方直人
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序盤の連戦をズゴックA装甲のおかげで無傷で勝ち進み、だいぶ熟練Pを上げることができました。
ここまで来ればそこそこの敵とも充分に戦えます。ジョン君だけの特別優遇、回避P=機体P+熟練Pルールがあるおかげで現在の回避Pは12+7で19です。敵の熟練Pが11以下ならダイス8ですら越えられないわけです。
これ以降は熟練Pの強化により、その優位性はますます跳ね上がっていくことになります。これがニュータイプ特性?!
ということで前回までのステータスはこちら。


@ジョン・クエスト 熟練P【7】 拳銃 ナイフ
 搭乗MS:ズゴック A装甲 機動P【12/12】
 遠距離武器:低出力ビーム(弾数∞) 近接武器:ツメ
 高機動バックパック(攻撃P回避P+2)


現在、中央ディックルートの分岐点まで来ております。このまま進むか、東のトムルートに移るか。
ここはトムルートを選択です。先にいらっしゃる先輩ベテランパイロット、ロベルト氏との邂逅が、熟練P+5とヒジョーに美味しいからです。


しかしその間には足場の悪い山岳地帯があり、高機動バックパック付きのジムという凶悪な番犬が待ち構えておりました。同等のバックパック装備を持ってこないとまるで勝負にならず、かつ逃げることも叶わずで問答無用のガメオベラになりますが、ちゃんと持ってきてるので大丈夫。
ちなみにひょっとして勝てるかな?と思い、お試しでバトってみましたが、まだまだこちらの熟練Pが足りずに歯が立ちませんでしたのでおとなしく撤退です。
その後にまたも補給基地が用意されてましたが、機動Pも弾もまったく減ってないのでスルー。


そして東のトムルートへ合流。
近くで戦闘の銃声が聞こえたので行ってみると、華麗なMS捌きで敵を圧倒する味方機ドムの姿がありました。こちらの素性を正直に話すことで、搭乗していたベテランジオン兵のロベルトさんと腹を割った話をすることができます。
ちなみにガンダム世界でロベルトと言えば、クワトロ大尉お付きのアポリー&ロベルトですよね。本文では特に言及されてませんでしたが、おそらくはあの有名人のことだと勘違いしても構わんでしょう。意外なとこで会えたものです。
ロベルト氏はジョンが持つ情報と自身の豊富な地形知識から、名探偵よろしく鉄のサソリが潜むアジトをずばり推理してくれました。「ゲド要塞か!」。
これは作中で3点しかないパラグラフのいずれかで入手できる、クリアに必須なフラグ情報。これにて無事にラストダンジョン突入への切符を手に入れました。


その後は襲ってくる連邦MS2機の戦闘イベント。コレがオイシイ。
まずは先んじて戦いに出たロベルト教官のMS捌きをじっくり眺めることで無条件で熟練P+3が手に入り、続く2機目を今度はジョン自身が戦って倒すことで更に+2を得ることができます。相手はまたも豆鉄砲キャノンで向かってくるジムキャノン。機動Pは8ですが、ここまででジョンの熟練Pも10まで上がっております。余裕で当たるZE!
かくしてここもダイススルーで勝ち確扱いにできたのでした。


さてさて、これ以上こんなベテランに加勢してもらっちゃゲームになら、、、、ゲフンゲフン、彼も彼で用があるというので敢え無くここでお別れです。
ロベルトは別れ際にお守りだ!と自分の持つ「スギアンダブウのナイフ」をジョンにくれました。別に攻撃力が上がるわけではありませんが、これはロベルトと邂逅したという重要なフラグアイテム。最後の最後で役立つ時がきますので大事に取っておきます。


@ジョン・クエスト 熟練P【7→10→12】 拳銃 スギアンダブウのナイフ
 搭乗MS:ズゴック A装甲 機動P【12/12】
 遠距離武器:低出力ビーム(弾数∞) 近接武器:ツメ
 高機動バックパック(攻撃P回避P+2)


こうしてスタート時に比べれば大分腕を上げてきた感の出てきたジョン君。
お次はディックルート上にあるククスの街に寄って、同志ジオンスパイのエリミア女史と合流です。
と、ここトムからディックへの移動ルート上にて現地ゲリラとのハプニングイベントが発生。ここでは無名の黒髪ロングな謎美少女の挿絵イラストを拝むことができました。
これは渾身のカワイサ。こんなの原典で見た覚えはないぞ。ひょっとしてサービスか? 一個前の平成版にはあったんか??


さてそんなこんなでククスへ到着。選択肢をミスればヘタこいて連邦軍に捕まってしまいますが、正しい道を進めば無事エリミアに合流できました。
ここまででゲットしてこれなかった人のために、最後のチャンスとばかりにしっかりと鉄のサソリ情報をくれ、更には最終ゲド要塞の最短攻略ルートが書いてあるお役立ち紙切れもくれるのでした。やったね。


そして別れ際「連邦基地にいって最新MSを盗んでくれば?」とのアドバイス。
別にこのままのジオン機で最後まで突っ走るのも可能なんですが、機動Pが段違いに上がる連邦の最新MSジムスナイパーカスタムにはぜひ乗り換えたいので、ここは提案を受け入れます。
ワザと連邦兵に捕まって捕虜収容所に移送され、拳銃は没収されたものの隠し持っていたナイフを使い敵士官を人質にすんなりとMS乗り換えイベントを成功させました。
ここ一連は特にダイススローとかの運試し要素もなく、淡々と選択肢を進めるだけでOKなのは助かりマスタ。


連邦基地のハンガーにて、選べるのは重装甲A 機動P14のガンキャノンIIと、装甲はBと落ちますが機動Pがダンチの18というジムスナイパーカスタムの2種。
やはり最終クランベリー戦で必要なのはダメージ軽減よりも回避率だろうと判断し、ジムスナイパーカスタムを最終愛機に決定です。
ただし、この連邦MSへの乗り換えイベントには少々デメリットが生じまして、操縦系統の勝手が違うという理屈で熟練Pが強制的に−2され、さらには頼りだった高機動バックパックは泣く泣くズゴックごと置いてかねばならないという2点です。


@ジョン・クエスト 熟練P【12→10】 スギアンダブウのナイフ 小さな紙きれ
 搭乗MS:ジムスナイパーカスタム B装甲 機動P【18/18】
 遠距離武器:ビームライフル【弾数22→21(脱出時に1発使用)】 近接武器:ビームサーベル


さて、残るはコンテナボックス奪還のためのゲド要塞攻略のみです。もう今回で一気にラストまで進めちゃいましょう。
突入前にエリミアからもらった小さな紙きれを広げてみると、そこには敵親玉クランベリーまでの最短ルート情報が書き込まれておりました。ありがたくご神託通りにダンジョンを進み、火薬が山と積まれた危険な弾薬庫へと到着。
そこではドムとグフという、2機の鉄のサソリMSが待ち構えておりました。周囲が火薬だらけなのでライフルやサーベル等の銃火器は一切使用できず、互いに最弱パンチのみでの拳闘パンクラチオン勝負となります。


ここで選んできたのがA装甲のガンキャノンIIであれば、敵のパンチ攻撃は無傷扱いなので楽々と無条件勝利にできるのですが、先を見越してB装甲のジムスナイパーを選んできてしまったので止む無し。真面目にダイスバトルせねばなりません。
ここまでで初めての白兵戦ですね。ルールは互いに「熟練P+機動P+8面ダイス」という総力戦。先攻後攻関係ナシに、デカい数字を出した方が一方的に攻撃できます。


1戦目のドムは、機動P10に熟練P14。対するジムカスタムは機動P18に熟練P10。こちらが4のアドバンテージ。これなら余裕!
実際、敵には主導権を一切与えないままタコ殴りで機動Pを減らし続け、完勝することができました。報酬は熟練P+4。


@ジョン・クエスト 熟練P【10→14】 スギアンダブウのナイフ
 搭乗MS:ジムスナイパーカスタム B装甲 機動P【18/18】
 遠距離武器:ビームライフル【弾数21】 近接武器:ビームサーベル


2戦目は更にランクが下がってのグフ。機動P12に熟練P14でしかも装甲はCランクとなれば負ける要素はありません。ちゃんとダイスは降りましたが予想通りにこれまた完勝。報酬は熟練P+3をゲットだぜ。


@ジョン・クエスト 熟練P【14→17】 スギアンダブウのナイフ
 搭乗MS:ジムスナイパーカスタム B装甲 機動P【18/18】
 遠距離武器:ビームライフル【弾数21】 近接武器:ビームサーベル


これにて弾薬庫を突破し、とうとうラスボス、鉄のサソリ首領のクランベリー大佐との決戦です。
敵ステータスは、搭乗:ゲルググキャノン(B装甲)、機動P16、熟練P22、遠距離武器:ビームキャノン、近接武器:ビームナギナタ。
射撃戦でいくか、白兵戦に持ち込むかはこちらが好きに選ぶことができます。
白兵戦のステータス総力勝負ではこちらがまだチット分が悪いですが、本作独自の主人公優位な謎ルールが生きる射撃戦ならば!!
クランベリーの最大攻撃Pは「熟練P22+d8=30」、対するジョン君の回避Pは「機動P18+熟練P17=35」
ウホッ、ハイ詰んだ(^▽^)


なんということでしょう。
ラスボスバトルにも関わらず戦う前から勝ちが確定してしまいますた。
正式にはこちらのビームライフルも有限なので全弾外したら敗北となりますが、初期の敵回避Pも「機動P16+d」でこちらの攻撃Pも「熟練P17+d」なのでほぼトントンです。これでさすがに21連回避はありえないでしょう。
。。。。。ありがとうございました。これにてゲームクリアです。
しっかし敵さんもアホですねー。最初からクランベリーが直で来れば勝てたのに、わざわざパンクラチオンで+7も熟練Pを鍛え上げてくださったんですからwww


いやぁ良かった良かった。面白かったよ灼熱の追撃。。。。。。。
と、ここまで書き終えましたが、やはりモヤモヤする。
せっかく楽しみにして買い求めた復刻の名著を、こんなグダ勝ちしただけで閉じてしまってはもったいない。


いいですよやってやりますよ。
こうなりゃドムで、あわよくば最弱のデザートザクですらクリアできるルートを見つけ出してやろうじゃあーりませんか。
ということでもうちっとだけ続くんじゃ。次回、延長戦!


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
■書誌情報
『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』
 著 山口宏
 出版社:角川書店 2025/3/26
 新書 968円(税込)
 Kindle版 949円(税込)

 旧版:
 勁文社(新書) 1986/9/1・絶版
 バンダイ出版(文庫) 1989/10/1・絶版

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2025年7月10日木曜日

「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」をプレイして FT新聞 No.4551

すでにSNSでは告知されているので、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、『モンスター!モンスター!TRPG』のコアとなる『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』(拙訳)の予約が、FT書房のBOOTHで開始となりました。

https://ftbooks.booth.pm/items/7041688

こちらは8月10日のTGFF(テーブルゲームファンフェスタ)2025で頒布が開始されますが、通販は8月下旬から。電子書籍版の頒布も行われる予定です。
迷っておいでの方がいらっしゃったら、まずは、当該BOOTHページに「いいね!」をしていただくところからいかがでしょうか?

本書には日本語版のボーナスとして、シナリオ「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」が収録されます。以前には「キット=ラ」(Kit-Ra)と表記していましたが、太陽神ラーのRaと同じことから、「キット=ラー」に、変更することになりました。少しでも良いものを読者の皆さまへお届けすべく、ギリギリまで調整を重ねております。

翻訳のTRPGでもテストプレイは欠かせません。『猫の女神の冒険』のGMアドベンチャーに引き続き、テストプレイには、ゲームデザイナーの伏見健二さん、作家の齊藤(羽生)飛鳥さん、翻訳家・編集者の中村俊也さんという面々が参加いただきました。

そのなかでも、仲知喜さんのフィードバックを以下にご紹介したいと思います。
仲さんは、海外RPGの最新情報を熱心にdigしておいでの方で、その言説には常々刺激を受けてきました。最近では「Role&Roll」Vol.232と234に掲載されたポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』のシナリオ「大量破壊兵器(WMD)を奪取せよ!」(文:岡和田晃、監修:朱鷺田祐介&待兼音二郎)にご協力をいただいております。ちなみに、これは『エクリプス・フェイズ』第2版の最新アドベンチャーのシナリオを現行環境にアップデートしたもの。

なお、今回のシナリオは次元をまたにかけるエーテル・ドラゴンが開けた転移門(ポータル)を通って地獄の領域として知られる次元界に飛ばされる、というところから始まったシナリオなのでした。
(岡和田晃)

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「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」をプレイして
 仲知喜

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昨夜(7/3)は『ズィムララのモンスターラリー【ワールド編】』収録シナリオ「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」のテストプレイにお招きいただきました。CD&D(クラシックD&D)のマスター帯(26〜36レベル)の冒険を2時間30分に濃縮したかのようなセッションでした。まさにイメージの「蕩尽」でした。すごかった!

参加者のみなさん、お疲れ様でした。岡和田さんGMありがとうございました。
先日の感想を言語化しておきたかったので、以下にまとめました。

・ダンジョンデザインの感想

今回のダンジョン(ピラミッド)は、居住空間としてのリアリティがあり、探索を進める中で次に何が起こるかある程度予測できるところがよかったです。各所に配置されたインタラクティブを誘発する仕掛けが明白でありながらも怪しげで、怖いもの見たさの好奇心を大いに刺激されました。また、動的なイベントが採用されていたことで、ダンジョン内での時間経過と、それに伴う状況変化への対応を常に意識させられました。総じて、非常に優れたダンジョンデザインだったと感じています。個人的には、ロープを使って崖を降りるという、まさにオールドスクールな「あるある」展開に感動しました。

・シナリオ全体のイメージ

シナリオに登場する場所、NPC、小道具の数々は、神話、フィクション、ゲームなどからの引用がまさに「大盤振る舞い」といった趣で、例えるならおもちゃ箱と大英博物館の展示品を同時にぶちまけたような様相でした(スティーブ・クロンプトンのポップなアートも相まって)。そこに壮大な文脈があるのか、あるいは実は何も無いのか、知る由もありません。しかし、どこか後ろめたさすら感じるほどのイメージの奔流には、祝祭めいた熱気がありました。

付け加えると、ダンジョン探索が「一人暮らし(三人暮らし)の女子の部屋を家探しする」という状況だった点も、作者の秘めた趣味が垣間見えるようで妙に面白かったです。あくまで私見ですが。

「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」を、単に「なんでもありの世界観」だと評するのは容易ですが、実際はそれ以上の作品だったと感じています。あのイカれたお祭り騒ぎの最中に思わずプレイヤーの口から出た、「俺らも大概(モンスター)やけどね」という言葉は、案外本作の本質を突いていたのかもしれませんね。


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