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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回
「世界地図」
(中山将平)
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おはようございます。
8月10日にサークル出展する大阪でのイベント「TGFF」に行く予定のイラストレーター中山将平です。
先日コミケに落選してしまったため、夏の新刊2冊はこのイベントにて頒布開始となります。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
なお、僕はFT書房のメンバーとして出展ブースに立っていますので、ぜひお声がけいただけましたら。
昨日、もしかしたら突然僕の作った「新作ローグライクハーフシナリオ」の話題が出てきたかもしれないですね。
そのことはまた後日書かせていただけましたら。
さて、今日は「ファンタジーにおける世界地図」について語ろうと思います。
ご存知の方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、僕はファンタジーの地図を描くのが大好きです。
その地図というのは、例えばダンジョンマップであったり、街の俯瞰図であったりします。
そしてもちろん「ワールドマップ」(世界地図)もその例外ではありません。
冒険の舞台となる世界地図は、僕にとってまさに煌めく宝石箱だと言えるものです。
眺めているだけで幸せな気持ちになります。
しかしながら、実は僕、自分の「カエル人の創作」において世界地図をまだ用意していないのです。
「そろそろ考えようか」と最近思いはじめまして、その時はじめて気づきました。
「まだ世界地図を作っていない」ということが、「僕がどのようにファンタジーが好きか」ということと、深く結びついているようなのです。
今日はこの話題を中心に、ファンタジーの創作について考えたいと思います。
この記事が、創作を楽しまれている方にとって有意義なものになれば幸いです。
◆ 世界地図を描いていないたった一つの理由
僕がカエル人の世界:フログワルドの全体地図を描いていないたった一つの理由。
それはズバリ、「世界地図を作るほどシナリオを作ってないから」です。
考えてみると、当たり前のことかもしれません。
僕はカエル人TRPGのシナリオを4つ作って友人と遊んでいますが、それは僕にとって十分な量ではなかったのです。
逆にこのことから、1つ2つのシナリオを遊ぶのに、世界の全体像はそれほど必要ないと分かってきました。
僕がカエル人の世界について決めていることは、冒険の舞台や主人公の拠点となる村(紫の蓮村「ロータシディア」)以外では、本当に少ないのです。
「どの種族、どの勢力も、この世界を支配しているわけではない」というくらいのものです。
では、いつ世界地図を作りたい気持ちが満ちるのか。
それは、ありていに言うと5つ目のシナリオを作ろうと思った時だと感じられました。
ええ、何を言ってるんだというお話ですよね。
この、5つ目のシナリオというのにどういう意味があるか、もう少し詳しく見ていきましょう。
◆ 5つ目のシナリオを作る意味
思うに、一つのTRPGを遊ぶのに、シナリオは5つも必要なのでしょうか。
いえ、一般的な作品ならばある方が良いと感じますが、自作して友達と遊ぶゲームについて、という意味です。
遊ぶプレイグループは1つというわけではありません。
それなら、3つくらいで十分すぎるはずです。
3つ遊んだら、違うシステムの別の作品を作っても良いわけですし、十分に1つのストーリーを完成できるのではないでしょうか。
現に、4つのシナリオを作ってはみたものの、最後のシナリオについては1グループとしか遊べていません。
「ゲームのために集まること」自体が、簡単ではないためと感じます。
カエル人のTRPGはだいたい本編3時間、感想戦1時間で合計4時間の遊びだと考えていました。
ほとんどの場合オンラインで遊んでいるとしても、気軽とは言いがたいゲームだと感じています。
しかも、それぞれに個別で楽しめる資料のようなものも配っていない作品です。
正直、4つのシナリオすべてに参加してくれた友達がいたこと自体が、奇跡的だと言えるかもしれません。
そういう状況下で、5つ目のシナリオを考えるというのは、なぜか。
それは、「1〜3つ目のシナリオと、4つ目以降のシナリオで役割が異なる」からです。
1〜3つ目のシナリオは、新しいゲームでどんな面白いことが表現できるか、確かめるようなもの。
つながりはあるものの単発性の高いシナリオで、どれか1作だけを取り出して遊ぶことを想定した作品です。
4つ目のシナリオは、それとは少し異なる部分を持たせました。
単発で遊ぶことができるものの、キャンペーンとしての良さが多く表現できるつくりを意識したシナリオです。
先にまで続く謎のようなものが要素として散りばめられた作品となりました。
つまり、5作目は4作目を受けて物語を大きく進めていくようなシナリオだということです。
このゲームの世界で表現したい「大きなテーマ」、それを描くために第5シナリオが必要だと感じています。
特に5つ目くらいになるとキャラクターも成長してきて、できることが多くなるかと。
その分、物語の中で意味の大きい行動がとれるようになってくることを想定しています。
◆ 世界地図の「有機性の確保」
以上のような状況が、現在僕に世界地図を作らせようとしています。
というのも、「本質的にこのゲームで何が得られるのか、何を得たいのか」がはっきりと定まってきたため、それに合わせてどんな世界が前提になっているか分析できたのです。
これが、「僕がどのようにファンタジーが好きか」ということだと感じています。
僕は、物語やキャラクターの柔軟な表現を中心にファンタジー創作を楽しんでおり、その大筋と矛盾しない世界を求めていた、というわけです。
これを指して、僕は「有機性の確保」と呼んでいます。
世界に設定される都市、地形、施設などはどれもただの場所ではないはずです。
その場所にキャラクターたちが住む都市。
その場所が冒険の舞台となる地形。
その場所が歴史を物語り、人物の足跡となる施設。
つまりは物語と「意味のある因果関係(有機的なつながりがある関係)」を持っている場所と言えるのではないでしょうか。
僕自身はそう考え、この有機性の確保をできる状況まで全体地図の創作を思いとどまっていたのです。
◆ まとめ
この記事は僕が感じたこと、学んだことをまとめたものであり、もちろん「具体的に5回目のシナリオから世界地図が必要となる」というようなことは(常には)ないと思います。
一方で、僕にとってファンタジー創作は1つずつに意味があるものであり、それを欠く状況ではワクワクが減じてしまうことが分かったのです。
今日は、そのことを記事にしてみました。
共感していただける方がいらっしゃれば、ぜひご感想にて教えていただけましたら。
それでは、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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