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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(7)
(明日槇 悠)
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世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第7回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
民衆の溜飲を下げるべく、領主レーモンは、のらくら者の指揮官ピエール・ロジェを処刑するための弾劾裁判を準備しはじめた。
その裏で、妻帯者の領主が救慰礼を授かろうとしたことが気に入らない完徳者ベルトランは、アミエルに流言し、レーモンを暗殺するよう唆した。
叔母のアルセンドからもベルトランの黒い噂を聞かされていたアミエル少年は、懐の小刀を握りしめ、葛藤する……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
A「ちょっと待って。一回、人間関係を整理していくと、え、フィリッパがレーモンの子供を孕んでるわけでしょ。で、コルバは両方とも嫌いなわけでしょ。で、エスクラルモンドはセシルのシンパなわけでしょ。で、コルバがセシル好きで、コルバもエスクラルモンドを殺そうとしてて、で、教義を守るために俺(ベルトラン)はいま、アミエルにレーモンを殺させようとしてるわけじゃん。で、いま弾劾裁判で、レーモンがロジェを殺そうとしてるわけだ(一同笑)。で、ベルトランがアルセンドを娼婦にしたきっかけの性的虐待を行ったわけでしょ。で、ファイユは馬小屋にいる(笑)。で、なんかめっちゃ怪しいけどとりあえずまだ何もめくれてない、ベルナールは。で、ベルトランの敵はセシル第一にレーモンとロジェってわけになってるのね。はいはいはい……岡田麿里もびっくりのドロドロ(一同笑)」
C「では……シーンカード【頬を伝う塩辛い涙】。エスクラルモンドはセシルの館の中におります。完徳者《ペルフェッチャ》の秘跡を受けるためです。セシルの前で手を組み合わせ、感極まったエスクラルモンドは涙を流し、その味を塩辛く感じることでしょう」
Cエスクラルモンド「セシル様……南方からの神の軍勢が、ついにこの城塞に入り込んできました……。私はこの熱に、きっと灼かれることでしょう。でも、この炎はきっと、わ、私を神の軍勢の一員として、加えることになるとおもうのです。セ、セシル様、その前に、救慰礼《コンソラメンテ》をお与えください」
Bセシル「ええ、構いません。エスクラルモンド、あなたにはひとつ話があります」
Cエスクラルモンド「何でしょうか」
Bセシル「私はもう、長くありません。この体が、そう告げているのです」
Cエスクラルモンド「はい。それは私も、自身の体に感じているところのものです」
Bセシル「……救慰礼《コンソラメンテ》を授けましょう。そしてこのことは、あなたの心にのみ秘めておきなさい」
Cエスクラルモンド「はい、私は完徳者《ペルフェッチャ》として完全なる生活を送ります。精神的な生活を送ります。決して血によってなる食物を体に取り込みません。そのことによって完全なる生活を送りたいと思います」
Bセシル「私は神の声が聴こえるなどと、そのようなことを言うつもりはありませんが、しかし体が……徐々に衰えていく中で、感じ取っているのです。もうこのモンセギュールは長くないと。そして、もしそうなった時、あなたはもう少し生きることを望むのか、それとも神の軍勢に下ることを祈るのか、それは定かではありません。しかしその時の最善を尽くしなさい」
Cエスクラルモンド「はい。分かりました」
C「そう言ってエスクラルモンドは、セシルに深々とお辞儀をし、その家を出、自身のおもう完徳者《ペルフェッチャ》らしい歩みで自身の家へと向かいます。そして完徳者《ペルフェッチャ》となったことは誰にも告げるつもりはないものの、その態度によって周りに影響を与えようと望むことでしょうが、周りはそんなことを見てもいないでしょう。……彼女のことを、単に幻覚を見る女としか、精神を病んだ女としか見ていないこの状況では、完徳者《ペルフェッチャ》としての立場も何の意味もないことかのように見えました」
D「……じゃあ、シーンカード【小便の目にしみるような臭気】(一同笑)」
B「すごいカードだ」
D「ロジェが……どうしよう。人間関係がゴチャゴチャでわかんねえな。でもロジェもう、仲間いないですもんね。四面楚歌で。誰にも相談できないじゃん」
A「いない! しかもベルトランとの会話のときのこと考えると、ロジェ実はちょっといいやつなんじゃないか説あるし(笑)」
D「ロジェは天然で、ちょっとリベラルな人なんで」
A「妻いるけどね」
D「じゃあ、ロジェの独り言っていうことで」
Dピエール・ロジェ「いやぁ……しんどいやら。さすがの鈍感な私でも、私の周りは敵だらけということはなんとなく分かっている。だからこれは……完全に私の独り言なのだが……いま思えば、私の父はあの時……死ぬ前に、私に言い残したことは、あれはなんだったんだろうか。思えば……父もかなりの……色気違いだった(一同笑)。その父の唯一の子である私は、おそらく父の色キチの遺伝子を継承しているだろう。なので、おそらく父が言いたかったことは、子を遺せということだったのではないか。私はおそらくもうそろそろ殺されるだろうから、今のうちにたくさんの女を孕ませよう」
A「えぐ(笑)」
D「これから動いていきます」
Aベルトラン「いやー! レーモン君が来てくれて助かったよ。前線の士気が上がるっていうのはこの砦にとって重要なことだからね。そろそろ疲れたから一旦、休憩しようか。……すまない、レーモン君。ちょっと腹痛を覚えたから、トイレに行ってくるよ」
A「そう言ってベルトランはシーンカード【洞窟のひんやりとした暗闇】の中で身を潜める。ベルトランは物陰から見ていた。レーモンの様子を」
Aベルトラン「そろそろ……アミエル君も来る頃」
B「だいぶ面白いシチュエーションになってきたな……」
D「じゃあ、アミエルやります」
B「ここのアミエル大事だよ? やるかやらないかの」
Aベルトラン「私はアミエル君の殺すところ見たいなぁ! レーモンを殺すとこ見たいなァァァッ! アミエルのォ、ちょっといいとこ見てみたい(笑)」
Dアミエル「僕は……どうすればいいんだろう」
D「ガタガタ震えていますね」
Aベルトラン「ピュッ! ピュッ!」
D「なに(笑)」
Aベルトラン「ピュッ!」
D「あー、合図してる」
Aベルトラン「……レーモン君、もうちょいうんこかかりそう(笑)。もうちょいそこいて? もうちょいうんこかかりそう!」
Bレーモン「ベルトランさん、うんこ長ぇなー。俺も行ってこようかな」
Aベルトラン「レーモン君! いや、洞窟いっぱい!(一同笑) いま洞窟、人いっぱい! いまうんこ重くなってる、洞窟!」
Bレーモン「これかー。じゃあちょっとしょうがないな……」
Aベルトラン「うー…………うー………………ハヨセントコロスゾ!……うー……」
Dアミエル「(Aに襲いかかる)アァァー!(一同笑)」
Aベルトラン「エェッ!? ヘッ? ヘッ?」
A「ベルトランの問3ね。【ベジエの街が陥落したとき、あなたはどうやって生き延びたのか?】アミエル君、すまない……。私は武力で生き延びてきた(一同笑)。ベルトランは避けた。避けて、アミエルの武器を取り上げ、アミエルを三発ぐらいぶん殴った」
Aベルトラン「オイ。俺はお前を殺しても問題ねーんだぞ、この悪魔が」
A「ベルトランはアミエルに斬りかかった。さあ、アミエルが死ぬかどうかは小山君の判断にかかっている」
D「アミエルはかわします(一同笑)。右目が光って、ピカーンッて……」
A「それはちょっとやめていい(笑)。アミエルの右目は光らなかった」
D「でも、とっさにかわして、なんとか一命をとりとめました」
A「ああ。アミエルは一命をとりとめた。そこをベルトランが続けて襲いかかる!」
D「いやいやちょっと、逃げさせて……(笑)。逃げます」
A「アミエルは走って逃げた! アミエルが走って逃げてる様子を、レーモンは見かけます」
B「じゃあ、【何か古めかしく邪悪な感触】(シーンカードを出してナレーション権奪取)。レーモンは、信頼していたベルトランが、同じく愛情を捧げていたアミエルを追いかけている姿を見てしまった(一同笑)」
Aベルトラン「レーモン君! あの悪魔が君を殺そうとしていた。それを私が止めたんだ。レーモン君……あの悪魔は、今すぐに殺さなきゃいけない。君の命を狙ってたんだぞ!」
Bレーモン「なんということだ……」
B「レーモンは、とっさの判断でアミエルを捕まえた」
Dアミエル「やめてー! レーモンおじちゃん……」
A「そしてベルトランは、」
D「やめて……」
A「アミエルの喉元に剣を突いた(ジュッ)」
B「レーモン、第3の問い。【あなたが愛し、もっとも大事にしているのは誰か?】それはベルトランであった」
D「え……」
B「しかし、いま彼は殺生をおこなった」
D「やっぱ死んじゃったんだ……(笑)」
B「完徳者《ペルフェッチ》が殺生を行うことは教義に反することである。レーモンはその行いに対して、ひどく憤慨した」
Bレーモン「あなたは一体、何をしでかしたんですか」
Aベルトラン「レーモン君。冷静に考えたまえ。殺生とは生き物を殺すことだ。子供は生き物ではない。悪魔だ」
D「いやいや(笑)」
Aベルトラン「殺生ではない。教義には、一切反していない」
B「レーモンは慎重派であった。ベルトランの言い分も理解はできるが、一度ベルトランを危害の手の及ばないところに置いておくべきだと考えた」
Bレーモン「これから十字軍の戦いが始まる。その指揮を乱すようなことは、たとえベルトラン様が無実でアミエルが悪人だったとしても、あるいは逆だとしても、起きてはならない。一度、昔使われていた地下牢に入っていただけますか」
Aベルトラン「(息荒く)ハッ……! ハァァ……ッ! フッ、フーッ(一同笑)」
B「と言って、ベルトランを勾留しようとした」
Aベルトラン「レーモン君。私は完徳者《ペルフェッチ》だぞ? それを地下牢に入れようとしているということはどういうことかわかるか? 君は確かに領主だが、この砦にいる何人が信徒だと思っている? そして私はこの砦の前線にいる兵士に救慰礼《コンソラメンテ》をおこなって、前線にいる兵士の約7割が私の力で完徳者《ペルフェッチ》になっている。私の聖性が剥がれると、他の兵士の聖性も剥がれる。私が地下牢に入るということは、ありえないし、私に歯向かうということがどういうことか分かるか? レーモン君。レーモン君!! 君の奥さんは、君よりセシルを愛しているらしい。レーモン君、君の娘もセシルにメロメロだ。
君ィー、恨む相手を間違えてないかい、レーモン君。いま排除しなきゃいけないのは、内通者のセシルだ。私ではない。私を地下牢に入れて、兵士の士気を失い、君が反乱を起こされるか、それとも、この悪魔を殺して、そしてセシルを殺す。どちらが領民のためになるか、もう一度考えてみたまえ、レーモン君!」
B「レーモンは、小心者の穏健派だったので、
Bレーモン「その通りです。ただ、アミエルの手当てはさせてください」
と、その場を収めようとした(笑)」
Aベルトラン「まぁ……いいだろう。君はそんなものだね、レーモン君。私が私の信仰を疑うときがあるとすれば、私の権威が剥がれるとき。権威が剥がれなかったので、ここは一旦……私は家に帰ろう。そして……ご飯を食べて寝る(笑)」
A「アミエルゥゥゥ! アミエル……(笑)」
C「これでAct.4ですかねぇ」
B「なんと恐ろしいことになってしまったんだ」
A「でも、もうすぐ終わる。いいね! 盛り上がってきたね」
B「レーモンの3つの質問、まだ言えてなかった」
A「俺、終わったな、ベルトランの質問。引っぱろうとおもったけど、アミエルに対抗するために。ぜってー、俺、このゲームが終わる前にアミエルを殺すからな(一同笑)」
B「なんか裏ゴールみたいなものが用意されている」
D「俺はアミエルを主人公だと思っている」
A「俺いま、共鳴してるから、俺の中のベルトランが『アミエルを殺せ、アミエルとセシルをどうしても殺せ』って言ってきてる(一同笑)。モブじゃん! お前らの使用キャラじゃないから。絶対殺してやる」
B「レーモンはもう、自分の領内でなんも起きてほしくないと現実を否定してる(笑)。穏健派じゃないけど」
A「レーモン君! もう無理だ。レーモン君!(笑) そして、このフェーズと関係なく殺されようとしているロジェ。このフェーズが終わっちゃったらどうなるんだろう」
B「生き延びちゃうのかな。救慰礼《コンソラメンテ》によって(笑)」
A「年代見るわ。Act4.の。1244年1月がAct3.ね。1244の3月2日がAct4.だから、ロジェの裁判がこの日だったら生き残るはあるかも。この日付、絶対、元のモンセギュール砦の話、関係してるからな(笑)」
D「こんなドロドロのこと……」
A「宗教と閉鎖空間に、権力争いは起こるからね」
◯Act4.陥落 に続く……
●登場人物/3つの質問
ベルトラン・マーティ……年配の男性。完徳者《ペルフェッチ》。カタリ派信者たちの精神的な指導者。出家する前は羊飼いだった。
1. あなたの言葉を信仰に裏打ちされた啓発的なものにしている要因は何か?
2. あなたが自分の信仰を疑うのはどんなときか?
3. ベジエの街が陥落したとき、あなたはどうやって生き延びたのか?
レーモン・ド・ペレーユ……モンセギュールの領主。この中年男が、現在の城塞を建てた。ピエール・ロジェのいとこでコルバの夫、フィリッパとエスクラルモンドの父。
1. あなたはモンセギュールをカタリ派の根城としたことを後悔しているか?
2. あなたの左脚は、なぜこわばっているのか?
3. あなたが愛し、もっとも大事にしているのは誰か?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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