●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● 読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第12回(解答編) かなでひびき ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● はろにちわー! 初めての方は、はじめまして! おなじみの方は、毎度! 火曜日の記事『これはゲームブックなのですか?』にて、掲載させていただいてる、ヴァーチャル図書委員長かなでひびきですぅ! かなでが集めてきた「謎だけ」で答えのないお話に、オチを付けていただくというこの企画! 今回のお話は、「突然空を見上げ、動かなくなった男。 だんだんとそのまわりに人が集まっていき、ついには街の人皆が空を見上げはじめる! 男はどうして、空を見上げっぱなしなままなのか? あるいは空に本当に何かが浮かんでいたのか?」ということ! って話だったよねー! そして、応募していただいた皆様、ありがとうございます! 早速、紹介していっちゃうね! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『何かが空を飛んでいる』(解答編) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (ジャラル アフサラールさん) 空には「地獄行くならタルタロスへ! ハデス観光」 「君もエインヘリャルになろう!ワルキューレが君を待っている! ラグナロク傭兵会社」 「今、入信すれば極楽行き優先権配布!阿弥陀如来」 次々と空に映し出される広告?に男が気が付くと周囲の人々も唖然と空を見上げていた。 そして広告?が終わると皆の心の中に声が聞こえてきた。 「我が子らよ。世界の維持にも費用が掛かるので今回コマーシャルを導入してみた。意見や要望があるのなら祈りの時に言ってくれ。」 あの天に移った広告はこの世界の神様が流しているCMらしい。世界の維持にも費用が掛かるとは…男はスマホで見たい動画が出るまでCMを見ながら思った。 End FT書房のチャンネルもあるYouTubeで動画に挟まれるCM見て思いつきました。ちなみに私の推しは「チルのAIネオヴィジョン・スタジオ」と「トラブルバスターズ」です。 +++++++++++++ (かなでコメント) 毎回投稿ありがとうございますっ! なるほどねー。TVも動画も「CM」ってのはお邪魔虫ですが、こういうネタに貢献するとは! しかも「空に投影する」っいうのは、いかにも実用化されそうじゃないんでしょうか? 個人的には、「地獄行くならタルタロスへ! ハデス観光」のくだりが、ツボに入りました! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (緒方直人さん) 『この看板から目をそらしたら殺す。見るなと人に教えても殺す。身振り手振りでも殺す。とにかくちょっとでも余計な動きをしたら即殺す。』 空を見上げた男の眼に飛び込んで来たのは、そう書かれたビル屋上の巨大看板であった。 悪いイタズラだと視線を戻そうとしたその刹那。右から、左から、誰とも知れぬ断末魔の絶叫が続々と脳髄に突き刺さり続ける。 もう動けない。死の恐怖が男の心臓を完全に鷲掴んだ。単なる幻聴かも知れない。だがそれを確かめる勇気が、どうやっても絞り出てこない。。。。。 +++++++++++++ (かなでコメント) 毎回投稿ありがとうございます! 緒方さんっていえば、軽妙なギャグストーリーの印象がありますが、今回は鋭いホラーですねー! 日常に忍び寄り、突然牙むく恐怖。 こういう系、大好きなんですよ! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (ヴェルサリウス28世さん) >読者参加企画『みんなのリドルストーリー』第12回(出題編) B(解答編エピソード1) 「ご隠居、また1枚カードを手に入れました。なんて書いてあるんですか」 「今後は全部この方式でいくつもり? いや、こっちの話だ。 ここには『あまつかせくものかよひちふきとちよをとめのすかたしはしととめむ』と書いてある」 「どんな歌ですか」 「お前さん、まずこの『天津風』って何だと思うかね」 「『天津風』ってんですから、空に吹く風のことじゃないんですか」 「違う。これは人名だ」 「分かった、相撲取りの四股名でしょう」 「惜しい。これは、風属性の魔法使いの名前だ」 「風属性!? え、この世界って風属性みたいな魔法属性の設定がある世界でしたっけ」 「まあ、風属性の魔法が得意な魔法使いをそう呼んでる、程度の話だ。 さて、美形英雄、エルフ・ザ・ピンチがあるときピンチになって仮面を外し素顔を見せた。周囲にいた敵はばったばったと倒れた。その素顔の美しいのを見て、天から天女が舞い降りて、その美しさを称えて舞い踊った。エルフの素顔が見えたのは至近距離にいた者だけだが、空を舞う天女の姿は近くの都からも見えたという」 「なるほど。それでみんなAパートでは空を見上げてたと。『交差点』ってのは辻のことですよね。『信号が変わり』って何のことですか」 「お前さんは田舎育ちなので知らんだろうが、都ともなると南北の街道からも東西の街道からも人や馬車や騎乗生物が行き交っておる。そこでその交通を整理するために、定期的に赤と青の色が変わる機械が設置されておるのだ」 「すげえや、さすが都ともなると違いますね。『ドライバー』って何ですか」 「馬車を操る御者のことだな」 「『ポリスメン』っていうのは」 「交通整理を行う衛兵のことをそう呼んでいた。 さてその天女の姿を見た男たちはみなこう思った。 『天津風、雲の通い路吹き閉じよ。乙女の姿しばしとどめん(風属性の魔法を得意とする魔法使い天津風よ、その魔法で雲の中にある天女が帰るためのディメンジョンゲートを吹き閉ざしてくれ。美しい天女の姿をもっと目にしていられるように)』と」 C(解答編エピソード2) 「ここまでが天津風のいわばエピソード1。このエピソードが好評だったため、続編であるいわばエピソード2が作られた」 「嫌な予感がしますが、どんな話になったんですか」 「まず主人公は前作では名前だけの登場だった風の魔法使い天津風その人だ。天津風は天女を帰らせまいと風魔法を放った。雲の中にあったディメンジョンゲートは破壊され、その余波で羽衣が傷ついた天女が地上へ真っ逆様に落下する。とっさに天津風が風魔法を唱えると、天女はまるで羽が落ちるようにゆっくりと落下し、天津風の腕の中に納まった。 天女は、ディメンジョンゲートを破壊した本人とも知らずに天津風にこう言う。 『命を助けていただき、お礼のしようもございません。この上は羽衣の魔力が戻るまで、三年(みとせ)の間、あなたの妻となりましょう』 時は流れてちょうど3年目の日。天津風のもとに隣国の兵士が来て天女を隣国皇帝に献上するよう迫った。 エピソード1で舞い降りた天女の姿絵を見た隣国の皇帝が、その天女を妻にせんとして兵士を送ってきたのだ。 天津風は得意の風魔法で応戦するも衆寡敵せず。あわや天女を連れ去られそうになる。 『私は既にあなたに操を捧げ、皇帝といえども二夫に仕えようとは思いませぬ。羽衣修復のための魔力をあなたに捧げますのでお使いください』 『実は三年(みとせ)の昔、お前の帰るべき雲の通い路を破壊したのは私なのだ。私にはお前の愛を受ける資格などない』 『そのようなことはうすうす分かっておりました。既に私が愛するのはあなた一人』 天女の魔力を受けて天津風は膨大な魔力を要する最高位魔法を使い、召喚に応じて破壊神シヴァが地上に降臨した。 巨大なシヴァの姿は都の辻からも見え、人々はシヴァの姿を見上げた」 「その場面はあるんだ」 「エピソード1の使い回しだがな。 破壊神シヴァは、隣国の兵士をひと振りで全滅させるとともに、額の第三の目から発する破壊光線が隣国の皇帝居城へと一直線。皇帝はとどめを刺され、断末魔の一声を上げて死亡する。 天津風は、魔力を使い果たし天に帰れなくなった天女と幸せに暮らしたということだ。 一説にさっきの歌の本当の意味はこうだという。 『天津風! 雲の通い路吹き閉じよ! 乙女の姿! シヴァ! 死! とどめ! ン!』」 D(解答編エピソード3) 「エピソード2に続き、エピソード3まで作られた。 この主人公は前作主人公天津風と天女の息子、時津風。 彼は両親の魔力を受け継ぎ、召喚魔法に長け、シヴァ、その妃カーリー、ナーガ、チャンドラ(月天)といった高位存在を召喚することができ、その召喚魔術を使っていろいろな冒険を行った。 チャンドラ(月天)を召喚したときは、明け方になっても空に残るはずの月(有明の月)が上ってこないため、明け方から辻に集まっていた人々は驚いて空を見上げ、有明の月が上ってくるのを待った」 「やっぱりその場面はあるんですね。Aパートではうだるように暑い日、とありますけど」 「長月(旧暦9月。新暦でいえば10月頃)だとそこまで暑くはないかもしれんが、今回はその設定じゃないので、その日はまだ朝から暑い日だったんだろう。裏を言えば夏に撮ったエピソード1の映像の使い回しだ。 このエピソード3は別の歌になっている。 『今Con.(Conjuration Spell:召喚呪文)と言い、シヴァ、カーリーに、ナーガ、月の、有明の月を待ち出でつるかな』」 ================ 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ をとめの姿しばしとどめむ:小倉百人一首第12番。僧正遍昭の歌。『古今和歌集』より。 僧正遍昭(816〜890)は、平安時代前期の僧侶・歌人。六歌仙、三十六歌仙の一。桓武天皇の孫で高位官僚であったが仁明天皇の死に際して出家、僧正の地位まで上り詰めた。俗名は良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。素性法師は出家前の子。 『天津風』って何だと思うかね:落語『千早振る』の「竜田川ってのは何だと思う。川の名前? 相撲取りの名だ」というくだりをオマージュしている。実際、時津風部屋に「天津風」(1937〜2013。最高位前頭三枚目)という相撲取りがいた。 風属性の魔法使い:筆者は「風属性の魔法使いは風属性の魔法しか使えない」というシステムのTRPGを見たことがないが、なろう系でしばしば見るこの設定はどこから生じたものであろうか。 天女:天・人・阿修羅・畜生・餓鬼・地獄の六道を輪廻する衆生のうち、前世の善業により天界に転生した天人の女性をいう。不老長寿だが不死ではなく、天人五衰の末に死亡してまた六道を輪廻する。仏教の設定的には神足通を会得してるだろうからディメンジョンゲートや羽衣を必要としないはずだが、羽衣説話においては羽衣がないと天に帰れないという設定となっている。「天つ風」の歌でいう「雲の通い路」とは、雲の中にあるとされた天上と地上を結ぶ通路である。 信号:世界初の交差点信号機は、1868年、イギリス・ロンドンのウェストミンスター宮殿前交差点に、馬車の交通を整理するため、鉄道技師であったジョン・ピーク・ナイト(1828〜1886)が発明したもの。警察官が手動でレバーを操作し、昼間は「ストップ」「ゴー」を示す腕木(セマフォア)を、夜間はガス灯の赤青を切り替える仕組みであった。蒸気自動車は既に1769年には発明されていたが、道路を傷め馬を驚かすため、1896年まで、市内では時速2マイル(時速約3キロ)に制限され、人や動物に予告するために、赤い旗を持った歩行者が先導しなければならなかった。 ドライバー:英driverは、自動車が発明される前は馬車などの御者(現在では自動車運転手と区別してCoachmanなどと呼ぶ。)のことを指していた。 ポリスメン:英policeman(複数policemen。ポリティカルコレクトネス普及後は主にpoliceofficerが使われる。)が「警察官」の意味で使われるようになったのは、1829年イギリスの首都警察法が制定されて以後である。中世ヨーロッパ(風の世界観)において、治安維持はその土地を支配する領主の権限であった。 ディメンジョンゲート:仏教的には天界は須弥山の上空(下位2天は須弥山の中腹・頂上)で地続きだが、西洋風ファンタジー的世界では天界は地上とは別次元界のことが多いだろう。そのような次元間をつなぐゲートを作って雲の中に隠してあるという設定である。 え? Aパートに「雲ひとつない空が広がっている。」って書いてある? それはあれだ。晴れの日に群衆の見上げるシーンだけ撮影したのと、空で舞う天女のシーンをあとで合成したんで、場面ごとに雲があったりなかったりしてるんだ。よくあることさ。 天女の姿絵(乙女の姿):紀貫之『古今和歌集』仮名序に「僧正遍昭は、歌の様は得たれども誠少なし。例えば絵に描ける女を見ていたずらに心を動かすがごとし」とあるのに掛けている。 シヴァ(Siva):ヒンドゥー教の主要3神(ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)の一つ。仏教では、自在天(イーシュヴァラ)、大自在天(マヘーシュヴァラ、摩醯首羅)、大黒天(マハーカーラ)、伊舎那天(イシャーナ)などとして取り入れられた。『リグ・ヴェーダ』では暴風神ルドラが登場していたが、後にシヴァの異名の一つとされシヴァと同一視されていった。なので、風魔法の最高位にシヴァ召喚があったもおかしくはない。ファイナルファンタジーシリーズのシヴァ(Shiva)は氷の召喚獣だが、綴りが異なる。 エピソード2での登場は、物語終盤に出てきてすべてを解決する、まさにデウス・エクス・マキナである。 吹き閉じよ!:昔のアニメや特撮のサブタイトルには「!」がたくさん付いてたことがあった。「恐怖の円盤生物シリーズ! MAC全滅! 円盤は生物だった!」(「ウルトラマンレオ」40話サブタイトル。1975年1月10日放送)、「もう一つの北斗神拳! ラオウを闇に葬り去れ!!」(「世紀末救世主伝説 北斗の拳」70話サブタイトル。1986年4月17日放送)など。 (千葉繁の声で)「次回、天津風2! 天津風! 雲の通い路吹き閉じよ!! 乙女の姿!!! シヴァ!!!! 死!!!!! とどめ!!!!!! ンーーーーー!!!!!!!」 時津風:一般名詞としては、「良いタイミングで吹く追い風」という意味。陽炎型駆逐艦の10番艦「時津風」(2代目)が、陽炎型駆逐艦の9番艦「天津風」(2代目)に次いで建造されていることから、天津風の息子の名に採用した。 天津風と時津風の親子関係の設定は、僧正遍昭と素性法師の親子関係から。 天女の名が「おとき」(手塚治虫『火の鳥 羽衣編』のヒロイン)だったら、母からも一字取ったことになるが、ネーミングとしてはどうだろう。前回「鳥野ソラネ」と「湯雲カエル」を出してるんだが。本作の天女は別にタイムトラベラーでもないし。 カーリー:シヴァ神の妃パールヴァティーの化身の一つ。もともとは別個の神格だったともされるが、後世パールヴァティーの化身・別名とされていった。 ナーガ:インド神話の蛇神。元来コブラを神格化した蛇神であったはずだが、コブラの存在しない中国においては漢訳経典において「竜」と翻訳され、中国に元来からあった竜信仰と習合し、日本にもその形式で伝わった。 チャンドラ:インド神話の月神。仏教では月天として取り入れられた。 Con.:コンジャレーション(英conjuration)は「魔法」を意味する英語の一つだが、使い分けは設定により様々で、召喚魔術をconjurationとすることもある。他にsummoning、invocation、evocationが使われることも。AFFでは「招霊術」と訳されているようだ。クトゥルフ神話TRPGでは、「○○の召喚」は「summon ○○」、「○○の招来」は「call ○○」、「○○との接触」は「contact ○○」とされているようだ。 今来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ち出でつるかな:小倉百人一首第21番。素性法師の歌。『古今和歌集』より。 素性法師(生没年不詳)は、平安時代の歌人・僧侶。三十六歌仙の一。僧正遍昭の出家前の子。俗名は諸説あるが、一説に良岑玄利(よしみねのはるとし)という。 +++++++++++++ (かなでコメント) 今回も力作、ありがとうございます! 今回はまさかの三部作! しかもちゃんと前回との続きになっているのがスゴイ! まるで大河ドラマダイジェストのような重厚さと、和歌を使った言葉遊び。それを裏打ちする博学。 かなでの予想、いえ、誰も予想もつかない大風呂敷(誉め言葉)を広げるのは、やはりヴェルサリウス28世さんならではだと思います。 しかし、ピンチくん、愛されてますねー。ありがとうございます! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (ジェオリブさん) その時! 誰か空から降ってきた! 「何者だ!」 街の隅っこで、目を凝らしていた男の足元に、突然穴が開いた! あっという間に、落とし穴に男が消えるが、空ばかり見ている人々に気づかれるわけでもなし! そして、落ちてきた男は、そいつだった! 事態が呑み込めていない人々をよそに、落とし穴の数は、だんだんと増えていき、ついには町全体を覆う。 +++++++++++++ (かなでコメント) なるほどねー。 頭上注意! に見せかけて「足元注意」とは! これぞミスディレクション! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (アガサ・ターナーさん) 「なんだよ! これ! 『誰か空を見上げたら、それにつられて街のみんなが空を見た』って」 「ははは! 面白いフックでしょ?」 あなたは、ド新人のライター。 田中啓二先生の原稿が、突然得意の締め切り破りで穴が開いたので、急遽あなたがショートショートを書くことになったのだが…… 「で、この話のオチは?」 「オチ? オチなんてないです! そこが新機軸なんです! まさに新世紀の読み物です!」 あなたの首を締め上げる編集。 目をむいたあなたの目に飛び込んできたのは、空! あなたは身に危険が迫っていることも忘れて、空を見つめる。 様子が変だと気づいた編集も、空を見上げた。そこには……。 巨大なワープロ画面と、そして「オチのない」書きかけのショートショートがあった。 まさに「あなた」が書いたみたいな! +++++++++++++ (かなでコメント) おおっ! これまた「ショートショート」としての「物語」がちゃんとありますねー。 しかし、ほんとこの作者と編集者には、こころより心中お察しいたしますぅ! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (ミスターKさん) 空を見上げる。 そこには、同じように空を……こっちを見上げる街の人々の姿があった。 +++++++++++++ (かなでコメント) おっ! ストレートですねー! 「オマエを驚かせてやる! 墓を掘ってみな!」とある男に言われ、掘ってみたら…… みたいな名作を思わせます! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (聖ローリングローリーさん) 「ひどいもんだな。こりゃ……」 デイケアサービスから帰る老人たちに突っ込み、そのまま帰宅中の小学生の群れに突っ込んだトラックなんか序の口。 道という道には、転がる自転車、玉突き事故を起こした車。横転した電車の下敷きになったバイク。いまだにうめき声をあげる人々。泣き叫ぶ声でいっぱい! まさに蜂の巣をつついたような騒ぎ! 「まさに、交通機関全部が事故にあったみたいです。医療機関もパンクしていて、まさに町が麻痺しています」 「不幸がかさなっただけ……にも見える。しかし、万が一テロだったら大変なことだぜ……」 同時刻、あるテロリストが某国に通信を入れていた。 「金と欲に汚染されたブタどもの某市に、鉄槌は下った! 都市としての機能を失わせることに成功!」 「まさか『立ちんぼ』しているだけでこのような結果になるとはな。 これは『神の意思』が我々に味方してくれている証拠だ! 当局も、原因にたどり着くとは思えない……」 +++++++++++++ (かなでコメント) まさかのクライムサスペンス! そうくるか! 乱歩先生のおっしゃってる「可能性の殺人」を「テロ」に仕上げるその発想に脱帽! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (たてまえさん) 前から目をつけていた、ホラー作家、中の芳樹先生。 中学生のころから、「この人実体験の恐怖を筆にぶつけてるんだろ」としか思えない話を書いていて、図書館で心奪われたときには、もう絶版! 特に、その中の短編、『何かがそらにいる』。 あらすじは、突然一人の男が、空を見上げ始める。 そうすると、それにつられたように、通行人も空を見上げる。 それにつられて、空を見上げる人は、一人、二人と増えていき、ついには町中の人が空を見上げる。 そして、空にあったものとは!? 残念ながら、これが最後の先生の遺作となり、続きは尻切れトンボのまま。 しかし、今回手に入れたかの先生の遺構に、それが記されていた! あの頃に戻ったように、わくわくしながら読み進め…… さて、問題の箇所。 胸躍らせて読み進める。 そこには一行だけ書いてある。 「空を見ろ」 空を見上げる僕。 そういえば。あの雲の形が、なんか文字を作っている!? その読解に時間をかけていると、人が一人集まり、二人集まり…… +++++++++++++ (かなでコメント) なるほど。 なんか「連鎖する呪い」風な、ホラーテイストを感じますぅ。 で、このお話で提示された謎がさらに深まるのも、◎! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (小牧さん) 空をただ、見つめ続ける。この奇怪な行動のやりだしっべとなった男。 皆の緊張が高まる中、突然男が声を上げた! 「いてて! ちょっと、私の首をおろしてください!」 ちょうど接骨医もいたので、小気味よい音とともに首を直してもらったところ。 彼が言うことには。 「いやー。思いっきり上を向いて、しっかり目を閉じたら、もう瞼が開かなくなる、っていう体のトリックを試してたんですよー」 +++++++++++++ (かなでコメント) おおっ! 「体のトリック」ネタですか!? なるほど、バーチャルリアリティで作品が楽しめる(笑)そのアイディアに脱帽! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (トカレフかつをさん) 必死で、空を見つめている男。 緊張の高まる中、ふと、近場で口を開けている男の口に、ポップコーンが! そう、最初見上げていた男は、「ヘリから投げ落としたポップコーンを口でキャッチできるか?」企画に参加していたのだ! +++++++++++++ (かなでコメント) おおっ! なるほどギャンブルネタですね! 「二階から目薬」とか、『懺悔室』とかを思わず思いおこしちゃいました! ギャンブルというネタは、今回のお答えの中でも、唯一じゃないのでしょうか? ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (まなべてるさん) そして、空から何かが落ちてきた! 金色の粒だったそれは、やがて、何!? たらい!? 男に直撃するたらい。 何が起こったか把握できない隣の男にもたらい! 次々にたらい! たらいが街の皆の頭に! これが「全国一億ドリフ計画」の一環とは、まだ気づくよしもない! +++++++++++++ (かなでコメント) ド直球なかつ力強い回答。 その勢いに大爆笑しちゃいましたよ! 「全国一億ドリフ計画」ぜひやっていただきたいものですねー。 ああ! ドリフは遠くなりけり! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (葉山海月さん) その時、男が叫んだ! 「エイプリル・フールだ!」 街の皆は、一斉にほっとした。 +++++++++++++ (かなでコメント) おおっ! なんてベタで直球なオチ! すがすがしささえ感じますねー。 ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (七尾八尾さん) そして、男が言った! 「みなありがとさん! わしのボケに付きおおてくれて」 次の瞬間、あたりの人はヘロヘロと腰砕けになりずっこける! さすがはボケのツッコミの街、日本のラテン、オーサカだ! +++++++++++++ (かなでコメント) おっ! うまい! 原因は空ではなく、本人に! という水平思考的発想ですねー。 なんか、あざやかな「その手のパズル」の回答を見せられたような気がいたします! しかし、恐るべし関西人! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (クレイジーケンナオコさん) 発端の男が、やっと首を下げた。 「ああ。やっと鼻血が止まった……。みなさんお揃いで、何をしているんです?」 +++++++++++++ (かなでコメント) うまい! これまた、空がミスディレクションとなっている話。 しかも、オチに一ひねりしてあるっ! いい話です! ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ (かなでひびきさん) 見上げた空には、その男の顔があった。 いや、それだけではない、その隣であっけにとられて、空を見上げていた男も、止まっているドライバーも、警察官も。 そう、そこには街の皆が! いや、皆どころではなく、「街そのもの」があったのだ! まるで、それは、鏡、いや、広い水面に映る鏡像みたいに! そして、 「なにか……あの目、吸い込まれそうだ……」 それぞれの人がそれぞれの胸像を見つめているうちに、次々と人は空に落ち、車も空に落ち、建物も大地も全て空に吸い込まれ……。 「あー! 今日は一段と綺麗な空だわぁ」 空を見上げていた男が言った。 「ですよね」 側に立った男も頷いて去った。 そして、車が行き交い、雑踏も賑わいを取り戻して、世はすべてこともなし。 +++++++++++++ (かなでコメント) 最後はお粗末ながら、かなでのショートショートを持ってまいりました。 シュールな実験作を狙ったのですが…… 皆様、いかがだったでしょうか? ・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ 改めて、皆さん! たくさんのご応募ありがとうございます! みんなで考えたショートリドルストーリーの、お味はいかがだったかな? 今回応募していただいたいっぱいの作品だけど、オチのバラエティが豊かだったと思うわ。 「空に何かある」系。 「実は見上げていた人に何かある」系。 加えて、それを見越した「メタ」系。 で、「ちゃんとしたショートショート」になってるものも、「力技で通す」一発ギャグ系のものも! その書き方も、シリアス系から、少し不思議系、ギャグ系まで! 例えば、ジャラルさんも緒方さんも同じ「空に何かある」系だけど、ジャラルさんはギャグ、緒方さんはシリアスなホラーに仕立てていて、とっても面白かったです! もちろんそのアイディアも感動! 少し不思議系なら、ジェオリブさん、アガサさん、ミスタKさん、たてまえさん、小牧さん。、 トカレフさんのオチは、この手のばくち系大好きなかなでのツボに入りましたぁ! ローリーさんのオチなんか、はっきりとクライムサスペンスになっていて、印象深かったです! ギャグ系だったら、葉山さんに、七尾さん。クレージーケンナオコさん。まなべさん。 特に、実際に試せる「体のトリック」を取り入れた小牧さん、スゴイです! そしてまた、ヴェルサリウス28世さんの連作シリーズね。 勉強にもなるし、読み応えのある一本! 本当にライフワークになってきている感がありますよね(笑) それでいて、みんな話、そしてオチが違う、っていうのは、やはり皆さんの想像力の底力を見せていると感動さえいたしました。 かなで的には、大収穫ね。 締め切りは終わったけど、ここに応募された答えにこだわらず、みんなでご自由に謎の続きを考えて欲しいの。 魅力的な謎は、それだけで一つの物語。 それでは、次回の「問題編」 あなただけのオリジナルストーリー、ご応募お待ちしております! どうぞよろしくお願いいたしますぅ! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━● ■今日の新聞に対するお便りはコチラ! ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m ↓ https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report 【FT新聞・バックナンバー保管庫】 *2週間前までの配信記事が閲覧可能です。 https://ftnews-archive.blogspot.com/ 【FT新聞のKindle版バックナンバー】 *kindle読み放題また有料購入が可能です。 https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/entity/author/B00OYN7Z84 ■FT新聞をお友達にご紹介ください! https://ftbooks.xyz/ftshinbun ---------------------------------------------------------------- メールマガジン【FT新聞】 編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ 発行責任者: 杉本=ヨハネ (FT書房) ホームページ: https://ftbooks.xyz/ メールアドレス: sugimotojohn■■hotmail.com(■■を@に置き換えてください) ---------------------------------------------------------------- メルマガ解除はこちら https://ftbooks.xyz/acmailer/reg.cgi?reg=del&email=ryu00minami.2026ft0409news@blogger.com ※飛び先でワンクリックで解除されます。