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オリジナル小説「奇妙な仕事を斜めから見る」
岡和田晃
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彼方、彼方へ! 私はきみの世界(もと)へと翔んでゆきたい。——キーツ
時間を斜めから見てしまったあの日から、できるだけ弧を描くように歩くことにしている(注1)。
急ぎすぎると変な奴だと思われてしまうこともあるみたいだけど、適度にペースを落としていけば、見咎められる危険性はぐっと減る。本当は軽いサンダルやヒールの高めの靴を履いときたいところ。でもそれじゃあ、この地味目のスーツに合わないから、仕方なく、上下のスーツとセットで買ったローファーを履いて出勤している。
——時間というのは劫初の瞬間を憧れてやまない神の回想から生まれた。そう書かれた研究書(注2)を、こないだ読んだばかりだ。ならばさしずめ私は、無理にでも世の中を、斜に構えて見られるようにしたいと思っているんだろうな……。そう、世莉愛(ぜりあ)は独りごちた(注3)。
ここは、東京と神奈川の境目から、少し都内寄りのところにある高級住宅街。圧倒的大多数の人らは、一生涯額に汗して働いても、このあたりにマイホームを買うのは夢のまた夢。通行人は驚くほど少なく、なのに、最新型の監視カメラがそこかしこに設けられ、警備車両が行き来している。野宿者が徹底して排除された「住みやすい」街だ(注4)。
その一角に、いまの職場は存在する。見た目こそ普通の一軒家と変わらないものの、実はここ、ユニークなデザイナーズ物件として、知る人が知る家屋なのだ。周囲の建物からは浮いているが、さりとて場違い感はなく、むしろ辺りを従え、君臨し、監視すらしているかのような重圧を放っている。
前に偶然、北海道の廃校を探訪する動画サイトを見たことがある。追いかけ亭雪国(注5)とかいうフザけた名前の配信者のチャンネルだ。彼はホラー系ライターを名乗ってはいるものの、ウケそうなことなら何でもやるノリの軽さと節操の無さがウリらしく、投げ銭頼みであちこちの心霊スポットを行脚して回っているらしい。そのなかに、円形をした小学校の廃墟があった。北海道には戦後のベビーブーム期、あちこちに円形校舎が建てられたのだと蘊蓄(うんちく)を披露していた。あそこまで大きくはないけれど、印象としては近いものがある(注6)。
表札には、大きく「学術出版・オフィスGOKAK(注7)」と掲げられている。それを見るたびに、世莉愛は内心、誰か突っ込みを入れないのだろうかとハラハラする。わざわざ「学術出版」と名乗ってはいるが、実態は大きくかけ離れているからだ。やっているのは、レポート代行業なのである。
面接の模様はこうだった。
「レポート代行って、イメージがよくないですよね。大学をレジャーランドと勘違いして遊び呆けている学生が、最後に泣きつく先だと思われがちです。ですが、イマドキまるごと論文を書いてもらいたい人は、むしろChat GPTなんかに頼んで手軽に仕上げちゃいますから。生成AI使用に特化した安手の業者もいます。もちろん、安かろう悪かろうで、いかにもコンピュータに書かせたものだとバレてしまう可能性が高いわけなんですがね……」
アメリカ生まれだという代表のハンフリー・リトルウィット(注8)は、オーバーに手を合わせて「ご愁傷さまです」とでも言いたげなポーズを取る。
「だから私たちの場合、メインの案件は、レポート代行というよりむしろ研究サポートというほうが近いんですよ。日本の法律には触れませんし、親御さんやら教員の方々にも、感謝されることが多いくらいなんです」
最初に日本の大学に留学した際すぐに問題に気づいたと、まったく訛りのない流暢な日本語で説明を続ける。
「いちばん多いのは、指導教官に疎まれ論文指導を受けられていないから書くことがわからない、フルでバイトを入れなければ学費が払えないから授業に出られなかった、なんてケースですね」
「それって、本来は教師やゼミの上級生が適切にケアしていれば済んだはずの案件ですよね。あるいは、もっと効率のよいバイトをするか」
率直な疑問を世莉愛は挟んだ。
「まさしく。適切なサポートがなされていれば、わざわざ私どもに頼る必要などない方ばかりです。それに、私たちが提供するのは、あくまでも完成一歩手前の原稿で、最終的な仕上げはご当人にやっていただくわけですから、メインは"お手伝い"なんですよね」
自信ありげにハンフリーが言う。実際のところ、オフィスGOKAKに所属しているライターの多くはポスドクか非常勤講師、あるいは院生で、本当に研究サポートという感覚で仕事に取り組んでいるという。いまは学術論文の多くはフルデジタル化されているうえ、ビジネス用のチャットツールが浸透しているので、ちょっと研究センスに長けたものであれば、調査から納品までの間隔は意外なほどに短くて済む。期間も余裕を見て構成されており、これなら本業の研究にも支障は出ないはず……。
世莉愛は一も二もなく、ライター登録を頼むことにした。少しでも「研究」に近い仕事をしていたかったし、ここで働いていれば自分の身は安全だ(注9)。そう直観したからというのも否めない。
大学院(注10)に入る前、世莉愛はOLを三年やってきた。何事をするにも、まずは三年の間、社会人経験を積むのが大事だと言われてきたからだが、経済的な余裕も持ちたかった。母親がシングルマザーだったので、奨学金を頼んでもなお、学費と生活費を足したら足が出てしまう。そこで仕方なく、十代からデリヘルの仕事を始めた(注11)。キツイ肉体労働ではあったけど、報酬に比べたら拘束時間は短い。デリで呼ばれているときの自分は死んでいる、そう思うようにしていたが、そこそこ人気はあったようで、どうにかこうにか、学生ローンの世話にならずに大学を卒業することができた。周りには家庭教師をしていると説明していたが、賢しらぶって他人に教えるのはどうも苦手。だからOLになってからも、貯金を作るために週一くらいのペースで「仕事」を続けてはいたのだけど、職場で妙な噂を流され始めて嫌気がさし、ここらが潮時と進学を決意した。
もともと大学では英文科にいた。文学に興味があったというよりは、母親の苦労を見てきたので英語ができれば食いっぱぐれはないだろう、という程度の動機で選んだ場所である。サークルにも悪友との遊びにも参加せず、教員に指定された本を真面目に図書館で読むようにし、忘れないよう細かいメモを取るようにしてきたので、いつの間にか基本的な知識は出来ていた。
あるとき、待機室でジョン・キーツの詩集を読んでいたところ、ヤンキー上がりの人妻なのが売りの嬢が、わざわざパーテーション越しにこちらを覗き込んできて、「これみよがしにそーゆーの読んでるのって、あたしたちへのあてつけ? 自分はあんたらとは違うんだぞ、って、お高く止まってるんじゃねーぞコラ」と絡まれ、チューハイの空き缶を投げつけられた。曖昧に笑ってその場はごまかしたが、むしろ、それをきっかけとして、この詩人にもう少し付き合ってもいいかな、と思ったものである。
会社を自己都合で辞めてすぐ、大学時代の指導教官である長鐘岷(ながかねみん)教授(注12)に連絡をとり、院に進みたいと話した。彼女は世莉愛のことをよく憶えており、卒論の出来が図抜けてよかったから就職したのはもったいないと思っていた、と言ってくれた。推薦書を書くのはやぶさかではないが、それには研究計画が必要だと言われたので、咄嗟に思い浮かんだジョン・キーツの"小夜啼鳥(ナイチンゲール)に寄せる頌歌(Ode to a nightingale)"で詠われる小夜啼鳥と「彼方」の関係について修士論文を書きたい、と話し、詩の一節を諳(そら)んじてみたところ(注13)、「キーツとは、いまどき珍しいね。でも、ケアの概念にも関係あるし、動物表象の研究は最近の流行りを押さえている。なかなかバランス感覚がいいと思うよ」と褒められ、とんとん拍子に話は進んだ。
ティーチング・アシスタント(TA)をやりながら、修士時代は図書館と研究室にこもって、論文の執筆に集中した。幸い、関連文献の大半はオンラインで読める。関連文献の翻訳を自分で作り、それをもとに論文を書くので研究の効率は悪かったが、「M(注14)とは思えないほど綿密だ」と長鐘教授からは褒められ、決して悪い気はしなかった。ただ、貯金は急速に減っていった。ふたたびデリに戻ることも考えたところ、苦境を見越したのか、長鐘教授が日本学術振興会の特別研究員の口に応募してはどうか、と言ってきた。月三十万ばかりの報酬が出るという。幸い面接はパスしたが、期間は三年きり……。
心配の種は尽きず、おまけに研究メインの生活に入ってから不思議な夢を見るようになった。一度や二度ではなく、ほぼ毎週、ひどいときは二、三日に一度ペースだから尋常ではない。中身は決まっており、自分が男になって、黒い面紗(ヴェール)をかけた女と、肉叢(ししむら)をぶつけ合うほど激しく交わる夢だった。顔の方はよく思い出せないが、背が高く豊満な体つきをしていたのは間違いない。事が終わると、長距離走を走り終えたあとのようにぐったりとした気分になる。精を抜き取られ、自分という器が空っぽになってしまったようで(注15)、布団までびっしょりと濡れてしまう。
皮肉なものを感じた。自分が男になって、知らない女とセックスする夢を見続けるなんて! そういえば、よく指名してくる客に、小中(こなか)と名乗る青白い顔をした痩せっぽちの男がいたのを思い出した(注16)。彼は生まれつきの不能らしく、世莉愛の裸を見ても勃起した試しがない。互いに生まれたままの姿にて、あれこれ四方山話で時間を潰すのが常で、客としては対応が楽だった。最後に世莉愛を買ったとき、いちど翻訳しているという原稿の一部を読み聞かされたことがある。「なんて本なの?」と聞いたら、小中は軽く笑い、「本じゃないんだ。これは呪詛板という古代ギリシアに伝わる石版を、僕が翻刻したものでね。エウリュディケーのような冥界から戻ってきた存在の顔を見ても、それが冥界に引き戻されないよう、呪縛を込めるためのものなんだ」と言った。深く考えなかったけれども、どういう意味だったのか、問い質しておけばよかった。というのも夢のなかで、どうも世莉愛は自分が小中になったような気がしてならなかったからだ。
OLも夜職も「卒業」し、研究に没頭しているときは束の間、悪夢を忘れられた。それどころか調べれば調べるほど、自分が十九世紀の詩人になったように思え、別の夢を見た気持ちになった。それだけなら"研究者あるある"なのだけども、有名な"ギリシア壺に寄せる頌歌(Ode on a Grecian Urn)"で詠われるような古典古代への憧れは増すばかり。ロマン派の詩人が理想化した時代と現実の歴史は違うと頭では理解しているのだが、詩人の憧憬を共有することで、時空を飛び越えていけるような気持ちになったからである。そこから一線を超えるまで、さほど長い時間はかからなかった。
いち早く気づいたのは、長鐘教授だった。定期的に行われていた博士論文のための個別面談で、新章の草稿を読んだ彼女は面持ちを変え、「きみは時間をめぐる秘教(エソテリズム)に興味があるんだね? それなら、うちの大学の特別研究書庫を使うといいよ。推薦状を書いておくから、司書にそれを見せれば入れるはずだよ」と言ってきた。
そんな書庫があるとは、聞いたこともなかった。閉架書庫の一角から、螺旋階段をひたすら降りていくのである。これがとても長く、体感時間では三十分以上降りたようだが、さらに下ったかもしれない。その先のごく狭い一室に、その特別研究書庫は位置していた。なかからは据えたような変な臭いがし、人の皮で装丁された、古代ギリシア語、ラテン語、アラビア語の書物が散在していた。あるのは本だけではなくて、妙に刀身がねじくれた剣やら、ピカピカ輝く黄金の盃やら、濃緑色の水晶やらが転がっていた。興味本位で世莉愛は水晶を手にし……。
——何か大いなる存在によって自分の意識がわしづかみにされ、あたかも粘土のごとくぐちゃぐちゃに捏(こ)ねられたかのようだった。いびつに変形させられたまま渦巻く奔流となり、ロケットを逆噴射させるような調子で、どこかありえない場所に精神が押し込められるのを感じた。それから、緑色の光が輝き、認識の一歩先を投網のように覆った。
何かが奥の奥まで進み、世莉愛を深々と突き刺した——その痛みと重ね合わされるかのように、緑青…薄紫…赤紫…青紫…深紅——黄赤…赤黄…黄…緑黄…黄緑…緑——チラチラと煌めく色とりどりの円がひたすらに循環し、色彩の輪が幾重にも連なる。転輪のなかに大いなる存在が、ぼんやりと浮かび上がってくる。迫ってきた。速かった。ものすごい勢いで、"猟犬"は、世莉愛の侵入を見咎めたのだ。
それからだ。世莉愛が時間を斜めに見、弧を描くように歩き始めたのは。不用意に角に近けば、あいつが数十億年前の昔から追いつき、姿を現してしまうことだろう。
問題なくオフィスGOKAKから採用の連絡が来た。リモート勤務ではなく、出勤して働くことを選んだ。その方が、業務に関しての細かいニュアンスが伝わると思ったからである。「研究サポート」の仕事は向いていたようだ。というのも教員の求めるレベルと、勉強をしない学生たちの間に横たわる断絶の質が、すぐに掴めたからである。論文の完成度を高めすぎないように注意しながら、九割がた完成させたレポートと資料を送るように心がけた。ハンフリー代表は、すぐに世莉愛の適性を見抜いた。
「なかなかやりますね。CiNiiでヒットしない論文以外も、ちゃんと参考文献に入れている。これなら、まず剽窃や代筆を疑われずに済むでしょう」
「いや、これはクライアントからもらった資料のなかで言及されていたものなんですよ」
「謙遜が上手いですね。たとえそうでも、それを使って論に仕上げることなど、なかなか出来ないものです。あなたはこの仕事、向いていると思います」
実際、仕事は次から次へと振られたが、世莉愛にはルーチンでこなすことができ、やればやるほど、仕事の能率を上げられることもわかってきた。オフィスにいる時間は、少しずつ長くなってきた。好きで残業をしているわけではないが、できるだけ外にいる時間を減らしたいのも、確かだったのである。
新しい生活にも慣れたと感じたある日、気になる依頼が舞い込んできた。クライアントは事情があってメールでの相談しかできないという話だったが、「夢魔と幻獣、時間と"猟犬"の関係について論じよ」という題目からして、長鐘教授のクラス、しかも大学院ゼミへのレポート代筆を頼まれたというのは、すぐにわかった。
さすがにリスクが大きすぎる、違うライターに振ってほしいとハンフリー代表に頼んだが、「そういうこともけっこうあります。むしろ、傾向がわかって好都合じゃないですか。先輩として指導してあげるべきでしょう。この手のケースって、問題になりづらいんですよ。教員の側が"自分が教えたことがちゃんと伝わっている"と手応えを抱いてくれるものですから」と、わかったような返しをしてくる。
博士論文を仕上げる時間を、別の仕事に注ぎ込んでいるとバレたら大目玉だな……と思ったが、あいつに出くわしてから、そもそも世莉愛は、長鐘教授と顔を合わせた記憶がないのに気づいた。住所も電話番号もメールアドレスも変えてしまったし、そもそも、博士論文を仕上げるという名目で休学したが、その実、あいつから逃れる手立てを探していたのではなかったか。
幸い、代表の言った通りで、教授からのお咎めはなかった。それどころかクライアントは味をしめたようで、修論の代行すら頼んできた。しかも、題目を見て戦慄した。「"小夜啼鳥に寄せる頌歌"で詠われる小夜啼鳥と「彼方」の関係について」とあるではないか。
教授は私が代行をしていることに、まず間違いなく気づいている。さすがに自分の修論を、まるまる提出する気にはなれず、自分が修論で書けなかった論点を積極的に盛り込んだ「新作」を、提供することになったわけである。次の依頼は、案の定、予想通りのものだった。「"ギリシア壺に寄せる頌歌"と時間について」。そう、教授は依頼人のフリをして、私に博士論文の続きを書かせようとしているのだ。
そして私は代行のつもりで、自分の原稿を書いていただけだったのである。自分の意思のつもりでいて、知らず、退路を絶たれていた——自らの尻尾を齧る蛇ウロボロスのように! そういえば世莉愛はここ数日、自分がオフィスから出ていなかったことに気づいた。見回したが、代表の姿はどこにもない。あたかも宙吊りになり、時空の狭間、いや深奥にふたたび迷い込んでしまったかのようで……そのまま、世界が濃緑色に包まれた。
【注記】これはゲームブック専門出版社の日刊メールマガジンに掲載される小説という体裁をとっているが、どうも、我々が追っている秘密結社「白金の落日」についての情報が盛り込まれているらしい。そこで、知りうる情報を注記という形で示すことにした(ファイル作成者記す)。
(注1)視点人物は、おそらく本能的に"猟犬"を避けようとしているのだろう。
(注2)アウグスティヌスの『告白』と思われるが、グノーシス主義やカタリ派の基本思想にもつながる。
(注3)この名前はハワード・フィリップス・ラヴクラフト(HPL)に小説の添削を依頼していた顧客、ゼリア(ズィーリア)・ビショップを思わせる。
(注4)彼らは、いったい何を警戒しているのか? 野宿者の排除は許されないが、排除されているのは野宿者だけななのか?
(注5)このライターは実在する。「ナイトランド・クォータリー・タイムス」Issue25の「レンタルおぞましい人」や、Vol.36の花田一三六「【ザ・ハウス・オブ・ナイトメア】悪夢の家を探索してみる【絶叫配信?】」参照。何かを知っているかもしれないから、コンタクト候補に要追加。
(注6)つまり"猟犬"から逃れるための設計だろう。
(注7)「合格」に引っ掛けたネーミングに見せかけているが、この綴りはインドの神智学者V・K・ゴーカク博士のファミリーネームを彷彿させる。神智学ネットワークの寓喩か?
(注8)HPLが用いた多数の筆名のひとつと一致。これは偶然か?
(注9)この特異な外観の建物が、"猟犬"から身を守るためのシェルターになっているということだろう。
(注10)この大学院がどこなのか、故意に語り落とされているようだが、察しはつく。新興宗教団体の肝要りで作られたとの報道もあるが、正しくない。あそこは、「白金の落日」がバックにいるところだ。教員にも息がかかっていると見て、まず間違いない。
(注11)女子大生が十代で身体を売るのは珍しくなく、今日日(きょうび)社会問題にもなっているのは我々も承知しているが、「白金の落日」の「修行」の一環という可能性はないか?
(注12)この教授の名前から、HPL周辺の最年長作家で"ティンダロスの猟犬"をめぐる秘密を小説の形で綴ったフランク・ベルナップ・ロングを連想するのは、深読みのしすぎか?
(注13)諳んじて見せたのは、詩の一節というよりは呪文なのではないか? キーツというのも本当だろうか。
(注14)MとはMaster、つまり「修士課程」のことを指すが、ひょっとすると「白金の日没」の「導師」の略称という意味でのMasterということも考えられるのではないか?
(注15)魔術の痕跡と思われる。HPLが「魔女の家の夢」で書いたとおりだ。あるいは、「戸口にあらわれたもの」か? 後半のあからさまな魔術や魔導書、アーティファクトの描写についての注記は略す。
(注16)大正時代に似た作家がいたらしい。「ナイトランド・クォータリー」Vol.36の岡和田晃「青い花」参照。
※本作は「ナイトランド・クォータリー・タイムス」Issue21に掲載された「彼方の転輪、白金の落日」を、加筆修正のうえ改題したものである。
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