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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第49回
「天使」
(中山将平)
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おはようございます。
今年から新設した個人サークル「ギルド黄金の蛙」でも活動しているイラストレーターの中山将平です。
この個人サークルの作品にご興味の方は、下のURLより詳細をご覧いただけましたら。
https://booth.pm/ja/items/7885738
さて今日は、久しぶりに「カエル人が教えてくれたファンタジー創作」記事を書いてみようと思います。
テーマは、「天使」。
早速なのですが、あなたはファンタジー作品において天使が描かれる姿を見かけられたことはないでしょうか。
いや、個人的な見解としては、意外とよく描かれるように思っています。
味方として出てくることもありますが、時には敵のこともある、悪魔と対極にある存在……というイメージでしょうか。
それでなんですが、もしかして感じられることってないでしょうか。
「天使って、何なんだよ」って!!
ええ、僕はかなり多くの作品において、そう感じているんです。
というのも、天使ってなんだかファンタジーから浮いてしまう存在なのではないかと思うからです。
どのような要素が、僕に天使をファンタジー的ではないものと感じさせているのか。
そして、どのような要素があれば、ファンタジーにおける天使が個人的にしっくりとくるのか。
あくまで個人の感想ですが、カエル人の創作を通じて感じたことが誰かの役に立つこともあるかもしれないと思い、書いてみます。
では、具体的に見ていきましょう。
◆ ファンタジーにおける天使に対する違和感
僕が天使に感じた違和感。
それは次の一言に尽きます。
「天使って、どこかの神様に仕える存在なんだよね……?」
そう、その名の通り、天使って天の使いなのではないでしょうか。
ということは、この場合の天に相当する何者か(神と言い換えられるような何か)が背景に予定されていると思えるのです。
実は、僕が見てきた多くのファンタジーにおける天使って、どの神様の使いかいまいちよく分からなかったんですよ。
概念として善の存在なのは理解できますが、神様の性格や性質次第では、天使だってきっと本質が変わってくるはずだと思えるのです。
例えば、地の底に眠る神に使える天使が、純白の衣をまとい、輝く翼を携えていたらどうでしょうか。
神様は何を考えて(どのようなことを実現しようとして)そのような造形を作ったのでしょう。
または、「雇われの」天使(あるいは、神が自ら造形したのではなく、どこかから連れてきた天使)という表現なのでしょうか。
思うに、典型的な姿の天使は、記号としての分かりやすさに特化しているのではないでしょうか。
だからこそよくファンタジーゲーム作品のちょい役として描かれると思うのですが、僕にはそれがその世界の法則性を無機質なものにしてしまいかねないように思えてなりません。
あるいは、フリーランスの天使(仕える神のような主がいない天使)を想像することもできるでしょうか。
そういった存在を創造したとして、それは天使以外の存在……例えば人間(や、翼があるという意味で鳥人などの種族)とどう違うのでしょうか。
考えていくうち、実はこのお話はもう一つ「善悪」に対する設定にも大きく影響するのではないかという思いに至ったので、そのことも続いて書いてみます。
◆ 天使は善ではない
天使は基本的に光属性。
属性というゲーム的要素があるなら、それには別段違和感を覚えません。
勿論、炎属性や水属性等々色々な天使がいても良いと思います。
そういった属性とは別に、「天使って善なのか」という疑問を持たれることはないでしょうか。
僕は、天使を見る度いつもこの疑問を感じています。
天使は神の意志を実現するために動く存在という印象を持っており、主の意思が善といえる場合にだけ善たりうるのではないかと思えるためです。
しかしながら、前述の通り天使は概念として善と結びつけられやすいのではないでしょうか。
僕にとっては、これも一つの違和感となってしまっているのです。
そういえば、邪神の天使ってあまり見たことがない気がします。
どちらかといえば邪神と呼ばれる存在って、悪魔を引き連れている感じがしないでしょうか。
もしかして、作品によっては邪悪な天使を悪魔と呼んでいるのかもしれません。
実際、カエル人の世界「フログワルド」を創作した際にも、天使と悪魔は見る者がどう感じるかだけが違いであり、本質的に同じものであると設定しました。
「死の天使」なんて表現もあったりします。
この概念は意味が広いかもしれませんが、例えば僕は「天界に帰るべき魂を帰すため、地上の人間の肉体から魂を解放するために活動する天使」がこれに当たると考えます。
もちろん、その活動は物理的に行われます。
この天使はきっと、自ら武器を振りかざし人を攻撃し、さらには戦闘を焚きつけより多くの被害が出るように懸命に計らうことでしょう。
その行いはまさに悪魔かもしれませんが、僕にはそういった「目的のために必要なことを行う存在」がファンタジーとしての天使に近いものに感じられます。
少なくとも、冒険中に荒野やダンジョンの中で出会う、白い翼が生えているだけの、どこの神に仕えているか分からない人型モンスターよりは、ずっと。
◆ ここまでのまとめ
ここまでをまとめると、以下のようなことになろうかと思います。
・天使はどんな神様に仕えているか明確に分からない場合があって、違和感を感じる。
・天使は神様の性質を背景に持っていることが予想できるので、必ずしも善ではないと思えるが、なぜだか善の存在として描かれがちだと思える。
では、どのように描けば僕はその違和感が減ると感じられるのでしょう。
◆ 違和感の少ない天使像
僕が違和感なく天使を受け入れられるとすると、それはどちらかというとオリジナリティがあるタイプの天使だと思えました。
例えば、犬に似た姿で描かれる自然神に仕える存在として、翼の生えた犬の姿をした天使。
これを絵で描くときにはきっと、僕はツタの首輪をさせ、そこから植物で攻撃できるような何かを付けくわえたりするんだろうなぁと想像しています。
自然の摂理を重んじる神が、摂理を破壊しようとする者を排除するため遣わした天使……というイメージです。
色々考えてきましたが、実はこれ、違和感がある天使が良くないという話ではないと思っています。
それはそれで「分からない」部分があるからこその奥深さがあり、かえってよいものなのかもしれません。
とはいえ、それがどのような表現なのか、手を入れてしっかり考えてあることが、僕にとっては楽しいことなんです、というお話でした。
では、今日はそろそろこのあたりで。
よきファンタジー・ライフを。
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