From:水波流
1月28日発売のTH(トーキングヘッズ叢書) No.105「ハルシネーション・パラダイス〜偽りの王国へようこそ」(アトリエサード)
今回も特集記事へ寄稿しております。
『幻覚に溺れる者たち』と題して、夢野久作『ドグラ・マグラ』、唐辺葉介『PSYCHE』、鴻上尚史『トランス』と三つの作品について論じております。
ぜひ書店や通販でお手にとってお読み下さい!
詳細>https://athird.cart.fc2.com/ca1/454/p-r8-s/
主な取扱書店>https://atelierthird.blogspot.com/2026/01/th-seriesno105.html
From:葉山海月
たかがネットにつながりづらい、ということが、こんなに不安に直結するとは!
現代人の宿痾でございましょうか?
From:くろやなぎ
今週の記事紹介文の作成中、「幕間」と書こうとして「まくま」と入力すると、変換候補には「幕間」が見当たりません。調べてみて、「幕間」の本来の読みが「まくあい」だということを初めて知った次第です(「まくあい」という音自体は頭の中にあったのですが、漢字の「幕間」とは結びついていませんでした…)。
ちなみに「まくま」は、辞書によって誤読/俗用/許容と見解が分かれるようですが、うちのパソコンの辞書では誤読扱いでスルーされたようです。スマホでは「まくま」と入力すると「幕間[補正]まくあい」と出てきて、さすがに行き届いてるなあ、と感心しました。
From:中山将平
僕らFT書房は、今日1月31日(土)と明日2月1日(日)の両日、「BGBE2026」(Board Game Business Expo Japan 2026)にサークル参加します。
ブース配置は【G-14】です。
19年以上作り続ける「ゲームブック」や、「1人用TRPGローグライクハーフ」「モンスター!モンスター!TRPG」関連書籍などを扱います。
現地には、売り子として僕中山が行く予定です。ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
最新作「ズィムララのモンスターラリー モンスター編」ご紹介→ https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/zimralamonster
最新作「ローグライクハーフ クトゥウルウの聖なる邪神殿」ご紹介→ https://ftbooks.xyz/shinkanjyoho/jyashinden
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(く)=くろやなぎ
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
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■1/25(日)~1/30(金)の記事一覧
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2026年1月25日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4750
ローグライクハーフ新職業【道化師】
・いよいよ配信開始が間近に迫った、ローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』。そのシナリオに合わせた新職業【道化師】のデータをお届けしました。
戦闘・交渉・探索とさまざまな場面で役立ちそうな特殊技能の数々は、いちど使ってみたくなること間違いなしです。実際にその技を使う光景が目に見えるような、フレーバーテキストにもご注目ください!
(く)
2026年1月26日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4751
☆イベントに出てます☆
実は、忙しい理由は、「イベントに参加していた」ということがありまして。
「すでに去年の2倍ほどイベントに出たことになります」と本人から言わしめるほどです!
次にヨハネ氏が参加されるイベントについて。
去年の勢いに追いつけ追い越せで疾走するヨハネ氏に応援ヨロシク!
(葉)
2026年1月27日(火)かなでひびき FT新聞 No.4752
『これはゲームブックなのですか!?』vol.128
・バーチャル図書館委員長かなでひびき氏がゲームブックに関係ありそうでなさそうな周辺のよもやま話をしていきます。
今回紹介する作品は『2つの意味の物語 勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った』及び『2つの意味の物語 アイドルの妹は高校生』(ささきかつお 新星出版社)!
この二冊のサブタイトル、あなたはどういう意味に捉えたでしょうか?
よく知られた例では「ここではきものをぬいでください」のような、二つの意味に解釈できる文がオチに混ざっているお話がズラリ満載!
かなで氏曰く、まさに、物語の「ルビンの壺」。そのラストは、「見逃せば人生後悔することウケアイ!」(二つの意味にしてみました)
(明)
2026年1月28日(水)ぜろ FT新聞 No.4753
第3回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第476回。「荷物持ち」の少年が〈妖狐〉や〈魔猫〉と一緒に旅をする、ポケモン風ローグライクハーフリプレイの第3回です。
今回は、1回目の【最終イベント】でのオウカンワシとの対決から。ファンブルもクリティカルも飛び交う2匹と1羽の戦闘の様子が、ダイスの目には表れない少年タイガのサポートも含め、たっぷりと描写されます。
戦いの後は、〈妖狐〉フォルネ視点での幕間を経て、2回目の冒険へ。【観測所】で先の様子を確認しつつ、タイガたちは巨大樹のさらに上を目指します!
(く)
2026年1月29日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4754
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.41『汝、獣となれ人となれ』 その5
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
冒険家乙女のクワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカは、昼の間ミソサザイになる呪いをかけられたコビットの冒険者クリスティと共に、彼女の呪いを解くカギを探しに〈太古の森〉に眠る遺跡を探索し、ついに目的地へ到達します。
クワニャウマ一行を待ち受けていたのは、「力」を手に入れたクリスティの探し人。そして、衝撃の結末……。
クワニャウマたちによる『汝、獣となれ人となれ』最終回、どうぞお見逃しなきよう!
(天)
2026年1月30日(金)森梟夫&水波流 FT新聞 No.4755
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
・水波編集長と非実在作家・森梟夫先生が最近取組んでいる活動、それは怪異的な古史古伝を電子の海から引き揚げることです。
未だ嘗て知る人なき信濃国の国学者、橘樹景巌(たちばな・けいがん)が記した危険な書、『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』全七巻。
書を読む行為を儀式に見立てたこれは、決して学問書ではなく、実践書であり、召喚書に近い。この書の存在を知ったこと自体が「始まり」に等しいと森先生は説きます。
記録によれば、井原志帆という研究者が本書の調査のため、長野県伊那郡の「鈴音坂(すずねざか)」を尋ねたまま消息を絶っているとのこと。
残されたレコーダーとノートを手がかりに、彼女の足跡を辿る佐伯修二。記録者本人が失踪したのに、一体なぜ失踪のことが記録されているのでしょうか?
「記すことは、封ずるにあらず。/これ、ひらくなり。」(終章注記より)
忘れ去られた存在を喚ぶことは、喚ばれる存在になることでもあるのでしょうか。「喚ぶ」ことは「読む」ことに通じるようです。
(明)
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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(忍者福島さん)
ジャバウォックとの会話、全然理解できねー!と思ったけど、クワニャウマも言いたいことだけ言って(お前は何を言ってるんだ)という感じだったので、二人とも違ったベクトルでコイツはヤベー奴だと思いましたね(笑)
(お返事:齊藤飛鳥)
今回も感想を下さり、まことにありがとうございますm(_ _)m♪
「二人とも違ったベクトルでコイツはヤベー奴」というコメントに、思わず吹いてしまいました(≧m≦)
話しかけたら、相手に発狂されるか、クワニャウマみたいなリアクションしかされないのでは、ジャバウォックは、もしかしたらとても孤独なクリーチャーなのかもしれません(笑)
(ぜろさん)
「汝、獣となれ人となれ」リプレイ完結おつかれさまおめでとうございます。
まさかのラスト。ミソサザイさんがあのようなことになってしまうなんて、思いもよりませんでした。相変わらずキャラクター設定と物語のシリアスさとのギャップが著しいですね。
とはいえプレイしてみないと先の展開も内容もわからないもの。そこに予想不可能なドラマも生まれます。原作シナリオを読んでいないので、どこまでが元シナリオで、どこからが創作なのかと思いながら楽しませていただきました。
(お返事:齊藤飛鳥)
御感想下さり、ありがとうございます!おかげさまで、リプレイを完結できましたm(_ _)m
まさかのラストとは、まさに言い得て妙です。この展開を迎えた瞬間、「やってしまった!」と頭を抱えましたorz
今回も、このラストの直前にクワニャウマにおバカな発言をさせてしまっていたので、シナリオと不調和を起こさない程度にその後のリアクションにシリアスを加味してバランスを取りましたf^^;
ちなみに原作シナリオはいくつもの結末や分岐点があるので、拙リプレイとはまったく違った展開と結末も用意されております!
とても冒険し甲斐があって面白いので、お勧めです^^b
(忍者福島さん)
2ラウンドで鈍器猿は逃走したって事になってますが、鈍器猿は逃げた先でもジャッキを飛ばしてこないか心配ですね(笑)
(お返事:ぜろ)
ありがとうございます。
鉄骨のビスを全部外して高所から落とすしかないかもしれませんね。
(ジャラル アフサラールさん)
この「言葉の解釈」で一番印象的なのはミステリーですね。皆さんもご存じだろう『名探偵コナン』でも犯人ないし重要人物が「言葉の解釈」を間違えたための悲劇というのがありましたし、金田一耕助の出てくる傑作でも登場人物が言ってしまった言葉の解釈が事件解決のカギになるというのがありました。
(お返事:かなでひびき)
ありがとうございます!
金田一先生のお話といえば、老女がうつむいて嘆くそぶりが実は……!?っていうのが印象的でしたよね!
これも言葉の解釈の違いではないですが、それに似たようなものだと思います。
(ジャラル アフサラールさん)
読むとSAN値の削れそうな(笑)本の紹介ありがとうございました。諏訪大社とミシャグジ神ですが、少年ジャンプ連載漫画でアニメ第二期が2026年7月が始まる『逃げ上手の若君』、北条時行の生涯を描く歴史漫画でミシャグジ神とある登場人物が深い関係(未読・未見の方の為に詳細は自粛)にあるのである意味タイムリーですね。
(お返事:森梟夫)
お便り感謝する、ジャラル・アフサラール殿。 私の筆致で君のSAN値を削ってしまったなら本望だが、どうか現実の平穏まで手放さないよう自愛していただきたい(笑)。
なるほど、『逃げ上手の若君』か。北条時行が駆け抜けた南北朝の動乱と、その背後で蠢く諏訪の神性……。アニメ第二期の放送が本年(2026年)七月とは、まさに「星辰が正しい位置に並ぶ」かのような、奇妙な符号を感じるよ。
君の鋭い指摘を受けて、私なりに返書を認めてみた。
■ 諏訪の神性と『真州古伝攷』の交差点
ジャラル殿の仰る通り、諏訪大社とミシャグジ神の関係は、歴史的にも民俗学的にも、そして物語的にも底知れぬ深淵を抱えている。
「生ける神」としての重圧: 『逃げ上手の若君』に登場する某人物が背負う神性は、まさに『真州古伝攷』が記す「神は名を持たず、人が呼ぶたびに名が生まれる」という、存在そのものが不安定な恐怖と隣り合わせだ 。
封印としての神事: 『真州古伝攷』の調査報告によれば、ミシャグジとは本来、外から来た異神を封じるための「再封(さいふう)」の儀式であるとされる 。漫画で描かれる華やかな伝承の裏側には、こうした「見せてはならぬ御印」としての側面が、毒のように塗り込められているのかもしれぬ 。
2026年7月の共鳴: アニメ第二期が始まるこの夏、多くの視聴者が「諏訪の神秘」に触れることになる。それは、図らずも橘樹景巌が危惧した「一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、甦(よみがえ)らすなり」という状況を加速させるのではないか……と、作家としては期待と危惧を禁じ得ないのだ 。
■ 読者へのメッセージ
『逃げ上手の若君』を読み解く際、もし耳元で「鈴の音」が聞こえたり、ページをめくる手が氷のように冷たくなったりしたなら、それは『真州古伝攷』の断簡が君の心の中に侵入口を見つけた証拠かもしれない。
「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」—— 。 作中の物語が、単なる創作ではなく、何らかの封印を解くための「鍵」ではないことを祈るばかりだ。
ジャラル殿、またいつでもこの森梟夫へお便りをくれたまえ。君の知見が、私の物語にさらなる狂気と美を添えてくれるだろう。
(お返事:水波流)
諏訪とミシャグジについては、実は以前より私がよくモチーフにしている内容です。諏訪の地下に広がる維縵国とそこに巣食う蛇人間たちについての物語も、いつかお届けできればと思っています。
ところで『逃げ上手の若君』については私も未読で、森先生のお返事が正しいのかどうかは不明です……。(森さん、読んだの?)
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2026年1月31日土曜日
2026年1月30日金曜日
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって FT新聞 No.4755
おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
今日は金曜日の投稿枠を使って、非実在作家・森梟夫先生と私が最近取組んでいるお話をさせて頂こうと思います。
皆さんは、江戸時代の国学者・室井恭蘭をご存じでしょうか。
『信濃秘史』『妖魅本草録』などが代表的な著作で、諸星大二郎氏の漫画作品にも度々引用されております。
私はその怪異なる匂いに昔から惹かれておりました。
そして、森梟夫先生によって電子の海から、忘れ去られた国学者が記した古史古伝が1つ、引き揚げられました。
今日はそのご紹介をできればと思います。
おっと、あとは森さんにお任せしましょう。
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『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』
──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
著:森梟夫&水波流
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文政から幕末にかけて、信濃国に一人の国学者がいた。
名を橘樹景巌(たちばな・けいがん)という。
本居宣長や平田篤胤の名は、いまなお国学史の正史に刻まれている。
だが景巌の名は、そこにはない。
理由は単純だ。──彼の学問は、「考証」ではなかったからである。
■ 正統国学の末流、あるいは逸脱
橘樹景巌は、平田派の影響を色濃く受けた国学者とされる。
しかし残された断簡や門人の聞書を読む限り、彼は「幽冥の存在を理論化」することに満足していなかった。
古伝を攷(かんが)ふにあらず、古伝を喚(よ)ぶに在り。
これは『真州古伝攷』序文断簡に見える一文だ。
ここに彼の立場は端的に示されている。
景巌にとって、古事記や神代伝承は「読むもの」ではない。
再び現世に入り込ませるものだった。
■ 『真州古伝攷』という危険な書
『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』は、全七巻構成と伝えられる。
そこには「すべき作法」が書かれている。
読む者の呼吸、沈黙の時間、香の焚き方──
書を読む行為そのものが、一種の儀式として構成されているのだ。
これは学問書ではない。
実践書であり、召喚書に近い。
■ なぜ「古伝攷」なのか
景巌は、自らの書をこう呼んだ。
「真州(=神州)」の「古伝」を「攷」する書──
つまり、正しい日本の古層を、あらためて"考え直す"書である。
だが、終章注記にはこう記されている。
記すことは、封ずるにあらず。
これ、ひらくなり。
この一文によって、『真州古伝攷』は反転する。
書かれた瞬間、それは記録ではなく侵入口となる。
■ 歴史から消された書
明治初年、ある地方官の報告書に次の記述がある。
「橘樹景巌遺書、学理にあらず、民心を惑はす虞あり。神道行政上、看過しがたし。」
危険すぎたのである。
近代国家が必要としたのは、整えられた神道であって、神が「再び来てしまう」神学ではなかった。
■ 失われた古伝を紐解くものへ
『真州古伝攷』は、いまなお完全な形では読めない。
だが断簡であっても、十分すぎる。
なぜなら、この書は──
読まれることで完成するからだ。
あなたがこの記事を読み、この書の存在を知ってしまったこと自体、橘樹景巌の思想から見れば「始まり」に等しい。
封印は、読む者が閉じないことによって成立する。
令和8年1月-
森梟夫
+++++++++++
『真州古伝攷』(しんしゅうこでんこう)
著者:橘樹景巌(たちばな・けいがん)江戸後期の国学者。
成立:文化年間(1804〜1818)ごろ。文化十三年刊という説在り。
長野県木曽郡の廃寺で、焼け残った『真州古伝攷』の写本断片が発見された。
「真なる信州に伝わる、古き神々の伝承を考証したる書」
すなわち
"地誌の形をとった異界の史書"または"現実と異界を地続きに見る地方誌"である。
【全体構成】
『真州古伝攷』は、信州(長野県)を中心とした中部山岳地帯(諏訪・戸隠・安曇野)に伝わる異形信仰・古代部族・禁忌の伝承・民間の怪異・神代の遺構などを記した民族誌的記録。
全七巻。序に曰く──"真州とは、神々の埋りし地なり"
【巻別内容】
一之巻:山人と土蜘蛛伝承
木曽・伊那谷に残る「土蜘蛛」伝承の記録。
鍾乳洞に住まう毛むくじゃらの異形人(山人)の目撃譚。
倭政以前にこの地を治めていた「葦原族」と呼ばれる人々の記録。
二之巻:諏訪神と蛇神信仰
諏訪大社の神事に潜む「ミシャグジ」神の秘密。
「蛇骨神」と呼ばれる禁忌の存在について。
古代に「大蛇を以て国を祓う」呪儀が存在したとの記述。
三之巻:隠れ里の記録
天竜川上流域に存在したとされる「空白の村」の調査。
迷い込んだ旅人が見た不老の民と、逆さまに歩く子どもの話。
「隠れ里」は一種の時間の外にある空間であるとの推測。
四之巻:信濃地下に眠る"国つ罪"の牢
戦国期以前から存在する「地下封印」の伝承。
人間ではない何かを封じた「鉄の棺」が山中にあるという。
地下に響く鈴の音と、見ると死ぬという赤い仮面の話。
五之巻:月読族と黄泉の門
信濃西部に伝わる「月読の巫女」の系譜と、呪禁の技法。
古墳に眠る「夜の王」の伝承。
冬至の夜にだけ開く「黄泉比良坂」への入口。
六之巻:渡来民と巨石信仰
飛鳥以前、海を越えてやってきた「和珥族」の痕跡。
上田・佐久の巨石群と星座信仰の関係。
巨石の下にある"神の骨"の正体。
七之巻:大災と封印の儀
古記録にない「黒い日蝕」と、それに続いた地割れの年。
それを鎮めた「神人」の自死と封印の話。
『真州古伝攷』自体がその封印の一部であるという終章。
【形式】
各巻には橘樹景巌の聞き書き、古文書からの抜粋、絵図、神代文字とされる謎の文字の写しも含まれる。
記された地名の多くは現存しない。
一部の巻は"閲覧禁止"とされていたとの記録もあり、「触れるべからず」「語るべからず」との朱書きあり。
【補足】
橘樹景巌は「この地に封じられし神、今なお眠らず」と巻末に記す。
現存する写本は2部とされ、うち1部は明治期に焼失、もう1部は所在不明。
+++++++++++
《記録文書:『真州古伝攷』調査報告書より抜粋》
第一章:赤い仮面の夜
【記録日:2025年10月22日】
【記録者:井原 志帆】
2025年10月、信州大学民俗学研究室・助手の井原志帆(いはらしほ)は、先輩研究者から受け継いだ一冊の古写本の調査を命じられた。それが、後に「橘樹景巌の幻の著作」と判明する──『真州古伝攷』である。
写本の出所は不明だった。劣化が進み、一部には虫食いがあったが、「四之巻」だけが異様に保存状態が良かった。ページの途中に朱墨で書かれた文字がある。
「真州とは、神代の裔(すえ)いまだ息づくところなり。」
そして、その巻にはこうあった。
──鉄の棺。仮面をかぶせし者、神に非ずしてヒトにあらず。
それに触れし者は、一夜にして姿を変え、里を食む。
志帆は調査のため、長野県伊那郡のある廃村跡へと向かった。『真州古伝攷』の記述と一致する地形が見つかったからだ。集落跡は地図にも載っていない。唯一の手がかりは、古い登山会報に記された「鈴音坂(すずねざか)」という地名だった。
彼女は音声レコーダーを回しながら、谷を歩いていた。午後五時、誰もいない山中で、ふと「鈴の音」が聞こえた。それは風に乗って遠ざかったかと思うと、次には耳元に現れた。
「……くる……くる……また、くる……」
振り向いた瞬間、志帆はそこに"仮面"を見た。赤く塗られ、能面のように無表情なそれが、木の間からこちらをじっと見ていたという。
録音データには、不可解な高周波ノイズと、女のすすり泣きのような音が残っていた。
彼女は翌日、消息を絶った。
第二章:ミシャグジ封印図
【記録日:2025年11月2日】
【記録者:佐伯 修二(民俗考古学会・特別会員/元NHKディレクター)】
【概要:井原志帆氏失踪後の再調査記録】
志帆が消息を絶ってから十日が経った。報道はされなかった。大学は「調査中に滑落した可能性が高い」として、詳細を伏せた。しかし、彼女が残したレコーダーとノートは、私の手元にある。
録音には、確かに「鈴の音」と「仮面に関する証言」が残されていた。そして、ノートには奇妙なスケッチがあった。
それは、一枚の円形の図。周囲に梵字めいた文字が書かれ、中央には二匹の蛇が絡み合い、仮面を巻きつけているような奇怪な構図。
志帆はこの図を「封印図」と呼び、傍らにこう書いていた。
「これは"ミシャグジ"ではない。だが、ミシャグジ神事にこれが封じられている。祭ではなく、再封なのだ。」
私は長野県・茅野市の諏訪大社の旧記録を調べた。意外にも江戸期の古文書に、以下のような一節があった。
「神事、蛇骨を封じ、仮面を被せて祀る。ミシャグジ、此にて動かず。」
さらに驚いたのは、諏訪大社下社の宝物殿に保管されていた古絵巻『神蛇図』に、志帆の描いた封印図と酷似した構図が存在していたことだ。だが、学芸員はその絵について口を閉ざした。
「その図は……里の者も、あまり見たがりません。」
志帆のノートには、もう一つ、赤インクで書かれた言葉があった。
「夜に封印を解くな。音が響けば、仮面は目覚める。」
私はその日のうちに、志帆が最後に立ち寄った「鈴音坂」への同行を申し出た。現地ガイドは一度は拒否したが、私が例のスケッチを見せると、蒼白になってこう言った。
「その絵……うちのじい様が、"見てはならん御印"だと言って焼いたもんですよ……。よくまだ、残ってましたね。」
【調査メモ抜粋】
・"ミシャグジ"とは封印神事であり、本来は外から来た異神
・"赤い仮面"は、神を覆うものではなく、神そのものの"顔"である可能性
・古写本『真州古伝攷』四之巻には、「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」との記述あり
第三章:鉄の棺
【記録日:2025年11月4日】
【記録者:佐伯 修二】
【同行者:地元案内人・北村 昇(60代・元猟師)】
「志帆さんの声、残ってましたか?」
北村は登山口に立ちながら、そう訊いた。
「ええ……だが、録音の終盤、まるで別人のような、笑い声が入っていた。」
私が答えると、彼は言った。
「それ、志帆さんやない。"山の声"ですわ。」
私たちは早朝6時、「鈴音坂」へ向かった。林道は廃道寸前で、車を下りてから歩く。途中、獣道としか思えぬ崖沿いの小径を抜け、古びた石の鳥居を見つけた。
鳥居の柱には、かろうじて読める文字が刻まれていた。
「□□ノ□□神封所」
※判読不能箇所多数。中央に"封"の一文字だけが赤く浮かび上がっていた。
鳥居をくぐった先に、それはあった。
山肌の岩を穿った、人工的な「穴」。入り口は石積みでふさがれていたが、一部が崩れ、中が見える。私は強い腐臭に顔をしかめながら、ヘッドランプを点けて中へ入った。
【記録:内部構造】
・トンネル状に奥行き10m程度
・奥に「台座」と思われる石組みあり
・その上に、長さ2mほどの金属製の"棺"が存在
棺は黒く錆びており、鉄ではなく「鉛」のような鈍い質感をしていた。その上には──赤い仮面が乗っていた。
能面にも似たその仮面は、無表情でありながら、どこか"笑っている"ように見えた。
北村が声を上げた。「動いた……」
私は何も見ていない。ただ、棺の下から「水が滲むような音」が聞こえていた。
その瞬間、ランプが一度消えた。
真っ暗闇の中で、明らかに「第三の足音」が聞こえた。私と北村は確かに、もう一人いることを感じた。
【脱出とその後】
私たちは棺に触れず、急いで撤退した。だが、戻る途中で北村は崖下に転落、右足を骨折した。
彼は担架に運ばれながら、うわ言のように繰り返した。
「……音、聞いた。もう、目、覚めてる……あいつ、"名"を探してる……」
その夜、私は志帆のノートの最後のページを改めて見た。
そこには赤字でこう記されていた。
「神は名を持たぬ。だが、人が呼ぶたび、"名"が生まれる」
「仮面を呼ぶな。形を思い浮かべるな。それが鍵になる」
第四章:仮面を被るもの
【記録日:2025年11月6日】
【記録者:佐伯 修二】
【資料:井原志帆のスマートフォンより復元された音声ファイル】
■ 発見された音声
佐伯のもとに、志帆のスマートフォンから復元された音声ファイルが届いたのは11月6日の朝だった。
ファイル名は《M-SHINANO_04-4》、記録時刻は失踪当日、午後6時43分。
最初の20秒は風の音。山中で録られたものだ。
しかし、次の瞬間、志帆の震える声が入った。
「……何かが、這っている。足ではない。音が……鈴じゃない、骨が鳴ってる……」
「あれは、"呼んでいる"……"誰か"、じゃない、"名を"……」
最後に、志帆の声ではない、異様に濁った低音が一言だけ呟いた。
「……おまえの顔を……よこせ……」
この音声が最後だった。
■ 拡がる影
それと前後して、長野県茅野市、伊那市、松本市の三地域で奇妙な耳鳴りや幻聴の訴えが急増し始めた。被害者の共通点は、赤い仮面の夢を見たこと。
「誰かが私の顔を剥がして、仮面をかぶせようとするんです……」
「仮面の内側から、何かがこっちを見ている。」
精神科医は集団ヒステリーと判断したが、地元神職の一人──諏訪下社の外護師・安曇成範(あずみ・しげのり)は、佐伯にこう語った。
「それは"容れ物"を探しているのです。あなたが"見た"なら、もう遅い。」
「神ではない。神になりかけた"何か"……仮面はその"外殻"です。」
■ 佐伯の異変
11月7日、佐伯は自宅で"仮面"の夢を見る。
暗い山中、鉄の棺の前に立つ自分。
その中から"もう一人の佐伯"が這い出し、仮面を差し出す。
仮面の裏に、自分の名前が刻まれている。
「名がある。名があるなら、それは"現れる"」
「……顔をよこせ」
佐伯は目覚めたが、耳鳴りが消えなかった。
鏡を見ると、自分の顔が"どこか他人のもの"のように思えた。
■ 終りの兆し
佐伯はついに決断する。
再び、鉄の棺の地へ戻る。
封印を"解く"のではなく、"確認"するために。
志帆は棺に触れていない。ならば、彼女の"意志"がそこにまだ残っているかもしれない。
しかし、安曇外護師は最後にこう警告した。
「"顔を渡した者"はもう、戻れません。名前を呼ばれた瞬間に、"仮面"は生きる。」
「どうか、名を思い出すな。己の"顔"を信じなさい。」
第五章:顔なき神
【記録日:2025年11月9日】
【記録者:佐伯 修二(記録途中で失踪)】
【備考:本章は、佐伯が遺した録音と手記、および後日発見された映像記録を元に復元された】
■ 鉄の棺、再訪
11月9日午前4時。佐伯修二は、最後の調査と称して「鈴音坂」の封印地を再訪する。
彼が選んだのは、かつて志帆が失踪したのと同じ時刻、夕暮れ時だった。
録音記録によれば、佐伯は棺の前でこう呟いている。
「……仮面は、"顔"じゃなかった。"入口"だ。
ここから何かが……"人"になろうとしてる。」
■ 映像記録(カメラ残留フッテージ)
三脚に固定されたハンディカムの映像。カメラが捉えたのは、棺の蓋が開いている様子だった。
中は空。だが、棺の周囲に粘液のような跡と"足跡"が残されていた。
足跡は人間のものではない。趾が異様に長く、中心に"割れ目"のような窪みがある。佐伯はそれを見て呟く。
「顔じゃない。これは、仮面そのものが……歩いている?」
突然、カメラがノイズに覆われる。次の瞬間、佐伯の顔が一瞬カメラに映る──
仮面を手にしていた。
彼は泣いている。だが、笑っているようにも見える。
最後の言葉が、記録されていた。
「……名を思い出してしまった。"神"の……名前を……」
■ 結末
佐伯修二は、それ以降、消息を絶つ。
同月中旬、諏訪地方では謎の集団"顔面幻覚症状"による失神者が30名超。
多くの被害者が「同じ顔を見た」と証言する。
「無表情な赤い仮面。けれど、どこか……見覚えのある"自分の顔"だった。」
そして──
『真州古伝攷』四之巻が再び大学の書庫に戻されていた。誰が戻したのかは不明である。
だが、その最後のページには、手書きでこう記されていた。
「顔を奪いし神、いまや仮面に宿りて、"名を持ちたり"」
「その名を呼びし者、次の容れ物なり。」
終章の註
『真州古伝攷』、是れただ古(いにしえ)の詞を攷する書にあらず。
秘(ひ)すべきを攷す、言(こと)にあらわすこと、即ち禍(まが)を解くに等し。
一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、
封(とざ)すにあらず、甦(よみがえ)らすなり。
(完)
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FT新聞編集長の水波です。
今日は金曜日の投稿枠を使って、非実在作家・森梟夫先生と私が最近取組んでいるお話をさせて頂こうと思います。
皆さんは、江戸時代の国学者・室井恭蘭をご存じでしょうか。
『信濃秘史』『妖魅本草録』などが代表的な著作で、諸星大二郎氏の漫画作品にも度々引用されております。
私はその怪異なる匂いに昔から惹かれておりました。
そして、森梟夫先生によって電子の海から、忘れ去られた国学者が記した古史古伝が1つ、引き揚げられました。
今日はそのご紹介をできればと思います。
おっと、あとは森さんにお任せしましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『忘れられた国学者と、開かれてはならぬ書』
──橘樹景巌『真州古伝攷』をめぐって
著:森梟夫&水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
文政から幕末にかけて、信濃国に一人の国学者がいた。
名を橘樹景巌(たちばな・けいがん)という。
本居宣長や平田篤胤の名は、いまなお国学史の正史に刻まれている。
だが景巌の名は、そこにはない。
理由は単純だ。──彼の学問は、「考証」ではなかったからである。
■ 正統国学の末流、あるいは逸脱
橘樹景巌は、平田派の影響を色濃く受けた国学者とされる。
しかし残された断簡や門人の聞書を読む限り、彼は「幽冥の存在を理論化」することに満足していなかった。
古伝を攷(かんが)ふにあらず、古伝を喚(よ)ぶに在り。
これは『真州古伝攷』序文断簡に見える一文だ。
ここに彼の立場は端的に示されている。
景巌にとって、古事記や神代伝承は「読むもの」ではない。
再び現世に入り込ませるものだった。
■ 『真州古伝攷』という危険な書
『真州古伝攷(しんしゅうこでんこう)』は、全七巻構成と伝えられる。
そこには「すべき作法」が書かれている。
読む者の呼吸、沈黙の時間、香の焚き方──
書を読む行為そのものが、一種の儀式として構成されているのだ。
これは学問書ではない。
実践書であり、召喚書に近い。
■ なぜ「古伝攷」なのか
景巌は、自らの書をこう呼んだ。
「真州(=神州)」の「古伝」を「攷」する書──
つまり、正しい日本の古層を、あらためて"考え直す"書である。
だが、終章注記にはこう記されている。
記すことは、封ずるにあらず。
これ、ひらくなり。
この一文によって、『真州古伝攷』は反転する。
書かれた瞬間、それは記録ではなく侵入口となる。
■ 歴史から消された書
明治初年、ある地方官の報告書に次の記述がある。
「橘樹景巌遺書、学理にあらず、民心を惑はす虞あり。神道行政上、看過しがたし。」
危険すぎたのである。
近代国家が必要としたのは、整えられた神道であって、神が「再び来てしまう」神学ではなかった。
■ 失われた古伝を紐解くものへ
『真州古伝攷』は、いまなお完全な形では読めない。
だが断簡であっても、十分すぎる。
なぜなら、この書は──
読まれることで完成するからだ。
あなたがこの記事を読み、この書の存在を知ってしまったこと自体、橘樹景巌の思想から見れば「始まり」に等しい。
封印は、読む者が閉じないことによって成立する。
令和8年1月-
森梟夫
+++++++++++
『真州古伝攷』(しんしゅうこでんこう)
著者:橘樹景巌(たちばな・けいがん)江戸後期の国学者。
成立:文化年間(1804〜1818)ごろ。文化十三年刊という説在り。
長野県木曽郡の廃寺で、焼け残った『真州古伝攷』の写本断片が発見された。
「真なる信州に伝わる、古き神々の伝承を考証したる書」
すなわち
"地誌の形をとった異界の史書"または"現実と異界を地続きに見る地方誌"である。
【全体構成】
『真州古伝攷』は、信州(長野県)を中心とした中部山岳地帯(諏訪・戸隠・安曇野)に伝わる異形信仰・古代部族・禁忌の伝承・民間の怪異・神代の遺構などを記した民族誌的記録。
全七巻。序に曰く──"真州とは、神々の埋りし地なり"
【巻別内容】
一之巻:山人と土蜘蛛伝承
木曽・伊那谷に残る「土蜘蛛」伝承の記録。
鍾乳洞に住まう毛むくじゃらの異形人(山人)の目撃譚。
倭政以前にこの地を治めていた「葦原族」と呼ばれる人々の記録。
二之巻:諏訪神と蛇神信仰
諏訪大社の神事に潜む「ミシャグジ」神の秘密。
「蛇骨神」と呼ばれる禁忌の存在について。
古代に「大蛇を以て国を祓う」呪儀が存在したとの記述。
三之巻:隠れ里の記録
天竜川上流域に存在したとされる「空白の村」の調査。
迷い込んだ旅人が見た不老の民と、逆さまに歩く子どもの話。
「隠れ里」は一種の時間の外にある空間であるとの推測。
四之巻:信濃地下に眠る"国つ罪"の牢
戦国期以前から存在する「地下封印」の伝承。
人間ではない何かを封じた「鉄の棺」が山中にあるという。
地下に響く鈴の音と、見ると死ぬという赤い仮面の話。
五之巻:月読族と黄泉の門
信濃西部に伝わる「月読の巫女」の系譜と、呪禁の技法。
古墳に眠る「夜の王」の伝承。
冬至の夜にだけ開く「黄泉比良坂」への入口。
六之巻:渡来民と巨石信仰
飛鳥以前、海を越えてやってきた「和珥族」の痕跡。
上田・佐久の巨石群と星座信仰の関係。
巨石の下にある"神の骨"の正体。
七之巻:大災と封印の儀
古記録にない「黒い日蝕」と、それに続いた地割れの年。
それを鎮めた「神人」の自死と封印の話。
『真州古伝攷』自体がその封印の一部であるという終章。
【形式】
各巻には橘樹景巌の聞き書き、古文書からの抜粋、絵図、神代文字とされる謎の文字の写しも含まれる。
記された地名の多くは現存しない。
一部の巻は"閲覧禁止"とされていたとの記録もあり、「触れるべからず」「語るべからず」との朱書きあり。
【補足】
橘樹景巌は「この地に封じられし神、今なお眠らず」と巻末に記す。
現存する写本は2部とされ、うち1部は明治期に焼失、もう1部は所在不明。
+++++++++++
《記録文書:『真州古伝攷』調査報告書より抜粋》
第一章:赤い仮面の夜
【記録日:2025年10月22日】
【記録者:井原 志帆】
2025年10月、信州大学民俗学研究室・助手の井原志帆(いはらしほ)は、先輩研究者から受け継いだ一冊の古写本の調査を命じられた。それが、後に「橘樹景巌の幻の著作」と判明する──『真州古伝攷』である。
写本の出所は不明だった。劣化が進み、一部には虫食いがあったが、「四之巻」だけが異様に保存状態が良かった。ページの途中に朱墨で書かれた文字がある。
「真州とは、神代の裔(すえ)いまだ息づくところなり。」
そして、その巻にはこうあった。
──鉄の棺。仮面をかぶせし者、神に非ずしてヒトにあらず。
それに触れし者は、一夜にして姿を変え、里を食む。
志帆は調査のため、長野県伊那郡のある廃村跡へと向かった。『真州古伝攷』の記述と一致する地形が見つかったからだ。集落跡は地図にも載っていない。唯一の手がかりは、古い登山会報に記された「鈴音坂(すずねざか)」という地名だった。
彼女は音声レコーダーを回しながら、谷を歩いていた。午後五時、誰もいない山中で、ふと「鈴の音」が聞こえた。それは風に乗って遠ざかったかと思うと、次には耳元に現れた。
「……くる……くる……また、くる……」
振り向いた瞬間、志帆はそこに"仮面"を見た。赤く塗られ、能面のように無表情なそれが、木の間からこちらをじっと見ていたという。
録音データには、不可解な高周波ノイズと、女のすすり泣きのような音が残っていた。
彼女は翌日、消息を絶った。
第二章:ミシャグジ封印図
【記録日:2025年11月2日】
【記録者:佐伯 修二(民俗考古学会・特別会員/元NHKディレクター)】
【概要:井原志帆氏失踪後の再調査記録】
志帆が消息を絶ってから十日が経った。報道はされなかった。大学は「調査中に滑落した可能性が高い」として、詳細を伏せた。しかし、彼女が残したレコーダーとノートは、私の手元にある。
録音には、確かに「鈴の音」と「仮面に関する証言」が残されていた。そして、ノートには奇妙なスケッチがあった。
それは、一枚の円形の図。周囲に梵字めいた文字が書かれ、中央には二匹の蛇が絡み合い、仮面を巻きつけているような奇怪な構図。
志帆はこの図を「封印図」と呼び、傍らにこう書いていた。
「これは"ミシャグジ"ではない。だが、ミシャグジ神事にこれが封じられている。祭ではなく、再封なのだ。」
私は長野県・茅野市の諏訪大社の旧記録を調べた。意外にも江戸期の古文書に、以下のような一節があった。
「神事、蛇骨を封じ、仮面を被せて祀る。ミシャグジ、此にて動かず。」
さらに驚いたのは、諏訪大社下社の宝物殿に保管されていた古絵巻『神蛇図』に、志帆の描いた封印図と酷似した構図が存在していたことだ。だが、学芸員はその絵について口を閉ざした。
「その図は……里の者も、あまり見たがりません。」
志帆のノートには、もう一つ、赤インクで書かれた言葉があった。
「夜に封印を解くな。音が響けば、仮面は目覚める。」
私はその日のうちに、志帆が最後に立ち寄った「鈴音坂」への同行を申し出た。現地ガイドは一度は拒否したが、私が例のスケッチを見せると、蒼白になってこう言った。
「その絵……うちのじい様が、"見てはならん御印"だと言って焼いたもんですよ……。よくまだ、残ってましたね。」
【調査メモ抜粋】
・"ミシャグジ"とは封印神事であり、本来は外から来た異神
・"赤い仮面"は、神を覆うものではなく、神そのものの"顔"である可能性
・古写本『真州古伝攷』四之巻には、「赤面を剥ぎたる者、七夜ののち、村を喰う」との記述あり
第三章:鉄の棺
【記録日:2025年11月4日】
【記録者:佐伯 修二】
【同行者:地元案内人・北村 昇(60代・元猟師)】
「志帆さんの声、残ってましたか?」
北村は登山口に立ちながら、そう訊いた。
「ええ……だが、録音の終盤、まるで別人のような、笑い声が入っていた。」
私が答えると、彼は言った。
「それ、志帆さんやない。"山の声"ですわ。」
私たちは早朝6時、「鈴音坂」へ向かった。林道は廃道寸前で、車を下りてから歩く。途中、獣道としか思えぬ崖沿いの小径を抜け、古びた石の鳥居を見つけた。
鳥居の柱には、かろうじて読める文字が刻まれていた。
「□□ノ□□神封所」
※判読不能箇所多数。中央に"封"の一文字だけが赤く浮かび上がっていた。
鳥居をくぐった先に、それはあった。
山肌の岩を穿った、人工的な「穴」。入り口は石積みでふさがれていたが、一部が崩れ、中が見える。私は強い腐臭に顔をしかめながら、ヘッドランプを点けて中へ入った。
【記録:内部構造】
・トンネル状に奥行き10m程度
・奥に「台座」と思われる石組みあり
・その上に、長さ2mほどの金属製の"棺"が存在
棺は黒く錆びており、鉄ではなく「鉛」のような鈍い質感をしていた。その上には──赤い仮面が乗っていた。
能面にも似たその仮面は、無表情でありながら、どこか"笑っている"ように見えた。
北村が声を上げた。「動いた……」
私は何も見ていない。ただ、棺の下から「水が滲むような音」が聞こえていた。
その瞬間、ランプが一度消えた。
真っ暗闇の中で、明らかに「第三の足音」が聞こえた。私と北村は確かに、もう一人いることを感じた。
【脱出とその後】
私たちは棺に触れず、急いで撤退した。だが、戻る途中で北村は崖下に転落、右足を骨折した。
彼は担架に運ばれながら、うわ言のように繰り返した。
「……音、聞いた。もう、目、覚めてる……あいつ、"名"を探してる……」
その夜、私は志帆のノートの最後のページを改めて見た。
そこには赤字でこう記されていた。
「神は名を持たぬ。だが、人が呼ぶたび、"名"が生まれる」
「仮面を呼ぶな。形を思い浮かべるな。それが鍵になる」
第四章:仮面を被るもの
【記録日:2025年11月6日】
【記録者:佐伯 修二】
【資料:井原志帆のスマートフォンより復元された音声ファイル】
■ 発見された音声
佐伯のもとに、志帆のスマートフォンから復元された音声ファイルが届いたのは11月6日の朝だった。
ファイル名は《M-SHINANO_04-4》、記録時刻は失踪当日、午後6時43分。
最初の20秒は風の音。山中で録られたものだ。
しかし、次の瞬間、志帆の震える声が入った。
「……何かが、這っている。足ではない。音が……鈴じゃない、骨が鳴ってる……」
「あれは、"呼んでいる"……"誰か"、じゃない、"名を"……」
最後に、志帆の声ではない、異様に濁った低音が一言だけ呟いた。
「……おまえの顔を……よこせ……」
この音声が最後だった。
■ 拡がる影
それと前後して、長野県茅野市、伊那市、松本市の三地域で奇妙な耳鳴りや幻聴の訴えが急増し始めた。被害者の共通点は、赤い仮面の夢を見たこと。
「誰かが私の顔を剥がして、仮面をかぶせようとするんです……」
「仮面の内側から、何かがこっちを見ている。」
精神科医は集団ヒステリーと判断したが、地元神職の一人──諏訪下社の外護師・安曇成範(あずみ・しげのり)は、佐伯にこう語った。
「それは"容れ物"を探しているのです。あなたが"見た"なら、もう遅い。」
「神ではない。神になりかけた"何か"……仮面はその"外殻"です。」
■ 佐伯の異変
11月7日、佐伯は自宅で"仮面"の夢を見る。
暗い山中、鉄の棺の前に立つ自分。
その中から"もう一人の佐伯"が這い出し、仮面を差し出す。
仮面の裏に、自分の名前が刻まれている。
「名がある。名があるなら、それは"現れる"」
「……顔をよこせ」
佐伯は目覚めたが、耳鳴りが消えなかった。
鏡を見ると、自分の顔が"どこか他人のもの"のように思えた。
■ 終りの兆し
佐伯はついに決断する。
再び、鉄の棺の地へ戻る。
封印を"解く"のではなく、"確認"するために。
志帆は棺に触れていない。ならば、彼女の"意志"がそこにまだ残っているかもしれない。
しかし、安曇外護師は最後にこう警告した。
「"顔を渡した者"はもう、戻れません。名前を呼ばれた瞬間に、"仮面"は生きる。」
「どうか、名を思い出すな。己の"顔"を信じなさい。」
第五章:顔なき神
【記録日:2025年11月9日】
【記録者:佐伯 修二(記録途中で失踪)】
【備考:本章は、佐伯が遺した録音と手記、および後日発見された映像記録を元に復元された】
■ 鉄の棺、再訪
11月9日午前4時。佐伯修二は、最後の調査と称して「鈴音坂」の封印地を再訪する。
彼が選んだのは、かつて志帆が失踪したのと同じ時刻、夕暮れ時だった。
録音記録によれば、佐伯は棺の前でこう呟いている。
「……仮面は、"顔"じゃなかった。"入口"だ。
ここから何かが……"人"になろうとしてる。」
■ 映像記録(カメラ残留フッテージ)
三脚に固定されたハンディカムの映像。カメラが捉えたのは、棺の蓋が開いている様子だった。
中は空。だが、棺の周囲に粘液のような跡と"足跡"が残されていた。
足跡は人間のものではない。趾が異様に長く、中心に"割れ目"のような窪みがある。佐伯はそれを見て呟く。
「顔じゃない。これは、仮面そのものが……歩いている?」
突然、カメラがノイズに覆われる。次の瞬間、佐伯の顔が一瞬カメラに映る──
仮面を手にしていた。
彼は泣いている。だが、笑っているようにも見える。
最後の言葉が、記録されていた。
「……名を思い出してしまった。"神"の……名前を……」
■ 結末
佐伯修二は、それ以降、消息を絶つ。
同月中旬、諏訪地方では謎の集団"顔面幻覚症状"による失神者が30名超。
多くの被害者が「同じ顔を見た」と証言する。
「無表情な赤い仮面。けれど、どこか……見覚えのある"自分の顔"だった。」
そして──
『真州古伝攷』四之巻が再び大学の書庫に戻されていた。誰が戻したのかは不明である。
だが、その最後のページには、手書きでこう記されていた。
「顔を奪いし神、いまや仮面に宿りて、"名を持ちたり"」
「その名を呼びし者、次の容れ物なり。」
終章の註
『真州古伝攷』、是れただ古(いにしえ)の詞を攷する書にあらず。
秘(ひ)すべきを攷す、言(こと)にあらわすこと、即ち禍(まが)を解くに等し。
一たび記せば、古(いにしえ)は現(うつつ)となり、
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2026年1月29日木曜日
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.41『汝、獣となれ人となれ』その5 FT新聞 No.4754
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.41
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
やめて! 世界を破滅に導く力を持っているジャバウォックに耳元で混乱した言葉を吹き込れたら、クワニャウマが発狂して精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでクワニャウマ!
あんたが今ここで倒れたら、ファラサールを讃える詩を作る約束はどうなっちゃうの?
【対魔法ロール】がまだ残ってる。ここを耐えれば、ジャバウォックに勝てるんだから!
次回「クワニャウマ死す」デュエルスタンバイ!
『汝、獣となれ人となれ』リプレイは、今回の第5回を持ちまして最終回でございます。前回までのあらすじが、もう説明不要の次回予告ネタになっていますのも、最終回テンションゆえのことです。
『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』と続く今作もまた、「異なる信仰をしたことで変容した他者と、どこまで共存できるか」「愛のような根源的な人間の感情と、後付けで得る信仰の二つのうち、どちらが強いのか」という骨太かつ重厚なテーマでした。また、「カルト宗教集団に洗脳されてしまった恋人を助けに行く人に協力する話」の寓話とも読み取れました。通常のリアリズム作品で書くとかなりどぎつくなりますが、ファンタジーですと俄然読みやすくなるので、つくづくファンタジーの強みだと思います。
なお、三作とも異なる思想を抱くようになった他者を「外見が変わった」「怪物と同化した」「怪物になった」と象徴的に表現し、それに対してプレイヤーらが「受容」と「拒絶」のどちらを選ぶのか、分岐が発生。これにより、プレイヤーの中で普段眠っている人生観を盛大に揺さぶって下さいます。だから、この三作のシナリオはとてつもなく冒険し甲斐があるし、心にも残るのだと得心がいきました^^b
ところで、今回のプレイで以前FT新聞様に掲載されていた「ローグライクハーフのルール」で紹介されていた、「第一ラウンドで氷槍を使うと有利」というのを実践してみたく、クワニャウマの経験点を魔術点にまわして、二つ目の呪文として氷槍を選択。最終決戦まで魔術点を温存しました。これまでは【魔術ロール】の威力が上回っていて狭い場所だった場合に複数の敵に攻撃できる炎球を重宝していたのですが、同じ条件で2点のダメージを与えられる氷槍の便利さに目覚めました^^
私事になりますが、先日刊行された『シンポ教授のマジカルミステリー劇場』(光文社)を拝読しました。かの伝説のバラエティ番組『マジカル頭脳パワー』の人気コーナー「マジカルミステリー劇場」の推理パズルの本です。挑戦のルールが冒頭に書かれ、解答編を読み終えるまで正解にたどり着ければ800点、途中のヒントのページを読むと減点、不正解なら0点という形式で、かつての番組の解答者の気分を味わえます。各問題には、推理指数というレベル設定がされていました。分岐小説とは異なりますが、遊戯性に特化しているので、こちらもゲームブックに分類されるのだろうかと、ゲームブックにはまるま前には思いもしなかった感想を抱けるようになりました^^
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その5
齊藤(羽生)飛鳥
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
13:最終イベント
ジャバウォックと遭遇した遺跡の通路をさらに探索を続けていくと、ねっとりと澱んだ黴臭い空気が漂う場所に出た。
不気味な獣の神像が祀られている祭壇がぽつりと目に留まる。辺り一帯は沈黙が支配しており、生き物の気配一つ感じない。
「ここや」
クリスティが小声で呟く。わたしたちはもちろん、猟犬たちも頷き返す。
わたしは、今日2回も罠にかかった経験から、辺りを窺いつつ慎重に一歩踏み出す。そのまま数歩。
祭壇の周りには引き裂かれたような衣服や荷物が散らばっている。
……イェシカの教育によくないものが近くに転がってないといいな。
〈……こい〉
頭の中に低い唸り声が木霊する。神像が微かな光を発し始める。急に空気が重くなり、息苦しさを感じる。
わたしは小さく舌打ちする。このままここに居るのはまずい。理由はないがそう直感する。
クリスティは焦りを隠せない様子で、辺りを探し回っている。
〈……こい〉
「うるさいっ」
クリスティが苛立たしげに吐き捨てる。
生臭い匂いが辺りに漂い始め、頭に響く声がやや力を増した気がする。
「ただでされた命令に従う理由なしっ」
わたしも吐き捨てるように叫んで声を振り切ると、クリスティと共に辺りを探し回る。
人影も、彼女が見たと話していた怪物の姿すらない。クリスティは深く嘆息する。
「……ほんまは薄々わかっとったんよ……ウチのように、あの人もきっと……」
〈こい〉
〈こい〉
〈こい〉
「今、こっちが会話中でしょう! 人が話している時に邪魔したらダメだってこれまでの経験から学ばなかったの!!」
あまりのしつこさに、わたしはいつになく苛立ってしまった。
その途端、息が苦しくなる。
荒い息づかいでわたしとクリスティは祭壇に倒れ込む。
ひんやりとした石が身体に心地よい。
このまま寝てもいいかと思ったわたしの耳に、獣の唸り声が聞こえてくる。
起き上がったわたしの目に、遺跡の暗がりからのそりと這い出てきた奇怪な魔獣の姿が映る。獅子と山羊と毒蛇の三つの頭を持つ邪悪な巨体が身じろぎする。
「キマイラや……」
クリスティは魔獣の左前足に嵌められている意匠を凝らした銀の腕輪をじっと見つめながら囁いた。
「……せめて言葉が通じれば、なんて思ってるウチは……甘すぎるんやろな」
「とんでもない。さっきのわたしとジャバウォックを忘れたの? 言葉が通じなくても、あいつはわたしに話しかけて来たでしょう?」
わたしは、クリスティへ話を続ける。
「大事なのは、言葉が通じるかじゃなくて、『心を通わせたい』という意思を相手に伝わるように振る舞うことよ。すると、あら不思議。全然言葉が通じた気配がないのに、金貨をゲットできてお得ってわけ」
「一瞬ええ話をしとると思いかけたウチがアホやったわ。もうええよ、クワニャウマ。気を取り直して、戦闘に入るで」
「ワンッ」
クリスティの言葉を合図に、わたしたちはキマイラとの戦闘に入った。
「食らえ、氷槍!」
この前、街道の雑貨屋で立ち読みした『冒険家の友』夏の大増刊号に掲載されていた、「魔法が通じる相手への最初の攻撃は、氷槍がお勧め」という記事の内容を実践に移す。
キマイラは、声にならない悲鳴を上げる。
けっこうがっつりダメージを与えられたようだ。
すごいぞ、夏の大増刊号の記事!
すると、クリスティが集中を欠いた様子でチラチラと魔獣の後方に視線をやっているのに気づいた。
「危ない!」
わたしが叫ぶと、猟犬のうち、一頭がクリスティへ体当たりをする。
おかげで獅子頭の噛みつきが間一髪のところで彼女の肩をかすめる。
「よくやったわ、雷電!」
〈さすが雷電!〉
どうやら、今度はちゃんと間違えずに猟犬の名前を言えたらしい。イェシカがランタンで辺りを照らしながら、石板にそう書いていた。
「大丈夫、クリスティ?」
わたしは、彼女の許へ駆け寄る。
「……試させてくれへんか」
「いったい、何を?」
「あの神像を破壊するんや」
クリスティは毅然とした表情で、そう提案した。
「きっとあの神像に操られとるだけなんや」
「へ?」
密かに金目の物その1と候補に入れていた神像を破壊すると宣言され、わたしは咄嗟に判断が付かず口ごもる。
「せやけどもし……もしそれでもあかんかったら、その時は……」
クリスティの目に強い覚悟の意思が宿っている。
「神像を破壊したら、何かの封印が解けてもっと強い魔物が出てきて殺戮を繰り広げるかもしれないし、中から財宝がザックザックと出てくるだけかもしれない。それでも、試す?」
「えらく両極端な想定をするんやなぁ、クワニャウマ。でも、ウチは神像を壊しさえすれば、あのキマイラを止められると思うんや」
両手の小剣を握るクリスティの両手に力がこもる。
わたしも、覚悟が決まった。
「わかった。あなたは雇った従者ではなくて、無料の仲間。失敗しても、こっちの懐はちっとも痛まないし、成功したら丸儲け。どっちに転んでもわたしに損はないから、好きにしていいわ」
「クワニャウマ……あんたなぁ、真顔でゲスなことを言いおってからに……」
クリスティは、泣き笑いのような顔になる。
それから、決死の形相へと変わる。
「……でも、おおきに。ウチの提案に賛成してくれて」
クリスティは、神像の破壊に取りかかる。
キマイラを傷つけたくない気持ちはわかるけど、キマイラにはその気持ちは伝わっていない。容赦なくわたしたちへ攻撃を続ける。
「クリスティが神像の破壊に成功するまで、少しはおとなしくしてちょうだいよ!」
わたしは、抗議しながら古代の神槍を振るう。
「キャウン!」
獅子頭に噛みつかれ、猟犬の一頭がよろめく。
……もう戦えそうにはない。
「さっそく使うか。身代わりの依代!」
どの猟犬かわからないので、わたしは道具の名前の方を叫ぶ。
「ガルル!」
わたしが回復で手が離せない間、猟犬の一頭が獅子頭に噛みつく。
「バウッ!」
もう一頭は、山羊頭に噛みつく。
「みんないいぞ、その調子!よーし、わたしもはりきって、古代の神槍を投げる!」
槍は見事に空を切った。
「ワンッ」
槍を投げたままの姿勢で停止するわたしのわきを、回復したての猟犬が蛇頭に噛みつく。
「ちょい、待ちぃ! ウチが神像を破壊している最中に、何をしとるんや! 血みどろやん!」
クリスティが小剣を投げ捨て、悲痛な叫びを上げる。
「お願いや、殺さんといて」
クリスティは、魔獣を庇うように立ち塞がる。
「ごめん。手加減できるような相手じゃないから、つい死力を尽くしちゃって……」
その瞬間、魔獣の山羊角が背後から彼女の身体を刺し貫く。
ごぼりと血の塊を吐き出し、クリスティは力を失う。
身代わりの依代を使っても間に合わない、決定的にしてすみやかな死が彼女に訪れたことは、光を失った瞳が教えてくれた。
「わたしの前で『不慮の死』という大損を見せつけやがって!」
わたしは古代の神槍を拾い上げると、怒りにまかせて魔獣に飛びかかり、自分でも信じられない腕力を発揮してその首を跳ね飛ばした。
イェシカがすすり泣く声で、わたしは我に返った。
気がつくと、わたしの前には一つに繋がった男女の遺体が転がっていた。
魔獣を胸に抱いて事切れているクリスティの顔は不思議と安らかだ。
懐は痛まなくても、心が痛む光景だった。
でも、そんな顔で死なれたら、心の重荷が少し軽くなっちゃうじゃないのさ。
わたしは無言で辺りに散らばっていたものをかき集める。
それは、若い女性向けの金貨10枚相当のアクセサリーと、45枚の金貨だ。
アクセサリーの方は、キマイラだった彼が、クリスティへプレゼントしようとしていたものだったのだろうか?
今となっては、もうわからない。
この二人の命の値段にしては安すぎるけど、イェシカの悲しみを癒す資金にはちょうどいい。丁寧に財布にしまう。
……だから、山分けの方が好きなんだ。こんな総取り、味気ないから、ちっとも得した気分になれない。
わたしは、イェシカの頬をなめて慰める猟犬たちの中に混ざって、イェシカを抱き寄せた。
それから、ふとクリスティが必死になって破壊しようとしていた神像が目に留まる。
彼女の愛用の小剣で斬りつけた跡がいくつも残っていた——小さな体で、何度も神像に挑み続ける彼女の姿が容易に想像できた。
もしも、わたしがクリスティと一緒に神像を壊しにかかっていれば、キマイラの彼はともかく、クリスティの命は助かったのでは?
わたしがもっと早くキマイラを倒していれば、クリスティに恨まれるかもしれないけど、彼女は生きていたのでは?
いくら後悔しても、クリスティは蘇って来ない。
それより、彼女が彼と安らかに眠れるようにしよう。
わたしは、イェシカたちを安全な場所に避難させてから、残りの魔力を使って炎球で遺跡の出入り口を破壊して埋め尽くす。
遺跡の廃墟は、彼女たちの墓所になった。
クリスティ、これがわたしからの最初で最後のプレゼント。安らかに眠ってね。
「帰ろう、みんな。もうここには何の用もないから」
わたしたちは、ヴィドランダ遺跡群に背を向けると、重い足と心を引きずって夜明けの〈太古の森〉を歩き出した。
14:エンディング
「……一度闇を受け入れ、魂を委ねたものに真の救済は訪れぬということか」
わたしの話を聞き終わると、闇の賢人は不思議と穏やかな様子でそう答えた。
魔獣の姿のままで死んだ、クリスティの大事な人。
似我蜂の姿のままで死んだ、わたしの命の恩人。
彼らが私の中で重なり合ってしまったせいか、別にファラサールの話ではないのに、彼のことが脳裏をよぎる。
命の恩人を殺す決断をしたわたしだけど、頭の片隅では彼を救済する術があったのではないかと考えない日はない。
でも、メメコレオウス様の話で、死をもってしても真の救済はなく、そして一瞬でもためらえば、ギルサリオンもクリスティと同じ結末を迎えていたかもしれないことを悟った。
死者1名ですんだから、あの悪夢のような日の決断は、間違っていなかったと思えるようにはなれた。
けれども、クリスティの死を思うと、また気持ちが塞いでくる。
あんなにおもろくて有能な冒険家を喪うなんて、世界にとって大損失だ……。
そんなわたしを見かねたように、メメコレオウス様が鼻を鳴らした。
「ふん……旧き神どもの遺跡など、ヴィンドランダにはまだいくらでも眠っておる。いずれまた諸君らに調査を命ずることになるやもしれん……その時に備えておくがよい。これは、今回の報酬だ。受け取れ」
メメコレオウス様は、そう言って金貨10枚相当のアクセサリーと金貨12枚相当のアクセサリーをくれた。
「死者2名という損失を出したのに報酬を払ってくれるし、またわたしを雇ってくれる気があるの!? 神なの!?」
意外にもメメコレオウス様が寛大な対応だったことに、わたしは驚いてしまった。
「儂が神、か。フッ、おぬしの神に対する姿勢は、実に面白い」
「そう? 会ったこともない神さまにだって感謝できるんだから、現在進行形で会っている相手を神さまに見立てて感謝しても損はないでしょう?」
「本当に面白いな。おぬしを雇った儂の目に狂いはなかった」
そう言い残すと、彼は遠くを見るような表情で微かな笑みを浮かべ、洞穴に向き直る。
そして、静かに洞穴の奥へと帰っていった。
わたしとイェシカは、メメコレオウス様と別れた後、フーウェイへと向かった。
「疲れたよね、イェシカ? 宿を借りたら、当分ゆっくりすごそう」
わたしが言うと、イェシカは心配そうに石板にこう書いて見せた。
〈当分ゆっくりすごす? ぎんゆう詩人を雇うお金をためなくていいの?〉
「大丈夫。ゆっくりすごせば、わたしもイェシカも元気になるでしょう? そうすれば、いくらでも荒稼ぎの冒険に出かけられるわ。だから、今は休もう。そうだ、ただ休むだけじゃなくて、猟犬たちとも遊ぼう」
わたしの言葉に、イェシカは笑顔になる。猟犬たちも、うれしそうに尻尾を振る。
命が紙のように薄っぺらく軽いこの世界だけど、生きていてよかったと思えることは多々ある。
今がまさにそう。
「さあ、宿屋を探そうか。安くてご飯がおいしくて、ヴィドとゲルダが遊びに来やすい所がいいよね」
〈クワニャウマ、よくばりさん〉
イェシカの石板の文字が、楽しげな筆跡に変わる。
今日も一日、生きていく意欲がわいてきた。
(完)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。2026年春には、7巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.41
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
やめて! 世界を破滅に導く力を持っているジャバウォックに耳元で混乱した言葉を吹き込れたら、クワニャウマが発狂して精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでクワニャウマ!
あんたが今ここで倒れたら、ファラサールを讃える詩を作る約束はどうなっちゃうの?
【対魔法ロール】がまだ残ってる。ここを耐えれば、ジャバウォックに勝てるんだから!
次回「クワニャウマ死す」デュエルスタンバイ!
『汝、獣となれ人となれ』リプレイは、今回の第5回を持ちまして最終回でございます。前回までのあらすじが、もう説明不要の次回予告ネタになっていますのも、最終回テンションゆえのことです。
『常闇の伴侶』『名付けられるべきではないもの』と続く今作もまた、「異なる信仰をしたことで変容した他者と、どこまで共存できるか」「愛のような根源的な人間の感情と、後付けで得る信仰の二つのうち、どちらが強いのか」という骨太かつ重厚なテーマでした。また、「カルト宗教集団に洗脳されてしまった恋人を助けに行く人に協力する話」の寓話とも読み取れました。通常のリアリズム作品で書くとかなりどぎつくなりますが、ファンタジーですと俄然読みやすくなるので、つくづくファンタジーの強みだと思います。
なお、三作とも異なる思想を抱くようになった他者を「外見が変わった」「怪物と同化した」「怪物になった」と象徴的に表現し、それに対してプレイヤーらが「受容」と「拒絶」のどちらを選ぶのか、分岐が発生。これにより、プレイヤーの中で普段眠っている人生観を盛大に揺さぶって下さいます。だから、この三作のシナリオはとてつもなく冒険し甲斐があるし、心にも残るのだと得心がいきました^^b
ところで、今回のプレイで以前FT新聞様に掲載されていた「ローグライクハーフのルール」で紹介されていた、「第一ラウンドで氷槍を使うと有利」というのを実践してみたく、クワニャウマの経験点を魔術点にまわして、二つ目の呪文として氷槍を選択。最終決戦まで魔術点を温存しました。これまでは【魔術ロール】の威力が上回っていて狭い場所だった場合に複数の敵に攻撃できる炎球を重宝していたのですが、同じ条件で2点のダメージを与えられる氷槍の便利さに目覚めました^^
私事になりますが、先日刊行された『シンポ教授のマジカルミステリー劇場』(光文社)を拝読しました。かの伝説のバラエティ番組『マジカル頭脳パワー』の人気コーナー「マジカルミステリー劇場」の推理パズルの本です。挑戦のルールが冒頭に書かれ、解答編を読み終えるまで正解にたどり着ければ800点、途中のヒントのページを読むと減点、不正解なら0点という形式で、かつての番組の解答者の気分を味わえます。各問題には、推理指数というレベル設定がされていました。分岐小説とは異なりますが、遊戯性に特化しているので、こちらもゲームブックに分類されるのだろうかと、ゲームブックにはまるま前には思いもしなかった感想を抱けるようになりました^^
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その5
齊藤(羽生)飛鳥
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13:最終イベント
ジャバウォックと遭遇した遺跡の通路をさらに探索を続けていくと、ねっとりと澱んだ黴臭い空気が漂う場所に出た。
不気味な獣の神像が祀られている祭壇がぽつりと目に留まる。辺り一帯は沈黙が支配しており、生き物の気配一つ感じない。
「ここや」
クリスティが小声で呟く。わたしたちはもちろん、猟犬たちも頷き返す。
わたしは、今日2回も罠にかかった経験から、辺りを窺いつつ慎重に一歩踏み出す。そのまま数歩。
祭壇の周りには引き裂かれたような衣服や荷物が散らばっている。
……イェシカの教育によくないものが近くに転がってないといいな。
〈……こい〉
頭の中に低い唸り声が木霊する。神像が微かな光を発し始める。急に空気が重くなり、息苦しさを感じる。
わたしは小さく舌打ちする。このままここに居るのはまずい。理由はないがそう直感する。
クリスティは焦りを隠せない様子で、辺りを探し回っている。
〈……こい〉
「うるさいっ」
クリスティが苛立たしげに吐き捨てる。
生臭い匂いが辺りに漂い始め、頭に響く声がやや力を増した気がする。
「ただでされた命令に従う理由なしっ」
わたしも吐き捨てるように叫んで声を振り切ると、クリスティと共に辺りを探し回る。
人影も、彼女が見たと話していた怪物の姿すらない。クリスティは深く嘆息する。
「……ほんまは薄々わかっとったんよ……ウチのように、あの人もきっと……」
〈こい〉
〈こい〉
〈こい〉
「今、こっちが会話中でしょう! 人が話している時に邪魔したらダメだってこれまでの経験から学ばなかったの!!」
あまりのしつこさに、わたしはいつになく苛立ってしまった。
その途端、息が苦しくなる。
荒い息づかいでわたしとクリスティは祭壇に倒れ込む。
ひんやりとした石が身体に心地よい。
このまま寝てもいいかと思ったわたしの耳に、獣の唸り声が聞こえてくる。
起き上がったわたしの目に、遺跡の暗がりからのそりと這い出てきた奇怪な魔獣の姿が映る。獅子と山羊と毒蛇の三つの頭を持つ邪悪な巨体が身じろぎする。
「キマイラや……」
クリスティは魔獣の左前足に嵌められている意匠を凝らした銀の腕輪をじっと見つめながら囁いた。
「……せめて言葉が通じれば、なんて思ってるウチは……甘すぎるんやろな」
「とんでもない。さっきのわたしとジャバウォックを忘れたの? 言葉が通じなくても、あいつはわたしに話しかけて来たでしょう?」
わたしは、クリスティへ話を続ける。
「大事なのは、言葉が通じるかじゃなくて、『心を通わせたい』という意思を相手に伝わるように振る舞うことよ。すると、あら不思議。全然言葉が通じた気配がないのに、金貨をゲットできてお得ってわけ」
「一瞬ええ話をしとると思いかけたウチがアホやったわ。もうええよ、クワニャウマ。気を取り直して、戦闘に入るで」
「ワンッ」
クリスティの言葉を合図に、わたしたちはキマイラとの戦闘に入った。
「食らえ、氷槍!」
この前、街道の雑貨屋で立ち読みした『冒険家の友』夏の大増刊号に掲載されていた、「魔法が通じる相手への最初の攻撃は、氷槍がお勧め」という記事の内容を実践に移す。
キマイラは、声にならない悲鳴を上げる。
けっこうがっつりダメージを与えられたようだ。
すごいぞ、夏の大増刊号の記事!
すると、クリスティが集中を欠いた様子でチラチラと魔獣の後方に視線をやっているのに気づいた。
「危ない!」
わたしが叫ぶと、猟犬のうち、一頭がクリスティへ体当たりをする。
おかげで獅子頭の噛みつきが間一髪のところで彼女の肩をかすめる。
「よくやったわ、雷電!」
〈さすが雷電!〉
どうやら、今度はちゃんと間違えずに猟犬の名前を言えたらしい。イェシカがランタンで辺りを照らしながら、石板にそう書いていた。
「大丈夫、クリスティ?」
わたしは、彼女の許へ駆け寄る。
「……試させてくれへんか」
「いったい、何を?」
「あの神像を破壊するんや」
クリスティは毅然とした表情で、そう提案した。
「きっとあの神像に操られとるだけなんや」
「へ?」
密かに金目の物その1と候補に入れていた神像を破壊すると宣言され、わたしは咄嗟に判断が付かず口ごもる。
「せやけどもし……もしそれでもあかんかったら、その時は……」
クリスティの目に強い覚悟の意思が宿っている。
「神像を破壊したら、何かの封印が解けてもっと強い魔物が出てきて殺戮を繰り広げるかもしれないし、中から財宝がザックザックと出てくるだけかもしれない。それでも、試す?」
「えらく両極端な想定をするんやなぁ、クワニャウマ。でも、ウチは神像を壊しさえすれば、あのキマイラを止められると思うんや」
両手の小剣を握るクリスティの両手に力がこもる。
わたしも、覚悟が決まった。
「わかった。あなたは雇った従者ではなくて、無料の仲間。失敗しても、こっちの懐はちっとも痛まないし、成功したら丸儲け。どっちに転んでもわたしに損はないから、好きにしていいわ」
「クワニャウマ……あんたなぁ、真顔でゲスなことを言いおってからに……」
クリスティは、泣き笑いのような顔になる。
それから、決死の形相へと変わる。
「……でも、おおきに。ウチの提案に賛成してくれて」
クリスティは、神像の破壊に取りかかる。
キマイラを傷つけたくない気持ちはわかるけど、キマイラにはその気持ちは伝わっていない。容赦なくわたしたちへ攻撃を続ける。
「クリスティが神像の破壊に成功するまで、少しはおとなしくしてちょうだいよ!」
わたしは、抗議しながら古代の神槍を振るう。
「キャウン!」
獅子頭に噛みつかれ、猟犬の一頭がよろめく。
……もう戦えそうにはない。
「さっそく使うか。身代わりの依代!」
どの猟犬かわからないので、わたしは道具の名前の方を叫ぶ。
「ガルル!」
わたしが回復で手が離せない間、猟犬の一頭が獅子頭に噛みつく。
「バウッ!」
もう一頭は、山羊頭に噛みつく。
「みんないいぞ、その調子!よーし、わたしもはりきって、古代の神槍を投げる!」
槍は見事に空を切った。
「ワンッ」
槍を投げたままの姿勢で停止するわたしのわきを、回復したての猟犬が蛇頭に噛みつく。
「ちょい、待ちぃ! ウチが神像を破壊している最中に、何をしとるんや! 血みどろやん!」
クリスティが小剣を投げ捨て、悲痛な叫びを上げる。
「お願いや、殺さんといて」
クリスティは、魔獣を庇うように立ち塞がる。
「ごめん。手加減できるような相手じゃないから、つい死力を尽くしちゃって……」
その瞬間、魔獣の山羊角が背後から彼女の身体を刺し貫く。
ごぼりと血の塊を吐き出し、クリスティは力を失う。
身代わりの依代を使っても間に合わない、決定的にしてすみやかな死が彼女に訪れたことは、光を失った瞳が教えてくれた。
「わたしの前で『不慮の死』という大損を見せつけやがって!」
わたしは古代の神槍を拾い上げると、怒りにまかせて魔獣に飛びかかり、自分でも信じられない腕力を発揮してその首を跳ね飛ばした。
イェシカがすすり泣く声で、わたしは我に返った。
気がつくと、わたしの前には一つに繋がった男女の遺体が転がっていた。
魔獣を胸に抱いて事切れているクリスティの顔は不思議と安らかだ。
懐は痛まなくても、心が痛む光景だった。
でも、そんな顔で死なれたら、心の重荷が少し軽くなっちゃうじゃないのさ。
わたしは無言で辺りに散らばっていたものをかき集める。
それは、若い女性向けの金貨10枚相当のアクセサリーと、45枚の金貨だ。
アクセサリーの方は、キマイラだった彼が、クリスティへプレゼントしようとしていたものだったのだろうか?
今となっては、もうわからない。
この二人の命の値段にしては安すぎるけど、イェシカの悲しみを癒す資金にはちょうどいい。丁寧に財布にしまう。
……だから、山分けの方が好きなんだ。こんな総取り、味気ないから、ちっとも得した気分になれない。
わたしは、イェシカの頬をなめて慰める猟犬たちの中に混ざって、イェシカを抱き寄せた。
それから、ふとクリスティが必死になって破壊しようとしていた神像が目に留まる。
彼女の愛用の小剣で斬りつけた跡がいくつも残っていた——小さな体で、何度も神像に挑み続ける彼女の姿が容易に想像できた。
もしも、わたしがクリスティと一緒に神像を壊しにかかっていれば、キマイラの彼はともかく、クリスティの命は助かったのでは?
わたしがもっと早くキマイラを倒していれば、クリスティに恨まれるかもしれないけど、彼女は生きていたのでは?
いくら後悔しても、クリスティは蘇って来ない。
それより、彼女が彼と安らかに眠れるようにしよう。
わたしは、イェシカたちを安全な場所に避難させてから、残りの魔力を使って炎球で遺跡の出入り口を破壊して埋め尽くす。
遺跡の廃墟は、彼女たちの墓所になった。
クリスティ、これがわたしからの最初で最後のプレゼント。安らかに眠ってね。
「帰ろう、みんな。もうここには何の用もないから」
わたしたちは、ヴィドランダ遺跡群に背を向けると、重い足と心を引きずって夜明けの〈太古の森〉を歩き出した。
14:エンディング
「……一度闇を受け入れ、魂を委ねたものに真の救済は訪れぬということか」
わたしの話を聞き終わると、闇の賢人は不思議と穏やかな様子でそう答えた。
魔獣の姿のままで死んだ、クリスティの大事な人。
似我蜂の姿のままで死んだ、わたしの命の恩人。
彼らが私の中で重なり合ってしまったせいか、別にファラサールの話ではないのに、彼のことが脳裏をよぎる。
命の恩人を殺す決断をしたわたしだけど、頭の片隅では彼を救済する術があったのではないかと考えない日はない。
でも、メメコレオウス様の話で、死をもってしても真の救済はなく、そして一瞬でもためらえば、ギルサリオンもクリスティと同じ結末を迎えていたかもしれないことを悟った。
死者1名ですんだから、あの悪夢のような日の決断は、間違っていなかったと思えるようにはなれた。
けれども、クリスティの死を思うと、また気持ちが塞いでくる。
あんなにおもろくて有能な冒険家を喪うなんて、世界にとって大損失だ……。
そんなわたしを見かねたように、メメコレオウス様が鼻を鳴らした。
「ふん……旧き神どもの遺跡など、ヴィンドランダにはまだいくらでも眠っておる。いずれまた諸君らに調査を命ずることになるやもしれん……その時に備えておくがよい。これは、今回の報酬だ。受け取れ」
メメコレオウス様は、そう言って金貨10枚相当のアクセサリーと金貨12枚相当のアクセサリーをくれた。
「死者2名という損失を出したのに報酬を払ってくれるし、またわたしを雇ってくれる気があるの!? 神なの!?」
意外にもメメコレオウス様が寛大な対応だったことに、わたしは驚いてしまった。
「儂が神、か。フッ、おぬしの神に対する姿勢は、実に面白い」
「そう? 会ったこともない神さまにだって感謝できるんだから、現在進行形で会っている相手を神さまに見立てて感謝しても損はないでしょう?」
「本当に面白いな。おぬしを雇った儂の目に狂いはなかった」
そう言い残すと、彼は遠くを見るような表情で微かな笑みを浮かべ、洞穴に向き直る。
そして、静かに洞穴の奥へと帰っていった。
わたしとイェシカは、メメコレオウス様と別れた後、フーウェイへと向かった。
「疲れたよね、イェシカ? 宿を借りたら、当分ゆっくりすごそう」
わたしが言うと、イェシカは心配そうに石板にこう書いて見せた。
〈当分ゆっくりすごす? ぎんゆう詩人を雇うお金をためなくていいの?〉
「大丈夫。ゆっくりすごせば、わたしもイェシカも元気になるでしょう? そうすれば、いくらでも荒稼ぎの冒険に出かけられるわ。だから、今は休もう。そうだ、ただ休むだけじゃなくて、猟犬たちとも遊ぼう」
わたしの言葉に、イェシカは笑顔になる。猟犬たちも、うれしそうに尻尾を振る。
命が紙のように薄っぺらく軽いこの世界だけど、生きていてよかったと思えることは多々ある。
今がまさにそう。
「さあ、宿屋を探そうか。安くてご飯がおいしくて、ヴィドとゲルダが遊びに来やすい所がいいよね」
〈クワニャウマ、よくばりさん〉
イェシカの石板の文字が、楽しげな筆跡に変わる。
今日も一日、生きていく意欲がわいてきた。
(完)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。2026年春には、7巻が刊行予定。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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2026年1月28日水曜日
第3回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4753
第3回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦を始めました。
妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガの冒険です。
目の前でコーネリアス商会の令嬢コンスタンサがオウカンワシにさらわれるのを目撃したタイガたち。
オウカンワシの巣がある巨大樹の中腹を目指します。
猿たちの闘技場でボスの鈍器猿と戦ったり、クライミングに苦戦したりと冒険を続け、今回はいよいよオウカンワシの巣へと到達します。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:8/9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨11
●アタック01-6 フォルネとオウカンワシ戦
【最終イベント(1回目の冒険)】
「タイガさま、オウカンワシの巣は近そうです」
「みえた〜」
フォルネとニャルラは動物的な感覚で、僕より早くに察知していた。
やがて僕の視界にも、張り出した巨大な枝の先端にある、さらに巨大なオウカンワシの巣が姿を現した。
多くの鳥の巣と同じく、枝をたくさん重ね合わせて作られている。
お皿状になっているので、僕たちの位置からでは巣の中の様子は見えない。
さらわれたお姉さんは、あそこにいるんだろうか。
オウカンワシもいた。一羽だ。頭にきらびやかな装飾品を乱雑にのっけていて、まるで王冠のようだ。
僕が視線を向けると、こちらが巣に向かっている動きをいち早く察知して翼を広げた。
巣の周囲を常に警戒しているみたい。
人間よりも感覚に優れているから、気づかれないように接近するのは最初から無理だった。
ただ、さらったお姉さんを人質にするようなことはないから、やりやすいとも言える。
向こうは空を飛べる。こっちは落ちたらおしまいだ。
「とにかく、あの巣まで行こう。枝のとこだと足場が狭いから危険だ」
「簡単に近づかせてはくれないでしょうね」
気づかれているのだから、遠慮はいらない。僕たちはダッシュで巣に向かう。
オウカンワシは翼を大きく広げて飛び立つと、空から急降下をしかけてきた。僕は太い枝の地面に伏せってかわす。
その間に、フォルネとニャルラが巣の中に飛び込む。
「! タイガさま、さらわれた人はいません」
「ここ、ちくちくして、や〜」
このオウカンワシは違う個体だったのか。それとも巣はいくつもあるのか。
とにかく、ここではなかったみたい。それなら、ここには用はない。
けれど、巣の中に入り込んだ侵入者を、オウカンワシは見逃すつもりはないようだった。
【オウカンワシ レベル4 生命点6 攻撃数2】
オウカンワシは標的を、巣に入り込んだ二匹に定めた。
こちらは空中の敵に対してできることはない。
フォルネの小柄は飛び道具だけど、人間形態でないと使えない。
向こうが攻撃しようと接近してきたときに応戦し、敵より早く攻撃する。これが基本戦術だ。
僕のところから見ていると、巣に近づこうとするオウカンワシに吼えかかり、互いに攻めあぐねているように見える。
空中の敵のため、こちらの攻撃もなかなか当たらない。
こう着状態に痺れを切らしたニャルラが、大きく跳躍した。
危ない。あんなに高く跳んでは……!
そう思ったけれど、それはオウカンワシにとっても不意を突かれた形になったみたい。
縦回転を加えて威力を増した鋭利な爪撃が、オウカンワシの頭部に炸裂した。
いくつかの装飾品がきらきらと光を散らしてはがれ落ちる。
ぐらりと傾くオウカンワシに、さらなる追撃を仕かけるニャルラ。
けれど自分の態勢を保つのも限界で、そこまでだった。ワシの身体を蹴って跳躍し、巣の中に着地した。
フォルネは、ニャルラの一撃で高度を落としたオウカンワシの隙を見逃さなかった。
真下から縦に跳躍し、頭突きをかます。フォルネ得意のダッシュ頭突きを垂直に昇華させた一撃だ。
オウカンワシはやみくもに反撃してくるが、そんな攻撃に簡単に当たるような二匹ではない。
巨大な鳥相手に、二匹ともよく戦っている。
けれど、オウカンワシも馬鹿ではない。
ニャルラの大きな跳躍を警戒してか、より距離を取るようになった。
ニャルラがさっきと同じように大きく跳ぶが、当たらない。
フォルネもニャルラの動きを真似て跳躍した。空中にいるニャルラの背を蹴り、さらに高く跳ぶ。
「アタイをふみ台にするな〜!」
ニャルラはそれでも、しなやかな猫の動きで上手に着地する。
フォルネの方は、オウカンワシの高度に到達した。けれど、すでに跳躍時の勢いはない。
オウカンワシにしてみれば、的が自分から来てくれたみたいなものだ。
バサバサと大きく羽ばたく。バランスを崩し落下していくフォルネ。
まずい。あのまま落ちたら……。
フォルネの落下コースは、巣からわずかに外れているように見えた。
フォルネは必死に前足を伸ばす。けれど、わずかに届かない。
その頃までには僕も巣に到達していた。
巣から思いきり身を乗り出し、落ちゆくフォルネの前足を、すんでのところでつかまえた。
フォルネのからだは小さいが、落下の勢いもあり、僕の腕にずしんと重く荷重がかかる。僕ごと落ちてしまいそうなところを、ギリギリで支えた。
思わず下を見てしまう。果てしない高さに頭がクラクラし、足元に冷たい震えが走った。
「タイガさま……!」
「くっ。ま、間に合って……よかった。さあ、僕の身体をよじ登って」
僕たちの動きが止まっているのを好機と捉えたのだろう。
オウカンワシが急降下をしかけてくる。
「させないよっ」
そこにニャルラが割って入る。
オウカンワシは煩わしそうに脚で振り払い、ニャルラが横に吹っ飛ばされる。それでもワシの勢いは止まらない。
「タイガさまには、手出しさせません!」
フォルネは僕の身体をすばやく駆け上がると一跳び、オウカンワシの顔面に飛びついた。
視界を封じられ、暴れ回る。その攻撃は僕のところには届かなかった。
頃合いを見て、フォルネは巣に飛び降りた。
オウカンワシは一旦上空に身を引くと、巣のまわりをぐるぐる旋回している。
これまでの攻防から、攻めあぐねているのだろう。
「とにかく、巣から離れよう。あいつと戦う理由はないから」
巣から離れたら攻撃が止むかはわからない。
けれど、ここにいたままではオウカンワシは攻撃の手を緩めないだろう。
僕たちは撤退にかかった。吹っ飛ばされたニャルラもふらふらと立ち上がり、僕たちと同じ行動を取る。大きなダメージは受けていないみたい。僕はほっとした。
オウカンワシは、僕たちの逃走経路を塞ぐように、枝の道側の空中に陣取った。
ニャルラが先行し、オウカンワシの気を引こうとする。オウカンワシは空中にその身を置いたまま、ニャルラと対峙する。
このまま逃がさないつもりだ。
そのとき、フォルネが言った。
「タイガさま、私をあいつに向かって投げてください」
「えっ。でも、そんなことしたら」
「大丈夫。私を信じて。さっきみたいな無様はしません。時間がない。早く!」
僕はフォルネの決意をくみ取り、空中のオウカンワシの方向に、フォルネを思い切り投げた。
投げる瞬間に僕の手を蹴り、軌道を修正しつつさらに勢いを増したフォルネが空中を跳ぶ。
オウカンワシはニャルラに気を取られており、フォルネの突進に気づくのが遅れた。
そこに、フォルネが思い切り頭突きをかます。完全に不意を打たれ、オウカンワシの頭と頭がごっつんこ。
王冠の上に星が散る。一羽と一匹はぐらりと体制を崩し、落下してゆく。
僕はフォルネの落下地点に走り、キャッチしようとしたけれど、フォルネはそんな僕の身体を蹴って勢いを殺しつつ、しなやかに地面に着地した。
僕たちはそのまま幹のところまで走った。
一旦落下しかけたオウカンワシは、下の方で体勢を立て直して再び飛翔すると、巣のまわりをぐるぐると回っている。
僕たちがいる場所には気づいているだろうけれど、これ以上近づかなければ攻撃の意思はなさそうだ。
これでひとまず、安全な場所に身を置くことができたかな。
[プレイログ]
【オウカンワシ レベル4 生命点6 攻撃数2】空中のため攻撃に-1のペナルティ。
・第1ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目3 技量点1 ペナルティ1 →外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル
オウカンワシの攻撃1 ニャルラへ サイコロの出目4で回避
オウカンワシの攻撃2 フォルネへ サイコロの出目3 技量点2 回避
・第2ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル オウカンワシ生命点6→5
ニャルラの追加攻撃 サイコロの出目3 技量点1 ペナルティ1 →外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目5 命中 オウカンワシ生命点5→4
オウカンワシの攻撃1 ニャルラへ サイコロの出目5で回避
オウカンワシの攻撃2 フォルネへ サイコロの出目5で回避
・第3ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目2 外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル(巣から落ちかかる演出のシーン)
オウカンワシの攻撃1 ニャルラへ サイコロの出目2で命中 ニャルラの生命点8→7
オウカンワシの攻撃2 フォルネは サイコロの出目6 クリティカル回避
・第4ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目2 外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目5 命中 オウカンワシ生命点4→3
→オウカンワシの生命点が半分になったので戦闘終了
●幕間 【フォルネ視点】フォルネの理由
私は、フォルネ。3本尻尾の妖狐。
わけあって、タイガさまにお仕えしている。
タイガさまは、ある目的をもって旅をしている。
けれどタイガさまは、道中でいろんなトラブルに巻き込まれては「ほっとけないから」という理由で手助けをしてきた。
今回もそうだ。タイガさまは、別に頼まれたわけでもないのに、商家の令嬢を助けに巨大樹までやってきた。
タイガさまの旅は、決してのんびりして良いものではない。
けれど、目的地がわかっているわけではない。どこにいるかわからない人を探す、あてのない旅だ。
そして私は、タイガさまの「ほっとけない」性格をよくわかっている。
かつて私もその「ほっとけない」に助けられたから。
だから私はタイガさまを、全力でサポートするんだ。
巨大樹の中腹にあるオウカンワシの巣までたどり着いたけれど、そこにはさらわれた商家の令嬢はいなかった。
もしかしたら、本命の巣はもっと上の方にあるのかもしれない。
「いったん、降りよう」
タイガさまは、そう決断した。
理由は、準備不足。これ以上高いところを目指すには、対策が甘かった。
特にロープの持ち合わせがないのが困る。
今後、絶壁のような幹に当たった時に、私とニャルラは登れるかもしれない。けれど、タイガさまには危険が大きすぎる。
だから、この選択は正しいと思う。令嬢を救うのは、時間との勝負だ。だからこそ、備えは必要。
けど、何の収穫もなしに引き返すのは惜しいな。
私は付近の枝に囲まれた空間に、希少な薬草の群生地を発見した。
これを戦利品がわりとして、いったん地上に戻ろう。
私たちは、絶壁の道や猿の縄張りを慎重に避けつつ進んだ。
箱を上下に運ぶ昇降機という装置で地上に降り立ったときには、もう夕暮れどきだった。
地上では、たしかロイと名乗っていた年配の冒険者が、タイガさまの帰りを心配していた。
ここは冒険者たちが一時的に留まる地だ。出店などが集まって町のように見えるが、町ではない。
宿の機能のある建物もあるようだが、たいていの冒険者は、広場にテントを張って野営している。
タイガさまは、ロイのテントの隣に場所を得て、そこで一夜を明かすことにした。
その夜のことだ。
タイガさまが寝静まった後、ニャルラが私に話しかけてきた。
ニャルラは、今日の冒険の内容を興奮気味に話した。
ニャルラにとって、初めての経験が多く、ドキドキでキラキラだったという。
話がオウカンワシ戦にさしかかる。
「あぶなかったね〜。アタイ、フォルネが落っこちちゃうかと思った」
「タイガさまに、また助けられてしまった」
「また」という言葉に、ニャルラは反応した。
「そういえば、どうしてフォルネはたいがと一緒に旅してるの?」
「話してなかったっけ」
「きいてな〜い」
「……じゃ、話そうかな。別に隠しているわけでもないし」
私はニャルラに話すことにした。私がタイガさまと一緒にいる「理由」を。
「私がタイガさまに出会ったのは、森の中。私が魔獣に追われ傷つき、今にも食べられてしまうのではないかという、そんな危機的状況だった……」
よろよろと逃げる私の前に、その少年は現れた。
私はもう精も根も尽き果て、抵抗する力すらほとんど奪われていた。
私がもう逃げきれないのを把握しているのだろう。魔獣はゆっくりと、私を追ってくる。
この先は切り立った崖になっている。逃げ道は、もはやない。
やがてここに到達するだろう。そうしたら、私の命はおしまいだ。
でも、この少年はどうする。
追われる私に偶然出会ったばっかりに、私とともに魔獣の餌食になってしまうのか。
そんなこと、させない。
木陰からゆっくりと姿を現す魔獣に、私は動かぬ四肢でふんばり、対峙した。
「そのときタイガさまは、どうしたと思う?」
「ん〜。フォルネを助けたんだよね? でもどうやって? たいが、強くないよ?」
「タイガさまはね、私を抱きかかえると、一気に崖から飛び降りたんだ。何のためらいもなく、ね」
「えっ!? そんなことしたら、死んじゃう」
「ああ。そうだ。でもタイガさまは、迷いなくそれをやってのけた。崖の下は深い川になっていて、そこに飛び込んだ私たちは助かった」
おしゃべりなニャルラが沈黙している。驚かせてしまったようだ。
「タイガさまは、全身ボロボロになりながらも、私を助けてくれた。それで、理由を尋ねたら言うんだ。『ほっとけなかったから』って」
私は一息ついた。
「……タイガさまはね、危ういんだ」
私は続けた。
「タイガさまは、誰かを助けるために、簡単に自分の命さえも投げ出してしまいかねないところがある。私のときにそうだったみたいに」
タイガさまはまだ少年と言っていい年齢だ。けれど、タイガさまの「ほっとけない」には、何かあるんだと思う。
たとえば、何かを見過ごしたために、誰かが犠牲になってしまった、そんな経験が。
「タイガさまが命を落とすようなこと、私が絶対にさせない。私はタイガさまに命を救われた。私の命はタイガさまのもの。だから、今度は私が守る。この命に代えても」
そう。これが私がタイガさまと一緒に旅をする理由。
「ふ〜ん?」
ニャルラは、なんだかあいまいな反応をした。
別に、重い話に返す言葉が見つからないわけではなかったみたい。
「納得いってない?」
「うん。アタイはね、フォルネはたいがのことが大好きだから一緒にいるって思ってた〜」
「なっ! ばっ!」
私は不意を打たれ、あからさまにうろたえてしまった。
「にゃはは。フォルネ、かおまっか〜」
「う、うるさいな。だいたいニャルラはどうなんだよ」
「え? アタイはたいがのこと、だいすきよ?」
「そうじゃなくて、一緒に旅してる理由!」
「ん〜。たいがに助けてもらったから。おいしいもの食べれるから。あと、一緒にいると楽しいこといっぱいあるし」
「……もういいよ。聞いた私がバカだった」
私の中に「ニャルラはそれでいいんだよ」というタイガさまの言葉が聞こえた気がした。
まあ、いいか。
明日の朝も早い。もう、寝てしまおう。
●アタック02-1 フォルネとニャルラの成長
翌朝。
目が覚めると、フォルネとニャルラはまだ寝ていた。
珍しい。
いつもはだいたい、早起きのニャルラが退屈して、僕にじゃれついて起こしにかかるのに。
久しぶりの大冒険で疲れたんだろう。
僕は二匹を起こさないよう、朝食の支度をした。
それでもまだ起きてこないので、細かな用事は済ませておくことにした。
昨日の冒険で得た戦利品の換金。フォルネが見つけてくれた薬草の束は、合わせて金貨15枚になった。
ニャルラが鈍器猿のスタジアムで拾った金貨と合わせると、いきなり大金持ちになってしまった。
ええと……手持金を合わせると、全部で金貨31枚だ。
このお金で、ロープを買っておこう。
持てる量には限りがあるし、まだ持てるだけの余裕もほしい。
僕はロープを2束購入した。
ほかにもこまごまとした必要物品を買いそろえ、野営地に戻る。
「タイガさま、おかえりなさい」
「ごちそうさま〜」
フォルネとニャルラは、朝食を食べ終えたところだった。
「おはよ。だいぶ疲れてたみたいね」
「ううん? いっぱいおしゃべりしてたの。ね? フォルネ」
フォルネはなぜか口をとがらせて、そっぽを向いている。
「それより聞いてたいが〜。アタイ、たっぷり休んでちょっと強くなった気がするの」
「私も、少しだけタフネスさが身についたように感じます」
二匹ともまだまだ急成長する時期なのだろう。冒険を重ねるたびに、ぐんぐん強くなっていく。
僕たちは、今日の冒険の準備をまとめた。
【フォルネ(妖狐) レベル10→11 技量点:2 生命点:3→4 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10→11 技量点:1 生命点:9→10 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨11→31→25
1ロープ
2ロープ
僕たちの隣では、ロイおじさんがテントを畳んでいる。
「今日は俺たちも巨大樹に登るんだ。途中まで一緒に行くか?」
「はい。お願いします」
ロイおじさんたちと連れ立って昇降機に向かう。
「……で、タイガは今日はさらに上を目指すのか」
「はい。そのつもりです」
「ま、ほどほどにな。帰れる余力を残してるうちに引き返すのが、生き残る秘訣だ」
昇降機の順番を待つ。朝は少しだけ並ぶ。
「じゃあな。上で会ったらよろしくな」
ロイおじさんたちが先に昇降機に乗り込むと、ゆっくりと上昇していった。
次は僕たちの番だ。ニャルラが元気に飛び乗り、その次に、フォルネを肩に乗せた僕が乗り込んだ。
昇降機の上昇にあわせて、地上の景色がどんどん遠くなっていく。ニャルラが外の景色の動きに歓声を上げる。
やがて、最初の枝に到着した。ロイおじさんたちは、僕たちの到着を待たずに自分の冒険に出立したようだ。
僕たちは、昨日よりさらに上を目指す。猿たちの縄張りは避けて行く。
冒険は順調だ。やがて昨日と同程度の高度まで到達した。
【34 観測所】
幹の周囲に作られた階段を上りきった見晴らしの良い空間に、小屋が建てられていた。
こんな高所に建物を建てるなんて、驚きを通り越してあきれてしまう。
それにしても、どんな目的で建てたんだろう。宿泊のための休憩所だろうか。
僕たちは、その建物に入ってみた。
そこは休憩所というより、展望施設といった風だった。
建物上部に繋がる階段を上がると、出窓に望遠鏡が設置されていた。
上下左右に回転できるようになっている。
「たいが、これなに?」
「遠くの景色を大きくして見渡せる道具だと思う。こっち側から覗くんだよ」
「わっ、わわっ」
望遠鏡を覗き込んだニャルラが歓声を上げる。何を見たんだろう。
「さるがいっぱい!」
「下の方じゃなくて、これから進む方角を見なさいな」
ニャルラは軽く聞き流して、望遠鏡を回転させる。
「あははははっ。フォルネの頭でっか〜い」
「もう、私に貸しなさい」
「あっ」
フォルネは、完全に遊びに入っているニャルラから、望遠鏡を横取りした。
上の方に向け、なにやら観察している。
「んっ……あれは……あっ」
フォルネは、何か気になるものを見つけたみたいだったけれど、ニャルラに押されて望遠鏡の位置がずれてしまったようだ。
「もう、何するの」
「とんないでよ〜、アタイ使ってたのに」
「はいはい」
それからしばし、ニャルラが満足するまで望遠鏡遊びにつきあうことになった。
[プレイログ]
・進行方向を観測し「手がかり」をひとつ入手。
次回、ヤツが帰ってくる。樽とともに。
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
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木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
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【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:8/9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
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【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
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「タイガさま、オウカンワシの巣は近そうです」
「みえた〜」
フォルネとニャルラは動物的な感覚で、僕より早くに察知していた。
やがて僕の視界にも、張り出した巨大な枝の先端にある、さらに巨大なオウカンワシの巣が姿を現した。
多くの鳥の巣と同じく、枝をたくさん重ね合わせて作られている。
お皿状になっているので、僕たちの位置からでは巣の中の様子は見えない。
さらわれたお姉さんは、あそこにいるんだろうか。
オウカンワシもいた。一羽だ。頭にきらびやかな装飾品を乱雑にのっけていて、まるで王冠のようだ。
僕が視線を向けると、こちらが巣に向かっている動きをいち早く察知して翼を広げた。
巣の周囲を常に警戒しているみたい。
人間よりも感覚に優れているから、気づかれないように接近するのは最初から無理だった。
ただ、さらったお姉さんを人質にするようなことはないから、やりやすいとも言える。
向こうは空を飛べる。こっちは落ちたらおしまいだ。
「とにかく、あの巣まで行こう。枝のとこだと足場が狭いから危険だ」
「簡単に近づかせてはくれないでしょうね」
気づかれているのだから、遠慮はいらない。僕たちはダッシュで巣に向かう。
オウカンワシは翼を大きく広げて飛び立つと、空から急降下をしかけてきた。僕は太い枝の地面に伏せってかわす。
その間に、フォルネとニャルラが巣の中に飛び込む。
「! タイガさま、さらわれた人はいません」
「ここ、ちくちくして、や〜」
このオウカンワシは違う個体だったのか。それとも巣はいくつもあるのか。
とにかく、ここではなかったみたい。それなら、ここには用はない。
けれど、巣の中に入り込んだ侵入者を、オウカンワシは見逃すつもりはないようだった。
【オウカンワシ レベル4 生命点6 攻撃数2】
オウカンワシは標的を、巣に入り込んだ二匹に定めた。
こちらは空中の敵に対してできることはない。
フォルネの小柄は飛び道具だけど、人間形態でないと使えない。
向こうが攻撃しようと接近してきたときに応戦し、敵より早く攻撃する。これが基本戦術だ。
僕のところから見ていると、巣に近づこうとするオウカンワシに吼えかかり、互いに攻めあぐねているように見える。
空中の敵のため、こちらの攻撃もなかなか当たらない。
こう着状態に痺れを切らしたニャルラが、大きく跳躍した。
危ない。あんなに高く跳んでは……!
そう思ったけれど、それはオウカンワシにとっても不意を突かれた形になったみたい。
縦回転を加えて威力を増した鋭利な爪撃が、オウカンワシの頭部に炸裂した。
いくつかの装飾品がきらきらと光を散らしてはがれ落ちる。
ぐらりと傾くオウカンワシに、さらなる追撃を仕かけるニャルラ。
けれど自分の態勢を保つのも限界で、そこまでだった。ワシの身体を蹴って跳躍し、巣の中に着地した。
フォルネは、ニャルラの一撃で高度を落としたオウカンワシの隙を見逃さなかった。
真下から縦に跳躍し、頭突きをかます。フォルネ得意のダッシュ頭突きを垂直に昇華させた一撃だ。
オウカンワシはやみくもに反撃してくるが、そんな攻撃に簡単に当たるような二匹ではない。
巨大な鳥相手に、二匹ともよく戦っている。
けれど、オウカンワシも馬鹿ではない。
ニャルラの大きな跳躍を警戒してか、より距離を取るようになった。
ニャルラがさっきと同じように大きく跳ぶが、当たらない。
フォルネもニャルラの動きを真似て跳躍した。空中にいるニャルラの背を蹴り、さらに高く跳ぶ。
「アタイをふみ台にするな〜!」
ニャルラはそれでも、しなやかな猫の動きで上手に着地する。
フォルネの方は、オウカンワシの高度に到達した。けれど、すでに跳躍時の勢いはない。
オウカンワシにしてみれば、的が自分から来てくれたみたいなものだ。
バサバサと大きく羽ばたく。バランスを崩し落下していくフォルネ。
まずい。あのまま落ちたら……。
フォルネの落下コースは、巣からわずかに外れているように見えた。
フォルネは必死に前足を伸ばす。けれど、わずかに届かない。
その頃までには僕も巣に到達していた。
巣から思いきり身を乗り出し、落ちゆくフォルネの前足を、すんでのところでつかまえた。
フォルネのからだは小さいが、落下の勢いもあり、僕の腕にずしんと重く荷重がかかる。僕ごと落ちてしまいそうなところを、ギリギリで支えた。
思わず下を見てしまう。果てしない高さに頭がクラクラし、足元に冷たい震えが走った。
「タイガさま……!」
「くっ。ま、間に合って……よかった。さあ、僕の身体をよじ登って」
僕たちの動きが止まっているのを好機と捉えたのだろう。
オウカンワシが急降下をしかけてくる。
「させないよっ」
そこにニャルラが割って入る。
オウカンワシは煩わしそうに脚で振り払い、ニャルラが横に吹っ飛ばされる。それでもワシの勢いは止まらない。
「タイガさまには、手出しさせません!」
フォルネは僕の身体をすばやく駆け上がると一跳び、オウカンワシの顔面に飛びついた。
視界を封じられ、暴れ回る。その攻撃は僕のところには届かなかった。
頃合いを見て、フォルネは巣に飛び降りた。
オウカンワシは一旦上空に身を引くと、巣のまわりをぐるぐる旋回している。
これまでの攻防から、攻めあぐねているのだろう。
「とにかく、巣から離れよう。あいつと戦う理由はないから」
巣から離れたら攻撃が止むかはわからない。
けれど、ここにいたままではオウカンワシは攻撃の手を緩めないだろう。
僕たちは撤退にかかった。吹っ飛ばされたニャルラもふらふらと立ち上がり、僕たちと同じ行動を取る。大きなダメージは受けていないみたい。僕はほっとした。
オウカンワシは、僕たちの逃走経路を塞ぐように、枝の道側の空中に陣取った。
ニャルラが先行し、オウカンワシの気を引こうとする。オウカンワシは空中にその身を置いたまま、ニャルラと対峙する。
このまま逃がさないつもりだ。
そのとき、フォルネが言った。
「タイガさま、私をあいつに向かって投げてください」
「えっ。でも、そんなことしたら」
「大丈夫。私を信じて。さっきみたいな無様はしません。時間がない。早く!」
僕はフォルネの決意をくみ取り、空中のオウカンワシの方向に、フォルネを思い切り投げた。
投げる瞬間に僕の手を蹴り、軌道を修正しつつさらに勢いを増したフォルネが空中を跳ぶ。
オウカンワシはニャルラに気を取られており、フォルネの突進に気づくのが遅れた。
そこに、フォルネが思い切り頭突きをかます。完全に不意を打たれ、オウカンワシの頭と頭がごっつんこ。
王冠の上に星が散る。一羽と一匹はぐらりと体制を崩し、落下してゆく。
僕はフォルネの落下地点に走り、キャッチしようとしたけれど、フォルネはそんな僕の身体を蹴って勢いを殺しつつ、しなやかに地面に着地した。
僕たちはそのまま幹のところまで走った。
一旦落下しかけたオウカンワシは、下の方で体勢を立て直して再び飛翔すると、巣のまわりをぐるぐると回っている。
僕たちがいる場所には気づいているだろうけれど、これ以上近づかなければ攻撃の意思はなさそうだ。
これでひとまず、安全な場所に身を置くことができたかな。
[プレイログ]
【オウカンワシ レベル4 生命点6 攻撃数2】空中のため攻撃に-1のペナルティ。
・第1ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目3 技量点1 ペナルティ1 →外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル
オウカンワシの攻撃1 ニャルラへ サイコロの出目4で回避
オウカンワシの攻撃2 フォルネへ サイコロの出目3 技量点2 回避
・第2ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目6 クリティカル オウカンワシ生命点6→5
ニャルラの追加攻撃 サイコロの出目3 技量点1 ペナルティ1 →外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目5 命中 オウカンワシ生命点5→4
オウカンワシの攻撃1 ニャルラへ サイコロの出目5で回避
オウカンワシの攻撃2 フォルネへ サイコロの出目5で回避
・第3ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目2 外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目1 ファンブル(巣から落ちかかる演出のシーン)
オウカンワシの攻撃1 ニャルラへ サイコロの出目2で命中 ニャルラの生命点8→7
オウカンワシの攻撃2 フォルネは サイコロの出目6 クリティカル回避
・第4ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロの出目2 外れ
フォルネの攻撃 サイコロの出目5 命中 オウカンワシ生命点4→3
→オウカンワシの生命点が半分になったので戦闘終了
●幕間 【フォルネ視点】フォルネの理由
私は、フォルネ。3本尻尾の妖狐。
わけあって、タイガさまにお仕えしている。
タイガさまは、ある目的をもって旅をしている。
けれどタイガさまは、道中でいろんなトラブルに巻き込まれては「ほっとけないから」という理由で手助けをしてきた。
今回もそうだ。タイガさまは、別に頼まれたわけでもないのに、商家の令嬢を助けに巨大樹までやってきた。
タイガさまの旅は、決してのんびりして良いものではない。
けれど、目的地がわかっているわけではない。どこにいるかわからない人を探す、あてのない旅だ。
そして私は、タイガさまの「ほっとけない」性格をよくわかっている。
かつて私もその「ほっとけない」に助けられたから。
だから私はタイガさまを、全力でサポートするんだ。
巨大樹の中腹にあるオウカンワシの巣までたどり着いたけれど、そこにはさらわれた商家の令嬢はいなかった。
もしかしたら、本命の巣はもっと上の方にあるのかもしれない。
「いったん、降りよう」
タイガさまは、そう決断した。
理由は、準備不足。これ以上高いところを目指すには、対策が甘かった。
特にロープの持ち合わせがないのが困る。
今後、絶壁のような幹に当たった時に、私とニャルラは登れるかもしれない。けれど、タイガさまには危険が大きすぎる。
だから、この選択は正しいと思う。令嬢を救うのは、時間との勝負だ。だからこそ、備えは必要。
けど、何の収穫もなしに引き返すのは惜しいな。
私は付近の枝に囲まれた空間に、希少な薬草の群生地を発見した。
これを戦利品がわりとして、いったん地上に戻ろう。
私たちは、絶壁の道や猿の縄張りを慎重に避けつつ進んだ。
箱を上下に運ぶ昇降機という装置で地上に降り立ったときには、もう夕暮れどきだった。
地上では、たしかロイと名乗っていた年配の冒険者が、タイガさまの帰りを心配していた。
ここは冒険者たちが一時的に留まる地だ。出店などが集まって町のように見えるが、町ではない。
宿の機能のある建物もあるようだが、たいていの冒険者は、広場にテントを張って野営している。
タイガさまは、ロイのテントの隣に場所を得て、そこで一夜を明かすことにした。
その夜のことだ。
タイガさまが寝静まった後、ニャルラが私に話しかけてきた。
ニャルラは、今日の冒険の内容を興奮気味に話した。
ニャルラにとって、初めての経験が多く、ドキドキでキラキラだったという。
話がオウカンワシ戦にさしかかる。
「あぶなかったね〜。アタイ、フォルネが落っこちちゃうかと思った」
「タイガさまに、また助けられてしまった」
「また」という言葉に、ニャルラは反応した。
「そういえば、どうしてフォルネはたいがと一緒に旅してるの?」
「話してなかったっけ」
「きいてな〜い」
「……じゃ、話そうかな。別に隠しているわけでもないし」
私はニャルラに話すことにした。私がタイガさまと一緒にいる「理由」を。
「私がタイガさまに出会ったのは、森の中。私が魔獣に追われ傷つき、今にも食べられてしまうのではないかという、そんな危機的状況だった……」
よろよろと逃げる私の前に、その少年は現れた。
私はもう精も根も尽き果て、抵抗する力すらほとんど奪われていた。
私がもう逃げきれないのを把握しているのだろう。魔獣はゆっくりと、私を追ってくる。
この先は切り立った崖になっている。逃げ道は、もはやない。
やがてここに到達するだろう。そうしたら、私の命はおしまいだ。
でも、この少年はどうする。
追われる私に偶然出会ったばっかりに、私とともに魔獣の餌食になってしまうのか。
そんなこと、させない。
木陰からゆっくりと姿を現す魔獣に、私は動かぬ四肢でふんばり、対峙した。
「そのときタイガさまは、どうしたと思う?」
「ん〜。フォルネを助けたんだよね? でもどうやって? たいが、強くないよ?」
「タイガさまはね、私を抱きかかえると、一気に崖から飛び降りたんだ。何のためらいもなく、ね」
「えっ!? そんなことしたら、死んじゃう」
「ああ。そうだ。でもタイガさまは、迷いなくそれをやってのけた。崖の下は深い川になっていて、そこに飛び込んだ私たちは助かった」
おしゃべりなニャルラが沈黙している。驚かせてしまったようだ。
「タイガさまは、全身ボロボロになりながらも、私を助けてくれた。それで、理由を尋ねたら言うんだ。『ほっとけなかったから』って」
私は一息ついた。
「……タイガさまはね、危ういんだ」
私は続けた。
「タイガさまは、誰かを助けるために、簡単に自分の命さえも投げ出してしまいかねないところがある。私のときにそうだったみたいに」
タイガさまはまだ少年と言っていい年齢だ。けれど、タイガさまの「ほっとけない」には、何かあるんだと思う。
たとえば、何かを見過ごしたために、誰かが犠牲になってしまった、そんな経験が。
「タイガさまが命を落とすようなこと、私が絶対にさせない。私はタイガさまに命を救われた。私の命はタイガさまのもの。だから、今度は私が守る。この命に代えても」
そう。これが私がタイガさまと一緒に旅をする理由。
「ふ〜ん?」
ニャルラは、なんだかあいまいな反応をした。
別に、重い話に返す言葉が見つからないわけではなかったみたい。
「納得いってない?」
「うん。アタイはね、フォルネはたいがのことが大好きだから一緒にいるって思ってた〜」
「なっ! ばっ!」
私は不意を打たれ、あからさまにうろたえてしまった。
「にゃはは。フォルネ、かおまっか〜」
「う、うるさいな。だいたいニャルラはどうなんだよ」
「え? アタイはたいがのこと、だいすきよ?」
「そうじゃなくて、一緒に旅してる理由!」
「ん〜。たいがに助けてもらったから。おいしいもの食べれるから。あと、一緒にいると楽しいこといっぱいあるし」
「……もういいよ。聞いた私がバカだった」
私の中に「ニャルラはそれでいいんだよ」というタイガさまの言葉が聞こえた気がした。
まあ、いいか。
明日の朝も早い。もう、寝てしまおう。
●アタック02-1 フォルネとニャルラの成長
翌朝。
目が覚めると、フォルネとニャルラはまだ寝ていた。
珍しい。
いつもはだいたい、早起きのニャルラが退屈して、僕にじゃれついて起こしにかかるのに。
久しぶりの大冒険で疲れたんだろう。
僕は二匹を起こさないよう、朝食の支度をした。
それでもまだ起きてこないので、細かな用事は済ませておくことにした。
昨日の冒険で得た戦利品の換金。フォルネが見つけてくれた薬草の束は、合わせて金貨15枚になった。
ニャルラが鈍器猿のスタジアムで拾った金貨と合わせると、いきなり大金持ちになってしまった。
ええと……手持金を合わせると、全部で金貨31枚だ。
このお金で、ロープを買っておこう。
持てる量には限りがあるし、まだ持てるだけの余裕もほしい。
僕はロープを2束購入した。
ほかにもこまごまとした必要物品を買いそろえ、野営地に戻る。
「タイガさま、おかえりなさい」
「ごちそうさま〜」
フォルネとニャルラは、朝食を食べ終えたところだった。
「おはよ。だいぶ疲れてたみたいね」
「ううん? いっぱいおしゃべりしてたの。ね? フォルネ」
フォルネはなぜか口をとがらせて、そっぽを向いている。
「それより聞いてたいが〜。アタイ、たっぷり休んでちょっと強くなった気がするの」
「私も、少しだけタフネスさが身についたように感じます」
二匹ともまだまだ急成長する時期なのだろう。冒険を重ねるたびに、ぐんぐん強くなっていく。
僕たちは、今日の冒険の準備をまとめた。
【フォルネ(妖狐) レベル10→11 技量点:2 生命点:3→4 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10→11 技量点:1 生命点:9→10 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨11→31→25
1ロープ
2ロープ
僕たちの隣では、ロイおじさんがテントを畳んでいる。
「今日は俺たちも巨大樹に登るんだ。途中まで一緒に行くか?」
「はい。お願いします」
ロイおじさんたちと連れ立って昇降機に向かう。
「……で、タイガは今日はさらに上を目指すのか」
「はい。そのつもりです」
「ま、ほどほどにな。帰れる余力を残してるうちに引き返すのが、生き残る秘訣だ」
昇降機の順番を待つ。朝は少しだけ並ぶ。
「じゃあな。上で会ったらよろしくな」
ロイおじさんたちが先に昇降機に乗り込むと、ゆっくりと上昇していった。
次は僕たちの番だ。ニャルラが元気に飛び乗り、その次に、フォルネを肩に乗せた僕が乗り込んだ。
昇降機の上昇にあわせて、地上の景色がどんどん遠くなっていく。ニャルラが外の景色の動きに歓声を上げる。
やがて、最初の枝に到着した。ロイおじさんたちは、僕たちの到着を待たずに自分の冒険に出立したようだ。
僕たちは、昨日よりさらに上を目指す。猿たちの縄張りは避けて行く。
冒険は順調だ。やがて昨日と同程度の高度まで到達した。
【34 観測所】
幹の周囲に作られた階段を上りきった見晴らしの良い空間に、小屋が建てられていた。
こんな高所に建物を建てるなんて、驚きを通り越してあきれてしまう。
それにしても、どんな目的で建てたんだろう。宿泊のための休憩所だろうか。
僕たちは、その建物に入ってみた。
そこは休憩所というより、展望施設といった風だった。
建物上部に繋がる階段を上がると、出窓に望遠鏡が設置されていた。
上下左右に回転できるようになっている。
「たいが、これなに?」
「遠くの景色を大きくして見渡せる道具だと思う。こっち側から覗くんだよ」
「わっ、わわっ」
望遠鏡を覗き込んだニャルラが歓声を上げる。何を見たんだろう。
「さるがいっぱい!」
「下の方じゃなくて、これから進む方角を見なさいな」
ニャルラは軽く聞き流して、望遠鏡を回転させる。
「あははははっ。フォルネの頭でっか〜い」
「もう、私に貸しなさい」
「あっ」
フォルネは、完全に遊びに入っているニャルラから、望遠鏡を横取りした。
上の方に向け、なにやら観察している。
「んっ……あれは……あっ」
フォルネは、何か気になるものを見つけたみたいだったけれど、ニャルラに押されて望遠鏡の位置がずれてしまったようだ。
「もう、何するの」
「とんないでよ〜、アタイ使ってたのに」
「はいはい」
それからしばし、ニャルラが満足するまで望遠鏡遊びにつきあうことになった。
[プレイログ]
・進行方向を観測し「手がかり」をひとつ入手。
次回、ヤツが帰ってくる。樽とともに。
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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2026年1月27日火曜日
これはゲームブックなのですか!? vol.128 FT新聞 No.4752
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『これはゲームブックなのですか!?』vol.128
かなでひびき
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
「次郎は、冷たく暗い瞳で、にたにた笑うのを止めない前田をじっと見ている」
さて、クイズです。
「冷たく暗い瞳」をしているのは、次郎でしょうか?
前田でしょうか?
年末でもないのに大掃除しながら、バーチャル図書委員長、かなでひびき登場!
というか、前述した文。
「冷たく暗い瞳で、にたにた笑うのを止めない」という形容が、次郎にも前田にもかかっているから、二つの意味に取れちゃう。
実は、プロの作家先生で、堂々と「印字された」本でさえこんなことは起きる。
例えば「奴は今世紀サイアク最凶のヴィラン。今死んでいない。」
さて、「今世紀最強のヴィラン」は、死んで「もうこの世には居ない」のかしら?
「死んではいない」つまり、生きているのかしら?
以上、本文は変えてあるけど、かなでもこんな文が、「ちゃんと校正を通した」書籍としてお目にかかったことがあるよ。
あるいは「ここではきものをぬいでください」ってやつ。
これも「きもの」か「はきもの」なのかで、大きく意味が変わってくるじゃない?
というわけで、今回紹介する本は『2つの意味の物語 勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った』(ささきかつお著 新星出版社)よ。
笑い話に、詐欺で「結構です」と言ったのに、商品が送られてきた。
こっちは「断る」意味で「結構です」と言ったのに、向こうはOKの意味ととった。って話ね。
この本には、そのような二つの解釈ができる文が、オチに混じっている話が満載。
例えばね、本書から引用してみると、
「テスト、全部できなかった。」
こう言って、ため息の一つでもついたら、「ああ、こいつ。のび太さんもまっつ青な0点をとったな」と思うでしょ。
ところがね……。
どうしても「もうひとつの意味」が知りたかったら、本屋さんへGO!
こんな具合に、ラスト近くの一文で、まるで運命という列車のポイントが切り替わるみたいに、物語の意味が違ってくるお話がズラリ!
それは、まさに、物語の「ルビンの壺」
一件、黒い花瓶に見えるんだけど、背景に着目すると、向かい合う男の人に見える、ってトリックアートの有名な作品。
これは、まさに、文章でそれをやっているわ。
それは漢字の違い。主語やてにをはを曖昧にする。
多種多様な手を使ってくるけど、これって頭の体操になるわ。
また、作品内に何らかの手で謎解きをさせよう。例えば暗号文、ダイイング・メッセージなど入れようと思う作り手側にもおすすめ!
見逃せば人生後悔することウケアイ!
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
『2つの意味の物語 勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った』
著 ささきかつお
出版社:新星出版社 2023/12/15
新書 1100円(税別)
『2つの意味の物語 アイドルの妹は高校生』
著 ささきかつお
出版社:新星出版社 2024/7/11
新書 1100円(税別)
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
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「冷たく暗い瞳」をしているのは、次郎でしょうか?
前田でしょうか?
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実は、プロの作家先生で、堂々と「印字された」本でさえこんなことは起きる。
例えば「奴は今世紀サイアク最凶のヴィラン。今死んでいない。」
さて、「今世紀最強のヴィラン」は、死んで「もうこの世には居ない」のかしら?
「死んではいない」つまり、生きているのかしら?
以上、本文は変えてあるけど、かなでもこんな文が、「ちゃんと校正を通した」書籍としてお目にかかったことがあるよ。
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というわけで、今回紹介する本は『2つの意味の物語 勇者は聖なる剣を手に向かってくる魔物と戦った』(ささきかつお著 新星出版社)よ。
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この本には、そのような二つの解釈ができる文が、オチに混じっている話が満載。
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「テスト、全部できなかった。」
こう言って、ため息の一つでもついたら、「ああ、こいつ。のび太さんもまっつ青な0点をとったな」と思うでしょ。
ところがね……。
どうしても「もうひとつの意味」が知りたかったら、本屋さんへGO!
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それは、まさに、物語の「ルビンの壺」
一件、黒い花瓶に見えるんだけど、背景に着目すると、向かい合う男の人に見える、ってトリックアートの有名な作品。
これは、まさに、文章でそれをやっているわ。
それは漢字の違い。主語やてにをはを曖昧にする。
多種多様な手を使ってくるけど、これって頭の体操になるわ。
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著 ささきかつお
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2026年1月26日月曜日
☆イベントに出てます☆ FT新聞 No.4751
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
蕨之介さんが通販サイトBOOTHにて「モンスター!モンスター!TRPG」のシナリオを無料公開いたしました!
https://kakinokishokai.booth.pm/items/7887253
「ズィムララにエリカ・アメリカがやってきた」というコンセプトだそうです……エリカ・アメリカはスーパーヒーローの1人のようで、作者さんの許諾のもと、作られたシナリオだそうです☆
◆今日は近況のご報告だけ☆
今週はあまりにも忙しかったので、今日の記事は近況のご報告がメインです。
平日はローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』を進めて、週末にはFT書房の集まりやイベント参加などをしておりました。
そうなんです、先週と今週の日曜日に、久しぶりにFT書房の売り子としてイベントに出てきたんですよ。
去年は一度だけしかイベントに出ていないので、すでに去年の2倍ほどイベントに出たことになります☆
お客さんとの交流そのものが久しぶりで、とても楽しく新鮮でした!
次はBGBEというイベントに、顔を出すつもりです。
1月31日(土)と2月1日(日)の2日間開催されるイベントです。
これには売り子として参加する予定はないのですが、どちらか1日でも顔見せに行けたらいいなぁと思っています☆
◆去年に追いつくために☆
何度かチラッと書いているのですが、実は私、去年はウツになってしまい、文章がちゃんと読めない時期がありました。
何かを「楽しい」と思うこともあまりできず、TRPGのセッションもほとんどしていません★
そのあたりの影響で「モンスター!モンスター!TRPG」に対する理解が進まず、かなり困りました。
今は、「ズィムララのモンスターラリー」の【モンスター編】をかばんに入れて、電車の中や空いた時間に読んでいます。
さすがに一度は終わりまで読んでいるのですが、コンディションが悪いときに読んだものですから、しっかりと定着していないんです。
いま読むと「おぉ、面白いモンスターだなぁ」と素直に感じられます。
海外作品にはしばしば、国産の作品には見受けられないいい意味でのデタラメさといいますか、インスピレーションに満ちたモンスターの姿を見ることができます。
作品のそういう「良さ」をどう端的に表現するのが、他者にこの作品の魅力を伝えるのに最適なのだろうか。
そんなことを考えながら、イベントに出てきました。
登場するモンスターは全部暗記するぐらいの気持ちで、読み込むのがいいなと思いつつ……この本を買われたあなたが、どこに魅力を感じているかを言葉にして聞かせていただけたらありがたいな、と願っています。
「ズィムララのモンスターラリー」に関するお話ですが、「モンスター!モンスター!TRPG」全般に関するお話でも無問題です。
ぜひ、声をお届けください……今年、イベントでお客さんに作品の魅力を伝える際の、参考にさせていただきますので!
今回はこれにて☆
それではまた!!
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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蕨之介さんが通販サイトBOOTHにて「モンスター!モンスター!TRPG」のシナリオを無料公開いたしました!
https://kakinokishokai.booth.pm/items/7887253
「ズィムララにエリカ・アメリカがやってきた」というコンセプトだそうです……エリカ・アメリカはスーパーヒーローの1人のようで、作者さんの許諾のもと、作られたシナリオだそうです☆
◆今日は近況のご報告だけ☆
今週はあまりにも忙しかったので、今日の記事は近況のご報告がメインです。
平日はローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』を進めて、週末にはFT書房の集まりやイベント参加などをしておりました。
そうなんです、先週と今週の日曜日に、久しぶりにFT書房の売り子としてイベントに出てきたんですよ。
去年は一度だけしかイベントに出ていないので、すでに去年の2倍ほどイベントに出たことになります☆
お客さんとの交流そのものが久しぶりで、とても楽しく新鮮でした!
次はBGBEというイベントに、顔を出すつもりです。
1月31日(土)と2月1日(日)の2日間開催されるイベントです。
これには売り子として参加する予定はないのですが、どちらか1日でも顔見せに行けたらいいなぁと思っています☆
◆去年に追いつくために☆
何度かチラッと書いているのですが、実は私、去年はウツになってしまい、文章がちゃんと読めない時期がありました。
何かを「楽しい」と思うこともあまりできず、TRPGのセッションもほとんどしていません★
そのあたりの影響で「モンスター!モンスター!TRPG」に対する理解が進まず、かなり困りました。
今は、「ズィムララのモンスターラリー」の【モンスター編】をかばんに入れて、電車の中や空いた時間に読んでいます。
さすがに一度は終わりまで読んでいるのですが、コンディションが悪いときに読んだものですから、しっかりと定着していないんです。
いま読むと「おぉ、面白いモンスターだなぁ」と素直に感じられます。
海外作品にはしばしば、国産の作品には見受けられないいい意味でのデタラメさといいますか、インスピレーションに満ちたモンスターの姿を見ることができます。
作品のそういう「良さ」をどう端的に表現するのが、他者にこの作品の魅力を伝えるのに最適なのだろうか。
そんなことを考えながら、イベントに出てきました。
登場するモンスターは全部暗記するぐらいの気持ちで、読み込むのがいいなと思いつつ……この本を買われたあなたが、どこに魅力を感じているかを言葉にして聞かせていただけたらありがたいな、と願っています。
「ズィムララのモンスターラリー」に関するお話ですが、「モンスター!モンスター!TRPG」全般に関するお話でも無問題です。
ぜひ、声をお届けください……今年、イベントでお客さんに作品の魅力を伝える際の、参考にさせていただきますので!
今回はこれにて☆
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2026年1月25日日曜日
ローグライクハーフ新職業【道化師】 FT新聞 No.4750
おはようございます、FT新聞編集長の水波流です。
来月の日曜日に配信予定となる、杉本=ヨハネによるローグライクハーフd66シナリオ『ガルアーダの塔』!
本日は、そのシナリオに合わせた新職業【道化師】のデータを配信致します。
こちらをご覧頂きつつ、来月を楽しみにお待ちください!
◆道化師
軽業や曲芸を披露して、人々を楽しませる職業を【道化師】と呼びます。その卓越した体術を生かして、剣技を磨く【道化師】も、アランツァでは少なからず存在します。
【道化師】は【器用点】の副能力値を持ちます。
↓ 新職業【道化師】
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_NewClass_Jester.txt
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◆道化師
軽業や曲芸を披露して、人々を楽しませる職業を【道化師】と呼びます。その卓越した体術を生かして、剣技を磨く【道化師】も、アランツァでは少なからず存在します。
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2026年1月24日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第676号 FT新聞 No.4749
From:水波流
1/21(水)はFT新聞の発行記念日でした。
2013年発刊より13周年を迎え、14年目に突入しました。
私が編集部に参加したのは2018年からで、その時は配信1700回くらい、購読者数は約500名でした。
現在では、配信は4700回を超え、購読者数も1100名以上。
これもひとえに、読者の皆様のおかげです!
From:明日槇悠
人生で初めて、人前で怪談を披露しました。しかもアドリブで。
「万怪談(よろずかいだん)」というカードゲームを遊ばせてもらったのですが、この手札からお話を発想しろ! と言われても本当に何も浮かびません。
しかし制限時間十分の後には、現にお話を組み立てていたので、この辺りに物語づくりのメカニズムが隠されているのかもしれません。
From:葉山海月代理かなでひびき
葉山センセってば、全財産入った預金通帳を紛失!
慌てて口座止めて、新しい通帳発行依頼してもらったとたん、文庫本のしおりとして出てきたんだって。
おかげで通帳再発行される一週間、ヤマカイ無一文!
「スマホ中毒」も大変だけど、「活字中毒」も大変だね!
ショックで寝込んだ葉山センセにエサ(応援のお便り)をあげないでください。
From:中山将平
FT新聞13周年、おめでとうございます!!
僕らFT書房は、明日1月25日(日)創作漫画同人誌展示即売会「関西コミティア75」にサークル参加します。
開催地はインテックス大阪2号館。
ブース配置は【J-19】です。
ゲームブックや1人用TRPGを扱います!
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
同イベントに僕自身は個人サークル「ギルド黄金の蛙」としても出展しています。
そちらのブース配置は【I-36】です。
そちらにもぜひお立ち寄りいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1/18(日)~1/23(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026年1月18日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4743
Re:アランツァワールドガイド Vol.1 「水上都市聖フランチェスコ
・お待たせしております2月以降の日曜枠で配信予定の、杉本=ヨハネによるローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』は、水上都市・聖フランチェスコが舞台です。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
(少しだけ改訂箇所もありますよ!)
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
(葉)
2026年1月19日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4744
☆『ガルアーダの塔RLH』先行告知☆
・来月からはじまる日曜配信のローグライクハーフシナリオ『ガルアーダの塔』の先行告知です!
本作では『ガルアーダの塔』の巨大さを表現するために、従来のd66シナリオとは異なる3つの特別ルールが適用されています。
1つ、出目表。一の位が〈できごと〉の種類を決定します。更に、「冒険のクリア回数×10を〈できごと〉の出目に足す」ルールも。
2つ、回復。完全なる回復はできませんが、2回目以降の各冒険開始時に、塔内にある「町」に立ち寄ることができます。
3つ、【味方】。ゲームブック版に登場した「剣術学校の仲間たち」は、従者とは異なる【味方】として登場します。
やがて全容をあらわす巨塔に挑むべく、入念に準備いたしましょう!
(明)
2026年1月20日(火)明日槇悠 FT新聞 No.4745
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5)
・TPRG初心者4名が友人宅で気軽に遊んだ、GM不要のナラティブ・スタイルRPG『モンセギュール1244』のリプレイ、第5回をお届けしました。
本セッションでストーリーカードが用いられるのは今回が唯一となります。その最初で最後の一枚は【魔女の術】。
戦場にて、死に臨む者へ救慰礼《コンソラメンテ》を施す立場であるベルトランは、分からず屋の指揮官ピエール・ロジェとの会話に苛立ち、射手ガルニエに流言を吹き込んでロジェを始末しようとします。この程度の術はベルトランにとって企ての内にも入りません。
一方、閉鎖空間で疑心暗鬼となったヤングケアラーの少年アミエルは、自作した武器を研いで懐に忍ばせています。
カタリ派の模範たるベルトランに信心薄き者への失望の種は尽きず、よって施すべき処置もまだまだたくさん残されている模様ですが、はてさて?
(明)
2026年1月21日(水)ぜろ FT新聞 No.4746
第2回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第475回。「荷物持ち」の少年が〈妖狐〉や〈魔猫〉と一緒に旅をする、ポケモン風ローグライクハーフリプレイの第2回です。
今回は、ふたつの中間イベント【猿たちの縄張り】【そそり立つ壁】にチャレンジ。太い腕で樽を投げつけてくる、ドンキー…もとい〈鈍器猿〉の攻撃や、行く手を阻む巨大樹の幹に、ひとりと二匹はどのように立ち向かうのでしょうか?
イベントごとに実際の[プレイログ]が添えられているので、リプレイの描写と読み比べるのも楽しいですよ!
(く)
2026年1月22日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4747
ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】を活用せよ!
・1月8日のFT新聞 No.4733に引き続き、今ホットな『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』の楽しみ方をご提案!
「【ワールド編】を活用してどうシナリオを作ればよいのか」という点については、【ワールド編】の「トロール神によるアドバイス」をまず読むのが早いと思います。
しかし、それはそれで有用なのですが、それ以外にも、様々なやり方で、シナリオはデザインすることが可能です。
【モンスター編】ベースでセッションを組み立てていくためには、いったいどうすればよいのでしょうか?
いきなりカタログ本を渡されても、それを楽しく読むことはできるとしても活用アイデアにまでは気が回らない、という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、いくつかアイデアを提供してまいりましょう。
この提案をもとに、頭を柔らかくして、この素晴らしい創作ツールを活かしてください!
(葉)
2026年1月23日(金)休刊日 FT新聞 FT新聞 No.4748
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今週の読者様の声のご紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
↓↓
(けいねむさん)
この日は本当に素晴らしい一日でした。
昼食時にクロンプトンさんに目の前でT&T完全版やMonsters!Monsters!ゲームマスタースクリーンなどに私の名前入りサインを頂いて感極まってしまって泣いてしまった事は生涯忘れ得ないでしょう。
唯一、クロンプトンさんへの大量のお土産を入れたキャリーケースを持ち歩いたまま四天王寺を歩き回って腰を痛めてしまい当日後半に階段の登り降りが厳しくなるなど、皆様にご迷惑をおかけしてしまった事が反省点でした…荷物は駅のコインロッカーに預けておくべきでした。
(今は腰の方は快癒しました!)
(お返事:杉本=ヨハネ)
ありがとうございます☆
腰の快癒、なによりです。
クロンプトンにも集まってくださったファンの方々にも楽しんでいただけたなら、アテンドに費やした時間も報われるというものです!
私にとっても貴重な、素晴らしい1日となりました……!!
(ジャラルさん)
ファンタジー+クトゥルフだとグループSNEさんが「タクティクス別冊クトゥルフワールドツアー」でハイパーボレアを舞台にしたリプレイが掲載されたのが最初だと思います。神としてアブホースやツァトゥグァが普通に(笑)信仰され、魔術師エイボンが生きているトンデモ時代でした。この書籍も万単位の値段が付く時代ですのでファンタジー化は意義があると思います。それでは良いお年を。
(お返事:中山将平)
ご感想をいただき、ありがとうございます。
クトゥルフ神話要素のあるファンタジー作品、これからも作っていこうと考えております!
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現在では、配信は4700回を超え、購読者数も1100名以上。
これもひとえに、読者の皆様のおかげです!
From:明日槇悠
人生で初めて、人前で怪談を披露しました。しかもアドリブで。
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しかし制限時間十分の後には、現にお話を組み立てていたので、この辺りに物語づくりのメカニズムが隠されているのかもしれません。
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From:中山将平
FT新聞13周年、おめでとうございます!!
僕らFT書房は、明日1月25日(日)創作漫画同人誌展示即売会「関西コミティア75」にサークル参加します。
開催地はインテックス大阪2号館。
ブース配置は【J-19】です。
ゲームブックや1人用TRPGを扱います!
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
同イベントに僕自身は個人サークル「ギルド黄金の蛙」としても出展しています。
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そちらにもぜひお立ち寄りいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
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(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
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2026年1月18日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4743
Re:アランツァワールドガイド Vol.1 「水上都市聖フランチェスコ
・お待たせしております2月以降の日曜枠で配信予定の、杉本=ヨハネによるローグライクハーフ版『ガルアーダの塔』は、水上都市・聖フランチェスコが舞台です。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
(少しだけ改訂箇所もありますよ!)
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
(葉)
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☆『ガルアーダの塔RLH』先行告知☆
・来月からはじまる日曜配信のローグライクハーフシナリオ『ガルアーダの塔』の先行告知です!
本作では『ガルアーダの塔』の巨大さを表現するために、従来のd66シナリオとは異なる3つの特別ルールが適用されています。
1つ、出目表。一の位が〈できごと〉の種類を決定します。更に、「冒険のクリア回数×10を〈できごと〉の出目に足す」ルールも。
2つ、回復。完全なる回復はできませんが、2回目以降の各冒険開始時に、塔内にある「町」に立ち寄ることができます。
3つ、【味方】。ゲームブック版に登場した「剣術学校の仲間たち」は、従者とは異なる【味方】として登場します。
やがて全容をあらわす巨塔に挑むべく、入念に準備いたしましょう!
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本セッションでストーリーカードが用いられるのは今回が唯一となります。その最初で最後の一枚は【魔女の術】。
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一方、閉鎖空間で疑心暗鬼となったヤングケアラーの少年アミエルは、自作した武器を研いで懐に忍ばせています。
カタリ派の模範たるベルトランに信心薄き者への失望の種は尽きず、よって施すべき処置もまだまだたくさん残されている模様ですが、はてさて?
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この日は本当に素晴らしい一日でした。
昼食時にクロンプトンさんに目の前でT&T完全版やMonsters!Monsters!ゲームマスタースクリーンなどに私の名前入りサインを頂いて感極まってしまって泣いてしまった事は生涯忘れ得ないでしょう。
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(今は腰の方は快癒しました!)
(お返事:杉本=ヨハネ)
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腰の快癒、なによりです。
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2026年1月23日金曜日
休刊日のお知らせ FT新聞 No.4748
おはようございます。
本日は、タイトルのとおり休刊日です。
毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
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2026年1月22日木曜日
ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】を活用せよ! FT新聞 No.4747
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『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー【モンスター編】』を活用せよ!
岡和田晃
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
【ワールド編】と【モンスター編】の二分冊で刊行された『ケン・セント・アンドレによるズィムララのモンスターラリー』。【ワールド編】を活用してどうシナリオを作ればよいのか、という点については、【ワールド編】の「トロール神によるアドバイス」をまず読むのが早いと思います。この節には「ズィムララ世界で冒険と喜びにあふれた職に就くには」とのサブタイトルがあるとおり、プレイヤー・キャラクターの立場を明確化し、それによるキャペーンのデザイン設計が書かれていました。キャペーンといっても、何十回もセッションを重ねるグランド・キャンペーンというよりは、3〜7回ほどの中規模キャンペーンが想定されているように思われます。『モンスター!モンスター!TRPG』に限らず、世界観重視の海外RPGには、まま見受けられるスタイルですね。
それはそれで有用なのですが、それ以外にも、様々なやり方で、シナリオはデザインすることが可能です。【モンスター編】ベースでセッションを組み立てていくためには、いったいどうすればよいのでしょうか? いきなりカタログ本を渡されても、それを楽しく読むことはできるとしても活用アイデアにまでは気が回らない、という方もいらっしゃるかもしれません。そこで、いくつかアイデアを提供してまいりましょう。
●ひとまず、プレイヤー・キャラクターの種族を決める
もっとも手っ取り早い方法です。【ワールド編】収録の簡易ルールに記された種族は8体、います。そのうち、人間・ウルク・グレムリンは【モンスター編】にも収録がないので除外するとして、残り5体、つまりジャングル・トロール、ズィム、ウアジー、ドウォン、リレッキの5体を選択する場合には、簡易ルールのように足し算で能力値を計上するのか、あるいは【モンスター編】にあるように能力値係数表を用いるのかを、先に決めてしまいましょう。係数で統一するのがわかりやすいですが、そうすると、ズィムが極端に強くなってしまうので、あえて簡易ルールの方を採用するのも吉。GMとよく相談してください。
種族が決まったら、あとは背景となる情報を【ワールド編】から詰めていきます。それをふまえて、GMがシナリオを用意すると、スムーズに進むことが多いでしょう。
●参加者間でのパワー・バランスはどうするか?
【モンスター編】所収の「ラマシュトゥとの戦い」のように、自由度の高いシナリオならばあまり気にしないでも大丈夫ですが、【ワールド編】所収の「ドウォンの秘密神殿の冒険」のようなパーティで挑むのが前提の冒険の場合、ダンジョン・シナリオの場合、パーティ内で大きな格差があると挑みづらくはあると思います。その場合、「×3以上のモンスターは選ばない」などという縛りをGM側が取り入れれば、バランスが取りやすくなるでしょう。
パワーを抑えめにしたら、その編成で、「ドウォンの秘密神殿の冒険」や、「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」のような公式シナリオを遊んでみるのです。そうすれば、大きな事故が起きることもなく、存分にシナリオを楽しめることでしょう。もっとも手軽な【モンスター編】の活用法だと言えるでしょう。
●それでもハイパワーなモンスターを選びたい!
プレイヤー・キャラクターとなるモンスターを好きに選んでいいとなると、多くの人は、単に強力なモンスターを選びたくなる、という風景を何度も目にしてきました——よくわかる話です。何もゲームのなかでまで、無力で惨めな体験をしたくはないものですしね。
あいわかった! 思い切って、強力なモンスターで縛ってみてはいかがでしょうか。ズィム、ワーグ、アーチデーモン……。並の人間では及びもつかないほど強力なクリーチャーたちです。それでキャラクターを作って——いったい、どうすればいいのでしょうか。
この編成で「ドウォンの秘密神殿の冒険」や、「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」をプレイしても、やすやすと踏破できてしまい、スリルがないかもしれません。
そこで、せっかくですから、GMはオリジナルのシナリオを考えてみましょう。とはいっても、準備は簡単です。まずは敵役となるモンスターを決めるのです。
ズィムララ世界は、大型のクリーチャーや巨大なクリーチャーに事欠きません。アイサウルス、オグリファント、キメラ、クリスタルワーム、スクウォーン、セグコフ、ゼス=カート、ゼルグリン、ゾゴス、ツリージャイアント、テララガルト、ヒポサウルス、ブルーボルト・ドラゴン、カレドミナクス……。これらのモンスターから、まずは「中ボス」を決めます。「中ボス」とは、MRの7割が、キャラクターたちの合計ヒットを上回るクリーチャーにするとよいでしょう。個体では足りない場合、複数体出すのもよいかもしれません。
それから、「大ボス」を決めます。MRと汎用危険度レートを参考に、キャラクター全員の個人修正を合計した値を大きく上回る敵(通常の手段では敵わない敵)でないと、「ラスボス」になりません。こうして「中ボス」と「大ボス」が決まったら、あとは両者の関係を決定すれば、そこからストーリーを逆引きできるようになってきます。
先述したズィム、ワーグ、アーチデーモンからなるパーティを考えてみましょう。ズィムはズィムララの原生種族、ワーグは〈トロールワールド〉出身、アーチデーモンは地獄という別の次元界の出身です。それらの出逢いも大きなドラマになりそうですが、この三者に共通の脅威が訪れたとすればよいのです。困ったら、エーテル・ドラゴンを登場させ、次元界をつなぐ転移門(ポータル)を作用させたり、ムーン・クリスタルを使ったりしましょう。次のシナリオソースは、ズィム、ワーグ、アーチデーモンのパーティをイメージしてみた一例です。
●シナリオソース:巨大セグコフに対処せよ!
普段は敵対していたズィムの集落とワーグのねぐらに、巨大なセグコフ(黒ウサギ)が大量発生するようになった。はじめは、なんとか対処できるレベルだったが、あまりの巨大さから呉越同舟として手を結ばねば、どうにもならないくらいになった。そこに、地獄から偵察に来ていたアーチデーモンが巻き込まれて——というのが中盤までの展開。
いざ、巨大なセグコフ(中ボス)を退治してみたら、セグコフの巨大化は互いの集落の嫌がらせではなく、ムーン・クリスタルの作用のためだったと予測がつく。実のところ、エーテル・ドラゴンの移動に伴い、ムーン・クリスタルが大量に生じた地点があり、その作用で、セグコフが巨大化する現象が起きてしまったのだ。放ってはおけず、三者三様の思いから、キャラクターたちは当該地域へと向かうが、そこはすでに、クリスタルワーム【大ボス】のねぐらとなっていて……。
どうですか? ズィムララのどの地域に設定しても、なんとかなりそうな冒険ですが、【モンスター編】を読み込み、そこから【ワールド編】の設定を噛ませていけば、いっそう奥行きを与えることも可能でしょう。頭を柔らかくして、この素晴らしい創作ツールを活かしてください!
■書誌情報
モンスター!モンスター!TRPGサプリメント
『ズィムララのモンスターラリー モンスター編』
著 ケン・セント・アンドレ
訳 岡和田晃
絵 スティーブ・クロンプトン
書籍版:4,950円/電子書籍版:4,500円
https://ftbooks.booth.pm/items/7733432
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それはそれで有用なのですが、それ以外にも、様々なやり方で、シナリオはデザインすることが可能です。【モンスター編】ベースでセッションを組み立てていくためには、いったいどうすればよいのでしょうか? いきなりカタログ本を渡されても、それを楽しく読むことはできるとしても活用アイデアにまでは気が回らない、という方もいらっしゃるかもしれません。そこで、いくつかアイデアを提供してまいりましょう。
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もっとも手っ取り早い方法です。【ワールド編】収録の簡易ルールに記された種族は8体、います。そのうち、人間・ウルク・グレムリンは【モンスター編】にも収録がないので除外するとして、残り5体、つまりジャングル・トロール、ズィム、ウアジー、ドウォン、リレッキの5体を選択する場合には、簡易ルールのように足し算で能力値を計上するのか、あるいは【モンスター編】にあるように能力値係数表を用いるのかを、先に決めてしまいましょう。係数で統一するのがわかりやすいですが、そうすると、ズィムが極端に強くなってしまうので、あえて簡易ルールの方を採用するのも吉。GMとよく相談してください。
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あいわかった! 思い切って、強力なモンスターで縛ってみてはいかがでしょうか。ズィム、ワーグ、アーチデーモン……。並の人間では及びもつかないほど強力なクリーチャーたちです。それでキャラクターを作って——いったい、どうすればいいのでしょうか。
この編成で「ドウォンの秘密神殿の冒険」や、「女神キット=ラーの幽閉されしピラミッド」をプレイしても、やすやすと踏破できてしまい、スリルがないかもしれません。
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2026年1月21日水曜日
第2回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4746
第2回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦を始めました。
妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガの冒険です。
目の前でコーネリアス商会の令嬢コンスタンサがオウカンワシにさらわれるのを目撃したタイガたち。
オウカンワシの巣がある巨大樹の中腹を目指します。
うっかり猿たちの縄張りに踏み込み、投猿機から飛んでくる猿ロケットをかわしつつ、冒険は続きます。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。→【第1回で消費】
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨10→11
●アタック01-3 ニャルラと鈍器猿
ここはまさに「闘技場(スタジアム)」だった。
広大な敷地の周囲を枝が円状に囲っている。まるで観客席さながらの造りだ。
そこに猿たちが群がり、ギャッギャッギャとはやし立てる。
向こうで、ひときわ大きな猿が「闘技場」に降り立った。たぶん、あれがボス猿だ。
【中間イベントA 猿たちの縄張り】
投猿機の猿たちを振り切ったあと、僕たちは急ぎ先へと進んだ。
たまに猿たちとの小規模な遭遇はあった。小競り合いをいなしつつ、うまく避けて進む。
僕たちは、それが猿たちのたくみな誘導だと気づいていなかった。
やがて開けた場所に出た。
それがここだ。
「観客席」の猿はまばらだけれど、全部合わせたらけっこうな数だ。
あれが全部一斉に襲いかかってきたら、ひとたまりもない。
猿たちが、ひときわ大きな声を張り上げる。まるで熱狂的な歓声のよう。
そして、その声に合わせ、一匹の猿が「闘技場」に降り立ったのだ。
その猿はとびぬけて大柄で、筋肉が隆々と盛り上がっている。猿というよりゴリラのようだ。その筋肉を茶色の毛皮で覆っている。頭毛が少し跳ね上がっていた。
左脇に樽を抱え、もう片方の腕を突きあげて、ぶんぶんと威勢よく振り回している。丸太のような腕は、さながら鈍器だ。
「鈍器……猿……つまり、鈍器コンg」
「フォルネ、それ以上はいけない」
「えっと? どんき〜こんぐ〜?」
「あ」「あ」
つまり、あれがこの群れのボス猿なのだろう。
「ボスは常に力を示し続けなければならない。投猿機を突破した私たちを倒して強さを証明しようってとこじゃないかと」
「ふ〜ん。ボスもたいへんだね」
「逆にチャンスでもある。ボスさえなんとかすれば、混乱に乗じて抜け出せるかも?」
フォルネは冷静に分析する。でも、あんな大きな図体の猿を相手にできる?
「やっつければいいの? なら、アタイにおまかせ〜」
ニャルラはやる気満々で臨戦態勢だ。しかし、こちらが動くより早く、鈍器猿は抱えた樽をまっすぐニャルラに投げつけてきた!
「にぎゃっ!?」
バウンドを繰り返しながら転がる樽を、ニャルラは間一髪で高くジャンプしてかわす。そして不意打ちに対する怒りに任せて急接近し、鈍器猿に鋭い爪を向ける。
しかし動きが単調すぎて、あっさりとかわされてしまう。
そこに、フォルネが疾風のようにダッシュし、頭突きを叩き込んだ。ニャルラに気を取られていた鈍器猿は、意識外からの攻撃を受け、大きくよろめいた。
【鈍器猿 レベル3 生命点4 攻撃回数2】
鈍器猿は太い腕をぶん回す。当たればかなり痛そうな打撃だが、二匹は軽やかなステップでそれをかわしている。
そして、ここぞというタイミング。鈍器猿の伸びきった腕を駆けのぼり、ニャルラが鼻先にかみついた。
これには鈍器猿もたまらない。甲高い悲鳴を上げると、その場にうずくまってしまった。戦意喪失だ。
あっけない幕切れに、周囲の「観客席」から猿たちの大きなブーイングが飛ぶ。
それは僕たちにではなく、鈍器猿に対するものだ。
猿たちは、木の実やらなにやら、手あたり次第に鈍器猿に投げつけている。
チャンスだ。
「さあ、今のうちに逃げるよ!」
僕たちは駆けだした。
[プレイログ]
鈍器猿と戦闘
【鈍器猿 レベル3 生命点4 攻撃回数2】
・0ラウンド
鈍器猿の樽投げ!
ニャルラの回避 サイコロ4 出目のみで回避
・1ラウンド
ニャルラの反撃 サイコロ1 ファンブル
フォルネの攻撃 サイコロ3+技量点2=5 命中 鈍器猿へ1点のダメージ(鈍器猿生命点4→3)
鈍器猿の2回攻撃
ニャルラの回避 サイコロ5 出目のみで回避
フォルネの回避 サイコロ3 出目のみで回避
・2ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロ2+技量点1で命中 鈍器猿へ1点のダメージ(鈍器猿生命点3→2)
鈍器猿は逃走した
●アタック01-4 タイガと妖精の祝福
【23 小さな妖精】
「闘技場」を抜け出し、息を弾ませて駆けてゆく。
背後で響くぎゃあぎゃあとした甲高い猿の叫びが遠ざかってきたところで、ようやく足を止めた。
見ると、ニャルラが何かをくわえている。
ぺぺっと吐き出したそれは、金貨だった。5枚もある。
「きらきら〜。投げてきたのの中にあったから〜」
「目ざといね。ありがと」
「これで丸々獣のおにく買ってね」
「いいね、それ」
僕たちがそんな会話をしていると、別のところから声が降ってきた。
「あははははっ」「あのお猿さんこらしめちゃうなんて、すごいすごーい」
見ると僕たちの頭上で、羽根を輝かせた小さな妖精が二人、くるくると輪舞を舞っていた。
そのサイズは、フォルネやニャルラよりも、さらにひと回りは小さいだろうか。
「あの猿たち、イジワルだからきらーい」「きらーい」
「キタナイしクサイし」「ガサツだしランボウだし」
「ホント、やんなっちゃう。ねっ?」「ねーっ」
「でもっ見てたよっ。ボスやっちゃうトコ。いいきみー」「いいきみー」
「ホント、すっきりした。ねっ?」「ねーっ」
どうやらこの妖精たちは、猿たちとあまり関係がよくないみたい。
ボス猿の鼻っ柱にかじりついたニャルラは、まんざらでもない感じで喜んでいる。
「お礼にこれあげる」「あげるー」
僕たちの頭上で踊る妖精たちから、鱗粉のようなものが降りかかる。
フォルネがくしゃみした。
「妖精の、粉っ」「フェアリーダスト!」
たしかに、その粉を体に浴びると、疲れが取れる感じがした。
ここまで猛ダッシュしてきたのに、息苦しさが嘘のように消えていた。
「この先に、水場があるよ」「特別に使わせてあげるー」
「心も体もきれいになって」「リフレーッシュ!」
小さな妖精たちは、くるくる踊りながら水場のある方角へ飛んでいった。
【32 希少な薬草】
妖精たちが言っていたとおり、少し行くときれいな水場があった。
上の方から枝のくぼみを樋のようにして流れてきた水が、糸滝になって注ぎこまれ、小さな池を形成している。
水場で、フォルネとニャルラの身体を拭いてあげた。その後で全身をブラッシングする。
二匹とも水はあまり得意ではないけれど、ブラッシングは大好きだ。ただどちらも、自分専用のブラシでないと納得しない。
ニャルラは最初の頃はブラシも嫌がっていたけれど、今では、なでられる気持ちよさがわかってきたみたい。
フォルネの方はというと、糸目になって、この世の理想郷はここにあったのかというほどの満足ぶりが伝わってくる。
二匹をきれいにしたら、僕も濡らしたタオルで体を拭いた。
「タイガさま、いいもの見つけました」
フォルネがなにごとか報告に来た。
聞けば、池をぐるりと回った向こうに、希少性のある薬草を発見したのだとか。
体力だけでなく、特別な能力を発揮する時に消耗する力(副能力値)も合わせて回復する効果があるという。
「ただ、保存はきかないんですよね」
「な〜んだ。アタイたち今エネルギー満タンだからいみな〜い」
「この場所覚えておいたら、次に来た時に役に立つかも」
僕たちは休憩の後、冒険を再開した。
●アタック01-5 フォルネと盗人猿
【中間イベントB そそり立つ壁】
行く先は壁で行き止まった。
幹の部分だ。でこぼこした樹皮につかまりながら登るしかない。まるでボルダリングだ。
これはロープを持ってくるべきだったな。
完全に準備不足だ。
「かんたんかんた〜ん」
ニャルラは少ない足場を跳ねるようにして、軽やかに駆け上がってゆく。
「こらニャルラ。もう少し気をつけないと、落ちたら……!」
そのとき、ニャルラが次に足をかけようとした幹のくぼみから、シマリスが頭を覗かせた。
驚いたニャルラは、かける足場を失い、ころころと転がり落ちてきた。
僕の前にぺたん、と止まり、四肢を伸ばして「ぷしゅー」ってなってる。
「ほら、言ったそばから」
フォルネは用心深く足場を選びながら、それでも身軽に登ってゆく。
「ニャルラ、ケガはない?」
「う〜あっちこっちいたい〜」
「よかったら、僕の肩に乗って?」
「ホント! やった〜……やっぱや〜めたっ」
喜んで僕の肩に飛び乗ったニャルラだったけれど、すぐに肩から降りた。
ニャルラの様子を見るに、フォルネの「そこは私の特等席」という視線が降ってきたのに耐えられなかったのかな。
ニャルラは再度幹の壁登りを始める。さっきより慎重に、フォルネが足をかけた場所をなぞるように登ってゆく。
「さ、僕も行こうかな」
僕は二匹みたいに軽やかには登れない。
少しずつ手をかけられる場所、足を乗せられる場所を探して上へと向かう。
命綱がないクライミングだから、本当にドキドキだ。自分の身長の倍くらいの高さになると、もう落ちたら大変なことになりそう。
上のほうでは、すでに登り切ったフォルネとニャルラが、僕の動きを心配そうに見下ろしている。
もう、建物の2階くらいの高さだ。ここで足を滑らせでもしたら無事では済まない。
手が汗で滑りそう。足場も心もとない。今さら降りることもできない。
先に進む手順を詰んだらおしまいだ。取り返しのつかない状態になってしまうかも。
「右側に大きなでっぱりがあります。そっちを目指して」
「そこはリスさんがいたくぼみ〜」
それでも、上からの二匹のアドバイスもあり、僕はどうにか幹の壁を上りきった。
最後にはフォルネとニャルラが、僕の両袖をくわえて引っ張り、手伝ってくれた。
僕は壁の上にあった平地に、あおむけで寝っ転がって息をつく。
帰りは、別のルートを探そう。
[プレイログ]
登はんの判定ロール。目標値は2。
ニャルラの判定 サイコロの出目1でファンブル。落ちて1点のダメージ(ニャルラ:生命点9→8)
フォルネの判定 サイコロの出目4で成功
ニャルラの再判定 サイコロの出目3で成功
タイガは判定の必要なし
【21 シマリス→44 盗人猿】
あおむけに転がる僕の目線の先の枝に、シマリスの姿が見えた。
「あ! さっきの!」
ニャルラが声をあげる。
僕にはわからないけど、幹の壁の途中でニャルラが足を入れそこねたくぼみの中にいたリスと同じ個体らしい。
ニャルラの声にびっくりしたシマリスは、そのまま姿を消してしまった。
「おとなしければ、手懐けられたかも」
「いいのっ たいがにはアタイたちがいれば」
二匹がそんな会話をしている脇で、僕はようやく起き上がった。冒険の再開だ。
「!」
フォルネが突然、鋭い動きで僕にとびかかって来た。
え!?、と思った時には、フォルネは僕の肩口から後方に消え、「ギャッ」という別の生き物の鳴き声がした。
ニャルラが「フーッ!」と威嚇モードになる。
振り返ると、一匹の猿が逃げ去るところだった。
「どろぼう猿〜」
「はぐれ、でしょう。たぶんタイガさまの持つ食料を狙ったんだと」
「いち早く気づいてくれて助かったよ。ありがとう」
フォルネは少し照れくさそうに三本の尻尾を揺らし、嬉しさを隠しきれていない様子だった。
「だいぶ高いところに来たね。そろそろ中腹、かなぁ」
[プレイログ]
シマリス レベル2 ※出現数は2だが、一匹として描写
反応表の出目4、ワイロ(食料)
与えると道案内があるが、与えることなくそのまま逃走
盗人猿
難易度3
・人間から盾を奪うことに執着
・盾か「豊かな果実」を持つキャラクターを優先で狙う
→どちらもなし。人間のタイガを狙ったことにして、フォルネの判定で処理
→サイコロの出目3 出目のみで成功
次回、いよいよオウカンワシとの対決か。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9→8 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨11
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946
巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
https://ftbooks.booth.pm/items/5361362
本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。
ぜろです。
ローグライクハーフ「巨大樹の迷宮」への挑戦を始めました。
妖狐と魔猫、二匹のお供を連れたタイガの冒険です。
目の前でコーネリアス商会の令嬢コンスタンサがオウカンワシにさらわれるのを目撃したタイガたち。
オウカンワシの巣がある巨大樹の中腹を目指します。
うっかり猿たちの縄張りに踏み込み、投猿機から飛んでくる猿ロケットをかわしつつ、冒険は続きます。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
2小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。→【第1回で消費】
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨10→11
●アタック01-3 ニャルラと鈍器猿
ここはまさに「闘技場(スタジアム)」だった。
広大な敷地の周囲を枝が円状に囲っている。まるで観客席さながらの造りだ。
そこに猿たちが群がり、ギャッギャッギャとはやし立てる。
向こうで、ひときわ大きな猿が「闘技場」に降り立った。たぶん、あれがボス猿だ。
【中間イベントA 猿たちの縄張り】
投猿機の猿たちを振り切ったあと、僕たちは急ぎ先へと進んだ。
たまに猿たちとの小規模な遭遇はあった。小競り合いをいなしつつ、うまく避けて進む。
僕たちは、それが猿たちのたくみな誘導だと気づいていなかった。
やがて開けた場所に出た。
それがここだ。
「観客席」の猿はまばらだけれど、全部合わせたらけっこうな数だ。
あれが全部一斉に襲いかかってきたら、ひとたまりもない。
猿たちが、ひときわ大きな声を張り上げる。まるで熱狂的な歓声のよう。
そして、その声に合わせ、一匹の猿が「闘技場」に降り立ったのだ。
その猿はとびぬけて大柄で、筋肉が隆々と盛り上がっている。猿というよりゴリラのようだ。その筋肉を茶色の毛皮で覆っている。頭毛が少し跳ね上がっていた。
左脇に樽を抱え、もう片方の腕を突きあげて、ぶんぶんと威勢よく振り回している。丸太のような腕は、さながら鈍器だ。
「鈍器……猿……つまり、鈍器コンg」
「フォルネ、それ以上はいけない」
「えっと? どんき〜こんぐ〜?」
「あ」「あ」
つまり、あれがこの群れのボス猿なのだろう。
「ボスは常に力を示し続けなければならない。投猿機を突破した私たちを倒して強さを証明しようってとこじゃないかと」
「ふ〜ん。ボスもたいへんだね」
「逆にチャンスでもある。ボスさえなんとかすれば、混乱に乗じて抜け出せるかも?」
フォルネは冷静に分析する。でも、あんな大きな図体の猿を相手にできる?
「やっつければいいの? なら、アタイにおまかせ〜」
ニャルラはやる気満々で臨戦態勢だ。しかし、こちらが動くより早く、鈍器猿は抱えた樽をまっすぐニャルラに投げつけてきた!
「にぎゃっ!?」
バウンドを繰り返しながら転がる樽を、ニャルラは間一髪で高くジャンプしてかわす。そして不意打ちに対する怒りに任せて急接近し、鈍器猿に鋭い爪を向ける。
しかし動きが単調すぎて、あっさりとかわされてしまう。
そこに、フォルネが疾風のようにダッシュし、頭突きを叩き込んだ。ニャルラに気を取られていた鈍器猿は、意識外からの攻撃を受け、大きくよろめいた。
【鈍器猿 レベル3 生命点4 攻撃回数2】
鈍器猿は太い腕をぶん回す。当たればかなり痛そうな打撃だが、二匹は軽やかなステップでそれをかわしている。
そして、ここぞというタイミング。鈍器猿の伸びきった腕を駆けのぼり、ニャルラが鼻先にかみついた。
これには鈍器猿もたまらない。甲高い悲鳴を上げると、その場にうずくまってしまった。戦意喪失だ。
あっけない幕切れに、周囲の「観客席」から猿たちの大きなブーイングが飛ぶ。
それは僕たちにではなく、鈍器猿に対するものだ。
猿たちは、木の実やらなにやら、手あたり次第に鈍器猿に投げつけている。
チャンスだ。
「さあ、今のうちに逃げるよ!」
僕たちは駆けだした。
[プレイログ]
鈍器猿と戦闘
【鈍器猿 レベル3 生命点4 攻撃回数2】
・0ラウンド
鈍器猿の樽投げ!
ニャルラの回避 サイコロ4 出目のみで回避
・1ラウンド
ニャルラの反撃 サイコロ1 ファンブル
フォルネの攻撃 サイコロ3+技量点2=5 命中 鈍器猿へ1点のダメージ(鈍器猿生命点4→3)
鈍器猿の2回攻撃
ニャルラの回避 サイコロ5 出目のみで回避
フォルネの回避 サイコロ3 出目のみで回避
・2ラウンド
ニャルラの攻撃 サイコロ2+技量点1で命中 鈍器猿へ1点のダメージ(鈍器猿生命点3→2)
鈍器猿は逃走した
●アタック01-4 タイガと妖精の祝福
【23 小さな妖精】
「闘技場」を抜け出し、息を弾ませて駆けてゆく。
背後で響くぎゃあぎゃあとした甲高い猿の叫びが遠ざかってきたところで、ようやく足を止めた。
見ると、ニャルラが何かをくわえている。
ぺぺっと吐き出したそれは、金貨だった。5枚もある。
「きらきら〜。投げてきたのの中にあったから〜」
「目ざといね。ありがと」
「これで丸々獣のおにく買ってね」
「いいね、それ」
僕たちがそんな会話をしていると、別のところから声が降ってきた。
「あははははっ」「あのお猿さんこらしめちゃうなんて、すごいすごーい」
見ると僕たちの頭上で、羽根を輝かせた小さな妖精が二人、くるくると輪舞を舞っていた。
そのサイズは、フォルネやニャルラよりも、さらにひと回りは小さいだろうか。
「あの猿たち、イジワルだからきらーい」「きらーい」
「キタナイしクサイし」「ガサツだしランボウだし」
「ホント、やんなっちゃう。ねっ?」「ねーっ」
「でもっ見てたよっ。ボスやっちゃうトコ。いいきみー」「いいきみー」
「ホント、すっきりした。ねっ?」「ねーっ」
どうやらこの妖精たちは、猿たちとあまり関係がよくないみたい。
ボス猿の鼻っ柱にかじりついたニャルラは、まんざらでもない感じで喜んでいる。
「お礼にこれあげる」「あげるー」
僕たちの頭上で踊る妖精たちから、鱗粉のようなものが降りかかる。
フォルネがくしゃみした。
「妖精の、粉っ」「フェアリーダスト!」
たしかに、その粉を体に浴びると、疲れが取れる感じがした。
ここまで猛ダッシュしてきたのに、息苦しさが嘘のように消えていた。
「この先に、水場があるよ」「特別に使わせてあげるー」
「心も体もきれいになって」「リフレーッシュ!」
小さな妖精たちは、くるくる踊りながら水場のある方角へ飛んでいった。
【32 希少な薬草】
妖精たちが言っていたとおり、少し行くときれいな水場があった。
上の方から枝のくぼみを樋のようにして流れてきた水が、糸滝になって注ぎこまれ、小さな池を形成している。
水場で、フォルネとニャルラの身体を拭いてあげた。その後で全身をブラッシングする。
二匹とも水はあまり得意ではないけれど、ブラッシングは大好きだ。ただどちらも、自分専用のブラシでないと納得しない。
ニャルラは最初の頃はブラシも嫌がっていたけれど、今では、なでられる気持ちよさがわかってきたみたい。
フォルネの方はというと、糸目になって、この世の理想郷はここにあったのかというほどの満足ぶりが伝わってくる。
二匹をきれいにしたら、僕も濡らしたタオルで体を拭いた。
「タイガさま、いいもの見つけました」
フォルネがなにごとか報告に来た。
聞けば、池をぐるりと回った向こうに、希少性のある薬草を発見したのだとか。
体力だけでなく、特別な能力を発揮する時に消耗する力(副能力値)も合わせて回復する効果があるという。
「ただ、保存はきかないんですよね」
「な〜んだ。アタイたち今エネルギー満タンだからいみな〜い」
「この場所覚えておいたら、次に来た時に役に立つかも」
僕たちは休憩の後、冒険を再開した。
●アタック01-5 フォルネと盗人猿
【中間イベントB そそり立つ壁】
行く先は壁で行き止まった。
幹の部分だ。でこぼこした樹皮につかまりながら登るしかない。まるでボルダリングだ。
これはロープを持ってくるべきだったな。
完全に準備不足だ。
「かんたんかんた〜ん」
ニャルラは少ない足場を跳ねるようにして、軽やかに駆け上がってゆく。
「こらニャルラ。もう少し気をつけないと、落ちたら……!」
そのとき、ニャルラが次に足をかけようとした幹のくぼみから、シマリスが頭を覗かせた。
驚いたニャルラは、かける足場を失い、ころころと転がり落ちてきた。
僕の前にぺたん、と止まり、四肢を伸ばして「ぷしゅー」ってなってる。
「ほら、言ったそばから」
フォルネは用心深く足場を選びながら、それでも身軽に登ってゆく。
「ニャルラ、ケガはない?」
「う〜あっちこっちいたい〜」
「よかったら、僕の肩に乗って?」
「ホント! やった〜……やっぱや〜めたっ」
喜んで僕の肩に飛び乗ったニャルラだったけれど、すぐに肩から降りた。
ニャルラの様子を見るに、フォルネの「そこは私の特等席」という視線が降ってきたのに耐えられなかったのかな。
ニャルラは再度幹の壁登りを始める。さっきより慎重に、フォルネが足をかけた場所をなぞるように登ってゆく。
「さ、僕も行こうかな」
僕は二匹みたいに軽やかには登れない。
少しずつ手をかけられる場所、足を乗せられる場所を探して上へと向かう。
命綱がないクライミングだから、本当にドキドキだ。自分の身長の倍くらいの高さになると、もう落ちたら大変なことになりそう。
上のほうでは、すでに登り切ったフォルネとニャルラが、僕の動きを心配そうに見下ろしている。
もう、建物の2階くらいの高さだ。ここで足を滑らせでもしたら無事では済まない。
手が汗で滑りそう。足場も心もとない。今さら降りることもできない。
先に進む手順を詰んだらおしまいだ。取り返しのつかない状態になってしまうかも。
「右側に大きなでっぱりがあります。そっちを目指して」
「そこはリスさんがいたくぼみ〜」
それでも、上からの二匹のアドバイスもあり、僕はどうにか幹の壁を上りきった。
最後にはフォルネとニャルラが、僕の両袖をくわえて引っ張り、手伝ってくれた。
僕は壁の上にあった平地に、あおむけで寝っ転がって息をつく。
帰りは、別のルートを探そう。
[プレイログ]
登はんの判定ロール。目標値は2。
ニャルラの判定 サイコロの出目1でファンブル。落ちて1点のダメージ(ニャルラ:生命点9→8)
フォルネの判定 サイコロの出目4で成功
ニャルラの再判定 サイコロの出目3で成功
タイガは判定の必要なし
【21 シマリス→44 盗人猿】
あおむけに転がる僕の目線の先の枝に、シマリスの姿が見えた。
「あ! さっきの!」
ニャルラが声をあげる。
僕にはわからないけど、幹の壁の途中でニャルラが足を入れそこねたくぼみの中にいたリスと同じ個体らしい。
ニャルラの声にびっくりしたシマリスは、そのまま姿を消してしまった。
「おとなしければ、手懐けられたかも」
「いいのっ たいがにはアタイたちがいれば」
二匹がそんな会話をしている脇で、僕はようやく起き上がった。冒険の再開だ。
「!」
フォルネが突然、鋭い動きで僕にとびかかって来た。
え!?、と思った時には、フォルネは僕の肩口から後方に消え、「ギャッ」という別の生き物の鳴き声がした。
ニャルラが「フーッ!」と威嚇モードになる。
振り返ると、一匹の猿が逃げ去るところだった。
「どろぼう猿〜」
「はぐれ、でしょう。たぶんタイガさまの持つ食料を狙ったんだと」
「いち早く気づいてくれて助かったよ。ありがとう」
フォルネは少し照れくさそうに三本の尻尾を揺らし、嬉しさを隠しきれていない様子だった。
「だいぶ高いところに来たね。そろそろ中腹、かなぁ」
[プレイログ]
シマリス レベル2 ※出現数は2だが、一匹として描写
反応表の出目4、ワイロ(食料)
与えると道案内があるが、与えることなくそのまま逃走
盗人猿
難易度3
・人間から盾を奪うことに執着
・盾か「豊かな果実」を持つキャラクターを優先で狙う
→どちらもなし。人間のタイガを狙ったことにして、フォルネの判定で処理
→サイコロの出目3 出目のみで成功
次回、いよいよオウカンワシとの対決か。
【フォルネ(妖狐) レベル10 技量点:2 生命点:3 魔術点:3 従者点:8】
【装備】(人間形態でのみ効果あり)
片手武器
木盾(生命点+1)
鎖鎧(生命点+1防御ロール+1)
<スキル>
【変化】人間形態に変化する。
【空蝉】防御ロール振り直し。パーティの誰の時でも可。
【持ち物】
1小柄(飛び道具)※人間形態でのみ使用可。
【ニャルラ(魔猫) レベル10 技量点:1 生命点:9→8 器用点:7 従者点:5】
【装備】なし
<スキル>
【満月のような瞳】全員が暗闇ペナルティを受けない
【素早い反射】防御ロール振り直し。器用点1点消費。
【柔らかい肉球】先攻決め、不意打ち判定が自動成功。器用点1点消費。
【狩りの本能】弱いクリーチャーを倒した時、追加で攻撃ロール。器用点1点消費。
【目も当てられぬ激怒】攻撃ロールの直前に使用し、成功したらクリティカル扱いに。
【タイガ 従者 荷物持ち】
【持ち物】
食料4
金貨11
■登場人物
タイガ 主人公の人間の少年。もうすぐ11歳。フォルネとニャルラの二匹を連れて旅をしている。
フォルネ 銀毛で3本尻尾の妖狐。タイガに心酔している。
ニャルラ 星空色の毛並みの良い魔猫。気まぐれ。
コンスタンサ コーネリアス商会の令嬢。オウカンワシにさらわれた。
ヴァンダービルド コーネリアス商会の当主。目の前で娘をさらわれ、救援隊を編成。
ロイ 巨大樹のふもとで出会った冒険者のおじさん。
オウカンワシ 身体中に装飾品を身につけた巨大鳥。巨大樹の中腹に生息。
■作品情報
作品名:巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
著者:丹野佑
監修:紫隠ねこ、杉本=ヨハネ
発行所・発行元:FT書房
ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
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巨大樹の迷宮「ローグライクハーフ」d66シナリオ
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2026年1月20日火曜日
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5) FT新聞 No.4745
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5)
(明日槇 悠)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第5回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
内紛に汲々とするモンセギュール砦では、信者たちの精神的指導者同士が火花を散らしていた。ペルフェッチのベルトランと、ペルフェッチャのセシルである。
ベルトランの内偵としてセシル邸に遣わされたコルバは、長女フィリッパと鉢合わせ、妊娠中の子の父親はコルバの夫、領主レーモンだと知らされる。
しかし娘の告白にも、セシルを愛するコルバの心は動かされなかった。一方、セシルらを追い込みたいベルトランは射手ガルニエの恋心を利用しようとしていた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
C「(ルールブックを読み)手番のシーンの終わりにストーリーカードを引けるのはこのシーンまでである点に留意すること」
B「これがストーリーカード? 【啓示】とか色々あったりする……」
C「ああ! そうか」
D「これを引かないといけなかったんだ」
A「俺達はストーリーカードをすべて無視して……ノーヒントでアドリブで……(一同笑)。でもここまで来ると、脳が追いついてるし」
B「けっこう人間関係が面白くあるから」
C「もう大きく状況が変わってるからね」
B「(セシルのプレイヤーは背景シート:完徳者の説明を行う)救慰礼《コンソラメンテ》という儀式を行うことができるのは完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》だけで、儀式の聖性は完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》間で受け継がれるものだ。もし、あなたに救慰礼《コンソラメンテ》を施した完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》が誓約を破れば、あなたや、あなたが救慰礼《コンソラメンテ》を施した者、全員の聖性が失われてしまう。救慰礼《コンソラメンテ》で清められるのは一生で一度きりである。そのため、大半の者は死の直前に儀式を行う。そうすれば、再び不純な状態に戻る恐れがないからである。
……というわけで、死がヤバいなって人は、そろそろ救慰礼《コンソラメンテ》をしたがる時期になってくる」
A「だよね」
C「エスクラルモンドはしたがるかもしれない」
D「(ストーリーカードを見て)……使えない気がする。そんな真面目な話してないもんな。シーンカードは【ローズマリーのむせかえるような匂い】ということで。うーん、どうしようかな」
A「でも、Dがメインキャラで選んだアルセンドは、終わる前に質問を三つ掘り下げなくちゃいけない。他のキャラはどっちでもいいらしい」
D「あー、じゃあアルを出せばいいのか。質問の2と3はもうやったんで、あと1つだけか。【15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?】……あなたが手込めにしたわけじゃなくて、手込めにされちゃったわけ? じゃあどうしようかな。この場合、誰と会話をすればいい? じゃあ、アミエルに話すっていう体で」
Dアルセンド「アミエル。ちょっといいかしら」
Bアミエル「どうしたんだい、おばさん」
Dアルセンド「いやー。実はね、そのー……」
A「こいつアミエルにばっかり言うやん(笑)」
D「もうヤングケアラーなんすよ、アミエルは」
Dアルセンド「いやー、実はね、最近昔のことを思い出して、モヤモヤするのよね。私は、実はね、その……15歳のときに、ある人に手込めにされちゃったわけ」
Bアミエル「そ、そうなんだ」
Dアルセンド「うん」
A「(笑)もうすぐ死ぬからね! ヤバい状況だから、つい言っちゃって」
Dアルセンド「で……その人っていうのが……これはホント、あなたにしか話せないことで、とても他の人には話せないことなの。あなたはいい子だから、約束を守ってくれると思うけど、秘密にしてくれるかしら?」
Bアミエル「うん」
Dアルセンド「私が15歳のときに……私を手込めにしたのは……ベルトランなのね」
Bアミエル「ええーっ? あの……ベルトランさんが!?」
Dアルセンド「そう。彼はとても従順な信徒を装って、私にとても酷いことをしたのよ」
Bアミエル「そんな。酷すぎる」
Dアルセンド「これは絶対に他の人に言ってはいけません。いいわね?」
Bアミエル「分かったよ、おばさん」
B「じゃあ、いいですか。【鉄錆のような血の味】(シーンカードを出してナレーション権奪取)。先程の話を聞いたアミエルは、持っていた武器を更に尖らせて、何かあったときのためにと思って武器を研いでいました。今の彼には誰も信じることはできない」
A「そりゃそうだろ(笑)」
B「もしかしたら、あの人も、あの人も……みんな悪魔なのかもしれない。そうして作った武器を、自分の指を切ってみて切れ味を確かめると、その味を覚えて、アミエルは懐に刀の鞘と小刀を忍ばせて寝ることにしました」
A「また俺に回ってくるのね」
C「ストーリーカードも、一応……」
A「【魔女の術】。悪魔は醜き正体を露わにする。牛乳は酸っぱくなり、バターは攪拌されず、麦は不揃いに育つ。双頭のニワトリが生まれる。モンセギュールに呪いがかけられたのか? 何者かが、黒魔術に手を染めたのか? 悪魔の儀式こそが、モンセギュールを救うのか?
……なるほど。シーンカード【腐った馬の死骸の上を飛び回る蝿】を払いながら、ベルトランは士気高揚のために前線の戦士に声をかけていた。そこでロジェに声をかけられた」
Dピエール・ロジェ「ベルトラン様」
Aベルトラン「ああ……お前か。ロジェ君。こうなっては、貯蔵庫の兵糧もない。戦線も危うい。だがみんな頑張っている。前線の兵士を優遇するために、子供と妻子持ちに渡す兵糧を今の5分の1に減らそう。それ以外の敬虔なカタリ派の信徒に回そう。そして、妻子持ちと子供を除いた全ての前線にいる兵士、信徒たちを、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》にする。私が洗礼をしよう」
Dピエール・ロジェ「なるほど……。でも、子供は可哀想じゃないですか?」
Aベルトラン「(笑)まず可哀想というが、人間ではない。そもそもが。自立した意志を持たず、人の言葉に惑わされているだけの悪魔。可哀想という感情を持つのが、間違っている」
Dピエール・ロジェ「しかし……そうは言っても……私達も元は子供だったわけです」
Aベルトラン「何だお前、背教者か!(笑) 何だお前、背教者か!」
Dピエール・ロジェ「そういうわけではなくて、もう少しこう……手心をですね……与えてあげてもいいのでは」
Aベルトラン「ああ。じゃあこの話は後日」
Dピエール・ロジェ「分かりました……」
Aベルトラン「ガルニエ君!(一同笑) ガルニエ君」
Cガルニエ「はい。何でしょう!」
Aベルトラン「君……すまないね、わざわざ前線から。君、知ってるか、噂で」
Cガルニエ「何ですか?」
Aベルトラン「エスクラルモンドを……ロジェが手込めにしようとしている」
Cガルニエ「な何ですと!? 何ですとォ!? それは長官といえど、黙っておられません」
Aベルトラン「君、エスクラルモンドがなぜ君の誘いを受けないか分かるか? ロジェがエスクラルモンドに君の、悪口や、ありもしない前歴、素行を吹き込んでいるからだ」
Cガルニエ「そうだったのですか」
Aベルトラン「しかも、それをロジェにするように、ロジェがエスクラルモンドを手込めにできるように吹き込んだのは全部セシルだ。君がエスクラルモンドと世帯を持つには、ロジェと、セシルが、どう考えても、邪魔だ」
Cガルニエ「……確かに」
A ベルトラン「君ィー……前線指揮官が……敵の流れ矢に当たって死ぬというのは……おかしいことじゃないとは思わない?」
Cガルニエ「うーむ……」
Aベルトラン「こんなに混戦した戦場じゃあ、前から矢が刺さろうが、後ろから矢が刺さろうが……分からない。それに、私は君が敬虔な信者だって信じている。ロジェの背中に矢が刺さってロジェが死んでしまっても、それは、教皇軍のしわざだ。ガルニエ君! ……明日の戦場も頑張ってくれ」
Cガルニエ「わ、分かりました……」
C「ガルニエはそう言われても葛藤することでしょう」
◯Act3.運命の決戦(中篇) に続く……
●登場人物/3つの質問
アルセンド……娼婦。カタリ派の庇護者・トゥールーズ伯の親戚。ファイユとアミエルの叔母。
1. 15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?
2. あなたはどうやって、甥や姪の世話をしていくつもりか?
3. ピエール・ロジェと寝るとき、あなたは何を感じるか?
ガルニエ……傭兵。射手。モンセギュールからそう離れていないカモンの村で育った若い男性。
1. あなたはどれくらいの間、密かにエスクラルモンドのことを想い続けてきたか?
2. どうやってあなたは、傭兵および射手として、武器を扱う術を身につけたのか?
3. あなたにとって信仰にはどんな意味があるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
3〜6人用〔ゲームマスター不要〕/ ゲーム時間3〜5時間 / 15歳以上向
・ボックス版 税込3300円 ※電子書籍版同梱
https://booth.pm/ja/items/4828050
・電子書籍版 税込1100円
https://newgamesorder.booth.pm/items/4902669
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『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編(5)
(明日槇 悠)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
世にも稀な歴史をモチーフとしたGMいらずのナラティヴ・スタイルRPG、『モンセギュール1244』リプレイの第5回をお届けします。
本作は信仰等に関する繊細なテーマを扱っています。ロールプレイ上、現代の倫理観を欠いた表現をするところが多々ございます。
そうした表現にご不快を覚える方、それを予測された方は、その段階で当記事の閲覧を中止されますようお願いいたします。
◯これまでの『モンセギュール1244』リプレイ〜友達んち編は……
1208年、十字軍は異端カタリ派を匿ったベジエの街を攻撃。無差別的な殺戮が行われ、ベジエは陥落した。
繰り返される迫害を逃れたカタリ派の人々はフランス南部、ピレネー山脈の山頂部にコミュニティの拠点《モンセギュール砦》を築いた。
1243年5月、十字軍はモンセギュール包囲戦を開始。当初は楽観していたカタリ派の人々だが、戦局はじりじりと悪化の一途をたどる。
内紛に汲々とするモンセギュール砦では、信者たちの精神的指導者同士が火花を散らしていた。ペルフェッチのベルトランと、ペルフェッチャのセシルである。
ベルトランの内偵としてセシル邸に遣わされたコルバは、長女フィリッパと鉢合わせ、妊娠中の子の父親はコルバの夫、領主レーモンだと知らされる。
しかし娘の告白にも、セシルを愛するコルバの心は動かされなかった。一方、セシルらを追い込みたいベルトランは射手ガルニエの恋心を利用しようとしていた……。
◯プレイヤー紹介
Kei 構成作家。本文中のA。
木野誠太郎 小説家・ゲームシナリオライター。本文中のB。
明日槇悠 FT新聞編集部員。本文中のC。
小山 フォーエバーヤング。本文中のD。
プレイヤーは、キャラクター一覧の中から、少なくとも主要キャラクター1人、支援キャラクター1人を担当します。
キャラクターにはそれぞれ「3つの質問」が用意されており、この質問を元に、プレイヤーは担当キャラの肉付けをおこない、
プレイ終了までに少なくとも担当する主要キャラの質問にはすべて答えを出さなくてはなりません。
キャラクターの一覧や関係性については、ニューゲームズオーダー公式サイト内の「登場キャラクター」表を参照すると分かりやすいかと思われます。
(https://www.newgamesorder.jp/games/montsegur1244)
●本編
■Act3.運命の決戦 1244年1月
あらゆる希望がひとつ、またひとつと潰えていく。東塔が敵の手に落ちたのを皮切りに、アルビジョワ十字軍の部隊は、徐々にモンセギュール城塞の征服エリアを拡大していった。死と破壊の包囲網のさなか、城塞で暮らす人々は脱出という一縷の望みに賭けるようになった。
C「(ルールブックを読み)手番のシーンの終わりにストーリーカードを引けるのはこのシーンまでである点に留意すること」
B「これがストーリーカード? 【啓示】とか色々あったりする……」
C「ああ! そうか」
D「これを引かないといけなかったんだ」
A「俺達はストーリーカードをすべて無視して……ノーヒントでアドリブで……(一同笑)。でもここまで来ると、脳が追いついてるし」
B「けっこう人間関係が面白くあるから」
C「もう大きく状況が変わってるからね」
B「(セシルのプレイヤーは背景シート:完徳者の説明を行う)救慰礼《コンソラメンテ》という儀式を行うことができるのは完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》だけで、儀式の聖性は完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》間で受け継がれるものだ。もし、あなたに救慰礼《コンソラメンテ》を施した完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》が誓約を破れば、あなたや、あなたが救慰礼《コンソラメンテ》を施した者、全員の聖性が失われてしまう。救慰礼《コンソラメンテ》で清められるのは一生で一度きりである。そのため、大半の者は死の直前に儀式を行う。そうすれば、再び不純な状態に戻る恐れがないからである。
……というわけで、死がヤバいなって人は、そろそろ救慰礼《コンソラメンテ》をしたがる時期になってくる」
A「だよね」
C「エスクラルモンドはしたがるかもしれない」
D「(ストーリーカードを見て)……使えない気がする。そんな真面目な話してないもんな。シーンカードは【ローズマリーのむせかえるような匂い】ということで。うーん、どうしようかな」
A「でも、Dがメインキャラで選んだアルセンドは、終わる前に質問を三つ掘り下げなくちゃいけない。他のキャラはどっちでもいいらしい」
D「あー、じゃあアルを出せばいいのか。質問の2と3はもうやったんで、あと1つだけか。【15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?】……あなたが手込めにしたわけじゃなくて、手込めにされちゃったわけ? じゃあどうしようかな。この場合、誰と会話をすればいい? じゃあ、アミエルに話すっていう体で」
Dアルセンド「アミエル。ちょっといいかしら」
Bアミエル「どうしたんだい、おばさん」
Dアルセンド「いやー。実はね、そのー……」
A「こいつアミエルにばっかり言うやん(笑)」
D「もうヤングケアラーなんすよ、アミエルは」
Dアルセンド「いやー、実はね、最近昔のことを思い出して、モヤモヤするのよね。私は、実はね、その……15歳のときに、ある人に手込めにされちゃったわけ」
Bアミエル「そ、そうなんだ」
Dアルセンド「うん」
A「(笑)もうすぐ死ぬからね! ヤバい状況だから、つい言っちゃって」
Dアルセンド「で……その人っていうのが……これはホント、あなたにしか話せないことで、とても他の人には話せないことなの。あなたはいい子だから、約束を守ってくれると思うけど、秘密にしてくれるかしら?」
Bアミエル「うん」
Dアルセンド「私が15歳のときに……私を手込めにしたのは……ベルトランなのね」
Bアミエル「ええーっ? あの……ベルトランさんが!?」
Dアルセンド「そう。彼はとても従順な信徒を装って、私にとても酷いことをしたのよ」
Bアミエル「そんな。酷すぎる」
Dアルセンド「これは絶対に他の人に言ってはいけません。いいわね?」
Bアミエル「分かったよ、おばさん」
B「じゃあ、いいですか。【鉄錆のような血の味】(シーンカードを出してナレーション権奪取)。先程の話を聞いたアミエルは、持っていた武器を更に尖らせて、何かあったときのためにと思って武器を研いでいました。今の彼には誰も信じることはできない」
A「そりゃそうだろ(笑)」
B「もしかしたら、あの人も、あの人も……みんな悪魔なのかもしれない。そうして作った武器を、自分の指を切ってみて切れ味を確かめると、その味を覚えて、アミエルは懐に刀の鞘と小刀を忍ばせて寝ることにしました」
A「また俺に回ってくるのね」
C「ストーリーカードも、一応……」
A「【魔女の術】。悪魔は醜き正体を露わにする。牛乳は酸っぱくなり、バターは攪拌されず、麦は不揃いに育つ。双頭のニワトリが生まれる。モンセギュールに呪いがかけられたのか? 何者かが、黒魔術に手を染めたのか? 悪魔の儀式こそが、モンセギュールを救うのか?
……なるほど。シーンカード【腐った馬の死骸の上を飛び回る蝿】を払いながら、ベルトランは士気高揚のために前線の戦士に声をかけていた。そこでロジェに声をかけられた」
Dピエール・ロジェ「ベルトラン様」
Aベルトラン「ああ……お前か。ロジェ君。こうなっては、貯蔵庫の兵糧もない。戦線も危うい。だがみんな頑張っている。前線の兵士を優遇するために、子供と妻子持ちに渡す兵糧を今の5分の1に減らそう。それ以外の敬虔なカタリ派の信徒に回そう。そして、妻子持ちと子供を除いた全ての前線にいる兵士、信徒たちを、完徳者《ペルフェッチ/ペルフェッチャ》にする。私が洗礼をしよう」
Dピエール・ロジェ「なるほど……。でも、子供は可哀想じゃないですか?」
Aベルトラン「(笑)まず可哀想というが、人間ではない。そもそもが。自立した意志を持たず、人の言葉に惑わされているだけの悪魔。可哀想という感情を持つのが、間違っている」
Dピエール・ロジェ「しかし……そうは言っても……私達も元は子供だったわけです」
Aベルトラン「何だお前、背教者か!(笑) 何だお前、背教者か!」
Dピエール・ロジェ「そういうわけではなくて、もう少しこう……手心をですね……与えてあげてもいいのでは」
Aベルトラン「ああ。じゃあこの話は後日」
Dピエール・ロジェ「分かりました……」
Aベルトラン「ガルニエ君!(一同笑) ガルニエ君」
Cガルニエ「はい。何でしょう!」
Aベルトラン「君……すまないね、わざわざ前線から。君、知ってるか、噂で」
Cガルニエ「何ですか?」
Aベルトラン「エスクラルモンドを……ロジェが手込めにしようとしている」
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Aベルトラン「君、エスクラルモンドがなぜ君の誘いを受けないか分かるか? ロジェがエスクラルモンドに君の、悪口や、ありもしない前歴、素行を吹き込んでいるからだ」
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A ベルトラン「君ィー……前線指揮官が……敵の流れ矢に当たって死ぬというのは……おかしいことじゃないとは思わない?」
Cガルニエ「うーむ……」
Aベルトラン「こんなに混戦した戦場じゃあ、前から矢が刺さろうが、後ろから矢が刺さろうが……分からない。それに、私は君が敬虔な信者だって信じている。ロジェの背中に矢が刺さってロジェが死んでしまっても、それは、教皇軍のしわざだ。ガルニエ君! ……明日の戦場も頑張ってくれ」
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C「ガルニエはそう言われても葛藤することでしょう」
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●登場人物/3つの質問
アルセンド……娼婦。カタリ派の庇護者・トゥールーズ伯の親戚。ファイユとアミエルの叔母。
1. 15歳のとき、あなたを手込めにしたのは誰か?
2. あなたはどうやって、甥や姪の世話をしていくつもりか?
3. ピエール・ロジェと寝るとき、あなたは何を感じるか?
ガルニエ……傭兵。射手。モンセギュールからそう離れていないカモンの村で育った若い男性。
1. あなたはどれくらいの間、密かにエスクラルモンドのことを想い続けてきたか?
2. どうやってあなたは、傭兵および射手として、武器を扱う術を身につけたのか?
3. あなたにとって信仰にはどんな意味があるのか?
■作品情報
・Montsegur 1244(モンセギュール1244)
Frederik J. Jensen (フレデリック・J・イェンセン) 著 / 岡和田 晃 訳
モダン・ナラティブRPG
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2026年1月19日月曜日
☆『ガルアーダの塔RLH』先行告知☆ FT新聞 No.4744
おはようございます、自宅の書斎から杉本です。
冬ながら暖かい日が続き、助かりますね☆
今日の記事は来月からはじまる日曜配信のローグライクハーフシナリオ『ガルアーダの塔』の先行告知です!
◆サイズ。
『ガルアーダの塔RLH』は公式作品における、過去最大サイズでお届けする最新シナリオです!
通常のd66シナリオでは3回の冒険で、〈できごと〉の総数は42個。
『ガルアーダの塔』の場合、9階の冒険で〈できごと〉は116個になります☆
具体的な遊び方が普段と少し異なっておりますので、ここでその説明をば。
◆一の位が〈できごと〉の種類(仕様変更)。
これまでに出してきた「ローグライクハーフ」のd66シナリオは、十の位の数字が〈できごと〉の種類を示していました。
たとえば、十の位が6であれば〈強いクリーチャー〉が登場する、といった次第です。
『ガルアーダの塔』では、一の位が〈できごと〉の種類を決定する、というルールに変更されます。
たとえば、出目26は、もともとのルールでは、十の位が2なので〈中立または友好的なクリーチャー〉が出現する出目です。
しかし、『ガルアーダの塔』では、一の位が6であるため〈強いクリーチャー〉が登場する出目となるわけです。
『手がかり』によって十の位が1になるという仕様も、一の位が1になるという特別ルールに変更されます。
◆ルール変更。
以上が「仕様」の変更です。
こうした理由でもある「ルール変更」の話に入りますね。
『ガルアーダの塔』では、「冒険のクリア回数×10を〈できごと〉の出目に足す」というルールで運用されます。
たとえば、3回目の冒険では、冒険を2回クリアしています。
この場合、〈できごと〉の出目に20を足す、というルールです。
出目が32だったら出目52になり、出目61だったら出目81になるわけです。
『ガルアーダの塔』は全9回の冒険ですので、十の位が14まで存在するシナリオになるわけです(もはや、十の位に収まりきれていませんね)。
◆「宝物庫」への道。
もうひとつの仕様変更は、この話の延長線上にあります。
『ガルアーダの塔』には、一の位の出目が「6」ではなく「7」まであります。
一の位の出目が7のとき、主人公は「宝物庫」へとたどり着くことができます。
でも、六面体サイコロの出目は6までしかありませんよね?
どうやって、出目7を生み出すのでしょうか。
基本的な方法は「同じ出目を出す」ことです。
たとえば、出目56を振って、そこにいる〈強いクリーチャー〉を倒したとします。
次に出目56を振ると、基本ルールに従って「出目56の次の出目を参照する」ことになります。
出目56の次の目は出目57ですから、宝物庫にたどり着くことができるというわけです。
◆町と回復。
『ガルアーダの塔』は90階もの高さがあり、冒険ごとに都市に戻ることは現実的ではありません。
冒険ごとに確実に回復できる能力値の総量はたった2点で、【生命点】や【副能力値】にこれを振り分けます。
少ない! ですね★
完全なる回復はできませんが、2回目以降の各冒険開始時に、塔内にある「町」に立ち寄ることができます。
ここで金貨を支払って宿に泊まることで追加の回復をすることもできますし、食堂では食事をすることができます。
装備品や従者も、ここで補うことができるでしょう。
◆ゲームブック版との違いと【味方】。
『ガルアーダの塔』配信版では、ゲームブック版とは異なり、固有の主人公を中心とした物語は展開しません。
TRPGの基本として、主人公はあなたのキャラクターです。
ゲームブック版に登場した「剣術学校の仲間たち」は、同行している場合にプラスのある【味方】として登場します。
【味方】は従者とは異なり、何人でも連れていくことができます。
作品の評判がよく、製品版を作ることが決まった際には、ゲームブック版の主人公であった「オレニアックス剣術学校出身の剣士である『君』」を真ん中に置いたストーリーを作ることを検討していますが……これは未定です★
◆まとめ。
出目表、回復、【味方】。
巨大な『ガルアーダの塔』を表現するために必要なルールとして準備した、3つの「特別ルール」のご紹介でした。
それではまた!
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冬ながら暖かい日が続き、助かりますね☆
今日の記事は来月からはじまる日曜配信のローグライクハーフシナリオ『ガルアーダの塔』の先行告知です!
◆サイズ。
『ガルアーダの塔RLH』は公式作品における、過去最大サイズでお届けする最新シナリオです!
通常のd66シナリオでは3回の冒険で、〈できごと〉の総数は42個。
『ガルアーダの塔』の場合、9階の冒険で〈できごと〉は116個になります☆
具体的な遊び方が普段と少し異なっておりますので、ここでその説明をば。
◆一の位が〈できごと〉の種類(仕様変更)。
これまでに出してきた「ローグライクハーフ」のd66シナリオは、十の位の数字が〈できごと〉の種類を示していました。
たとえば、十の位が6であれば〈強いクリーチャー〉が登場する、といった次第です。
『ガルアーダの塔』では、一の位が〈できごと〉の種類を決定する、というルールに変更されます。
たとえば、出目26は、もともとのルールでは、十の位が2なので〈中立または友好的なクリーチャー〉が出現する出目です。
しかし、『ガルアーダの塔』では、一の位が6であるため〈強いクリーチャー〉が登場する出目となるわけです。
『手がかり』によって十の位が1になるという仕様も、一の位が1になるという特別ルールに変更されます。
◆ルール変更。
以上が「仕様」の変更です。
こうした理由でもある「ルール変更」の話に入りますね。
『ガルアーダの塔』では、「冒険のクリア回数×10を〈できごと〉の出目に足す」というルールで運用されます。
たとえば、3回目の冒険では、冒険を2回クリアしています。
この場合、〈できごと〉の出目に20を足す、というルールです。
出目が32だったら出目52になり、出目61だったら出目81になるわけです。
『ガルアーダの塔』は全9回の冒険ですので、十の位が14まで存在するシナリオになるわけです(もはや、十の位に収まりきれていませんね)。
◆「宝物庫」への道。
もうひとつの仕様変更は、この話の延長線上にあります。
『ガルアーダの塔』には、一の位の出目が「6」ではなく「7」まであります。
一の位の出目が7のとき、主人公は「宝物庫」へとたどり着くことができます。
でも、六面体サイコロの出目は6までしかありませんよね?
どうやって、出目7を生み出すのでしょうか。
基本的な方法は「同じ出目を出す」ことです。
たとえば、出目56を振って、そこにいる〈強いクリーチャー〉を倒したとします。
次に出目56を振ると、基本ルールに従って「出目56の次の出目を参照する」ことになります。
出目56の次の目は出目57ですから、宝物庫にたどり着くことができるというわけです。
◆町と回復。
『ガルアーダの塔』は90階もの高さがあり、冒険ごとに都市に戻ることは現実的ではありません。
冒険ごとに確実に回復できる能力値の総量はたった2点で、【生命点】や【副能力値】にこれを振り分けます。
少ない! ですね★
完全なる回復はできませんが、2回目以降の各冒険開始時に、塔内にある「町」に立ち寄ることができます。
ここで金貨を支払って宿に泊まることで追加の回復をすることもできますし、食堂では食事をすることができます。
装備品や従者も、ここで補うことができるでしょう。
◆ゲームブック版との違いと【味方】。
『ガルアーダの塔』配信版では、ゲームブック版とは異なり、固有の主人公を中心とした物語は展開しません。
TRPGの基本として、主人公はあなたのキャラクターです。
ゲームブック版に登場した「剣術学校の仲間たち」は、同行している場合にプラスのある【味方】として登場します。
【味方】は従者とは異なり、何人でも連れていくことができます。
作品の評判がよく、製品版を作ることが決まった際には、ゲームブック版の主人公であった「オレニアックス剣術学校出身の剣士である『君』」を真ん中に置いたストーリーを作ることを検討していますが……これは未定です★
◆まとめ。
出目表、回復、【味方】。
巨大な『ガルアーダの塔』を表現するために必要なルールとして準備した、3つの「特別ルール」のご紹介でした。
それではまた!
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2026年1月18日日曜日
Re:アランツァワールドガイド Vol.1 「水上都市聖フランチェスコ FT新聞 No.4743
おはようございます。
FT新聞編集長の水波です。
2月以降の日曜枠で配信予定の、杉本=ヨハネによるローグライクハーフ版「ガルアーダの塔」
水上都市・聖フランチェスコが舞台です。
それに伴って、以前配信しましたアランツァワールドガイドを再配信いたします。
(少しだけ改訂箇所もあり)
ぜひ冒険の舞台を想像して、楽しみにお待ちください!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
子どもたちが走りまわり、キャッキャと笑い合っている。
水路に落ちないように注意する母親の大声が聞こえる。
子ぼんのうなグラント教授はその声を聞きながら、長いまつ毛の奥にある優しい視線を親子に送る。
見知らぬラクダ人から送られる暖かい気持ちに子どもたちが気づくはずもなく、また走り出しては楽しげに笑う。
カメル・グラントはここ、水上都市聖フランチェスコ市にあるオレニアックス剣術学校で、生物学を教えている。
少数種族のラクダ人で、上唇が左右に割れているためみっつの唇をもつ。
下唇、右上唇、左上唇。
背中には盛り上がったコブがわずかに残り、体毛は濃い茶色だが本物のラクダのように濃くはない。
辛抱づよく、子どもたちが好きで、知的探究心に満ちた心の持ち主だ。
かつて世界を旅してきた彼は、いままた旅に出ようとしている。
◆「アランツァワールドガイド」へようこそ!
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です。
「FT書房のゲームブック世界を、紹介してほしい」
17年間、何度このご要望をいただいてきたか分かりません。
若い頃はこう答えていました。
「ゲームブックをやってもらったら、分かるよ」
と。
しかしこれは、なんと尖った答えなのでしょう。
ゲームブックはすべてのルートを通って遊ぶわけではありません。
この娯楽過多な時代に、自分の作品を隅から隅まで読んでもらうことを前提にしているとは……前のめりすぎて物事が見えていなかったなと思います。
今はさすがに考えが変わりました。
歳を重ね、もう少し物事が見えるようになってきた今。
読者の方がFT書房のゲームブックを通じて、「もっと世界を知りたい」と思ってくださることが増えた今。
「ローグライクハーフ」が配信されて、「アランツァTRPG」の刊行を未来に控えている今。
背景世界を読み、知っていただくのにふさわしいタイミングが来たのだと思います。
この作品は過去に配信された記事「オレニアックス生物学」で教師を務めたカメル・グラント教授が主人公です。
諸都市を旅する彼からの視点と地の文章のふたつを通じて、アランツァをご紹介してまいります。
記念すべき第1回の記事は「水上都市聖フランチェスコ」です。
さっそく、まいりましょう。
◆旅立ち。
水上都市の冬はアランツァのなかでは恵まれているほうだ。
大陸西方にある砂漠の地で生まれ育ったグラント教授は、そう思っていた。
貧しい一家に生まれた彼は高齢の両親を看取った後に、弟とともに故郷を出た。
諸都市を旅した後に、聖フランチェスコで職を見つけてオレニアックス剣術学校の講師となった。
オレニアックス剣術学校はもともと剣術を教える学校であったが、少数精鋭のエリート育成クラスが今はある。
世界を見てきた貴重な存在として、彼はそこで「生物学」を教えてきた。
モンスターを中心にした授業である。
今年、彼は生物学の授業を休講にして旅に出る。
職を辞するわけではない。
その学問の性質上、フィールドワークが欠かせないのだ。
モンスターを中心に扱う授業では、世界はいちど見てまわれば十分と考える向きもある。
しかし、実際にはそうではない。
彼が教えるのはモンスターの性質だけではない……冒険者として未知の危険に対抗する手段や、現地の人間たちがどのように対応しているかの知識なども、同時に身につけられるように教える必要があるのだ。
冬が終わる前に、カメルは出立しようと思っていた。
◆出立。
聖フランチェスコ市の気候は一年を通じて安定している。
冬は曇りの日が多いものの、雪が降ることはほとんどない。
街は高い城壁でぐるりと囲まれていて、モンスターに突破されたことはない。
街のなかには水路が巡らされていて、ゴンドラで移動ができる。
穀物スコップ大通りを歩く。
笑い合う人々の声を聞きながら、カメルは奇妙な気持ちになる。
考えてみれば、ここはこの世界のなかでも異質な空間だ。
アランツァにはたくさんの水路がある、なんなら陸路よりも盛んに使われているぐらいだ。
だが、その水路が街じゅうに張り巡らされている街はそう多くない。
◆街の中央にあるみっつの広場。
聖フランチェスコの中央には、みっつの広場が連なっている。
西から「道化師広場」「藍玉広場」「天使広場」だ。
「道化師広場」では一年中テントが張られていて、サーカスを見ることができる。
この街ではサーカスが盛んだ……悪名高いウォー・ジェスター(※)は、かつて聖フランチェスコの宮廷道化師だったという。
「藍玉広場」は天気のいい日には夕方になると、美しい藍色に染まることでその名がついた。
「天使の広場」はもよおしものが開催されるときに使われる場所で、「天使の花嫁」と呼ばれる祭日のイベントからその名が来ている(※※)。
◆オレニアックス聖池。
「この池はね、聖フランチェスコ市を流れる水が、最初に領内に流れ込む場所なんだよ。かつてここを支配していた黄金の龍を、天使ハナエルが手をかざして従えさせて、それで池の水を使えるようになった。それが、聖フランチェスコ市のはじまりの物語なんだ」
──ハナ・ヴィトリッチの言葉 『水上都市の祭日』 340パラグラフより
この街でもっとも目を引く存在は、巨大な黄金の龍だろう。
像ではない、本物の龍だ。
といってもほとんど眠っていて、起きているところを見たことのない住民もいるほどだ。
黄金龍は名前をオレニアックスといって、賢く、そして容赦のない龍である。
この街と龍がもっと若かった頃、数多くの外敵と戦い、街を守ってきてくれた。
この龍は人を食わず、黄金を食料とする。
龍にしては性格が温和で、恐怖ではなく契約によって街との関係性を樹立したのだ。
だが、今は食料の黄金も食べず、聖なる池の前でほとんどの時間を眠っている。
◆罪人(つみびと)の輪。
手続きを済ませて、カメルは街の外に出る。
街の外壁には鉄の輪がぶら下がっている。
「罪人の輪」だ。
聖フランチェスコはその名のとおり非常に宗教的な都市で、罪を犯した者も悔い改める姿勢があれば、街の中に入れてもらうことができた。だが街の門は日中しか開いておらず、夜の間に逃げ込んできた罪人たちは、追っ手の前に命を落とした。
その状況を嘆いた聖フランチェスコは、王に頼み街の南側にいくつもの鉄の輪を設けた。「この輪にぶら下がる者は、ぶら下がっている間は罪を問われない。」種族、人種、民族を問わず、聖フランチェスコと王はそう定めたという。
──『闇の森を抜けて』 82パラグラフより
信仰心を持たないカメルには、その輪が奇妙なものに見えた。
この輪の効力を守るため、フランチェスコの王は街の外に住む他種族に対しても「この輪にぶら下がるものに危害を加えた場合、聖フランチェスコへの宣戦布告となる」と知らせてきたという。
この輪はアジール(統治領域の及ばない「無縁所」)とみなされているが、実際にはそうではない。
聖フランチェスコの力によって、守られているのだ。
カメルは街を一瞥すると、前を向いた。
そこから先は、振り返らなかった。
◆補足1:「闇の森」。
聖フランチェスコは公平にみて、アランツァでもっとも恵まれた土地のひとつと言えます。
北にはポートス川を挟んで砂漠地帯があり、南には闇の森が広がっています。
西は海に面していて、東に抜ける主街道だけが他の都市につながっています。
気候に恵まれながら、他種族の侵略も受けづらい地理的優位を有しているのです。
聖フランチェスコの南側には、「闇の森」と呼ばれる森林地帯が広がっています。
正式名称は黒森。
大陸東部にある「還らずの森」と同じく、黒っぽい幹と葉をもつ木(黒木=ブラックツリー)がこの名称の由来です。
森のなかにはゴブリン、犬人、ホブゴブリンなどが生息します。
犬人とホブゴブリンは非友好的ではあるものの、聖フランチェスコとは中立の立場をとっています。
信頼できるとみなされれば、交易も可能でしょう。
ゴブリンは「ゴロゾフ」の名前で知られる一族が幅を効かせています。
他の地域よりも小柄で素早く、数が多いため厄介です。
彼らは一般的なゴブリンよりも繁殖力が高いため、森のあちこちで見かけるでしょう。
とはいえ、1匹1匹の強さは大したことがありません。
◆補足2:水路、ポートス川、アリクララ湖。
ここは街のなかだけでなく、近隣地域も水に恵まれています。
聖フランチェスコに面した西側の海から、海路を使ってサラザール地方に移動することができます。
また、ポートス川をさかのぼっていくことで、商業都市ナゴールへの主街道を使うよりも早く、安全に移動して、かえる沼の南端、桜森の北端にあるベルトラン村まで移動することができます。
これらの水路に大きな危険はありませんが、ポートス川の北にあるアリクララ湖に行った場合には話は別です。
この湖には肉食の巨大イカが生息しています。
イカの大きさはさまざまで、大きくなるほどその数は減っていきます。
ごくまれに、とてつもなく大きく成長することがあり、そうした場合にはクラーケンと呼ばれます。
クラーケンは危険な巨大生物ですが、アリクララ湖畔に住むイルフムの町の住民ですら、遭遇することなく一生を終えることの方が多いでしょう。
◆補足3(加筆):芸術の都。
聖フランチェスコは芸術の都です。
音楽の都として有名なのは自治都市トーンですが、聖フランチェスコは美術、工芸、建築で有名です。
ガラス細工や仮面などの工芸品も有名ですし、多くの有名画家を抱えるパトロンとして「ヴィトリッチ家」が知られています。
建築に関しては歴史あるチャマイに次いで、繊細かつ美しい大聖堂や噴水広場が観光名所として存在します。
◆まとめ。
カメルの旅がはじまりました。
このラクダ人はこれから「商業都市ナゴール」へと向かいますが、次にご紹介するのはナゴールではありません。
「ローグライクハーフ」の2ndシナリオ『混沌迷宮の試練』の配信に合わせて、時系列を飛ばして「混沌都市ゴーブ」をご紹介いたします。
それではまた!
アランツァ世界地図↓
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png
この地域に関連するゲームブック作品……『水上都市の祭日』『闇の森を抜けて』『ガルアーダの塔』
この地域に関連する「ローグライクハーフ」シナリオ……『黄昏の騎士』
※……ウォー・ジェスターはアランツァ世界に存在する熟練の傭兵。道化師のような仮面を着用する。超人的な身体能力をもち、板金鎧を着けたまま跳躍することもある。
※※……詳しくは「天使の花嫁」の祭日を描いた作品『水上都市の祭日』を参照。
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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子どもたちが走りまわり、キャッキャと笑い合っている。
水路に落ちないように注意する母親の大声が聞こえる。
子ぼんのうなグラント教授はその声を聞きながら、長いまつ毛の奥にある優しい視線を親子に送る。
見知らぬラクダ人から送られる暖かい気持ちに子どもたちが気づくはずもなく、また走り出しては楽しげに笑う。
カメル・グラントはここ、水上都市聖フランチェスコ市にあるオレニアックス剣術学校で、生物学を教えている。
少数種族のラクダ人で、上唇が左右に割れているためみっつの唇をもつ。
下唇、右上唇、左上唇。
背中には盛り上がったコブがわずかに残り、体毛は濃い茶色だが本物のラクダのように濃くはない。
辛抱づよく、子どもたちが好きで、知的探究心に満ちた心の持ち主だ。
かつて世界を旅してきた彼は、いままた旅に出ようとしている。
◆「アランツァワールドガイド」へようこそ!
おはようございます、枚方市のスターバックスから杉本です。
「FT書房のゲームブック世界を、紹介してほしい」
17年間、何度このご要望をいただいてきたか分かりません。
若い頃はこう答えていました。
「ゲームブックをやってもらったら、分かるよ」
と。
しかしこれは、なんと尖った答えなのでしょう。
ゲームブックはすべてのルートを通って遊ぶわけではありません。
この娯楽過多な時代に、自分の作品を隅から隅まで読んでもらうことを前提にしているとは……前のめりすぎて物事が見えていなかったなと思います。
今はさすがに考えが変わりました。
歳を重ね、もう少し物事が見えるようになってきた今。
読者の方がFT書房のゲームブックを通じて、「もっと世界を知りたい」と思ってくださることが増えた今。
「ローグライクハーフ」が配信されて、「アランツァTRPG」の刊行を未来に控えている今。
背景世界を読み、知っていただくのにふさわしいタイミングが来たのだと思います。
この作品は過去に配信された記事「オレニアックス生物学」で教師を務めたカメル・グラント教授が主人公です。
諸都市を旅する彼からの視点と地の文章のふたつを通じて、アランツァをご紹介してまいります。
記念すべき第1回の記事は「水上都市聖フランチェスコ」です。
さっそく、まいりましょう。
◆旅立ち。
水上都市の冬はアランツァのなかでは恵まれているほうだ。
大陸西方にある砂漠の地で生まれ育ったグラント教授は、そう思っていた。
貧しい一家に生まれた彼は高齢の両親を看取った後に、弟とともに故郷を出た。
諸都市を旅した後に、聖フランチェスコで職を見つけてオレニアックス剣術学校の講師となった。
オレニアックス剣術学校はもともと剣術を教える学校であったが、少数精鋭のエリート育成クラスが今はある。
世界を見てきた貴重な存在として、彼はそこで「生物学」を教えてきた。
モンスターを中心にした授業である。
今年、彼は生物学の授業を休講にして旅に出る。
職を辞するわけではない。
その学問の性質上、フィールドワークが欠かせないのだ。
モンスターを中心に扱う授業では、世界はいちど見てまわれば十分と考える向きもある。
しかし、実際にはそうではない。
彼が教えるのはモンスターの性質だけではない……冒険者として未知の危険に対抗する手段や、現地の人間たちがどのように対応しているかの知識なども、同時に身につけられるように教える必要があるのだ。
冬が終わる前に、カメルは出立しようと思っていた。
◆出立。
聖フランチェスコ市の気候は一年を通じて安定している。
冬は曇りの日が多いものの、雪が降ることはほとんどない。
街は高い城壁でぐるりと囲まれていて、モンスターに突破されたことはない。
街のなかには水路が巡らされていて、ゴンドラで移動ができる。
穀物スコップ大通りを歩く。
笑い合う人々の声を聞きながら、カメルは奇妙な気持ちになる。
考えてみれば、ここはこの世界のなかでも異質な空間だ。
アランツァにはたくさんの水路がある、なんなら陸路よりも盛んに使われているぐらいだ。
だが、その水路が街じゅうに張り巡らされている街はそう多くない。
◆街の中央にあるみっつの広場。
聖フランチェスコの中央には、みっつの広場が連なっている。
西から「道化師広場」「藍玉広場」「天使広場」だ。
「道化師広場」では一年中テントが張られていて、サーカスを見ることができる。
この街ではサーカスが盛んだ……悪名高いウォー・ジェスター(※)は、かつて聖フランチェスコの宮廷道化師だったという。
「藍玉広場」は天気のいい日には夕方になると、美しい藍色に染まることでその名がついた。
「天使の広場」はもよおしものが開催されるときに使われる場所で、「天使の花嫁」と呼ばれる祭日のイベントからその名が来ている(※※)。
◆オレニアックス聖池。
「この池はね、聖フランチェスコ市を流れる水が、最初に領内に流れ込む場所なんだよ。かつてここを支配していた黄金の龍を、天使ハナエルが手をかざして従えさせて、それで池の水を使えるようになった。それが、聖フランチェスコ市のはじまりの物語なんだ」
──ハナ・ヴィトリッチの言葉 『水上都市の祭日』 340パラグラフより
この街でもっとも目を引く存在は、巨大な黄金の龍だろう。
像ではない、本物の龍だ。
といってもほとんど眠っていて、起きているところを見たことのない住民もいるほどだ。
黄金龍は名前をオレニアックスといって、賢く、そして容赦のない龍である。
この街と龍がもっと若かった頃、数多くの外敵と戦い、街を守ってきてくれた。
この龍は人を食わず、黄金を食料とする。
龍にしては性格が温和で、恐怖ではなく契約によって街との関係性を樹立したのだ。
だが、今は食料の黄金も食べず、聖なる池の前でほとんどの時間を眠っている。
◆罪人(つみびと)の輪。
手続きを済ませて、カメルは街の外に出る。
街の外壁には鉄の輪がぶら下がっている。
「罪人の輪」だ。
聖フランチェスコはその名のとおり非常に宗教的な都市で、罪を犯した者も悔い改める姿勢があれば、街の中に入れてもらうことができた。だが街の門は日中しか開いておらず、夜の間に逃げ込んできた罪人たちは、追っ手の前に命を落とした。
その状況を嘆いた聖フランチェスコは、王に頼み街の南側にいくつもの鉄の輪を設けた。「この輪にぶら下がる者は、ぶら下がっている間は罪を問われない。」種族、人種、民族を問わず、聖フランチェスコと王はそう定めたという。
──『闇の森を抜けて』 82パラグラフより
信仰心を持たないカメルには、その輪が奇妙なものに見えた。
この輪の効力を守るため、フランチェスコの王は街の外に住む他種族に対しても「この輪にぶら下がるものに危害を加えた場合、聖フランチェスコへの宣戦布告となる」と知らせてきたという。
この輪はアジール(統治領域の及ばない「無縁所」)とみなされているが、実際にはそうではない。
聖フランチェスコの力によって、守られているのだ。
カメルは街を一瞥すると、前を向いた。
そこから先は、振り返らなかった。
◆補足1:「闇の森」。
聖フランチェスコは公平にみて、アランツァでもっとも恵まれた土地のひとつと言えます。
北にはポートス川を挟んで砂漠地帯があり、南には闇の森が広がっています。
西は海に面していて、東に抜ける主街道だけが他の都市につながっています。
気候に恵まれながら、他種族の侵略も受けづらい地理的優位を有しているのです。
聖フランチェスコの南側には、「闇の森」と呼ばれる森林地帯が広がっています。
正式名称は黒森。
大陸東部にある「還らずの森」と同じく、黒っぽい幹と葉をもつ木(黒木=ブラックツリー)がこの名称の由来です。
森のなかにはゴブリン、犬人、ホブゴブリンなどが生息します。
犬人とホブゴブリンは非友好的ではあるものの、聖フランチェスコとは中立の立場をとっています。
信頼できるとみなされれば、交易も可能でしょう。
ゴブリンは「ゴロゾフ」の名前で知られる一族が幅を効かせています。
他の地域よりも小柄で素早く、数が多いため厄介です。
彼らは一般的なゴブリンよりも繁殖力が高いため、森のあちこちで見かけるでしょう。
とはいえ、1匹1匹の強さは大したことがありません。
◆補足2:水路、ポートス川、アリクララ湖。
ここは街のなかだけでなく、近隣地域も水に恵まれています。
聖フランチェスコに面した西側の海から、海路を使ってサラザール地方に移動することができます。
また、ポートス川をさかのぼっていくことで、商業都市ナゴールへの主街道を使うよりも早く、安全に移動して、かえる沼の南端、桜森の北端にあるベルトラン村まで移動することができます。
これらの水路に大きな危険はありませんが、ポートス川の北にあるアリクララ湖に行った場合には話は別です。
この湖には肉食の巨大イカが生息しています。
イカの大きさはさまざまで、大きくなるほどその数は減っていきます。
ごくまれに、とてつもなく大きく成長することがあり、そうした場合にはクラーケンと呼ばれます。
クラーケンは危険な巨大生物ですが、アリクララ湖畔に住むイルフムの町の住民ですら、遭遇することなく一生を終えることの方が多いでしょう。
◆補足3(加筆):芸術の都。
聖フランチェスコは芸術の都です。
音楽の都として有名なのは自治都市トーンですが、聖フランチェスコは美術、工芸、建築で有名です。
ガラス細工や仮面などの工芸品も有名ですし、多くの有名画家を抱えるパトロンとして「ヴィトリッチ家」が知られています。
建築に関しては歴史あるチャマイに次いで、繊細かつ美しい大聖堂や噴水広場が観光名所として存在します。
◆まとめ。
カメルの旅がはじまりました。
このラクダ人はこれから「商業都市ナゴール」へと向かいますが、次にご紹介するのはナゴールではありません。
「ローグライクハーフ」の2ndシナリオ『混沌迷宮の試練』の配信に合わせて、時系列を飛ばして「混沌都市ゴーブ」をご紹介いたします。
それではまた!
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この地域に関連するゲームブック作品……『水上都市の祭日』『闇の森を抜けて』『ガルアーダの塔』
この地域に関連する「ローグライクハーフ」シナリオ……『黄昏の騎士』
※……ウォー・ジェスターはアランツァ世界に存在する熟練の傭兵。道化師のような仮面を着用する。超人的な身体能力をもち、板金鎧を着けたまま跳躍することもある。
※※……詳しくは「天使の花嫁」の祭日を描いた作品『水上都市の祭日』を参照。
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ぜひ、ご感想・お叱りなど一言ご意見ください。m(_ _)m
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編集: 水波流、葉山海月、中山将平、明日槇悠、天狗ろむ、くろやなぎ
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2026年1月17日土曜日
FT新聞1ウィーク! 第675号 FT新聞 No.4742
From:水波流
成人の日は、我が家の近所は七福神巡りが催されて、人通りの多い日でした。
泉涌寺の塔頭だけで、七福神全て+愛染明王、楊貴妃観音と9つを巡れるので、お手軽な祭事です。
こういうの、ついファンタジーのシナリオだったらと考えてしまいますね。
From:明日槇悠
自転車で往復6時間のささやかな旅路。
まっすぐ行けそうな道でも電車に阻まれたり、大型店舗の迷路のような敷地に入り込んだり、方角が体感と違っていたり。
アドベンチャー気分のお供には、ヘルメットや防寒具といった装備品も大切! おかげで全く寒くありませんでした。
From:葉山海月
ネット通販で、「相手が待てる」最長時間は何日ぐらいだろ?
とふと思うのです。
From:中山将平
僕らFT書房は明日1月18日(日)、以下の2つのイベントにサークル参加します。
・「こみっくトレジャー47」
開催地:インテックス大阪
配置:【4号館D06a】
・「文学フリマ京都10」
開催地:京都市勧業館みやこめっせ
配置:【B-34】
また、僕個人はこの日「こみっくトレジャー47」にギルド黄金の蛙でもサークル参加しています。
配置は【4号館D05b】です。
これもしかすると、FT書房の隣かもしれません。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1/11(日)~1/16(金)の記事一覧
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026年1月11日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4736
本日は日曜日。アランツァクリーチャー事典の第24回をお届けします。
3回に渡ってお送りしてきた『家畜、騎乗生物』ですが、
今回は特別編として、従者としての【騎乗生物】をお送りします。
どの拠点でも購入可能な馬から、金貨135枚の【相棒】グリフォン、そして購入に条件がある騎乗カマキリなどなど……。
どうぞお楽しみ下さいませ。
(葉)
2026年1月12日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4737
スティーブ・クロンプトン来日レポート!
・2025年11月28日(金)、船で世界をまわっているというスティーブ・クロンプトンが大阪に来航しました!
大阪港で邂逅した杉本氏による第一印象は、「テキサスハットをかぶったイケおじ」。気さくに言葉を交わしての第二印象は「仕事のできる男」!
FT書房のメンバーやファンの皆さんを入れて、総勢10人以上がクロンプトンとパーティを組み、四天王寺で観光を楽しみました。
それから一行は難波でお寿司に舌鼓をうち、自由な交流の時間では二国間の「お土産」を交換。親密なやりとりを経て、場はさらなる盛り上がりへ!
集まってくれた人すべてに対して……ありがとうございました! この最高の一日の全容は、レポート本文にてお確かめください。
(明)
2026年1月13日(火)くろやなぎ FT新聞 No.4738
ゲームブックにおける死と物語 第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓
・先週の水曜日に、ぜろ氏による『ハンテッド・ガーデンハート』のリプレイ全3回が完結したところですが、今回の記事でご紹介するのは、同じ短編集に収録された『フィンガーセイバーの冒険』です。もともとは2015年のFT新聞に掲載された、冒険記録紙もサイコロも不要な、わずか25パラグラフのこの作品について、「ゲームのルール」「物語のテーマ」「パラグラフの構造」の3つの側面から改めて考察してみました。
お手元に『ハンテッド・ガーデンハート』をお持ちの方や、Kindleで過去のFT新聞が読める環境にある方は、ぜひ『フィンガーセイバーの冒険』をプレイされた上で、お読みいただければと思います。
(く)
2026年1月14日(水)ぜろ FT新聞 No.4739
第1回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第474回。今回からは、〈竜鍵諸島〉シリーズ以来のローグライクハーフリプレイとなる、『巨大樹の迷宮』のリプレイをお届けします。そのコンセプトは…ポケモン風ローグライクハーフ!
ゲームの中で「主人公」を務めるのは、サプリメント「ヒーローズオブダークネス」に登場する種族、〈妖狐〉のフォルネと〈魔猫〉のニャルラ。そしてリプレイ上の主人公(語り手)となる少年タイガは、まさかの「荷物持ち(戦わない従者)」!!
ローグライクハーフの「一人で遊べるTRPG」としての自由度を活かした、想像力あふれる楽しいリプレイの開幕です!!!
(く)
2026年1月15日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4740
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.40『汝、獣となれ人となれ』 その4
・児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによるTRPG小説リプレイをお届けしました。
冒険家乙女のクワニャウマとその相棒のエルフの少女イェシカは、昼の間ミソサザイになる呪いをかけられたコビットの冒険者クリスティと共に、彼女の呪いを解くカギを探しに〈太古の森〉に眠る遺跡を目指して探索中!
行く手を遮るは墳墓の不寝番、またもや罠、訳の分からぬ言葉を囁く祭司…夜の〈太古の森〉に響くのは、クワニャウマの悲鳴かそれとも…!
(天)
2026年1月16日(金)休刊日 FT新聞 No.4741
休刊日のお知らせ
・毎週金曜日は、読者から投稿された記事がここに入れるように、空けてある曜日です。
あなたの記事を、お待ちしております!
(葉)
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。
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(シミュさん)
「ゲームブックにおける死と物語 第3回」を拝読いたしました。ふと連想したのが、扶桑社版「バルサスの要塞」の帯にあった、水野良先生による推薦文。
「ゲームブックの醍醐味とは…
死ぬことと見つけたり!!」
という名惹句とともに、 デザイナーが周到に張り巡らせた失敗、デッドエンドにこそゲームブックの真の面白さがあり、小説ともRPGとも異なるゲームブックの魅力であると、力説されておられました。
(お返事:くろやなぎ)
お便りありがとうございます。扶桑社版のバルサスは未読なのですが、その惹句には、なぜかどこかで見覚えが…と思ってFT新聞のバックナンバーを探してみると、見つかりました!
丹野佑氏の連載『20代からのゲームブック』で「デッドエンド」がテーマになったとき(2014/2/26、No.412)に、まさにその水野氏の推薦文が、話の導入として引用されていたのでした。また、その週の『FT新聞1ウィーク!』(2014/3/1、No.415)では、当該記事に関する複数の読者の方からのお便りも掲載されており、デッドエンドに関する色々な角度からの見解を読むことができます。
Kindle書籍『FT新聞 2014年版』に掲載されていますので、よろしければぜひご覧になってください!
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成人の日は、我が家の近所は七福神巡りが催されて、人通りの多い日でした。
泉涌寺の塔頭だけで、七福神全て+愛染明王、楊貴妃観音と9つを巡れるので、お手軽な祭事です。
こういうの、ついファンタジーのシナリオだったらと考えてしまいますね。
From:明日槇悠
自転車で往復6時間のささやかな旅路。
まっすぐ行けそうな道でも電車に阻まれたり、大型店舗の迷路のような敷地に入り込んだり、方角が体感と違っていたり。
アドベンチャー気分のお供には、ヘルメットや防寒具といった装備品も大切! おかげで全く寒くありませんでした。
From:葉山海月
ネット通販で、「相手が待てる」最長時間は何日ぐらいだろ?
とふと思うのです。
From:中山将平
僕らFT書房は明日1月18日(日)、以下の2つのイベントにサークル参加します。
・「こみっくトレジャー47」
開催地:インテックス大阪
配置:【4号館D06a】
・「文学フリマ京都10」
開催地:京都市勧業館みやこめっせ
配置:【B-34】
また、僕個人はこの日「こみっくトレジャー47」にギルド黄金の蛙でもサークル参加しています。
配置は【4号館D05b】です。
これもしかすると、FT書房の隣かもしれません。
ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(明)=明日槇悠
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ
(水)=水波流
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■1/11(日)~1/16(金)の記事一覧
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2026年1月11日(日)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4736
本日は日曜日。アランツァクリーチャー事典の第24回をお届けします。
3回に渡ってお送りしてきた『家畜、騎乗生物』ですが、
今回は特別編として、従者としての【騎乗生物】をお送りします。
どの拠点でも購入可能な馬から、金貨135枚の【相棒】グリフォン、そして購入に条件がある騎乗カマキリなどなど……。
どうぞお楽しみ下さいませ。
(葉)
2026年1月12日(月)杉本=ヨハネ FT新聞 No.4737
スティーブ・クロンプトン来日レポート!
・2025年11月28日(金)、船で世界をまわっているというスティーブ・クロンプトンが大阪に来航しました!
大阪港で邂逅した杉本氏による第一印象は、「テキサスハットをかぶったイケおじ」。気さくに言葉を交わしての第二印象は「仕事のできる男」!
FT書房のメンバーやファンの皆さんを入れて、総勢10人以上がクロンプトンとパーティを組み、四天王寺で観光を楽しみました。
それから一行は難波でお寿司に舌鼓をうち、自由な交流の時間では二国間の「お土産」を交換。親密なやりとりを経て、場はさらなる盛り上がりへ!
集まってくれた人すべてに対して……ありがとうございました! この最高の一日の全容は、レポート本文にてお確かめください。
(明)
2026年1月13日(火)くろやなぎ FT新聞 No.4738
ゲームブックにおける死と物語 第3回:『フィンガーセイバーの冒険』における予知能力と死の教訓
・先週の水曜日に、ぜろ氏による『ハンテッド・ガーデンハート』のリプレイ全3回が完結したところですが、今回の記事でご紹介するのは、同じ短編集に収録された『フィンガーセイバーの冒険』です。もともとは2015年のFT新聞に掲載された、冒険記録紙もサイコロも不要な、わずか25パラグラフのこの作品について、「ゲームのルール」「物語のテーマ」「パラグラフの構造」の3つの側面から改めて考察してみました。
お手元に『ハンテッド・ガーデンハート』をお持ちの方や、Kindleで過去のFT新聞が読める環境にある方は、ぜひ『フィンガーセイバーの冒険』をプレイされた上で、お読みいただければと思います。
(く)
2026年1月14日(水)ぜろ FT新聞 No.4739
第1回【巨大樹の迷宮】ローグライクハーフリプレイ
・軽妙な語り口でお馴染みの、ぜろ氏のリプレイ第474回。今回からは、〈竜鍵諸島〉シリーズ以来のローグライクハーフリプレイとなる、『巨大樹の迷宮』のリプレイをお届けします。そのコンセプトは…ポケモン風ローグライクハーフ!
ゲームの中で「主人公」を務めるのは、サプリメント「ヒーローズオブダークネス」に登場する種族、〈妖狐〉のフォルネと〈魔猫〉のニャルラ。そしてリプレイ上の主人公(語り手)となる少年タイガは、まさかの「荷物持ち(戦わない従者)」!!
ローグライクハーフの「一人で遊べるTRPG」としての自由度を活かした、想像力あふれる楽しいリプレイの開幕です!!!
(く)
2026年1月15日(木)齊藤飛鳥 FT新聞 No.4740
齊藤飛鳥・小説リプレイvol.40『汝、獣となれ人となれ』 その4
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齊藤飛鳥・小説リプレイvol.40『汝、獣となれ人となれ』その4 FT新聞 No.4740
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.40
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〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
押忍、イェシカです。呪いを解く目的で意気込んで、〈太古の森〉のヴィンドランダ遺跡群へ冒険しに来たのに、金目の物をあさっている奴がいるんだ。旧き騎士と旧き剣との戦闘やガーゴイルとの戦闘で、ぼろぼろになってもだぜ! いやぁこの根性、冒険家だねぇ!
次回、「夜の遺跡群の探索、クワニャウマ一行の行く手に何が待つ?」
そこんとこ、よろしく。
あらすじに遊び心を入れてみようと試みたら、某男の道を魁よアニメの次回予告風になってしまいました。深く掘り下げたら負けなので、今回は『汝、獣となれ人となれ』リプレイその4です。
クリスティにかけられた、昼になるとミソサザイになる呪いを解くために繰り広げるヴィンドランダ遺跡群の冒険は、中間イベントを経てますます本格化していきます。
ところで、本作の頼もしい仲間であるクリスティですが、彼女には「彼女は冒険中に一度だけ〈宝物表〉を振るとき、その出目に1を足すことができる」という能力があります。
主人公が強欲設定なのに、〈宝物表〉のダイスの結果がふるわなくてしょっぱい収穫ばかりだったのですが、クリスティのおかげでとても久しぶりに魔法の宝物をゲットすることができました^^♪
今回の冒険は、クリスティに限らず仲間に恵まれていて、【アンデッド】【家畜】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれかのタグを持つクリーチャーは対魔法ロール判定に自動的に成功するが、それ以外は違うという敵に遭遇した際、猟犬の雷電、飛燕、月光は【家畜】で、イェシカは耳が聞こえないので、仲間のうち半数以上が自動成功。クワニャウマとクリスティだけロール判定をすればいいだけになったおかげで、とてもリスクが軽減されました。
キャラクターを考えるのが大変だからという怠惰な理由で従者に猟犬を選んだのですが、今回の冒険ではそれがよい方に転がる形となり、「今度からもっと戦略的に考えればさらにローグライクハーフを楽しめるじゃん!」と学習できました^^
ところで、冒険中に助けた兵士たちが従者になるエピソードがあるのですが、この時、クワニャウマの従者点がいっぱいだと思って従者にしませんでした。しかし、後で冒険メモを確認したところ、1点分空きがあるではありませんか! ここで従者を加えていたら、のちの展開に変化があった可能性が高かったので、ショックでした。何しろ、新たにプレイしても、ダイスの目次第で二度と同じ冒険はできないからです。主人公のステータス確認大事!ゼッタイ!と思いました><
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その4
齊藤(羽生)飛鳥
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
10:墳墓の不寝番
夕食を食べ終えた後、遺跡群の中の探索を再開した。
幾つもの角を曲がるうちに、わたしは妙に気になる玄室を見つけた。
「旧い墳墓か霊廟や」
クリスティが説明してくれる。中を覗くと、名も知らぬ神々の石像が建ち並ぶ奥に、ひやりとした暗がりが口を開けている。
「何かお宝があるかも!」
わたしが喜び勇んで暗がりに一歩足を踏み入れると、いくつもの紅い双眼がわたしたちを睨みつけてきた。
生臭い息と共にうなり声が聞こえたかと思うと、魔狼1匹と黒狼3匹が現れた。
「きばっていこうや!!」
クリスティは、両手に持った小剣で魔狼を斬りつける。
「やるじゃない、クリスティ! 黒狼にかじられているわたしとは大違いね!」
「あんた、何を盛大にやられとんの!? ワンコ、何をボケーっとしとるんや! あんたらの御主人様がおいしくいただかれかけとるやろ!!」
猟犬たちは、魔狼をクリスティにまかせて黒狼たちに飛びかかる。
その頃には、わたしはだいぶダメージを食らっていたので、かえる人の旅商人から買ったばかりの治療のポーションを使って回復を図る。
「しっかりしぃや、クワニャウマ!」
「おかげさまで復活! ここから反撃よ! 食らえ、古代の神槍!」
わたしは、魔狼めがけて古代の神槍を投擲する。
槍は、魔狼の腹に突き刺さる。
「ようやった!! これでとどめや!!」
クリスティは、魔狼へおどりかかると、小剣二刀流でとどめを刺す。
「これで魔狼は倒せた! 黒狼の方は?」
「ワンッ!」
猟犬たちが、黒狼の屍の前で勝ち誇った顔で一声鳴いた。
すると、玄室の片隅から声が聞こえてきた。
「奴らを倒したのか!?」
「助かった!」
「あんたたちは、命の恩人だよ!」
そこには、3人の兵士がいた。
「あんたたちもこの遺跡を探索していたの? ねえ、ここにお宝はあった?」
「いいや、あいにく」
「あったら、お礼にあんたらに捧げているよ」
「今、持ち合わせがないから、ただで従者になるよ」
「ただ!? あ……でも、食料がたりないからだめだ。くっ!! せっかくただの従者をゲットできるチャンスだったのに!! 猛烈に損した気分!!」
わたしがくやしがっていると、3人の兵士が気の毒なものを見るようにわたしを見てから、魔狼の死体をあさる。
「恩人さん、ほれ。これ」
「魔狼のへそくりだ」
「これを俺達からの謝礼と思って受け取ってくれよ」
兵士たちはそう言って、身代わりの依代と金貨30枚相当の小さな宝石を渡してくれた。
「おぉ! いいお宝じゃないの! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、ほんま単純やね」
クリスティが笑うと、イェシカも兵士たちもみんな笑った。いい笑顔をただでくれるとは、気のいい連中が集結してくれたものだ。
11:コビットの罠師
「身代わりの依代、さっき雷電に使って壊れちゃったから、新しいのが手に入ってよかったわ! これで、安心してこの先を進めるってもんよ! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、笑い声が邪悪って言われへんか?」
「ん? 故郷の村を出て冒険家になってからよく言われるわね」
「てことは、あんたの故郷の村の人たち、あんたの笑い方に疑問を抱かなかったちゅうことになるから、村人全員邪悪な笑い方をしとったの……?」
兵士たちと別れ、玄室を出た後、雑談をしながら進んでいると、足に嫌な感触が走った。
これは……。
「クワニャウマのアホー!! あんたまた罠にかかりよって! 少しは学習しいや!」
「面目ない……。でも、クリスティもイェシカも猟犬たちも無事でよかったわ」
「あんたが足元お留守なだけや!」
「ぐうの音も出ないわ……。でも、すぎたことをくよくよしていても誰も得しないから、罠を外してくれる?」
「そう言うても、この手の罠は下手にいじくりよると、別のしかけが出てくるかもしれんから、危のうてかなわんわ」
クリスティが、ぶつくさ文句を言いながらも罠の解除に取りかかる。
イェシカは、その手元が明るくなるようにランタンを照らす。ランタンの中から、か細い声で「出シテ……出シテ……」とリンネソウの妖精の声が聞こえたけど、気にしない。
「ちぇっ、なんでえ。間抜けな黒狼かと思ったのによ」
コビットの罠師が、ランタンを片手に暗闇から姿を現す。
一瞬、昼間会ったコビットの罠師かと思ったけれど、よく見たら昼間の罠師が右目の下にほくろがあったけど、こちらは左目の下にほくろがあるから別人だ。
すると、クリスティが勢いよく立ち上がった。
「フェルディ! あんた、フェルディブランド・バターカップやないの」
「なんだ、クリスティじゃねえか。この抜け作ども、お前の連れかよ?」
どうやらこの二人、顔見知りらしい。
「抜け作どもって、失礼じゃない? わたし一人しか罠に引っかかっているんだから、抜け作単品でいいでしょ?」
「なんでもいいから、はよ罠を外してもらえる? このままじゃ連れが頭に血が上ってくたばってしまうわ」
わたしの発言に、ツッコミを入れることなくクリスティは罠師と交渉を始める。スルーされるのは、ちょっと寂しいなぁ……。
「金貨5枚だ。それ以上はまからねえぜ」
わたしが財布を取ろうとすると、それより先にクリスティが、底意地悪い笑みを浮かべる。
「"仕込み骰子の"フェルディ。サンドヒーバー村の連中にあんたの居場所を話したって構わんねんで」
コビットの罠師はちっと舌打ちすると、手早くわたしがかかった罠を解除する。
「覚えてろよ、クリスティ」
「ウチは物覚えが悪うてな」
勝ち誇った笑顔で罠師を見送るクリスティの背中が、いつになく大きく見えた。
「クリスティ、あんたの値切りテクニック、すごく勉強になったわ!!」
「そやろそやろ!!」
本日二度目の罠だったけれど、一つ賢くなれた分だけお得だった。
12:旧き神の祭司
遺跡群の中で、まだ崩れていない建物を見つけたので、扉を開けてみた。
こちらは長い時を経て堆積した埃が舞い、鼻腔を刺激する。猟犬たちが、そろってくしゃみをした。
先がまるで見通せぬ薄暗い広間に、小さな篝火が点々と焚かれ、独特な香木の匂いがかすかに漂っているから、埃だけでなく香木の匂いのせいで、猟犬たちはくしゃみをしたのかもしれない。
「何や、ここ……」
「奥に祭壇と何かの偶像が置かれているみたいね」
揺らめく灯りに、奥にある祭壇と何かの偶像が怪しく照らし出される。
その時、暗闇のなかから不気味な足音と共に、ランタンを片手に持ったフードを被った人物が現れる。祭服を着ているから、祭司か何かか?
まったく理解できない言葉の羅列が、わたしの耳元に近づいてくる。
湿った足音とともに、やがてフードの奥から細長い首と魚めいた頭がのぞく。
奇怪な姿のその怪物は司教杖を片手に、舌をしるしると伸ばしてきた。
「あれはジャバウォックや。むっちゃあかん奴やから、関わり合いにならん方がええで」
「了解……て、まわりこまれた!」
せっかくクリスティに不審者情報を教えてもらったのに、まんまとジャバウォックに耳元を確保されてしまった!
「Twas brillig, and the slithy toves」
「え? 何語? あー……わからないから、こっちの言葉で話してくれる?」
「Did gyre and gimble in the wabe」
「話す気なしね。わかった。じゃあ、こっちも自分の言葉で話すから、いい?」
「All mimsy were the borogoves」
「今のはそれでいいと承諾したと見做すわ。じゃあ、質問。お宝の在処を知っていたら、教えてくれる?」
「And the mome raths outgrabe」
「知らないし、知っていたら自分が取りに行っているっつーの? そんな感じ?」
「……」
ジャバウォックは、面倒くさい者を見る目でわたしを一睨みしてから、足元に袋を放り投げる。
開けてみると、中から金貨が2枚入っていた。
「くれるの!? ありがとう!!」
顔を上げてお礼を言うも、そこにジャバウォックの姿はいなかった。
再び、奥の闇の中へ帰って行ってしまったらしい。
「逃げた……?」
「『あんたとは付き合いきれんわ』と思うたんやろ。ありがたいことやわ。あいつに見込みがあると思われたら最後、あいつと同じ訳の分からん言葉をしゃべって正気を失うっちゅう話でな。そういう意味で、あんたのおかげで、ウチらはうまくあいつから逃げられたわ」
「逃げたんだか、逃げられたんだかわからないけど、とりあえず金貨2枚得したことだけはわかったわ」
「うん。もうクワニャウマはその理解でええわ」
何かクリスティからジャバウォックと同じ目つきで見られたような気がした。
気のせい、かな……?
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
児童文学作家。推理作家。TRPG初心者。ゲームブックは児童向けの読書経験しかなかったところへ、『ブラマタリの供物』『傭兵剣士』などの大人向けのゲームブックと出会い、啓蒙され、その奥深さに絶賛ハマり中。最近は、そこにローグライクハーフが加わった。
現在『シニカル探偵安土真』シリーズ(国土社)を刊行中。2025年までに6巻が刊行中。
大人向けの作品の際には、ペンネームの羽生(はにゅう)飛鳥名義で発表し、2026年1月上旬に文庫版『歌人探偵定家』(東京創元社)が刊行決定。同年春には『歌人探偵定家 弐』(仮)が刊行予定。
初出:
本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
■書誌情報
ローグライクハーフd33シナリオ
『汝、獣となれ人となれ』
著 水波流
2025年9月7日FT新聞配信
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児童文学・ミステリ作家、齊藤飛鳥さんによる
TRPG小説リプレイ
Vol.40
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〜前回までのあらすじ、あるいはイェシカの日記より抜粋〜
押忍、イェシカです。呪いを解く目的で意気込んで、〈太古の森〉のヴィンドランダ遺跡群へ冒険しに来たのに、金目の物をあさっている奴がいるんだ。旧き騎士と旧き剣との戦闘やガーゴイルとの戦闘で、ぼろぼろになってもだぜ! いやぁこの根性、冒険家だねぇ!
次回、「夜の遺跡群の探索、クワニャウマ一行の行く手に何が待つ?」
そこんとこ、よろしく。
あらすじに遊び心を入れてみようと試みたら、某男の道を魁よアニメの次回予告風になってしまいました。深く掘り下げたら負けなので、今回は『汝、獣となれ人となれ』リプレイその4です。
クリスティにかけられた、昼になるとミソサザイになる呪いを解くために繰り広げるヴィンドランダ遺跡群の冒険は、中間イベントを経てますます本格化していきます。
ところで、本作の頼もしい仲間であるクリスティですが、彼女には「彼女は冒険中に一度だけ〈宝物表〉を振るとき、その出目に1を足すことができる」という能力があります。
主人公が強欲設定なのに、〈宝物表〉のダイスの結果がふるわなくてしょっぱい収穫ばかりだったのですが、クリスティのおかげでとても久しぶりに魔法の宝物をゲットすることができました^^♪
今回の冒険は、クリスティに限らず仲間に恵まれていて、【アンデッド】【家畜】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれかのタグを持つクリーチャーは対魔法ロール判定に自動的に成功するが、それ以外は違うという敵に遭遇した際、猟犬の雷電、飛燕、月光は【家畜】で、イェシカは耳が聞こえないので、仲間のうち半数以上が自動成功。クワニャウマとクリスティだけロール判定をすればいいだけになったおかげで、とてもリスクが軽減されました。
キャラクターを考えるのが大変だからという怠惰な理由で従者に猟犬を選んだのですが、今回の冒険ではそれがよい方に転がる形となり、「今度からもっと戦略的に考えればさらにローグライクハーフを楽しめるじゃん!」と学習できました^^
ところで、冒険中に助けた兵士たちが従者になるエピソードがあるのですが、この時、クワニャウマの従者点がいっぱいだと思って従者にしませんでした。しかし、後で冒険メモを確認したところ、1点分空きがあるではありませんか! ここで従者を加えていたら、のちの展開に変化があった可能性が高かったので、ショックでした。何しろ、新たにプレイしても、ダイスの目次第で二度と同じ冒険はできないからです。主人公のステータス確認大事!ゼッタイ!と思いました><
※以下、冒険の核心部分に触れる内容を含みますので、未読の方はご注意下さい。
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ローグライクハーフ
『汝、獣となれ人となれ』リプレイ
その4
齊藤(羽生)飛鳥
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10:墳墓の不寝番
夕食を食べ終えた後、遺跡群の中の探索を再開した。
幾つもの角を曲がるうちに、わたしは妙に気になる玄室を見つけた。
「旧い墳墓か霊廟や」
クリスティが説明してくれる。中を覗くと、名も知らぬ神々の石像が建ち並ぶ奥に、ひやりとした暗がりが口を開けている。
「何かお宝があるかも!」
わたしが喜び勇んで暗がりに一歩足を踏み入れると、いくつもの紅い双眼がわたしたちを睨みつけてきた。
生臭い息と共にうなり声が聞こえたかと思うと、魔狼1匹と黒狼3匹が現れた。
「きばっていこうや!!」
クリスティは、両手に持った小剣で魔狼を斬りつける。
「やるじゃない、クリスティ! 黒狼にかじられているわたしとは大違いね!」
「あんた、何を盛大にやられとんの!? ワンコ、何をボケーっとしとるんや! あんたらの御主人様がおいしくいただかれかけとるやろ!!」
猟犬たちは、魔狼をクリスティにまかせて黒狼たちに飛びかかる。
その頃には、わたしはだいぶダメージを食らっていたので、かえる人の旅商人から買ったばかりの治療のポーションを使って回復を図る。
「しっかりしぃや、クワニャウマ!」
「おかげさまで復活! ここから反撃よ! 食らえ、古代の神槍!」
わたしは、魔狼めがけて古代の神槍を投擲する。
槍は、魔狼の腹に突き刺さる。
「ようやった!! これでとどめや!!」
クリスティは、魔狼へおどりかかると、小剣二刀流でとどめを刺す。
「これで魔狼は倒せた! 黒狼の方は?」
「ワンッ!」
猟犬たちが、黒狼の屍の前で勝ち誇った顔で一声鳴いた。
すると、玄室の片隅から声が聞こえてきた。
「奴らを倒したのか!?」
「助かった!」
「あんたたちは、命の恩人だよ!」
そこには、3人の兵士がいた。
「あんたたちもこの遺跡を探索していたの? ねえ、ここにお宝はあった?」
「いいや、あいにく」
「あったら、お礼にあんたらに捧げているよ」
「今、持ち合わせがないから、ただで従者になるよ」
「ただ!? あ……でも、食料がたりないからだめだ。くっ!! せっかくただの従者をゲットできるチャンスだったのに!! 猛烈に損した気分!!」
わたしがくやしがっていると、3人の兵士が気の毒なものを見るようにわたしを見てから、魔狼の死体をあさる。
「恩人さん、ほれ。これ」
「魔狼のへそくりだ」
「これを俺達からの謝礼と思って受け取ってくれよ」
兵士たちはそう言って、身代わりの依代と金貨30枚相当の小さな宝石を渡してくれた。
「おぉ! いいお宝じゃないの! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、ほんま単純やね」
クリスティが笑うと、イェシカも兵士たちもみんな笑った。いい笑顔をただでくれるとは、気のいい連中が集結してくれたものだ。
11:コビットの罠師
「身代わりの依代、さっき雷電に使って壊れちゃったから、新しいのが手に入ってよかったわ! これで、安心してこの先を進めるってもんよ! ウィーッヒッヒッ! ウィーッヒッヒッ!」
「クワニャウマ、笑い声が邪悪って言われへんか?」
「ん? 故郷の村を出て冒険家になってからよく言われるわね」
「てことは、あんたの故郷の村の人たち、あんたの笑い方に疑問を抱かなかったちゅうことになるから、村人全員邪悪な笑い方をしとったの……?」
兵士たちと別れ、玄室を出た後、雑談をしながら進んでいると、足に嫌な感触が走った。
これは……。
「クワニャウマのアホー!! あんたまた罠にかかりよって! 少しは学習しいや!」
「面目ない……。でも、クリスティもイェシカも猟犬たちも無事でよかったわ」
「あんたが足元お留守なだけや!」
「ぐうの音も出ないわ……。でも、すぎたことをくよくよしていても誰も得しないから、罠を外してくれる?」
「そう言うても、この手の罠は下手にいじくりよると、別のしかけが出てくるかもしれんから、危のうてかなわんわ」
クリスティが、ぶつくさ文句を言いながらも罠の解除に取りかかる。
イェシカは、その手元が明るくなるようにランタンを照らす。ランタンの中から、か細い声で「出シテ……出シテ……」とリンネソウの妖精の声が聞こえたけど、気にしない。
「ちぇっ、なんでえ。間抜けな黒狼かと思ったのによ」
コビットの罠師が、ランタンを片手に暗闇から姿を現す。
一瞬、昼間会ったコビットの罠師かと思ったけれど、よく見たら昼間の罠師が右目の下にほくろがあったけど、こちらは左目の下にほくろがあるから別人だ。
すると、クリスティが勢いよく立ち上がった。
「フェルディ! あんた、フェルディブランド・バターカップやないの」
「なんだ、クリスティじゃねえか。この抜け作ども、お前の連れかよ?」
どうやらこの二人、顔見知りらしい。
「抜け作どもって、失礼じゃない? わたし一人しか罠に引っかかっているんだから、抜け作単品でいいでしょ?」
「なんでもいいから、はよ罠を外してもらえる? このままじゃ連れが頭に血が上ってくたばってしまうわ」
わたしの発言に、ツッコミを入れることなくクリスティは罠師と交渉を始める。スルーされるのは、ちょっと寂しいなぁ……。
「金貨5枚だ。それ以上はまからねえぜ」
わたしが財布を取ろうとすると、それより先にクリスティが、底意地悪い笑みを浮かべる。
「"仕込み骰子の"フェルディ。サンドヒーバー村の連中にあんたの居場所を話したって構わんねんで」
コビットの罠師はちっと舌打ちすると、手早くわたしがかかった罠を解除する。
「覚えてろよ、クリスティ」
「ウチは物覚えが悪うてな」
勝ち誇った笑顔で罠師を見送るクリスティの背中が、いつになく大きく見えた。
「クリスティ、あんたの値切りテクニック、すごく勉強になったわ!!」
「そやろそやろ!!」
本日二度目の罠だったけれど、一つ賢くなれた分だけお得だった。
12:旧き神の祭司
遺跡群の中で、まだ崩れていない建物を見つけたので、扉を開けてみた。
こちらは長い時を経て堆積した埃が舞い、鼻腔を刺激する。猟犬たちが、そろってくしゃみをした。
先がまるで見通せぬ薄暗い広間に、小さな篝火が点々と焚かれ、独特な香木の匂いがかすかに漂っているから、埃だけでなく香木の匂いのせいで、猟犬たちはくしゃみをしたのかもしれない。
「何や、ここ……」
「奥に祭壇と何かの偶像が置かれているみたいね」
揺らめく灯りに、奥にある祭壇と何かの偶像が怪しく照らし出される。
その時、暗闇のなかから不気味な足音と共に、ランタンを片手に持ったフードを被った人物が現れる。祭服を着ているから、祭司か何かか?
まったく理解できない言葉の羅列が、わたしの耳元に近づいてくる。
湿った足音とともに、やがてフードの奥から細長い首と魚めいた頭がのぞく。
奇怪な姿のその怪物は司教杖を片手に、舌をしるしると伸ばしてきた。
「あれはジャバウォックや。むっちゃあかん奴やから、関わり合いにならん方がええで」
「了解……て、まわりこまれた!」
せっかくクリスティに不審者情報を教えてもらったのに、まんまとジャバウォックに耳元を確保されてしまった!
「Twas brillig, and the slithy toves」
「え? 何語? あー……わからないから、こっちの言葉で話してくれる?」
「Did gyre and gimble in the wabe」
「話す気なしね。わかった。じゃあ、こっちも自分の言葉で話すから、いい?」
「All mimsy were the borogoves」
「今のはそれでいいと承諾したと見做すわ。じゃあ、質問。お宝の在処を知っていたら、教えてくれる?」
「And the mome raths outgrabe」
「知らないし、知っていたら自分が取りに行っているっつーの? そんな感じ?」
「……」
ジャバウォックは、面倒くさい者を見る目でわたしを一睨みしてから、足元に袋を放り投げる。
開けてみると、中から金貨が2枚入っていた。
「くれるの!? ありがとう!!」
顔を上げてお礼を言うも、そこにジャバウォックの姿はいなかった。
再び、奥の闇の中へ帰って行ってしまったらしい。
「逃げた……?」
「『あんたとは付き合いきれんわ』と思うたんやろ。ありがたいことやわ。あいつに見込みがあると思われたら最後、あいつと同じ訳の分からん言葉をしゃべって正気を失うっちゅう話でな。そういう意味で、あんたのおかげで、ウチらはうまくあいつから逃げられたわ」
「逃げたんだか、逃げられたんだかわからないけど、とりあえず金貨2枚得したことだけはわかったわ」
「うん。もうクワニャウマはその理解でええわ」
何かクリスティからジャバウォックと同じ目つきで見られたような気がした。
気のせい、かな……?
(続く)
∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
齊藤飛鳥:
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本リプレイはFT新聞が初出の書き下ろしです。
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